(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】金属調外観を備える釣部材及びこれを形成する方法
(51)【国際特許分類】
B05D 7/00 20060101AFI20231030BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20231030BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20231030BHJP
B05D 3/02 20060101ALI20231030BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20231030BHJP
A01K 85/00 20060101ALI20231030BHJP
A01K 87/00 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
B05D7/00 K
B05D1/02 Z
B05D1/36 Z
B05D3/02 Z
B05D7/24 303J
A01K85/00 Z
A01K87/00 630N
(21)【出願番号】P 2020163965
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】坂田 尚弘
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-106888(JP,A)
【文献】特開2007-306936(JP,A)
【文献】特開平04-355125(JP,A)
【文献】特開昭60-124236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
A01K 83/00-95/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣部材と、塗料の層と、該塗料の層上に吹き付けられ、蒸着顔料を含む層と、を含み、該蒸着顔料を含む層の蒸着顔料は、該塗料の層の厚さ方向でみて、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の同方向の厚さの5%から100%の範囲で該塗料の層に埋め込まれて
おり、
前記蒸着顔料が、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の厚さ方向でみて、蒸着顔料の同方向の厚さの100%埋め込まれている場合、該蒸着顔料は、前記塗料の層の外表面の延伸方向でみて、最大80%が該塗料の層に覆われていることを特徴とする塗装を有する釣部材。
【請求項2】
前記蒸着顔料は、蒸着クロム又は蒸着アルミである、請求項1に記載の塗装を有する釣部材。
【請求項3】
前記蒸着顔料の外側表面が、前記塗料の層の外面に沿うように配設される、請求項1又は2に記載の塗装を有する釣部材。
【請求項4】
釣部材を形成し、
該釣部材の外面に塗料を塗布し、塗料の層を形成し、
該塗料の層の外面に、蒸着顔料を吹き付け、
該塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度で該塗料の層の焼成を行う
ものであって、
前記塗料の樹脂がアクリルウレタン樹脂である場合、前記ガラス転移点(Tg)以上の温度は、20℃から200℃の範囲の温度であることを特徴とする釣部材に塗装を形成する方法。
【請求項5】
前記蒸着顔料は、蒸着クロム又は蒸着アルミである、請求項
4に記載の釣部材に塗装を形成する方法。
【請求項6】
該塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度は、20℃から300℃の範囲の温度である、請求項
4又は
5に記載の釣部材に塗装を形成する方法。
【請求項7】
前記塗料の樹脂は、アクリルウレタン樹脂又はポリエステル樹脂である、請求項
4から
6までのいずれか1項に記載の釣部材に塗装を形成する方法。
【請求項8】
前記蒸着顔料の吹き付けは、希釈剤に混入させてから行う、請求項
4から
7までのいずれか1項に記載の釣部材に塗装を形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装を有する釣部材、及び釣部材に塗装を形成する方法に関する。また、本発明は、ゴルフクラブシャフト、テニスラケットなどのスポーツ用品及びこれに塗装を形成する方法にも適用できる。また、本発明は、その他の部材に塗装を形成する場合にも適当可能である。
【背景技術】
【0002】
従来より、塗装対象物である釣部材に、下塗り塗装を行い、蒸着金属膜を粉砕し金属片とした光輝性顔料を含むメタリック塗料を塗布する塗装方法が知られている。
【0003】
このような塗装を形成する方法として、例えば、特許文献1では適度な金属面光沢を有する塗膜を形成することができるメタリック塗料及び該メタリック塗料を用いた積層塗膜の形成方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、下塗りとして黒色塗膜を形成し、その黒色塗膜表面に、特定組成のベース樹脂成分と光輝顔料成分を含有するメタリック塗料を塗装してメタリック塗膜を形成し、この場合に、下塗りの黒色塗膜が透けて見える程度に光透過性のメタリック塗膜を形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-080620号公報
【文献】特開2005-081225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの特許文献に係る方法であっても、メタリック塗装には樹脂が含まれているため、光輝顔料の表面を当該樹脂が覆ってしまうと、厚みのある樹脂のため光輝顔料が重なり合ってしまい、高級感のある金属調外観を実現するのが難しいという問題があった。
【0007】
本発明の目的の一つは、メタリック層に樹脂を用いることなく、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ることができる塗装を有する釣部材及び釣部材に塗装を形成する方法を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材は、釣部材と、塗料の層と、該塗料の層上に吹き付けられ、蒸着顔料を含む層と、を含み、該蒸着顔料を含む層の蒸着顔料は、該塗料の層の厚さ方向でみて、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の同方向の厚さの5%から100%の範囲で該塗料の層に埋め込まれるように構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料は、蒸着クロム又は蒸着アルミである。
【0010】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料の外側表面が、前記塗料の層の外面に沿うように配設される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料が、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の厚さ方向でみて、蒸着顔料の同方向の厚さの100%埋め込まれている場合、該蒸着顔料は、前記塗料の層の外表面の延伸方向でみて、少なくともその一部が該塗料の層に覆われている。
【0012】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料が、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の厚さ方向でみて、蒸着顔料の同方向の厚さの100%埋め込まれている場合、該蒸着顔料は、前記塗料の層の外表面の延伸方向でみて、最大80%が該塗料の層に覆われている。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法は、釣部材を形成し、 該釣部材の外面に塗料を塗布し、塗料の層を形成し、該塗料の層の外面に、蒸着顔料を吹き付け、該塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度で該塗料の層の焼成を行うようにされる。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、前記蒸着顔料は、蒸着クロム又は蒸着アルミである。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、該塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度は、20℃から300℃の範囲の温度である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、前記塗料の樹脂は、アクリルウレタン樹脂又はポリエステル樹脂である。
【0017】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、前記塗料の樹脂がアクリルウレタン樹脂である場合、前記ガラス転移点(Tg)以上の温度は、20℃から200℃の範囲の温度である。
【0018】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、前記蒸着顔料の吹き付けは、希釈剤に混入させてから行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明の上記各実施形態によれば、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ることができる塗装を有する釣部材及び釣部材に塗装を形成する方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材の製造方法における一状態を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材の製造方法との比較のための態様における一状態を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材と比較するための態様における顔料の配向状態を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材と比較するための態様における顔料の配向状態を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材における塗装を説明する図である。塗装を有する釣部材の一態様をその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材における蒸着顔料の配向状態を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材における蒸着顔料の配向状態を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材における蒸着顔料と塗料の層と関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0022】
まず、
図1a‐1dを参照して、本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法について説明する。
【0023】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法は、ステップ1において、
図1aに示すように、釣部材を形成する。ここで、釣部材として、ロッド、リール、リールシート、グリップ、又は疑似餌が考えられるが、これらに限られない。また、釣部材の代わりに、その他のスポーツ用品(例えば、ゴルフクラブシャフト、テニスラケット等)であってもよく、従来公知の様々なスポーツ用品に適用可能である。また、釣部材の代わりに、塗装を必要とするその他の様々な産業用部材(例えば、自動車部品、通信機器部品、家電部品等)であってもよく、特定の部材に限定されるものではない。
【0024】
次に、ステップ2において、
図1bに示すように、当該釣部材の外面に塗料(下塗り塗膜)を塗布し、乾燥させて、塗料の層を形成する。ここで、当該塗料の樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、又はメラミン樹脂などが挙げられるが考えられるが、これらに限定されるものではない。当該塗料の層を形成する理由は、塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度で軟化させることで蒸着顔料を埋め込むためである。以下の例では、アクリルウレタン樹脂(Tgは20-200℃)を使用する。なお、塗料の層は必要に応じて複数の層を形成することができるが、塗料の層が複数の層を含む場合において塗料の層の外面という場合、当該複数の層の最外層の外面を意味するものとする(以下同様)。
【0025】
次に、ステップ3において、
図1cに示すように、当該塗料の層の外面に、蒸着顔料を吹き付ける。ここで、蒸着顔料として、蒸着クロム又は蒸着アルミ等が考えられる。その他、例えば、蒸着顔料として、金、銀、 銅、真鍮、チタン、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等が考えられるが、これらに限られない。また、アルミ顔料やパール顔料のような鱗片状の粒子を使用してもよい。また、蒸着顔料の吹き付けを行う際、当該蒸着顔料を希釈剤に混入させてから行う。希釈剤として、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シク ロヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチ ル、酢酸エチレングリコ-ルモノメチルエ-テル、酢酸ジエチレングリコ-ルモノメチルエ-テルなどのエステ ル系;イソプロピルエ-テル、エチレングリコ-ルモノ メチルエ-テル、ジエチレングリコ-ルモノブチルエ-テルなどのエ-テル系、エチルアルコ-ル、ブチルアル コ-ル、ヘキシルアルコ-ルなどのアルコ-ル系、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロ ン、アセトフェノンなどのケトン系などの通常の塗料用溶剤が考えられるが、これらに限られない。希釈剤を用いる理由は、蒸着顔料単体ではスプレー塗装することが出来ないため、溶剤に分散させて塗布する必要があるからである。
【0026】
次に、ステップ4において、
図1dに示すように、該塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度で該塗料の層の焼成を行う。このようにして、熱を加えることで、軟化した塗料の層に蒸着顔料の層の蒸着顔料を、重なりがない又は少ない状態で、埋め込み、固定することができる。このようにして、本発明の一実施形態による塗装を有する釣部材を形成することができる。なお、塗装を有する釣部材の外表面は、適宜研磨するようにしてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法によれば、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ることが可能となる。
【0028】
ここで、本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、当該塗料の樹脂は、アクリルウレタン樹脂又はポリエステル樹脂である。また、本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、該塗料のガラス転移点(Tg)以上の温度は、20℃から300℃の範囲の温度である。
【0029】
本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法において、当該塗料の樹脂がアクリルウレタン樹脂である場合、前記ガラス転移点(Tg)以上の温度は、20℃から200℃の範囲の温度である。
【0030】
次に、
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る釣部材に塗装を形成する方法と比較するためにその他の態様について説明する。
【0031】
図2aに示すように、まず、塗装対象物(例えば、釣部材)の表面に塗料を塗布し、乾燥させ、塗料の層を形成する。次に、
図2bに示すように、当該塗料の層の上に、光輝性顔料を含む塗料(樹脂)を塗布する。この状態では、光輝性顔料は(紙面の横方向では)重なり合って樹脂層の中に配置されている。
【0032】
次に、
図2cに示すように、光輝性顔料を含む樹脂が硬化することにより、光輝性顔料は重なり合いながら樹脂の中に沈下され固定される。
【0033】
図3、4は、光輝性顔料の配向状態を示す表面を撮影した画像を示すものである、
図3の画像は、顔料の層に樹脂を含むため、顔料が重なり合ってしまう結果、顔料の配向が悪くなり散乱光が発生するために、金属感が低い結果となった。
【0034】
これに対して、
図4の画像は、顔料の層に樹脂を含むものの樹脂の量が少ないため、顔料の重なり合いが相対的に少なくなる結果、顔料の配向は改善されているものの、依然として散乱光が発生してしまうため、金属感が高いとはいえない結果となった。
【0035】
次に、
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1の塗装について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1の塗装は、釣部材1上に塗布された塗料の層2と、該塗料の層2上に吹き付けられ、蒸着顔料3を含む層4(蒸着顔料3で形成される層4)と、を含み、当該蒸着顔料3が当該塗料の層2に少なくとも一部が埋め込まれるように構成される。
【0036】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1の塗装は、釣部材1上に塗布された塗料の層2と、該塗料の層2上に吹き付けられ、蒸着顔料3を含む層4と、を含み、該蒸着顔料3を含む層4(蒸着顔料3で形成される層4)の蒸着顔料3は、該塗料の層2の厚さ方向でみて、該塗料の層2の外表面から、該蒸着顔料の同方向の厚さの5%から100%の範囲で該塗料の層に埋め込まれるように構成される。このように、上述の通り、塗料の層(塗料)のTg以上の熱を加えることで、軟化した塗料の層に蒸着顔料3が重なりがない又は少ないまま埋め込まれる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1によれば、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ることが可能となる。ここで、蒸着顔料3に露出部分を保護するため、その上から保護層(上塗り層)を設けるようにしてもよい。これにより、蒸着顔料の剥離や離脱を効果的に低減することができる。これ以上の詳細は省略する。
【0038】
前述のように、軟化した塗料の層に蒸着顔料3が重なりがない又は少ないまま埋め込むことができるのは、蒸着顔料を含む層4が樹脂を含まないため、溶剤が揮発することで蒸着顔料が重なりなく塗膜表面に塗布され、塗膜に対して比重の大きい蒸着顔料が塗膜表面に埋め込まれるからである。
【0039】
図6、7は、本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1の塗装における蒸着顔料の配向状態を示す表面を撮影した画像を示すものである、
図6の画像は、蒸着顔料としてアルミ粒子を用いており、顔料の層に樹脂を含まないため、顔料の重なりが非常に少なく、また顔料の配向も良好で、金属感が非常に高い結果となった。このような結果となった理由は、光の反射を正反射させ、散乱光を低減することができたからであると考えられる。
【0040】
また、
図7の画像も、蒸着顔料としてクロム粒子を用いており、顔料の層に樹脂を含まないため、顔料の重なりが非常に少なく、また顔料の配向も良好で、同様に、金属感が非常に高い結果となった。このような結果となった理由は、光の反射を正反射させ、散乱光を低減することができたからであると考えられる。
【0041】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1において、既述の通り、蒸着顔料として、蒸着クロム又は蒸着アルミを用いることができる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料の外側表面が、前記塗料の層の外面に沿うように配設される。
【0043】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料が、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の厚さ方向でみて、蒸着顔料の同方向の厚さの100%埋め込まれている場合、該蒸着顔料は、前記塗料の層の外表面の延伸方向でみて、少なくともその一部が該塗料の層に覆われている。
【0044】
本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材において、前記蒸着顔料が、該塗料の層の外表面から、該蒸着顔料の厚さ方向でみて、蒸着顔料の同方向の厚さの100%埋め込まれている場合、該蒸着顔料は、前記塗料の層の外表面の延伸方向でみて、最大80%が該塗料の層に覆われている。
【0045】
図8に、蒸着顔料の少なくとも一部が塗料の層に埋め込まれている様子を示す。図示のように、本発明の一実施形態に係る塗装を有する釣部材1によれば、蒸着顔料の重なりが少ないまま塗料の層に固定することができるため、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ることが可能となる。
【0046】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0047】
1 塗装を有する釣部材
2 塗料の層
3 蒸着顔料
4 蒸着顔料を含む層(蒸着顔料で形成される層)