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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231030BHJP
   G06Q 10/083 20230101ALI20231030BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q10/083
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021200505
(22)【出願日】2021-12-10
(65)【公開番号】P2023086167
(43)【公開日】2023-06-22
【審査請求日】2023-01-23
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-084855(JP,A)
【文献】特開2019-215798(JP,A)
【文献】特開2021-149337(JP,A)
【文献】特開2014-115956(JP,A)
【文献】特開2012-043066(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003672(WO,A1)
【文献】特開2015-184779(JP,A)
【文献】特開2021-012607(JP,A)
【文献】特開2021-149462(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162652(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
所定の入力情報を受け付ける受付手段、
前記入力情報に基づき、複数の移動経路に関する経路情報を算出する算出手段、
前記経路情報に基づき、前記複数の移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段、
前記判定手段が肯定判定した場合に、前記所定の条件を満たす前記移動経路を基準として、前記所定の条件を満たす前記複数の移動経路のうち、出発地又は目的地が互いに同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、複数の交通手段の接続が行われる交通ハブの設置位置を決定する決定手段、
前記決定手段により決定された設置位置を含む交通計画をユーザに提案する提案手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記所定の条件を満たす前記移動経路の出発地又は目的地を基準として、前記設置位置を決定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記所定の条件を満たす前記複数の移動経路のうち、出発地又は目的地の何れか一方が同じで且つ他方が異なる移動経路がある場合には、当該他方を基準として、前記設置位置を決定する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記移動経路が満たす前記所定の条件に基づき、前記交通ハブの種類を決定し、
前記提案手段は、前記交通ハブの種類及び前記設置位置を含む交通計画を提案する、
請求項1~の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記入力情報は、人流データ、走行データ、運行情報、CO2排出情報、又は荷物運搬情報を少なくとも含む、
請求項1~の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
所定の入力情報を受け付ける受付手段と、
前記入力情報に基づき、複数の移動経路に関する経路情報を算出する算出手段と、
前記経路情報に基づき、前記複数の移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が肯定判定した場合に、前記所定の条件を満たす前記移動経路を基準として、前記所定の条件を満たす前記複数の移動経路のうち、出発地又は目的地が互いに同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、複数の交通手段の接続が行われる交通ハブの設置位置を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された設置位置を含む交通計画をユーザに提案する提案手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の交通機関を組み合わせた交通形態は、マルチモーダル交通と呼ばれている。このようなマルチモーダル交通を採用した交通網における最適な交通計画を提案する技術として、例えば下記特許文献1には、所定の評価値に基づき、公共交通機関の運行本数等の交通パラメータを最適化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5811996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、既存の公共交通機関の運行本数等の交通パラメータを最適化する提案に留まり、新たな交通ハブの設置を提案するものではない。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、交通ハブの設置位置を含む交通計画を提案することができるプログラム及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、所定の入力情報を受け付ける受付手段、前記入力情報に基づき、移動経路に関する経路情報を算出する算出手段、前記経路情報に基づき、前記移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記所定の条件を満たす前記移動経路を基準として、複数の交通手段の接続が行われる交通ハブの設置位置を決定する決定手段、前記決定手段により決定された設置位置を含む交通計画をユーザに提案する提案手段、として機能させる。
【0007】
本発明の第二態様に係るプログラムでは、前記決定手段は、前記所定の条件を満たす前記移動経路の出発地又は目的地を基準として、前記設置位置を決定する。
【0008】
本発明の第三態様に係るプログラムでは、前記算出手段は、複数の移動経路に関する前記経路情報を算出し、前記判定手段は、前記複数の移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記決定手段は、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記所定の条件を満たす前記複数の移動経路のうち、出発地又は目的地が互いに同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、前記設置位置を決定する。
【0009】
本発明の第四態様に係るプログラムでは、前記決定手段は、前記所定の条件を満たす前記複数の移動経路のうち、出発地又は目的地の何れか一方が同じで且つ他方が異なる移動経路がある場合には、当該他方を基準として、前記設置位置を決定する。
【0010】
本発明の第五態様に係るプログラムでは、前記決定手段は、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記移動経路が満たす前記所定の条件に基づき、前記交通ハブの種類を決定し、前記提案手段は、前記交通ハブの種類及び前記設置位置を含む交通計画を提案する。
【0011】
本発明の第六態様に係るプログラムでは、前記入力情報は、人流データ、走行データ、運行情報、CO排出情報、又は荷物運搬情報を少なくとも含む。
【0012】
本発明の第七態様に係る情報処理装置は、所定の入力情報を受け付ける受付手段と、前記入力情報に基づき、移動経路に関する経路情報を算出する算出手段と、前記経路情報に基づき、前記移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記所定の条件を満たす前記移動経路を基準として、複数の交通手段の接続が行われる交通ハブの設置位置を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された設置位置を含む交通計画をユーザに提案する提案手段と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、交通ハブの設置位置を含む交通計画を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る交通計画提案システムの概要を示すモデル図である。
図2】本実施形態に係る交通計画提案システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】交通計画提案システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5】記憶手段が記憶する条件テーブルの一例を示す図である。
図6】一の移動経路が所定の条件を満たす場合に、決定手段により決定される交通ハブの設置位置を概念的に説明する図である。
図7】複数の移動経路が所定の条件を満たす場合に、決定手段により決定される交通ハブの設置位置を概念的に説明する図である。
図8】本実施形態に係る交通計画提案システムにおいて、図4に示す各機能的構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】交通計画提案システムの出力手段によって端末装置に出力される交通計画の画面の表示例を示す図である。
図10】交通計画提案システムの出力手段によって端末装置に出力される交通計画の画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。説明の理解を容易するため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0016】
<概要>
図1は、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」と称する。)に係る交通計画提案システムの概要を示すモデル図である。図1に示すように、本実施形態に係る交通計画提案システム1は、人や物の輸送サービスを行う交通事業者や物流事業者から取得した各種情報に基づき、サーバ装置が所定の情報処理を行い、交通ハブの設置位置を含む交通計画を作成する。交通ハブとは、人や物の輸送において、複数の同種又は異種の交通手段の接続が行われる交通結節点である。なお、本実施形態に係る交通計画提案システムは、人や物の輸送・運行を一緒に行う貨客混載の交通形態に適用されてもよい。交通計画提案システム1は、作成した交通計画を、自治体や工場、ひいては交通事業者や物流事業者等といった、交通計画の提案を要望するユーザに提案する。
【0017】
<全体構成>
図2は、本実施形態に係る交通計画提案システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、交通計画提案システム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能となっている。
【0019】
サーバ装置10は、交通計画をユーザに提案するために、各種の処理や制御を行う情報処理装置(コンピュータ)である。サーバ装置10は、交通計画をユーザに提案するためのプログラムを実行して得られる実行結果、又はプログラムそのものを、通信ネットワークNTを介して端末装置12に提供する。
【0020】
サーバ装置10は、所定の入力情報や、交通計画の提案要求を端末装置12から受け付ける。また、サーバ装置10は、当該提案要求に応じて、入力情報に基づき取得した交通ハブの設置位置を含む交通計画を、端末装置12に送信し、端末装置12を介してユーザに提案する。
【0021】
端末装置12は、ユーザが操作する通信端末装置である。端末装置12は、ユーザから所定の入力情報や提案要求を受け付けると、当該入力情報や提案要求をサーバ装置10に送信する。また、端末装置12は、サーバ装置10から送信された交通計画を出力してユーザに提案する。端末装置12としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、又はパーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0022】
<ハードウェア構成>
【0023】
図3は、図2に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。
【0024】
制御装置20は、CPU22及びメモリ24を主に備えて構成される。CPU22は、サーバ装置10の各種構成を制御する。メモリ24は、例えばサーバ装置10における処理の実行に必要な各種プログラム等を記憶する。
【0025】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12等との間で各種の情報を送受信する。
【0026】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0027】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータ等の情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置により構成されても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置により構成されてもよい。また、図3は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、一般的なサーバが備える他の構成を備えてもよい。なお、端末装置12のハードウェア構成は、例えば操作手段や表示装置を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えてもよい。
【0028】
<機能的構成>
図4は、交通計画提案システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図4に示すように、交通計画提案システム1におけるサーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段30と、受付手段32と、算出手段34と、判定手段36と、決定手段38と、出力手段40と、を備える。これらの各機能的構成は、図3に示すCPU22の制御のもとで、メモリ24又は記憶装置28に記憶されたプログラムを実行し、サーバ装置10が備える上記各種構成を動作させることで実現される。なお、これらの機能構成のうち全部又は一部は、端末装置12が備えてもよい。
【0030】
記憶手段30は、所定の条件情報を記憶する機能手段である。条件情報とは、判定手段36が判定するための条件を示す情報である。
【0031】
図5は、記憶手段30が記憶する条件テーブル30Aの一例を示す図である。図5に示すように、記憶手段30は、経路情報の項目に対応付けて、条件情報を記憶する。経路情報の項目とは、例えば経路情報の内容を示す名称やIDである。
【0032】
経路情報とは、移動経路に関する情報である。経路情報は、例えば、移動体情報や環境情報を含む。
【0033】
移動体情報とは、移動経路における移動体(人、交通手段、荷物等を含む。)の流れを定量化したデータである。移動体情報は、例えば滞在数、走行数、混雑度、荷物運搬量等を含む。
滞在数とは、所定時間帯において、移動経路に沿った位置に人がどの程度滞在するかを示す指標である。移動経路に沿った位置は、その移動経路上の位置だけでなく、移動経路に対して所定範囲内の位置を含んでもよい。以下、移動経路に沿った位置を「経路位置」と称する。滞在数は、例えば、所定時間帯に経路位置に滞在する人の数で示される。
走行数とは、所定時間帯において、移動位置を交通手段がどの程度走行するかを示す指標である。走行数は、例えば、所定時間帯に経路位置を走行する交通手段の数で示される。
混雑度とは、所定時間帯において、経路位置が人や交通手段によってどの程度混雑するかを示す指標である。混雑度は、例えば、滞在数や走行数を所定の基準数で除した値で示される。所定の基準数は、例えば移動経路の道路の設計・計画時に経路位置に滞在する人や経路位置を走行する交通手段の数として予め設定された数である。
荷物運搬量とは、所定時間帯において、経路位置に配送中又は配送予定の荷物がどの程度あるかを示す指標である。荷物運搬量は、例えば、所定時間帯に経路位置に滞在する荷物の量、所定時間帯に経路位置に存在する建物に配送予定の荷物の量等で示される。荷物の量は、例えば荷物の個数であってもよく、荷物の荷重等であってもよい。
【0034】
環境情報とは、移動経路における環境の状態を定量化したデータである。環境情報は、例えば、CO排出量を含む。
CO排出量とは、所定時間帯において、経路位置にどの程度のCOが交通手段から排出されるかを示す指標である。CO排出量は、例えば、所定時間帯に経路位置を走行する各交通手段から排出されたCOの総和で示される。
【0035】
図5に示す条件テーブル30Aには、経路情報の項目「滞在数」に対応付けて、「滞在数が所定値以上」という条件情報が格納されている。また、経路情報の項目「走行数」に対応付けて、「走行数が所定値以上」という条件情報が格納されている。また、経路情報の項目「荷物運搬量」に対応付けて、「荷物運搬量が所定値以上」という条件情報が格納されている。また、経路情報の項目「CO排出量」に対応付けて、「CO排出量が所定値以上」という条件情報が格納されている。また、記憶手段30は、条件情報の他に、道路交通法等の道路に関連する法律の情報や、道路、土地、建物等の所有権情報等を記憶してもよい。
【0036】
図4に戻り、受付手段32は、端末装置12から所定の入力情報を受け付ける。入力情報は、経路情報を算出可能な情報であって、例えば、人流データ、走行データ、運行情報、CO排出情報、又は荷物運搬情報を少なくとも含む。受付手段32は、受け付けた入力情報を算出手段34に出力する。
【0037】
人流データとは、人がいつどこに何人いるか、又は人がどのように移動しているかという人の流れを定量的に示すデータである。人流データは、例えば、所定時間帯や所定エリア毎の人の滞在数や混雑度等を含む。人流データは、例えばGPS(Global Positioning System)等により特定されるスマートフォン等の移動通信端末の位置情報を、統計的に収集することで取得される。
【0038】
走行データとは、自動車やバス等の道路を走行する交通手段がいつどこに何台あるか、又は、どこをどのように走っているかを定量的に示すデータである。走行データは、例えば、所定時間帯や所定エリア毎の交通手段の走行数や混雑度等を含む。また、走行データは、自動車であるかバスであるか等の交通手段の種別の情報を含んでもよい。走行データは、例えばGPS等により特定される交通手段の位置情報を、統計的に収集することで取得される。
【0039】
運行情報とは、交通事業者によって運行される交通機関の運行予定や、当該交通機関のリアルタイムの運行状況を示す情報である。運行情報は、例えば、運行本数、運行間隔、乗降客数、遅延時間等を含む。運行情報は、例えば交通事業者が有する既存の運行管理システムによって取得される。
【0040】
CO排出情報とは、交通手段の種類毎にどの程度のCOが排出されるかを示す情報である。CO排出情報は、例えば1[t]の貨物を1[km]輸送して発生するCO量のグラム[g]数を示すCO排出原単位[g-CO2/t・km]等で示される。CO排出原単位は、例えば、自家用乗用車は173[g-CO2/t・km]、航空は111[g-CO2/t・km]、鉄道は19[g-CO2/t・km]で示される。CO排出情報は、予め設定されている。
【0041】
荷物運搬情報とは、物流事業者によって配送される荷物の配送予定や、当該物流事業者のリアルタイムの配送状況を示す情報である。荷物運搬情報は、例えば、配送予定日時、配送予定場所、配送完了日時、配送完了場所等で示される。荷物運搬情報は、例えば物流事業者が有する既存の配送管理システムにより取得される。
【0042】
また、受付手段32は、上記の情報以外にも、例えば移動経路の利用者のアンケートや、道路交通情報等を入力情報として受け付けてもよい。移動経路の利用者のアンケートとは、例えば交通ハブに関するアンケートであって、交通ハブの設置の可否、設置したい交通ハブの種類や設置位置の希望等に関するアンケートである。また、道路交通情報とは、例えば移動経路に渋滞が生じているか否かを示す渋滞情報等である。
【0043】
算出手段34は、受付手段32により受け付けた入力情報に基づき、一又は複数の移動経路に関する経路情報を算出する。以下、算出手段34は、入力情報をAI(Artificial Intelligence:人口知能)等を用いた解析や、所定の数式に基づく計算を行うことにより、経路情報を算出するものとして説明するが、算出方法はこれに限らず既知の技術を用いて算出することができる。
【0044】
例えば、算出手段34は、人流データをAI等で解析することにより、人の滞在数や混雑度を算出する。また、算出手段34は、走行データをAI等で解析することにより、交通手段の走行数や混雑度を算出する。また、算出手段34は、荷物運搬情報をAI等で解析することにより、荷物運搬量を算出する。
【0045】
また、算出手段34は、走行データ及びCO排出情報に基づき、CO排出量を算出する。具体的には、まず、算出手段34は、走行データをAI等で解析することにより、交通手段の種類毎の走行数を算出する。次に、算出手段34は、CO排出情報が示す[CO排出原単位]に[移動経路の距離]及び[交通手段の種類毎の走行数]を乗算することにより、移動位置で排出される交通手段の種類毎のCO量を算出する。次に、算出手段34は、当該種類毎のCO量を全ての交通手段の種類分加算することにより、CO排出量を算出する。
【0046】
判定手段36は、算出手段34により算出された経路情報に基づき、移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、判定手段36は、記憶手段30が記憶する条件テーブル30Aを参照し、算出された経路情報が、経路情報の項目に対応する条件情報が示す条件を満たすか否かを判定する。例えば経路情報の項目が「滞在数」であった場合、判定手段36は、「滞在数が所定値以上」であるか否かを判定する。
【0047】
また、判定手段36は、算出手段34により複数の移動経路に関する経路情報が算出された場合には、当該複数の移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定手段36は、複数の移動経路のそれぞれが、条件テーブル30Aに格納された条件情報が示す条件のうち少なくとも一つの条件を満たすか否かを判定する。判定手段36は、判定結果を決定手段38に出力する。
【0048】
決定手段38は、判定手段36の判定結果に基づき、交通ハブの設置位置(設置計画位置)を決定する。以下、図6及び図7を参照して、決定手段38による交通ハブの設置位置の決定方法について説明する。
【0049】
図6は、一の移動経路Pが所定の条件を満たす場合に、決定手段38により決定される交通ハブの設置位置を概念的に説明する図である。ここで示す移動経路Pは、出発地Aから目的地Eまでの移動経路である。
【0050】
決定手段38は、判定手段36が肯定判定した場合に、移動経路Pを基準として、交通ハブの設置位置を決定する。例えば、決定手段38は、例えば、移動経路Pに沿った位置、移動経路Pを含む所定のエリアR1内の位置、又は移動経路P上の任意の点からの移動コストが所定値以下である位置等を、設置位置として決定する。
【0051】
また、決定手段38は、移動経路Pの出発地A又は目的地Eを基準として、交通ハブの設置位置を決定してもよい。例えば、決定手段38は、出発地A又は目的地Eを含む各所定エリアR2,R3内の位置や、出発地A又は目的地Eからの移動コストが所定値以下となる位置等を、設置位置として決定する。
【0052】
図7は、複数の移動経路P1~P4が所定の条件を満たす場合に、決定手段38により決定される交通ハブの設置位置を概念的に説明する図である。ここで示す移動経路P1,P2は、それぞれ異なる出発地A,Bから同じ目的地Eまでの移動経路である。また、ここで示す移動経路P2,P3は、それぞれ異なる出発地C,Dから同じ目的地Fまでの移動経路である。
【0053】
決定手段38は、例えば、複数の移動経路P1~P4のうち、出発地又は目的地が同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、交通ハブの設置位置を決定する。すなわち、決定手段38は、同じ目的地Eである移動経路P1,P2を基準として交通ハブの設置位置を決定すると共に、同じ目的地Fである移動経路P3,P4を基準として交通ハブの設置位置を決定する。このように、決定手段38は、出発地又は目的地が同じ移動経路の数だけ、異なる設置位置を決定する。
【0054】
また、決定手段38は、出発地又は目的地の何れか一方が同じで且つ他方が異なる移動経路がある場合には、当該他方を基準として、交通ハブの設置位置を決定する。例えば移動経路P1,P2のように、同じ目的地Eで且つそれぞれ異なる出発地A,Bである場合には、決定手段38は、出発地A,Bを含む所定エリアR4内の位置や、出発地A,Bからの移動コストが所定値以下となる位置を、設置位置に決定する。同様にして、例えば移動経路P3,P4のように、同じ目的地Fで且つそれぞれ異なる出発地C,Dである場合には、決定手段38は、出発地C,Dを含む所定エリアR5内の位置や、出発地C,Dからの移動コストが所定値以下となる位置を、設置位置に決定する。
【0055】
決定手段38は、上記のように決定することができる位置が複数ある場合には、それら複数の中から更に所定の選択条件に基づき選択し、選択した位置を設置位置に決定してもよい。当該選択条件としては、例えば記憶手段30が記憶する道路交通法等の道路に関連する法律の情報や、道路、土地、建物等の所有権情報等に関する条件であって、例えば法律を遵守しているか、他者の所有権を侵害していないか等である。
【0056】
また、決定手段38は、判定手段36の判定結果に基づき、交通ハブの種類を決定する。例えば、決定手段38は、判定手段36が肯定判定した条件に対応する交通ハブの種類を決定する。交通ハブの種類とは、交通ハブの性質等に基づく区分けを示す情報である。交通ハブの種類としては、駅、バス停留所、空港、モビリティハブ、又はドローンハブ等を含む。モビリティハブとは、カーシェアリング、自転車シェアリング、又はオンデマンド交通等の乗り合い拠点であって、複数の交通サービスを集約させて利便性の向上を図るものである。モビリティハブは、電気自動車等の充電施設、荷物受取所としての宅配ボックス等を含んでもよい。ドローンハブとは、ドローンの積み荷拠点である。なお、ドローンハブは、モビリティハブに含まれてもよい。
【0057】
例えば、決定手段38は、判定手段36が「滞在数が所定値以上」という条件を肯定判定した場合には、肯定判定した移動経路における滞在数が所定値以下となるような交通ハブの種類を決定する。当該交通ハブの種類としては、例えば「駅」、「バス停留所」、又は「モビリティハブ」等が挙げられる。例えば移動経路を基準とする設置位置に、「駅」、「バス停留所」、「モビリティハブ」等の交通ハブを設置することで、当該移動経路の利用者が当該交通ハブを利用可能となる。これにより、当該交通ハブの設置前に比べて、当該利用者が利用し得る交通手段の選択肢が増えるため、当該移動経路における滞在数を低下させることができる。
【0058】
また、決定手段38は、判定手段36が「CO排出量が所定値以上」という条件を肯定判定した場合には、肯定判定した移動経路におけるCO排出量が所定値以下となるような交通ハブの種類を決定する。当該交通ハブの種類としては、例えば「駅」、「バス停留所」、又は「モビリティハブ」等が挙げられる。例えば移動経路を基準とする設置位置に、「駅」、「バス停留所」、又は「モビリティハブ」等の交通ハブを設置することで、当該移動経路の利用者が当該交通ハブを利用可能となる。これにより、当該利用者は、自家用車よりもCO排出量が低い電車、バス、カーシェアリング、オンデマンド交通等を交通手段として選択することができるため、当該移動経路におけるCO排出量を低下させることができる。
【0059】
また、決定手段38は、判定手段36が「荷物運搬量が所定値以上」という条件を肯定判定した場合には、肯定判定した移動経路における荷物運搬量が所定値以下となるような交通ハブの種類を決定する。当該交通ハブの種類としては、例えば「モビリティハブ」や「ドローンハブ」等が挙げられる。例えば移動経路を基準とする設置位置に「モビリティハブ」や「ドローンハブ」等の交通ハブを設置することで、当該移動経路の利用者が当該交通ハブを利用可能となる。これにより、例えば輸送業者は、当該移動経路の出発地から目的地まで荷物を運ぶのではなく、当該交通ハブまで荷物を運ぶようにすることができ、輸送コストを削減することができる。
【0060】
また、決定手段38は、判定手段36が複数の種類の条件を肯定判定した場合には、その複数の種類の条件のうち何れかに対応する交通ハブの種類を決定してもよく、その複数の種類の条件全てに対応する交通ハブの種類を決定してもよい。例えば「CO排出量が所定値以上」という条件と、「荷物運搬量が所定値以上」という条件とを肯定判定した場合には、この二つの条件の両方に対応する、「モビリティハブ」を交通ハブの種類に決定してもよい。
【0061】
また、決定手段38は、例えば、判定手段36が肯定判定した複数の移動経路のうち、出発地又は目的地が同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、当該移動経路が満たす条件に対応する交通ハブの種類を決定する。すなわち、決定手段38は、出発地又は目的地が同じ移動経路について決定する交通ハブの設置位置毎に、交通ハブの種類を決定する。
【0062】
出力手段40は、決定手段38により決定された交通ハブの種類及び設置位置を含む交通計画を端末装置12に出力することにより、当該交通計画をユーザに提案する提案手段である。例えば、出力手段40は、交通ハブの種類及び設置位置を含む交通計画を、端末装置12の画面に表示する。この際、出力手段40は、所定の地図上に移動経路と共に交通ハブの設置位置を示してもよい。また、出力手段40は、画面表示以外に音声等によって交通ハブの種類及び設置位置を含む交通計画を出力してもよい。また、出力手段40が提案する交通計画には、少なくとも決定手段38により決定された交通ハブの設置位置が含まれていればよく、交通ハブの種類は含まれていなくてもよい。
【0063】
<処理の流れ>
図8は、本実施形態に係る交通計画提案システムにおいて、図4に示す各機能的構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下のステップの処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。図8に示すステップの処理は、例えば、ユーザが端末装置12から交通計画提案システムにログインすると自動的に開始される。
【0064】
(ステップSP10)
図8に示すように、受付手段32は、端末装置12からの入力により、人流データ、走行データ、運行情報、CO排出情報、又は荷物運搬情報等の入力情報を受け付ける。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP12)
算出手段34は、ステップSP10で受け付けた入力情報を解析又は計算等することにより、移動経路に関する滞在数、走行数、混雑度、荷物運搬量、CO排出量等の経路情報を算出する。この際、例えば、算出手段34は、複数の移動経路に関する経路情報を算出する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP14)
判定手段36は、ステップSP12の処理で算出された経路情報の項目に対応する条件テーブル30Aに格納された条件情報を参照する。続いて、判定手段36は、複数の移動経路のそれぞれが、条件情報が示す条件のうち少なくとも一つを満たすか否かを判定する。当該判定を肯定判定した場合には、処理は、ステップSP16の処理に移行する。当該判定を否定判定した場合には、処理は、交通計画を提案することなく図8に示す一連の処理を終了する。
【0067】
(ステップSP16)
決定手段38は、ステップSP14の処理で肯定判定された条件に対応する交通ハブの種類を決定する。例えばステップSP14の処理において「CO排出量が所定値以上」という条件と、「荷物運搬量が所定値以上」という条件とが肯定判定された場合には、決定手段38は、これらの条件に対応する「モビリティハブ」を交通ハブの種類として決定する。この際、ステップSP14の処理で複数の移動経路が肯定判定された場合であって、当該複数の移動経路のうち出発地又は目的地が同じ移動経路がある場合には、決定手段38は、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、交通ハブの種類を決定する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP18)
決定手段38は、ステップSP14の処理で肯定判定された移動経路を基準として、交通ハブの設置位置を決定する。この際、ステップSP14の処理で複数の移動経路が肯定判定された場合であって、当該複数の移動経路のうち出発地又は目的地が同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、交通ハブの設置位置を決定する。更に、出発地又は目的地の何れか一方が同じで且つ他方が異なる移動経路がある場合には、当該他方を基準として、交通ハブの設置位置を決定する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP20)
出力手段40は、ステップSP16の処理で決定された交通ハブの種類と、ステップSP18の処理で決定された交通ハブの設置位置とを含む交通計画を、端末装置12に出力することにより、交通計画をユーザに提案する。以上により、図8に示す一連の処理が終了する。
【0070】
<画面表示例>
図9及び図10は、交通計画提案システム1の出力手段40によって端末装置12に出力される交通計画の画面の表示例を示す図である。
【0071】
図9は、入力情報を入力した後、交通計画が出力される前の端末装置12の画面を示す。当該画面には、例えば所定の地図上に移動経路P10~P16が表示されている。ここで示す移動経路P10,P12,P15,P16は、それぞれ、異なる自宅A,C,F,Gから同じ場所Cまでの移動経路である。また、移動経路P11,P13は、それぞれ、異なる自宅B,Dから同じ場所Bまでの移動経路である。また、移動経路P14は、自宅Eから場所Aまでの移動経路である。
【0072】
以下、各自宅A~Gを出発地、各場所B~Eを目的地として説明するが、出発地と目的地とは反対であってもよい。これらの移動経路のうち、判定手段36により所定の条件を満たすと判定された移動経路P10,P11,P12,P13,P15は、画面において例えば実線で示されている。これに対し、判定手段36により所定の条件を満たさないと判定された移動経路P14,P16は、画面において例えば破線で示されている。
【0073】
決定手段38は、所定の条件を満たす移動経路P10,P11,P12,P13,P15のうち、目的地が同じ移動経路毎に、交通ハブの設置位置を決定する。例えば、決定手段38は、移動経路P10、P12,P15の出発地(自宅A,C,F)からの移動コストが所定値以下となる位置を、第一の交通ハブの設置位置とすると共に、移動経路P11,P13の出発地(自宅B,D)からの移動コストが所定値以下となる位置を第二の交通ハブの設置位置とする。当該第一の交通ハブの設置位置、及び、当該第二の交通ハブの設置位置が、出力手段40により端末装置12に出力されることにより、図10に示すような画面が表示される。
【0074】
図10に示すように、端末装置12の画面には、第一の交通ハブの設置位置H1と、第二の交通ハブの設置位置H2とが、地図上に重畳表示されている。なお、決定手段38により交通ハブの種類が決定された場合には、その種類を示す情報が画面上に表示されてもよい。例えば、交通ハブの設置位置を示すマークの形状や色等によってその種類を示してもよく、その種類を示す文字等を表示してもよい。
【0075】
<効果>
以上、本実施形態では、プログラムが、コンピュータとしてのサーバ装置10を、所定の入力情報を受け付ける受付手段32、入力情報に基づき、移動経路に関する経路情報を算出する算出手段34、経路情報に基づき、移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段36、判定手段36が肯定判定した場合に、所定の条件を満たす移動経路を基準として、複数の交通手段の接続が行われる交通ハブの設置位置を決定する決定手段38、決定手段38により決定された設置位置を含む交通計画をユーザに提案する提案手段としての出力手段40、として機能させる。
この構成によれば、入力情報を受け付けることで、移動経路に関する経路情報が算出され、その算出結果に基づき、移動経路が所定の条件を満たすか否か判定される。そして、当該所定の条件を満たす移動経路を基準として、交通ハブの設置位置が決定され、当該設置位置を含む交通計画が提案される。よって、単なる勘や経験等によるのではなく、入力情報に基づいた解析、算出、及び判定等の情報処理によって、より適切な交通ハブの設置位置を含む交通計画を提案することができる。
【0076】
また、本実施形態では、決定手段38は、所定の条件を満たす移動経路の出発地又は目的地を基準として、設置位置を決定する。
この構成によれば、出発地又は目的地から利用し易い設置位置を提案することができる。
【0077】
また、本実施形態では、算出手段34は、複数の移動経路に関する経路情報を算出し、判定手段36は、複数の移動経路が所定の条件を満たすか否かを判定し、決定手段38は、判定手段36が肯定判定した場合に、所定の条件を満たす複数の移動経路のうち、出発地又は目的地が互いに同じ移動経路がある場合には、当該出発地又は目的地が同じ移動経路毎に、設置位置を決定する。
この構成によれば、出発地又は目的地が同じ移動経路毎にまとめて設置位置が提案されるので、出発地又は目的地を同じとする移動経路を利用する複数の利用者にとってより利用し易い設置位置を提案することができる。
【0078】
また、本実施形態では、決定手段38は、所定の条件を満たす複数の移動経路のうち、出発地又は目的地の何れか一方が互いに同じで且つ他方が互いに異なる移動経路がある場合には、当該他方を基準として、設置位置を決定する。
この構成によれば、交通ハブから互いに異なる複数の出発地又は目的地へ移動する際の移動コストをより減らすことができるような設置位置を提案することができる。
【0079】
また、本実施形態では、決定手段38は、判定手段36が肯定判定した場合に、移動経路が満たす所定の条件に基づき、交通ハブの種類を決定し、出力手段40は、交通ハブの種類及び設置位置を含む交通計画を提案する。
この構成によれば、移動経路が満たす条件に応じて異なる交通ハブの種類を提案することができる。
【0080】
また、本実施形態では、入力情報は、人流データ、走行データ、運行情報、CO排出情報、又は荷物運搬情報を少なくとも含む。
この構成によれば、AI等を用いて入力情報を解析することにより、移動経路に関する種々の経路情報を算出することができる。
【0081】
<変形例>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0082】
例えば、記憶手段30は交通計画提案システム1の外部に設けられていてもよい。
【0083】
また、出力手段40は、入力情報を受け付けた交通事業者や物流事業者の端末装置12だけでなく、例えば自治体や工場等の端末装置12等、入力情報を受け付けた端末装置12とは別の端末装置12に交通計画を出力してもよい。
【0084】
また、出力手段40によって提案する交通計画は、交通ハブの設置位置及び種類だけでなく、交通サービスに関する情報や、物流サービスに関する情報、交通需要マネジメントに関する情報、交通ハブ以外の立地計画に関する情報等、交通分野に関する様々な情報を含んでもよい。例えば、出力手段40は、物流事業者に出力する際には移動経路毎の荷物運搬量等の物流サービスに関する情報を含めた交通計画を出力し、交通事業者に出力する際には滞在数や走行数等の交通サービスに関する情報を含めた交通計画を出力してもよい。すなわち、出力手段40は、端末装置12に交通計画を出力する際、出力するユーザに応じた態様で交通計画を出力してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、端末装置12から入力されることで人流データ、走行データ、運行情報、CO排出情報、又は荷物運搬情報等の入力情報をサーバ装置10が受け付ける例について説明したが、これに限らない。例えば、AIを用いること等によって外部ビックデータから自動的に収集することによって、これらの入力情報を受け付けてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10:サーバ装置(コンピュータ)、34:受付手段、36:算出手段、38:決定手段、40:出力手段(提案手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10