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  • 特許-電気刺激装置及び電気刺激ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】電気刺激装置及び電気刺激ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20231030BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
A61N1/04
A61N1/36
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020023930
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021126422
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390018913
【氏名又は名称】株式会社ホーマーイオン研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(72)【発明者】
【氏名】秋本 龍二
(72)【発明者】
【氏名】細木 力
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/072437(WO,A1)
【文献】特開2018-183481(JP,A)
【文献】特開2020-000608(JP,A)
【文献】特開2009-017947(JP,A)
【文献】特開2019-050936(JP,A)
【文献】登録実用新案第3177243(JP,U)
【文献】登録実用新案第3194492(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に装着されて電気刺激を付与する電気刺激装置であって、
帯状に延びて伸縮可能なサポータと、
前記サポータに取り付けられる電極部と、を有し、
前記電極部は、前記サポータの裏面側から順に、止水性を備えた熱融着シートと、電極シートと、吸水シートと、メッシュ状シートとを積層することにより構成されており、
前記メッシュ状シートは、前記電極シート及び前記吸水シートよりも平面方向に張り出した張出部を有しており、この張出部は前記熱融着シートに熱融着されており、
前記電極シートは、炭素繊維布であることを特徴とする電気刺激装置。
【請求項2】
前記電極シート及び前記吸水シートは、前記メッシュ状シート及び前記熱融着シートによって挟まれた閉塞した収容部内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の電気刺激装置。
【請求項3】
前記電極シート及び前記吸水シートは、互いに接着材により接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気刺激装置。
【請求項4】
前記サポータの裏面は、人体の刺激部位に接触する接触面であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の電気刺激装置。
【請求項5】
前記サポータの長手方向における端部には、面ファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の電気刺激装置。
【請求項6】
人体に装着されて電気刺激を付与する第1の電気刺激装置及び第2の電気刺激装置を有する電気刺激ユニットであって、
前記第1の電気刺激装置は、帯状に延びて伸縮可能な第1のサポータと、前記第1のサポータに取り付けられる第1の電極部と、を有し、前記第1の電極部は、前記第1のサポータの裏面側から順に、止水性を備えた第1の熱融着シートと、第1の電極シートと、第1の吸水シートと、第1のメッシュ状シートとを積層することにより構成されており、
前記第1のメッシュ状シートは、前記第1の電極シート及び前記第1の吸水シートよりも平面方向に張り出した第1の張出部を有しており、この第1の張出部は前記第1の熱融着シートに熱融着されており、
前記第2の電気刺激装置は、帯状に延びて伸縮可能な第2のサポータと、前記第2のサポータに取り付けられる第2の電極部と、を有し、前記第2の電極部は、前記第2のサポータの裏面側から順に、止水性を備えた第2の熱融着シートと、第2の電極シートと、第2の吸水シートと、第2のメッシュ状シートとを積層することにより構成されており、
前記第2のメッシュ状シートは、前記第2の電極シート及び前記第2の吸水シートよりも平面方向に張り出した第2の張出部を有しており、この第2の張出部は前記第2の熱融着シートに熱融着されており、
前記第1のサポータ及び第2のサポータは、互いに繋がっており、
前記第1の電極シート及び前記第2の電極シートは、炭素繊維布であることを特徴とする電気刺激ユニット。
【請求項7】
前記第1のサポータ及び前記第2のサポータは、一部が重なっており、この重なり部分において互いに縫い合わされていることを特徴とする請求項6に記載の電気刺激ユニット。
【請求項8】
前記第1のサポータにおける両端部は、前記第2のサポータの長手方向に対して傾斜した方向に傾いていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電気刺激ユニット。
【請求項9】
前記第1の電極シート及び前記第2の電極シートは互いに極性が異なることを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか一つに記載の電気刺激ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に電気刺激を付与する電気刺激装置及び電気刺激ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医学、スポーツなどの業界では、筋肉増強、失禁の管理、脊椎奇形の管理、痙縮の管理などのために、骨格筋収縮を誘発する電気筋肉刺激(以下、EMSという)が行われている。
【0003】
特許文献1には、網目状に形成された帯状導電部の外縁の一部をバンド(言い換えると、サポータ)に縫着することにより、バンドと帯状導電部との間に電極を収容するための電極収容スペースを形成し、帯状導電部のうちバンドに縫着されていない部分(つまり、スリット)を介して、電極収容スペースに電極を収容した電気刺激装置が開示されている。帯状導電部には、ニット素材、織物、不織布等の保水性材料が用いられ、帯状導電部に水を含侵させた状態で、電気刺激装置を人体に巻き付けることにより、電気刺激が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3194492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電気刺激装置には、帯状導電部に含浸させた水がサポータに流出し、使用者に不快感を与えるおそれがあった。特に、電気刺激装置を装着しながら運動を行った場合には、帯状導電部が加振されるため、サポータに水が流出し易くなる。
【0006】
本願発明は、サポータに水が流出しにくい電気刺激ユニット及び電気刺激装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電気刺激ユニットは、(1)人体に装着されて電気刺激を付与する電気刺激装置であって、帯状に延びて伸縮可能なサポータと、前記サポータに取り付けられる電極部と、を有し、前記電極部は、前記サポータの裏面側から順に、止水性を備えた熱融着シートと、電極シートと、吸水シートと、メッシュ状シートとを積層することにより構成されており、前記メッシュ状シートは、前記電極シート及び前記吸水シートよりも平面方向に張り出した張出部を有しており、この張出部は前記熱融着シートに熱融着されていることを特徴とする。
【0008】
(2)前記電極シート及び前記吸水シートは、前記メッシュ状シート及び前記熱融着シートによって挟まれた閉塞した収容部内に収容されていることを特徴とする上記(1)に記載の電気刺激装置。
【0009】
(3)前記電極シート及び前記吸水シートは、互いに接着材により接着されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の電気刺激装置。
【0010】
(4)前記サポータの裏面は、人体の刺激部位に接触する接触面であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の電気刺激装置。
【0011】
(5)前記サポータの長手方向における端部には、面ファスナーが設けられていることを特徴とする所行(1)乃至(4)のうちいずれか一つに記載の電気刺激装置。
【0012】
(6)人体に装着されて電気刺激を付与する第1の電気刺激装置及び第2の電気刺激装置を有する電気刺激ユニットであって、前記第1の電気刺激装置は、帯状に延びて伸縮可能な第1のサポータと、前記第1のサポータに取り付けられる第1の電極部と、を有し、前記第1の電極部は、前記第1のサポータの裏面側から順に、止水性を備えた第1の熱融着シートと、第1の電極シートと、第1の吸水シートと、第1のメッシュ状シートとを積層することにより構成されており、前記第1のメッシュ状シートは、前記第1の電極シート及び前記第1の吸水シートよりも平面方向に張り出した第1の張出部を有しており、この第1の張出部は前記第1の熱融着シートに熱融着されており、前記第2の電気刺激装置は、帯状に延びて伸縮可能な第2のサポータと、前記第2のサポータに取り付けられる第2の電極部と、を有し、前記第2の電極部は、前記第2のサポータの裏面側から順に、止水性を備えた第2の熱融着シートと、第2の電極シートと、第2の吸水シートと、第2のメッシュ状シートとを積層することにより構成されており、前記第2のメッシュ状シートは、前記第2の電極シート及び前記第2の吸水シートよりも平面方向に張り出した第2の張出部を有しており、この第2の張出部は前記第2の熱融着シートに熱融着されており、
前記第1のサポータ及び第2のサポータは、互いに繋がっていることを特徴とする電気刺激ユニット。
【0013】
(7)前記第1のサポータ及び前記第2のサポータは、一部が重なっており、この重なり部分において互いに縫い合わされていることを特徴とする上記(6)に記載の電気刺激ユニット。
【0014】
(8)前記第1のサポータにおける両端部は、前記第2のサポータの長手方向に対して傾斜した方向に傾いていることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の電気刺激ユニット。
【0015】
(9)前記第1の電極シート及び前記第2の電極シートは互いに極性が異なることを特徴とする上記(6)乃至(8)のうちいずれか一つに記載の電気刺激ユニット。
【発明の効果】
【0016】
本願発明によれば、サポータに水が流出しにくい電気刺激ユニット及び電気刺激装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電気刺激ユニットの平面図である。
図2】電気刺激ユニットの裏面図である。
図3】電気刺激装置の一部における断面図である。
図4】電気刺激ユニットの使用状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態である電気刺激ユニット1について図面を参照しながら説明する。図1は電気刺激ユニットの平面図であり、図2は電気刺激ユニットの裏面図であり、電気刺激ユニットを装着したときに、電気刺激ユニットの裏面側が人体に接触する。図3は、電気刺激装置を図2に示すX1-X2に沿って切断した断面図である。
【0019】
電気刺激ユニット1は、上側電気刺激装置10(第1の電気刺激装置に相当する)及び下側電気刺激装置20(第2の電気刺激装置に相当する)を含む。上側電気刺激装置10は、上側サポータ部11と、上側電極部12とを含む。上側サポータ部11は、帯状に延びており、伸縮し易い材料によって構成されている。上側サポータ部11の長手方向における一端の表面には、オス面11aが形成されており、他端の裏面にはメス面11bが形成されている。上側電気刺激装置10を人体の刺激部位に巻き付けた状態で、オス面11aをメス面11bに対して接触させることにより、オス面11aのフックがメス面11bのループに引っ掛かり、人体の刺激部位に上側電極装置10を位置決めすることができる。上側サポータ部11には、例えば、ポリエステル及びポリウレタンを含む合成繊維を用いることができる。
【0020】
ただし、本発明は、尾錠及びツク棒を備え、ツク棒を上側サポータ部11に形成された小孔に差し込むことにより上側電気刺激装置10を人体の刺激部位に装着するベルト型の電気刺激装置にも適用することができる。つまり、上側サポータ部11の装着手段は、面ファスナーに限るものではない。
【0021】
上側電極部12は、上側サポータ部11から人体に向かって、熱融着シート12a、電極シート12b、接着芯(たとえば、くもの巣)12c、吸水シート12d、メッシュ状シート12eを、この順序で積層することにより構成されている。上側電極部12を上側サポータ部11に押し付けながら加熱することにより、熱融着シート12aが熱溶融し、メッシュ状シート12eの外縁部12e1(言い換えると、張出部)を上側サポータ部11に熱融着させることができる。なお、本明細書では、メッシュ状シート12eのうち、電極シート12b及び吸水シート12dよりも平面方向に張り出した部分を外縁部12e1と定義する。
【0022】
ここで、図3に図示するように、メッシュ状シート12eの外縁部12e1を上側サポータ部11に熱融着させることにより、メッシュ状シート12e及び熱融着シート12aに挟まれた収容部が形成され、この閉塞した収容部内に電極シート12b、接着芯12c及び吸水シート12dを保持することができる。これにより、電極シート12b及び吸水シート12dの位置ずれを効果的に抑制することができる。
【0023】
さらに、熱融着シート12aは、止水性を備えている。したがって、吸水シート12dから流出した水が熱融着シート12aを透過して、上側サポータ部11から染み出すことを効果的に抑制することができる。熱融着シート12aには、ウレタンを用いることができる。
【0024】
以上の作用効果を得るために、熱融着シート12aは、メッシュ状シート12eよりも平面視における面積を大きくする必要がある。つまり、熱融着シート12aの外縁の内側にメッシュ状シート12eが配設されるように、サイズ調整しておくことが好ましい。
【0025】
電極シート12bには、例えば、炭素繊維で形成された布を用いることができる。炭素繊維布は、炭素繊維製の糸を用いて織られた織物であるため、電極として一般的に用いられる金属板や金属製ワイヤーに比べて高い柔軟性を有する。したがって、上側電気刺激装置10を人体の刺激部位に巻き付けたときに、身体の凹凸に合わせて変形するため、金属板や金属製ワイヤーに比べて身体に密着させることが容易である。したがって、身体と電極シート12bとの間に隙間が形成されたり、身体に対する接触圧力が偏ったりすることを抑えることができる。これにより、通電の際の電気抵抗や電流分布の偏りが生じにくくなり、局所的に生じる過電流を抑えることができるため、通電時の痛みを軽減することができる。
【0026】
また、炭素繊維布には、水を含浸させることができる。これにより、吸水シート12dと電極シート12bとの間を流れる電流がより均一になり、過電流を防止することができる。過電流を抑えることによって、通電時の痛みを軽減することができる。
【0027】
接着芯12cは、両面接着シートであり、電極シート12b及び吸水シート12dの仮止めのために用いられる。クモの巣の形状に類似していることから、クモの巣と呼ばれることもある。接着芯12cを用いて電極シート12b及び吸水シート12dを仮止めしておくことにより、メッシュ状シート12eを熱融着させるときに、電極シート12b及び吸水シート12dが位置ずれを起こすことを防止できる。なお、これらが位置ずれを起こさないように、メッシュ状シート12eを熱融着できる場合には、接着芯12cを省略することもできる。
【0028】
吸水シート12dは、吸水性や保水性を有する材料で構成することができる。例えば、ランシール(登録商標)、ニット素材、織物、不織布、ポリエステル及び綿を合成した合成繊維を用いることができる。
【0029】
メッシュ状シート12eは、上述したように、外縁部12e1を上側サポータ部11に熱融着させることにより、電極シート12b、接着芯12c及び吸水シート12dを保持する閉塞した収容部を形成する。また、メッシュ状シート12eを介して吸水シート12dに水が含浸される。したがって、吸水シート12dに対して通水できるように、メッシュ状シート12eの撥水性を低くすることが望ましい。メッシュ状シート12eの撥水性は、メッシュの目を調整することにより、変更することができる。メッシュの目を粗くすることにより、撥水性が低くなり、吸水シート12dに水を含浸させやすくなる。
【0030】
上側電気刺激装置10の表面には、後述する電気刺激信号生成装置100と結線するためのフック10aが形成されている。電気刺激信号生成装置100は、少なくとも電気刺激用のパルス信号を生成するための電気回路を備えていればよい。
【0031】
下側電気刺激装置20は、基本的には、上側電気刺激装置10と同じ構成である。つまり、下側電気刺激装置20のフック20a、オス面21a、メス面21b、上側電極部22、熱融着シート22a、電極シート22b、接着芯22c、吸水シート22d及びメッシュ状シート22eは、上側電気刺激装置10のフック10a、オス面11a、メス面11b、上側電極部12、熱融着シート12a、電極シート12b、接着芯12c、吸水シート12d及びメッシュ状シート12eとそれぞれ同一の機能を有する。
【0032】
上側電気刺激装置10及び下側電気刺激装置20は、一部が重ね合わされた状態で縫い合わされている。つまり、上側電気刺激装置10及び下側電気刺激装置20は分離不可能な状態で繋がっている。また、上側電気刺激装置10の両端部は、下側電気刺激装置20の長手方向に対して傾斜した方向に傾いている。
【0033】
上側電気刺激装置10の電極シート12b及び下側電気刺激装置20の電極シート22bは互いに電極の極性が異なる。したがって、電極シート12bを正極、電極シート22bを負極としてもよいし、或いは電極シート12bを負極、電極シート22bを正極としてもよい。また、電極シート12b及び電極シート22bの極性が所定周期で交互に入れ替わるように、電気刺激信号生成装置100が極性反転制御を行ってもよい。
【0034】
図4は、電気刺激ユニット1の使用状態を示している。電気刺激ユニット1は、右脚及び左脚の下腿三頭筋にそれぞれ巻き付けられている。ただし、本発明はこれに限るものではなく、下腿三頭筋とは異なる部位に巻き付けてもよい。
【0035】
ここで、電気刺激ユニット1を作動させながら、トレーニング(例えば、ジャンプトレーニング)を行うことにより、筋力を増大させることができる。つまり、静止した状態よりもトレーニングをしながら電気刺激を行ったほうが、筋力の増大効果が高まる。
【0036】
ここで、トレーニングをしながら電気刺激ユニット1を作動させた場合、電気刺激ユニット1が下腿三頭筋からずれ落ち、所望の部位に電気刺激を付与できなくなるおそれがある。特に、下腿三頭筋の発達が顕著なアスリートの場合、下腿三頭筋からアキレス腱に亘る筋肉における筋厚差が大きくなるため、位置ずれが起こり易い。例えば、電極を備えた円筒状のサポータを下腿三頭筋に巻き付けて、電気刺激を行った場合、トレーニング中に受ける振動によって、サポータがずれ落ちるおそれがある。
【0037】
これに対して、本実施形態では、上側電気刺激装置10及び下側電気刺激装置20のそれぞれを下腿三頭筋に巻き付けて、二か所で固定する構成となっているため、電気刺激ユニット1がトレーニング中にずれ落ちることを抑制できる。また、上側電気刺激装置10及び下側電気刺激装置20は分離不可能な状態で繋がっているため、電極間の距離がトレーニング中に変わらない。したがって、筋力強化を指向した、より効果的にトレーニングを行うことができる。
【0038】
(変形例1)
上述の実施形態では、第1の電気刺激装置10及び第2の電気刺激装置20からなる電気刺激ユニット1について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、第1の電気刺激装置10及び第2の電気刺激装置20を分離させてもよい。この場合、例えば、第1の電気刺激装置10を右脚、第2の電気刺激装置20を左脚に装着してもよい。つまり、第1の電気刺激装置10及び第2の電気刺激装置20をそれぞれ異なる刺激部位に装着してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 電気刺激ユニット
10 上側電気刺激装置。
11 上側サポータ部
12 上側電極部
12a、22a 熱融着シート
12b、22b 電極シート
12c、22c 接着芯
12d、22d 吸水シート
12e、22e メッシュ状シート
20 下側電気刺激装置
21 下側サポータ部
100 電気刺激信号生成装置
図1
図2
図3
図4