(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】ハイブリッドモジュールのためのコンパクトなトルクコンバータアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16H 41/24 20060101AFI20231027BHJP
F16H 45/02 20060101ALI20231027BHJP
B60K 6/36 20071001ALI20231027BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20231027BHJP
H02K 7/10 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
F16H41/24 B
F16H45/02 Z
B60K6/36 ZHV
B60K6/40
H02K7/10 A
(21)【出願番号】P 2022551760
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 US2021019543
(87)【国際公開番号】W WO2021173759
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-26
(32)【優先日】2020-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ ブリシャク
(72)【発明者】
【氏名】パトリック リンデマン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ローズ
(72)【発明者】
【氏名】アッヤルラジュ サチャシーラン
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-70207(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0376589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 41/24
F16H 45/02
B60K 6/36
B60K 6/40
H02K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドモジュールであって、
回転子キャリアを含む回転子アセンブリと、
前記回転子キャリアの径方向内側に完全に配設され、インペラシェルを有するインペラを含むトルクコンバータであって、前記インペラシェルは、前記インペラシェルおよび前記回転子キャリアが前記トルクコンバータのハウジングを形成するように、前記回転子キャリアに固定されている、トルクコンバータと、を備える、ハイブリッドモジュール。
【請求項2】
前記回転子アセンブリが、前記回転子キャリアに装着され、回転軸のほうへ径方向内側に延在し、入力シャフトに接続するように構成された回転子フランジを含む、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項3】
前記回転子フランジの第1の軸方向側に配設された切断クラッチと、前記回転子フランジの第2の軸方向側に配設されたロックアップクラッチと、をさらに備える、請求項2に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項4】
前記切断クラッチ、前記ロックアップクラッチ、タービン、および前記インペラが、前記回転子キャリアの径方向内側に配設されている、請求項3に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項5】
前記切断クラッチ、前記ロックアップクラッチ、前記タービン、および前記インペラが、前記回転子キャリアの第2の軸方向長さ以下である第1の軸方向長さだけ一緒に延在する、請求項4に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項6】
前記回転子キャリアが、軸方向延在部分および径方向延在部分を含み、
前記インペラシェルが、前記径方向延在部分の内側端部に固定されている、請求項5に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項7】
前記インペラシェルが、溶接された接続部を介して前記回転子キャリアの前記径方向延在部分の前記内側端部に固定されている、請求項6に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項8】
前記インペラシェルに装着され、かつそこから軸方向外側に延在している、フランジと、
前記フランジの外面上に取り付けられたレゾルバ回転子を含むレゾルバアセンブリと、をさらに備える、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項9】
前記レゾルバ回転子が、前記フランジの前記外面上にプレス嵌めされている、請求項8に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項10】
前記フランジが、前記回転子キャリアを越えて軸方向に延在する、請求項8に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項11】
ハイブリッドモジュールであって、
回転子キャリアを含む回転子アセンブリと、
前記回転子キャリアの径方向内側に配設され、インペラシェルを有するインペラを含むトルクコンバータアセンブリであって、前記インペラシェルは、前記インペラシェルおよび前記回転子キャリアが前記トルクコンバータのハウジングを形成するように、前記回転子キャリアに固定されている、トルクコンバータアセンブリと、
前記インペラシェルに装着され、かつそこから軸方向外側に延在している、フランジと、
前記フランジの外面上に取り付けられたレゾルバ回転子を含むレゾルバアセンブリと、をさらに備える、ハイブリッドモジュール。
【請求項12】
前記回転子キャリアおよび前記インペラシェルが、溶接された接続部を介して互いに固定されている、請求項11に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項13】
前記レゾルバ回転子が、前記フランジ上にプレス嵌めされている、請求項11に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項14】
固定子キャリアを含む固定子アセンブリをさらに備え、前記レゾルバアセンブリのレゾルバ固定子が、前記固定子キャリアに装着されている、請求項11に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項15】
前記回転子アセンブリが、前記回転子キャリアに装着され、回転軸のほうへ径方向内側に延在し、入力シャフトに接続するように構成された回転子フランジを含む、請求項11に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項16】
前記回転子フランジの第1の軸方向側に配設された切断クラッチと、前記回転子フランジの第2の軸方向側に配設されたロックアップクラッチと、をさらに備える、請求項15に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項17】
前記切断クラッチ、前記ロックアップクラッチ、タービン、および前記インペラが、前記回転子キャリアの径方向内側に配設されている、請求項16に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項18】
前記ロックアップクラッチが、前記回転子フランジに封着されたピストンプレート、および前記回転子キャリアに固定されたリアクションプレートを含む、請求項16に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項19】
前記ロックアップクラッチが、前記ピストンプレートと前記リアクションプレートとの間で軸方向に配設された第1の複数のクラッチプレートおよび第2の複数のクラッチプレートを含み、前記第1の複数のクラッチプレートが、前記回転子キャリアに装着されている、請求項18に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項20】
ハイブリッドモジュールのためのトルクコンバータであって、
タービン、および回転子キャリアに固定されたインペラシェルを有するインペラを含むトーラスであって、前記インペラシェルおよび前記回転子キャリアが、前記トルクコンバータのハウジングを形成する、トーラスと、
前記ハウジング内に配設され、前記トーラスと径方向に整合されたロックアップクラッチであって、前記ロックアップクラッチおよび前記トーラスは、前記ロックアップクラッチおよび前記トーラスが前記回転子キャリアの径方向内側に完全に配設されるように、前記回転子キャリアが延在する第2の軸方向距離以下である第1の軸方向距離だけ一緒に延在する、ロックアップクラッチと、を備える、トルクコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月29日された米国仮出願第62/983,602号、および2021年2月24日に出願された米国非仮出願第17/183729号の優先権を主張し、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概してハイブリッドモジュールに関し、より詳細には、ハイブリッドモジュールのためのトルクコンバータアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ハイブリッドモジュールが一般に知られている。しばしば、ハイブリッドモジュールアーキテクチャ内に、すべての所望の構成要素、例えば、eモーター、クランクダンパ、トルクコンバータ、トルクコンバータクラッチ、切断クラッチ、およびレゾルバをパッケージングおよび/または適合させることは、軸方向制約により困難である。したがって、複雑さおよびコストを低減するために設計を簡略化することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概して、本開示の実施形態は、回転子キャリアを含む回転子アセンブリと、回転子キャリアの径方向内側に完全に配設されたトルクコンバータと、を備える、ハイブリッドモジュールを提供する。トルクコンバータは、インペラシェルを有するインペラを含み、インペラシェルは、インペラシェルおよび回転子キャリアがトルクコンバータのハウジングを形成するように、回転子キャリアに固定されている。実施形態では、回転子アセンブリは、回転子キャリアに装着され、回転軸のほうへ径方向内側に延在し、入力シャフトに接続するように構成された回転子フランジを含む。切断クラッチは、回転子フランジの第1の軸方向側に配設されてもよく、ロックアップクラッチは、回転子フランジの第2の軸方向側に配設されてもよく、切断クラッチ、ロックアップクラッチ、タービン、およびインペラは、回転子キャリアの径方向内側に配設される。実施形態では、切断クラッチ、ロックアップクラッチ、タービン、およびインペラは、回転子キャリアの第2の軸方向長さ以下である第1の軸方向長さだけ一緒に延在する。
【0005】
実施形態では、回転子キャリアは、軸方向延在部分および径方向延在部分を含み、インペラシェルは、径方向延在部分の内側端部に固定されている。インペラシェルは、溶接された接続部を介して回転子キャリアの径方向延在部分の内側端部に固定され得る。実施形態では、フランジは、インペラシェルに装着され、そこから軸方向外側に延在し、レゾルバ回転子を含むレゾルバアセンブリは、フランジの外面上に取り付けられ得る。レゾルバ回転子は、フランジの外面上にプレス嵌めされてもよく、フランジは、回転子キャリアを越えて軸方向に延在する。
【0006】
実施形態では、ハイブリッドモジュールのためのトルクコンバータは、タービン、および回転子キャリアに固定されたインペラシェルを有するインペラを含むトーラスを備え、インペラシェルおよび回転子キャリアは、トルクコンバータのハウジングを形成する。ロックアップクラッチは、ハウジング内に配設され、トーラスと径方向に整合され得る。ロックアップクラッチおよびトーラスは、ロックアップクラッチおよびトーラスが回転子キャリアの径方向内側に完全に配設されるように、回転子キャリアが延在する第2の軸方向距離以下である第1の軸方向距離だけ一緒に延在する。
【0007】
本開示の実施形態は、限られた空間をもつハイブリッドモジュール内でパッケージングするためのコンパクトなトルクコンバータアセンブリを提供することなど、従来技術に勝る様々な利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態によるハイブリッドモジュールの部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態を、本明細書において説明する。異なる図面に現れる同様の図面番号は、同一または機能的に類似した構造要素を特定することを理解されたい。また、開示された実施形態は単なる例であり、他の実施形態は様々な代替形態を取ることができることを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではなく、いくつかの特徴部は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されていると考えられる。したがって、本明細書に開示する特定の構造的詳細および機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、当業者に実施形態を様々に使用することを教示するための代表的な基準として解釈されるべきである。当業者が理解するように、図のいずれか1つを参照して図示され、かつ記載された様々な特徴部は、1つ以上の他の図に示す特徴部と組み合わせて、明示的に図示または記載されていない実施形態を生成することができる。図示する特徴部の組み合わせは、典型的な用途のための代表的な実施形態を提供する。しかしながら、特定の用途または実装のために、本開示の教示と一致する特徴部の様々な組み合わせおよび修正形態が所望されると考えられる。
【0010】
単一の図は、本開示の一実施形態によるハイブリッドモジュール100の部分断面図を示す。ハイブリッドモジュール100は、回転子アセンブリ102、固定子アセンブリ104、およびトルクコンバータアセンブリ106を含む。回転子アセンブリ102は、回転子キャリア108、回転子キャリアハブまたは回転子フランジ110、回転子セグメント112、ばね端部プレート114、ばね端部プレート116、および端部リング118を含む。回転子キャリア108は、軸方向延在部分120および径方向延在部分122を含む。軸方向延在部分120は外面124を含み、径方向延在セクション122は径方向面126を含む。回転子キャリアハブまたはフランジ110は、回転子キャリア108の軸方向延在部分120に固定され、回転軸ARのほうへ径方向内側に延在し、回転子キャリアハブまたはフランジ110は、入力シャフトと接続するように構成されている。本明細書で使用される軸方向に、径方向に、および円周方向にという用語は、回転軸ARに対して使用される。
【0011】
回転子セグメント112は、回転子キャリア108の軸方向延在部分120の外面124上に設置および配置される。一実施形態では、回転子セグメント112は、セグメントのスタックからなる。ばね端部プレート114、116は、回転子セグメント112の軸方向両側にアセンブルされる。端部リング118は、ばね端部プレート114に隣接する回転子キャリア108の軸方向延在部分120の外面124に固定され、切断クラッチ130の切断クラッチカバー128のためのグラウンディング構成要素として働くように配置される。このようにして、ばね端部プレート114は、端部リング118と回転子セグメント112との間に軸方向に配設され、ばね端部プレート116は、回転子セグメント112と、回転子キャリア108の径方向延在部分122の径方向面126との間に軸方向に配設される。端部リング118は、ばね端部プレート114、116を圧縮して、回転子セグメント112を回転子キャリア108に挟持および/または固定するように構成されている。
【0012】
アセンブリ中に、ばね端部プレート114およびばね端部プレート116は、初期の非圧縮状態で取り付けられる。すなわち、ばね端部プレート114、116は、テーパを付けられたプロファイルを有する。次いで、端部リング118は、回転子キャリア108上にアセンブルされ、次いで、荷重とともに押し下げられて、ばね端部プレート114およびばね端部プレート116の両方が圧縮される。すなわち、端部リング118は、ばね端部プレート114、回転子セグメント112、およびばね端部プレート116を、回転子キャリア108の径方向延在部分122の径方向面126に対して押して、回転子セグメント112を回転子キャリア108に、それらの間の摩擦トルク伝達のために挟持する。次いで、端部リング118は、回転子キャリア108に溶接される。このようにして、圧縮されたばね端部プレート114、116によって生成されたクランプ荷重は、回転子キャリア108と回転子セグメント112との間で転送され、それにより、回転子セグメント112が回転子キャリア108に挟持される。ばね端部プレート114、116は、磁束が回転子磁石間で短絡するのを防ぐために、非磁性材料であるか、または低透磁率である。一実施形態では、ばね端部プレート114、116は、ステンレス鋼材料から製造される。これは、今度は、エンジン振動により回転子慣性を保持するために必要なクランプ荷重を生成するのに十分な強度および延性を提供する。より高いクランプ荷重は、ばね端部プレート114、116を厚くすることによって達成され得る。その上、ステンレス鋼のグレードも、磁石からの磁束が互いに短絡するのを防ぐ。このようにして、ばね端部プレート114、116は、回転子セグメント112を回転子キャリア108に固定すること、ならびに回転子内の磁石が磁束を短絡させるのを防ぐことのための回転子クランプ特徴として働く。
【0013】
端部リング118は、切断クラッチカバー128を端部リング118に接続するための1つ以上のボルト134を受容するために、その中に画成されたねじ切りされた開口部132をさらに含む。このようにして、端部リング118の全長は、切断クラッチ130に反応する軸方向荷重を取ることが適用されるために、ボルト締め接続を強化するために使用できる。端部リング118のねじ切りされた開口部132は、回転子キャリア108の外面124の径方向外側に配設される。
【0014】
固定子アセンブリ104は、回転子アセンブリ102の径方向外側に配設され、モジュールハウジング136に固定される。固定子アセンブリ104は、固定子キャリア140および固定子セグメント142を含む。一実施形態では、固定子セグメント142は、固定子セグメントのスタックであり得る。固定子キャリア140は、軸方向延在部分144と、軸方向延在部分144の端部から回転軸ARのほうへ径方向内側に延在している径方向延在部分146と、軸方向延在部分144の第2の反対端部から回転軸ARから径方向に離れて延在している径方向延在部分148と、を含む。固定子キャリア140の軸方向延在部分144は、内面150を含む。固定子セグメント142は、内面150上に設置および配置される。一実施形態では、固定子セグメント142は、焼嵌め配置を介して固定子キャリア140上に設置され得る。すなわち、固定子キャリア140は、内面150を延在するために加熱され、固定子セグメント142は、固定子キャリア140上に設置され、内面150は、固定子キャリア140が冷えた後に、固定子セグメント142に縮小適合する。固定子キャリア140の径方向延在部分146は、トルクコンバータアセンブリ106および回転軸ARのほうへ、回転子アセンブリ102の径方向内側に延在する。すなわち、径方向延在部分146は、回転軸ARに向かう径方向内側方向において、固定子セグメント142および回転子セグメント112から離れて延在する。径方向延在部分146は、固定子端部ワインディング152の周りに、かつ回転子キャリア108の径方向内側に延在する。固定子キャリア140は、固定子アセンブリ104をモジュールハウジング136に固定するようにさらに配置される。すなわち、固定子キャリア140の径方向延在部分148は、固定子キャリア140をモジュールハウジング136に固定するためのコネクタ149を受容するために、その中に画成された開口部147を含む。例示的な実施形態では、コネクタ149は、ボルトまたは他のタイプの留め具であり得る。
【0015】
ハイブリッドモジュール100は、回転子アセンブリ102の径方向内側に完全に配設されたトルクコンバータアセンブリ106をさらに含む。トルクコンバータアセンブリ106は、少なくとも1つのブレードが装着された回転子キャリア108に固定されたインペラシェル156を有するインペラ154と、少なくとも1つのブレードが装着されたタービンシェル160を有するタービン158と、少なくとも1つのブレードが装着された固定子162と、ロックアップクラッチ164と、を含む。インペラシェル156は、溶接された接続部166を介して回転子キャリア108の径方向延在部分122に固定され得る。インペラシェル156および回転子キャリア108は、トルクコンバータアセンブリ106のハウジングを一緒に形成する。トルクコンバータアセンブリ106および切断クラッチ130は、回転子キャリア108の径方向内側に配設され得る。すなわち、切断クラッチ130、ロックアップクラッチ164、タービン158、タービンシェル160、固定子162、インペラ154、およびインペラシェル156は、回転子キャリア108の径方向内側に完全に配設され得る。言い換えれば、切断クラッチ130、ロックアップクラッチ164、タービン158、タービンシェル160、固定子162、インペラ154、およびインペラシェル156は、回転子キャリアの軸方向長さのもの以下である軸方向長さだけ一緒に延在し得る。実施形態では、回転子キャリア108は、141~201mmの内径、および135~195mmのトーラスサイズを含み得る。
【0016】
ロックアップクラッチ164は、回転子フランジ110の第1の軸方向側に配置されてもよく、切断クラッチ130は、回転子フランジ110の第2の反対側に配設されてもよい。ロックアップクラッチ164は、回転子フランジ110とタービンシェル160との間に配設されたピストンプレート170と、回転子キャリア108の軸方向延在部分120に固定され、ピストンプレート170とタービンシェル160との間に配設されたリアクションプレート172と、回転子キャリア108に接続された第1の複数のクラッチプレート174と、内側ディスクキャリアまたは支持体フランジ178に接続された第2の複数のクラッチプレート176と、をさらに含んでよく、第1および第2の複数のクラッチプレート174、176は、ピストンプレート170とリアクションプレート172との間で軸方向に配設される。ピストンプレート170は、回転子フランジ110および出力ハブ180にさらに封着され得る。内側ディスクキャリアまたは支持体フランジ178は、径方向外側端部においてリアクションプレート172に封着され、例えばリベット締めされた接続部を介して、径方向内側端部においてタービンシェル160および出力ハブ180に接続され得る。
【0017】
レゾルバアセンブリ182は、回転子112の速度および角度位置を測定するために提供され、固定子キャリア140に固定されたレゾルバ固定子184と、レゾルバ回転子ハブまたはフランジ188上に取り付けられたレゾルバ回転子186と、を含む。フランジ188は、インペラシェル156に固定され、軸方向AD2の反対である軸方向AD1において、インペラシェル156から軸方向に離れて延在し得る。一実施形態では、インペラシェル156およびフランジ188は、例えば、単一部品の一体型構成であり得る。別の実施形態では、フランジ188およびインペラシェル156は、複数部品の構成であってもよく、例えば、溶接された接続部を介して互いに固定されてもよい。フランジ188は、回転子キャリア108を越えて軸方向に延在し、レゾルバ回転子186は、フランジ188の外面上にプレス嵌めされ得る。しかしながら、レゾルバ回転子186は、他の方法、例えば、ステーキングを介してフランジ188に固定されてもよいことを理解されたい。
【0018】
レゾルバ固定子184は、固定子キャリア140の径方向延在部分146に固定され得る。一実施形態では、レゾルバ固定子184は、例えば、ボルトであり得る、コネクタ190によって、固定子キャリア140の径方向延在部分146に固定される。しかしながら、他の実施形態(図示せず)では、他の固定方法(例えば、リベット締め、ステーキング、接着剤)が採用され得ることを理解されたい。レゾルバ固定子184は、回転子キャリア108の径方向内側に配設される。すなわち、回転軸ARから測定されたレゾルバ固定子184の径方向距離は、回転軸ARから測定された回転子キャリア108の径方向距離よりも小さい。レゾルバ回転子186は、レゾルバ固定子184と軸方向に整合される。すなわち、レゾルバ固定子184およびレゾルバ回転子186の両方を延在または通過する回転軸ARに垂直なラインが描画され得る。レゾルバ回転子186は、レゾルバ固定子184および回転子キャリア108の径方向内側に配設される。
【0019】
例示的な実施形態を上で説明したが、これらの実施形態が、特許請求の範囲に含まれるすべての可能な形態を説明することは意図していない。本明細書で使用する用語は、限定ではなく説明のための用語であり、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。前述のように、様々な実施形態の特徴部を組み合わせて、明示的に説明または図示していない可能性がある本開示の更なる実施形態を形成してもよい。様々な実施形態は、1つ以上の所望の特性に関して、利点を提供するもの、または他の実施形態または従来技術の実装形態よりも好ましいものと説明することはできたが、当業者は、1つ以上の特徴部または特性を妥協して特定の応用形態および実装形態に依存する所望の全体的なシステム属性を達成できることを認識する。これらの属性には、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、保守性、重量、製造性、組み立ての容易さなどが含まれ得るが、これらに限定されない。したがって、任意の実施形態を、1つ以上の特性に関して他の実施形態または先行技術の実装形態よりも望ましくないと説明する限りにおいて、これらの実施形態が本開示の範囲外ではなく、特定の応用形態に望ましい場合があり得る。
【符号の説明】
【0020】
100 ハイブリッドモジュール
102 回転子アセンブリ
104 固定子アセンブリ
106 トルクコンバータアセンブリ
108 回転子キャリア
110 回転子キャリアハブまたは回転子フランジ
112 回転子セグメント
114 ばね端部プレート
116 ばね端部プレート
118 端部リング
120 軸方向延在部分
122 径方向延在部分
124 外面
126 径方向面
128 切断クラッチカバー
130 切断クラッチ
132 開口部
134 ボルト
136 モジュールハウジング
140 固定子キャリア
142 固定子セグメント
144 軸方向延在部分
146 径方向延在部分
147 開口部
148 径方向延在部分
149 コネクタ
150 内面
152 固定子端部ワインディング
154 インペラ
156 インペラシェル
158 タービン
160 タービンシェル
162 固定子
164 ロックアップクラッチ
166 接続部
170 ピストンプレート
172 リアクションプレート
174 第1の複数のクラッチプレート
176 第2の複数のクラッチプレート
178 内側ディスクキャリアまたは支持体フランジ
180 出力ハブ
182 レゾルバアセンブリ
184 レゾルバ固定子
186 レゾルバ回転子
188 レゾルバ回転子ハブまたはフランジ
190 コネクタ