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特許7374676移動体用管状フレーム、および移動体用管状フレームの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】移動体用管状フレーム、および移動体用管状フレームの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/20 20060101AFI20231030BHJP
   F16B 11/00 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
F16B7/20 A
F16B11/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019163517
(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公開番号】P2021042785
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100144510
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 真由
(72)【発明者】
【氏名】表 竜二
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英一
(72)【発明者】
【氏名】太田 英一
(72)【発明者】
【氏名】朝賀 泰男
(72)【発明者】
【氏名】富田 直
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 稿治
(72)【発明者】
【氏名】徳山 浩二
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-217007(JP,A)
【文献】特開2010-215125(JP,A)
【文献】実開昭50-073783(JP,U)
【文献】特開2011-213312(JP,A)
【文献】特開2016-002781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/00-7/22
F16B 9/00-11/00
B60R 13/01-13/04
B60R 13/08
E04B 1/00-1/61
E04C 3/00-3/46
E04C 5/00-5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管部と、前記第1管部に接合された第2管部と、を備える移動体用管状フレームであって、
前記第1管部は、
前記第1管部の端部に形成された第1接続部であって、前記第1接続部の長手方向に沿って第1スリットが形成された第1接続部を備え、
前記第2管部は、
前記第2管部の端部に形成された第2接続部であって、前記第2接続部の長手方向に直交する断面形状が前記第1接続部と略同一である第2接続部を備え、
前記第1接続部および前記第2接続部のいずれか一方には、自身の長手方向に沿って第2スリットが形成され、
前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に互い違いに重なり合い、接合部により接合されることにより、前記第1管部と前記第2管部とが接合されており、
前記接合部は、
接着剤により形成され、重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されており、
前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一以上である、
移動体用管状フレーム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体用管状フレームであって、
前記第1接続部および前記第2接続部および前記接合部により構成される接続部の長手方向に直交する断面形状の外形は、多角形状であり、
前記第1スリットおよび前記第2スリットは、前記接続部の重心軸を中心とする略点対称に配置されている、
移動体用管状フレーム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の移動体用管状フレームであって、
前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一である、
移動体用管状フレーム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の移動体用管状フレームであって、
前記第1スリットおよび前記第2スリットの長さは、前記第1接続部および前記第2接続部および前記接合部により構成される接続部に要する強度および剛性に基づいて定められている、
移動体用管状フレーム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の移動体用管状フレームであって、
前記第2スリットは、前記第2管部の前記第2接続部に形成されている、
移動体用管状フレーム。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の移動体用管状フレームであって、
前記第1スリットは、前記第1管部の全長に亘って形成され、
前記第2スリットは、前記第2管部の全長に亘って形成されている、
移動体用管状フレーム。
【請求項7】
第1管部と、前記第1管部に接合された第2管部と、を備える移動体用管状フレームの製造方法であって、
前記第1管部は、前記第1管部の端部に形成された第1接続部であって、前記第1接続部の長手方向に沿って第1スリットが形成された第1接続部を備え、
前記第2管部は、前記第2管部の端部に形成された第2接続部であって、前記第2接続部の長手方向に直交する断面形状が前記第1接続部と略同一である第2接続部を備え、
前記第1接続部および前記第2接続部のいずれか一方には、自身の長手方向に沿って第2スリットが形成され、前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に互い違いに重なり合い、接合部により接合されることにより、前記第1管部と前記第2管部とが接合されており、
前記接合部は、接着剤により形成され、重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されており、
前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一以上であり、
前記移動体用管状フレームの製造方法は、
前記第1管部と、前記第2管部と、前記接着剤と、を準備する準備工程と、
前記第1管部の前記第1接続部の外側面の一部に前記接着剤を塗布し、前記第2管部の前記第2接続部の外側面の一部に前記接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に、互い違いに、隙間を空けて重なり合うように、前記第1管部と前記第2管部とを、互いに挿入する挿入工程と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを、外側から内側に向かって押し付けて、前記接着剤により前記第1接続部と前記第2接続部とを接合する接合工程と、
を備え、
前記接着剤塗布工程において、
前記接着剤は、前記挿入工程において重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されるように、前記第1接続部および前記第2接続部の外側面に塗布される、
移動体用管状フレームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体用の管状フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の管状部材が接続されて構成される車両のフレームにおいて、種々の接続構造が提案されている(例えば、特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-278337号公報
【文献】特開2010-012922号公報
【文献】特開2010-215125号公報
【文献】特開昭63-247184号公報
【文献】特表2010-528926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1~5に記載の技術においても、製造の容易化の点において、なお、工夫の余地があった。これらの課題は、車両用のフレームに限らず、航空機、列車等、種々の移動体に共通する課題である。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の管状部材が接続されて構成される移動体用の管状フレームにおいて、製造の容易化を実現可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、第1管部と、前記第1管部に接合された第2管部と、を備える移動体用管状フレームが提供される。この移動体用管状フレームにおいて、前記第1管部は、前記第1管部の端部に形成された第1接続部であって、前記第1接続部の長手方向に沿って第1スリットが形成された第1接続部を備え、前記第2管部は、前記第2管部の端部に形成された第2接続部であって、前記第2接続部の長手方向に直交する断面形状が前記第1接続部と略同一である第2接続部を備え、前記第1接続部および前記第2接続部のいずれか一方には、自身の長手方向に沿って第2スリットが形成され、前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に互い違いに重なり合い、接合部により接合されることにより、前記第1管部と前記第2管部とが接合されており、前記接合部は、接着剤により形成され、重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されており、前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一以上である。この構成によれば、前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一以上であるため、移動体用管状フレームの製造時に、第1管部と第2管部を互いに挿入する際に、スリットによる接合部の削れを抑制することができる。
本発明の他の形態によれば、第1管部と、前記第1管部に接合された第2管部と、を備える移動体用管状フレームの製造方法が提供される。この移動体用管状フレームにおいて、前記第1管部は、前記第1管部の端部に形成された第1接続部であって、前記第1接続部の長手方向に沿って第1スリットが形成された第1接続部を備え、前記第2管部は、前記第2管部の端部に形成された第2接続部であって、前記第2接続部の長手方向に直交する断面形状が前記第1接続部と略同一である第2接続部を備え、前記第1接続部および前記第2接続部のいずれか一方には、自身の長手方向に沿って第2スリットが形成され、前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に互い違いに重なり合い、接合部により接合されることにより、前記第1管部と前記第2管部とが接合されており、前記接合部は、接着剤により形成され、重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されており、前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一以上であり、前記移動体用管状フレームの製造方法は、前記第1管部と、前記第2管部と、前記接着剤と、を準備する準備工程と、前記第1管部の前記第1接続部の外側面の一部に前記接着剤を塗布し、前記第2管部の前記第2接続部の外側面の一部に前記接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に、互い違いに、隙間を空けて重なり合うように、前記第1管部と前記第2管部とを、互いに挿入する挿入工程と、前記第1接続部と前記第2接続部とを、外側から内側に向かって押し付けて、前記接着剤により前記第1接続部と前記第2接続部とを接合する接合工程と、を備え、前記接着剤塗布工程において、前記接着剤は、前記挿入工程において重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されるように、前記第1接続部および前記第2接続部の外側面に塗布される。移動体用管状フレームにおいて前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅が、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一以上であるため、この製造方法によれば、挿入工程において、第1接続部と第2接続部とが、隙間を空けて重なり合うように、第1管部と第2管部とを、互いに挿入することができ、接着剤のスリットによる削れを抑制することができる。また、接合工程において、第1接続部と第2接続部とを、外側から内側に向かって押し付けるため、接着剤と第1接続部および接着剤と第2接続部との隙間が抑制され、密着させることができ、強度および剛性を向上させることができる。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、第1管部と、前記第1管部に接合された第2管部と、を備える移動体用管状フレームが提供される。この移動体用管状フレームにおいて、前記第1管部は、前記第1管部の端部に形成された第1接続部であって、前記第1接続部の長手方向に沿って第1スリットが形成された第1接続部を備え、前記第2管部は、前記第2管部の端部に形成された第2接続部であって、前記第2接続部の長手方向に直交する断面形状が前記第1接続部と略同一である第2接続部を備え、前記第1接続部および前記第2接続部のいずれか一方には、自身の長手方向に沿って第2スリットが形成され、前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に互い違いに重なり合い、接合部により接合されることにより、前記第1管部と前記第2管部とが接合されている。
【0008】
この構成によれば、第1管部が、第1スリットが形成された第1接続部を備え、第2管部が、第2スリットが形成された第2接続部を備えるため、断面形状が略同一の第1接続部と第2接続部とを、スリットを境に互い違いに重なり合わせることができる。そのため、第1管部と第2管部とを互いに挿入することにより、容易に移動体用管状フレームを製造することができる。
【0009】
(2)上記形態の移動体用管状フレームであって、前記第1接続部および前記第2接続部および前記接合部により構成される接続部の長手方向に直交する断面形状の外形は、多角形状であり、前記第1スリットおよび前記第2スリットは、前記接続部の重心軸を中心とする略点対称に配置されていてもよい。このようにすると、接続部の断面形状の外形が多角形状の場合に、第1接続部と第2接続部とを、スリットを境に互い違いに重なり合わせることができるため、車両用管状フレームを容易に製造することができる。
【0010】
(3)上記形態の移動体用管状フレームであって、前記接合部は、接着剤により形成され、重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されていてもよい。このようにすると、第1接続部と第2接続部との重ね合わせにおいて、内側に配置される方の外側面に接着剤を塗布して、第1接続部と第2接続部とを重ね合わせて圧着させることにより第1管部と第2管部とを接合することができるため、移動体用管状フレームを、さらに容易に製造することができる。また、接着剤により接着することにより、例えば、溶接や締結具等によって接合する場合と比較して、製造時間を短縮することができる。
【0011】
(4)上記形態の移動体用管状フレームであって、前記第1スリットおよび前記第2スリットの幅は、前記第1接続部の板厚に前記接合部の厚さを加えた幅と略同一でもよい。このようにすると、移動体用管状フレームの製造時に、第1管部と第2管部を互いに挿入する際に、スリットによる接合部の削れを抑制することができる。
【0012】
(5)上記形態の移動体用管状フレームであって、前記第1スリットおよび前記第2スリットの長さは、接続部に要する強度および剛性に基づいて定められていてもよい。このようにすると、移動体用管状フレームの製造時に、第1管部と第2管部を互いに挿入する際に、スリットの長さによって、第1接続部と第2接続部が重なり合う長さが定まるため、容易に精度よく、適切な強度および剛性を有する接続部を構成することができる。
【0013】
(6)上記形態の移動体用管状フレームであって、前記第2スリットは、前記第2管部の前記第2接続部に形成されていてもよい。このようにすると、第2スリットが第1管部の第1接続部に形成される場合と比較して、第1管部の強度および剛性を向上させることができる。
【0014】
(7)上記形態の移動体用管状フレームであって、前記第1スリットは、前記第1管部の全長に亘って形成され、前記第2スリットは、前記第2管部の全長に亘って形成されていてもよい。このようにすると、第1接合部および第2接合部の長手方向の長さを、適宜、変更することができる。また、例えば、第1管部の両端に第2管部を接合することが可能となり、同様に、第2管部の両端に第1管部を接合することが可能となるため、2種の管状部材を用いて、種々の形状の移動体用管状フレームを構成することができる。
【0015】
(8)本発明の他の形態によれば、第1管部と、前記第1管部に接合された第2管部と、を備える移動体用管状フレームの製造方法が提供される。この移動体用管状フレームにおいて、前記第1管部は、前記第1管部の端部に形成された第1接続部であって、前記第1接続部の長手方向に沿って第1スリットが形成された第1接続部を備え、前記第2管部は、前記第2管部の端部に形成された第2接続部であって、前記第2接続部の長手方向に直交する断面形状が前記第1接続部と略同一である第2接続部を備え、前記第1接続部および前記第2接続部のいずれか一方には、自身の長手方向に沿って第2スリットが形成されており、前記移動体用管状フレームの製造方法は、前記第1管部と、前記第2管部と、接着剤と、を準備する準備工程と、前記第1管部の前記第1接続部の外側面の一部に接着剤を塗布し、前記第2管部の前記第2接続部の外側面の一部に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記第1接続部と前記第2接続部とが、前記第1スリットおよび前記第2スリットを境に、互い違いに、隙間を空けて重なり合うように、前記第1管部と前記第2管部とを、互いに挿入する挿入工程と、前記第1接続部と前記第2接続部とを、外側から内側に向かって押し付けて、前記接着剤により前記第1接続部と前記第2接続部とを接合する接合工程と、を備え、前記接着剤塗布工程において、前記接着剤は、前記挿入工程において重なり合う前記第1接続部と前記第2接続部との間に配置されるように、前記第1接続部および前記第2接続部の外側面に塗布される。
【0016】
この移動体用管状フレームの製造方法によれば、接着剤によって、第1管部および第2管部が接合されるため、容易に移動体用管状フレームを製造することができる。また、挿入工程において、第1接続部と第2接続部とが、隙間を空けて重なり合うように、第1管部と第2管部とを、互いに挿入するため、接着剤のスリットによる削れを抑制することができる。また、接着剤を第1接続部および第2接続部の外側面に塗布するため、内側面に塗布する場合と比較して、移動体用管状フレームの製造をより容易化することができる。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、移動体用管状フレームを備える移動体、移動体用管状フレームを備える移動体の製造方法、移動体用管状フレームを備える移動体の製造装置、その製造装置の制御方法、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態の移動体用管状フレームの外観構成を概略的に示す斜視図である。
図2】移動体用管状フレームを分解して外観構成を概略的に示す斜視図である。
図3】移動体用管状フレームのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図4】本実施形態の第1管部と第2管部との接合方法を示す工程図である。
図5図4に示す工程を、模式的に示す説明図である。
図6】比較例の移動体用管状フレームの構成を説明するための説明図である。
図7】第2実施形態における移動体用管状フレームのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図8】第3実施形態における移動体用管状フレームのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図9】第3実施形態の移動体用管状フレームの外観構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の移動体用管状フレーム100の外観構成を概略的に示す斜視図である。図2は、移動体用管状フレーム100を分解して外観構成を概略的に示す斜視図である。図3は、移動体用管状フレーム100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。図1、2では、移動体用管状フレーム100の一部を図示している。図には、方向を特定するために、互いに直交するXYZ軸が示されている。図では、Y軸方向が、以下に説明する接続部の長手方向と一致している。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、移動体用管状フレーム100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。また、以下の説明において、Z軸方向を第1の方向、X軸方向を第2の方向とも呼ぶ。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の移動体用管状フレーム100は、第1管部10と、第1管部10に接合された第2管部20を備える。本実施形態において、移動体は、例えば、車両である。図2に示すように、第1管部10は、端部に第1接続部14(図1図2において、一点鎖線を付して、境界を示す)が形成され、第2管部20は、端部に第2接続部24が形成されている。第1接続部14には、第1接続部14の長手方向に沿って第1スリット12が形成され、第2接続部24には、第2接続部24の長手方向に沿って第2スリット22が形成されている。
【0021】
図3(A)に示すように、第1接続部14と第2接続部24は、長手方向に直交する断面形状略同一であり、断面形状の外形が略凹六角形である。ここで、略同一とは、第1接続部14と第2接続部24は、長手方向に直交する断面形状において、第1スリット12および第2スリット22を除いた形状が同一であることを意味する。なお、同一は、寸法公差等の誤差を含む。また、本実施形態において、第1スリット12と第2スリット22は、接続部50の重心軸Cを中心とする略点対称に配置されている。
【0022】
第1接続部14と第2接続部24とは、第1スリット12および第2スリット22を境に互い違いに重なり合っている。換言すると、第1接続部14と第2接続部24とは、第1スリット12および第2スリット22を境に外側に配置される方が入れ替わっている。具体的には、図3(A)に示すように、移動体用管状フレーム100のXZ断面を、紙面右回り(時計回り)に辿ると、第2スリット22から第1スリット12までの間は、第1管部10が外側に配置され、第1スリット12から第2スリット22までの間は、第2管部20が外側に配置されている。上述の通り、第1スリット12と第2スリット22は、接続部50の重心軸Cを中心とする略点対称に配置されているため、略同一の断面形状を有する第1接続部14と第1スリット12とを、重ね合わせることができる。
【0023】
そして、重なり合う第1接続部14と第2接続部24との間に配置されている第1接合部31および第2接合部32により第1管部10と第2管部20とが接合されている。これにより、第1管部10と第2管部20とが接合されている。第1接合部31と第2接合部32とをあわせて接合部30とも呼ぶ。また、第1接続部14、第2接続部24、および接合部30により、接続部50が構成される。本実施形態における接合部30は、接着剤により形成されている。図2図3において、第1接合部31、および第2接合部32にドットハッチングを付して示している。
【0024】
本実施形態の第1管部10および第2管部20は、スチール、アルミニウム、マグネシウム等の金属、およびそれらを含む合金、繊維強化プラスチック等の樹脂材料等により形成することができる。なお、第1管部10と第2管部20とは、同種の材料を用いて形成されてもよいし、異種材料を用いて形成されてもよい。また、接合部30を形成する接着剤としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系等、種々の接着剤を用いることができる。
【0025】
第1スリット12の幅W(図3(B))は、第2接続部24の板厚t1に第2接合部32の厚さt2を加えた幅より広い(図3(A))。また、第2スリット22の幅W(図3(C))は、第1接続部14の板厚t1に第1接合部31の厚さt2を加えた幅より広い(図3(A))。第1接続部14と第2接続部24の板厚t1は等しく、また、第1接合部31の厚さt2と第2接合部32の厚さt2は、等しいため、第1スリット12および第2スリット22の幅は、第1接続部14の板厚t1に接合部30の厚さt2を加えた幅より広いといえる。
【0026】
本実施形態において、第1スリット12の長さL1(図2)と、第2スリット22の長さL2は等しく、接続部50に要する強度および剛性に基づいて定められている。図2に示すように、第1管部10と第2管部20とを、第1接続部14と第2接続部24とが向かい合うように配置して、互いに挿入すると、第1スリット12の奥側(Y軸負方向)の端(以下、第1終端12Tとも呼ぶ)に第2接続部24が当接し、第2スリット22の奥側(Y軸正方向)の端(以下、第2終端22Tとも呼ぶ)に第1接続部14が当接することにより、挿入距離が定められる。すなわち、第1スリット12の長さL1と第2スリット22の長さL2により接続部50の長手方向の長さが決定される。上述の通り、第1スリット12の長さL1と第2スリット22の長さL2が、接続部50に要する強度および剛性に基づいて定められているため、後述する製造方法により、第1管部10と第2管部20とを接合する際に、接続部50に要する強度および剛性を有する接続部50を、容易に精度よく、構成することができる。
【0027】
図4は、本実施形態の第1管部10と第2管部20との接合方法を示す工程図である。図5は、図4に示す工程を、模式的に示す説明図である。本実施形態において、図4に示す各工程がロボットにより実行される。本実施形態の移動体用管状フレーム100の製造方法は、以下に説明する工程を含む。
【0028】
工程P1(図4)において、第1管部10、第2管部20、および接着剤が準備される。工程P2において、第1管部10の第1接続部14の外側面の一部、および第2管部20の第2接続部24の外側面の一部に、接着剤が塗布される(接着剤塗布工程)。図5(A)は、接着剤塗布工程を示す。図示するように、接着剤は、後述する挿入工程(工程P3)において重なり合う第1接続部14と第2接続部24との間に配置されるように、第1接続部および第2接続部の外側面に塗布される。
【0029】
工程P3(図4)において、第1接続部14と第2接続部24とが、互いに挿入される(挿入工程)。図5(B)は、挿入工程を示す。図示するように、第1接続部14と第2接続部24とは、第1スリット12および第2スリット22を境に、互い違いに、隙間を空けて重なり合うように、第1管部10と第2管部20とが、互いに挿入される。
【0030】
工程P4(図4)において、第1接続部14と第2接続部24とを、外側から内側に向かって押し付けて(換言すると、第1接続部14と第2接続部24とを互いに押し付けあって)、接着剤により第1接合部31と第2接合部32とを接合する(接合工程)。図5(C)は、接合工程を示す。図5(C)において、押し付け方向を白抜き矢印で示す。図5(C)紙面右側の図は、第1接合部31と第2接合部32とが押し付けられ、接合された状態を示す。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の移動体用管状フレーム100によれば、第1管部10が、第1スリット12が形成された第1接続部14を備え、第2管部20が、第2スリット22が形成された第2接続部24を備え、第1スリット12および第2スリット22が、接続部50の重心軸Cを中心とする略点対称に配置されているため、断面形状が略同一の第1接続部14と第2接続部24とを、スリットを境に互い違いに重なり合わせることができる。そのため、第1管部10と第2管部20とを互いに挿入することにより、容易に移動体用管状フレーム100を製造することができる。
【0032】
また、第1接続部14と第2接続部24とが重なり合っているため、重なり合った第1接続部14と第2接続部24との間を接着剤で接合することにより、第1管部10と第2管部20とを接合することができる。そのため、例えば、複数の管材の端部をつき合わせて溶接により継ぎ合わせる、いわゆる、ハット構造と比較して、接続部50の剛性を向上させることができる。また、接着剤を用いて第1管部10と第2管部20とを接合することができるため、リベット等の締結具を用いて接合したり、溶接により接合する場合と比較して、容易に移動体用管状フレーム100を製造することができ、製造時間を短縮することができる。
【0033】
また、第1スリット12および第2スリット22の長さが、接続部50に要する強度および剛性に基づいて定められているため、互いのスリットの終端(第1終端12T、第2終端22T)まで、第1接続部14と第2接続部24とを互いに挿入することにより、容易に、精度よく、適切な強度および剛性を有する接続部50を構成することができる。
【0034】
図6は、比較例の移動体用管状フレーム100Pの構成を説明するための説明図である。図6は、移動体用管状フレーム100Pの重心軸を含み、重心軸に沿った断面図(縦断面図)である。移動体用管状フレーム100Pは、第1管部10Pと第1管部10Pに接合された第2管部20Pを含む。第1管部10Pおよび第2管部20Pは、円管であって、第1管部10Pの径が第2管部20Pの径より大きい。移動体用管状フレーム100Pの製造時、第2管部20Pの外側面に接着剤30Pを塗布し、第2管部20Pを第1管部10P内に挿入する(図6(A))。そうすると、第1管部10Pにより接着剤30Pが削れて、接着剤30Pにより第1管部10Pと第2管部20Pが十分に接着されない場合がある(図6(B))。また、接着されても、十分な強度および剛性が得られない場合がある。これに対し、本実施形態の移動体用管状フレーム100によれば、第1スリット12および第2スリット22の幅が、第1接続部14の板厚t1に接合部30の厚さt2を加えた幅より広いため、移動体用管状フレーム100の製造時に、第1管部10と第2管部20とを互いに挿入する際の接着剤の削れを抑制することができる。その結果、適切な強度および剛性を得ることができる。
【0035】
また、本実施形態の移動体用管状フレーム100によれば、接続部50において第1接続部14と第2接続部24とが、スリットを境に互い違いに重なり合っているため、製造時に、第1接続部14および第2接続部24の外側面に接着剤を塗布することにより、第1接続部14と第2接続部24とを接合することができる。そのため、内側面に接着剤を塗布する場合と比較して、製造の煩雑化を抑制することができる。
【0036】
また、第1スリット12および第2スリット22が、接続部50の重心軸Cを中心とする略点対称に配置されているため、第1接続部14および第2接続部24の全周に接着剤を塗布するのではなく、半周(片面)に接着剤を塗布することによって、第1接続部14および第2接続部24の略全周を接合することができる。例えば、ロボットによって、第1接続部14の全周に接着剤を塗布する場合には、第1接続部14または、ロボットを回転させるため、そのためのエネルギー、時間、およびコストを要する。これに対し、本実施形態の移動体用管状フレーム100によれば、エネルギー、時間、コストを低減させることができる。
【0037】
また、本実施形態の第1管部10と第2管部20との接合方法によれば、挿入工程(工程P3)において、第1接続部14と第2接続部24とが隙間を空けて重なり合うように、第1管部10と第2管部20とが、互いに挿入され、接合工程(工程P4)において、第1接続部14と第2接続部24とが互いに押し付けあわされ、接合される。そのため、第1接続部14と第2接続部24との間に、接着剤が広がって、第1接続部14と第2接続部24とを接合することができる。このとき、第1接続部14と第2接続部24とが互いに押し付けあわされるため、接着剤と第1接続部14および接着剤と第2接続部24との隙間が抑制され、密着させることができる。その結果、第1接続部14と第2接続部24との接合性を向上させることができ、強度および剛性を向上させることができる。
【0038】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態における移動体用管状フレーム100AのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。図7において、Y軸正方向は、紙面裏側に向かう方向である。本実施形態の移動体用管状フレーム100Aは、第1実施形態の移動体用管状フレーム100と、XZ断面形状が異なるものの他の構成は同様である。第1実施形態の移動体用管状フレーム100と同一の構成には同一の符号付し、先行する説明を参照する。
【0039】
本実施形態の移動体用管状フレーム100Aは、第1実施形態と同様に、第1管部10Aと、第1管部10Aに接合された第2管部20Aを備える。本実施形態において、第1接続部14Aと第2接続部24Aは、長手方向に直交する断面形状の外形が略正方形である(図7(A))。本実施形態の移動体用管状フレーム100Aも、第1実施形態と同様に、接着剤塗布工程(図7(B))において、第1管部10Aの第1接続部14Aの外側面の一部、および第2管部20Aの第2接続部24Aの外側面の一部に、接着剤が塗布される。そして、挿入工程(工程P3)において、第1接続部14Aと第2接続部24Aとが隙間を空けて重なり合うように、第1管部10Aと第2管部20Aとが、互いに挿入され、接合工程(工程P4)において、第1接続部14Aと第2接続部24Aとが互いに押し付けあわされ、接合される(図7(C))。そのため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態における移動体用管状フレーム100BのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。図8において、Y軸正方向は、紙面裏側に向かう方向である。本実施形態の移動体用管状フレーム100Bは、第1実施形態の移動体用管状フレーム100と、XZ断面形状が異なるものの他の構成は同様である。第1実施形態の移動体用管状フレーム100と同一の構成には同一の符号付し、先行する説明を参照する。
【0041】
本実施形態の移動体用管状フレーム100Bは、第1実施形態と同様に、第1管部10Bと、第1管部10Bに接合された第2管部20Bを備える。本実施形態において、第1接続部14Bと第2接続部24Bは、長手方向に直交する断面形状の外形が略円形である(図8(A))。
【0042】
本実施形態の移動体用管状フレーム100Bも、第1実施形態と同様に、接着剤塗布工程(図8(B))において、第1管部10Bの第1接続部14Bの外側面の一部、および第2管部20Bの第2接続部24Bの外側面の一部に、接着剤が塗布される。そして、挿入工程(工程P3)において、第1接続部14Bと第2接続部24Bとが隙間を空けて重なり合うように、第1管部10Bと第2管部20Bとが、互いに挿入され、接合工程(工程P4)において、第1接続部14Bと第2接続部24Bとが互いに押し付けあわされ、接合される(図8(C))。そのため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
本実施形態では、第1スリット12Bおよび第2スリット22Bの幅が、第1実施形態と比較して広く形成されている。このように、第1スリット12Bおよび第2スリット22Bの幅を、第1接続部14Bの板厚に接合部の厚さを加えた幅より十分広くすることにより、挿入工程において、第1接続部14Bと第2接続部24Bとを隙間を空けて重なり合わせることができる。
【0044】
<第4実施形態>
図9は、第3実施形態の移動体用管状フレーム100Cの外観構成を概略的に示す斜視図である。本実施形態の移動体用管状フレーム100Cは第1実施形態の移動体用管状フレーム100と異なる点は、第1スリット12Cが第1管部10Cの全長に亘って形成され、第2スリット22Cが、第2管部20Cの全体に亘って形成されている点だけであり、他の構成は、第1実施形態と同一である。第1スリット12Cが第1管部10Cの全長に亘って形成され、第2スリット22Cが、第2管部20Cの全体に亘って形成されているため、第1接続部14Cに第1スリット12Cが形成され、第2接続部24Cに第2スリット22Cが形成されている。なお、図9に示す外観では、スリット22Cの大部分が視認できないため、図9では、第2スリット22Cを破線で図示している。
【0045】
本実施形態では、第1管部10Cおよび第2管部20Cの全長に亘りスリットが形成されているため、第1管部10Cと第2管部20Cとが重なり合う接続部の長さを、適宜、設定することができる。換言すると、第1接続部14Cおよび第2接続部24Cの長さを、変更することができる。また、第1管部10Cの他端にも第2管部20Cを接合し、第2管部20Cの他端にも第1管部10Cを接合することができる。そのため、第1管部10Cおよび第2管部20Cを用いて、種々の長さの部品を製造することができる。
【0046】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
・上記実施形態において、第1スリット12が第1管部10に形成され、第2スリット22が第2管部20に形成される例を示したが、第1スリット12および第2スリット22が第1管部10に形成され、第2管部20にスリットが形成されていなくてもよい。このようにしても、上記と同様に、第1管部10と第2管部20とを接合することができる。但し、上記実施形態のようにすると、第1管部10の強度および剛性を、第1スリット12および第2スリット22が第1管部10に形成される場合と比較して向上させることができるため、好ましい。
【0048】
・第1接続部14および第2接続部24の断面形状の外形は、上記実施形態に限定されず、三角形、五角形、六角形、上記以外の凹多角形、楕円形等種々の形状に形成することができる。
【0049】
・第1接続部14と第2接続部24とを、接着剤によって接合する例を示したが、接合部として、リベット等の締結具を用いてもよい。また、溶接によって、接合部を形成してもよい。その他、種々の接合方法を組み合わせたもの、もしくは種々の公知の接合方法によって接合部を形成することができる。
【0050】
・第1スリット12および第2スリット22の長さは、接続部50に要する強度および剛性に基づいて定められている例を示したが、これに限定されず、適宜、定めることができる。
【0051】
・第1スリット12および第2スリット22の幅は、第1接続部の板厚に接合部の厚さを加えた幅と略同一であってもよい。このようにしても、接着剤の削れを抑制することができる。また、第1スリット12および第2スリット22の幅は、第1接続部の板厚以上であればよい。第1スリット12および第2スリット22の幅が、第1接続部の板厚と略同一の場合には、例えば、リベットや溶接等、接着剤以外の接合部により接合することができる。
【0052】
・第1管部10と第2管部20とは、上記の接合方法以外の方法によっても接合することができる。但し、上記の方法によれば、接着剤の削れを抑制することができ、接着剤を第1接続部14および第2接続部24に密着させて接合することができるため、好ましい。
【0053】
・上記実施形態において、第1接続部14の断面形状が第1管部10の他の部分と同一の形状に形成される例を示したが、異なる形状であってもよい。例えば、第1接続部14の断面形状が正方形状で、第1管部10の他の部分が円形状でもよい。第2管部についても同様である。
【0054】
・第1管部10の第1接続部14以外の部分は、直線状に限定されず、屈曲、湾曲等まがっていてもよい。第2管部についても同様である。
【0055】
・第1スリット12および第2スリット22の形成位置は、上記実施形態に限定されず、第1接続部14と第2接続部24とを、スリットを境に互い違いに重なり合うように配置可能な位置に、適宜、形成することができる。
【0056】
・上記実施形態において、移動体として車両を例示したが、航空機、列車等、種々の移動体用の管状フレームに本発明を適用することができる。
【0057】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0058】
10、10A、10B、10C、10P…第1管部
12…第1スリット、12B、12C…第1スリット
12T…第1終端
14、14A、14B、14C…第1接続部
20、20A、20B、20C、20P…第2管部
22、22B、22C…第2スリット
22T…第2終端
24、24A、24B、24C…第2接続部
30…接合部
30P…接着剤
31…第1接合部
32…第2接合部
50…接続部
100P、100、100A、100C、100B…移動体用管状フレーム
C…重心軸
W…幅
t1…板厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9