(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 7/12 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
F16K7/12 B
(21)【出願番号】P 2020548361
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(86)【国際出願番号】 JP2019035457
(87)【国際公開番号】W WO2020066584
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】P 2018179314
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100183380
【氏名又は名称】山下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】中村 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 研太
(72)【発明者】
【氏名】中田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】中澤 正彦
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5725007(US,A)
【文献】特開平8-219303(JP,A)
【文献】実公昭38-21820(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0289825(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 7/12-7/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体通路および弁室が形成され、弁座を備えたバルブボディと、
前記弁室を覆うように設けられ、前記弁室の気密を保持するダイヤフラムと、
前記弁座に対し近接および離間移動するステムと、
前記ダイヤフラムの中央部に挿通され、前記ステムに連結され、前記弁座に対し当接および前記弁座から離間して前記流体通路を開閉する弁体部と、を備え、
前記ダイヤフラムは、メインダイヤフラムと、前記メインダイヤフラムに対する前記弁室側とは反対側に位置して前記メインダイヤフラムに接触して設けられたサポートダイヤフラムと、を有し、
前記メインダイヤフラムの内周側の第1末端部は前記弁体部に固定され、
前記サポートダイヤフラムの内周側の第2末端部は、前記メインダイヤフラムの内周側の前記第1末端部から離間し
、
前記弁体部に対し、前記ダイヤフラムに対する前記弁室側とは反対側に、押えリングが設けられ、
前記メインダイヤフラムは、第1外周部と、第1中間部と、第1内周部とを有し、
前記サポートダイヤフラムは、第2外周部と、第2中間部と、第2内周部とを有し、
前記第2外周部は前記第1外周部に当接し、前記第2中間部は前記第1中間部に当接し、前記第1内周部は、前記第1中間部の内端から前記弁座に向かって折れ曲がるように構成され、前記第2内周部は、前記メインダイヤフラムから離間し、
前記押えリングの下面は、前記サポートダイヤフラムの前記第2内周部に当接している、バルブ。
【請求項2】
前記メインダイヤフラムは、金属材料により構成され、前記サポートダイヤフラムは、ゴムまたは樹脂材料により構成され、
前記メインダイヤフラムの内周側の
前記第1末端部は、前記弁体部に対し溶接により固着されている、請求項
1に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バルブボディの弁室をダイヤフラムで覆い、ダイヤフラムを作動させることにより、開閉を行うバルブがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のバルブでは、ダイヤフラムの変形および高圧流体によるダイヤフラムへの圧力に対する対策が十分になされておらず、従来以上の耐久性を求める場合には不足があった。
【0005】
そこで本発明は、耐久性に優れたバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本発明の一態様であるバルブは、流体通路および弁室が形成され、弁座を備えたバルブボディと、前記弁室を覆うように設けられ、前記弁室の気密を保持するダイヤフラムと、前記弁座に対し近接および離間移動可能に設けられたステムと、前記ダイヤフラムの中央部に挿通され、前記ステムに連結され、前記弁座に対し着座および離間して前記流体通路を開閉する弁体部と、を備え、前記ダイヤフラムは、メインダイヤフラムと、前記メインダイヤフラムに対する前記弁室側とは反対側に位置して前記メインダイヤフラムに接触して設けられたサポートダイヤフラムと、を有し、前記メインダイヤフラムの内周側の第1末端部は前記弁体部に固定され、前記サポートダイヤフラムの内周側の第2末端部は、前記メインダイヤフラムの内周側の第1末端部から離間している。
【0007】
また、前記弁体部に対し、前記ダイヤフラムに対する前記弁室側とは反対側に、押えリングが設けられ、前記押えリングの下面は、前記サポートダイヤフラムの内側部に当接していてもよい。
【0008】
また、前記メインダイヤフラムは、第1外周部と、第1中間部と、第1内周部とを有し、前記サポートダイヤフラムは、第2外周部と、第2中間部と、第2内周部とを有し、前記第2外周部は前記第1外周部に当接し、前記第2中間部は前記第1中間部に当接し、前記第1内周部は、前記第1中間部の内端から前記弁座に向かって折れ曲がるように構成され、前記第2内周部は、前記メインダイヤフラムから離間していてもよい。
【0009】
また、前記メインダイヤフラムは、第1外周部と、第1中間部と、第1内周部とを有し、前記サポートダイヤフラムは、第2外周部と、第2中間部と、第2内周部とを有し、前記第2外周部は前記第1外周部に当接し、前記第2中間部は前記第1中間部に当接し、前記第1内周部は、前記第1中間部の内端から前記弁座に向かって折れ曲がるように構成され、前記第2内周部は、前記第1内周部の一部のみに当接していてもよい。
【0010】
また、前記メインダイヤフラムは、金属材料により構成され、前記サポートダイヤフラムは、ゴムまたは樹脂材料により構成され、前記メインダイヤフラムの内周側の末端部は、前記弁体部に対し溶接により固着されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メインダイヤフラムと同調して動くサポートダイヤフラムが、常にメインダイヤフラムをサポートすることで耐久性に優れたバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態における開状態にあるバルブの縦断面図である。
【
図2】第1の実施形態におけるバルブのダイヤフラム近傍の拡大断面図である。
【
図3】第2の実施形態における開状態にあるバルブの縦断面図である。
【
図4】第2の実施形態におけるバルブのダイヤフラム近傍の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施形態に係るバルブ1について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、第1の実施形態における開状態にあるバルブ1の縦断面図である。
図2は、バルブ1のダイヤフラム8近傍の拡大断面図である。
【0015】
図1に示すように、バルブ1は、バルブボディ2と、ボンネット3と、ステム4と、連結部材5と、弁体部6と、押えリング7と、ダイヤフラム8と、押えアダプタ9と、ハンドル10と、インジケータ11とを備える。なお、以下の説明において、バルブ1の、ハンドル10側を上側、バルブボディ2側を下側として説明する。
【0016】
バルブボディ2は、弁室2aと、弁室2aに連通する流入路2bおよび流出路2cとが形成されている。バルブボディ2の流入路2bと弁室2aとが連通する箇所の周縁は、円環状の弁座2dを構成する。
【0017】
ボンネット3は、略円筒状をなし、その下端部に設けられた雄ねじ部をバルブボディ2の上端部に設けられた雌ねじ部に螺合させることにより、弁室2aを覆うようにバルブボディ2に固定されている。ボンネット3には、ステム挿入孔3aが形成されている。また、ボンネット3の内周の上端部には、雌ねじ部3Bが形成されている。
【0018】
ステム4は、ボンネット3のステム挿入孔3aに挿入されている。ステム4の上側部には雄ねじ部4Aが形成され、雄ねじ部4Aはボンネット3の雌ねじ部3Bに螺合している。これにより、ステム4は、ボンネット3に対し、回転可能かつ回転に伴い上下方向に移動可能に支持されている。ステム4が上死点にあるときにはバルブ1は開状態であり、ステム4が下死点にあるときにはバルブ1は閉状態となるように構成されている。
【0019】
ステム4の下側部には、下方に開口し内周面に雌ねじ部が形成された螺合孔4bが形成されている。また、ステム4とボンネット3との間には、Oリング4Cが介在している。
【0020】
連結部材5は、ステム4の下端に設けられ、円柱部5Aと、半球状部5Bとを有する。円柱部5Aの外周面には雄ねじ部が形成され、当該雄ねじ部は螺合孔4bに螺合されている。これにより、連結部材5はステム4に固定されている。円柱部5Aにおける雄ねじ部の下側には、円柱部5Aの径方向の外方に突出する第1フランジ部5Cが設けられ、フランジ部5Cはステム4の下面に当接している。半球状部5Bは、略半球状(半球と全球の間の形状)をなし、円柱部5Aの下端に設けられている。
【0021】
弁体部6は、弁体ホルダ6Aと、弁体6Bとを有する。弁体ホルダ6Aは、弁体支持部6Cと、挿通部6Dと、嵌入部6Eとを有する。弁体支持部6Cは、略円盤状をなし、樹脂からなる環状の弁体6Bを保持している。弁体6Bがボディ2の弁座2dに対し当接および弁座2dから離間することによって、流体通路の開閉が行われる。
【0022】
挿通部6Dは、弁体保持部6Cの上側に設けられ、上側に向かって先細る段付き円柱形状をなしている。挿通部6Dの第1段差部6Fの外周面には、全周にわたって固着溝6gが形成されている。嵌入部6Eは、挿通部6Dの上側に設けられ、略円筒状をなし、上方に開口する嵌入孔6hが形成されている。嵌入孔6hは、半球状部5Bに対応する略半球状(半球と全球の間の形状)をなしている。嵌入孔6hに、連結部材5の半球状部5Bが嵌め入れられている。これにより、弁体ホルダ6Aと連結部材5とが連結され、弁体ホルダ6Aは半球状部5Bの外面に沿って摺動可能である。また、嵌入部6Eは、挿通部6Dよりも径が小さく構成され、嵌入部6Eと挿通部6Dとにより、第2段差部6Jが形成される。
【0023】
押えリング7は、ダイヤフラム8に対する弁室2a側とは反対側に設けられ、円筒部7Aと、第2フランジ部7Bとを有する。円筒部7Aに弁体ホルダ6Aの嵌入部6Eが圧入されて、押えリング7は弁体ホルダ6Aに固定されている。円筒部7Aの下面7Cの内径側は、第2段差部6Jに当接し、円筒部7Aの下面7Cの外径側は、挿通部6Dの外周面よりも外側に位置している。第2フランジ部7Bは、円筒部7Aの上下方向の中間部分から、円筒部7Aの径方向の外方に突出している。
【0024】
ダイヤフラム8は、バルブボディ2の弁室2aを覆うように設けられ、弁室2aの気密を保持する。ダイヤフラム8は、メインダイヤフラム8Aと、サポートダイヤフラム8Bとを有する。
【0025】
メインダイヤフラム8Aは、例えば、ニッケル合金、ステンレス鋼により皿状に形成された一枚の薄板(例えば厚さ:0.1mm~0.2mm)により構成されている。メインダイヤフラム8Aは、弁室2aに直接対向しており、プロセスガス等の流体に直接接触する。メインダイヤフラム8Aは、その径方向の外側から内側に向かって、第1外周部8A1と、第1中間部8A2と、第1内周部8A3とを有する。
【0026】
第1外周部8A1は、サポートダイヤフラム8Bの第2外周部8B1と共に、バルブボディ2に形成された固定部2Eと円環状の押えアダプタ9との間に設けられ、ボンネット3を締め付けることにより、押えアダプタ9とバルブボディ2とにより気密状態で挟圧され保持されている。第1中間部8A2は、軸を含む平面で切った断面形状が円弧状をなしている。
【0027】
第1内周部8A3は、第1中間部8A2の内端から下方へ折り曲げるように形成されている。第1内周部8A3の内周面は、挿通部6Dの外周面に当接している。第1内周部8A3の内周面により、メインダイヤフラム8Aの中央部に、弁体ホルダ6Aの挿通部6Dが挿通する第1挿通孔8cが形成される。第1内周部8A3の第1末端部8Eには、凸部が設けられ、当該凸部が挿通部6Dの固着溝6gに嵌った状態で、当該部分を電子ビーム溶接、レーザ溶接等により全周にわたって溶接Wされることにより、第1内周部8A3の第1末端部8Eは挿通部6Dに固着されている。
【0028】
サポートダイヤフラム8Bは、メインダイヤフラム8Aの上側、すなわち弁室2aに対する反対側に設けられている。サポートダイヤフラム8Bは、メインダイヤフラム8Aの上に載せられているだけであり、接着等されていない。サポートダイヤフラム8Bは、例えば、金属、ゴム、樹脂等により皿状に形成された一枚の薄板(例えば厚さ:0.1mm~0.2mm)により構成されている。本実施形態では、サポートダイヤフラム8Bは、メインダイヤフラム8Aを構成する材料とは異なる材料により構成されているが、サポートダイヤフラム8Bとメインダイヤフラム8Aとは同一の材料により構成されていてもよい。サポートダイヤフラム8Bは、その径方向の外側から内側に向かって、第2外周部8B1と、第2中間部8B2と、第2内周部8B3とを有する。
【0029】
第2外周部8B1は、上記のように、メインダイヤフラム8Aの第1外周部8A1と共に、バルブボディ2の固定部2Eと円環状の押えアダプタ9との間に設けられ、ボンネット3を締め付けることにより、押えアダプタ9とバルブボディ2とにより挟圧され保持されている。第2中間部8B2は、軸を含む平面で切った断面形状が円弧状をなし、下面が第1中間部8A2に当接している。また、第2中間部8B2は、径方向の長さが第1中間部8A2よりも短く構成されている。
【0030】
第2内周部8B3は、第2中間部8B2の内端から折れ曲がるように、メインダイヤフラム8Aから離間して、弁体ホルダ6Aの第2段差部6Jへ向かって延びている。第2内周部8B3は、押えリング7の下面7Cに当接している。すなわち、サポートダイヤフラム8Bの内周側の第2末端部8Fは、メインダイヤフラム8Aの内周側の第1末端部8Eから離間している。なお、サポートダイヤフラム8Bは、第2内周部8B3が押えリング7から押圧力を受けることにより、メインダイヤフラム8Aに対し押圧力を付与しながら当接していてもよい。また、第2内周部8B3の内端により、サポートダイヤフラム8Bの中央部に、弁体ホルダ6Aの挿通部6Dが挿通する第2挿通孔8dが形成される。
【0031】
ハンドル10は、ステム4の上端に取り付けられており、作業者が手動でハンドル10を回転させ駆動力を発生させることにより、ステム4が回転駆動力を受けて回転し上下方向に沿って移動する。ハンドル10には、貫通孔10aが形成されている。
【0032】
インジケータ11は、ボンネット3の上端に固定されている。インジケータ11の上面には、「開」および「閉」の文字が印字されている。ハンドル10を回転させて、バルブ1が開状態であるときには、「開」の文字がハンドル10の貫通孔10aを介して視認され、バルブ1が閉状態であるときには、「閉」の文字がハンドル10の貫通孔10aを介して視認されるように構成されている。
【0033】
本実施形態のバルブ1では、ハンドル10の回転操作によりステム4を上下動させると、弁体部6が上下動すると共に、これに伴ってメインダイヤフラム8Aの内周部8A3およびサポートダイヤフラム8Bの内周部8B3も上下動して、ダイヤフラム8が弾性変形し、弁体6Bが弁座2dに当接および弁座2dから離間して、流入路2bと流出路2cとの間を開閉するようになっている。
【0034】
本実施形態のバルブ1によれば、ダイヤフラム8は、メインダイヤフラム8Aと、メインダイヤフラム8Aに対する弁室2a側とは反対側に位置してメインダイヤフラム8Aに接触して設けられたサポートダイヤフラム8Bとを有する。メインダイヤフラム8Aの内周側の第1末端部8Eは弁体部6に固定され、サポートダイヤフラム8Bの内周側の第2末端部8Fは、メインダイヤフラム8Aの内周側の第1末端部8Eから離間しており、メインダイヤフラム8Aとサポートダイヤフラム8Bとは異なる材料により構成されている。
【0035】
かかる構成によれば、ダイヤフラム8は、メインダイヤフラム8Aおよびサポートダイヤフラム8Bから構成されている。これにより、ダイヤフラム18の肉厚を確保し、流体の圧力に対する耐圧性を維持している。また、各ダイヤフラム8A、8Bにおいて、上下面の曲率の違いによる変形量の違いを小さくすることができるので、ダイヤフラム8の変位時のダイヤフラム8への負荷を低減することができる。また、メインダイヤフラム8Aと同調して動くサポートダイヤフラム8Bが、弁開閉の状態に関わらず常にメインダイヤフラム8Aをサポートする。よって、ダイヤフラム8の耐久性を向上させることができる。
【0036】
また、メインダイヤフラム8Aをプロセスガス等に対する腐食性に優れた材料を採用し、プロセスガス等に接触せず腐食性を考慮する必要がないサポートダイヤフラム8Bをメインダイヤフラム8Aへの流体による内圧による変形を抑えることができる優れた材料を採用することにより、ダイヤフラム8の耐久性を向上させることができる。サポートダイヤフラム8Bは、メインダイヤフラム8Aに対し接触して設けられ、サポートダイヤフラム8Bの内周側の第2末端部8Fは、メインダイヤフラム8Aの内周側の第1末端部8Eから離間している。これにより、メインダイヤフラム8Aとサポートダイヤフラム8Bとの上下面の曲率の違いにより変位時の変形量が異なっても、第1末端部8Eと第2末端部8Fとが同一箇所で固定されていないので、サポートダイヤフラム8Bはメインダイヤフラム8Aの変形に追従して変形する。よって、メインダイヤフラム8Aとサポートダイヤフラム8Bとの間に、間隙を生じるのを抑制することができ、サポートダイヤフラム8Bがメインダイヤフラム8Aをサポートするので、ダイヤフラム18の耐圧性および耐久性を向上させることができる。したがって、耐圧性、耐食性、および耐久性に優れたバルブ1を提供することができる。
【0037】
また、弁体部6に設けられた押えリング7の下面7Cは、サポートダイヤフラム8Bの第2内周部8B3(内側部)に当接しているので、サポートダイヤフラム8Bがメインダイヤフラム8Aから離れて、メインダイヤフラム8Aとサポートダイヤフラム8Bとの間に、間隙を生じるのを防止することができる。よって、メインダイヤフラム8Aの流体の内圧による変形をサポートダイヤフラム8Bにより抑えることができる。
【0038】
また、第2外周部8B1は第1外周部8A1に当接し、第2中間部8B2は第1中間部8A2に当接し、第1内周部8A3は、第1中間部8A2の内端から弁座2dに向かって折れ曲がるように構成され、第2内周部8B3は、メインダイヤフラム8Aから離間している。かかる構成により、サポートダイヤフラム8Bはメインダイヤフラム8Aの変形に追従して変形することができる。よって、メインダイヤフラム8Aの流体の内圧による変形をサポートダイヤフラム8Bにより抑えることができるので、ダイヤフラム8の耐久性を向上させることができる。
【0039】
また、メインダイヤフラム8Aは、金属材料により構成され、サポートダイヤフラム8Bは、ゴムまたは樹脂材料により構成され、メインダイヤフラム8Aの内周側の第1末端部8Eは、弁体部6に対し溶接により固着されている。かかる構成により、ダイヤフラム8の耐久性を向上させることができ、耐久性に優れたバルブ1を提供することができる。
【0040】
本発明の第2の実施形態に係るバルブ21について、図面を参照して説明する。
【0041】
図3は、第2の実施形態における開状態にあるバルブ21の縦断面図である。
図4は、バルブ21のダイヤフラム28近傍の拡大断面図である。なお、第1の実施形態のバルブ1と同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0042】
弁体部26の弁体ホルダ26Aの挿通部26Dには、第3段差部26Kが形成されている。
【0043】
押えリング27の円筒部27Aの内周側には、第2段差部6Jに当接する第4段差部27Dが形成されている。また、円筒部27Aの下面27Cは、曲面状をなしている。
【0044】
ダイヤフラム28のサポートダイヤフラム28Bの第2中間部28B2は、径方向の長さが第1中間部8A2と等しく構成されている。サポートダイヤフラム28Bの第2内周部28B3は、第2中間部28B2の内端から下方へ折り曲げるように形成され、第1内周部8A3の上側部分にのみ当接している。よって、サポートダイヤフラム28Bの内周側の第2末端部28Fは、メインダイヤフラム8Aの内周側の第1末端部8Eから離間している。また、第2内周部28B3の内端により、サポートダイヤフラム28Bの中央部に、弁体ホルダ26Aの挿通部26Dが挿通する第2挿通孔28dが形成される。円筒部27Aの下面27Cは、サポートダイヤフラム28Bの内側部に相当する第2中間部28B2と第2内周部28B3との境界部分に当接している。
【0045】
本実施形態のバルブ21においても、第1の実施形態のバルブ1と同様にダイヤフラム28の耐久性を向上させることができ、耐久性に優れたバルブ21を提供することができる。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【0047】
例えば、上記の実施形態において、ステム4を上下動させる駆動手段は、手動式のハンドル10であったが、自動式の駆動手段であってもよい。自動式の駆動手段としては、流体式の駆動手段でもよい。かかる構成のバルブであっても、上記の実施形態のバルブ1、21と同様の効果を奏する。
【0048】
また、メインダイヤフラム8Aおよびサポートダイヤフラム8B、28Bは、それぞれ一枚であったが、複数枚であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1、21:バルブ、 2:バルブボディ、 2a:弁室、 2b:流入路、 2c:流出路、 2d:弁座、 4:ステム、 6、26:弁体部、 7、27:押えリング 7C、27C:下面、 8、28:ダイヤフラム、 8A:メインダイヤフラム、 8A1:第1外周部、 8A2:第1中間部、 8A3:第1内周部、 8B、28B:サポートダイヤフラム、 8B1:第2外周部、 8B2、28B2:第2中間部、 8B3、28B3:第2内周部、8E:第1末端部、 8F、28F:第2末端部