(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】抵抗率測定器、半導体装置の製造方法および抵抗率測定方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20231030BHJP
G01R 27/02 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R27/02 R
(21)【出願番号】P 2019168864
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592230092
【氏名又は名称】株式会社国際電気セミコンダクターサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】明地 良浩
(72)【発明者】
【氏名】榎戸 啓行
(72)【発明者】
【氏名】長沼 敏之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
(72)【発明者】
【氏名】垣内 宗成
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-225920(JP,A)
【文献】特開2003-121459(JP,A)
【文献】特開2010-038699(JP,A)
【文献】特開2014-029946(JP,A)
【文献】特開2005-072143(JP,A)
【文献】特開2005-311009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物が載置される台と、
前記被測定物に複数の探針を接触させるプローブと、
前記プローブを水平方向に移動させる水平駆動部と、
前記プローブを上下方向に動作させる上下駆動部と、
前記被測定物と前記プローブの押し込み量を測定する変位計と、
前記水平駆動部により前記プローブを前記被測定物の測定位置に移動させ、前記上下駆動部により前記被測定物に前記プローブを接触させ、前記変位計により前記プローブが前記被測定物に押し込まれる量を実測し、この実測値と任意の設定値と比較し、誤差が閾値外の場合は、該誤差を補正するように制御する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記被測定物に前記プローブを接触させ、前記複数の探針のうちの一つの第一探針と前記複数の探針のうちの他の一つの第二探針との間の電圧値に応じて基準位置を判定するよう構成されている抵抗率測定器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一探針と前記第二探針の間の電圧値が閾値内であれば
、前記プローブの前記被測定物との接触位置を基準位置に設定するよう構成されている請求項
1記載の抵抗率測定器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一探針と前記第二探針の間の電圧値が閾値外であれば、前記プローブの下降を再実行するように構成されている請求項
1記載の抵抗率測定器。
【請求項4】
前記制御部は、前記プローブの下降の再実行を所定回数実行しても、前記探針と前記探針の間の電圧値が閾値外であれば、抵抗率測定を停止するように構成されている請求項
3記載の抵抗率測定器。
【請求項5】
前記制御部は、前記上下駆動部を昇降させて、前記押し込み量を調整するよう構成されている請求項1記載の抵抗率測定器。
【請求項6】
前記上下駆動部は、所定の重りを有するプローブを取り付け部と、モータ部と、上下駆動カム部と、カム受け部と、を少なくとも含む請求項1記載の抵抗率測定器。
【請求項7】
前記制御部は、前記上下駆動カム部の回転角度を調整するよう構成されている請求項
6記載の抵抗率測定器。
【請求項8】
更に、表示部を備え、
前記制御部は、前記上下駆動カム部の回転角度を調整するよう構成されている請求項
6記載の抵抗率測定器。
【請求項9】
前記被測定物は、シリコンウェーハを含むウェーハである請求項1記載の抵抗率測定器。
【請求項10】
前記制御部は、シリコンウェーハの抵抗率、ウェーハ表面に形成したエピタキシャルウェーハの抵抗率、表面から不純物を拡散又は注入した場合の拡散層又は注入層のシート抵抗または表面に生成した金属膜のシート抵抗のうち少なくとも一つを測定することが可能に構成されている請求項1記載の抵抗率測定器。
【請求項11】
被測定物が載置される台と、前記被測定物に複数の探針を接触させるプローブと、前記プローブを水平方向に移動させる水平駆動部と、前記プローブを上下方向に動作させる上下駆動部と、前記被測定物と前記プローブの押し込み量を測定する変位計と、前記水平駆動部により前記プローブを前記被測定物の測定位置に移動させ、前記上下駆動部により前記被測定物に前記プローブに接触させ、前記変位計により前記プローブが前記被測定物に押し込まれる量を実測し、この実測値と任意の設定値と比較し、誤差が閾値外の場合は、該誤差を補正するように制御する制御部と、を備え
、
前記制御部は、前記被測定物に前記プローブを接触させ、前記複数の探針のうちの一つの第一探針と前記複数の探針のうちの他の一つの第二探針との間の電圧値に応じて基準位置を判定するよう構成されている抵抗率測定器により、前記被測定物の抵抗率またはシート抵抗を測定する工程と、
測定した前記抵抗率または前記シート抵抗に基づいて半導体製造装置のプロセス条件を設定する工程と、
設定されたプロセス条件に基づいて半導体ウェーハを処理する工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。
【請求項12】
被測定物が載置される台と、前記被測定物に複数の探針を接触させるプローブと、前記プローブを水平方向に移動させる水平駆動部と、前記プローブを上下方向に動作させる上下駆動部と、前記被測定物と前記プローブの押し込み量を測定する変位計と、前記水平駆動部により前記プローブを前記被測定物の測定位置に移動させ、前記上下駆動部により前記被測定物に前記プローブに接触させ、前記変位計により前記プローブが前記被測定物に押し込まれる量を実測し、この実測値と任意の設定値と比較し、誤差が閾値外の場合は、該誤差を補正するように制御する制御部と、を備え
、
前記制御部は、前記被測定物に前記プローブを接触させ、前記複数の探針のうちの一つの第一探針と前記複数の探針のうちの他の一つの第二探針との間の電圧値に応じて基準位置を判定するよう構成されている抵抗率測定器により、前記被測定物の抵抗率またはシート抵抗を測定する工
程を有する抵抗率測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、抵抗率測定器および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハの抵抗率測定装器は、シリコンウェーハの抵抗率、ウェーハ表面に形成したエピタキシャルウェーハの抵抗率、及び表面から不純物を拡散又は注入した場合の拡散層又は注入層のシート抵抗及び表面に生成した金属膜のシート抵抗等を測定する装置であり、測定結果は各半導体製造装置のプロセス条件へフィードバックされ、半導体デバイスの品質を均一に保つための重要な測定装置の一つである。このような測定装置としては、特許文献1や特許文献2がある。
【0003】
例えば、特許文献1には「プローブ上下駆動部には、プローブ取付金具、カム受け、ステッピングモータ、カム受けの先端部と常に接触状態を保つことによってプローブ取付金具の重さをステッピングモータの軸上で支える上下駆動カムが配設され、制御部はステッピングモータの軸と上下駆動カムとは所望の制御情報に従って定まる速度と角度の回転動作をし、4探針プローブの上下位置制御が行われ、探針の接触状態が半導体ウェーハの種類に応じた所望の接触状態に設定されるように構成される。」ことが記載されている。また、特許文献2には「測定ステージ上に載置された半導体ウェーハ上面に接触して半導体ウェーハの抵抗率を測定するために複数個の4探針プローブを備え、半導体ウェーハの種類に対応して選択される複数個のプローブ上下駆動部のうちの1つを動作させ、適切な4探針プローブを選択し、その選択されたプローブにより、半導体ウェーハの抵抗率を測定するように構成されている。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-311009号公報
【文献】特開2003-163248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際の製造ラインで取り扱う半導体ウェーハの反り、たわみ、厚み等の違いにより、特許文献1のような予めメモリに格納された所望の制御情報(回転角度と荷重の制御プログラム)では面内測定座標位置で荷重の誤差が生じることがある。
【0006】
本開示の課題は、上記問題を解決し、半導体ウェーハ膜種毎及び測定座標毎に生じる荷重の誤差を補正し、抵抗率測定値の安定性及び再現性を向上できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、
被測定物が載置される台と、被測定物に複数の探針を接触させるプローブと、プローブを水平方向に移動させる水平駆動部と、プローブを上下方向に動作させる上下駆動部と、被測定物とプローブの押し込み量を測定する変位計と、水平駆動部によりプローブを被測定物の測定位置に移動させ、上下駆動部により被測定物にプローブに接触させ、変位計によりプローブが被測定物に押し込まれる量を実測し、この実測値と任意の設定値と比較し、誤差が閾値外の場合は、該誤差を補正するように制御する制御部と、を備える技術が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、抵抗率測定値の安定性及び再現性を向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る半導体ウェーハ抵抗率測定器の構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るプローブ上下駆動部と4探針プローブと半導体ウェーハと測定ステージと変位計の構成を示す外観図である。
【
図3】探針の押込み量、上下駆動カム回転角度とカム応力の関係を示した実験値を表すグラフである。
【
図4】本開示の一実施形態に係る測定動作を示すフローチャートである。
【
図5】4探針測定法の4探針プローブと定電流源と電圧計と半導体ウェーハの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について
図1から
図5を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、半導体ウェーハの抵抗率測定器100は、測定ステージ1、操作部3、4探針プローブ4、計測部5、プローブ上下駆動部6、プローブ水平駆動部7、ステージ回転駆動部8、電源部9、制御部10、表示部11および変位計12により構成される。
【0012】
測定ステージ1は、上面が円盤状であり、測定対象(被測定物)の半導体ウェーハ2が載置される台である。操作部3は半導体ウェーハ2の上面の所要の測定点位置を指定する情報を制御部10へ出力する。4探針プローブ4は測定ステージ1の上に載置された半導体ウェーハ2の上面に接触して半導体ウェーハ2の抵抗率を測定する4本の探針4a,4b,4c,4dを有するプローブである。計測部5は半導体ウェーハ2の抵抗率を測定するために4探針プローブ4に電気的に接続される。
【0013】
プローブ上下駆動部6は4探針プローブ4の各探針4a,4b,4c,4dを独立して上下方向に移動させ、半導体ウェーハ2に接触させる上下駆動部である。プローブ水平駆動部7はプローブ上下駆動部6と4探針プローブ4とを測定ステージ1の半径方向、すなわち、半導体ウェーハ2の直径方向に移動させる水平駆動部である。ステージ回転駆動部8は測定ステージ1を回転させ所定の角度で止める。プローブ水平駆動部7およびステージ回転駆動部8の両者の動作により、半導体ウェーハ2の所望の位置における抵抗率の測定を可能にする。
【0014】
電源部9は抵抗率測定器100の各部を作動させる電力を供給する。制御部10はCPUとCPUが実行する制御プログラムを格納するメモリとを備え、操作部3から指令された制御情報に従いステージ回転駆動部8とプローブ水平駆動部7とプローブ上下駆動部6を駆動制御し、半導体ウェーハ2の上面の指定された測定点位置に4探針プローブ4が接触するように制御する。表示部11は測定点位置や測定した結果の抵抗率などのデータを表示する。
【0015】
変位計12は4探針プローブ4近傍に設けられ、制御部10から任意に設定された制御情報(押込み量)に従って、4探針プローブ4がプローブ上下駆動部6によって上下位置制御が行われた際に、半導体ウェーハ2上面と4探針プローブ4の間の実変位量を測定し、その実変位量を制御部10にフィードバックし、任意に設定された制御情報(押込み量)と一致しているかどうか判定し、誤差がある場合は一致するように補正するものである。
【0016】
図1において、その動作は、測定ステージ1上に載置された半導体ウェーハ2の上面に、操作部3から入力された制御情報に基づき制御された4探針プローブ4が接触し、半導体ウェーハ2の抵抗測定が行われる。
【0017】
次に、プローブ上下駆動部6について
図2を用いて説明する。プローブ上下駆動部6は、プローブ取付金具6a、カム受け6h、重り6e、上下駆動カム6fおよびステッピングモータ6gから構成される。
【0018】
プローブ取付金具6aには4探針プローブ4が取り付けられる。カム受け6hはプローブ取付金具6aに一体化されたプローブ上下駆動力を受ける。重り6eはプローブ上下駆動部6に垂直方向の静荷重を与える十分な質量を有する。上下駆動カム6fはステッピングモータ6gの軸に連結され、かつ、カム受け6hの先端部と常に接触状態を保つことによって、重り6eの重さを含むプローブ取付金具6aの重さをステッピングモータ6gの軸上で支える。上下駆動カム6fは、例えば偏心された円形カム形状を有し回転角度によってカム受け6hを上下移動させることができる。ステッピングモータ6gはプローブ取付金具6aに支持されたカム受け6hと、当該プローブ取付金具6aとは独立する支持部材に支持された上下駆動カム6fと、が軸結合され、制御部10から指令される制御情報に従い任意の回転角度の位置で回転・停止することができる。
【0019】
以上の構成により、半導体ウェーハ2の種類に適切なプローブに加える荷重とプローブ上下移動速度を有した制御情報に従ってプローブ上下駆動部6を制御し、4探針プローブ4と半導体ウェーハ2の適切な接触を実現して半導体ウェーハ2の抵抗率を測定する。
【0020】
ここで、
図3は探針4a~4dの押込み量、上下駆動カム6fの回転角度と半導体ウェーハ2への荷重となるバネ応力の関係を示した実験値を表している。また、制御部10には、
図3のグラフに表されているような押込み量、上下駆動カム6fの回転角度と荷重の関係が制御プログラムとして予め制御部10の記憶装置に格納されている。このように、制御部10が上下駆動カム6fの回転角度を調整して、4探針プローブ4を
図3に示される任意の位置(押込み量)で停止させることによって、探針4a~4dが半導体ウェーハ2に加える荷重を設定でき、半導体ウェーハ2の表面材質に適合させるように任意に接触圧を制御することができる。
【0021】
次に、半導体ウェーハの抵抗率測定器100による抵抗率の測定方法について
図4を用いて説明する。
【0022】
(ステップS1)
制御部10は、プローブ水平駆動部7により、プローブ上下駆動部6と4探針プローブ4を直径方向に移動させ、またステージ回転駆動部8により、半導体ウェーハ2が載置され測定ステージ1を回転させ、半導体ウェーハ2の所望の位置に4探針プローブ4を移動させる。
【0023】
(ステップS2)
制御部10は、プローブ上下駆動部6により、4探針プローブ4を任意の押込み量設定で下降させ半導体ウェーハ2に探針4a~4dを接触させる。
【0024】
(ステップS3)
接触基準位置(押込み量が0.00mmの位置)の判定は、
図5に示すように、制御部10が4探針プローブ4の探針4bと探針4cとの間の電圧を電圧計14でモニタし、その電圧が0mV±しきい値以内か判定する。
【0025】
(ステップS4)
制御部10は、ステップS3で探針4bと探針4cとの間の電圧が0mVとなったときのタイミングを接触基準位置(押込み量が0.00mmの位置)とする。
【0026】
(ステップS5)
制御部10は、プローブ上下駆動部6により4探針プローブ4を上昇させる。
【0027】
(ステップS6)
制御部10は、プローブ上下駆動部6により4探針プローブ4を任意の押込み量設定で下降させ半導体ウェーハ2に接触させる。
【0028】
(ステップS7)
制御部10は、任意の押込み量設定値と変位計12による実押込み量(変位量)の誤差がしきい値以内かどうかを判定する。
【0029】
(ステップS8)
任意の押込み量設定値と変位計12による実押込み量(変位計量)の誤差がしきい値以内でない場合は、制御部10は誤差を補正し、ステップS5に移って再実行する。なお、制御部10は、4探針プローブ4の下降の再実行を所定回数実行しても、探針4bと探針4cの間の電圧値が閾値外であれば、抵抗率測定を停止する。この場合、制御部10は、抵抗率測定の停止を示すアラームを表示部11に表示する。
【0030】
(ステップS9)
前記の誤差がしきい値以内の場合は、制御部10は抵抗率を測定する。
【0031】
本実施形態によれば、その動作は制御部10から任意に設定された制御情報(押込み量)に従って、4探針プローブ4がプローブ上下駆動部6によって上下位置制御が行われた際に、変位計12は半導体ウェーハ2上面と4探針プローブ4の間の実変位量を測定し、その実変位量を制御部10にフィードバックし、任意に設定された制御情報(押込み量)と一致しているかどうか判定し、誤差がある場合は一致するように自動補正するものである。
【0032】
以上の構成により、半導体ウェーハ2の種類に適切なプローブに加える荷重とプローブ上下移動速度を有した制御情報に従ってプローブ上下駆動部6を制御し、4探針プローブ4と半導体ウェーハ2の適切な接触を実現して半導体ウェーハ2の抵抗率を測定することが可能である。
【0033】
シリコンウェーハの抵抗率、ウェーハ表面に形成したエピタキシャルウェーハの抵抗率、表面から不純物を拡散又は注入した場合の拡散層又は注入層のシート抵抗、表面に生成した金属膜のシート抵抗等を本実施形態の半導体ウェーハの抵抗率測定器で測定し、測定結果を各半導体製造装置のプロセス条件へフィードバックし、すなわち、半導体製造装置に測定結果に基づいてプロセス条件を設定し、そのプロセス条件により半導体製造装置が半導体ウェーハを処理することにより、半導体装置の品質の均一性を向上することが可能になる。
【0034】
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様について付記する。
【0035】
(付記1)
本開示の一態様によれば、
被測定物が載置される台と、
前記被測定物に複数の探針を接触させるプローブと、
前記プローブを水平方向に移動させる水平駆動部と、
前記プローブを上下方向に動作させる上下駆動部と、
前記被測定物と前記プローブの押し込み量を測定する変位計と、
前記水平駆動部により前記プローブを前記被測定物の測定位置に移動させ、前記上下駆動部により前記被測定物に前記プローブに接触させ、前記変位計により前記プローブが前記被測定物に押し込まれる量を実測し、この実測値と任意の設定値と比較し、誤差が閾値外の場合は、該誤差を補正するように制御する制御部と、
を備える抵抗率測定器が提供される。
【0036】
(付記2)
本開示の他の態様によれば、
被測定物が載置される台と、前記被測定物に複数の探針を接触させるプローブと、前記プローブを水平方向に移動させる水平駆動部と、前記プローブを上下方向に動作させる上下駆動部と、前記被測定物と前記プローブの押し込み量を測定する変位計と、前記水平駆動部により前記プローブを前記被測定物の測定位置に移動させ、前記上下駆動部により前記被測定物に前記プローブに接触させ、前記変位計により前記プローブが前記被測定物に押し込まれる量を実測し、この実測値と任意の設定値と比較し、誤差が閾値外の場合は、該誤差を補正するように制御する制御部と、を備える抵抗率測定器によりシリコンウェーハの抵抗率、ウェーハ表面に形成したエピタキシャルウェーハの抵抗率、表面から不純物を拡散又は注入した場合の拡散層又は注入層のシート抵抗または表面に生成した金属膜のシート抵抗を測定する工程と、
測定した前記抵抗率または前記シート抵抗に基づいて半導体製造装置のプロセス条件を設定する工程と、
設定されたプロセス条件に基づいて半導体ウェーハを処理する工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。
【0037】
(付記3)
付記1の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記制御部は、前記複数の探針のうちの一つの第一探針と前記複数の探針のうちの他の一つの第二探針との間の電圧値に応じて前記測定位置が基準位置か判定するよう構成されている。
【0038】
(付記4)
付記3の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記制御部は、前記第一探針と前記第二探針の間の電圧値が閾値内であれば前記測定位置を基準位置に設定するよう構成されている。
【0039】
(付記5)
付記3の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記制御部は、前記第一探針と前記第二探針の間の電圧値が閾値外であれば、前記プローブの下降を再実行するように構成されている。
【0040】
(付記6)
付記4の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記制御部は、前記プローブの下降の再実行を所定回数実行しても、前記探針と前記探針の間の電圧値が閾値外であれば、抵抗率測定を停止するように構成されている。
【0041】
(付記7)
付記1の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記制御部は、前記上下駆動部を昇降させて、前記押し込み量を調整するよう構成されている。
【0042】
(付記8)
付記7の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記上下駆動部は、所定の重りを有するプローブを取り付け部と、モータ部(ステッピングモータ)と、上下駆動カム部と、カム受け部と、を少なくとも含む。
【0043】
(付記9)
付記8の抵抗率測定器において、好ましくは、
前記制御部は、前記上下駆動カム部の回転角度を調整するよう構成されている。
【0044】
(付記10)
付記1の抵抗率測定器において、好ましくは、
更に、表示部を有し、
前記制御部は、抵抗率測定の停止を示すアラームを前記表示部に表示するよう構成されている。
【符号の説明】
【0045】
1・・・測定ステージ(台)
2・・・半導体ウェーハ(被測定物)
4・・・4探針プローブ(プローブ)
4a~4d・・・探針
6・・・プローブ上下駆動部(上下駆動部)
7・・・プローブ水平駆動部(水平駆動部)
10・・・制御部
12・・・変位計
100・・・抵抗率測定器