(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】光源装置、医療用観察システム、照明方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20231030BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20231030BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
A61B1/06 610
A61B1/07 731
G02B23/26 B
A61B1/06 612
(21)【出願番号】P 2019049095
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムン ソジョン
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/065084(WO,A1)
【文献】特開平09-128818(JP,A)
【文献】国際公開第2016/116967(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/016013(WO,A1)
【文献】特開2015-134230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える光源装置であって、
白色の波長帯域または少なくとも赤色、緑色および青色の1つ以上の波長帯域を含む第1の光を出射する第1の光源部と、
前記第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する第2の光源部と、
前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する第1の光学部材と、
前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光の光量を検出する第1の検出部と、
前記第1の光学部材と前記第2の光源部との間に配置され、前記第2の光の一部を反射または透過する第2の光学部材と、
前記第2の光学部材が反射または透過した前記第2の光の一部の光量を検出する第2の検出部と、
前記第1の光源部から前記第1の光学部材までの前記第1の光の光路上に配置され、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部へ出射し、かつ、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を前記第1の光学部材に出射する第3の光学部材と、
を備え、
前記第1の光学部材は、
前記第3の光学部材から出射された第1の光のうち特定の波長帯域と異なる波長帯域の光と、前記第2の光と、を合波し、
前記第2の光は、
前記第1の光が前記第1の光学部材によって反射された特定の波長帯域の光を補填するための光であり、
前記プロセッサは、
記第1の検出部の検出結果および前記第2の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部および前記第2の光源部を制御する、
光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置であって、
前記特定の波長帯域の光は、赤色、緑色および青色のいずれか一つの波長帯域の光である、
光源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光源装置と、
被検体に挿入可能な挿入部の先端部に、撮像信号を生成する撮像装置が配置された内視鏡と、
を備え、
前記光源装置は、前記内視鏡へ前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とが合波された光を供給する、
医療用観察システム。
【請求項4】
メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える光源装置が実行する照明方法であって、
当該光源装置は、
白色の波長帯域または少なくとも赤色、緑色および青色の1つ以上の波長帯域を含む第1の光を出射する第1の光源部と、
前記第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する第2の光源部と、
前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する第1の光学部材と、
前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光の光量を検出する第1の検出部と、
前記第1の光学部材と前記第2の光源部との間に配置され、前記第2の光の一部を反射または透過する第2の光学部材と、
前記第2の光学部材が反射または透過した前記第2の光の一部の光量を検出する第2の検出部と、
前記第1の光源部から前記第1の光学部材までの前記第1の光の光路上に配置され、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部へ出射し、かつ、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を前記第1の光学部材に出射する第3の光学部材と、
を備え、
前記第1の光学部材は、
前記第3の光学部材から出射された第1の光のうち特定の波長帯域と異なる波長帯域の光と、前記第2の光と、を合波し、
前記第2の光は、
前記第1の光が前記第1の光学部材によって反射された特定の波長帯域の光を補填するための光であり、
前記プロセッサが、
記第1の検出部の検出結果および前記第2の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部および前記第2の光源部を制御する、
照明方法。
【請求項5】
メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える光源装置に実行させるプログラムであって、
当該光源装置は、
白色の波長帯域または少なくとも赤色、緑色および青色の1つ以上の波長帯域を含む第1の光を出射する第1の光源部と、
前記第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する第2の光源部と、
前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する第1の光学部材と、
前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光の光量を検出する第1の検出部と、
前記第1の光学部材と前記第2の光源部との間に配置され、前記第2の光の一部を反射または透過する第2の光学部材と、
前記第2の光学部材が反射または透過した前記第2の光の一部の光量を検出する第2の検出部と、
前記第1の光源部から前記第1の光学部材までの前記第1の光の光路上に配置され、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部へ出射し、かつ、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を前記第1の光学部材に出射する第3の光学部材と、
を備え、
前記第1の光学部材は、
前記第3の光学部材から出射された第1の光のうち特定の波長帯域と異なる波長帯域の光と、前記第2の光と、を合波し、
前記第2の光は、
前記第1の光が前記第1の光学部材によって反射された特定の波長帯域の光を補填するための光であり、
前記プロセッサが、
記第1の検出部の検出結果および前記第2の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部および前記第2の光源部を制御する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被検体に照明光を出射する光源装置、医療用観察システム、照明方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡システムでは、赤色、緑色および青色のLED(Light Emitting Diode)素子の各々を発光させた光と、LD(laser Diode)素子からの光を受け付けて発光する発光体からの白色光と、を同一の光路上において合波させた白色光を被検体に向けて出射する技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。この技術では、LD素子の近傍に光センサを設け、この光センサからの検出結果に基づいて、各LED素子の発光量およびLD素子の発光量を制御することによって白色光のカラーバランスの調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、光センサがLDによって発光された光を間接的に検出しているため、LDが発光した発光量を正確に検出することができないことで、カラーバランスが崩れてしまうという問題点があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、各発光素子からの光を光路上で合波する場合であっても、カラーバランスを維持することができる光源装置、医療用観察システム、照明方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る光源装置は、メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える光源装置であって、白色の波長帯域または少なくとも赤色、緑色および青色の1つ以上の波長帯域を含む第1の光を出射する第1の光源部と、前記第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する第2の光源部と、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光の光量を検出する第1の検出部と、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する第1の光学部材と、を備え、前記プロセッサは、前記第1の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部を制御する。
【0007】
また、本開示に係る光源装置は、上記開示において、前記第2の光源部は、前記第1の光学部材に向けて前記第2の光を出射し、前記第1の光学部材は、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部に向けて出射し、かつ、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する。
【0008】
また、本開示に係る光源装置は、上記開示において、前記第1の光学部材は、前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部に向けて反射し、かつ、前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を透過し、さらに前記第2の光を前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光が透過する方向に反射する。
【0009】
また、本開示に係る光源装置は、上記開示において、前記第1の光学部材は、前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部に向けて透過し、かつ、前記第2の光を前記特定の波長帯域の光とは異なる方向に透過し、さらに前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を前記第2の光が透過する方向に反射する。
【0010】
また、本開示に係る光源装置は、上記開示において、前記第1の光学部材と前記第2の光源部との間に配置され、前記第2の光の一部を反射または透過する第2の光学部材と、前記第2の光学部材が反射または透過した前記第2の光の一部の光量を検出する第2の検出部と、をさらに備え、前記プロセッサは、前記第1の検出部の検出結果および前記第2の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部および前記第2の光源部を制御する。
【0011】
また、本開示に係る光源装置は、上記開示において、前記第1の光源部から前記第1の光学部材までの前記第1の光の光路上に配置され、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光を前記第1の検出部へ出射し、かつ、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を前記第1の光学部材に出射する第3の光学部材をさらに備える。
【0012】
また、本開示に係る光源装置は、上記開示において、前記特定の波長帯域の光は、赤色、緑色および青色のいずれか一つの波長帯域の光である。
【0013】
また、本開示に係る医療用観察システムは、上記の光源装置と、被検体に挿入可能な挿入部の先端部に、撮像信号を生成する撮像装置が配置された内視鏡と、を備え、前記光源装置は、前記内視鏡へ前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とが合波された光を供給する。
【0014】
また、本開示に係る照明方法は、メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える光源装置が実行する照明方法であって、当該光源装置は、白色の波長帯域または少なくとも赤色、緑色および青色の1つ以上の波長帯域を含む第1の光を出射する第1の光源部と、前記第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する第2の光源部と、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光の光量を検出する第1の検出部と、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する第1の光学部材と、を備え、前記プロセッサが前記第1の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部を制御する。
【0015】
また、本開示に係るプログラムは、メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える光源装置に実行させるプログラムであって、当該光源装置は、白色の波長帯域または少なくとも赤色、緑色および青色の1つ以上の波長帯域を含む第1の光を出射する第1の光源部と、前記第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する第2の光源部と、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域の光の光量を検出する第1の検出部と、前記第1の光のうち前記特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と前記第2の光とを合波する第1の光学部材と、を備え、前記プロセッサが前記第1の検出部の検出結果に基づいて、前記第1の光源部を制御する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、各発光素子からの光を光路上で合波する場合であっても、カラーバランスを維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る光源装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態2に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施の形態3に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施の形態4に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施の形態5に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態6に係る手術用顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を図面とともに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本開示が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本開示の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本開示は、各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。さらにまた、本開示に係る医療用観察システムの一例として、内視鏡システムについて説明する。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
〔内視鏡システムの構成〕
図1は、実施の形態1に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。
図1に示す内視鏡システム1は、医療分野に用いられ、人や動物の生体等の被検体の内部(生体内)に挿入され、内部を撮像した画像を表示することによって被検体を観察する装置である。なお、実施の形態1では、内視鏡システム1として、
図1に示す硬性鏡(挿入部2)を用いた硬性内視鏡システムについて説明するが、これに限定されることなく、例えば軟性内視鏡システムであってもよい。
【0020】
図1に示す内視鏡システム1は、挿入部2(内視鏡)と、光源装置3と、ライトガイド4と、カメラヘッド5(内視鏡用撮像装置)と、第1の伝送ケーブル6と、表示装置7と、第2の伝送ケーブル8と、制御装置9と、第3の伝送ケーブル10と、を備える。
【0021】
挿入部2は、硬質または少なくとも一部が軟性で細長形状を有し、患者等の被検体内に挿入される。挿入部2の内部には、1または複数のレンズを用いて構成され、観察像を結合する光学系が設けられている。
【0022】
光源装置3は、ライトガイド4の一端が接続される。光源装置3は、制御装置9による制御のもと、ライトガイド4の一端に被検体内を照明するための白色光、被検体に投与または散布された薬剤に励起光または赤外光を出射(供給)する。光源装置3は、LED(Light Emitting Diode)光源やLD(Laser Diode)等の半導体レーザ素子を用いて構成される。光源装置3と制御装置9とは、
図1に示すように個別で通信する構成をしてもよいし、一体化した構成であってもよい。
【0023】
ライトガイド4は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、かつ、他端が挿入部2に着脱自在に接続される。ライトガイド4は、光源装置3から出射された光を一端から他端に導光し、挿入部2へ供給する。
【0024】
カメラヘッド5は、挿入部2の接眼部21が着脱自在に接続される。カメラヘッド5は、制御装置9の制御のもと、挿入部2によって結像された観察像を撮像することによって撮像信号を生成し、この撮像信号(電気信号)を出力する。また、カメラヘッド5は、円周方向に回転可能に設けられた操作リング部51と、内視鏡システム1の各種の操作を指示する指示信号の入力を受け付ける複数の入力部52と、を備える。
【0025】
第1の伝送ケーブル6は、一端が第1のコネクタ部61を介して制御装置9に着脱自在に接続され、他端が第2のコネクタ部62を介してカメラヘッド5に接続される。第1の伝送ケーブル6は、カメラヘッド5から出力される撮像信号を制御装置9へ伝送し、かつ、制御装置9から出力される制御信号、同期信号、クロック信号および電力等をカメラヘッド5へ伝送する。
【0026】
表示装置7は、第2の伝送ケーブル8を介して制御装置9に接続可能であり、制御装置9の制御のもと、制御装置9において処理された薬剤観察画像情報に対応する薬剤観察画像、被検体観察画像情報に対応する被検体観察画像または内視鏡システム1に関する各種情報を表示する。
【0027】
第2の伝送ケーブル8は、一端が表示装置7に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。第2の伝送ケーブル8は、制御装置9において処理された画像信号に基づく表示画像を表示装置7に伝送する。
【0028】
制御装置9は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成され、メモリに記録されたプログラムに従って、第1の伝送ケーブル6、第2の伝送ケーブル8および第3の伝送ケーブル10の各々を介して、光源装置3、カメラヘッド5および表示装置7の動作を統括的に制御する。
【0029】
第3の伝送ケーブル10は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、他端側が制御装置9に着脱自在に接続される。第3の伝送ケーブル10は、制御装置9からの制御信号を光源装置3に伝送する。
【0030】
〔光源装置の構成〕
次に、光源装置3の詳細な構成について説明する。
図2は、光源装置3の概略構成を示す模式図である。光源装置3は、第1の光源部301と、第1の集光レンズ302と、第1の光学部材303と、第1の検出部304と、第2の光源部305と、第2の光学部材306と、第2の検出部307と、第2の集光レンズ308と、光源制御部309と、を備える。
【0031】
第1の光源部301は、光源制御部309の制御のもと、白色の波長帯域(400nm~750nm)を含む第1の光を出射する。具体的には、第1の光源部301は、第1の光を、他の光と合波される光路L2に向けて出射する。第1の光源部301は、青色の波長帯域の光(波長帯域435nm~480nm)を発光する青色LED素子301aと、青色LED素子301aが発光した青色の光を受光することによって白色光を発光する黄色蛍光体301bと、を有する。なお、第1の光源部301は、第1の光として白色光の光を出射することができればよく、例えば白色光LED素子、紫色の波長帯域の光を発光する紫色LEDと紫色の光を受光することによって白色光を発光する蛍光体とによって構成された発光素子、またはキセノンランプ等であってもよい。
【0032】
第1の集光レンズ302は、第1の光源部301が発光した第1の光を集光して出射する。第1の集光レンズ302は、一または複数のレンズを用いて構成される。
【0033】
第1の光学部材303は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成され、他の光と合波される光路L2より前の光路L1上に配置される。第1の光学部材303は、第1の集光レンズ302を介して第1の光源部301から出射された第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と、後述する第2の光源部305が出射する第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光と、を合波して第2の集光レンズ308へ向けて出射する。具体的には、第1の光学部材303は、第1の集光レンズ302を介して第1の光源部301から出射された第1の光のうち特定の波長帯域の光を第1の検出部304へ向けて出射(反射)し、かつ、第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と、後述する第2の光源部305が出射する第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光と、を合波して第2の集光レンズ308へ向けて出射する。より具体的には、第1の光学部材303は、第1の光に含まれる赤色の波長帯域の光(波長帯域600nm~700nm)を第1の検出部304へ反射し、かつ、赤色の波長帯域と異なる波長帯域の光を透過する。
【0034】
第1の検出部304は、フォトダイオード等の光センサを用いて構成される。第1の検出部304は、第1の光学部材303から出射された第1の光のうち特定の波長帯域の光の光量を検出し、この検出結果を光源制御部309へ出力する。具体的には、第1の検出部304は、第1の光学部材303から出射された第1の光に含まれる赤色の波長帯域の光の光量を検出し、この検出結果を光源制御部309へ出力する。
【0035】
第2の光源部305は、光源制御部309の制御のもと、第1の光源部301が出射する第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を出射する。具体的には、第2の光源部305は、光源制御部309の制御のもと、第1の光学部材303に向けて第2の光を出射する。ここで、第2の光とは、第1の光源部301が第1の光学部材303によって反射された特定の波長帯域の光を補填するための光である。具体的には、第2の光源部305は、赤色の波長帯域の光を第2の光として出射する。第2の光源部305は、赤色の光を出射可能な赤色LD素子やファイバを用いて構成される。
【0036】
第2の光学部材306は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成される。第2の光学部材306は、第1の光学部材303と第2の光源部305との間に配置される。第2の光学部材306は、第2の光源部305から出射された第2の光の一部を第2の検出部307へ向けて反射し、かつ、残りの光を第1の光学部材303に向けて透過する。
【0037】
第2の検出部307は、フォトダイオード等の光センサを用いて構成され、第2の光学部材306が反射した第2の光の一部の光量を検出し、この検出結果を光源制御部309へ出力する。
【0038】
第2の集光レンズ308は、第1の光学部材303によって合波された光を光路L2上に集光してライトガイド4へ出射する。具体的には、第2の集光レンズ308は、第1の光学部材303が第1の集光レンズ302を介して第1の光源部301から出射された第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と、第2の光学部材306を透過した第2の光と、を合波した光を集光してライトガイド4を介して挿入部2(内視鏡)へ出射する。第2の集光レンズ308は、一または複数のレンズを用いて構成される。
【0039】
光源制御部309は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。光源制御部309は、第1の検出部304および第2の検出部307の各々の検出結果に基づいて、第1の光源部301および第2の光源部305の各々が発光する発光量を制御する。具体的には、光源制御部309は、第1の検出部304の検出結果に基づいて、第1の光源部301が発光する発光量を制御することによって、第1の光源部301が出射する白色光の明るさを制御する。また、光源制御部309は、第1の検出部304および第2の検出部307の各々の検出結果に基づいて、第1の光源部301と第2の光源部305の各々が出射する発光量とが一定の比率となるように第2の光源部305が出射する第2の光による色味を制御する。なお、実施の形態1では、光源制御部309がプロセッサとして機能する。
【0040】
〔光源装置の処理〕
次に、光源装置3が実行する処理について説明する。
図3は、光源装置3が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0041】
図3に示すように、まず、光源制御部309は、第1の検出部304が検出した検出結果を取得し(ステップS101)、第2の検出部307が検出した検出結果を取得する(ステップS102)。
【0042】
続いて、光源制御部309は、第1の検出部304から取得した検出結果および第2の検出部307から取得した検出結果に基づいて、第1の光源部301による明るさを制御する(ステップS103)。具体的には、光源制御部309は、第1の検出部304から取得した検出結果および第2の検出部307から取得した検出結果に基づいて、第1の光源部301へ供給する駆動電流および発光時間を調整することによって白色光が所定の明るさとなるように第1の光源部301が出射する白色光の光量を制御する。これにより、白色光のカラーバランスおよび明るさを維持することができる。
【0043】
その後、光源制御部309は、第1の検出部304から取得した検出結果および第2の検出部307から取得した検出結果に基づいて、第2の光源部305による色味を制御する(ステップS104)。具体的には、光源制御部309は、第1の検出部304から取得した検出結果および第2の検出部307から取得した検出結果に基づいて、第2の光源部305へ供給する駆動電流および駆動時間を調整することによって白色光が所定の色味となるように第2の光源部305が出射する光の光量を制御することによって、白色光の色味やカラーバランスを調整する。
【0044】
続いて、制御装置9から被検体の観察の終了を指示する指示信号が入力された場合(ステップS105:Yes)、光源装置3は、本処理を終了する。これに対して、制御装置9から被検体の観察の終了を指示する指示信号が入力されていない場合(ステップS105:No)、光源装置3は、上述したステップS101へ戻る。
【0045】
以上説明した実施の形態1によれば、第1の光学部材303が第1の光源部301によって出射された第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と、第2の光源部305が出射する第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光とを合波し、光源制御部309が第1の検出部304の検出結果に基づいて、第1の光源部301を制御するので、白色光のカラーバランスや明るさを維持することができる。
【0046】
また、実施の形態1によれば、光源制御部309が第1の検出部304の検出結果および第2の検出部307の検出結果に基づいて、第1の光源部301および第2の光源部305を制御するので、白色光のカラーバランスや色味を維持することができる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、上述した実施の形態1に係る光源装置3と構成が異なる。以下においては、実施の形態2に係る光源装置の構成について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
〔光源装置の詳細な構成〕
図4は、実施の形態2に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
図4に示す光源装置3Aは、上述した実施の形態1に係る光源装置3の第1の光学部材303に代えて、第1の光学部材310を備える。さらに、光源装置3Aは、第3の光学部材311をさらに備える。
【0049】
第3の光学部材311は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成され、第1の光源部301から第1の光学部材310までの第1の光の光路L1上に配置される。第3の光学部材311は、第1の集光レンズ302を介して第1の光源部301によって出射された第1の光のうち特定の波長帯域の光を第1の検出部304へ出射し、かつ、第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を第1の光学部材310に出射する。具体的には、第3の光学部材311は、第3の光学部材311は、第1の光に含まれる赤色の波長帯域の光を第1の検出部304へ出射(反射)し、第1の光のうち赤色の波長帯域と異なる波長帯域の光を第1の光学部材310へ出射(透過)する。
【0050】
第1の光学部材310は、第3の光学部材311から出射された第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と、第2の光学部材306から出射された第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光と、を合波して第2の集光レンズ308へ向けて出射する。
【0051】
以上説明した実施の形態2によれば、光源制御部309が第1の光源部301および第2の光源部305を制御するので、上述した実施の形態1と同様に、白色光のカラーバランス、明るさおよび色味を維持することができる。
【0052】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、光源装置の構成が異なる。以下においては、実施の形態3に係る光源装置の構成について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
〔光源装置の構成〕
図5は、実施の形態3に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
図5に示す光源装置3Bは、第1の光源部301と、第1の集光レンズ302と、第1の検出部304と、第2の集光レンズ308と、第3の光学部材311と、を備える。さらに、光源装置3Bは、上述した実施の形態2に係る第1の光学部材310に代えて、第1の光学部材310Aを備える。さらにまた、光源装置3Bは、第2の光源部312、第3の光源部313、第4の光源部314、第1の可変形状ミラー315と、第2の可変形状ミラー316と、第3の可変形状ミラー317と、第4の可変形状ミラー318と、第2の光学部材319と、第2の検出部320と、第3の集光レンズ321と、光源制御部322と、を備える。
【0054】
第2の光源部312は、光源制御部322の制御のもと、青色の波長帯域の光(波長帯域400nm~500nm)を出射する。第2の光源部312は、青色の光を出射可能な青色LD素子およびファイバ等を用いて構成される。
【0055】
第3の光源部313は、光源制御部322の制御のもと、緑色の波長帯域の光(波長帯域500nm~600nm)を出射する。第3の光源部313は、緑色の光を出射可能な緑色LD素子およびファイバ等を用いて構成される。
【0056】
第4の光源部314は、光源制御部322の制御のもと、赤色の波長帯域の光(波長帯域600nm~700nm)を出射する。第4の光源部314は、赤色の光を出射可能な赤色LD素子およびファイバ等を用いて構成される。
【0057】
第1の可変形状ミラー315は、第2の光源部312から出射された青色の光を第4の可変形状ミラー318へ向けて反射する。第1の可変形状ミラー315は、ピエゾ素子型可変形状ミラーを用いて構成される。第1の可変形状ミラー315は、光源制御部322の制御のもと、図示しないモータ等の駆動部によって所定の形状に可変する。
【0058】
第2の可変形状ミラー316は、第3の光源部313から出射された緑色の光を第4の可変形状ミラー318へ向けて反射する。第2の可変形状ミラー316は、ピエゾ素子型可変形状ミラーを用いて構成される。第2の可変形状ミラー316は、光源制御部322の制御のもと、図示しないモータ等の駆動部によって所定の形状に可変する。
【0059】
第3の可変形状ミラー317は、第4の光源部314から出射された赤色の光を第4の可変形状ミラー318へ向けて反射する。第3の可変形状ミラー317は、ピエゾ素子型可変形状ミラーを用いて構成される。第3の可変形状ミラー317は、光源制御部322の制御のもと、図示しないモータ等の駆動部によって所定の形状に可変する。
【0060】
第4の可変形状ミラー318は、第1の可変形状ミラー315、第2の可変形状ミラー316および第3の可変形状ミラー317から反射された光を合波した第2の光であって、第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光を第2の光学部材319へ向けて反射する。第4の可変形状ミラー318は、ピエゾ素子型可変形状ミラーを用いて構成される。第4の可変形状ミラー318は、光源制御部322の制御のもと、図示しないモータ等の駆動部によって所定の形状に可変する。
【0061】
第2の光学部材319は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成され、第1の光学部材310Aと第2の光源部312との間であって、第1の光学部材310Aと第4の可変形状ミラー318との間に配置される。第2の光学部材319は、第4の可変形状ミラー318によって合波された第2の光の一部を第2の検出部320へ反射し、かつ、残りの光を第3の集光レンズ321へ透過する。具体的には、第2の光学部材319は、第3の光学部材311が反射した第1の光のうち特定の波長帯域の光と同じ波長帯域の光である赤色の波長帯域の光の一部を第2の検出部320へ向けて反射する。
【0062】
第2の検出部320は、フォトダイオード等の光センサを用いて構成され、第2の光学部材319が反射した第2の光の一部の光量を検出し、この検出結果を光源制御部322へ出力する。
【0063】
第3の集光レンズ321は、第2の光学部材319を透過した光を集光して第1の光学部材310Aへ出射する。第3の集光レンズ321は、1または複数のレンズを用いて構成される。
【0064】
第1の光学部材310Aは、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成される。第1の光学部材310Aは、第3の光学部材311から出射された第1の光のうち特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光と、第3の集光レンズ321を介して第2の光学部材306から出射された第1の光に含まれる特定の波長帯域を含む第2の光と、を合波して第2の集光レンズ308へ向けて出射する。
【0065】
光源制御部322は、メモリと、CPU、FPGAおよびASIC等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。光源制御部309は、第1の検出部304および第2の検出部320の各々の検出結果に基づいて、第1の光源部301、第2の光源部312、第3の光源部313および第4の光源部314の各々が発光する発光量を制御する。具体的には、光源制御部322は、第1の検出部304および第2の検出部320の各々の検出結果に基づいて、第1の光源部301、第2の光源部312、第3の光源部313および第4の光源部314の各々が発光する発光量が一定の比率となるように制御する。なお、光源制御部322は、上述した実施の形態1に係る光源制御部309と同様の処理を行う。
【0066】
以上説明した実施の形態3によれば、光源制御部322が第1の検出部304の検出結果および第2の検出部320の検出結果に基づいて、第1の光源部301、第2の光源部312、第3の光源部313および第4の光源部314を制御するので、上述した実施の形態1と同様に、白色光のカラーバランス、明るさおよび色味を維持することができる。
【0067】
なお、実施の形態3では、第3の光学部材311および第2の光学部材319が赤色の波長帯域の光の一部を反射していたが、これに限定されることなく、例えば第3の光学部材311および第2の光学部材319の光学特性を緑色の波長帯域の光または青色の波長帯域の光の一部を反射する光学特性に変更してもよい。
【0068】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、光源装置の構成が異なる。以下においては、実施の形態4に係る光源装置の構成について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0069】
〔光源装置の構成〕
図6は、実施の形態4に係る光源装置の概略構成を示す模式図である。
図6に示す光源装置3Cは、第1の光源部330と、第1の集光レンズ331と、第2の光源部340と、第2の集光レンズ341と、第1の光学部材342と、第1の検出部343と、第3の光源部344と、第2の光学部材345と、第2の検出部346と、第3の光学部材347と、第4の光源部348と、第3の集光レンズ349と、第4の光学部材350と、第4の集光レンズ351と、光源制御部352と、を備える。
【0070】
第1の光源部330は、光源制御部352の制御のもと、緑色の波長帯域の光を含む第1の光を出射する。第1の光源部330は、緑色の波長帯域の光を発光する緑色LED素子330aと、緑色LED素子330aが発光した緑色の光を受光することによって緑色を発光する蛍光体330bと、を有する。
【0071】
第1の集光レンズ331は、第1の光源部330が出射した第1の光を集光して第1の光学部材342へ出射する。第1の集光レンズ331は、一または複数のレンズを用いて構成される。
【0072】
第2の光源部340は、光源制御部352の制御のもと、第1の光に含まれる特定波長(緑色の波長帯域)を含む第2の光を第1の光学部材342に向けて出射する。具体的には、第2の光源部340は、白色の波長帯域を第2の光として出射する。第2の光源部340は、青色の波長帯域の光(波長帯域435nm~480nm)を発光する青色LED素子340aと、青色LED素子340aが発光した青色の光を受光することによって白色光を発光する黄色蛍光体340bと、を有する。なお、第2の光源部340は、第2の光として白色光の光を出射することができればよく、例えば白色光LED素子、紫色の波長帯域の光を発光する紫色LEDと紫色の光を受光することによって白色光を発光する蛍光体とによって構成された発光素子、またはキセノンランプ等であってもよい。
【0073】
第2の集光レンズ341は、第2の光源部340が出射した第2の光を集光して第1の光学部材342へ出射する。第2の集光レンズ341は、一または複数のレンズを用いて構成される。
【0074】
第1の光学部材342は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成される。第1の光学部材342は、第1の集光レンズ331を介して第1の光源部330が出射した第1の光のうち特定の波長帯域の光を第1の検出部343に向けて透過し、かつ、第2の集光レンズ341を介して第2の光源部340が出射した第2の光を特定の波長帯域の光と異なる方向(ライトガイド4の方向)に透過する。さらに、第1の光学部材342は、透過した特定の波長帯域とは異なる波長帯域の光を第2の光が透過する方向(ライトガイド4の方向)に反射する。具体的には、第1の光学部材342は、第1の光源部330が出射した第1の光に含まれる特定の波長帯域である緑色の波長帯域の一部の光を第1の検出部343へ透過し、かつ、残りの光をライトガイド4の方向に反射し、かつ、第2の光源部340が出射した第2の光をライトガイド4の方向に透過する。
【0075】
第1の検出部343は、フォトダイオード等の光センサを用いて構成される。第1の検出部343は、第1の光学部材342を透過した特定の波長帯域の光であって、第1の光学部材342を透過した第1の光の一部の光量を検出し、この検出結果を光源制御部352へ出力する。
【0076】
第3の光源部344は、光源制御部352の制御のもと、第1の光学部材342において透過された特定波長帯域の光の一部を補填する光を出射する。具体的には、第3の光源部344は、緑色の波長帯域の光を出射する。第3の光源部344は、緑色LD素子およびファイバ等を用いて構成される。
【0077】
第2の光学部材345は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成される。第2の光学部材345は、第3の光源部344から出射された光の一部を第2の検出部346へ反射し、かつ、残りの光を第3の光学部材347へ透過する。
【0078】
第2の検出部346は、フォトダイオード等の光センサを用いて構成される。第2の検出部346は、第2の光学部材345から反射された光の一部の光量を検出し、この検出結果を光源制御部352へ出力する。
【0079】
第3の光学部材347は、ダイクロイックミラー等の反射フィルタを用いて構成される。第3の光学部材347は、第1の光学部材342を透過した光と、第2の光学部材345を透過した光とを合波して第4の光学部材350へ向けて出射する。
【0080】
第4の光源部348は、光源制御部352の制御のもと、赤色の波長帯域の光を出射する。第4の光源部348は、赤色の波長帯域の光を発光する赤色LED素子348aと、赤色LED素子348aが発光した緑色の光を受光することによって赤色を発光する蛍光体348bと、を有する。
【0081】
第3の集光レンズ349は、第4の光源部348が出射した光を集光して第4の光学部材350へ向けて出射する。第3の集光レンズ349は、一または複数のレンズを用いて構成される。
【0082】
第4の光学部材350は、第3の集光レンズ349から出射された光と第3の光学部材347を透過した光とを合波して第4の集光レンズ351に向けて出射する。
【0083】
第4の集光レンズ351は、第4の光学部材350から出射された光を光路L2上に集光してライトガイド4へ出射する。第4の集光レンズ351は、一または複数のレンズを用いて構成される。
【0084】
光源制御部352は、メモリと、CPU、FPGAおよびASIC等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。光源制御部352は、第1の検出部343および第2の検出部346の各々の検出結果に基づいて、第1の光源部330、第2の光源部340、第3の光源部344および第4の光源部348の各々が発光する発光量を制御する。具体的には、光源制御部352は、第1の検出部343および第2の検出部346の各々の検出結果に基づいて、第1の光源部330、第2の光源部340、第3の光源部344および第4の光源部348の各々が発光する発光量が一定の比率となるように制御する。なお、光源制御部352は、上述した実施の形態1に係る光源制御部309と同様の処理を行う。
【0085】
以上説明した実施の形態4によれば、光源制御部352が第1の検出部343の検出結果および第2の検出部346の検出結果に基づいて、第1の光源部330、第2の光源部340、第3の光源部344および第4の光源部348を制御するので、上述した実施の形態1と同様に、白色光のカラーバランス、明るさおよび色味を維持することができる。
【0086】
なお、実施の形態3では、第1の光学部材342が第1の光である緑色の波長帯域の光の一部を第1の検出部343に向けて透過していたが、これに限定されることなく、例えば第1の光学部材342の光学特性を赤色の波長帯域の光または青色の波長帯域の光の一部を透過する光学特性に変更してもよい。即ち、実施の形態3では、第1の検出部343が検出する光の波長帯域の光に応じて第1の光学部材342の光学特性および第1の光源部330および第3の光源部344が出射する光を適宜変更することができる。
【0087】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。上述した実施の形態1~4では、硬性鏡を用いた硬性内視鏡システムに適用した場合について説明したが、実施の形態5では、軟性の内視鏡を用いた軟性内視鏡システムに適用した場合について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0088】
〔内視鏡システムの概略構成〕
図7は、実施の形態5に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。
図7に示す内視鏡システム200は、被検体内に挿入部を挿入することによって観察部位の体内画像を撮像して撮像信号を生成する内視鏡201と、内視鏡201に白色光または赤外光を供給する光源装置210と、内視鏡201が取得した撮像信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡システム200全体の動作を統括的に制御する制御装置220と、制御装置220が画像処理を施した体内画像を表示する表示装置230と、を備える。
【0089】
光源装置210は、少なくとも、上述した実施の形態1~4の光源装置3~3Cのいずれか一つと同一の構成を有する。
【0090】
以上説明した実施の形態5によれば、軟性の内視鏡システム200であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0091】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。上述した実施の形態1~4では、内視鏡システムであったが、実施の形態6では、手術用顕微鏡システムに適用した場合について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0092】
〔手術用顕微鏡システムの構成〕
図8は、実施の形態6に係る手術用顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
図8に示す手術用顕微鏡システム400は、被写体を観察するための画像を撮像することによって取得する医療用撮像装置である顕微鏡装置410と、顕微鏡装置410が撮像した画像を表示する表示装置411と、を備える。なお、表示装置411と顕微鏡装置410とを一体に構成することも可能である。
【0093】
顕微鏡装置410は、被写体の微小部位を拡大して撮像する顕微鏡部412と、顕微鏡部412の基端部に接続し、顕微鏡部412を回動可能に支持するアームを含む支持部413と、支持部413の基端部を回動可能に保持し、床面上を移動可能なベース部414と、を有する。ベース部414は、手術用顕微鏡システム400の動作を制御する制御装置415と、顕微鏡装置410から被写体に照射する白色光等を生成する光源装置416と、を有する。なお、光源装置416は、少なくとも、上述した実施の形態1~4のいずれかと一つと同一の構成を有する。また、ベース部414は、床面上に移動可能に設けるのではなく、天井や壁面等に固定して支持部413を支持する構成としてもよい。
【0094】
顕微鏡部412は、例えば、円柱状をなして、その内部にレンズユニットおよび撮像部を有する。顕微鏡部412の側面には、顕微鏡装置410の動作指示の入力を受け付けるスイッチが設けられている。顕微鏡部412の下端部の開口面には、内部を保護するカバーガラスが設けられている(図示せず)。
【0095】
このように構成された手術用顕微鏡システム400は、術者等のユーザが顕微鏡部412を把持した状態で各種スイッチを操作しながら、顕微鏡部412を移動させたり、ズーム操作を行ったり、照明光を切り替えたりする。なお、顕微鏡部412の形状は、ユーザが把持して視野方向を変更しやすいように、観察方向に細長く延びる形状であれば好ましい。このため、顕微鏡部412の形状は、円柱状以外の形状であってもよく、例えば多角柱状であってもよい。
【0096】
以上説明した実施の形態6によれば、手術用顕微鏡システム400においても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0097】
(その他の実施の形態)
上述した本開示の実施の形態1~6に係る医療用観察システムに開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した本開示の実施の形態1~6に係る医療用観察システムに記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、上述した本開示の実施の形態1~6に係る医療用観察システムで説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0098】
また、本開示の実施の形態1~6に係る医療用観察システムでは、上述してきた「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0099】
また、本開示の実施の形態1~6に係る医療用観察システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0100】
また、本開示の実施の形態1~6に係る医療用観察システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0101】
なお、本明細書におけるタイミングチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてタイミング間の処理の前後関係を明示していたが、本開示を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したタイミングチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0102】
以上、本願の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
1,200 内視鏡システム
2 挿入部
3,3A,3B,3C,210,416 光源装置
4 ライトガイド
5 カメラヘッド
6 第1の伝送ケーブル
7,230,411 表示装置
8 第2の伝送ケーブル
9,220,415 制御装置
10 第3の伝送ケーブル
201 内視鏡
301,330 第1の光源部
302,331 第1の集光レンズ
303,310,310A,342 第1の光学部材
304,343 第1の検出部
305,312,340 第2の光源部
306,319,345 第2の光学部材
307,320,346 第2の検出部
308,321,341 第2の集光レンズ
309,322,352 光源制御部
310,321,347 第3の光学部材
311 第3の光学部材
313,344 第3の光源部
314,348 第4の光源部
315 第1の可変形状ミラー
316 第2の可変形状ミラー
317 第3の可変形状ミラー
318 第4の可変形状ミラー
322,349 第3の集光レンズ
350 第4の光学部材
351 第4の集光レンズ
400 手術用顕微鏡システム
410 顕微鏡装置
L1 光路
L2 光路