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特許7374794粘着性シリコーン樹脂組成物及びこれを塗布した粘着フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】粘着性シリコーン樹脂組成物及びこれを塗布した粘着フィルム
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/07 20060101AFI20231030BHJP
   C08L 83/05 20060101ALI20231030BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20231030BHJP
   C08K 5/372 20060101ALI20231030BHJP
   C09J 183/04 20060101ALI20231030BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231030BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20231030BHJP
【FI】
C08L83/07
C08L83/05
C08L83/04
C08K5/372
C09J183/04
C09J11/06
C09J7/38
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020016742
(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公開番号】P2021123628
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 雅史
(72)【発明者】
【氏名】木村 匡志
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-179056(JP,A)
【文献】特開2011-001448(JP,A)
【文献】特開2008-274251(JP,A)
【文献】特開2016-122730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 - 101/14
C09J 1/00 - 5/10
C09J 9/00 - 201/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン(A)と、
1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(B)と、
1分子中に少なくとも1個のシラノール基を有し、一般式SiO1/2単位とSiO4/ 単位から成り、SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.5~1.0であるオルガノポリシロキサン樹脂(C)と
付加反応に必要な硬化触媒(D)と、
分子中に下記化学式Iを有するチオエーテル系酸化防止剤(E)
【化1】

とを含有し、
前記チオエーテル系酸化防止剤(E)は組成物全体100重量部に対して0.02~5重量部であることを特徴とする粘着性シリコーン樹脂組成物。
【請求項2】
ベースフィルムの少なくとも片面に請求項1に記載の粘着性シリコーン樹脂組成物を塗布してシリコーン層を形成したことを特徴とする粘着フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等のベースフィルムの少なくとも片面に塗布してシリコーン層を形成して粘着フィルムとする粘着性シリコーン樹脂組成物及びこれを塗布した粘着フィルムに関し、特には該粘着フィルムが貼着された電子部材が例えば、はんだリフロー工程において250℃超の環境下に置かれた場合であっても、電子部材側に粘着フィルムのシリコーン層の一部が残ったり、シリコーン層の痕跡が生じる(以下、糊残り、という)ことが無い、粘着性シリコーン樹脂組成物及びこれを塗布した粘着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銅などの金属に対して用いた場合でも糊残りしない粘着テープとして、(A)アルケニル基含有ポリジオルガノシロキサン20~80重量部、(B)R SiO0.5単位及びSiO単位を含有し、R SiO.5単位/SiO単位のモル比が0.6~1.7であるポリオルガノシロキサン(Rは炭素数1~10の1価炭化水素基)80~20重量部、(C)SiH基を含有するポリオルガノシロキサン(A)成分中のアルケニル基に対する(C)成分中のSiH基のモル比が0.5~20となる量、(D)制御剤 (A),(B)成分の合計100重量部に対して0~5.0重量部、(E)白金系触媒 (A),(B)成分の合計に対し白金分として1~5,000ppm、(F)フェノール系酸化防止剤として、分子中に特定構造で示される構造を有するフェノール系化合物 (A),(B)の合計100重量部に対して0.1~10重量部を含有することを特徴とするシリコーン粘着剤組成物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-96429号公報
【0004】
しかしながら、該シリコーン粘着剤組成物は、これが塗布されシリコーン層が形成された粘着フィルムが貼着された電子部材等が例えば、はんだリフロー工程において250℃超の環境下に置かれた場合、電子部材側に粘着フィルムのシリコーン層の一部が糊残りすることがあるという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、シリコーン層が形成された粘着フィルムが貼着された電子部材等が、250℃超の環境下に置かれた場合であっても、電子部材側に粘着フィルムのシリコーン層の一部が糊残りすることが無い、粘着性シリコーン樹脂組成物及びこれを塗布した粘着フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン(A)と、
1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(B)と、
1分子中に少なくとも1個のシラノール基を有し、一般式SiO1/2単位とSiO4/2単位から成り、SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.5~1.0であるオルガノポリシロキサン樹脂(C)と
付加反応に必要な硬化触媒(D)と、
分子中に下記化学式Iを有するチオエーテル系酸化防止剤(E)
【化2】
とを含有することを特徴とする粘着性シリコーン樹脂組成物を提供する。
【0007】
また請求項2記載の発明は、
オルガノポリシロキサン樹脂(C)はオルガノポリシロキサン(A)とオルガノポリシロキサン樹脂(C)の合計部数100重量部に対して10~90重量部であり、
オルガノ水素ポリシロキサン(B)はオルガノポリシロキサン(A)中のアルケニル基に対するオルガノ水素ポリシロキサン(B)のSiH基のモル比が0.5~20となる量であり、
チオエーテル系酸化防止剤(E)は組成物全体100重量部に対して0.02~5重量部である、
ことを特徴とする粘着性シリコーン樹脂組成物を提供する。
【0008】
また請求項3記載の発明は、
ベースフィルムの少なくとも片面に請求項1又は請求項2に記載の粘着性シリコーン樹脂組成物を塗布してシリコーン層を形成したことを特徴とする粘着フィルムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の粘着性シリコーン樹脂組成物は、ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等のベースフィルム対して十分な接着力を有し、結果としてこれが塗布されシリコーン層が形成された粘着フィルムは、貼着される部材に対して十分な剥離強度を有する効果がある。また本発明の粘着性シリコーン樹脂組成物が塗布されシリコーン層が形成された粘着フィルムが貼着された電子部材等が例えば、はんだリフロー工程において250℃超の環境下に置かれた場合であっても、電子部材側に粘着フィルムのシリコーン層の一部が糊残りすることがないという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る粘着性シリコーン樹脂組成物について具体的に説明する。
【0011】
<オルガノポリシロキサン(A)>
本発明に使用するオルガノポリシロキサン(A)は、1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、該アルケニル基はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などの炭素-炭素二重結合である。該オルガノポリシロキサン(A)は例えば主鎖がジオルガノシロキサンの繰返し単位であり、末端にアルケニル基を有するものが例示され、分岐や環状構造を有するものであってもよい。末端や繰返し単位中のケイ素に結合するオルガノ基としてはメチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。具体例としては、両末端にビニル基を有するジメチルビニルポリシロキサンが挙げられる。
【0012】
<オルガノ水素ポリシロキサン(B)>
本発明に使用するオルガノ水素ポリシロキサン(B)は、1分子中に少なくとも3個のSiH基を含有する。珪素原子に結合している水素原子の含有量は0.5mmol/g~20.0mmol/gであることが好ましく、0.5mmol/g以上であると硬化性がよくなる。水素原子の含有量が20.0mmol/g超であると、硬化物表面ベタツキが生じやすくなる。ベタツキが生じ難くするためには水素原子含有量は1.5mmol/g~15.0mmol/gであることがより好ましい。珪素原子に結合するオルガノ基としては、メチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。該オルガノ水素ポリシロキサンは、例えば直鎖状または分岐鎖状、であってもよく、具体例としては、ジメチル水素ポリシロキサンが挙げられる。オルガノ水素ポリシロキサン(B)の配合量は、上記オルガノポリシロキサン(A)のアルケニル基1モルに対して珪素結合水素原子が0.5~20モルとなる量が好ましい。0.5モル未満では硬化性が低下し、20モル超では硬化物が発泡する場合がある。
【0013】
<オルガノポリシロキサン樹脂(C)>
本発明に使用するオルガノポリシロキサン樹脂(C)は、1分子中に少なくとも1個のシラノール基を有し、一般式SiO1/2単位とSiO4/2単位から成り、SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.5~1.0であり、本発明である粘着性シリコーン樹脂組成物の初期粘着性を向上させるために配合する。OH基含有量は0.1~5.0重量%が好ましく、OH基含有量が5.0重量%超となると組成物の硬化性が低下する。SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.5未満及び1.0超では剥離強度が不十分となることがある。
【0014】
上記オルガノポリシロキサン樹脂(C)は、オルガノポリシロキサン(A)とオルガノポリシロキサン樹脂(C)との合計部数100重量部に対して10~90重量部が好ましく、10重量部未満又は90重量部超では十分な粘着力が得られない場合がある。
【0015】
<硬化触媒(D)>
本発明に使用される硬化触媒(D)は、上記オルガノポリシロキサン(A)及びオルガノ水素ポリシロキサン(B)との付加反応を起こさせるために使用され、付加反応であるヒドロシリル化反応の触媒活性を有する公知の金属、金属化合物、金属錯体などを用いることができる。特に白金、白金化合物、それらの錯体を用いることが好ましい。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、助触媒を併用してもよい。硬化触媒(D)の配合量は組成物全体に対して0.1ppm~1000ppmとすることが好ましく、より好ましくは0.5~200ppmであり、さらにより好ましくは1~50ppmである。
【0016】
<チオエーテル系酸化防止剤(E)>
本発明に使用するチオエーテル系酸化防止剤は、分子中に下記化学式Iを有する。本発明においては該チオエーテル系酸化防止剤を他のフェノール系酸化防止剤と併用せずとも耐熱性が付与され、具体的には、例えば250℃超の熱履歴を受けても糊残りが生じない。該チオエーテル系酸化防止剤(E)は組成物全体100重量部に対して0.02~5重量部含有することが好ましく、0.05~3重量部含有することがより好ましい。含有量が0.02重量部未満では糊残りが生じる場合があり、5重量部超ではオルガノポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)との付加反応による硬化が不十分となる場合がある。含有量が0.05重量部未満では糊残りが生じる傾向がみられる場合があり、3重量部超ではオルガノポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)との付加反応による硬化が不十分となる傾向がみられる場合がある。
【化3】
【0017】
チオエーテル系酸化防止剤(E)の具体例としては、下記化学式IIを有する3,3´-チオビスプロピオン酸ジドリデシルや、下記化学式IIIを有するテトラキス[3-(ドデシルチオ)プロピオン酸]ペンタエリトリトールがある。
【化4】
【化5】
【0018】
本組成物には、その他任意の成分として、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、エチニルシクロヘキサノール等のアルキンアルコール;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン等のエンイン化合物;1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、1,3ジビニルテトラメチルジシロキサン、ベンゾトリアゾール等の反応抑制剤を含有してもよい。この反応抑制剤は付加反応による硬化性を抑制しない程度の含有量としてオルガノポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)との合計配合物数100重量部に対して0.0001~1重量部の範囲内であることが好ましい。
【0019】
また本組成物には発明の目的を損なわない程度に、その他任意成分として粘度調整、硬さ調整のために炭酸カルシウム、硅砂、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、二酸化ケイ素、メラミン等の無機充填材を含有してもよく、有機充填材、硬化樹脂の補強のためにガラス繊維等の補強材、軽量化及び粘度調整などのためにシラスバルーン、ガラスバルーン等の中空体を添加できる。また粘度を下げて塗工性を向上させるためにトルエン、キシレン、酢酸エチル、ヘキサン、オクタン等の有機系溶剤を添加しても良い。その他、酸化防止剤、有機顔料、蛍光顔料、腐食防止剤、酸化防止剤などを適宜使用することができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の粘着フィルムは、ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等のベースフィルムの少なくとも片面に上記請求項1又は請求項2に記載の粘着性シリコーン樹脂組成物を塗布してシリコーン層を形成した粘着フィルムである。
【0021】
シリコーン層塗工液の塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等が適宜使用される。ベースフィルムは易接着層としてポリエステル樹脂が塗工されていても未処理のポリエステル等のフィルムであってもよい。
【0022】
シリコーン層を形成後は、該シリコーン層の表面の汚れや異物付着を防止すると共に、粘着フィルムのハンドリング性を向上させるためにさらに樹脂フィルムやコート紙等のセパレータをシリコーン層面に貼り合わせるとよい。
【実施例
【0023】
次に、本発明である粘着性シリコーン樹脂組成物について、実施例及び比較例により詳細に説明する。
【0024】
<実施例及び比較例>
オルガノポリシロキサン(A)として、末端及び側鎖にビニル基を有し、ビニル基含有率が0.07重量%でありGPCによる重量平均分子量が600,000であるオルガノポリシロキサン(A1)、及び末端及び側鎖にビニル基を有し、ビニル基含有率が1.0重量%であり同重量平均分子量が500,000であるオルガノポリシロキサン(A2)を、オルガノ水素ポリシロキサン(B)として、側鎖にSiH基を有し、珪素原子に結合している水素原子の含有量が14mmol/gであり同重量平均分子量が450のオルガノ水素ポリシロキサン(B1)を、オルガノポリシロキサン樹脂(C)としてOH基含有量が1.5重量%でSiO1/2単位/SiO4/2単位から成り、SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.7からなるオルガノポリシロキサン樹脂(C1)を、硬化触媒(D)として白金―ビニルダイマー錯体(Pt:12%wt)を、チオエーテル系酸化防止剤(E)として、上記化学式IIで示される3,3´-チオビスプロピオン酸ジドリデシルから成るチオエーテル系酸化防止剤(E1)、及び上記化学式IIIで示されるテトラキス[3-(ドデシルチオ)プロピオン酸]ペンタエリトリトールから成るチオエーテル系酸化防止剤(E2)を、これらのチオエーテル系酸化防止剤(E)と比較するため、下記化学式IVで示されるオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸から成るフェノール系酸化防止剤を、反応制御剤として1-エチニルシクロヘキサノールを、それぞれ使用し、表1の配合にて均一に混合し、実施例及び比較例の粘着性シリコーン樹脂組成物を得て、該組成物100重量部にトルエン150重量部を均一に混合し、粘着性シリコーン樹脂組成物の塗工液とした。次に該塗工液を、厚さ50μmのポリイミド製フィルム カプトン200EN(東レ・デュポン株式会社製)上に乾燥後の厚みが25μmと成るように塗布し130℃にて120秒間硬化させることによりシリコーン層を形成し、実施例及び比較例の粘着性シリコーン樹脂組成物が塗布された粘着フィルムを得た。
【化6】
【0025】
【表1】
【0026】
<評価項目及び評価方法>
【0027】
<硬化性>
実施例及び比較例の各粘着フィルムを2.5cm×15cmの短冊状に成形し、該粘着フィルムのシリコーン層をソーダガラス表面に密着させ、JISZ0237に規定する2kgのハンドローラーを粘着フィルム上で1往復させて該シリコーン層を圧着させた。その後、粘着フィルムをゆっくりと剥がし、ガラス表面の状態を目視及び指触にて観察した。ガラス表面に曇りやべたつきが無いものを○、曇りやべたつきが有るものを×と評価した。
【0028】
<剥離強度>
実施例及び比較例の各粘着フィルムを2.5cm×15cmの短冊状に成形し、該粘着フィルムのシリコーン層をSUS304製のステンレス板に密着させ、JISZ0237に規定する2kgのハンドローラーを粘着フィルム上で1往復させて該シリコーン層を圧着させた。圧着後、23℃下において、JISZ0237に準拠して180度剥離強度(N/25mm)を測定した。剥離強度が1.0N/25mm超であれば十分な剥離強度を有すると判断した。
【0029】
<糊残り性>
実施例及び比較例の各粘着フィルムを2.5cm×15cmの短冊状に成形し、該粘着フィルムのシリコーン層をSUS304製のステンレス板に密着させ、JISZ0237に規定する2kgのハンドローラーを粘着フィルム上で1往復させて該シリコーン層を圧着させた。その後、270℃のオーブン内に2時間放置した後23℃に徐冷し、粘着フィルムをゆっくりと剥がし、ステンレス板表面の状態を目視及び指触にて観察した。ステンレス板表面にシリコーン層の移行が無いものを○、シリコーン層の移行が有るものを×と評価した。
【0030】
<評価結果>
評価結果を表2に示す。
【0031】
【表2】