(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】モジュール式トレッドを有するタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/00 20060101AFI20231027BHJP
B60C 7/24 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
B60C7/00 H
B60C7/24
(21)【出願番号】P 2021574331
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 US2020034524
(87)【国際公開番号】W WO2020256895
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-14
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェイフル、ケヴィン イー.
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-091453(JP,A)
【文献】特開2017-081281(JP,A)
【文献】特開2009-234361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0211677(US,A1)
【文献】特開2018-039479(JP,A)
【文献】特表2019-506319(JP,A)
【文献】特表平08-506549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 7/00-7/28
B60B 9/02-9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリであって、
第2の環状タイヤモジュールと同軸の第1の環状タイヤモジュールを含む、複数の環状タイヤモジュールを有する非空気圧式タイヤであって、
前記第1の環状タイヤモジュールが、第1の内側リングと、第1の外側リングと、前記第1の内側リングと前記第1の外側リングとの間に延在する第1の支持構造と、前記第1の外側リングの周りに延在する第1の周方向トレッドと、を含み、
前記第2の環状タイヤモジュールが、第2の内側リングと、第2の外側リングと、前記第2の内側リングと前記第2の外側リングとの間に延在する第2の支持構造と、前記第2の外側リングの周りに延在する第2の周方向トレッドと、を含み、
前記第1の周方向トレッドが、第1のトレッドパターンを有し、前記第2の周方向トレッドが、前記第1のトレッドパターンとは異なる第2のトレッドパターンを有する、非空気圧式タイヤと、
前記第1の内側リング及び前記第2の内側リング
が軸方向にスライド可能に嵌合する外側環状面を有するリムと、
前記リムに
前記軸方向にスライド可能に嵌合するスペーサリングと、を備え、
前記スペーサリングが、前記第1の環状タイヤモジュールと前記第2の環状タイヤモジュールとの間に配置されることで、前記第1の環状タイヤモジュールが、前記第2の環状タイヤモジュールから軸方向に離間され
、
前記リムが、第1の軸方向端部にフランジを有し、前記リムアセンブリが、ロックリングが前記リムに前記軸方向にスライド可能に嵌合した後に前記リムの第2の軸方向端部に固定される前記ロックリングを更に備え、前記第1の環状タイヤモジュール及び前記第2の環状タイヤモジュールが前記フランジと前記ロックリングとの間に配設されるようになっている、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の内側リングの内面が、第1の複数の軸方向隆起部を画定する第1の複数の軸方向溝を有し、
前記第2の内側リングの内面が、第2の複数の軸方向隆起部を画定する第2の複数の軸方向溝を有し、
前記リムの前記外側環状面は、第3の複数の軸方向隆起部を画定する第3の複数の軸方向溝を有し、
前記第3の複数の軸方向溝が、前記第1の複数の軸方向隆起部の断面幾何学形状及び前記第2の複数の軸方向隆起部の断面幾何学形状に対応する断面幾何学形状を有し、
前記第3の複数の軸方向隆起部が、前記第1の複数の軸方向溝の断面幾何学形状及び前記第2の複数の軸方向溝の断面幾何学形状に対応する断面幾何学形状を有する、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の環状タイヤモジュールが、第1の直径を有し、
前記第2の環状タイヤモジュールが、前記第1の直径に実質的に等しい第2の直径を有し、
前記スペーサリングは、第1の直径よりも小さく、かつ第2の直径よりも小さい第3の直径を有する、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリ
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ用のタイヤ及びリムアセンブリに関し、タイヤは複数の構成要素を有する。より具体的には、本開示は、モジュール式構成要素を有する非空気圧式タイヤのためのタイヤ及びリムアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする様々なタイヤの構造が開発されている。非空気圧式タイヤは膨張を必要としないが、「ランフラットタイヤ」は、パンクし、加圧空気の完全又は部分的な喪失を経験した後で、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気圧式タイヤは、複数のスポーク、ウェビング、又はインナーリングをアウターリングに接続する他の支持構造体を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在の取り付け方法では、非空気圧式タイヤはリムに取り付けられ、接着剤で固定され、リム又はタイヤに損傷を与えることなくリムをタイヤから取り外すことが困難である。リムがタイヤから取り外される場合、リムから残りの接着剤を除去することは困難である。したがって、タイヤがその寿命の終わりに達すると、リムを回復することはリソース集中的又は高価であり得る。タイヤ及びタイヤ設計が大きくなると、再利用不能なリムのコストも増加する。
【0004】
一実施形態では、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリは、複数の環状タイヤモジュールを有する非空気圧式タイヤを含む。非空気圧式タイヤは、第2の環状タイヤモジュールと同軸の第1の環状タイヤモジュールを有する。第1の環状タイヤモジュールは、第1の内側リングと、第1の外側リングと、第1の内側リングと第1の外側リングとの間に延在する第1の支持構造と、第1の外側リングの周りに延在する第1の周方向トレッドと、を含む。第2の環状タイヤモジュールは、第2の内側リングと、第2の外側リングと、第2の内側リングと第2の外側リングとの間に延在する第2の支持構造と、第2の外側リングの周りに延在する第2の周方向トレッドと、を含む。第1の周方向トレッドは、第1のトレッドパターンを有し、第2の周方向トレッドは、第1のトレッドパターンとは異なる第2のトレッドパターンを有する。非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリはまた、第1の内側リング及び第2の内側リングと係合する外側環状面を有するリムを含む。
【0005】
別の実施形態では、タイヤ及びリムアセンブリを組み立てる方法は、複数の環状タイヤモジュールを提供するステップを含む。各環状タイヤモジュールは、内側リングと、外側リングと、内側リングと外側リングとの間に延在する支持構造と、外側リングの周りに延在する周方向トレッドとを有する。この方法は、リムを提供し、複数の環状タイヤモジュールから第1の環状タイヤモジュールを選択し、第1の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせるステップを更に含む。この方法はまた、複数の環状タイヤモジュールから第2の環状タイヤモジュールを選択し、第2の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせるステップを含む。この方法は、ロックリングを提供し、ロックリングをリム上にスライドさせるステップを更に含む。
【0006】
更に別の実施形態では、モジュール式非空気圧タイヤは、第1の環状タイヤモジュールと、第1の環状タイヤモジュールと同軸の第2の環状タイヤモジュールと、を含む。第1の環状タイヤモジュールは、第1の内側リングと、第1の内側リングと同軸の第1の外側リングと、第1の内側リングと第1の外側リングとの間に延在する第1の支持構造と、第1の外側リングの周りに延在する第1の周方向トレッドと、を含む。第2の環状タイヤモジュールは、第2の内側リングと、第2の内側リングと同軸の第2の外側リングと、第2の内側リングと第2の外側リングとの間に延在する第2の支持構造と、第2の外側リングの周りに延在する第2の周方向トレッドと、を含む。第1及び第2の円周トレッドは非対称である。第1の周方向トレッドは、第1の配向を有し、第2の周方向トレッドは、第1の配向とは異なる第2の配向を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面では、以下の詳細な説明と共に、特許請求される本発明の例示的実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素は、多数の構成要素に置き換えられ得、多数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素に置き換えられ得ることが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
【0008】
【
図1】
図1は、非空気圧式タイヤ及びホイールアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【0009】
【
図2】
図2は、
図1の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの正面図である。
【0010】
【
図3A】
図3Aは、
図1の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの概略断面図である。
【
図3B】
図3Bは、
図1の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの概略断面図である。
【0011】
【
図4A】
図4Aは、環状タイヤモジュールの一実施形態の分解斜視図である。
【0012】
【
図4B】
図4Bは、環状タイヤモジュールの代替的な実施形態の斜視図である。
【0013】
【0014】
【
図6】
図6は、タイヤ及びリムアセンブリの一実施形態の部分断面図である。
【0015】
【
図7】
図7は、タイヤ及びリムアセンブリの一実施形態の分解破断図である。
【0016】
【
図8A】
図8Aは、環状タイヤモジュール用の例示的なトレッドの部分正面図である。
【
図8B】
図8Bは、環状タイヤモジュール用の例示的なトレッドの部分正面図である。
【
図8C】
図8Cは、環状タイヤモジュール用の例示的なトレッドの部分正面図である。
【0017】
【
図9A】
図9Aは、2つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【
図9B】
図9Bは、2つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【
図9C】
図9Cは、2つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【
図9D】
図9Dは、2つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【0018】
【
図10A】
図10Aは、3つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【
図10B】
図10Bは、3つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【
図10C】
図10Cは、3つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【0019】
【
図11A】
図11Aは、4つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【
図11B】
図11Bは、4つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び
図2は、それぞれ、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリ100の一実施形態の斜視図及び正面図を提供する。アセンブリ100は、第2の環状タイヤモジュール110bと同軸の第1の環状タイヤモジュール110aを有する非空気圧式タイヤ105を含む。環状タイヤモジュール110a、bは、リム115に取り付けられている。2つの環状タイヤモジュールが図示の実施形態に示されているが、代替の実施形態は、3つ以上のタイヤモジュールを含み得る。
【0021】
第1の環状タイヤモジュール110aは第1の周方向トレッド120aを含み、第2の環状タイヤモジュール110bは第2の周方向トレッド120bを含む。各周方向トレッド120a、bは、溝、リブ、ブロック、ラグ、及びサイプなどのトレッド要素からなるトレッドパターンを含む。図示の実施形態に示されるトレッドパターンは、単なる例示である。図示の実施形態では、第1の周方向トレッド120aのトレッドパターンは、第2の周方向トレッド120bのトレッドパターンと実質的に同じであり、トレッドは、反対の向きに整列されている。代替の実施形態では、第1の周方向トレッドのトレッドパターンは、第2の周方向トレッドのトレッドパターンと実質的に同じであり、トレッドは、同じ配向で整列されている。別の代替の実施形態では、第1及び第2の周方向トレッドは、異なるトレッドパターンを有する。
【0022】
図示の実施形態では、第1及び第2の周方向トレッド120a、120bは、非対称トレッドパターンを有する。代替の実施形態では、第1及び第2の周方向トレッドの一方又は両方は、対称的なトレッドパターンを有する。
【0023】
図示の実施形態では、第1の環状タイヤモジュール110aは、第2の環状タイヤモジュール110bから軸方向に離間されている。代替の実施形態では、第1の環状タイヤモジュールは、第2の環状タイヤモジュールと接触している。
【0024】
環状タイヤモジュールの間隔を空けることは、
図3A及び
図3Bの概略断面図に示すように、いくつかの利点を有し得る。環状タイヤモジュール110a、bの間隔を空けることは、広いフットプリント安定性を維持しながら、タイヤ105の質量を減少させる。更に、
図3Aに示されるように、タイヤ105がコーナリングしているとき、第1の環状タイヤモジュール110aにおける外側の力は、第2の環状タイヤモジュール110bにおける内側の力から隔離されているので、第1の環状タイヤモジュール110aは、第2の環状タイヤモジュール110bとは異なる大きさだけ撓む。
図3Bに示すように、環状タイヤモジュール110a、bの間隔を空けることは、改善された空気流Aを可能にし、その結果、タイヤが回転するときにタイヤ105の改善された冷却を生じる。加えて、環状タイヤモジュール110a、bの間隔を空ける結果、タイヤのフットプリントにおけるより高い接触圧を生じ、これは、タイヤ105が水Wと接触したときにハイドロプレーニングを減じる。
【0025】
環状タイヤモジュールの追加的な詳細が、
図4A及び
図4Bに示されている。
図4Aは、環状タイヤモジュール200の一実施形態の分解斜視図であり、
図4Bは、環状タイヤモジュール300の別の実施形態の斜視図である。いくつかの詳細は、環状タイヤモジュール200と環状タイヤモジュール300とで異なる。例えば、環状タイヤモジュール200は、環状タイヤモジュール300とは異なるトレッドパターンを有する。しかしながら、タイヤモジュール200、300の基本的な構成要素は実質的に同じである。
【0026】
各タイヤモジュール200、300は、内側リング210、310と、外側リング220、320と、内側リング210、310と外側リング220、320との間に延在する支持構造230、330とを含む。図示の実施形態では、内側リング210、310の内面及び外側リング220、320の外面の両方は平滑な表面である。代替の実施形態では、これらの表面のうちの1つ以上は、溝、リブ、又は他の特徴を含み得る。
【0027】
図示の実施形態では、支持構造体230、330は、ウェブである。代替的な実施形態(図示せず)では、支持構造体は、複数のスポークを含む。別の代替の実施形態(図示せず)では、支持構造は、ソリッド構造である。
【0028】
一実施形態では、内側リング210、310、外側リング220、320、及び支持構造230、330は、同じ材料で構成される。代替の実施形態では、内側リング210、310、外側リング220、320、及び支持構造230、330は、異なる材料で構成されている。例示的な材料は、ポリマー材料及び金属を含む。内側リング210、310、外側リング220、320、及び支持構造230、330のうちの1つ以上は、補強材を含み得る。
【0029】
周方向トレッド240、340は、外側リング220、320の周りに延在する。周方向トレッド240、340は、剪断バンドなどの剪断要素を含み得る。あるいは、せん断層は、周方向トレッドと外側リングとの間に配置され得る。
【0030】
上で説明されたように、周方向トレッドは、溝、リブ、ブロック、ラグ、及びサイプなどのトレッド要素からなるトレッドパターンを含む。周方向トレッド240、340は、接着剤によって外側リング220、320に取り付けられ得る。あるいは、周方向トレッド240、340は、硬化などによる結合プロセスによって、外側リング220、320に取り付けられ得る。代替の実施形態では、別個の周方向トレッドが省略され、トレッドパターンが代わりに外側リングに直接形成される。
【0031】
図示の実施形態では、内側フープ250、350が内側リング210、310に取り付けられる。内側フープ250、350の内面は、複数の軸方向隆起部270、370を画定する複数の軸方向溝260、360を有する。溝260、360及び隆起部270、370は、長方形、台形、三角形、又は丸みを帯びたプロファイルを有し得る。あるいは、溝及び隆起部は、任意の幾何学的形状を形成し得る。一実施形態では、各溝260、360は同じ形状を有し、各隆起部270、370は同じ形状を有する。代替の実施形態では、形状は変化し得る。
【0032】
内側フープ250、350は、金属又はポリマー材料で構成され得る。内側フープ250、350はまた、補強材を含み得る。一実施形態では、内側フープ250、350は、内側リング210、310と同じ材料で構成されている。代替の実施形態では、内側フープ250、350及び内側リング210、310は、異なる材料で構成されている。
【0033】
内側フープ250、350は、接着剤によって内側リング210、310に取り付けられ得る。あるいは、内側フープ250、350は、硬化などによる結合プロセスによって内側リング210、310に取り付けられ得る。代替の実施形態では、別個の内側フープは省略され、軸方向の溝及び隆起部は、代わりに内側リングの内面に直接形成される。
【0034】
図5は、リム400の一実施形態の斜視図を示す。
図1のリム115は、
図5のリム400の同じ特徴を共有し得るか、又は、以下で考察される様式のいずれかにおいて、設計から逸脱し得る。
【0035】
リム400は、環状タイヤモジュールの内面に係合するように構成された外側環状面を有する。例えば、リム400の外側環状表面は、第1の内側リング及び第2の内側リングの内面、又は第1の内側フープ及び第2の内側フープの内面と係合し得る。図示の実施形態では、リム400の外側環状表面は、複数の軸方向隆起部420を画定する複数の軸方向溝410を有する。溝410及び隆起部420は、長方形、台形、三角形、又は丸みを帯びたプロファイルを有し得る。あるいは、溝及び隆起部は、任意の幾何学的形状を形成し得る。一実施形態では、各溝410は同じ形状を有し、各隆起部420は同じ形状を有する。代替の実施形態では、形状は変化し得る。別の代替実施形態では、リムアセンブリの外側環状表面は、滑らかな表面である。更に別の代替の実施形態では、リムは、穿孔されている。
【0036】
図示の実施形態では、リム400は、第1の軸方向端部においてフランジ430を有する。リム400の第2の軸方向端部はフランジを有さない。フランジ420の直径は、その周囲で変化している。代替の実施形態では、フランジは、一貫した直径を有する。別の代替実施形態では、リムのどちらの端部もフランジを有さない。
【0037】
図6は、
図5のリム400及び環状タイヤモジュール600を含むタイヤ及びリムアセンブリ500の一実施形態の部分断面図である。環状タイヤモジュール600は、上述の環状タイヤモジュール110a、110b、200、300の1つと実質的に同じであり得るか、又はそれらの設計から逸脱し得る。環状タイヤモジュール600の内面は、複数の軸方向隆起部620を画定する複数の軸方向溝610を含む。
【0038】
この図から分かるように、リム400の溝410の形状は、環状タイヤモジュール600の内面の隆起部620の形状に対応する。同様に、リム400の隆起部420の形状は、環状タイヤモジュールの内面における溝610の形状に対応する。したがって、タイヤモジュール600は、リム400上にスライドし得る。潤滑剤は、リム400及び環状タイヤモジュール600の組み立てを支援するために、表面のうちの1つ以上に適用され得る。
【0039】
任意の数の環状タイヤモジュールがリム上に配置され得る。例えば、
図7は、タイヤ及びリムアセンブリの一実施形態の分解破断図である。リム400及び4つの環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dを含むタイヤ及びリムアセンブリ700の一実施形態の分解破断図である。各環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dは、上述の様式でリム400の隆起部420及び溝410に対応する溝720及び隆起部730を備える内面を有する。各環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの溝720及び隆起部730は、他の環状タイヤモジュールのものと実質的に同じ幾何学的形状を有する。
【0040】
図示の実施形態では、4つの環状タイヤモジュールの各々710a、710b、710c、710dは、実質的に同じ直径、同じ軸方向幅、及び実質的に同じ支持構造740を有する。代替の実施形態では、環状タイヤモジュールのうちの1つ以上は、異なる直径を有し得る。別の代替の実施形態では、環状タイヤモジュールのうちの1つ以上は、異なる軸方向幅を有し得る。更に別の代替の実施形態では、環状タイヤモジュールのうちの1つ以上は、異なる支持構造を有し得る。例えば、1つ以上の環状タイヤモジュールの支持構造は、他の環状タイヤモジュールとは異なる材料で構成され得る。別の例として、1つ以上の環状タイヤモジュールの支持構造の幾何学的形状は、他の環状タイヤモジュールの幾何学的形状とは異なり得る。1つの特定の例では、環状タイヤモジュールのうちの1つは、支持構造としてスポークを有し、一方、他の環状タイヤモジュールは、ウェビングを有する。
【0041】
各環状タイヤモジュールの直径及び支持構造は、タイヤのフットプリント及び性能を調整するように選択され得る。例えば、タイヤの特定の部分が他の部分よりも高い剛性を有することが望まれ得る。同様に、タイヤの特定の部分がより大きな直径を有することが望まれ得る。そのような要因は、組み立てられたタイヤの性能に影響を及ぼし得る。組み立てられたタイヤの所望の特性は、タイヤ上の負荷、並びに温度及び降水量を含む走行条件などの他の要因に依存し得る。したがって、ユーザは、タイヤモジュールを選択し、得られたタイヤの所望の特性に従ってタイヤを組み立て得る。
【0042】
図示の実施形態では、外側環状タイヤモジュール710a及び710dは、同じ第1の周方向トレッドパターン750aを有し、内側環状タイヤモジュール710b、710cは、同じ第2の周方向トレッドパターン750bを有する。この実施形態では、外側環状タイヤモジュール710a及び710dは、第1の周方向トレッドパターン750aが反対向きに配向されるようにリム400上に配置されている。代替の実施形態では、外側環状タイヤモジュールは、第1の周方向トレッドパターンが同じ方向に配向されるようにリム上に配置されている。他の代替的な実施形態では、トレッドパターンは、任意の組み合わせで変化し得る。
【0043】
複数のスペーサリング760もリム400上に配置されている。各スペーサリング760は、複数の軸方向隆起部780を画定する複数の軸方向溝770を含む。スペーサリング760の軸方向溝770及び軸方向隆起部780は、環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの軸方向溝720及び軸方向隆起部730と実質的に同じであり、これにより、スペーサリング760は、環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dと同じ様式でリム400上にスライドすることができる。各スペーサリング760の直径は、各環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの直径よりも小さい。
【0044】
示された実施形態では、各スペーサリング760は、同じ軸方向幅を有する。スペーサリング760は、環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの各対の間に配置されており、これにより、環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの各々が、最も近い環状タイヤモジュールから離間されている。代替の実施形態では、異なる軸方向幅のスペーサリングが用いられ得る。更に、スペーサリングは、いくつかの環状タイヤモジュール間で省略されてもよく、したがって、環状タイヤモジュールが互いに接触することを可能にする。スペーサリングの数及び幅は、組み立てられたタイヤの性能を調整するように選択され得る。
【0045】
タイヤ及びリムアセンブリ700は、リム400の第1の軸方向端部におけるフランジ430とは反対側での、リム400の第2の軸方向端部に配置されたロックリング790を更に含む。ロックリング790は、複数の軸方向隆起部794を画定する複数の軸方向溝792を含む。ロックリング790の軸方向溝792及び軸方向隆起部794は、環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの軸方向溝720及び軸方向隆起部730と実質的に同じであり、これにより、スペーサリング790は、環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dと同じ様式でリム400上にスライドすることができる。ロックリング790の直径は、各環状タイヤモジュール710a、710b、710c、710dの直径よりも小さい。ロックリング790の直径は可変であり得、これにより、ロックリング790は締め付けられ、リム400の第2の軸方向端部で所定の位置に固定されたままであることができる。代替的に、ロックリングは、リム400の第2の軸方向端部に圧着、接着、又は他の方法で結合され得る。結合方法の例は、ろう付け、溶接、又は化学結合を含む。別の代替として、ボルト又はねじなどの機械的締結具は、ロックリングの穴を通って延在し、リムのねじ穴と係合して、ロックリムを所定の位置にロックし得る。
【0046】
ロックリング790は、一時的又は恒久的な様式で、リム400の第2の軸方向端部に固定され得る。ロックリング790が一時的な様式でリム400の第2の軸方向端に固定される場合、タイヤ及びリムアセンブリ700は必要に応じて分解され得る。そのような実施形態では、タイヤモジュール及びスペーサリングのうちの1つ以上は、交換又は再配置され得、タイヤ及びリムアセンブリは、次いで、異なる配向で組み立てられ得る。
【0047】
リムがいずれかの端部にフランジを含まない実施形態では、2つのロックリングが用いられ得る。第1のロックリムは、リムの第1の軸方向端部にロックされ、第2のロックリムは、リムの第2の軸方向端部にロックされる。
【0048】
図4~
図7に示された実施形態では、リムの外面及び環状タイヤモジュールの内面、スペーサリング、及びロックリング上の隆起部及び溝の全てが軸方向に延在する。代替の実施形態(図示せず)では、隆起部及び溝は、螺旋状又は螺旋形状であり得る。そのような溝及び隆起は、「旋条を付けられた」溝と称され得る。リム、タイヤモジュール、スペーサリング、及びロックリングの隆起部及び溝の方向は、タイヤモジュール、スペーサリング、及びロックリングがリム上にねじれ得るように、互いに対応するであろう。
【0049】
上述のように、タイヤモジュール上に様々な異なるトレッドパターンが用いられ得る。各トレッドパターンは、湿潤状態、乾燥条件、又は雪条件などの異なる条件下で異なる性能を示し得る。各トレッドパターンの剛性も異なり得る。したがって、特定のトレッドパターンが、特定の条件での端部のためにより望ましくあり得、他のトレッドパターンが、特定の条件でのタイヤの中央部分のためにより望ましくあり得る。
図8A~
図8Cは、環状タイヤモジュールのための例示的なトレッドの部分正面図である。これらの例は、限定的であることを意図しない。トレッドパターンは、任意の数の形態式で変化し得ることを理解されたい。
【0050】
図8Aは、ソリッドリブタイヤトレッド800aの一例を示す。ソリッドリブタイヤトレッド800aは、第1のリブ820a及び第2のリブ830aを画定する周方向溝810aを含む。第1のリブ820aは、第1のリブ820aの全体を横切って横方向に延在する第1の複数のサイプ840aを有する。第2のリブ830aは、第2のリブ830a内に横方向に部分的に延在する第2の複数のサイプ850aを有する。第1及び第2のリブ820a、830aの両方は、直線状の側壁を有する。
【0051】
図8Bは、ハイブリッドリブタイヤトレッド800bの一例を示す。ハイブリッドリブタイヤトレッド800bは、第1のリブ820b及び第2のリブ830bを画定する周方向溝810bを含む。図示の実施形態では、第1のリブ820bは、第1のリブ820b内に横方向に部分的に延在する第1の複数のサイプ840bを有する。第2のリブ830bは、第2のリブ830aを複数のブロックに分割する複数の横方向溝850bを有する。各ブロックは、ブロックを横切って横方向に延在する一対のジグザグサイプ860bを有する。第1及び第2のリブ820b、830bの両方は非線形側壁を有する。
【0052】
図8Cは、ブロックされたリブタイヤトレッド800cの一例を示す。ブロックされたリブタイヤトレッド800cは、第1のリブ820c及び第2のリブ830cを画定する周方向溝810cを含む。周方向溝810cは、ジグザグ構成でトレッドの周りに延在する。図示の実施形態では、第1のリブ820cは、第1のリブ820cを第1の複数のブロックに分割する第1の複数の横方向溝840cを有する。第1の複数のブロックの各々は、ブロックを横切って横方向に延在する一対のジグザグサイプ850cを有する。第2のリブ830cは、第2のリブ830cを第2の複数のブロックに分割する複数の横方向溝860cを有する。第2の複数のブロックの各々は、ブロックを横切って横方向に延在する一対のジグザグサイプ870cを有する。第1のリブ820cは非線形側壁を有し、第2のリブ830cは線状側壁を有する。
【0053】
図8A~
図8Cに示された各々の例示的なトレッドパターンは、2つのリブを画定する単一の周方向溝を有するトレッドパターンを示すが、任意の数の溝及びリブが使用され得ることを理解されたい。例えば、3つ以上のリブを備えたより広いタイヤモジュールを提供することが望まれ得る。また、単一のリブを備えたより狭いタイヤモジュールを提供することが望まれ得る。
【0054】
本明細書に記載のタイヤモジュール及びリムは、それらが任意の数の望ましい組み合わせで組み立てられ得るように、モジュール式である。
図8A~
図8Cに提供された3つの例示的なトレッドパターンを使用して、
図9~
図11は、形成することができる異なる組み合わせのうちのいくつかを示す。
図8A~
図8Cの同じ名称及び参照番号が、
図9~
図11において便宜上使用される。例示される組み合わせは限定的ではなく、任意の数のトレッドパターンを任意の望ましい組み合わせとして組み立てることができることを理解されたい。
【0055】
図9A~
図9Dは、2つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
図9Aは、各々がソリッドリブタイヤトレッド800aを有する第1及び第2の環状タイヤモジュール910a及び920aで構成された非空気圧式タイヤ900aの一実施形態を例示する。第1及び第2の環状タイヤモジュール910a及び920aは、第1の環状タイヤモジュール910aの第1のリブ820aが第2の環状タイヤモジュール920aの第1のリブ820aに隣接するように、反対の向きで離間されている。したがって、第1及び第2の環状タイヤモジュール910a、920aの第2のリブ830aは、非空気圧式タイヤ900aの外側リブを形成する。代替の実施形態(図示せず)では、第1及び第2の環状タイヤモジュールは、第1の環状タイヤモジュールの第2のリブが第2の環状タイヤモジュールの第2のリブに隣接するように逆にされ、第1及び第2の環状タイヤモジュールの第1のリブは、非空気圧式タイヤの外側リブを形成する。別の代替の実施形態では、第1及び第2の環状タイヤモジュールは、同じ方向に配向される。
【0056】
図9Bは、各々がブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第1及び第2の環状タイヤモジュール910b及び920bで構成された非空気圧式タイヤ900bの代替実施形態を示す。第1及び第2の環状タイヤモジュール910b及び920bは、第1の環状タイヤモジュール910bの第2のリブ830cが第2の環状タイヤモジュール920bの第1のリブ830cに隣接するように、反対の向きで離間されている。したがって、第1及び第2の環状タイヤモジュール910b、920bの第1のリブ820cは、非空気圧式タイヤ900bの外側リブを形成する。代替の実施形態(図示せず)では、第1及び第2の環状タイヤモジュールは、第1の環状タイヤモジュールの第1のリブが第2の環状タイヤモジュールの第1のリブに隣接するように逆にされ、第1及び第2の環状タイヤモジュールの第2のリブは、非空気圧式タイヤの外側リブを形成する。別の代替の実施形態では、第1及び第2の環状タイヤモジュールは、同じ方向に配向される。
【0057】
図9Cは、各々がハイブリッドリブタイヤトレッド800bを有する第1及び第2の環状タイヤモジュール910c及び920cで構成された非空気圧式タイヤ900cの別の代替実施形態を示す。第1及び第2の環状タイヤモジュール910c及び920cは、第1の環状タイヤモジュール910cの第2のリブ820bが第2の環状タイヤモジュール910cの第1のリブ820bに隣接するように、反対の向きで離間されている。したがって、第1及び第2の環状タイヤモジュール910c、920cの第2のリブ830bは、非空気圧式タイヤ900cの外側リブを形成する。別の代替の実施形態では、第1及び第2の環状タイヤモジュールは、同じ方向に配向される。
【0058】
図9Dは、各々がハイブリッドリブタイヤトレッド800bを有する第1及び第2の環状タイヤモジュール910d及び920dで構成された非空気圧式タイヤ900dの更に別の代替実施形態を示す。第1及び第2の環状タイヤモジュール910d及び920dは、第1の環状タイヤモジュール910dの第2のリブ830bが第2の環状タイヤモジュール920dの第2のリブ830bに隣接するように、反対の向きで離間されている。したがって、第1及び第2の環状タイヤモジュール910d、920dの第1のリブ820bは、非空気圧式タイヤ900dの外側リブを形成する。
【0059】
更に他の代替の実施形態では、ソリッドリブトレッドを有する環状タイヤモジュールは、任意の配向で、ブロックされたリブトレッド又はハイブリッドリブトレッドを有する環状タイヤモジュールと共に使用され得る。同様に、ブロックされたリブトレッドを有する環状タイヤモジュールは、任意の配向でハイブリッドリブトレッドを有する環状タイヤモジュールと共に使用され得る。
【0060】
図10A~
図10Cは、3つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
図10Aは、ハイブリッドリブタイヤトレッド800bを有する第1の環状タイヤモジュール1010a、ブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第2の環状タイヤモジュール1020a、及びハイブリッドリブタイヤトレッド800bを有する第3の環状タイヤモジュール1030aから構成される非空気圧式タイヤ1000aの一実施形態を示す。環状タイヤモジュール1010a、1020a、1030aは、互いに離間している。
【0061】
第1の環状タイヤモジュール1010aは、その第1のリブ820bが非空気圧式タイヤ1000aの外側リブを形成するように配向されている。第2の環状タイヤモジュール1020aは、その第2のリブ830cが第1の環状タイヤモジュール1010aの第2のリブ830bに隣接するように配向されている。第3の環状タイヤモジュール1030aは、その第2のリブ830bの第2の環状タイヤモジュール1020aの第1のリブ820cに隣接するように配向されている。したがって、第3の環状タイヤモジュール1030aの第1のリブ820bは、非空気圧式タイヤ1000aの外側リブを形成している。代替実施形態では、タイヤモジュール1010a、1020a、1030aは、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0062】
図10Bは、ソリッドリブタイヤトレッド800aを有する第1の環状タイヤモジュール1010b、ブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第2の環状タイヤモジュール1020b、及びソリッドリブタイヤトレッド800aを有する第3の環状タイヤモジュール1030bから構成される非空気圧式タイヤ1000bの一実施形態を示す。環状タイヤモジュール1010b、1020b、1030bは、互いに離間している。
【0063】
第1の環状タイヤモジュール1010bは、その第2のリブ830aが非空気圧式タイヤ1000bの外側リブを形成するように配向されている。第2の環状タイヤモジュール1020bは、その第1のリブ820cが第1の環状タイヤモジュール1010bの第1のリブ820aに隣接するように配向されている。第3の環状タイヤモジュール1030bは、その第1のリブ820aの第2の環状タイヤモジュール1020bの第2のリブ830cに隣接するように配向されている。したがって、第3の環状タイヤモジュール1030bの第2のリブ830aは、非空気圧式タイヤ1000bの外側リブを形成している。代替実施形態では、タイヤモジュール1010b、1020b、1030bは、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0064】
図10Cは、各々がソリッドリブタイヤトレッド800aを有する第1、第2、及び第3の環状タイヤモジュール1010c、1020c、1030cで構成された非空気圧式タイヤ1000cの別の代替実施形態を示す。環状タイヤモジュール1010c、1020c、1030cは、互いに離間している。
【0065】
第1の環状タイヤモジュール1010cは、その第2のリブ830aが非空気圧式タイヤ1000cの外側リブを形成するように配向されている。第2の環状タイヤモジュール1020cは、その第2のリブ830aが第1の環状タイヤモジュール1010cの第1のリブ820aに隣接するように配向されている。第3の環状タイヤモジュール1030cは、その第1のリブ820aが第2の環状タイヤモジュール1020cの第1のリブ820aに隣接するように配向されている。したがって、第3の環状タイヤモジュール1030cの第2のリブ830aは、非空気圧式タイヤ1000cの外側リブを形成している。代替実施形態では、タイヤモジュール1010c、1020c、1030cは、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0066】
更に他の代替実施形態では、任意のトレッドパターンを有する3つのタイヤモジュールが、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0067】
図11A及び
図11Bは、4つの環状タイヤモジュールを有する例示的な非空気圧式タイヤの正面図である。
図11Aは、ソリッドリブタイヤトレッド800aを有する第1の環状タイヤモジュール1110a、ブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第2の環状タイヤモジュール1120a、ブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第3の環状タイヤモジュール1130a、及びソリッドリブタイヤトレッド800aを有する第4の環状タイヤモジュール1140aから構成される非空気圧式タイヤ1100aの一実施形態を示す。環状タイヤモジュール1110a、1120a、1130a、1140aは、互いに離間している。
【0068】
第1の環状タイヤモジュール1110aは、その第2のリブ830aが非空気圧式タイヤ1100aの外側リブを形成するように配向されている。第2の環状タイヤモジュール1120aは、その第2のリブ830cが第1の環状タイヤモジュール1110aの第1のリブ820aに隣接するように配向されている。第3の環状タイヤモジュール1130aは、その第1のリブ820cが第2の環状タイヤモジュール1120aの第1のリブ820cに隣接するように配向されている。第4の環状タイヤモジュール1140aは、その第1のリブ820aが第3の環状タイヤモジュール1130aの第2のリブ830cに隣接するように配向されている。したがって、第4の環状タイヤモジュール1140aの第2のリブ830aは、非空気圧式タイヤ1100aの外側リブを形成している。代替実施形態では、タイヤモジュール1110a、1120a、1130a、1140aは、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0069】
図11Bは、ブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第1の環状タイヤモジュール1110b、ハイブリッドリブタイヤトレッド800bを有する第2の環状タイヤモジュール1120b、ハイブリッドリブタイヤトレッド800bを有する第3の環状タイヤモジュール1130b、及びブロックされたリブタイヤトレッド800cを有する第4の環状タイヤモジュール1140bから構成される非空気圧式タイヤ1100bの代替実施形態を示す。環状タイヤモジュール1110b、1120b、1130b、1140bは、互いに離間している。
【0070】
第1の環状タイヤモジュール1110bは、その第2のリブ830cが非空気圧式タイヤ1100bの外側リブを形成するように配向されている。第2の環状タイヤモジュール1120bは、その第2のリブ830bが第1の環状タイヤモジュール1110bの第1のリブ820cに隣接するように配向されている。第3の環状タイヤモジュール1130bは、その第1のリブ820bが第2の環状タイヤモジュール1120bの第1のリブ820bに隣接するように配向されている。第4の環状タイヤモジュール1140bは、その第1のリブ820cが第3の環状タイヤモジュール1130bの第2のリブ830bに隣接するように配向されている。したがって、第4の環状タイヤモジュール1140bの第2のリブ830cは、非空気圧式タイヤ1100bの外側リブを形成している。代替実施形態では、タイヤモジュール1110b、1120b、1130b、1140bは、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0071】
更に他の代替実施形態では、任意のトレッドパターンを有する4つのタイヤモジュールが、任意の順序及び任意の配向に配置され得る。
【0072】
本明細書で考察される原理を使用して非空気圧式タイヤ及びリムを組み立てるために、ユーザは、複数の環状タイヤモジュールを提供される。各環状タイヤモジュールは、内側リングと、外側リングと、内側リングと外側リングとの間に延在する支持構造と、外側リングの周りに延在する周方向トレッドとを有する。ユーザにはまた、リムも提供される。
【0073】
上で考察されたように、第1の環状タイヤモジュールの周方向トレッドは、非対称トレッドであり得る。同様に、第2の環状タイヤモジュールの周方向トレッドは、非対称トレッドであり得る。
【0074】
次いで、ユーザは、複数の環状タイヤモジュールから第1の環状タイヤモジュールを選択する。ユーザは、第1の環状タイヤモジュールの配向を選択し、第1の環状タイヤモジュールが選択された配向にある間に、第1の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせ得る。次いで、ユーザは、複数の環状タイヤモジュールから第2の環状タイヤモジュールを選択する。ユーザは、第2の環状タイヤモジュールの配向を選択し、第2の環状タイヤモジュールが選択された配向にある間に、第2の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせることができる。ユーザはまた、ロックリングを提供され、ロックリングをリム上にスライドさせる。
【0075】
一実施形態では、ユーザは、スペーサリングを提供される。そのような実施形態では、ユーザは、スペーサリングをリム上にスライドさせる。ユーザは、第1の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせた後、第2の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせる前に、スペーサリングをリム上に摺動させ得る。あるいは、ユーザは、第2の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせた後、スペーサリングをリム上にスライドさせ得る。
【0076】
上記の開示から理解されるように、この方法の特定のステップを繰り返して、3つ以上の環状タイヤモジュール又は2つ以上のスペーサリングを有するタイヤ及びリムアセンブリを構築し得る。
【0077】
タイヤ及びリムアセンブリが組み立てられた後、ユーザは、タイヤ及びリムアセンブリを分解することを望み得る。例えば、ユーザは、構成要素のうちの1つ以上でメンテナンスを実行するか、又は1つ以上の構成要素を置き換えることを望み得る。ユーザはまた、環状タイヤモジュールの全てを置き換えることを望み得る。タイヤ及びリムアセンブリを分解するために、ユーザは、リムからロックリングを取り外し、第2の環状タイヤモジュールをリムから取り外し、第1の環状タイヤモジュールをリムから取り外す。スペーサリングがリムに配置されている場合、それらもリムから取り外される。任意の追加の環状タイヤモジュールがリムに配置されている場合、それらもリムから取り外される。
【0078】
タイヤ及びリムアセンブリが分解された後、ユーザは、異なるタイヤ及びリムアセンブリを構築することを望み得る。そのような例では、ユーザは、複数の環状タイヤモジュールから第3の環状タイヤモジュールを選択し、第3の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせる。ユーザはまた、複数の環状タイヤモジュールから第4の環状タイヤモジュールを選択し、第4の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせる。初期アセンブリと同様に、ユーザは、それらをリム上にスライドさせる前に、第3及び第4の環状タイヤモジュールの向きを選択し得る。ユーザはまた、スペーサリング及び任意の追加の環状タイヤモジュールをリム上にスライドさせ得る。次いで、ユーザは、ロックリングをリム上にスライドさせる。
【0079】
「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲まで、「含む(comprising)」という用語が特許請求項で移行句として採用される際の解釈と同様に包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が採用される範囲において(例えば、A又はBなど)、「A又はB、又はAとBの両方とも」を意味することが意図されている。本出願人らが「A又はBの両方ではなく一方のみ」を示すことを意図する場合、「A又はBの両方ではなく一方のみ」という用語が採用されるであろう。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)。また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0080】
本出願をその実施形態の記述によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明てきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形式でも限定することは、出願人らの本意ではない。追加の利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例解的な実施例に限定されない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱がなされ得る。