(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】ステーターおよびこれを備えるモーター
(51)【国際特許分類】
H02K 3/34 20060101AFI20231030BHJP
H02K 3/44 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
H02K3/34 B
H02K3/44 B
(21)【出願番号】P 2021505988
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(86)【国際出願番号】 KR2019008337
(87)【国際公開番号】W WO2020040424
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2018-0097600
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,イルシク
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204216691(CN,U)
【文献】特開2014-200131(JP,A)
【文献】特開2003-333783(JP,A)
【文献】特開2016-208562(JP,A)
【文献】特開2015-133808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0069457(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102017209931(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/34
H02K 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークおよび前記ヨークの内側面から突出する複数のトゥースを含むステーターコアと、
前記ステーターコアの一部を取り囲むインシュレーターと、
前記インシュレーター上に巻線されるコイルと、
前記ステーターコア、前記インシュレーターおよび前記コイルを覆うように配置されるモールディング部と、を含み、
前記インシュレーターは、第1インシュレーターおよび第2インシュレーターを含み、
前記第1インシュレーターは、
前記コイルが巻線されるボディー部、
前記ボディー部の内側から
軸方向に延長された内側ガイド、
前記ボディー部の外側から軸方向に延長された第1外側ガイド、
前記第1外側ガイドから外側に離隔して配置され、前記ボディー部の外側から前記軸方向に延長された第2外側ガイド
、
前記第2外側ガイドから前記第1外側ガイドへ半径方向に内側に突出した突起
、および
前記突起の端部と前記第1外側ガイドと
の間に位置する所定のギャップGを
含み、
前記コイルの一部は、前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置され
、
前記インシュレーターは、前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置される連結部を含み、
前記連結部は、前記ヨーク上に配置され、
前記突起の下部は、前記連結部から所定の高さHに位置する、
ステーター。
【請求項2】
前記突起の半径方向の幅W1は、前記コイルの外径の0.6倍以上である請求項1に記載のステーター。
【請求項3】
前記突起の円周方向の幅W2は、前記コイルの外径の2倍以上である請求項1又は2に記載のステーター。
【請求項4】
前記高さHは、前記コイルの外径の3倍以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のステーター。
【請求項5】
前記ステーターは、前記コイルの端部と接続されるターミナルをさらに含み、
前記第2インシュレーターは、
前記コイルが巻線されるボディー部、
前記ボディー部の外側から垂直した方向に延長された第1外側ガイド、
前記第1外側ガイドから外側に離隔して配置される第2外側ガイド、および
前記ボディー部の内側から垂直した方向に延長された内側ガイドを含み、
前記内側ガイドの上端には、前記ターミナルの一側が結合される溝が形成される請求項1乃至4のいずれか一項に記載のステーター。
【請求項6】
前記ターミナルは、
ターミナルボディー、
前記ターミナルボディーの上面から突出したピン部、
前記ターミナルボディーの下面から突出した突出部および
前記ターミナルボディーの両側をそれぞれ折曲して形成された折曲部を含み、
前記突出部は、前記溝に結合される請求項5に記載のステーター。
【請求項7】
円周方向を基準として3つの前記第1インシュレーターの間には、前記第2インシュレーターが配置される請求項1乃至6のいずれか一項に記載のステーター。
【請求項8】
前記インシュレーターは、射出方式によって前記ステーターコアに配置される請求項1乃至7のいずれか一項に記載のステーター。
【請求項9】
前記インシュレーターに前記コイルが巻線された状態で前記モールディング部が射出方式によって形成される請求項1乃至8のいずれか一項に記載のステーター。
【請求項10】
シャフトと、
前記シャフトと結合して回転するローターと、
前記ローターの外側に配置されるステーターと、を含み、
前記ステーターは、
ステーターコアと、
前記ステーターコアの一部を取り囲むインシュレーターと、
前記インシュレーター上に巻線されるコイルと、
前記ステーターコア、前記インシュレーターおよび前記コイルを覆うように配置されるモールディング部と、を含み、
前記インシュレーターは、第1インシュレーターおよび第2インシュレーターを含み、
前記第1インシュレーターは、
前記コイルが巻線されるボディー部、
前記ボディー部の内側から
軸方向に延長された内側ガイド、
前記ボディー部の外側から軸方向に延長された第1外側ガイド、
前記第1外側ガイドから外側に離隔して配置され、前記ボディー部の外側から前記軸方向に延長された第2外側ガイド
、
前記第2外側ガイドから前記第1外側ガイドへ半径方向に内側に突出した突起
、および
前記突起の端部は、前記第1外側ガイドと
の間に位置する所定のギャップGを
含み、
前記コイルの一部は、
前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置され
、
前記インシュレーターは、前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置される連結部を含み、
前記突起の下部は、前記連結部から所定の高さHに位置する、
モーター。
【請求項11】
前記インシュレーターが射出方式によって前記ステーターコアに1次に形成された後に、前記インシュレーターに前記コイルが巻線された状態で前記モールディング部が射出方式によって2次に形成される請求項10に記載のモーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、ステーターおよびこれを含むモーターに関する。
【背景技術】
【0002】
モーターは、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換させて回転力を得る装置であって、車両、家庭用電子製品、産業用器機などに広く使用される。
【0003】
モーターは、ハウジング(Housing)、シャフト(Shaft)、ハウジングの内部に配置されるステーター(Stator)、シャフトの外周面に設置されるローター(Rotor)などを含み得る。ここで、前記モーターのステーターは、ローターとの電気的相互作用を誘発してローターの回転を誘導する。そして、前記ローターの回転に応じてシャフトも回転する。
【0004】
特に、前記モーターは、自動車の操向の安全性を保障するための装置に用いられ得る。例えば、前記モーターは、電動式操向装置(EPS;Electronic Power Steering System)などの車両用モーターに使用され得る。
【0005】
また、前記モーターは、クラッチアクチュエーターに使用され得る。
【0006】
自動車の変速器(Transmission)は、ユーザーのクラッチ操作に応じて受動操作されるか、またはミッションによって速度に応じて自動操作される変速装置であって、モーターを含んで構成される。
【0007】
このようなモーターは、オイルのような流体に露出される環境に配置され得る。
【0008】
これにより、前記モーターのステーターの場合は、コイルの絶縁のためにモールドのような材質を用いて射出方式で製作され得る。
【0009】
前記ステーターは、ステーターコアにインシュレーターを形成する1次射出とインシュレーターにコイルを巻線した後にオーバーモールディングをする2次射出によって形成され得る。
【0010】
しかし、前記2次射出の実行時に、射出圧によってインシュレーターに巻線されたコイルが露出される問題がある。これに応じて、露出された前記コイルは、ハウジングと接触し得るため、ショートの可能性を存在させる。
【0011】
したがって、前記2次射出の実行時に、前記コイルの露出を防止するために追加でフォーミング工程を行うが、前記フォーミング工程の場合は、生産コストを向上させる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
実施例は、オーバーモールディングによるコイルの露出を防止するステーターおよびこれを含むモーターを提供する。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、以上で述べた課題に限定されず、ここで述べなかったまた他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題は、実施例によって、ヨークおよび前記ヨークの内側面から突出する複数のトゥースを含むステーターコアと、前記ステーターコアの一部を取り囲むインシュレーターと、前記インシュレーター上に巻線されるコイルと、前記ステーターコア、前記インシュレーターおよび前記コイルを覆うように配置されるモールディング部と、を含み、前記インシュレーターは、円周方向に沿って配置される第1インシュレーターおよび第2インシュレーターを含み、前記第1インシュレーターは、前記コイルが巻線されるボディー部、前記ボディー部の内側から垂直な方向に延長された内側ガイド、前記ボディー部の外側から垂直した方向に延長された第1外側ガイド、前記第1外側ガイドから外側に離隔して配置される第2外側ガイド、および前記第2外側ガイドから前記第1外側ガイドに向けて突出した突起を含み、前記突起の端部は、前記第1外側ガイドと所定のギャップGを形成するように配置され、前記コイルの一部は、前記ギャップGを通じて前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置されるステーターによって達成される。このとき、前記コイルは、前記突起の下部に配置され得る。
【0015】
ここで、前記突起の半径方向の幅W1は、前記コイルの外径の0.6倍以上であり得る。
【0016】
そして、前記突起の円周方向の幅W2は、前記コイルの外径の2倍以上であり得る。
【0017】
そして、前記インシュレーターは、前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置される連結部を含み、前記連結部は、前記ヨーク上に配置され、前記連結部から前記突起までの高さHは、前記コイルの外径の3倍以上であり得る。
【0018】
一方、前記ステーターは、前記コイルの端部と接続されるターミナルをさらに含み、前記第2インシュレーターは、前記コイルが巻線されるボディー部、前記ボディー部の外側から垂直した方向に延長された第1外側ガイド、前記第1外側ガイドから外側に離隔して配置される第2外側ガイド、および前記ボディー部の内側から垂直した方向に延長された内側ガイドを含み、前記内側ガイドの上端には、前記ターミナルの一側が結合される溝が形成され得る。
【0019】
ここで、前記ターミナルは、ターミナルボディー、前記ターミナルボディーの上面から突出したピン部、前記ターミナルボディーの下面から突出した突出部および前記ターミナルボディーの両側をそれぞれ折曲して形成された折曲部を含み、前記突出部は、前記溝に結合され得る。
【0020】
また、円周方向を基準として3つの前記第1インシュレーターの間には、前記第2インシュレーターが配置され得る。
【0021】
また、前記インシュレーターは、射出方式によって前記ステーターコアに配置され得る。そして、前記インシュレーターに前記コイルが巻線された状態で前記モールディング部が射出方式によって形成され得る。
【0022】
前記課題は、実施例によって、シャフトと、前記シャフトと結合して回転するローターと、前記ローターの外側に配置されるステーターと、を含み、前記ステーターは、ステーターコアと、前記ステーターコアの一部を取り囲むインシュレーターと、前記インシュレーター上に巻線されるコイルと、前記ステーターコア、前記インシュレーターおよび前記コイルを覆うように配置されるモールディング部と、を含み、前記インシュレーターは、第1インシュレーターおよび第2インシュレーターを含み、前記第1インシュレーターは、前記コイルが巻線されるボディー部、前記ボディー部の内側から垂直した方向に延長された内側ガイド、前記ボディー部の外側から垂直した方向に延長された第1外側ガイド、前記第1外側ガイドから外側に離隔して配置される第2外側ガイド、および前記第2外側ガイドから内側に突出した突起を含み、前記突起の端部は、前記第1外側ガイドと所定のギャップGが形成されるように配置され、前記コイルの一部は、前記ギャップGを通じて前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に配置されるモーターによって達成される。
【0023】
ここで、前記インシュレーターが射出方式によって前記ステーターコアに1次に形成された後に、前記インシュレーターに前記コイルが巻線された状態で前記モールディング部が射出方式によって2次に形成され得る。
【0024】
このとき、前記第1外側ガイドと前記第2外側ガイドとの間に前記コイルの一領域が配置され得る。
【発明の効果】
【0025】
前記のような構成を有する実施例によるステーターおよびこれを含むモーターは、第2外側ガイドおよび前記第2外側ガイドから内側に突出した突起を用いることによって、オーバーモールディング時の射出圧によってコイルがモールディング部の外部に露出されることを防止できる。
【0026】
実施例の多様かつ有益な長所と効果は、前述した内容に限定されず、実施例の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【
図5】実施例によるモーターに配置されるステーターにおいて、モールディング部が削除されたステーターを示す斜視図、
【0032】
【
図6】実施例によるモーターに配置されるステーターにおいて、モールディング部が削除されたステーターを示す平面図、
【0033】
【0034】
【
図8】実施例によるモーターに配置されるステーターのインシュレーターを示す図面、
【0035】
【
図9】実施例によるモーターに配置されるステーターの第1インシュレーターを示す側面図、
【0036】
【
図10】実施例によるモーターに配置されるステーターのターミナルを示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を具体的に説明する。
【0038】
ただし、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態として具現でき、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち、1つ以上を選択的に結合、置換して使用できる。
【0039】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに、特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解できる意味として解釈されることができ、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0040】
また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0041】
本明細書において、単数形は、言句で特に言及しない限り、複数形も含み得、「Aおよび(と)B、Cのうち、少なくとも1つ(または1つ以上)」として記載される場合に、A、B、Cで組み合わせられるすべての組み合わせのうち、1つ以上を含み得る。
【0042】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用できる。
【0043】
これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などに限定されない。
【0044】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載される場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素との間にあるまた他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含み得る。
【0045】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものとして記載される場合、上(うえ)または下(した)は、2つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、1つ以上のまた他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、1つの構成要素を基準に上側方向だけでなく、下側方向の意味も含み得る。
【0046】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するが、図面符号にかかわらず、同一または対応する構成要素は、同じ参照番号を付与し、これについての重複する説明は省略する。
【0047】
図1は、実施例によるモーターを示す図面である。
図1において、x方向は、軸方向を意味し、y方向は、半径方向を意味し得る。そして、軸方向と半径方向は、互いに垂直であり得る。ここで、軸方向とは、シャフト300の長さ方向であり得る。
【0048】
図1を参照して説明すると、実施例によるモーター1は、実施例によるステーター100、前記ステーター100の内側に配置されるローター200、シャフト300およびハウジング400を含み得る。ここで、前記内側とは、半径方向を基準に中心Cを向いて配置される方向を意味し、外側とは、前記内側と反対になる方向を意味し得る。
【0049】
そして、前記モーター1は、シャフト300を回転可能に支持するベアリング10を含み得る。
【0050】
前記ステーター100とローター200は、電気的相互作用を誘発する。電気的相互作用が誘発されると、ローター200が回転し、これに連動してシャフト300が回転する。シャフト300は、クラッチトランスミッション(Clutch Transmission)と接続されて動力を提供し得る。さらに、シャフト300は、デュアルクラッチトランスミッション(DCT、Dual-Clutch Transmission)と接続されて動力を提供し得る。ここで、前記デュアルクラッチトランスミッション(DCT)は、従来の受動トランスミッションの車両に搭載される単板クラッチトランスミッションとは異なり、2組のクラッチを搭載し得る。これによって、前記デュアルクラッチトランスミッション(DCT)は、1つのクラッチを介して伝達される動力で1、3、5段を具現し、残りの1つのクラッチを介して伝達される動力で2、4、6段を具現できるようにするシステムである。そして、前記デュアルクラッチトランスミッション(DCT)は、シャフト300の動力を選択的に伝達を受けることができる。
【0051】
図1に示されたように、前記ステーター100は、ローター200の外側に配置され得る。
【0052】
図2は、実施例によるステーターを示す斜視図であり、
図3は、実施例によるステーターを示す側面図であり、
図4は、
図3のA-A線を示す断面斜視図であり、
図5は、実施例によるモーターに配置されるステーターにおいて、モールディング部が削除されたステーターを示す斜視図であり、
図6は、実施例によるモーターに配置されるステーターにおいて、モールディング部が削除されたステーターを示す平面図であり、
図7は、
図6のA領域を示す拡大図である。
【0053】
図2ないし
図7を参照すると、前記ステーター100は、ステーターコア110、ステーターコア110に配置されるインシュレーター120およびインシュレーター120に巻線されるコイル130、ステーターコア110、前記インシュレーター120および前記コイル130を覆うように配置されるモールディング部140および前記コイル130の端部と電気的に接続されるターミナル150を含み得る。
【0054】
ここで、インシュレーター120は、射出方式によってステーターコア110に1次に射出成形され得る。これによって、インシュレーター120は、ステーターコア110の一部を取り囲むことができる。そして、インシュレーター120にコイル130が巻線された状態でモールディング部140が射出方式によって2次に射出成形され得る。前記射出方式としては、インサート射出方式が用いられ得る。
【0055】
ステーターコア110は、円筒状のヨーク111とヨーク111の中心Cを通る仮想の線(軸方向)を基準にヨーク111の円周方向に沿って半径方向に突出するように形成された複数のトゥース112を含み得る。このとき、トゥース112は、ローター200のマグネットに対向するように配置され得る。
【0056】
図4に示されたように、トゥース112のそれぞれは、中心Cを向いてヨーク111の内周面に配置され得る。
【0057】
そして、トゥース112は、
図4に示されたように、前記軸方向から見ると、断面がT字形状に形成され得る。
【0058】
したがって、トゥース112は、l字形状のトゥースボディーと前記トゥースボディーの端部に配置されるシューを含み得る。ここで、前記シューは、
図4に示されたように、中心Cを基準に円周方向に前記トゥースボディーの端部から突出するように形成され得る。
【0059】
一方、ステーターコア110は、複数のトゥース112が半径方向に突出して形成されるように薄い板状のステータープレートを積層して形成し得る。例えば、前記ステータープレートを0.35~0.5mm厚さの複数のけい素鋼板を所定の形状に成形し得る。そして、複数の前記ステータープレートを積層することによって、ステーターコア110を形成し得る。
【0060】
インシュレーター120は、インサート射出方式によってステーターコア110の一領域を包むように配置され得る。
【0061】
インシュレーター120は、ステーターコア110がコイル130と絶縁するようにする。具体的に、インシュレーター120は、ステーターコア110のトゥース112のそれぞれとコイル130を絶縁するようにする。ここで、インシュレーター120は、合成樹脂材質で形成され得る。
【0062】
図8は、実施例によるモーターに配置されるステーターのインシュレーターを示す図面である。
【0063】
図8を参照すると、インシュレーター120は、第1インシュレーター120a、第2インシュレーター120bおよび第3インシュレーター120cを含み得る。
図8に示されたように、円周方向を基準として第1インシュレーター120aの間には、第2インシュレーター120bが配置され得る。そして、第1インシュレーター120aは、3つが提供され得る。
【0064】
ここで、第1インシュレーター120a、第2インシュレーター120bおよび第3インシュレーター120cは、内側ガイドの上部側に溝の形成の有無および第2外側ガイドに突起の形成の有無によって区分できる。
【0065】
第1インシュレーター120a、第2インシュレーター120bおよび第3インシュレーター120cのそれぞれは、コイル130が巻線されるボディー部121、ボディー部121の内側から突出する内側ガイド122、ボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123およびボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123から外側に離隔して配置される第2外側ガイド124を含み得る。このとき、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124は、所定の離隔間隔Dで離隔して配置され得る。そして、前記離隔間隔Dは、コイル130の外径の1.6~2.0倍であり得る。ここで、コイル130の外径は、コイル130の線径または直径と呼ばれ得る。
【0066】
また、第1インシュレーター120a、第2インシュレーター120bおよび第3インシュレーター120cのそれぞれは、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124との間に配置されて第1外側ガイド123と第2外側ガイド124を連結する連結部126を含み得る。
【0067】
図9は、実施例によるモーターに配置されるステーターの第1インシュレーターを示す側面図である。
【0068】
図8および
図9を参照すると、第1インシュレーター120aは、ボディー部121、ボディー部121の内側から突出する内側ガイド122、ボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123、ボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123を基準に外側に離隔して配置される第2外側ガイド124、第2外側ガイドから内側に突出した突起125および第1外側ガイド123と第2外側ガイド124を連結する連結部126を含み得る。
【0069】
ボディー部121は、トゥース112のトゥースボディーを包むように配置され得る。そして、ボディー部121には、コイル130が巻線され得る。このとき、ボディー部121の一側には、コイル130の巻線を案内するガイド溝121aが形成され得る。
【0070】
内側ガイド122は、ボディー部121の内側から垂直した方向に延長されるように形成され得る。このとき、内側ガイド122は、ボディー部121の内側から軸方向および円周方向に突出するように形成され得る。
【0071】
内側ガイド122は、ボディー部121に巻線されたコイル130を支持してコイル130が内側に離脱することを防止できる。
【0072】
第1外側ガイド123は、ボディー部121の外側から垂直した方向に延長されるように形成され得る。このとき、第1外側ガイド123は、ボディー部121の外側から軸方向および円周方向に突出するように形成され得る。
【0073】
第1外側ガイド123は、ボディー部121に巻線されたコイル130を支持してコイル130が外側に離脱することを防止できる。
【0074】
第1外側ガイド123は、ヨーク111の上面または下面に配置され得る。これによって、第1外側ガイド123は、軸方向にヨーク311にオーバーラップするように配置され得る。
【0075】
第2外側ガイド124は、第1外側ガイド123から所定の離隔間隔Dで離隔して配置され得る。ここで、第2外側ガイド124は、連結部126の半径方向の一側から垂直した方向に延長されるように形成され得る。例えば、第2外側ガイド124は、連結部126の外側から軸方向に突出するように形成され得る。
【0076】
図6および
図7に示されたように、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124には、円周方向に巻線されるコイル130の一領域が配置され得る。そして、第2外側ガイド124は、モールド材質でモールディング部140を形成するための2次射出実行時に発生する射出圧によって前記コイル130が半径方向に露出されることを防止する。
【0077】
一方、第2外側ガイド124は、ヨーク111の上面または下面に配置され得る。これによって、第2外側ガイド124は、軸方向にヨーク311にオーバーラップするように配置され得る。
【0078】
突起125は、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124との間に配置されるコイル130の一部が前記射出圧によって軸方向に離脱することを防止できる。
【0079】
図6、
図7および
図9を参照すると、突起125は、第2外側ガイド124の上部から内側に突出するように形成され得る。このとき、半径方向を基準に突起125の端部は、前記第1外側ガイド123の外側面123aと所定のギャップGが形成されるように配置され得る。これによって、前記ギャップGを通じて前記コイル130は、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124との間に挿入され得る。このとき、前記ギャップGは、コイル130の外径と同じか、または少し大きいことがある。ここで、前記第1外側ガイド123の外側面123aは、連結部126を基準に所定の傾斜角を有する傾斜面を有するように形成され得る。
【0080】
そして、突起125の端部側は、ラウンディング処理され得る。例えば、突起125の端部側の上面は、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124との間にコイル130を挿入するために曲面に形成され得る。これによって、前記曲面と傾斜するように形成された第1外側ガイド123の外側面123aを介してコイル130は、容易に第1外側ガイド123と第2外側ガイド124との間に挿入され得る。
【0081】
図7および
図9を参照すると、突起125の半径方向の幅W1は、コイル130の外径の0.6倍以上であり得る。この場合にも前記幅W1は、前記ギャップGを考慮して形成される。
【0082】
図7を参照すると、突起125の円周方向の幅W2は、コイル130の外径の2倍以上であり得る。このとき、突起125の円周方向の幅W2は、第2外側ガイド124の円周方向の幅よりも小さい。これによって、前記射出圧によって前記コイル130が軸方向に押し出される力によってクラックが発生しない。
【0083】
図7および
図9を参照すると、突起125は、連結部126の上面126aを基準に所定の高さHに形成され得る。このとき、前記高さHは、コイル130の外径の3倍以上であり得る。しかし、前記高さHは、第2外側ガイド124の軸方向の高さよりも小さい。
【0084】
連結部126は、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124に配置され、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124を連結することができる。
【0085】
連結部126は、ヨーク111上に配置され得る。そして、連結部126上には、コイル130が配置され得る。これによって、連結部126は、ヨーク111がコイル130と絶縁するようにする。
【0086】
図8を参照すると、第2インシュレーター120bは、ボディー部121、ボディー部121の内側から突出する内側ガイド122a、ボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123、第1外側ガイド123から外側に離隔して配置される第2外側ガイド124および第1外側ガイド123と第2外側ガイド124を連結する連結部126を含み得る。
【0087】
第2インシュレーター120bを第1インシュレーター120aと比較すると、第2インシュレーター120bの場合は、突起125が削除されるという点および内側ガイド122aの形状に差がある。
【0088】
第2インシュレーター120bを説明するにおいて、第1インシュレーター120aと同じ構成要素は、同じ図面符号で記載するため、これについての具体的な説明は省略する。
【0089】
第2インシュレーター120bの内側ガイド122aは、ターミナル150との結合のために形成された溝122bを含み得る。前記溝122bは、内側ガイド122aの端部に形成され得る。
図8に示されたように、前記溝122bは、内側ガイド122aの上端に形成され得る。これによって、ターミナル150の一側は、溝122bに結合され得る。
【0090】
図8を参照すると、第3インシュレーター120cは、ボディー部121、ボディー部121の内側から突出する内側ガイド122、ボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123、ボディー部121の外側から突出する第1外側ガイド123から外側に離隔して配置される第2外側ガイド124および第1外側ガイド123と第2外側ガイド124を連結する連結部126を含み得る。
【0091】
第3インシュレーター120cを第1インシュレーター120aと比較すると、第3インシュレーター120cは、第1インシュレーター120aの突起125が削除されて形成されるという点に差がある。
【0092】
したがって、前記モーター1のインシュレーター120は、第1インシュレーター120a、第2インシュレーター120bおよび第3インシュレーター120cが円周方向に配置されて形成され得る。このとき、コイル130の端部とターミナル150との電気的連結を考慮して円周方向を基準に第1インシュレーター120aの間には、第2インシュレーター120bが配置される。
【0093】
コイル130は、ボディー部121に巻線され得る。このとき、コイル130は、ボディー部121のガイド溝121aによって配置が案内され得る。そして、ボディー部121側に配置されるコイル130の端部は、ターミナル150と電気的に接続され得る。
【0094】
そして、コイル130は、第1外側ガイド123と第2外側ガイド124との間に巻線されて配置され得る。
【0095】
モールディング部140は、ステーターコア110、インシュレーター120およびコイル130を覆うように配置され得る。特に、モールディング部140は、ボディー部121のそれぞれに巻線されたコイル130とコイル130との間に配置され得る。それに応じて、互いに離隔して配置される2つのコイル130は、前記モールディング部140によって絶縁できる。
【0096】
ステーターの射出過程をみると、複数のトゥース112が形成されたステーターコア110を金型(図示せず)の内部に配置し、インサート射出方式を通じてインシュレーター120を形成し得る。ここで、インシュレーター120は、レジン、合成樹脂、ゴム、ウレタンのうち、いずれか1つの材質で形成され得る。
【0097】
特に、展開型ステーターコア110の場合、ステーターコア110が展開された状態で1次射出を行ってインシュレーター120を形成し得る。
【0098】
そして、インシュレーター120が射出成形されたステーターコア110には、コイル130が巻線され得る。
【0099】
特に、展開型ステーターコア110の場合は、ステーターコア110が展開された状態でインシュレーター120を形成した後にコイル130を巻線し得る。それから、ローリング(Rolling)工程を通じて展開型ステーターコア110の一側と他側を当接させた後に溶接して円筒状の形状に形成させ得る。
【0100】
そして、前記ローリング工程が完了してコイル130が巻線されたステーターコア110には、モールディング部140が射出成形され得る。例えば、コイル130が巻線されたステーターコア110を金型(図示せず)の内部に配置し、インサート射出方式を通じてモールディング部140を形成し得る。ここで、モールディング部140は、レジン、合成樹脂、ゴム、ウレタンのうち、いずれか1つの材質で形成され得る。
【0101】
すなわち、前記ステーター100は、1次にインシュレーター120を射出形成した後にコイル130を巻線し、2次にモールディング部140を射出方式によって形成し得る。
【0102】
このとき、モールディング部140の射出成形時、コイル130に射出圧が印加されても第2外側ガイド124および突起125によってコイル130が外部に露出されることを防止できる。
【0103】
ターミナル150は、コイル130の一側の端部と電気的に接続するように配置され得る。したがって、外部に一部が露出された前記ターミナル150を介して電流がコイル130に印加できる。これによって、コイル130に電流が流れることによって、前記ステーター100とローター200との間に回転磁界が形成され、これによって、ローター200が回転するようになる。
【0104】
図10は、実施例によるモーターに配置されるステーターのターミナルを示す図面である。
【0105】
図10を参照すると、ターミナル150は、ターミナルボディー151、ターミナルボディー151の上面から軸方向に突出したピン部152、ターミナルボディー151の下面から軸方向に突出した突出部153およびターミナルボディー151の両側をそれぞれ折曲して形成された折曲部154を含み得る。そして、前記突出部153は、前記溝122bに結合され得る。そして、折曲部154には、コイル130の端部が配置されるため、ターミナル150は、コイル130と電気的に接続され得る。そして、前記ピン部152の一部は、外部に露出されて外部から電流を印加する外部電源部(図示せず)などと電気的に接続され得る。
【0106】
ローター200は、ステーター100の内側に配置され得る。
【0107】
ローター200は、ローターコア(図示せず)にマグネット(図示せず)が結合されて構成され得る。例えば、前記ローターコアに設けられたポケットに前記マグネットが挿入されて構成され得る。
【0108】
または、前記ローターコアの外周面に前記マグネットを付着してローター200を形成し得る。
【0109】
ローター200は、シャフト300と結合して回転できる。例えば、ローター200の中央部には、シャフト300が結合され得る。
【0110】
そして、シャフト300の外周面には、ベアリング10が配置され得る。これによって、ベアリング10は、シャフト300によって回転可能に支持できる。
【0111】
ハウジング400は、前記モーター1の外形を形成し、前記モーター1のサイズを決定できる。
【0112】
そして、ハウジング400は、前記ステーター100とローター200を収容できる。すなわち、
図1に示されたように、ハウジング400の内部には、前記ステーター100とローター200が配置され得る。
【0113】
前記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載した本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更し得ることを理解できるであろう。
【符号の説明】
【0114】
1:モーター、100:ステーター、110:ステーターコア、111:ヨーク、112:トゥース、120:インシュレーター、121:ボディー部、122:内側ガイド、122b:溝、123:第1外側ガイド、124:第2外側ガイド、125:突起、130:コイル、140:モールディング部、150:ターミナル、200:ローター、300:シャフト、400:ハウジング