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特許7374697フックユニット及びそれを備えるシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】フックユニット及びそれを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
A47F5/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019188392
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021062020
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣戸 健一郎
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-231772(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110169684(CN,A)
【文献】特開2007-061407(JP,A)
【文献】特開2008-272012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00 - 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は二以上の商品が吊り下げ可能に構成された商品吊り下げ部と、
商品陳列用什器に取り付けられるように構成された什器取付部と、
前記商品吊り下げ部と前記什器取付部とを接続するとともに、前記商品吊り下げ部の荷重変動を検出し、前記商品吊り下げ部に吊り下げられる一又は二以上の商品の着脱を検知するための信号を出力するように構成された荷重変動検出部と、
を備え
前記荷重変動検出部が、前記商品吊り下げ部の荷重変動を電気信号に変換して出力するひずみセンサであって、一端側において前記什器取付部に固定され、他端側に前記商品吊り下げ部が固定される片持ちビーム型のロードセルからなり、
前記商品吊り下げ部が、基端から先端に伸びる棒状であり、
前記ロードセルと前記商品吊り下げ部とを接続する接続部材をさらに備え、
前記接続部材は、
一端側に前記商品吊り下げ部の基端が接続されるとともに、他端側が前記ロードセルの他端側に接続される商品陳列用のフックユニット。
【請求項2】
前記接続部材が、
前記ロードセルの下側に伸びる水平部と、当該水平部の一端側から鉛直下方向に伸びる鉛直部とを備える略L字形状を有し、
前記水平部の他端側が、前記ロードセルの他端側に接続されるとともに、前記鉛直部に、前記商品吊り下げ部の基端が接続される
請求項1に記載の商品陳列用のフックユニット。
【請求項3】
一又は二以上の請求項1又は2に記載の商品陳列用のフックユニットと、
前記荷重変動検出部から出力される前記信号を取得し、前記商品の重量に関する商品情報を取得し、前記信号と前記商品情報とに基づいて、前記フックユニットごとに前記商品吊り下げ部に吊り下げられた前記商品の数を算出するコンピュータと、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品陳列用のフックユニット及びそれを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗などにおいて、奥から手前に伸びる棒状のフックに、商品を吊るして陳列する手法が取られることがある。このような陳列手法は、商品の形状などによっては、他の方法よりも規則正しく比較的高密度に商品を陳列することができ、効率的である。
【0003】
店舗担当者が目視などで商品を確認しなくても、陳列されている商品の個数などを知りたいという要求がある。例えば、特許文献1及び2には、離れた位置から陳列されている商品の欠品の有無を知ることができるように構成された商品陳列用フックに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-214703号公報
【文献】特開2006-217954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
欠品の有無のみならず、吊り下げ方式で陳列された商品の個数を検出できると有用である。
【0006】
本発明は、吊り下げ方式で陳列された商品の個数に関する情報を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、商品陳列用のフックユニットは、一又は二以上の商品が吊り下げ可能に構成された商品吊り下げ部と、商品陳列用什器に取り付けられるように構成された什器取付部と、前記商品吊り下げ部と前記什器取付部とを接続するとともに、前記商品吊り下げ部の荷重変動を検出し、前記商品吊り下げ部に吊り下げられる一又は二以上の商品の着脱を検知するための信号を出力するように構成された荷重変動検出部とを備え、前記荷重変動検出部が、前記商品吊り下げ部の荷重変動を電気信号に変換して出力するひずみセンサであって、一端側において前記什器取付部に固定され、他端側に前記商品吊り下げ部が固定される片持ちビーム型のロードセルからなり、前記商品吊り下げ部が、基端から先端に伸びる棒状であり、前記ロードセルと前記商品吊り下げ部とを接続する接続部材をさらに備え、前記接続部材は、一端側に前記商品吊り下げ部の基端が接続されるとともに、他端側が前記ロードセルの他端側に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吊り下げ方式で陳列された商品の個数を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る商品陳列用のフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図2図2は、商品陳列用のフックユニットが使用されている状態を模式的に示す図である。
図3図3は、フックユニットを含むシステムの構成例の概略を示す図である。
図4A図4Aは、第1のロードセルを用いて作製したフックユニットに関する測定結果である。
図4B図4Bは、第2のロードセルを用いて作製したフックユニットに関する測定結果である。
図4C図4Cは、第3のロードセルを用いて作製したフックユニットに関する測定結果である。
図5図5は、第1の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図6図6は、第2の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図7図7は、第3の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図8図8は、第4の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図9図9は、第5の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図10図10は、第6の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図11図11は、第7の変形例に係るフックユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る商品陳列用のフックユニットの一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のフックユニットは、複数の商品を吊り下げることができるように構成されている。また、フックユニットは、吊り下げられた商品の個数を検出するためのセンサを備える。
【0011】
[フックユニットの構成]
図1は、本実施形態に係る商品陳列用のフックユニット1の構成例の概略を示す斜視図である。図2は、商品陳列用のフックユニット1が使用されている状態を模式的に示す図である。
【0012】
フックユニット1は、商品90が吊り下げられるように構成された片持ちの棒状部材であって、商品吊り下げ部として機能する棒50を備える。棒50は、使用時にほぼ水平になるように構成されている。棒50の両端をそれぞれ先端及び基端と称することにする。棒50の先端は、自由端となっている。棒50の先端部分は、吊り下げた商品90が落下しにくいように、鉛直上側にわずかに湾曲している。棒50は、商品90が吊り下げられるように構成されていれば、どのような棒状部材であってもよい。
【0013】
フックユニット1は、棒50の基端側に設けられた、フックユニット1を商品陳列用什器に固定するための、什器取付部として機能する取付部材20を備える。本実施形態では、取付部材20は、商品陳列用什器の横木80に係合する逆U字形状の部分を有する。取付部材20の形状などは、商品陳列用什器の形状などに応じて適宜に変更され得る。また、フックユニット1は、棒50と取付部材20との間に設けられ、棒50の荷重変動を検出し、棒50に吊り下げられる一又は二以上の商品90の着脱を検知するための信号を出力するように構成された、ロードセル10を備える。
【0014】
ロードセル10は、片持ちビーム型のロードセルである。すなわち、ロードセル10は、弾性体である起歪体11を有する。起歪体11の概形は、使用時に長手軸を基端から先端へと水平に向ける略直方体をしている。起歪体11は、使用時に長手軸と直交し、かつ、水平となる方向に、眼鏡型の穴12があいたロバーバル機構を有する形状となっている。ロードセル10は、センサ13を有する。センサ13は、起歪体11の使用時の上下の面にそれぞれ2つ、穴12の形状に対応した位置に設けられた合計4つのひずみゲージを含む。4つのひずみゲージは、ホイートストンブリッジ回路を構成する。起歪体11が歪むことで生じるひずみゲージの抵抗値変化に関する値が、ケーブル18を介して取得される。例えば、ケーブル18は、印加電圧線2本と出力信号線2本とを含んでおり、センサ13からは、歪量に比例して変化する電圧値が取得され得る。
【0015】
ロードセル10の長手方向の、一端側には固定部14が設けられており、他端側には荷重受部15が設けられている。固定部14は、第1の接続部材30に固定されている。第1の接続部材30は、取付部材20に固定されている。したがって、ロードセル10の固定部14は、取付部材20に対して相対的に固定されている。本実施形態では、ロードセル10は、第1の接続部材30の上側に配置されている。ロードセル10の固定部14と第1の接続部材30との固定は、どのような手段で行われてもよい。例えば、これらは、複数本のネジによって固定され得る。第1の接続部材30と取付部材20との固定もどのような手段で行われてもよい。また、第1の接続部材30と取付部材20とは、一体の一つの部材として形成されていてもよい。この場合も、一つの部材に第1の接続部材30と取付部材20とが含まれていると考えることができる。このように、フックユニット1には、什器取付部と前記固定部とそれらを接続する第1の接続部が設けられていればよい。
【0016】
荷重受部15には、第2の接続部材40が固定されている。第2の接続部材40には、棒50の基端が取り付けられている。したがって、棒50に吊り下げられた商品90の個数が変化すると、荷重受部15に鉛直上下方向に掛かる荷重が変化する。ロードセル10は、この鉛直上下方向に掛かる荷重を検出する。本実施形態では、第2の接続部材40は、ロードセル10の上側に配置されている。ロードセル10の荷重受部15と第2の接続部材40との固定は、どのような手段で行われてもよい。例えば、これらは、複数本のネジによって固定され得る。第2の接続部材40と棒50との固定もどのような手段で行われてもよい。また、第2の接続部材40と棒50とは、一体の一つの部材として形成されていてもよい。この場合も、一つの部材に第2の接続部材40と棒50とが含まれていると考えることができる。このように、フックユニット1には、棒状部と荷重受部とそれらを接続する第2の接続部とが設けられていればよい。
【0017】
[システム構成]
フックユニット1が設置された店舗のシステム構成の一例について説明する。図3は、フックユニット1を含むシステム100の構成の一例の概略を示す。図3には、5個のフックユニット1が図示されている。複数のフックユニット1の各々に異なる商品が吊るされることで、店舗には複数種類の商品が陳列されている。すなわち、図3の例では、第1のフックユニット101には第1の商品91が吊るされており、第2のフックユニット102には第2の商品92が吊るされており、第3のフックユニット103には第3の商品93が吊るされており、第4のフックユニット104には第4の商品94が吊るされており、第5のフックユニット105には第5の商品95が吊るされている。各フックユニット1は、インターフェース121を介してコンピュータ130に接続されており、各フックユニット1のロードセル10の検出値は、コンピュータ130によって取得される。
【0018】
コンピュータ130は、各商品90の1個当たりの重さの情報を含む各種の情報を有している。コンピュータ130は、各フックユニット1に吊るされた商品の総重量を表す電気信号を、各フックユニット1から取得する。コンピュータ130は、各フックユニット1から取得した電気信号と、商品の重さに関する情報とに基づいて、各フックユニット1に吊るされている商品90の個数を算出する。
【0019】
このシステム100によれば、フックユニット1及びコンピュータ130を用いて、購入者がいずれのフックユニット1から何個の商品90を取ったか、すなわち、購入者が何れの商品90を何個購入するかという情報が取得され得る。
【0020】
システム100は、例えば、無人店舗などで用いられ得る。すなわち、インターフェース122を介してコンピュータ130に接続された端末140を用いて認証された購入者が、何れかのフックユニット1に吊るされた商品90を取ると、コンピュータ130は、各フックユニット1の出力に基づいて、どの商品90が何個取られたかという情報を取得することができる。コンピュータ130は、この情報と購入者の認証情報とに基づいて、購入者に課金することができる。この際、インターフェース122を介して接続された第1のカメラ151及び第2のカメラ152等を用いて取得された画像に基づいて、購入者の認識などが行われてもよい。
【0021】
システム100の適用は無人店舗などに限らない。システム100によれば、コンピュータ130による商品の数量管理が実現され得る。例えば、店舗の管理者等は、コンピュータ130に接続された端末140を用いて、各商品90の陳列されている個数を知ることができる。管理者等は、この情報に基づいて、販売データを用いずに商品数の管理を行ったり、商品の補充などの各種管理を行ったりすることができる。
【0022】
また、例えば購入者が一度取り上げた商品を誤ったフックに戻したことなどが特定され得る。例えば、第1のフックユニット101から取られた第1の商品91が第2のフックユニット102に戻されたとする。このとき、コンピュータ130は、販売数に関するデータとフックユニット1で検出された商品数との不整合から、商品の陳列状態が誤っていることを特定することができる。また、商品90の重さが種類によって異なれば、販売に関するデータを用いなくても、商品の陳列状態が誤っていることを特定することができる。例えば、上述の例では、第2のフックユニット102に掛かっている商品の総重量が、第2の商品の1個当たりの重量の整数倍からずれていれば、コンピュータ130は、第2のフックユニット102に関する陳列状態に異常があることを特定できる。
【0023】
[実施例]
2kg用の3種類のロードセル10を用いて、図1に示すフックユニット1を作製した。棒50に荷重をかけていないとき、及び100g、200g、300g、400g、500gのおもりを棒50に掛けたときのロードセルの出力をA/D変換器を介してコンピュータで読み取った。
【0024】
その結果を図4A乃至図4Cに示す。図4A図4B及び図4Cは、それぞれ第1のロードセル、第2のロードセル及び第3のロードセルを用いて作製したフックユニット1に関する測定結果である。各図は、荷重に対する出力を示している。
【0025】
出力特性に違いはあるものの、いずれのロードセルを用いた場合であっても、荷重に対して線形な出力が得られた。また、棒50の先端側から基端側の何れの場所におもりを吊るしても、同じ出力が得られた。これは、ロードセル10が固定部14と荷重受部15と間の剪断力を検出するように構成されているからである。以上のように、フックユニット1を用いて、棒50に吊るされた商品の重さを取得できることが確認された。
【0026】
[変形例]
上述の実施形態のフックユニット1のいくつかの変形例を示す。ここでは、上述の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
〈第1の変形例〉
図5は、第1の変形例に係るフックユニット1aの構成例の概略を示す斜視図である。上述の実施形態に係るフックユニット1では、第1の接続部材30は、ロードセル10の固定部14を下から支え、第2の接続部材40は、ロードセル10の荷重受部15の上側に固定されている。これに対して、第1の変形例に係るフックユニット1aでは、第1の接続部材30aは、ロードセル10aの固定部14aの上側に固定され、ロードセル10aを上から吊り下げた状態になっている。棒50が固定されている第2の接続部材40aは、ロードセル10aの荷重受部15aの上側に固定されている。フックユニット1aは、このような形態であっても、上述の実施形態のフックユニット1と同様に機能する。
【0028】
〈第2の変形例〉
図6は、第2の変形例に係るフックユニット1bの構成例の概略を示す斜視図である。第2の変形例に係るフックユニット1bでは、第1の接続部材30bは、ロードセル10bの固定部14bの上側に固定され、ロードセル10bを上から吊り下げた状態になっている。棒50が固定されている第2の接続部材40bは、ロードセル10bの荷重受部15bの下側に固定され、ロードセル10bに吊り下げられた状態になっている。フックユニット1bは、このような形態であっても、上述の実施形態のフックユニット1と同様に機能する。
【0029】
〈第3の変形例〉
図7は、第3の変形例に係るフックユニット1cの構成例の概略を示す斜視図である。第3の変形例に係るフックユニット1cでは、第1の接続部材30cは、ロードセル10cの固定部14cの上側に固定され、第2の接続部材40cは、ロードセル10cの荷重受部15cの下側に固定されている。ここで、ロードセル10cは、固定部14cを基端側にし、荷重受部15cを先端側にして配置されている。
【0030】
第2の接続部材40cは、水平方向に伸びる水平部41cと、水平部41cの基端側から鉛直下方向に伸びる鉛直部42cとを備える、略L字形状を有している。第2の接続部材40cは、その先端側の接続部43cでロードセル10cの荷重受部15cに固定されている。水平部41cの接続部43c以外がロードセル10cに触れないように、接続部43cは、水平部41cの他の部分よりも厚く形成されている。このように、第2の接続部材40cは、ロードセル10cと水平部41cとの間に隙間が形成されるように構成されている。接続部43cを厚くする代わりに、水平部41cが平らであっても、ロードセル10cの荷重受部15cがロードセル10cの他の部分よりも厚くなっていたり、第2の接続部材40cの接続部43cとロードセル10cの荷重受部15cとの間にスペーサが挿入されたりしてもよい。
【0031】
第2の接続部材40cの鉛直部42cの先端側の面の下方の接続部44cに棒50cの基端が固定されている。鉛直部42cは、ロードセル10cの荷重受部15cに固定された接続部43cよりも基端側に配置されているので、棒50cの基端も荷重受部15cよりも基端側に配置されている。このような構成によって、ロードセル10cの長さに関わらず、商品90が吊り下げられる棒50cの長さが確保され、省スペースなフックユニット1cが実現されている。フックユニット1cは、このような形態であっても、上述の実施形態のフックユニット1と同様に機能する。
【0032】
〈第4の変形例〉
図8は、第4の変形例に係るフックユニット1dの構成例の概略を示す斜視図である。第4の変形例に係るフックユニット1dでは、図7に示した第3の変形例に係るフックユニット1cに、表示部60が取り付けられている。表示部60は、例えば商品90の名称、値段などを表示するための部分である。表示部60は、支持棒61を有する。支持棒61の基端は、第1の接続部材30dに固定されている。支持棒61は、基端側から先端側へと水平に伸び、その先端は商品90を吊り下げる棒50dの先端に対応する位置になっている。支持棒61の先端には、カードホルダー62が設けられている。カードホルダー62は、商品90に関する情報などが記載されたカードなどを保持するように構成されている。カードホルダー62は、支持棒61に対して着脱自在でもよい。支持棒61によって、カードホルダー62は、購入者から見て最前面に吊るされた商品よりも手前側に配置されるようになる。また、カードホルダー62によって、商品を吊るす棒50dの先端を覆うことで、棒50dの先端が人にあたりにくいようにフックユニット1dは構成されていてもよい。
【0033】
第4の変形例に係るフックユニット1dでは、第1の接続部材30dの下側にロードセル10dが配置され、さらにロードセル10dの下側に商品を吊り下げる棒50dが取り付けられた第2の接続部材40dが配置されている。このため、支持棒61など表示部60は、他の部分と干渉することがない。
【0034】
〈第5の変形例〉
図9は、第5の変形例に係るフックユニット1eの構成例の概略を示す斜視図である。第5の変形例に係るフックユニット1eでは、ロードセル10eが、固定部14eを先端側に、荷重受部15eを基端側にして配置されている。このため、第1の接続部材30eは、先端側に比較的長く形成されている。また、ロードセル10eの固定部14eが固定される第1の接続部材30eの接続部31eは、第1の接続部材30eの他の部分よりも厚くなっている。このようにして、接続部31e以外で第1の接続部材30eとロードセル10eとが接触しないように、第1の接続部材30eとロードセル10eとの間に間隙が形成されている。第1の接続部材30eとロードセル10eとの間の間隙は、第1の接続部材30eの形状によらずに、ロードセル10eの形状によったり、スペーサが挿入されたりすることなどによって設けられてもよい。
【0035】
また、第5の変形例に係るフックユニット1eにおいても、第2の接続部材40eは、略L字形状に形成されている。棒50eの基端は、第2の接続部材40eの鉛直部42eに固定されている。
【0036】
第5の変形例に係るフックユニット1eにおいて、表示部60eは設けられていなくてもよい。図9に示す例では、第5の変形例に係るフックユニット1eに、表示部60eが設けられている。先端にカードホルダー62eが支持される支持棒61eの基端は、第1の接続部材30eの先端に固定されている。第1の接続部材30eが先端側に伸びているので、支持棒61eは、比較的短くなる。また、支持棒61eに代えて、第1の接続部材30eが先端側に十分な長さを有し、第1の接続部材30eの先端にカードホルダー62eが固定されてもよい。この場合、第1の接続部材30eの先端側が、支持棒として機能する。
【0037】
なお、第1の接続部材30dが十分に長く、その先端にカードホルダー62が固定されてもよいのは、図8に示した第4の変形例のフックユニット1dにおいても同様である。ただし、この場合においても、第1の接続部材30dとロードセル10dとが接触しないように、第1の接続部材30dの形状が工夫されたり、固定部において第1の接続部材30dとロードセル10dとの間にスペーサが挿入されたりする必要がある。
【0038】
また、図9に示す例のように、ロードセル10eに関する信号を伝達するためのケーブル18eは、第1の接続部材30eの内部を通されてもよい。ケーブルが第1の接続部材の内部を通されてもよいのは、上述の実施形態でも他の変形例でも同様である。このような構成によって、配線をすっきりとさせることができる。
【0039】
〈第6の変形例〉
上述の実施形態及び第1乃至第5の変形例では、ロードセルの長手軸と棒の長手軸とが平行になっている。しかしながら、これに限らない。図10は、第6の変形例に係るフックユニット1fの構成例の概略を示す斜視図である。第6の変形例に係るフックユニット1fでは、ロードセル10fの長手軸と棒50fの長手軸とが直交するようにこれらが配置されている。
【0040】
第1の接続部材30fは、取付部材20fが取り付けられる横木とロードセル10fの長手軸とが平行になるように、ロードセル10fの固定部14fと取付部材20fとを接続している。第2の接続部材40fは、ロードセル10fの長手軸と棒50fの長手軸とが直交するように、ロードセル10fの荷重受部15fと棒50fの基端とを接続している。
【0041】
第6の変形例に係るフックユニット1fによれば、棒50fの長手方向のフックユニット1fの長さ、すなわち、商品陳列のための使用時における購入者側から見たフックユニット1fの奥行が、上述の実施形態や第1乃至第3の変形例の場合よりも短くなっている。一方、商品陳列において、種類が異なる商品が横方向に並ぶことが一般的であるため、フックユニット1fの横幅が広いことはあまり問題とならない。したがって、第6の変形例に係るフックユニット1fによれば、省スペースな商品の陳列が実現され得る。
【0042】
なお、ロードセル及び棒は、ロードセルの長手軸と棒の長手軸とが、直交に限らず他の角度で交わるように配置されてもよいし、ねじれの位置となるように配置されてもよい。
【0043】
〈第7の変形例〉
図11は、第7の変形例に係るフックユニット1gの構成例の概略を示す斜視図である。この変形例では、ロードセル10gの起歪体11gの固定部14gの形状が、商品陳列用什器の形状に適合するようになっている。すなわち、ロードセル10gの固定部14gに、商品陳列用什器の形状に合わせた溝29gが、什器取付部兼第1の接続部として形成されている。
【0044】
また、この変形例では、ロードセル10gの起歪体11gに直接に棒50gが取り付けられる。すなわち、ロードセル10gの荷重受部15gに、棒50gの基端部の雄螺旋と螺合する雌螺旋49gなどが、第2の接続部として形成されている。
【0045】
フックユニット1gは、このような形態であっても、上述の実施形態のフックユニット1と同様に機能する。このような形態にすることで、機器としての部材が少ないフックユニット1gを実現することができる。
【0046】
〈その他1〉
上述の例では、ロードセルとして片持ちビーム型のロードセルを用いる例を挙げて説明したが、これに限らない。ベンディング型、コラム型、S字型など、他の形状のロードセルが用いられてもよい。また、荷重変動検出部としての力検出器には、ひずみセンサであるひずみゲージ式のロードセルに限らず、圧電式、容量式、電磁式、音叉式等の他の検出方式を用いた検出器が用いられてもよい。
【0047】
〈その他2〉
図1の例では、第1の接続部材30と取付部材20とがそれぞれ合成樹脂、金属等により成型又は形成され、接合している具体例を示したが、第1の接続部材30と取付部材20とが一体成型又は形成(形成の例としては板金を複数曲げて形成することも可能である)されてもよい。図5乃至9の例でも同様である。
【0048】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0049】
なお、本発明の上記実施形態には、以下の発明も含まれる。
一端側に固定部(14)を有して他端側に荷重受部(15)を有する片持ちビーム型のロードセル(10)と、
商品陳列用什器に取り付けられるように構成された什器取付部(20)と、
前記什器取付部(20)が前記商品陳列用什器に取り付けられたときに前記ロードセル(10)が水平に保持されるように、前記什器取付部(20)と前記固定部(14)とを接続している第1の接続部(30)と、
複数の商品が吊り下げられるように基端側から先端側へと伸びるように構成された、前記什器取付部(20)よりも前記先端側に配置された棒状部(50)と、
前記棒状部(50)の基端部と前記荷重受部(15)とを接続する第2の接続部(40)と
を備える商品陳列用のフックユニット(1)。
【符号の説明】
【0050】
1 フックユニット
10 ロードセル
11 起歪体
12 穴
13 センサ
14 固定部
15 荷重受部
18 ケーブル
20 取付部材
30 第1の接続部材
40 第2の接続部材
50 棒
60 表示部
61 支持棒
62 カードホルダー
80 横木
90 商品
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11