(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】炊飯システム
(51)【国際特許分類】
A47J 27/14 20060101AFI20231027BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20231027BHJP
【FI】
A47J27/14 K
A23L7/10 D
(21)【出願番号】P 2022032429
(22)【出願日】2022-03-03
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 健一
(72)【発明者】
【氏名】谷口 正人
(72)【発明者】
【氏名】熊野 晴祥
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-086152(JP,A)
【文献】特開2001-169911(JP,A)
【文献】特開2009-152106(JP,A)
【文献】特開昭50-031072(JP,A)
【文献】国際公開第2015/137312(WO,A1)
【文献】特開昭58-152514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
A23L 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米と水とが充填された開口を有するトレーを収容し、前記トレーを加熱して炊飯を行う炊飯装置と、
前記炊飯装置により炊飯が行われた後の前記トレーを、内部に前記米を含んだまま前記開口が上を向いた状態から前記開口が下を向いた状態に反転させ、前記米ごと前記トレーを受コンベヤ上に落下させる反転装置と、
前記反転装置により反転した前記米および前記トレーから、前記トレーのみを分離する剥離装置と、を備える、炊飯システム。
【請求項2】
前記反転装置は、
前記トレーが挿通可能な開口が形成された天板を有する反転テーブルと、
前記反転テーブルを通常位置から反転位置へと回転させる反転テーブル駆動装置と、を含み、
前記受コンベヤは、前記反転テーブルが前記反転位置にあるときに前記天板の前記開口と対面する位置に設けられる、請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項3】
前記反転装置は、
前記通常位置にある前記反転テーブルの前記天板の前記開口の下方に設けられ、前記開口に挿通可能であるセットテーブルと、
前記セットテーブルを昇降させるセットテーブル駆動装置と、
前記トレーを前記セットテーブル上に搬送する搬送装置と、をさらに含み、
前記セットテーブル駆動装置は、前記搬送装置により前記トレーを前記セットテーブル上に搬送するときは前記セットテーブルを上昇させて前記開口に挿通させ、前記トレーが前記セットテーブル上に載置された後で前記セットテーブルを下降させて前記トレーを前記開口に挿通させる、請求項2に記載の炊飯システム。
【請求項4】
前記剥離装置は、
前記反転装置から送られた前記トレーを挟んで移送する一対の挟持コンベヤと、
前記挟持コンベヤの入口下方に、下方に傾斜して設けられ、前記トレーから分離された米を移送する傾斜コンベヤと、を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【請求項5】
前記炊飯装置に送られる前の前記トレーに油を供給する油噴霧装置をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【請求項6】
前記米が充填される前の前記トレー内を吸引する集塵ノズルと、前記集塵ノズルを昇降させる集塵ノズル駆動装置と、を含む、集塵装置をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【請求項7】
炊飯前の前記トレー内の米に当接可能に構成された均し板と、前記均し板を昇降させる均し板駆動装置と、を含む、均し装置をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【請求項8】
密閉可能に構成され、炊飯前の前記米が充填された前記トレーを収容する加圧チャンバと、
前記加圧チャンバに蒸気を供給する蒸気供給管と、
前記加圧チャンバから前記蒸気を排出する蒸気排出管と、を含む加圧加熱装置をさらに備え、
前記加圧加熱装置は、前記加圧チャンバへの蒸気供給と蒸気排出とを繰り返して前記米の殺菌を行う、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【請求項9】
前記剥離装置によって前記米と分離された前記トレーに水を噴出する洗浄ノズルを含む洗浄装置をさらに備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【請求項10】
前記洗浄装置は、
前記トレーの底部に当接可能に構成された回転板と、
前記回転板を回転させる回転板駆動装置と、をさらに含む、請求項9に記載の炊飯システム。
【請求項11】
前記洗浄装置によって洗浄された前記トレーが載置される回収テーブルと、
前記回収テーブルを昇降させる回収テーブル駆動装置と、
回動可能に設けられるとともに水平方向を向くように付勢された回動爪と、
重なった前記トレーを支持するストッカと、を含む回収装置をさらに備え、
前記回収テーブルによって上昇された前記トレーは、縁が前記回動爪を押し上げ、前記回動爪上に乗って保持される、請求項9または請求項10に記載の炊飯システム。
【請求項12】
前記剥離装置よりも下流の前記トレーの搬送経路に設けられ、前記トレーに斜め上方から圧縮空気を噴出するエアノズルをさらに備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の炊飯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水と米を所定量ずつ比較的小型のトレーに投入して加熱する連続式の炊飯システムが知られている。連続式の炊飯システムは、大型の炊飯窯で炊飯を行うバッチ式の炊飯システムと比べ、炊飯後にほぐして所定量に分割する作業が不要となるので、連続して効率よく炊飯を行うことができる点などに利点がある。ここで、このような炊飯システムにおいて、長時間連続運転をしながら、品質と分量にばらつきを生じさせず、効率よく生産するために、連続する各工程の途中で不具合が発生しないようにする必要がある。例えば、炊飯後、トレーは反転されて米とトレーが分離され、米のみが後工程装置に送られる。特許文献1に開示される装置は、コンベヤにトレー(炊飯容器)を固定しておき、炊飯後トレーを反転装置によって反転させることで、トレーから米を取り出している。特許文献2に開示される装置は、炊飯後トレー(カップ容器)をベルトコンベヤの終端で反転させることで、米のみを次のベルトコンベヤに落下させている。米が分離したトレーはシュート(排出口)に案内されて排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭59-025292号公報
【文献】特開2000-308463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、トレーを反転させて米のみを落下させ、米とトレーとを分離していた。このとき、トレーに米が残留する場合があり、歩留まり率が低下する、トレーの洗浄を入念に行わなければいけない等の問題が生じることがあった。
【0005】
本発明は、品質と分量のばらつきを抑え、長時間連続して効率よく炊飯を行える炊飯システムを提供することを主たる目的とする。特に、米とトレーとの離型性を向上させ、米がトレーに残留することを抑制することができる、炊飯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、米と水とが充填された開口を有するトレーを収容し、トレーを加熱して炊飯を行う炊飯装置と、炊飯装置により炊飯が行われた後のトレーを、内部に米を含んだまま開口が上を向いた状態から開口が下を向いた状態に反転させ、米ごとトレーを受コンベヤ上に落下させる反転装置と、反転装置により反転した米およびトレーから、トレーのみを分離する剥離装置と、を備える、炊飯システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る炊飯システムは、炊飯後にトレーから米を分離させる際、まずトレーを反転させてトレーごと米を受コンベヤに落下させ、その後トレーを米から剥離させる。米を収納したトレーが受コンベヤに叩きつけられることで、衝撃により米とトレーの間に隙間が生じる。これにより、トレーを剥離させた際に米の残留が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】浸漬装置および脱水装置の概略構成図である。
【
図2】加圧リテーナの搬送経路と各装置の位置関係を示す図である。
【
図9】油噴霧装置および水充填装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に説明される各種変形例は、それぞれ任意に組み合わせて実施することができる。
【0010】
本実施形態の炊飯システムは、浸漬装置1と、脱水装置2と、米充填装置3と、均し装置4と、加圧加熱装置5と、加圧リテーナ分離装置6と、油噴霧装置7と、水充填装置8と、炊飯投入装置9と、炊飯装置Aと、炊飯排出装置Bと、反転装置Cと、剥離装置Dと、洗浄装置Eと、再反転装置Fと、回収装置Gと、切出装置Hと、載置装置Iと、集塵装置Jと、を備える。なお、炊飯システムは、目的に応じて、これらの装置を全て備えていなくてもよいし、他の装置をさらに備えていてもよい。
【0011】
浸漬装置1は、米を水に浸漬させて吸水を行う浸漬処理を連続的に実施する。浸漬装置1は、
図1に示されるように、複数のバケット11と、バケット搬送装置12と、水供給装置13と、米供給装置14と、反転機構15と、落下補助ノズル16と、洗浄ノズル17と、水切りブラシ18と、を含む。
【0012】
バケット11は、内部に水と米を収容可能に構成された容器である。本実施形態のバケット搬送装置12は、チェーンコンベヤであり、所定位置に配置された複数のスプロケット12aと、スプロケット12aに巻回されたチェーン12bと、を有する。各バケット11は、回動自在に構成された支持軸を介してチェーン12bに取り付けられる。バケット11は、重力により通常時は開口が上方を向く。なお、バケットの支持軸より底板側には、ローラが設けられている。
【0013】
水供給装置13は、バケット11に水を供給する。本実施形態においては、水供給装置は、電磁弁により給水・給水停止を制御可能に構成された配管である。米供給装置14は、バケット11に米を供給する。本実施形態においては、米供給装置14は、貯留した米を洗米する洗米タンクと、洗米した米を計量する計量装置と、計量した米をバケット11に案内するコンベヤと、を有する。ここで、本実施形態においては、まずバケット11に少量の水が供給され、次に米が供給され、最後に残りの水が供給される。このように構成することで、供給時にバケット11から水や米が飛び跳ねることを抑制することができる。
【0014】
バケット11は、米と水が供給された後、所定の経路を通って排出位置へと送られる。排出位置には反転機構15が設けられている。反転機構15は、バケット11を反転させて、米と水を脱水装置2へと落下させる。反転機構15は、バケット11を反転させるための任意の構成であってよいが、本実施形態の反転機構15は、第1の反転ガイド15aと、第2の反転ガイド15bと、を有する。第1の反転ガイド15aは排出位置の一対のスプロケット12aの間に設けられた円盤状の板状部材である。第1の反転ガイド15aと接触したバケット11は支持軸を中心に回転して開口が下方を向く。開口が下方を向いたバケット11は、そのまま第2の反転ガイド15bに支持され、第2の反転ガイド15bの終端まで反転が維持される。第2の反転ガイド15bは、反転したバケット11のローラが摺接する位置に設けられた、板状部材である。
【0015】
落下補助ノズル16は、反転途中のバケット11内部に水を噴出するノズルであり、水勢によってバケット11内の米が脱水装置2に落下することを補助する。洗浄ノズル17は、米と水を排出した後の反転中のバケット11内部に水を噴出するノズルであり、バケット11内部に残留した米を洗い流す。水切りブラシ18は、洗浄ノズルによる洗浄を終えたバケット11の底板に接触するように配置されたブラシであり、バケット11に付着した水分を除去する。
【0016】
脱水装置2は、浸漬処理後の米を水切りした上で、米充填装置3へと送る。脱水装置2は、
図1および
図2に示されるように、ホッパー21と、メッシュコンベヤ23と、減圧装置25と、シュート27と、を含む。ホッパー21は、浸漬装置1から排出された米を受け取り、メッシュコンベヤ23へと排出する。メッシュコンベヤ23は、メッシュ状のベルトを有するベルトコンベヤであり、ホッパー21から落下した米を水切りしながら搬送する。メッシュコンベヤ23は減圧装置25により真空引きされ、より好適に脱水が行われる。シュート27はメッシュコンベヤ23の出口に設けられ、落下した米を受けて米充填装置3へと案内する。
【0017】
米充填装置3は、水切りした米を所定量計量し、トレー100に供給する。米充填装置3は、
図3に示されるように、ホッパー31と、計量装置32と、シュート33と、シュート駆動装置34と、を含む。ここで、トレー100は、加圧リテーナ500に載置されている。加圧リテーナ500の上面には、トレー100が嵌合する開口が形成され、トレー100は当該開口に挿入されている。また、加圧リテーナ500の底面には、トレー100が載置される位置の下方に、開口が形成されている。トレー100は、米および水が供給可能な開口を有する容器である。
【0018】
ホッパー31は、脱水装置2のシュート27から供給された米を受け取り、貯留する。計量装置32はいわゆる容積計量装置であり、筒体である計量シリンダ32aと、計量シリンダ32aに挿通された計量升32bと、計量升32bを前後させる任意のアクチュエータである計量升駆動装置32cと、を有する。計量升32bとホッパー31とを連通させ計量升32bに米を充填した後、計量升32bを移動させることで、シュート33へと米が落下する。
【0019】
シュート33は、計量装置32から供給された米を受け取り、トレー100へと案内する。ここで、シュート33は任意のアクチュエータであるシュート駆動装置34により昇降可能に構成される。シュート33でトレー100に米を案内するにあたり、シュート33の下端をトレー100に挿通させておくことで、米の偏りや飛散を抑えてトレー100に米を供給できる。米が充填されたトレー100は、加圧リテーナ500とともに、コンベヤK1にて均し装置4に送られる。
【0020】
なお、生産性を上げるため、トレー100は搬送方向の直交方向、すなわち、
図3における紙面手前・奥方向に複数配置されてもよい。その場合、計量装置32、シュート33およびシュート駆動装置34は、トレー100の位置に応じて複数設けられ、ホッパー31の下端はそれぞれの計量装置32に対して分岐する。また、このとき、
図4に示されるように、ホッパー31に拡散部材35が設けられてもよい。拡散部材35は、ホッパー31の上部に設けられ、任意のアクチュエータである拡散部材駆動装置36によってトレー100の搬送方向の直交方向に沿って移動可能に構成された棒状の部材である。センサ37によって所定高さに米が貯留されたことが検知されると、拡散部材35はホッパー31内を移動して、ホッパー31内に偏って貯留されている米を均してホッパー31内に分散させる。これにより、複数の計量装置32に略均一に米を落下させることができる。
【0021】
均し装置4は、米充填装置3によってトレー100に供給された米を平坦に均す。炊飯前の米を平坦に均すことで、炊飯時の炊きムラが防止される。均し装置4は、
図5に示されるように、トレー100内の米に当接可能に構成された板状部材である均し板41と、均し板41を昇降させる任意のアクチュエータである均し板駆動装置43と、を含む。均し板41をトレー100内の米に押し当てることで、トレー100内の米の偏りが解消される。なお、トレー100が比較的深底である場合は、均し板41の下面に1以上のピンを設けてもよい。ピンにより米に穴を開けることで、炊きムラをより好適に防止できる。米が均されたトレー100は、加圧リテーナ500とともに、コンベヤK1にて加圧加熱装置5の入口付近まで送られる。なお、前述の通り、トレー100が搬送方向の直交方向に沿って複数配置されている場合は、均し板41はトレー100の位置に対応して複数設けられる。
【0022】
加圧加熱装置5は、米を密閉空間において加圧加熱することで、殺菌を行う。なお、加圧加熱は、米を膨張させて食味・食感を改善するという効果も奏する。加圧加熱装置5は、
図6に示されるように、密閉可能に構成された加圧チャンバ51を含む。加圧チャンバ51は、炊飯前の米が充填されたトレー100を収容する。加圧チャンバ51の入口および出口には、それぞれ入口扉52と出口扉53とが設けられている。また、加圧チャンバ51には、ボイラ等の蒸気供給源と接続され加圧チャンバ51に蒸気を供給する蒸気供給管54と、加圧チャンバ51から蒸気を排出する蒸気排出管55と、凝結した水分を排出するドレン56、が接続されている。
【0023】
このような加圧加熱装置5においては、加圧リテーナ500に載置されたトレー100が搬入された後、蒸気供給管54からの蒸気供給による加圧加熱と、蒸気排出管55からの蒸気排出による減圧と、が所定の回数繰り返され、加圧リテーナ500ごとトレー100が搬出される。加圧加熱時、加圧チャンバ51は例えば0.30MPa以上0.34MPa以下に加圧され、内部温度は約140℃となる。このようにして、米の殺菌が行われる。加圧加熱装置5は、生産食数に応じて複数設けられてもよい。例えば、本実施形態においては、6つの加圧加熱装置5が設けられ、それぞれの装置で並行して加圧加熱が行われる。
【0024】
なお、加圧リテーナ500を搬入・搬出するにあたっては、
図7に示されるような加圧リテーナ搬送装置57が使用されてもよい。加圧リテーナ搬送装置57は、加圧リテーナ500の縁に係合する爪を有するアームと、アームを前後させる任意のアクチュエータとを有する。
【0025】
加圧リテーナ分離装置6は、米の殺菌を終えたトレー100から、加圧リテーナ500を分離する。加圧リテーナ分離装置6は、
図8に示されるように、昇降テーブル61と、テーブルベース62と、昇降テーブル駆動装置63と、分離プッシャ64と、分離プッシャ駆動装置65と、搬送ピン66と、搬送ピン駆動装置67と、搬送台68と、を含む。昇降テーブル61はテーブルベース62に固定され、任意のアクチュエータである昇降テーブル駆動装置63によって昇降可能に構成される。テーブルベース62には、さらに、分離プッシャ64と、分離プッシャ64を昇降させる任意のアクチュエータである分離プッシャ駆動装置65と、が固定される。加圧リテーナ500および昇降テーブル61には、分離プッシャ64が挿通可能な開口が形成されている。搬送ピン66は、任意のアクチュエータである搬送ピン駆動装置67により、上下左右に移動可能に構成される。
【0026】
ここで、加圧リテーナ500の分離時の動作を説明する。加圧加熱装置5から送られた加圧リテーナ500およびトレー100は、まず、昇降テーブル61上に載置される。次に、昇降テーブル61が上昇し、さらに分離プッシャ64が上昇する。分離プッシャ64によりトレー100が押し上げられ、加圧リテーナ500から分離する。この状態で、搬送ピン66をトレー100の側面に当接可能な位置まで下げ、搬送ピン66を水平方向に移動させることで、トレー100のみが搬送台68上に送られる。トレー100は搬送ピン66により搬送台68上を移動し、油噴霧装置7および水充填装置8まで送られる。一方、昇降テーブル61および分離プッシャ64が下降し、加圧リテーナ500は元の位置に戻される。加圧リテーナ500は、次に分離を行う加圧リテーナ500によって押し出され、昇降コンベヤK2に載置される。
【0027】
加圧リテーナ500から分離後、
図9に示される油噴霧装置7および水充填装置8によって、トレー100にそれぞれ食用油と水が供給される。油噴霧装置7は、油缶から油を圧送する不図示のポンプと、ポンプにより圧送された油を所定量トレー100に供給する油ディスペンサ71と、を含む。水充填装置8は、水タンクから水と圧送する不図示のポンプと、ポンプにより圧送された水を所定量トレー100に供給する水ディスペンサ81と、を含む。炊飯装置Aに送られる前のトレー100に、水だけでなく油を供給することで、炊飯後にトレー100から米を分離する際の離型性が向上する。油と水が供給された後、トレー100はコンベヤ91により炊飯投入装置9へと送られる。
【0028】
炊飯投入装置9は、炊飯装置Aの炊飯リテーナA2に、トレー100を投入する。炊飯投入装置9は、
図10に示されるように、投入プッシャ93と、投入プッシャ駆動装置95と、エンコーダ97と、を含む。投入プッシャ93は、コンベヤ91上に整列しているトレー100を押し出し、炊飯リテーナA2上に載置する。投入プッシャ駆動装置95は、投入プッシャ93を前後退させる任意のアクチュエータである。エンコーダ97は、炊飯リテーナA2の位置を検出する。炊飯リテーナA2の位置に応じて、適当なタイミングで投入プッシャ93が駆動される。
【0029】
炊飯装置Aは、米と水とが充填されたトレー100を加熱して炊飯を行う。より具体的には、本実施形態の炊飯装置Aは、米と水の入ったトレー100を蒸気で加熱して炊飯を行う炊飯処理を連続的に実施する。炊飯装置Aは、
図11に示されるように、炊飯チャンバA1と、複数の炊飯リテーナA2と、炊飯リテーナ搬送装置A3と、仕切板A4と、蒸気供給口A5と、温度センサA6と、洗浄ノズルA7と、を含む。
【0030】
炊飯チャンバA1は内部が蒸気で満たされている。炊飯リテーナA2は、複数のトレー100を載置可能に構成された保持板である。本実施形態の炊飯リテーナ搬送装置A3は、チェーンコンベヤであり、所定位置に配置された複数のスプロケットA3aと、スプロケットA3aに巻回されたチェーンA3bと、を有する。
図11においては炊飯リテーナA2の一部しか図示していないが、実際は、炊飯リテーナA2は所定の間隔でチェーンA3bに取り付けられている。炊飯投入装置9により炊飯リテーナA2に載置されたトレー100は、炊飯リテーナ搬送装置A3により上下移動を繰り返しながら炊飯チャンバA1内を横断し、蒸気により加熱されて炊飯が行われた後、炊飯排出装置Bによって炊飯リテーナA2からトレー100が排出される。炊飯チャンバA1内においてトレー100を上下させながら搬送することで、各トレー100内の米を略均一に加熱することができる。
【0031】
炊飯チャンバA1は密閉されておらず、炊飯チャンバA1の入口および出口が装置外と連通している。ここで、炊飯チャンバA1内に鉛直方向に延びる複数の仕切板A4を設けることで、炊飯チャンバA1内の蒸気が外部に漏出することを抑制している。炊飯チャンバA1内には、蒸気を供給するための蒸気供給口A5と、内部温度を検知するための温度センサA6が適宜設けられている。また、炊飯排出装置Bから炊飯投入装置9へと返送される炊飯リテーナA2の搬送経路に、炊飯リテーナA2およびチェーンA3bを洗浄するための洗浄ノズルA7が設けられてもよい。
【0032】
炊飯排出装置Bは、炊飯装置Aの炊飯リテーナA2からトレー100を排出させる。炊飯排出装置Bは、
図12に示されるように、排出プッシャB1と、排出プッシャ駆動装置B3と、エンコーダB5と、を含む。排出プッシャB1は、炊飯リテーナA2上に載置されているトレー100を押し出し、コンベヤB7へと送り出す。排出プッシャ駆動装置B3は、排出プッシャB1を昇降および前後退させる任意のアクチュエータである。ここで、炊飯リテーナA2の搬送の妨げにならないよう、排出プッシャB1は下降しながら前進して、トレー100を押し出すようにする。エンコーダB5は、炊飯リテーナA2の位置を検出する。炊飯リテーナA2の位置に応じて、適当なタイミングで排出プッシャB1が駆動される。
【0033】
炊飯排出装置Bと反転装置Cとの間に、不図示の分岐コンベヤが設けられてもよい。分岐コンベヤは、通常時は、炊飯排出装置Bから送られたトレー100を反転装置Cへと移送する。一方、後工程装置等で異常が生じ、分岐指示信号が入力されたときは、分岐コンベヤはトレー100を不図示のバッファコンベヤへ移送する。バッファコンベヤに退避されたトレー100は、異常の解消後、反転装置Cに移送される。異常発生時に急に炊飯装置Aを停止することは困難である。分岐コンベヤおよびバッファコンベヤを設けることで、異常発生時に炊飯装置Aを停止させることなく、反転装置Cへのトレー100の搬送を一時的に停止することができる。
【0034】
反転装置Cは、炊飯が行われた後のトレー100を反転させて、トレー100ごと米を受コンベヤC8上に落下させる。換言すれば、反転装置Cは、トレー100の内部に米を含んだままの状態で、トレー100の開口が上を向いた状態から、トレー100の開口が下を向いた状態に反転させ、トレー100を受コンベヤC8上に落下させる。反転装置Cは、
図13に示されるように、搬送装置C2と、搬送台C3と、反転テーブルC4と、反転テーブル駆動装置C5と、セットテーブルC6と、セットテーブル駆動装置C7と、を含む。搬送装置C2は、炊飯排出装置BからコンベヤC1を介して送られたトレー100を搬送する任意の装置であってよい。本実施形態の搬送装置C2は、トレー100の上部を把持するアームと、アームを昇降させるとともに水平方向に移動させる任意のアクチュエータと、を有する。反転テーブルC4は、トレー100が挿通可能な開口が形成された天板を有する。反転テーブル駆動装置C5は、反転テーブルC4を回転させる任意のアクチュエータである。反転テーブル駆動装置C5は、反転テーブルC4を180°回転させ、
図13に実線で示す通常位置から、
図13に破線で示す反転位置へと回転させる。セットテーブルC6は、通常位置にある回転テーブルC4の天板の開口の下方に設けられ、反転テーブルC4の開口に挿通可能に構成される。セットテーブル駆動装置C7は、セットテーブルC6を昇降させる任意のアクチュエータである。
【0035】
ここで、反転装置Cによるトレー100の反転動作を説明する。反転テーブルC4は、通常位置に位置決めされている。まず、搬送装置C2により、トレー100をコンベヤC1から搬送台C3上を通ってセットテーブルC6上まで搬送する。このとき、セットテーブルC6は、上面が搬送台C3と略同じ高さに位置決めされており、トレー100はセットテーブルC6上に載置される。すなわち、セットテーブル駆動装置C7は、セットテーブルC6を上昇させて、セットテーブルC6を反転テーブルC4の開口に挿通させる。次に、トレー100がセットテーブルC6上に載置された後でセットテーブルC6を下降させることで、トレー100が反転テーブルC4の開口に嵌合する。すなわち、セットテーブル駆動装置C7は、セットテーブルC6を下降させて、トレー100を反転テーブルC4の開口に挿通させる。この状態で、反転テーブル駆動装置C5により、反転テーブルC4を180°回転させる。ここで、受コンベヤC8が、反転テーブルC4が反転位置にあるときに、反転テーブルC4の天板の開口と対面する位置に設けられている。これにより、受コンベヤC8上に内部に米を含むトレー100が、開口が下を向く状態で叩きつけられる。そして、反転テーブルC4を反転位置から通常位置に戻すことで、米およびトレー100が受コンベヤC8上に載置される。
【0036】
剥離装置Dは、反転装置Cにより反転した米およびトレー100からトレー100のみを分離し、米とトレー100を分けて移送する。剥離装置Dは、
図14および
図15に示されるように、一対の挟持コンベヤD1と、傾斜コンベヤD2と、落下防止ガイドD3と、ロータリテーブルD4と、ロータリテーブル駆動装置D5と、案内ガイドD6と、を含む。
【0037】
挟持コンベヤD1は、反転装置Cから送られたトレー100を挟んで移送する。本実施形態の挟持コンベヤD1は、搬送方向に沿ってやや上方に向かって傾斜しているが、水平に設けられてもよい。挟持コンベヤD1は、複数のローラとローラに巻回されたベルトとを有するベルトコンベヤD1aと、ベルトコンベヤD1aを保持するコンベヤブラケットD1bと、調節ハンドルD1cと、を有する。受コンベヤC8から挟持コンベヤD1に送られたトレー100は、一対のベルトコンベヤD1aに挟まれながら移動する。このとき、落下防止ガイドD3により、トレー100がベルトコンベヤD1aから落下することが防止される。なお、ベルトコンベヤD1a間の間隔は、調節ハンドルD1cによりコンベヤブラケットD1bを移動させることで調節可能である。
【0038】
挟持コンベヤD1の入口下方には、搬送方向に沿って下方に向かって傾斜する傾斜コンベヤD2が設けられる。トレー100が挟持コンベヤD1によって移送される一方で、米は傾斜コンベヤD2上を移送する。このようにして、トレー100が米から剥離され、米とトレー100とが分離される。反転装置Cによりトレー100が反転した際の衝撃によりトレー100と米との間に隙間が生じているので、トレー100の剥離時において米の残留量を比較的少量とすることができる。トレー100から分離された米は、傾斜コンベヤD2によって、後工程装置へと移送される。
【0039】
挟持コンベヤD1によって搬送されたトレー100は、任意のアクチュエータであるロータリテーブル駆動装置D5によって回転するロータリテーブルD4へと送られる。そして、トレー100は、ロータリテーブルD4および案内ガイドD6により、洗浄装置Eへと送られる。
【0040】
なお、本実施形態では、生産性向上のため、反転装置Cと剥離装置Dは2つずつ設けられている。すなわち、炊飯排出装置Bから送られたトレー100は2つに分岐しそれぞれの反転装置Cに送られ、それぞれの剥離装置Dによって分離されたトレー100は合流して洗浄装置Eに送られる。もちろん、反転装置Cと剥離装置Dはそれぞれ1つであってもよいし、3つ以上設けられてもよい。
【0041】
洗浄装置Eは、米と分離されたトレー100を洗浄する。洗浄装置Eは、
図16に示されるように、搬送装置E2と、回転板E3と、回転板駆動装置E4と、洗浄ノズルE5と、を含む。
【0042】
搬送装置E2は、コンベヤE1によって送られたトレー100を、洗浄位置を経由して、コンベヤE6へと送り出す。本実施形態の搬送装置E2は、所定位置に配置された複数のスプロケットE2aと、スプロケットE2aに巻回されたチェーンE2bと、所定間隔でチェーンE2bに取り付けられた搬送バーE2cと、を有する。トレー100は、搬送バーE2cによって押されて移動する。
【0043】
洗浄位置には、回転板E3および洗浄ノズルE5が設けられる。回転板E3は、トレー100の底板を覆うように当接し回転することで、トレー100を回転させる。回転板駆動装置E4は、回転板E3を昇降および回転させる任意のアクチュエータである。洗浄ノズルE5は、トレー100の下方に設けられ、トレー100内部に水を噴出するノズルである。トレー100を回転させながら洗浄を行うことで、トレー100の隅々にまで水が当たり好適に洗浄が行われる。洗浄を終えたトレー100は、搬送装置E2によりコンベヤE6に送られる。
【0044】
なお、洗浄装置Eへのトレー100の投入速度を速めるために、コンベヤE1の上方にエアノズルE7が設けられてもよい。米を排出した後のトレー100は比較的軽量であるので、コンベヤE1の搬送速度を上げすぎるとコンベヤE1外に脱落してしまう虞がある。エアノズルE7によりトレー100の上方から斜めに圧縮空気を当てることで、トレー100の浮き上がりを抑えつつ、トレー100を高速に搬送することができる。
【0045】
再反転装置Fは、開口が上を向くよう、洗浄後のトレー100を再度反転させる。再反転装置Fは、
図17に示されるように、再反転コンベヤF1と、再反転ガイドF3と、を含む。再反転コンベヤF1は、ベルトが捩じられて設けられたベルトコンベヤである。洗浄装置Eから送られたトレー100は、再反転ガイドF3に案内されつつ、再反転コンベヤF1によって回転されながら搬送される。これにより、トレー100が反転する。再反転装置Fによって開口が上を向いたトレー100は、トレー回収装置Gへと送られる。
【0046】
回収装置Gは、再反転装置Fによって再度反転されたトレー100を回収してスタックする。回収装置Gは、
図18に示されるように、搬送装置G2と、回収テーブルG3と、回収テーブル駆動装置G4と、一対の回動爪G5と、ストッカG6と、を含む。
【0047】
搬送装置G2は、コンベヤG1によって送られたトレー100を、回収テーブルG3へと送り出す。本実施形態の搬送装置G2は、所定位置に配置された複数のスプロケットG2aと、スプロケットG2aに巻回されたチェーンG2bと、所定間隔でチェーンG2bに取り付けられた搬送バーG2cと、を有する。トレー100は、搬送バーG2cによって押されて移動する。
【0048】
回収テーブルG3は、任意のアクチュエータである回収テーブル駆動装置G4によって昇降可能に構成される。回収テーブルG3には、洗浄装置Eによって洗浄されたトレー100が載置される。回動爪G5は回動可能に設けられるとともに、通常時は水平方向を向くように付勢されている。トレー100が載置された回収テーブルG3を上昇させると、トレー100の縁が回動爪G5に接触する。そのまま回収テーブルG3を上昇させるとトレー100の縁によって回動爪G5が押し上げられて回動し、そしてトレー100の縁が回動爪G5を通過すると回動爪G5は元の位置に戻る。回収テーブルG3を下降させると、トレー100の縁が回動爪G5の上に乗って保持される。以上の動作を繰り返すことによって、回動爪G5の上にトレー100が積層していく。重なったトレー100は、ストッカG6によって支持される。ストッカG6に貯留されるトレー100は、例えば生産終了後に回収される。
【0049】
なお、回収装置Gへのトレー100の投入速度を速めるために、コンベヤG1の上方にエアノズルG7が設けられてもよい。エアノズルG7によりトレー100の上方から斜めに圧縮空気を当てることで、トレー100の浮き上がりを抑えつつ、トレー100を高速に搬送することができる。
【0050】
なお、本実施形態の炊飯システムでは、中身が空となったトレー100を高速で搬送させるために洗浄装置Eと回収装置GにエアノズルE7,G7をそれぞれ設けたが、これに限らず、各装置の処理速度に合わせて任意の位置にエアノズルが設けられてもよい。すなわち、トレー100に斜め上方から圧縮空気を噴出するエアノズルが、剥離装置Dよりも下流のトレー100の搬送経路における任意の位置に設けられてよい。
【0051】
切出装置Hは、スタックされたトレー100を1枚ずつ分離して、載置装置Iへと送る。切出装置Hは、
図19に示されるように、ストッカH1と、切出スクリュH3と、切出スクリュ駆動装置H5と、コンベヤH7と、を含む。ストッカH1には、例えば生産開始前にスタックされたトレー100がセットされる。切出スクリュH3は、スタックされたトレー100を挟み込むように設けられ、任意のアクチュエータである切出スクリュ駆動装置H5によって回転可能に構成される。切出スクリュH3が回転すると、スクリュ溝に沿ってトレー100が移動し、1枚ずつトレー100が下方に送られる。切出スクリュH3から落下したトレー100は、コンベヤH7に載置され、載置装置Iへと送られる。
【0052】
ここで、
図2を参照しながら、加圧リテーナ分離装置6によってトレー100と分離された加圧リテーナ500の回収経路について説明する。加圧リテーナ分離装置6によって昇降コンベヤK2に載置された加圧リテーナ500は、昇降コンベヤK2によってコンベヤK3に送られる。そして、コンベヤK3、昇降コンベヤK4を経て、再度、コンベヤK1へと返送される。加圧リテーナ500は、コンベヤK1によって載置装置Iへと送られる。なお、
図2における線X-X’は、当該部分で装置が連続していることを示している。
【0053】
載置装置Iは、加圧リテーナ500に、トレー100を載置する。載置装置Iは、
図20に示されるように、第1の搬送装置I1と、搬送台I3と、第2の搬送装置I5と、を含む。第1の搬送装置I1は、プッシャと、プッシャを水平方向に移動させる任意のアクチュエータと、を有する。第1の搬送装置I1は、プッシャにより、切出装置HからコンベヤH7によって送られてきたトレー100を搬送台I3まで移動させる。第2の搬送装置I5は、トレー100を把持する把持爪と、把持爪を昇降および水平方向に移動させる任意のアクチュエータと、を有する。第2の搬送装置I5は、搬送台I3上のトレー100を把持して、加圧リテーナ500の開口まで搬送する。このようにして、加圧リテーナ500にトレー100が載置される。本実施形態においては、加圧リテーナ500の搬送方向に沿って2列トレー100を載置するようにしているので、2回に分けてそれぞれの列にトレー100を載置するようにしている。もちろん、加圧リテーナ500の形状に応じて種々の変更が可能である。トレー100が載置された加圧リテーナ500は、コンベヤK1により集塵装置Jに送られる。
【0054】
集塵装置Jは、米を充填する前のトレー100から、夾雑物を除去する。集塵装置Jは、
図21に示されるように、集塵ノズルJ1と、集塵ノズル駆動装置J3と、吸引ダクトJ5と、を含む。集塵ノズルJ1は不図示の減圧装置と接続されており、トレー100内を吸引して、トレー100内に存在し得る夾雑物を除去する。集塵ノズルJ1は任意のアクチュエータである集塵ノズル駆動装置J3によって昇降可能に構成され、吸引時は、集塵ノズルJ1はトレー100に挿通される。好ましくは、集塵ノズルJ1はトレー100内側の形状と略係合する形状に構成される。これにより、トレー100の隅々まで夾雑物の除去を行うことができる。集塵ノズルJ1によって吸引された夾雑物は、吸引ダクトJ5を通って排出される。夾雑物の除去が行われたトレー100は、コンベヤK1により加圧リテーナ500とともに米充填装置3へと送られ、前述の工程が繰り返される。なお、前述の通り、トレー100が搬送方向の直交方向に沿って複数配置されている場合は、集塵ノズルJ1はトレー100の位置に対応して複数設けられる。
【0055】
以上のような炊飯システムにより、連続して炊飯した米の生産が行われる。なお、本実施形態の炊飯システムにおいては、連続生産中は基本的に無人で生産が可能であるので、作業者に対する負担が少なく、衛生的である。また、トレー100は洗浄した上で回収するので、次回の生産に再利用でき、コスト面・環境面において好適である。
【0056】
なお、本実施形態において、炊飯システムにより製造した炊いた米を供給する後工程装置は、具体的には調理食品の製造装置であり、より具体的にはおにぎりの成形装置である。但し、後工程装置は別の装置であってもよく、例えば、弁当の盛り付け装置や、無菌包装米飯の包装装置であってもよい。
【0057】
本発明は、すでにいくつかの例が具体的に示されているように、図面に示される実施形態の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形または応用が可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 トレー
4 均し装置
41 均し板
43 均し板駆動装置
5 加圧加熱装置
51 加圧チャンバ
54 蒸気供給管
55 蒸気排出管
7 油噴霧装置
A 炊飯装置
C 反転装置
C2 搬送装置
C4 反転テーブル
C5 反転テーブル駆動装置
C6 セットテーブル
C7 セットテーブル駆動装置
C8 受コンベヤ
D 剥離装置
D1 挟持コンベヤ
D2 傾斜コンベヤ
E 洗浄装置
E3 回転板
E4 回転板駆動装置
E5 洗浄ノズル
E7 エアノズル
G 回収装置
G3 回収テーブル
G4 回収テーブル駆動装置
G5 回動爪
G7 エアノズル
J 集塵装置
J1 集塵ノズル
J3 集塵ノズル駆動装置