(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】作業車両のフレーム構造
(51)【国際特許分類】
A01D 67/00 20060101AFI20231030BHJP
B62D 21/02 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
A01D67/00 A
B62D21/02 Z
(21)【出願番号】P 2020219891
(22)【出願日】2020-12-29
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】満居 成紀
(72)【発明者】
【氏名】新家 衛
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-004761(JP,A)
【文献】特開2016-189707(JP,A)
【文献】特開2006-001461(JP,A)
【文献】特開2015-067209(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02380761(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 67/00
B62D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のフレーム構造であって、
重量物が組み付けられて、前記重量物を支持部位で支持するメインフレームと、
走行装置が組み付けられて、前記走行装置の
複数の転輪を
それぞれ支持する転輪軸
が前後方向に整列して配置されたトラックフレームと、
前記メインフレームと前記トラックフレームとを連結し、前記メインフレームを前記トラックフレームの上方で支持する
前側の連結部材と、
前記前側の連結部材に対する後側に設けられ、前記メインフレームと前記トラックフレームとを連結し、前記メインフレームを前記トラックフレームの上方で支持する後側の連結部材と、を含み、
前記
前側の連結部材
および前記後側の連結部材は、前記支持部位に生じる応力が前記転輪軸に伝わるように設定された補強部を有
し、
前記支持部位は、相対的に前側の位置と相対的に後側の位置とに設けられており、
前記前側の連結部材の前記補強部は、前側の前記支持部位に生じる応力が最も前にある前記転輪軸まで直線的に伝わるように設定され、
前記後側の連結部材の前記補強部は、後側の前記支持部位に生じる応力が最も後ろにある前記転輪軸まで伝わるように設定されている、フレーム構造。
【請求項2】
前記前側の連結部材の前記補強部は、
前側の前記支持部位付近と
最も前にある前記転輪軸付近とを通る直線に沿った面を有している、請求項1に記載のフレーム構造。
【請求項3】
前記後側の連結部材の前記補強部は、
後側の前記支持部位付近から
最も後ろにある前記転輪軸付近まで繋がる面が形成されるように設定されている、請求項1
または2に記載のフレーム構造。
【請求項4】
前記連結部材は、左右方向に延びる連結部と、前記連結部から左右の前記トラックフレームに向けてそれぞれ延びる脚部とを有し、
前記トラックフレームの下端よりも高い位置において、前記脚部の下端が前記トラックフレームに対して接続されている、請求項1~
3のいずれか一項に記載のフレーム構造。
【請求項5】
前記脚部は、前記トラックフレームに対して左右方向の内側から接続されている、請求項4に記載のフレーム構造。
【請求項6】
前記前側の連結部材と
前記後側
の連結部材とは、同じ構成である、請求項1~5のいずれか一項に記載のフレーム構造。
【請求項7】
前記作業車両は、エンジンと、収穫作業で収穫された収穫物を貯留する収穫物タンクとを備えており、
前側の前記支持部位は、前記エンジンを支持し、
後側の前記支持部位は、前記収穫物タンクを支持する、請求項1~6のいずれか一項に記載のフレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両のフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、コンバインでは、最前部に刈取装置が配置され、その刈取装置の後方に機体フレームが設けられている。機体フレームには、走行装置が組付けられるトラックフレームと、エンジンなどが組付けられるメインフレームとが含まれる。メインフレームは、トラックフレームの上方に設けられ、連結部材によりトラックフレームに連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかるフレーム構造では、強度確保のために、重量の大きい連結部材でメインフレームとトラックフレームとを連結しなければならず、コストが増大する。
【0005】
本発明の目的は、メインフレームとトラックフレームとを連結する連結部材の軽量化を図ることができる、作業車両のフレーム構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る作業車両のフレーム構造は、作業車両のフレーム構造であって、重量物が組み付けられて、重量物を支持部位で支持するメインフレームと、走行装置が組み付けられて、走行装置の転輪を転輪軸で支持するトラックフレームと、メインフレームとトラックフレームとを連結し、メインフレームをトラックフレームの上方で支持する連結部材とを含み、連結部材は、支持部位に生じる応力が転輪軸に伝わるように設定された補強部を有する。
【0007】
このフレーム構造では、重量物が組付けられるメインフレームは、走行装置が組み付けられるトラックフレームの上方に設けられ、連結部材によりトラックフレームに連結されている。メインフレームには、重量物を支持する支持部位が設定されている。トラックフレームには、走行装置の転輪を支持する転輪軸が設けられている。そして、連結部材が補強部を有することにより、作業車両の走行時や旋回時に、重量物の慣性により支持部位に生じる応力が転輪軸に伝わる。これにより、支持部位に生じる応力に対するフレーム構造の剛性が上がるので、必要な剛性を確保しつつ、連結部材の軽量化を図ることができる。
【0008】
補強部は、支持部位に生じる応力が転輪軸まで直線的に伝わるように設定されていてもよい。これにより、支持部位に生じる応力を転輪軸に良好に伝えることができ、支持部位に生じる応力に対するフレーム構造の剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0009】
補強部は、支持部位付近と転輪軸付近とを通る直線に沿った面を有していてもよい。この場合、支持部位に生じる応力がその面を伝播することにより、応力を支持部位付近から転輪軸付近に向けて直線的に伝えることができる。
【0010】
補強部は、支持部位付近から転輪軸付近まで繋がる面が形成されるように設定されてもよい。支持部位に生じる応力が支持部位付近から転輪軸付近まで繋がる面を伝播して転輪軸付近に伝わる。これにより、支持部位に生じる応力を転輪軸に良好に伝えることができる。
【0011】
連結部材は、左右方向に延びる連結部と、連結部から左右のトラックフレームに向けてそれぞれ延びる脚部とを有し、トラックフレームの下端よりも高い位置において、脚部の下端がトラックフレームに対して接続されていることが好ましい。
【0012】
この構成では、脚部の下端がトラックフレームの下端と同じ高さの位置に位置する構成と比較して、それらの構成間で脚部の長さが同じであっても、連結部の高さ位置が上がるので、泥抜け性(泥除け性)が向上する。
【0013】
連結部材は、相対的に前側の位置と相対的に後側の位置とに設けられており、前側の連結部材と後側の連結部材とは、同じ構成であってもよい。
【0014】
作業車両がエンジンおよび収穫作業で収穫された収穫物を貯留する収穫物タンクを備える構成である場合、支持部位が相対的に前側の位置と相対的に後側の位置とに設けられて、前側の支持部位によりエンジンが支持され、後側の支持部位により収穫物タンクが支持されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、メインフレームとトラックフレームとを連結する連結部材の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るコンバインの機体フレームの右前側から見た斜視図である。
【
図2】機体フレームの右側から見た図(右側面図)である。
【
図3】機体フレームの前側から見た図(前面図)である。
【
図4】機体フレームの後側から見た図(後面図)である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るコンバインの機体フレームの右前側から見た斜視図である。
【
図6】機体フレームの右側から見た図(右側面図)である。
【
図7】機体フレームの前側から見た図(前面図)である。
【
図8】機体フレームの後側から見た図(後面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るコンバインの機体フレーム1の右前側から見た斜視図である。
図2は、機体フレーム1の右側から見た図(右側面図)である。
図3は、機体フレーム1の前側から見た図(前面図)である。
図4は、機体フレーム1の後側から見た図(後面図)である。
【0019】
コンバインは、穀粒の収穫作業に使用される作業車両である。コンバインによる穀粒の収穫時には、コンバインの前進に伴って、刈取装置が圃場に植立されている穀稈を刈り取り、脱穀装置が刈取装置により刈り取られた穀稈の穂先側を扱室に供給して脱穀する。脱穀装置で穀稈から外れた籾は、グレンタンクに搬送されて、グレンタンク内に貯留される。また、コンバインには、各種の動力源となるエンジン、運転者が着座する運転席や操作レバーなどの操作部材を収容するキャビンなどが備えられている。
【0020】
コンバインでは、最前部に刈取装置が配置され、機体フレーム1がその後方に設けられている。機体フレーム1は、メインフレーム2および左右一対のトラックフレーム3を備えている。
【0021】
メインフレーム2は、前後方向に延びる複数のパイプ材11と左右方向に延びる複数のパイプ材12とからなる骨格(パイプフレーム)である。メインフレーム2上には、エンジン、キャビン、脱穀装置およびグレンタンクが組み付けられて支持される。エンジンは、メインフレーム2の前端部における左右方向(車幅方向)の中央部上に組み付けられる。キャビンは、メインフレーム2の右前端部上に寄せて、エンジンに対して右前方の位置に組み付けられる。脱穀装置は、メインフレーム2の左側部分上に組み付けられる。グレンタンクは、メインフレーム2の右側部分上であって、キャビンの後方の位置に組み付けられる。
【0022】
メインフレーム2上には、エンジンが配置される位置に、エンジンを支持するためのブラケット13が設けられている。また、メインフレーム2上には、グレンタンクが配置される位置に、グレンタンクを支持するためのブラケット14が設けられている。
【0023】
トラックフレーム3は、本体部21と、複数の転輪軸22とを備えている。本体部21は、前後方向に延びており、たとえば、上下に積み重ねたパイプ材23,24を溶接することにより作製されている。複数の転輪軸22は、下側のパイプ材24から左右方向の外側に突設されて、前後方向に間隔を空けて一列に整列して配置されている。トラックフレーム3には、クローラ走行装置が組み付けられて、各転輪軸22には、クローラ走行装置の転輪が回転可能に支持される。
【0024】
また、機体フレーム1には、前後2箇所に、メインフレーム2とトラックフレーム3とを連結する連結部材4F,4Rが設けられている。前側の連結部材4Fは、エンジンを支持するためのブラケット13よりも前側の位置に設けられ、後側の連結部材4Rは、そのブラケット13とグレンタンクを支持するためのブラケット14との前後方向のほぼ中間の位置に設けられている。
【0025】
連結部材4F,4Rは、同じ構成であり、
図3および
図4に示されるように、左右方向に延びる連結部31と、連結部31から左右のトラックフレーム3に向けてそれぞれ延びる脚部32,33とを一体に有している。連結部31の左右方向の長さは、左右のトラックフレーム3の間の左右方向の距離よりも短く、脚部32,33は、連結部31から下側ほどトラックフレーム3に近づくように上下方向に対して傾斜して延びている。
【0026】
左側の脚部32は、前側面41、後側面42、左側面43、右側面44および下面45を有している。左側面43は、連結部31から下方に延び、左下方に屈曲して延びている。右側面44は、連結部31から左側面43の傾斜部分と同じ傾きで延びている。左側の脚部32は、左側のトラックフレーム3に接続されて、下面45は、トラックフレーム3の下面よりも高い位置に位置している。
【0027】
右側の脚部33は、左側の脚部32と左右対称な構成(左右反転した構成)であり、前側面51、後側面52、左側面53、右側面54および下面55を有している。右側面54は、連結部31から下方に延び右下方に屈曲して延びている。左側面53は、連結部31から右側面54の傾斜部分と同じ傾きで延びている。右側の脚部33は、右側のトラックフレーム3に接続されて、下面55は、トラックフレーム3の下面よりも高い位置に位置している。
【0028】
前側の連結部材4Fは、補強部61を有している。補強部61は、連結部材4Fの後側に設けられ、連結部材4Fとブラケット13,14の近傍を通るパイプ材11(以下、「右パイプ材11R」という。)とに跨がる三角形板状に形成されている。これにより、補強部61は、後側ほど上側に位置する斜面62を有している。そして、その斜面62は、エンジンを支持するためのブラケット13付近と最も前にある転輪軸22付近とを通る直線に沿って延びるように、補強部61の形状が設定されている。
【0029】
後側の連結部材4Rは、補強部63,64を有している。補強部63は、連結部材4Rの前側に設けられ、連結部材4Rと右パイプ材11Rとに跨がる三角形板状に形成されている。補強部64は、断面四角形状のパイプ材からなり、連結部材4Rの後側に設けられ、連結部材4Rの脚部33の上端部と右パイプ材11Rとに跨がっている。そして、補強部64は、後側ほど上側に位置する斜面65を下面に有していて、その斜面65がグレンタンクを支持するためのブラケット14付近と連結部材4Rの脚部33の上端部とを通る直線に沿って延びるように設定されている。その結果、斜面65と脚部33の後側面52とにより、ブラケット14付近から最も後ろにある転輪軸22付近まで繋がる面が形成される。
【0030】
<作用効果>
以上のように、機体フレーム1の構造では、エンジンやグレンタンクなどの重量物が組付けられるメインフレーム2は、クローラ走行装置が組み付けられるトラックフレーム3の上方に設けられ、連結部材4F,4Rによりトラックフレーム3に連結されている。メインフレーム2には、エンジンを支持するためのブラケット13およびグレンタンクを支持するためのブラケット14が設定されている。トラックフレーム3には、クローラ走行装置の転輪を支持する転輪軸22が設けられている。そして、連結部材4F,4Rが補強部61,64を有することにより、作業車両の走行時や旋回時に、エンジンおよびグレンタンクの慣性によりブラケット13,14に生じる応力が転輪軸22に伝わる。これにより、ブラケット13,14に生じる応力に対するフレーム構造の剛性が上がるので、必要な剛性を確保しつつ、連結部材4F,4Rの軽量化を図ることができる。
【0031】
補強部61は、斜面62を有しており、その斜面62がエンジンを支持するためのブラケット13付近と最前方の転輪軸22付近とを通る直線に沿って延びるように、補強部61の形状が設定されている。これにより、ブラケット13に生じる応力が斜面62を伝播して連結部材4Fに伝わり、その応力が連結部材4F内を斜面62と同方向に最前方の転輪軸22に向けて伝播する。したがって、ブラケット13に生じる応力は、転輪軸22まで直線的に伝わる。これにより、ブラケット13に生じる応力を転輪軸22に良好に伝えることができ、ブラケット13に生じる応力に対するフレーム構造の剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0032】
補強部64は、後側ほど上側に位置する斜面65を下面に有していて、その斜面65と脚部33の後側面52とにより、ブラケット14付近から最も後ろにある転輪軸22付近まで繋がる面が形成される。これにより、ブラケット14に生じる応力は、ブラケット14付近から転輪軸22付近まで繋がる面を伝播して、転輪軸22付近に伝わる。これにより、ブラケット14に生じる応力を転輪軸22に良好に伝えることができる。
【0033】
連結部材4F,4Rは、左右方向に延びる連結部31と、連結部31から左右のトラックフレーム3に向けてそれぞれ延びる脚部32,33とを有し、トラックフレーム3の下端よりも高い位置において、脚部32,33の下端がトラックフレーム3に対して接続されている。この構成では、脚部32,33の下端がトラックフレーム3の下端と同じ高さの位置に位置する構成と比較して、それらの構成間で脚部32,33の長さが同じであっても、連結部31の高さ位置が上がるので、泥抜け性(泥除け性)が向上する。
【0034】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係るコンバインの機体フレーム101の右前側から見た斜視図である。
図6は、機体フレーム101の右側から見た図(右側面図)である。
図7は、機体フレーム101の前側から見た図(前面図)である。
図8は、機体フレーム101の後側から見た図(後面図)である。
【0035】
機体フレーム101は、前側の連結部材102が第1実施形態に係る機体フレーム1の前側の連結部材4Fと異なる。それ以外の構成については、機体フレーム1と機体フレーム101とで共通しているから、以下では、その共通する構成についての説明を省略し、
図5~
図8では、
図1~
図4に示される各部と構成が共通する部分に、それらの各部と同一の参照符号を付して示す。
【0036】
連結部材102は、中間部103、上連結部104L,104Rおよび下連結部105L,105Rを有している。中間部103、上連結部104L,104Rおよび下連結部105L,105Rは、いずれも断面四角形状のパイプ材からなる。
【0037】
中間部103は、左右方向に左右のトラックフレーム3間の距離とほぼ同じ長さで延びている。
【0038】
上連結部104Lは、メインフレーム2の右パイプ材11Rと左右方向に同じ位置に設けられ、その右パイプ材11Rと中間部103とを連結している。上連結部104Rは、メインフレーム2の右パイプ材11Rの左側に配置されているパイプ材11(以下、「左パイプ材11L」という。)と左右方向に同じ位置に設けられ、その左パイプ材11Lと中間部103とを連結している。
【0039】
下連結部105Lは、中間部103の左側の端部と左側のトラックフレーム3とを連結しており、下連結部105Lの下面は、そのトラックフレーム3の下側のパイプ材24の上面に接続されている。下連結部105Rは、中間部103の右側の端部と左側のトラックフレーム3とを連結しており、下連結部105Rの下面は、そのトラックフレーム3の下側のパイプ材24の上面に接続されている。したがって、下連結部105L,105Rの各下面は、トラックフレーム3の下面よりも高い位置に位置している。
【0040】
また、連結部材102は、補強部111L,111R,112L,112R,113L,113Rを有している。
【0041】
補強部111Lは、中間部103の後側に設けられ、中間部103と左側のパイプ材11とに跨がって、後側ほど上側に位置するように傾斜している。補強部111Rは、中間部103の後側に設けられ、中間部103と右側のパイプ材11とに跨がって、後側ほど上側に位置するように、中間部103からエンジンを支持するためのブラケット13付近に向けて傾斜している。
【0042】
補強部112Lは、中間部103の前側に設けられ、中間部103の左側の端部と左側のトラックフレーム3とに跨がって、前側ほど下側に位置するように、最も前にある転輪軸22に向けて延びている。補強部112Rは、中間部103の前側に設けられ、中間部103の左側の端部と右側のトラックフレーム3とに跨がって、前側ほど下側に位置するように、最も前にある転輪軸22に向けて延びている。
【0043】
補強部113Lは、中間部103と左側の下連結部105Lの下端部とに跨がって、左側ほど下側に位置するように傾斜している。補強部113Rは、中間部103と右側の下連結部105Rの下端部とに跨がって、左側ほど下側に位置するように傾斜している。
【0044】
<作用効果>
このフレーム構造では、ブラケット13に生じる応力は、補強部111R、中間部103および補強部112Rを順に伝播して、最前方の転輪軸22に伝わる。これにより、ブラケット13に生じる応力に対するフレーム構造の剛性が上がるので、必要な剛性を確保しつつ、連結部材102の軽量化を図ることができる。
【0045】
また、下連結部105L,105Rの各下面がトラックフレーム3の下面よりも高い位置に位置しているので、下連結部105L,105Rの各下面がトラックフレーム3の下端と同じ高さの位置に位置する構成と比較して、それらの構成間で下連結部105L,105Rの長さが同じであっても、中間部103の高さ位置が上がるので、泥抜け性(泥除け性)が向上する。
【0046】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
【0047】
たとえば、作業車両の一例として、コンバインを取り上げたが、本発明は、人参や大根、枝豆、キャベツなどの野菜を収穫して搬送する収穫搬送装置を作業装置として備える収穫機、苗植付装置を作業装置として備える田植機、播種装置を作業装置として備える直播機、プラウを作業装置として備えるトラクタ、バケットを作業装置として備える建設作業車など、種々の作業車両に適用することができる。
【0048】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1:機体フレーム(フレーム構造)
2:メインフレーム
3:トラックフレーム
4F,4R:連結部材
13,14:ブラケット(支持部位)
22:転輪軸
31:連結部
32,33:脚部
61,64,111R,112R:補強部
102:連結部材
103:中間部(連結部)
105L,105R:下連結部(脚部)