(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】アスファルトフィニッシャ
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
E01C19/48 A
(21)【出願番号】P 2019057338
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2021-08-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】榊原 晃
(72)【発明者】
【氏名】馬場 信行
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-214547(JP,A)
【文献】特開2006-321357(JP,A)
【文献】特開2018-111496(JP,A)
【文献】特開2007-145199(JP,A)
【文献】国際公開第2017/010541(WO,A1)
【文献】特開2018-168679(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0030672(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
B60R 25/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタと、
前記トラクタの前側に設置されて舗装材を受け入れるホッパと、
前記ホッパ内の舗装材を前記トラクタの後側へ給送するコンベアと、
前記コンベアにより給送された前記舗装材を前記トラクタの後側で敷き拡げるスクリュと、
前記スクリュにより敷き拡げられた前記舗装材を前記スクリュの後側で敷き均すスクリードと、
アスファルトフィニッシャの周囲を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した画像を記憶可能な記憶装置と、
前記アスファルトフィニッシャの周囲の所定範囲内に存在する人を検知する制御装置と、を備え、
前記撮像装置の撮像範囲は、少なくとも前記トラクタの側方の空間を含み、
前記所定範囲は、少なくとも前記トラクタの側方の空間を含み、
前記制御装置は、前記アスファルトフィニッシャが稼動していないときに人を検知した場合に、前記撮像装置が撮像した、検知した人の画像を含む画像を前記記憶装置に記憶するように構成され
、且つ、
前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて前記アスファルトフィニッシャに触れた人又は触れようとしている人を検知した場合、
前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて前記所定範囲内に所定時間以上留まった人を検知した場合、
前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて人を検知した場合で、且つ、開閉センサの出力に基づいて前記トラクタのカバーが開かれたことを検出した場合、又は、
前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて人を検知した場合で、且つ、振動センサの出力に基づいて前記トラクタに人が乗り込んだことを検出した場合、
前記アスファルトフィニッシャが有している情報を無線で送信することにより、人を検知したことを外部に知らせるように構成されている、
アスファルトフィニッシャ。
【請求項2】
前記制御装置は、予め設定された時間帯において人を検知した場合に、人を検知したことを外部に知らせるように構成されている、
請求項
1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項3】
前記制御装置は、人を検知した場合であっても、所定の信号を受信している場合には、人を検知したことを外部に知らせないように構成されている、
請求項
1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項4】
前記撮像装置の撮像範囲は、燃料タンクの給油口、バッテリ、照明装置、又は工具箱の近くの空間を含み、
前記所定範囲は、燃料タンクの給油口、バッテリ、照明装置、又は工具箱の近くの空間を含む、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項5】
支援装置と連携し、前記支援装置からの遠隔操作により、前記撮像装置による撮像と前記制御装置による人の検知とを開始させ、
前記アスファルトフィニッシャが有している情報を無線で前記支援装置に向けて送信する、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アスファルトフィニッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像認識技術を利用し、ホッパ内部を撮影するカメラが出力する画像の中に人の画像が含まれることを検知した場合に、コンベアの稼動を禁止するアスファルトフィニッシャが知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のアスファルトフィニッシャは、夜間又は駐車中等、アスファルトフィニッシャが稼動していないときに周囲を監視するようには構成されていない。そのため、上述の構成は、バッテリ若しくはランプ等の部品又は燃料等の盗難を防止できない。
【0005】
上述に鑑み、盗難を抑制或いは防止できるアスファルトフィニッシャの提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャは、トラクタと、前記トラクタの前側に設置されて舗装材を受け入れるホッパと、前記ホッパ内の舗装材を前記トラクタの後側へ給送するコンベアと、前記コンベアにより給送された前記舗装材を前記トラクタの後側で敷き拡げるスクリュと、前記スクリュにより敷き拡げられた前記舗装材を前記スクリュの後側で敷き均すスクリードと、アスファルトフィニッシャの周囲を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した画像を記憶可能な記憶装置と、前記アスファルトフィニッシャの周囲の所定範囲内に存在する人を検知する制御装置と、を備え、前記撮像装置の撮像範囲は、少なくとも前記トラクタの側方の空間を含み、前記所定範囲は、少なくとも前記トラクタの側方の空間を含み、前記制御装置は、前記アスファルトフィニッシャが稼動していないときに人を検知した場合に、前記撮像装置が撮像した、検知した人の画像を含む画像を前記記憶装置に記憶するように構成され、且つ、前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて前記アスファルトフィニッシャに触れた人又は触れようとしている人を検知した場合、前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて前記所定範囲内に所定時間以上留まった人を検知した場合、前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて人を検知した場合で、且つ、開閉センサの出力に基づいて前記トラクタのカバーが開かれたことを検出した場合、又は、前記撮像装置が撮像した画像、及び、物体検出センサの出力の少なくとも一つに基づいて人を検知した場合で、且つ、振動センサの出力に基づいて前記トラクタに人が乗り込んだことを検出した場合、前記アスファルトフィニッシャが有している情報を無線で送信することにより、人を検知したことを外部に知らせるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上述の手段により、盗難を抑制或いは防止できるアスファルトフィニッシャが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャの側面図である。
【
図2】撮像装置の撮像範囲を表す
図1のアスファルトフィニッシャの上面図である。
【
図3】作業灯の照明範囲を表す
図1のアスファルトフィニッシャの上面図である。
【
図4】
図1のアスファルトフィニッシャに搭載される監視システムの構成例を示す図である。
【
図7】
図1のアスファルトフィニッシャに搭載される監視システムの別の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る道路機械の一例であるアスファルトフィニッシャ100の側面図である。
図2はアスファルトフィニッシャ100の上面図である。アスファルトフィニッシャ100は、主に、トラクタ1、ホッパ2及びスクリード3で構成されている。以下では、トラクタ1から見たホッパ2の方向(+X方向)を前方とし、トラクタ1から見たスクリード3の方向(-X方向)を後方とする。道路機械は、ベースペーバ、タックペーバ又はマルチアスファルトペーバ等であってもよい。
【0010】
トラクタ1は、アスファルトフィニッシャ100を走行させるための機構である。本実施形態では、トラクタ1は、後輪走行用油圧モータを用いて後輪5を回転させ、且つ、前輪走行用油圧モータを用いて前輪6を回転させてアスファルトフィニッシャ100を移動させる。後輪走行用油圧モータ及び前輪走行用油圧モータは油圧ポンプから作動油の供給を受けて回転する。後輪5及び前輪6はクローラで置き換えられてもよい。また、トラクタ1は、キャノピー1Cを含む。キャノピー1Cは、トラクタ1の上部に取り付けられている。但し、キャノピー1Cは省略されてもよい。
【0011】
コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100を制御する制御装置である。本実施形態では、コントローラ50は、CPU、タイマ、RAM及びROM等を含むマイクロコンピュータで構成され、トラクタ1に搭載されている。コントローラ50の各種機能は、ROMに格納されたプログラムをCPUが実行することで実現される。
【0012】
ホッパ2は、ダンプトラックから舗装材(例えばアスファルト混合物である。)を受けるための機構であり、主に、ホッパウイング20及びホッパシリンダ24を含む。本実施形態では、ホッパ2は、トラクタ1の前側に設置され且つホッパウイング20内に舗装材を受け入れる。ホッパウイング20は、左ホッパシリンダ24LによってY軸方向(車幅方向)に開閉可能な左ホッパウイング20Lと、右ホッパシリンダ24RによってY軸方向(車幅方向)に開閉可能な右ホッパウイング20Rとを含む。アスファルトフィニッシャ100は、通常、ホッパウイング20を全開状態にしてダンプトラックの荷台から舗装材を受け入れる。
図2はホッパウイング20が全開状態であることを示す。ホッパ2内の舗装材が減少した場合、操作者がホッパウイング20を閉じると、ホッパ2の内壁付近にあった舗装材は、ホッパ2の中央部分に集められる。ホッパ2の中央部分にあるコンベアCVがトラクタ1の後側に舗装材を継続的に給送できるようにするためである。すなわち、コンベアCV上に舗装材が溜まった状態を維持できるようにするためである。その後、トラクタ1の後側に給送された舗装材は、スクリュSCによってトラクタ1の後側且つスクリード3の前側で車幅方向に敷き拡げられる。本実施形態では、スクリュSCは、エクステンションスクリュが左右に連結された状態にある。
【0013】
スクリード3は、舗装材を敷き均すための機構である。本実施形態では、スクリード3は、前側スクリード30及び後側スクリード31を含む。スクリード3は、トラクタ1によって牽引される浮動スクリードであり、レベリングアーム3Aを介してトラクタ1に連結されている。後側スクリード31は左後側スクリード31L及び右後側スクリード31Rを含む。左後側スクリード31Lは左スクリード伸縮シリンダ26Lを用いて車幅方向に伸縮され、右後側スクリード31Rは右スクリード伸縮シリンダ26Rを用いて車幅方向に伸縮される。
【0014】
周囲監視装置としての撮像装置51は、画像を取得する装置である。本実施形態では、撮像装置51は、単眼カメラであり、無線又は有線でコントローラ50に接続されている。また、撮像装置51は、トラクタ1に搭載されているバッテリBTに蓄えられた電力をエンジンがオフされた後も利用できるように構成されている。周囲監視装置としての撮像装置51は、物体の種類、位置、及び形状等の少なくとも1つを識別できるように構成されていてもよい。
【0015】
コントローラ50は、例えば、撮像装置51が撮像した画像に視点変換処理を施すことで俯瞰画像を生成できるように構成されている。俯瞰画像は、例えば、アスファルトフィニッシャ100の周囲の空間を仮想的に略真上から見たときの様子を表す画像である。周囲監視装置としての撮像装置51は、LIDAR、サーモカメラ、赤外線カメラ又はステレオカメラ等であってもよい。本実施形態では、撮像装置51は、前カメラ51F、左カメラ51L、右カメラ51R、及び、後カメラ51Bを含む。撮像装置51は、トラクタ1の真上の空間を撮像するカメラを含んでいてもよい。
【0016】
前カメラ51Fは、アスファルトフィニッシャ100の前方の空間を撮像する。本実施形態では、ホッパ2の内側の画像を撮像できるよう、トラクタ1の前部を構成するボンネットの前端中央部に取り付けられている。キャノピー1Cの天板の前部に取り付けられていてもよい。
図2の一点鎖線で囲まれた領域Z1は、前カメラ51Fの撮像範囲を示す。
【0017】
左カメラ51Lは、アスファルトフィニッシャ100の左方の空間を撮像する。本実施形態では、アスファルトフィニッシャ100の左側の空間の画像を撮像できるよう、キャノピー1Cの天板の左側部に取り付けられている。ボンネットの左端部に取り付けられていてもよい。
図2の一点鎖線で囲まれた領域Z2は、左カメラ51Lの撮像範囲を示す。
【0018】
右カメラ51Rは、アスファルトフィニッシャ100の右方の空間を撮像する。本実施形態では、アスファルトフィニッシャ100の右側の空間の画像を撮像できるよう、キャノピー1Cの天板の右側部に取り付けられている。ボンネットの右端部に取り付けられていてもよい。
図2の一点鎖線で囲まれた領域Z3は、右カメラ51Rの撮像範囲を示す。
【0019】
後カメラ51Bは、アスファルトフィニッシャ100の後方の空間を撮像する。本実施形態では、スクリード3の後方の空間を撮像できるよう、キャノピー1Cの天板の後部に取り付けられている。トラクタ1の後端中央部に取り付けられていてもよい。
図2の一点鎖線で囲まれた領域Z4は、後カメラ51Bの撮像範囲を示す。
【0020】
コントローラ50は、前カメラ51F、左カメラ51L、右カメラ51R、及び、後カメラ51Bのそれぞれが撮像した画像を視点変換し且つ合成して俯瞰画像を生成する。俯瞰画像は、ホッパ2の内部の空間、アスファルトフィニッシャ100の左方の空間、アスファルトフィニッシャ100の右方の空間、及び、スクリード3の後方の空間を仮想的に略真上から見たときの様子を表す画像と、アスファルトフィニッシャ100のコンピュータグラフィックス画像(アスファルトフィニッシャ100の上面図)とを含む。
【0021】
表示装置52は、各種画像を表示する装置である。本実施形態では、表示装置52は、液晶ディスプレイであり、無線又は有線でコントローラ50に接続されている。表示装置52は、複数の撮像装置51のそれぞれが撮像した画像を表示可能であり、運転席1Sに着座する運転者が見易い位置に配置されている。表示装置52は、リアコントローラRCのところに配置されていてもよい。コントローラ50は、例えば、撮像装置51が撮像した画像に視点変換処理を施して生成した画像を表示装置52に表示させる。
【0022】
本実施形態では、アスファルトフィニッシャ100は、作業灯W1~W4を備えている。作業灯W1~W4は、アスファルトフィニッシャ100の稼働しているときには、トラクタ1に搭載された発電機が発電した電力を用いて所定の空間を照らすように構成されている。また、作業灯W1~W4は、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときには、トラクタ1に搭載されたバッテリBTの電力を用いて所定の空間を照らすように構成されている。
【0023】
本実施形態では、作業灯W1~W4は、LEDランプである。但し、HIDランプ又はハロゲンランプ等であってもよい。作業灯W1~W4は、典型的には、スイッチによって点灯・消灯が切り換えられるように構成されている。スイッチは、典型的には、運転席の前方に設置された操作パネルに含まれている。但し、スイッチは、スクリード3に設置された操作ボックス等、アスファルトフィニッシャ100の他の部分に設けられていてもよい。作業灯W1~W4は、1つのスイッチによって点灯・消灯が切り換えられるように構成されていてもよく、別々のスイッチによって個別に点灯・消灯が切り換えられるように構成されていてもよい。また、作業灯W1~W4は、コントローラ50からの制御指令に応じて点灯・消灯が切り換えられるように構成されていてもよい。
【0024】
図3は、作業灯W1~W4のそれぞれの照明範囲を表すアスファルトフィニッシャ100の上面図であり、
図2に対応する。
【0025】
作業灯W1は、アスファルトフィニッシャ100の斜め前方を照らす。本実施形態では、作業灯W1は、トラクタ1の前端部の左端に設置されてアスファルトフィニッシャ100の左斜め前方を照らす左ヘッドライトW1Lと、トラクタ1の前端部の右端に設置されてアスファルトフィニッシャ100の右斜め前方を照らす右ヘッドライトW1Rと、を含む。左ヘッドライトW1Lは、
図3に示すように、二点鎖線で囲まれた範囲R1Lを照らす。右ヘッドライトW1Rは、
図3に示すように、二点鎖線で囲まれた範囲R1Rを照らす。作業灯W1は、キャノピー1Cの天板の前部に取り付けられていてもよい。
【0026】
作業灯W2は、トラクタ1の前方を照らす。本実施形態では、作業灯W2は、
図3に示すように、トラクタ1の前端中央部に設置され、ホッパ2の内側領域を含む二点鎖線で囲まれた範囲R2を照らす。作業灯W2は、キャノピー1Cの天板の前部に取り付けられていてもよい。
【0027】
作業灯W3は、トラクタ1の側方の空間を照らす。本実施形態では、作業灯W3は、トラクタ1の左側面に設置されてトラクタ1の左方の空間を照らす左サイドライトW3Lと、トラクタ1の右側面に設置されてトラクタ1の右方の空間を照らす右サイドライトW3Rと、を含む。左サイドライトW3Lは、
図3に示すように、二点鎖線で囲まれた範囲R3Lを照らす。右サイドライトW3Rは、
図3に示すように、二点鎖線で囲まれた範囲R3Rを照らす。作業灯W3は、キャノピー1Cの天板の側部に取り付けられていてもよい。
【0028】
作業灯W4は、スクリード3の後方の空間を照らす。本実施形態では、作業灯W4は、キャノピー1Cの天板の後部に設置されてスクリード3の左後方の空間を照らす左バックライトW4Lと、キャノピー1Cの天板の後部に設置されてスクリード3の右後方の空間を照らす右バックライトW4Rと、を含む。左バックライトW4Lは、
図3に示すように、二点鎖線で囲まれた範囲R4Lを照らす。右バックライトW4Rは、
図3に示すように、二点鎖線で囲まれた範囲R4Rを照らす。作業灯W3は、トラクタ1の後部に取り付けられていてもよい。
【0029】
次に、
図4を参照し、アスファルトフィニッシャ100に搭載される監視システムMSの構成例について説明する。
図4は、監視システムMSの構成例を図である。監視システムMSは、主に、コントローラ50、撮像装置51、表示装置52、情報取得装置53、記憶装置54及び送信装置55等で構成されている。監視システムMSは、例えば、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときに、アスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人を検知した場合に、撮像装置51が撮像した画像を記憶装置54に記憶するように構成されている。この場合、監視システムMSは、撮像装置51が撮像した画像を、上書きされないように、記憶装置54に記憶するように構成されていてもよい。また、監視システムMSは、アスファルトフィニッシャ100が稼動しているときには、撮像装置51が撮像した画像(以下、「入力画像」とする。)に基づいて表示用の画像(以下、「出力画像」とする。)を生成しその出力画像を表示装置52に表示させるように構成されている。
【0030】
情報取得装置53は、アスファルトフィニッシャ100に関する情報を取得し、取得した情報をコントローラ50に対して出力する。情報取得装置53は、例えば、イグニッションスイッチ、マイクロフォン、照度センサ及び測位装置等の少なくとも1つを含む。イグニッションスイッチは、アスファルトフィニッシャ100の駆動源であるエンジンのオン・オフ状態を検出する。マイクロフォンは、アスファルトフィニッシャ100の周囲で発生する音を検出する。照度センサは、アスファルトフィニッシャ100の周囲の明るさを検出する。測位装置は、例えばGNSSコンパスであり、アスファルトフィニッシャ100の位置(緯度、経度、高度)及び向きを検出する。
【0031】
記憶装置54は、各種情報を記憶するための装置である。本実施形態では、記憶装置54は、入力画像・出力画像対応マップを参照可能に記憶する不揮発性記憶装置であり、
図1及び
図2に示すように、トラクタ1に搭載されている。
【0032】
入力画像・出力画像対応マップは、入力画像平面上の座標と出力画像平面上の座標との対応関係を記憶している。その対応関係は、所望の視点変換を実現できるよう、撮像装置51の光学中心、焦点距離、CCDサイズ、光軸方向ベクトル、カメラ水平方向ベクトル及び射影方式等の各種パラメータに基づいて予め設定されている。その対応関係は、見掛け上の歪曲やアオリが出力画像に現れないように設定されていてもよい。
【0033】
送信装置55は、アスファルトフィニッシャ100が有している情報を外部に送信できるように構成されている。本実施形態では、送信装置55は、
図1及び
図2に示すように、トラクタ1に搭載されている。そして、送信装置55は、近距離無線通信網、携帯電話通信網又は衛星通信網等の通信網NWを介し、アスファルトフィニッシャ100が有している情報を外部機器に送信する。外部機器は、例えば、管理センタ等に設置されたサーバ等の管理装置MD、又は、アスファルトフィニッシャ100の所有者若しくは管理者等の関係者が携帯するスマートフォン等の支援装置AD等を含む。
【0034】
コントローラ50は、視点変換部50a及び人検知部50b等の機能要素を含む。各機能要素は、ソフトウェア、ハードウェア又はファームウェアで構成される。本実施形態では、各機能要素は、ソフトウェアで構成されている。
【0035】
視点変換部50aは、出力画像を生成する機能要素である。本実施形態では、視点変換部50aは、記憶装置54に記憶された入力画像・出力画像対応マップを参照し、撮像装置51が撮像した入力画像が位置する入力画像平面上の座標と、出力画像としての俯瞰画像が位置する出力画像平面上の座標とを対応付ける。具体的には、視点変換部50aは、入力画像における各画素の値(例えば、輝度値、色相値、彩度値等である。)を出力画像における各画素の値に対応付けて出力画像を生成する。
【0036】
本実施形態では、コントローラ50は、視点変換部50aにより、入力画像・出力画像対応マップを参照する。そして、出力画像平面上の各座標に対応する入力画像平面上の座標が有する値(例えば、輝度値、色相値、彩度値等である。)を取得し、その取得した値を、対応する出力画像平面上の各座標の値として採用する。
【0037】
その後、コントローラ50は、出力画像平面上の全ての座標の値を入力画像平面上の座標の値に関連付けたか否かを判定する。未だ全ての座標の値を関連付けていないと判定した場合には、全ての座標の値を関連付けるまで上述の処理を繰り返す。
【0038】
この構成より、コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100の稼働中に俯瞰画像を表示装置52に表示させることができる。
【0039】
人検知部50bは、アスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人を検知する機能要素である。本実施形態では、人検知部50bは、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときに撮像装置51が撮像した画像に既知の画像認識技術を適用して人を検知する。このため、トラクタ1に搭載されているバッテリBTは、エンジンがオフされた後も、バッテリBTに蓄えられた電力が人検知部50bへ供給されるように構成されている。そして、人検知部50bは、人を検知した場合、撮像装置51が撮像した画像を記憶装置54における所定の記憶領域に記憶する。上書きされようにするため、すなわち、消去されないようにするためである。具体的には、コントローラ50は、撮像装置51が継続的に撮像する画像を記憶装置54のリングバッファ領域に継続的に記憶している。そして、人検知部50bは、人を検知した場合には、人を検知した時点を含む所定期間にリングバッファ領域に記憶された画像を、リングバッファ領域以外の所定の記憶領域にも記憶する。人検知部50bは、人を検知した後に撮像装置51が撮像した画像を、リングバッファ領域に記憶することなく、その所定の記憶領域に直接的に記憶してもよい。また、所定期間は、人を検知した時点よりも前の期間を含んでいてもよい。
【0040】
人検知部50bは、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときに人を検知した場合、人を検知したことを外部に知らせるように構成されていてもよい。本実施形態では、人検知部50bは、人を検知したことを表すテキストメッセージと所定の記憶領域に記憶された画像とを関係者に送付するように構成されている。テキストメッセージのみを送付するように構成されていてもよい。また、関係者に向けて送付される画像は、所定の記憶領域に記憶された画像の全部であってもよく、一部であってもよい。また、関係者に向けて送付される画像は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。
【0041】
人検知部50bは、アスファルトフィニッシャ100が稼動しているときに、同様の処理を実行してもよい。
【0042】
次に、
図5及び
図6を参照し、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときの監視システムMSの動作について説明する。
図5は、監視システムMSが検知処理を起動させる処理(以下、「起動処理」とする。)の流れの一例を示すフローチャートである。検知処理は、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときに、アスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人をコントローラ50が検知する処理である。
図6は、検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100が稼働しているときに、所定の制御周期で繰り返しこの起動処理を実行する。そして、コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100が稼働していないときに、所定の制御周期で繰り返しこの検知処理を実行する。
【0043】
図5に示すように、アスファルトフィニッシャ100が稼動しているときに、コントローラ50は、エンジンがオフされたか否かを監視している(ステップST1)。本実施形態では、コントローラ50は、情報取得装置53の1つであるイグニッションスイッチの出力に基づいてエンジンがオフされたか否かを判定する。
【0044】
エンジンがオフされていないと判定した場合(ステップST1のNO)、コントローラ50は、エンジンがオフされるまでステップST1を繰り返す。本実施形態では、コントローラ50は、イグニッションスイッチの出力に基づき、エンジンがオフされていない、すなわち、アスファルトフィニッシャ100が稼働中であると判定した場合、エンジンがオフされるまでステップST1を繰り返す。
【0045】
エンジンがオフされたと判定した場合(ステップST1のYES)、コントローラ50は、撮像装置51を起動させる(ステップST2)。本実施形態では、コントローラ50は、監視モードがオンに設定されている場合、エンジンがオフされたと判定したときに撮像装置51を起動させる。アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときにアスファルトフィニッシャ100の周囲を監視するためである。この場合、コントローラ50は、情報取得装置53の1つであるマイクロフォンを起動させてもよい。なお、コントローラ50は、監視モードがオフに設定されている場合には、エンジンがオフされたと判定したときであっても撮像装置51を起動させない。
【0046】
アスファルトフィニッシャ100の操作者を含む関係者は、例えば、操作パネルを介して監視モードのオン・オフを設定できる。関係者は、無線通信を介した遠隔操作により、監視モードのオン・オフを切り換えてもよい。この構成により、アスファルトフィニッシャ100のメンテナンスを行う作業者は、遠隔操作により監視モードをオフに設定することで検知処理を停止させた上で、アスファルトフィニッシャ100のメンテナンスを行うことができる。
【0047】
或いは、監視モードは、所定の時刻になると自動的にオンに切り換わるように構成されていてもよい。スケジュールされている作業時間以外の時間等、予め設定された時間帯においてアスファルトフィニッシャ100に近づく人を検知できるようにするためである。
【0048】
但し、コントローラ50は、エンジンがオフされたと判定したときには無条件に撮像装置51を起動させてもよい。また、コントローラ50は、エンジンの状態とは無関係に、測位装置の出力に基づいてアスファルトフィニッシャ100が所定の駐車場以外の場所に存在する場合に、撮像装置51を起動させてもよい。
【0049】
撮像装置51が起動すると、コントローラ50は、検知処理を開始させる(ステップST3)。本実施形態では、コントローラ50は、撮像装置51を起動させた後で検知処理を開始させる。
【0050】
図6に示す検知処理では、コントローラ50は、人を検知したか否かを判定する(ステップST11)。本実施形態では、コントローラ50は、撮像装置51が撮像した画像に基づき、アスファルトフィニッシャ100の周囲に設定される所定範囲内で人を検知したか否かを判定する。そのため、所定範囲は、撮像装置51の撮像範囲に含まれる。すなわち、監視システムMSの監視範囲は、撮像装置51の撮像範囲に含まれる。
【0051】
人を検知したか否かを判定する際、コントローラ50は、必要に応じて作業灯W1~W4等の照明装置を作動させてもよい。本実施形態では、コントローラ50は、照度センサの出力に基づき、アスファルトフィニッシャ100の周囲の明るさ(照度)が所定値を下回ったと判定した場合に、作業灯W1~W4の少なくとも1つを作動させる。コントローラ50が人を検知するのに必要な明るさを確保するためである。但し、撮像装置51が赤外線カメラ又はサーモカメラである場合には、コントローラ50は、照明装置を作動させなくてもよい。
【0052】
コントローラ50は、所定範囲内に所定時間以上留まった人候補を人として検知するように構成されていてもよい。人候補は、人である可能性が高いとコントローラ50が判定した物体である。言い換えれば、コントローラ50は、所定範囲内で人候補を検知した場合であっても、その人候補が所定範囲内に所定時間以上留まらなかった場合には、人として検知しないように構成されていてもよい。この場合、コントローラ50は、短時間だけ所定範囲内にいた人候補を人として検知しない。過大な量の情報が所定の記憶領域に記憶され、或いは、外部に送信されてしまうのを防止するためである。
【0053】
或いは、コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100に触れた人候補又は触れようとしている人候補を人として検知するように構成されていてもよい。言い換えれば、コントローラ50は、所定範囲内で人候補を検知した場合であっても、その人候補がアスファルトフィニッシャ100に触れなかった場合、或いは、触れようとしていない場合には、人として検知しないように構成されていてもよい。この場合、コントローラ50は、撮像装置51が撮像した画像に基づき、人候補がアスファルトフィニッシャ100に触れたか否か、或いは、触れようとしているか否かを判定する。過大な量の情報が所定の記憶領域に記憶され、或いは、外部に送信されてしまうのを防止するためである。
【0054】
具体的には、コントローラ50は、トラクタ1のカバー1D(
図1参照。)に触れた人或いは触れようとしている人を検知した場合に、外部に情報を送信するように構成されていてもよい。トラクタ1のカバー1Dは、例えば、燃料タンクの給油口FC(
図1及び
図2参照。)が配置されているトラクタ1の左前側の内部空間を覆う左前カバー1DF、及び、バッテリBTが配置されているトラクタ1の左後側の内部空間を覆う左後カバー1DB等を含む。
【0055】
或いは、コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100の運転席1Sの下に収容されている工具箱TL(
図2参照。)等に近づくためにトラクタ1に乗り込んだ人或いは乗り込もうとしている人を検知した場合に、外部に情報を送信するように構成されていてもよい。
【0056】
人を検知していないと判定した場合(ステップST11のNO)、コントローラ50は、人を検知したと判定するまでステップST11を繰り返す。
【0057】
人を検知したと判定した場合(ステップST11のYES)、コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100に関する情報を外部に送信する(ステップST12)。本実施形態では、コントローラ50は、人を検知したことを表すテキストメッセージと所定の記憶領域に記憶された画像とを関係者に送付するように構成されている。
【0058】
コントローラ50は、例えば、人を検知している場合、所定間隔毎に所定時間にわたって記憶された画像を外部に送信してもよい。例えば、コントローラ50は、30秒毎に、直近の5秒間に記憶された動画像を外部に送信してもよい。
【0059】
次に、
図7を参照し、監視システムMSの別の構成例について説明する。
図7は、監視システムMSの別の構成例を示す。
図7の監視システムMSは、情報取得装置53が取得した情報に基づいて人検知部50bが人を検知する点、及び、受信装置56を備える点で、
図4の監視システムMSと異なるが、その他の点では
図4の監視システムMSと同じである。そのため、共通部分の説明を省略し、相違部分を詳説する。
【0060】
図7の監視システムMSでは、人検知部50bは、情報取得装置53が取得した情報に基づいて人を検知するように構成されている。情報取得装置53は、例えば、焦電型赤外線センサ又は超音波センサ等で構成される物体検出センサを含む。この場合、人検知部50bは、物体検出センサの出力に基づいて人を検知した場合に、撮像装置51を起動させる。すなわち、撮像装置51は、人が検知されるまでは、起動していない。
【0061】
情報取得装置53は、トラクタ1のカバー1Dが開かれたことを検出する開閉センサを含んでいてもよい。開閉センサは、例えば、リミットスイッチ等の接触式センサであってもよく、近接センサ等の非接触式センサであってもよい。この場合、人検知部50bは、開閉センサの出力に基づいてカバー1Dが開けられたことを検出した場合に、撮像装置51を起動させる。すなわち、撮像装置51は、カバー1Dが開けられるまでは、起動していない。
【0062】
情報取得装置53は、トラクタ1に人が乗り込んだことを検出する振動センサを含んでいてもよい。この場合、人検知部50bは、振動センサの出力に基づいてトラクタ1に人が乗り込んだことを検出した場合に、撮像装置51を起動させる。すなわち、撮像装置51は、トラクタ1に人が乗り込むまでは、起動していない。この場合、撮像装置51は、トラクタ1の真上の空間を撮像するカメラを含んでいてもよい。
【0063】
受信装置56は、アスファルトフィニッシャ100の所有者若しくは管理者等の関係者が携帯する発信機TMが発信する信号を受信できるように構成されている。そして、人検知部50bは、発信機TMが発信する信号を受信装置56が受信している場合には、人を検知したときであっても、人を検知したことを外部に知らせないように構成されている。人検知部50bは、発信機TMが発信する信号を受信装置56が受信している場合には、人を検知したときであっても、撮像装置51が撮像した画像をリングバッファ領域に記憶し、所定の記憶領域には記憶しないように構成されていてもよい。不審者ではない関係者がアスファルトフィニッシャ100の周囲に存在すると推定できるためである。すなわち、バッテリBT若しくは照明装置等の部品又は燃料等の盗難のおそれがないと判断できるためである。
【0064】
図7の監視システムMSでは、人検知部50bは、情報取得装置53が取得した情報に基づいて人を検知し、撮像装置51を起動させた後で、改めて、情報取得装置53が取得した情報と撮像装置51が撮像した画像とに基づいて人を検知してもよい。
【0065】
上述のように、本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャ100は、トラクタ1と、トラクタ1の前側に設置されて舗装材を受け入れるホッパ2と、ホッパ2内の舗装材をトラクタ1の後側へ給送するコンベアCVと、コンベアCVにより給送された舗装材をトラクタ1の後側で敷き拡げるスクリュSCと、スクリュSCにより敷き拡げられた舗装材をスクリュSCの後側で敷き均すスクリード3と、アスファルトフィニッシャ100の周囲を撮像する撮像装置51と、撮像装置51が撮像した画像を記憶可能な記憶装置54と、アスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人を検知する制御装置としてのコントローラ50と、を備えている。そして、コントローラ50は、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときに人を検知した場合に、撮像装置51が撮像した画像を記憶装置54に記憶するように構成されている。
【0066】
この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、バッテリBT若しくは作業灯W1~W4等の部品又は燃料等の盗難を抑制或いは防止できる。そのため、アスファルトフィニッシャ100は、防犯性を向上させることができる。
【0067】
コントローラ50は、望ましくは、人を検知した場合に、人を検知したことを外部に知らせるように構成されている。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、不審者がアスファルトフィニッシャ100の周囲にいることを速やかに関係者に伝えることができる。
【0068】
アスファルトフィニッシャ100は、アスファルトフィニッシャ100に対して所定の行為が行われたことを検知するセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、トラクタ1のカバー1Dが開かれたことを検出する開閉センサ、又は、トラクタ1に人が乗り込んだことを検出する振動センサ等を含む。所定の行為は、例えば、カバー1Dの開放、又は、トラクタ1への乗り込み等を含む。この場合、コントローラ50は、人を検知した場合で、且つ、上述のようなセンサによって所定の行為が行われたことが検知された場合に、人を検知したことを外部に知らせるように構成されていてもよい。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、外部に知らせる必要のない情報が頻繁に外部に送信されてしまうのを防止できる。
【0069】
コントローラ50は、望ましくは、撮像装置51が撮像した画像、及び、情報取得装置53が取得した情報の少なくとも1つに基づいて人を検知するように構成されている。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときにアスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人を高精度に検知することができる。
【0070】
コントローラ50は、予め設定された時間帯において人を検知した場合に、人を検知したことを外部に知らせるように構成されていてもよい。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、例えば、操作者が監視モードをオンに設定することを忘れた場合であっても、検知処理を自動的に起動させることができる。
【0071】
コントローラ50は、予め設定された空間内に人を検知した場合に、人を検知したことを外部に知らせるように構成されていてもよい。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、予め設定された空間の外側にいる人までが不審者として検知されてしまうのを防止できる。
【0072】
コントローラ50は、所定の信号を受信している場合には、人を検知したことを外部に知らせないように構成されていてもよい。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、アスファルトフィニッシャ100の関係者までが不審者として検知されてしまうのを防止できる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態が説明された。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形、置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0074】
例えば、撮像装置51は、アスファルトフィニッシャ100が稼動していないときにアスファルトフィニッシャ100の周囲を監視するカメラとしての全方位カメラを含んでいてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態では、監視システムMSは、俯瞰画像を生成できるように配置されている撮像装置51が撮像した画像に基づき、アスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人を検知するように構成されている。しかしながら、監視システムMSは、俯瞰画像の生成とは無関係である撮像装置が撮像した画像に基づき、アスファルトフィニッシャ100の周囲に存在する人を検知するように構成されていてもよい。この場合、俯瞰画像を生成できるように配置されている撮像装置51は省略されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1・・・トラクタ 1S・・・運転席 2・・・ホッパ 3・・・スクリード 3A・・・レベリングアーム 5・・・後輪 6・・・前輪 20・・・ホッパウイング 20L・・・左ホッパウイング 20R・・・右ホッパウイング 24・・・ホッパシリンダ 24L・・・左ホッパシリンダ 24R・・・右ホッパシリンダ 26・・・スクリード伸縮シリンダ 26L・・・左スクリード伸縮シリンダ 26R・・・右スクリード伸縮シリンダ 30・・・前側スクリード 31・・・後側スクリード 50・・・コントローラ 50a・・・視点変換部 50b・・・人検知部 51・・・撮像装置 51B・・・後カメラ 51F・・・前カメラ 51L・・・左カメラ 51R・・・右カメラ 52・・・表示装置 53・・・情報取得装置 54・・・記憶装置 55・・・送信装置 56・・・受信装置 100・・・アスファルトフィニッシャ AD・・・支援装置 CV・・・コンベア MD・・・管理装置 MS・・・監視システム NW・・・通信網 SC・・・スクリュ