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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】縫合針装置及び縫合糸の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/06 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
A61B17/06 510
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021510964
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019049683
(87)【国際公開番号】W WO2020051291
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】62/727,783
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/848,885
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バグリー、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】コミー、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】デュエル、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート、スタンリー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0043335(US,A1)
【文献】特開平04-227243(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0235604(US,A1)
【文献】特表2014-514017(JP,A)
【文献】特許第7130852(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を縫合する際に使用する針であって、
円筒形本体内で前記円筒形本体の第1の端まで長手方向に延びる第1の管腔を含む前記円筒形本体と、
前記円筒形本体の前記第1の端から延びる第1の端部であって、前記第1の端部は、組織を貫通するための第1の鋭利な点と、前記円筒形本体の前記第1の管腔内に延びる第1の延長部とを有する前記針とを備える、医療器具において、
前記第1の端部は、縫合糸と係合して、前記円筒形本体の前記第1の管腔内に前記縫合糸を固定し、
前記円筒形本体は、前記縫合糸を受け入れるように構成されたその半径方向外面に第1の開口部を有する、医療器具。
【請求項2】
前記針は、
前記円筒形本体の前記第1の端の反対側にある第2の端から延びる第2の端部をさらに備え、前記第2の端部は、組織を貫通するための第2の鋭利な点と、前記円筒形本体の前記第1の管腔内に延びる第2の延長部とを有する、請求項1に記載の医療器具
【請求項3】
前記第1の延長部は円筒形をなし、及び、前記円筒形本体の前記第1の管腔内に配置されるべく形成され、かつ、前記第1の端部の前記第1の鋭利な点とは反対側の端に第1の端面を有し、
前記第2の延長部は円筒形をなし、及び、前記円筒形本体の前記第1の管腔内に配置されるべく形成され、かつ、前記第2の端部の前記第2の鋭利な点とは反対側の端に第2の端面を有し、
前記第1の延長部及び前記第2の延長部は、前記第1の端面及び前記第2の端面の間に縫合糸を配置することによって、前記縫合糸を前記円筒形本体に結合する、請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記第1の延長部及び前記第2の延長部が前記第1の管腔に配置されるとき、前記第1の端面及び前記第2の端面は、前記第1の端面及び前記第2の端面の間に第2の開口部を形成するように湾曲され、前記第2の開口部は、前記第2の開口部よりも大きい直径を有する縫合糸の端部を受け入れるように構成される、請求項3に記載の医療器具。
【請求項5】
前記第1の端部が、前記第1の鋭利な点と前記第1の延長部との間に第1の陥凹部分有し、及び、前記第2の端部が、前記第2の鋭利な点と前記第2の延長部との間に第2の陥凹部分を有する、請求項2に記載の医療器具。
【請求項6】
前記第1の端部の前記第1の延長部は、第1の部分と、第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間にある第2の管腔とを含み、
前記第2の管腔は、縫合糸を受け入れるべく形成されている、請求項1に記載の医療器具。
【請求項7】
前記第1の延長部は、前記円筒形本体の前記第1の管腔の断面直径よりも大きい断面直径を有する、請求項6に記載の医療器具。
【請求項8】
前記第1の延長部の前記第2の管腔の直径が、前記第2の管腔内に配置された縫合糸の直径よりも小さくなるように形成される、請求項6に記載の医療器具。
【請求項9】
前記第1の延長部がコレットである、請求項6~8のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項10】
前記第1の延長部の前記第2の管腔の直径が、前記第1の延長部が前記円筒形本体内に配置されるときに減少するように形成される、請求項6~9のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項11】
前記第1の端面及び前記第2の端面の間に形成された前記第2の開口部が、前記円筒形本体の長手方向軸を横切る、少なくとも1つの部分を含む、請求項4に記載の医療器具。
【請求項12】
前記第1の延長部は、縫合糸と係合するようにテクスチャー加工されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項13】
前記円筒形本体及び前記第1の端部が一体形成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の医療器具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具及び関連する方法一般に関する。より詳細には、本発明は、組織を縫合する際に使用するための針、縫合糸を含んだ関連するアセンブリ、縫合糸を針に取り付ける方法、及び組織を接合するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の医療処置では、組織の一部を組織の別の部分に固定的に接続することが必要又は有用な場合がある。創傷又は損傷した組織を一緒に保持するためなどの、組織の部分を1つ以上の縫合糸で取り付けると、縫合糸が吸収又は除去された後も接合が残るように、2つの組織間に癒着が形成され得る。多くの場合、針と針に係合された縫合糸とを含むアセンブリが、組織を一緒に縫合するために使用される。組織接合法は、多くの場合、針で組織を突き刺し、針を引っ張って、組織に作成された穴を通して針に係合した縫合糸を引っ張るか、又は通す。縫合糸を針に結合する1つの方法は、縫合糸が通される針の穴を伴い、そして端が針の穴を通過するのを防ぐために、縫合糸の一端に結紮を作ることができる。ただし、結紮のサイズが適切でない場合があり、場合によっては、針の穴から糸が引っ張られて、針と縫合糸を離脱させることがある。縫合糸が針から外れると、操作者が針と縫合糸のアセンブリを再組み立てする必要があるため、外科手術時間が長くなる可能性がある。上記のもの、及び他の縫合糸取り付け手段は、縫合糸が針から半径方向外側に延びることを可能にし、針が組織を通して押されるときに抵抗を増加させる得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、例えば、縫合糸が針から離脱される可能性を減らし、針及び縫合糸が組織を通過することを容易にし、及び/又は縫合手順を単純化するために、代替の縫合糸及び針のアセンブリ及び組織を縫合する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、とりわけ、組織を縫合するための医療器具に関する。本発明はまた、医療器具(針を含む)に縫合糸を取り付ける方法、器具を操作する方法、及び/又は器具を用いて手順を実行する方法に関する。本明細書に開示される実施形態のそれぞれは、他の開示される実施形態のいずれかに関連して説明される特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0005】
一態様によれば、組織を縫合する際に使用するための針を有した医療器具に関する。針は、円筒形本体の第1の端と第2の端との間に延びる長手方向軸を有した円筒形本体からなることができる。針はまた、長手方向軸を横切って円筒形本体を通って延びる管腔を含み得る。針は、円筒形本体の第1の端に、第1の端部をさらに含み得る。第1の端部は、組織を貫通するように構成された鋭い先端を含み得る。円筒形本体の外面は、管腔の開口部と連絡し、縫合糸の端部を受け入れるように構成された第1の凹部を画定し得る。
【0006】
医療器具は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。針は、円筒形本体の第2の端に第2の端部を有することができ、第2の端部は、組織を貫通するように構成された鋭利な点を含み得る。第1の凹部は、円筒形本体の外面にスロットを形成することができ、第1の凹部は、縫合糸の成形された端部を受け入れるように構成され得る。針は、管腔の第2の開口部と連絡する第2の凹部をさらに有し、第2の凹部は、縫合糸の端部に隣接する縫合糸の一部を受け入れるように構成され得る。第1の凹部は、管腔の開口部を取り囲む座ぐり孔であり得る。
【0007】
本発明の他の態様によれば、医療器具には、組織を縫合する際に使用するように構成された針が含まれる。針は、第1及び第2の端を有する円筒形の本体を有し得る。針はまた、円筒形の本体によって画定される開口部を有することができ、縫合糸を受け入れるように構成され得る。針は、円筒形本体の第1又は第2の端の一方に、第1の端部をさらに含み得る。第1の端部は、組織を貫通するように構成された鋭い先端を含み得る。円筒形本体は、円筒形本体の第1の端から開口部まで延びる第1のタブを含み得、そして本体内に縫合糸を固定するために曲がるように構成され得る。
【0008】
医療器具はまた、以下の特徴の1つ以上を有することができる。円筒形本体は、円筒形本体の第2の端から開口部まで延びる第2のタブを含み得る。開口部の少なくとも一部は、円筒形本体の長手方向軸を横切り得る。開口部はH字型であり得、各タブは円筒形本体上で長手方向に延在し得、そして各タブは円筒形本体の端に近接するタブの部分で撓曲するように構成され得る。
【0009】
本開示の他の態様によれば、医療器具は、組織を縫合する際に使用するように構成された針を含み得る。針は、本体内で本体の第1の端まで長手方向に延びる第1の管腔を有した円筒形の本体からなることができる。針はまた、円筒形本体の第1の端から延びる第1の端部を含み得る。第1の端部は、組織を貫通するように構成された第1の鋭利な点を含み得、第1の延長部は、円筒形本体の第1の管腔内に延在し得る。第1の端部は、縫合糸を係合して、円筒形本体の第1の管腔内に縫合糸を固定するように構成され得る。
【0010】
医療器具はまた、以下の特徴の1つ以上を有することができる。針は、円筒形本体の第1の端と反対側にある第2の端から延びる第2の端部をさらに含み得る。第2の端部は、組織を貫通するように構成された第2の鋭利な点を含み得、第2の延長部は、円筒形本体の第1の管腔内に延在し得る。第1の延長部は、円筒形をなす場合があり、円筒形本体の第1の管腔内に配置されるように形成され、第1の端の鋭い点の反対側の端に第1の端面を含み得る。第2の延長部は、円筒形であり得、円筒形本体の第1の管腔内に配置されるように形成され、第2の端の鋭い点の反対側の端に第2の端面を含み得る。第1及び第2の延長部は、第1及び第2の端面の間に縫合糸を配置することによって、縫合糸を円筒形本体に係合するように構成され得る。第1及び第2の延長部が第1の管腔に配置されるとき、第1の端面及び第2の端面は、第1及び第2の端面の間に開口部を形成するための輪郭を有することができる。開口部は、開口部よりも大きい直径を有する縫合糸の端部を受け入れるように構成され得る。円筒形本体と第1端部は一体的に形成することができる。第1の端部は、第1の鋭利な点と第1の延長部との間に第1の陥凹部分を含み得る。第2の端部は、第2の鋭利な点と第2の延長部との間に第2の陥凹部分を含み得る。第1の端部の第1の延長部は、第1の部分と、第2の部分と、第1の部分と第2の部分の間の第2の管腔とを含み得る。第2の管腔は、縫合糸を受け入れるように構成され得る。第1の延長部は、円筒形本体の管腔の断面直径よりも大きい断面直径を有し得る。第1の延長部の第2の管腔の直径は、第2の管腔内に配置された縫合糸の直径よりも小さくなるように構成することができる。第1の延長部はコレットであってもよい。第1の延長部の第2の管腔の直径は、第1の延長部が円筒形の本体内に配置されたときに減少するように構成され得る。
【0011】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載される発明を限定するものではない。本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、又はそれらの他の変形という用語は、プロセス、方法、物品、又は装置などの非排他的な含有物を包含することを意図するが、要素のリストは、必ずしもそれらの要素だけを含むことに限らず、明示的にリストされていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含み得る。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例示」の意味で使用される。
【0012】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。これらの図面は、本開示の書面による説明とともに、本開示を以下のように説明するのに役立つ本開示の態様を示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の態様による、例示的な医療器具を示す斜視図。
図1B】本発明の態様による、例示的な医療器具を示す斜視図。
図1C】本発明の態様による、例示的な医療器具を示す断面図。
図2A】本発明の態様による、図1Aの例示的な医療器具を含む例示的な医療器具アセンブリの斜視図。
図2B】本発明の態様による、図1Aの例示的な医療器具を含む例示的な医療器具アセンブリの斜視図。
図3】本発明の態様による、例示的な医療器具の斜視図。
図4】本発明の態様による、例示的な医療器具の斜視図。
図5】本発明の態様による、図4の医療器具の一部の斜視図。
図6】本発明の態様による、例示的な医療器具の斜視図。
図7】本発明の態様による、図6の医療器具の一部の斜視図。
図8】本発明の態様による、図6の医療器具の一部の斜視図。
図9】本発明の態様による、例示的な医療器具の一部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同一又は同様の部品を参照するために、図面全体で同じ参照番号を使用する。本明細書で使用される場合、「おおよそ」及び「実質的に」という用語は、記載された値の±5%以内の値の範囲を示し得る。
【0015】
図1Aは、両面が針になっているものとして示される例示的な医療器具100の斜視図を示している。医療器具100は、円筒形の本体102及びその2つの端、すなわち端104,106を有する。それぞれの端104,106は、鋭い点104’,106’に到達するまで先細になっている。他の例では、医療器具100は、単一の鋭い点(一方の端104,106に、104’又は106’のいずれか)を含み、反対側に鈍い端(104、106の他方)を含み得る。いくつかの例では、端104,106は、陥凹部分108,110を有し得る。他の例では、端部104,106は、陥凹部分108,110を含まなくてもよく、円筒形本体102の端から始まるテーパーを形成し得る。陥凹部分108,110は、医療器具100の長手方向軸に対して半径方向内側に湾曲し得る湾曲した外面を有し得る。いくつかの例では、陥凹部分108,110は、湾曲した表面の端部で円筒形の本体102と接触し、それと同一平面になり得る湾曲した外面を有し得る。いくつかの例では、陥凹部分108,110は、砂時計形状であり、円筒形本体102の外面に対して半径方向内側に湾曲する外面を有し得る。いくつかの例では、陥凹部分108,110は、円筒形本体102の管腔112から等距離であり得る。いくつかの例では、各陥凹部分108,110は、医療器具からベアリングボールを受け取るように構成され得る。鋭利な点104',106'の反対側の端にある各端部104,106の部分は、円筒形本体102に結合することができる。いくつかの例では、端部104,106は、円筒形の本体102に溶接され得る。
【0016】
医療器具100はまた、円筒形本体102を通って延びる管腔112を含み得る。管腔112は、円筒形本体102の中央部分(図1に示される)を通って延びることができ、鋭い点104’,106’を通って延びる円筒形本体102の長手方向寸法に垂直に延びることができる。他の例では、管腔112は、円筒形本体102の中央部分ではない部分を通って延在し、及び/又は長手方向寸法を横切る角度であるが、垂直ではない場合がある。管腔112は、円筒体102の一方の側面に第1の開口部113を含み、円筒形本体102の第1の開口部113とは反対側に第2の開口部114を含み得る。いくつかの例では、円筒形本体102は、円筒形本体102の半径方向外面上に長手方向に延びる凹部又はスロット115,116を含み得る。いくつかの例では、スロット115,116は、円筒形本体102の反対側に配置され得る。スロット115,116は、円筒形本体102に凹部を画成することができる。管腔112の開口部113は、スロット115内に配置されるか、そうでなければスロット115と連通することができ、開口部114は、スロット116内に配置されるか、そうでなければスロット116と連通することができる。スロット115,116は、円筒形本体102の各長手方向端部に近接する部分から開口部113,114に向かって半径方向内側に先細になり得る。スロット115,116は、縫合糸の溶融した端部を受け入れるように構成され得る。いくつかの例では、医療器具100は、金属又は任意の他の適切な生体適合性材料であり得る。
【0017】
図1Bは、両面が針になっているものとして示される別の例示的な医療器具1100の斜視図である。医療器具1100は、以下の違いを除いて、図1Aに示されるものと同様に、円筒形本体1102、鋭い先端1104’,1106’を有する両端1104,1106、陥凹部分1108,1110、管腔1112、及び開口部1113を含み得る。円筒形本体1102は、管腔1112の開口部1113を取り囲む単一の円形の座ぐり孔1117を含み得る。他の例では、単一の座ぐり孔1117が開口部1114(管腔1112の他端の開口部)を取り囲むことができ、又は医療器具1100が、管腔1112の各開口部1113,1114に配置される2つの座ぐり孔1117を含むことができる。他の例では、医療器具1100は、開口部1113に単一の座ぐり孔1117を有し、開口部1114は、円筒形本体1102の外面と同一平面であり得る。座ぐり孔1117は、円筒形本体1102の半径方向最外面から半径方向内側に延びる壁1116と、開口部1113の周りに配置された隆起1115とを含み得る。開口部1113,1114のうちの1つにある座ぐり孔1117は、座ぐり孔1117の形状に一致し得る縫合糸の溶融端部などの縫合糸の端部を受け入れるように構成され得る。座ぐり孔1117は、縫合糸が管腔1112を通過することを阻止するのを助けることができる。
【0018】
図1Cは、器具100,1100と同様の別の例示的な医療器具2100の側面断面図を示している。医療器具2100は、円筒形本体2102、両端2104,2106、陥凹部分2108,2110、管腔2112、開口部2113、及びスロット2115,2116を含み得る。いくつかの例では、縫合糸2120は、管腔2112内で溶融され得る。いくつかの例では、縫合糸2120は、スロット2115,2116から円筒形本体2102の反対側にある管腔2112の開口部を超えて延在してはならない。いくつかの例では、管腔2112は、1つ以上の突起2131(それぞれが管腔2112内に突出する)及び/又は突起2131に隣接する1つ以上の凹部2133を含み得る。各突起2131及び/又は凹部2133は、縫合糸2120を医療器具2100に係合することを容易にし得る。例えば、縫合糸2120は、縫合糸2110の一部が管腔2112の1つ以上の凹部2133内に配置され得るように、溶融及び/又は変形され得る。縫合糸2120の部分を溶融及び/又は変形させて、縫合糸の一部を1つ以上の凹部2133内に配置した後、縫合糸2120は、医療器具2100を使用して患者を縫合する場合など、引っ張り力が縫合糸に加えられたときにも縫合糸が管腔2112内に留まるように、医療器具2100に固定的に結合され得る。突起2131は、縫合糸2110の引っ張り力に対抗し、縫合糸2110を管腔2112に保持するのを助ける。医療装置2100は、縫合糸2120を医療装置2100に結合することを可能にし、管腔2112の1つの開口部2113からのみ延びることができる。図1Cに示されるように、縫合糸2120は、縫合糸2120の一部がスロット2116内に配置されるように、管腔2112の開口部2113で撓曲されることができ、医療器具2100の外径をより小さくすることを可能にする。他の例では、管腔2112は、任意の数の突起及び/又は凹部を含み得、及び/又は湾曲した突起及び/又は凹部を含み得る。いくつかの例では、管腔2112は、医療器具2100を完全に貫通していない場合がある。
【0019】
図2A及び2Bは、図1Aの医療器具100及び縫合糸120を含む例示的な医療器具アセンブリ101の斜視図を示す。縫合糸120は、円筒形であり、そしてポリプロピレンであり得る。他の例では、縫合糸120は、ポリエステル、ナイロン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリマー材料、又は任意の他の吸収性又は非吸収性の生体適合性材料であり得る。医療器具アセンブリ101において、縫合糸120は、管腔112内に配置され得る。縫合糸120の直径は、管腔112内に適合するようなサイズにすることができ、管腔112の直径よりも小さい直径を有することができる。縫合糸120の端部122は、T字形であり得、スロット115又はスロット116のいずれかに適合するように形成され得る。端部122のT形状は、使用中に縫合糸120が管腔112から抜去されるのを防ぐことができる。いくつかの例では、縫合糸120の端部122は、端部122が円筒形本体102の外面の半径方向最も外側の部分を超えて延在しないように、スロット115,116のいずれかの内に配置され得る。いくつかの例では、端部122の外面は、本体102の外面と同一平面であり得る。端部122を収容していないスロット115,116は、例えば、ユーザが医療装置アセンブリ101を患者の組織を貫通して押し進めているときに、縫合糸120が医療装置100と長手方向に概ね整列するか平行になるように曲げられるときに、縫合糸120を受け入れるように構成されることができ、縫合糸120は、管腔の開口部113で回転され、端部122が配置されるスロットの反対側のスロット115,116のうちの1つの中に配置され得る。したがって、スロット115,116は、本体102の外面の半径方向外側に突出する縫合糸をほとんど又は全く有しない状態で、医療器具100の患者への挿入を容易にすることができる。
【0020】
いくつかの例では、医療器具アセンブリ101を組み立てる方法は、縫合糸120の端部を加熱して、端部122が溶融し、スロット115,116のうちの1つの形状に一致し、その中に収容されるようにする工程を備える。縫合糸120の端部が加熱により溶融すると、縫合糸120は、医療器具100(及び特に本体102)に結合し、使用中に縫合糸120の医療器具100からの離脱を防ぐことができる。いくつかの例では、縫合糸120の端部122は、スロット115,116のうちの1つの形状に共形にし得る。図1Bの医療器具1100に縫合糸を結合する場合などの他の例では、縫合糸の端部は、医療器具1100の円形の座ぐり孔1117の形状に適合し、管腔1112を通って延びることができる。いくつかの例では、縫合糸120の端部122は、医療器具100に固定的に取り付けられている。動作中、スロット115、116は、縫合糸120がスロット115,116内に受け入れられることを可能にすることによって組織を貫通する医療器具100の移動を容易にし、縫合糸120が医療器具100の円筒形本体102の円周、直径、又は断面直径を増加させるのを防ぐことができるので、組織への損傷を防ぐことができる。縫合糸120は、本明細書に記載の医療器具のいずれかを組み込んだ医療器具アセンブリにおいても使用することができる。
【0021】
図3は、医療器具100と同様の例示的な医療器具300の斜視図を示している。医療装置300は、円筒形本体302及び円筒形本体302の端に結合された端304,306を有する。端304,306は、陥凹部分308、310を有し得る。円筒形本体302は中空であり、開口部317を有することができる。開口部317は、H字型であり得、円筒形本体302の内部部分へのアクセスを提供し得る。いくつかの例では、開口部317は、円筒形本体302上で長手方向に延びる2つのスロット319,321と、2つの長手方向に延びるスロット319,321を接続し、2つの長手方向に延びるスロット319,321のそれぞれを横切る1つのスロット323とを含み得る。いくつかの例では、スロット323は、円筒形本体302及び/又はスロット319,321の長手方向の中点に配置され得る。いくつかの例では、スロット323は、スロット319,321に対して垂直であり得る。円筒形本体302は、円筒形本体302の壁に形成され得るタブ又はフランジ313,315を含み得る。いくつかの例では、タブ又はフランジ313,315は、円筒形本体302上で長手方向に延びることができ、本体302の一端から開口部317の横方向スリット323まで延びることができる。いくつかの例では、タブ又はフランジ313,315は、開口部317を画定し、及び/又は開口部317によって少なくとも3つの側面で囲まれ得る。フランジ315,317は、それぞれフランジ315,317の端部315’,313’で片持ち梁であり、撓曲することができる。それにより、フランジ315、317は、本体302の中空内部へと撓曲し、及び、本体302から離れるように撓曲することができる。
【0022】
縫合糸(図示せず)は、タブ又はフランジ313,315の下の中空円筒体302内に配置され得る。タブ又はフランジ313,315は、ユーザによって縫合糸の上へと押し下げられ、タブ又はフランジ313,315のうちの1つ以上と中空の円筒体302の内部との間に縫合糸を押し込むことによって縫合糸を所定の位置に圧着することができる。いくつかの例では、ユーザがタブ又はフランジ313,315のうちの1つ以上を押し下げた後、1つ以上のタブ又はフランジ313,315は降伏し、曲げられたままで、縫合糸を所定の位置に保持する。いくつかの例では、タブ又はフランジ313,315は、中空の円筒形本体302の内部に配置された縫合糸に機械的ロックを提供することができ、及び/又は、円筒形本体302内に縫合糸を固定するなど、縫合糸を医療器具300に固定的に係合し得る。いくつかの例では、1つ以上のタブ又はフランジ313,315を曲げることなどによって、縫合糸の端部を中空の円筒体302内で圧着できるようにすることにより、完全に円筒形本体302の内部に収まる縫合糸固定機構を提供することによって、医療器具300をより流線形にし、外径又は円筒形本体302の断面寸法を制限することができるので、ユーザが医療器具300を操作するときに過度の組織損傷を防ぐことができる。縫合糸が医療器具300に結合されると、縫合糸は、開口部317から医療器具300を出ることができる。
【0023】
図4は、医療器具100,200,300と同様の別の例示的な医療器具400の斜視図を示している。医療器具400は、円筒形の本体402及びその端404,406を含み得る。端404,406は、陥凹部分408、410を有し得る。円筒形本体402は中空であってもよく、開口部416及び内部部分414を含み得る。開口部416は、楕円形であり、円筒形本体402内で長手方向に延びることができる。他の例では、開口部416は、任意の適切な形状であり、及び/又は縫合糸を受け入れるように構成され得る。円筒形本体402は、(図7の円筒形本体602に示されるように)中空であってもよく、各端部404、406の延長部417、419を受け入れるように構成され得る。いくつかの例では、円筒形の本体402は、図7の本体602の開口部665、666のように、開口部で延長部417,419を受け入れるように構成され得る。円筒形本体の端面660,661は、端404,406のうちの1つの表面(図8の端606の表面665など)と接触し、及び/又は、同一平面になるように構成され得る。
【0024】
図5は、陥凹部分410及び円筒形の中実の延長部419を含む例示的な端部404の斜視図を示す。円筒形延長部419は、円筒形部分402に挿入され、円筒形部分402内に配置されるように構成され得る。いくつかの例では、円筒形延長部419は、凹部421を備えた端面423を含み得る。端面423の凹部421は、湾曲し、及び/又は一定の輪郭を描くことができ、延長部419の一方の側から419の反対側に延びることができる。凹部421の長手方向軸は、一端404から他端406まで延びる器具200の長手方向軸に垂直であり得る。凹部406は、縫合糸の一部を受け入れるように構成され得る。凹部421は、それぞれの端404、406の各延長部417,419に存在することができ、円筒形本体402内に配置されると、各延長部417,419の対向する端面の間に空間を画成することができる。その空間は、医療器具400で使用される縫合糸の直径よりも小さい直径を有する。他の例では、円筒形の延長部419は、凹部421を含まなくてもよい。いくつかの例では、医療器具400が組み立てられるとき、縫合糸(縫合糸120など)は、開口部416を通り、各端404,406の各延長部417,419の間に、円筒形本体402の内部部分の中に配置され得る。延長部417,419は、縫合糸を所定の位置に保持するために、円筒形本体402内で縫合糸をつまむことができる。それぞれの端404,406の端面は、円筒形本体402の内部部分に開口部412を形成することができ、開口部412は、縫合糸を受け入れるように構成され得る。いくつかの例では、縫合糸は、延長部417,419間の縫合糸の干渉及び/又は変形によって、円筒形本体402内及び延長部417,419の間で保持され得る。いくつかの例では、端404,406の一部は、縫合糸が延長部417,419の間に挟まれ、及び/又は固定された後、円筒形本体402に溶接され得る。いくつかの例では、1つ以上の端404,406の端面423及び/又は凹部421は、延長部417,419と縫合糸との間の摩擦を増加させるためにテクスチャー加工され得る。いくつかの例では、端面423及び/又は凹部421は、縫合糸を所定の位置に保持するために縫合糸を突き刺すことなどによって、縫合糸と結合するように構成された鋭い突起を含み得る。いくつかの例では、端面423は、医療器具400が組み立てられたときに各延長部417,419の端面423間の距離が変化するように、開口部416に対して角度を付けられ得る。例えば、端面423は、延長部419の半径方向外面に対して角度を付けられることができ、端面423は、医療器具400が組み立てられるとき、開口部416からの距離が増加するにつれて、又はその逆に、各延長部417,419の端面423間の距離が大きくなるように傾斜され得る。他の例では、端404,406は、接着剤、セメント、又は他の任意の接着剤で円筒形の本体に結合することができる。いくつかの例では、端404又は406のいずれか一方が円筒形本体と一体的に形成され得、縫合糸を備えた医療器具400のアセンブリは、縫合糸をつまむために、他方の端406又は404のいずれかが円筒形本体に挿入されることのみを必要とし得る。完全に組み立てられると、医療器具400は、円筒形本体402内に縫合糸の端部を固定することができる。
【0025】
図6は、医療器具100,200,300,400と同様の別の例示的な医療器具600の斜視図を示している。医療器具600は、円筒形の本体602及びその端604,606を含み得る。端604,606は、陥凹部分608,610を有することができ、本明細書に記載の相違点を除いて、医療器具400に関して上記したものと同様の延長部617,619を有し得る。円筒形本体602は中空であり得(図7に示されている)、開口部616及び内部部分614を含み得る。開口部616は、楕円形であり、円筒形本体602内で長手方向に延びることができる。他の例では、開口部616は、円、正方形、長方形などの任意の適切な形状であり得る。円筒形本体602は、それぞれの端604,606の延長部617,619を受け入れるように構成され、延長部617,619は、開口部665,666内に配置され得る。いくつかの例では、医療器具600の構成要素は、円筒形の本体602及び端604,606を含み得る。
【0026】
図8は、延長部617を含む医療器具600の端606を示す斜視図である。いくつかの例では、延長部617は、円筒形であり、それを貫通する管腔626を画定する中空体を有し得る。延長部617の第1の部分633及び第2の部分635は、端629から延長部617の反対側の端631に向かって長手方向に延びることができ、延長部617に2つの対向する間隙25,627を形成することができる。延長部617は、管腔626内の縫合糸(図6の点線で示される縫合糸640など)を受け入れるコレットを形成することができる。延長部617は、医療器具600の円筒形本体602に挿入されるように構成され得る。いくつかの例では、端606の表面665は、延長部617の半径方向外側の表面を横切ることができ、本体602への端部606の挿入を停止するように構成され得る。例えば、表面665が本体602の端面660,661の1つと接触するとき、表面665は、端部606が内部部分614にさらに挿入されるのを防ぎ、端606の適切な位置決めを容易にし得る。
【0027】
延長部617の第1の部分633及び第2の部分635は、湾曲することができ、部分的な円筒形を形成することができる。いくつかの例では、延長部617の断面直径、又は延長部617の第1の部分633及び第2の部分635によって形成される部分円筒形の断面直径は、円筒形本体602の内径、又は内部部分614の断面直径にほぼ等しくてもよい。他の例では、延長部617の断面直径は、円筒形本体602の内径よりも大きくてもよい。他の例では、延長部617の断面直径は、端629から端631まで減少し、例えば、端629での本体602の内部部分614の断面積直径よりも大きい断面積直径から、端631の内部部分614の断面直径にほぼ等しい断面直径まで減少し得る。
【0028】
延長部617の第1の部分633及び第2の部分635によって形成される管腔626の直径は、縫合糸640をその中に挿入することを可能にするために十分に大きくてもよいが、管腔626の直径は、本明細書に記載のように小さくして、縫合糸640を圧縮し、それによって縫合糸640を内部に固定することができる。いくつかの例では、縫合糸を医療器具600に結合するために、ユーザは、縫合糸640の端部を管腔626に挿入することができ、これは、縫合糸640を管腔626内に配置するために、第1の部分633及び第2の部分635を半径方向外側に曲げるか又は動かすことを必要とし得る。管腔626内に配置された場合、第1及び第2の部分633,635は、縫合糸640に力を加え、及び/又は縫合糸640にクランプ留めすることができる。いくつかの例では、縫合糸640を医療器具600に結合するために、ユーザは、最初に、開口部616及び円筒形本体602の端部の1つを通して縫合糸640を挿入し、次に、延長部617の管腔626内に縫合糸640を配置することができる。管腔626内に配置されると、ユーザは、延長部617を本体602の内部部分614内に配置することができ、これにより、ユーザは、第1の部分633及び/又は第2の部分635を半径方向内側に押して、延長部617を本体602の内部部分614内に嵌合させる必要がある。いくつかの例では、延長部617の半径方向外側での断面直径は、端629から端631に向かって増加し、これにより、ユーザが延長部617を円筒形の本体602に挿入するときに、縫合糸640に第1及び第2の部分633,635によって及ぼされる力が増加し得る。この設計は、縫合糸640を医療器具600に固定的に結合することを容易にし得る。他の例では、延長部617の断面直径は、端629から端631まで一定のままであり、本体602の内径よりも大きくあり得る。延長部617の断面直径が端629から端631まで一定のままであり、本体602の内径よりも大きい場合、ユーザは、第1及び第2の部分633,635を半径方向内側に押して、延長部617を本体602に挿入できるようにすることができる。ひとたび挿入されると、本体602の内面は、第1及び第2の部分633,635が半径方向外向きに移動するのを防ぎ、第1及び第2の部分633,635の間の管腔626に配置された縫合糸640を保持し得る。延長部617を本体602に挿入することは、縫合糸640を第1の部分633,635の間、及び管腔626内に挟み込む又はクランプするための挟み込み又はクランプ機構を提供し得る。
【0029】
いくつかの例では、医療器具600はまた、端404と同様の中実の円筒形延長部を含む端604を有し得る。あるいは、端604及び円筒形本体602は、互いに一体形成されることができ、医療器具600の単一の構成要素をなし得る。図9に示されるように、針縫合構成要素900は、上記の実施形態の円筒形本体及び端部と同様に、円筒形本体902、端906、陥凹部分908、開口部916、延長部917、及び内部部分914を有する。針縫合構成要素900は、円筒形本体902及び端906が縫合針装置で使用するための単一の構成要素を形成するように一体形成され得る。例えば、医療器具600は、端606(図8に示される)及び針縫合構成要素900を使用して組み立てられ、医療器具600が、円筒形本体602及び両端604,606の3つではなく、2つの構成要素、すなわち針縫合構成要素900及び端606を含むことを可能にする。いくつかの例では、針縫合構成要素900は、金属又は任意の他の適切な生体適合性材料であり得る。
【0030】
医療器具の前述の実施形態のいずれかを使用する場合、ユーザは、対象の体内に存在する治療部位(創傷又は組織の切断など)に到達することができる。上記の医療器具のいずれも、治療部位で患者の組織の一部を通して挿入され、その後、患者の組織の別の部分に挿入され得る。ユーザは、医療器具に取り付けられた縫合糸を使用して、医療器具が貫通した組織の2つの部分を一緒に引っ張ることができる。例えば、ユーザは、縫合糸を患者の組織に通し、組織を一緒に縫い合わせて、創傷治癒を促進することができる。
【0031】
本明細書に記載の医療器具のいずれかの1つ以上の態様は、他の態様のいずれかと組み合わせて使用できることを理解されたい。また、本明細書に記載の医療器具のいずれかの1つ以上の態様は、人体の任意の部分の組織を縫合、縫い合わせ、切断、つかみ、保持、移動、解剖、又は治療するために使用できることも理解されたい。例えば、本明細書に記載の医療器具のいずれかは、管腔内手術、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、癌治療、及び/又は、組織をつかむ、動かす、保持する、又は除去する必要がある他の手順などの医療手順で使用することができる。
【0032】
さらに、特定の例示的な実施形態が本明細書で集合的に例示及び説明され得るが、同一又は同様の目的を達成するように設計された後続の任意の構成が、本明細書で説明及び示される特定の実施形態の代わりになり得ることを理解されたい。この開示は、様々な実施形態のその後のすべての適応又は変形例をカバーすることを意図している。上記の実施形態、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、発明の詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかであろう。
【0033】
本開示の他の例示的な実施形態は、本明細書に開示される例示的な実施形態の仕様及び実施を考慮することにより、当業者には明らかであろう。明細書及び実施例は単なる例示と見なされることが意図されており、以下の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、形式及び詳細からの展開を行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9