(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/04 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
G01B11/04 H
(21)【出願番号】P 2020085144
(22)【出願日】2020-05-14
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 努
(72)【発明者】
【氏名】竹村 将太
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-31309(JP,A)
【文献】特開2007-170948(JP,A)
【文献】特開平6-258027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物に対して幅方向に線状の光を出射する光源と、
前記被測定物が搬送される際に通過するパスラインを挟んで前記光源の反対側に配置され、前記被測定物を前記幅方向に撮影するラインセンサと、
前記ラインセンサによる撮影データに基づいて前記被測定物の前記幅方向の両端の位置を特定し、前記両端の位置に基づいて前記被測定物の幅を算出する算出部と、
前記パスラインに設置された校正用器具を用いて行った校正時に取得した、前記幅方向の測定範囲における複数の校正点についての校正データを記憶する記憶部と、
前記光源と前記パスラインの間の領域内で、前記測定範囲の外側の所定の基準点に設置されたマークと、
前記撮影データに基づいて前記マークの位置を特定し、前記マークの位置が変化した場合には、その変化量に基づいて前記校正データを補正する補正部と、
を備える測定装置。
【請求項2】
前記補正部は、さらに、前記ラインセンサから前記パスラインまでの距離と、前記ラインセンサから前記マークまでの前記パスラインの垂直方向の距離と、を用いて、前記校正データを補正する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記被測定物の幅の測定中に、前記補正部は、前記撮影データに基づいて前記マークの位置を特定し、前記マークの位置が変化した場合には、その変化量に基づいて前記校正データを補正する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記マークは、前記光源の表面における前記測定範囲の外側の所定の基準点に設置されている、請求項1に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な材質のシート状の材料(例えば鋼板等)の製造ラインにおいて、非接触で材料の幅を測定する測定装置が用いられている。具体的には、測定装置において、例えば、まず、連続的に搬送される細長いシート状の被測定物(材料)に対して光源から幅方向に線状の光を出射し、光源の反対側に配置されたラインセンサによって被測定物を幅方向に撮影する。そして、その撮影データに基づいて被測定物の幅方向の両端の位置を特定し、その両端の位置に基づいて被測定物の幅を算出する。
【0003】
このような測定装置では、経年や温度変化などに起因して光学配置が変化する場合がある。例えば、ラインセンサのカメラ部分の位置や向きが変化する場合がある。そのような変化による測定誤差を低減するために、定期的(例えば2か月おき)に、校正が行われる。校正では、例えば、被測定物が通過するパスラインに設置された校正用器具(複数のスリットのある校正板等)を用いて、幅方向の測定範囲における複数の校正点についての校正データを取得し、記憶する。そして、被測定物の幅測定時にこの校正データを用いることで、測定誤差を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-117823号公報
【文献】特開平5-52525号公報
【文献】特開平6-221817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、校正の後に測定装置における光学配置が変化した場合、校正を再度行うことで対応できるが、パスラインに設置された校正用器具を用いて校正を行う必要があるため、幅測定を中断しなくてはならないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、光学配置が変化した場合でも幅測定を中断することなく校正データを適切な値に補正し、測定誤差を抑制することができる測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の測定装置は、被測定物に対して幅方向に線状の光を出射する光源と、前記被測定物が搬送される際に通過するパスラインを挟んで前記光源の反対側に配置され、前記被測定物を前記幅方向に撮影するラインセンサと、前記ラインセンサによる撮影データに基づいて前記被測定物の前記幅方向の両端の位置を特定し、前記両端の位置に基づいて前記被測定物の幅を算出する算出部と、前記パスラインに設置された校正用器具を用いて行った校正時に取得した、前記幅方向の測定範囲における複数の校正点についての校正データを記憶する記憶部と、前記光源と前記パスラインの間の領域内で、前記測定範囲の外側の所定の基準点に設置されたマークと、前記撮影データに基づいて前記マークの位置を特定し、前記マークの位置が変化した場合には、その変化量に基づいて前記校正データを補正する補正部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の測定装置の全体構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の各構成をY方向に見たときの様子を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、(a)がラインセンサカメラの水平移動時の撮影データにおける校正点とマークの位置のずれる量の説明図で、(b)がラインセンサカメラの回転移動時の撮影データにおける校正点とマークの位置のずれる量の説明図である。
【
図4】
図4は、(a)が校正データの例で、(b)が補正後の校正データの例である。
【
図5】
図5は、(a)が光学系パラメータの例で、(b)がラインセンサカメラの水平移動時の各値の例で、(c)がラインセンサカメラの回転移動時の各値の例で、(d)が(b)の各値のグラフで、(e)が(c)の各値のグラフである。
【
図6】
図6は、実施形態の測定装置の制御装置における処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、比較例の測定装置の構成の一部を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、比較例の測定装置における校正データの変化例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の測定装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、本発明は以下の記載内容に限られるものではない。
【0010】
理解を助けるために、まず、比較例(従来技術)の測定装置について説明する。
図7は、比較例の測定装置の構成の一部を模式的に示す図である。比較例の測定装置では、線状光源とラインセンサカメラが、ローラコンベア等によって搬送される被測定物の通過するパスラインを挟んで反対側に配置されている。
【0011】
線状光源は、連続的に搬送される細長いシート状の被測定物に対して幅方向に線状の光を出射する。ラインセンサカメラは、被測定物を幅方向に撮影する。そして、算出部(不図示)は、ラインセンサカメラによる撮影データに基づいて被測定物の幅方向の両端の位置を特定し、両端の位置に基づいて被測定物の幅を算出する。
【0012】
また、上述のように、測定装置では、経年や温度変化などに起因して光学配置が変化する場合がある。例えば、ラインセンサカメラの位置や向きが変化する場合がある。そこで、そのような変化による測定誤差を低減するために、定期的(例えば2か月おき)に、校正が行われる。校正時には、パスラインに設置されている、複数のスリットのある校正板を用いる。なお、
図7では図示の都合上、校正板を最下部に表しているが、実際には校正板はパスラインの位置に設置される。
【0013】
そして、校正時に取得した、幅方向の測定範囲における複数の校正点についての校正データを記憶部(不図示)が記憶する。そして、測定装置では、幅測定時にこの校正データを用いることで、測定誤差を低減することができる。
【0014】
しかしながら、校正後に測定装置における光学配置が変化した場合、校正データもそれに合わせて変化させる必要がある。ここで、
図8は、比較例の測定装置における校正データの変化例を示すグラフである。
図8において、縦軸は校正板のスリットにおける所定側のエッジ位置であり、横軸は各エッジ位置に対応する、被測定物の幅方向の画素アドレス(画素の位置)である。校正データL1がある場合に、その後、測定装置における光学配置が変化すると、例えば、校正データL2に変化させる必要がある。
【0015】
しかしながら、校正データを変更させるには、校正を再度行わなければならない。そして、パスラインに設置された校正用器具を用いて校正を行う必要があるため、幅測定を中断しなくてはならないという問題がある。そこで、以下では、光学配置が変化した場合でも幅測定を中断することなく校正データを適切な値に補正し、測定誤差を抑制することができる測定装置について説明する。
【0016】
図1は、実施形態の測定装置1の全体構成を模式的に示す図である。
図2は、
図1の測定装置1における各構成をY方向に見たときの様子を模式的に示す図である。なお、
図1(a)は被測定物の幅測定実施時の状態を示し、
図1(b)は校正時の状態を示している。実施形態の測定装置1は、線状光源(光源)2a、2b(総称するときは線状光源2という。)、校正板3、ラインセンサ4、制御装置6を備える。
【0017】
なお、
図1において、Y方向は、被測定物Wの搬送方向である。また、X方向は、被測定物Wの幅方向である。また、Z方向は、被測定物Wの面に垂直な方向(高さ方向)である。
【0018】
線状光源2aは、連続的に搬送される細長いシート状の被測定物Wに対して幅方向に線状の光を出射する。また、線状光源2とパスラインPLの間の領域内で、測定範囲(
図2参照)の外側の所定の基準点に、マークMが設置される。ここでは、一例として、マークMは、線状光源2aの表面における測定範囲の外側の所定の基準点に設置されている。なお、マークMは、撮影データに写る物体であれば何でもよく、例えば、黒いシールによって構成される。
【0019】
なお、ラインセンサカメラ5の測定範囲(最大幅)を設定する場合は、被測定物Wの幅よりも少し広めにするだけでなく、マークMがラインセンサカメラ5の視野内に入るようにする。
【0020】
線状光源2bは、校正時のラインセンサ4の位置に対応する位置に配置され、線状光源2aと同様に幅方向に線状の光を出射する。
【0021】
校正板3は、校正時のラインセンサ4の位置に対応する位置であってパスラインPLの高さの位置に配置され、複数のスリット31を有する。
【0022】
ラインセンサ4は、パスラインPLを挟んで線状光源2の反対側に配置される。ラインセンサ4は、複数のラインセンサカメラ5を備える。ラインセンサカメラ5は、被測定物Wや校正板3を幅方向に撮影する。ラインセンサカメラ5は、例えば、被測定物Wを撮影する場合、被測定物W越しに線状光源2を眺める配置となっている。そのため、ラインセンサカメラ5による撮影データは、被測定物Wの幅の分だけビデオ信号上に影(暗レベル)が存在する。このような撮影データに基づいて、被測定物Wの幅を算出することができる(詳細は後述)。
【0023】
制御装置6は、制御部61と、記憶部62と、入出力部63と、を備える。制御部61は、取得部611と、算出部612と、補正部613と、を備える。取得部611は、外部装置から各種の情報を取得する。取得部611は、例えば、ラインセンサカメラ5から撮影データを取得する。
【0024】
算出部612は、ラインセンサカメラ5による撮影データに基づいて被測定物Wの幅方向の両端の位置を特定し、両端の位置に基づいて被測定物Wの幅を算出する。また、算出部612は、パスラインPLに設置された校正板3を用いて行う校正時に、幅方向の測定範囲における複数の校正点についての校正データを算出する(詳細は後述)。
【0025】
補正部613は、撮影データに基づいてマークMの位置を特定し、マークMの位置が幅方向に変化した場合には、その変化量に基づいて校正データを補正する(詳細は後述)。また、補正部613は、さらに、ラインセンサカメラ5からパスラインPLまでの距離と、ラインセンサカメラ5からマークMまでのパスラインPLの垂直方向の距離と、を用いて、校正データを補正する(詳細は後述)。また、補正部613は、このような校正データの補正を、被測定物Wの幅の測定中に行う。
【0026】
記憶部62は、各種の情報を記憶する。記憶部62は、例えば、ラインセンサカメラ5による撮影データや、校正データなどを記憶する。
【0027】
入出力部63は、外部装置との各種の情報の入出力を行うための入出力インタフェースである。
【0028】
また、
図2に示すように、ラインセンサカメラ5の下端のレンズの位置であるカメラレンズ位置CPからパスラインPLまでの距離を物体距離Hと称する。また、カメラレンズ位置CPから線状光源2aまでの距離を物体距離H’と称する。
【0029】
また、ラインセンタLCからマークMまでの距離をX0とする。また、ラインセンタLCから、校正板3における中央から1番目のスリット31の内側のエッジまでの距離をX1とし、X2以降も同様である。
【0030】
次に、
図3を参照して、ラインセンサカメラ5の移動時の撮影データにおける校正点とマークMの位置のずれる量について説明する。なお、経年や温度変化によってラインセンサカメラ5の光学配置が変化する場合、主に水平移動と回転移動が考えられる。
【0031】
まず、
図3(a)を参照して、ラインセンサカメラ5が水平移動する場合について説明する。
図3(a)は、ラインセンサカメラ5の水平移動時の撮影データにおける校正点とマークMの位置のずれる量の説明図である。
【0032】
ラインセンサカメラ5が水平方向にΔL移動した場合、撮影データにおけるパスラインPL上の校正点のずれる量をΔXiとすると、ΔXi=ΔLとなる。また、そのとき、撮影データにおける線状光源2a上のマークMのずれる量をΔX0とすると、ΔX0=ΔLとなる。
【0033】
次に、
図3(b)を参照して、ラインセンサカメラ5が回転移動する場合について説明する。
図3(b)は、ラインセンサカメラ5の回転移動時の撮影データにおける校正点とマークMの位置のずれる量の説明図である。ラインセンサカメラ5の回転角度をΔαとすると、ΔX
0は、次の式で表すことができる。
ΔX
0=(X
0-L)-H’・tan[tan
-1[(X
0-L)/H’]-Δα]
【0034】
また、ΔXiは、次の式で表すことができる。
ΔXi=H・tan[tan-1[(L-Xi)/H]+Δα]-(L-Xi)
【0035】
なお、ラインセンサカメラ5の移動の種類は、水平移動と回転移動のほかに、それらの複合などもありえる。しかし、いずれの場合も、実際の移動は微小であること等を考えると、校正データを補正する場合に各校正点の校正データに共通で加算する値として、以下のP0を採用するのが有効であることがシミュレーションによりわかっている。
P0=(P’0-P’’0)・H/H’
ただし、P’’0は、最新の校正時(または校正直後の幅測定時。以下同様)のマークMの位置である。また、P’0は、現在のマークMの位置である。
【0036】
次に、
図4を参照して校正データの例と補正後の校正データの例について説明する。
図4は、(a)が校正データの例で、(b)が補正後の校正データの例である。
【0037】
図4(a)に示すように、校正データでは、各校正点のエッジ位置(X
1、X
2、・・・)に対して、画素アドレス(P
1、P
2、・・・)が対応付けられている。
【0038】
そして、
図4(b)に示すように、補正後の校正データでは、各校正点のエッジ位置(X
1、X
2、・・・)に対して、共通してP
0が加算された画素アドレス(P
1+P
0、P
2+P
0、・・・)が対応付けられている。
【0039】
次に、
図5を参照して、データ例について説明する。
図5(a)は、が光学系パラメータの例である。物体距離H、物体距離H’、水平方向カメラ位置L、マーク位置X
0、校正点位置X
1~X
7の各値が図示のように与えられている。
【0040】
そして、
図5(b)はラインセンサカメラ5の水平移動時の各値の例である。ここでは、ΔLを0.1mmとした。そうすると、ΔX
0が0.10000mmとなる。また、ΔX
0・H/H’(=(P’
0-P’’
0)・H/H’)が0.091mmとなる。
【0041】
そうすると、各校正点位置での校正データのずれ量(ΔX
1、ΔX
2、・・・)は、補正前が0.100mmであったのに対し、補正後が-0.009mmと大幅に改善した。
図5(d)は(b)の各値のグラフである。
【0042】
次に、
図5(c)はラインセンサカメラ5の回転移動時の各値の例である。ここでは、Δαを0.00099degとした。そうすると、ΔX
0が0.10000mmとなる。また、ΔX
0・H/H’(=(P’
0-P’’
0)・H/H’)が0.091mmとなる。
【0043】
そうすると、校正点位置X
1での校正データのずれ量ΔX
1は、補正前が0.088mmであったのに対し、補正後が0.003mmと大幅に改善した。ΔX
2~ΔX
7についても同様に大幅に改善した。
図5(e)は(c)の各値のグラフである。
【0044】
次に、
図6を参照して、実施形態の測定装置1の制御装置6における処理について説明する。
図6は、実施形態の測定装置1の制御装置6における処理を示すフローチャートである。前提として、最新の校正時のマークMの位置(画素アドレスP’’
0)を記憶部62に記憶しておく。そして、被測定物Wの幅測定中に以下の処理を行う。
【0045】
まず、ステップS1において、取得部611は、ラインセンサカメラ5から撮影データを取得する。
【0046】
次に、ステップS2において、補正部613は、撮影データに基づいてマークMの位置(画素アドレスP’0)を特定する。
【0047】
次に、ステップS3において、補正部613は、マークMの位置が幅方向に変化したか否かを判定し、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合はステップS1に戻る。
【0048】
ステップS4において、補正部613は、マークMの変化量に基づいて校正データを補正する(
図4の(a)→(b))。ステップS4の後、ステップS1に戻る。
【0049】
このように、本実施形態の測定装置1によれば、線状光源2aとパスラインの間の領域内で、測定範囲の外側の所定の基準点にマークMを設置しておき、撮影データに基づいてマークの位置を特定し、マークの位置が変化した場合にその変化量に基づいて校正データを補正する。これにより、測定装置1において、経年や温度変化などに起因して光学配置が変化した場合でも幅測定を中断することなく校正データを適切な値に補正し、測定誤差を抑制することができる。
【0050】
つまり、校正データを補正するときに、従来技術のようにパスラインに設置された校正板を用いる必要がないため、幅測定を中断する必要がない。
【0051】
また、物体距離H、H’を用いて校正データを補正するようにすれば、より高精度に補正できる。
【0052】
また、マークMを線状光源2の表面における測定範囲の外側の所定の基準点に設置するようにすれば、容易に設置できるとともに、パスライン付近に設置する場合に比べてマークMを設置するためのクリアランスを得やすいという利点もある。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0054】
例えば、マークMを設置する位置は、線状光源2の表面に限定されず、線状光源2とパスラインの間の領域内であればどこでもよい。例えば、マークMをパスラインに近い位置に設置すれば、ラインセンサカメラ5による撮影時にマークMにピントが合いやすいという利点がある。
【符号の説明】
【0055】
1…測定装置、2…線状光源、3…校正板、4…ラインセンサ、5…ラインセンサカメラ、6…制御装置、31…スリット、61…制御部、62…記憶部、63…入出力部、CP…カメラレンズ位置、LC…ラインセンタ、M…マーク、PL…パスライン、W…被測定物