(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 602A
A63F5/04 650
(21)【出願番号】P 2022083909
(22)【出願日】2022-05-23
(62)【分割の表示】P 2020103757の分割
【原出願日】2018-04-20
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-027409(JP,A)
【文献】特開2014-212861(JP,A)
【文献】特開2015-019904(JP,A)
【文献】特開2017-000520(JP,A)
【文献】特開2018-015056(JP,A)
【文献】特開2005-270256(JP,A)
【文献】特開2016-179063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段を模した特定情報を表示可能な表示手段と、
前記表示手段とは異なる位置に設けられ、複数の識別情報を可変表示可能な
複数のリールと、
を備え、
前記表示手段は、
前記特定情報を第1の位置に表示
している状況において遊技者によって前記操作手段が操作された場合には予め定められた演出を表示可能であり、
前記特定情報を前記第1の位置に表示した後、前記第1
の位置とは前記表示手段の表示領域における上下方向の位置が異なる第2の位置に移動させる特定表示制御を実行
可能であり、かつ、前
記特定情報を第2の位置に表示している状況において遊技者によって前記操作手段が操作された場合には予め定められた演出を表示可能であり、
遊技者によって前記操作手段が操作されない場合に、
前記複数のリールのうち一のリールが停止されることに基づいて、前記特定表示制御を実行
するパターン及び前記特定表示制御を実行しないパターンのいずれか一方を表示可能であり、
前記特定情報とともに、前記操作手段を操作することを促す文字情報を表示可能であり、
前記特定情報を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させた場合であっても、前記表示手段の表示領域における上下方向の位置を変化させることなく前記文字情報を表示可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ、スロットマシン等の遊技機においては、複雑なゲーム性や高い技術介入性を有するものが増えており、遊技機の液晶表示器において演出の内容や遊技方法等の遊技説明を表示するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技説明が表示されることで、遊技者は遊技機のゲーム性や遊技方法を理解でき、遊技をスムーズに進行できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段を模した特定情報を表示可能な表示手段と、前記表示手段とは異なる位置に設けられ、複数の識別情報を可変表示可能なリールと、を備え、前記表示手段は、前記特定情報を第1の位置に表示している状況において遊技者によって前記操作手段が操作された場合には予め定められた演出を表示可能であり、前記特定情報を前記第1の位置に表示した後、前記第1の位置とは前記表示手段の表示領域における上下方向の位置が異なる第2の位置に移動させる特定表示制御を実行可能であり、かつ、前記特定情報を第2の位置に表示している状況において遊技者によって前記操作手段が操作された場合には予め定められた演出を表示可能であり、遊技者によって前記操作手段が操作されない場合に、前記複数のリールのうち一のリールが停止されることに基づいて、前記特定表示制御を実行するパターン及び前記特定表示制御を実行しないパターンのいずれか一方を表示可能であり、前記特定情報とともに、前記操作手段を操作することを促す文字情報を表示可能であり、前記特定情報を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させた場合であっても、前記表示手段の表示領域における上下方向の位置を変化させることなく前記文字情報を表示可能な構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】遊技機の遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
【
図5】ARTの前兆演出中の動作を示すタイミングチャートである。
【
図6】ARTの後半前兆演出を選択する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図7】ARTの後半前兆演出の選択画面を決定する場合の各選択領域の選択率を後半前兆演出の種類毎に説明する図表である。
【
図8】ARTの後半前兆演出の選択画面に予告画像を表示する場合の選択率を説明する図表である。
【
図9】ARTの後半前兆演出中の動作を示すタイミングチャートである。
【
図10】演出ボタン画像の表示器での表示位置を説明する図である。
【
図11】ARTの後半前兆演出の選択率及び演出ボタン画像の表示位置の選択率を説明する図表である。
【
図12】ARTの後半前兆演出中に演出ボタン画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図13】ARTの後半前兆演出中に演出ボタン画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図14】ARTの後半前兆演出中に演出ボタン画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図15】ARTの後半前兆演出中に演出ボタン画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図16】ARTの後半前兆演出中に演出ボタン画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図17】拡大演出ボタン画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図18】非遊技中における遊技説明画面の表示を説明する図である。
【
図19】遊技中における遊技説明画面の表示を説明する図である。
【
図20】遊技状態ごとの操作催促画像表示期間を説明する図表である。
【
図21】ART中にナビ画像を表示する場合の遊技説明画面の表示を説明する図である。
【
図22】ART中に演出ボタン画像を表示する場合の遊技説明画面の表示を説明する図である。
【
図23】(A)は、ART中の遊技説明画面に表示される例外的な情報を説明する図であり、(B)及び(C)は、ボーナス中に催促画像を表示する場合の遊技説明画面の表示を説明する図である。
【
図24】遊技説明画面制御処理を示すフローチャートである。
【
図25】第1変形例における演出ボタン画像を移動表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図26】第2変形例における演出ボタン画像を移動表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
【
図27】第3変形例におけるARTの後半前兆演出を選択する場合の表示器での表示を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、
図1及び
図2を参照して、スロットマシン1の全体構成を説明する。
図1及び
図2に示すように、スロットマシン1は、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aの上部には、中央に開口窓部が形成された表示器前面枠17が備えられている。表示器前面枠17の後方には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や各種報知情報など、複数の情報を表示可能な表示手段としての表示器8が備えられている。この表示器8は、表示領域が表示器前面枠17の開口窓部から前方に臨んだ状態で配設されている。表示器8の左右には、音による演出や報知を行うスピーカ9と、発光による演出や報知を行うランプ11が備えられている。
【0009】
また、表示器8の一側方(正面視右側)には、例えば、液晶表示器から構成され、表示器8と同様に遊技に応じた表示による演出や情報表示を行う補助表示手段としての補助表示器19が隣設されている。また、補助表示器19の下方には、遊技者が操作可能な特定操作手段としての上部演出ボタン21が備えられている。この上部演出ボタン21は、遊技者が前後方向に押圧操作可能に構成されている。
【0010】
一方、表示器8の他側方(正面視左側)には、モータ等の電気的駆動源(図示省略)の作動により動作する可動役物装置18が隣設されている。可動役物装置18は、表示器前面枠17の後方に配されていて、可動役物装置18には電気的駆動源の作動により動作する可動役物18a(
図10参照)が備えられている。この可動役物18aは、常態(第1状態)では、表示器前面枠17に隠れて前方から視認不能になっているが、電気的駆動源の作動により可動役物18aの一部が、表示器8の表示領域の前方に突出して、前方から視認可能な状態(第2状態)に変換される。なお、以下、スロットマシン1を正面視した状態で左右方向を示す。
【0011】
前扉1aの中央部には、装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル14が配され、この前面パネル14の中央部には、後方を視認可能な(例えば、透明の)表示窓6が形成されている。この表示窓6を透して、筐体1bに備えられたリール16の図柄を視認可能にしている。
また、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12が備えられている。また、表示窓6の下方には、遊技状態が後述するART等の遊技者にとって有利な特定遊技状態である旨を報知する有利状態ランプ13が備えられている。
【0012】
前面パネル14の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルセレクタ2b(
図3参照)の上流側に位置してメダルを投入するメダル投入口2と、ゲームの開始に際して遊技者の押下操作によりベット数を設定するベットボタン2aと、ゲームの進行には影響を及ぼさないが、スロットマシン1の演出に関する操作を行うための演出操作手段である演出ボタン2cと、十字キーボタン2dを備えている。
演出ボタン2cは、遊技者による押下操作により表示器8における演出画像等に変化を与えることが可能なボタンであり、十字キーボタン2dは、遊技者による押下操作により表示器8における表示項目の選択、解除を行うことが可能なボタンである。
また、段部の下方には、遊技者がゲームを開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール16を停止する際に押下操作する停止ボタン5が備えられている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bが備えられている。
【0013】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10と、この主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20とが備えられている。
また、筐体1bのほぼ中央部には、リール16を回転駆動させるドラムユニット4が備えられている。また、ドラムユニット4は、リール16は、リール16a、リール16b、リール16cが水平方向に並設されて構成されていて、これらリール16a~16cは、ステッピングモータ(図示略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール16a~16cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が配されていて、リール16の停止状態において、各リール16a~16cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
【0014】
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7が備えられ、このメダル払出装置7から払い出されたメダルはメダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
【0015】
このようなスロットマシン1は、主制御部10が遊技状態制御手段などとして動作することにより、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0016】
ゲームの開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押下操作して設定する方法とがある。
【0017】
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2b(メダル検出手段)によって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数(ただし、メダル3枚に対応するベット数「3」が上限)が設定されることになる。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」、又は「4」以上でもよい。
【0018】
ベットボタン2aは、ベット数の設定に係る遊技者の操作を受け付け可能な操作手段の一例であり、これが押下操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、所定数(例えば、3枚)のメダル数が減算され、減算された分がベット数として設定されることになる。
なお、ベットボタンは、ベットボタン2aのみに限らず、設定されるベット数のそれぞれ異なるベットボタンを複数設けることもできる。また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0019】
このように、メダル投入口2からの直接投入やベットボタン2aの押下操作により設定されたベット数は、主制御部10のRAM(記憶手段)に記憶される。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、1回の遊技を実行可能な権利を保有するゲームが開始可能な状態となる。
【0020】
このゲームの開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール16a~16cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選(賞抽選)が行われ、抽選結果をリール16の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
なお、本実施形態では、内部抽選処理は、リール16a~16cが定常回転に達する前に完了するものとするが、リール16a~16cが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
【0021】
各リール16a~16cは、可変表示手段の一例であり、各リール16a~16cの周面には、識別情報となる複数(通常21個)の図柄として、例えば、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「7」、「BAR」などがそれぞれ表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール16a~16cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押下操作可能な状態(停止ボタン5操作の有効化)となる。
【0022】
停止ボタン5a~5cは、リール16の停止操作を行うための停止操作手段の一例であり、例えば、停止ボタン5a~5cに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより押下操作可能な状態となり、このような状態において各停止ボタン5が押下操作されると、主制御部10が停止表示制御手段として動作することにより、その操作タイミングと内部抽選の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール16a~16cが停止される。
なお、当選した役に対応する図柄が入賞ラインに到達する前に押下操作が行われた場合には、リール16a~16cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄を入賞ライン上に停止させる、所謂引込停止制御が行われる。
【0023】
停止状態では、リール16a~16cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示ということもある)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、所定の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定され、例えば、上・中・下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定され、停止した図柄の組合せが入賞に対応した組み合わせであった場合に、入賞が成立する。
なお、入賞ラインの数は、5ラインに限らず、1ラインなどの任意なライン数とすることができる。
【0024】
判定される図柄の組合せには、小役に対応する図柄の組合せとして、「左リール16a・中リール16b・右リール16c」の順で、「ベル・ベル・ベル」(ベル役)、「チェリー・ANY・ANY」(チェリー役、ただしANYは任意の図柄)、「スイカ・スイカ・スイカ」(スイカ役)などがある。
本実施形態では、「ベル」、「リプレイ」は、すべてのリール16a~16cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているので、4コマの引込停止制御により必ず入賞ライン上に停止させることができる。一方、「ベル」、「リプレイ」以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても入賞ライン上に停止できずに、当選役を取りこぼしてしまう場合がある。つまり、これらの図柄を入賞ライン上に停止させるためには、所望の図柄を狙って停止ボタン5a~5cを押下操作(所謂目押し操作)する必要がある。
【0025】
また、「ベル役」には、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)として6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順によって、「ベル・ベル・ベル」に対応する図柄の組合せが停止する「押し順ベル」を設けることもできる。「押し順ベル」は、6通りある押し順それぞれに対応する「押し順ベル1~6」を設けるとともに、各「押し順ベル1~6」に当選したときのそれぞれに対応する押し順の報知は、ART中(AT中を含む)に行われる。
なお、最初に停止するリールのみ合っていれば「ベル役」に対応する図柄の組合せが停止するようにリールの停止制御を行い、最初に停止させる停止ボタンのみを報知するようにしてもよい。この場合には、押し順は3通りとなり、遊技者の煩わしさを低減できる。
【0026】
また、「リプレイ役」に対応する図柄の組合せとして、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」(通常リプレイという)、「リプレイ・リプレイ・ベル」(チャンスリプレイ)などがある。
また、「リプレイ役」には、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)として6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止する「押し順リプレイ」が設けられている。「押し順リプレイ」は、6通りある押し順それぞれに対応する「押し順リプレイ1~6」を設けるとともに、各「押し順リプレイ1~6」に当選したときのそれぞれに対応する押し順の報知は、ART中(AT中を含む)に行われる。
【0027】
また、「リプレイ役」には、非RT(リプレイ当選低確率状態)からRT(リプレイ当選高確率状態)への移行に係る図柄の組合せに対応する「昇格リプレイ」、RTから非RTへの移行に係る図柄の組合せに対応する「転落リプレイ」もある。これらの当選役についても押し順が対応付けられ、例えば、「昇格リプレイ」に関しては、6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって非RTからRTへの移行に係る「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止し、「転落リプレイ」に関しては、6通りある押し順のうちの5通りの押し順によってRTから非RTへの移行に係る「転落リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止する。
【0028】
また、「ボーナス役」として、「ビッグボーナス役」と「レギュラーボーナス役」が設定され、「ビッグボーナス役」に対応するビッグボーナス図柄の組合せとして、「7・7・7」があり、「レギュラーボーナス役」に対応するレギュラーボーナス図柄の組合せとして、「BAR、BAR、BAR」がある。
【0029】
そして、入賞ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた特典の付与として、特別遊技状態の発生や所定数のメダルの払い出し等が行われる。
【0030】
例えば、「ベル役」、「チェリー役」、「スイカ役」などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞が成立し、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
具体的には、「ベル役」に対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)の停止により8枚のメダルが払い出され、「スイカ役」に対応する図柄の組合せ(「スイカ・スイカ・スイカ」)の停止表示により5枚のメダルが払い出される。
【0031】
また、「チェリー役」では、左リール16aに停止する「チェリー」の位置に応じて、メダルの払い出し枚数が異なり、「チェリー」が「上段」又は「下段」に停止したときには(上段チェリー又は下段チェリーという)、2枚のメダルが払い出され、「チェリー」が中段に停止したときには(中段チェリーという)、1枚のメダルが払い出される。
各当選役の当選確率は、「ボーナス役」を除く後述の各遊技状態において、「リプレイ役」>「ベル役」>「上段・下段チェリー役」>「スイカ役」>「中段チェリー役」の関係性、つまり、「リプレイ役」が最も当選し易く、「中段チェリー役」が最も当選し難く設定されているものとする。
【0032】
また、「ベル役」については、ART中において、1ゲーム当りメダルが1.5枚増加するような当選確率に設定されていてもよい。
また、メダルの払い出しは、クレジットメダルの上限数を超える分のみが払い出されるように構成することもできるが、図示しない所定の設定ボタンを事前に操作することにより、入賞が発生するごとに、入賞に対応するメダルが払い出されるように構成することもできる。
【0033】
また、「リプレイ役」に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」など)の停止により、リプレイ入賞が成立し、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態となる。
また、「ボーナス役」に対応するボーナス図柄の組合せ(例えば、「7・7・7」)の停止により、所定の小役(ベル役)に高確率で当選するボーナス遊技状態(特別遊技状態)に移行する。
なお、上記「ボーナス役」は、それに当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが好ましい。
【0034】
次に、
図3を参照して、スロットマシン1の制御系の構成を説明する。なお、
図1及び
図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付している。
図3に示すように、スロットマシン1の制御系には、遊技を統括的に制御する主制御部10と、この主制御部10の制御下で遊技の演出に関する制御を行う副制御部20とが備えられている。
【0035】
主制御部10には、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データ等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。
【0036】
また、主制御部10には、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5(停止ボタン5a~5c)が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
ここで、主制御部10は、ベットボタン2aからの信号に基づきRAMに記憶されたクレジットメダル数から所定数(例えば、3)を減算して、その数分をベット数に設定する処理を行う。また、主制御部10は、メダルセレクタ2bからの信号に基づき、投入されたメダルの検出処理を行い、そのメダルの検出に応じてベット数を設定する処理を行うとともに、ベット数の上限を超えるメダルが検出された場合には、RAMのクレジットメダル数を加算する処理を行う。
【0037】
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、主制御部10は、ROMの制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきARTの抽選処理や、ART中の上乗せ抽選処理等を行う。すなわち、主制御部10は、特典としての役(ボーナス役)の抽選、ARTの抽選及びART中のゲーム数の上乗せ抽選を行う抽選手段を構成する。なお、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきARTの抽選や上乗せ抽選を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0038】
また、主制御部10には、確率設定装置15が接続されている。確率設定装置15は、例えば、「ビッグボーナス役」の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御部10は、確率設定装置15における確率設定操作に基づき、例えば、「ビッグボーナス役」の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。なお、本実施形態においては、「ボーナス役」のうち「ビッグボーナス役」の当選確率は、確率設定装置15で設定変更可能に構成されているが、「レギュラーボーナス役」の当選確率は、確率設定装置15での設定変更は行えないように構成されている。
【0039】
また、主制御部10には、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利状態ランプ13、副制御部20が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ドラムユニット4のステッピングモータ(図示省略)を駆動させて、リール16a~16cを回転させるゲームの開始処理を行う。また、停止ボタン5(停止ボタン5a~5c)からの信号に基づき、ROMに記憶された停止テーブルを参照して、リール16a~16cを停止させる処理を行う。
【0040】
また、主制御部10は、ゲームの終了時におけるメダルの払い出し条件の成立に基づき、メダル払出装置7を駆動させてメダルを払い出す処理を行う。
また、有利状態ランプ13は、例えば、LEDで構成され、主制御部10は、ART等の遊技者にとって有利な特定遊技状態が発生した場合に、有利状態ランプ13を点灯させる処理を行う。なお、主制御部10は、特定遊技状態に内部的に当選した時点で有利状態ランプ13を点灯するようにしてもよい。
【0041】
副制御部20には、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データが格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。
【0042】
主制御部10と副制御部20は、主制御部10から副制御部20へ向かう一方向のみの制御情報の送信が可能な形態になっている。副制御部20には、表示器8及び補助表示器19が接続され、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、表示器8及び補助表示器19において、各種画像を表示する処理を行うように構成されている。表示器8及び補助表示器19で表示される画像としては、例えば、ARTの前兆演出、ボーナスの発生演出、ART中のゲーム数の上乗せ演出、後述する演出ボタン画像の表示等がある。すなわち、主制御部10と副制御部20は、演出を制御可能な演出制御手段を構成している。
【0043】
また、副制御部20には、演出ボタン2cや十字キーボタン2dが接続され、演出ボタン2cや十字キーボタン2dのセンサからの信号を入力可能に構成されている。副制御部20は、演出ボタン2cや十字キーボタン2dからの信号に基づき、表示器8及び補助表示器19における画像演出を変化させる処理等を行う。さらに、副制御部20には、上部演出ボタン21が接続され、上部演出ボタン21のセンサからの信号を入力可能に構成されている。副制御部20は、上部演出ボタン21からの信号に基づき、表示器8及び補助表示器19における画像演出を変化させる処理等を行うように構成されている。
【0044】
また、副制御部20には、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されていて、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき、各種演出や報知を行うためのスピーカ9の出力処置や、LED等で構成されたランプ11の点灯処理等を行う。また、ナビランプ12は、例えば、LEDで構成され、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき、ART等の特定遊技状態の発生中に、停止ボタン5の操作順序をナビゲートするためのナビランプ12の点灯処理を行う。
【0045】
また、副制御部20には、可動役物装置18が接続され、可動役物装置18に備えられるモータ等の電気的駆動源(図示省略)に信号を出力可能に構成されている。副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき、電気的駆動源を作動させて、可動役物装置18の可動役物18aを、常態位置から表示器8の表示領域前方に突出した作動位置に変換可能に構成されている。
【0046】
また、演出ボタン2c及び上部演出ボタン21には、LED等の発光手段が各々内蔵され、副制御部20からの出力信号に基づき、演出ボタン2c及び上部演出ボタン21を発光させて、各ボタンの操作が有効であることを報知可能に構成されている。
なお、演出ボタン2c、上部演出ボタン21、可動役物装置18を主制御部10に接続し、主制御部10により、演出ボタン2c、上部演出ボタン21、可動役物装置18の制御を行うようにしてもよい。
【0047】
スロットマシン1は、このような構成に加えて、主制御部10が抽選手段として動作し、主制御部10と副制御部20の協働により演出制御手段、操作画像制御手段、及び表示位置制御手段として動作することにより、以下に示す特徴的なゲーム性を実現可能に構成されている。
【0048】
図4は、本実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図である。スロットマシン1は、
図4に示すように通常遊技状態ST1、特別遊技状態(ビッグボーナス)ST2、特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3、特定遊技状態(ART)ST4を発生可能としている。
【0049】
通常遊技状態ST1では、「ビッグボーナス役」に当選し、対応するビッグボーナス図柄の組合せの停止により、特別遊技状態(ビッグボーナス)ST2に移行する(a)。
特別遊技状態(ビッグボーナス)ST2では、通常遊技状態ST1よりも所定の小役(ベル役)の当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、遊技者に払い出されたメダルの総数が所定数(例えば、200枚)に達すると特別遊技状態(ビッグボーナス)ST2は終了し、通常遊技状態ST1に移行する(b)。
【0050】
また、通常遊技状態ST1では、「レギュラーボーナス役」に当選し、対応するレギュラーボーナス図柄の組合せの停止により、特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3に移行する(d)。
特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3では、通常遊技状態ST1よりも所定の小役(ベル役)の当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、遊技者に払い出されたメダルの総数が所定数(例えば、100枚)に達すると特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3は終了し、通常遊技状態ST1に移行する(c)。
【0051】
また、「レギュラーボーナス役」の当選時には、特定遊技状態(ART)ST4の抽選も同時に行われ、特定遊技状態(ART)ST4に当選した場合には、特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3の終了後に、特定遊技状態(ART)ST4に移行する(i)。
【0052】
また、通常遊技状態ST1では、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、「中段チェリー役」の当選時に、特定遊技状態(ART)ST4の抽選が行われ、当選した場合には、特定遊技状態(ART)ST4に移行する(e)。
【0053】
特定遊技状態(ART)ST4は、初期時にセットされたゲーム数と特定遊技状態(ART)ST4中に上乗せされたゲーム数とにより継続期間が管理され、この残りゲーム数が無くなると、特定遊技状態(ART)ST4は終了し、通常遊技状態ST1に移行する(f)。
【0054】
また、特定遊技状態(ART)ST4中に、「ビッグボーナス役」に当選し、対応するビッグボーナス図柄の組合せの停止により、特別遊技状態(ビッグボーナス)ST2に移行(h)し、この特別遊技状態(ビッグボーナス)ST2が終了した場合は、特定遊技状態(ART)ST4に復帰する(g)。
【0055】
また、特定遊技状態(ART)ST4中に、「レギュラーボーナス役」に当選し、対応するレギュラーボーナス図柄の組合せの停止により、特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3に移行(j)し、この特別遊技状態(レギュラーボーナス)ST3が終了した場合は、特定遊技状態(ART)ST4に復帰する(i)。
【0056】
次に、主制御部10により制御される各遊技状態について詳しく説明する。
【0057】
〔通常遊技状態〕
まず、通常遊技状態におけるARTの抽選について説明する。
通常遊技状態においては、ゲームの実行によりARTの抽選が行われる。ARTの当選契機となる小役は、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、及び「中段チェリー役」などを例示することができ、これらの小役に当選したときに、ARTの抽選を実行する。
また、ARTの当選確率は、「中段チェリー役」>「スイカ役」>「上段・下段チェリー役」の関係性を有している。つまり、「上段・下段チェリー役」よりも「中段チェリー役」に当選した方が、ARTの当選確率が高く設定されている。
【0058】
ARTに当選した場合には、遊技者のARTの発生に対する期待感を高めるために、表示器8で行われる演出として例示する、ART発生前の前兆演出が、表示器8における画像演出で実行される。したがって、ARTに当選しても直ぐにはARTは発生しないようになっている。また、ART発生前の前兆演出は、前半前兆演出、後半前兆演出に大別され、前兆演出の前には前兆前演出が発生する。そして、主制御部10により、前兆前演出のゲーム数、前半前兆演出のゲーム数、後半前兆演出のゲーム数が各々決定される。
【0059】
また、ARTの抽選契機役である、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、及び「中段チェリー役」の何れかの小役には当選はしたが、ARTには当選しなかった場合の一部でも、前兆前演出とともに前兆演出(所謂ガセ前兆演出)が発生し、その発生確率は、「中段チェリー役」>「スイカ役」>「上段・下段チェリー役」の関係性を有し、「中段チェリー役」に当選した場合が最も前兆演出(ガセ前兆演出)が発生し易い確率(例えば、1/2)に設定されている。
【0060】
また、主制御部10から副制御部20に対して、ARTの当選/非当選情報、前兆前演出のゲーム数、前半前兆演出のゲーム数、後半前兆演出のゲーム数、後半前兆演出の種類情報等の制御情報が送信され、表示器8において、ARTの前兆演出を含むARTが発生する前の各種演出の画像表示が行われる。
また、前兆演出中は、スピーカ9で前兆演出に対応した効果音が出力され、ランプ11で前兆演出に対応した点灯等が行われる。
【0061】
なお、ARTの抽選に関して、例えば、「スイカ役」に当選した場合の所定の確率(例えば、1/10)で、所定回数(例えば、10回)のゲームが実行されるまでの間、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、及び「中段チェリー役」の当選時のARTの当選確率を通常確率よりも高めた高確率状態(所謂チャンスゾーン)を設けてもよい。また、高確率状態中は、「ベル役」当選時もARTの抽選を行うようにしてもよい。
【0062】
また、ARTに当選した場合、或いはARTの抽選契機役に当選してARTに当選しなかった場合の所定の確率で、前兆前演出を行わずに前兆演出を開始するパターンを設けてもよい。同様に、前兆前演出及び前半前兆演出を行わずに後半前兆演出を開始するパターンを設けてもよい。また、これらのパターンを所定の確率で行うようにしてもよい。
また、主制御部10から副制御部20に対して、高確率状態に関する制御情報が送信され、表示器8等において、高確率状態における画像演出を行うようにしてもよい。この場合、高確率状態中の演出がARTの前兆演出に相当するものとなる。
【0063】
通常遊技状態中にARTに当選し、前兆演出を経てARTの開始が確定すると、当選した小役の押し順を報知するATの状態となり、「昇格リプレイ役」の押し順が報知されて、「昇格リプレイ役」に対応する昇格リプレイ図柄の組合せの停止によりARTが発生することとなる。
【0064】
次に、通常遊技状態における「ボーナス役」の抽選について説明する。
【0065】
通常遊技状態においては、ゲーム毎に「ビッグボーナス役」と「レギュラーボーナス役」の抽選が行われる。
「ビッグボーナス役」は、「チャンスリプレイ役」に当選した場合の所定の割合(例えば、1/4)で重複当選し、「レギュラーボーナス役」は、「チャンスリプレイ役」に当選した場合の所定の割合(例えば、1/5)で重複当選するように設定されている。
【0066】
また、「ビッグボーナス役」の当選確率は、確率設定装置15(
図3参照)により変更可能となっており、この確率設定装置15での確率設定値に応じて、「チャンスリプレイ役」に当選した場合の「ビッグボーナス役」の重複当選割合が変化するようになっている。なお、「ビッグボーナス役」の当選を、「チャンスリプレイ役」との重複当選の他、別の小役の当選時にも行うようにしてもよく、例えば、「中段チェリー役」に当選した場合の所定の割合(例えば、1/6)で重複当選するようにしてもよい。また、「ビッグボーナス役」に単独で当選するようにしてもよい。
【0067】
一方、「レギュラーボーナス役」の当選確率は、確率設定装置15(
図3参照)では変更不能であり、常に固定の当選確率で抽選が行われる。なお、「レギュラーボーナス役」の当選を、「チャンスリプレイ役」との重複当選の他、別の小役の当選時にも行うようにしてもよく、例えば、「中段チェリー役」に当選した場合の所定の割合(例えば、1/8)で重複当選するようにしてもよい。また、「レギュラーボーナス役」に単独で当選するようにしてもよい。
【0068】
また、「ボーナス役」に当選した場合、最終的に「ボーナス役」に当選したことを報知する所定ゲーム数のボーナスの発生演出が表示器8において実行される。そして、主制御部10により、ボーナスの発生演出のゲーム数が決定される。また、主制御部10から副制御部20に対して、「ビッグボーナス役」或いは「レギュラーボーナス役」の当選情報、発生演出のゲーム数等の制御情報が送信され、表示器8において、ボーナスの発生演出を含むボーナスの発生に関する各種演出の画像表示が行われる。
【0069】
また、「チャンスリプレイ役」に当選して、「ボーナス役」に当選しなかった場合にも、ボーナスの発生演出(所謂ガセ発生演出)が行われる。また、「ボーナス役」に当選しなかった場合にも、「ボーナス役」に当選した場合と同様に、主制御部10により、ボーナスの発生演出(ガセ発生演出)のゲーム数が決定される。また、主制御部10から副制御部20に対して、「ボーナス役」の非当選情報、発生演出(ガセ発生演出)のゲーム数等の制御情報が送信され、表示器8において、ボーナスの発生演出(ガセ発生演出)を含むボーナスの発生に関する各種演出の画像表示が行われる。
また、表示器8で行われる演出として例示するボーナスの発生演出は、例えば、ARTの後半前兆演出と同様の演出で実行される。したがって、後述する演出ボタン画像30が表示されて、演出ボタン2cを使用する演出など後半前兆演出と同様の各種演出が実行される。
【0070】
〔特別遊技状態(ビッグボーナス)〕
次に、特別遊技状態としてのビッグボーナスについて説明する。
【0071】
ビッグボーナスは、各ゲームにおいて「ベル役」の抽選が高確率で行われ、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ビッグボーナスは終了する。また、「ビッグボーナス役」の当選時、「ビッグボーナス役」の当選からビッグボーナスが発生するまでの間のゲーム、及びビッグボーナス中のゲームにおいては、ARTの抽選は行われない。
また、主制御部10から副制御部20に対して、ビッグボーナスに関する制御情報が送信され、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において、ビッグボーナス中の各種演出、獲得枚数情報等の画像表示が行われる。
【0072】
そして、ビッグボーナスの終了後に、通常遊技状態に移行することとなるが、ビッグボーナスがART中に発生したものであった場合には、ビッグボーナスの終了後に、中断したARTが再開することとなる。
【0073】
また、ARTの前兆演出中に、「ビッグボーナス役」に当選した場合には、ARTの前兆演出を中断し、ビッグボーナスの終了後にARTの前兆演出が再開される。なお、ARTの当選を契機に発生した前兆演出中に「ビッグボーナス役」に当選した場合には、ビッグボーナスの発生とともにARTの発生を報知するようにしてもよい。
【0074】
〔特別遊技状態(レギュラーボーナス)〕
次に、特別遊技状態としてのレギュラーボーナスについて説明する。
【0075】
レギュラーボーナスは、各ゲームにおいて「ベル役」の抽選が高確率で行われ、払い出されたメダル数が所定数(例えば、100枚)に達した場合、レギュラーボーナスは終了する。また、「レギュラーボーナス役」の当選時には、ARTの抽選も同時に行われる。
また、主制御部10から副制御部20に対して、レギュラーボーナスに関する制御情報が送信され、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において、レギュラーボーナス中の各種演出、獲得枚数情報等の画像表示が行われる。
【0076】
「レギュラーボーナス役」に当選した場合、ARTの抽選も同時に行われ、所定の確率(例えば、1/10)でARTに当選することとなる。また、ARTへの当選の有無にかかわらず、「レギュラーボーナス役」の当選時のARTの抽選に対応したARTの前兆演出が、レギュラーボーナス中に必ず行われる。
「レギュラーボーナス役」の当選を契機に実行されるARTの前兆演出は、レギュラーボーナス中に終了するように行われ、レギュラーボーナスの最終ゲームで、ARTの当選有無を報知するように実行される。
【0077】
また、ART中に「レギュラーボーナス役」に当選した場合は、ARTのゲーム数が所定数(例えば、10ゲーム)プラスされ、レギュラーボーナスの終了時に表示器8において、ゲーム数がプラスされた旨が報知される。
また、ART中に「レギュラーボーナス役」に当選した場合にも、ARTの抽選が行われるとともに、ARTの前兆演出がレギュラーボーナス中に行われる。そして、ARTの当選を契機に実行された前兆演出の終了時には、ARTの発生権利が内部的にプラスされた旨が表示器8において表示される。
【0078】
なお、本実施形態では、「レギュラーボーナス役」の当選時にARTの抽選を行っているが、レギュラーボーナス中のゲームの実行毎に所定確率(例えば、1/50)でARTに当選するようにARTの抽選を行うようにしてもよい。この場合には、レギュラーボーナス中に予め前兆演出を実行しておき、ARTの当選有無に応じて前兆演出の結果を変更するようにすればよい。また、レギュラーボーナスの途中ゲームからARTの前兆演出を開始してもよい。
【0079】
そして、レギュラーボーナスの終了後に、ARTの発生権利が付与されていた場合には、ARTとしての特定遊技状態が発生し、また、レギュラーボーナスがART中に発生したものであった場合には、レギュラーボーナスの終了後に、中断したARTが再開することとなる。
【0080】
また、ARTの前兆演出中に、「レギュラーボーナス役」に当選した場合には、ARTの前兆演出を中断し、レギュラーボーナスの終了後にARTの前兆演出が再開される。なお、ARTの当選を契機に発生した前兆演出中に「レギュラーボーナス役」に当選した場合には、レギュラーボーナスの発生とともにARTの発生を報知するようにしてもよい。また、ARTの当選を契機に発生した前兆演出中に、ARTの当選を伴うレギュラーボーナスが発生した場合には、前兆演出分のARTの発生権利を内部的にプラスするようにしてもよい。
【0081】
〔特定遊技状態〕
次に、特定遊技状態としてのARTについて説明する。
【0082】
特定遊技状態としてのARTは、遊技者にとって有利にゲームが実行される遊技状態であり、開始時に初期値として所定のゲーム数(例えば、50ゲーム)が設定され、ゲームの実行毎にゲーム数を減算し、このゲーム数が無くなるとARTは終了することとなる。
【0083】
また、ARTは、ARTに当選することにより移行するATと、このAT中の押し順報知によって「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止することにより移行するRTとが組み合された遊技状態である。
このART中では、内部抽選において「リプレイ役」(通常リプレイ)の当選確率が通常状態(例えば、1/7.3)よりも高いRT(例えば、1/3)と、「押し順ベル1~6」や「押し順リプレイ1~6」に当選したときにそれぞれに対応する押し順を報知するATとが重複した遊技状態となっている。
【0084】
なお、AT中以外でも、押し順が合えば「昇格リプレイ」が成立して、RTに移行することもあるが、この場合は特定遊技状態にはならない。また、特定遊技状態の終了後は、「転落リプレイ」が成立するまではRTが継続しているが、この間も特定遊技状態とはならない。
【0085】
押し順の報知例として、例えば、ART中において「押し順ベル1~6」のうち「押し順ベル1」に当選したときに、停止ボタン5が「5a→5b→5c」の順に操作されると、「押し順ベル1」に対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する場合、表示器8において「左→中→右」などの表示を行い、スピーカ9から「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。
【0086】
また、このとき、
図1,3に示す副制御部20によって制御されるナビランプ12を、停止ボタン5の操作に応じて「12a→12b→12c」の順に点灯させる。
つまり、表示器8、スピーカ9、ナビランプ12などの操作情報報知手段を通じて停止ボタン5に対する操作をナビゲートする。
その結果、このナビゲート(報知)に従って遊技者が停止ボタン5を操作することにより、「押し順ベル1」に対応する図柄の組合せが停止され、規定のメダル8枚が払い出されることになる。
【0087】
一方、「押し順ベル1~6」に当選したときに、上記のようなナビゲートに従わずに、停止ボタンを操作したときには、「押し順ベル1~6」に対応する図柄の組合せが停止されず、規定のメダル8枚が払い出されないことになる。
このような押し順の報知は、ART中において「押し順リプレイ1~6」に当選したときも同様である。
【0088】
なお、上記のナビランプ12に加えて、主制御部10によって制御されるナビランプを設けることができる。このナビランプは、メダルの払い出し数を視認可能に表示する払出数表示部(例えば、7セグ)に特定の記号を表示したり、払出数表示部を3桁の7セグで構成し「123」「213」等を表示したりして左中右のリールをどの順番に停止させるべきかの押し順を報知する。
【0089】
次に、ART中に行われる上乗せ抽選について説明する。
【0090】
ART中においては、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」及び「中段チェリー役」に当選した場合には、ARTの残りゲーム数に所定数がプラスされる上乗せ抽選が行われる。上乗せ抽選に当選する確率は、「中段チェリー役」>「スイカ役」>「上段・下段チェリー役」の関係性を有している。つまり、「上段・下段チェリー役」よりも「中段チェリー役」に当選した方が、上乗せの当選確率が高く設定されている。また、「中段チェリー役」当選時に上乗せされるゲーム数は、例えば、10ゲーム、20ゲーム等が設定され、「スイカ役」当選時に上乗せされるゲーム数は、例えば、30ゲーム、50ゲーム等の比較的大きいゲーム数が設定され、「上段・下段チェリー役」当選時に上乗せされるゲーム数は、例えば、10ゲーム等が設定されている。
【0091】
また、ART中に、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、「中段チェリー役」に当選した場合には、主制御部10により、上乗せゲーム数の他、上乗せ演出のゲーム数が決定される。また、主制御部10から副制御部20に対して、上乗せの当選/非当選情報、上乗せゲーム数、上乗せ演出のゲーム数等の制御情報が送信され、表示器8で上乗せ演出の画像表示が行われる。
【0092】
ここで、表示器8で行われる演出として例示する、上乗せ演出は、ARTのゲーム数がプラスされることに対する遊技者の期待感を高めるための、例えば、表示器8で表示される画像演出であり、本実施形態では、ARTの後半前兆演出と同じ画像演出で実行されるが、別の画像演出でもよい。
また、上乗せ演出は、上乗せの当選/非当選にかかわらず、上乗せ抽選の契機となる小役に当選した場合に実行される。また、上乗せ演出のゲーム数は、この上乗せ演出が継続するゲーム数であり、例えば、2~4ゲームの何れか1つのゲーム数が選択される。また、上乗せ演出のゲーム数は、上乗せに当選している場合の方が当選していない場合よりも、数が大きくなるようにゲーム数の選択制御が行われる。そして、上乗せに当選していなかった場合には、上乗せ演出の終了時に、その旨が表示器8において表示され、一方、上乗せに当選していた場合には、上乗せ演出の終了時に、上乗せされるゲーム数が表示器8において表示される。また、上乗せの結果を報知する際には、ARTの後半前兆演出と同様に、演出ボタン2cを使用する場合もある。
【0093】
なお、上乗せ抽選の契機となる小役に当選して、上乗せに当選しなかった場合に、必ず上乗せ演出を行うのではなく、所定の確率(例えば、1/2)で上乗せ演出を行うようにしてもよい。また、上乗せ演出の開始は、上乗せ抽選が行われたゲーム開始からでもよいし、上乗せ抽選が行われたゲームの終了からでもよい。
また、上乗せ演出中は、スピーカ9で上乗せ演出に対応した効果音が出力され、ランプ11で上乗せ演出に対応した点灯等が行われる。
【0094】
また、ART中においては、前述した通常遊技状態と同条件で、ゲーム毎に「ビッグボーナス役」と「レギュラーボーナス役」の抽選が行われる。ART中にビッグボーナス或いはレギュラーボーナスが発生すると、ARTは一旦中断され、ビッグボーナス或いはレギュラーボーナスの終了後に、中断されたARTは再開される。
【0095】
また、ART中に「チャンスリプレイ役」に当選した場合には、前述した通常遊技状態のときと同条件で、ボーナスの発生演出(ガセ発生演出も含む発生演出)が実行される。
【0096】
次に、
図5を参照して、ARTが発生する前に実行される演出について詳しく説明する。
【0097】
図5は、ゲームの実行毎に演出状態がどのように変化するかを示している。
まず、ゲームの実行(
図5の1ゲーム目の実行)によりARTに当選もしくはARTに当選せずにARTの前兆演出(ガセ前兆演出)の発生が決定されると、前兆前演出が発生する。
前兆前演出は、後に続く前兆演出の前に実行される演出であり、例えば、10~15ゲームの間実行される。この間のゲームでは、表示器8において主人公キャラクタが一瞬出現して直ぐに消える等の1ゲームで完結するような演出の発生率が高まり、遊技者に対して前兆演出の発生に対する期待感が高められる。
図5で示した例では、14ゲームの間前兆前演出が行われている。
【0098】
図5に示すように、ARTに当選(或いはガセ前兆演出に当選)してから15ゲーム目になると、前兆演出として先ず前半前兆演出が開始される。
前半前兆演出は、主に後に続く後半前兆演出での期待感を変化させるための演出であり、例えば、8~13ゲームの間実行される。
【0099】
ここで、ARTの前兆演出は、表示器8において画像表示で行われる演出であり、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタが最終的に対戦するストーリーとなっており、主人公キャラクタが敵キャラクタをゲームの進行に応じて探し出す所定ゲーム数の前半部と、主人公キャラクタが敵キャラクタを見つけてゲーム毎に対戦する所定ゲーム数の後半部と、からなる一連のストーリーで展開されるように構成されている。この前兆演出の前半部が前半前兆演出となっている。
【0100】
前半前兆演出では、主人公キャラクタが各種アイテムを獲得する場面があり、アイテムの獲得毎に背景色が、黄色→緑色→赤色の順に変化するようになっている。アイテムの獲得はゲーム毎に抽選され、ARTに当選していない場合には、獲得確率が比較的低い値(例えば、1/15)となるように抽選されるが、ARTに当選している場合には、獲得確率が比較的高い値(例えば、1/10)となるように抽選される。このように、キャラクタによるアイテムの獲得、及びそれに付随する背景色の変化により、後半前兆演出に対する遊技者の期待感に変化を出させるようにしている。なお、アイテムの獲得毎に、次のアイテムを獲得する確率を低くするようにしてもよい。
また、ARTの前半前兆演出が行われるゲーム数は、ARTに当選している場合には、当選していない場合よりも、数の多いゲーム数が選択され易いように選択処理を行うようにしてもよい。
【0101】
また、
図5に示すように、前半前兆演出の最終ゲーム(28ゲーム目)では、後述する後半前兆演出の種類を決定する演出選択演出が実行される。
【0102】
次に、
図5に示すように、演出選択演出の実行後の次ゲーム(29ゲーム目)になると、後半前兆演出が開始される。
後半前兆演出は、最終的にARTの当選の有無を報知するための表示器8で実行される演出であり、例えば、2~4ゲームの間実行される。また、後半前兆演出は、登場する敵キャラクタが異なる複数種類の演出からなり、後半前兆演出A、後半前兆演出B、後半前兆演出Cの何れか1つが選択的に決定される。
【0103】
また、各後半前兆演出は、例えば、ARTの当選時には、後半前兆演出Aを20%の確率で、後半前兆演出Bを30%の確率で、後半前兆演出Cを50%の確率で選択されて決定される。一方、ARTに非当選時(ガセ前兆演出時)には、後半前兆演出Aを50%の確率で、後半前兆演出Bを30%の確率で、後半前兆演出Cを20%の確率で選択されて決定される。このような確率で各後半前兆演出の種類が決定されるので、ARTの発生に対する期待度は、後半前兆演出C>後半前兆演出B>後半前兆演出Aの関係性を有することとなる。
【0104】
後半前兆演出は、前述したように前兆演出の後半部で実行される演出で、主人公キャラクタが敵キャラクタと対戦する場面がゲームの実行毎に展開し、後半前兆演出中の最終ゲームの終了から次ゲームが開始されるまでの間は、
図5に示すように結果確定演出が実行される。この結果確定演出において、ARTに当選していた場合には、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が前兆演出の結果として表示されるとともに、ARTの発生が報知される。
一方、ARTに当選しなかった場合(ガセ前兆演出の場合)には、結果確定演出において、最終的に主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する画像が前兆演出の結果として表示されて前兆演出(ガセ前兆演出)が終了する。
また、結果確定演出においては、後述する演出ボタン2c、上部演出ボタン21、可動役物装置18、補助表示器19を使用した演出が実行される。
【0105】
次に、
図6を参照して、前半前兆演出の最終ゲームで実行される演出選択演出(選択演出)について説明する。
【0106】
演出選択演出は、後に続く演出として、後半前兆演出A、後半前兆演出B、後半前兆演出Cのうちの何れか1つを選択する演出で、選択演出制御手段としての主制御部10及び副制御部20による制御により、
図6に示すように、表示器8において行われる。
【0107】
本実施形態では、前半前兆演出の最終ゲームが終了してから、次ゲームが開始されるまでの間に演出選択演出が実行される。
図6に示すように、演出選択演出が開始すると、表示器8の表示領域が、4つに区分けされた選択画面が表示され、例えば、左上の選択領域31に後半前兆演出Aが、右上の選択領域32に後半前兆演出Bが、右下の選択領域33に後半前兆演出Cが、左下の選択領域34に後半前兆演出Aが、各々表示されるとともに、画面中央であって、区分けされた各選択領域に跨るように、演出ボタン2cを模した演出ボタン画像30が表示される。
【0108】
そして、区分けされた各選択領域31~34が、徐々に速度を高めるようにルーレット状に移動発光し、移動発光が高速になった所定時間経過後に、演出ボタン2cの操作が有効となるとともに、演出ボタン画像30が発光して、遊技者に対して演出ボタン2cの操作を促す表示が行われる。
この状態で、遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すると、事前に決定されている種類の後半前兆演出の選択領域において移動発光が停止して、後半前兆演出の種類が決定されることとなる。そして、演出選択演出が終了するとともに、発光した選択領域に表示されている種類の後半前兆演出が次ゲームから開始されることとなる。
【0109】
また、各選択領域31~34においては、移行先の後半前兆演出での演出ボタン2c或いは上部演出ボタン21の使用の示唆等の、後半前兆演出に関する予告画像の表示を可能としている。
図6の例においては、選択領域31、32には「?」の文字情報からなる予告画像35が表示され、選択領域33には上部演出ボタン21を模した予告画像36が表示され、選択領域34には演出ボタン2cを模した予告画像37が表示されている。そして、
図6の例において、「?」の予告画像35が表示されている選択領域31が選択された場合、移行先の後半前兆演出Aでは、演出ボタン2c或いは上部演出ボタン21の使用と不使用のどちらの可能性もあることを示唆し、上部演出ボタン21を模した予告画像36が表示されている選択領域33が選択された場合、移行先の後半前兆演出Cでは、上部演出ボタン21が使用されることを示唆し、演出ボタン2cを模した予告画像37が表示されている選択領域34が選択された場合、移行先の後半前兆演出Aでは、演出ボタン2cが使用されることを示唆している。
【0110】
次に、
図7は、
図6の選択画面の各選択領域(表示領域)における後半前兆演出の種類を決定する際に用いられる表の一例を示している。
【0111】
図7の表では、全てを同一の後半前兆演出に決定する以外は、選択領域31に後半前兆演出Aを、選択領域32に後半前兆演出Bを、選択領域33に後半前兆演出Cを表示することを基本にして、選択領域34にどの種類の後半前兆演出を表示するかを決定するようになっている。
また、実際に移行する後半前兆演出は、後述の
図11(a)で示すように主制御部10で事前に決定されるが、選択画面における後半前兆演出の種類の決定は、事前決定された後半前兆演出の決定結果に基づいて主制御部10において行われて、主制御部10から副制御部20への制御情報の送信により、表示器8において選択画面の表示が行われる。なお、選択画面における後半前兆演出の種類の決定を、副制御部20で行うようにしてもよい。
【0112】
まず、
図7(a)はARTの非当選時(ガセ前兆演出時)に用いられる表で、ARTの非当選時には、移行先が後半前兆演出Aの場合、2か所で後半前兆演出Aを表示、すなわち、選択領域31に後半前兆演出Aを、選択領域32に後半前兆演出Bを、選択領域33に後半前兆演出Cを表示し、さらに選択領域34にも後半前兆演出Aを表示する選択率が60/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Bを表示、すなわち、選択領域34にも後半前兆演出Bを表示する選択率が30/100で決定される。同様に、2か所で後半前兆演出Cを表示する選択率が10/100で決定される。また、全て後半前兆演出Aを表示する選択率が0/100で決定される。
【0113】
また、移行先が後半前兆演出Bの場合、2か所で後半前兆演出Aを表示する選択率が20/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Bを表示する選択率が50/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Cを表示する選択率が30/100で決定される。また、全て後半前兆演出Bを表示する選択率が0/100で決定される。
また、移行先が後半前兆演出Cの場合、2か所で後半前兆演出Aを表示する選択率が10/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Bを表示する選択率が35/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Cを表示する選択率が55/100で決定される。また、全て後半前兆演出Cを表示する選択率が0/100で決定される。
【0114】
次に、
図7(b)はARTの当選時に用いられる表で、ARTの当選時には、移行先が後半前兆演出Aの場合、2か所で後半前兆演出Aを表示する選択率が45/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Bを表示する選択率が35/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Cを表示する選択率が15/100で決定される。また、全て後半前兆演出Aを表示する選択率が5/100で決定される。
【0115】
また、移行先が後半前兆演出Bの場合、2か所で後半前兆演出Aを表示する選択率が10/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Bを表示する選択率が50/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Cを表示する選択率が33/100で決定される。また、全て後半前兆演出Bを表示する選択率が7/100で決定される。
また、移行先が後半前兆演出Cの場合、2か所で後半前兆演出Aを表示する選択率が5/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Bを表示する選択率が25/100で決定される。また、2か所で後半前兆演出Cを表示する選択率が60/100で決定される。また、全て後半前兆演出Cを表示する選択率が10/100で決定される。
【0116】
図7の表の傾向としては、ARTの当選時には、ARTの非当選時よりも期待度の高い後半前兆演出が、選択画面上に多く表示されることとなっている。同様に、より期待度の高い後半前兆演出が事前に決定されていると、選択画面上にも期待度の高い後半前兆演出が多く表示されることとなっている。また、全ての選択領域で同じ種類の後半前兆演出が選択された場合には、必ずARTに当選することとなっている。したがって、選択画面の表示態様によりARTの発生に対する遊技者の期待感を変化させることが可能となり、遊技の興趣を高めることが可能となるのである。
なお、後半前兆演出を4種類以上設けてもよい。また、4種類以上の後半前兆演出の全てで、敵キャラクタが異なりARTの当選に対する期待度が異なるものにしてもよいし、一部の後半前兆演出では、ARTの当選に対する期待度は同一であるが、登場する敵キャラクタが異なるものとしてもよい。また、選択領域31~34の各々に異なる種類の後半前兆演出が配されるように後半前兆演出の選択処理を行うようにしてもよく、この場合、事前に決定されている後半前兆演出以外の後半前兆演出は、ランダムに決定してもよいし、ARTの当選有無に応じて決定するようにしてもよい。また、選択領域31~34の各々に異なる種類の後半前兆演出を配する場合には、ランダムに各後半前兆演出を配してもよいし、例えば、選択領域34が移行先として選択された場合には、ARTの当選に対する期待度が高くなる等、所定の規則性が生ずるように各後半前兆演出を配するようにしてもよい。
【0117】
次に、
図8を参照して、
図6の選択画面で実際に選択される選択領域(表示領域)、及び選択される選択領域以外の選択領域(表示領域)に、予告画像を表示する際に用いられる表について説明する。
また、予告画像の決定は、主制御部10で行われるが、予告画像の決定を、副制御部20で行うようにしてもよい。
【0118】
まず、
図8(a)は、
図6の選択画面で実際に選択される選択領域(表示領域)において、表示される予告画像を決定する際に用いられる表の一例を示している。
図8(a)において、事前に決定された後半前兆演出が、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用しないものである場合には、ARTの当選の有無に関わらず、選択画面で選択される選択領域に「?」の予告画像35を表示する選択率が100/100となり、演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が0/100となっている。
これら「?」の予告画像35の表示は、同一の後半前兆演出でも、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用する場合と使用しない場合(
図11参照)があり、この演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用しない後半前兆演出の場合でも、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用しないことが事前に確定してしまうことを防止するためのものである。なお、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用しない場合には、選択領域に予告画像を表示しないようにしてもよい。
【0119】
また、事前に決定された後半前兆演出が、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用するものである場合で、ARTの非当選時には、選択画面で選択される選択領域に「?」の予告画像35を表示する選択率が60/100となり、演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が40/100となっている。
また、事前に決定された後半前兆演出が、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用するものである場合で、ARTの当選時には、選択画面で選択される選択領域に「?」の予告画像35を表示する選択率が40/100となり、演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が60/100となっている。
【0120】
また、後半前兆演出で上部演出ボタン21の使用が決定されていた場合には、演出ボタン2cの予告画像37に替えて上部演出ボタン21の予告画像36の表示が決定される。
このような選択率で演出ボタン2cの予告画像37を表示することが決定されるので、ARTに当選した場合には、当選していない場合よりも、演出ボタン2cの予告画像37が表示される確率が高くなり、選択画面の表示態様によりARTの当選に対する遊技者の期待感を変化させることができ、興趣を高めることが可能となるのである。
【0121】
次に、
図8(b)は、
図6の選択画面で実際に選択される選択領域以外の3か所の表示領域3において、表示される予告画像を決定する際に用いられる表の一例を示している。
図8(b)において、ARTの非当選時には、3か所全ての選択領域に「?」の予告画像35を表示する選択率が55/100となり、1か所に演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が30/100となり、2か所に演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が10/100となり、3か所全てに演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が5/100となっている。
【0122】
また、ARTの当選時には、3か所全ての選択領域に「?」の予告画像35を表示する選択率が40/100となり、1か所に演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が30/100となり、2か所に演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が20/100となり、3か所全てに演出ボタン2cの予告画像37を表示する選択率が10/100となっている。
【0123】
なお、全ての選択領域に同一の予告画像を表示する以外で、どの選択領域に「?」の予告画像35と演出ボタン2cの予告画像37を割り振るかはランダムに決定するが、ARTに当選している場合には、当選していない場合よりも、より期待度の高い後半前兆演出が表示されている選択領域に演出ボタン2cの予告画像37が表示される確率を高めるようにしてもよい。また、ARTの非当選時には、例えば、5%の確率で、ARTの当選時には、例えば、10%の確率で演出ボタン2cの予告画像37を上部演出ボタン21の予告画像36に差し替える抽選が行われ、上部演出ボタン21の予告画像37が表示されることとなる。
【0124】
このような選択率で、実際に選択される選択領域以外において演出ボタン2cの予告画像37を表示することが決定されるので、ARTに当選した場合には、当選していない場合よりも、実際に選択される選択領域以外においても演出ボタン2cの予告画像37が表示される確率が高くなり、選択画面全体の表示態様によりARTの当選に対する遊技者の期待感を変化させることができ、興趣を高めることが可能となるのである。
【0125】
以上のように、主制御部10及び副制御部20は、予め定められた複数種類の後半前兆演出を実行可能な演出制御手段として構成されることとなる。また、演出制御手段は、複数種類の後半前兆演出のうちから何れか1つを、実行する後半前兆演出として決定可能な演出決定手段を備えたこととなる。また、演出制御手段は、演出決定手段による決定結果に基づき、複数種類の後半前兆演出のうち所定数の後半前兆演出を選択肢として、後半前兆演出を選択する選択演出を実行する選択演出制御手段と、選択演出において後半前兆演出が選択される以前の段階で、選択肢とされている所定の後半前兆演出において、演出ボタン2c或いは上部演出ボタン21が使用されること、すなわち遊技者の操作を伴う演出等の特定の演出が実行されることを予告する予告表示手段と、を備えた構成となっている。
また、演出制御手段は、複数種類の後半前兆演出のうち所定数の後半前兆演出を選択肢とした、演出選択画像(選択画面)を表示する演出選択画像表示手段を備えた構成となっている。
【0126】
したがって、後半前兆演出に移行する前の段階で遊技者の操作を伴う演出等の予告が行われることから、遊技に対する興趣や期待感を高めることが可能となる。特に、後半前兆演出の選択画面において、選択肢毎に期待感の異なる予告画像の表示を可能としているので、演出選択演出に対する期待感を極めて高めることが可能となる。また、予告画像として各演出ボタンを模した画像で予告表示が行われるので、非常に分かりやすい内容で予告を行うことが可能となる。さらに、演出選択演出においては、ルーレット状の選択画面上で演出ボタン画像30が表示され、かつ選択肢である各選択領域にも演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を模した予告画像37(或いは予告画像36)も表示されることから、遊技者参加型の極めて興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0127】
なお、選択画面において、演出ボタン2cを模した演出ボタン画像30を表示しているが、上部演出ボタン21を模した演出ボタン画像を表示してもよく、上部演出ボタン21を模した演出ボタン画像が表示された場合には、演出ボタン2cを模した演出ボタン画像30が表示された場合よりも、高い確率でより期待度の高い後半前兆演出が選択されるようにしてもよい。
【0128】
また、選択画面が表示された状態で、次のゲームの開始のためのベット数の設定、或いはスタートレバー3の操作により演出選択演出をキャンセルすることも可能であるが、演出選択演出をキャンセルした場合には、予め設定された期待度の低い後半前兆演出Aが選択されるようにしたペナルティー手段を設けてもよい。なお、この場合、期待度の低い後半前兆演出Aが選択されても、ARTの抽選結果は変わることはないので、遊技者が不利になることはない。
【0129】
また、選択画面の各選択領域に、予告画像37或いは予告画像36を表示する際に、予め決定されている移行先の後半前兆演出で、演出ボタン2c或いは上部演出ボタン21の使用態様を予告してもよい。例えば、移行先の後半前兆演出で、結果報知までに演出ボタン2cを複数回の押圧操作を要する、所謂連打演出が予定されていた場合には、選択画面の該当する選択領域に、予告画像37とともに、「連打」の文字情報を表示するようにしてもよい。また、同様に、結果報知までに演出ボタン2cの押圧操作状態の維持を所定時間要する、所謂長押し演出が予定されていた場合には、選択画面の該当する選択領域に、予告画像37とともに、「長押し」の文字情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、より遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0130】
次に、
図9は、
図5の前兆演出のタイミングチャートにおける、後半前兆演出の終了間際の詳細なタイミングチャートを示している。
図9に示す例では、ARTに当選(或いはガセ前兆演出に当選)してから31ゲーム目が、後半前兆演出が終了する最終ゲームとなっているが、後半前兆演出は、最終ゲームの次ゲーム(32ゲーム目のゲーム)の開始までが演出の実行期間となっている。そして、最終ゲーム(31ゲーム目のゲーム)が終了するタイミングt0から、次のゲームが開始するタイミングt3までの間において、後半前兆演出の一部として結果確定演出が行われる。
【0131】
結果確定演出は、後半前兆演出の最終段階において演出の結果を確定する演出で、
図9に示すように、最終ゲームの終了タイミングt0から所定時間経過するタイミングt1においては、例えば、表示器8に味方キャラクタと敵キャラクタの対戦結果が確定する直前の画像が表示される。その後、タイミングt1では、対戦結果が確定する直前の画像とともに、遊技者に演出ボタン2cの操作を促す情報として、演出ボタン画像30、及び「押せ!」等の文字情報等が表示されて、遊技者による演出ボタン2cの押圧操作を待機する状態となる。その後、遊技者が演出ボタン2cを押圧操作したタイミングt2で、対戦結果が確定する画像が表示されることで結果が報知されることとなる。また、後半前兆演出の最終段階で、演出ボタン2cを使用しない演出の場合には、対戦結果が確定する直前の画像の表示の後、所定時間経過後に対戦結果が確定する画像が表示されることとなる。
【0132】
ここで、結果確定演出のキャンセルについて説明する。
本実施形態においては、結果確定演出の実行中に、スタートレバー3の操作、或いはベット数の設定等の次ゲームを開始するための操作により、演出をキャンセル可能としている。また、演出をキャンセルすると、実行中の結果確定演出が途中で中止されることとなるが、この演出をキャンセルするタイミングに応じて、表示器8における画像表示に変化を持たせている。
【0133】
まず、
図9のタイミングt0からタイミングt1の間、すなわち、演出ボタン画像30が表示器8に表示される以前に、演出がキャンセルされた場合には、一旦演出ボタン画像30を表示するととともに、演出ボタン画像30が押された動画を表示した後、結果報知が行われる。例えば、ARTに当選していた場合には、演出ボタン画像30が押された動画を所定時間(例えば、0.5秒)表示した後、「ART確定!」等の文字情報を含む確定画像が表示され、ARTに当選していない場合には、演出ボタン画像30が押された動画を所定時間表示した後、「残念」等の文字情報を含む画像が表示される。なお、ARTに当選していた場合には、確定画面の前に味方キャラクタが勝利する画像を表示してもよい。また、ARTに当選していない場合には、「残念」の文字情報の表示の前に味方キャラクタが敗北する画像を表示してもよい。
【0134】
一方、タイミングt1からタイミングt3までの間、すなわち、演出ボタン画像30が表示器8に表示されてから、演出がキャンセルされた場合には、その時点で結果報知が行われる。例えば、ARTに当選していた場合には、キャンセル時点で、「ART確定!」等の文字情報を含む確定画像が表示され、ARTに当選していない場合には、「残念」等の文字情報を含む画像が表示される。なお、ARTに当選していない場合には、「残念」等の文字情報を含む画像を表示せずに、キャンセル時点で、次ゲームの演出を表示してもよい。
【0135】
したがって、主制御部10及び副制御部20は、演出をキャンセル可能なキャンセル制御手段を備えたこととなる。また、キャンセル制御手段は、演出をキャンセルする時期に応じて、その後の表示器8の表示を変化させるキャンセル表示制御手段を備えていることとなる。
このように、演出のキャンセルタイミングに応じて、表示器8の画像表示に変化を持たせているので、演出の進行に応じた結果報知を行うことができ、特に、演出ボタン画像30が表示される前のキャンセルには、遊技者は演出ボタン画像30が表示されることに気付かずに演出をキャンセルしてしまっている場合も多く、演出ボタン画像30の動画表示により、この場面では演出ボタン画像30が表示されることを知ることになり、次回からは演出をキャンセルしないように注意するようになるため、遊技者の不満感を低減するとともに、用意されている演出が無駄になることを防止できる。
【0136】
次に、
図10は、結果確定演出において、演出ボタン2cを使用する演出が行われる場合において、表示器8の表示領域での演出ボタン画像30の表示位置を示している。
図10(a)~(d)に示すように、本実施形態では、結果確定演出において、演出ボタン2cを使用する演出が行われる場合に、遊技者に対して操作を促す操作画像としての演出ボタン画像30を、表示器8の表示領域の複数の位置に表示可能としている。
【0137】
また、演出ボタン2cを使用する演出を行うか否かの決定、演出ボタン画像30の表示位置の決定等を含む後半前兆演出(結果確定演出)の種類の決定は、主制御部10で行われ、主制御部10から副制御部20への制御情報の送信に基づき、副制御部20の制御により表示器8で結果確定演出が表示される。
【0138】
また、
図10に示すように、表示器8の周辺であって、表示器8の近傍の位置には、複数の補助装置が配設されている。表示器8の一側方の上部(右上)には、複数の情報を表示可能な補助表示手段としての補助表示器19が配設され、表示器8の一側方の下部(右下)には、遊技者が操作可能な上部演出ボタン21が配設され、表示器8の他側方の上部(左上)には、可動役物装置18の一構成要素であり、電気的駆動源の作動により動作する可動役物18aが配設されている。
【0139】
図10(a)は、演出ボタン画像30を表示器8の表示領域の第1の表示位置としての略中央に表示された状態を示し、
図10(b)は、演出ボタン画像30を表示器8の右上の表示領域であって、第2の表示位置として例示する補助表示器19の近傍位置に表示された状態を示し、
図10(c)は、演出ボタン画像30を表示器8の右下の表示領域であって、第2の表示位置として例示する上部演出ボタン21の近傍位置に表示された状態を示し、
図10(d)は、演出ボタン画像30を表示器8の左上の表示領域であって、第2の表示位置として例示する可動役物18aの近傍位置に表示された状態を示している。
【0140】
これらの演出ボタン画像30の表示領域における表示位置は、ARTの当選の有無に応じて決定されるので、単に演出ボタン画像30が表示されるか否か以外にも、演出ボタン画像30が表示される位置に対しても遊技者の興味を引き付けることを可能としている。
【0141】
次に、
図11(a)は、後半前兆演出の種類を決定する際に用いられる表の一例を示している。
後半前兆演出は、登場する敵キャラクタの異なる後半前兆演出Aと後半前兆演出Bと後半前兆演出Cからなり、ARTの当選の有無に応じて、各後半前兆演出の選択率が異なるように設定されている。
また、後半前兆演出の決定は主制御部10により行われるが、副制御部20で行うようにしてもよい。
【0142】
図11(a)に示すように、ARTの非当選時には、後半前兆演出Aを50/100の選択率で選択し、後半前兆演出Bを30/100の選択率で選択し、後半前兆演出Cを20/100の選択率で選択するように選択処理が行われる。また、ARTの当選時には、後半前兆演出Aを20/100の選択率で選択し、後半前兆演出Bを30/100の選択率で選択し、後半前兆演出Cを50/100の選択率で選択するように選択処理が行われる。
【0143】
このような選択率で後半前兆演出が決定されるので、後半前兆演出Aよりも後半前兆演出Bが発生した方が、ARTの当選に対する期待度が高まり、また、後半前兆演出Bよりも後半前兆演出Cが発生した方が、ARTの当選に対する期待度が高まることとなる。したがって、発生した後半前兆演出の種類に応じて、遊技者の期待感に変化を持たせることができ、興趣を向上させることが可能となるのである。
【0144】
次に、
図11(b)及び
図11(c)は、後半前兆演出中の結果確定演出において、演出ボタン画像30を表示するか否か、すなわち、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用する演出を行うか否か、及び演出ボタン画像30を表示器8の表示領域に表示する場合に、どの表示位置にするかを決定する際に用いられる表の一例を示している。本実施形態では、同一の後半前兆演出でも、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用する場合と使用しない場合とを設けており、
図11(b)及び
図11(c)において、演出ボタン画像30の表示無しが選択された場合、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用しない後半前兆演出が決定されることとなる。
また、演出ボタン画像30の表示に関する各種決定処理は主制御部10により行われるが、副制御部20で行うようにしてもよい。
【0145】
図11(b)に示すように、ARTに非当選時には、後半前兆演出Aの場合、演出ボタン画像30の表示無し、すなわち演出ボタン2cを使用しない演出が、40/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、35/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、13/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、7/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、5/100の選択率で選択される。
【0146】
また、後半前兆演出Bの場合、演出ボタン画像30の表示無しが、35/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、25/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、17/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、13/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、10/100の選択率で選択される。
【0147】
また、後半前兆演出Cの場合、演出ボタン画像30の表示無しが、30/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、23/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、22/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、20/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、15/100の選択率で選択される。
【0148】
一方、
図11(c)に示すように、ARTに当選時には、後半前兆演出Aの場合、演出ボタン画像30の表示無し、すなわち演出ボタン2cを使用しない演出が、10/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、15/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、20/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、25/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、30/100の選択率で選択される。
【0149】
また、後半前兆演出Bの場合、演出ボタン画像30の表示無しが、10/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、15/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、17/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、18/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、40/100の選択率で選択される。
【0150】
また、後半前兆演出Cの場合、演出ボタン画像30の表示無しが、5/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、10/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、15/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、20/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、50/100の選択率で選択される。
【0151】
以上のような選択率で各種の選択が行われるので、抽選手段としての主制御部10による抽選結果が、ARTの当選である場合には、ARTの当選でない場合よりも、演出ボタン画像30が高い確率で表示され、さらに演出ボタン画像30が高い確率で補助装置の近傍位置(第2の表示位置)に表示されることとなる。
【0152】
したがって、演出ボタン画像30を表示するか否か、及び表示器8の表示領域における演出ボタン画像30の表示位置が決定されるので、ARTの当選に対する期待度が、左下>右下>右上>中央>演出ボタン画像無し、の関係性を有することとなり、演出ボタン画像30の表示位置に応じて遊技者の期待感に変化を持たせることができる。特に、演出ボタン画像30が補助装置の近傍位置に表示された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。また、後半前兆演出の種類に応じても、演出ボタン画像30の表示位置が変化することとなるので、遊技者の期待感により変化を持たせることが可能となるのである。
【0153】
次に、
図12は、
図9のタイミングt1において、演出ボタン画像30が表示されるときの表示器8の表示を示している。
【0154】
演出ボタン画像30が表示器8の表示領域に表示される場合、事前に決定されている表示位置に直ぐに表示されるのではなく、
図12(a)に示すように、対戦結果が確定する直前の画像とともに、演出ボタン画像30が表示領域における補助表示器19の近傍、上部演出ボタン21の近傍、表示領域中央、可動役物18aの近傍、の各々の位置を一回移動表示した後に、再度同じ軌跡を移動中に、最終的に事前決定されている表示位置となったときに停止して表示位置が確定表示される。このように演出ボタン画像30の表示位置が確定表示されるので、演出ボタン画像30の表示位置に対する遊技者の興味を引き付けることが可能となるのである。
【0155】
また、
図12(b)に示すように、演出ボタン2cを使用する演出の一部では、演出ボタン画像30に替えて拡大演出ボタン画像30aが表示される場合もあり、拡大演出ボタン画像30aが表示される場合も、演出ボタン画像30と同様に移動表示した後、表示位置が確定表示される。
このような演出ボタン画像30及び拡大演出ボタン画像30aの移動表示は、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20により制御される。
【0156】
拡大演出ボタン画像30aの表示は、例えば、ARTに非当選時は1%、ARTに当選時は5%の確率で、演出ボタン画像30から変更される。したがって、拡大演出ボタン画像30aが表示された場合には、ARTの当選に対する期待度が高めることとなる。
なお、演出ボタン画像30が移動表示をしている間に、演出ボタン画像30を拡大演出ボタン画像30aに変更するようにしてもよい。このようにすれば、演出ボタン画像30の移動表示と拡大との両方で、遊技者の期待感を変化させることが可能となる。
【0157】
次に、
図12の移動表示により演出ボタン画像30(或いは拡大演出ボタン30a)の表示位置が確定した後、表示器8で行われる演出ボタン2c或いは上部演出ボタン21を使用した演出について、
図13~
図16を参照して説明する。また、
図13~
図16に示す演出は、主制御部10から副制御部20への制御情報の送信に基づき、副制御部20の制御により表示器8で実行される。
また、
図13~
図16に示すように、表示器8の周辺には、複数の補助装置が配設されている。補助装置としては、表示器8の右上に配設された補助表示装置としての補助表示器19、右下に配設された特定操作手段としての上部演出ボタン21、左上に配設された可動役物18a(可動役物装置)が例示されている。
【0158】
まず、
図13を参照して、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域の略中央に表示された場合の演出について説明する。
【0159】
図13(a)は、
図12(a)の移動表示により演出ボタン画像30の表示位置が確定した後の表示を示し、演出ボタン画像30は、表示器8の表示領域の略中央に表示されている。このとき、演出ボタン画像30は、対戦結果が確定する直前の画像とともに表示され、演出ボタン画像30の上部には、「押せ!」の文字情報が表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。また、この状態では、演出ボタン2cが有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して、演出ボタン2cが有効となっていることが報知される。
【0160】
この状態で、遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すると、ARTに当選していた場合には、
図13(b)に示すように、演出ボタン画像30が消えるとともに、対戦結果として主人公キャラクタが勝利する勝利画像38が表示され、所定時間経過後、
図13(c)に示すように、「ART確定!」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0161】
一方、ARTに当選していない場合には、
図13(d)に示すように、演出ボタン画像30が消えるとともに、対戦結果として主人公キャラクタが敗北する敗北画像39が表示され、所定時間経過後、
図13(e)に示すように、「失敗」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0162】
次に、
図14は、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域における補助表示器19の近傍位置(右上)に表示された場合において、
図9のタイミングt2である、遊技者が演出ボタン2cを操作したときに、表示器8で行われる特定演出の表示態様を示している。
【0163】
図14(a)は、
図12(a)の移動表示により演出ボタン画像30の表示位置が確定した後の表示を示し、演出ボタン画像30は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器8の表示領域における補助表示器19の近傍位置(右上)に表示されている。また、この状態では、演出ボタン2cが発光して操作が有効となり、演出ボタン画像30の上部には、「押せ!」の文字情報が表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。また、補助表示器19に、対戦に追加参戦するキャラクタである味方キャラクタ画像40が表示され、その後、対戦結果が確定する直前の画像に味方キャラクタ画像40が追加表示される。
【0164】
この状態で、遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すると、ARTに当選していた場合には、
図14(b)に示すように、演出ボタン画像30が消えるとともに、対戦結果として勝利画像38が表示され、所定時間経過後、
図14(c)に示すように、「ART確定!」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0165】
一方、ARTに当選していない場合には、
図14(d)に示すように、演出ボタン画像30が消えるとともに、対戦結果として敗北画像39が表示され、所定時間経過後、
図14(e)に示すように、「失敗」の文字情報が表示されて結果が報知される。
このように、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域における補助表示器19の近傍位置に表示された場合には、補助表示器19に味方キャラクタ画像40が追加表示されることで、見た目上でも、演出ボタン画像30が略中央に表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、演出ボタン画像30が補助表示器19の近傍位置に表示されることと、補助表示器19に表示された味方キャラクタ画像40が追加表示されることに関連性を持たせることができ、単に演出ボタン画像30を補助表示器19の近傍位置に表示するよりも、遊技者に分かりやすい形で期待度の高い結果確定演出を実現することができる。
【0166】
次に、
図15は、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域おける上部演出ボタン21の近傍位置(右下)に表示された場合において、
図9のタイミングt2である、遊技者が演出ボタン2cを操作したときに、表示器8で行われる特定演出の表示態様を示している。
【0167】
図15(a)は、
図12(a)の移動表示により演出ボタン画像30の表示位置が確定した後の表示を示し、演出ボタン画像30は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器8の表示領域における上部演出ボタン21の近傍位置(右下)に表示されている。また、この状態では、演出ボタン2cが発光し操作が有効となり、演出ボタン画像30の上部には、「押せ!」の文字情報が表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。
【0168】
この状態で、遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すると、
図15(b)に示すように、新たに上部演出ボタン21を模した上部演出ボタン画像40が、演出ボタン画像30に替わって表示されるとともに、上部演出ボタン画像40の上部には、「押せ!」の文字情報が表示される。また、このとき、上部演出ボタン21の操作が有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して上部演出ボタン21の操作が有効となっていることが報知される。
【0169】
そして、遊技者が上部演出ボタン21を押圧操作すると、ARTに当選していた場合には、
図15(c)に示すように、上部演出ボタン画像40が消えるとともに、対戦結果として勝利画像38が表示され、所定時間経過後、
図15(d)に示すように、「ART確定!」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0170】
一方、ARTに当選していない場合には、
図15(e)に示すように、上部演出ボタン画像40が消えるとともに、対戦結果として敗北画像39が表示され、所定時間経過後、
図15(f)に示すように、「失敗」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0171】
このように、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域における上部演出ボタン21の近傍位置に表示された場合には、演出ボタン2cよりも期待度が高く設定された上部演出ボタン21を使用した演出に変更されるので、演出ボタン画像30が略中央に表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、演出ボタン画像30が上部演出ボタン21の近傍位置に表示されることと、上部演出ボタン21を使用することに関連性を持たせることができ、上部演出ボタン21の操作を確実に遊技者に促すことが可能となる。
【0172】
次に、
図16は、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域における可動役物18a(可動役物装置18)の近傍位置(左上)に表示された場合において、
図9のタイミングt2である、遊技者が演出ボタン2cを操作したときに、表示器8で行われる特定演出の表示態様を示している。
【0173】
図16(a)は、
図12(a)の移動表示により演出ボタン画像30の表示位置が確定した後の表示を示し、演出ボタン画像30は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器8の表示領域における可動役物18aの近傍位置(左上)に表示されている。また、この状態では、演出ボタン2cは発光して操作が有効となり、表示領域には、「押せ!」の文字情報が表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。
【0174】
また、可動役物18aは、下端部に回動中心が設定されていて、電気的駆動源の作動により、上端側が表示器8側に傾倒することで、可動役物18aの上方部分(所定部位)が、表示器前面枠17(
図1参照)後方の隠れた第1状態から、表示器8の表示領域の前方側へ突出した第2状態に変換可能に構成されている。
【0175】
この状態で、遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すると、ARTに当選していた場合には、
図16(b)に示すように、演出ボタン画像30が消えるとともに可動役物18aが第2状態に変換し、対戦結果として勝利画像38が表示される。そして、所定時間経過後、
図16(c)に示すように、「ART確定!」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0176】
一方、ARTに当選していない場合には、
図16(d)に示すように、演出ボタン画像30が消えるとともに可動役物18aが第1状態を維持し、対戦結果として敗北画像39が表示される。そして、所定時間経過後、
図16(e)に示すように、「失敗」の文字情報が表示されて結果が報知される。
【0177】
このように、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域における可動役物18aの近傍位置に表示された場合には、可動役物18aの動作とともに結果の報知が行われるので、演出ボタン画像30が略中央に表示された場合よりもインパクトのある報知が可能となる。また、演出ボタン画像30が可動役物18aの近傍位置に表示されることと、可動役物18aが動作することに関連性を持たせることができ、単に演出ボタン画像30を可動役物18aの近傍位置に表示するよりも、興趣性が高く期待度の高い結果確定演出を実現することができる。
【0178】
次に、
図17を参照して、演出ボタン画像30と、演出ボタン画像30よりも期待度の高い拡大演出ボタン画像30aとの関係を説明する。
【0179】
図17(a)は、表示器8の表示領域の略中央において、演出ボタン画像30を拡大演出ボタン画像30aに拡大する場合を示し、この場合には、演出ボタン画像30の中心、或いは縦方向の中心線上に設定された拡大基準点30cを基準にして拡大演出ボタン画像30aが拡大表示される。
【0180】
一方、
図17(b)に示すように、例えば、表示器8の表示領域の可動役物18aの近傍位置(左上)において、演出ボタン画像30を拡大演出ボタン画像30aに拡大する場合には、演出ボタン画像30において拡大基準点30cよりも可動役物18a側(左側)に移動した拡大基準点30dを基準にして拡大演出ボタン画像30aが拡大表示される。すなわち、第2の表示位置に拡大演出ボタン画像30aを表示する際には、第1の表示位置に拡大演出ボタン画像30aを表示する際の拡大基準点30cとは位置の異なる、演出ボタン画像30の中心よりも側方に移動した拡大基準点30dを基準にして拡大するのである。
【0181】
このようにすることで、表示器8の表示領域の可動役物18aの近傍位置において拡大演出ボタン画像30aを表示する際に、拡大演出ボタン画像30aが表示領域外にはみ出すことなく表示することが可能となる。
なお、拡大演出ボタン画像30aを、補助表示器19或いは上部演出ボタン21の近傍位置に表示する場合にも、拡大基準点を補助表示器19或いは上部演出ボタン21側に近い位置に設定して拡大表示が行われる。
なお、拡大演出ボタン画像30aを補助表示器19の近傍位置に表示する場合には、補助表示器19でも拡大演出ボタン画像30aの一部は表示可能であるので、表示領域の略中央に拡大演出ボタン画像30aを表示する場合と同様に、拡大基準点30cを基準にした拡大演出ボタン画像30aの拡大表示を行い、表示器8及び補助表示器19に跨るように拡大演出ボタン画像30aを表示するようにしてもよい。また、一旦、拡大演出ボタン画像30aを表示器8及び補助表示器19に跨るように表示した後、拡大基準点を補助表示器19に近い位置に移動させることで、拡大演出ボタン画像30a全体、或いは拡大演出ボタン画像30aの主要部が、補助表示器19側から表示器8側に移動するようにしてもよい。
【0182】
以上のように本実施形態では、操作画像制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、結果確定演出の実行中に、操作手段としての演出ボタン2cの操作を促す操作画像として、演出ボタン画像30を表示手段としての表示器8に表示するとともに、演出ボタン2cの操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報として、勝利画像38或いは敗北画像39を表示可能としている。また、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、主制御部10による抽選結果に基づき、表示器8の表示領域において演出ボタン画像30の表示位置を制御可能としている。
【0183】
したがって、表示器8の表示領域における演出ボタン画像30が表示される表示位置に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となるのである。
【0184】
また、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、演出ボタン画像30を、第1の表示位置と、第1の表示位置よりも補助装置に近い位置である第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段としての主制御部10による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、演出ボタン画像30を高い確率で第2の表示位置に表示する構成としている。
したがって、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、演出ボタン画像30が第2の表示位置に表示された場合には、遊技者の期待感をより高めることが可能となる。
【0185】
[遊技説明画面の表示]
次に、
図18~
図24を参照して、スロットマシン1の表示器8で表示する遊技説明画面について説明する。
本実施形態に係るスロットマシン1は、遊技者による演出操作手段(演出ボタン2c)の操作に基づいて、遊技説明に関する特定情報(遊技説明画面)を表示器8に表示するようになっている。
遊技説明画面には、例えば、スロットマシン1のゲームフローや、遊技状態ごとの演出内容や遊技方法等が表示される。
【0186】
なお、本実施形態のスロットマシン1は、各遊技状態における演出状態として、通常遊技状態中に演出が実行されている通常演出状態(本発明に係る第2演出状態に相当)、ART中に演出が実行されているART演出状態(本発明に係る第1演出状態に相当)、ボーナス中に演出が実行されているボーナス演出状態(本発明に係る第3演出状態に相当)等を有している。
このような複数の演出状態のうち、いずれかの演出状態に制御することは、副制御部20が、演出状態制御手段として動作することにより行われるようになっている。
なお、以降の説明において、遊技状態と記載した場合、演出状態を含むものとする。
【0187】
遊技説明画面に表示される内容やその表示期間は、スロットマシン1が「遊技中」の場合と「非遊技中」の場合において異なるようになっている。
「非遊技中」とは、第3リール停止操作終了後から所定期間の間、ベットボタン2aの操作又はメダル投入口2にメダルが投入されない場合に「遊技中」から移行し、ベットボタン2aの操作又はメダル投入口2にメダルが投入された場合に終了する状態である。
「遊技中」とは、非遊技中以外の状態であり、すなわち、リール16の変動中が含まれる。
また、今回ゲームの当選役が、リプレイ役の場合には、「遊技中」から「非遊技中」に移行しないようになっている。
なお、第3リールとは、3つのリール16a~16cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作をされたリールをいう。また、第3リール停止操作終了後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいう。
【0188】
(非遊技中に表示される遊技説明画面)
非遊技中に表示される遊技説明画面は、演出ボタン2cの操作有効期間内において表示可能になっている。
「操作有効期間」とは、演出ボタン2cや十字キーボタン2dによる操作が許容される期間であり、例えば、連続演出の実行中、ボーナス確定画面の表示中及びボーナス中以外の期間が操作有効期間として設けられている。
【0189】
具体的には、非遊技中は、
図18(A)に示すように、表示器8に演出操作ボタン画像51が表示され、遊技者に演出ボタン2c又は十字キーボタン2dが操作可能であることを示している。
図18(A)に示す状態で、例えば、十字キーボタン2dが操作された場合には、スピーカ9から出力されるスロットマシン1の遊技音の大きさを調整可能な音量調整画面が表示される(非図示)。
また、
図18(A)に示す状態で、演出ボタン2cが操作された場合には、
図18(B)に示すように、選択可能な複数の項目(「ゲームフロー」、「配当表」、「戻る」等)を含むトップ画面が表示される。
このトップ画面上で、十字キーボタン2dの操作により所望の項目を選択した状態で、演出ボタン2cが操作されると、選択した項目に関する情報が表示される。
例えば、トップ画面上で、「ゲームフロー」が選択された場合には、
図18(c)に示すように、スロットマシン1が備える遊技状態が全て表示される。さらに、十字キーボタン2dの操作により所望の項目が選択された状態で、演出ボタン2cが操作されると、
図18(d)に示すように、選択した遊技状態の遊技説明を表示する遊技説明画面50が表示される。
【0190】
このように、非遊技中に表示される遊技説明画面50では、スロットマシン1が備える全ての遊技状態に応じた遊技説明を表示可能になっている。そのため、遊技者は、スロットマシン1の状態を非遊技中とすれば、現在の遊技状態に関わらず、他の遊技状態に関する遊技説明を見ることができる。
なお、これに限らず、非遊技中に表示される遊技説明画面50では、スロットマシン1が備える一部の遊技状態に係る遊技説明を表示できないように制限してもよい。
【0191】
(遊技中に表示される遊技説明画面)
遊技中に表示される遊技説明画面は、演出ボタン2cの操作有効期間内で、且つ、操作催促画像表示期間内で表示可能になっている。
「操作催促画像表示期間」とは、遊技者に演出ボタン2cへの操作を促す操作情報(操作催促画像52)が表示可能な期間であり、
図20に示すように、遊技状態に応じて、開始タイミングと終了タイミングが設けられている。
この操作催促画像表示期間中は、演出ボタン2cが点灯し、演出ボタン2cの操作が有効となっていることが報知されるとともに、操作催促画像52が、表示器8の枠外から表示器8内に向かって突出するように表示される。
そして、操作催促画像52が表示器8に表示されている間に、演出ボタン2cが操作されることによって遊技説明画面50が表示される。
【0192】
具体的には、
図19(A)、(C)に示すように、操作催促画像52の表示中に演出ボタン2cが操作されると、遊技説明画面50を表示可能な表示領域(特定表示領域R)が表示される(出現する)。
また、
図19(B)、(C)に示すように、既に表示器8に遊技説明画面50が小さく表示されているような場合に、演出ボタン2cが操作されると、特定表示領域Rが広くなるように変更され、遊技説明画面50が拡大されて表示される。なお、
図19(B)に示す状態においても、操作催促画像52を表示してもよい。
また、遊技説明画面50が複数の画面を有する場合には、十字キーボタン2dの操作によって画面を切り替えることができる(
図19(D)参照)。
このような遊技説明画面50を表示するための特定表示領域Rの変更は、副制御部20が、変更手段として動作することにより行われる。
【0193】
次に、遊技中に表示される遊技状態ごとの遊技説明画面について説明する。
以降の説明において、「第3リールが停止操作(
図20中の第3リール停止操作時)」、「スタートレバー3が操作(
図20中のスタートレバー操作時)」、「ベットボタン2aが操作(
図20中のベットボタン操作時)」の記載は、遊技者が各操作手段を指等で操作した時点を示している。
なお、これに限らず、遊技者が各操作手段から指等を離した時点としてもよい。
【0194】
・通常遊技状態中に表示される遊技説明画面
通常遊技状態中は、所定の演出の開始時に遊技説明画面50が表示可能になっている。
例えば、ボーナスやARTの前兆演出(連続演出)が開始されるゲームにおいて、スタートレバー3が操作されてから、当該ゲームの第3リールが停止操作されるまでの期間に操作催促画像52が表示され、この期間内に、演出ボタン2cが操作されると操作催促画像52が表示されるようになっている(
図20参照)。この場合、遊技説明画面50には、ボーナスやARTの当選期待度を説明する情報等が表示される。
【0195】
また、例えば、1ゲームで完結し、遊技者が自力で操作順序を正解させるための押し順演出が開始されるゲームにおいて、スタートレバー3が操作されてから、当該ゲームの第3リールが停止操作されるまでの期間に操作催促画像52が表示され、この期間内に、演出ボタン2cが操作されると遊技説明画面50が表示されるようになっている。この場合、遊技説明画面50には、押し順に正解した場合と不正解の場合の遊技状態の移行に関する情報等が表示される。
【0196】
・ART中に表示される遊技説明画面
ARTには、複数の遊技状態(ステージ)、例えば、ステージA~Cが設けられており、各ステージの開始時に遊技説明画面50が表示可能になっている。
例えば、各ステージが開始されるゲームにおいて、スタートレバー3が操作されてから、次ゲームのスタートレバー3が操作されるまでの期間(今回ゲームの当選役がリプレイ役の場合)又はベットボタン2aが操作されるまでの期間(今回ゲームの当選役がリプレイ役以外の場合)に操作催促画像52が表示され、この期間内に、演出ボタン2cが操作されると遊技説明画面50が表示されるようになっている(
図20参照)。
この場合、遊技説明画面50には、例えば、各ステージ中に獲得可能な権利に関する情報や各ステージ中の演出内容等が表示され、ステージごとに異なる情報が表示される。
【0197】
また、「押し順ベル」や「押し順リプレイ」の当選により、表示器8において停止ボタン5の操作順序をナビゲートする特別情報(ナビ画像53)が表示されている場合に(
図21(A)参照)、演出ボタン2cの操作により遊技説明画面50を表示する際には、
図21(B)に示すように、遊技説明画面50よりも前にナビ画像53が表示される。
すなわち、ナビ画像53と遊技説明画面50が、表示器8において同時に表示される場合には、ナビ画像53を優先的に表示し、視認可能にする。
これは、「押し順ベル」や「押し順リプレイ」に対応する操作順序が、遊技説明画面50によって隠れてしまい、視認不能になると、遊技者は、ナビ画像53による操作順序と異なる操作順序で停止ボタン5を誤って操作してしまう虞がある。その場合には、誤って操作した操作順序に対応した図柄の組合せが停止表示されるため、現在の有利な状態から移行(転落)してしまうなどの遊技者に不利益が生じてしまう場合がある。このような理由から、ナビ画像53を優先的に表示するようになっている。
また、ナビ画像53として、操作順序(「1」-「3」-「2」)の表示に限らず、例えば、押し順当て演出の際に表示される「?」や、レア役当選時などに表示される「!」が表示される場合でも、ナビ画像53を優先的に表示して遊技説明画面50よりも前に表示する。
【0198】
なお、ナビ画像53と遊技説明画面50が、表示器8において同時に表示される場合には、ナビ画像53を優先して前に表示するように説明したが、遊技説明画面50を優先して前に表示するようにしてもよい。
また、ナビ画像53と遊技説明画面50のどちらを優先して表示するかを、今回ゲームの当選役に応じて決定してもよい。例えば、レア役に当選した場合には、ナビ画像53を優先して表示し、レア役以外の当選役に当選した場合には、遊技説明画面50を優先して表示するようにしてもよい。
【0199】
また、表示器8において上部演出ボタン21の操作を促すための演出ボタン画像30が表示されている場合に(
図22(A)参照)、演出ボタン2cの操作により遊技説明画面50を表示する際には、遊技説明画面50と演出ボタン画像30の何れか一方を前に表示する。
すなわち、演出ボタン画像30と遊技説明画面50が、表示器8において同時に表示される場合には、遊技説明画面50を優先して演出ボタン画像30よりも前に表示する(
図22(B)参照)、又は、演出ボタン画像30を優先して遊技説明画面50よりも前に表示する(
図22(C)参照)。
なお、遊技説明画面50と演出ボタン画像30のどちらを優先して表示するかを、遊技状態に応じて決定してもよい。例えば、ステージAでは、演出ボタン画像30を優先して表示し、ステージCでは、遊技説明画面50を優先して表示するようにしてもよい。
また、遊技者にどちらを優先して前に表示するかを選択可能にしてもよい。
【0200】
また、演出ボタン2cの操作を促すための演出ボタン画像30が表示されている場合においても同様に、演出ボタン画像30と遊技説明画面50が同時に表示される場合には、遊技説明画面50と演出ボタン画像30の何れか一方を前に表示するようにしてもよい。
なお、遊技説明画面50と演出ボタン画像30のどちらを優先して前に表示するかを、ボタンの種類に応じて決定してもよい。例えば、上部演出ボタン21の操作を促すための演出ボタン画像30が表示されている場合には、演出ボタン画像30を優先して表示し、演出ボタン2cの操作を促すための演出ボタン画像30が表示されている場合には、遊技説明画面50を優先して表示するようにしてもよい。
【0201】
また、演出ボタン画像30と遊技説明画面50が、表示器8において同時に表示される可能性があるゲームでは、演出ボタン画像30に対応する操作手段と遊技説明画面50を表示可能な操作手段を異なるように制御してもよい。
例えば、演出ボタン画像30に対応する操作手段として十字キーボタン2dとし、遊技説明画面50を表示可能な操作手段として演出ボタン2cとしてもよく、又は、その反対としてもよい。あるいは、演出ボタン画像30に対応する操作手段として演出ボタン2cとし、遊技説明画面50を表示可能な操作手段として上部演出ボタン21としてもよい。
この場合、操作可能な操作手段を遊技者が認識できるように、表示器8(操作催促画像52)において表示することが好ましい。
【0202】
さらに、ナビ画像53(操作順序の表示、「?」の表示及び「!」の表示を含む)と演出ボタン画像30が、表示器8において同時に表示されている場合に、演出ボタン2cの操作により遊技説明画面50を表示する際には、ナビ画像53を優先して一番前に表示し、その次に遊技説明画面50と演出ボタン画像30の何れか一方を表示することが好ましい。
【0203】
また、ART中に表示される遊技説明画面50には、ART中に例外的なケースが発生する可能性がある旨が表示される。
具体的には、
図23(A)に示すように、「ボーナス終了後、現在の遊技状態に復帰しない(通常遊技状態に移行する)場合があります」が表示される。
これは、以下に示すような理由に基づくものである。
【0204】
前述したように、スロットマシン1は、ART中にボーナスに入賞(所定の移行条件が成立)した場合は、当該ボーナスが終了(所定の終了条件が成立)した後はARTに復帰し(
図4中のg、i参照)、通常遊技状態中にボーナスに入賞(所定の移行条件が成立)した場合は、当該ボーナスが終了(所定の終了条件が成立)した後は通常遊技状態に移行する(
図4中のb、c参照)。
一方、このような遊技状態の移行に対して、例外的に、次に示す(1)、(2)のようなケースが生じる場合がある。
(1)通常遊技状態中に所定の契機に基づいて、ARTへの移行が確定的な遊技状態に移行する場合、表示器8ではART演出状態を示しているものの、内部的には遊技状態が通常遊技状態である状態において、ボーナスに入賞した場合には、当該ボーナスの終了後はARTに復帰せずに通常遊技状態に移行する。
また、ARTの終了後に通常遊技状態に移行する場合、表示器8では未だART演出状態を示しているものの、内部的には遊技状態がARTから通常遊技状態に移行している状態において、ボーナスに入賞した場合も同様に、当該ボーナスの終了後はARTに復帰せずに通常遊技状態に移行する。
すなわち、ボーナスに入賞する前のART演出状態において、遊技状態がARTであれば(所定の有利条件が成立)、ボーナス終了後はARTに復帰するが、一方で、遊技状態がARTでなければ(所定の有利条件が不成立)、ボーナス終了後は通常遊技状態に移行するようになっている。
なお、ボーナス遊技中に、ARTに当選した場合は、これに限らず、ボーナスに入賞する前の遊技状態にかかわらず、ボーナス終了後はARTに移行する。
(2)本実施形態に係るスロットマシン1の遊技は、ARTを含む遊技者にとって有利な遊技状態に継続上限値(リミッタ)を設けており、このリミッタに到達したことで、ARTに滞在している場合には通常遊技状態に移行するようになっている。そして、このリミッタ間近の遊技状態において、ボーナスに入賞した場合には、当該ボーナスの終了後は、ARTに復帰せずに通常遊技状態に移行する。
以上のような理由から、
図23(A)に示すような、例外的なケースがある旨を表示している。
【0205】
・ボーナス中に表示される遊技説明画面
ボーナス中は、ボーナス入賞時やボーナス遊技中等に遊技説明画面50が表示可能になっている。
ボーナス入賞時の場合は、例えば、ボーナスに入賞したゲームにおいて第3リール停止操作終了後の一定時間経過してから、ベットボタン2aが操作されるまでの期間に操作催促画像52が表示され、この期間内に、演出ボタン2cが操作されると、操作催促画像52が表示されるようになっている(
図20参照)。
この場合、ボーナス入賞時の遊技状態に応じて遊技説明画面50に表示される遊技説明の内容が異なるようになっている。
具体的には、通常遊技状態中にボーナスに入賞した場合には(
図4中のa、d参照)、遊技説明画面50には、ボーナス遊技中に実行されるARTの抽選に関する情報(例えば、画面による表示演出やランプによる発光演出の当選期待度の説明)等が表示される。
一方、ART中にボーナスに入賞した場合には(
図4中のh、j参照)、遊技説明画面50には、ボーナス遊技中に実行されるARTの発生権利(ARTストック)の上乗せ抽選に関する情報や、この上乗せ抽選の当選が確定する図柄の組合せ(停止出目)、例えば、一確停止出目や二確停止出目等が表示される。
【0206】
また、ボーナス終了後にARTに移行することが報知されているか否かに応じても、遊技説明画面50に表示される遊技説明の内容が異なるようになっている。
例えば、通常遊技状態中にARTに当選しているものの、未だ当選結果を報知していない状態において、ボーナスに入賞した場合には、前者と同様の表示を行う。
一方、通常遊技状態中にARTに当選しており、当選結果を報知している状態において、ボーナスに入賞した場合には、後者と同様の表示を行う。
なお、ボーナス遊技中に、スロットマシン1の状態を非遊技中とした場合に表示可能な遊技説明画面50(
図18(D)参照)においても、上記と同様に、ボーナス入賞時の遊技状態やARTの当選結果が報知されている否かに応じて表示内容が異なるようになっている。
【0207】
ボーナス遊技中の場合には、遊技者に有利な権利が付与された場合に遊技説明画面50が表示可能になっている。
例えば、ボーナス遊技中に、ボーナスの発生権利やARTの発生権利を獲得した場合には、
図23(B)に示すように、「7を狙え!!」などの催促画像が表示される。この催促画像が表示された状態、すなわち、7図柄が停止表示可能なゲームでは、操作催促画像52が表示されるとともに、演出ボタン2cが操作されることで遊技説明画面50が表示される。
そして、「7を狙え!!」の催促画像と遊技説明画面50が、表示器8において同時に表示される場合には、
図23(C)に示すように、催促画像よりも前に遊技説明画面50が表示される。これは、7図柄を狙う、狙わないに関わらず(7図柄を停止表示しなくとも)権利が付与されるため、遊技者に不利益が生じることがないからである。
【0208】
また、ボーナス遊技中に、遊技説明画面50が表示可能な例として、例えば、ビッグボーナスの種類にJACインタイプのボーナスを備える場合には、ボーナス遊技中のJACイン入賞時に「7を狙え!!」の催促画像と操作催促画像52が表示され、遊技説明画面50が表示可能になっている。
この場合も、
図23(C)に示すように、催促画像よりも前に遊技説明画面50が表示される。
JACインタイプのボーナスは、例えば、所定枚数のメダルの払い出し又は所定回数のJACイン入賞により終了する。また、ボーナス遊技中に所定図柄の組合せ(7図柄の組合せ)が停止することでJACイン入賞して、レギュラーボーナスに移行する。
このJACイン入賞により移行するレギュラーボーナスとして、高純増のレギュラーボーナスと低純増のレギュラーボーナスを備えている。例えば、高純増のレギュラーボーナスでは1枚賭けで14枚の払い出しが行われるのに対し、低純増のレギュラーボーナスでは3枚賭けで7枚の払い出しが行われ、高純増のレギュラーボーナスに移行した方が遊技者に有利なゲームとなっている。
このようなJACイン入賞時に表示される遊技説明画面50には、例えば、「高純増のレギュラーボーナスと低純増のレギュラーボーナスのJACイン時の停止出目」、「高純増のレギュラーボーナス又は低純増のレギュラーボーナスの当選が確定する停止出目」、「レギュラーボーナス中の演出内容」等が表示される。
【0209】
なお、「7を狙え!!」の催促画像と遊技説明画面50が同時に表示される場合には、遊技説明画面50を優先して前に表示するように説明したが、催促画像を優先して前に表示するようにしてもよい。
例えば、高純増のレギュラーボーナス及び低純増のレギュラーボーナスの何れか一方に当選した場合には、遊技説明画面50よりも前に催促画像を表示し、何れか他方に当選した場合には、催促画像よりも前に遊技説明画面50を表示することで、催促画像が視認可能か否かにより、当選したレギュラーボーナスの種別を示唆するようにしてもよい。
また、高純増のレギュラーボーナス又は低純増のレギュラーボーナスの当選回数が所定回数以上となった場合に、表示可能となる遊技説明画面を設けてもよい。例えば、高純増のレギュラーボーナスの当選回数が2回以上となった場合、遊技者に有利な情報を表示する遊技説明画面を表示することで、遊技の興趣を高めることができる。
【0210】
このように、遊技中に表示される遊技説明画面50の表示内容は、遊技状態に応じて異なるようになっている。
また、リール16の変動中やナビ画像53の表示中等の遊技中において、遊技者が演出内容や遊技方法を確認したいような場合には、演出ボタン2cを操作することによって表示される遊技説明画面50で把握できる。
これにより、遊技者は、遊技を一旦止めて非遊技の状態にすることなく、遊技中であっても遊技説明画面を見ることができる。
【0211】
[遊技説明画面表示制御処理]
次に、副制御部20が行う遊技説明画面制御処理について、
図24を参照して説明する。
まず、副制御部20は、演出操作手段(演出ボタン2cや十字キーボタン2d)の操作が許容される操作有効期間か否かの判定を行う(S1)。
S1において、操作有効期間ではないと判定した場合には(S1:No)、S18へ移行し、操作有効期間であると判定した場合には(S1:Yes)、演出ボタン2c又は十字キーボタン2dが操作されたか否かの判定を行う(S2)。
演出ボタン2c又は十字キーボタン2dが、操作されていないと判定した場合には(S2:No)、S18へ移行し、演出ボタン2c又は十字キーボタン2dが、操作されたと判定した場合には(S2:Yes)、遊技中であるか否かの判定を行う(S3)。
【0212】
遊技中ではない(非遊技中である)と判定した場合には(S3:No)、非遊技中に演出ボタン2cが操作されたか否かの判定を行う(S4)。
非遊技中に演出ボタン2cが操作されたと判定した場合には(S4:Yes)、表示器8において遊技説明画面50が表示中か否かの判定を行う(S5)。
遊技説明画面50が表示中ではないと判定した場合には(S5:No)、表示器8にトップ画面を表示する(
図18(B)参照)(S6)。
一方、遊技説明画面50が表示中であると判定した場合には(S5:Yes)、演出ボタン2cの操作に応じて画面表示の切替えを行う(S7)。例えば、遊技説明画面50において、十字キーボタン2d等の操作により所定の項目を選択している状態で、演出ボタン2cが操作された場合には、選択した項目を確定するための確定ボタンとして演出ボタン2cが機能することで、表示画面を切り替える。
【0213】
S4において、非遊技中に演出ボタン2cが操作されていない(十字キーボタン2dが操作された)と判定した場合には(S4:No)、表示器8において遊技説明画面50が表示中か否かの判定を行う(S8)。
遊技説明画面50が表示中であると判定した場合には(S8:Yes)、十字キーボタン2dの操作に応じて遊技説明画面50上の表示の切替えを行う(S9)。例えば、遊技説明画面50において、十字キーボタン2dの操作により項目を選択した場合には、画面上の項目間を移動させるためのカーソル移動ボタンとして演出ボタン2cが機能することで、画面上の表示内容を変更する。
一方、遊技説明画面50が表示中ではないと判定した場合には(S8:No)、十字キーボタン2dの操作に応じて、例えば、音量調整画面を表示する(S10)。さらに、十字キーボタン2dが操作された場合には、音量調整ボタンとして十字キーボタン2dが機能することで、音量調整画面において表示内容(音量レベル)を変更する。なお、変更後の音量レベルの決定は、演出ボタン2cの操作によって決定される。
【0214】
S3において、遊技中であると判定した場合には(S3:Yes)、遊技中に演出ボタン2cが操作されたか否かの判定を行う(S11)。
遊技中に演出ボタン2cが操作されたと判定した場合には(S11:Yes)、表示器8において操作催促画像52が表示中か否かの判定を行う(S12)。
操作催促画像52が表示中であると判定した場合には(S12:Yes)、遊技状態に応じた遊技説明画面50を表示する(
図19(B)参照)(S6)。
この遊技説明画面50では、前述したように、現在の遊技状態に応じて表示される内容が異なるようになっている。また、遊技者に有利な特典が付与されているか否か、又は、特典が付与されていることが報知されている否かに応じても表示される内容が異なるようになっている。
【0215】
一方、操作催促画像52が表示中ではないと判定した場合には(S12:No)、表示器8において遊技説明画面50が表示中であるか否かの判定を行う(S14)。
遊技説明画面50が表示中であると判定した場合には(S14:Yes)、演出ボタン2cの操作に応じて遊技説明画面50上の表示の切替えを行う(S15)。例えば、遊技説明画面50の表示中に演出ボタン2cが操作された場合には、戻るボタンとして演出ボタン2cが機能することで、画面上の表示内容を変更する。
具体的には、遊技説明画面50のうち最上位の画面が表示されている場合には、遊技説明画面50を終了し、遊技説明画面50のうち最上位以外の画面が表示されている場合には、上位の画面に表示を切り替える。
【0216】
S11において、遊技中に演出ボタン2cが操作されていない(十字キーボタン2dが操作された)と判定した場合には(S11:No)、表示器8において遊技説明画面50が表示中か否かの判定を行う(S16)。
遊技説明画面50が表示中であると判定した場合には(S16:Yes)、十字キーボタン2dの操作に応じて、例えば、複数画面を有する遊技説明画面50における画面の切替えを行う(S17)。
【0217】
次いで、遊技説明画面50の終了条件が成立したか否かの判定を行う(S18)。
遊技説明画面50の終了条件は、例えば、「非遊技中において、ベットボタン2aの操作がされた場合又はメダル投入口2にメダルが投入された場合」、「遊技中において、操作催促画像表示期間が終了した場合」、「遊技中において、遊技説明画面50の表示中に演出ボタン2cが操作された場合(S15参照)」のうち何れかの条件が成立した場合である。
この終了条件が成立したと判定した場合には(S18:Yes)、遊技説明画面50を終了する(S19)。また、このとき、操作催促画像52が表示中の場合には、操作催促画像52の表示も終了する。
【0218】
また、S18における遊技説明画面50の終了条件を、上記の条件に限らず、例えば、「他の遊技状態に移行した場合」、「所定の当選役(レア役やボーナス役)に当選した場合」のうち何れかの条件が成立したこと契機に遊技説明画面を終了させてもよい。
これにより、複数の遊技に亘って遊技説明画面50を表示できるようにしてもよい。
【0219】
このように、副制御部20が行う遊技説明画像制御処理では、遊技中と非遊技中に応じて、遊技説明画面50の表示内容や表示期間が異なるように制御する。そして、遊技中において操作催促画像52が表示されている場合に、演出ボタン2cが操作されると、現在の遊技状態に応じた遊技説明画面50を表示器8の表示領域(特定表示領域R)に表示し、操作催促画像表示期間が終了した場合には、遊技説明画面50及び操作催促画像52の表示を終了するようになっている。
【0220】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技中(例えば、リール16の回転中、ナビ画像53の表示中、演出ボタン画像30の表示中)に、遊技者からの操作に基づいて遊技説明を表示する遊技説明領域が広くなるように変更することで、遊技説明を表示(出現又は拡大)する。
これにより、遊技者は、遊技中であっても、各演出状態に応じた遊技説明を確認することができ、どのように遊技を行えばよいか(楽しめばよいか)を把握することができる。
【0221】
なお、以上の[遊技説明画面の表示]における説明に限らず、次に示すような変形例としてもよい。
上記の説明では、遊技説明画面50とナビ画像53、演出ボタン画像30又は「7を狙え!!」の催促画像が、表示器8において同時に表示される場合には、優先して前に表示する画像(前方画像)を視認可能とし、その後方に表示する他の画像(後方画像)を前方画像と重なっている部分は視認不能とする場合で説明したが、これに限らず、後方画像の一部又は全てを視認可能とすることもできる。
例えば、前方画像の一部又は全てを所定の透過率で透過させることで、後方画像を視認可能とし、前方画像と後方画像が重なって表示されても、双方を同時に視認可能に表示することもできる。
また、前方画像を透過させない場合には、前方画像と重ならない部分から後方画像の一部を表示させることもできる。
例えば、遊技説明画面50が前方画像の場合には、後方画像の多くの部分が視認不能になる場合があり、遊技説明画面50の特定表示領域R外に、後方画像の一部をはみ出すように表示可能にしてもよい。例えば、遊技説明画面50の特定表示領域Rの下方から、ナビ画像53や「7を狙え」催促画像の一部を表示してもよい。
これにより、前方画像を認識し易く表示するだけでなく、同時に後方画像の存在を示すことができる。
【0222】
非遊技中において、演出ボタン2cが操作されることに基づいて表示される遊技説明画面50を遊技中に表示できるようにしてもよい。
この場合には、
図18(B)に示す、トップ画面の「戻る」を操作するまで、遊技説明画面50が終了することなく継続して表示し、複数の遊技に亘って遊技説明を表示できるようにしてもよい。すなわち、操作催促画像表示期間を設けることなく、遊技中であっても遊技説明画面50を複数の遊技に亘って表示可能とするとともに、全ての遊技状態に係る遊技説明を表示可能にしてもよい。
また、「戻る」を操作する以外にも、「所定の当選役(レア役やボーナス役)に当選した場合」等、遊技者に対して有利な状況が発生した場合に、遊技説明画面50を終了させてもよい。これにより、遊技説明画面の遷移によって、所定の当選役が当選したことを報知することができる。
【0223】
また、ボーナス入賞時に表示される遊技説明画面50において、ボーナス入賞時の遊技状態や、ボーナス終了後にARTに移行することが報知されているか否かに応じて、遊技説明画面50の表示内容を異ならせるようにしたが(一方の遊技説明画面50のみ視認可能としたが)、これに限らず、ボーナス中であれば、十字キーボタン2dの操作により、常に全ての遊技説明画面50を表示可能にしてもよい。
【0224】
また、ART中に表示される遊技説明画面50では、
図23(A)に示すように、ボーナス終了後、現在の遊技状態に復帰しない可能性がある旨を表示するようにしたが、ボーナス終了後に現在の遊技状態に復帰しない状況になった場合には、当該ボーナス当選から当該ボーナスの終了までの何れかのタイミングに、現在の遊技状態に復帰しない旨を示す演出を行ってもよい。
これにより、遊技説明画面50を見なかった遊技者に対しても、ボーナス当選で現在の遊技状態に復帰しない可能性がある遊技性であることを示唆することができる。
【0225】
また、ART中に表示される遊技説明画面50では、
図21及び
図22に示すように、ナビ画像53や演出ボタン画像30を表示するように説明したが、これに限らず、ART以外の遊技状態において表示することもできる。
【0226】
また、遊技説明画面50において、確率設定装置15により設定されている確率値を示唆する情報を表示してもよい。例えば、奇数・偶数示唆、高設定示唆等を示唆する情報を表示してもよい。これにより、遊技者に対して遊技に対する興趣や期待感を高めることが可能となる。
また、演出操作手段として、演出ボタン2cと十字キーボタン2dとを設けたが、ジョグダイアル、タッチセンサ、操作レバー等、これ以外の操作手段でもよい。さらに、遊技説明画面50専用の演出ボタンを別途設けてもよい。
【0227】
<第1変形例>
次に、本発明の第1変形例について、
図25を参照して説明する。
【0228】
第1変形例においては、
図9のタイミングt2において、演出ボタン画像30の表示位置が事前に決定されている表示位置に表示される前に、一旦、演出ボタン画像30を表示器8の表示領域の略中央に表示した後、移動させる変更演出を実行可能としている。
【0229】
まず、
図25(a)に示すように、
図9のタイミングt2において、演出ボタン画像30が表示器8の表示領域の略中央に表示される。このときに、演出ボタン2cの押圧操作状態を所定時間維持する、所謂長押し操作を促す「長押し!」の文字情報が表示器8の表示領域に表示される。
【0230】
この状態で、遊技者が長押し操作を開始すると、表示領域の略中央に表示された演出ボタン画像30が、例えば、
図25(b)に示すように、可動役物18aの近傍位置に移動を開始する。そして、事前に決定されている演出ボタン画像30の表示位置が、可動役物18aの近傍位置であった場合には、遊技者の長押し操作が所定時間(例えば、5秒)経過すると、
図25(c)に示すように、演出ボタン画像30が可動役物18aの近傍位置に到達して、以降
図16での説明と同様の演出が実行される。
【0231】
一方、事前に決定されている演出ボタン画像30の表示位置が、表示領域の略中央であった場合には、遊技者の長押し操作が所定時間(例えば、5秒)経過しても、演出ボタン画像30が可動役物18aの近傍位置に到達せずに、
図25(e)に示すように、演出ボタン画像30が表示領域の略中央に戻るフェイク演出を実行し、以降
図13での説明と同様の演出が実行される。
【0232】
以上のように第1変形例においては、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、第1の表示位置に表示された操作画像として演出ボタン画像30を、第2の表示位置に変更可能な変更演出を行う構成としている。
したがって、第1の表示位置に演出ボタン画像30が表示された場合でも、演出ボタン画像30が第2の表示位置に変更する場合もあるので、演出ボタン画像30が期待度の低い表示位置に表示された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止できる。
【0233】
なお、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が、補助表示器19、或いは上部演出ボタン21の近傍位置であった場合でも、同様の変更演出を実行可能としている。また、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が、表示領域の略中央であった場合の所定の確率で、補助装置の何れかの1つの方向に移動するフェイク演出が行われるが、フェイク演出の発生確率は、期待度の高い補助装置側に移動するものほど、低い発生確率に設定することが好ましい。
【0234】
また、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が補助装置の何れかの1つの近傍であった場合に、ARTに当選している場合には比較的高い確率で、或いは当選していない場合には比較的低い確率で変更演出の実行を決定することで、演出ボタン画像30の表示位置が、変更演出を経て決定された場合には、変更演出を経ないで決定された場合よりも、ARTの当選に対する期待度が高くなるように設定することが好ましい。
【0235】
<第2変形例>
次に、本発明の第2変形例について、
図26を参照して説明する。
【0236】
第2変形例では、演出ボタン2cを使用した演出が前述した実施形態と異なっている。また、前述した実施形態では、演出ボタン2cを使用した演出は、
図9のタイミングt1以降に実行されているが、第2変形例では、後半前兆演出の最終ゲーム(
図9では31ゲーム目のゲーム)の開始から実行される。したがって、第2変形例では、後半前兆演出の最終ゲームの開始時点で、対戦結果が確定する直前の画像が表示されている。
【0237】
図26に示すように、後半前兆演出の最終ゲームが開始されると、対戦結果が確定する直前の画像とともに、演出ボタン画像30の表示位置が事前に決定されている表示位置に関わらず、表示器8の表示領域の略中央に表示される。また、表示器8の表示領域には「押してみるか?」の文字情報が表示される。
【0238】
そして、演出ボタン画像30が表示領域の略中央に表示された時点で、演出ボタン2cの操作は有効となり、この時点で遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すれば、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置に対応した演出が実行される。例えば、演出ボタン画像30の表示位置が可動役物18aの近傍位置に事前決定されていた場合には、前述した
図16と同様の可動役物18aの動作を伴う最も期待度の高い演出が実行することとなる。
【0239】
すなわち、この時点では、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が、全ての表示位置の可能性を有していて、この全ての表示位置の可能性のある時点で演出ボタン2cの操作が行えるので、たとえ演出ボタン画像30の表示位置が最終的に期待度の低いものであっても、期待度の高い表示位置を期待して演出ボタン2cの押圧操作を可能としている。
【0240】
次に、遊技者が、演出ボタン2cの押圧操作を行わずに、リール16a~16cのうちの何れか1つのリールを停止すると、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が、表示領域の略中央以外であった場合には、
図26(b)に示すように、演出ボタン画像30の表示位置が、表示領域の略中央から補助表示器19の近傍位置に移動する。また、表示器8の表示領域には「まだ押さないのか?」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すれば、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が表示領域の略中央以外の表示位置に対応した演出が実行される。一方、この時点で、演出ボタン画像30が移動しなければ、演出ボタン画像30の表示位置が、表示領域の略中央で確定し、最も期待度の低い状態で演出ボタン2cの押圧操作を行うこととなる。
【0241】
すなわち、リール16a~16cのうちの何れか1つのリールを停止時点で、演出ボタン画像30が補助表示器19の近傍位置に移動した場合には、1番目のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン2cの操作が可能となるが、演出ボタン画像30が移動しなかった場合には、演出ボタン画像30の表示位置が表示領域の略中央に確定するので、1番目のリールを停止する前に比べて他の補助装置側に演出ボタン画像30が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン2cを操作しなければならなくなる。
【0242】
次に、遊技者が、演出ボタン2cの押圧操作を行わずに、リール16a~16cのうちの2番目のリールを停止すると、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が、補助表示器19の近傍位置以外であった場合には、
図26(c)に示すように、演出ボタン画像30の表示位置が、補助表示器19の近傍位置から上部演出ボタン21の近傍位置に移動する。また、表示器8の表示領域には「そろそろ押してみるか?」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すれば、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が上部演出ボタン21の近傍位置、及び可動役物18aの近傍位置の何れかに対応した演出が実行される。一方、この時点で、演出ボタン画像30が移動しなければ、演出ボタン画像30の表示位置が、補助表示器19の近傍位置で確定し、上部演出ボタン21の近傍位置、及び可動役物18aの近傍位置よりも期待度の低い状態で演出ボタン2cの押圧操作を行うこととなる。
【0243】
すなわち、リール16a~16cのうちの2番目のリールを停止時点で、演出ボタン画像30が上部演出ボタン21の近傍位置に移動した場合には、2番目のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン2cの操作が可能となるが、演出ボタン画像30が移動しなかった場合には、演出ボタン画像30の表示位置が補助表示器19の近傍位置に確定するので、2番目のリールを停止する前に比べてより期待度の高い補助装置側に演出ボタン画像30が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン2cを操作しなければならなくなる。
【0244】
次に、遊技者が、演出ボタン2cの押圧操作を行わずに、リール16a~16cのうちの最後のリールを停止すると、事前決定された演出ボタン画像30の表示位置が、可動役物18aの近傍位置であった場合には、
図26(d)に示すように、演出ボタン画像30の表示位置が、上部演出ボタン21の近傍位置にから可動役物18aの近傍位置に移動する。また、表示器8の表示領域には「押せ!」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン2cを押圧操作すれば、演出ボタン画像30の表示位置が可動役物18aの近傍位置に対応した演出が確定して実行される。一方、この時点で、演出ボタン画像30が移動しなければ、演出ボタン画像30の表示位置が、上部演出ボタン21の近傍位置で確定し、可動役物18aの近傍位置よりも期待度の低い状態で演出ボタン2cの押圧操作を行うこととなる。
【0245】
すなわち、リール16a~16cのうちの最後のリールを停止時点で、演出ボタン画像30が可動役物18aの近傍位置に移動した場合には、最後のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン2cの操作が可能となるが、演出ボタン画像30が移動しなかった場合には、演出ボタン画像30の表示位置が上部演出ボタン21の近傍位置に確定するので、最後のリールを停止する前に比べて最も期待度の高い可動役物18a側に演出ボタン画像30が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン2cを操作しなければならなくなる。
【0246】
以上のように第2変形例においては、操作画像制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、操作画像としての演出ボタン画像30が第2の表示位置に表示されている場合に、操作手段としての演出ボタン2cの操作に基づき、補助装置と関連した特定演出を実行可能とし、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20が、演出ボタン画像30を事前に第2の表示位置に変更を決定している場合には、演出ボタン画像30が第2の表示位置に変更される前であっても、演出ボタン2cの操作に基づき、特定演出を実行する構成としている。
【0247】
したがって、演出ボタン画像30が期待度の高い表示位置に移動可能として、その移動途中の任意の位置で遊技者による演出ボタン2cの押圧操作を可能としているので、演出ボタン画像30が期待度の高い表示位置に移動する可能性を秘めている時点で、演出ボタン2cの押圧操作を行うか、或いは、期待度の低い表示位置に確定してしまう虞はあるが、演出ボタン2cの押圧操作をせずに、比較的期待度の高い表示位置が確定してから安心して演出ボタン2cの押圧操作を行うか、等を遊技者が選択でき、遊技者の好みに応じて演出を実行することが可能となるのである。
なお、第2変形例で示した演出を、後半前兆演出の最終ゲームの全てで実行してもよいし、所定の確率で実行するようにしてもよい。また、所定の確率で実行する場合には、ARTに当選している場合には、当選していない場合よりも高い確率で実行するようにしてもよい。
【0248】
<第3変形例>
次に、本発明の第3変形例について、
図27を参照して説明する。
【0249】
第3変形例では、
図6に示した前半前兆演出の最終ゲームで実行される演出選択演出で表示される選択画面が、前述した実施形態と異なっていて、その他に関しては前述した実施形態と同様である。
【0250】
図27(a)に示す変形例では、演出選択演出で表示される選択画面における演出ボタン画像30の表示位置が前述した実施形態とは異なっている。例えば、
図27(a)に示す例では、最終的に左下の選択領域の後半前兆演出Aが選択されることが決定しているが、この際に、演出ボタン画像30の表示位置が、選択画面の中央ではなく、最終的に選択される後半前兆演出Aの選択領域方向に所定距離移動した箇所に変更されている。
【0251】
また、演出ボタン画像30の表示位置を決定する際には、最終的に選択される選択領域以外の選択領域側に移動する場合もあるが、最終的に選択される選択領域側に移動する方が高い確率で決定されるように選択確率が設定されている。例えば、ARTの非当選時には、最終的に選択される選択領域側に移動する確率を20%、中央に表示される確率を71%、最終的に選択されない3か所の選択領域側に移動する確率を各々3%で選択確率が設定され、ARTの当選時には、最終的に選択される選択領域側に移動する確率を30%、中央に表示される確率を55%、最終的に選択されない3か所の選択領域側に移動する確率を各々5%で選択確率が設定されている。したがって、実際に演出ボタン画像30の表示位置が移動した場合には、その移動した側の選択領域が選択される期待度が高くなり、さらに、ARTの当選に対する期待度も高くなっている。
【0252】
以上のように
図27(a)に示す変形例においては、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、抽選手段による抽選結果に基づき、演出選択演出における選択画面においても演出ボタン画像30の表示位置を制御するのである。
したがって、演出ボタン画像30の表示位置が変化することで、演出選択演出における遊技者の期待感を変化させることができ、興趣を向上することが可能となる。
【0253】
また、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20の制御により、選択画面の各選択領域上に表示される予告画像の表示位置を変更可能にしてもよく、例えば、
図27(b)に示すように、選択画面の左下の選択領域34においては、演出ボタン2cを模した予告画像37の表示位置が、選択領域34における左上に移動している。この場合には、選択領域34の後半前兆演出Aが選択された場合には、移行先の後半前兆演出Aにおいて、演出ボタン画像30が左上、すなわち可動役物18aの近傍位置に表示されて、可動役物18aの動作を伴う特定演出の実行が示唆されることとなる。
【0254】
また、選択画面の右下の選択領域33においては、予告画像37の表示位置が、選択領域33における右上に移動している。この場合には、選択領域33の後半前兆演出Cが選択された場合には、移行先の後半前兆演出Cにおいて、演出ボタン画像30が右上、すなわち補助表示器19の近傍位置に表示されて、補助表示器19の表示を伴う特定演出の実行が示唆されることとなる。
【0255】
以上のように
図27(b)に示す変形例では、後半前兆演出に移行前の時点で、移行先の演出の内容をより詳細に予告表示できるので、より遊技者の期待感を高められる興趣性の高い演出を実行できる。また、予告画像の表示位置で移行先の演出の示唆を行うので、一目でその内容が分かるような、従来にない斬新でより分かりやすい予告表示が行えるようになる。
【0256】
また、選択画面の選択領域の配置自体に期待度を持たせるようにしてもよく、例えば、
図27(c)に示すように、予告画像37が選択領域の左上に表示されて、可動役物18aの動作を伴う特定演出の実行が示唆された後半前兆演出Cを、表示領域の右上の選択領域31、すなわち、可動役物18aの近傍位置に配置し、予告画像37が選択領域の右上に表示されて、補助表示器19の表示を伴う特定演出の実行が示唆された後半前兆演出Bを、表示領域の右上の選択領域32、すなわち、補助表示器19の近傍位置に配置し、予告画像36が選択領域の右下に表示されて、上部演出ボタン21の使用を伴う特定演出の実行が示唆された後半前兆演出Bを、表示領域の右下の選択領域33、すなわち、上部演出ボタン21の近傍位置に配置してもよい。
【0257】
以上のように、
図27(c)の変形例においては、主制御部10及び副制御部20は、抽選手段による抽選結果に基づき、演出選択演出の選択画面において、選択領域が表示される配置を制御する選択領域表示制御手段を備えた構成としている。
したがって、選択領域の配置自体で、移行先の後半前兆演出で実行される特定演出の内容を示唆できるので、選択領域内の表示内容を細かく確認しなくても、ルーレットで選択された時点で予告内容を把握することができる。
【0258】
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、以下のような作用効果を発揮する。
本実施形態のスロットマシン1によれば、遊技中に、遊技者からの操作に基づいて遊技表示領域が広くなるように変更することで、遊技説明を表示(出現又は拡大)する。
これにより、遊技者は、遊技中であっても、各遊技状態に応じた遊技説明を確認することができ、どのように遊技を行えばよいか(楽しめばよいか)を把握することが可能になり、把握した状態で遊技を行うことができるため、興趣の低下を防止することができる。
一方、特許文献1には、非遊技中において演出ボタンを操作することで、遊技説明領域を出現させ、遊技説明が表示される遊技機が開示されている。
しかしながら、この遊技機では、遊技中に遊技説明領域を出現させることができないため、遊技中において、遊技者がどのように遊技を行えばよいか(楽しめばよいか)把握できないため、興趣の低下を招いてしまう虞があった。
【0259】
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、特典を付与するか否かを抽選する抽選手段と、抽選手段による抽選結果に基づき、演出を制御可能な演出制御手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、演出制御手段は、演出の実行中に、操作手段の操作を促す操作画像を表示するとともに、操作手段の操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報を表示可能な操作画像制御手段を備え、操作画像制御手段は、抽選手段による抽選結果に基づき、表示手段の表示領域において操作画像の表示位置を制御可能な表示位置制御手段を備えた構成としている。
【0260】
ここで、抽選手段、演出制御手段、操作画像制御手段、及び表示位置制御手段は、主制御部10が備えるものであってもよいし副制御部20が備えるものであってもよい。また、主制御部10と副制御部20の協働により構成されるものであってもよい。
また、演出としては、キャラクタによる対戦画像や各種スポーツ画像など、特典を付与するか否かを、その勝敗で報知できる画像のほか、複数の識別情報による変動表示ゲームなどであってもよい。
【0261】
また、操作画像とは、操作手段を模した画像の他、写真画像等であってもよい。
また、特典としては、ART、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ARTの上乗せゲーム数などが例示される。
また、操作手段としては、ボタン形式、レバー形式などが例示され、操作形態としては、押圧、引き下げ、引っ張りなどが例示される。
【0262】
また、特典の付与に関連した所定情報とは、ARTやボーナスの発生を報知する情報、ARTのゲーム数の上乗せ情報、ARTやボーナスの発生に対する期待度を報知する情報などが例示される。
また、表示位置を制御とは、画像の表示位置を条件に応じて変化させる制御、表示した画像を別の位置に移動させる制御、などを含む。
したがって、表示手段の表示領域において操作画像が表示される表示位置に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となる。
【0263】
また、表示手段の周辺に、演出を補助可能な補助装置を備え、表示位置制御手段は、操作画像を、第1の表示位置と、第1の表示位置よりも補助装置に近い位置である第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、操作画像を高い確率で第2の表示位置に表示する構成としている。
【0264】
したがって、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、特典の付与に対する期待度により変化を与えることができ、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0265】
また、補助装置は、複数の情報を表示可能であり表示手段とは個別に設けられる補助表示装置としている。
したがって、表示手段と補助表示装置とにより演出の興趣をより向上させることができる。また、操作手段の操作により補助表示装置に特典の付与に対する期待度を高めるような情報を表示すれば、操作画像の表示位置と補助表示装置との関連性を高めることができ、より興趣の高い演出が可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0266】
また、補助装置は、非作動状態と、所定部位が表示手段の表示領域の前方の位置となる作動状態と、に変換可能な可動役物装置としている。
ここで、所定部位とは、可動役物装置の一部、或いは全部であってもよく、例えば、可動役物装置に備えられる可動役物の一部であってもよく、或いは全部であってもよい。
したがって、表示手段と可動役物装置とにより演出の興趣をより向上させることができる。また、操作手段の操作により可動役物装置を作動状態に変換すれば、操作画像の表示位置と可動役物装置との関連性を高めることができ、より興趣の高い演出が可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0267】
また、補助装置は、遊技者が操作可能であり操作手段とは別個に設けられる特定操作手段としている。
したがって、特定操作手段を使用した演出も可能となり、より興趣をより向上させることができる。また、操作手段の操作により特定操作手段の操作を有効にすれば、操作画像の表示位置と特定操作手段との関連性を高めることができ、より興趣の高い演出が可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0268】
また、操作画像制御手段は、第1の操作画像と、第1の操作画像を拡大した第2の操作画像とを表示可能とし、第1の表示位置に第2の操作画像を表示する際の第1の操作画像に対する拡大基準点と、第2の表示位置に第2の操作画像を表示する際の第1の操作画像に対する拡大基準点と、を異ならせた構成としている。
したがって、第2の操作画像を補助装置に近い位置である表示手段の表示領域側部に表示する場合に、第2の操作画像を表示領域に確実に表示することが可能となる。
【0269】
また、表示位置制御手段は、第1の表示位置に表示された操作画像を、第2の表示位置に変更可能な変更演出を行う構成としている。
したがって、第1の表示位置に操作画像が表示された場合でも、操作画像が第2の表示位置に変更する場合もあるので、操作画像の表示位置で遊技者の期待感が低下してしまうことを防止できる。
【0270】
また、操作画像制御手段は、操作画像が第2の表示位置に表示されている場合に、操作手段の操作に基づき、補助装置と関連した特定演出を実行可能とし、表示位置制御手段が、操作画像を事前に第2の表示位置に変更を決定している場合には、操作画像が第2の表示位置に変更される前であっても、操作手段の操作に基づき、特定演出を実行する構成としている。
【0271】
ここで、補助装置と関連した特定演出とは、補助装置の動作を伴う演出、補助装置に表示された情報を使用した演出、補助装置の操作を指示する演出、などを含む。
したがって、操作画像が第2の表示位置に変更される前の、第2の表示位置に変更される可能性のある時点で、変更されることを期待して操作手段を操作してもよいし、或いは、操作画像が第2の表示位置に変更後に、安心して操作手段を操作してもよく、遊技者の好みに応じた時期に操作手段の操作を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
【0272】
一方、例えば特開2017-064268号公報には、演出の実行中に、演出ボタン画像を表示して、遊技者が演出ボタンを操作すると演出の結果を報知する遊技機が開示されているが、演出ボタン画像の表示は、単に遊技者に対して演出ボタンの操作を促すに過ぎず、遊技が単調化してしまい、遊技者の期待感にメリハリを持たせ難かった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0273】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特定遊技状態をARTとしたが、AT又はRTでもよい。
【0274】
また、本実施形態では、後半前兆演出における結果確定演出において、ARTの当選の有無を報知する際に、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用しているが、ARTの当選に対する期待度を報知する際に、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用してもよく、例えば、前半前兆演出中、後半前兆演出中、或いは高確率状態(所謂チャンスゾーン)中の所定時期において、ARTの当選に対する期待度を表示する画像(所謂カットイン画像)を表示する際に、演出ボタン画像30の表示、及び演出ボタン2cを使用するようにしてもよい。この場合、演出ボタン画像30の表示位置に応じて、期待度の異なる画像を表示するようにしてもよく、また、補助装置と関連した特定演出とともに期待度の異なる画像を表示するようにしてもよい。このようにすれば、遊技の興趣をさらに高めることができる。
【0275】
また、ART中に実行されるARTのゲーム数を加算する上乗せ演出において、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用してもよく、例えば、上乗せを確定する際に演出ボタン2cを使用する場合には、演出ボタン画像30の表示位置に応じて、上乗せの有無に対する期待度を変化させたり、演出ボタン画像30の表示位置に応じて、上乗せされるゲーム数に対する期待度を変化させたりしてもよい。また、演出ボタン画像30の表示位置に応じた特定演出を実行してもよい。このようにすれば、上乗せ演出の興趣を向上でき、遊技者の期待感を高めることができる。
【0276】
また、「ボーナス役」の抽選契機役、或いはARTの抽選契機役に当選したゲームにおいて、スタートレバー3の操作後直ちに、演出ボタン画像30を表示し、遊技者による演出ボタン2cの押圧操作により、ボーナスの発生演出、或いはARTの後半前兆演出を開始するようにしてもよい。また、この場合に、「ボーナス役」、或いはARTの当選期待度に応じて、表示位置制御手段による演出ボタン画像30の表示位置の制御を行うようにしてもよい。さらに、ボーナスの発生演出、或いはARTの前兆演出として、所定数(例えば、最大3回)のゲームが実行される毎に、例えば、背景色が変化する等の徐々に期待度が高まるステップアップ演出を実行可能とし、このゲームの実行毎に演出ボタン画像30を表示して、遊技者による演出ボタン2cの操作毎に次のステップに移行するようにしてよい。この場合、ステップが移行する毎に、演出ボタン画像30の表示位置を表示領域の中央から右上、さらには左上等に移動して表示位置の期待度を高めるようにしてもよい。このようにすれば、興趣を向上でき、遊技者の期待感を高めることができる。
【0277】
また、本実施形態においては、演出ボタン画像30よりも拡大演出ボタン画像30aが表示された場合の方が、ARTの当選に対する期待度が高まるようにしているが、拡大演出ボタン画像30aの替わりに、演出ボタン画像30の色を変化させたり、演出ボタン画像30の上に所定のキャラクタが載置された画像を表示させたりすることで、ARTの当選に対する期待度を高めるようにしてもよい。このようにすれば、より多彩な演出で、遊技者の期待感を高めることができる。
【0278】
また、演出ボタン2c及び上部演出ボタン21にモータ等の作動により振動する振動手段を内蔵して、遊技者が操作する際に振動手段を作動させるようにしてもよい。この際には、ARTの当選に対する期待度が高い演出のときに振動手段を作動させることが好ましい。このようにすれば、さらに遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0279】
また、遊技者の手が演出ボタン2cに近づいたことを検出可能な検出センサ(例えば、赤外線センサ)を設け、検出センサの検出信号に基づき、演出ボタン画像30の位置を期待度の高い位置に変化させるようにしてもよいし、演出ボタン画像30を拡大演出ボタン画像30aに変化させるようにしてもよい。また、演出ボタン画像30を上部演出ボタン画像40に変化させるようにしてもよい。このようにすれば、演出ボタン2cを押圧操作する直前に、画像が変化するので、従来にない斬新な演出が可能となる。
【0280】
また、ART、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、高確率状態が一連して発生する間のゲーム数を監視し、このゲーム数が所定の上限数(例えば、1500回)を超えないように制限する手段を設けてもよい。また、上限数を超える条件下での上乗せ演出、及び内部的な発生権利の加算を伴うARTの前兆演出の発生を無効にする手段を設けてもよいし、演出ボタン2c(或いは上部演出ボタン21)を使用する上乗せ演出、或いは期待度の高い表示位置での演出ボタン画像30の表示を伴う上乗せ演出の発生確率を下げるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の不満感を低減することができる。
【0281】
また、ART中において表示器8で操作順序をナビゲートする情報を表示する場合に、ナビゲート情報を、演出ボタン画像30或いは上部演出ボタン画像40とは異なる位置に表示することが好ましい。
【0282】
また、本実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が実行する動作を、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
【0283】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【0284】
また、各実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリールを用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。
【符号の説明】
【0285】
1 スロットマシン
2 メダル投入口
2c 演出ボタン
2a ベットボタン
2c 演出ボタン
2d 十字キーボタン
3 スタートレバー
5 停止ボタン
8 表示器
9 スピーカ
10 主制御部
11 ランプ
16 リー
18 可動役物装置
19 補助表示器
20 副制御部
21 上部演出ボタン
30 演出ボタン画像
50 遊技説明画面
52 操作催促画像
53 ナビ画像
R 特定表示領域