(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】雨水制御システム
(51)【国際特許分類】
E03F 1/00 20060101AFI20231030BHJP
G01F 1/28 20060101ALI20231030BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20231030BHJP
G05D 7/06 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
E03F1/00 Z
G01F1/28 C
G01F1/00 X
G05D7/06 Z
(21)【出願番号】P 2019207208
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】布施 幸則
(72)【発明者】
【氏名】渡部 陽介
(72)【発明者】
【氏名】平野 尭将
(72)【発明者】
【氏名】小島 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】隅倉 光博
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-126939(JP,A)
【文献】特開平02-223822(JP,A)
【文献】特開2003-105810(JP,A)
【文献】特開2005-194859(JP,A)
【文献】特表平08-501885(JP,A)
【文献】特開2016-079662(JP,A)
【文献】特開2002-167813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00
G01F 1/28
G01F 1/00
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時的に貯水された雨水の外部への放流量を調整する雨水制御システムであって、
前記雨水が流入する管路内の上方に取り付けられた荷重を検出するセンサと、前記センサに一端側が連結されると共に他端側が前記管路内の下方に配置され前記管路内を流れる雨水の抵抗を受けるように形成された水受部とを備えた流量計と、
前記管路から流入する雨水を貯水する貯水部に貯水された貯留水の放流量を調整する調整部と、
前記流量計から取得した情報に基づいて、前記管路内を流れる前記雨水の流量を算出すると共に、前記流量に基づいて前記調整部を制御する制御装置と、を備え
、
前記貯水部に貯水された前記貯留水を一時的に貯水可能な貯水槽をさらに備え、
前記貯水部は、遊水池、地下調整池で構成され、
前記貯水槽は、建物の地下に設けられていることを特徴とする、
雨水制御システム。
【請求項2】
前記流量計は、前記管路内を流れる雨水の抵抗を受けた前記水受部から伝達された前記一端に加わる荷重を前記センサにより検出し、
前記制御装置は、前記荷重に基づいて前記流量を算出することを特徴とする、
請求項1に記載の雨水制御システム。
【請求項3】
前記貯水部の下流側に設けられた
前記貯水槽を備え、
前記制御装置は、前記流量が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から前記貯水槽に前記貯留水を放流することを特徴とする、
請求項1または2に記載の雨水制御システム。
【請求項4】
前記貯水部の下流側に設けられた浸透層を備え、
前記制御装置は、前記流量が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から前記浸透層に前記貯留水を放流することを特徴とする、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の雨水制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記流量が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から外部に放流する前記貯留水を制限することを特徴とする、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の雨水制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記貯水部の水位を検出する水位計により検出された前記貯留水の水位が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から前記貯留水を外部に放流することを特徴とする、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の雨水制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、雨が止んだことが検出された後、所定時間経過後に前記調整部を制御して前記貯水部から前記貯留水を外部に放流することを特徴とする、
請求項1から6のうちいずれか1項に記載の雨水制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水の放流量を調整する雨水制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲリラ豪雨と呼ばれるような集中豪雨が発生し、都市の雨水排水インフラが溢れるなどの問題が生じている。そのため、建物に浸透桝、雨水貯留槽などの一時的に雨水を貯留する設備を設け、より一層の雨水の放流量を抑制する取り組みが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、手洗い場の水や建物の屋上に降った雨水を利用したビオトープが記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、集中豪雨が発生して急激に水量が増大する雨水を一時的に貯留し放流量を調整できないという課題がある。また、ビオトープは、既存の設備に大幅な変更を施さなければ適用できない場合がある。
【0005】
本発明は、既存の設備の変更を最小限にすると共に、急激に水量が増加する雨水の放流量を調整できる雨水制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達するために、本発明は、一時的に貯水された雨水の外部への放流量を調整する雨水制御システムであって、前記雨水が流入する管路内の上方に取り付けられた荷重を検出するセンサと、前記センサに一端側が連結されると共に他端側が前記管路内の下方に配置され前記管路内を流れる雨水の抵抗を受けるように形成された水受部とを備えた流量計と、前記管路から流入する雨水を貯水する貯水部に貯水された貯留水の放流量を調整する調整部と、前記流量計から取得した情報に基づいて、前記管路内を流れる前記雨水の流量を算出すると共に、前記流量に基づいて前記調整部を制御する制御装置と、を備え、前記貯水部に貯水された前記貯留水を一時的に貯水可能な貯水槽をさらに備え、前記貯水部は、遊水池、地下調整池で構成され、前記貯水槽は、建物の地下に設けられていることを特徴とする、雨水制御システムである。
【0007】
本発明によれば、水量計が荷重を検出するセンサとセンサに連結された水受部とにより構成されているため、簡素な構成により管路内の雨水の水量を検出できる。また、水量計は、管路内に後付けで設置できるため、既存の設備に大幅な変更を加えることなく雨水の放流量を調整するシステムを構築できる。
【0008】
また、本発明は、前記流量計は、前記管路内を流れる雨水の抵抗を受けた前記水受部から伝達された前記一端に加わる荷重を前記センサにより検出し、前記制御装置は、前記荷重に基づいて前記流量を算出するように構成されていてもよい。
【0009】
本発明によれば、荷重を検出するセンサにより管路内の水量を検出するため、装置構成を簡素化したシステムを構築することができる。
【0010】
また、本発明は、前記貯水部の下流側に設けられた貯水槽を備え、前記制御装置は、前記流量が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から前記貯水槽に前記貯留水を放流するように構成されていてもよい。
【0011】
本発明によれば、流量計により雨水の流量が所定値以上であると検出された場合、雨量が所定以上に多いと推定できることから雨水を外部に放流することなく貯水槽に一時的に貯水し、下水管が溢れることを防止できる。
【0012】
また、本発明は、前記貯水部の下流側に設けられた浸透層を備え、前記制御装置は、前記流量が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から前記浸透層に前記貯留水を放流するように構成されていてもよい。
【0013】
本発明によれば、流量計により雨水の流量が所定値以上であると検出された場合、集中豪雨等により雨量が所定以上に多いと推定できることから雨水を外部に放流することなく浸透層に一時的に放流し、下水管が溢れることを防止できる。
【0014】
また、本発明は、前記制御装置は、前記流量が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から外部に放流する前記貯留水を制限するように構成されていてもよい。
【0015】
本発明によれば、流量計により雨水の流量が所定値以上であると検出された場合、集中豪雨等により雨量が所定以上に多いと推定できることから雨水を外部に放流することなく貯水部に一時的に貯水し、下水管が溢れることを防止できる。
【0016】
また、本発明は、前記制御装置は、前記貯水部の水位を検出する水位計により検出された前記貯留水の水位が所定値以上である場合、前記調整部を制御して前記貯水部から前記貯留水を外部に放流するように構成されていてもよい。
【0017】
本発明によれば、貯水部に一時的に雨水を貯水しても最終的に貯水部が満杯になった場合、貯留水を外部に放流する。
【0018】
また、本発明は、前記制御装置は、雨が止んだことが検出された後、所定時間経過後に前記調整部を制御して前記貯水部から前記貯留水を外部に放流するように構成されていてもよい。
【0019】
本発明によれば、雨が止んだ後、下水管の容量に余裕ができた時期に貯水部から貯留水を外部に放流することで、降雨時の下水管が溢れることを防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、既存の設備の変更を最小限にすると共に、急激に水量が増加する雨水の放流量を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る雨水制御システムの構成を示す図である。
【
図4】流量計の出力値と雨水の流速との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る雨水制御システムの実施形態について説明する。
【0023】
図1に示されるように、雨水制御システム1は、建物Bにおいて貯水設備Pに集められた雨水の放流を制御するシステムである。雨水制御システム1は、降雨時に降雨量に応じて建物Bから放流される雨水の水量を調整し、下水管Uに流入する雨水を低減する。
【0024】
雨水制御システム1は、雨水Wに関する情報を検出する検出部10と、貯水設備Pに集められた雨水Wの貯水量を調整する調整部20と、検出部10による検出結果に基づいて調整部20を制御する制御装置30とを備える。検出部10は、雨水Wの流量を検出する流量計11、建物Bの周囲の環境を観測する観測装置12と、貯水設備Pの水位を検出する水位計14とを備える。調整部20は、排水ポンプ21と水門22とを備える。
【0025】
雨水制御システム1が適用される建物Bは、ビルやマンション等の構造物である。建物Bは、屋上B1に観測装置12が設けられている。建物Bは、屋上B1に降った雨水が流入する管路Dを備える。管路Dは、建物Bに鉛直方向に沿って配管された鉛直部D1と地中や地表面において上流側が鉛直部D1と接続され、下流側が貯水部P1に接続された水平部D2とを備える。水平部D2には、下流側が低くなるように勾配が付けられている。水平部D2の途中には、雨水の流量を検出する流量計11が設けられている。
【0026】
管路Dの下流側には、貯水部P1が設けられている。貯水部P1の下流側には、水門22が設けられている。水門22の下流側には、調整池P4が設けられている。調整池P4の下流側には、最終桝Xが設けられている。最終桝Xの下流側は、下水管Uに接続されている。貯水部P1には、排水ポンプ21が設けられている。排水ポンプ21は、貯水槽P2及び浸透層P3に接続されている。
【0027】
貯水部P1は、管路Dから流入する雨水を一時的に貯水する貯水設備である。貯水部P1は、例えば、遊水池、遊水地、地下調整池等である。貯水部P1は、下水管Uへ流入する雨水を減少させるため、雨水を一時的に貯めて調整し、降雨が終わった後に放流量を調整しつつ下水管Uに雨水を放流する。貯水部P1から放流される雨水の放流量は、水門22により調整される。水門22は、後述のように制御装置30により制御される。貯水部P1に貯水された雨水の水位は、水位計14により検出され、排水ポンプ21によって調整される。
【0028】
排水ポンプ21は、貯水部P1から雨水を貯水槽P2及び浸透層P3に排水する。排水ポンプ21は、後述のように制御装置30により制御される。貯水槽P2は、建物Bの地下に設けられた所定量の雨水を貯水する貯水設備である。浸透層P3は、地中に設けられ所定量の雨水を浸透させ排水設備に導く設備である。調整池P4は建物B、貯水部P1の規模に応じて適宜設けられる一時的な貯水設備である。浸透層P2は、例えば、浸透桝、浸透トレンチ、道路浸透桝、透水性舗装、浸透井等である。
【0029】
調整池P4は、貯水部P1から放流される雨水を一時的に貯水すると共に、雨水の流速を減速させる。最終桝Xは、雨水が下水管Uに放流される前に、雨水を一時的に留め、雨水に含まれる異物を沈下させる。上記の建物Bの構成により、雨水が貯水される。上述した貯水部P1、貯水槽P2、浸透層P3、及び調整池P4により貯水設備Pが構成される。
【0030】
図2に示されるように、制御装置30は、例えば、建物Bの中央監視室等に設けられ、建物Bを監視制御する。制御装置30は、ネットワークを通じて建物Bを遠隔監視するものであってもよい。制御装置30は、検出部10から建物Bの周囲の環境に関する環境情報を取得する取得部32と、環境情報に基づいて調整部20や警報装置25を制御する制御部34と、環境情報や制御に関する情報を表示する表示部36と、環境情報や制御に用いるデータを記憶する記憶部38とを備える。制御装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末装置、スマートフォン等の端末装置により実現される。
【0031】
取得部32は、無線や有線により流量計11に設けられたセンサ11Aから出力された電気信号を取得するインタフェースである。取得部32は、有線又は無線デバイスである。流量計11の構成については、後述する。取得部32は、観測装置12から雨量、温度、湿度、日射量、風向、風速等の建物Bの周囲の環境に関する観測値のデータを取得する。
【0032】
制御部34は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0033】
プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0034】
制御部34は、流量計11から取得した情報に基づいて、管路D内を流れる雨水の流量を算出すると共に、流量に基づいて制御盤35を介して調整部20を制御し貯水部P1に貯水された貯留水の放流量を調整する。制御部34は、水位計14から取得した情報に基づいて、水位に基づいて制御盤35を介して調整部20を制御し貯水部P1に貯水された貯留水の放流量を調整する。
【0035】
制御部34は、検出部10から取得した情報に基づいて、制御盤35を介して警報装置25を制御し、所定の警報を出力させる。警報装置25は、回転灯、スピーカ等により構成され、灯火や音声等で警告を出力する。制御部は、検出部10により取得された情報が所定の閾値以上である場合、警報装置25を制御して所定の警報を出力させる。制御部34の処理については後述する。
【0036】
表示部36は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ等の表示装置により実現される。表示部36は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末装置、スマートフォン等の制御装置30と別体の他の端末装置により実現されてもよい。記憶部38は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置である。
【0037】
制御盤35は、制御装置30に無線や有線により接続されている。制御盤35は、電源に接続されており、制御装置30から出力された制御信号に基づいて排水ポンプ21、水門22、警報装置25のスイッチング及び電力供給する。
【0038】
次に、流量計11の構成について説明する。
【0039】
図3に示されるように、流量計11は、荷重を検出するセンサ11Aと、センサに取り付けられた水受部11Bとを備える。センサ11Aは、管路Dの水平部D2内において上方に取り付けられている。センサ11Aは、管路D内において常に雨水Wに浸からない管路D内の最頂部の位置に取り付けられていることが望ましい。センサ11Aは、例えば、ロードセルが用いられる。センサ11Aは、モーメント荷重を検出するものであってもよいし、1軸荷重を検出するものであってもよい。センサ11Aには、水受部11Bの一端側が連結されている。
【0040】
水受部11Bは、例えば、長手方向が上下方向に沿った棒状体や板状体に形成されている。水受部11Bの他端側は、管路内の下方に配置されている。水受部11Bは、管路D内を流れる雨水Wの抵抗を受けるように形成されている。管路D内において雨水Wが流れると、水受部11Bの下端側が雨水Wの抵抗を受け、水受部11Bが下流方向に引っ張られる。そうすると、水受部11Bの一端側に連結されたセンサ11Aにモーメント荷重が加わる。この荷重は、水受部11B他端側が受ける抵抗(応力)に応じて変化する。即ち、センサ11Aは、管路D内を流れる雨水Wの水流の流量に応じた電気信号の出力値を出力する。
【0041】
流量計11は、上記の様に簡便な構成により管路D内に後付けにより設置できるので、建物Bの新築時だけでなく、改修時にも現状の建物Bに変更を加えることなく設置できる。流量計11は、既存の非接触式の超音波流量計のように管路Dに直径の10倍程度の直管部を必要とせず、管路D内が満水である必要も無く、低廉に管路D内の雨水Wの流量を検出できる。
【0042】
図4に示されるように、センサ11Aから出力された電気信号の電圧値と雨水Wの流速との間には比例関係がある。制御部34は、予め計算されたセンサ11Aが示す電圧値と雨水Wの流速との比例式を記憶部38から読み出し、センサ11Aから出力された電気信号の値に基づいて流速を算出する。制御部34は、算出した流速を監視する所定時間で積分し、管路D内を流れる雨水Wの流量を算出する。流量計11は、管路D内を流れる雨水Wの抵抗を受けた水受部11Bから伝達された一端に加わる荷重をセンサ11Aにより検出し、制御部34は、荷重に基づいて雨水Wの流量を算出する。
【0043】
制御部34は、管路D内の雨水Wの流量が所定値以上である場合、排水ポンプ21を制御して貯水部P1から貯水槽P2に貯水部P1に貯水された貯留水を放流する。制御部34は、管路D内の雨水Wの流量が所定値以上である場合、排水ポンプ21を制御して貯水部P1から浸透層P3に貯水部P1に貯水された貯留水を放流してもよい。制御部34は、管路D内の雨水Wの流量が所定値以上である場合、水門22を閉じるように制御して貯水部P1から外部に放流する前記貯留水を制限する。
【0044】
制御部34は、貯水槽P2、浸透層P3に雨水Wを放流しても貯水部P1の水位を検出する水位計14により検出された貯留水の水位が所定値以上となった場合、水門22を開放するように制御して貯水部P1から貯留水を外部に放流する。制御部34は、観測装置12による検出結果に基づいて、雨が止んだ後、所定時間経過後に水門22を開放するように制御して貯水部P1から貯留水を外部に放流する。
【0045】
上述したように雨水制御システムによれば、簡便な構成の流量計により雨水の放流量を調整することができる。雨水制御システムによれば、建物に水量計を後付けで施工でき、既存の設備の変更を最小限にすることができる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、センサはロードセルの他、荷重を検出するものであれば他のセンサが用いられてもよい。貯水部P1の水位が所定以上となった場合、貯水部P1から貯留水をオーバーフローさせるようにしてもよい。また、水門はバルブが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 雨水制御システム、10 検出部、11 流量計、11A センサ、11B 水受部、12 観測装置、14 水位計、20 調整部、21 排水ポンプ、22 水門、25 警報装置、30 制御装置、32 取得部、34 制御部、35 制御盤、36 表示部、38 記憶部、B 建物、D 管路、D1 鉛直部、D2 水平部、EL 有機、P1 貯水部、P2 貯水槽、P3 浸透層、P4 調整池、U 下水管、W 雨水、X 最終桝