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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】眼を治療するための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/75 20060101AFI20231030BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20231030BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20231030BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20231030BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
A61K36/75
A61K31/192
A61K31/216
A61P27/02
A61P43/00 105
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021504364
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 IB2019056344
(87)【国際公開番号】W WO2020021480
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】62/703,943
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/519,166
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509127664
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・サージカル・ビジョン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リ・ウェン-ファ・ティン
(72)【発明者】
【氏名】マームード・カリド
(72)【発明者】
【氏名】パルサ・ラミン
(72)【発明者】
【氏名】バイ・ミンギ
(72)【発明者】
【氏名】ホリヴァ・ケネス・ティー
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513415(JP,A)
【文献】特表2021-532145(JP,A)
【文献】Clinical Ophthalmology,2015年,Vol.9,p.865-872
【文献】Pharmacognosy Communications,2016年,Vol.6, No.3,p.164-173
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角膜からかつ/又は角膜内でムチンを産生/放出/送達/排出するための方法における使用のための組成物であって、前記方法は前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物が、
)安全かつ有効な量のアクロニキア・アシデュラ抽出物と
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記アクロニキア・アシデュラ抽出物が、前記アクロニキア・アシデュラ抽出物の約1重量%~約20重量%の式IIの化合物を含み、
【化1】
式中、
が、C~C20アルキル、C~C20アルケニル、C~C20アルキニル、及びC~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル又はアリール、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル又はアリール、チオール、-SC~Cアルキル、-SC~Cアルケニル、-SC~Cアルキニル、SC~Cシクロアルキル又はアリール、-NR~Cアルキル、-NR~Cアルケニル、-NR~Cアルキニル、及び-NR~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
が、-COH、-CO又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、Rが、C~Cアルキル、C~Cアルケニル~Cシクロアルキル、又はアリールであり、
Yが、-(CH-CH)-、-(CH=CH)-、又は-(C≡C)-である、請求項に記載の組成物。
【請求項3】
前記アクロニキア・アシデュラ抽出物が、前記アクロニキア・アシデュラ抽出物の約1重量%~約20重量%の前記式IIの化合物を含み、
【化2】
式中、
が、C~C16アルキル、C~C16アルケニル、及びC~C16アルキニル、より好ましくは、例えば、ファルネシルを含むC~C16アルケニルからなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル、より好ましくは、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、更により好ましくは、水素又は-OC~Cアルキルからなる群から選択され、
が、-COH、-COから選択され、Rが、C~Cアルキル、又はカルボキシ基の等配電子等価物であり、
Yが、-(CH-CH)-又は-(CH=CH)-である、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
前記式IIの化合物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシルオキシ-3-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシルオキシ-3-メトキシフェニル)-プロピオン酸、そのアルキルエステル、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせから選択される酸又はアルキルエステルの形態である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
記式IIの化合物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
涙液中のMU5ACの濃度をタンパク質1ミリグラム当たり8ナノグラム以上15ナノグラムの範囲内に維持するための方法における使用のための組成物であって、前記方法は前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物が、
)安全かつ有効な量のアクロニキア・アシデュラ抽出物と
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物。
【請求項7】
角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの減少した又は低レベルの産生/放出/送達/排出を有する患者を治療するための方法における使用のための組成物であって、前記方法は眼、前記患者に前記組成物を局所投与する工程を含み、前記組成物が
i)安全かつ有効な量のアクロニキア・アシデュラ抽出物と
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物。
【請求項8】
ドライアイに関連する症状を予防するための方法における使用のための組成物であって、前記方法は患者に前記組成物を局所投与する工程を含み、前記組成物が、
)安全かつ有効な量のアクロニキア・アシデュラ抽出物と
ii)1つ又は2つ以上の粘滑剤又は鎮静剤と、
iii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物
【請求項9】
患者の眼の中かつ/又は眼の上の創傷の治癒を促進するか又は治癒速度を増加させるための方法における使用のための組成物であって、前記方法は前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物が、
i)安全かつ有効な量のアクロニキア・アシデュラ抽出物と
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチノール様活性及び特性を有する1つ若しくは2つ以上の抽出物及び/又は化合物を含む組成物、並びに眼を治療するために組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「ドライアイは、涙液膜の恒常性の損失を特徴とし、涙液膜不安定性及び遠視性、眼球表面炎症及び損傷、並びに神経感覚異常が病因的役割を果たす眼の症状を伴う眼の表面の多要因疾患である。」Craig,J.P.et al.TFOS DEWS II definition and classification report.Ocul Surf.2017;15:276-283。ドライアイは、異常な又は不十分な涙液の形成、及びムチン分泌の欠乏(すなわち、角膜炎症)をもたらす可能性がある。ドライアイ症状は、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、並びに全身性強皮症及びサルコイドーシスなどの涙(すなわち、涙液生成)腺を損傷する自己免疫障害などの様々な下層障害の結果として顕在化される可能性がある。ドライアイはまた、レーシック(商標)手術などの眼科手術後に誘導される可能性がある。ドライアイは、米国において1300万人を超える個体が罹患していると推定される。
【0003】
基礎病理にもかかわらず、ドライアイは、通常、眼球前涙液膜の急速な破壊を伴い、露出した外表面の脱水をもたらす。角膜及び結膜の湿った状態を維持するためには正常な涙液の形成が必要であり、これは、角膜の透明性を維持するために、両方の潰瘍を予防するのに役立つ。加えて、涙液は、眼の表面上の眼瞼の動き(例えばまばたき)及び眼からの異物の除去を促進する。涙液は、通常、眼における感染を予防するのに有用なリゾチームを含有する。ドライアイは、眼における重度の痛みに対する軽度の不快感に関連する可能性がある。それが長期間にわたって発生すると、かすみ眼、異物感、及び/又は灼熱感、及び痒みを引き起こす可能性がある。治療なしに状態が持続される場合、更に角膜潰瘍及び/又は瘢痕をもたらす可能性がある。
【0004】
ドライアイ症状としては、眼の痛み又は倦怠感、まばたきの増加、及び充血した眼が挙げられる。更に、細菌は、引っ掻きを介して侵入し、感染を引き起こす可能性があり、引っ掻きが十分に深い場合には、人の視覚に影響を及ぼす可能性がある。眼精疲労に加えて、ドライアイの原因としては、シェーグレン症候群、シュベニ・ジョンソン症候群、火傷及び眼への損傷、並びに斜辺薬、精神薬、緑内障を治療するための点眼剤、並びに他のそのような薬物の副作用が挙げられる。
【0005】
涙液膜は、ドライアイに対する身体の自然防衛である。涙液膜は、眼のムチンを含有し、湿潤眼表面の恒常性を維持するために必須である。ムチンは、特に、眼における角膜上皮細胞によって産生される。ムチンは、粘膜表面の上皮組織によって発現される糖タンパク質である。それは酸化防止剤として機能し、潤滑を提供することによって組織を保護する。涙液膜に関連するムチン遺伝子としては、MUC1、MUC2、MUC4、MUC5AC、MUC5B、MUC7、及びMUC16が挙げられる。
【0006】
ムチンはまた、一般的な創傷治癒に、抗菌剤として有用であり、全体的な眼の健康維持に不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生及び/又は放出を促進及び/又は改善すると考えられる眼科用医薬組成物が必要とされている。
【0008】
本発明者らは、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善し得るレチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物を発見した。
【0009】
したがって、本発明の態様は、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物に関する。
【0010】
本発明の別の態様は、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ又は2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物であって、涙液中にタンパク質1ミリグラム当たり6(又は約6)ナノグラムよりも低く、任意選択的に8(又は約8)ナノグラムのMUC5AC濃度を有するこの組成物を患者に投与し得、したがって、涙液中のMUC5ACの濃度が、タンパク質1ミリグラム当たり8(又は約8)ナノグラム~15(又は約15)ナノグラム、任意選択的に9(又は約9)ナノグラム~12(又は約12)ナノグラムに上昇される、組成物に関する。
【0011】
特定の実施形態では、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物からもたらされる上記の涙液中のMU5ACの濃度(すなわち、タンパク質1ミリグラム当たり8(又は約8)ナノグラム~15(又は約15)ナノグラム、任意選択的に9(又は約9)ナノグラム~12(又は約12)ナノグラム)が、最大で、少なくとも約2時間、任意選択的に約4時間、任意選択的に約6時間、任意選択的に約8時間、任意選択的に約10時間、任意選択的に約12時間、又は任意選択的に約12~約24時間維持される。
【0012】
上記に詳述される涙液中のMUC5ACの濃度は、Uchino法(以下の定義において記載)を使用して求められる。
【0013】
本発明の別の態様は、ドライアイを治療するために角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物に関する。
【0014】
本発明の別の態様は、ドライアイに関連する眼の症状を予防及び治療(例えば、軽減)する、並びに/又は、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物を投与することによって、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの低減された若しくは低レベルの産生/放出/送達/排出からもたらされる方法に関する。
【0015】
本発明の別の態様は、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物を投与することによって、患者の眼(例えば、非ドライアイ関連、眼の外傷、術後の外科的又は非特異的創傷)内及び/又は上の創傷の治癒を促進する又は治癒速度を高くする(すなわち、特定の実施形態において、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ又は2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物の投与なしに(又は存在なしに)このような患者によって産生されるムチンの濃度レベルを超える、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を増加させる)方法に関する。
【0016】
本発明の別の態様は、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善する安全かつ有効な量の1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物を投与することによって、患者の涙液(又は眼の涙液膜)における抗菌特性を改善する(すなわち、特定の実施形態において、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ又は2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物の投与なしに(又は存在なしに)このような患者によって産生されるムチンの濃度レベルを超える、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を増加させる)ための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、組成物を投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でムチンを産生/放出/送達/排出するための方法(任意選択的に、ムチンのこのような産生/放出/送達/排出を必要とする患者における)であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0018】
【化1】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む。
【0019】
本発明は、組成物を投与する工程を含む、涙液中のMU5ACの濃度をタンパク質1ミリグラム当たり8ナノグラム以上15ナノグラムの範囲内に維持するための方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0020】
【化2】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法に関する。
【0021】
本発明は、組成物を患者の眼に局所投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出が減少した又は低レベルの患者を治療するための方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0022】
【化3】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法に関する。
【0023】
本発明は、患者に組成物を局所投与する工程を含む、ドライアイに関連する症状を予防又は治療する(任意選択的に、ドライアイ症状におけるこのような予防又は低減の患者のニーズにおいて)ための方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0024】
【化4】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)1つ又は2つ以上の粘滑剤又は鎮静剤と、
iii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法に関する。
【0025】
本発明は、組成物(すなわち、特定の実施形態では、レチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ又は2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物の投与なしに(又は存在なしに)このような患者によって産生されるムチンの濃度レベルを超えて、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を増加させる)を投与する工程を含み、患者の眼内及び/又は上の創傷の治癒を促進する又は治癒速度を高くする(任意選択的に、このような眼の創傷の治癒の患者のニーズにおいて)ための方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0026】
【化5】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法に関する。
【0027】
本発明は、組成物(すなわち、特定の実施形態では、レチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含む組成物の投与なしに(又は存在なしに)このような患者によって産生されるムチンの濃度レベルを超えて、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を増加させる)を投与する工程を含み、患者の涙液(又は眼の涙液膜)における抗菌特性を改善するための(任意選択的に、このような抗菌特性の患者の必要性において)方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0028】
【化6】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】角膜上皮細胞におけるレモンアスペン抽出物によって誘導されたMUC1、MUC4、及びMUC16遺伝子発現を示す棒グラフを示す。
図2】角膜上皮細胞におけるレモンアスペン抽出物によって誘導されたムチン-1分泌を示す棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
当業者であれば、本明細書の記載に基づいて本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の具体的な実施形態は、あくまで例示的なものとして解釈され得、いかなる意味においても以下の開示を限定するものとして解釈してはならない。
【0031】
本発明の組成物は、本明細書に記載される本発明の要素、工程及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加若しくは任意成分、構成成分、又は制限事項を含む、これらからなる、又はこれらから本質的になることができる。
【0032】
本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という用語(及びその文法的変形)は、「有する(having)」又は「含む(including)」を包括する意味で用いられ、「のみからなる(consisting only of)」とする排他的な意味では用いられない。本明細書で使用する場合、「a」及び「the」という用語は、単数に加えて複数も包含すると理解される。
【0033】
別段の定めがある場合を除き、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野における当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。また、本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらが本明細書と矛盾しない範囲で、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書で使用する場合、全ての百分率は、特に規定しない限り、組成物全体の重量による。
【0034】
本明細書で使用する場合、「角膜」又は「角膜の」という用語は、虹彩、瞳孔、及び前眼房を覆う眼の透明な前方部分を含み、かつ/又はそれに関連し、透明な前方部分の層は、角膜上皮層(角膜上皮細胞を含む)、ボーマン膜(前方制限膜としても知られる)、角膜実質(また、固有質)、デスメ膜(また、後境界板)、及び角膜内内皮(単純扁平又は低立方状単層、約5μmの厚さ、ミトコンドリアに富んだ細胞)を含む。
【0035】
本明細書で使用する場合、「角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの減少した又は低レベルの産生/放出/送達/排出」という句は、通常の(すなわち、非疾患の)人の涙中のMUC5ACの濃度よりも低い、MUC5ACの濃度を意味し、あるいは、特定の実施形態では、Uchino Y,Uchino M,Yokoi N,et al.のAlteration of Tear Mucin 5AC in Office Workers Using Visual Display Terminals:The Osaka Study.JAMA Ophthalmol.n2014;132(8):985-992に記載の方法を使用して決定されるように、タンパク質1ミリグラム当たり6ナノグラム未満、任意選択的に8ナノグラム未満である。この方法(Uchinoの方法)を以下に再現する。
・涙液のMUC5AC濃度
涙液試料中の分泌されたムチンMUC5ACの濃度を、酵素結合イムノアッセイ(E90756Hu;USCN Life Science)によって定量化した。(Maker AV,Katabi N,Gonen MらのPancreatic cyst fluid and serum mucin levels predict dysplasia in intraductal papillary mucinous neoplasms of the pancreas.Ann Surg Oncol.第2011;18(1):199-206を参照)全試料を、製造元の取扱説明書に従って分析した。吸光度を450nmで測定し、キット中の標準溶液を組換えヒトMUC5ACとした。タンパク質アッセイ試薬キット(BCAタンパク質アッセイキット;Pierce)を使用して、涙液試料中のタンパク質濃度を求めた。MUC5AC濃度を、涙液タンパク質含量に対して正規化し、涙液総タンパク質(ミリグラム)当たりのMUC5ACタンパク質(ナノグラム)として表した。
【0036】
本明細書で使用する場合、ある成分を「本質的に含まない」組成物とは、組成物の総重量に基づいて、その成分を約2重量%以下しか有しない組成物を意味する。好ましくは、ある成分を本質的に含まない組成物は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%以下、より好ましくは約0.5重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、より好ましくは約0.05重量以下、より好ましくは約0.01重量%以下しか当該成分を有しない。特定のより好ましい実施形態では、ある成分を本質的に含まない組成物は、その成分を含まない、すなわち組成物中にその成分が存在しない。
【0037】
本明細書で使用する場合、「眼科的に許容可能な」とは、この用語がさす成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、組織(例えば、眼又は眼窩周囲皮膚組織の軟組織)と接触して使用するのに好適であることを意味する。当業者に認識されるように、眼科的に許容可能な塩は、酸性/アニオン性又は塩基性/カチオン性の塩である。
【0038】
本明細書で使用する場合、「安全かつ有効な量」という用語は、角膜の1つ又は2つ以上の層からかつ/又は層内のムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進及び/又は改善するのに十分であるが、深刻な副作用を回避できる程度に少ない、開示された抽出物、化合物、又は組成物の量を意味する。化合物、抽出物、又は組成物の安全かつ有効な量は、例えば、エンドユーザーの年齢、健康状態及び環境曝露、治療の期間及び性質、使用される具体的な抽出物、成分、又は組成物、使用される具体的な医薬的に許容可能なキャリア、及び同様の要因に応じて異なる。
【0039】
「レチノール様特性及び/又は利益」という用語は、レチノールによって誘導される特性及び/又は利益を意味する。
【0040】
特定の実施形態では、本明細書において開示する本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の化合物若しくは要素(又は、化合物群若しくは要素群)がなくとも実施し得るものである。
【0041】
一般に、IUPAC命名法は、本明細書において、以下の用語の定義に従って使用される。
【0042】
「C1~8アルキル」という用語は、単独で使用されようと、置換基の一部として使用されようと、1~8個の炭素原子を有する飽和脂肪族分枝鎖又は直鎖一価炭化水素ラジカルを指す。例えば、「C1~8アルキル」は、具体的には、ラジカルメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、1-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、3-オクチルなどを含む。この用語はまた、対応するアルキルジイルラジカルも指し得る。アルキル及びアルキルジイルラジカルは、末端炭素原子を介して又は鎖内の原子を介してコア分子に結合し得る。同様に、利用可能な原子価が許せば、任意の数の置換基変数が、アルキル又はアルキルジイルラジカルに結合し得る。
【0043】
「C1~4アルキル」という用語は、単独で使用されようと、置換基の一部として使用されようと、特定の数の炭素原子を有する飽和脂肪族分枝鎖又は直鎖一価炭化水素ラジカル又はアルキルジイル連結基を指し、当該ラジカルは、炭素原子から1個の水素原子を除去することによって得られ、当該アルキルジイル連結基は、鎖内の2個の炭素原子のそれぞれから1個の水素原子を除去することによって得られる。「C1~4アルキル」という用語は、直鎖又は分枝鎖配置の1~4個の炭素原子を有するラジカルを指す。例えば、「C1~4アルキル」は、具体的には、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、1-ブチルなどのラジカルを含む。アルキル及びアルキルジイルラジカルは、末端炭素原子を介して又は鎖内の原子を介してコア分子に結合し得る。同様に、利用可能な原子価が許せば、任意の数の置換基変数が、アルキル又はアルキルジイルラジカルに結合し得る。
【0044】
「C2~4アルケニル」という用語は、2~4個の炭素原子を有するアルケニルラジカルを指す。例えば、具体的には、ラジカルエテニル、プロペニル、アリル(2-プロペニル)、ブテニルなどを含む。上述のように、アルケニルラジカルも同様にコア分子に結合し得、示される場合は更に置換されてもよい。
【0045】
「ハロ」という用語は、それ自体又は他の用語と組み合わせて、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードなどのハロゲン原子を意味する。
【0046】
「置換された」という用語は、1つ又は2つ以上の水素原子が、利用可能な原子価が許す量の置換基で置換されているコア分子を指す。置換は、コア分子には限定されず、置換基ラジカルでも生じ得、それによって、ラジカルは連結基になる。
【0047】
「独立して選択される」という用語は、置換基変数群から選択され得る2つ又は3つ以上の置換基を指し、選択された置換基は同じであっても異なっていてもよい。
【0048】
「依存的に選択される」という用語は、コア分子内の置換について指定の組み合わせで特定される1つ又は2つ以上の置換基変数(例えば、化合物の表のリストに記載されている置換基の群を指す変数)を指す。
【0049】
無機塩基由来の許容可能な塩としては、例えば、ナトリウム又はカリウムの塩などが挙げられる。有機塩基由来の許容可能な塩としては、例えば、一級、二級、又は三級のアミンなどと形成された塩が挙げられる。
【0050】
レチノール様生物活性及び/又は特性を呈する化合物/抽出物
本発明は、アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0051】
【化7】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物を含む。
【0052】
アクロニキア種、リカリア種、キンセンカ種及び/又はレイリョウコウ種の植物抽出物
特定の実施形態では、レチノール様特性及び/又は利益を呈する化合物/抽出物は、植物アクロニキア、リカリア、キンセンカ及び/又はレイリョウコウの抽出物又は抽出物源を含む。アクロニキア、リカリア、キンセンカ若しくはレイリョウコウの抽出物、又はこのような抽出物の供給源は、アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属又はレイリョウコウ属の植物から得られる。
【0053】
本発明において有用な抽出物が得られるアクロニキア属の植物としては、例えば、アクロニキア・アベランス、アクロニキア・アシデュラ(本明細書ではレモンアスペンとも称される)、アクロニキア・アクロニキオイデス、アクロニキア・アキュミナーテ、アクロニキア・バウアレンニ、アクロニキア・クーリーチラム、アクロニキア・クラシペタラ、アクロニキア・ユーゲレンシス、アクロニキア・インペルフォラテ、アクロニキア・ラエヴィス、アクロニキア・ラウリフォリア、アクロニキア・リトラリス、アクロニキア・オブロンジフォリア、アクロニキア・オクタナラ、アクロニキア・パルウィフローラ、アクロニキア・パウシフローラ、アクロニキア・ペダンクラータ、アクロニキア・プベッセンス、アクロニキア種(バタヴィア・ダウンス)、アクロニキア・スベロサ、アクロニキア・ヴェスティータ、アクロニキア・ウィルコクシニア、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。一実施形態では、本発明で使用される抽出物は、アクロニキア・アシデュラから得られた。
【0054】
本発明において有用な抽出物が得られるリカリア属の植物としては、例えば、リカリア・ベルニコーサ、リカリア・ブリットニアナ、リカリア・カネラ、リカリア・キュベンシス、リカリア・ベルチナ及びリカリア・トリアンドラ、並びにこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。報告されているリカリア属には約40種が存在し、それらは中南米に固有である。一実施形態では、本発明で使用される抽出物は、リカリア・ベルニコーサから得られる。
【0055】
報告されているキンセンカ属には約15~20種が存在し、南西アジア、西ヨーロッパ、マカロネシア、及び地中海沿岸で見出される。本発明において有用な抽出物が得られるキンセンカ属の植物としては、例えば、カレンドゥラ・アルヴェンシス(フィールドマリゴールド)、カレンデュラ・マデレンシス(フィールドマリゴールド)、及びキンセンカ(ポットマリーゴールド)及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。一実施形態では、本発明で使用される抽出物は、キンセンカから得られる。
【0056】
レイリョウコウ属の植物としては、既知の36種のレイリョウコウ属の植物種が挙げられ、これらから本発明において有用な抽出物が得られ、それらとしては、例えば、トリゴネラ・フェヌグリーク、トリゴネラ・バランサエ、トリゴネラ・コルニクラータ、トリゴネラ マリティマ、トリゴネラ・スピカタ、トリゴネラ・カエルレア、トリゴネラ・オクルタ、トリゴネラ・ポリセラタ、トリゴネラ・カリセラス、トリゴネラ・クレティカ、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。フェヌグリーク又はハーブフェヌグリークは、最もよく知られているレイリョウコウ属の種である。一実施形態では、本発明で使用される抽出物は、フェヌグリークから得られる。
【0057】
特定の実施形態では、本発明で使用される抽出物は、アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属又はレイリョウコウ属の植物から得られる抽出物の混合物である。
【0058】
本発明において有用なリカリア・ベルニコーサの抽出物は、Baruch S.Blumerg Institute,Doylestown,PA(旧称がIVHRである)から得られ得る。特定の実施形態では、1つの抽出物は、植物(E2)の木質部から得られ、第2の抽出物は、植物の根(E3)由来であった。IHVR収集の命名法の範囲内で、2つの抽出物は、それぞれIHVR_40256_G10=X-005348-001E002及びIHVR_40256_E10=X-005346-001M002として標識される。リカリア・ベルニコーサ(Mez)コステルムの木質部及び根は、ガイアナで収集され得る。乾燥した粉砕木質植物材料504.3gを、十分なメタノールで抽出することができ、これを真空中で乾燥させて、X-005348-001E002の粗メタノール抽出物(E2)10.54gを得ることができる。403.8gの乾燥した接地根材料を、十分なメタノールで抽出することができ、これを真空下で乾燥させて、18.11gの粗メタノール抽出物(E3)をX-005346-001M002で産出することができる。
【0059】
特定の実施形態では、本発明において有用なアクロニキア及び/又はリカリア抽出物は、式IIを有する化合物を含み、
【0060】
【化8】
式中、
は、C~C20アルキル、C~C20アルケニル、C~C20アルキニル、及びC~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル又はアリール、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル又はアリール、チオール、-SC~Cアルキル、-SC~Cアルケニル、-SC~Cアルキニル、SC~Cシクロアルキル又はアリール、-NR~Cアルキル、-NR~Cアルケニル、-NR~Cアルキニル、及び-NR~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
は、-COH、-CO又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cシクロアルキル又はアリールであり、
Yは、-(CH-CH)-、-(CH=CH)-、又は-(C≡C)-、
又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
【0061】
特定の実施形態では、本発明において有用なアクロニキア及び/又はリカリア抽出物は、式IIを有する化合物を含み、
【0062】
【化9】
式中、
は、C~C16アルキル、C~C16アルケニル、C~C16アルキニル、より好ましくは、例えば、ファルネシルを含むC~C16アルケニルからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル、より好ましくは水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、更により好ましくは水素又は-OC~Cアルキルからなる群から選択され、
は、-COH、-COから選択され、Rは、C~Cアルキル、又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、
Yは、-(CH-CH)-又は-(CH=CH)-、
又はその眼科的に許容可能な塩である。
【0063】
特定の実施形態では、式IIの化合物のうちの少なくとも1つは、アクロニキア及び/又はリカリアの抽出物の1重量%以上(又は約1重量%)~約20%、又は任意選択的に約7重量%(又は約7重量%)~約10%(又は約10重量%)の濃度でアクロニキア及び/又はリカリアの抽出物中に存在する。
【0064】
特定の実施形態では、本発明において有用な式IIの化合物は、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシオキシ-3-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシオキシ-3-メトキシフェニル)-プロピオン酸、そのアルキルエステル、特にこれらのエチルエステル、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせから選択される酸又はアルキルエステルの形態である。
【0065】
特定の実施形態では、本発明で有用な式IIの化合物は、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである。
【0066】
特定の実施形態では、本発明で有用な式IIの化合物は、3-(4-ファルネシルオキシ-3-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである。
【0067】
特定の実施形態では、本発明で有用な式IIの化合物は、3-(4-ファルネシルオキシ-3-メトキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである。
【0068】
アクロニキア種に由来する化合物及び抽出物は、米国特許第9,220,928号に記載されており、この特許は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0069】
特定の実施形態では、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルは、アクロニキア及び/又はリカリアの抽出物の1重量%以上(又は約1重量%)~約20%、又は任意選択的に約7重量%(又は約7重量%)~約10%(又は約10重量%)の濃度でアクロニキア及び/又はリカリアの抽出物中に存在する。
【0070】
方法がこのような抽出物を適用することを含む実施形態に対しては、アクロニキア及び/又はリカリアの様々な抽出物のいずれかを使用してもよい。抽出物は、果実、種子、樹皮、葉、花、根及び木などの植物の任意の部分から得ることができる。
【0071】
特定の実施形態では、抽出物は、植物の果実から得られる。アクロニキア及び/又はリカリアの果実、種子、樹皮、葉、花、根、及び木の好適な抽出物を、限定されるものではないが、粉砕、離解、押圧、圧搾、摺り潰し、遠心分離、及び/又は、冷間灌注、攪拌/蒸留、マイクロ波支援抽出、超臨界/亜臨界CO圧縮ガス抽出、加圧溶媒抽出、加速溶媒抽出、加圧又は通常熱水抽出、界面活性剤支援加温温水抽出、油抽出、膜抽出、ソックスレー抽出、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7442391号、同第7473435号及び同第7537791号(Integrated Botanical Technologies,LLC)に開示されている金指蒸留/抽出及び/又はプロセスによる、又は溶媒抽出などの他の方法による、バイオマスからの材料の直接抽出を含む従来の方法を使用して得てもよい。極性溶媒、非極性溶媒、又はこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせを含む様々な溶媒のいずれも、溶媒抽出を含む方法で使用されてもよい。
【0072】
好適な極性溶媒としては、水などの極性無機溶媒、アルコール及び対応する有機酸などの極性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを含むC~Cアルコール、並びに酢酸、ギ酸、プロパン酸などを含む有機酸、C~Cポリオール/グリコールなどを含むポリオール及びグリコール、並びにこれらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。好適な非極性溶媒としては、C~Cアルカンを含むアルカン、C~Cアルカンを含むシクロアルカン、C~Cアルキルエーテルを含むアルキルエーテル、石油エーテル、C~Cケトンを含むケトン、塩化メチレン、酢酸エチル、キシレン、トルエン、クロロホルム、植物油、鉱油などを含むケトンなどの非極性有機溶媒が挙げられる。別の実施形態では、抽出は、上記の非極性溶媒、又はC~Cアルコール、水、C~Cポリオール/グリコール若しくはC~C有機酸などの極性修飾剤を用いて又は用いずに超臨界流体抽出によって得られ得る。
【0073】
一実施形態では、抽出物は、アクロニキア・アシデュラの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、アクロニキア・アシデュラの果実由来の極性抽出物と非極性抽出物との組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、アクロニキア・アシデュラの果実のアルコール抽出物又はグリコール抽出物を含む。
【0074】
一実施形態では、抽出物はリカリア・ベルニコーサの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、リカリア・ベルニコーサの木又はリカリア・ベルニコーサの根由来の極性抽出物及び非極性抽出物の組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、リカリア・ベルニコーサの木又はリカリア・ベルニコーサの根のアルコール抽出物を含む。
【0075】
別の実施形態では、本発明の抽出物は、水、C~Cアルコール、C~Cポリオール、C~Cグリコール、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせを含む極性溶媒を使用して、アクロニキア・アシデュラの果実、リカリア・ベルニコーサの木、又はリカリア・ベルニコーサの根から抽出することによって調製される極性抽出物を含む。特定の実施形態では、抽出物は、1つ又は2つ以上のC~Cアルコール、C~Cポリオール、及び/又はC~Cグリコールを使用して抽出される。特定の実施形態では、抽出物は、メタノール、エタノール、又は水の存在下又は非存在下でのこれらの組み合わせを含む溶媒を使用して調製される。別の実施形態では、抽出物は、アルコールと水との組み合わせを用いてアクロニキア・アシデュラの果実から抽出される極性抽出物である。更に別の実施形態では、抽出物は、メタノールを使用してリカリア・ベルニコーサの粉砕された木、又はリカリア・ベルニコーサの粉砕された根から抽出された極性抽出物である。
【0076】
更に別の実施形態では、抽出物は、1つ又は2つ以上のC~Cアルカン、C~Cシクロアルカン、C~Cアルキルエーテル、C~Cアルキルエステル及び/又はクロロホルム、より好ましくは1つ又は2つ以上のC~Cアルカン、C~Cアルキルエステル及び/又はクロロホルムを含む非極性溶媒を使用して、アクロニキア・アシデュラの果実、リカリア・ベルニコーサの木、又はリカリア・ベルニコーサの根から抽出することによって調製される非極性抽出物を含む。更に別の実施形態では、非極性抽出物は、ヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、又はこれらの2つ若しくは3つ以上の混合物を使用して、アクロニキア・アシデュラの果実、リカリア・ベルニコーサの木、又はリカリア・ベルニコーサの根から抽出される。更に別の実施形態では、非極性抽出物は、酢酸エチルを使用して、アクロニキア・アシデュラの果実から抽出される。
【0077】
一実施形態では、抽出物は、キンセンカの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、キンセンカの花弁の極性抽出物と非極性抽出物との組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、キンセンカの花弁の非極性抽出物を含む。
【0078】
一実施形態では、抽出物は、フェヌグリークの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、フェヌグリークの葉の極性抽出物と非極性抽出物との組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、フェヌグリークの葉の非極性抽出物を含む。
【0079】
更に別の実施形態では、キンセンカ及び/又はレイリョウコウ抽出物は、1つ又は2つ以上のC~Cアルカン、C~Cシクロアルカン、C~Cアルキルエーテル、C~Cアルキルエステル及び/又はクロロホルム、より好ましくは1つ又は2つ以上のC~Cアルカン、C~Cアルキルエステル及び/又はクロロホルムを含む非極性溶媒を使用して調製される非極性抽出物である。
【0080】
更に別の実施形態では、キンセンカ及び/又はレイリョウコウ抽出物は、ヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、又はこれらの2つ若しくは3つ以上の混合物を使用して調製される非極性抽出物である。更に別の実施形態では、抽出物は、酢酸エチルを使用して調製される非極性抽出物である。
【0081】
一実施形態では、植物抽出物は、アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の細胞培養物を含む様々な植物の細胞培養物を抽出することによって得られ得る。本発明で使用する植物抽出物を得るために抽出される細胞培養物は、懸濁細胞培養などを含む任意の形態であってもよい。
【0082】
キンセンカ及びフェヌグリークの抽出物は、Caithness Biotechnologies Ltd、UK(http://www.caithnessbiotechnes.com)から入手できる。これらの抽出物は、購入のために誰でも利用可能なPhytotitre Natural Product Libraryの一部である。代替的に、抽出物は、非極性としてCaithness Biotechnologies Ltd.によって記載され、メタノールと塩化メチレンとの混合物で調製される調製方法を使用して得られ得る。詳細な説明については、ウェブページhttp://caithnessbiotechnlogies.com/contact t.htmlを参照されたい。典型的な抽出では、予め秤量した乾燥バイオマスの粉末を、メタノール/塩化メチレン(1:1)の混合物中に、周囲温度で一晩にわたって懸濁させ、撹拌する。次いで、懸濁液を濾過し、濾液を、溶媒を含まない残渣に対する減圧下で乾燥させる。
【0083】
特定の実施形態では、アクロニキア、リカリア、キンセンカ、及び/又はレイリョウコウの抽出物は、組成物の約0.001重量%~約10重量%、任意選択的に約0.001重量%~約5重量%、又は任意選択的に約0.01重量%~約1重量%の量で本発明の組成物中に存在する。
【0084】
レチノール様特性及び/又は利益を呈するアクチノマイセス属の細菌抽出物
特定の実施形態では、レチノール様特性及び/又は利益を呈する化合物/抽出物は、アクチノマイセス属の細菌抽出物であるか、又はアクチノマイセス属の細菌抽出物を含む。アクチノマイセス属の細菌としては、完全に特徴付けられている多くの種、並びにそれらのうちの一部は、十分に特徴付けられていない種、例えば、米国から収集され、種A5640として標識される。この細菌の試料が収集され、培養物中で増殖させ、抽出物にする。抽出物は、現在、Baruch S.Blumerg Institute、Doylestown,PA(以前はInstitute of Hepatitis Virus Research Labs(IHVR)として知られていた)の管理下にある天然物収集の一部である。IHVR収集の命名法の範囲内では、抽出物は、IHVR_39565_F7として標識されている。
【0085】
一実施形態では、本発明で使用される抽出物は、抽出物A5640により生成されるものと同様の化学組成を生成する能力を有するアクチノマイセス種から得られる。別の実施形態では、細菌は、米国で収集され、菌株は、予め割り当てられている種A5640と同一である。
【0086】
特定の実施形態では、アクチノマイセスの抽出物は、組成物の0.001重量%~10重量%、任意選択的に、0.001重量%~5重量%、又は任意選択的に、0.01重量%~1重量%の量で組成物中に存在する。
【0087】
レチノイン様生物活性及び/又は特性を呈する(式(I)の化合物(1つ又は複数)。
特定の実施形態では、レチノール様特性及び/又は効果を呈する化合物/抽出物は、式(I)の化合物であるか、又は式(I)の化合物を含み、
【0088】
【化10】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物を含む。
【0089】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、Li、Na、K、Ca2+、又はMg2+(これらに限定されない)のような金属イオンの対応する塩を含む。
【0090】
特定の実施形態では、式Iの化合物は、
【0091】
【化11】
(2E,4E,6E)-7-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-3-メチルオクタ-2,4,6-トリエン酸
又は
【0092】
【化12】
4-(1-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)ビニル)安息香酸、及び各場合において、レチノイド様活性を示すそれらの誘導体である。これらの化合物は、それぞれ化合物1及び化合物2として、以下の実施例6及び7において参照される。
【0093】
本発明は、レチノイド様活性を示す(2E,4E,6E)-7-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-3-メチルオクタ-2,4,6-トリエン酸及び4-(1-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)ビニル)安息香酸、これらの誘導体、並びにこれらの混合物などの式Iの化合物に関する。
【0094】
レチノール様特性及び/又は利益を呈する化合物/抽出物/抽出物源のいずれかの混合物をまた、使用してもよい。
【0095】
式Iの化合物及び抽出物は、米国特許公開第2019/0091122号に記載されており、この特許は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0096】
特定の実施形態では、式Iの化合物(複数可)は、本発明の組成物中に、組成物の約0.0001重量%~約20重量%、任意選択的に、約0.001重量%~約10重量%、任意選択的に、約0.01重量%~約5重量%、又は任意選択的に、約0.2~約2重量%の量で存在する。更に別の実施形態では、式Iの化合物(複数可)は、本発明の組成物中に、組成物の約0.0001重量%~約1重量%、任意選択的に、約0.001重量%~約1重量%、又は任意選択的に、約0.01~約1重量%の量で存在する。
【0097】
本発明者らは、レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物は、角膜上皮細胞由来のムチンの送達/排出を促進及び/又は改善し得ることを発見した。
【0098】
透過促進剤
特定の実施形態では、本発明の組成物は、任意選択的に、透過促進剤を含む。
【0099】
好適な透過促進剤は、サポニン、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレン4-、9-、10-、及び23-ラウリルエーテルなどの脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレン10-及び20-セチルエーテル、ポリオキシエチレン10-及び20-ステアリルエーテル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン、デカメトニウム、臭化デカメトニウム、及び臭化ドデシルトリメチルアンモニウムなどの界面活性剤;天然ポリ酸(例えば、クエン酸)、リン酸塩(例えば、ピロリン酸二ナトリウム)、ホスホン酸塩、ビスホスホン酸塩(例えば、エトリドロン酸)、アミノカルボン酸(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びEDTA二ナトリウム)及びエチレンジアミン-N、N’-二コハク酸(EDDS))などのキレート化剤;コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、グリココール酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸、及びウルソデオキシコール酸などの胆汁酸塩及び胆汁酸;サポニンEDTA、フシジン酸、ポリオキシエチレン9-ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン20-ステアリルエーテル、グリココール酸塩、又は上記のいずれかの混合物を含む、フシジン酸誘導体、グリチルリジン酸、及びグリチルリチン酸アンモニウムを単独で又は組み合わせてのいずれか一方で含む(これらから選択されるか、又はこれらからなる群から選ばれる)。
【0100】
投与される透過促進剤の濃度は、眼の粘膜又は他のバリア膜を介した化合物及び/又は抽出物の吸収を十分に増加させるために必要な最小量であるべきである。概ね、組成物全体(w/v)の0.01%(又は約0.01%)から、任意選択的に、0.05%(又は約0.05%)から、任意選択的に、0.1%(又は約0.1%)から、任意選択的に、0.15%(又は約0.15%)から、任意選択的に、0.2%(又は約0.2%)から、任意選択的に、0.25%(又は約0.25%)から2%(又は約2%)まで、任意選択的に、2.5%(又は約2.5%)まで、任意選択的に、3%(又は約3%)まで、任意選択的に、3.5%(又は約3.5%)まで、任意選択的に、4%(又は約4%)まで、任意選択的に、4.5%(又は約4.5%)まで、任意選択的に、5%(又は約5%)まで、任意選択的に、5.5%(又は約5.5%)まで、任意選択的に、6%(又は約6%)まで、任意選択的に、6.5%(又は約6.5%)まで、任意選択的に、7%(又は約7%)まで、任意選択的に、7.5%(又は約7.5%)まで、任意選択的に、8%(又は約8%)まで、任意選択的に、8.5%(又は約8.5%)まで、任意選択的に、9%(又は約9%)まで、任意選択的に、9.5%(又は約9.5%)まで、任意選択的に、10%(又は約10%)まで、任意選択的に、10.5%(又は約10.5%)まで、任意選択的に、11%(又は約11%)まで、任意選択的に、11.5%(又は約11.5%)まで、任意選択的に、12%(又は約12%)まで、任意選択的に、12.5%(又は約12.5%)まで、任意選択的に、13%(又は約13%)まで、任意選択的に、13.5%(又は約13.5%)まで、任意選択的に、14%(又は約14%)まで、任意選択的に、14.5%(又は約14.5%)まで、任意選択的に、15%(又は約15%)まで、任意選択的に、15.5%(又は約15.5%)まで、任意選択的に、16%(又は約16%)まで、任意選択的に、16.5%(又は約16.5%)まで、任意選択的に、17%(又は約17%)まで、任意選択的に、17.5%(又は約17.5%)まで、任意選択的に、18%(又は約18%)まで、任意選択的に、18.5%(又は約18.5%)まで、任意選択的に、19%(又は約19%)まで、任意選択的に、19.5%(又は約19.5%)まで、任意選択的に、20%(又は約20%)までの範囲に及ぶ濃度が、本発明の組成物で有用である。
【0101】
眼科的に許容可能な担体
本発明の組成物はまた、水性、水中油型エマルション、又は油中水型エマルションキャリアも含む。担体は、眼科的に許容可能である。有用な水中油型担体及び水-油担体は、米国特許公開第20030165545(A1)号並びに米国特許第9480645号、同第8828412号及び同第8496976号に見出すことができ、これらの特許文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
眼科的に許容可能な担体(又は、本発明の組成物)は、任意選択的に、1つ若しくは2つ以上の更なる賦形剤及び/又は1つ若しくは2つ以上の更なる有効成分を含んでもよい。このような任意成分の例について、以下に説明する。
【0103】
眼科用組成物において使用される賦形剤としては、粘滑剤、等張化剤、防腐剤、キレート剤、緩衝剤(本発明の有機酸以外、及びそれに加えて)、並びに界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。他の賦形剤としては、可溶化剤、安定化剤、快適性増強剤、ポリマー、皮膚軟化剤、pH調整剤(本発明の有機酸以外、及びそれに加えて)、並びに/又は潤滑剤が挙げられる。水、水と水混和性溶媒の混合物、例えば0.5%~5%の非毒性水溶性ポリマーを含む植物油又は鉱物油、天然生成物、例えば寒天及びアカシア、デンプン誘導体、例えば酢酸デンプン及びヒドロキシプロピルデンプン、並びに他の合成生成物、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、酸化ポリエチレン、及び、好ましく架橋したポリアクリル酸、並びにこれらの組み合わせをも含む任意の種々の賦形剤が、本発明の組成物において使用されてよい。
【0104】
本発明の実施形態と共に使用される粘滑剤又は鎮静剤としては、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒプロメロース又はそれらの混合物など)、ヒアルロン酸、タマリンド種子抽出物、グリセリン、ポリビニルピロリドン、酸化ポリエチレン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びポリアクリル酸、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。特定の実施形態では、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、タマリンド種子抽出物、グリセリン及び/又はポリエチレングリコール400のうちの1つ又は2つ以上が、粘滑剤又は鎮静剤である。特定の実施形態では、粘滑材又は鎮静剤は、ヒアルロン酸、タマリンド種子抽出物、又はこれらの混合物から選択される。
【0105】
本発明の組成物は、被験者の眼への適用に対して眼科的に好適である。「水溶性」という用語は、通常、賦形剤が約50重量%よりも多く、より好ましくは約75重量%よりも多く、特に約90重量%よりも多い水である水性製剤を表す。特定の実施形態では、本発明の組成物はまた、眼を刺激する化合物を本質的に含まない。特定の実施形態では、本発明の組成物は、遊離脂肪酸及びC~Cアルコールを本質的に含まない。特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体の40重量%(又は約40重量%)未満、任意選択的に、35重量%(又は約35重量%)未満、任意選択的に、30重量%(又は約30%)未満、任意選択的に、25重量%(又は約25重量%)未満、任意選択的に、20重量%(又は約20重量%)未満、任意選択的に、15重量%(又は約15重量%)未満、任意選択的に、10重量%(又は約10重量%)未満、又は任意選択的に、5重量%(又は約5重量%)未満の非アルコール、有機賦形剤又は溶媒を含む。これらの液滴は、好ましくは無菌であり得、したがって、製剤の静菌成分を不要にし得る単回用量のアンプルから送達され得る。代替的に、滴は、当該技術分野において周知である装置のような、送達される際に組成物から任意の防腐剤を抽出する装置を好ましくは備え得る、多回用量ボトルから送達され得る。
【0106】
特定の実施形態では、本発明の組成物は等張性である、又は蒸発及び/若しくは疾患により引き起こされるあらゆる涙の高張性と闘うために、わずかに低張性である。これは、製剤のオスモル濃度をキログラム当たり210~320ミリオスモル(mOsm/kg)又はその近傍のレベルに近づけるために、等張化剤を必要とする場合がある。本発明の組成物は、一般に、220~320mOsm/kgの範囲のオスモル濃度を有する、又は任意選択的に、235~300mOsm/kgの範囲のオスモル濃度を有する。眼科用組成物は、一般に、無菌水溶液として製剤化することができる。
【0107】
本発明の組成物のオスモル濃度は、組成物の意図される使用と適合する値に等張化剤を用いて調節され得る。例えば、組成物の浸透圧は、水中の塩化ナトリウム約0.9w/v%に相当する正常な涙液の浸透圧に近似するように調節されてもよい。好適な等張性調整剤の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び塩化マグネシウム、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、マンニトール、ソルビトールなど及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、組成物の張度を調整するために塩化ナトリウムと塩化カリウムとの組み合わせを使用する。
【0108】
本発明の組成物はまた、医薬的に活性な化合物を投与するために使用することができる。このような化合物としては、緑内障治療薬、鎮痛剤、抗炎症薬及び抗アレルギー薬、並びに抗菌薬が挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に活性な化合物のより具体的な例としては、ベタキソロール、チモロール、ピロカルピン、炭酸脱水酵素阻害剤及びプロスタグランジン、ドーパミン作動性アンタゴニスト、術後抗高血圧剤、例えばパラアミノクロニジン(アプラクロニジン)塩、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、及びトブラマイシンなどの抗感染症剤、非ステロイド性及びステロイド性抗炎症薬、例えばナプロキセン、ジクロフェナク、ネパフェナク、スプロフェン、ケトロラク、テトラヒドロコルチゾール及びデキサメタゾン、PDE4阻害剤などのドライアイ治療薬、並びにH1/H4阻害剤、H4阻害剤、オロパジン又はこれらの混合物などの抗アレルギー薬が挙げられる。
【0109】
本発明の製剤を構成する成分の濃度が変化し得ることも、想定されている。当業者は、所与の製剤中の成分の添加、置換、及び/又は削除に応じて濃度が変化し得ることを理解するであろう。
【0110】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、意図される使用と適合性のあるpHを有してもよく、多くの場合、4(又は約4)~10(又は約10)、任意選択的に、6(又は約6)~8(又は約8)、任意選択的に、6.5(又は約6.5)~7.5(又は約7.5)、又は任意選択的に、6.8(又は約6.8)~7.2(又は約7.2)の範囲である。
【0111】
特定の実施形態では、リン酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、ヒスチジン、トリス、ビス-トリスなど、及びこれらの混合物などの様々な従来の緩衝剤が用いられてもよい。ホウ酸塩緩衝剤としては、ホウ酸及びその塩、例えば、ホウ酸ナトリウム又はホウ酸カリウムが挙げられる。ホウ酸又はホウ酸の塩を溶液中で生成する、四ホウ酸カリウム又はメタホウ酸カリウムも使用してもよい。ホウ酸ナトリウム十水和物などの水和塩も使用し得る。リン酸緩衝液としては、リン酸及びその塩、例えば、MHPO及びMHPOが挙げられ、ここで、Mはナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属である。水和塩も使用し得る。本発明の一実施形態では、NaHPO.7HO及びNaHPO.HOは緩衝剤として使用される。リン酸塩という用語はまた、溶液中にリン酸又はリン酸の塩を生成する化合物を含む。加えて、上記緩衝剤のための有機対イオンも用いられてもよい。緩衝剤の濃度は、一般に、約0.01~2.5w/v%で変化し、より好ましくは約0.05~約0.5w/v%で変化する。
【0112】
特定の実施形態では、本発明の組成物の粘度は、TA Instrument AR 2000レオメータを使用して測定されるとき、約1~約500cps、任意選択的に、約10~約200cps、又は任意選択的に、約10~約100cpsの範囲である。TA Instrument AR 2000レオメータは、40mmの鋼板形状を用いるTA Rheological AdvantageソフトウェアのAR2000フロー試験方法と共に使用されるべきであり、粘度範囲は、0sec-1~200sec-1の剪断速度を制御する定常状態流量を測定することによって得られるべきである。
【0113】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、点眼溶液、洗眼溶液、コンタクトレンズ潤滑及び/若しくは再湿潤溶液、スプレー、ミスト、又は組成物を眼に投与する任意の他の様式として有用であり、かつこれらの形態である。
【0114】
本発明の組成物はまた、コンタクトレンズ用の充填溶液として及び充填溶液の形態において有用であり得る。特定の実施形態では、充填溶液として、本発明の組成物はブリスタパッケージで封止されてもよく、また滅菌が施されるのに好適であり得る。
【0115】
ブリスタパッケージ及び滅菌技術の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる以下の参考文献、米国特許第D435,966号、同第4,691,820号、同第5,467,868号、同第5,704,468号、同第5,823,327号、同第6,050,398号、同第5,696,686号、同第6,018,931号、同第5,577,367号、及び同第5,488,815号に開示されている。製造プロセスのこの部分は、抗アレルギー剤で眼科用デバイスを処理する、すなわち、パッケージを封止する前に抗アレルギー剤を溶液に添加し、続いてパッケージを滅菌する別の方法を提示する。これは、抗アレルギー剤を用いて眼科用デバイスを処理する好ましい方法である。
【0116】
滅菌は、異なる温度及び時間で行い得る。好ましい滅菌条件は、約100℃で約8時間~約150℃で約0.5分間の範囲である。より好ましい滅菌条件は、約115℃で約2.5時間~約130℃で約5.0分間の範囲である。最も好ましい滅菌条件は約124℃で約18分間である。
【0117】
充填溶液として使用する場合、本発明の組成物は水系溶液であってもよい。典型的な溶液としては、生理食塩水、他の緩衝液及び脱イオン水が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、充填溶液は、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、又は同酸の対応するカリウム塩を含む、塩を含有する脱イオン水又は生理食塩水の水系溶液であるが、これらに限定されない。これらの成分は一般に化合して、酸及びその共役塩基を含む緩衝液を形成するので、酸及び塩基が加わっても、pHには比較的小さな変化しか起こらない。特定の実施形態では、充填溶液のpHは上記の通りである。緩衝液は更に、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、水酸化ナトリウム、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-2,2’,2”-ニトリロトリエタノール、n-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸など、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。好ましくは、溶液は、リン酸塩緩衝生理食塩水又は脱イオン水である。特に好ましい溶液は、約500ppm~約18,500ppmのホウ酸ナトリウム、最も特に好ましくは約1000ppmのホウ酸ナトリウムを含有する。
【0118】
充填溶液中に組み込まれたいずれかの成分が酸化的分解を受ける場合、そのような成分を含有する充填溶液を安定化させる剤を添加してもよい。このような「酸化安定化剤」としては、限定するものではないが、EDTAと、デイクエストと、デスフェラールと、シリカと、キトサン、セルロース及びその誘導体などのキチン誘導体と、N,N,N’,N’,N”,N”-ヘキサン(2-ピリジル)-1,3,5-トリス(アミノメチル)ベンゼンと、クラウンエーテル、ノット及びカテナンを含有するリガンドなどの特定のマクロ環式配位子とが挙げられるが、これらに限定されない。David A.Leigh et al Angew.Chem Int.Ed.,2001,40,No.8,pgs.1538-1542及びJean-Claude Chambron et al.のPure&Appl.Chem.,1990,Vol.62,No.6、pgs.1027-1034を参照。酸化安定化剤としては、2,2’,2”,6,6’,6”-ヘキサン-(1,1-ジメチルエチル)4,4’,4”-[(2,4,6-トリメチル-1,3,5-ベンゼントリイル)-トリメチレン]-トリフェノール(Irganox 1330)、1,3,5トリス[3,5-ジ(1,1-ジメチルエチル)4-ヒドロキシベンジル]-1H,3H,5H-1,3,5-トリアジン-2,4,6トリオン、ペンタエリスリチルテトラキス[3-[3,5-ジ(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-プロピオネート]、オクタデシル-3-[3,5-ジ(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-プロピオネート、トリス[2,4-ジ(1,1-ジメチルエチル)-フェニル]-ホスファイト、2,2’-ジ(オクタデシルオキシ)-5,5’-スピロビ(1,3,2-ジオキサホスホリナン)、ジオクタデシルジスルフィド、ジオクタデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジオクタデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ブチルヒドロキシトルエン、エチレンビス[3,3-ジ[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]ブチレート]及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物などの酸化を抑制する他の化合物が挙げられ得る。好ましい酸化安定化剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(「DTPA」)、又はCaNa3DTPA、ZnNa3DTPA、及びCa2DTPAなどのDTPAの塩である。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている「Methods for Stabilizing Oxidatively Unstable Pharmaceutical Compositions」と題された、2006年3月17日出願の米国特許出願公開第60/783,557号及びその対応する非暫定出願を参照。特定の実施形態では、溶液中の酸化安定化剤の濃度は、約2.5μmol/L~約5000μmol/L、任意選択的に、約20μmol/L~約1000μmol/L、任意選択的に約100μmol/L~約1000μmol/L、又は任意選択的に約100μmol/L~約500μmol/Lである。
【0119】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、週に1回、5日毎に1回、3日毎に1回、2日毎に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回、1日に6回、1日に8回、毎時間、又はより高頻度を含む任意の投与頻度での投与のために、製剤化される。このような投与頻度はまた、ユーザの治療ニーズに応じて変化する持続期間にて維持される。特定の治療レジメンの持続期間は、1回の投与から月又は年にわたるレジメンまで変化し得る。当業者は、特定の適応症に関する治療レジメンを決定することに精通しているであろう。
【0120】
本発明のこのような組成物を含有する組成物及び製品は、当業者に周知の方法を用いて調製することができる。
【実施例
【0121】
以下の実施例にて示されるような本発明の任意の組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を示すものであり、本発明を限定するものではない。他の変更は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行されることができる。
【0122】
以下の試験方法を実施例で使用した。
【0123】
(実施例1)
レモンアスペン抽出物の組成物は、培地で処置されるときにヒト上角膜3D組織におけるMUC1、MUC4及びMUC16遺伝子発現の増加を示した。
【0124】
上角膜3Dヒト組織は、MatTek Company(Ashland,MA,USA)から購入した。上角膜3Dヒト組織の受領時に、それらをMatTekアッセイ培地で、製造元の取扱説明書に従って一晩インキュベートした。上角膜3Dヒト組織を、1群当たり少なくとも3つの組織を有する3つの処置群に分割した。レモンアスペン抽出物を、それぞれ、処置群のうちの2つのヒト上角膜組織を含有する培養培地に添加して、それぞれ0.001%又は0.01%(w/v)の培地濃度を生成した。4つの処置群全てにおける上角膜組織を、2日間インキュベートするのを可能にした。レモンアスぺンの抽出物は、Southern Cross Botanicals(Knockrow Nsw,Australia)で使用され、それにより抽出及び供給される。2日間のインキュベーション後、ムチン1(MUC1)、ムチン4(MUC4)及びムチン16(MUC16)の遺伝子発現を分析した。2日間のインキュベーション後、ヒト上角膜3D組織を半分に切断し、組織の半分を、100部のRLT緩衝液(RNeasy Miniキット、Qiagen、Valencia,CA)からなる350μL溶解緩衝液中で、1部の2-メルカプトエタノールに対して溶解した。製造元の取扱説明書に従ってRNeasy Miniキット(Qiagen、Valencia,CA)を使用して溶液からRNAを抽出し、RNAを25μLのRNaseを含まない水に溶出した。
【0125】
Applied Biosystems High Capacity Reverse Transcription Kit(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用して逆転写(RT)を実施した。ムチン-1(MUC1)、ムチン-4(MUC4)及びムチン-16(MUC16)ポリメラーゼ(RNA)IIポリペプチドA(POLR2A)、及びMaster Mixについて商品名TAQMANで販売されている遺伝子発現アッセイを、ThermoFisher Scientific(Bridgewater,NJ)から購入した。TaqMan(登録商標)Master Mix(ThermoFisher Scientific(Bridgewater,NJ))を使用してqPCR分析を行い、商品名QUANTSTUDIO 7 Flex System(ThermoFisher Scientific(Bridgewater,NJ))で販売されているリアルタイムPCRシステムで実行した。MUC1、MUC4、及びMUC16遺伝子の発現を、ヒトPOLR2Aハウスキーピング遺伝子の発現に対して正規化した。倍率変化を、未処置対照(UT)と比較して計算し、2段階2サンプルスチューデントt検定(Microsoft Office Excel 2007;Microsoft、Redmond,WA,USA)を実行した。結果を図1に示す。
【0126】
(実施例2)
レモンアスペン抽出物の組成は、培地中で処置したときに、ヒト上角膜3D組織におけるムチン-1分泌の増加を示した。
【0127】
上角膜3Dヒト組織は、MatTek Company(Ashland,MA,USA)から購入した。上角膜3Dヒト組織の受領時に、それらをMatTekアッセイ培地で、製造元の取扱説明書に従って一晩インキュベートした。上角膜3Dヒト組織を、1群当たり少なくとも3つの組織を有する3つの処置群に分割した。レモンアスペン抽出物を、それぞれ、処置群のうちの2つのヒト上角膜組織を含有する培養培地に添加して、それぞれ0.001%又は0.01%(w/v)の培地濃度を生成した。4つの処置群全てにおける上角膜組織を、2日間インキュベートするのを可能にした。2日後、製造元のプロトコルに従って、ヒトムチン-1(CA15-3)酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)キット(EHMUC1,ThermoFisher Scientific、Bridgewater,NJ)を使用して、ムチン1分泌を測定するために培養培地を収集した。活性を評価するために、比色変化は、マイクロプレートリーダ(SpectraMax M2E,Molecular Devices、Sunnyvale,CA,USA)を使用して測定した。このアッセイは、標準的な酵素結合免疫測定法を採用し、サンプル中のムチン-1濃度と比色分析の変化との間に線形相関が存在する。標準曲線を生成して、x軸上のムチン-1濃度及びy軸上の吸光度を用いて、対応するムチン-1濃度を示した。結果を次の図2に示す。
【0128】
(実施例3)
実施例3~7に示すように、本発明のレチノール様特性及び/又は利益を有する1つ若しくは2つ以上の化合物及び/又は抽出物を含有する溶液を調製し得る。
【0129】
表1は、従来の混合技術を使用して以下に記載されるように成分を組み込むことができる、このような製剤の成分(製剤3A~3Dに示すような)を示す。
【0130】
【表1】
280~290mOsm/Kgの張度に調整することができる
**pH7.2に調整することができる
***任意選択的に、100重量/重量%になる適量
【0131】
実施例3A~3Dに関して、ヒアルロン酸ナトリウムは、CONTIPRO A.S.(DOLNI,DOBROUC,CZECH REPUBLIC)により供給することができる
実施例3A~3Dに関して、レモンアスペン抽出物(Abacross(登録商標)アクロニキア・アシデュラ果実抽出物)は、SOUTHERN CROSS BOTANICALS(KNOCKROW NSW,AUSTRALIA)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ポリエチレングリコール400は、Clariant Produkte(BURGKIRCHEN,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、塩化カリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、塩化カルシウム二水和物は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、塩化マグネシウムは、KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、ポリクオタニウム-42(33%水溶液)は、DSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA,USA)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、亜塩素酸ナトリウム二水和物は、Oxychem(WICHITA,KS,USA)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例3A~3Dに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
【0132】
溶液3Aは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、1.0gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、2.0グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.5グラムのポリエチレングリコール400、6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7. 混合を継続しながら、0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0133】
溶液3Bは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、2gのポリソルベート80及び10gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、0.1gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、3.0グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.5グラムのポリエチレングリコール400、6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7. 混合を続けながら、0.14グラムの塩化ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0134】
溶液3Cは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び20gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、1.0gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.5グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7. 混合を続けながら、0.14グラムの塩化ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0135】
溶液3Dは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、2gのポリソルベート10及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、0.1gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.5グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7. 混合を続けながら、0.14グラムの塩化ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0136】
(実施例4)
表2は、従来の混合技術を使用して以下に記載されるように成分を組み込むことができる、本発明の製剤(製剤4A~4Dに示すような)の成分を示す。
【0137】
【表2】
280~290mOsm/Kgの張度に調整することができる
**pH7.2に調整することができる
***任意選択的に、100重量/重量%になる適量
【0138】
実施例4C~4Dに関して、ヒアルロン酸ナトリウムは、CONTIPRO A.S.(DOLNI,DOBROUC,CZECH REPUBLIC)により供給することができる
実施例4C~4Dに関して、タマリンド種子多糖類は、INDENA(MILANO,ITALY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、レモンアスペン抽出物(Abacross(登録商標)アクロニキア・アシデュラ果実抽出物)は、SOUTHERN CROSS BOTANICALS(KNOCKROW NSW,AUSTRALIA)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6C~6Dに関して、ポリエチレングリコール400は、Clariant Produkte(BURGKIRCHEN,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、塩化カリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、ヒプロメロースE3 2910は、DOW CHEMICAL(PLAQUEMINE,LOUISIANA,USA)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、グリセリンは、Emery Oleochemicals GmbH(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、リン酸二ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、クエン酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、乳酸ナトリウムは、乳酸ナトリウム(50%水溶液)としてMerck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、グルコースは、Roquette Freres(LASTREM,FRANCE)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、グリシンは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、アスコルビン酸は、DSM NUTRITIONAL Products(DRAKEMYRE,SCOTLAND,UK)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、ポリクオタニウム42は、ポリクオタニウム42(33%水溶液)としてDSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、エデト酸二ナトリウムは、Merck NV/SA(OVERIJSE,BELGIUM)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例4A~4Dに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例6A~6Dに関して、亜塩素酸ナトリウム二水和物は、Oxychem(WICHITA,KS,USA)により供給することができる。
【0139】
溶液4Aは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、1.0gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
6. 次に次の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.10グラムのエデト酸二ナトリウム、0.030グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)、及び0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム。
7. 溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
8. 溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
9. 溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
10. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0140】
溶液4Bは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、1.0gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
6. 次に次の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.05グラムのエデト酸二ナトリウム、0.015グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)、及び0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム。
7. 溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
8. 溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
9. 溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
10. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0141】
溶液4Cは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、2gのポリソルベート80及び10gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、0.1gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.2グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 上記に、2.0グラムのタマリンド種子多糖類を添加する。溶液を混合して、タマリンド種子多糖類を完全に溶解させる。
7. 上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
8. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのポリエチレングリコール400、2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.10グラムのエデト酸二ナトリウム、0.030グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)、及び0.14グラムの塩化ナトリウム。
9. 溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
10. 溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
11. 溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
12. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0142】
溶液4Dは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、2gのポリソルベート80及び10gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、0.1gのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.2グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 上記に、2.0グラムのタマリンド種子多糖類を添加する。溶液を混合して、タマリンド種子多糖類を完全に溶解させる。
7. 上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
8. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのポリエチレングリコール400、2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.10グラムのエデト酸二ナトリウム、0.015グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)、及び0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム。
9. 溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
10. 溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
11. 溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
12. 0.22マイクロメートルの親水性フィルタを用いて溶液を濾過する。
【0143】
(実施例5)
表3は、従来の混合技術を使用して以下に記載されるように成分を組み込むことができる、本発明の製剤(製剤5A及び5Bに示すような)の成分を示す。
【0144】
【表3】
280~290mOsm/Kgの張度に調整することができる
**pH7.2に調整することができる
***任意選択的に、100重量/重量%になる適量
【0145】
実施例5A~5Bに関して、ヒアルロン酸ナトリウムは、CONTIPRO A.S.(DOLNI,DOBROUC,CZECH REPUBLIC)により供給することができる
実施例5A~5Bに関して、レモンアスペン抽出物(Abacross(商標)アクロニキア・アシデュラ果実抽出物)は、SOUTHERN CROSS BOTANICALS(KNOCKROW NSW,AUSTRALIA)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ポリエチレングリコール400は、Clariant Produkte(BURGKIRCHEN,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給され得る。
実施例5A~5Bに関して、Lumuluse GRH-40は、VANTAGE(GURNEE,IL,USA)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、超精製ヒマシ油は、CRODA(EDISON,NJ,USA)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、リノレン酸エチルは、SIGMA-ALDRICH(ST.LOUIS,MO,USA)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、パルミチン酸レチノールは、SIGMA-ALDRICH(ST.LOUIS,MO,USA)により供給することができる。
実施例5A~5Bに関して、ポリクオタニウム-42(33%水溶液)は、DSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA,USA)により供給することができる。
実施例5Bに関して、タマリンド種子抽出物は、INDENA(MILAN,ITALY)により供給することができる。
【0146】
溶液5Aは、以下のように調製することができる。
1. 50mLビーカーに、5.0グラムのLumuluse GRH-40を添加する。
2. 混合しながら、6.25グラムの超精製ヒマシ油を添加する。
3. 次に、1グラムのリノレン酸エチル及び0.5グラムのパルミチン酸レチノールを添加して、
均一になるまで混合する。
4. 別の1500mLビーカーに、500グラムの精製水を添加する。
5. 上記に、2gのポリソルベート80及び10gのポリソルベート20を添加する。両者が溶解するまで溶液を混合する。
6. 上記に、1.0グラムのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
7. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
8. 工程7の溶液に、2.0グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
9. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.5グラムのポリエチレングリコール400、6.0グラムのホウ酸、0.06グラムのホウ酸ナトリウム、及びグラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)。
10. 工程3の内容物を添加して、ホモジナイザを用いて均一になるまで混合する。
11. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
12. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
13. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して十分均一にする。
14. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0147】
溶液5Bは、以下のように調製することができる。
1. 50mLビーカーに、5.0グラムのLumuluse GRH-40を添加する。
2. 混合しながら、6.25グラムの超精製ヒマシ油を添加する。
3. 将来の使用のために、均一な溶液を保留する。
4. 別の1500mLビーカーに、500グラムの精製水を添加する。
5. 上記に、10gのポリソルベート80及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が溶解するまで溶液を混合する。
6. 上記に、1.0グラムのレモンアスペン抽出物を添加する。レモンアスペン抽出物が溶解するまで、溶液を混合する。
7. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
8. 工程7の溶液に、1.0グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
9. 次に、2.0グラムのタマリンド種子多糖類を添加する。溶液を混合して、タマリンド種子多糖類を完全に溶解させる。
10. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.5グラムのポリエチレングリコール400、6.0グラムのホウ酸、0.06グラムのホウ酸ナトリウム、及び0.045グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)。
11. 工程3の内容物を添加して、ホモジナイザを用いて均一になるまで混合する。
12. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
13. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
14. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して十分均一にする。
15. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0148】
(実施例6)
表4は、従来の混合技術を使用して以下に記載されるように成分を組み込むことができる、本発明の製剤(製剤6A及び6Bに示すような)の成分を示す。
【0149】
【表4】
280~290mOsm/Kgの張度に調整
**pH7.2に調整
***100重量/重量%までの適量
****(2E,4E,6E)-7-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-3-メチルオクタ-2,4,6-トリエン酸
【0150】
実施例6A~6Bに関して、ヒアルロン酸ナトリウムは、CONTIPRO A.S.(DOLNI,DOBROUC,CZECH REPUBLIC)により供給することができる
実施例6Aに関して、アクチノマイセス種A5640抽出物(IHVRコレクション命名法でIHVR_39565_F7と標識されたIHVRコレクション細菌抽出物)は、Baruch S.Blumerg Institute,Doylestown、PAにより供給することができる。
実施例6Bに関して、化合物1は、Sigma-Aldrichにより供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例8Aに関して、ポリエチレングリコール400は、Clariant Produkte(BURGKIRCHEN,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、塩化カリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、塩化カルシウム二水和物は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、塩化マグネシウムは、KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、ポリクオタニウム-42(33%水溶液)は、DSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA,USA)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、亜塩素酸ナトリウム二水和物は、Oxychem(WICHITA,KS,USA)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例6A~6Bに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
【0151】
溶液6Aは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び100gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、50.0gのアクチノマイセス抽出物を添加する。アクチノマイセス抽出物が溶解するまで溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、3.0グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.5グラムのポリエチレングリコール400、6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7. 混合を続けながら、0.14グラムの塩化ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0152】
溶液6Bは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び75gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、50.0gの化合物Iを添加する。化合物Iが溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.5グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7. 混合を続けながら、0.14グラムの塩化ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8. 処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9. 1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10. 精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0153】
(実施例7)
表5は、従来の混合技術を使用して以下に記載されるように成分を組み込むことができる、本発明の製剤(製剤7A及び7Bに示すような)の成分を示す。
【0154】
【表5】
280~290mOsm/Kgの張度に調整
**pH7.2に調整
***100.00%体積までの適量
****4-(1-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)ビニル)安息香酸
【0155】
実施例7A~7Bに関して、ヒアルロン酸ナトリウムは、CONTIPRO A.S.(DOLNI,DOBROUC,CZECH REPUBLIC)により供給することができる
実施例7A~7Bに関して、タマリンド種子多糖類は、INDENA(MILANO,ITALY)により供給することができる。
実施例7Aに関して、アクチノマイセス種A5640抽出物(IHVRコレクション命名法でIHVR_39565_F7と標識されたIHVRコレクション細菌抽出物)は、Baruch S.Blumerg Institute、Doylestown,PAにより供給することができる。
実施例7Bに関して、化合物2は、Sigma-Aldrichにより供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A及び7Bに関して、ポリエチレングリコール400は、Clariant Produkte(BURGKIRCHEN,GERMANY)により供給され得る。
実施例7A~7Bに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、塩化カリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、ヒプロメロースE3 2910は、DOW CHEMICAL(PLAQUEMINE,LOUISIANA,USA)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、グリセリンは、Emery Oleochemicals GmbH(DUSSELDORF,GERMANY)によって供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、リン酸二ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、クエン酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、乳酸ナトリウムは、乳酸ナトリウム(50%水溶液)としてMerck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、グルコースは、Roquette Freres(LASTREM,FRANCE)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、グリシンは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、アスコルビン酸は、DSM NUTRITIONAL Products(DRAKEMYRE,SCOTLAND,UK)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、ポリクオタニウム42は、ポリクオタニウム42(33%水溶液)としてDSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、エデト酸二ナトリウムは、Merck NV/SA(OVERIJSE,BELGIUM)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
実施例7A~7Bに関して、亜塩素酸ナトリウム二水和物は、Oxychem(WICHITA,KS,USA)により供給することができる。
【0156】
溶液7Aは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び100gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、50gのアクチノマイセス抽出物を添加する。アクチノマイセス抽出物が溶解するまで溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.2グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 上記に、2.0グラムのタマリンド種子多糖類を添加する。溶液を混合して、タマリンド種子多糖類を完全に溶解させる。
7. 上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
8. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのポリエチレングリコール400、2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.10グラムのエデト酸二ナトリウム、0.030グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)、及び0.14グラムの塩化ナトリウム。
9. 溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
10. 溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
11. 溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
12. 0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0157】
溶液7Bは、以下のように調製することができる。
1. 1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2. 上記に、10gのポリソルベート80及び30gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3. 上記に、5.0gの化合物Iを添加する。化合物Iが溶解するまで、溶液を混合する。
4. 溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5. 工程4の溶液に、1.2グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6. 上記に、2.0グラムのタマリンド種子多糖類を添加する。溶液を混合して、タマリンド種子多糖類を完全に溶解させる。
7. 上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
8. 次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのポリエチレングリコール400、2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.10グラムのエデト酸二ナトリウム、0.015グラムのポリクオタニウム-42(33%水溶液)、及び0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム。
9. 溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
10. 溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
11. 溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
12. 0.22マイクロメートルの親水性フィルタを用いて溶液を濾過する。
【0158】
本発明の実施形態
1.組成物を投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンを生成/放出/放出/排出するための(任意選択的に、ムチンのこのような生成/放出/放出/排出を必要とする患者において)方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0159】
【化13】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0160】
2.レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、アクロニキア属及び/又はリカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源である、実施形態1(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0161】
3.レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、アクロニキア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源である、実施形態1及び/若しくは2(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0162】
4.アクロニキア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、アクロニキア・アベランス、アクロニチア・アシデュラ、アクロニキア・アクロニキオイデス、アクロニキア・アキュミナーテ、アクロニキア・バウアレンニ、アクロニキア・クーリーチラム、アクロニキア・クラシペタラ、アクロニキア・ユーゲレンシス、アクロニキア・インペルフォラテ、アクロニキア・ラエヴィス、アクロニキア・ラウリフォリア、アクロニキア・リトラリス、アクロニキア・オブロンジフォリア、アクロニキア・オクタナラ、アクロニキア・パルウィフローラ、アクロニキア・パウシフローラ、アクロニキア・ペダンクラータ、アクロニキア・プベッセンス、アクロニキア種(バタヴィア・ダウンス)、アクロニキア・スベロサ、アクロニキア・ヴェスティータ、アクロニキア・ウィルコクシニア、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~3のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0163】
5.アクロニキア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、アクロニチア・アシデュラである、実施形態1~4のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0164】
6.アクロニキア及び/又はリカリアの植物抽出物が、抽出物の約1重量%~約20重量%の式IIの化合物を含み、
【0165】
【化14】
式中、
が、C~C20アルキル、C~C20アルケニル、C~C20アルキニル、及びC~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル又はアリール、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル又はアリール、チオール、-SC~Cアルキル、-SC~Cアルケニル、-SC~Cアルキニル、SC~Cシクロアルキル又はアリール、-NR~Cアルキル、-NR~Cアルケニル、-NR~Cアルキニル、及び-NR~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
が、-COH、-CO又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、Rが、C~Cアルキル~Cアルケニル~Cシクロアルキル又はアリールであり、
Yが、-(CH-CH)-、-(CH=CH)-、又は-(C=C)-である、実施形態1~5のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0166】
7.アクロニキア及び/又はリカリアの植物抽出物が、抽出物の約1重量%~約20重量%の式IIの化合物を含み、
【0167】
【化15】
式中、
が、C~C16アルキル、C~C16アルケニル、及びC~C16アルキニル、より好ましくは、例えばファルネシルを含むC~C16アルケニルからなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル、より好ましくは、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、更により好ましくは、水素又は-OC~Cアルキルからなる群から選択され、
が、-COH、-COから選択され、Rが、C~Cアルキル、又はカルボキシ基の等配電子等価物であり、
Yが、-(CH-CH)-又は-(CH=CH)-である、実施形態1~6のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0168】
8.式(II)の化合物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシルオキシ-3-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシルオキシ-3-メトキシフェニル)-プロピオン酸、そのアルキルエステル、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせから選択される酸又はアルキルエステルの形態である、実施形態1~7のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0169】
9.本発明において有用な式IIの化合物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである、実施形態1~8のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0170】
10.レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源である、実施形態1~9のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0171】
11.リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、リカリア・ベルニコーサ、リカリア・ブリットニアナ、リカリア・カネラ、リカリア・キュベンシス、リカリア・ベルチナ、及びリカリア・トリアンドラ、並びにこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~10のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0172】
12.リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源がリカリア・ベルニコーサである、実施形態1~11のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0173】
13.レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源である、実施形態1~12のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0174】
14.レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、アクチノマイセス種A5640の細菌抽出物又は抽出物源である、実施形態1~13のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0175】
15.レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、式(I)の化合物を含み、
【0176】
【化16】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表す、実施形態1~14のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0177】
16.式Iの化合物が、(2E,4E,6E)-7-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-3-メチルオクタ-2,4,6-トリエン酸及び4-(1-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)ビニル)安息香酸及びレチノイド様活性を示すこれらの誘導体並びにこれらの混合物から選択される、実施形態1~15のうちのいずれか若しくは組み合わせ(又は、以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0178】
17.組成物を投与する工程を含む、涙液中のMU5ACの濃度をタンパク質1ミリグラム当たり8ナノグラム以上15ナノグラムまでの範囲内に維持するための(任意選択的に、このような維持を必要とする患者において)方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0179】
【化17】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0180】
18.組成物を患者の眼に局所投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの減少した又は低レベルの産生/放出/送達/排出を有する患者を治療するための方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0181】
【化18】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0182】
19.組成物を局所投与する工程を含む、ドライアイに関連する症状を予防又は治療する(任意選択的に、このような予防又は治療を必要とする患者において)方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0183】
【化19】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)1つ又は2つ以上の粘滑剤又は鎮静剤と、
iii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0184】
20.組成物を投与する工程を含む、眼内及び/又は上の創傷の治癒を促進する又は治癒速度を増加させるための(このような促進された治癒又は増加された治癒速度を必要とする患者において)方法であって、組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0185】
【化20】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0186】
21.組成物を投与する工程を含む、涙液における抗菌特性を改善するための(任意選択的に、このような改善された特性を必要とする患者の)方法であって、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ若しくは2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【0187】
【化21】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0188】
〔実施の態様〕
(1) 組成物を投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でムチンを産生/放出/送達/排出するための方法であって、前記組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ又は2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【化22】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、前記点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;任意選択的に、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子;任意選択的に、1~10個の炭素原子;任意選択的に、6個の炭素原子;任意選択的に、芳香族部分、任意選択的に、フェニル部分;任意選択的に、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(2) 前記レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、前記アクロニキア属及び/又は前記リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、前記アクロニキア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源である、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記アクロニキア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、アクロニキア・アベランス、アクロニキア・アシデュラ、アクロニキア・アクロニキオイデス、アクロニキア・アキュミナーテ、アクロニキア・バウアレンニ、アクロニキア・クーリーチラム、アクロニキア・クラシペタラ、アクロニキア・ユーゲレンシス、アクロニキア・インペルフォラテ、アクロニキア・ラエヴィス、アクロニキア・ラウリフォリア、アクロニキア・リトラリス、アクロニキア・オブロンジフォリア、アクロニキア・オクタンドラ、アクロニキア・パルウィフローラ、アクロニキア・パウシフローラ、アクロニキア・ペダンクラータ、アクロニキア・プベッセンス、アクロニキア種(バタヴィア・ダウンス)、アクロニキア・スベロサ、アクロニキア・ヴェスティータ、アクロニキア・ウィルコクシニア、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記アクロニキア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、アクロニキア・アシデュラである、実施態様4に記載の方法。
【0189】
(6) 前記アクロニキア及び/又はリカリアの植物抽出物が、前記抽出物の約1重量%~約20重量%の式IIの化合物を含み、
【化23】
式中、
が、C~C20アルキル、C~C20アルケニル、C~C20アルキニル、及びC~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル又はアリール、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル又はアリール、チオール、-SC~Cアルキル、-SC~Cアルケニル、-SC~Cアルキニル、SC~Cシクロアルキル又はアリール、-NR~Cアルキル、-NR~Cアルケニル、-NR~Cアルキニル、及び-NR~Cシクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
が、-COH、-CO又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、Rが、C~Cアルキル、C~Cアルケニル~Cシクロアルキル、又はアリールであり、
Yが、-(CH-CH)-、-(CH=CH)-、又は-(C=C)-である、実施態様2に記載の方法。
(7) 前記アクロニキア及び/又はリカリアの植物抽出物が、前記抽出物の約1重量%~約20重量%の式IIの化合物を含み、
【化24】
式中、
が、C~C16アルキル、C~C16アルケニル、及びC~C16アルキニル、より好ましくは、例えば、ファルネシルを含むC~C16アルケニルからなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、-OC~Cアルケニル、-OC~Cアルキニル、-OC~Cシクロアルキル、より好ましくは、水素、ヒドロキシル、-OC~Cアルキル、更により好ましくは、水素又は-OC~Cアルキルからなる群から選択され、
が、-COH、-COから選択され、Rが、C~Cアルキル、又はカルボキシ基の等配電子等価物であり、
Yが、-(CH-CH)-又は-(CH=CH)-である、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記式(II)の化合物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシルオキシ-3-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシルオキシ-3-メトキシフェニル)-プロピオン酸、そのアルキルエステル、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせから選択される酸又はアルキルエステルの形態である、実施態様7に記載の方法。
(9) 本発明において有用な前記式IIの化合物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、前記リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源である、実施態様2に記載の方法。
【0190】
(11) 前記リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、リカリア・ベルニコーサ、リカリア・ブリットニアナ、リカリア・カネラ、リカリア・キュベンシス、リカリア・ベルチナ及びリカリア・トリアンドラ、並びにこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記リカリア属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源が、リカリア・ベルニコーサである、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源である、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、アクチノマイセス種A5640の細菌抽出物又は抽出物源である、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記レチノール様特性及び/又は利益を有する化合物及び/又は抽出物が、式(I)の化合物を含み、
【化25】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、任意選択的に、前記点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖;1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表す、実施態様1に記載の方法。
【0191】
(16) 前記式(I)の化合物が、(2E,4E,6E)-7-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-3-メチルオクタ-2,4,6-トリエン酸及び4-(1-(1,1,2,2,3,3-ヘキサメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)ビニル)安息香酸、並びにレチノイド様活性を示すこれらの誘導体及びこれらの混合物から選択される、実施態様15に記載の方法。
(17) 組成物を投与する工程を含む、涙液中のMU5ACの濃度をタンパク質1ミリグラム当たり8ナノグラム以上15ナノグラムの範囲内に維持するための方法であって、前記組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ又は2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【化26】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(18) 眼、患者に組成物を局所投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの減少した又は低レベルの産生/放出/送達/排出を有する患者を治療するための方法であって、前記組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ又は2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【化27】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、前記点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(19) 患者に組成物を局所投与する工程を含む、ドライアイに関連する症状を予防又は治療するための方法であって、前記組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ又は2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【化28】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、前記点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)1つ又は2つ以上の粘滑剤又は鎮静剤と、
iii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(20) 組成物を投与する工程を含む、患者の眼の中かつ/又は眼の上の創傷の治癒を促進するか又は治癒速度を増加させるための方法であって、前記組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ又は2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【化29】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、前記点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0192】
(21) 組成物を投与する工程を含む、患者の涙における抗菌特性を改善するための方法であって、前記組成物が、
i)アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の植物由来の植物抽出物又は抽出物源、アクチノマイセス属の細菌抽出物又は抽出物源、並びに式(I)の化合物、のうちの1つ又は2つ以上から選択される、ドライアイを治療する際に使用するためのレチノール様特性及び/又は利益を有する、安全かつ有効な量の化合物及び/又は抽出物であって、
【化30】
式中、
点線が、単結合又は二重結合を表し、好ましくは、前記点線のうちの1つが、二重結合であり、
が、H、1~20個の炭素原子を含む、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
が、1~20個の炭素原子;好ましくは、メチル(-CH)又はメチレン(=CH)部分、を含む、直鎖、環式環状、又は分枝鎖の飽和又は不飽和の炭鎖を表し、
aが、1~20個の炭素原子;好ましくは、1~10個の炭素原子;より好ましくは、6個の炭素原子;好ましくは、芳香族部分、好ましくはフェニル部分;好ましくは、2-メチル-プロパ-1,3-ジエン、を含む、直鎖、環状、又は分枝鎖の飽和若しくは不飽和の炭鎖を表す、化合物及び/又は抽出物と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
図1
図2