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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】筐体パーツ選定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231030BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019210085
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021082093
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落合 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳史
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 淑子
(72)【発明者】
【氏名】山下 くらら
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-073104(JP,A)
【文献】特開2002-269156(JP,A)
【文献】特開2017-068834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気電子機器収納用箱の筐体に取り付ける筐体パーツをユーザがWEB上で選定するために用いられる筐体パーツ選定システムであって、
表示部に表示された筐体パーツを実装した筐体の図面から筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツを選択可能とし、
ユーザが入力した事項を反映して、筐体における筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツの使用用途を決定する属性決定手段と、
筐体パーツ毎の使用部位、若しくは、使用用途を記録した筐体パーツデータベースと、
筐体パーツデータベースに記録された情報から、属性決定手段が決定した使用部位、若しくは、使用用途が一致する筐体パーツを抽出する関連パーツ抽出手段と、
関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツをユーザが選択可能に表示する関連パーツ表示手段と、
を備えた筐体パーツ選定システム。
【請求項2】
電気電子機器収納用箱の筐体に取り付ける筐体パーツをユーザがWEB上で選定するために用いられる筐体パーツ選定システムであって、
ユーザが電気電子機器収納用箱に取り付ける筐体パーツの使用部位、筐体パーツの使用用途、又は、筐体パーツを入力可能な入力手段と、
ユーザが入力した事項を反映して、筐体における筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツの使用用途を決定する属性決定手段と、
筐体パーツ毎の使用部位、若しくは、使用用途を記録した筐体パーツデータベースと、
筐体パーツデータベースに記録された情報から、属性決定手段が決定した使用部位、若しくは、使用用途が一致する筐体パーツを抽出する関連パーツ抽出手段と、
関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツをユーザが選択可能に表示する関連パーツ表示手段と、
を備え、
属性決定手段は、入力手段により筐体パーツの使用部位、または筐体パーツの使用用途が入力された場合には、その情報を用いて、筐体パーツの使用部位、または、筐体パーツの使用用途を決定可能であり、入力手段により筐体パーツが入力された場合には、入力された筐体パーツの筐体パーツデータベースに記録された情報を用いて、筐体パーツの使用部位、もしくは、使用用途を決定可能であり、
関連パーツ抽出手段は、属性決定手段が決定した筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツの使用用途と、使用部位若しくは使用用途が一致する筐体パーツを抽出可能である、
筐体パーツ選定システム。
【請求項3】
関連パーツ表示手段により抽出された筐体パーツより、ユーザが複数の筐体パーツを選択した場合に、筐体パーツ同士の組合せの可否を判定する組合せ判定手段を備えた請求項1又は2に記載の筐体パーツ選定システム。
【請求項4】
ユーザから入力された使用条件と、選択した筐体パーツの使用条件とが一致するかを判定する使用条件判定手段を備えた請求項1~の何れかに記載の筐体パーツ選定システム。
【請求項5】
選択した筐体パーツを筐体に取り付けた状態の組立図面を表示させる組立図面表示手段を備えた請求項1~の何れかに記載の筐体パーツ選定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体パーツ選定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、電子機器を搭載する筐体の注文を行えるシステムが知られている。このシステムを利用するユーザは、メーカのカタログから筐体の内側や外側に取り付ける筐体パーツを選定することで、筐体と同時に筐体パーツを注文できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-68834号公報
【0004】
ところで、従来、ユーザは筐体パーツを選定するために膨大な数のカタログを調べる必要があった。また、メーカが取り扱っている筐体パーツを把握する必要があり、選択した筐体パーツが筐体に取り付け可能かを確認する必要もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、筐体パーツのカタログを持っていないユーザであっても筐体に取り付ける筐体パーツを容易に選定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、電気電子機器収納用箱の筐体に取り付ける筐体パーツをユーザがWEB上で選定するために用いられる筐体パーツ選定システムであって、ユーザが入力した事項を反映して、筐体における筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツの使用用途を決定する属性決定手段と、筐体パーツ毎の使用部位、若しくは、使用用途を記録した筐体パーツデータベースと、筐体パーツデータベースに記録された情報から、属性決定手段が決定した使用部位、若しくは、使用用途が一致する筐体パーツを抽出する関連パーツ抽出手段と、関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツをユーザが選択可能に表示する関連パーツ表示手段と、を備えた筐体パーツ選定システムとする。
【0007】
また、属性決定手段は、ユーザが入力した、筐体パーツを特定する情報より、筐体における筐体パーツの使用部位、若しくは、使用用途を決定し、関連パーツ抽出手段は、筐体パーツデータベースに記録された情報から、属性決定手段が決定した使用部位、若しくは、使用用途が一致する筐体パーツを抽出し、関連パーツ表示手段は、関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツをユーザが選択可能に表示する構成とすることが好ましい。
【0008】
また、表示部に表示された筐体パーツを実装した筐体の図面から筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツを選択可能とした構成とすることが好ましい。
【0009】
また、関連パーツ表示手段により抽出された筐体パーツより、ユーザが複数の筐体パーツを選択した場合に、筐体パーツ同士の組合せの可否を判定する組合せ判定手段を備えた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、ユーザから入力された使用条件と、選択した筐体パーツの使用条件とが一致するかを判定する使用条件判定手段を備えた構成とすることが好ましい。
【0011】
また、選択した筐体パーツを筐体に取り付けた状態の組立図面を表示させる組立図面表示手段を備えた構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、筐体パーツのカタログを持っていないユーザであっても筐体に取り付ける筐体パーツを容易に選定できるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における筐体パーツ選定システムに用いられる端末とサーバの関係を表す概念図である。
図2】筐体パーツデータベースに記録された内容の例を表す図である。
図3】筐体データベースに記録された内容の例を表す図である。
図4】ユーザが使用する端末の表示部に筐体パーツを実装した筐体の図面から筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツを選択可能とした例を示す図である。
図5】ユーザが使用する端末の表示部に、選択した筐体パーツと使用部位が一致する筐体パーツの表示を、他の筐体パーツと区別できるように表示した例を示す図である。
図6】必要とする筐体パーツを選択した例を示す図である。ただし、矢印が付されているものが選択した筐体パーツである。
図7図6で選択した筐体パーツの詳細を示す例を表した図である。ただし、この画面で選択した筐体パーツは選択の欄が黒色の四角の表示となっている。
図8】選択した筐体パーツを筐体に取り付けた例を画面に表示することを表す図である。
図9】穴加工位置を選択する際に表示される画面の例を示した図である。
図10】使用条件の設定に利用される画面の例を表す図である。
図11】筐体パーツ選定システムの利用例を表すフローである。
図12】使用する部位や筐体パーツを特定するための画面について、図4とは異なる例を表す図である。
図13図12に示す画面において、使用する部位をタブリストから選択できることを表す図である。
図14図12に示す画面において、使用する部位を特定した場合に、当該使用する部位に適用できる筐体パーツのリストが表示できることを表す図である。
図15】筐体パーツ同士の組み合わせが不適切であると判定した場合の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の筐体パーツ選定システム1は、電気電子機器収納用箱の筐体に取り付ける筐体パーツをユーザがWEB上で選定するために用いられるものである。この筐体パーツ選定システム1は、ユーザが入力した事項を反映して、筐体における筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツの使用用途を決定する属性決定手段と、筐体パーツ毎の使用部位、若しくは、使用用途を記録した筐体パーツデータベース24と、筐体パーツデータベース24に記録された情報から、属性決定手段が決定した使用部位、若しくは、使用用途が一致する筐体パーツを抽出する関連パーツ抽出手段と、関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツをユーザが選択可能に表示する関連パーツ表示手段と、を備えた構成とする。このため、筐体パーツのカタログを持っていないユーザであっても筐体に取り付ける筐体パーツを容易に選定できるようにすることが可能となる。また、関連パーツを表示することができるため、メーカで扱っている製品をユーザに知らせることが可能である。
【0015】
ここで、実施形態における筐体パーツ選定システム1に用いる端末11とサーバ21の関係について説明する。図1に示すことから理解されるように、ユーザが使用する端末11には、筐体に取り付けられるパーツを表示する表示部12と、サーバ21と通信する通信手段13と、ユーザが情報を入力するための入力手段14を備えている。また、サーバ21には、各種演算を行う演算部22と、筐体の情報を記憶した筐体データベース23と、筐体に取り付ける筐体パーツの情報を記憶した筐体パーツデータベース24と、演算結果などを記憶する記憶部25を備えている。
【0016】
ユーザが入力手段14で情報を入力すると、当該入力内容に合わせた情報がサーバ21で選定されるため、ユーザは当該情報を端末11の表示部12で確認することができる。
【0017】
この筐体パーツ選定システム1に備えられた筐体パーツデータベース24は、図2に示すように、筐体パーツ毎に、型番、サイズ、定格電流、使用部位、使用用途、図面データ(二次元若しくは三次元図面データ)などを記録しておくのが好ましい。このようにすれば、紐づけられたそれらの情報を基に情報を利用することができる。例えば、ユーザが特定の筐体パーツを選択したときには、その筐体パーツの使用部位が何かを筐体パーツデータベース24と属性決定手段より特定し、特定された使用部位に属する他の筐体パーツを抽出することができる。使用部位としては、扉、側板、背面板などの筐体面や、内部の機器取付板、また、それぞれの表裏面などである。図2に示す例では、蝶番を筐体パーツとして選択した場合には、蝶番の使用部位として、扉が特定されているので、使用部位に扉が特定されている他の筐体パーツ(ケーブルホルダ、ケーブルクランプなど)を抽出し、表示させることができる。なお、ユーザが特定の筐体パーツを選択したときに、その筐体パーツの使用用途が何かを筐体パーツデータベース24と属性決定手段より特定し、同様な流れで、特定された使用用途に属する他の筐体パーツを抽出するようにしても良い。使用用途としては、盤内外装用、低高圧用、配線補助用、監視カメラ用、海岸付近用など設置場所や用途、目的などが分類されている。使用部位と使用用途を選択した場合には、それぞれが合致するものを抽出されるものである。
【0018】
上記の例とは異なり、筐体パーツではなく使用部位を先に選んだ場合、選定した使用部位が特定されている筐体パーツを抽出すればよい。なお、使用部位を特定することに限らず、使用用途など、筐体パーツデータベース24でグループ分けできるものをユーザが特定した場合は、同様な流れで、特定したグループに属する筐体パーツを抽出するようにすれば良い。
【0019】
また、実施形態の筐体パーツ選定システム1では、筐体パーツが筐体に取り付けられるか否かを判定することを可能とするために、筐体自体の情報を記憶した筐体データベース23が備えられている。このような筐体データベース23は、図3に示すように、型番、サイズ、防塵防水性能(IP)、使用用途、図面データ(二次元若しくは三次元図面データ)などを記録しておくのが好ましい。例えば、使用用途として、筐体の設置場所を工場や屋外とする場合には、IPで定められる性能が所定以上であるものや、屋外用の条件が特定されている筐体を選定するように、筐体パーツ選定システム1が促すものとすることが望ましい。実施形態の筐体パーツ選定システム1では、選定した筐体に対して適合する筐体パーツを、大きさなどを基準にして、筐体パーツデータベース24より抽出することができる。
【0020】
ここで、筐体パーツ選定システム1を用いた筐体パーツの選定方法の例について説明する。実施形態の筐体パーツ選定システム1では、図4に示すことから理解されるように、端末11の表示部12に、筐体パーツを取り付けた筐体の図などが表示されるようになっている。この図は、選定箇所特定図表示手段により表示される。選定用ユーザは、この図などが表示された画面で筐体の天井面、扉面、左右側板面、背面板、底面、機器取付板、外側面といった使用部位を選択することができる。また、筐体パーツ自体を選択することもできる。
【0021】
選択可能な部分を分かりやすくするため、選択可能な筐体パーツ自体を他の表示と異なるようにするのが好ましい。図4に示す例では、ダクト、ポール、ポール取り付け金具、セパレータ、中扉セットなどを他の機器と異なる色とすることで、選択できることを分かりやすくしている。勿論、選択できる筐体パーツは、これらに限る必要は無いし、表示方法もこの例に限る必要は無い。
【0022】
実施形態では、上記した画面で使用部位もしくは筐体パーツを選ぶと画面を切り替えることができる。この例では、使用部位として扉面を選択したことにより図5に示すような画面に切り替わる。図5に示す画面では、使用部位である扉面に適用する筐体パーツと、適用しない筐体パーツの双方を表示している。その上で、使用部位である扉面に適用される筐体パーツ(関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツ)を、区別できるように表示している。
【0023】
具体的には、使用部位に使用される筐体パーツを表す部分を、他の筐体パーツを表す部分と異なる色としている。このように表示することで、選択した使用部位に適用できる筐体パーツが分かるとともに、選択した使用部位に適用できない筐体パーツも示すことができる。したがって、ユーザは意図していなかったパーツを目にすることになり、ユーザが検討対象とすることができる筐体パーツの幅を広げることができる。なお、このような表示はせずに、前段階で選択した項目に該当する筐体パーツのみを表示する方法を選択できるようにしても良い。
【0024】
この例のように、表示部12に表示された筐体パーツを実装した筐体の図面から筐体パーツの使用部位、若しくは、筐体パーツを選択可能とするのが好ましい。筐体パーツを実装した筐体の組立図面から、筐体パーツや使用部位を選択させることができると、文字入力作業の手間を省くことができる。
【0025】
実施形態では、図5に示す画面の中から、ユーザが所望の筐体パーツを1つ若しくは複数選択することができる。この例では、図6に示すように、選択した筐体パーツは、更に表示の色が変わる。なお、選択したものが分かればよいため、色を変更するのではなく、チェックボックスにチェックが入る表示など、その他の表示方法を採用しても良い。
【0026】
実施形態においては、必要となる全ての選択が終了したことを筐体パーツ選定システム1が判定できると、選択した筐体パーツの詳細が表示される画面に移動する。図7に示す例では、選択した筐体パーツとその詳細が確認できるように表示されている。ユーザはこの画面から詳細情報を確認し、必要なものを選択して購入リストに含めるようにすれば良い。他の筐体パーツが必要である場合は、最初から選びなおすようにしても良いし、関連する筐体パーツが表示された画面などから選べるようにしても良い。
【0027】
なお、複数の筐体パーツを選択した場合に、筐体パーツ同士の組合せの可否を判定する組合せ判定手段を備えた構成とするのが好ましい。そうすれば、組み合わせができない筐体パーツ同士を選択するミスを抑制することができる。
【0028】
実施形態では、選択された筐体パーツの組み合わせが何らかの理由で適切でない場合、図7に示すような筐体パーツの詳細を表示する画面で、警告表示を出すようにしている。例えば、筐体が選択されていて、その筐体に対して特定の筐体パーツを取り付けるのが不適切であると推定される場合に警告表示を出す。また、選択されている筐体パーツの中に組み合わせて使用されることが予想される筐体パーツがあり、それらの筐体パーツの互いの電流や電圧の使用域が異なるような場合に警告表示を出す。ただし、選択した筐体パーツを組み合わせて使用しない場合や異なる筐体に搭載することも想定されるため、不適切とされる組み合わせのものであっても、選択や購入はできるようにしている。
【0029】
ところで、選択した筐体パーツを筐体に取り付けた状態の組立図面を表示させる組立図面表示手段を備えた構成とすることが好ましい。そうすれば、選択した筐体パーツの設置状態を確認できるので、ユーザは最終形状をイメージできる。図8に示す例においては、樹脂キャビネットにドーム窓と丸型防水ルーバーを取り付けた状態を示すイメージ図が表示部12に表示されている。また、実施形態では、一旦、筐体に筐体パーツを組み込んだものを表示させた後であっても、筐体や筐体パーツを変更することができるようにしている。また、筐体パーツの配置を変更させることもできる。
【0030】
特に、筐体パーツを筐体に取り付けるために、筐体に穴加工をすることが必要な場合であって、初期設定の位置から筐体パーツの位置を変更させたい場合に対応できるようにするため、実施形態の筐体パーツ選定システム1では、穴加工位置選択手段を用いて穴加工位置を指定できるようにしている。通常、筐体における穴加工のできる範囲は制限されるが、図9に示すように、穴加工できない位置を斜線などで表し、それ以外の位置で穴加工位置を指定できるようにすれば、穴加工のできる範囲を加味して筐体パーツの配置を定めることができる。
【0031】
なお、ユーザから入力された使用条件と、選択した筐体パーツの使用条件とが一致するかを判定する使用条件判定手段を備えた構成とするのが好ましい。そうすれば、使用条件に適合しない筐体パーツを選択するミスを抑制することができる。実施形態の筐体パーツ選定システム1では、筐体の使用場所やサイズ、設置方法などを別途選択することで、選択した筐体パーツが用途に合うか否かを判定することができる使用条件判定手段を備えている。
【0032】
例えば、図10に示すように、使用場所として、屋外、屋外(海の近く)、屋内、工場用などを特定することができるようにすれば、使用環境に対する筐体パーツの適合性などを判定することができる。より具体的な例としては、使用場所として、「海の近く」を選択しつつ、鉄製の筐体を選択していた場合には、錆などの危険性から、選択した筐体は選択した条件に適合していないと判定させる。この場合、樹脂製のキャビネットへの変更を促すようにしても良い。
【0033】
筐体のサイズとして、高さと幅と奥行などを特定することができるようにすれば、大きさなどを基準に、筐体パーツの適合性などを判定することができる。
【0034】
設置方法として、壁面取り付け、ポール取り付け、自立取り付けなどを特定することができるようにすれば、取り付け方法に起因する適合性を判定することができる。例えば、設置方法として、背面を選択していた場合には背面板の取り付け位置に機器が設置していないかなどを判定させるようにすれば良い。
【0035】
ここで、筐体パーツ選定システム1を利用する際の流れの例について説明する。図11に示すことから理解されるように、この例では、選定箇所特定図表示手段により選定箇所特定図を端末11に表示する(S001)。ユーザは、端末11の表示部12に表示された選定箇所特定図から、使用部位または筐体パーツを選択する(S002)。その後、ステップ002における選択によって、ユーザが筐体パーツを選択したか否かを、筐体パーツ選定システム1が判定する(S003)。ユーザが筐体パーツを選択したと判定した場合、筐体パーツデータベース24と属性決定手段を用いて、選択した筐体パーツの筐体における使用部位を抽出する(S015)。
【0036】
ステップ003を経て使用部位が特定されたら、関連パーツ抽出手段を用いて、当該使用部位に属する筐体パーツを抽出する。その後、関連パーツ表示手段を用いて、当該使用部位に属する筐体パーツの一覧を端末11に表示する(S004)。なお、このステップ以前に筐体パーツが特定されている場合、この特定されている筐体パーツを他の筐体パーツと異なる表示となるようにするのが好ましい。
【0037】
ユーザは端末11に表示された筐体パーツから、詳細を確認したい筐体パーツを選択する(S005)。その後、選択された筐体パーツの詳細が表示される(S006)。ユーザは筐体パーツの詳細情報を確認した上で、必要なものを購入リストに加える(S007)。
【0038】
ステップ007の後、他の筐体パーツを選択する必要があるか否かを判定する(S008)。他の筐体パーツを選択する必要がある場合、再びステップ001に戻るなどして、必要な筐体パーツを全て選択する。
【0039】
必要な筐体パーツを全て選択したら、ユーザは使用条件を入力する(S009)。その後、組合せ判定手段や使用条件判定手段を用いて、選択した筐体パーツの組み合わせや使用条件に問題が無いかを判定する(S010)。問題ない場合、購入リストと購入リストパーツを図面に組み込んで表示する(S011)。この際、組立図面表示手段を用い、選択した筐体パーツを筐体に取り付けた状態の組立図面を表示させる。選択した筐体パーツに関し、組み合わせや使用条件に問題がある場合、その筐体パーツを表示する(S016)。ユーザはステップ016で表示された内容を見て、必要に応じて筐体パーツの変更を行う(S017)。
【0040】
また、ユーザはステップ011で表示された図を確認して、筐体パーツの位置を変更するか否かを決める(S012)。位置の変更がない場合、見積画面や発注情報を表示する(S013)。ユーザは、見積画面などを確認して、問題が無ければ、発注手段を用いて発注する(S014)。
【0041】
筐体パーツの位置を変更する場合、穴加工位置やパーツ位置を変更するための画面を端末11に表示する(S018)。ユーザは、この表示を確認して、穴加工位置選択手段などを利用して、筐体パーツの位置を変更する(S019)。筐体パーツの位置に問題がないことが確認される状態となったら、見積画面や発注情報を表示する(S013)。
【0042】
ところで、図11に示す流れのステップ001では、筐体パーツを実装した筐体の図面である選定箇所特定図を表示するものとしたが、図12に示すことから理解されるように、使用部位や筐体パーツの選択は、筐体を表す図を利用しなくても良い。図12及び図13に示す例では、使用する部位は扉部や背面部などが記載されたタブリストから選択することができる。なお、名称やキーワードなどを打ち込むことで、使用部位を選択できるようにしても良い。
【0043】
タブリストなどを用いて使用する部位が選択された場合は、選択された使用部位に使用可能な筐体パーツをリストにして表示するのが好ましい。例えば図14に示すようなものである。
【0044】
筐体パーツの選択については、使用部位の選択と同様、タブリストを採用するものとしても良いし、名称やキーワードなどを入力できるようにしても良い。筐体パーツを選択した場合は、その筐体パーツの使用部位に属する他の筐体パーツを筐体パーツデータベース24に記憶されている情報から抽出し、それらを端末11に表示するのが好ましい。
【0045】
なお、使用部位の他に、監視カメラ用、高圧用、EMC用、機械周辺用などの使用用途を特定して、同様の表示をするようにしても良い。つまり、属性決定手段は、ユーザが入力した、筐体パーツを特定する情報より、筐体における筐体パーツの使用部位、若しくは、使用用途を決定し、関連パーツ抽出手段は、筐体パーツデータベース24に記録された情報から、属性決定手段が決定した使用部位、若しくは、使用用途が一致する筐体パーツを抽出し、関連パーツ表示手段は、関連パーツ抽出手段により抽出された筐体パーツをユーザが選択可能に表示するのが好ましい。このようにすれば、筐体パーツを特定する情報をユーザが入力することにより使用部位などを抽出し、関連パーツを特定して表示させることができる。
【0046】
属性決定手段は、ユーザが入力した、筐体パーツの名称、または、キーワードより、筐体の使用部位、若しくは、筐体パーツの使用用途を決定するように機能させるのが好ましい。
【0047】
なお、図11に示すステップ010では、筐体パーツの組み合わせの可否を判定するようにしているが、組み合わせができないと判定した場合は、エラー表示が行われる。先に記載した例では図7に示す画面上にエラー表示を出していたが、図15に示すように、他の画面上でエラー表示するようにしても良い。
【0048】
図15に示す例では、選択した母線バーの定格電流が100Aであるのに対して、バーホルダの定格電流は50Aであるため、エラー表示を行っている。このエラー表示では、問題のある組み合わせを他の筐体パーツと区別できるように表示されている。また、パーツ位置の変更のための画面への移動や発注のための画面への移動ができないようにしている。このように、視覚的にわかりやすいエラー表示とすることで、ユーザに対して問題があることを理解させやすくしている。
【0049】
ところで、図4などに示した例の端末11は、タブレット型のものとしているが、キーボードが接続されているコンピュータなどを利用しても良い。サーバ21はメーカにおいてあるものを利用しても良く、インターネットなどの通信手段13を介して端末11と接続する。なお、サーバ21自体をユーザが使用する端末11に形成するものであっても良い。
【0050】
筐体パーツデータベース24や筐体データベース23に記憶されたサイズ、型番、パーツ名称、定格情報、価格、使用部位、使用用途などの各種情報は、メーカ側で変更の設定ができるようにするのが好ましい。そうすると、情報の更新がしやすくなる。
【0051】
また、筐体パーツを選定した結果などをサーバ21などに設けた記憶部25に納入しておくのが好ましい。この記憶部25へのアクセスはIDによる管理により制限されるのが好ましい。
【0052】
なお、実施形態では、選定箇所特定図表示手段を機能させるために、あらかじめ、筐体データベース23の内部に筐体パーツを装着した筐体の情報などが使用用途ごとに記憶されている。最初にユーザから使用用途を入力することで該当するパーツを抽出することができる配置図面は二次元の写真から選択するものであっても良いし、三次元の立体状に示したCAD図のものでも良い。
【0053】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、各画面に表示される図は写真を基にしたものであっても良いし、写真にイラストなどを組み合わせたものであっても良い。
【符号の説明】
【0054】
1 筐体パーツ選定システム
11 端末
12 表示部
24 筐体パーツデータベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15