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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】空調制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20231030BHJP
   H05B 45/00 20220101ALI20231030BHJP
【FI】
B60H1/00 103W
H05B45/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019228427
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021095031
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 悠三
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-038715(JP,A)
【文献】実開平06-000973(JP,U)
【文献】国際公開第2007/034593(WO,A1)
【文献】特開2018-016197(JP,A)
【文献】特開2017-152836(JP,A)
【文献】特開2010-179735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
H05B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷房機能を有する空調装置を操作する操作画面を作成する操作画面処理手段と、
バックライトによって照明され、前記操作画面を表示する液晶表示装置と、
前記液晶表示装置の画面上に重ねて配置されたタッチパネルを用いて前記操作画面内の操作位置を検出する位置検出手段と、
前記バックライトの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段によって検出した温度が基準値を超えたときに、前記バックライトを消灯するとともに、前記位置検出手段によって前記タッチパネルへの接触を検出したときに、前記バックライトの点灯を一時的に行う制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記バックライトの消灯時に、前記操作画面処理手段の動作を停止し、
前記位置検出手段による検出動作は、前記操作画面処理手段と連係して行っており、
前記制御手段による前記操作画面処理手段の動作停止時に、前記位置検出手段による検出動作の連携先を前記操作画面処理手段から前記制御手段に切り替える切替手段をさらに備えることを特徴とする空調制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出した温度が基準値を超えているときに、前記バックライトの消灯と点灯を繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出した温度と前記基準値との差が大きいほど、前記バックライトの点灯時の明るさを暗くすることを特徴とする請求項1または2に記載の空調制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出した温度と前記基準値との差が大きいほど、前記バックライトの点灯時間を短くすることを特徴とする請求項1または2に記載の空調制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷房機能を有する空調装置に対して動作指示を行う空調制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LCDモニタ周囲の温度が設定温度に達するとLCDモニタのバックライト用の電源をオフとし、温度の低下を待って再びバックライトをオンとするとともに、ユーザがどうしても必要な情報を取得したい場合には、ユーザが所定の操作キイを押したときに一定の短時間だけバックライトを点灯させて必要な情報を表示するようにした車載用ディスプレイ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近の車載装置の中には、エアコン(空調装置)を含む各種の機器の操作をタッチパネルを用いて行うものがある。このような車載装置では、バックライトを非点灯状態にしたときにタッチパネルが使えなくなってしまい、空調制御が行えないため、例えば炎天下で駐車中の車両に乗り込んだ際にエアコンが起動できないという問題があった。この点は、上述した特許文献1に開示された車載用ディスプレイ装置では解決できない。例えば、所定の操作キイをタッチパネルで実現した場合には、バックライトの非点灯時にはこの操作キイの操作もできないため、バックライトを点灯させるトリガがなくなってしまう。また、最近では、タッチパネルやこれと組み合わされる液晶表示装置の面積拡大とともに、動画表示などにも用いることが多くなって高解像度化も進んでおり、表示画面生成用に処理能力が高く、発熱量も多い専用のグラフィックチップが一般に用いられるようになったが、上述した特許文献1の構成ではこのようなグラフィックチップによる発熱については何も対策がなされていない。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、高温環境下でもタッチパネルを用いた空調制御が可能であって、自装置の温度を下げることができる空調制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の空調制御装置は、冷房機能を有する空調装置を操作する操作画面を作成する操作画面処理手段と、バックライトによって照明され、操作画面を表示する液晶表示装置と、液晶表示装置の画面上に重ねて配置されたタッチパネルを用いて操作画面内の操作位置を検出する位置検出手段と、バックライトの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段によって検出した温度が基準値を超えたときに、バックライトを消灯するとともに、位置検出手段によってタッチパネルへの接触を検出したときに、バックライトの点灯を一時的に行う制御手段とを備えている。
【0007】
バックライトの温度が基準値を超える高温環境下でバックライトを消灯することにより、自装置の温度を下げることが可能となる。また、この消灯時にタッチパネルへの接触を検出したときに一時的にバックライトを点灯させることにより、バックライトの発熱量を抑えながら操作画面を用いた利用者による空調装置に対する操作(空調制御)が可能となる。
【0008】
また、上述した制御手段は、温度検出手段によって検出した温度が基準値を超えているときに、バックライトの消灯と点灯を繰り返し行うことが望ましい。これにより、一時的な点灯時に完了しなかった操作を次回以降の点灯時に完了させることができる。
【0009】
また、上述した制御手段は、バックライトの消灯時に、操作画面処理手段の動作を停止する。一般的に、操作画面を作成する処理を行う操作画面処理手段の発熱量は多いため、この操作画面処理手段の動作停止をバックライトの消灯に合わせて行うことにより、さらに自装置の温度低減を図ることができる。
【0010】
また、上述した位置検出手段による検出動作は、操作画面処理手段と連係して行っており、制御手段による操作画面処理手段の動作停止時に、位置検出手段による検出動作の連携先を操作画面処理手段から制御手段に切り替える切替手段をさらに備える。これにより、バックライト消灯時に操作画面が非表示状態になったときであっても、タッチパネルを用いた接触の有無を検出することが可能となる。
【0011】
また、上述した制御手段は、温度検出手段によって検出した温度と基準値との差が大きいほど、バックライトの点灯時の明るさを暗くすることが望ましい。また、上述した制御手段は、温度検出手段によって検出した温度と基準値との差が大きいほど、バックライトの点灯時間を短くすることが望ましい。これにより、温度が高くなるほど自装置の自己発熱を抑えることが可能となり、温度低減の効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態の空調制御装置の構成を示す図である。
図2】操作画面の一例を示す図である。
図3】異常時における温度Tとバックライトの点灯状態との関係を示す図である。
図4】異常時に温度低減を行う動作手順を示す流れ図である。
図5】異常時に温度低減を行う動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した一実施形態の空調制御装置について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、一実施形態の空調制御装置の構成を示す図である。図1に示す空調制御装置100は、例えば、車両の所定位置に設置され、冷房機能を有する空調装置(エアコン)に対して利用者が各種の動作指示を行うものであり、所定の操作画面を表示するとともに、この操作画面上の位置をタッチパネルによって検出することによって操作内容を特定する。
【0015】
空調制御装置100は、操作画面処理部110、表示ドライバ112、表示パネル114、バックライト116、タッチパネル118、PWM信号生成部120、バックライトドライバ122、位置検出部124、切替部126、温度センサ128、制御部130を含んで構成されている。
【0016】
操作画面処理部110は、空調装置に対して利用者が各種の動作指示を行う操作画面を作成するとともに、この操作画面に含まれる操作ボタンが利用者によって押下されたときにその操作内容を判別する処理を行う。この操作画面処理部110は、専用のグラフィックチップを用いて実現される。一般に、このようなグラフィックチップは、制御部130などに比べて発熱量が多い。
【0017】
図2は、操作画面の一例を示す図である。利用者は、この操作画面に含まれる各種の操作ボタンを指し示す(押下する)ことにより、空調装置に対して各種の動作指示を行うことができる。
【0018】
表示ドライバ112は、操作画面処理部110から出力される映像信号に基づいて表示パネル114を駆動し、この映像信号によって示される操作画面の画像を表示する。表示パネル114は、例えばカラー液晶パネルであって、背面から照明するバックライト116と対向させた状態で組み付けられる。バックライト116は、例えばLEDによって形成されている。
【0019】
タッチパネル118は、表示パネル114の表面に重ねて配置されており、利用者の指等が接触した画面上の位置を検出する。このタッチパネル118としては、例えば静電容量式のタッチパネルが用いられるが、その他の方式(抵抗膜方式等)のタッチパネルを用いるようにしてもよい。
【0020】
PWM信号生成部120は、バックライト116の駆動電圧をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によってバックライト116の輝度(明るさ)を調整するためのPWM信号を生成する。バックライトドライバ122は、PWM信号生成部120によって生成されたPWM信号で示されたデューティでバックライト116を駆動する。デューティが100%のときに最も明るくバックライト116が点灯し、デューティが低下するにしたがって暗くなり、デューティが0%のときに消灯する。
【0021】
位置検出部124は、タッチパネル118に接続されており、利用者の指等が接触した画面上の位置を検出するための処理を行う。例えば、静電容量式のタッチパネル118の場合には、位置検出部124は、互いに直交する複数の電極間の静電容量の変化を検出することにより、利用者の指等が接触した画面上の位置を特定することができる。
【0022】
切替部126は、位置検出部124のマスターとなる接続先の切り替えを行う。通常時(表示された操作画面を用いて利用者が空調装置に対して動作指示を行う場合)は、操作画面処理部110が位置検出部124に対して各種の指示を行うとともに、位置検出部124によって検出された画面上の位置情報を受け取っている。これにより、操作画面処理部110は、自身が生成した操作画面に含まれるどのボタンが押下されたか(操作指示内容)を判別することができる。この通常時には、切替部126を介して位置検出部124が操作画面処理部110に接続される。一方、LEDによって構成されたバックライト116の温度が許容範囲を超えて過大になった異常時には、切替部126を介して位置検出部124が制御部130に接続される。操作画面の作成等の処理を行う操作画面処理部110(グラフィックチップ)は、制御部130などに比べて発熱量が多いため、本実施形態では、異常時には、バックライト116とともに操作画面処理部110の動作を一時的に停止することで、過大になった温度を下げている。
【0023】
温度センサ128は、バックライト116の周辺に配置されており、バックライト116の温度(あるいは、バックライト116の温度と連動するその周辺の温度)を検出する。
【0024】
制御部130は、空調制御装置100全体を制御する。この制御部130は、通信端子Cを介して空調装置(図示せず)に接続されており、例えばCAN(Controller Area Network)プロトコルにしたがった通信によって、操作画面処理部110によって判別した操作指示内容が空調装置に送られる。また、制御部130は、PWM信号生成部120によって生成するPWM信号のデューティを指示する。さらに、制御部130は、切替部126を介して位置検出部124が接続されている場合には、タッチパネル118に対する利用者の接触の有無を判別する。なお、この判別時には、操作画面処理部110が動作を停止しているため、表示パネル114には何も表示されていない。
【0025】
上述した操作画面処理部110が操作画面処理手段に、表示パネル114が液晶表示装置に、位置検出部124が位置検出手段に、温度センサ128が温度検出手段に、制御部130が制御手段にそれぞれ対応する。
【0026】
本実施形態の空調制御装置100はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
【0027】
本実施形態では、温度センサ128によって検出した温度Tが100°C(基準値)未満の場合を通常時(表示された操作画面を用いて利用者が空調装置に対して動作指示を行う場合)、100°C以上の場合を異常時とし、異常時にはバックライト116の消灯や操作画面処理部110の動作停止などの温度低減の対策を行う。
【0028】
図3は、異常時における温度Tとバックライト116の点灯状態との関係を示す図である。図3に示すように、100°C未満の正常時には、バックライト116は常時点灯であり、その明るさも特に制限されない。
【0029】
一方、温度Tが100°C以上になると、超えた程度に比例して制限の程度が大きくなる。具体的には、
100°C≦T<110°C:点灯時間tは制限なし、PWMデューティが50%
110°C≦T<115°C:点灯時間tが60秒、PWMデューティが30%
115°C≦T<120°C:点灯時間tが10秒、PWMデューティが20%
120°C≦T :点灯時間tが3秒、PWMデューティが10%
という内容で、点灯時間と明るさ(PWMデューティ)が制限される。
【0030】
図4および図5は、異常時に温度低減を行う動作手順を示す流れ図である。操作画面処理部110による操作画面の表示動作(ステップ100)と並行して、制御部130は、温度センサ128によって検出したバックライト116の温度Tが100°C未満か否かを判定する(ステップ102)。100°C未満の場合には肯定判断が行われ、ステップ100に戻って操作画面の表示動作が継続される。
【0031】
また、温度Tが100°C以上の場合にはステップ102の判定において否定判断が行われる。次に、制御部130は、PWM信号生成部120に指示を送ってPWM信号のデューティを0%にしてバックライト116を消灯する(ステップ104)とともに、操作画面処理部110に指示を送ってその動作を停止させる(ステップ106)。また、制御部130は、切替部126に指示を送って、位置検出部124の接続先を操作画面処理部110から制御部130に切り替える(ステップ108)。これらステップ104、106の動作によって、発熱量が多いバックライト116と操作画面処理部110の動作が停止し、空調制御装置100自身の自己発熱による温度上昇が抑制される。
【0032】
次に、制御部130は、位置検出部124を監視し、タッチパネル118に対する利用者の指の接触を検出したか否かを判定する(ステップ110)。接触がない場合には否定判断が行われる。次に、制御部130は、温度Tが100°C未満になったか否かを判定する(ステップ112)。100°C以上の状態が維持されている場合には否定判断が行われ、ステップ110に戻って利用者の指の接触判定が繰り返される。
【0033】
また、バックライト116と操作画面処理部110の動作停止に伴って温度Tが下がって100°C未満になるとステップ112の判定において肯定判断が行われる。この場合には、異常時から通常時の状態に復帰させるために、制御部130は、PWM信号生成部120に指示を送ってバックライト116を点灯させる(ステップ114)とともに、操作画面処理部110に指示を送ってその動作を有効にする(ステップ116)。また、制御部130は、切替部126に指示を送って、位置検出部124の接続先を制御部130から操作画面処理部110に切り替える(ステップ118)。その後、ステップ100に戻って操作画面の表示動作が再開される。
【0034】
また、バックライト116と操作画面処理部110の動作停止時に、タッチパネル118に対する利用者の指の接触が検出されると、ステップ110の判定において肯定判断が行われる。次に、制御部130は、PWM信号生成部120に指示を送ってその時点の温度Tに対応するPWMデューティ(図3)でバックライト116を点灯させる(ステップ120)とともに、操作画面処理部110に指示を送ってその動作を有効にする(ステップ122)。また、制御部130は、切替部126に指示を送って、位置検出部124の接続先を制御部130から操作画面処理部110に切り替える(ステップ124)。これらの動作により、操作画面の表示動作が再開される(ステップ126)。利用者は、この表示された操作画面(図2)を用いて、空調装置の起動や温度調節などを指示することが可能となる。
【0035】
次に、制御部130は、操作画面の表示動作が再開されてから、温度Tに対応するバックライト116の点灯時間t(図3)が経過したか否かを判定する(ステップ128)。経過していない場合には否定判断が行われ、ステップ126に戻って操作画面の表示動作が継続される。
【0036】
また、バックライト116の点灯時間tが経過するとステップ128の判定において肯定判断が行われる。次に、制御部130は、PWM信号生成部120に指示を送ってPWM信号のデューティを0%にしてバックライト116を消灯する(ステップ130)とともに、操作画面処理部110に指示を送ってその動作を停止させる(ステップ132)。また、制御部130は、切替部126に指示を送って、位置検出部124の接続先を操作画面処理部110から制御部130に切り替える(ステップ134)。これらステップ130、132の動作によって、発熱量が多いバックライト116と操作画面処理部110の動作が再度停止する。
【0037】
次に、制御部130は、バックライト116と操作画面処理部110の動作が停止してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップ136)。この所定時間は、温度Tに対応するバックライト116の点灯時間t(図3)と同じにしたり、温度Tに関係しない一定時間とする場合などが考えられる。経過していない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、所定時間が経過した場合にはステップ136の判定において肯定判断が行われる。この場合にはステップ110に戻って利用者の指の接触判定が繰り返される。
【0038】
このように、本実施形態の空調制御装置100では、バックライト116の温度が基準値を超える高温環境下でバックライト116を消灯することにより、自装置の温度を下げることが可能となる。また、この消灯時にタッチパネル118への接触を検出したときに一時的にバックライト116を点灯させることにより、バックライト116の発熱量を抑えながら操作画面を用いた利用者による空調装置に対する操作(空調制御)が可能となる。
【0039】
また、検出した温度が基準値を超えているときに、バックライト116の消灯と点灯を繰り返し行うことにより、一時的な点灯時に完了しなかった操作を次回以降の点灯時に完了させることができる。
【0040】
また、バックライト116の消灯時に、操作画面処理部110の動作も停止している。一般的に、操作画面を作成する処理を行う操作画面処理部110の発熱量は多いため、この操作画面処理部110の動作停止をバックライト116の消灯に合わせて行うことにより、さらに自装置の温度低減を図ることができる。
【0041】
また、位置検出部124による検出動作は、操作画面処理部110と連係して(操作画面処理部110による制御下で)行っており、操作画面処理部110の動作停止時には、位置検出部124による検出動作の連携先を操作画面処理部110から制御部130に切り替えている。これにより、バックライト116消灯時に操作画面が非表示状態になったときであっても、タッチパネル118を用いた接触の有無を検出することが可能となる。
【0042】
また、バックライト116の温度Tと基準値との差が大きいほど、バックライト116の点灯時の明るさを暗く(PWMデューティを小さく)するとともにバックライト116の点灯時間を短くしているため、温度Tが高くなるほど自装置の自己発熱を抑えることが可能となり、温度低減の効果を高めることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、バックライト116と操作画面処理部110の動作停止を行ったが、より発熱の多いバックライト116の消灯のみを行うようにしてもよい。また、温度Tが基準値を超える場合にバックライト116を点灯する際に、温度Tに応じて点灯時間tと明るさ(PWMデューティ)を同時に変更したが、いずれか一方のみを変更するようにしてもよい。
【0044】
また、上述した実施形態では、車両に搭載された空調装置を制御する空調制御装置100について説明したが、車載以外、例えば屋内外で使用される空調装置を制御する場合にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述したように、本発明によれば、バックライトの温度が基準値を超える高温環境下でバックライトを消灯することにより、自装置の温度を下げることが可能となる。また、この消灯時にタッチパネルへの接触を検出したときに一時的にバックライトを点灯させることにより、バックライトの発熱量を抑えながら操作画面を用いた利用者による空調装置に対する操作(空調制御)が可能となる。
【符号の説明】
【0046】
100 空調制御装置
110 操作画面処理部
112 表示ドライバ
114 表示パネル
116 バックライト
118 タッチパネル
120 PWM信号生成部
122 バックライトドライバ
124 位置検出部
126 切替部
128 温度センサ
130 制御部
図1
図2
図3
図4
図5