(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】パイプライン接続装置、パイプライン要素結合具及びその結合方法
(51)【国際特許分類】
F16L 21/06 20060101AFI20231030BHJP
F16L 23/08 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
F16L21/06
F16L23/08
(21)【出願番号】P 2021577971
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2020098869
(87)【国際公開番号】W WO2021000834
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】201910581107.2
(32)【優先日】2019-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010345015.7
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521568317
【氏名又は名称】上海威遜机械連接件有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI VISION MECHANICAL JOINT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.221 Jinlan Road, Jiading Industrial Park Shanghai 201807, China.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陸志剛
(72)【発明者】
【氏名】▲ザイ▼志氷
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2008/012893(JP,A1)
【文献】特表2007-537414(JP,A)
【文献】特開2001-003459(JP,A)
【文献】実開昭52-146718(JP,U)
【文献】特開2015-072070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 21/06
F16L 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ凹溝及び前記凹溝の底部に位置する凹溝円周を有する2つのパイプライン要素を結合するためのパイプライン要素結合具であって、
それぞれ、可変曲率半径を有する接合面を有する2つの接合キーを含む複数の結合ユニットと、
前記結合ユニットを枢動可能に接続する枢動可能な接続要素と、
前記結合ユニットのキャビティ内に配置されるガスケットと、
前記2つのパイプライン要素に事前に取り付けて前記接合キーを対応する前記凹溝に位置合わせするように前記結合ユニットを締結するように配置される締結要素と、を備え、
前記パイプライン要素は、拡大された結合端部を有し、前記ガスケットは、複数の互いに離間した突起を含み、前記突起は、前記パイプライン要素の前記拡大された2つの結合端部の間に挟まれることに適し、
前記締結要素が前記結合ユニットを締結するように操作された場合、前記接合キーは、前記2つのパイプライン要素の前記凹溝に接合され、且つ、各前記接合面は、前記可変曲率半径が変えられて前記パイプライン要素の前記凹溝の底部にある前記凹溝円周の曲率半径に実質的に一致するように歪み、
前記結合ユニットは、ケースと、前記枢動可能な接続要素によって接続される、前記ケースから全体的に延伸する枢動可能な接続端部と、前記締結要素に取り付けられる、前記ケースから全体的に延伸する締結端部とを含み、前記接合面は、前記枢動可能な接続端部に隣接する近位点、及び前記締結端部に隣接する遠位点を有し、前記接合面は、方程式ρ=e
θを有する対数螺旋曲線を規定し、θの範囲は0~180°であり、ρ
1は、前記近位点の曲率半径を表し、ρ
2は、前記遠位点の曲率半径を表し、D1は、前記凹溝円周の直径を表し、D2は、前記拡大された結合端部の直径を表し、ρ
1=D1/2であり、ρ
2=D2/2+Rであり、Rの値の範囲は、0.3~1mmである、パイプライン要素結合具。
【請求項2】
前記複数の結合ユニットは、2つの結合ユニットであり、前記枢動可能な接続要素及び前記締結要素は、それぞれ前記2つの結合ユニットの2つの反対側に取り付けられる請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項3】
各前記接合面の前記可変曲率半径は、前記近位点から前記遠位点まで徐々に大きくなる請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項4】
各前記接合面の前記近位点の曲率半径は、前記凹溝円周の曲率半径にほぼ等しい請求項3に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項5】
前記2つのパイプライン要素の各々は、拡大された端部を更に含み、各前記接合面の前記遠位点の曲率半径は、前記拡大された端部の曲率半径以上である請求項4に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項6】
各前記接合面の歪みにより、その変形及び曲率半径の変化を引き起こし、その変化範囲は、4.5%~12%である請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項7】
Dは、前記近位点と前記遠位点の間の距離を表し、前記接合面の変形によってDの変化を引き起こし、その変化範囲は、4%~15%である請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項8】
前記締結要素は、ボルト及び前記ボルトに結合されるナットを含み、前記枢動可能な接続端部は、接続孔を有し、前記枢動可能な接続要素は、前記接続孔を通過する接続ピンであり、前記締結端部は、前記締結要素の前記ボルトが挿入するための締結孔を含む請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項9】
前記複数の結合ユニットは、第1の結合ユニット、第2の結合ユニット及び第3の結合ユニットであり、前記パイプライン要素結合具は、枢動可能な第1の接続要素及び枢動可能な第2の接続要素を含み、前記第1の接続要素は、前記第1の結合ユニットと前記第2の結合ユニットを接続し、前記第2の接続要素は、前記第2の結合ユニットと前記第3の結合ユニットを接続し、前記締結要素は、前記第1の結合ユニット及び前記第3の結合ユニットに取り付けられる請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項10】
前記第1の結合ユニット及び前記第3の結合ユニットの各前記接合面は、いずれも対数螺旋曲線を規定し、前記第2の結合ユニットの前記接合面は、楕円曲線を規定する請求項9に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項11】
前記第2の結合ユニットの前記接合面は、前記凹溝円周の曲率半径と実質的に同じである最小曲率半径を有する中点を有する請求項10に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項12】
前記2つのパイプライン要素の各々は、拡大された端部を更に含み、前記第1の結合ユニット及び前記第3の結合ユニットの各前記接合面は、遠位点を有し、前記遠位点の曲率半径は、前記拡大された端部の曲率半径以上である請求項11に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項13】
前記第2の結合ユニットと前記第1の結合ユニット及び第3の結合ユニットとの間に位置する遷移点を更に含み、各前記遷移点の曲率半径は、実質的に同じである請求項12に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項14】
各前記接合面の歪みにより、その変形及び曲率半径の変化を引き起こし、その変化範囲は、13%~21%である請求項10に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項15】
D'は、前記第2の結合ユニットの前記接合面の中点と前記遠位点との間の距離を表し、前記接合面の変形によってD'の変化を引き起こし、その変化範囲は、14%~22%である請求項12に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項16】
前記第1の結合ユニット及び前記第3の結合ユニットの各前記接合面は、方程式がρ=e
θの対数螺旋曲線を規定し、θの範囲は、60~200°である請求項12に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項17】
ρ
aは、前記第2の結合ユニットの前記接合面の前記中点の曲率半径を表し、ρ
bは、前記第2の結合ユニットの前記接合面
の2つの端点の各々の曲率半径を表し、ρ
Aは、前記第1の結合ユニット及び前記第3の結合ユニットの前記接合面の各前記近位点の曲率半径を表し、ρ
Bは、前記第1の結合ユニット及び第3の結合ユニットの前記接合面の各前記遠位点の曲率半径を表し、D1は、各前記凹溝円周の直径を表し、D2は、拡大された前記結合端部の直径を表し、ρ
a=D1/2であり、ρ
B=(Sp+R')/2であり、ρ
a=ρ
Bであり、ρ
B=D2/2であり、R'の範囲は、0.3~1mmである請求項16に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項18】
Daは、前記楕円曲線の短径を表し、Dbは、前記楕円曲線の長径を表し、Spは、前記パイプライン要素の仕様を表し、D1は、前記凹溝円周の直径を表し、D2は、拡大された前記結合端部の直径を表し、Da=D1であり、Db=Sp+R'であり,R'の範囲は、0.3~1mmである請求項16に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項19】
前記締結要素は、ボルト及び前記ボルトに取り付けられるナットを含み、前記枢動可能な第1の接続要素及び第2の接続要素の各々は、接続ピンである請求項9に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項20】
前記ガスケットは、基体と、前記基体から全体的に延伸する2つの偏り要素と、前記基体の中部から全体的に延伸する位置決め要素と、を含み、前記位置決め要素は、位置決め本体と、それぞれ前記位置決め本体から全体的に延伸する前記突起と、を含み、各前記偏り要素は、前記基体から全体的に延伸する延伸部と、前記延伸部から傾斜して内部へ延伸する偏り部と、を含む請求項1に記載のパイプライン要素結合具。
【請求項21】
請求項1~
請求項20のいずれか1つに記載のパイプライン要素結合具によってそれぞれ凹溝及び前記凹溝の底部に位置する凹溝円周を有するとともに拡大された結合端部を含む2つのパイプライン要素を結合する結合方法であって、
(a)各々の接合面が可変曲率半径を有する複数の前記結合ユニットの接合キーを対応する前記凹溝に位置合わせするように、前記パイプライン要素の拡大された前記2つの結合端部を前記パイプライン要素結合具の2つの接合端部に収容するステップと、
(b)前記接合面と対応する前記凹溝円周との接触領域を大きくし、各前記接合キーを対応する前記凹溝に保持するために、各前記接合キーの前記接合面を変形させるステップと、を含む結合方法。
【請求項22】
請求項1~
請求項20のいずれか1つに記載のパイプライン要素結合具によって2つのパイプライン要素を結合する結合方法であって、
(A)前記パイプライン要素結合具の第1の結合端部を前記2つのパイプライン要素のうちの第1のパイプライン要素の拡大された結合端部に嵌め込み、前記2つのパイプライン要素のうちの第2のパイプライン要素の拡大された結合端部を前記パイプライン要素結合具の第2の結合端部に挿入することにより、複数の前記結合ユニットの接合キーをそれぞれ前記第1のパイプライン要素及び第2のパイプライン要素の対応する前記凹溝に位置合わせするステップであって、各前記接合キーの前記接合面が可変曲率半径を有し、各前記接合キーの前記接合面と前記凹溝の底部の対応する凹溝円周との間に隙間が規定されているステップと、
(B)前記接合面と対応する前記凹溝円周との間の隙間を小さくし、前記接合キーを対応する前記凹溝に保持するために、前記結合ユニットの2つの締結端部を締結するように前記締結要素を操作するステップと、を含む結合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプライン要素に用いられる結合装置に関し、具体的には、パイプライン要素に簡便且つ速やかに取り付けることができるパイプライン要素結合具に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプライン要素結合具は、通常、2つのパイプライン要素を結合するために用いられ、2つのパイプライン要素は、2つの管路、管路とエルボ、弁、径違い管及び三方管などの管部材、2つの管部材、管路と略管状構造を有する設備、略管状構造を有する2つの設備などに限定されない。
【0003】
当該パイプライン要素結合具を当該パイプライン要素に取り付けるために、各当該パイプライン要素は、いずれも凹溝端部を有するように成形され、当該凹溝端部は、当該パイプライン要素結合具の接合キーに結合するために、結合端部に隣接する位置制限用の凹溝を有する。各当該パイプライン要素の当該凹溝端部の当該結合端部は、通常、直径が大きくされた拡大部を有する。
【0004】
従来のパイプライン要素結合具は、典型的には、2つの金属ハウジングと、当該金属ハウジングに適合するように収容されるガスケットと、ボルト及びナットといった締結具のような、各当該金属ハウジングを互いに強固に締結するための複数の締結具と、を備える。従って、2つの当該金属ハウジングは、いずれも当該接合キーを有するように成形され、当該接合キーは、当該パイプライン要素の当該凹溝に適合するように接合する。
【0005】
当該接合キーと当該凹溝の間の安定的な接合を確保するために、従来のパイプライン要素結合具の各当該接合キーの接合面は、円形の接合面に成形され、各当該接合面の直径は、当該パイプライン要素の対応する当該凹溝の底部の直径に一致する。
【0006】
実際には、取り付け前に、2つの当該ハウジングは、開放状態を呈すべきであり、それらの間にキャビティが形成されておらず、取り付けプロセスにおいて、当該ガスケットは、当該パイプライン要素に取り付けられ、続いて、開放状態にある2つの当該ハウジングは、当該パイプライン要素に取り付けられ、このように、当該接合キーは、当該パイプライン要素の対応する当該凹溝に収容され、最後に、当該締結具は、この2つの金属ハウジングを締結するように当該金属ハウジングに取り付けられる。
【0007】
従って、従来のパイプライン要素結合具の構成部分は、取り付け前に分解すべきであるため、取り付けプロセスにおいて時間及び労力がかかり、当該パイプライン要素結合具の当該パイプライン要素への取り付けには不都合であり、コストも相対的に高いことが分かる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの利点は、ガスケット及び締結具などの構成要素を分解することなく、2つのパイプライン要素に取り付けることができ、取り付けステップを減少し、取り付け時間を節約し、速やかな取り付けを実現するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の利点は、取り付け段階の事前取り付けプロセスに前記パイプライン要素の拡大された結合端部に直接嵌め込むことができるパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の利点は、前記パイプライン要素に直接事前に取り付けられる時、前記締結具をワンステップで操作するだけで、その結合ユニットを互いに固定でき、取り付けプロセスを加速するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の利点は、前記結合ユニットの接合キーが工場で製造され、別途の工具で各前記接合キーの曲率半径を大きくする必要がないパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の利点は、各前記接合キーが、接合面を有し、且つ一定の曲率半径ではない可変曲率半径を有し、取り付けプロセスにおいて、各前記接合面の可変曲率半径が、一部又は全部の前記接合面が対応するパイプライン要素の凹溝の底部の凹溝円周に貼合されるように、実質的に円形の曲率半径を形成するように変形し、強固で確実な結合性能を達成するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の利点は、各前記接合キーの前記接合面の曲率半径が最小である位置が、対応する前記パイプライン要素の前記凹溝円周の曲率半径に実質的に一致し、即ち、各前記接合キーの前記接合面の曲率半径が最小である位置が、対応する前記パイプライン要素の前記凹溝円周の曲率半径以下であり、パイプライン要素結合具の取り付けプロセスにおいて、各前記接合キーのより大きな曲率半径を有する前記接合面が、前記凹溝円周に接合するように歪み、結合性能の安定性を確保するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の利点は、前記接合面が可変曲率半径を有する2つ以上の異なる曲線の接合セグメントを有する場合、2つの前記曲線が遷移点で同じ曲率半径を有し、結合性能の信頼性を確保するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の利点は、前記パイプライン要素に事前に取り付けられる時、その各接合面と各前記パイプライン要素の対応する前記凹溝円周の間に隙間が形成され、前記接合面の変形プロセスにおいて、前記隙間が、一部又は全部の前記接合面が対応する前記パイプライン要素の前記凹溝円周に貼合されるように徐々に小さくなるパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の利点は、シールリング及び締結具を取り外した後にパイプライン要素の外側に取り付ける必要がなく、取り付けステップを減少し、取り付け時間を節約し、速やかな取り付けを実現するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の利点は、パイプライン要素の管端部からパイプライン要素の外側に直接嵌め込むことができ、取り付け速度を加速するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0018】
本発明の別の利点は、前記結合ユニット、締結具及びシールリングのいずれを取り外して分離させる必要がなく、前記結合ユニットをシールリングと共にパイプライン要素の外側に取り付けることができ、取り付け速度を加速するだけでばく、前記結合ユニットとシールリングの間に位置ずれが生じにくく、手動による取り付けの技術的要求を低下させるパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の利点は、複数の結合ユニットの間を締結するための少なくとも1つの締結具を含み、取り付け時に、前記締結具を前記結合ユニットから取り外す必要がなく、即ち、取り付け前後に、前記締結具を常に前記結合ユニットに保持することができ、使用者が前記締結具を取り外すステップを省き、取り付け時間を節約するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0020】
本発明の別の利点は、その結合ユニットが製造中に工具によって曲率半径を大きくすることなくパイプライン要素に容易に取り付けられることができるパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0021】
本発明の別の利点は、その接合面の曲率半径が一定ではなく、変化するものであり、且つ、取り付けるプロセスにおいて、接合面が前記パイプライン要素の凹溝の溝底面に部分的又は完全に貼合されるように変形し、確実な接続効果を実現するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0022】
本発明の別の利点は、少なくとも2つの結合ユニットを含み、各前記結合ユニットの接合面の曲線形状が、それぞれ同じ又は異なる曲率半径可変曲線であり、且つ、前記曲率半径可変曲線の曲率半径の最小値が、前記パイプライン要素の凹溝の溝底面の曲率半径に等しいか又はそれよりも僅かに大きく、前記パイプライン要素の凹溝の溝底面の曲率半径よりも大きい接合面を有する位置が、取り付け時に変形して前記パイプライン要素の凹溝の溝底面に貼合されるパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0023】
本発明の別の利点は、前記可変曲率を有する曲線が、対数螺旋曲線、アルキメデス曲線、パスカルの蝸牛線、楕円曲線、高次曲線のうちの1つ又は複数の組み合わせを含むが、これらに限定されないパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の利点は、隣接する異なる前記曲率半径可変曲線の接合箇所での曲率半径が同じであり、接続信頼性を保証するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0025】
本発明の別の利点は、前記パイプライン要素の外側に事前に嵌め込まれた場合、その接合面と前記パイプライン要素の凹溝の溝底面の間に隙間を有し、前記パイプライン要素を接続して封止する時、その接合面が、前記パイプライン要素の凹溝の溝底面に部分的又は完全に貼合されるように、前記隙間を縮小するように変形することができ、接続信頼性を確保するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0026】
本発明の別の利点は、構造が簡単であり、取り付けを事前に調整でき、手動で操作しやすく、取り付け速度を加速するだけでなく、接続信頼性を確保するパイプライン要素結合具及びその結合方法を提供することである。
【0027】
本発明の他の利点及び特徴は、以下の叙述によって説明され、添付される特許請求の範囲で明確に指定された手段及びその組み合わせによって実現することができる。
【0028】
上記の少なくとも1つの利点及び他の目的と利点を達成するために、本発明は、いずれも凹溝及び凹溝の底部に位置する凹溝円周を有する2つのパイプライン要素を結合するためのパイプライン要素結合具を提供し、前記パイプライン要素結合具は、複数の結合ユニットと、ガスケットと、締結要素と、を備え、各前記結合ユニットは、その2つの結合端部に位置する、可変曲率半径を有する接合面を有する2つの接合キーを含む。前記ガスケットは、前記結合ユニットに配置される。前記締結要素は、前記結合ユニットに取り付けられ、前記パイプライン要素結合具は、2つの前記パイプライン要素に事前に取り付けられ、前記接合キーを対応する前記凹溝に位置合わせするために用いられ、前記締結要素が前記結合ユニットを締結するように操作された場合、各前記接合面は、前記可変曲率半径が変えられて前記凹溝円周の曲率半径に実質的に一致するように歪む。
【0029】
本発明は、いずれも凹溝及び凹溝の底部に位置する凹溝円周を有する2つのパイプライン要素を結合するためのパイプライン要素結合具を更に提供し、前記パイプライン要素結合具は、2つ以上の結合ユニットを備え、各前記結合ユニットは、円弧形を有し、端から端まで配列されてキャビティ、ガスケット及び締結要素を規定する。各前記結合ユニットは、それぞれその両辺から延伸する2つの接合キー、及びそれぞれ各前記接合キーにより規定された2つの接合面を含む。前記ガスケットは、前記結合ユニットのキャビティに配置される。前記締結要素は、前記結合ユニットに取り付けられ、前記結合ユニットの事前取り付け位置と組み立て位置の間で移動し、前記事前取り付け位置に、各前記結合ユニットは、各前記接合キーをそれぞれ前記凹溝に位置合わせするように前記パイプライン要素の周りに配列され、前記組み立て位置に、各前記結合ユニットは、各前記接合キーをそれぞれ前記凹溝に接合するように互いに締結され、それにより、各前記接合キーは、前記凹溝円周の曲率に一致するように自己適応的な曲率に歪み、各前記結合ユニットを前記パイプライン要素に強固に結合するとともに、各前記パイプライン要素を端から端まで結合する。
【0030】
本発明は、パイプライン要素結合具によってそれぞれ凹溝及び前記凹溝の底部に位置する凹溝円周を有するとともに拡大された結合端部を含む2つのパイプライン要素を結合する結合方法であって、
(a)各々の接合面が可変曲率半径を有する複数の前記結合ユニットの接合キーを対応する前記凹溝に位置合わせするように、前記2つのパイプライン要素の拡大された前記結合端部を前記パイプライン要素結合具の2つの接合端部に収容するステップと、
(b)前記接合面と対応する前記凹溝円周との接触領域を大きくし、各前記接合キーを対応する前記凹溝に保持するために、各前記接合キーの前記接合面を変形させるステップと、を含む結合方法を更に提供する。
【0031】
本発明は、パイプライン要素結合具によって2つのパイプライン要素を結合する結合方法であって、
(A)前記パイプライン要素結合具の第1の結合端部を前記2つのパイプライン要素のうちの第1のパイプライン要素の拡大された結合端部に嵌め込み、前記2つのパイプライン要素のうちの第2のパイプライン要素の拡大された結合端部を前記パイプライン要素結合具の第2の結合端部に挿入することにより、複数の前記結合ユニットの接合キーをそれぞれ前記第1のパイプライン要素及び第2のパイプライン要素の対応する前記凹溝に位置合わせするステップであって、各前記接合キーの前記接合面が可変曲率半径を有し、各前記接合キーの前記接合面と前記凹溝の底部の対応する凹溝円周との間に隙間が規定されているステップと、
(B)前記接合面と対応する前記凹溝円周との間の隙間を小さくし、前記接合キーを対応する前記凹溝に保持するために、前記結合ユニットの2つの締結端部を締結するように前記締結要素を操作するステップと、を含む結合方法を更に提供する。
【0032】
後続の説明及び図面を理解することにより、本発明の更なる目的及び利点が十分に具現化される。
【0033】
本発明の上記の及び他の目的、特徴と利点は、下記の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲によって十分に具現化される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第1の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の透視図である。
【
図2】本発明の上記第1の好ましい実施例による締結要素が前記パイプライン要素結合具の2つの結合ユニットを締結するために操作された場合の透視図である。
【
図3】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の分解図である。
【
図4A】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の枢動可能に移動できる結合ユニットの透視図である。
【
図4B】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の枢動可能に移動できる結合ユニットの透視図である。
【
図5】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の正面図である。
【
図6】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の背面図である。
【
図7】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の左側面図である。
【
図8】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の右側面図である。
【
図9】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の上面図である。
【
図10】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の下面図である。
【
図11】
図3における前記パイプライン要素結合具のケースの本体部と2つの接合キーの接続箇所の断面図である。
【
図12】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の結合ユニットの概略図である。
【
図13A】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具が2つのパイプライン要素に適合するように取り付けられた場合の概略図である。
【
図13B】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具が前記2つのパイプライン要素のうちの一方に取り付けられた場合の概略図である。
【
図13C】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具が前記2つのパイプライン要素に事前に取り付けられた場合の概略図である。
【
図13D】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具が前記2つのパイプライン要素に強固に取り付けられた場合の概略図である。
【
図14A】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具が前記2つのパイプライン要素に事前に取り付けられた場合の断面図である。
【
図14B】本発明の上記第1の好ましい実施例による接合面と凹溝円周の間の間隙が、前記パイプライン要素結合具が前記2つのパイプライン要素に結合されるまで小さくなった場合の断面図である。
【
図15A】本発明の上記第1の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の可変曲率半径の概略図である。
【
図15B】本発明の上記第1の好ましい実施例による異なる仕様の前記2つのパイプライン要素の各々が前記パイプライン要素結合具に結合されることによって変化するθの異なる範囲を概略的に示す。
【
図16】本発明の第2の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の概略図である。
【
図17A】本発明の上記第2の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具がパイプライン要素に事前に取り付けられた場合の概略図である。
【
図17B】本発明の上記第2の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具が前記パイプライン要素に強固に取り付けられた場合の概略図である。
【
図18】本発明の上記第2の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の接合面の変形の概略図である。
【
図19】本発明の上記第2の好ましい実施例による前記パイプライン要素結合具の可変曲率半径の概略図である。
【
図20】本発明の上記第2の好ましい実施例による異なる仕様の前記2つのパイプライン要素の異なる範囲のθ及び異なる値のDa、Dbである。
【
図21】本発明の第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の斜視概略図である。
【
図22】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の少なくとも2つの結合ユニットが相対的に回動する場合の一側の概略図である。
【
図23】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の少なくとも2つのユニットが相対的に回動する場合の他側の概略図である。
【
図24】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具が2つの突き合せ管路に取り付けられた場合の構造概略図である。
【
図25】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の平面概略図である。
【
図26】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の前記結合ユニットの局所的構造概略図である。
【
図27】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の第1の結合ユニットの平面概略図である。
【
図28】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具の適用概略図である。
【
図29A】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具が事前に嵌め込まれる時に接合面と管路の溝底面の間に隙間を有する場合の断面概略図である。
【
図29B】本発明の上記第3の好ましい実施例によるパイプライン要素結合具が取り付けられた後に接合面と管路の溝底面の間の隙間が小さくなった後の断面概略図である。
【
図30】本発明の第1の変形実施例によるパイプライン要素結合具の適用概略図である。
【
図31A】本発明の第1の変形実施例によるパイプライン要素結合具が事前に嵌め込まれる時に接合面と管路の溝底面の間に隙間を有する場合の断面概略図である。
【
図31B】本発明の第1の変形実施例によるパイプライン要素結合具が取り付けられた後に接合面と管路の溝底面の間の隙間が小さくなった後の断面概略図である。
【
図32】本発明の第1の変形実施例によるパイプライン要素結合具の結合ユニットの接合面の適用概略図である。
【
図33】本発明の第2の変形実施例によるパイプライン要素結合具の適用概略図である。
【
図34A】本発明の第2の変形実施例によるパイプライン要素結合具が事前に嵌め込まれる時に接合面と管路の溝底面の間に隙間を有する場合の断面概略図である。
【
図34B】本発明の第2の変形実施例によるパイプライン要素結合具が取り付けられた後に接合面と管路の溝底面の間の隙間が小さくなった後の断面概略図である。
【
図35】本発明の第2の変形実施例によるパイプライン要素結合具のシールリングの変形概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明は、当業者が本発明を実現できるように本発明を開示するために用いられる。以下の説明における好ましい実施例は、例示的なものに過ぎず、当業者は、他の明らかな変形を想到することができる。以下の説明において定義される本発明の基本原理は、他の実施形態、変形形態、改良形態、同等形態及び本発明の精神及び範囲から逸脱しない他の技術的解決手段に適用することができる。
【0036】
当業者が理解すべきこととして、本発明の開示において、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語により指示された方位又は位置関係は、図示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は要素が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成されて操作されなければならないことを指示又は示唆するものではないため、上記用語は、本発明を限定するものとして理解されてはいけない。
【0037】
図1~
図15には、本発明の第1の好ましい実施例による2つのパイプライン要素200を結合するためのパイプライン要素結合具100が示される。前記パイプライン要素結合具100は、2つの結合ユニット10と、前記2つの結合ユニット10が互いに枢動可能に移動するように前記2つの結合ユニット10を枢動可能に接続するための枢動可能な接続要素20と、前記パイプライン要素結合具100が前記2つのパイプライン要素200に取り付けられた後に前記2つの結合ユニットを互いに締結するための締結要素30と、前記2つの結合ユニット10に配置されるガスケット40と、を備える。
【0038】
この好ましい実施例によれば、前記パイプライン要素結合具100の2つの反対端は、それぞれ枢動可能な前記接続要素20及び前記締結要素30によって接続される。別の選択可能な形態において、前記2つの結合ユニット10は、互いに移動可能に結合され、2つの前記締結要素30は、前記2つの結合ユニット10を互いに締結するように、それぞれ前記パイプライン要素結合具100の前記2つの反対端に取り付けられてもよい。
【0039】
従って、前記2つの結合ユニット10は、金属又はプラスチックで製造されてよく、互いに結合して実質的に環状の構造を構成し、キャビティ101を規定することができる。1つの実施例において、各前記結合ユニット10は、いずれもC字形の両辺を有し、前記結合ユニット10の両側は、前記接続要素20によって枢動可能に接続される。前記結合ユニット10は、開位置と閉位置の間で移動することに適し、前記開位置には、前記結合ユニット10の他側は、他方の前記結合ユニット10から離れるように移動し、前記閉位置には、前記結合ユニット10の他側は、前記環状構造の前記キャビティ101を形成するように、他方の前記結合ユニット10と端から端まで接続されるまで移動する。前記締結要素30は、前記結合ユニット10を締結するように前記閉位置に配置される。
【0040】
枢動可能な前記接続要素20及び前記締結要素30は、前記2つの結合ユニット10を接続するために、前記2つの結合ユニット10の2つの反対側に設けられる。前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられた場合、前記ガスケット40は、封止効果を提供するために、前記2つの結合ユニット10により形成された前記キャビティ101に設けられる。
【0041】
前記2つのパイプライン要素200は、具体的に、第1のパイプライン要素210及び第2のパイプライン要素220に分けられ、前記パイプライン要素210、220の各々は、管路、エルボ、弁及び三方管などの管部材、略管状構造を有する設備であってよいが、これらに限定されない。従って、前記パイプライン要素結合具100は、2つの管路、1つの管路と1つの管部材、2つの管部材、1つの管路と1つの略管状構造を有する設備、及び2つの略管状構造を有する設備を結合するために使用可能である。各前記パイプライン要素200は、凹溝201及び拡大された結合端部202を有する凹溝端部を含む。
【0042】
各前記結合ユニット10は、ケース11、及び前記ケース11の両端から全体的に内部へ延伸する2つの接合キー12を含む。前記2つのパイプライン要素200の各々は、いずれも前記拡大された結合端部202に隣接する凹溝201を有し、前記凹溝201は、前記2つの結合ユニット10の対応する前記接合キー12に接合するために用いられる。従って、前記凹溝201は、前記凹溝201の直径が前記パイプライン要素200の外径よりも小さくなるように、前記パイプライン要素200の外周面に引っ込められる。前記結合端部202の直径は、前記凹溝201の底部の凹溝円周203の直径よりも大きい。1つの実施例において、前記凹溝201を形成した後、前記結合端部は、前記結合端部202の直径が前記凹溝201から前記パイプライン要素200の端部まで徐々に大きくなるように形成される。別の実施例において、前記凹溝201に対応する位置の部分を切り落とすことによって前記凹溝201を形成する場合、前記結合端部202は、長さ方向に沿った直径が同じであってよい。
【0043】
この好ましい実施例によれば、前記パイプライン要素結合具100を前記パイプライン要素200に取り付けるプロセスにおいて、前記締結要素30及び前記ガスケット40を取り外す必要がない。換言すれば、前記ガスケット40は、前記2つの結合ユニット10内に配置され、前記締結要素30も、前記2つの結合ユニット10に取り付けられ、前記パイプライン要素結合具100全体は、前記2つのパイプライン要素200を結合するように前記2つのパイプライン要素200に取り付けられる。
【0044】
従って、前記2つの結合ユニット10の前記2つの接合キー12の両端の間に開口102が規定され、前記開口102は、前記2つのパイプライン要素200のうちの一方の対応する拡大された前記結合端部202が通過するために十分に大きいため、前記パイプライン要素結合具100全体は、前記ガスケット40及び前記締結要素30を取り外す必要がなく、前記2つのパイプライン要素200に直接取り付けることができる。
【0045】
本発明の好ましい実施例によれば、前記結合ユニット10の各前記接合キー12は、接合面121を有し、前記接合面121は、可変曲率半径を有し、各前記パイプライン要素200は、対応する前記凹溝201の底部に位置する前記凹溝円周203を有する。換言すれば、前記凹溝円周203は、前記凹溝の底壁である。本発明の前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられ、且つ各前記接合キー12を対応する前記凹溝201に配列する場合、前記締結要素30は、前記接合面121が歪み、一部又は全部の前記接合面が対応する前記凹溝円周203に貼合されるように前記2つの結合ユニット10を強固に締結するために操作される。
【0046】
換言すれば、前記結合ユニット10の各前記接合キー12の前記接合面121の曲率半径が一定ではないため、各前記接合面121は、円形面の円曲率ではない。各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203は、実質的に円曲率である。本発明の前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられ、且つ各前記接合面121を対応する前記凹溝201に配列する場合、各前記結合ユニットの各前記接合面121と各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203の間に隙間103が形成される。続いて、前記締結要素30が操作された場合、前記隙間103は、各前記接合面121が前記パイプライン要素結合具100と前記パイプライン要素200の間における強固且つ安定的な結合を達成する位置に保持されるまで小さくなる。
【0047】
この好ましい実施例によれば、各前記接合面121は、異なる曲率半径の曲線を規定し、対数螺旋曲線、アルキメデス曲線、パスカルの蝸牛線、楕円曲線、高次曲線及び複数の曲線の組み合わせを含むが、これらに限定されない。従って、各前記接合面121は、円曲率を有していないため、本発明の前記パイプライン要素結合具100の各前記接合キー12が前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201に事前に取り付けられる時に前記隙間103が形成される。
【0048】
更に、各前記接合面121の少なくとも一部は、相対的に大きい曲率半径を有し、且つ各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の曲率半径よりも大きいため、前記2つの接合キー12の2つの接合面121の間に形成された前記開口102の寸法が各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の直径よりも大きくなる。従って、前記パイプライン要素結合具100は、各前記パイプライン要素200における拡大された前記結合端部202に嵌め込まれることによって前記パイプライン要素に取り付けられることができる。換言すれば、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202は、前記2つの接合面121の間の前記開口102を通過することによって前記パイプライン要素結合具100に挿入されることができる。
【0049】
前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に事前に取り付けられて各接合キー12を対応する前記凹溝201に位置合わせする時、前記締結要素30及び前記ガスケット40を取り外すことなく、前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられて事前取り付け状態にあることを可能にするために、前記パイプライン要素結合具100の各前記接合キー12と各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203との間に前記隙間103が形成される。前記締結要素30を操作することによって前記隙間103を小さくする場合、各前記接合面121は、いずれも歪み、且つ歪んだ曲率半径が各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径にほぼ等しくされる。
【0050】
より具体的には、各前記結合ユニット10の前記ケース11は、本体部111、枢動可能な接続端部112及び締結端部113を含み、前記枢動可能な接続端部112及び前記締結端部113は、それぞれ前記本体部111の2つの反対側から全体的に延伸する。前記枢動可能な接続要素20は前記2つのケース11の前記2つの枢動可能な接続端部112を枢動可能に接続することにより、前記2つのケース11の前記2つの枢動可能な接続端部112が互いに枢動可能に移動することができる。前記締結要素30は、前記2つの結合ユニット10を互いに強固に締結するように、前記2つのケース11の前記2つの締結端部113に取り付けられる。
【0051】
図1~
図10に示すように、前記パイプライン要素結合具100は、前記パイプライン要素200に取り付けられる前にその各構成要素が組み立てられる。
図2に示すように、前記パイプライン要素200は、
図2に示されたものに限定されず、前記締結要素30は、前記パイプライン要素結合具100を事前取り付け状態から最終的な取り付け状態に入らせるために、前記2つの締結端部が互いに相対的に移動するように駆動するように操作されることができる。
【0052】
この好ましい実施例によれば、各前記枢動可能な接続端部112は、接続孔1121を有し、前記枢動可能な接続要素20は、前記接続孔1121を通過する接続ピンである。各前記締結端部113は、締結孔1131を有し、前記締結要素30は、具体的に前記締結孔1131を通過するボルト31及びナット32を含む。従って、前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に事前に取り付けられる時、前記ボルト31及び前記ナット32は、前記接合面121が前記凹溝円周203に直接接合されて接続されるように操作されることができる。
【0053】
図1~
図10に示すように、取り付け前に、前記ガスケット40は、前記ケース11の前記キャビティ101に設けられ、前記ボルト31は、前記2つの締結端部113に取り付けられ、前記ナットは、前記ボルト31に取り付けられる。前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられる時、前記ガスケット40を前記ケース11から取り外す必要がなく、前記ボルト31及び前記ナット32を前記2つの締結端部113から取り外す必要がない。
【0054】
従って、前記2つの結合ユニット10は、前記枢動可能な接続要素20を枢軸点として枢動可能に移動することができる。前記締結要素30が操作された場合、前記パイプライン要素結合具100の前記開口102が小さくなり、前記2つの締結端部113の間の距離が小さくなるため、前記接合キー12が必要な位置に移動した場合、一部又は全部の前記接合面121は、前記接合キー12が前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201に強固に保持されるように、前記凹溝円周203に貼合される。
【0055】
好ましくは、各前記結合ユニット10は、その接合端部に互いに対称な2つの接合キー12を有する。前記2つの結合ユニット10のうちの一方の前記接合キー12は、前記開口102を形成するように、他方の前記結合ユニット10の他方の前記接合キー12に位置合わせされる。換言すれば、2対の前記接合キー12は、前記パイプライン要素結合具100の前記2つの接合端の2つの開口102に形成される。更に、前記2つの結合ユニット10は、同じ構造に構成されることが好ましく、全ての前記結合ユニット10は、工場によって製造可能である。前記締結要素30の前記ボルト31及び前記ナット32が操作された場合、前記2つの結合端にある2対の前記接合面121は、いずれも前記接合面121が前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203に直接接触するように歪む。
【0056】
図12に示すように、この好ましい実施例によれば、前記接合キー12の各前記接合面121の、前記結合ユニット10の前記ケース11の前記枢動可能な接続端部112に隣接する近位点1211は、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径に等しいか又はそれよりも僅かに大きい(5%以下)最小曲率半径を有する。換言すれば、各前記接合面121にある前記近位点1211の最小曲率半径は、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径とほぼ同じである。従って、前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に事前に取り付けられる時、各前記接合面121の前記近位点1211にある面は、各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203に貼合される。
【0057】
前記接合キー12の各前記接合面121の、前記結合ユニット10の前記ケース11の締結端部113に隣接する遠位点1212は、最大曲率半径を有し、且つ各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の曲率半径よりも大きい。従って、1対の前記接合面121の間に規定された前記開口102は、前記パイプライン要素結合具100及び前記パイプライン要素200を事前に取り付けるように前記パイプライン要素結合具100を前記パイプライン要素200に直接嵌め込むことができるために十分に大きい。各前記接合面121の前記遠位点1212の表面は、各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周20に貼合されておらず、実際には、前記凹溝201に対応する各前記接合面121と各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203との間に前記隙間103が形成されている。
【0058】
従って、好ましい実施例として、本発明の好ましい実施例によれば、各前記接合面121の曲率半径は、好ましくは前記近位点1211から前記遠位点1212まで徐々に大きくなる。
【0059】
図11に示すように、各前記ケース11の前記本体部111は、中央の本体キャビティ1111及び前記本体キャビティ1111の2つの反対側に位置する2つの肩部1112を更に含む。前記2つの接合キー12は、前記本体部111の内面から内部へ全体的に延伸し、前記本体キャビティ1111の内部には、前記ガスケット40を当該位置に位置決めするための位置決め溝1113が形成されている。
【0060】
前記本体キャビティ1111及び前記肩部1112の内面は、円形表面であってもよい。又は、前記本体キャビティ1111及び前記肩部1112の内面は、可変曲率半径を有するように形成されてもよい。
【0061】
図13A及び13Bには、本発明の前記パイプライン要素と前記パイプライン要素結合具100の取り付けプロセスが示されている。
図13Aに示すように、前記パイプライン要素結合具100が前記2つのパイプライン要素200に取り付けられる前に、前記パイプライン要素結合具100の各構成要素は既に組み立てられ、前記2つのパイプライン要素200の各々は、前記拡大された端部202を含み、且つ前記凹溝201を有する。
【0062】
図13Bに示すように、前記ガスケット40及び前記締結要素30を取り外すことなく、前記パイプライン要素結合具100を前記第1のパイプライン要素210に直接嵌め込むことができる。より具体的には、前記パイプライン要素結合具100は、前記第1のパイプライン要素210の拡大された前記結合端部202を収容する第1の結合端部100aを有する。使用者が前記パイプライン要素結合具100と前記第1のパイプライン要素210を取り付ける時、前記第1のパイプライン要素210の拡大された前記結合端部202は、前記パイプライン要素結合具100の前記第1の結合端部100aに挿入され、使用者は、前記第1のパイプライン要素210を取り付けるために、1つ又は複数の指によって前記パイプライン要素結合具100の第2の結合端部100bを押して前記パイプライン要素結合具100の位置を保持することができる。前記第1の結合端部100aに隣接する前記接合キー12は、前記第1のパイプライン要素210の前記凹溝201に位置合わせされて保持される。
【0063】
続いて、
図13Cに示すように、前記第2のパイプライン要素220は、前記パイプライン要素結合具100が事前取り付け状態にあるように、前記パイプライン要素結合具100に取り付けられる。より具体的には、前記第2のパイプライン要素220の拡大された前記結合端部202は、前記第2の結合端部100bに隣接する前記接合キー12も前記第2のパイプライン要素220の前記凹溝201に位置合わせされて保持されるように、前記パイプライン要素結合具100の前記第2の結合端部100bに挿入される。
【0064】
従って、前記パイプライン要素結合具の各前記接合面121は、円周方向に前へ延伸する可変曲率半径を有し、前記接合キー12が前記パイプライン要素210、220の対応する前記凹溝201に位置合わせされた場合、前記パイプライン要素結合具100の各前記接合面121と前記パイプライン要素210、220の前記凹溝円周203との間に前記隙間103が形成される。前記パイプライン要素の前記凹溝201の幅は、前記接合キー12の幅よりも僅かに大きい。
【0065】
更に、前記ガスケット40が前記結合ユニット10に取り付けられることにより、前記パイプライン要素結合具100が前記2つのパイプライン要素210、220に取り付けられた場合、前記ガスケット40は、前記2つのパイプライン要素210、220の拡大された前記結合端部202を囲み、結合される前記2つのパイプライン要素210、220に封止効果を提供するために用いられ、前記ガスケット40は、可撓性材料で製造される。
【0066】
前記ガスケット40は、基体41と、前記基体41から全体的に延伸する2つの偏り要素42と、前記基体41の中央の内面から全体的に延伸する位置決め要素43と、を含む。換言すれば、前記偏り要素42は、それぞれ前記基体41の両側から延伸し、前記位置決め要素43は、前記偏り要素42の間に位置する。前記位置決め要素43は、位置決め本体431と、前記位置決め本体431から全体的に延伸する互いに離間した複数の突起432と、を更に含む。前記パイプライン要素200の拡大された前記2つの結合端部202が前記結合ユニット10に取り付けられた場合、前記突起432は、前記パイプライン要素200の拡大された前記2つの結合端部202の間に挟まれ、前記2つの偏り要素42は、それぞれ前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の外壁2021に偏る。前記締結要素30が前記2つの締結端113を締結するように操作された場合、前記ガスケット40も、前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202に強固に貼合されるように歪む。より具体的には、各前記偏り要素42は、前記基体41から全体的に延伸する延伸部421と、前記延伸部421から全体的に傾斜して延伸し、前記パイプライン要素200の対応する拡大された前記結合端部202の前記外壁2021に偏るための偏り部422と、を含む。特に、前記基体41は環状形状であり、前記偏り要素42の前記延伸部421は、それぞれ前記基体41の両側から全体的に径方向に延伸し、前記偏り部422は、前記延伸部421の自由端から傾斜して延伸し、例えば、前記偏り部422は、互いに向き合って延伸する。前記パイプライン要素結合具100と前記パイプライン要素200を取り付けるプロセスにおいて、前記偏り要素42は歪み、前記偏り部422は、対応する前記結合端部202の前記外壁2021に沿って移動し、前記ガスケット40と拡大された前記結合端部202の間の封止効果を向上させる。換言すれば、前記パイプライン要素200が前記パイプライン要素結合具100に結合される時、前記偏り要素42の前記偏り部422は内部へ押される。
【0067】
図13Dに示すように、前記締結要素30が前記接合キー12を前記凹溝201に強固に保持するように操作された場合、各前記接合面121と前記凹溝円周203の間の前記隙間103が小さくなり、各前記接合面121は、自身の曲率半径が変えられてその円周方向に沿って前記凹溝円周203に貼合されるように歪む。歪んだ各前記接合面は、実質的に円形曲率であり、前記パイプライン要素210、220の各々の対応する前記凹溝円周203の曲率半径に一致する。
【0068】
図14A及び
図14Bには、前記パイプライン要素結合具100の
図14Aに示す前記事前取り付け状態から
図14Bに示す最終的な取り付け状態まで操作された場合の断面図が示される。
図14Aに示すように、前記パイプライン要素結合具100は、前記パイプライン要素200に事前に取り付けられ、前記ボルト31及び前記ナット32で構成される前記締結要素30はルーズ状態にあり、前記隙間103は、各前記接合面と各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203の間に形成される。
【0069】
この好ましい実施例によれば、前記枢動可能な接続端部112に隣接する前記近位点1211の曲率半径は、対応する前記凹溝円周203の曲率半径にほぼ等しく、前記締結端部113に隣接する前記遠位点1212の曲率半径は、拡大された前記結合端部202の曲率半径よりも大きい。各前記接合面121の曲率半径は、前記近位点1211から前記遠位点1212まで徐々に大きくなることで、前記隙間103も前記枢動可能な接続端部112に隣接する位置から前記締結端部113に隣接する位置まで徐々に大きくなる。
【0070】
図14Bに示すように、前記ナット32は、前記ボルト31に沿って螺着され、前記2つの締結端部113の間のピッチが小さくなり、前記隙間103が小さくなり、各前記接合面121は、前記凹溝円周203に貼合される位置まで移動する傾向になる。従って、各前記接合面121は、前記可変曲率半径が変えられて前記凹溝円周203の曲率半径に実質的に一致するように歪み、1対の前記接合面121の周長が対応する前記凹溝円周203の周長にほぼ等しいか又はそれよりも僅かに大きいようにする。
【0071】
前記取り付け状態にある時、1対の前記接合面121の周長は、対応する前記凹溝円周203の周長にほぼ等しく、1対の前記接合面121は、対応する前記凹溝円周203の円周に一致する、実質的に円の曲率を有する略円形面を形成し、前記隙間103は、殆ど無くなる。1対の前記接合面121の直径は、対応する前記凹溝円周203の直径にほぼ等しく、全ての前記接合面121は、対応する前記凹溝円周203に実質的に貼合されることで、前記パイプライン要素結合具100と前記パイプライン要素200の間に相対的に剛性を有する結合が実現され、前記2つのパイプライン要素の間の結合の信頼性が確保される。
【0072】
前記パイプライン要素結合具100が最終的な取り付け状態にある時、1対の前記接合面121の周長が対応する前記凹溝円周203の周長よりも大きく、1対の前記接合面121の一部と対応する前記凹溝円周203の一部の間に最小クリアランスが保留された場合、前記接合面121の殆どは、対応する前記凹溝円周203に貼合される。1対の前記接合面121の直径は、対応する前記凹溝円周203の直径よりも僅かに大きく(10%以下)、前記パイプライン要素結合具100と前記パイプライン要素200の間に相対的に可撓性を有する結合が実現される。
【0073】
図14Bに示すように、前記ナット32が回されてトルクを生成した場合、前記トルクによって前記ボルト31に沿って作用力F1が生成されることで、前記結合ユニット10の前記接合面121に歪み量が生じ、径方向力F2も生成される。前記トルクが徐々に大きくなる場合、前記結合ユニットの歪み量がより明らかになり、前記トルクが所定値に達するまで前記歪み量が停止する。前記枢動可能な接続端部112に隣接する前記近位点1211の位置に殆ど歪み量がないが、前記近位点1211から前記遠位点1212までの歪み量が徐々に大きくなり、前記遠位点1212の位置に最大歪み量が生じ、前記遠位点1212の曲率半径ρ2が前記近位点1211の曲率半径ρ1にほぼ等しく且つ対応する前記凹溝円周203の曲率半径にほぼ等しくなるまで小さくなる。
【0074】
本発明の好ましい実施例の具体例として、各前記接合面121は、対数螺旋曲線を規定し、換言すれば、各前記接合面121の断面は、対数螺旋曲線を形成する。前記パイプライン要素結合具100が前記事前取り付け状態から最終的な前記取り付け状態まで操作された場合、各前記接合面121の変形によってその可変曲率半径が変形し、且つその変化量は約4.5%~12%である。前記近位点1211から前記遠位点1212までの距離は、パラメータDとして表され、前記パイプライン要素結合具100の締結プロセスにおいて、前記パラメータDの値が徐々に小さくなり、前記パラメータDの変化範囲は、約4%~15%である。
【0075】
図15A及び15Bに示すように、この好ましい実施例の具体例によれば、各前記接合面121は、方程式ρ=e
θを有する対数螺旋曲線を規定し、そのうち、θの範囲は0~180°である。
【0076】
より具体的には、
図15Bには、前記パイプライン要素結合具100によって互いに結合される異なる仕様の前記2つのパイプライン要素200に用いられる異なる範囲のθが示される。前記2つのパイプライン要素200の仕様は、前記パイプライン要素200の規則的な本体部分の直径であり、拡大された前記結合端部202の直径ではない。
【0077】
この好ましい実施例によれば、パラメータρ1の値は、前記近位点1211の曲率半径であり、対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径でもあり、パラメータρ2の値は、対応する前記パイプライン要素結合具100の前記接合面121の前記遠位点1212の曲率半径であり、パラメータD1は、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の直径を表す。パラメータD2は、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の直径を表し、
図13Aに示すように、D2は、拡大された前記結合端部202の近位端の直径にほぼ等しく、即ち、前記凹溝201の遠位端から離れた位置の直径にほぼ等しく、Spは、前記パイプライン要素結合具100の仕様を表し、前記パイプライン要素結合具の本体部分の直径であり、且つD2よりも小さく、又はD2に等しくされてよい。対応する前記パイプライン要素結合具100の前記接合面121の前記遠位点1212の曲率半径を拡大された前記結合端部202の曲率半径よりも大きくすべきであると考慮した上で、前記パラメータρ2の値は、0.3~1mmの範囲にある追加値Rだけ増加すべきである。従って、ρ1=D1/2であるが、ρ2=D2/2+Rである。
【0078】
具体例として、前記パイプライン要素結合具100のSpの仕様が114.3mmである場合、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の直径D1は110.08mmであり、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の直径は116.8mmであり、そして、ρ1=110.08/2=55.04mmであるが、ρ2=116.8/2+0.5=58.9mmである。
【0079】
本発明の好ましい実施例によれば、
図14Bを参照し、本発明は、更に前記パイプライン要素結合具100によって2つのパイプライン要素200を結合するための方法を提供し、具体的には、前記方法は、
(a)前記結合ユニット10の各前記接合キー12を前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201に位置合わせするように、前記2つのパイプライン要素200の拡大された前記2つの結合端部202を前記パイプライン要素結合具100の2つの結合端部100a、100bに収容するステップであって、各前記接合キー12の前記接合面121が可変曲率半径を有し、換言すれば、各前記接合キー12の前記接合面121の断面が曲率半径可変曲線を規定するステップと、
(b)前記接合面121と対応する前記凹溝円周203との間の接触面積Sを大きくし、各前記接合キー12を対応する前記凹溝201に強固に保持するために、各前記接合キー12の前記接合面121を変形させるステップと、を含む。
【0080】
本発明の好ましい実施例によれば、前記ステップ(b)は、各前記接合キー12の前記接合面121を歪めるように、前記締結要素30によって前記2つの結合ユニット10の2つの締結端部113を締結するステップを更に含む。
【0081】
従って、前記ステップ(b)において、各前記接合キー12の少なくとも一部の接合面121の曲率半径は、対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径に一致するように小さくされ、それにより、前記パイプライン要素結合具100が取り付け状態にある時、各前記接合キー12の前記接合面121の当該部分は、対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203に貼合される。
【0082】
前記ステップ(a)において、前記方法は、前記隙間103を各前記接合キー12の前記接合面121と対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203との間に形成するステップを更に含む。前記ステップ(b)は、各前記接合キー12の前記接合面121が対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203に直接貼合されるように、各前記接合キー12の前記接合面121と対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203との間の前記隙間103を小さくするステップを更に含む。
【0083】
前記ステップ(b)は、対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径に一致する略円形曲率を形成し、前記接合キー12を対応する前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201に強固に保持するために、各前記接合キー12の前記接合面121を歪めるステップを含んでよい。
【0084】
前記方法は、前記ガスケット40を歪めることによって前記ガスケット40と拡大された前記結合端部202の間に封止効果を提供するステップを更に含み、前記締結要素30が前記結合ユニット10の前記締結端部113を締結するように操作された場合、前記ガスケット40は、前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202を囲む。
【0085】
ステップ(a)の前に、前記方法は、前記パイプライン要素の拡大された前記結合端部202が前記2つの結合ユニット10の前記2つの結合端部100a、100bで形成された前記開口102を通過することを可能にするステップを更に含み、それにより、前記結合ユニット10から前記締結要素30及び前記ガスケット40を取り外す必要がない。
【0086】
本発明は、実際に、操作者が速やかに操作しやすくするために、前記パイプライン要素結合具100によって前記パイプライン要素200を結合するための方法を提供し、より具体的には、前記方法は、
(A)前記パイプライン要素結合具100の第1の結合端部100aを第1のパイプライン要素210の拡大された結合端部202に嵌め込み、第2のパイプライン要素220の拡大された結合端部202を前記パイプライン要素結合具100の前記第2の結合端部100bに挿入することにより、前記パイプライン要素結合具100の前記結合ユニット10の前記接合キー12をそれぞれ前記第1のパイプライン要素210及び第2のパイプライン要素220の対応する前記凹溝201に位置合わせするステップであって、各前記接合キー12の前記接合面121が可変曲率半径を有し、各前記接合キー12の前記接合面121と対応する前記パイプライン要素210又は220の前記凹溝201の底部の前記凹溝円周203との間に前記隙間103が規定されているステップと、
(B)各前記接合キー12の前記接合面121と対応する前記パイプライン要素210又は220の前記凹溝201の底部の前記凹溝円周203との間の前記隙間103を小さくし、前記接合キーを対応する前記凹溝201に保持するために、前記結合ユニット10の前記2つの締結端を締結するように前記締結要素30を操作することで、前記パイプライン要素結合具100を前記第1パイプライン要素210及び第2のパイプライン要素220に強固に取り付けるステップと、を含む。
【0087】
前記第1のパイプライン要素210の拡大された前記結合端部202を前記パイプライン要素結合具100の前記第1の結合端部100aに取り付ける時、操作者は、1つ又は複数の指によって前記パイプライン要素結合具100の対向する前記第2の結合端部100bを押してよく、前記パイプライン要素結合具100の望ましくない移動を防止し、前記ガスケット40が前記第1のパイプライン要素210の拡大された前記結合端部202に嵌め込まれることを可能にし、取り付け操作を加速する。
【0088】
図16~
図19には、本発明の第2の好ましい実施例のパイプライン要素結合具100が示され、前記パイプライン要素結合具100は、3つの結合ユニット10と、前記3つの結合ユニット10を枢動可能に接続し、隣接する2つの前記結合ユニット10が互いに枢動可能に移動できるようにするための2つの枢動可能な接続要素20と、前記パイプライン要素結合具100が前記2つのパイプライン要素200に取り付けられた後に前記結合ユニット10を締結するための締結要素30と、前記2つの結合ユニット10に配置されるガスケット40と、を備える。
【0089】
従って、この好ましい実施例において、前記3つの結合ユニット10は、互いに結合して略環状構造を形成し、キャビティを規定することができる。より具体的には、前記3つの結合ユニット10は、第1の結合ユニット10A、第2の結合ユニット10B及び第3の結合ユニット10Cを含む。前記2つの枢動可能な接続要素20は、枢動可能な第1の接続要素20A及び枢動可能な第2の接続要素20Bを含む。前記枢動可能な第1の接続要素20Aは、前記第1の結合ユニット10Aと前記第2の結合ユニット10Bを枢動可能に接続するために用いられ、前記枢動可能な第2の接続要素20Bは、前記第2の結合ユニット10Bと前記第3の結合ユニット10Cを枢動可能に接続するために用いられる。前記締結要素30は、前記第1の結合ユニット10Aと第3の結合ユニット10Cの間に事前に取り付けられ、前記第1の結合ユニット10Aと第3の結合ユニット10Cを締結するために用いられる。前記ガスケット40は、前記3つの結合ユニット10で形成された前記キャビティ101に配置され、前記2つのパイプライン要素200が前記パイプライン要素結合具100に取り付けられる時に封止効果を提供するために用いられる。
【0090】
同様に、前記第1の結合ユニット10Aは、ケース11Aと、前記ケース11Aの両端部から全体的に内部へ延伸する2つの接合キー12Aと、を含み、前記第2の結合ユニット10Bは、ケース11Bと、前記ケース11Bの両端部から全体的に内部へ延伸する2つの接合キー12Bと、を含み、前記第3の結合ユニット10Cは、ケース11Cと、前記ケース11Cの両端部から全体的に内部へ延伸する2つの接合キー12Cと、を含む。
【0091】
前記2つのパイプライン要素200の各々は、前記3つの結合ユニット10の対応する前記接合キー12A、12B、12Cに接合されるための、拡大された結合端部202に隣接する凹溝201を含む。
【0092】
従って、前記3つの結合ユニット10の両端部の前記3つの接合キー12A、12B、12Cの間に開口102が規定され、前記開口102は、前記2つのパイプライン要素200のうちの一方の対応する拡大された前記結合端部202が前記開口102を通過できるために十分に大きく、前記ガスケット40及び前記締結要素30を取り外すことなく、前記パイプライン要素結合具100全体を前記2つのパイプライン要素200に直接取り付けることができる。
【0093】
本発明の好ましい実施例によれば、前記結合ユニット10の前記接合キー12A、12B、12Cは、それぞれ可変曲率半径の接合面121A、121B、121Cを有し、各前記パイプライン要素200は、対応する前記凹溝201の底部に位置する凹溝円周203を有する。本発明の前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられて前記接合キー12A、12B、12Cをそれぞれ対応する前記凹溝201に位置合わせする時、前記締結要素30は、前記接合面121A、121B、121Cが歪み、一部又は全部の前記接合面121A、121B、121Cが対応する前記凹溝円周203に貼合されるように前記第1の結合ユニット10Aと第3の結合ユニット10Cを強固に締結するように操作される。
【0094】
換言すれば、前記結合ユニット10の各前記接合キー12A、12B、12Cの各前記接合面121A、121B、121Cは、一定の曲率半径を有しておらず、且つ、各前記接合面121A、121B、121Cは、円曲率を有する円形面ではない。各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203は、実質的に円曲率を有し、本発明の前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられて前記接合キー12A、12B、12Cを対応する前記凹溝201に位置合わせする場合、各前記接合面121A、121B、121Cと各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203との間にそれぞれ隙間103A、103B、103Cが形成される。続いて、前記締結要素30が操作された場合、前記隙間103A、103B、103Cは、各前記接合面121A、121B、121Cが前記パイプライン要素200と前記パイプライン要素結合具100の間における強固且つ安定的な結合を達成する位置に保持されるまで小さくなる。
【0095】
この好ましい実施例によれば、各前記接合面121A、121B、121Cは、曲率半径可変曲線を規定し、対数螺旋曲線、アルキメデス曲線、パスカルの蝸牛線、楕円曲線、高次曲線及び複数の曲線の組み合わせを含むが、これらに限定されない。従って、各前記接合面121は、円曲率を有していないため、本発明の前記パイプライン要素結合具100の各前記接合キー12A、12B、12Cが前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201に取り付けられる時に前記隙間103A、103B、103Cが形成される。
【0096】
より具体的には、前記第1の結合ユニット10Aの前記ケース11Aは、本体部111A、枢動可能な接続端部112A及び締結端部113Aを含み、前記第2の結合ユニット10Bの前記ケース11Aは、本体部111B、及び2つの枢動可能な接続端部112Bを含み、前記第3の結合ユニット10Cの前記ケース11Cは、本体部111C、枢動可能な接続端部112C及び締結端部113Cを含む。前記枢動可能な接続要素20A、20Bは、前記ケース11A、11Bの前記枢動可能な接続端部112Bと対応する前記枢動可能な接続端部112Aを枢動可能に接続する。前記締結要素30は、前記ケース11A、11Cの前記2つの締結端部113A、113Cに取り付けられ、前記結合ユニット10A、10B、10Cを互いに強固に締結するために用いられる。
【0097】
前記事前取り付け状態にある時、前記ケース11A、11Cの前記2つの締結端部113A、113Cは、互いに分離しており、それらと前記3つの接合キー12A、12B、12Cの前記接合面121A、121B、121Cとの間に形成された前記開口102の寸法は、前記2つのパイプライン要素200の各々の拡大された前記結合端部202の寸法よりも大きい。且つ、前記パイプライン要素結合具100は、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202に嵌め込まれるように前記パイプライン要素200に取り付けられることができる。換言すれば、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202は、前記3つの接合面121A、121B、121Cの間の前記開口102を通過するように前記パイプライン要素結合具100に挿入可能である。
【0098】
図17Aに示すように、取り付け前に、前記ボルト31は、前記2つの締結端部113A、113Cに取り付けられ、前記ナット32は、前記ボルト31に取り付けられる。前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に取り付けられる時、前記ガスケット40を前記ケース11A、11Cから外す必要がなく、前記ボルト31及び前記ナット32を前記2つの締結端部113A、113Cから外す必要がない。
【0099】
換言すれば、前記接合キー12A、12B、12Cで構成された2対の舌状部により、前記パイプライン要素結合具100の2つの接合端に2つの開口102が形成される。また、前記第1の結合ユニット10Aと第3の結合ユニット10Cは、同じ構造であることが好ましい。前記締結要素30の前記ボルト31及び前記ナット32が操作された場合、2対の前記接合面121A、121B、121Cの全ては、
図17Bに示すように、前記接合面121A、121B、121Cが前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203に直接貼合されるように、その接合端において歪む。
【0100】
本発明の好ましい実施例の具体例として、各前記接合面121A、121Cは、対数螺旋曲線を規定する。換言すれば、各前記接合面121A、121Cの断面は、対数螺旋曲線を形成する。前記第2の結合ユニット10Bの前記接合面121Bは、楕円曲線を規定する。前記パイプライン要素結合具100が前記事前取り付け状態から最終的な前記取り付け状態まで操作された場合、各前記接合面121A、121B、121Cは、歪みによってその曲率半径が変化し、且つ変化範囲は約13%~21%である。パラメータD'は、端点1212A又は1212Cと前記接合面121Bの中央の中点1213Bとの間の距離を表し、前記パイプライン要素結合具100を密接に締結するプロセスにおいて、前記パラメータD'の値は、徐々に小さくなり、前記パラメータD'の変化範囲は、約14%~22%である。
【0101】
図18に示すように、本発明の好ましい実施例によれば、前記接合面121Bの中央の前記中点1213Bは、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径に等しいか又はそれよりも僅かに大きい(5%以下)最小曲率半径を有する。換言すれば、前記接合面121Bの中央の前記中点1213Bの最小曲率半径は、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径にほぼ等しい。従って、前記パイプライン要素結合具100が前記パイプライン要素200に事前に取り付けられる時、前記中点1213Bの表面は、対応する前記凹溝円周203に貼合される。従って、前記隙間103Bは、前記接合面121Bと対応する前記凹溝円周203の間に形成される。
【0102】
前記締結端部113A又は113Cに隣接する前記端点1212A又は1212Cは、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の曲率半径よりも実質的に大きい最大曲率半径を有する。従って、前記パイプライン要素結合具100が前記事前取り付け状態にある時、前記締結端部113A、113Cは、僅かに互いに分離することができ、1対の前記接合面121A、121B、121Cの間に規定された前記開口102は、前記パイプライン要素結合具100を前記パイプライン要素200に直接嵌め込み、前記パイプライン要素結合具100と前記パイプライン要素200を事前に取り付けるために十分に大きい。
【0103】
従って、好ましい実施例として、本発明の好ましい実施例による前記接合面121A、121B、121Cの曲率半径は、前記中点1213Bから前記端点1212A、1212Cまで徐々に大きくなることが好ましい。
【0104】
図17Bに示すように、前記締結要素30が前記接合キー12A、12B、12Cを前記凹溝201に強固に保持するように操作された場合、前記接合面121A、121B、121Cと前記凹溝円周203の間における前記隙間103A、103B、103Cは、徐々に小さくなり、各前記接合面121A、121B、121Cは、周方向に沿ってその曲率半径が変えられて前記凹溝円周203に貼合されるように歪む。歪んだ各前記接合面は、各前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝円周203の曲率半径に一致するように、略円形曲率を有する。
【0105】
前記ナットが前記ボルト31に沿って螺着される時、前記2つの締結端部113A、113Cの間の距離は、徐々に小さくなる。前記隙間103A、103B、103Cは、小さくなり、各前記接合面121A、121B、121Cが前記凹溝円周203に貼合される位置まで移動する傾向になる。前記取り付け状態にある時、1対の前記接合面121A、121B、121Cの周長は、対応する前記凹溝円周203の周長にほぼ等しいか又はそれよりも僅かに大きく、1対の前記接合面121A、121B、121Cは、略円形曲率を有する略円形面を形成し、対応する前記凹溝円周203の曲率に一致する。
【0106】
図18に示すように、前記ナット32が回されてトルクを生成した場合、前記トルクによって前記ボルト31に沿って作用力F1が生成され、前記中点1213Bが存在するため、生成された作用力F2によって前記第2の結合ユニット10Bの前記接合面121Bの歪みを引き起こし、前記接合面121A、121Cの僅かな歪みを引き起こす可能性もある。前記接合面121Bの前記2つの端点1214Bの各々の曲率半径は、前記接合面121Bの前記中点1213Bの曲率半径にほぼ等しくなるまで小さくされ、前記接合面121Bの前記中点1213Bの曲率半径は、取り付けプロセスにおいて殆ど変化しない。前記トルクが徐々に大きくなるにつれて、前記結合ユニット10A、10Cの歪みは、より明らかになり、前記トルクが所定値になるまで歪みが停止する。前記遠位点1212A、1212Cの曲率変化範囲は最大であり、対応する前記凹溝円周203の曲率半径に一致するまで小さくなる。
【0107】
図19に示すように、本発明の好ましい実施例の具体例によれば、各前記接合面121A、121Cは、方程式ρ=e
θを有する対数螺旋曲線を規定し、θの範囲は60~200°である。前記接合面121Bは、楕円曲線を規定し、前記楕円曲線の短径Daの値は、対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の直径D1であり、前記楕円曲線の長径Dbの値は、前記パイプライン要素の仕様Spの値と値の範囲が0.3~1mmにある追加値R'との和である。
【0108】
より具体的には、前記パイプライン要素結合具100によって互いに結合する異なる仕様の前記2つのパイプライン要素200は、異なる値のDa、Db及び異なる範囲のθを有する。
【0109】
この好ましい実施例によれば、パラメータρaは、前記接合面121Bの前記中点1213Bの曲率半径を表し、ρbは、前記接合面121Bの前記2つの端点1214Bの各々の曲率半径を表し(θが60°である)、ρAは、前記接合面121A、121Cの各前記近位点1215A、1215Cの曲率半径を表し、ρBは、前記接合面121A、121Cの各前記遠位点1212A、1212Cの曲率半径を表し、D1は、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の直径を表し、D2は、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の直径を表す。従って、ρa=D1/2であり、ρb=(Sp+R')/2であり、ρA=ρbであり、ρB=D2/2であり、遷移点1214B、1215A、1215Cの曲率半径は実質的に同じである。
【0110】
具体例として、前記パイプライン要素結合具100の仕様が42.44mmである場合、各前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の直径D1は38.99mmであり、各前記パイプライン要素200の拡大された前記結合端部202の直径D2は45mmであり、R'は0.6mmであり、ρa=38.99/2=19.495mmであり、ρA=ρb=20.941mmであり、ρB=45.5/2=22.5mmである。
【0111】
従って、この好ましい実施例は、更に前記2つのパイプライン要素200と前記パイプライン要素結合具100を結合する方法を提供し、前記方法は、
(α)前記結合ユニット10の前記接合キー12A、12B、12Cが前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201にほぼ位置合わせされ、それらの間に前記隙間103A、103B、103Cが規定されるように、前記パイプライン要素結合具100を前記2つのパイプライン要素に事前に取り付けるステップであって、各前記接合面121A、121B、121Cが可変曲率半径を有するステップと、
(β)前記締結要素を操作して前記隙間103A、103B、103Cを小さくするように前記接合キー12A、12B、12Cを前記パイプライン要素200の対応する前記凹溝201に取り付け、対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203の曲率半径に一致するようにするステップであって、前記パイプライン要素結合具100が取り付け状態にある時、前記接合面121A、121B、121Cが対応する前記パイプライン要素200の前記凹溝円周203に実質的に貼合されるステップと、を含む。
【0112】
図21~
図29Bには、本発明の第3の好ましい実施例による2つのパイプライン要素8200(第1の管路8210及び第2の管路8220を含む)を接続するためのパイプライン接続装置8100が示される。前記パイプライン接続装置8100は、少なくとも2つのハウジング810と、少なくとも1つの接続具820と、少なくとも1つの締結具830と、を備え、そのうち、これらのハウジング810は、略環状構造に組み合わせられ、且つキャビティ8101を有する。
図21に示すように、前記ハウジング810の両端の間は、2つの前記ハウジングが相対的に開閉可能であるように、それぞれ前記接続具820及び前記締結具830うちの1つによって接続され、前記締結具830は、2つの前記パイプライン要素8200の確実な接続を実現するように、各前記ハウジング810を前記パイプライン要素8200の外側を締結するため用いられる。特に前記パイプライン要素8200の管端がラッパ状構造である場合、前記ハウジング810の接合面の間の開きは、前記ハウジング810を取り外すことなく前記パイプライン要素8200の外側に嵌め込んでその接合面をパイプライン要素8200の溝8201の底面又は一部の底面に貼合することを可能にする大きさを有する。
【0113】
理解できるように、前記パイプライン要素結合具100は、前記パイプライン接続装置8100として実施され、前記結合ユニット10は、前記ハウジング810として実施される。
【0114】
理解できるように、前記パイプライン要素8200は、管路、エルボ、弁、三方管又はレデューサなどの継手又は管路付属品などの管部材、設備などを含むが、これらに限定されない。前記パイプライン要素8200は、溝8201を有し、取り付け時に、前記パイプライン接続装置8100の前記ハウジング810の前記接合面は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202に貼合され、確実な接続効果を実現することができる。一例として、前記パイプライン接続装置8100は、2つの突き合せ管路(前記第1の管路8210及び前記第2の管路8220)を接続するために用いられてもよく、又は、前記パイプライン接続装置8100は、管路と管部材を接続するために用いられてもよく、又は、前記パイプライン接続装置8100は、2つの管部材を接続するために用いられてもよく、又は、前記パイプライン接続装置8100は、管路と設備を接続するために用いられてもよく、又は、前記パイプライン接続装置8100は、管部材と設備を接続するために用いられてもよく、又は、前記パイプライン接続装置8100は、2つの設備を接続するために用いられてもよく、ここで限定されない。
【0115】
更に、前記ハウジング810の接合面は、曲率半径可変曲線状面であり、即ち、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きは、取り付けていない時に非円形であり、各前記ハウジング810が前記パイプライン要素8200に事前に嵌め込まれた後、前記ハウジング810の接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)は、前記パイプライン要素8200の外側の溝8201に接合され、そのうち、前記ハウジング810の接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)と前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の間に隙間8102を有する。実際に取り付けるプロセスにおいて、前記隙間8102によって、使用者が前記パイプライン接続装置8100と前記パイプライン要素8200の間の相対位置を事前に調整することが可能となり、且つ補助工具を使用して前記パイプライン接続装置8100の曲率半径を大きくする必要がなく、手動による取り付けの自由度及び操作可能性を向上させる。
【0116】
更に、前記締結具830は、前記隙間8102を縮小するように各前記ハウジング810を前記パイプライン要素8200の外側に締結することで、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の一部又は全部が前記パイプライン要素8200の外側の前記溝8201の前記溝底面8202に貼合されるまで、前記ハウジング810を前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きを縮小するように歪め、即ち、各前記ハウジング810は、実質的に互いに接合されて前記パイプライン要素8200の外側に嵌め込まれ、即ち、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の直径の寸法は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201の前記溝底面8202の直径の寸法に丁度一致し、前記隙間8102を可能な限り小さくし、確実な接続効果を保証する。
【0117】
図22及び
図23に示すように、好ましくは、この実施例において、少なくとも2つの前記ハウジング810は、第1のハウジング811及び第2のハウジング812として実施され、前記第1のハウジング811は、第1の本体8111、第1の接続端8112及び第1の締結端8113を含み、且つ、前記第1の接続端8112は、この実施例において、第1のヒンジ端8112として実施され、前記第1のヒンジ端8112及び前記第1の締結端8113は、それぞれ前記第1の本体8111の両端に一体的に成形される。前記第2のハウジング812は、第2の本体8121、第2の接続端8122及び第2の締結端8123を含み、それに応じて、前記第2の接続端8122は、この実施例において、第2のヒンジ端8122として実施され、前記第2のヒンジ端8122及び前記第2の締結端8123は、それぞれ前記第2の本体8121の両端に一体的に成形される。以上から分かるように、前記第1のハウジング811と前記第2のハウジング812がヒンジによって接続されるため、取り付けプロセスにおいて、前記第1のハウジング811及び前記第2のハウジング812は、別々に取り付ける必要がなく、取り付け時間を節約する。
【0118】
本実施例において、前記第1のヒンジ端8112と前記第2のヒンジ端8122は、前記接続具820によって接続され、前記第1の本体8111と前記第2の本体8121は、前記接続具820に沿って相対的に回動する。前記締結具830は、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きの寸法を調節するように、前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123を締結して接続するために用いられる。前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123の間の距離の増減につれて、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きの寸法もそれに応じて増減し、且つ前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123が接合される場合、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きの寸法は最小である。
【0119】
本実施例において、前記接続具820は、ヒンジ構造として実施され、前記第1のハウジング811及び前記第2のハウジング812は、前記接続具820に沿って所定の角度範囲で回動し、前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123の間に開きを調整可能な開口が形成される。前記開口の増大につれて、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きは、その分だけ開かれ、逆に、前記開口の縮小につれて、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きの寸法は、それに応じて小さくなる。
【0120】
図24に示すように、好ましくは、前記第1の本体8111は、それぞれ前記第1の管路8210及び前記第2の管路8220の溝底面8202に貼合されるための2つの対称且つ平行な第1の接合面81111を有し、前記第2の主体8121は、それぞれ前記第1の管路8210及び前記第2の管路8220の溝底面8202に貼合されるための2つの対称且つ平行な第2の接合面81211を有する。前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211は、いずれも曲率半径可変曲線面であり、即ち、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211は、いずれも曲率半径可変曲線の形状を有する。自然な状態で、前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123は互いに接合されておらず、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きは非円形であり、寸法が前記パイプライン要素8200のラッパ口の直径の寸法よりも大きい。使用者は、工具によって前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123を接合するように前記締結具830を締結することができ、前記第1の本体8111及び前記第2の本体8121は、いずれも前記ハウジング810の前記接合面81111、81211の間の開きの寸法が最小になるまで、前記ハウジング810の前記接合面81111、81211の間の開きを縮小するように歪む。
【0121】
なお、前記第1の接合面81111は、前記第1の本体8111の第1の接合キー81114の内側面の一部又は辺に沿って延伸してよく、前記第2の接合面81211は、前記第2の本体8121の第2の接合キー81214の内側面の一部又は辺に沿って延伸してよい。取り付け時に、前記第1の本体8111の第1の接合キー81114の内側面及び前記第2の本体8121の第2の接合キー81214の内側面は、いずれも前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202に貼合され、即ち、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211は、いずれも前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202に貼合され、ここで限定されない。
【0122】
本実施例において、前記第1の管路8210及び前記第2の管路8220の外側のいずれにも前記溝8201を有し、前記第1の接合面81111と第2の接合面81211は互いに組み合わせられて前記溝8201の溝底面8202に貼合され、確実な取り付けを実現する。
【0123】
更に、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211の前記接続具820の位置での曲率半径は同じであり、且つ、当該位置の曲率半径は、いずれも前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の曲率半径にほぼ等しく、前記第1のヒンジ端8112及び前記第2のヒンジ端8122の接合面81111、81211を全て事前嵌め込み時に前記パイプライン要素8200の溝底面8202に丁度貼合することができる。
【0124】
図27に示すように、好ましくは、前記第1の接合面81111の曲率半径は、前記第1のヒンジ端8112の位置から前記第1の締結端8113の位置まで徐々に大きくなり、前記第1の接合面81111の前記第1のヒンジ端8112の位置での曲率半径P1は最小であり、且つ前記パイプライン要素8200の溝底面8202の曲率半径にほぼ等しく、前記第1の接合面81111の前記第1の締結端8113の位置での曲率半径P2は最大であり、且つ前記パイプライン要素8200の溝底面8202の曲率半径よりも大きく、それにより、前記パイプライン接続装置8100の自然な状況での前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きの寸法が前記パイプライン要素8200のラッパ口の直径よりも大きくなる。それに応じて、前記第2の接合面81211の曲率半径は、前記第2のヒンジ端8122の位置から前記第2の締結端8123の位置まで徐々に大きくなり、前記第2の接合面81211の前記第2のヒンジ端8122の位置での曲率半径P1は最小であり、且つ前記パイプライン要素8200の溝底面8202の曲率半径にほぼ等しく、前記第2の接合面81211の前記第2の締結端8123の位置での曲率半径P2は最大であり、且つ前記パイプライン要素8200の溝底面8202の曲率半径よりも大きい。
【0125】
図28及び
図29Aに示すように、事前嵌め込みプロセスにおいて、前記第1の本体8111及び前記第2の本体8121を前記管路8201、8202に嵌め込むように操作し、又は、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きを大きくするように前記接続具820に沿って相対的に回動することにより、2つの前記パイプライン要素8200を速やかに互いに突き合せて前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きに挿設することができる。更に、前記第1のヒンジ端8112及び前記第2のヒンジ端8122がいずれも前記パイプライン要素8200の外側に貼合された場合、前記第1の接合面81111と前記パイプライン要素8200の溝底面8202の間に第1の隙間81021が形成され、前記第2の接合面81211と前記管路の溝底面8202の間に第2の隙間81022が形成され、前記第1の隙間81021は、前記第1の締結端8113から前記第1のヒンジ端8112まで徐々に小さくなり、前記第2の隙間81022は、前記第2の締結端8123から前記第2のヒンジ端8122まで徐々に小さくなる。
【0126】
つまり、
図25に示すように、前記パイプライン接続装置8100が前記パイプライン要素8200の外側に事前に嵌め込まれた場合、前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123の間に所定のピッチを有し、即ち、前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123は接触しない。
【0127】
前記ハウジング810は、通常、低炭素鋼材又はプラスチックスチール材などの金属材料で製造され、人力によって歪みすることができないが、前記パイプライン接続装置8100が前記パイプライン要素8200の外側に事前に嵌め込まれた後、前記パイプライン要素8200を支点として、使用者は、工具によって前記第1の締結端8113と前記第2の締結端8123を引き寄せるように前記締結具830を締結することにより、前記第1の本体8111及び前記第2の本体8121の接合面81111、81211を変形させて前記パイプライン要素8200の溝底面8202に実質的に局所的又は完全に貼合して保持することができることが分かる。
【0128】
好ましくは、前記締結具830は、ボルトとナットの組み合わせとして実施され、即ち、前記締結具830は、ボルト831及びナット832を含み、前記ボルト831は、前記ナット832に合わせて螺着され、前記工具は、前記締結具830を締結することを実現するために、レンチなどとして実施されてもよく、ここで限定されない。なお、前記ハウジング810の接合面の前記締結具830の位置での曲率半径が最大であり、且つ前記パイプライン要素8200の管径の寸法よりも明らかに大きいため、取り付け時に、前記締結具830を前記ハウジングから取り外す必要がなく、即ち、取り付け前後に、前記締結具830を常に前記ハウジングに保持することができ、使用者が前記締結具830を取り外すステップを省き、取り付け時間を節約する。
【0129】
具体的には、前記第1のハウジング811の前記第1の締結端8113は、第1の締結孔81131を有し、前記第2のハウジング812の前記第2の締結端8123は、第2の締結孔81231を有し、前記第1の締結孔81131及び前記第2の締結孔81231の寸法及び方向は、取り外し可能に締結することを実現するために前記締結具830に一致するように実施される。換言すれば、前記第1の締結孔81131及び前記第2の締結孔81231は、前記締結具830の前記ボルト831を挿入することに適し、且つ前記ナット832と前記ボルト831の締結と螺着により、前記第1のハウジング811の前記第1の締結端8113と前記第2のハウジング812の前記第2の締結端8123との間の距離が徐々に小さくなり、前記第1の本体8111と前記第2の本体8121が互いに近接するようにその接合面81111、81211を変形させることができる。
【0130】
図29Bに示すように、取り付けプロセスにおいて、前記締結具830が徐々に締め込まれるにつれて、前記ボルト831のトルクが絶えず増加し、前記第1の締結端8113及び前記第2の締結端8123の変形程度が明らかになり、前記隙間8102が徐々に小さくなり、前記ボルト831が所定のトルク値になるまで前記締結具830が締め込まれると、前記隙間8102は、可能な限り小さく達し、即ち、取り付けが完了する。
【0131】
好ましくは、前記第1の接合面81111と前記第2の接合面81211の長さの和は、剛性係合を実現するように、前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の周長にほぼ等しい。使用者が工具によって前記締結具830を締結することで前記第1の本体8111と前記第2の本体8121を互いに接触させるように変形させた場合、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211は、前記パイプライン要素8200の溝底面8202に実質的に部分的又は完全に貼合され、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きは、前記パイプライン要素8200の溝底面8202の外周の直径にほぼ等しく、接続信頼性を保証する。接続信頼性を確保するために、任意選択的に、前記第1の接合面81111と前記第2の接合面81211の長さの和は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の周長よりも僅かに大きくてもよく、変形して取り付けられた後、可撓性係合又は擬似可撓性接合を実現するために、前記ハウジング810の接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)と前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202との間に少量の隙間が残される。又は、前記パイプライン接続装置8100が変形して取り付けられた後、前記パイプライン接続装置8100の接合面と前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の間は、前記パイプライン接続装置8100と前記パイプライン要素8200の間の剛性接続を実現するために完全に貼合されて接触してもよく、又は、前記パイプライン接続装置と前記パイプライン要素8200の間の可撓性接続を実現するために少量の隙間が残されるように部分的に貼合されてもよく、ここで限定されない。
【0132】
本実施例において、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211は、いずれも曲率半径可変曲線面として実施され、前記曲率半径可変曲線面は、断面線(辺に平行な線)、辺及び任意の点の断面線が曲率半径可変曲線を呈する形状面として実施され、前記曲率半径可変曲線の曲率半径は、一定ではなく、前記曲率半径可変曲線の曲率半径は、最小値から最大値まで徐々に大きくなる。更に、前記曲率半径可変曲線の曲率半径の最小値は、前記管路の曲率半径にほぼ等しい。換言すれば、前記曲率半径可変曲線の前記第1のヒンジ端8112又は前記第2のヒンジ端8122の位置での曲率半径P1は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の管径半径(曲率半径)にほぼ等しく、且つ最小値であり、前記曲率半径可変曲線の前記第1の締結端8113又は前記第2の締結端8123の位置での曲率半径P2は最大値である。
【0133】
任意選択的に、前記曲率半径可変曲線の前記第1のヒンジ端8112又は前記第2のヒンジ端8122の位置での曲率半径P1は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の曲率半径よりも僅かに大きくてもよく、曲率半径P1が前記パイプライン要素8200の前記溝8201の溝底面8202の曲率半径よりも僅かに大きい範囲は、5%以内であり、ここで限定されない。
【0134】
理解できるように、前記曲率半径可変曲線面の前記曲率半径可変曲線は、対数螺旋曲線、アルキメデス曲線、パスカルの蝸牛線、楕円曲線、高次曲線などの曲率半径が可変な平面曲線のうちの1つ又は複数の組み合わせを含むが、これらに限定されない。好ましくは、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211の前記曲率半径可変曲線は、いずれも対数螺旋曲線として実施され、且つ前記ヒンジ端の位置での曲率半径P1は、いずれも前記締結端の位置での曲率半径P2よりも小さい。
【0135】
理解できるように、接続信頼性を確保するために、前記曲率半径可変曲線の曲率半径の変化に基づき、前記ハウジング810の前記第1のハウジング811又は前記第2のハウジング812の変形弧度は、それに応じて変化する。本実施例において、前記第1の接合面81111と前記第2の接合面81211の曲率半径の変化度合は実質的に同じである。任意選択的に、前記第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211が異なるか又は相違する前記曲率半径可変曲線面として実施される場合、前記第1の接合面81111と前記第2の接合面81211の曲率半径の変化度合は異なってもよい。3つ以上のハウジングを有する前記パイプライン接続装置に対して、各ハウジングの接合面の曲率半径の変化度合は、同じであってもよく、異なってもよいが、ここで限定されない。
【0136】
図23及び
図24に示すように、更に、前記第1のハウジング811の前記第1の本体8111は、1つの第1のハウジング基部81112、2つの第1のハウジング肩部81113及び2つの第1の接合キー81114を含み、前記第1のハウジング基部81112、前記2つの第1のハウジング肩部81113及び前記2つの第1の接合キー81114は、溝形構造に一体的に成形され、前記第1のヒンジ端8112及び前記第1の締結端8113は、それぞれ前記第1のハウジング基部81112の両端に一体的に成形される。前記2つの第1のハウジング肩部81113は、それぞれ前記第1のハウジング基部81112の両側に一体的に成形され、前記第1の接合キー81114は、前記第1のハウジング肩部81113に一体的に成形され、前記2つの第1のハウジング肩部81113と前記2つの第1の接合キー81114の間に第1の取り付け溝81115を有し、前記第1の接合キー81114の、前記溝8201の前記溝底面8202に貼合される面は、前記第1の接合面81111であり、前記第1の接合キー81114は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201に合わせて係合される。
【0137】
それに応じて、前記第2のハウジング812の前記第2の本体8121は、1つの第2のハウジング基部81212、2つの第2のハウジング肩部81213及び2つの第2の接合キー81214を含み、前記2つの第2のハウジング肩部81213は、それぞれ前記第2のハウジング基部81212の両側に一体的に成形され、前記第2の接合キー81214は、前記第2のハウジング肩部81213に一体的に成形され、前記2つの第2のハウジング肩部81213と前記2つの第2の接合キー81214の間に第2の取り付け溝81215を有し、前記第2の接合キー81214の、前記溝8201の前記溝底面8202に貼合される面は、前記第2の接合面81211であり、前記第2の接合キー81214は、前記パイプライン要素8200の前記溝8201に合わせて係合され、前記第1の接合キー81114と組み合わせられて前記第1の管路8210と前記第2の管路8220の突き合せを実現する。
【0138】
なお、前記第1のハウジング基部81112、前記第1のハウジング肩部81113、前記第2のハウジング基部81212又は前記第2のハウジング肩部81213は、可変曲率半径を有する曲率半径可変曲線状構造として実施されてもよく、又は、前記第1のハウジング基部81112、前記第1のハウジング肩部81113、前記第2のハウジング基部81212又は前記第2のハウジング肩部81213も、前記曲率半径可変曲線の形状を有する。又は、前記第1のハウジング基部81112、前記第1のハウジング肩部81113、前記第2のハウジング基部81212又は前記第2のハウジング肩部81213の一部又は全部は、円弧形構造として実施され、ここで限定されない。
【0139】
換言すれば、前記接合キー(第1の接合キー81114及び第2の接合キー81214)の前記溝底面8202に貼合される面は、前記接合面(第1の接合面81111及び前記第2の接合面81211)であり、前記接合面は、前記曲率半径可変曲線面であり、又は、前記接合面の断面線(辺に平行な線)、辺及び任意の点の断面線は、いずれも曲率半径可変曲線であり、又は、前記接合キーの断面線、辺及び任意の点の断面線は、曲率半径可変曲線である。
【0140】
この好ましい実施例において、前記パイプライン接続装置8100の初期状態から取り付け完了状態までのプロセスにおいて、前記ハウジング810の前記第1のハウジング811の前記第1の接合キー81114の前記第1の接合面81111及び前記第2のハウジング812の前記第2の接合キー81214の前記第2の接合面81211の曲率変化範囲は、約4.5%~12%以内であり、前記ハウジング810の前記第1のハウジング811の前記第1のヒンジ端8112と前記第1の締結端8113の間の開き値D1の変化範囲は、約4%~15%以内であり、前記第2のハウジング812の前記第2のヒンジ端8122と前記第2の締結端8123の間の開き値も、D1であり、変化範囲が約4%~15%以内であり、ここで限定されない。
【0141】
図26に示すように、好ましくは、前記第1のハウジング基部81112の両端にそれぞれ第1の閉鎖端81116及び第1の閉鎖溝81117を有し、前記第2のハウジング基部81212の両端にそれぞれ第2の閉鎖端81216及び第2の閉鎖溝81217を有し、前記第1の閉鎖端81116と前記第2の閉鎖溝81217は、対応して挿通されるように接続され、前記第2の閉鎖端81216と前記第1の閉鎖溝81117は、対応して挿通されるように接続される。取り付け時に、前記第1の閉鎖端81116は、前記第2の閉鎖溝81217に合わせて挿入され、前記第2の閉鎖端81216は、前記第1の閉鎖溝81117に合わせて挿入されることで、前記第1のハウジング811と前記第2のハウジング812の間の開口を閉鎖し、前記パイプライン接続装置8100の接続信頼性を向上させる。
【0142】
更に、前記パイプライン接続装置8100はシールリング840を更に含み、前記シールリング840は、円環構造として実施され、内径が前記パイプライン要素8200の外径よりも僅かに大きく、且つ靭性を有し、変形することができる。前記シールリング840は、前記キャビティ8101の前記第1の取り付け溝81115及び前記第2の取り付け溝81215に設けられ、取り付け時に、前記シールリング840は、前記ハウジング810内に環設されるように押される。
【0143】
更に、前記第1の管路8210と前記第2の管路8220を突き合せて取り付けやすくするために、前記シールリング840の中央に内部へ延伸する位置制限部材841を更に有し、取り付け時に、前記位置制限部材841は、前記第1の管路8210又は前記第2の管路8220の突き合せ障害を防止するように、前記第1の管路8210又は前記第2の管路8220を適切な突き合せ位置に位置制限するために用いられ、前記位置制限部材841は、前記第1の管路8210と前記第2の管路8220の間に位置するが、前記第1の管路8210と前記第2の管路8220の間の連通を阻害することはない。
【0144】
なお、前記ハウジング810の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)の間の開きの寸法が前記管路のラッパ口の直径の寸法よりも大きいため、取り付け前に、前記シールリング840は、前記ハウジング810の前記第1の取り付け溝81115及び前記第2の取り付け溝81215に保持される。また、前記締結具830も、前記ハウジング810に保持されることができ、取り付け前後に、前記締結具830及び前記シールリング840はいずれも取り外す必要がない。従って、事前に嵌め込む時、前記ハウジング810は、前記シールリング840と共に前記パイプライン要素8200の外側に嵌め込むことができ、前記シールリング840を先に取り外した後に前記シールリング840及び前記ハウジング810を1つずつ取り付ける必要がなく、取り付けステップを省き、取り付け速度を加速し、且つ、前記ハウジング810と前記シールリング840の取り付けプロセスにおける相対位置は、殆ど変化せず、位置ずれ現象が発生しにくく、手動による取り付けに対する技術的要求を低下させる。
【0145】
本実施例は、前記パイプライン接続装置8100の取り付け方法を更に提供し、前記方法は、
A、前記少なくとも2つのハウジング810を2つの突き合せられるパイプライン要素8200の外側に嵌め込むステップであって、前記ハウジング810の前記第1の接合キー81114及び前記第2の接合キー81214の各々の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)が、前記パイプライン要素8200の溝8201の溝底面8202に接合されて隙間8102を形成するための曲率半径可変曲線面であるステップと、
B、前記隙間8102を縮小するように前記接合キー(前記第1の接合キー81114及び前記第2の接合キー81214)の前記接合面(第1の接合面81111及び第2の接合面81211)を変形させて前記パイプライン要素8200の溝8201の溝底面8202に部分的又は完全に貼合させるステップと、を含む。
【0146】
更に、前記ステップAにおいて、以下のステップを含む。A1、前記少なくとも2つのハウジング810を前記第1の管路8210の外側に嵌め込み、前記第1の管路8210は、前記シールリング840の前記位置制限部材841によって所定の位置に位置制限され、前記ハウジング810の一側の前記第1の接合キー81114及び前記第2の接合キー81214は、前記第1の管路8210の前記溝に接合される。A2、前記第2の管路8220を前記少なくとも2つのハウジング810の間の前記キャビティ8101に挿入し、前記第2の管路8220は、前記シールリング840の前記位置制限部材841によって所定の位置に位置制限され、前記少なくとも2つのハウジング810の他側の前記第1の接合キー81114及び前記第2の接合キー81214は、前記第2の管路8220の前記溝に接合される。
【0147】
更に、前記ステップBにおいて、前記締結具830を合理的なトルク値になるまで締め込むことで前記第1の接合キー81114及び前記第2の接合キー81214を変形させる。
【0148】
図30及び
図32には、本発明の第1の変形実施例のパイプライン接続装置8100Aが示され、上記好ましい実施例との相違点は、前記パイプライン接続装置8100Aが2つのハウジング810A及び2つの締結具830Aを含むことであり、前記2つのハウジング810Aは、組み合わせられて大きさが調整可能なキャビティ8101Aを形成することができ、前記2つのハウジング810Aの接合面は、前記パイプライン要素8200の溝8201の溝底面8202に接合され、前記ハウジング810Aの前記接合面の間の開きは、大きさが調整可能であり、且つ前記パイプライン要素8200の外径の寸法よりも大きく、前記2つのハウジング810Aの両端は、それぞれ前記締結具830Aによって締結されて突き合せられ、2つの前記パイプライン要素8200の封止接続を実現する。
【0149】
更に、前記ハウジング810Aの接合面は、曲率半径可変曲線状構造であり、即ち、前記ハウジング810Aの前記接合面の間の開きは、非円形であり、前記ハウジング810Aが前記パイプライン要素8200に事前に嵌め込まれた後、前記ハウジング810Aの接合面と前記パイプライン要素8200の溝底面8202の間に隙間8102Aを有する。
【0150】
更に、前記締結具830Aは、前記隙間8102Aを縮小するように各前記ハウジング810Aを前記パイプライン要素8200の外側に締結し、前記ハウジング810Aの一部又は全部が前記パイプライン要素8200の外側に貼合されるまで、前記ハウジング810Aの前記接合面の間の開きを縮小するように前記ハウジング810Aを歪め、即ち、前記ハウジング810Aは、その接合面を前記パイプライン要素8200の溝底面8202に嵌め込まれる円形構造に変形させるように実質的に互いに接合され、前記ハウジング810Aの前記接合面の間の開きは、実質的に円形であり、即ち、前記ハウジング810Aの前記接合面の間の開きの寸法は、前記パイプライン要素8200の管径の寸法に丁度一致し、前記隙間8102Aを可能な限り小さくし、封止効果を保証する。
【0151】
具体的には、前記2つのハウジング810Aは、第1のハウジング811A及び第2のハウジング812Aを含み、前記第1のハウジング811Aは、1つの第1の本体8111A及び2つの第1の締結端8112Aを含み、前記2つの第1の締結端8112Aは、それぞれ前記第1の本体8111Aの両端に一体的に成形され、第1の本体8111Aは、2つの対称且つ平行な第1の接合面81111Aを有する。それに応じて、前記第2のハウジング812Aは、1つの第2の本体8121A及び2つの第2の締結端8122Aを含み、2つの前記第2の締結端8122Aは、それぞれ前記第2の本体8121Aの両端に一体的に成形され、前記第2の本体8121Aは、2つの対称且つ平行な第2の接合面81211Aを有する。
【0152】
任意選択的に、前記締結具830Aは、ボルトとナットの組み合わせとして実施され、前記第1の締結端8112Aは、第1の締結孔81121Aを有し、前記第2の締結端8122Aは、第2の締結孔81221Aを有し、前記締結具830Aは、前記第1の締結孔81121A及び第2の締結孔81221Aを通過して前記隙間8102Aを縮小するように前記第1のハウジング811Aと前記第2のハウジング812Aを締結することに適する。
【0153】
本変形実施例において、前記第1の接合面81111A及び前記第2の接合面81211Aは、いずれも曲率半径可変曲線面として実施され、前記曲率半径可変曲線の曲率半径は、一定ではなく、前記曲率半径可変曲線の曲率半径は、最小値から最大値まで徐々に大きくなる。更に、前記曲率半径可変曲線の曲率半径の最小値は、前記管路の曲率半径にほぼ等しい。換言すれば、前記曲率半径可変曲線の中部位置(又はヴォールト位置)における曲率半径P1は、前記パイプライン要素8200の溝の溝底面8202の管径の半径にほぼ等しく、且つ最小値であり、前記曲率半径可変曲線の両端の位置での曲率半径P2は最大値である。
【0154】
理解できるように、前記曲率半径可変曲線面の前記曲率半径可変曲線は、対数螺旋曲線、アルキメデス曲線、パスカルの蝸牛線、楕円曲線、高次曲線などの曲率半径が可変な平面曲線のうちの1つ又は複数の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0155】
図32に示すように、具体的には、前記第1の接合面81111Aは、1つの第1の曲線面811111A及び2つの第2の曲線面811112Aを有し、前記2つの第2の曲線面811112Aは、前記第1の曲線面811111Aの両側に沿って対称に延伸する。それに応じて、前記第2の接合面81211Aは、1つの第3の曲線面812111A及び2つの第4の曲線面812112Aを有し、前記2つの第4の曲線面812112Aは、前記第3の曲線面812111Aの両側に沿って対称に延伸する。
【0156】
本実施例において、前記第1の接合面81111Aと前記第2の接合面81211Aは、互いに対称であり、前記第1の曲線面811111A及び前記第3の曲線面812111Aの前記曲率半径可変曲線は、いずれも楕円曲線として実施され、前記第2の曲線面811112A及び前記第4の曲線面812112Aの前記曲率半径可変曲線は、いずれもアルキメデス曲線として実施される。更に、前記第1の曲線面811111Aと前記第2の曲線面811112Aの接合箇所での曲率半径は同じであり、前記第3の曲線面812111Aと前記第4の曲線面812112Aの接合箇所での曲率半径は同じである。
【0157】
任意選択的に、前記第1の曲線面811111A、前記第2の曲線面811112A、前記第3の曲線面812111A及び前記第4の曲線面812112Aの前記曲率半径可変曲線は、いずれも同じ又は異なる前記曲率半径可変曲線として実施されてよく、ここで限定されない。
【0158】
図31A及び31Bに示すように、理解できるように、取り付け時に、使用者は、前記締結具830Aを所定のトルク値になるまで締め込み、前記第1のハウジング811A及び前記第2のハウジング812Aの両端は、前記第1のハウジング811Aの両端と前記第2のハウジング812Aの両端とが実質的に接触し、前記隙間8102Aが可能な限り小さくなるまで、前記隙間8102Aを縮小するように変形する。この場合、前記第1の接合面81111Aと前記第2の接合面81211Aは、実質的に円形に組み合わせられ、且つその一部又は全部が前記パイプライン要素8200の外側に実質的に貼合される。
【0159】
この第1の変形実施例において、前記パイプライン接続装置8100Aの初期状態から取り付け完了状態までのプロセスにおいて、前記ハウジング810Aの前記第1のハウジング811Aの前記第1の接合面81111A及び前記第2のハウジング812Aの前記第2の接合面81211Aの曲率変化範囲は、約3%~23%以内であり、前記第1のハウジング811Aの前記2つの第1の締結端8112Aの間の開き値D2の変化範囲は、約2.5%~15%以内であり、それに応じて、前記第2のハウジング812Aの前記2つの第2の締結端8122Aの間の開き値も、D2であり、変化範囲が約2.5%~15%以内であり、ここで限定されない。
【0160】
更に、前記パイプライン接続装置8100Aは、シールリング840Aを更に含み、前記シールリング840Aは、円環構造として実施される。取り付け時に、前記シールリング840Aは、前記ハウジング810Aに環設されるように押される。
【0161】
図33及び
図35には、本発明の第2の変形実施例のパイプライン接続装置8100Bが示され、上記好ましい実施例との相違点は、前記パイプライン接続装置8100Bが3つのハウジング810B、2つの接続具820B及び1つの締結具830Bを含むことであり、前記3つのハウジング810Bは、2つの突き合せられるパイプライン要素8200を取り付けるために互いに組み合わせられて形成可能であり、前記3つのハウジング810Bの2つずつの間は、それぞれ前記締結具830B又は前記接続具820Bによって接続され、且つ前記ハウジング810Bの前記接合面の間の開きの大きさを調整し、2つの前記パイプライン要素8200の封止接続を実現することができる。
【0162】
更に、前記ハウジング810Bの接合面は、曲率半径可変曲線面構造であり、即ち、前記ハウジング810Bの前記接合面の間の開きは、非円形であり、前記ハウジング810Bが前記パイプライン要素8200に事前に嵌め込まれた後、前記ハウジング810Bの接合面と前記パイプライン要素8200の溝底面の間に隙間8102Bを有する。
【0163】
更に、前記締結具830Bは、前記隙間8102Bを縮小するように各前記ハウジング810Bの接合面を前記パイプライン要素8200の溝底面8202に締結し、前記ハウジング810Bの接合面の一部又は全部が前記パイプライン要素8200の溝底面8202に貼合されるまで、前記ハウジング810Bの前記接合面の間の開きを縮小するように前記ハウジング810Bを歪め、即ち、前記ハウジング810Bの接合面は、前記パイプライン要素8200の外側に嵌め込まれる円形構造に実質的に互いに接合され、前記ハウジング810Bの前記接合面の間の開きは、実質的に円形であり、即ち、前記ハウジング810Bの前記接合面の間の開きの寸法は、前記パイプライン要素8200の溝底面の直径の寸法に丁度一致し、前記隙間8102Bを可能な限り小さくし、封止効果を保証する。
【0164】
図33に示すように、具体的には、前記3つのハウジング810Bは、第1のハウジング811B、第2のハウジング812B及び第3のハウジング813Bを含み、前記第1のハウジング811Bは、1つの第1の本体8111B及び2つの第1のヒンジ端8112Bを含み、前記2つの第1のヒンジ端8112Bは、それぞれ前記第1の本体8111Bの両端に一体的に成形され、第1の本体8111Bは、2つの対称且つ平行な第1の接合面81111Bを有する。
【0165】
更に、前記第2のハウジング812Bは、第2の本体8121B、第2のヒンジ端8122B及び第2の締結端8123Bを含み、前記第2の締結端8123B及び前記第2のヒンジ端8122Bは、それぞれ前記第2の本体8121Bの両端に一体的に成形され、前記第2の本体8121Bは、2つの対称且つ平行な第2の接合面81211Bを有する。
【0166】
更に、前記第3のハウジング813Bは、第3の本体8131B、第3のヒンジ端8132B及び第3の締結端8133Bを含み、前記第3の締結端8133B及び前記第3のヒンジ端8132Bは、それぞれ前記第3の本体8131Bの両端に一体的に成形され、前記第3の本体8131Bは、2つの対称且つ平行な第3の接合面81311Bを有する。
【0167】
更に、前記2つの第1のヒンジ端8112Bは、それぞれ前記接続具820Bによって前記第2のヒンジ端8122B及び前記第3のヒンジ端8132Bに接続され、前記第3の締結端8133B及び前記第2の締結端8123Bは、前記締結具830Bによって接続される。
【0168】
任意選択的に、前記締結具830Bは、ボルトとナットの組み合わせとして実施され、前記第2の締結端8123Bは、第2の締結孔81231Bを有し、前記第3の締結端8133Bは、第3の締結孔81331Bを有し、前記締結具830Bは、前記第2の締結孔81231B及び第3の締結孔81331Bを通過して前記隙間8102Bを縮小するように前記第1のハウジング811Bと前記第2のハウジング812Bを締結することに適する。
【0169】
本変形実施例において、前記第1の接合面81111B、前記第2の接合面81211B及び前記第3の接合面81311Bの前記曲率半径可変曲線は、いずれも同じ又は異なる曲率半径可変曲線として実施され、前記曲率半径可変曲線の曲率半径は、一定ではなく、前記曲率半径可変曲線の曲率半径は、最小値から最大値まで徐々に大きくなる。更に、前記曲率半径可変曲線の曲率半径の最小値は、前記管路の曲率半径にほぼ等しい。
【0170】
理解できるように、前記曲率半径可変曲線面の前記曲率半径可変曲線は、対数螺旋曲線、アルキメデス曲線、パスカルの蝸牛線、楕円曲線、高次曲線などの曲率半径が可変な平面曲線うちの1つ又は複数の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0171】
本実施例において、前記第1の接合面81111Bの前記曲率半径可変曲線は、楕円曲線として実施され、前記第2の接合面81211B及び前記第3の接合面81311Bの前記曲率半径可変曲線は、いずれも対数螺旋曲線として実施される。前記第1の接合面81111Bの中央位置(又はヴォールト位置)の曲率半径は最小であり、且つ前記パイプライン要素8200の曲率半径にほぼ等しく、前記第1の接合面81111Bの両端の各々と前記第2の接合面81211B及び前記第3の接合面81311Bとの接合箇所での曲率半径は同じであり、前記第2の接合面81211B又は前記第3の接合面81311Bの曲率半径の最小値は、前記第1の接合面81111Bの曲率半径の最大値以上であり、封止性を確保する。
【0172】
図34A及び
図34Bに示すように、理解できるように、取り付け時に、使用者は、前記締結具830を所定のトルク値になるまで締め込み、前記第1のハウジング811B、前記第2のハウジング812B及び前記第3のハウジング813Bは、前記隙間8102Bを縮小するように変形することで、接合面が前記パイプライン要素8200の溝底面8202に部分的又は完全に貼合されるようになる。前記第2のハウジング812Bの前記第2の締結端8123Bは、前記第3のハウジング813Bの前記第3の締結端8133Bに実質的に接触し、前記第1の接合面81111B、前記第2の接合面81211B及び前記第3の接合面81311Bは、円形面に組み合わせられるように変形し、且つその一部又は全部が前記パイプライン要素8200の溝底面8202に実質的に貼合される。
【0173】
この第2の変形実施例において、前記パイプライン接続装置8100Bの初期状態から取り付け完了状態までのプロセスにおいて、前記ハウジング810Bの前記第1のハウジング811Bの前記第1の接合面81111B、前記第2のハウジング812Bの前記第2の接合面81211B及び前記第3のハウジング813Bの前記第3の接合面81311Bの曲率変化範囲は、いずれも約13%~21%以内であり、前記第2のハウジング812Bの前記第2の締結端8123Bと前記第1のハウジング811Bの前記第1の接合面81111Bの中央位置(又はヴォールト位置)の間の開き値D3の変化範囲は、約14%~22%以内であり、それに応じて、前記第3のハウジング813Bの前記第3の締結端8133Bと前記第1の接合面81111Bの中央位置(又はヴォールト位置)の間の開き値も、D3であり、変化範囲が約14%~22%以内であり、ここで限定されない。
【0174】
更に、前記パイプライン接続装置8100Bは、シールリング840Bを更に含み、前記シールリング840Bは、円環構造として実施される。取り付け時に、前記シールリング840Bは、前記ハウジング810B内に環設されるように押される。
図35に示すように、任意選択的に、前記シールリング840Bの内側に複数の互いに離間した突起841Bを有し、各前記突起841Bの間に全て一定の距離が隔てられ、前記シールリング840Bに一定の変形空間を提供し、即ち、封止効果を向上させる。
【0175】
当業者であれば、上記説明及び図面に示される本発明の実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではないと理解すべきである。本発明の目的は、既に完全且つ効果的に実現される。本発明の機能及び構造原理は、既に実施例において示されて説明され、前記原理から逸脱しない限り、本発明の実施形態に対して如何なる変形及び修正を加えることができる。