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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】360度折り曲げ治具
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/32 20060101AFI20231027BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
G01N3/32 S
G09F9/00 338
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022122833
(22)【出願日】2022-08-01
(65)【公開番号】P2023109674
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0012120
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0086281
(32)【優先日】2022-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519219047
【氏名又は名称】フレックシゴー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FLEXIGO INC.
【住所又は居所原語表記】3-dong, 1065, Chungjeol-ro, Mokcheon-eup, Dongnam-gu, Cheonan-si, Chungcheongnam-do 31234, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,キ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ホ ムン
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0083805(KR,A)
【文献】登録実用新案第3166045(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2021/0348995(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0131148(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/32
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの一側が支持される固定板モジュールと、
前記固定板モジュールから離間して配置され、前記サンプルの他側が往復移動可能に支持される折り曲げ板モジュールと、
一対が、隣り合う固定板モジュール及び折り曲げ板モジュールの両端部に、それぞれ具備され、前記固定板モジュールに対して、前記折り曲げ板モジュールを内側折り畳み又は外側折り畳みが可能に結合させる回動支持モジュールと、を含み、
前記回動支持モジュールには、
前記回動支持モジュールを基準とする前記折り曲げ板モジュールの回転軸を形成する第1軸と、
前記第1軸から前記固定板モジュールに向かって離間して配置され、前記固定板モジュールを基準とする前記回動支持モジュールの回転軸を形成する第2軸と、が備えられ、
前記回動支持モジュールは、
前記固定板モジュールを基準に前記折り曲げ板モジュールの内側折り畳み又は外側折り畳みが行われる際、前記回動支持モジュールを基準とする前記折り曲げ板モジュールの回転と連動して、前記固定板モジュールを基準に回転するのであり、
前記折り曲げ板モジュールは、
前記固定板モジュールから離間して配置された状態で、両端部に前記回動支持モジュールが結合され、一対の回動支持モジュールを連結する仮想線に垂直な、遊動方向に沿って延びる往復ガイドが具備されるガイドパネルと、
前記往復ガイドに往復移動可能に配置される往復スライダーと、
前記ガイドパネルの一方の面の側で前記往復スライダーに結合され、前記サンプルの他側が支持される往復部材と、
前記ガイドパネルの他方の面の側で前記往復スライダーに結合される往復支持部材と、を含むことを特徴とする、360度折り曲げ治具。
【請求項2】
前記折り曲げ板モジュールは、
前記ガイドパネルを基準に前記往復スライダーを、前記遊動方向の前方へと弾性変形により移動させるとともに、前記ガイドパネルを基準に前記往復スライダーを、前記遊動方向の後方へと弾性変形により移動させる弾性部材をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の360度折り曲げ治具。
【請求項3】
前記ガイドパネルには、
前記弾性部材が遊動可能に据え付けられる部材据付部が凹設されることを特徴とする、請求項に記載の360度折り曲げ治具。
【請求項4】
前記回動支持モジュールは、
隣り合う固定板モジュール及び折り曲げ板モジュールの両端部に配置される取付ブラケットと、
一側は前記固定板モジュールに結合され、他側は前記第2軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される固定支持部材と、
前記第2軸を具現するように前記取付ブラケットに前記固定支持部材を回転可能に結合させる固定歯車軸と、
一側は前記折り曲げ板モジュールに結合され、他側は前記第1軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される折り曲げ支持部材と、
前記第1軸を具現するように前記取付ブラケットに前記折り曲げ支持部材を回転可能に結合させる折り曲げ歯車軸と、を含み、
前記固定支持部材は、
前記折り曲げ支持部材と噛み合うことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の360度折り曲げ治具。
【請求項5】
前記固定支持部材は、
前記折り曲げ板モジュールに結合される固定結合部と、
前記固定結合部の端部に具備され、前記固定歯車軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される固定歯車部と、を含み、
前記折り曲げ支持部材は、
前記固定板モジュールに結合される折り曲げ結合部と、
前記折り曲げ結合部の端部に具備され、前記折り曲げ歯車軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される折り曲げ歯車部と、を含み、
前記固定歯車部と前記折り曲げ歯車部とは、
互いに噛み合うことを特徴とする、請求項に記載の360度折り曲げ治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、360度折り曲げ治具に関し、より詳しくは、サンプルの耐久性テストを実施する際に、サンプルが適用される製品と類似した動作を具現させる360度折り曲げ治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テレビやコンピュータモニター又は各種携帯用電子機器などのディスプレイのために用いられる従来の表示パネルは、柔軟性のないガラス基板を使用することから、扁平な構造を有して単調であり、かつその応用に限界があった。
【0003】
最近は、科学技術の発展に伴い、柔軟性がないガラス基板の代わりに、プラスチックなどといった柔軟性のあるフレキシブル素材を用いて、折り畳み可能な、いわゆるフレキシブルディスプレイ装置が開発及び生産されつつある。例えば、折り畳むか、ロール状に巻き取ることができるフレキシブルディスプレイパネルの技術も開発されている。
【0004】
このように、内側折り畳み(in-folding)、及び外側折り畳み(out-folding)だけでなく、360度折り畳みが可能な製品が市販されることにより、耐久試験治具における内側折り畳み及び外側折り畳み、並びに360度折り畳みまでのテストが可能な治具の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-2255147号(2021.05.24.公告、発明の名称:フレキシブル素材の360度双方向の折り曲げ耐久性評価装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の問題点を解決するためのものであって、その目的は、サンプルの耐久性テストを実施する際に、サンプルが適用される製品と類似した動作を具現させる360度折り曲げ治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための好適な実施態様によれば、本発明による360度折り曲げ治具は、(1)サンプルの一側が支持される固定板モジュールと、(2)前記固定板モジュールから離間して配置され、前記サンプルの他側が往復移動可能に支持される折り曲げ板モジュールと、(3)一対が隣り合う、固定板モジュール及び折り曲げ板モジュールの両端部に、それぞれ具備され、前記固定板モジュールに前記折り曲げ板モジュールを内側折り畳み又は外側折り畳みが可能に結合させる回動支持モジュールと、を含む。
【0008】
ここで、前記回動支持モジュールには、前記回動支持モジュールを基準とする(前記回動支持モジュールに対する)前記折り曲げ板モジュールの回転軸を形成する第1軸と、前記第1軸から前記固定板モジュールに向かって離間して配置され、前記固定板モジュールを基準とする(前記固定板モジュールに対する)前記回動支持モジュールの回転軸を形成する第2軸と、が備えられ、前記回動支持モジュールは、前記固定板モジュールを基準に前記折り曲げ板モジュールの内側折り畳み又は外側折り畳みが行われる際、前記回動支持モジュールを基準とする前記折り曲げ板モジュールの回転と連動して、前記固定板モジュールを基準に回転する。
【0009】
ここで、前記折り曲げ板モジュールは、前記固定板モジュールから離間して配置された状態で、両端部に前記回動支持モジュールが結合され、一対の回動支持モジュールを連結する仮想線に垂直の、遊動方向に沿って延びる往復ガイドが具備されるガイドパネルと、前記往復ガイドに往復移動可能に配置される往復スライダーと、前記ガイドパネルの一方の面の側で前記往復スライダーに結合され、前記サンプルの他側が支持される往復部材と、前記ガイドパネルの他方の面の側で前記往復スライダーに結合される往復支持部材と、を含む。
【0010】
ここで、前記折り曲げ板モジュールは、前記ガイドパネルを基準に(前記ガイドパネルに対して)前記往復スライダーを前記遊動方向の前方へと、弾性変形に基づいて応力を減少または解消するように移動させるとともに、前記ガイドパネルを基準に前記往復スライダーを前記遊動方向の後方へと、弾性変形に基づいて応力を減少または解消するように移動させる弾性部材をさらに含む。
【0011】
ここで、前記ガイドパネルには、前記弾性部材が遊動可能に据え付けられる部材据付部が凹設される。
【0012】
ここで、前記回動支持モジュールは、隣り合う固定板モジュール及び折り曲げ板モジュールの両端部に配置される取付ブラケットと、一側は前記固定板モジュールに結合され、他側は前記第2軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される固定支持部材と、前記第2軸を具現するように前記取付ブラケットに前記固定支持部材を回転可能に結合させる固定歯車軸と、一側は前記折り曲げ板モジュールに結合され、他側は前記第1軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される折り曲げ支持部材と、前記第1軸を具現するように前記取付ブラケットに前記折り曲げ支持部材を回転可能に結合させる折り曲げ歯車軸と、を含む。この場合、前記固定支持部材は、前記折り曲げ支持部材と噛み合う。
【0013】
ここで、前記固定支持部材は、前記折り曲げ板モジュールに結合される固定結合部と、前記固定結合部の端部に具備され、前記固定歯車軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される固定歯車部と、を含み、前記折り曲げ支持部材は、前記固定板モジュールに結合される折り曲げ結合部と、前記折り曲げ結合部の端部に具備され、前記折り曲げ歯車軸を介して前記取付ブラケットに回転可能に結合される折り曲げ歯車部と、を含む。この場合、前記固定歯車部と前記折り曲げ歯車部とは、互いに噛み合う。
【発明の効果】
【0014】
本発明の360度折り曲げ治具によれば、サンプルの耐久性テストを実施する際に、サンプルが適用される製品と類似した動作を具現できる。
【0015】
また、本発明は、固定板モジュールと折り曲げ板モジュールと回動支持モジュールとの間の相互に連動する回転動作を通じて、内側折り畳み動作と外側折り畳み動作、並びに360度折り畳み動作を明確に具現することができる。
【0016】
また、本発明は、折り曲げ板モジュールの細部の結合関係を通じて、ガイドパネルを基準に(ガイドパネルに対して)、往復スライダーと往復部材と往復支持部材とについての往復移動を円滑に行うことができる。また、サンプルに作用しうる応力に対処して、応力フリーの条件を満たすことができる。
【0017】
また、本発明は、弾性部材の付加結合関係を通じて、ガイドパネルを基準とする、往復スライダーと往復部材と往復支持部材とについての往復移動を円滑にすることができ、サンプルに作用する応力に対処して、応力フリーの条件を満たすことができる。
【0018】
また、本発明は、ガイド据付部によって、ガイドパネル上における往復部材及び往復支持部材の往復移動を安定的に案内して、ガイドパネル上における往復部材及び往復支持部材の遊動を最小化させることができる。
【0019】
また、本発明は、部材据付部によって、弾性部材が往復部材及び往復支持部材から干渉されることを防止することができる。
【0020】
さらに、本発明は、弾性結合部によって、ガイドパネル上における弾性部材の位置を固定することができる。
【0021】
そして、本発明は、回動支持モジュールの細部の結合関係を通じて、固定板モジュールと折り曲げ板モジュールと回動支持モジュールとの間の相互連動動作を明確にするのであり、サンプルに作用する応力に対処して、応力フリーの条件を満たすことができる。
【0022】
なお、本発明は、固定支持部材と折り曲げ支持部材との間の噛み合せ構造を通じて、固定板モジュールを基準にした、回動支持モジュールと折り曲げ板モジュールとの連動回転動作を明確に具現することができる。
【0023】
また、本発明は、固定軸支持部によって、取付ブラケットに固定歯車部を安定的に結合させて、取付ブラケットから固定歯車部が分離されることを防止することができる。
【0024】
また、本発明は、折り曲げ軸支持部によって、取付ブラケットに折り曲げ歯車軸を安定的に結合させて、取付ブラケットから折り曲げ歯車軸が分離されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具を示す斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具における折り曲げ板モジュールの往復スライダーの結合状態を示す拡大図である。
図4】本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具における回動支持モジュールを示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具において、固定板モジュールを基準とする折り曲げ板モジュールの軌跡を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具において、固定板モジュールを基準に、折り曲げ板モジュールが内側折り畳まれる過程を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具において、固定板モジュールを基準に、折り曲げ板モジュールが外側折り畳まれる過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明による360度折り曲げ治具の一実施形態について説明する。ただし、本発明は実施例によって制限又は限定されるものではない。また、本発明を説明するにあたり、公知された機能あるいは構成に関する具体的な説明は、本発明の要旨を明確にするために省略されることができる。
【0027】
図1図7を参照すると、本発明の一実施形態による360度折り曲げ治具は、固定板モジュール10と、折り曲げ板モジュール20と、回動支持モジュール30とを含むことができる。
【0028】
固定板モジュール10には、サンプルSの一側が支持される。
【0029】
固定板モジュール10において、折り曲げ板モジュール20と対向する側の両端部には、回動支持モジュール30との結合のための固定取付部が具備され得る。
【0030】
折り曲げ板モジュール20は、固定板モジュール10から離間して配置される。折り曲げ板モジュール20には、サンプルSの他側が往復移動可能に支持される。
【0031】
折り曲げ板モジュール20は、固定板モジュール10から離間して配置されるガイドパネル21と、ガイドパネル21に往復移動可能に配置される往復スライダー22と、サンプルSの他側が支持されるようにガイドパネル21の一方の面の側で往復スライダー22に結合される往復部材23と、ガイドパネル21の他方の面の側で往復スライダー22に結合される往復支持部材24と、を含むことができる。
【0032】
折り曲げ板モジュール20は、ガイドパネル21を基準として往復スライダー22を遊動方向の前方へと、弾性変形により移動させて応力を軽減又は解消するとともに、ガイドパネル21を基準として往復スライダー22を遊動方向の後方へと、弾性変形により移動させて応力を軽減又は解消する弾性部材25をさらに含むことができる。
【0033】
ガイドパネル21において、固定板モジュール10と対向する側の両端部には、回動支持モジュール30との結合のための折り曲げ取付部が具備され得る。
【0034】
ガイドパネル21には、一対の回動支持モジュール30を連結する仮想線に対して垂直の、遊動方向に沿って延びるように往復ガイド211が具備されうる。往復ガイド211は、遊動方向に沿って長く延びるように貫通形成されうる。往復ガイド211には、往復スライダー22が遊動方向に沿って往復移動可能に挿入されうる。
【0035】
ガイドパネル21には、往復部材23及び往復支持部材24にそれぞれ対応するように、ガイド据付部212が具備されうる。本発明の一実施形態において、ガイド据付部212は、板状の往復部材23と板状の往復支持部材24とが据え付けられる凹部状を呈しているが、これに限定するものではなく、往復部材23及び往復支持部材24の形状に対応するように、多様に変形されるので、往復部材23及び往復支持部材24がガイド据付部212に支持されたまま、安定的に往復移動可能になる。ガイド据付部212は、往復部材23が遊動方向に沿って往復移動可能に支持される上方据付部と、往復支持部材24が遊動方向に沿って往復移動可能に支持される下方据付部とに分けられる。
【0036】
ガイドパネル21には、弾性部材25が遊動可能に据え付けられる部材据付部213が凹設されうる。部材据付部213は、往復ガイド211を基準に、一方の面の側又は両方の面の側に具備されうる。部材据付部213には、弾性部材25が支持される弾性結合部214が具備されうる。弾性結合部214は、弾性部材25の形態に応じて多様に変形可能である。
【0037】
往復スライダー22は、往復ガイド211に往復移動可能に結合される。
【0038】
往復スライダー22には、弾性部材25の翼部が支持される往復翼支持部が具備されるので、弾性部材25の弾性翼部が往復スライダー22に安定的に支持され、弾性部材25の翼部が往復スライダー22から分離されることを防止することができる。
【0039】
往復部材23は、板状のものとして示したが、これに限定するものではなく、棒状などの多様な形態のものであってもよく、ガイドパネル21の一側面にてサンプルSを安定的に支持した状態で、ガイドパネル21に接しつつ、またはガイドパネル21に沿って、滑らかに往復移動可能である。
【0040】
往復支持部材24は、板状のものを示したが、これに限定するものではなく、棒状などの多様な形態のものであってもよく、ガイドパネル21の他側の面に接した状態にて、またはガイドパネル21に沿って、円滑に往復移動が可能である。
【0041】
弾性部材25は、弾性力を有し、ガイドパネル21を基準に往復スライダー22を弾性変形により移動させる。弾性部材25は、ガイドパネル21を基準に、往復スライダー22を遊動方向の前方へと移動させる際に弾性変形する第1部材と、ガイドパネル21を基準に、往復スライダー22を遊動方向の後方へと移動させる際に弾性変形する第2部材とを含むことができる。
【0042】
本発明の一実施形態における弾性部材25は、弾性を有して弾性結合部214に結合されるコイル部と、コイル部から延在して、部材据付部213に具備された弾性支持部に結合される固定翼部と、固定翼部から離間した状態でコイル部から延在して往復スライダー22の往復翼支持部に支持される弾性翼部と、を含むことができる。
【0043】
回動支持モジュール30は、一対が隣り合っている固定板モジュール10及び折り曲げ板モジュール20の両端部に、それぞれ具備される。回動支持モジュール30は、固定板モジュール10に折り曲げ板モジュール20を、内側折り畳み又は外側折り畳みが可能に結合させる。
【0044】
ここで、回動支持モジュール30には、回動支持モジュール30を基準とする折り曲げ板モジュール20の回転軸を形成する第1軸と、第1軸から固定板モジュール10に向かって離間して配置され、固定板モジュール10を基準とする回動支持モジュール30の回転軸を形成する第2軸とが具備されるようにする。
【0045】
すると、固定板モジュール10を基準に、折り曲げ板モジュール20の内側折り畳み又は外側折り畳みが行われる際、回動支持モジュール30は、回動支持モジュール30を基準とする折り曲げ板モジュール20の回転と連動して、固定板モジュール10を基準に回転するので、内側折り畳み又は外側折り畳みの動作にしたがって弾性部材25が弾性変形され、ガイドパネル21に沿って往復部材23が往復移動することから応力フリーの条件を満たすようになる。
【0046】
しかも、追加治具の変形及びセッティングがなくても、あらかじめ設定された曲率半径でもって、内側折り畳み動作と外側折り畳み動作を含めて、360度の折り畳み動作を具現することができる。
【0047】
この場合、内側折り畳みが済んだ状態でのサンプルSの曲率半径をrとし、外側折り畳みが済んだ状態でのサンプルSの曲率半径をRとすると、r:R=1:6の関係を満たすことで、内側折り畳みと外側折り畳みを安定化させることができる。
【0048】
ここで、回動支持モジュール30の取り替えを通じて、固定板モジュール10と折り曲げ板モジュール20との間の間隔及び前述した曲率半径の調節をなし得るようにする。
【0049】
回動支持モジュール30は、隣り合う固定板モジュール10及び折り曲げ板モジュール20の両端部に配置される取付ブラケット31と、一側は固定板モジュール10に結合され、他側は第2軸を介して取付ブラケット31に回転可能に結合される固定支持部材32と、第2軸を具現するようにして取付ブラケット31に固定支持部材32を回転可能に結合させる固定歯車軸33と、一側は折り曲げ板モジュール20に結合され、他側は第1軸を介して取付ブラケット31に回転可能に結合される折り曲げ支持部材34と、第1軸を具現するようにして取付ブラケット31に折り曲げ支持部材34を回転可能に結合させる折り曲げ歯車軸35と、を含むことができる。
【0050】
取付ブラケット31は、本発明の一実施形態のように、互いに離間した一対のパッドブラケットで構成されうる。取付ブラケット31は、「コ」の字状を有するチャンネルブラケットで構成されても構わない。
【0051】
固定支持部材32は、折り曲げ支持部材34と噛み合うので、固定板モジュール10と折り曲げ板モジュール20と回動支持モジュール30との連動動作を具現することができる。
【0052】
より具体的に、固定支持部材32は、折り曲げ板モジュール20に結合される固定結合部321と、固定結合部321の端部に具備されて固定歯車軸33を介して取付ブラケット31に回転可能に結合される固定歯車部322とを含むことができる。また、折り曲げ支持部材34は、固定板モジュール10に結合される折り曲げ結合部341と、折り曲げ結合部341の端部に具備され、折り曲げ歯車軸35を介して取付ブラケット31に回転可能に結合される折り曲げ歯車部342とを含むことができる。このようであると、固定歯車部322の外周面には固定歯車の歯が形成され、折り曲げ歯車部342の外周面には固定歯車の歯と噛み合う折り曲げ歯車の歯が形成されるので、固定歯車部322と折り曲げ歯車部342とは互いに噛み合う。
【0053】
未説明符号331は、固定歯車軸33を取付ブラケット31に結合させる固定軸支持部であり、未説明符号351は、折り曲げ歯車軸35を取付ブラケット31に結合させる折り曲げ軸支持部である。
【0054】
図5乃至図7を参照して、本発明の一実施形態に係る360度折り曲げ治具の動作について説明する。
【0055】
固定板モジュール10を基準とする折り曲げ板モジュール20の折り曲げ動作において、折り曲げ板モジュール20を動かせば、折り曲げ板モジュール20は、取付ブラケット31に対して折り曲げ歯車軸35を中心として回転するのであり、この際、固定歯車部322と折り曲げ歯車部342との噛み合せによる連動によって、取付ブラケット31は、固定板モジュール10に対して固定歯車軸33を中心として回転する。固定板モジュール10を基準に(固定板モジュール10に対して)折り曲げ板モジュール20が回転することにより、サンプルSの内側折り畳み動作とサンプルSの外側折り畳み動作だけでなく、サンプルSの360度折り曲げ動作を実現することができる。
【0056】
図5及び図6を参照すると、固定板モジュール10を基準とする折り曲げ板モジュール20の内側折り畳み動作(図5の破A)において、折り曲げ板モジュール20を動かせば、折り曲げ板モジュール20が結合された折り曲げ支持部材34は、取付ブラケット31に対して折り曲げ歯車軸35を中心として回転するのであり、この際、固定歯車部322と折り曲げ歯車部342との噛み合せによる連動によって、取付ブラケット31は、固定板モジュール10が結合された固定支持部材32に対して、固定歯車軸33を中心として回転する。
【0057】
内側折り畳み動作が完了すると、水平に延びた状態であったサンプルSは、曲率半径がrを示すように曲げられ、曲げられたサンプルSは、相互に対向する固定板モジュール10と折り曲げ板モジュール20との間に配置される。
【0058】
図5及び図7を参照すると、固定板モジュール10を基準とする折り曲げ板モジュール20の外側折り畳み動作(図5の破B)において、折り曲げ板モジュール20を動かせば、折り曲げ板モジュール20が結合された折り曲げ支持部材34は、取付ブラケット31に対して折り曲げ歯車軸35を中心として回転するのであり、この際、固定歯車部322と折り曲げ歯車部342との噛み合せによる連動によって、取付ブラケット31は、固定板モジュール10が結合された固定支持部材32に対して、固定歯車軸33を中心として回転する。
【0059】
外側折り畳み動作が完了すると、水平に延びた状態であったサンプルSは、曲率半径がRを示すように曲げられ、曲げられたサンプルSは、相互に対向する固定板モジュール10と折り曲げ板モジュール20とを包み込む形態で配置される。
【0060】
上述した折り曲げ動作に対応して、相互に結合した往復スライダー22と往復部材23と往復支持部材24は、折り曲げ支持部材34が結合されたガイドパネル21を基準に往復移動する。すると、折り曲げ板モジュール20にて相互に結合されている往復スライダー22と往復部材23と往復支持部材24は、ガイドパネル21に沿って往復移動することにより、折り曲げの過程で折り曲げ軌跡A、Bを形成する。このような折り曲げ軌跡は、サンプルSに応力が作用しない最適の経路を形成する。折り曲げ軌跡は、内側折り畳み動作による第1軌跡Aと、外側折り畳み動作による第2軌跡Bとに区分することができる。
【0061】
相互に結合した、往復スライダー22と往復部材23と往復支持部材24とが、折り曲げ軌跡に沿って移動すると、サンプルSは、相対運動によってガイドパネル21上にてフレキシブルに動くので、サンプルSに応力が作用しなくなる。よって、本発明の一実施形態に係る360度折り曲げ治具は、上述した折り曲げ動作において上述の往復移動構造を実現するので、サンプルSに作用しうる応力に対処することで、応力フリー条件を満たすことができる。ところが、相互結合した往復スライダー22と往復部材23と往復支持部材24とが、ガイドパネル21上にて、ガイドパネル21に沿って往復するということがない場合、上述したような形態の、折り曲げ動作における折り曲げ軌跡を形成しない。これにより、サンプルSは加圧又は延伸されうるので、サンプルSに応力が作用する状態で折り曲げ動作が行われることから、正確なテストが行われない。
【0062】
一方、相互に結合した、往復スライダー22、往復部材23及び往復支持部材24が、ガイドパネル21を基準にして(ガイドパネル21に対して)往復移動する際に、往復スライダー22の前方と後方にそれぞれ支持された弾性部材25が弾性変形する。すると、往復スライダー22の前方と後方にそれぞれ支持された弾性部材25の相互作用によって、ガイドパネル21に備えられた往復ガイド211における往復スライダー22の往復移動を円滑にすることができるのであり、サンプルSに応力が作用することを防止する。よって、本発明の一実施形態に係る360度折り曲げ治具は、上述した折り曲げ動作において上述の往復移動構造及び弾性支持構造を実現するので、サンプルSに作用する応力に対して応力フリー条件を満たすことができる。
【0063】
前述した360度折り曲げ治具によると、サンプルSの耐久性テストを実施する際に、サンプルSが適用される製品と類似した動作を具現することができる。
【0064】
また、固定板モジュール10と、折り曲げ板モジュール20と、回動支持モジュール30との間の相互連動する回転動作を通じて、内側折り畳み動作及び外側折り畳み動作、並びに360度折り畳み動作を明確に具現することができる。
【0065】
また、折り曲げ板モジュール20の細部の結合関係を通じて、ガイドパネル21を基準に、往復スライダー22、往復部材23及び往復支持部材24が往復移動するのを円滑にすることができる。また、サンプルSに作用しうる応力に対処することで、応力フリーの条件を満たすことができる。
【0066】
また、弾性部材25の付加結合関係を通じて、ガイドパネル21を基準とする、往復スライダー22、往復部材23及び往復支持部材24の往復移動を円滑にし、かつ、サンプルSに作用しうる応力に対処することで、応力フリーの条件を満たすことができる。
【0067】
また、ガイド据付部212によって、ガイドパネル21上における往復部材23及び往復支持部材24の往復移動を安定的に案内し、ガイドパネル21上における往復部材23及び往復支持部材24の遊動を最小化させることができる。
【0068】
さらに、部材据付部213によって、弾性部材25が、往復部材23と往復支持部材24からの干渉を受けることを防止することができる。
【0069】
また、弾性結合部214によって、ガイドパネル21上における一定の位置に弾性部材25を位置させることができる。
【0070】
また、回動支持モジュール30の細部の結合関係を通じて、固定板モジュール10と折り曲げ板モジュール20と回動支持モジュール30との間の相互連動動作を明確にするのであり、サンプルSに作用しうる応力に対処して、応力フリーの条件を満たすことができる。
【0071】
また、固定支持部材32と折り曲げ支持部材34との間の噛み合せ構造によって、固定板モジュール10を基準に回動支持モジュール30と折り曲げ板モジュール20との連動回転動作を明確に具現することができる。
【0072】
また、固定軸支持部331によって、取付ブラケット31に固定歯車軸33を安定的に結合させ、取付ブラケット31から固定歯車軸33が分離されることを防止することができる。
【0073】
また、折り曲げ軸支持部351によって、取付ブラケット31に折り曲げ歯車軸35を安定的に結合させ、取付ブラケット31から折り曲げ歯車軸35が分離されることを防止することができる。
【0074】
以上、図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明したが、当該技術分野における熟練した当業者なら、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び範疇から離脱しない範囲内で本発明を多様に修正又は変更させることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 固定板モジュール
20 折り曲げ板モジュール
21 ガイドパネル
211 往復ガイド
212 ガイド据付部
213 部材据付部
214 弾性結合部
22 往復スライダー
23 往復部材
24 往復支持部材
25 弾性部材
30 回動支持モジュール
31 取付ブラケット
32 固定支持部材
321 固定結合部
322 固定歯車部
33 固定歯車軸
331 固定軸支持部
34 折り曲げ支持部材
341 折り曲げ結合部
342 折り曲げ歯車部
35 折り曲げ歯車軸
351 折り曲げ軸支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7