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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】トレー
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/30 20060101AFI20231030BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
B65D1/30
B65D81/34 U
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019233773
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102452
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390002370
【氏名又は名称】大塚包装工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】粟飯原 貴人
(72)【発明者】
【氏名】島田 健太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 安希
(72)【発明者】
【氏名】中村 有未
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0294454(US,A1)
【文献】特開2000-033930(JP,A)
【文献】特開2009-035320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/30
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用のトレーであって、
ミシン目を介して連結された複数の容器を備え、
前記複数の容器の各々は、
食品を収容するように構成された収容部と、
前記収容部から外側に延びており、ユーザが保持するように構成された保持部とを備え、
前記複数の容器のいずれかが電子レンジ内に載置された場合に、
前記収容部の下端及び前記保持部の下端の双方が前記電子レンジ内の載置面に接する、トレー。
【請求項2】
前記複数の容器のうち隣接する2つの容器の一方の容器の平面視における前記収容部と前記保持部との位置関係は、前記2つの容器の他方の容器の平面視における前記収容部と前記保持部との位置関係と反対である、請求項1に記載のトレー。
【請求項3】
前記保持部の側面視において、前記収容部の下端と前記保持部の下端との間は、アーチ状に形成されている、請求項1又は請求項2に記載のトレー。
【請求項4】
前記複数の容器の各々の形状は、蓮華形状である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のトレー。
【請求項5】
前記食品は冷凍食品である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のトレー。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のトレーに収容された食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーに関し、特に、食品用のトレーに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-20221号公報(特許文献1)は、冷凍食品用のトレーを開示する。このトレーは、複数の収納カップと、該複数の収納カップが連結された連結シートとを含んでいる。各収納カップは、連結シートから切り離し可能である。冷凍食品は、収納カップに収納された状態で、電子レンジによって解凍される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-20221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている食品は、たとえば、収納カップに収納された状態で他の食器上に配置される。すなわち、この食品を食べる場合には、他の食器が必要となる。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、他の食器を用いることなく、ユーザが食品を食べることが可能な食品用のトレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従うトレーは、食品用のトレーである。このトレーは、複数の容器を備える。複数の容器は、ミシン目を介して連結されている。複数の容器の各々は、収容部と、保持部とを備える。収容部は、食品を収容するように構成されている。保持部は、収容部から外側に延びており、ユーザが保持するように構成されている。
【0007】
たとえば、トレーから1つの容器が切り離されて、該容器に収容された食品が電子レンジで加熱調理される。このトレーにおいては、各容器が収容部と保持部とを備えている。したがって、ユーザは、食品が電子レンジで加熱調理された後に、保持部を保持して収容部に収容された加熱済みの食品を食べることができる。すなわち、このトレーによれば、他の食器を用いなくても、ユーザは、加熱済みの食品を食べることができる。
【0008】
上記トレーにおいては、複数の容器のいずれかが電子レンジ内に載置された場合に、収容部の下端及び保持部の下端の双方が電子レンジ内の載置面に接してもよい。
【0009】
この場合には、電子レンジによる食品の加熱時に、収容部の下端及び保持部の下端の双方が電子レンジ内の載置面に接する。したがって、このトレーによれば、電子レンジ内の載置面上において容器を安定的に自立させることができる。
【0010】
上記トレーにおいて、複数の容器のうち隣接する2つの容器の一方の容器の平面視における収容部と保持部との位置関係は、2つの容器の他方の容器の平面視における収容部と保持部との位置関係と反対であってもよい。
【0011】
この場合には、たとえば、収容部の幅の長さと保持部の幅の長さとが異なっていたとしても、収容部と保持部とが交互に配置されるため、幅方向の長さの偏りを抑制することができる。
【0012】
上記トレーにおいては、保持部の側面視において、収容部の下端と保持部の下端との間がアーチ状に形成されていてもよい。
【0013】
この場合には、保持部の一部がアーチ状になっているため、保持部の強度を高めることができる。また、アーチ部分が壁の役割を果たすため、収容部に収容された加熱済みの食品が保持部側に移動する事態を抑制することができる。
【0014】
上記トレーにおいて、複数の容器の各々の形状は、蓮華形状であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、他の食器を用いることなく、ユーザが食品を食べることが可能な食品用のトレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】トレーの斜視図である。
図2】トレーの平面図である。
図3】トレーの側面図である。
図4】容器の側面図である。
図5】第1変形例におけるトレーの平面図である。
図6】第2変形例におけるトレーの斜視図である。
図7】第3変形例におけるトレーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
[1.概要]
トレーに収容された冷凍食品は、トレーに収容された状態で電子レンジによって解凍される場合が多い。解凍後の冷凍食品は、たとえば、トレー以外の他の食器上に配置される。すなわち、一般的な冷凍食品をユーザが食べる場合には、冷凍食品用のトレー以外の他の食器が用いられる。
【0019】
図1は、本実施の形態に従うトレー10の斜視図である。図1に示されるように、トレー10は、複数の容器100を備えている。各容器100は、他の容器100から切り離し可能である。複数の容器100の各々の形状は、蓮華形状である。
【0020】
各容器100には冷凍食品が収容される。容器100に収容された冷凍食品は、たとえば、容器100に収容された状態で電子レンジによって解凍される。ユーザは、容器100を蓮華代わりにして、解凍後の冷凍食品を食べることができる。すなわち、トレー10によれば、ユーザは、他の食器を用いることなく、解凍済みの冷凍食品を容器100から直接食べることができる。以下、トレー10の構成について詳細に説明する。
【0021】
なお、トレー10は、たとえば、炭酸カルシウム層をポリプロピレン層で挟んだ三層構成のシートによって形成されている。なお、トレー10の材料は、これに限定されず、様々な材料を用いることができる。
【0022】
[2.構成]
図2は、本実施の形態に従うトレー10の平面図である。図2に示されるように、トレー10は複数の容器100を備え、隣接する2つの容器100の境界部130にはミシン目が形成されている。すなわち、各容器100は、該ミシン目に沿って、他の容器100から切り離し可能である。
【0023】
図3は、トレー10の側面図である。図3に示されるように、境界部130は、部分的に下方に湾曲している。これにより、トレー10の強度が向上している。
【0024】
再び図2を参照して、各容器100は、収容部110と、保持部120とを備えている。トレー10において、隣接する2つの容器100の一方の容器100における収容部110と保持部120との位置関係は、他方の容器100における収容部110と保持部120との位置関係と反対である。すなわち、隣接する容器100間においては、収容部110と保持部120との向きが反対である。したがって、トレー10においては、収容部110の幅が保持部120の幅より長くても、収容部110と保持部120とが交互に配置されるため、幅方向の長さの偏りが抑制されている。
【0025】
収容部110は、冷凍食品を収容するように構成されている。収容部110は、底面部112と、底面部112の外周から斜め上方に延びる側壁部114とを備えている。
【0026】
底面部112上には、複数(3つ)の隆起部116が形成されている。複数の隆起部116の各々は、底面部112から上方に隆起している。複数の隆起部116が形成されているため、底面部112上に配置された冷凍食品は動きにくい。また、複数の隆起部116のいずれかには、切欠き部118が形成されている。隣接して重ねられるトレー10毎に切欠き部118が形成される位置を変えることによって、隣接して重ねられるトレー10同士が強固に密着する事態が抑制される。
【0027】
保持部120は、収容部110から平面視における外側に延びており、ユーザが保持するように構成されている。保持部120は、底面部122,128と、底面部122,128から斜め上方に延びる側壁部124とを備えている。
【0028】
図4は、容器100の側面図である。図4に示されるように、底面部122は、アーチ状に湾曲している。すなわち、底面部112(収容部110の下端)と底面部128(保持部120の下端)との間(底面部122)は、アーチ状に形成されている。これにより、保持部120の強度が向上している。また、アーチ状の底面部122が壁の役割を果たすため、収容部110に収容された解凍済みの冷凍食品が保持部120側に移動する事態が抑制される。なお、底面部122は、必ずしもアーチ状である必要はなく、たとえば、底面部112,128より高い位置に形成された平面であってもよいし、底面部112,128と同じ高さの位置に形成された平面であってもよい。
【0029】
再び図2を参照して、底面部122上には、隆起部126が形成されている。隆起部126は、底面部122から上方に隆起している。これにより、保持部120の強度が向上している。
【0030】
再び図4を参照して、底面部112から容器100の上端までの高さH1と、底面部128から容器100の上端までの高さH2とは同じである。すなわち、電子レンジによる冷凍食品の解凍時に、収容部110の下端(底面部112)及び保持部120の下端(底面部128)の双方が電子レンジ内の載置面に接する。すなわち、容器100が電子レンジ内に配置された場合に、容器100は安定的に自立する。
【0031】
[3.特徴]
以上のように、本実施の形態に従うトレー10においては、各容器100が収容部110と保持部120とを備えている。したがって、ユーザは、冷凍食品が電子レンジで解凍された後に、保持部120を保持して収容部110に収容された解凍済みの冷凍食品を食べることができる。すなわち、このトレー10によれば、他の食器を用いなくても、ユーザは、解凍済みの冷凍食品を食べることができる。
【0032】
[4.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0033】
(4-1)
上記実施の形態に従うトレー10においては、隣接する容器100同士がミシン目を介して直接連結されていた。しかしながら、隣接する容器100同士は、必ずしも直接連結されていなくてもよい。
【0034】
図5は、第1変形例におけるトレー10Aの平面図である。図5に示されるように、トレー10Aにおいては、各容器100が接続部材200を介して接続されている。各容器100と接続部材200との境界部130Aにはミシン目が形成されている。このように接続部材200を介することによって、収容部領域に及ぶミシン目の長さを短くすることができる。
【0035】
(4-2)
また、上記実施の形態に従うトレー10においては、隣接する容器100間において、収容部110と保持部120との向きが反対であった。しかしながら、隣接する容器100間において、収容部110と保持部120との向きが同じであってもよい。
【0036】
図6は、第2変形例におけるトレー10Bの斜視図である。図6に示されるように、トレー10Bにおいては、隣接する容器100B間において、収容部と保持部との向きが同じである。要するに、各容器が収容部と保持部とを備えていれば、トレーにおける各容器の並びはどのようなものであってもよい。
【0037】
(4-3)
また、トレーに含まれる各容器の形状は、必ずしも上記実施の形態に従うトレー10に含まれる容器100の形状に限定されない。
【0038】
図7は、第3変形例におけるトレー10Cの斜視図である。各容器の形状は、たとえば、図7に示される容器100Cのような形状であってもよい。要するに、各容器が収容部と保持部とを備えていればよい。
【0039】
(4-4)
また、上記実施の形態においては、各容器100に冷凍食品が収容された。しかしながら、容器100に収容される食品は、冷凍食品に限定されない。たとえば、容器100には、冷凍されていない食品が収容されていてもよい。たとえば、容器100には、チルドの食品、要冷蔵の食品、常温保存の食品等が収容されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 トレー、100 容器、110 収容部、112,122,128 底面部、114,124 側壁部、116,126 隆起部、118 切欠き部、120 保持部、130 境界部、200 接続部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7