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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20231030BHJP
   G02F 1/16753 20190101ALI20231030BHJP
   G02F 1/16757 20190101ALI20231030BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G02F1/16753
G02F1/16757
G09F9/00 350Z
G09F9/30 309
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019189833
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021018407
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】108125725
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】397039838
【氏名又は名称】元太科技工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PRIME VIEW INTERNATIONAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO 3.LI SHIN RD.1,SCIENCE-BASED INDUSTRIAL PARK,HSINCHU,TAIWAN,
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】林益生
(72)【発明者】
【氏名】葉佳俊
(72)【発明者】
【氏名】リン クアン イ
(72)【発明者】
【氏名】蕭博友
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0154707(US,A1)
【文献】国際公開第2012/120665(WO,A1)
【文献】特開2007-127763(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111678(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109300970(CN,A)
【文献】特開2013-084014(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0070740(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0182984(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
1/15-1/19
G09F 9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下基板、上基板、及び前記下基板と前記上基板との間に位置する表示媒体層を含み、2つの対向する短辺に平行な中心線を有し、前記2つの対向する短辺は前記中心線に関して対称であり、前記下基板と前記上基板がそれぞれ縁部領域を有するフレキシブルディスプレイパネルと、
上部保護層と、
前記上部保護層と前記上基板との間に位置する第1の粘着剤層と、
前記下基板の前記縁部領域と前記表示媒体層と前記上基板の前記縁部領域と前記第1の粘着剤層との間に位置し、且つ延伸方向が前記中心線に平行であるエアギャップと、
前記エアギャップの中で前記下基板の前記縁部領域に位置する支持部材と、
前記下基板の前記縁部領域と前記上基板の前記縁部領域との間に位置するシーラントと、
前記シーラントと前記下基板の前記縁部領域と前記上基板の前記縁部領域との間に位置し、前記中心線が通過し、且つ弾性率が前記シーラントの弾性率よりも大きい第1の補強構造と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記第1の補強構造は、熱硬化型接着剤又は光硬化型接着剤である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の補強構造の弾性率は、3GPa~4GPaの範囲にある請求項1~2の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記上部保護層と前記第1の粘着剤層と前記上基板の前記縁部領域との間に位置し、且つ前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が通過し、材質が前記第1の補強構造の材質と同じである第2の補強構造を更に備える請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
下部保護層と、
前記下部保護層と前記下基板との間に位置する第2の粘着剤層と、
を更に備える請求項1~の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記下部保護層と前記第2の粘着剤層と前記下基板の前記縁部領域との間に位置し、且つ前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が通過し、材質が前記第1の補強構造の材質と同じである第3の補強構造を更に備える請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が通過する第1のガイドレールと、
互いに枢着され、且つその中の2つが前記第1のガイドレールの対向する両側に枢着される複数の第2のガイドレールと、
を更に備え、
前記フレキシブルディスプレイパネルが前記第1のガイドレールと前記第2のガイドレールに収容され、前記第1のガイドレールの硬さが前記第2のガイドレールの硬さよりも大きい請求項1~の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1のガイドレールの材質は金属であり、前記第2のガイドレールの材質はゴムである請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のガイドレールと前記フレキシブルディスプレイパネルとの間に位置する第4の補強構造を更に備える請求項の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
下基板、上基板、及び前記下基板と前記上基板との間に位置する表示媒体層を含み、2つの対向する短辺に平行な中心線を有し、前記2つの対向する短辺は前記中心線に関して対称であるフレキシブルディスプレイパネルと、
上部保護層と、
前記上部保護層と前記上基板との間に位置する第1の粘着剤層と、
前記下基板の縁部領域と前記表示媒体層と前記上基板の縁部領域と前記第1の粘着剤層との間に位置し、且つ延伸方向が前記中心線に平行であるエアギャップと、
前記エアギャップの中で前記下基板の前記縁部領域に位置する支持部材と、
下部保護層と、
前記下部保護層と前記下基板との間に位置する第2の粘着剤層と、
を備え、
前記中心線位置に近い前記第1の粘着剤層と前記第2の粘着剤層との少なくとも一方の粘着性又は弾性が前記中心線位置から離れるものの粘着性又は弾性よりも大きい表示装置。
【請求項11】
平面視において、前記上部保護層は前記第1の粘着剤層に接触する凹部又は凸部を有し、且つ前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が前記凹部又は前記凸部を通過する請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
平面視において、前記上基板は前記第1の粘着剤層に接触する凹部又は凸部を有し、且つ前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が前記凹部又は前記凸部を通過する請求項1011の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
平面視において、前記下部保護層は前記第2の粘着剤層に接触する凹部又は凸部を有し、且つ前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が前記凹部又は前記凸部を通過する請求項1012の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が通過する第1のガイドレールと、
互いに枢着され、且つその中の2つが前記第1のガイドレールの対向する両側に枢着される複数の第2のガイドレールと、
を更に備え、
前記フレキシブルディスプレイパネルが前記第1のガイドレールと前記第2のガイドレールに収容され、前記第1のガイドレールの硬さが前記第2のガイドレールの硬さよりも大きい請求項1013の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1のガイドレールの材質は金属であり、前記第2のガイドレールの材質はゴムである請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1のガイドレールと前記フレキシブルディスプレイパネルとの間に位置する補強構造を更に備える請求項1415の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項17】
下基板、上基板、及び前記下基板と前記上基板との間に位置する表示媒体層を含み、2つの対向する短辺に平行な中心線を有し、前記2つの対向する短辺は前記中心線に関して対称であるフレキシブルディスプレイパネルと、
上部保護層と、
前記上部保護層と前記上基板との間に位置する第1の粘着剤層と、
前記下基板の縁部領域と前記表示媒体層と前記上基板の縁部領域と前記第1の粘着剤層との間に位置し、且つ延伸方向が前記中心線に平行であるエアギャップと、
前記エアギャップの中で前記下基板の前記縁部領域に位置する支持部材と、
下部保護層と、
前記下部保護層と前記下基板との間に位置する第2の粘着剤層と、
を備え、
平面視において、前記上部保護層と前記上基板と前記下部保護層の少なくとも一つが凹部又は凸部を有し、前記凹部又は前記凸部が前記第1の粘着剤層と第2の粘着剤層の一方に接触し、且つ前記中心線が前記凹部又は前記凸部を通過する
表示装置。
【請求項18】
前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が通過する第1のガイドレールと、
互いに枢着され、且つその中の2つが前記第1のガイドレールの対向する両側に枢着される複数の第2のガイドレールと、
を更に備え、
前記フレキシブルディスプレイパネルが前記第1のガイドレールと前記第2のガイドレールに収容され、前記第1のガイドレールの硬さが前記第2のガイドレールの硬さよりも大きい請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1のガイドレールの材質は金属であり、前記第2のガイドレールの材質はゴムである請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1のガイドレールと前記フレキシブルディスプレイパネルとの間に位置する補強構造を更に備える請求項1819の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項21】
2つの対向する短辺に平行な中心線を有し、前記2つの対向する短辺は前記中心線に関して対称であるフレキシブルディスプレイパネルと、
前記フレキシブルディスプレイパネルの前記中心線が通過する第1のガイドレールと、
互いに枢着され、且つその中の2つが前記第1のガイドレールの対向する両側に枢着される複数の第2のガイドレールと、
前記第1のガイドレールと前記フレキシブルディスプレイパネルとの間に位置する補強構造と、
を備え、
前記フレキシブルディスプレイパネルが前記第1のガイドレールと前記第2のガイドレールに収容され、前記第1のガイドレールの硬さが前記第2のガイドレールの硬さよりも大きい表示装置。
【請求項22】
前記第1のガイドレールの材質は金属であり、前記第2のガイドレールの材質はゴムである請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
エアギャップと、第1の粘着剤層と、を有し、
前記フレキシブルディスプレイパネルは、下基板、上基板、及び前記下基板と前記上基板との間に位置する表示媒体層を含み、
前記エアギャップは、前記下基板の縁部領域と前記表示媒体層と前記上基板の縁部領域と前記第1の粘着剤層との間に位置し、且つ延伸方向が前記中心線に平行である請求項2122の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項24】
前記エアギャップの中で前記下基板の前記縁部領域に位置する支持部材を更に備える請求項23に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示装置に関し、特に、フレキシブルディスプレイパネルを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の様々な消耗性電子製品の市場において、例えば、電子ペーパーのように、電子製品のディスプレイ画面としてフレキシブルディスプレイパネルが広く使用されている。フレキシブルディスプレイパネルの表示媒体層は、主に、電気泳動液及び電気泳動液にドープされた白と黒の粒子で構成される。電圧を表示媒体層に印加することで、白と黒の粒子を駆動して、各ピクセル領域にそれぞれ黒、白、又はグレースケールを表示させることができる。フレキシブルディスプレイパネルは、入射光(例えば、太陽光又は室内の周囲光)で表示媒体層を照射して反射することで、表示の目的を達成するため、バックライトは不要であり、電力消費を節約することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、フレキシブルディスプレイパネルを有する表示装置が曲がる場合、表示装置自体の厚さにより、その内周縁部と外周縁部との間に位置ずれが発生する。つまり、内周の層は外周の層から引っ込む。ディスプレイデバイスの片側のみに位置ずれが発生すると、応力歪みの累積により、層間剥離の問題が発生しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、表示装置は、下基板、上基板、及び下基板と上基板との間に位置する表示媒体層を含み、中心線が短辺に平行であり、下基板と上基板がそれぞれ縁部領域を有するフレキシブルディスプレイパネルと、下基板の縁部領域と上基板の縁部領域との間に位置するシーラントと、シーラントと下基板の縁部領域と上基板の縁部領域との間に位置し、フレキシブルディスプレイパネルの中心線が通過し、且つ弾性率がシーラントの弾性率よりも大きい第1の補強構造と、を備える。
【0005】
本発明の上記実施形態において、フレキシブルディスプレイパネルの中心線が通過し、且つ第1の補強構造の弾性率がシーラントの弾性率よりも大きいので、表示装置が曲がる場合、下基板の縁部領域と上基板の縁部領域は中心線に近い位置で安定となる。このように、曲げによる歪みは、表示装置の対向する両側に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、表示装置は、下基板、上基板、及び下基板と上基板との間に位置する表示媒体層を含み、中心線が短辺に平行であるフレキシブルディスプレイパネルと、上部保護層と、上部保護層と上基板との間に位置する第1の粘着剤層と、下部保護層と、下部保護層と下基板との間に位置する第2の粘着剤層と、を備え、中心線位置に近い第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との少なくとも一方の粘着性又は弾性が中心線位置から離れるものの粘着性又は弾性よりも大きい。
【0007】
本発明の一実施形態において、フレキシブルディスプレイパネルの中心線位置に近い第1の粘着剤層又は第2の粘着剤層の粘着性又は弾性がフレキシブルディスプレイパネルの中心線位置から離れるものよりも大きいので、表示装置が曲がる場合、上部保護層と下部保護層は中心線に近い位置で安定となる。このように、曲げによる歪みは、表示装置の対向する両側に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、表示装置は、下基板、上基板、及び下基板と上基板との間に位置する表示媒体層を含み、中心線が短辺に平行であるフレキシブルディスプレイパネルと、上部保護層と、上部保護層と上基板との間に位置する第1の粘着剤層と、下部保護層と、下部保護層と下基板との間に位置する第2の粘着剤層と、を備え、上部保護層と上基板と下部保護層との少なくとも一つが凹部又は凸部を有し、凹部又は凸部が第1の粘着剤層と第2の粘着剤層の一方に接触し、且つ中心線が凹部又は凸部を通過する。
【0009】
本発明の上記実施形態において、上部保護層、上基板と下部保護層が凹部又は凸部を有してよく、凹部又は凸部が第1の粘着剤層と第2の粘着剤層に接触し且つ中心線が通過してよいので、表示装置が曲がる場合、上部保護層、上基板と下部保護層は、それぞれ凹部又は凸部の位置で他の領域よりも多くの粘着剤層に接触して、中心線に近い位置で安定となることができる。このように、曲げによる歪みは、表示装置の対向する両側に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、表示装置は、短辺に平行である中心線を有するフレキシブルディスプレイパネルと、フレキシブルディスプレイパネルの中心線が通過する第1のガイドレールと、互いに枢着され、且つその中の2つが第1のガイドレールの対向する両側に枢着される複数の第2のガイドレールと、第1のガイドレールとフレキシブルディスプレイパネルとの間に位置する補強構造と、を備え、フレキシブルディスプレイパネルが第1のガイドレールと第2のガイドレールに収容され、第1のガイドレールの硬さが第2のガイドレールの硬さよりも大きい。
【0011】
本発明の上記実施形態において、中心線が通過する第1のガイドレールの硬さが第2のガイドレールの硬さよりも大きく、且つ補強構造が第1のガイドレールとフレキシブルディスプレイパネルとの間に位置するので、表示装置が曲がる場合、表示装置は中心線に近い位置で安定となる。このように、曲げによる歪みは、表示装置の対向する両側に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による表示装置の平面図を示す。
図2図1の表示装置の線分2-2に沿った断面図を示す。
図3図1の表示装置の線分3-3に沿った断面図を示す。
図4図1の表示装置の線分4-4に沿った断面図を示す。
図5】本発明の一実施形態による表示装置の断面図であり、その断面位置が図4と同じである。
図6】本発明の一実施形態による表示装置の側面図を示す。
図7図6の表示装置の線分7-7に沿った断面図を示す。
図8図6の表示装置の線分8-8に沿った断面図を示す。
図9】本発明の一実施形態による表示装置の平面図を示す。
図10図9の表示装置の線分10-10に沿った断面図を示す。
図11】本発明の一実施形態による表示装置の平面図を示す。
図12図11の表示装置の線分12-12に沿った断面図を示す。
図13】本発明の一実施形態による表示装置の平面図を示す。
図14A】本発明の一実施形態による表示装置の平面図を示す。
図14B図14Aの表示装置の中心線Lに沿った断面図を示す。
図15A】本発明の一実施形態による表示装置の平面図を示す。
図15B図15Aの表示装置の中心線Lに沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面で本発明の複数の実施形態を開示するが、明らかに説明するために、多くの実際の細部を以下の説明で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部が、本発明を制限するためのものではない。つまり、本発明の実施形態の一部において、これらの実際の細部は、必要ないものである。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置100の平面図を示す。図2は、図1の表示装置100の線分2-2に沿った断面図を示す。図3は、図1の表示装置100の線分3-3に沿った断面図を示す。図1図3を同時に参照すると、表示装置100は、フレキシブルディスプレイパネル110と、シーラント120(例えば、シール剤)と、補強構造130と、を備える。フレキシブルディスプレイパネル110は、下基板112、上基板114、及び下基板112と上基板114との間に位置する表示媒体層116を含む。下基板112の材質は、ポリイミド(Polyimide;PI)を含んでよく、且つ薄膜トランジスタアレイ(TFT array)が設けられる。表示媒体層116は、コロイド、及び荷電粒子を有するマイクロカプセルを含む。表示媒体層116は、入射光を反射することに使用されることができる。荷電粒子は、例えば、黒色と白色の粒子であるが、これに限定されない。また、コロイドは、感圧粘着物(Pressure sensitive adhesive;PSA)であってよい。
【0015】
下基板112と上基板114は、それぞれ縁部領域113と縁部領域115を有し、縁部領域113、115がフレキシブルディスプレイパネル110の周辺パッケージ領域と見なされてよい。シーラント120は、下基板112の縁部領域113と上基板114の縁部領域115との間に位置する。フレキシブルディスプレイパネル110の中心線Lは、フレキシブルディスプレイパネル110の短辺に平行であり、つまり、フレキシブルディスプレイパネル110の長辺に垂直である。本実施形態において、中心線Lに近い領域に補強構造130が設けられる。補強構造130は、弾性率がシーラント120よりも大きく、依然として密封特性を有し、別のシーラントであってよい。補強構造130は、シーラント120と下基板112の縁部領域113と上基板114の縁部領域115との間に位置する。フレキシブルディスプレイパネル110の中心線Lは補強構造130を通過し、且つ補強構造130の弾性率(Young’s modulus)がシーラント120の弾性率よりも大きい。
【0016】
本実施形態において、補強構造130は、高粘着性と高弾性を有する熱硬化型接着剤又は光硬化型接着剤であってよい。補強構造130の弾性率は3GPa~4GPaの範囲にあってよいが、シーラント120の弾性率は約1GPa以下である。表示装置100(又は、フレキシブルディスプレイパネル110)は、長辺に沿って曲がり又は巻き取ってよい。表示装置100が曲がる場合、下基板112の縁部領域113と上基板114の縁部領域115は、中心線Lに近い位置で安定となる。このように、曲げによる歪みが表示装置100の対向する両側(図1のような上下の両短辺)に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。本文において、前記「曲げ」とは、巻き取りを含むが、ここで先に説明する。
【0017】
また、本実施形態において、表示装置100は、上部保護層140と、粘着剤層150aと、補強構造130aと、を更に備える。粘着剤層150aは上部保護層140と上基板114との間に位置する。補強構造130aは上部保護層140と粘着剤層150aと上基板114の縁部領域115との間に位置し、且つフレキシブルディスプレイパネル110の中心線Lが補強構造130aを通過する。同様に、表示装置100は、下部保護層160と、粘着剤層150bと、補強構造130bと、を更に備えてよい。粘着剤層150bは、下部保護層160と下基板112との間に位置する。補強構造130bは、下部保護層160と粘着剤層150bと下基板112の縁部領域113との間に位置し、且つフレキシブルディスプレイパネル110の中心線Lが補強構造130bを通過する。補強構造130a、130bの材質は、補強構造130の材質と同じであってよい。粘着剤層150a、150bは、透明光学接着剤(Optical clear adhesive;OCA)又は感圧粘着物(PSA)であってよいが、本発明はこれに限定されない。表示装置100が曲がる場合、上部保護層140と下部保護層160は中心線Lに近い位置で安定となり、曲げによる歪みが表示装置100の対向する両側(図1のような上下の両短辺)に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【0018】
理解すべきなのは、説明された素子の接続関係、材料と効果については、繰り返して説明しないが、ここで先に説明する。
【0019】
以上に関する設計は、表示装置100の長辺のセンター領域で層間安定性を向上させるものであるが、以下の説明において、表示装置100の短辺で層間安定性を向上させる設計を説明する。
【0020】
図4は、図1の表示装置100の線分4-4に沿った断面図を示す。図1図4を同時に参照すると、表示装置100はエアギャップGを有する。エアギャップGは、下基板112の縁部領域113と表示媒体層116と上基板114の縁部領域115と粘着剤層150aとの間に位置し、且つ延伸方向が中心線Lに平行である。表示装置100の短辺での下基板112は、上部保護層140に粘着剤層150aによって貼り合わせるように、表示媒体層116と上基板114から突出する。つまり、下基板112の縁部領域113の一部が表示媒体層116と上基板114によって覆われない。このように、表示装置100が曲がる場合、エアギャップGは、上部保護層140とフレキシブルディスプレイパネル110との僅かな変位を許容し、層間変位の表示装置100の中心線Lに近い領域への集中による層間剥離を避けることができる。
【0021】
図5は、本発明の一実施形態による表示装置100の断面図であり、その断面位置が図4と同じである。図5の表示装置100は、支持部材170を更に備えることに、図4の実施形態と異なっている。支持部材170は、エアギャップGの中で下基板112の縁部領域113に位置する。支持部材170は、エアギャップGの長さ方向に沿って設けられる。図5の表示装置100を製造する場合、まず確保空間を定義するように支持部材170を下基板112の短辺に設けてよい。このように、上部保護層140が粘着剤層150aによって貼り合わせられる場合、支持部材170の当接により粘着剤層150aの貼り合わせ位置が下基板112の側面により近くして、確保空間を残してエアギャップGを形成する。本実施形態において、支持部材170は、細長いポリエチレンテレフタレート(PET)テープ又はポリイミド(Polyimide;PI)テープであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
図6は、本発明の一実施形態による表示装置100aの側面図を示す。図7は、図6の表示装置100aの線分7-7に沿った断面図を示す。図8は、図6の表示装置100aの線分8-8に沿った断面図を示す。図6図8を同時に参照すると、表示装置100aは、第1のガイドレール180aと、複数の第2のガイドレール180bと、図1の表示装置100と、を備える。第1のガイドレール180aと第2のガイドレール180bは、シャーシに取り付けられてよい。第1のガイドレール180aと第2のガイドレール180bは、表示装置100の底面と側面を覆い、且つ少なくとも部分的に表示装置100の頂面に延びる。第1のガイドレール180aと第2のガイドレール180b内に、それぞれ、フレキシブルディスプレイパネル110(図3参照)を含む表示装置100を収容するための収容スペースS1、S2を有する。第1のガイドレール180aと第2のガイドレール180bは、それぞれ開口O1と開口O2を有し、開口O1が収容スペースS1に連通され、開口O2が収容スペースS2に連通される。表示装置100は、方向Dに巻き取る場合、第2のガイドレール180bの収容スペースS2に沿って移動することができる。第1のガイドレール180aの開口O1と第2のガイドレール180bの開口O2から、表示装置100の頂面のディスプレイ領域が露出して、ユーザーに見せる。
【0023】
また、表示装置100aは、補強構造130cを更に含む。補強構造130cは、第1のガイドレール180aと表示装置100との間に位置する。更に詳しく言えば、図3を参照すると、補強構造130cは、第1のガイドレール180aと上部保護層140との間及び第1のガイドレール180aと下部保護層160との間に位置する。つまり、補強構造130cは、第1のガイドレール180aとフレキシブルディスプレイパネル110との間に位置する。本実施形態において、第1のガイドレール180aは、中心線L(図1を参照してもよい)が通過する位置に設けられる。第2のガイドレール180bは、互いに枢着され、且つ第2のガイドレール180bのうちの両者が第1のガイドレール180aの対向する両側に枢着され、中心線Lによって通過されていない。第1のガイドレール180aの硬さが第2のガイドレール180bの硬さよりも大きい。例として、第1のガイドレール180aの材質は金属であってよく(例えばステンレススチール)、第2のガイドレール180bの材質はゴムであってよい。
【0024】
補強構造130cは、表示装置100と貼り付けられてよい。表示装置100aは、方向Dに巻き取る場合、収容スペースS1における表示装置100が移動できなく、収容スペースS2に位置する表示装置100だけが第2のガイドレール180bに沿って移動することができる。表示装置100aの完全に展開する長さ1/2のところ(即ち中心線Lが通過する位置)で、補強構造130cは、上部保護層140と下部保護層160を第1のガイドレール180aに固定することができる。この固定方式は、第1のガイドレール180aにおける上部保護層140と下部保護層160の相対位置が表示装置100aの展開又は巻き取り時に関わらず完全に変わらないように制限する。このように、上部保護層140と下部保護層160は、曲げによる層間変位が発生する場合、表示装置100の2つの短辺(即ち図6の左右両側)方向だけへ変位することができる。本実施形態において、補強構造130cの材質は、樹脂(Epoxy)であってよいが、これに限定されない。
【0025】
中心線Lが通過する第1のガイドレール180aの硬さが第2のガイドレール180bの硬さよりも大きく、且つ補強構造130cが第1のガイドレール180aとフレキシブルディスプレイパネル110(図3参照)を含む表示装置100との間に位置するので、表示装置100aが曲がる場合、中心線Lに近い位置で安定となる。このように、曲げによる歪みが表示装置100a対向する両側に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【0026】
図9は、本発明の一実施形態による表示装置100bの平面図を示す。図10は、図9の表示装置100bが線分10-10に沿った断面図を示す。図9図10を同時に参照すると、表示装置100bは、フレキシブルディスプレイパネル110、上部保護層140、粘着剤層150c、下部保護層160と粘着剤層150dを含む。フレキシブルディスプレイパネル110は、下基板112、上基板114と表示媒体層116aを含む。粘着剤層150cと粘着剤層150dの少なくとも1つの粘着性又は弾性がフレキシブルディスプレイパネル110の中心線Lの方向D1、D2へ次第に増加し、且つ補強構造130、130a、130bを略すことに、図1図3実施形態と異なっている。
【0027】
本実施形態において、中心線Lが領域A1を通過するので、領域A1における粘着剤層150c(又は粘着剤層150d)の粘着性又は弾性が領域A2における粘着剤層150c(又は粘着剤層150d)よりも大きく、領域A2における粘着剤層150c(又は粘着剤層150d)の粘着性又は弾性が領域A3における粘着剤層150c(又は粘着剤層150d)よりも大きい。上記領域の数は本発明を制限するためのものではない。製造時に、勾配差硬化法を使用して粘着剤層150cと粘着剤層150dの少なくとも1つを処理する。例として、粘着剤層150cと粘着剤層150dが熱硬化又は紫外線(UV)硬化接着剤である場合、中心線Lが通過する領域A1は、高いエネルギー(高出力又は長時間)で粘着剤層150c、150dを硬化させると、中心線Lの領域(例えば領域A1)に近い粘着剤層150c、150dの粘着性又は弾性が、両側(例えば領域A3)よりも高く、これにより、表示装置100bが曲がる場合、優先的に両辺(例えば図9の上下の2つの短辺)へずれている。
【0028】
粘着剤層150c、150dの粘着性又は弾性がフレキシブルディスプレイパネル110の中心線Lの方向へ次第に増加するので、表示装置100bが曲がる場合、上部保護層140と下部保護層160は中心線Lに近い位置で安定となる。このように、曲げによる歪みが表示装置100b対向する両側(例えば図9の上下の2つの短辺)に分散して、片側の位置ずれや層間剥離を避けることができる。
【0029】
図11は、本発明の一実施形態による表示装置100cの平面図を示す。図12は、図11の表示装置100cが線分12-12に沿った断面図を示す。図11図12を同時に参照すると、表示装置100cは、フレキシブルディスプレイパネル110、上部保護層140a、粘着剤層150a、下部保護層160aと粘着剤層150bを含む。フレキシブルディスプレイパネル110は、下基板112、上基板114と表示媒体層116を含む。本実施形態において、上部保護層140a、粘着剤層150a、粘着剤層150bと下部保護層160aの何れも、凹部192を有し、上部保護層140aの凹部192と下部保護層160aの凹部192は、それぞれ粘着剤層150a、150bに接触し、且つ中心線Lが凹部192を通過する。
【0030】
上部保護層140aと下部保護層160aは、それぞれフレキシブルディスプレイパネル110と貼り合う場合、中心線Lに近い領域に多くの取り付け領域があり、安定性を向上させることができる。また、表示装置100cは、曲げる(又は巻き取る)時に生じた層間歪みが中心線Lに近い領域に上部保護層140aと下部保護層160aの凹部192による幾何学的抵抗に遭遇することがある。このように、単辺に集中することによる層間剥離を避けるように、層間歪みは、両辺(例えば図11の上下の2つの短辺)だけへ移動することができる。
【0031】
図13は、本発明の一実施形態による表示装置100dの平面図を示す。表示装置100dは、上部保護層140a、粘着剤層150a、下部保護層160aと粘着剤層150bと図11のフレキシブルディスプレイパネル110を含む。表示装置100dの上部保護層140a、粘着剤層150a、下部保護層160aと粘着剤層150bの何れも凸部194を有し、且つ中心線Lが凸部194を通過することに、図11の実施形態と異なっている。上部保護層140aの凸部194と下部保護層160aの凸部194は、それぞれ粘着剤層150a、150bに接触し、且つ中心線Lが凸部194を通過する。このような設計は、前記の図11の凹部192の機能を有してよい。
【0032】
図14Aは、本発明の一実施形態による表示装置100eの平面図を示す。図14Bは、図14Aの表示装置100eが中心線Lに沿った断面図を示す。図14A図14Bを同時に参照すると、表示装置100eは、上部保護層140a、粘着剤層150a、下部保護層160a、粘着剤層150bとフレキシブルディスプレイパネル110を含む。本実施形態において、上基板114と表示媒体層116は下基板112aに対して収縮しており、つまり、下基板112aが上基板114と表示媒体層116から突出する。このように、上基板114と表示媒体層116の縁部は、共に凹部192aを形成し、且つ中心線Lが凹部192aを通過する。本実施形態において、粘着剤層150aは、外から内へ順次に粘着剤層150b、下基板112a、上基板114に接触するので、別の貼り付け面積を増加させ、表示装置100eを巻き取る時に中心線Lに近い領域で幾何学的抵抗を発生させることができる。このように、単辺に集中することによる層間剥離を避けるように、層間歪みは、両辺(例えば図14Aの上下の2つの短辺)だけへ移動することができる。
【0033】
図15Aは、本発明の一実施形態による表示装置100fの平面図を示す。図15Bは、図15Aの表示装置の中心線Lに沿った断面図を示す。図15A図15Bを同時に参照すると、表示装置100fは、上部保護層140a、粘着剤層150a、下部保護層160a、粘着剤層150bとフレキシブルディスプレイパネル110aを含む。フレキシブルディスプレイパネル110aの上基板114、表示媒体層116と下基板112bの縁部はほぼ整列されることに、図14A図14Bの実施形態と異なっている。このように、上基板114、表示媒体層116と下基板112bの縁部は共に凹部192bを形成することができ、且つ中心線Lが凹部192bを通過する。本実施形態において、粘着剤層150aは、外から内へ順次に粘着剤層150b、上基板114に接触するので、別の貼り付け面積を増加させ、表示装置100fを巻き取る時に中心線Lに近い領域で幾何学的抵抗を発生させることができる。このように、単辺に集中することによる層間剥離を避けるように、層間歪みは、両辺(例えば図15Aの上下の2つの短辺)だけへ移動することができる。
【0034】
本発明の表示装置は、設計者のニーズに応じて、独立してまたは上記の各実施形態における素子と構造と組み合わせて使用してよい。
【0035】
本発明では、実施形態を前述の通りに開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と領域から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0036】
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f:表示装置
110、110a:フレキシブルディスプレイパネル
112、112a、112b:下基板
113:縁部領域
114:上基板
115:縁部領域
116、116a:表示媒体層
120:シーラント
130、130a、130b、130c:補強構造
140、140a:上部保護層
150a、150b、150c、150d:粘着剤層
160、160a:下部保護層
170:支持部材
180a:第1のガイドレール
180b:第2のガイドレール
192、192a、192b:凹部
194:凸部
2-2、3-3、4-4、7-7、8-8、10-10:線分
A1、A2、A3:領域
D、D1、D2:方向
G:エアギャップ
L:中心線
O1、O2:開口
S1、S2:収容スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B