(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】2つの拡張可能な膜間に配設されたワイヤを備える医療用プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/287 20210101AFI20231030BHJP
A61B 5/25 20210101ALI20231030BHJP
【FI】
A61B5/287 300
A61B5/25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019207679
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-09-27
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジェース・ピー・ヴァルス
(72)【発明者】
【氏名】ダイアナ・エス・ガラルド
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・イー・パーキンス
(72)【発明者】
【氏名】ドン・キュー・ゴ-ヅ
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0348049(US,A1)
【文献】特開2017-202306(JP,A)
【文献】特表2013-529109(JP,A)
【文献】特開2015-100706(JP,A)
【文献】特表2002-538932(JP,A)
【文献】特表2010-501319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/25-5/297
A61B 18/08-18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学プローブであって、
近位端部から
遠位端部まで長手方向軸に沿って延在している管状部材と、
前記長手方向軸の周囲に配設されている外側表面及び内側表面を有する第1の拡張可能な膜であって、前記管状部材の前記
遠位端部に連結されている
近位部分、及び前記長手方向軸に沿って前記
近位部分から離間配置された
遠位部分を有しており、圧縮形状からバルーン形状部材まで拡張されるよう構成されている、第1の拡張可能な膜と、
前記第1の拡張可能な膜の前記外側表面上に配設されている複数の電極
であって、全ての前記複数の電極は、前記第1の拡張可能な膜の前記近位部分から前記長手方向軸に沿って第1の距離で、かつ、前記第1の拡張可能な膜の前記遠位部分から前記長手方向軸に沿って第2の距離で配設されている、複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された
複数のワイヤであって、
前記複数のワイヤの各
々が、前記管状部材から前記
複数の電極
の各々に延在している、
複数のワイヤと、
前記第1の拡張可能な膜の前記近位部分に近接して配設されている第2の拡張可能な膜であって、
前記第2の拡張可能な膜は、前記長手方向軸に垂直な断面である遠位境界端面を有し、前記第2の拡張可能な膜と前記第1の拡張可能な膜との間に前記複数のワイヤ
の全体が封入
され、その結果
、前記
複数の電極が周囲環境に露出された状態で
、前記複数のワイヤの全体が前記第1の拡張可能な膜と前記第2の拡張可能な膜との間で拘束されている、第2の拡張可能な膜と、
前記第1の拡張可能な膜の前記遠位部分に近接して配設されている第3の拡張可能な膜であって、前記第3の拡張可能な膜は、前記長手方向軸に垂直な断面である近位境界端面を有し、前記第3の拡張可能な膜が、前記長手方向軸の周囲に前記第1の拡張可能な膜の少なくとも前記遠位部分を取り囲む、第3の拡張可能な膜と、
を備える、電気生理学プローブ。
【請求項2】
前記複数の電極は、前記第1の拡張可能な膜の前記遠位部分の近傍の、概して共通の中心又は重心である基材から放射状となるように並べられている、請求項1に記載の電気生理学プローブ。
【請求項3】
前記第3の拡張可能な膜が、前記第1の拡張可能な膜と前記第3の拡張可能な膜との間に、
前記基
材を封入する、請求項
2に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項4】
前記管状部材が、前記
近位端部から前記
遠位端部まで延在する第1の管腔を画定し、その結果、前記
複数のワイヤが前記第1の管腔内に入れられている、請求項1
~3のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項5】
前記管状部材が、第2の管腔を画定し、前記第2の管腔は、別の機器が前記第2の管腔を通過できるよう、前記第1の拡張可能な膜を通って延在している、請求項1
~4のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項6】
前記管状部材が、前記第1の拡張可能な膜内の一部分まで延在している第3の管腔を画定し、前記第3の管腔は、前記第1の拡張可能な膜内の前記一部分まで灌注液を送達することが可能となるよう構成されている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項7】
前記第1の拡張可能な膜は、前記
第1の拡張可能な膜の内側から前記
第1の拡張可能な膜の外側まで灌注液が流れるのを可能にするよう、前記
第1の拡張可能な膜を通って延在している複数の開口部を含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項8】
前記第2の拡張可能な膜が前記
遠位部分に近接して前記
複数の電極の各々の一部分を封入するよう、前記
複数の電極が、前記
近位部分から前記
遠位部分に向かって前記長手方向軸の周りに中央電極部分から等角度に延在する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項9】
前記複数の電極の各々が、前記第2の拡張可能な膜によって覆われていない魚骨パターンを画定する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項10】
前記複数の電極
の各々が、基材を介して、前記第1の拡張可能な膜の前記外側表面に連結されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項11】
放射線不透過性マーカーが、
前記複数の電極
の各々の魚の頭部によって画定されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項12】
前記複数の電極
の各々が、その他の電極上の他の放射線不透過性マーカーとは異なる構成を有する放射線不透過性マーカーを含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項13】
前記第3の拡張可能な膜の周囲に配設されている保持リングを更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項14】
前記第1の拡張可能な膜が、前記第2
の拡張可能な膜及び
前記第3の拡張可能な膜によって覆われていない前記第1の拡張可能な膜の全表面積
の52%の円周方向表面積を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項15】
前記複数の電極
の各々用の各基材が、前記第1の拡張可能な膜の露出している外側円周方向表面積
の8パーセントの基材表面積を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項16】
前記複数の電極が、前記第1の
拡張可能な膜上で前記長手方向軸の周囲に等角度で配設されている10本の電極を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項17】
前記第2の拡張可能な膜及び
前記第3の拡張可能な膜が、前記第1の拡張可能な膜の外側表面積
の半分を覆う、請求項1~16のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項18】
前記第1の拡張可能な膜が
、30ミリメートルの前記長手方向軸を基準とした直径を有する概して回転楕円体状の部材を含み、前記第2の拡張可能な膜及び前記第3の拡張可能な膜はそれぞれ、半球状部材を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【請求項19】
前記第1の拡張可能な膜が、
外径2.667ミリメートル未満の
前記管状部材に配設されている第1の構成、及び前記長手方向軸を基準とし
て30ミリメートルの前記管状部材の外側に配設されている第2の構成を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の
電気生理学プローブ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心臓組織のアブレーションは、不整脈を処置するために使用されている。アブレーションエネルギーは、典型的には、アブレーションされる組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができる先端部分によって、心臓組織に提供される。これらのカテーテルの一部は、さまざまな電極3次元構造からアブレーションエネルギーを投与する。このようなカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
バルーン及びバルーン上に並べられた電極を有する医療用プローブの製造において、本発明者らは、熱電対/電極が、バルーン上の10本以上の電極に連結されているワイヤ(「ビフィラー」とも参照される)の数のために、バルーン内側から延在するワイヤに接続されている場合、各電極上の熱電対(すなわち、温度センサ)間の電気的接続は、最適ではないこと判定した。したがって、本出願人は、これらのワイヤは、第1の膜の内側からもはや延在しないが、それと同時に、第1の膜と第2の膜との間に占有されるよう、互いに取り付けられた3枚の拡張可能な膜を備えるバルーンを有する電気生理学カテーテルを考案した。
【0003】
具体的には、本発明者らは、管状部材、第1の拡張可能な膜、第2の拡張可能な膜、電極に接続されている複数のワイヤを備えた複数の電極を含む、電気生理学プローブを考案した。管状部材は、長手方向軸の周りに配設されている外側表面及び内側表面を有する、第1の拡張可能な膜を備える、第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延在している。第1の拡張可能な膜は、管状部材の第2の端部に連結されている第1の拡張可能な膜の部分、及び長手方向軸に沿って第1の拡張可能な膜の部分から離間配置された第2の拡張可能な膜の部分を有する。第1の拡張可能な膜は、圧縮形状からバルーン形状部材まで拡張されるよう構成されている。複数の電極が、複数の電極の各々に接続されている1つ以上のワイヤにより第1の拡張可能な膜の外側表面上に配設されている。各ワイヤは、管状部材から電極まで延在している。第2の拡張可能な膜は、第2の拡張可能な膜と第1の拡張可能な膜との間に1つ以上のワイヤを封入し、その結果、これらのワイヤは、電極が周囲環境に露出された状態で第1の拡張可能な膜と第2の拡張可能な膜との間で、拘束されている。
【0004】
プローブは、以下の特徴を有するようやはり構成されており、これらの特徴は、例えば、管状部材が、ワイヤが第1の管腔に入るよう、第1の端部から第2の端部まで延在する第1の管腔を画定する;管状部材は、第2の管腔を画定し、第2の管腔は、別の機器が第2の管腔を通過できるよう、第1の拡張可能な膜を通って延在している;管状部材は、第1の拡張可能な膜内の一部分まで延在している第3の管腔を画定し、第3の管腔は、第1の拡張可能な膜内の一部分まで灌注液を送達することが可能となるよう構成されている;第1の拡張可能な膜は、膜の内側から膜の外側まで灌注液が流れるのを可能にするよう、膜を通って延在している複数の開口部を含む;第2の拡張可能な膜が第2の拡張可能な膜の部分に近接して電極の各々の一部分を封入するよう、電極は、第1の拡張可能な膜の部分から第2の拡張可能な膜の部分に向かって長手方向軸の周りに中央電極部分から等角度に延在する;複数の電極はそれぞれ、第2の拡張可能な膜によって覆われていない魚骨パターンを画定する;電極はそれぞれ、基材を介して、第1の拡張可能な膜の外側表面に連結されている;放射線不透過性マーカーは、各電極の魚の頭部によって画定されている;各電極は、その他の電極上の他の放射線不透過性マーカーとは異なる構成を有する放射線不透過性マーカーを含む;第3の拡張可能な膜が、長手方向軸の周囲に第1の拡張可能な膜の一部分を取り囲むよう、第1の拡張可能な膜の部分に近接して配設されている第3の拡張可能な膜;第3の拡張可能な膜は、第1の拡張可能な膜と第3の拡張可能な膜との間に、複数の電極の各々のための基材の一部分を封入する;保持リングが第3の拡張可能な膜の周囲に配設されている;第1の拡張可能な膜は、第2及び第3の拡張可能な膜によって覆われていない第1の拡張可能な膜の全表面積の約52%の円周方向表面積を含む;各電極用の各基材は、第1の拡張可能な膜の露出している外側円周方向表面積の約8パーセントの基材表面積を含む;複数の電極は、第1の膜上で長手方向軸の周囲に等角度で配設されている10本の電極を備える;第2の拡張可能な膜及び第3の拡張可能な膜は、第1の拡張可能な膜の外側表面積の約半分を覆う;第1の拡張可能な膜は、約30ミリメートルの長手方向軸を基準とした直径を有する概して回転楕円体状の部材を含み、第2の拡張可能な膜及び第3の拡張可能な膜はそれぞれ、半球状部材を含む;又は第1の拡張可能な膜は、8フレンチ未満の管状部材に配設されている第1の構成、及び長手方向軸を基準として約30ミリメートルの管状部材の外側に配設されている第2の構成を含む、などのさまざまな組合せ又は配列に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
【
図1】ベースバルーン、すなわちそれぞれ第2及び第3の拡張可能な膜によって部分的に覆われている放射状電極アセンブリを備える第1の拡張可能な膜を示す、医療用プローブの分解斜視図である。
【
図2】
図1の組み立て後の医療用プローブを示す図である。
【
図3C】
図1の半球状の第2及び第3の拡張可能な膜によって覆われていない、横方向又は円周の表面積(影付き部分)を示す図である。
【
図4】本明細書に記載及び例示されている実施形態による実際のプロトタイプの色付き写真である。
【
図5】本明細書に記載及び例示されている実施形態の更に別のプロトタイプの色付き写真である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、所定の実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく一例として例証するものである。この説明により、当業者が本発明を作製し使用することが明確に可能になり、本発明を実施する最良の形態であると現時点において考えられるものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適用例、変形例、代替例、及び使用が説明される。
【0007】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、適当な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用するとき、用語「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」は、任意のヒト又は動物被験体を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを意図していないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。同様に、用語「近位」は、操作者に近い方の位置を示す一方、「遠位部」は、操作者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0008】
機能不全の心臓を治療するための心組織のアブレーションは、このような治療を実施するための周知の処置である。通常、アブレーションを成功させるために、心筋のさまざまな位置において、心臓の電位を測定する必要がある。更に、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を測定することができるデータがもたらされる。通常、アブレーション処置に対して、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。したがって、アブレーション手順に使用される医療用プローブは、電気生理学プローブとして知られている。このようなプローブは、マッピングシステム及び診断システムに接続されたハンドルを有することがあり、これらのシステムは、付属表に添付されたコピーと共に参照により本明細書に組み込まれている、2018年3月28日に出願(代理人整理番号400528-20009[BIO5959USNP])された、IRRIGATED ELECTROPHYSIOLOGY CATHETER WITH DISTINGUISHABLE ELECTRODES FOR MULTI-ELECTRODE IDENTIFICATION AND ORIENTATION UNDER 2-D VISUALIZATIONと題する、共同所有の米国特許出願第15/939,154号から理解することができる。
【0009】
図1は、長手方向軸L-Lに沿って、第1の(近位)端部102bから第2の(又は遠位)端部102aまで延在している、管状部材102を含む、電気生理学プローブ100の分解斜視図を例示している。第1の拡張可能な膜104は、遠位端部102bの近傍の管状部材102に取り付けられている。膜104は、長手方向軸L-Lの周囲に配設されている、外側表面104a及び内側表面104bを有する。外側表面104aは周囲環境に露出されている一方、内側表面104bは、膜104によって画定されるバルーンの内部体積に露出している。第1の拡張可能な膜104は、管状部材102の第2の端部102aに連結されている第1の拡張可能な遠位部膜の部分108、及び長手方向軸L-Lに沿って第1の拡張可能な遠位部膜の部分108から離間配置された第2の拡張可能な遠位部膜の部分106を有する。
【0010】
第1の拡張可能な膜104は、圧縮形状(概して管状構成)からバルーン(又は、概して回転楕円体)形状部材まで拡張されるよう構成されていることに留意されたい。複数の電極(110a、110b、110c、110d、110e、110f、110g、110h、110i及び110jは、単独で称されることがあるか、又は「電極110」とまとめて称されることがある)は、第1の拡張可能な膜104の外側表面104aに配設されている。電極110は、管状部材102に遠位の第2の拡張可能な遠位部膜の部分108の近傍の、概して共通の中心又は重心基材112から放射状となるように並べられている。電極110a~110jは、接続連結部116a~116jを介して、複数の電極110a~110jのそれぞれに接続されている、それぞれ、1つ以上のワイヤ、すなわちビフィラー114a~114jを有することができる。ワイヤ114a~114j(これらは、単独で「ワイヤ」の形態であってもよく、又は複数の「ワイヤ」が、「ワイヤ114」とまとめて称される)のそれぞれは、電極110の「下側」表面の接続点に接続されている。各電極110の底面は、周囲環境に露出されておらず、膜104の外側表面104aに、通常、接合されている電極表面である。接続点116(通常、はんだ点)は、概して電極の中心にあるので、ワイヤは、各電極の底面によって覆われている。しかし、ワイヤ又はビフィラー114a~114jはそれぞれ、管状部材102の方向に延在しているので、電極表面又は電極が接合されている基材は、一層小さくなり、これにより、ワイヤ又はビフィラー114a~114jは露出されたままとなる。
【0011】
図2でわかるとおり、ワイヤ114a~114jの群は、膜104上に装着されており、各ワイヤ114は、管状部材102から個々の電極110まで延在するように構成されており、こうして、各ワイヤは、膜104のトポグラフィー外側表面104aに従う。ワイヤ114が管状部材102に延在する際に、各ワイヤ114は、各電極の底面又は基材113の底面に残るので、ワイヤ114は、周囲環境(例えば、生体組織又は血液)に露出した状態となる(
図3A)。各ワイヤ114は、電気エネルギー又は信号を伝導する又は伝送するために使用することができるので、ワイヤ114が周囲の生体組織環境に露出することは弊害をもたらすと思われる。したがって、本発明者らは、第2の拡張可能な膜200と第1の拡張可能な膜104との間に1つ以上のワイヤ(114a~114j)を封入する第2の拡張可能な膜200を考案し、その結果、ワイヤ114a~114jは、第1の拡張可能な膜と第2の拡張可能な膜との間に拘束される(
図4)。このような構成により、ワイヤが周囲環境に暴露されなくなり、更に、電極/熱電対が生体組織に露出することが依然として可能となり、その結果、電極及び熱電対は、それらの所期の目的のために働く。更に、ワイヤ114は、第1の膜と第2の膜との間に拘束されるか、又は占有されているので、組み立て中に、ワイヤが絡まる可能性、又は誤った電極若しくは熱電対に間違って接続する可能性は実質的にない。好ましい実施形態では、ビフィラーのワイヤはそれぞれ、各電極110上又はその近傍に配設された熱電対116の形態の温度センサに連結されている。
【0012】
管状部材102は、管状部材102の第1の端部102aから第2の端部102bまで延在している、
図3A中に波線としてここでは示されている管腔102cの形態で、第1の内部通路を画定しており、その結果、1つ以上のワイヤは、第1の管腔102cに配設されることに留意されたい。他の機器(例えば、ガイドワイヤ、光学センサなど)をバルーン104(及び、バルーンの最大遠位部分109の外側)から送り込むことができるよう、管状部材102には、別の機器が第2の管腔102dを通過することが可能となるために、膜部分106及び108を通って延在している第2の管腔102dを設けることができる。更に、管状部材102には、第3の管腔102eの形態で、更に別の内部通路を設けることができる。灌注液は、第2の管腔102d又は第3の管腔102eのどちらか一方に設けることができ、その結果、灌注液は、膜の内側表面104b及び外側表面104aから、周囲環境(例えば、生体組織又は器官)に対して外側になる膜104まで設けられている開口部又は細孔120から、膜104の内部体積に流れ込む。各電極は、電極の灌注開口部が膜の細孔120と一致するよう、電極上に形成されている、4つの灌注開口部を有することができる。好ましい実施形態では、管腔102c、管腔102d及び102eは、外側の管状部材102を有する管102c内の管102d内の管102eの形態で、同心通路として構成されているか、押出成形されている。管状部材102は、当業者に公知の好適な生体適合性ポリマーとすることができる。
【0013】
図2を参照すると、第2の拡張可能な膜200が、第2の拡張可能な膜の部分106の近位の電極(110a~110j)の各々の一部分を封入するよう、複数の電極110a~110jは、基材重心112から第2の拡張可能な遠位部膜の部分106の方向まで、第1の拡張可能な遠位部膜の部分108から長手方向軸L-Lの周囲に等角度で延在している。第2の拡張可能な膜200は、電極110の外側表面(
図2)の近位部分(すなわち、魚の頭部115)の上に延在する境界202(
図1)を有すると同時に、電極の魚骨パターン110が周囲環境に露出することが可能となる。
【0014】
すなわち、複数の電極110a~110jの各々は、第2の拡張可能な膜200によって覆われていない魚骨パターンを画定して、魚骨電極が、周囲環境に露出することが可能となる。各電極(110a~110j)は、基材113であって、それ自体が、第1の拡張可能な膜104の外側表面104aに接続されているか、又はこれに接合されている基材113を介して、第1の拡張可能な膜104の外側表面に連結されている。電極110a~110jは、膜104に直接、接合されているその外周の部分を有することができる。好適なシール部111が形成されて、その結果、このシール部111が、各電極(110a~110j)の基材113の外周に沿って存在することができる。好ましい実施形態では、シール部111は、ポリウレタンシールの形態で設けることができる。
【0015】
図3Aを参照すると、放射線不透過性マーカー130は、対応する電極110a~110jに対して、それぞれの放射線不透過性マーカー130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i及び130jが存在することができるよう、各電極の近位の魚頭部によって画定されている。X線によって各電極の位置が身体器官の内部にある間に判定されるのを確実とするため、各電極110は、放射線不透過性マーカー(130a~130j)を有していてもよく、各マーカーは、その他の電極上のその他の放射線不透過性マーカーとは異なる構成を有する。
【0016】
図1を参照すると、第3の拡張可能な膜300は、第1の拡張可能な遠位部膜の部分108に近接して配設されて、その結果、第3の拡張可能な膜300は、膜104の遠位部分109の近位に、長手方向軸L-Lの周囲に、第1の拡張可能な膜104の外側表面部分を取り囲む。第3の拡張可能な膜は、膜104の遠位部分109の近傍の複数の電極の各々のための基材113(
図3A)の一部分を封入する。好ましくは、第3の拡張可能な膜300は、基材113が膜104の遠位部分109の近傍の重心112に収束するので、各電極(110a~110j)の基材113を封入することが可能となる。保持リング109は、第3の拡張可能な膜300(膜104の遠位部分108の近傍)の周囲に配設されて、第3の拡張可能な膜300及び基材113を第1の拡張可能な膜104に保持する。第3の拡張可能な膜300は、第1の拡張可能な膜104に接合され得、これにより、2枚の膜(104と300)の間に基材113が占有される。
【0017】
図3Aを参照すると、第2の拡張可能な膜200及び第3の拡張可能な膜によって、露出している(すなわち、覆われていない)膜104の表面積は、軸L-Lに直交する仮想スライス部S1(第3の拡張可能な膜300が、第1の拡張可能な膜104に交差することにより画定される)と、長手方向軸L-Lに直交する仮想スライス部S2との間に引かれる円周方向表面積Lを有しており、これにより、スライス部S2は、第2の拡張可能な膜200が第1の拡張可能な膜104に交差することにより画定されることに留意されたい。簡単にするため、第1の拡張可能な膜104が球状に近似すると(膜104が、その使用特徴(service characteristic)まで拡張されると)、一旦、回転楕円体のパラメータが既知になると、円周方向表面積Lを決めることができることが、
図3Cからわかる。
図4に示される好ましい実施形態では、第1の拡張可能な膜104は、第1の拡張可能な膜104の全表面積の約52%となる円周方向表面積L(
図3A及び3C)を含む。すなわち、円周方向表面積Lとは、第1の拡張可能な膜104の露出表面積(いずれの電極も基材も含まない)又は第2の拡張可能な膜200及び第3の拡張可能な膜300によりやはり覆われていない、第1の拡張可能な膜104の外側の円周領域である。更に、各電極110に対する各基材113は、第1の拡張可能な膜104の露出している外側円周方向表面積Lの約8%となる基材表面積を含むことに留意されたい。好ましい実施形態では、第2の拡張可能な膜200及び第3の拡張可能な膜300は、第1の拡張可能な膜104の外側表面積の約半分を覆う。
【0018】
好ましい実施形態では、第1の拡張可能な膜は、約30ミリメートルの長手方向軸L-Lを基準とした直径を有する概して回転楕円体状の部材を含み、第2の拡張可能な膜及び第3の拡張可能な膜はそれぞれ、半球状部材を含み、各半球状部材の個々の大径は、30mm未満となる。好ましい実施形態では、膜104の全表面積は、約4500平方mmである一方、円周方向表面積Lは、約2400平方mmであり、各フレキシブル基材113は、膜104が、
図4に例示的に示されている、その完全拡張(すなわち、設計した)構成にある場合、約200平方mmとなる。
【0019】
診断/治療用カテーテルのバルーン104は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン又はPEBAX(登録商標)などのプラスチックから形成された生体適合性材料からなる外壁又は膜104aを有する。管状シャフト102及び遠位シャフト端部102aは、バルーン104の長手方向軸L-Lを画定する。バルーン104は、2018年3月28日に出願(代理人整理番号400528-20009[BIO5959USNP])の共同所有されている米国特許出願第15/939,154号に記載されている折り畳まれた構成で配置されている(この先行出願におけるプローブ20の管腔23を介する。参照により本出願に組み込まれている)。バルーン104の膜104aは、灌注孔又は隙間120(
図3Aに示されている)を備えて形成され、流体(例えば、生理食塩水)は、小孔における組織アブレーション部位を冷却するために、灌注孔又は隙間を通ってバルーン104の内側からバルーンの外側に出ることができる。
【0020】
図2に関連して先に記載したとおり、膜24は、多層のフレキシブル回路電極アセンブリ110a~110jとして構築される電極と温度感知部材との組合せを支持して、これを有する。「フレックス回路電極アセンブリ」110a~110jは、ここで示されているものとは異なる、多数の幾何学的構成を有してもよい。図示された実施形態において、
図1において最もよく見られるように、フレックス回路電極アセンブリ110a~110jは、複数の放射状基材又はストリップ113a~113jを有する。基材113a~113jは、遠位端109及びバルーン104の周りに均一に分布されている。各基材113a~113jは、長手方向軸を参照する狭い側の遠位部分に対して徐々に先細りするより広い方の近位部分を有する。
【0021】
簡単にするため、フレックス回路電極アセンブリ110は、
図3Aに示されているとおり、その基材113の1つに関して記載されているが、以下の記載は、アセンブリ110の各基材113に適用することができることが理解される。フレックス回路電極アセンブリ110は、好適な生体適合性材料、例えばポリイミドで構成された、フレキシブルかつ弾性のシート状基材材料113を含む。一部の実施形態では、シート状基材材料113は、バルーン膜104の耐熱性と比較して、より大きな耐熱性(又はより高い融解温度)を有する。一部の実施形態では、基材材料113は、バルーン膜104の融点より約100摂氏度以上高い分解温度を有する熱硬化性材料から構成されている。
【0022】
基材材料113には、バルーン部材104の灌注用隙間120と一致する1つ以上の灌注細孔又は隙間(記されていない)が形成され、その結果、灌注用隙間120(記されていない)を通過する流体を、小孔のアブレーション部位に流すことができる。
【0023】
基材材料113は、バルーン膜104から離れる方向に対向する第1のすなわち外側表面及びバルーン膜104と対向する第2のすなわち内側表面を有する。その外表面上で、基材材料113は、コンタクト電極110を支持して、これを有する。コンタクト電極110の構成又はトレースは、「魚の骨」に似ていることがあるが、本発明は、このような構成に限定されないことに留意すべきである。領域又は「パッチ」アブレーション電極とは対照的に、隣接するフィンガー部間の空隙領域により、有利なことに、その赤道に沿う場所において必要に応じてバルーン104を内側に折り畳みすることができる、又は半径方向に膨張することができる一方、コンタクト電極110のフィンガー部は、有利なことに、小孔とのコンタクト電極110の周囲接触面又は赤道接触面を増大させる。例示されている実施形態では、フィンガーは異なる長さを有しており、一部は、より長く、他は、より短い。例えば、複数のフィンガーは、遠位フィンガー、近位フィンガー、及びそれらの間にあるフィンガーを含み、それらの間のフィンガーはそれぞれ、より短い隣接フィンガーを有する。例えば、それぞれのフィンガーは、その遠位部又はその近位の直接隣接する隣接フィンガーとは異なる長さを有しており、それぞれのフィンガーの長さは、各基材113の先細り構成に概ね従う。例示されている実施形態では、細長い部分全体に延在する22のフィンガー(細長い部分の各横面を通り過ぎる)が存在する。一部の実施形態では、コンタクト電極110は、金と膜104との間にシード層を有する金を含む。シード層は、チタン、タングステン、パラジウム、銀又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0024】
図5に示されているとおり、フレキシブル電極は、変形で、エネルギーが供給されている電極の特定を支援するため、131a、131b、131cなどと特定されるその放射線不透過性マーカーを有していてもよい。マーカー131a~131jは、マーカー131a~131jの近傍のデバイスのフレキシビリティを低下させる傾向がある第2の膜200が存在するため、フレキシビリティの向上が可能となる湾曲構成(
図4と比べる)を有する。
【0025】
前述の開示に従う診断/治療用カテーテルの記載は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、付属表に添付されている米国特許出願公開第2017/0312022号として公開された米国特許出願第15/360,966号に見出すことができる。
【0026】
本明細書に記載の実施例又は実施形態のいずれも、上記のものに加えて又はそれに代えてさまざまな他の特徴を含むことができる。本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮して、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には明確になるはずである。
【0027】
本発明に含有される主題の例示の実施形態について図示し説明したが、本明細書で記載した方法及びシステムの更なる適用例は、特許請求の範囲を逸脱することなく適切な変更により達成され得る。更に、上に記載した方法及び工程が、特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、特定の工程は述べられた順序で行われる必要はないが、工程が、実施形態がそれらの意図される目的で機能することを可能とするものであるかぎり、任意の順序で行われることを意図している。したがって、本開示の趣旨又は請求項に見出される本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形例が存在する範囲では、本特許がこうした変形例をも包含することが意図される。このようないくつかの変更態様は、当業者には明らかのはずである。例えば上述した実施例、実施形態、幾何学的なもの、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものである。したがって特許請求の範囲は、明細書及び図面に記載される構造及び動作の詳細に限定されるべきではない。
【0028】
〔実施の態様〕
(1) 電気生理学プローブであって、
第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延在している管状部材と、
前記長手方向軸の周囲に配設されている外側表面及び内側表面を有する第1の拡張可能な膜であって、前記管状部材の前記第2の端部に連結されている第1の拡張可能な膜の部分、及び前記長手方向軸に沿って前記第1の拡張可能な膜の部分から離間配置された第2の拡張可能な膜の部分を有しており、圧縮形状からバルーン形状部材まで拡張されるよう構成されている、第1の拡張可能な膜と、
前記第1の拡張可能な膜の前記外側表面上に配設されている複数の電極と、
前記複数の電極の各々に接続された1つ以上のワイヤであって、各ワイヤが、前記管状部材から前記電極に延在している、1つ以上のワイヤと、
第2の拡張可能な膜であって、前記第2の拡張可能な膜と前記第1の拡張可能な膜との間に前記1つ以上のワイヤを封入し、その結果、前記ワイヤは、前記電極が周囲環境に露出された状態で前記第1の拡張可能な膜と前記第2の拡張可能な膜との間で拘束されている、第2の拡張可能な膜と、
を備える、電気生理学プローブ。
(2) 前記管状部材が、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する第1の管腔を画定し、その結果、前記ワイヤが前記第1の管腔内に入れられている、実施態様1に記載のプローブ。
(3) 前記管状部材が、第2の管腔を画定し、前記第2の管腔は、別の機器が前記第2の管腔を通過できるよう、前記第1の拡張可能な膜を通って延在している、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(4) 前記管状部材が、前記第1の拡張可能な膜内の一部分まで延在している第3の管腔を画定し、前記第3の管腔は、前記第1の拡張可能な膜内の前記一部分まで灌注液を送達することが可能となるよう構成されている、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(5) 前記第1の拡張可能な膜は、前記膜の内側から前記膜の外側まで灌注液が流れるのを可能にするよう、前記膜を通って延在している複数の開口部を含む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
【0029】
(6) 前記第2の拡張可能な膜が前記第2の拡張可能な膜の部分に近接して前記電極の各々の一部分を封入するよう、前記電極が、前記第1の拡張可能な膜の部分から前記第2の拡張可能な膜の部分に向かって前記長手方向軸の周りに中央電極部分から等角度に延在する、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(7) 前記複数の電極の各々が、前記第2の拡張可能な膜によって覆われていない魚骨パターンを画定する、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(8) 各電極が、基材を介して、前記第1の拡張可能な膜の前記外側表面に連結されている、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(9) 放射線不透過性マーカーが、各電極の魚の頭部によって画定されている、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(10) 各電極が、その他の電極上の他の放射線不透過性マーカーとは異なる構成を有する放射線不透過性マーカーを含む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
【0030】
(11) 前記第1の拡張可能な膜の部分に近接して配設されている第3の拡張可能な膜を更に備え、その結果、前記第3の拡張可能な膜が、前記長手方向軸の周囲に前記第1の拡張可能な膜の一部分を取り囲む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(12) 前記第3の拡張可能な膜が、前記第1の拡張可能な膜と前記第3の拡張可能な膜との間に、前記複数の電極の各々のための基材の一部分を封入する、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(13) 前記第3の拡張可能な膜の周囲に配設されている保持リングを更に備える、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(14) 前記第1の拡張可能な膜が、前記第2及び第3の拡張可能な膜によって覆われていない前記第1の拡張可能な膜の全表面積の約52%の円周方向表面積を含む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(15) 各電極用の各基材が、前記第1の拡張可能な膜の露出している外側円周方向表面積の約8パーセントの基材表面積を含む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
【0031】
(16) 前記複数の電極が、前記第1の膜上で前記長手方向軸の周囲に等角度で配設されている10本の電極を備える、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(17) 前記第2の拡張可能な膜及び第3の拡張可能な膜が、前記第1の拡張可能な膜の外側表面積の約半分を覆う、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(18) 前記第1の拡張可能な膜が、約30ミリメートルの前記長手方向軸を基準とした直径を有する概して回転楕円体状の部材を含み、前記第2の拡張可能な膜及び前記第3の拡張可能な膜はそれぞれ、半球状部材を含む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。
(19) 前記第1の拡張可能な膜が、8フレンチ未満の管状部材に配設されている第1の構成、及び前記長手方向軸を基準として約30ミリメートルの前記管状部材の外側に配設されている第2の構成を含む、前記実施態様のいずれかに記載のプローブ。