(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】断続閉鎖を有する皮膚閉鎖装置
(51)【国際特許分類】
A61F 13/02 20060101AFI20231030BHJP
A61M 27/00 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
A61F13/02 310J
A61F13/02 310A
A61F13/02 310M
A61F13/02 310Z
A61M27/00
(21)【出願番号】P 2021505281
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2019056214
(87)【国際公開番号】W WO2020026063
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-05-24
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】キンテーロ・ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】クリクスノフ・レオ・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ・エレナ
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-522882(JP,A)
【文献】特開昭59-156344(JP,A)
【文献】特表2018-508243(JP,A)
【文献】特表2015-505689(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0265005(US,A1)
【文献】特表2002-537068(JP,A)
【文献】米国特許第5637080(US,A)
【文献】特表2008-505726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/00-13/02
A61L15/00-33/18
A61M27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚閉鎖システムを形成するための液体急速重合性接着剤を有する、切開部又は創傷への適用のための装置であって、
長手方向軸に沿って細長く、上面及び反対側の下面又は創傷対向面、並びに前記
長手方向軸のすぐ近傍にある中心部分を有する平坦な多孔質
のメッシュを備え、
前記メッシュ内の複数の細孔及びウィンドウであって、前記ウィンドウが、前記細孔よりも実質的に大きく、前記中心部分において前記長手方向軸に沿って配列された、複数の細孔及びウィンドウと、
前記メッシュ内又は前記メッシュ上に配置された架橋促進剤若しくは重合促進剤、又は架橋開始剤若しくは重合開始剤と、
前記メッシュの前記下
面の少なくとも一部分上に配置された感圧接着剤と、を更に有
し、
前記メッシュの縁部において前記メッシュに取り付けられた平坦なカバーであって、前記カバーが、本状の様式で前記メッシュの前記上面上で折り畳み可能であるように構成され、前記メッシュを少なくとも部分的に覆い、かつ前記ウィンドウを完全に覆うようにサイズ決めされている、カバーと、
前記メッシュの前記縁部において前記メッシュに取り付けられ、前記ウィンドウを覆うようにサイズ決めされた複数の吸収性パッドであって、前記吸収性パッドが、前記カバーと前記メッシュとの間に本状の構成で配置され、前記メッシュの前記上面上で折り畳み可能である、吸収性パッドと、
を更に備える、装置。
【請求項2】
前記カバーが、前記メッシュの前記上面に対向する前記カバーの面上に配置された感圧接着剤を更に備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記カバーが、前記メッシュの前記上面に剥離可能に接着している、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記カバーが、部分的に又は完全に透明である、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記吸収性パッドが、切り取り線を更に備え、前記メッシュの前記縁部から容易に切り取られるように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
細長い可撓性の平坦なストリップを備えるマスクを更に備え、前記ストリップが、前記ストリップに沿って配列され、狭いコネクタによって相互接続された複数のマスキングセグメントを備え、
前記マスクが、メッシュ対向表面及び反対側の上表面を有し、
前記マスクが、前記メッシュ上に配置されたとき、前記マスキングセグメントが、前記ウィンドウを完全に覆うように構成され、かつサイズ決めされ、
前記マスキングセグメント間の間隔は、前記マスキングセグメントが前記ウィンドウ上に位置合わせされるように、
前記ウィンドウ間の対応する間隔と一致し、
前記マスクが、前記マスクの一方の端部で直線的に延在する持ち上げタブを更に備え、
前記マスクが、
前記メッシュ対向表面で、前記メッシュの前記上面上に取り外し可能に取り付けられており、前記マスキングセグメントが前記ウィンドウを覆う、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
皮膚閉鎖システムを形成するための液体急速重合性接着剤を有する、切開部又は創傷への適用のための装置であって、
長手方向軸に沿って細長く、上面及び反対側の下面又は創傷対向面、並びに前記長手方向軸のすぐ近傍にある中心部分を有する平坦な多孔質のメッシュを備え、
前記メッシュ内の複数の細孔及びウィンドウであって、前記ウィンドウが、前記細孔よりも実質的に大きく、前記中心部分において前記長手方向軸に沿って配列された、複数の細孔及びウィンドウと、
前記メッシュ内又は前記メッシュ上に配置された架橋促進剤若しくは重合促進剤、又は架橋開始剤若しくは重合開始剤と、
前記メッシュの前記下面の少なくとも一部分上に配置された感圧接着剤と、を更に有し、
細長い可撓性の平坦なストリップを備えるマスクを更に備え、前記ストリップが、前記ストリップに沿って配列され、狭いコネクタによって相互接続された複数のマスキングセグメントを備え、
前記マスクが、メッシュ対向表面及び反対側の上表面を有し、
前記マスクが、前記メッシュ上に配置されたとき、前記マスキングセグメントが、前記ウィンドウを完全に覆うように構成され、かつサイズ決めされ、
前記マスキングセグメント間の間隔は、前記マスキングセグメントが前記ウィンドウ上に位置合わせされるように、前記ウィンドウ間の対応する間隔と一致し、
前記マスクが、前記マスクの一方の端部で直線的に延在する持ち上げタブを更に備え、
前記マスクが、前記メッシュ対向表面で、前記メッシュの前記上面上に取り外し可能に取り付けられており、前記マスキングセグメントが前記ウィンドウを覆う、装置。
【請求項8】
前記マスクが、前記メッシュ対向表面上に配置された感圧接着剤を更に備える、請求項
6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記感圧接着剤が、前記マスキングセグメント上に存在し、前記コネクタ上には存在しない、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記マスクの前記上表面上に、重合を減速させるように構成されたpH調整コーティングを更に備える、請求項
6又は7に記載の装置。
【請求項11】
前記マスキングセグメント及び前記コネクタの寸法は、前記
液体急速重合性接着剤が、前記マスキングセグメントの下には完全に浸透せず、前記コネクタの下には完全に浸透するように構成されている、請求項
6又は7に記載の装置。
【請求項12】
前記
液体急速重合性接着剤が、8cP~200cPの粘度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記
架橋促進剤若しくは前記重合促進剤
、又は前記
架橋開始剤若しくは前記重合開始剤が、第四級アンモニウム塩を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記
液体急速重合性接着剤が、シアノアクリレートモノマー、フィブリノーゲン、又はPEGスクシンイミジルグルタレートを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
キットであって、
請求項1に記載の装置と、
前記液体急速重合性接着剤を、前記メッシュ上に出し、展延するための先端部を有する、前記
液体急速重合性接着剤を含む容器と、を備える、キット。
【請求項16】
キットであって、
請求項
6又は7に記載の装置と、
前記液体急速重合性接着剤を、前記メッシュ上に出し、展延するための先端部を有する、前記
液体急速重合性接着剤を含む容器と、を備える、キット。
【請求項17】
前記メッシュの縁部において前記メッシュに取り付けられた平坦なカバーを更に備え、
前記カバーが、本状の様式で前記メッシュの前記上面上で折り畳み可能であるように構成され、前記メッシュを少なくとも部分的に覆い、かつ前記ウィンドウを完全に覆うようにサイズ決めされている、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科的切開部上に適用され、好ましくは、重合性接着剤によって固定される皮膚閉鎖装置に関し、装置は、創傷滲出物の除去及び創傷検査のための排液開口部及び吸収性フラップを形成することができる。
【背景技術】
【0002】
外科的切開部、開口部、切断部、創傷、又は切開部を有する皮膚又は組織を閉鎖するためのいくつかの装置及び方法が存在する。これらの装置を用いて、切開部により分離された皮膚又は組織部分が接近又は近接され、外科的切開部又は切断領域に可能な限り狭い隙間を形成し、次いで、創傷が治癒してテープが除去されるまで、皮膚又は組織を閉じた並置構成で保持する接着剤で取り付けられたテープによって覆われる。
【0003】
市販のDERMABOND(登録商標)PRINEO(登録商標)皮膚閉鎖システムは、感圧接着剤を含むメッシュと、メッシュ上に配置された重合開始剤とで構成されている。メッシュは創傷上に皮膚に適用され、次いで、重合性シアノアクリレート系接着剤がメッシュ上に適用され、メッシュを皮膚に接着させる。
【0004】
国際公開第2014/195710号の「SUTURELESS WOUND CLOSURE」は、a)装置を皮膚に取り付けるための基層と、b)基層に固定された第1の端部及び第2の反対側の端部を有する上部張力層と、を備え、第2の端部は、第2の端部を基層に取り付けるための固定手段を含み、基層は、使用時に、上部張力層によって覆われる孔を含む無縫合創傷閉鎖装置を開示している。
【0005】
米国特許第8,603,053号の「PRIMARY DRESSING」は、可撓性熱可塑性材料部分(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5)の形態で、材料部分(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5)の第1の表面(4)と、第1の表面(4)から反対側を向いている材料部分(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5)の第2の表面(5)と、複数の三次元穿孔(2、2’’、21)であって、その壁(3)が、第1の表面(4)から開始し、自由縁部(8)の縁部突起に突き出て、第2の表面(5)に粗いグリップを付与する、三次元穿孔と、を備え、自由縁部(8)のうちの少なくとも1つが、穿孔軸(A)にほぼ垂直に曲げられた部分(12)に合流し、第1の表面が滑らかであり、各自由縁部が第1の表面から実質的に等距離であることを特徴とする、液体浸透性主要包帯(100)を開示している。
【0006】
欧州特許出願公開第0730874(A2)号の「Closure tape for improved wound or incision healing and its use」は、典型的には縫合糸で閉鎖されている種類の皮膚の裂け目を閉鎖するのに使用するための閉鎖テープを製造するための、(i)微生物に対して実質的に不浸透性であるポリマー弾性フィルムと、(ii)流体吸収能力を有する、フィルムの1つの表面上の親水コロイド接着剤コーティングと、を備えるテープの使用を開示している。
【0007】
米国特許第5,308,313号の「Vented wound dressing」は、一部が創傷及び創傷を取り囲む皮膚を覆う包帯として置かれるように適合されている薄い形状適合シート材料を備える通気性創傷包帯を開示している。この包帯は、シート材料の両縁部によって画定される外周を有し、シート材料は、両面を有し、表面のうちの1つは、感圧接着剤の層を支持し、創傷上に置くための部分の接着剤は、接着剤を含有しない、繰り返しの離間した領域を提供するように適用されている。シート材料の反対側の表面を通って延在するスリットを有する、接着剤を含有しないシート材料の繰り返し領域のみの少なくとも一部は、スリットを詰まらせ、それによって、それを通る流体の移動を抑制し得る、接着剤の存在によって意図的に妨げられないシート材料を通る創傷流体の移動を可能にする。スリットの各々は、接着剤を含有しないシート材料の繰り返し領域よりも小さい寸法を有し、それによって、各スリットは、スリットを有する接着剤を含有しない領域の一部分のみを占める。スリットの寸法及び数は、湿った治癒創傷包帯を提供するのに十分な水分を保持するようなものとして説明される。シート材料の周囲の周りの接着剤は、包帯を皮膚に固定するための接着剤を含有しない繰り返し領域によって中断されない連続層として存在する。接着剤の連続的な周囲層は、創傷上に置くように適合されたシート材料の一部を画定し、接着剤の連続的な周囲層は、細菌及び他の外部汚染物質に対するバリア機能を更に維持し、並びに創傷流体が横方向に漏れないことを確実にするのに役立つ。
【0008】
米国特許第5,106,362号の「Vented Absorbent Dressing」は、患者の皮膚に接触するためのベースシートであって、当該シートが、創傷上に置くための開口部を有する、ベースシートを備える患者の創傷用の包帯と、ベースシートを患者の皮膚に固定するための手段と、ベースシートの開口部を通る創傷からの曲がりくねった経路に沿った流体の制御された漏れを提供するための通気手段と、を開示している。通気手段は、当該ベースシートに固定され、当該開口部を覆うシート材料を備え、当該シート材料は、曲がりくねった経路に沿った流体の当該漏れを制御しながら、当該開口部を通る蒸発を低減させるように意図され、当該創傷のための湿った環境を保証することに意図的に役立つ。
【0009】
米国特許出願公開第2014/0024989号の「WOUND DRESSING」は、貫通孔を含む穿孔材料と、貫通孔を閉鎖することなく穿孔された材料の少なくとも1つの面をコーティングする低接着性樹脂と、を備える創傷包帯を開示しており、穿孔された材料は、マルチフィラメントにより形成された編物又は織布であり、穿孔された材料は、0.02~1.2mm2の貫通孔の平均開口面積、及び40~220cm2の貫通孔の平均数を有する。
【0010】
米国特許出願公開第2013/0317405号の「MODULAR WOUND DRESSING」は、2つのバッキング層を備える医療用包帯を記載している。具体的には、2つのバッキング層は、互いに重なり合い、開口部を完全に囲んで、ウィンドウを形成する。
【0011】
米国特許第9,000,251号の「Draining Wound Dressing」は、多層から作製された医療用包帯を開示しており、排液性流路と流体連通している収集チャンバを含む。
【0012】
米国特許第6,787,682号の「Absorbent Foam Wound Dressing」は、身体側及び裏側表面を有する軟質親水性ポリマー発泡体の発泡体層を備える創傷包帯を開示しており、エラストマーフィルムの基層は、当該発泡体層の当該身体側表面に接着しており、当該基層は、当該開口部を通って当該発泡体層を露出させる、少なくとも1つの概ね中央に位置する開口部を有し、創傷部位において創傷及び周囲の皮膚表面に接着接触させるための低刺激性感圧接着剤でコーティングされた身体側表面を有する。蒸気浸透性液体不浸透性エラストマーバッキング層は、当該発泡体層の当該裏側表面上に延在し、当該バッキング層は、当該基層の当該中央に位置する開口部の上で当該発泡体層の当該裏側表面に取り付けられていない。
【0013】
米国特許第5,662,599号の「Disposable Wound Dressing and Support Unit」は、使い捨て創傷包帯、及び創傷の上部の適所にガーゼパッドを保持し、創傷へのアクセスを提供するための支持ユニットを開示している。ユニットは、患者の解剖学的構造の様々な部分に形状適合するように意図的に適合可能であり、上部及び下部を有する細長いラップを備え、当該ラップは、それを通るウィンドウ開口部を有し、当該ウィンドウ開口部は、創傷の上部に配置されたガーゼパッドの上及び上部の受け入れに適合されている。ファスナー手段は、ガーゼパッドの一部を恒久的に固定するために、当該ラップの下部上及び当該ウィンドウ開口部の側部に沿って配置される。固定手段は、当該ラップの一部を、その長さに沿って任意の所望の位置に固定し、かつ当該ラップを患者に固定するために、当該ラップの第1の端部に取り付けられる。
【0014】
米国特許第5,456,660号の「Wound Dressing Support Device」は、創傷の上部の適所にガーゼパッドを保持し、創傷へのアクセスを提供するための再利用可能な創傷包帯支持装置を開示している。装置は、患者の解剖学的構造の様々な部分に形状適合するように意図的に適合可能であり、上部及び下部を有する細長いラップを備え、当該ラップは、それを通ってウィンドウ開口部を有し、当該ウィンドウ開口部は、創傷の上部に配置されたガーゼパッドの上及び上部の受け入れに適合されている。非接着ファスナー手段は、ガーゼパッドの一部を剥離可能に固定するために、当該ラップの下部上及び当該ウィンドウ開口部の少なくとも1つの側部に沿って配置される。固定手段は、当該ラップを患者に固定するために、当該ラップの反対側の端部に取り付けられる。
【0015】
国際公開第2015/135351(A1)号の「LIQUID-ABSORPTION WOUND DRESSING HELPING TO OBSERVE WOUND SURFACE」は、シート状液体吸収性材料を備えることを特徴とする液体吸収性創傷包帯を開示している。
【0016】
米国特許出願公開第2015/0314114号の「COLLAGEN DEVICE」は、少なくとも1つの生体適合性膜及び当該膜に連結された少なくとも1つのカテーテルを備える、創傷、皮膚病変/潰瘍、ただれ、及び火傷の包帯及び処置に適合された装置を開示している。
【0017】
米国特許出願公開第2014/0121649号「WOUND DRESSING ASSEMBLY WITH ABSORBENT LAYER」は、身体内への外科用チューブ創傷用又は他の装置の入口用の外科用創傷包帯組立体を開示しており、それは、カバー層の下面の外周に接着剤を有するカバー層と、カバーの下面に固定された吸収性リングと、看護師又は他の医療従事者が、感染又は出血を検査するために、ウィンドウを通して創傷部位を見ることを可能にする内部クリアウィンドウと、チューブ又は他の装置が、創傷包帯を通過できるようにウィンドウ領域に形成されたポートと、を備える。
【0018】
米国特許第6,245,960号の「Inherent Healing Accelerator」は、開放創傷用包帯を開示しており、それは、複数の開窓を有するエラストマーシートを備え、当該開窓は、当該エラストマーシートを貫通する開口部を備え、それによって、当該エラストマーシートを実質的に覆うように、当該開窓を通って開放創傷から肉芽組織が成長し得、当該開窓の各々は、約4ミリメートル~約6ミリメートルの最大寸法を含む。
【0019】
米国特許第4,795,435号の「Device for Protecting a Wound」は、皮膚保護パッド、及びパッドよりも大きな面積の液体不浸透性材料の折り畳み可能なシートをそれに固定した皮膚硬化性接着材料を備える、創傷を保護するための装置を開示しており、当該折り畳み可能なシートの辺縁部分は、感圧接着剤の層が提供され、当該シートは、それ自体の上に折り畳まれ、その縁部の周りに液密に密封されて、区画を画定し、それによって、周辺部分は、必要に応じて、手動で引き離され得る。
【0020】
米国特許第5,449,340号の「Bandage for Replaceable Dressing」は、その上に感圧接着剤及び非接着性外側表面を有する接着剤内層表面を有するテープを備える、患者の皮膚に対する包帯を再訓練するためのバンテージを開示している。テープは、当該患者の皮膚に接着固定するための当該内側表面を含む基部部分と、当該基部部分が、当該患者の皮膚に固定された場合、包帯を受容するための当該患者の皮膚上の創傷上に置くための当該基部部分の開口手段と、当該開口手段を覆うタブ手段と、を更に含む。タブ手段は、当該接着剤内側表面が向かい合わせの関係で固定された状態で、当該テープがそれ自体の上に折り曲げられて形成され、当該タブ手段上の当該内側接着表面の露出部分、当該内側接着表面の当該露出部分は、当該基部部分の当該開口手段と対向関係にあるように位置し、パッド手段は、当該開口手段を覆うための当該タブ手段の当該内側接着表面の当該露出部分に接着固定され、固定手段は、当該タブ手段の対向部分及び当該開口手段を含有する当該基部部分の当該外側表面を互いに固定して、当該タブ手段を当該基部部分に固定し、当該パッド手段が当該開口手段内かつ当該タブ手段と当該患者の皮膚との間の位置に位置する。
【0021】
国際公開第1995/004511号の「IMPROVEMENTS IN AND RELATING TO DRESSINGS」は、上表面及び下表面を有する皮膚パッチを備える包帯を開示しており、当該下表面は、接着剤領域と、当該皮膚パッチに取り付けられたカバーフラップであって、取り付けが、カバーフラップが当該スキンフラップの上表面の少なくとも一部の上に位置付けられることを可能にする、カバーフラップと、カバーフラップを、当該皮膚パッチの上表面上に保持するための固定手段を含む当該包帯と、を有する。
【0022】
米国特許第5,086,763号の「Protective Reclosable Wound Dressing」は、創傷へのアクセスを提供する使い捨て、保護、再閉鎖可能な創傷包帯バンテージを開示している。包帯は、当該バンテージを身体の部分に接着させるための接着テープであって、当該テープが、創傷がその中に外接するような開口部を有する、接着テープと、当該接着テープに固着された軟質パッドフレームであって、当該軟質パッドフレームが、当該接着テープ内の当該開口部と位置合わせされた開口部を有し、当該軟質パッドフレームが、当該接着テープから外向きにオフセットを提供する、軟質パッドフレームと、当該軟質パッドフレームに固定されたパッドフレームであって、当該パッドフレームが、当該接着テープ内及び当該軟質パッドフレーム内それぞれの当該開口部と位置合わせされた開口部を有し、当該パッドフレームが、マイクロフック材料に接着するために使用される布地から製作されている、パッドフレームと、ガーゼパッドが、当該接着テープ、当該軟質パッドフレーム、及び当該パッドフレームと位置合わせされた当該開口部内に収まるような寸法を有する当該ガーゼパッドと、当該フラップを当該パッドフレーム及び当該ガーゼパッドに取り外し可能に固定するための、その面のかなりの部分上のマイクロフック材料を有する、取り外し可能な検査、薬剤被覆フラップであって、当該フラップが、当該フラップを開閉し、取り外すために、ケア提供者によって使用されるタブを有する、取り外し可能な検査薬剤被覆フラップと、を備える。
【0023】
しかしながら、皮膚閉鎖システムは、必要に応じて、皮膚閉鎖システムを使用して閉鎖された創傷の創傷滲出物の除去及び排液を可能にする手段から利益を得ることができる。皮膚閉鎖システムは創傷を緊密に密封するため、滲出物の量が有意である場合、任意の滲出液の圧力上昇を緩和するか、又は皮膚浸軟の発症を最小限に抑えることが有益であり得る。
【0024】
穿孔された又は多孔質又は有孔テープ構造を有する皮膚閉鎖装置及び包帯は、創傷滲出物の圧力を解放し、排液を提供し得るが、これらのシステムはまた、細孔又は孔を通っての汚染物質を侵入に対して、切開部及び創傷を開いたままにし、潜在的に感染をもたらす。並置構成で、切開部の周囲の皮膚領域を保持し、汚染物質の侵入からの保護及び隔離された、改善された装置、システム、及び方法が引き続き必要とされているが、滲出物の排出、創傷閉鎖装置の下で創傷状態を非破壊的に検査する能力を依然として提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0025】
一実施形態では、本発明は、皮膚閉鎖システムを形成するための液体急速重合性接着剤を有する、切開部又は創傷への適用のための装置であって、皮膚閉鎖システムを形成するための液体急速重合性接着剤を有する、切開部又は創傷への適用のための装置を含み、長手方向軸に沿って細長く、上面、及び反対側の下面又は創傷対向面、並びに軸のすぐ近傍にある中心部分を有する平坦な多孔質メッシュを備え、当該メッシュ内の複数の細孔及びウィンドウであって、当該ウィンドウが、当該細孔よりも実質的に大きく、当該中心部分において当該長手方向軸に沿って配列された、複数の細孔及びウィンドウと、当該メッシュ内又は当該メッシュ上に配置された架橋促進剤若しくは重合促進剤、又は架橋開始剤若しくは重合開始剤と、当該メッシュの下表面の少なくとも一部分上に配置された感圧接着剤と、を更に有する、装置に関する。
【0026】
いくつかの実施形態では、当該メッシュの縁部において当該メッシュに取り付けられた平坦なカバーが提供され、当該カバーは、本状の様式で当該メッシュの上面上で折り畳み可能であるように構成され、当該メッシュを少なくとも部分的に覆い、かつ当該ウィンドウを完全に覆うようにサイズ決めされている。
【0027】
いくつかの実施形態では、当該メッシュの当該縁部において当該メッシュに取り付けられ、当該ウィンドウを覆うようにサイズ決めされた吸収性パッドが提供され、当該吸収性パッドは、当該フラップと当該メッシュとの間に本状の構成で配置され、当該メッシュの上面上で折り畳み可能である。
【0028】
いくつかの実施形態では、細長い可撓性の平坦な当該ストリップを備えるマスクが提供され、当該ストリップは、ストリップに沿って配列され、狭いコネクタによって相互接続された複数のマスキングセグメントを備え、当該マスクは、メッシュ対向表面及び反対側の上表面を有し、マスクが、メッシュ上に配置されたとき、当該マスキングセグメントは、当該ウィンドウを完全に覆うように構成され、かつサイズ決めされ、マスキングセグメント間の間隔は、マスキングセグメントがウィンドウ上に位置合わせされるように、ウィンドウ間の対応する間隔と一致し、当該マスクは、マスクの一方の端部で直線的に延在する持ち上げタブを更に備え、当該マスクは、メッシュ対向表面で、メッシュの上面上に取り外し可能に取り付けられ、マスキングセグメントは、ウィンドウを覆う。
【0029】
別の実施形態によれば、皮膚切開部閉鎖のための創傷への皮膚閉鎖システムを形成するための液体急速重合性接着剤を有する、切開部又は創傷への適用のための装置の使用方法が提供され、本方法は、下面が、創傷に対向するように、装置を位置付けする工程と、
軸が、切開部と概ね重なることを確実にしながら、軸を切開部と整列させて方向付ける工程と、装置を用いて切開部の縁部を互いに接近させ、装置を、皮膚に接着させる工程と、重合性接着剤を、メッシュの上面上に適用するが、ウィンドウを通して適用しない工程と、接着剤をメッシュに浸透させて、皮膚に接触させる工程と、接着剤を、重合開始剤又は重合促進剤と反応させ、重合させて、したがってメッシュを皮膚に接着させる工程と、当該カバーを、本状の様式で当該メッシュの上面上で折り畳み、当該メッシュを少なくとも部分的に覆い、当該ウィンドウを完全に覆う工程と、を含む。本方法は、重合性接着剤を、メッシュの上面上及びマスクの上表面上に適用する工程と、接着剤をメッシュに浸透させて、皮膚に接触させる工程と、接着剤を、重合開始剤又は重合促進剤と反応させ、少なくとも部分的に重合させて、したがってメッシュを皮膚に接着させる工程と、マスクをメッシュから剥離する工程と、を更に含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1a】皮膚閉鎖装置の実施形態を示す上面からの概略図である。
【
図1b】皮膚閉鎖装置の実施形態を示す上面からの概略図である。
【
図1c】皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す概略側面断面図である。
【
図1d】皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す下面からの概略図である。
【
図1e】皮膚閉鎖装置の実施形態を示す上面からの概略図である。
【
図1f】創傷上に配置された皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す上面からの概略図である。
【
図2a】皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図2b】皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図3a】マスクの一実施形態を示す概略上面図である。
【
図3b】皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す概略上面図である。
【
図3c】皮膚閉鎖装置の一実施形態を示す概略側面断面図である。
【
図4a】装置の使用中の皮膚閉鎖装置の実施形態を示す概略上面図である。
【
図4b】装置の使用中の皮膚閉鎖装置の実施形態を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ウィンドウを用いる実施形態
ここで
図1a、
図1bを参照すると、皮膚閉鎖システム装置10aの実施形態は、上面22からの概略図で示され、装置10aは、長さL及び幅Wを有し、長手方向軸21に沿って細長い、上面22及び下面23を有する、薄い平坦な可撓性のメッシュ20を備える。メッシュ20は、穿孔又は微細孔25を全体にわたって有し、織布、不織布、押出、穴あき、穿孔、成形などの基材であり得る、多孔質テープを備える。メッシュ20は、重合開始剤又は重合促進剤でコーティング及び/又は含浸される。穿孔又は微細孔25は、長方形、三角形、楕円形などを含む任意の形状であり得る開口部である。円形の場合、穿孔25は、約0.2mm~約2mm、例えば、0.5、1、1.5mmの直径を有する。正方形の場合、穿孔25の辺は、約0.2mm~約2mm、例えば、0.5、1、1.5mmである。個々の穿孔25の面積は、約0.04mm2~約4mm2である。メッシュ20の25%~80%は、穿孔25によって占められている。
【0032】
メッシュ20は、長手方向軸21に沿ってメッシュ20の中心部分に概ね配列された、複数の大きな開口部又は大きな孔又はウィンドウ30を有する。ウィンドウ30は、穿孔25よりもはるかに大きく、例えば、10、15、20、30、50、100、200、500、1000倍大きいなど、少なくとも(面積で)10倍大きくサイズ決めされている。ウィンドウ30は、長方形、三角形、楕円形などを含む任意の形状であり得、
図1aに矩形のウィンドウ30が示され、
図1bに楕円形のウィンドウ30が示される。円形の場合、ウィンドウ30は、約3mm~約15mm、例えば、4、5、10、12mmの直径を有する。正方形の場合、ウィンドウ30の辺は、約3mm~約15mm、例えば、4、6、8、10、12mmである。個々のウィンドウ30の面積は、約9mm2~約225mm2である。ウィンドウ30は、軸21の長さ5cm当たり1~4個のウィンドウ30を有して、長手方向軸21に沿って概ね均一に配列される。いくつかの実施形態では、ウィンドウ30間の距離S1は、約10mm~約30mm、例えば、12、15、20、25mmである。いくつかの実施形態では、ウィンドウ30とメッシュ20の縁部24との間の距離S2は、約5mm~約30mm、例えば、7、10、15、20mmである。
【0033】
更に、
図1c及び
図1dを参照する。
図1cは、ウィンドウ30を示すために軸21に沿って切り取られた断面を用いて、皮膚閉鎖システム装置10aの概略側面断面図を示す。
図1dは、下面23からの装置10aの概略図を示す。装置10aの使用時に、組織又は皮膚対向面である下面23には、感圧接着剤(pressure sensitive adhesive、PSA)の複数の細長いトレース27が存在し、当該トレースは、メッシュ20の3%~約60%、より好ましくは5%~50%、例えば、5%、10%、20%、40%の面積を覆う。トレース27は、(図示されるように)PSAの線形セグメントの形態であり得、図示されるように約45°の角度下など、軸21に対して任意の角度下で実行し得る。トレース27は、その上、円形、正方形、楕円形のPSAドット(図示せず)などの任意の非線形形状を有し得る。
【0034】
ここで、
図1a、
図1bと同様の上面22からの図を下面23上に示す
図1eを参照すると、任意の剥離し易いライナー40は、少なくともメッシュ20の下面23全体にわたって延在し、メッシュ20の下面23全体を覆って配置されて、感圧接着剤(PSA)のトレース27を保護し得る。ライナー材料は、当該技術分野において既知であり、典型的には、PSAから容易に剥離可能である合成ポリマー又は天然ポリマーから作製される。ライナー40は、1つの部品(図示せず)であり得るか、又は2つ、3つ、4つ、若しくはそれ以上のセグメントを備え得る。
図1eに示されるように、ライナー40は、3つのセグメントを備え、中心セグメント40bは、周辺セグメント40aと周辺セグメント40cとの間に挟まれている。
【0035】
更に
図1fを参照すると、使用時に、下面23を覆う任意のライナー40材料を除去した後に、上面22から上面図で示されるメッシュ20は、創傷110を覆う組織又は皮膚100上に位置付けられ、下面23は、創傷110に対向し、上面22は、創傷110とは反対方向を向く。メッシュ20は、PSAのトレース27によって、創傷表面100(皮膚など)に固定される。任意選択的に、メッシュ20を使用して、メッシュ20の固定のためにPSAのトレース27を使用して、外科的切開部又は創傷110の縁部を接近又は付着で固定するために、外科的切開部又は創傷110の縁部を接近させて、付着又は接近して保持する。
【0036】
一般に、長手方向軸21は、創傷110の上に整列し、重なり合っている。外科的切開部又は創傷110上に装置10を位置付けすることは、軸21が、外科的切開部又は創傷110に可能な限り整列し、外科的切開部又は創傷110に重なる、すなわち、軸21が、外科的切開部又は創傷110と位置合わせされているように実施される。
【0037】
次いで、ウィンドウ30を除いて、メッシュ20を浸透し、皮膚100との接触を確立する、重合性又は架橋性接着剤50(図示せず)が、メッシュ20の上表面22全体にわたって均一に適用される。接着剤50は、ウィンドウ30の上部に又はウィンドウ30を通しては適用されない。接着剤50は、重合又は架橋の促進剤又は架橋剤で含浸された多孔質先端部を有する容器から出され得る。好ましい実施形態では、接着剤50は、重合又は架橋の促進剤又は架橋剤を有さないアプリケータから出され、そのような重合又は架橋の促進剤又は活性化剤/開始剤は、剥離可能な又は反応性の形態でメッシュ20上又はメッシュ20内に存在する、すなわち、接着剤50と接触した場合、急速な反応に利用可能である。
【0038】
次いで、液体接着剤50は、重合及び/又は架橋及び固体化し、皮膚100及びメッシュ20との確実な結合を確立する。したがって、装置10aによる皮膚閉鎖は、メッシュ20下の外科的切開部が、確実に被覆及び閉鎖されて完了し、ウィンドウ30は、接着剤50によって覆われていない創傷110の領域を提供し、廃液、検査、及びアクセスを可能にする。
【0039】
ウィンドウ及びフラップ又はカバーを用いる実施形態
ここで
図2aを参照すると、皮膚閉鎖システム装置10bの一実施形態が、概略斜視図で示されており、装置10bは、上記の装置10aの実施形態に記載されているようなメッシュ20を備え、フラップ又はカバー60は、ヒンジ62を形成する長縁部24に沿ってメッシュ20に取り付けられており、その結果、フラップ60は(図示されるように)開かれ得るか、又は本状の様式で上面22上でメッシュを覆って閉じ得る。矢印66は、開放する及び閉鎖するフラップ60を示す。フラップ60は、ウィンドウ30内に露出した創傷の保護体として機能し、透明又は不透明であり得る。フラップ60は、フラップ60が覆うメッシュ20のサイズに近似してサイズ決めされるが、フラップ60は、(面積で)最大25%大きいか、又は小さくてもよい。全ての実施形態では、フラップ60は、フラップ60が閉じられた場合、すなわちフラップ60がメッシュ20上に折り畳まれた場合、少なくとも全てのウィンドウ30を覆うように押収される。いくつかの実施形態では、フラップ60は、メッシュ20の長さLと同じ長さLfを有するが、メッシュ20の幅Wより狭いフラップ幅(Wf)を有するようにサイズ決めされ、フラップ60が閉じられた場合、フラップ60が、少なくとも全てのウィンドウ30を完全に覆うようにサイズ決めされる。一実施形態では、Wfは、メッシュ20の幅Wの半分とウィンドウ30(Ww)の直径又は幅の合計に等しく、すなわちWf=0.5
*W+Ww、フラップ60が閉じられた場合、ウィンドウ30を完全に覆うフラップ60をもたらす。
【0040】
フラップ60は、フラップ60をメッシュ20上に取り外し可能に固定し、ウィンドウ30内で視認可能な創傷領域を保護するために、メッシュ20に対向するフラップ60の一部又は全ての表面上に任意のPSAコーティングを有し得る。PSAによる取り付け後、フラップ60は、創傷110の検査のために上方に持ち上げられ、次いで必要に応じて再閉鎖され得る。メッシュ20に対向するフラップ60の全ての表面を覆うPSAの代わりに、フラップ60は、
図2aに示されるような縁部24及びヒンジ62の反対側の縁部だけに位置付けられた狭いPSAストリップ64など、メッシュ20に対向するフラップ60の一部の表面上のみにPSAゾーンを有し得る。狭いPSAストリップ64はまた、任意選択的に、剥離ライナー(図示せず)によって覆われ得る。
【0041】
フラップ又はカバー60は、ウィンドウ30内に露出した創傷及び組織の汚染、並びに汚染物質、感染性微生物などの侵入を防止する一方で、同時に排液、アクセス、及び検査を可能にする被覆を提供する。フラップ60は、検査を容易にするために透明であり得るか、又は不透明であり得、その場合、検査のためにフラップ60は持ち上げられる。
【0042】
装置10bの使用時に、装置10aの上記説明と同様に、下面23を覆う任意のライナー40材料を除去した後に、装置10bは、創傷110を覆う組織又は皮膚100上に位置付けられ、下面23は、創傷110に対向し、上面22は、創傷110とは反対方向を向く。メッシュ20は、PSAのトレース27によって、創傷表面100(皮膚など)に固定される。任意選択的に、メッシュ20を使用して、メッシュ20の固定のためにPSAのトレース27を使用して、外科的切開部又は創傷110の縁部を接近又は付着で固定するために、外科的切開部又は創傷110の縁部を接近させて、付着又は接近して保持する。一般に、長手方向軸21は、創傷110の上に整列し、重なり合っている。
【0043】
フラップ60によって上面22及びウィンドウ30を覆わないように、接着剤50を適用する前に、フラップ60は、上面22との接触から持ち上げられる。次いで、ウィンドウ30を除いて、メッシュ20を浸透し、皮膚100との接触を確立する、重合性又は架橋性接着剤50が、メッシュ20の上表面22全体にわたって均一に適用される。接着剤50は、ウィンドウ30の上部に又はウィンドウ30を通しては適用されない。接着剤50は、重合又は架橋の促進剤又は架橋剤で含浸された多孔質先端部を有する容器から出され得る。好ましい実施形態では、接着剤50は、重合又は架橋の促進剤又は架橋剤を有さないアプリケータから出され、そのような重合又は架橋の促進剤又は活性化剤/開始剤は、剥離可能な又は反応性の形態でメッシュ20上又はメッシュ20内に存在する、すなわち、接着剤50と接触した場合、急速な反応に利用可能である。
【0044】
次いで、液体接着剤50は、重合及び/又は架橋及び固体化し、皮膚100及びメッシュ20との確実な結合を確立する。液体接着剤50の完全な重合及び/又は架橋及び固化の後、フラップ60は、上面22を覆い、上面22に接触して、本状の様式で上面22上で閉じられる。したがって、装置10bによる皮膚閉鎖は、メッシュ20下の外科的切開部が、確実に覆われて、及び閉鎖されて完了し、ウィンドウ30は、接着剤50によって覆われていない創傷110の領域を提供し、廃液、検査、及びアクセスを可能にし、ウィンドウ30は、更に開閉可能なフラップで60によって覆われ、かつ保護される。
【0045】
吸収性インサートを用いる実施形態
ここで
図2bを参照すると、皮膚閉鎖システム装置10cの一実施形態が概略斜視図で示されており、装置10cは、上記のようなメッシュ20及びフラップ60を備え、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の中間吸収性で取り外し可能なインサート68は、同じヒンジ62を形成する長縁部24に沿ってフラップ60とメッシュ20との間に取り付けられ、その結果、インサート68は、メッシュ20と接触し得、フラップ60によって本状の様式で覆われ得る。矢印66は、開放する及び閉鎖するインサート68を示す。インサート68は、開口ウィンドウ30から排出される滲出物を吸収するための吸収性パッドとして機能し、インサート68が、任意の穿孔された切り取り線(図示せず)を有する縁部24に沿って引き裂くことによって除去され得る。1つのインサート68が示されているが、2、3、4、5、6、7、8、10個、最も好ましくは3~6個などの、複数のインサート38が存在し得る。使用時に、ウィンドウ30に最も近いインサート68は、吸収された滲出物を有するので、縁部24に沿ってそこを切り取ることによって除去され、フラップ60は再び閉じられ、次の利用可能なインサート68を覆う。
【0046】
マスクを用いる実施形態
ウィンドウ30を除いて、メッシュ20の上表面22全体にわたる重合性又は架橋性接着剤50の急速かつ効率的な適用を促進するために、接着剤50の適用前に、全てのウィンドウ30を覆う犠牲マスク70が提供される。ここで
図3aを参照すると、マスク70は、上面図で示されており、マスク70は、マスク70に沿って配置され、コネクタ74によって相互接続されたマスキングセグメント72を備える、細長い可撓性の平坦なストリップを備える。持ち上げタブ76は、マスク70の一方の端部にあるマスキングセグメント72aから直線的に延在し(図示されるように)、任意の第2の持ち上げタブは、マスク70の反対側の端部上のマスキングセグメント72から直線的に延在する(図示せず)。
【0047】
ウィンドウ30を完全に覆うように構成及びサイズ決めされたマスキングセグメント72は、ウィンドウ30と正確に同じでサイズ決めされるか、又はより好ましくはウィンドウ30よりわずかに大きくサイズ決めされる、例えば全ての辺で、ウィンドウ30の外側に延在するか、又はウィンドウ30を全ての辺で0.25~2.5mm重なる、例えば、ウィンドウ30の外側に全ての辺で0.5、1、1.5、2mm延在する。一例として、ウィンドウ30が、6mm×10mmの長方形である場合、マスキングセグメント72は、8mm×12mmの長方形として寸法決定され得、したがって、ウィンドウ30上に位置合わせされて位置付けられる場合、ウィンドウ30の上及び外側に1mm延在する。マスク70は、マスキングセグメント72間の間隔が、ウィンドウ30間の対応する間隔と一致するように構成されている。マスク70は、マスク70がメッシュ20の上部に位置付けられ、マスキングセグメント72が、ウィンドウ30上に位置合わせされた場合、全てのウィンドウ30を完全に覆うように構成されている。
【0048】
ここで
図1aのメッシュ20を示す
図3bを参照すると、示されるマスク70は、上面22上のメッシュ20の上部に位置付けられ、マスク70は、長手方向軸21に沿って整列し、マスキングセグメント72がウィンドウ30上に位置合わせされ、ウィンドウ30を完全に覆う。ウィンドウ30は、ウィンドウ30にわずかに重なって示されているマスキングセグメント72を通して視認可能な点線で
図3Bに概略的に示されている。
【0049】
持ち上げタブ76は、マスク70の一方の端部において、マスキングセグメント72aから直線的に延在し、メッシュ20を超えて外側に延在する。メッシュ20の外側に位置付けられた持ち上げタブのより大きく、より幅広い領域である、任意の把持部分77を有する持ち上げタブ76が示されている。
【0050】
メッシュ20に対向するマスク70上に適用された任意の感圧接着剤(図示せず)が存在し、マスク70がメッシュ20の上面22上に剥離可能又は取り外し可能に固定化されるのを促進する。感圧接着剤はまた、接着剤50が浸透して、ウィンドウ部30の領域内の創傷領域に接触するのを防止するためにも役立つ。一実施形態では、接着剤50がコネクタ74の下を流動するのを促進するために、メッシュ20対向するコネクタ74表面上にPSAは存在しないが、接着剤50がマスキングセグメント72の下に浸透して、ウィンドウ部30の領域内の創傷領域に接触するのを更に防止するために、存在するPSAは、メッシュ20及びウィンドウ30に対向するマスキングセグメント72表面上のPSAのみである。
【0051】
マスク70を用いる実施形態は、示された装置の実施形態10a、10b、10cのいずれかに適用され得る、すなわち、マスク70は、フラップ60及び吸収性インサート68を用いてかつ用いずに利用され得る。
【0052】
一実施形態では、コネクタ74及びマスキングセグメント72の上部に、重合を減速又は抑制するpH調整コーティングが存在する。コーティングは、重合を防止又は減速させる任意の化学物質、例えば、酸性系材料、酸、塩、及び緩衝剤であり得、これは、水中に溶解された場合、中性pH=7を7.0未満のpH値にすることを特徴とする。
【0053】
例としては、アンモニウム塩(NH4+)、メチルアンモニウム(CH3NH3+)、エチルアンモニウム(CH3CH2NH3+)、アニリニウム(C6H6NH2+)、並びにアニオン中の加水分解性プロトンを有する塩、例えば、二硫化物(HSO4-)、クエン酸二水素(H2C6H5O7-)、ビオキサレート(HO2C2O-)が挙げられる。塩の例としては、NaHSO4、NaH2PO4、NH4Cl、塩化アニリニウムなどを挙げることができる。
【0054】
ここで
図1cと同様のメッシュ20の側面断面図である
図3cを参照すると、
図3cは、
図3bの装置の側面断面図を示し、メッシュ20は、上面22上に配置されたマスク70を有する。
【0055】
好ましくは、コネクタ74の寸法は、メッシュ20の上部に位置付けられたマスク70が、液体重合性接着剤50によって覆われたとき、接着剤がコネクタ74の下に浸透し、コネクタ74の下のメッシュ20の領域を実質的に又は完全に覆い、コネクタ74の下での接着剤50を有さない領域の形成を防止するように選択される。本明細書で使用される場合、「実質的に覆う」は、接着剤を用いて装置を十分に覆って、創傷又は切開を閉鎖する意図された目的のために、十分な閉鎖又は接近した状態で創傷又は切開を維持することを説明することが意図される。
【0056】
有利なことには、ウィンドウ30及びマスキングセグメント72の寸法は、接着剤50が、マスキングセグメント72の下には完全に浸透せず、ウィンドウ30の領域を実質的に覆わないように選択される一方で、コネクタ74の寸法は、接着剤50が、コネクタ74の下に浸透し、コネクタ74の下のメッシュ20の領域を実質的に又は完全に覆うように選択される。
【0057】
マスキングフィルムのストリップとして、コネクタ74の幅の実験的試験を模擬皮膚基材上で実施した。様々な粘度を有する重合性接着剤、具体的には粘度約8cP及び200cPを使用した。接着剤を、PSAを使用して、メッシュ上に固定化された様々な幅のシールドフィルムのストリップ上に適用した。適用から0.5~5分以内に、シールドフィルムストリップを持ち上げ又は剥離し、シールドフィルムのストリップの下での液体接着剤の浸透を評価した。結果は、8cPの粘度の液体接着剤が、幅3mmのストリップの下に完全に浸透し、幅7mmのストリップの下に部分的に浸透し、幅11mmのストリップの下には実質的に浸透しなかったことを示す。200cPの粘度の液体接着剤は、幅3mmのストリップの下に部分的に浸透し、幅7及び11mmのストリップの下には実質的に浸透しなかった。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、コネクタ74の幅は、コネクタ74の下で使用される(所与の粘度を有する)液体接着剤の完全な浸透を確実にするように選択される。いくつかの実施形態によれば、マスキングセグメント72の幅は、マスキングセグメント72の下で使用される(所与の粘度を有する)液体接着剤の浸透がないか、又はわずかに制限された浸透を確実にするように選択される。
【0059】
一実施形態によれば、コネクタ74の幅は、3mm以下であり、一方で、マスキングセグメント72の幅は、7mm以上である。別の実施形態によれば、マスキングセグメント72の幅は、11mm以上である。一実施形態によれば、記載されるようなマスクは、8cP粘度又は200cP粘度を有する接着剤と共に使用するようにサイズ決めされる。
【0060】
一実施形態によれば、記載されるようなマスクは、8cP~200cPの粘度を有する接着剤と共に使用するようにサイズ決めされる。
【0061】
使用時に、更に
図4aを参照すると、
図1fの実施形態に関する説明と同様に、下面23を覆う任意のライナー材料を除去した後のメッシュ20は、下面23が創傷に対向するように創傷上に位置付けられる(図示せず)。メッシュ20は、PSAのトレースによって創傷表面(皮膚など)に固定される(図示せず)。任意選択的に、メッシュ20を使用して、メッシュ20の固定のためにPSAのトレースを使用して、外科的切開部又は創傷の縁部を接近又は付着で固定するために、外科的切開部又は創傷の縁部を接近させて、付着又は接近して保持する。
【0062】
一般に、長手方向軸21は、創傷の上に整列し、重なり合っている。外科的切開部又は創傷上に装置10aを位置付けすることは、軸21が、外科的切開部又は創傷に可能な限り整列し、外科的切開部又は創傷に重なる、すなわち、軸21が、外科的切開部又は創傷と位置合わせされているように実施される。
【0063】
次いで、液体重合性又は架橋性接着剤50は、接着剤50によって完全に覆われた破線で概略的に示されるオーバーマスク70を含む、メッシュ20の上表面22全体にわたって均一にかつ急速に適用される。液体接着剤はまた、マスキングセグメント72によって完全に覆われている(マスキングセグメント72の下で
図4aでは見えない)ウィンドウ30に対応する領域上にも適用される。次いで、接着剤50は、メッシュ20を浸透し、コネクタ74の下を含むマスキングセグメント72によって覆われていない全ての領域において、皮膚100(図示せず)との接触を確立する。次いで、液体接着剤50は、重合及び/又は架橋を開始するが、接着剤50の完全な重合及び/又は架橋及び固化の前に、好ましくはタブ76及び/又は任意の把持部分77を手で引っ張って、メッシュ20と反対の方向に引っ張ることによって、マスク70は、メッシュ20から持ち上げられるか又は剥離されて、マスク70をメッシュ20から除去する。接着剤50の完全な固化及び重合前に、マスク70を除去することが好ましい。次いで、接着剤50によって覆われたマスク70を廃棄し、
図4bに示されるように、皮膚又は創傷との確実な結合を確立したメッシュ20、及び接着剤50を含まず、接着剤50によって覆われていないウィンドウ30を残す。したがって、装置10aによる皮膚閉鎖は、メッシュ20の下の外科的切開部が、確実に覆われかつ閉鎖されて完了し、接着剤50は、複雑なウィンドウパターンにもかかわらず、急速に適用され、ウィンドウ30は、接着剤50によって覆われていない創傷の領域を提供し、廃液、検査、及びアクセスを可能にする。
【0064】
有利なことには、マスク70を使用することによって、接着剤をウィンドウ30の周囲に慎重に適用し、接着剤がウィンドウ30内に入ることを回避する必要がなく、装置10の表面全体にわたる接着剤50の急速な適用が可能になる。これによって、実施形態10a、10b、10cを含む装置10の適用を迅速かつ容易に展開することが促進される。有利なことには、表面全体にわたる接着剤50のそのような急速な適用の後、マスク70を迅速に手動除去すると、ウィンドウ30を通して組織及び/又は創傷及び/又は皮膚が露出したままになる。
【0065】
サイズ/寸法/材料
可撓性メッシュ20、ライナー40、フラップ又はカバー60、マスク70は、任意の好適な生体適合性ポリマー材料、天然、合成ポリマー、又はこれらの組み合わせから作製される。例示的な材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが挙げられる。吸収性で取り外し可能なインサート68は、任意の流体吸収性で、天然若しくは合成ポリマーなどの生物医学的に互換性のある材料、又はこれらの組み合わせから作製され得る。これは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、酸化セルロース、カルボキシメチルセルロース、綿、変性綿、又は一般的に任意の吸収性かつ/又はスポンジ状かつ/又は繊維性の生体適合性材料を含み得る。
【0066】
メッシュ20は、楕円形、長方形などの創傷を覆う任意の細長い形状であり得る。メッシュ20が、1:5などの約1:2~約1:20の長さと幅との比を有し得る。メッシュ20の長さは、25cmなどの約10cm~約50cmである。メッシュ20の幅は、3cm、5cmなどの2cm~10cmである。
【0067】
感圧接着剤(PSA)の細長いトレース27は、約0.5mm~約7mm、より好ましくは、1、1.5、2、3、4mmなどの、1mm~5mmの幅を有する。細長いトレース27の長さは、10、15、20、30、40、50、60mmなどの、メッシュ20の幅の約50%~メッシュ20の幅の約300%である。細長いトレース27の長さは、50、100、200、300mmなどの、メッシュ20の長さの約50%~約100%である。
【0068】
PSA
PSA材料は、ハイドロコロイド、ホモポリマーエマルジョン(PVA)、水系アクリル接着剤、ポリウレタン分散液(PUD)、ポリエチレングリコール、デキストリン/デンプン系接着剤、N-ビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテートを含む水溶性感圧接着剤、又はアクリル接着剤、シアノアクリレート接着剤、エポキシ、シリコーン系接着剤、及びウレタンを含む非水溶性感圧接着剤によって例示される。
【0069】
反応開始剤
好ましい一実施形態では、接着剤の重合又は架橋の開始剤及び/又は促進剤又は速度調整剤は、メッシュ20上に放出可能に配置され得るか、又はメッシュ20内に放出可能に組み込まれ得る。例えば、1つ又は2つ以上の化学物質は、化学的に結合、物理的に結合、コーティング、吸収、又は吸着されるなど、メッシュ20内又はメッシュ20上に分散され得る。
【0070】
例えば、重合開始剤又は促進剤又は速度調整剤は、その開始剤又は速度調整剤が、続いて適用される重合性接着剤組成物に所望の開始又は速度調整の効果を提供するように、メッシュ20内又はメッシュ20上に充填され得る。重合開始剤又は速度調整剤は、その開始剤又は速度調整剤がメッシュ20から分離してしまうことなく、その残分が結果として生じるポリマー材料中に分散するように、メッシュ20内又はメッシュ20上に固定され得る。代替的に、例えば、重合開始剤又は速度調整剤は、続いて適用される重合性接着剤組成物によって可動化又は可溶化され、結果として生じるポリマー材料中に分散するような様式でのみ、最初にメッシュ20に取り付けられ得る。
【0071】
必要に応じて、化学物質の組み合わせも、メッシュ20内又はメッシュ20上に提供されて、複数の効果を提供し得る。例えば、第1の化学種(重合開始剤又は速度調整剤など)は、メッシュ20内又はメッシュ20上に固定され得る一方で、第2の異なる化学種(生物活性材料など)は、メッシュ20に分離可能に取り付けられ得る。化学種及び結果として生じる効果の他の組み合わせもまた構想される。
【0072】
メッシュ20内又はメッシュ20上に存在する場合、化学物質(すなわち、重合開始剤、速度調整剤、及び/又は生物活性材料、又はその他の添加剤)は、任意の好適な様式でメッシュ20内又はメッシュ20上に組み込まれ得る。例えば、化学物質は、メッシュ20を、この化学物質を含む溶液、混合物などと接触させることによって、メッシュ20に添加され得る。化学物質は、例えば、浸漬、噴霧、ロールコーティング、グラビアコーティング、はけ塗り、蒸着などによって、メッシュ20に添加され得る。代替的に、化学物質は、成形中などのメッシュ20の製造中にメッシュ20内中又はメッシュ20上に組み込まれ得る。
【0073】
メッシュ20内又はメッシュ20上に充填された重合開始剤又は速度調整剤は、例えばより速い重合時間を提供するために、多くの利点を提供し得る。重合開始剤又は速度調節剤の濃度を高めて、重合時間を更に短縮してもよい。重合開始剤又は速度調整剤がメッシュ20内又はメッシュ20上に直接充填されるので、重合性接着剤組成物と重合開始剤又は速度調整剤とを適用前に混合する必要がない。これは、より長い作業時間を可能にし得、重合性モノマー組成物は、より長い時間にわたって、より正確にかつ注意深く適用されることができる。そのような好適な開始剤は、当技術分野では公知であり、例えば、米国特許第5,928,611号及び同第6,620,846号に説明され、両方が参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれ、並びに米国特許出願第2002/0037310号に説明され、参照によりその全体がまた本明細書に組み込まれる。重合開始剤として有用な四級アンモニウム塩化物及び臭化物塩は、特に好適である。例として、臭化ドミフェン、塩化ブチリルコリン、臭化ベンザルコニウム、塩化アセチルコリンなどの四級アンモニウム塩がとりわけ使用されてもよい。塩化ベンジルトリアルキルアンモニウムなどのベンザルコニウム又はベンジルトリアルキルアンモニウムハライドが使用されてもよい。使用される場合、ベンザルコニウムハライドは、異なる鎖長化合物の混合物を含む、精製されていない状態のベンザルコニウムハライドであり得るか、又はC12、C13、C14、C15、C16、C17、及びC18の化合物が挙げられるが、これらには限定されない、約12個~約18個の炭素原子の鎖長を有するものを含む任意の好適な精製された化合物であり得る。例として、開始剤は、塩化ベンジルトリアルキルアンモニウム(BTAC)など四級アンモニウム塩化物塩であってもよい。
【0074】
また、他の開始剤又は促進剤は、過度の実験なしに当業者によって選択されてもよい。そのような好適な開始剤又は促進剤としては、洗剤組成物;界面活性剤:例えば、ポリソルベート20(例えば、ICI AmericasからのTween20(商標))、ポリソルベート80(例えば、ICI AmericasからのTween80(商標))及びポロキサマーなどの非イオン性界面活性剤、臭化テトラブチルアンモニウなどのカチオン性界面活性剤、硫酸テトラデシルナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、並びにドデシルジメチル(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、分子内塩などの両性又は双性イオン界面活性剤;イミダゾール、アルギニン及びポビジンなどのアミン、イミン及びアミド;トリフェニルホスフィン及び亜リン酸トリエチルなどのホスフィン、亜リン酸塩、及びホスホニウム塩;エチレングリコール、没食子酸メチルなどのアルコール;タンニン;亜硫酸水素ナトリウム、硫酸カルシウム及びケイ酸ナトリウムなどの無機塩基及び塩;チオ尿素及びポリスルフィドなどの硫黄化合物;モネンシン、ノナクチン、クラウンエーテル、カリックスアレーン及び高分子エポキシドなどの高分子環状エーテル;炭酸ジエチルなどの環状及び非環状カーボネート;Aliquat 336などの相間移動触媒;ナフテン酸コバルト、及びアセチルアセトン酸マンガンなどの有機金属;並びに、ジ-ブチルペルオキシド、及びアゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤又は促進剤及びラジカルを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0075】
3つ、4つ、又はそれ以上などの2つ又は3つ以上の開始剤又は促進剤の混合物が使用されてもよい。複数の開始剤又は促進剤の組み合わせは、例えば、重合性モノマー種の開始剤を調整するために有益であり得る。例えば、モノマーのブレンドが使用される場合、開始剤のブレンドは、単一の開始剤より優れた結果を提供し得る。例えば、開始剤のブレンドは、1つのモノマーを優先的に開始する1つの開始剤、及び他のモノマーを優先的に開始する第2の開始剤を提供することができ、又は確実に両方のモノマー種が等価の若しくは所望の不等価の速度で開始されるのを確実にする開始速度を提供することができる。この方法では、開始剤のブレンドは、必要な開始剤の量を最小限にするのに役立ち得る。更に、開始剤のブレンドは重合反応速度論を強化し得る。
【0076】
接着剤
一実施形態では、液体又は半液体接着剤50は、水分、タンパク質の痕跡などの組織上の天然に見出される開始剤を含む、接着剤重合及び/又は接着剤架橋の開始剤及び/又は促進剤との接触後に、重合、又は架橋重合、又は架橋する。そのような開始剤及び/又は促進剤は、放出不可能にコーティング又は配置され得る、すなわち、メッシュ20内又はメッシュ20上に固定される一方で、重合及び/又は架橋を開始又は促進する活性を維持する。一実施形態では、開始剤及び/又は促進剤は、放出可能に配置される、すなわち、それらは、流動性の接着剤50中に少なくとも部分的に放出されてこれと混合することが可能である。
【0077】
好ましい一実施形態では、接着剤50は、メッシュ20内又はメッシュ20上に放出可能に配置された開始剤及び/又は促進剤との接触後に重合又は架橋する。接着剤50の急速な重合及び/又は架橋により、装置10が組織に接合する。
【0078】
接着剤50は、いかなる種類の生体適合性で、急速に架橋可能でかつ/若しくは重合性の化合物、又は化合物の混合物であり得る。急速に架橋可能及び/又は重合可能であることは、開始剤又は促進剤を加えた後、あるいは接着剤が2つ又は3つ以上の成分から形成された後に、0.2分から約20分以内、より好ましくは、例えば1、2、3、5分などの0.5分から10分以内に硬化する、すなわち架橋及び/又は重合することが可能であることを意味する。
【0079】
一実施形態では、接着剤50は、例えば、別個のバレル又はデュアルバレルシリンジに含有される2つの成分を、混合先端部にこれらの2つの成分を通して混合することによって、メッシュ20への適用前に形成される。この実施形態では、メッシュ20の内側に架橋開始剤又は促進剤は、配置されていない。一実施形態では、接着剤50は、フィブリノーゲンとトロンビンとを混合することにより形成される。
【0080】
一実施形態では、接着剤50は、フィブリノーゲンを含み、メッシュ20の内側に配置された架橋開始剤又は促進剤は、トロンビンを含む。
【0081】
好ましい一実施形態では、重合性接着剤組成物が、重合性単量体接着剤を含んでもよい。実施形態では、重合性接着剤組成物は、重合性1,1-二置換エチレン単量体配合を含む。実施形態では、重合性接着剤組成物は、シアノアクリレート配合を含む。実施形態では、ポリウレタン、ポリエチレングリコール、アクリレート、グルタルアルデヒドなどの合成重合性接着性材料及び生物ベースの接着剤が使用されてもよい。
【0082】
単独で又は組み合わせて使用可能な好適なα-シアノアクリレートモノマーとしては、2-オクチルシアノアクリレートなどのアルキルα-シアノアクリレート;ドデシルシアノアクリレート;2-エチルヘキシルシアノアクリレート;n-ブチルシアノアクリレートなどのブチルシアノアクリレート;エチルシアノアクリレート;メトキシエチルシアノアクリレートなどのメチルシアノアクリレート、又は他のα-シアノアクリレートモノマー;2-エトキシエチルシアノアクリレート;3-メトキシブチルシアノアクリレート;2-ブトキシエチルシアノアクリレート;2-イソプロポキシエチルシアノアクリレート;及び1-メトキシ-2-プロピルシアノアクリレートが挙げられる。実施形態では、モノマーは、エチル、n-ブチル、又は2-オクチルα-シアノアクリレートである。使用され得る他のシアノアクリレートモノマーとしては、アルキルシアノアセテート又はアルキルエステルシアノアセテートの、パラホルムアルデヒドとの、クネーフェナーゲル反応(Knoevenagel)反応、それに続く、結果として生じるオリゴマーの熱分解及び蒸留によって調製されたものなどのアルキルエステルシアノアクリレートが挙げられる。
【0083】
その他の多くの接着剤配合物が使用可能であり、当業者に周知である。例えば、PEGスクシンイミジルグルタレートを含む混合物を、流動性の接着剤として使用することができる。
【0084】
本発明の皮膚閉鎖システムの使用
一実施形態では、創傷への本発明の装置の適用は、以下の一連の工程で実施される。以下で使用される参照番号を識別するために、図面を参照されたい。
【0085】
本発明の装置10a、10b、10cを適用する前に、徹底的な創傷洗浄のための創傷準備のための標準的な外科的施術、すなわち、洗浄、灌注、創面切除、止血の実施、及び深い層の閉鎖に従い、それによって、皮膚縁部に張力は存在しない。皮膚縁部は、インスタント装置の適用前に、緊密に接近されなければならない、その結果、メッシュ20の適用中に有意な手動近似が必要とされない。
【0086】
創傷を乾燥した滅菌ガーゼで軽く叩いて乾燥させて、メッシュ20及び接着剤50の皮膚100への接着のための直接組織接触を確実にする。
【0087】
無菌的に、装置10a、10b、又は10c、及び好適な容器内の液体接着剤を無菌フィールドに移す。
【0088】
特に
図1d、
図1e、及び
図1fを参照すると、メッシュ20から剥離ライナー40の中心セグメント40bを除去する。第1の中心セグメント40bを除去することは好ましいが、代替的なシーケンスは、中心セグメント40b及び1つの周辺セグメント40aの両方を同時に除去することを伴い得る。更に別の代替的なシーケンスは、第1の唯一の周辺セグメント40aを除去することを伴い得る。
【0089】
感圧接着剤(PSA)27が患者の皮膚100に接着するメッシュ20の下面23上にあることを確実にしながら、ライナー40の角部でメッシュ20を保持する。
【0090】
約1cmのメッシュ20が、切開部110の開始部から延在することを確実にしながら、半分が、切開部又は創傷110のいずれかの側になるようにメッシュ20を位置付けする。メッシュ20の切開部110の選択された側への密着を確実にするために、穏やかに押す。皮膚縁部の接近を達成し、残りのメッシュ20を切開部110の他方の側に固定させるために、指又はピンセットで調節しながら、メッシュ20を切開部110の上に垂直に穏やかに引っ張る。メッシュ20が緩んでいる領域が存在する場合、手袋をした指又は器具を患部の上に穏やかに通過させて、メッシュ20の皮膚100への完全な接着を確実にする。
【0091】
セグメント40a、40cなどの残りのライナー40セグメントを除去する。
【0092】
少なくとも1cmのメッシュ20が、切開部110の端部を越えて延在することを確実にしながら、必要に応じてメッシュ20をトリムする。液体接着剤50の適用前に、メッシュ20が皮膚100と密着することを確実にする。
【0093】
液体接着剤50は、メッシュ20が置かれた直後に、メッシュ20の上に適用されるべきである。接着剤をメッシュ20上に展延する前に、体液が浸透した場合、皮膚縁部の近接を妨げることなく、展開されたメッシュ20を、乾燥した滅菌ガーゼで軽く叩いて穏やかに乾燥させる。
【0094】
概して
図3a、
図3b、
図3c、
図4a、及び
図4bを参照すると、メッシュ20の全長にわたって滑らかかつ均一に液体接着剤50を展延し、任意選択的に好適な可撓性アプリケータ先端部を使用して皮膚領域を取り囲む。短いストロークを使用して、メッシュ20の一方の端部から他方に移動させることによって液体接着剤50を適用し、液体接着剤50が、全長Lに沿って適用される際に、メッシュ20が浸されていることを確実にする。液体接着剤50は、メッシュ20の縁部にもわずかに適用され得、周囲の皮膚の小さな辺縁を覆う。
【0095】
マスク70を用いない実施形態では、ウィンドウ30を避けて、すなわちウィンドウ30を通して接着剤を適用することなく、メッシュ20の上部に液体接着剤50を適用する。
【0096】
マスク70を用いる実施形態では、液体接着剤50をメッシュ20の上部に、かつマスク70の上部にも適用する、すなわちマスク70によって覆われたウィンドウ30の領域を覆う。
【0097】
マスク70を用いる実施形態では、液体接着剤50を適用した後、好ましくは接着剤50の完全な重合の前に、マスク70を持ち上げて、直ちに廃棄する。
【0098】
メッシュ20に適用されると、約1分後に、メッシュ20の長さに沿って手袋をした指で穏やかに軽く叩くことによって重合が完了したことを確認し、粘着性を確認する。液体ではない又は粘着性が見られない場合、重合プロセスは完了する。液体接着剤が重合すると、実施形態10b、10cのフラップ60は、上面22を折り畳むことによってメッシュ20の上で閉じられ得る。
【0099】
本発明の実施形態の上述の開示及び説明は、説明及び例示を目的とするものであり、好適な実施形態の寸法、形状及び材料並びに説明に、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更を加えてもよいことが理解されよう。
【0100】
〔実施の態様〕
(1) 皮膚閉鎖システムを形成するための液体急速重合性接着剤を有する、切開部又は創傷への適用のための装置であって、
長手方向軸に沿って細長く、上面及び反対側の下面又は創傷対向面、並びに前記軸のすぐ近傍にある中心部分を有する平坦な多孔質メッシュを備え、
前記メッシュ内の複数の細孔及びウィンドウであって、前記ウィンドウが、前記細孔よりも実質的に大きく、前記中心部分において前記長手方向軸に沿って配列された、複数の細孔及びウィンドウと、
前記メッシュ内又は前記メッシュ上に配置された架橋促進剤若しくは重合促進剤、又は架橋開始剤若しくは重合開始剤と、
前記メッシュの前記下表面の少なくとも一部分上に配置された感圧接着剤と、を更に有する、装置。
(2) 前記メッシュの縁部において前記メッシュに取り付けられた平坦なカバーを更に備え、
前記カバーが、本状の様式で前記メッシュの前記上面上で折り畳み可能であるように構成され、前記メッシュを少なくとも部分的に覆い、かつ前記ウィンドウを完全に覆うようにサイズ決めされている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記カバーが、前記メッシュの前記上面に対向する前記カバーの面上に配置された感圧接着剤を更に備える、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記カバーが、前記メッシュの前記上面に剥離可能に接着している、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記カバーが、部分的に又は完全に透明である、実施態様2に記載の装置。
【0101】
(6) 前記メッシュの前記縁部において前記メッシュに取り付けられ、前記ウィンドウを覆うようにサイズ決めされた複数の吸収性パッドを更に備え、前記吸収性パッドが、前記フラップと前記メッシュとの間に本状の構成で配置され、前記メッシュの前記上面上で折り畳み可能である、実施態様2に記載の装置。
(7) 前記吸収性パッドが、切り取り線を更に備え、前記メッシュの前記縁部から容易に切り取られるように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 細長い可撓性の平坦なストリップを備えるマスクを更に備え、前記ストリップが、前記ストリップに沿って配列され、狭いコネクタによって相互接続された複数のマスキングセグメントを備え、
前記マスクが、メッシュ対向表面及び反対側の上表面を有し、
前記マスクが、前記メッシュ上に配置されたとき、前記マスキングセグメントが、前記ウィンドウを完全に覆うように構成され、かつサイズ決めされ、
マスキングセグメント間の間隔は、前記マスキングセグメントが前記ウィンドウ上に位置合わせされるように、ウィンドウ間の対応する間隔と一致し、
前記マスクが、前記マスクの一方の端部で直線的に延在する持ち上げタブを更に備え、
前記マスクが、メッシュ対向表面で、前記メッシュの前記上面上に取り外し可能に取り付けられており、前記マスキングセグメントが前記ウィンドウを覆う、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記マスクが、前記メッシュ対向表面上に配置された感圧接着剤を更に備える、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記感圧接着剤が、前記マスキングセグメント上に存在し、前記コネクタ上には存在しない、実施態様9に記載の装置。
【0102】
(11) 前記マスクの前記上表面上に、重合を減速させるように構成されたpH調整コーティングを更に備える、実施態様8に記載の装置。
(12) 前記マスキングセグメント及び前記コネクタの寸法は、前記接着剤が、前記マスキングセグメントの下には完全に浸透せず、前記コネクタの下には完全に浸透するように構成されている、実施態様8に記載の装置。
(13) 前記接着剤が、8cP~200cPの粘度を有する、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記促進剤又は前記開始剤が、第四級アンモニウム塩を含む、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記接着剤が、シアノアクリレートモノマー、フィブリノーゲン、又はPEGスクシンイミジルグルタレートを含む、実施態様1に記載の装置。
【0103】
(16) 皮膚切開部閉鎖のための、創傷上への実施態様2に記載の装置の使用方法であって、
前記下面が、前記創傷に対向するように、実施態様2に記載の装置を位置付けする工程と、
前記軸が、前記切開部と概ね重なることを確実にしながら、前記軸を前記切開部と整列させて方向付ける工程と、
実施態様2に記載の装置を用いて前記切開部の縁部を互いに接近させ、実施態様2に記載の装置を、前記皮膚に接着させる工程と、
重合性接着剤を、前記メッシュの前記上面上に適用するが、前記ウィンドウを通して適用しない工程と、
前記接着剤を前記メッシュに浸透させて、前記皮膚に接触させる工程と、
前記接着剤を、前記重合開始剤又は前記重合促進剤と反応させ、重合させて、したがって前記メッシュを前記皮膚に接着させる工程と、
前記カバーを、本状の様式で前記メッシュの前記上面上に折り畳み、前記メッシュを少なくとも部分的に覆い、前記ウィンドウを完全に覆う工程と、を含む、方法。
(17) 皮膚切開部閉鎖のための、創傷上への実施態様8に記載の装置の使用方法であって、
前記下面が、前記創傷に対向するように、実施態様8に記載の装置を位置付けする工程と、
前記軸が、前記切開部と概ね重なることを確実にしながら、前記軸を前記切開部と整列させて方向付ける工程と、
実施態様8に記載の装置を用いて、前記切開部の縁部を互いに接近させ、実施態様8に記載の装置を、前記皮膚に接着させる工程と、
重合性接着剤を、前記メッシュの前記上面上及び前記マスクの前記上表面上に適用する工程と、
前記接着剤を前記メッシュに浸透させて、前記皮膚に接触させる工程と、
前記接着剤を、前記重合開始剤又は前記重合促進剤と反応させ、少なくとも部分的に重合させて、したがって前記メッシュを前記皮膚に接着させる工程と、
前記マスクを前記メッシュから剥離する工程と、を含む、方法。
(18) キットであって、
実施態様1に記載の装置と、
重合性接着剤を、前記メッシュ上に出し、展延するための先端部を有する、前記重合性接着剤を含む容器と、を備える、キット。
(19) キットであって、
実施態様8に記載の装置と、
重合性接着剤を、前記メッシュ上に出し、展延するための先端部を有する、前記重合性接着剤を含む容器と、を備える、キット。