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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】マルチレイヤパッチアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20231030BHJP
   H01Q 5/385 20150101ALI20231030BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20231030BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q5/385
H01Q21/24
H01Q1/38
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021516492
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019050966
(87)【国際公開番号】W WO2020068452
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】16/147,232
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ファブレガ・サンチェス、ジョルジ
(72)【発明者】
【氏名】モハンマディアン、アリレザ
(72)【発明者】
【氏名】タッソウドジ、モハンマド・アリ
(72)【発明者】
【氏名】ハビィブ、アサフ
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06133882(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/296635(US,A1)
【文献】米国特許第09831566(US,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0006811(KR,A)
【文献】国際公開第2018/074377(WO,A1)
【文献】Li Guo,A Low-Profile Dual-Polarized Patch Antenna with Bandwidth Enhanced by Stacked Parasitic Elements,2018 International Conference on Microwave and Millimeter Wave Technology (ICMMT),2018年05月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 5/385
H01Q 21/24
H01Q 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナシステムにおいて、
導電性であり、第1の周波数帯域中と、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域中とでエネルギーを放射するように構成されているパッチ放射器と、
記パッチ放射器とオーバーラップしている第1の寄生パッチ放射器と、前記第1の寄生パッチ放射器
は、導電性であり、前記第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、
少なくとも1つの寄生素子と、前記少なくとも1つの寄生素子は、前記第1の寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子との組み合わせが、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように、前記第1の寄生パッチ放射器に対して、大きさが調整され、配置されている導体を備え
を具備し、
前記パッチ放射器は、前記システムの第1のレイヤ中に配置され、前記第1の寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子は、前記システムの前記第1のレイヤとは異なる前記システムの第2のレイヤ中に配置され、
前記システムは、前記システムの第3のレイヤ中に配置されている第2の寄生パッチ放射器をさらに具備し、前記第3のレイヤは、前記第1のレイヤおよび前記第2のレイヤとは異なっており、前記第2の寄生パッチ放射器は、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、
前記第1の寄生パッチ放射器は、前記パッチ放射器の上の第1の側に配置され、前記第2の寄生パッチ放射器は、前記パッチ放射器の下の第2の側に配置され、前記パッチ放射器とオーバーラップしている、
システム。
【請求項2】
前記第1の周波数帯域中の最低周波数は、前記第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記第1の寄生パッチ放射器の各エッジに隣接して配置されている少なくとも1つの導体を備える請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の寄生パッチ放射器は、正方形であり、2つの直交する偏波のうちの少なくとも1つで前記第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、前記パッチ放射器に対して、中央に置かれており、
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記第1の寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子との組み合わせが、前記2つの直交する偏波のうちの少なくとも1つで前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように、前記第1の寄生パッチ放射器に対して、対称的に配置され、構成されている請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記第1の寄生パッチ放射器の各角と斜めに隣接する領域に配置されている別の導体をさらに備える請求項3記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記第1の寄生パッチ放射器の周りに配置されている導電ループを備える請求項3記載のシステム。
【請求項7】
複数の寄生素子を具備し、前記第1の寄生パッチ放射器と前記複数の寄生素子は、中心点に関して対称的に配置されている請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記パッチ放射器は、アレイで配置されている複数のパッチ放射器のうちの1つであり、前記第1の寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子は、前記複数のパッチ放射器に寄生的に結合されるように構成され、配置されている前記アレイのコンポーネントであり、前記アレイにはパッチ放射器よりも多くの寄生パッチがある請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の寄生パッチ放射器のエッジは、前記第1の周波数帯域中で、約0.4波長と0.6波長との間の電気長を提供し、
前記第2の寄生パッチ放射器のエッジは、前記第2の周波数帯域中で、約0.4波長と0.6波長との間の電気長を提供する、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のレイヤ、前記第2のレイヤ、および前記第3のレイヤのうちのいずれも、同一平面上にない、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の周波数帯域は、約39GHzの周波数を備え、前記第2の周波数帯域は、約28GHzの周波数を備える、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の周波数帯域は、約30GHzより低いミリは周波数を備える、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
ルチレイヤ化回路ボードと、
電気を伝えるように構成されている給電線と、
前記給電線に結合された前記パッチ放射器と、前記パッチ放射器は、長方形の形状を有し、 長方形の形状を有し、第1のエッジと、第2のエッジと、第3のエッジと、第4のエッジとを有する前記第1の寄生パッチ放射器と、前記第3のエッジと前記第4のエッジのそれぞれは、前記第1のエッジと前記第2のエッジとの間に伸びており、前記第1の周波数帯域中で、前記マルチレイヤ化回路ボードの基板において、0.4波長と0.6波長との間の第1の電気長を有し、
前記第1の寄生パッチ放射器の前記第1のエッジに隣接して配置されている第1の導体と、前記第1の寄生パッチ放射器の前記第2のエッジに隣接して配置されている第2の導体とを備える前記少なくとも1つの寄生素子と、
をさらに具備する請求項1記載のアンテナシステム。
【請求項14】
前記第1の寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子は、組み合わさって、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するために、前記第2の周波数帯域中で、前記基板において、0.4波長と0.6波長との間の電気長を提供するように配置され、構成され、前記第1の周波数帯域中の最低周波数は、前記第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高く、
好ましくは、
前記第1の寄生パッチ放射器は、正方形であり、
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記パッチ放射器の前記第3のエッジに隣接して配置されている第3の導体と、前記パッチ放射器の前記第4のエッジに隣接して配置されている第4の導体とをさらに備え、
前記第1の寄生パッチ放射器と、前記第1の導体と、前記第2の導体は、組み合わさって、第1の偏波で、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、
前記第1の寄生パッチ放射器と、前記第3の導体と、前記第4の導体は、組み合わさって、前記第1の偏波と直交する第2の偏波で、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの寄生素子は、それぞれ、前記第1の寄生パッチ放射器の前記第1のエッジと、前記第2のエッジと、前記第3のエッジと、前記第4のエッジのそれぞれ1つに隣接して配置されている少なくとも4つの導電ストリップを備える
前記少なくとも1つの寄生素子は、好ましくは、前記4つの導電ストリップのうちの2つとそれぞれ並んでいる正方形の導体をさらに備える、
請求項13記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
[0001]
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれている、2018年9月28日に出願された「マルチレイヤパッチアンテナ」と題する非仮出願第16/147,232号の優先権を主張する。
【背景】
【0002】
[0002]
ワイヤレス通信デバイスは、ますます普及しており、ますます複雑化している。例えば、モバイル電気通信デバイスは、単純な電話機から、複数の通信能力(例えば、複数のセルラー通信プロトコル、WI-FI、BLUETOOTH(登録商標)、および、他の短距離通信プロトコル)を有するスマートフォン、スーパーコンピューティングプロセッサ、カメラなどに進歩してきた。ワイヤレス通信デバイスは、周波数の範囲に渡ってワイヤレス通信をサポートするアンテナを有する。
【0003】
[0003]
ワイヤレス通信技術の発展に伴い、モバイル通信デバイスは、複数のミリ波、例えば25GHzを超えるビームを使用して通信するように構成されているかもしれない。例えば、5Gデバイスは、28GHz帯域(26.5~29.5GHz)中および39GHz帯域(37~40GHz)中で動作するように構成されているかもしれない。ミリ波受信(RX)ビームは、gノードB、または、gNB、または、WLANアクセスポイント、または、通信信号の他のソース、と呼ばれることがある5G基地局の送信(TX)ビームと並んでいてもよい。受信ビームは、比較的広いビーム幅を有する擬似オムニ(PO)コードブック(すなわち、ステアリング角度の範囲および粒度)からのものであってもよく、または、比較的狭いビーム幅を有する狭いコードブックからのものであってもよい。変化するビーム幅(例えば、データ送信のためのより狭いビーム幅)のビームを形成するために、異なるアンテナアレイ素子タイプおよび配列を使用してもよい。放射器アレイ素子の重み(信号振幅および/または入力フィード信号位相)を変えることにより、ビームをさまざまな異なるスキャン角度にステアリングすること、および/または、ビームをPOビームとより狭いビームとの間で切り替えることができる。
【概要】
【0004】
[0004]
アンテナシステムの例は、導電性であり、第1の周波数帯域中と、第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域中とでエネルギーを放射するように構成されているパッチ放射器と、導電性であり、第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、パッチ放射器とオーバーラップしている寄生パッチ放射器と、寄生パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子との組み合わせが、第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように、寄生パッチ放射器に対して、大きさが調整され、配置されている導体を含む少なくとも1つの寄生素子とを含んでいる。
【0005】
[0005]
このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第1の周波数帯域中の最低周波数は、第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い。少なくとも1つの寄生素子は、寄生パッチ放射器の各エッジに隣接して配置されている少なくとも1つの導体を含んでいる。寄生パッチ放射器は、正方形であり、2つの直交する偏波のうちの少なくとも1つで第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、パッチ放射器に対して、中央に置かれており、少なくとも1つの寄生素子は、寄生パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子との組み合わせが、2つの直交する偏波のうちの少なくとも1つで第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように、寄生パッチ放射器に対して、対称的に配置され、構成されている。少なくとも1つの寄生素子は、寄生パッチ放射器の各角と斜めに隣接する領域に配置されている別の導体をさらに含んでいる。少なくとも1つの寄生素子は、寄生パッチ放射器の周りに配置されている導電ループを含んでいる。
【0006】
[0006]
加えてまたは代替として、このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。パッチ放射器は、システムの第1のレイヤ中に配置され、寄生パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子は、システムの第1のレイヤとは異なるシステムの第2のレイヤ中に配置されている。寄生パッチ放射器は、第1の寄生パッチ放射器であり、システムは、システムの第3のレイヤ中に配置されている第2の寄生パッチ放射器をさらに含み、第3のレイヤは、第1のレイヤおよび第2のレイヤとは異なっており、第2の寄生パッチ放射器は、第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている。第1の寄生パッチ放射器は、パッチ放射器の第1の側に配置され、第2の寄生パッチ放射器は、第2の側に配置され、パッチ放射器とオーバーラップしている。システムは、複数の寄生素子を含み、寄生パッチ放射器と複数の寄生素子は、中心点に関して対称的に配置されている。パッチ放射器は、アレイで配置されている複数のパッチ放射器のうちの1つであり、寄生パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子は、複数のパッチ放射器に寄生的に結合されるように構成され、配置されているアレイのコンポーネントであり、アレイにはパッチ放射器よりも多くの寄生パッチがある。
【0007】
[0007]
マルチレイヤアンテナシステムの例は、マルチレイヤ化回路ボードと、電気を伝えるように構成されている給電線と、給電線に結合され、導電性であり、長方形の形状を有し、マルチレイヤ化回路ボードの第1のレイヤ中に配置され、第1の周波数帯域中と、第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域中とでエネルギーを放射するように構成されているパッチ放射器と、マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置されている寄生パッチ放射器と、パッチ放射器と寄生パッチ放射器は、オーバーラップしており、寄生パッチ放射器は、導電性であり、長方形の形状を有し、第1のエッジと、第2のエッジと、第3のエッジと、第4のエッジとを有し、第3のエッジと第4のエッジのそれぞれは、第1のエッジと第2のエッジとの間に伸びており、第1の周波数帯域中で、マルチレイヤ化回路ボードの基板において、0.4波長と0.6波長との間の第1の電気長を有し、寄生パッチ放射器の第1のエッジに隣接して配置されている第1の導体と寄生パッチ放射器の第2のエッジに隣接して配置されている第2の導体とを備える少なくとも1つの寄生素子とを含んでいる。
【0008】
[0008]
このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。寄生パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子は、組み合わさって、第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するために、第2の周波数帯域中で、基板において、0.4波長と0.6波長との間の電気長を提供するように配置され、構成され、第1の周波数帯域中の最低周波数は、第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い。寄生パッチ放射器は、正方形であり、少なくとも1つの寄生素子は、パッチ放射器の第3のエッジに隣接して配置されている第3の導体と、パッチ放射器の第4のエッジに隣接して配置されている第4の導体とをさらに含み、寄生パッチ放射器と、第1の導体と、第2の導体は、組み合わさって、第1の偏波で、第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、寄生パッチ放射器と、第3の導体と、第4の導体は、組み合わさって、第1の偏波と直交する第2の偏波で、第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている。
【0009】
[0009]
加えてまたは代替として、このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。少なくとも1つの寄生素子は、それぞれ、寄生パッチ放射器の第1のエッジと、第2のエッジと、第3のエッジと、第4のエッジのそれぞれ1つに隣接して配置されている少なくとも4つの導電ストリップを含んでいる。少なくとも1つの寄生素子は、4つの導電ストリップのうちの2つとそれぞれ並んでいる正方形の導体をさらに含んでいる。
【0010】
[0010]
加えてまたは代替として、このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。少なくとも1つの寄生素子は、寄生パッチ放射器の周りに配置されている導電リングを含んでいる。寄生パッチ放射器は、第1の寄生パッチ放射器であり、システムは、マルチレイヤ化回路ボードの第3のレイヤ中に配置され、第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている第2の寄生パッチ放射器をさらに含んでいる。少なくとも1つの寄生素子は、マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置されている。
【0011】
[0011]
アンテナシステムの別の例は、マルチレイヤ化回路ボードと、電気を伝えるように構成されている給電線と、給電線に結合され、導電性であり、マルチレイヤ化回路ボードの第1のレイヤ中に配置され、第1の周波数と第2の周波数とでエネルギーを放射するように構成され、第1の周波数と第2の周波数は、5GHzより大きく離れているパッチ放射器と、マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置され、パッチ放射器から第1の周波数で第1のエネルギーを受け取り、第1の周波数で、受け取った第1のエネルギーの少なくとも一部を再放射するように構成され、パッチ放射器から第2の周波数で第2のエネルギーを受け取り、第2の周波数で、受け取った第2のエネルギーの少なくとも一部を再放射するように構成されている複数の寄生パッチとを含んでいる。
【0012】
[0012]
このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。複数の寄生パッチは、中心点に関して対称である。複数の寄生パッチは、それぞれ、パッチ放射器と部分的にオーバーラップしている4つの正方形パッチを含んでいる。中心点は、パッチ放射器の中心点である。第1の周波数は、ほぼ11GHzだけ第2の周波数から離れている。
【0013】
[0013]
アンテナシステムの別の例は、第1の周波数帯域中の第1の信号と第2の周波数帯域中の第2の信号とを提供する給電手段と、給電手段に電気的に結合され、給電手段から受け取った第1の信号を第1の周波数帯域中で放射し、給電手段から受け取った第2の信号を第2の周波数帯域中で放射する第1の放射手段と、第1の放射手段から第1の信号を寄生的に受け取り、第1の周波数帯域中の第1の信号を第1の周波数帯域中で放射する第2の放射手段と、第2の放射手段と組み合わさって、第2の周波数帯域中の第2の信号を寄生的に受け取り、第2の放射手段と組み合わさって、第2の周波数帯域中の第2の信号を放射する第3の放射手段とを含んでいる。
【0014】
[0014]
このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第3の放射手段は、第2の放射手段と組み合わさって、第1の放射手段から第2の周波数帯域中の第2の信号を寄生的に受け取る。第1の周波数帯域中の最低周波数は、第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い。第2の放射手段と第3の放射手段は、マルチレイヤ回路ボードの第1のレイヤ中に配置されている。システムは、第1の放射手段から第2の周波数帯域中の第2の信号を寄生的に受け取り、第2の周波数帯域中の第2の信号を放射する第4の放射手段を含んでもよく、第4の放射手段は、マルチレイヤ回路ボードの第1のレイヤとは異なる第2のレイヤ中に配置されている。第2の放射手段は、2つの直交する偏波で第1の信号を放射し、第3の放射手段は、第2の放射手段に関して対称的に配置され、第2の放射手段と組み合わさって、2つの直交する偏波で第2の信号を放射する。
【0015】
[0015]
デュアルバンド、デュアル偏波アンテナシステムの例は、マルチレイヤ化回路ボードと、電気を伝えるように構成されている複数の給電線と、複数の給電線に結合され、導電性であり、正方形の形状を有し、マルチレイヤ化回路ボードの第1のレイヤ中に配置され、複数の給電線から第1の周波数帯域中のエネルギーを受け取ったことに応答して、異なる偏波の第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように成形され、複数の給電線から第2の周波数帯域中のエネルギーを受け取ったことに応答して、異なる偏波の第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように成形され、第2の周波数帯域は、第1の周波数帯域とは異なっているパッチ放射器と、マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置されている寄生パッチ放射器と、パッチ放射器と寄生パッチ放射器は、オーバーラップしており、寄生パッチ放射器は、導電性であり、各エッジがマルチレイヤ化回路ボードにおいて、第1の周波数帯域中のエネルギーの0.4波長と0.6波長との間の長さ有する正方形の形状を有し、マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置され、パッチ放射器の少なくとも2つの直交するエッジに隣接して配置されている導電性材料を備え、寄生パッチ放射器の任意のエッジと並列して測定される、パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子との累積長は、マルチレイヤ化回路ボードにおいて、第2の周波数帯域中のエネルギーの0.4波長と0.6波長との間である少なくとも1つの寄生素子とを含んでいる。
【0016】
[0016]
このようなシステムの実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第1の周波数帯域中の最低周波数は、第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い。少なくとも1つの寄生素子は、それぞれ、寄生パッチ放射器のそれぞれのエッジに隣接して配置されている少なくとも4つの導電ストリップを含んでいる。少なくとも1つの寄生素子は、4つの導電ストリップのうちの2つとそれぞれ並んでいる正方形の導体をさらに含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】[0017] 図1は、通信システムの概略図である。
図2】[0018] 図2は、図1に示されているモバイルデバイスの簡略化されたコンポーネントの分解斜視図である。
図3】[0019] 図3は、アンテナを含む、図2に示されているプリント回路基板の上面図である。
図4】[0020] 図4は、図3に示されている例示的なパッチ放射器システムの上面図である。
図5】[0021] 図5は、図4に示されているパッチ放射器システムの側面図である。
図6】[0022] 図6は、ループ寄生素子を有する代替的なパッチ放射器システムの上面図である。
図7】[0023] 図7は、別の寄生素子を有するさらなる代替的なパッチ放射器システムの上面図である。
図8図8は、別の寄生素子を有するさらなる代替的なパッチ放射器システムの上面図である。
図9】[0024] 図9は、別の例示的なパッチ放射器システムの側面図である。
図10】[0025] 図10は、図9に示されているパッチ放射器システムの上面図である。
図11】[0026] 図11は、異なる周波数帯域中の信号を寄生的に受け取り、再放射する方法のブロックフロー図である。
【詳細な説明】
【0018】
[0027]
本明細書では、マルチレイヤアンテナにおいて非放射性金属を配列するための技法を説明する。例えば、パッチアンテナは、異なる周波数信号を放射するように駆動されてもよく、複数の偏波で、例えば、それぞれの異なる周波数信号に対して2つの偏波で放射するように駆動されてもよい。例えば、パッチアンテナは、より低い周波数(例えば、28GHz帯域)中と、より高い周波数(例えば、39GHz帯域)中との両方で、(H-polフィード上で)水平偏波信号で、そして、(V-polフィード上で)垂直偏波信号で駆動されてもよい。駆動されたパッチは、両方の偏波で、より低い周波数とより高い周波数とでエネルギーを放射し、少なくともより高い周波数のエネルギーは、パッチアンテナとは異なるレイヤ中に配置され、パッチアンテナとオーバーラップしている寄生パッチ放射器に結合する。寄生パッチ放射器は、パッチアンテナからより高い周波数のエネルギーを受け取り、より高い周波数でエネルギーを再放射する。少なくとも1つの寄生素子は、寄生パッチ放射器とともに動作して、パッチアンテナからより低い周波数のエネルギーを受け取り、より低い周波数のエネルギーを再放射するように構成され(例えば、大きさが調整され、成形され、など)、配置されている。例えば、寄生パッチ放射器は、より高い周波数で共振してもよく、寄生パッチ放射器は、少なくとも1つの寄生素子と組み合わさって、より低い周波数で共振する。しかしながら、他の構成を使用してもよい。
【0019】
[0028]
本明細書で説明するアイテムおよび/または技法は、以下の能力のうちの1つ以上とともに、言及されていない他の能力を提供してもよい。信号の複数の帯域は、小型アンテナ構成を使用して、例えば、寄生パッチ放射器および少なくとも1つの寄生素子とともに放射パッチアンテナを使用して放射されてもよい。複数のミリ波周波数帯域中の信号は、薄いマルチレイヤ化アンテナ構造から放射されてもよい。寄生パッチ放射器は、1つの周波数帯域中で共振してもよく、異なる周波数帯域中で共振する放射器の一部を形成してもよい。帯域幅は、他のアンテナ構成と比較して、1つ以上の帯域中、例えば、1つ以上のミリ波帯域(例えば、28GHz帯域および39GHz帯域)中で広帯域化されるかもしれない。他の能力が提供されてもよく、本開示によるすべての実装形態は、説明されている能力のうちのいずれか、ましてやすべてを提供しなければならないわけではない。さらに、上述した効果が上述した手段以外の手段によって達成されることが可能であってもよく、上述したアイテム/技法が、必ずしも上述した効果をもたらすとは限らない。
【0020】
[0029]
図1を参照すると、通信システム10は、モバイルデバイス12と、ネットワーク14と、サーバ16と、アクセスポイント(AP)18、20とを含んでいる。システム10は、システム10のコンポーネントが、直接的または間接的に、例えば、ネットワーク14および/またはアクセスポイント18、20のうちの1つ以上(および/または、1つ以上のトランシーバ基地局のような示されていない1つ以上の他のデバイス)を介して、(ワイヤレス接続を使用して少なくとも時々は)互いに通信することができるという点でワイヤレス通信システムである。間接的な通信の場合、1つのエンティティから別のエンティティへの送信中に通信を変更して、例えば、データパケットのヘッダ情報の変更、フォーマットの変更などを行ってもよい。示されているモバイルデバイス12は、(スマートフォンを含む)モバイルフォンと、ラップトップコンピュータと、タブレットコンピュータとを含むモバイルワイヤレス通信デバイス(ただし、これらはワイヤレスにもワイヤード接続を介しても通信することができる)である。現在存在するか将来開発されるかにかかわらず、さらに他のモバイルデバイスを使用してもよい。さらに、(モバイルか否かは問わない)他のワイヤレスデバイスが、システム10内で実装されてもよく、互いに、および/または、モバイルデバイス12、ネットワーク14、サーバ16、および/または、AP18、20と通信してもよい。例えば、このような他のデバイスは、モノのインターネット(IoT)デバイス、医療デバイス、ホームエンターテインメントおよび/またはオートメーションデバイスなどを含んでもよい。モバイルデバイス12または他のデバイスは、異なるネットワークにおいておよび/または異なる目的(例えば、5G、Wi-Fi通信、Wi-Fi通信の複数の周波数、衛星測位、1つ以上のタイプのセルラー通信(例えば、GSM(登録商標)(モバイルのためのグローバルシステム)、CDMA(コード分割多元接続)、LTE(登録商標)(ロングタームエボリューション)など)で通信するように構成されていてもよい。モバイルデバイス12は、UMTS(ユニバーサルモバイル電気通信システム)アプリケーションでは一般にユーザ機器(UE)として呼ばれるが、モバイル局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または、他の何らかの適切な用語として呼ばれることがある。
【0021】
[0030]
図2を参照すると、図1に示されているモバイルデバイス12のうちの1つの例は、上部カバー52と、ディスプレイレイヤ54と、プリント回路基板(PCB)レイヤ56と、底部カバー58とを含んでいる。示されているモバイルデバイス12は、スマートフォンまたはタブレットコンピュータであってもよいが、本説明はこのようなデバイスに限定されない。上部カバー52は、スクリーン53を含んでいる。PCBレイヤ56は、モバイルデバイス12と、他のワイヤレス通信デバイスを含む1つ以上の他のデバイスとの間の双方向通信を容易にするように構成されている1つ以上のアンテナを含んでいる。底部カバー58は底面59を有し、上部カバー52と底部カバー58の側面51、57はエッジ面を提供する。上部カバー52と底部カバー58は、ディスプレイレイヤ54と、PCBレイヤ56と、PCBレイヤ56上にあってもなくてもよい、モバイルデバイス12の他のコンポーネントとを保持するハウジングを構成していてもよい。例えば、ハウジングは、後述する、アンテナシステムと、フロントエンド回路と、中間周波数回路と、プロセッサとを保持(例えば、収納、収容)していてもよい。さらに、PCBレイヤ56のサイズおよび/または形状は、上部カバーまたは底部カバーのいずれかのサイズおよび/または形状とも、または、さもなければデバイスの外周とも釣り合っていなくてよい。例えば、PCBレイヤ56は、バッテリーを受け入れるためのカットアウトを有していてもよい。したがって、当業者は、例示されているもの以外のPCBレイヤ56の実施形態が実装されてもよいことを理解するであろう。
【0022】
[0031]
図3も参照すると、PCBレイヤ56の例は、主要部分60と2つのアンテナシステム62、64とを含んでいる。示されている例では、アンテナシステム62、64は、PCBレイヤ56の、よってこの例ではモバイルデバイス12の(例えば、モバイルデバイス12のハウジングの)、反対側の端63、65に配置されている。主要部分60は、(無線周波数(RF)回路としても呼ばれる)フロントエンド回路70、72と、中間周波数(IF)回路74と、プロセッサ76とを含むPCB66を備えていてもよい。フロントエンド回路70、72は、アンテナシステム62、64に放射されることとなる信号を提供するように、そして、アンテナシステム62、64により受け取られ、アンテナシステム62、64からフロントエンド回路70、72に提供される信号を受け取って処理するように構成されている。フロントエンド回路70、72は、IF回路74から受け取ったIF信号をRF信号に変換し(必要に応じて電力増幅器で増幅し)、放射のためにアンテナシステム62、64にこのRF信号を提供するように構成されている。フロントエンド回路70、72は、(例えば、低ノイズ増幅器およびミキサを使用して)アンテナシステム62、64により受け取られたRF信号をIF信号に変換し、このIF信号をIF回路74に送るように構成されている。IF回路74は、フロントエンド回路70、72から受け取ったIF信号をベースバンド信号に変換し、このベースバンド信号をプロセッサ76に提供するように構成されている。IF回路74はまた、プロセッサ76によって提供されたベースバンド信号をIF信号に変換し、このIF信号をフロントエンド回路70、72に提供するように構成されている。プロセッサ76は、IF回路74に通信可能に結合され、IF回路74は、フロントエンド回路70、72に通信可能に結合され、フロントエンド回路70、72は、それぞれ、アンテナシステム62、64に通信可能に結合されている。
【0023】
[0032]
アンテナシステム62、64は、さまざまな方法でPCBレイヤ56の一部として形成されていてもよい。図3において、PCB66からアンテナシステム62、64を分離する破線71、73は、PCBレイヤ56の他の部分からのアンテナシステム62、64(および、そのコンポーネント)の機能的分離を示している。アンテナシステム62、64は、PCB66と一体であり、PCB66の不可欠なコンポーネントとして形成されていてもよく、または、PCB66とは別個であるがPCB66に取り付けられていてもよい。代替として、アンテナシステム62および/またはアンテナシステム64の1つ以上のコンポーネントは、PCB66と一体的に形成されていてもよく、1つ以上の他のコンポーネントは、PCB66とは別個に形成されてPCB66に取り付けられるか、そうでなればPCBレイヤ56の一部とされていてもよい。代替として、アンテナシステム62、64のそれぞれは、PCB66とは別個に形成されてPCB66に取り付けられ、それぞれ、フロントエンド回路70、72に結合されていてもよい。いくつかの実施形態では、フロントエンド回路70、72の一方または両方は、モジュールにおいてアンテナシステム62または64とともに実装され、PCB66に結合される。例えば、モジュールが、PCB66に取り付けられてもよく、または、PCB66から離間しており、例えばフレキシブルケーブルまたはフレキシブル回路を使用して、これに結合されていてもよい。アンテナシステム62、64は、互いに同様にまたは互いに異なって構成されていてもよい。例えば、アンテナシステム62、64のいずれかの1つ以上のコンポーネントは省略されてもよい。例として、アンテナシステム62は、4Gおよび5G放射器を含んでいてもよいが、アンテナシステム64は、5G放射器を含んでいなくてもよい(省略されてもよい)。他の例では、アンテナシステム62、64のうちの1つが完全に省略されてもよく、または、WLAN技術などの非セルラー技術で使用するために構成されていてもよい。
【0024】
[0033]
ディスプレイレイヤ54のディスプレイ61(図2参照)は、PCB66とほぼ同じエリアをカバーしており、アンテナシステム62、64(そして、場合によっては、デバイス12の他のコンポーネント)のためのシステム接地面として機能してもよい。ディスプレイ61は、アンテナシステム62の下とアンテナシステム64の上に配置されている(ここで、「上」および「下」はモバイルデバイス12に対して相対的なものであり、すなわち、モバイルデバイス12の上部は、地球に対するデバイス12の向きにかかわらず、他のコンポーネントの上にある)。
【0025】
[0034]
アンテナシステム62、64は、ミリ波エネルギーを伝達するおよび受け取るように構成されていてもよい。アンテナシステム62、64は、異なるスキャン角度にステアリングするように、および/または、例えば、POビームとより狭いビームとの間で、ビーム幅のサイズを変えるように構成されていてもよい。
【0026】
[0035]
ここでは、アンテナシステム62、64は、モバイルデバイス12に対してさまざまな方向で他のデバイスとの通信を容易にするために複数の放射器を用いて同様に構成されている。図3の例では、アンテナシステム62は、パッチ放射器システムのアレイ80と、ダイポール放射器のアレイ82とを含んでいる。他の例では、1つ以上のアンテナシステムは、1つ以上のダイポール放射器のみ、1つ以上のパッチ放射器のみ、または、1つ以上のダイポール放射器と1つ以上のパッチ放射器の組み合わせを含んでいてもよい。他の例では、単独で、あるいは、1つ以上のダイポール放射器および/または1つ以上のパッチ放射器と組み合わせて、1つ以上の他のタイプの放射器を使用してもよい。パッチ放射器は、主にPCBレイヤ56の平面の上および下から、すなわち図3を示しているページの内外に、信号を放射し、主にそこから信号を受け取るように構成されている。ダイポール放射器は、主にPCBレイヤ56の側面に信号を放射し、主にそこから信号を受け取るように構成され、アンテナシステム62中のダイポール放射器は、図3に示されるように主にPCBレイヤ56の左上に放射するように構成され、アンテナシステム64中のダイポール放射器は、図3に示されるように主にPCBレイヤ56の右下に放射するように構成されている。PCBレイヤ56の角にまたは角の近くにアンテナシステム62、64を配置することは、例えば、MIMO(多入力多出力)能力を高めるのに役立つ空間ダイバーシティ(そこへ信号が送信されることがあり、そこから信号が受信されることがあるモバイルデバイス12に対する方向)を提供するのに役立つかもしれない。さらに、パッチ放射器のアレイ82は、デュアル偏波の放射および受け取りを提供するように構成されていてもよい。
【0027】
[0036]
図4~5も参照すると、図3に示されているアンテナシステム62のパッチ放射器システムのアレイ80のパッチ放射器システム110の例が示されており、図4はシステム110の上面図であり、図5はシステム110の側面図である。パッチ放射器システム110は、高帯域パッチ112と、寄生素子114、115、116、117と、放射パッチ118と、低帯域パッチ120と、水平偏波フィード122と、垂直偏波フィード124と、接地面128と、基板130とを含むマルチレイヤ化回路ボード111を含んでいる。寄生素子114~117は、寄生パッチとみなされてもよい。パッチ放射器システム110は、デュアルバンド、デュアル偏波放射器システムとして構成されている。デュアル偏波放射用に構成されることは必須ではなく、代わりに、システム110中の1つ以上の特徴が、単一偏波放射のために構成されていてもよい(例えば、単一のフィードを使用してもよく、および/または、1つ以上のパッチまたは他のアイテムが、送信および/または受信される信号の周波数での単一の偏波放射のために大きさが調整され、成形されている)。しかしながら、示されている例では、アイテムは、デュアル偏波放射のために構成されて、提供されている。特に、システム110は、例えば、放射器(例えば、パッチ放射器、寄生放射器)の直交するエッジに起因して、2つの異なる5G通信帯域のための2つの直交する偏波のうちの一方または両方で放射してもよい。例えば、システム110は、28GHz帯域と39GHz帯域の両方において異なる、ここでは直交する偏波で放射するように構成されていてもよい。図5では、明確さのために寄生素子117は示されていない。放射パッチ118と、低帯域パッチ120と、接地面128は、基板130内のシステムの異なるレイヤ中に配置されている。高帯域パッチ112および寄生素子114~117は、システム110の同じレイヤ中に、ここでは基板130の上部に、配置されている。図5に示されているように、システム110が示されているように方向付けられている場合、高帯域パッチ112は、放射パッチ118の上に(すなわち、接地面128の反対側のパッチ118の側に)配置され、低帯域パッチ120は、放射パッチ118の下に(すなわち、低帯域パッチ120が放射パッチ118と接地面128との間に配置されるように、放射パッチ118の接地面128と同じ側に)配置される。
【0028】
[0037]
(給電線としても呼ばれる)フィード122、124は、放射パッチ118に信号を提供するために電気を伝えるように構成されている。フィード122、124のそれぞれは、異なる周波数、ここでは28GHzおよび39GHz帯域中の信号を放射パッチ118に提供するように構成されている。フィード122、124は、フィード122、124から信号を受け取ったことに応答して、放射パッチ118を励起して信号のそれぞれの偏波を放射するように、適切な位置で放射パッチ118に電気的に結合されている。ここでは、水平偏波フィード122は、放射パッチ118を励起して、フィード122によって提供される信号のエネルギーの周波数に対応する周波数の水平偏波信号を放射するように、放射パッチ118に結合されている。同様に、垂直偏波フィード124は、放射パッチ118を励起して、フィード124によって提供される信号のエネルギーの周波数に対応する周波数の垂直偏波信号を放射するように、放射パッチ118に結合されている。フィード122、124は、伝送線、例えばストリップラインから、放射パッチ118に提供される信号を受け取り、接地面128はストリップラインの上部である(残りの部分は示されていない)。フィードは、低帯域パッチ120を通過し、低帯域パッチ120とは電気的に接触していない。
【0029】
[0038]
放射パッチ118は、導電性(例えば、導電性材料で作られた導体)であり、フィード122、124に電気的に結合され、フィード122、124から受け取った信号を放射するように構成されている。伝送中、フィード122、124のいずれかから受け取った信号中のエネルギーの一部はいくらか失われるかもしれないが、放射パッチ118は、受け取った情報に対応する信号を伝えるのに十分なエネルギーを放射し、すなわち、放射された信号の特性は、受け取った信号の特性に対応するであろう。示されているように、放射パッチ118は、放射パッチ118が、放射パッチ118のそれぞれのエッジから、2つの直交する偏波の一方または両方で信号を放射することができるように、長方形、ここでは正方形である。放射パッチ118は、高周波数帯域中、例えば、39GHz帯域(37~40GHz)中でエネルギーを放射するように大きさが調整されている。例えば、放射パッチ118の各エッジは、39GHz帯域中で、基板130において、0.4波長と0.6波長との間の電気長を有していてもよい。ここでは、放射パッチ118のエッジは直線状であるが、(例えば、そうでなければ直線状のエッジであるものから内方に伸びるスロットを有する)他の構成を使用してもよい。放射パッチ118はまた、低周波数帯域中、例えば28GHz帯域(26.5~29.5GHz)中のエネルギーを低帯域パッチ120に結合するように構成されている。高周波数帯域中の最低周波数は、低周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高くてもよい。
【0030】
[0039]
高帯域パッチ112は、導電性であり、高周波数帯域中の高帯域信号を寄生的に受け取り、高周波数帯域(例えば、39GHz帯域)中で高帯域信号を再放射するように構成され、配置されている。高帯域パッチ112は、寄生パッチと呼ばれることがある。高帯域パッチ112が放射パッチ118にワイヤレスに結合し、放射パッチ118によって放射されたエネルギーから高帯域信号を受け取るという点で、高帯域パッチ112は、放射パッチ118から高帯域信号を寄生的に受け取る。高帯域パッチ112は、放射パッチ118から1つ以上の信号を受け取ったことに応答して、1つ以上の信号を再放射する。再放射される高帯域信号は、受け取った高帯域信号よりもエネルギーは少ないかもしれないが、内容的には同じ信号のままである。高帯域パッチ112は、放射パッチ118によって放射された高帯域信号の高帯域パッチ112による受け取りを容易にするために、放射パッチ118とオーバーラップして配置されている。示されているように、高帯域パッチ112は、放射パッチ118に対して、中央に置かれており、高帯域パッチ112のエッジ113は、放射パッチ118のエッジ119と平行であり、高帯域パッチ112全体は、放射パッチ112とオーバーラップしているが、他の配列(例えば、放射パッチ118と部分的にのみオーバーラップしている、高帯域パッチ112のエッジ113がパッチ118のエッジ119と平行でない、など)を使用してもよい。高帯域パッチ112は、長方形、ここでは正方形であり、高帯域中、例えば39GHz帯域中で信号を放射するように大きさが調整されたエッジ長を有する。高帯域パッチ112は、放射パッチ118のエッジ長133よりもわずかに短いエッジ長131を有し、したがって、放射パッチ118よりも良好に(例えば、より効率的に)高帯域中で信号を放射することができる。高帯域パッチ112の各エッジの電気長、ここではエッジ長131は、基板130において、高周波数帯域中の周波数の0.4波長と0.6波長との間であってもよい。ここでは、高帯域パッチ112のエッジは直線状であるため、物理的長さは電気長に対応する。しかしながら、例えば、1つ以上の非直線状のエッジを有する(例えば、エッジから内方に伸びるスロットを有する)他の構成を使用してもよい。高帯域パッチの他の例は正方形でなくてもよく、例えば、長方形ではあるが2つの異なるエッジ長を有する例である。これは、異なる周波数帯域中での放射を容易にすることができる。
【0031】
[0040]
寄生素子114~117は、高帯域パッチ112と組み合わさって、低帯域信号を寄生的に受け取るように構成され、配置されている。すなわち、寄生素子114~117は、高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせが、放射パッチ118から(低周波数帯域中の)低帯域信号を寄生的に受け取るように構成され、配置されている。4つの寄生素子が示されているが、これは一例であり、他の数(例えば、1つ、2つ、3つ、または、4つよりも多く)の寄生素子を使用してもよい。高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせは、低周波数帯域(例えば、28GHz帯域)中で低帯域信号を再放射するように構成されている。高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせは、放射パッチ118から1つ以上の信号を受け取ったことに応答して、1つ以上の信号を再放射する。高帯域パッチ112と寄生素子114~117が、放射パッチ118(または、フィード122、124のいずれか)に物理的に結合されているのではなく、放射パッチ118にワイヤレスに結合しており、放射パッチ118によって放射されたエネルギーから低帯域信号を受け取るという点で、高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせは、放射パッチ118から低帯域信号を寄生的に受け取る。再放射される低帯域信号は、受け取った低帯域信号よりもエネルギーは少ないかもしれないが、内容的には同じ信号のままである。
【0032】
[0041]
寄生素子114~117のそれぞれは、高帯域パッチ112の対応するエッジに隣接して、すなわち、高帯域パッチ112の対応するエッジから近いがゼロではない距離に配置されている。高帯域パッチ112と寄生素子114~117のそれぞれとの間の分離の量は、システム110の所望の性能を提供するように選択されてもよい。選択される分離は、低帯域性能と高帯域性能との間のトレードオフ(例えば、リターンロス)であってもよく、より小さい分離は、低帯域性能を向上させて高帯域性能を低下させ、より大きい分離は、高帯域性能を向上させて低帯域性能を低下させる。図4~5に示されている例では、高帯域パッチ112と寄生素子114~117との間の分離は、寄生素子114~117が放射パッチ118とオーバーラップしないのには十分であるが、寄生素子114~117が低帯域パッチ120と部分的にオーバーラップするくらい十分小さい。この分離は一例にすぎず、他の分離を使用してもよい。寄生素子114~117は、図4~5に示されている例では放射パッチ118に関して対称的に配置されている。また、図4~5に示されている例では、寄生素子114~117は、高帯域パッチ112の対応するエッジの長さよりもわずかに長い長さを有する。代替として、寄生素子114~117は、高帯域パッチ112の対応するエッジと同じ長さを有することができ、寄生素子114~117の端部は、高帯域パッチ112のそれぞれのエッジと同一線上にある。図4~5に示されているこの例では、寄生素子114~117は、すべてが同じ量だけ高帯域パッチ112から分離されており、等しい幅を有するが、他の構成(例えば、同等でない分離および/または同等でない幅)を使用してもよい。
【0033】
[0042]
寄生素子114~117は、低周波数帯域中の信号を寄生的に受け取り、再放射するのに役立つように大きさが調整され、成形されている。寄生素子114~117のうちの2つの寄生素子の電気幅(ここでは、幅132)と、これらの2つの寄生素子114~117間の高帯域パッチ112の対応するエッジの電気長(ここでは、長さ131)とを組み合わせた距離が、低帯域信号の波長の約半分となるように、寄生素子114~117のそれぞれは、電気幅(この例では、幅132)を有する。例えば、この距離(ここでは、長さ131に幅132の2倍を加えた累積長)は、基板130において、低周波数帯域中の周波数の0.4波長と0.6波長との間であってもよい。
【0034】
[0043]
低帯域パッチ120は、低周波数帯域中の低帯域信号を寄生的に受け取り、低周波数帯域中で低帯域信号を再放射するように構成され、配置されている。したがって、低帯域パッチ120は寄生パッチである。低帯域パッチ120が放射パッチ118(または、フィード122、124のいずれか)に導電的に結合されているのではなく、放射パッチ118にワイヤレスに結合しており、放射パッチ118によって放射されたエネルギーから低帯域信号を受け取るという点で、低帯域パッチ120は、放射パッチ118から低帯域信号を寄生的に受け取る。低帯域パッチ120から再放射される低帯域信号は、受け取った低帯域信号よりもエネルギーは少ないかもしれないが、内容的には同じ信号のままである。低帯域パッチ120から再放射される低帯域信号は、高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせにより受け取られて、再放射されてもよい。低帯域パッチ120は、放射パッチ118によって放射された低帯域信号の低帯域パッチ120による受け取りを容易にするために、放射パッチ118とオーバーラップして配置されている。示されているように、低帯域パッチ120は、放射パッチ118に対して、中央に置かれており、低帯域パッチ120のエッジ121は、放射パッチ118のエッジ119と平行であり、放射パッチ118全体は、低帯域パッチ120とオーバーラップしているが、他の配列(例えば、放射パッチ118と部分的にのみオーバーラップする、低帯域パッチ120のエッジ121がパッチ118のエッジ119と平行でない、など)を使用してもよい。この例では、低帯域パッチ120は、長方形、ここでは正方形であり、低帯域中、例えば28GHz帯域中で信号を放射するように大きさが調整された電気エッジ長を有する。低帯域パッチ120は、放射パッチ118の電気エッジ長、ここではエッジ長133よりも長い電気エッジ長、ここではエッジ長134を有し、したがって、放射パッチ118よりも良好に(例えば、より効率的に)低帯域中で信号を放射することができる。低帯域パッチ120の各エッジの電気エッジ長は、基板130において、低周波数帯域中の周波数の0.4波長と0.6波長との間であってもよい。低帯域パッチの他の例は正方形でなくてもよく、例えば、長方形ではあるが2つの異なるエッジ長を有する例である。これは、異なる周波数帯域中での放射を容易にすることができる。
【0035】
[0044]
他の構成
[0045]
上述した例は非網羅的な例であり、多数の他の構成を使用してもよい。以下の説明は、このような他の構成のうちのいくつかに向けられているが、いずれもが(単独でも、上の説明と組み合わせても)網羅的ではない。
【0036】
[0046]
複数の寄生素子または1つの寄生素子の他の構成を使用してもよい。図6を参照すると、図3に示されているアンテナシステム62のパッチ放射器システムのアレイ80のパッチ放射器システム150の例は、高帯域パッチ152と単一の寄生素子154とを含み、図6はシステム150の上面図である。システム150は、放射パッチを含み、図4~5に示されているシステム110と同様に他の特徴(例えば、低帯域パッチ)を含んでいてもよいが、これらの特徴は、図を簡単にするために図6には示されていない。システム150は、図4に示されている寄生素子114~117の代わりに、単一の寄生素子154を含んでいる。寄生素子154は、高帯域パッチ152の周囲に配置されているループである。ここでは、ループは正方形の導電性リングであるが、他の形状を使用してもよい。
【0037】
[0047]
上面図である図7を参照すると、パッチ放射器システム160の別の例は、図4に示されているような、高帯域パッチ112と、寄生素子114、115、116、117と、放射パッチ118と、低帯域パッチ120と、水平偏波フィード122と、垂直偏波フィード124とを含み、加えて別の寄生素子164、165、166、167を含んでいる。寄生素子164~167は、システム160の角において高帯域パッチ112に斜めに隣接して配置されており、寄生素子164~167のそれぞれは、ここでは導電ストリップである寄生素子114~117のうちの2つと並んでいる。寄生素子164~167の使用は、例えば、より低い周波数帯域中の4分の1波長が、高帯域パッチ112の幅と寄生素子164~167のうちの1つの寄生素子の2つの幅とにほぼ等しいような、より低い周波数帯域中での、システム160による放射をさらに改善する(例えば、寄生素子114~117を使用しない場合と比較して挿入損失を低くする)ことができる。この例では、別の寄生素子164~167は、正方形の導体である。寄生素子を使用することで、フィードから放射パッチへのインピーダンス整合を改善することもできる。
【0038】
[0048]
上面図である図8を参照すると、パッチ放射器システム170の別の例は、寄生パッチ172と、寄生素子174、175、176、177と、放射パッチ178と、水平偏波フィード180と、垂直偏波フィード182と、別の寄生素子184、185、186、187とを含んでいる。この例では、寄生素子174~177は、それぞれが寄生パッチ172のそれぞれのエッジに近接して配置されており、それぞれが寄生パッチ172のそれぞれのエッジの長さと同様の(ここでは等しい)長さを有する導電ストリップである。寄生素子184~187のそれぞれは、システム170のそれぞれの角に配置されており、寄生素子174~177のそれぞれのペアと並んでいる。寄生パッチ172は、放射パッチ178よりも小さい。放射パッチ178は、寄生パッチ172と完全にオーバーラップし、寄生素子174~177のそれぞれと部分的にオーバーラップし、寄生素子184~187のそれぞれと部分的にオーバーラップしている。寄生パッチ172は、主に所望の周波数帯域中でエネルギーを放射するように大きさが調整されている(例えば、システム170の基板において、所望の周波数帯域中の周波数の0.4波長と0.6波長との間の電気エッジ長を有する)。寄生パッチ172と寄生素子174~177、184~187の組み合わせが、主に所望の周波数帯域中で、放射パッチ178から受け取ったエネルギーを再放射するように、寄生素子174~177、184~187は、大きさが調整され、成形され、配置されている。
【0039】
[0049]
さらに他の構成も可能である。例えば、パッチ放射器システム170および/または他の構成では、(図4~5に示されている低帯域パッチ120のような)低帯域パッチは省略されてもよい。
【0040】
[0050]
それぞれ側面図および上面図である図9および10を参照すると、パッチ放射器システム210の別の例は、放射パッチ212と、寄生パッチ214、215、216、217と、フィード220と、基板222と、接地面224とを含んでいる。この例では、放射パッチ212は、フィード220を介して提供される、複数の周波数帯域中の信号を、または、広帯域中に、例えば5GHz以上(例えば11GHz)の帯域中に渡る複数の周波数の信号を、放射するように構成されていてもよい。ここでは、寄生パッチ214~217のそれぞれは正方形であり、4つの寄生パッチがあるが、他の形状(例えば、非正方形の長方形、六角形など)および/または他の量の寄生パッチを使用してもよい。寄生パッチ214~217は、放射パッチ212から信号を寄生的に受け取り、複数の周波数帯域中でエネルギーを再放射するように構成され(例えば、大きさが調整され、成形され)、配置されている。
【0041】
[0051]
ある例では、パッチ放射器システム210は、複数の周波数帯域中の信号を放射するように構成され、寄生パッチ214~217のそれぞれは、より高い周波数帯域中、例えば、60GHz帯域中のような50GHzを超える周波数帯域中での放射を容易にする長さの長さ230(および、幅)を有していてもよい。例えば、長さ230は、放射パッチ212に給電され、放射パッチ212によって放射されるより高い周波数信号の波長の約半分(例えば、0.4波長と0.6波長との間)であってもよい。寄生パッチ214~217のうちの隣接する寄生パッチのアレイ長234とギャップ長232とが、例えば28GHz帯域中での、より低い周波数の信号の放射を容易にする長さのものとなるように、寄生パッチ214~217のそれぞれは、寄生パッチ214~217のうちの隣接する寄生パッチからギャップ長232だけ分離されていてもよい。例えば、アレイ長234は、放射パッチ212に給電され、放射パッチ212によって放射されるより低い周波数信号の波長の約半分(例えば、0.4波長と0.6波長との間)であってもよい。寄生パッチのうちの個々の寄生パッチがより高い周波数信号を放射することを可能にしつつ、寄生パッチ214~217のうちの隣接する寄生パッチが組み合わさって動作して、より低い周波数信号を放射することができるように、ギャップ長232は、大きさが調整される。示されているように、寄生パッチは、パッチ放射器212とオーバーラップして配置されており、パッチ放射器212に対して、中央に置かれており、パッチ放射器212の中心点でもある中心点236に関して対称的に配置されている。放射パッチ212は、同様に、より高い周波数帯域中とより低い周波数帯域中とで放射するように構成されてもよく、例えば、送信または受信のために信号の複数の波長の倍数または分数として大きさが調整されている。
【0042】
[0052]
別の例では、寄生パッチは、広い周波数帯域に渡ってエネルギーを再放射するように構成されている。例えば、寄生パッチ214~217は、28GHzから39GHzのまたは57GHzから68GHzの周波数帯域に渡って、例えば、その帯域に渡ってしきい値リターンロス(例えば、-5dBまたは-10dB)を下回るリターンロスで、エネルギーを再放射するように大きさが調整されていてもよい。寄生パッチ214~217のサイズと、寄生パッチ214~217間のギャップ240、242のサイズとを調整して、寄生パッチ214~217による放射、例えば、周波数の関数としてのリターンロスに影響を与えてもよい。例えば、ギャップ240、242のサイズが周波数の関数として放射量に影響を与えてもよく、11GHz以上の周波数帯域に渡って信号を効率的に放射するように、パッチ放射器システム210が構成されていてもよい。いくつかのこのような実施形態では、それぞれ個々の寄生パッチが周波数帯域中の下端で信号を放射するように構成されるのではなく、寄生パッチ214~217のうちの2つ以上が、組み合わさって、この帯域中のすべての周波数で放射するように構成されていてもよい。
【0043】
[0053]
図11を参照し、さらに図1~10を参照すると、異なる周波数帯域中の信号を寄生的に受け取り、再放射する方法250は、示されているステージを含んでいる。しかしながら、方法250は一例にすぎず、限定するものではない。方法250は、例えば、ステージを、追加すること、削除すること、再配列すること、組み合わせること、同時に実行することによって、および/または、単一のステージを複数のステージに分割させることによって変更してもよい。例えば、ステージ254および256は、例えば、一般的に使用するために、または、キャリアアグリゲーション技法で使用するために、ステージ258および260の前に、それの後に、または、それと同時に実行してもよい。示され、説明されている方法250に対するさらに他の変更も可能である。
【0044】
[0054]
ステージ252において、方法250は、放射パッチから第1の周波数帯域中の高帯域信号を、放射パッチから第2の周波数帯域中の低帯域信号を放射することを含んでいる。例えば、フィード122、124は、それぞれの偏波でフィード122、124から、高帯域信号を放射する放射パッチ118に、それぞれの高帯域信号を伝えてもよい。別の例として、フィード122、124のうちの一方だけが、放射パッチ118に高帯域信号を伝えてもよい。別の例として、フィード122、124のうちの一方が、放射パッチ118に高帯域信号を伝える一方で、同時に、フィード122、124のうちの他方が、放射パッチ118に低帯域信号を伝えてもよい。別の例として、フィード122、124は、それぞれの偏波でフィード122、124からの低帯域信号を放射する放射パッチ118に、低帯域信号を伝えてもよい。別の例として、フィード122、124のうちの一方だけが、放射パッチ118に低帯域信号を伝えてもよい。高帯域信号および低帯域信号は、典型的には、異なる時間にフィード122、124に提供され、典型的には、フィード122、124には、それぞれ、一度に1つの信号だけが給電されるが、同時に、異なる信号がフィード122、124のいずれかに提供されてもよい。フィード122、124によって放射パッチ118に伝えられる信号は、たとえ信号が同じ周波数帯域中でも、同じ信号であってもよいし、異なる信号(例えば、異なる内容を有する)であってもよい。
【0045】
[0055]
ステージ254において、方法250は、高帯域パッチによって高帯域信号を寄生的に受け取ることを含んでいる。例えば、放射パッチ118によって放射された高帯域信号のエネルギーは、高帯域パッチ112によって受け取られてもよい。高帯域パッチ112が高帯域信号をワイヤレスに受け取るため、高帯域パッチ112は、高帯域信号を寄生的に受け取る。高帯域パッチ112が受け取るエネルギーは、放射パッチ118によって放射された高帯域信号のエネルギーのすべてより少ないが、高帯域パッチ112は、高帯域信号を受け取る。
【0046】
[0056]
ステージ256において、方法250は、高帯域パッチから高帯域信号を再放射することを含んでいる。例えば、高帯域パッチ112は、高帯域信号を受け取ったことに起因してエネルギーを放射し、よって、高帯域パッチ112が放射するエネルギーは、高帯域パッチ112が放射パッチ118から受け取った高帯域信号のエネルギーのすべてよりも少ないが、高帯域信号を再放射する。高帯域パッチ112は、放射パッチ118によって放射された高帯域偏波のそれぞれで、高帯域エネルギーを再放射するように構成されている(例えば、成形され、配列されている)。他の例として、高帯域パッチ152または寄生パッチ172は、放射パッチ118から受け取った高帯域信号エネルギーを再放射する。
【0047】
[0057]
ステージ258において、方法250は、高帯域パッチと少なくとも1つの寄生素子との組み合わせによって、低帯域信号を寄生的に受け取ることを含んでいる。例えば、放射パッチ118によって放射された低帯域信号のエネルギーは、高帯域パッチ112と寄生素子114~117、または、高帯域パッチ152と寄生素子154との組み合わせ、または、高帯域パッチ112と寄生素子114~117および164~167との組み合わせ、または、寄生パッチ172と寄生素子174~177および184~187との組み合わせによって受け取られてもよい。パッチと寄生素子との組み合わせの他の例を使用してもよい。高帯域パッチ112と寄生素子114~117が低帯域信号をワイヤレスに受け取るので、高帯域パッチ112と寄生素子114~117は、低帯域信号を寄生的に受け取る。高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせが受け取るエネルギーは、放射パッチ118によって放射された低帯域信号のエネルギーのすべてよりも少ないが、高帯域パッチ112と寄生素子114~117の組み合わせは、低帯域信号を受け取る。
【0048】
[0058]
ステージ260において、方法250は、高帯域パッチと少なくとも1つの寄生素子との組み合わせから低帯域信号を再放射することを含んでいる。例えば、高帯域パッチ112は、寄生素子114~117と組み合わさって、低帯域信号を受け取ったことに起因してエネルギーを放射してもよく、よって、高帯域パッチ112と寄生素子114~117との組み合わせが放射するエネルギーは、放射パッチ118から受け取った低帯域信号のエネルギーのすべてよりも少ないが、低帯域信号を再放射する。放射パッチ118から1つの低帯域信号だけを受け取る場合、寄生素子114~117のすべてに満たない数の寄生素子(すなわち、受け取った信号の偏波に対応する寄生素子114~117だけ)が低帯域信号のエネルギーを再放射してもよい。高帯域パッチ112は、寄生素子114~117と組み合わさって、放射パッチ118によって放射された低帯域偏波のそれぞれで低帯域エネルギーを再放射するように構成されている(例えば、成形され、配列されている)。他の例として、高帯域パッチ152と寄生素子154との組み合わせ、または、高帯域パッチ112と寄生素子114~117および別の寄生素子164~167との組み合わせ、または、寄生パッチ172と寄生素子174~177および184~187との組み合わせが、放射パッチ118から受け取った低帯域信号のそれぞれを対応する偏波で再放射する。
【0049】
[0059]
他の考慮事項
[0060]
上述した技法は例にすぎず、網羅的ではない。説明したもの以外の構成を使用してもよい。
【0050】
[0061]
本明細書で使用される場合、「~のうちの少なくとも1つ」が前に付くかまたは「~のうちの1つ以上」が前に付く、アイテムのリストにおいて使用される「または」は、例えば、「A、B、または、Cのうちの少なくとも1つ」のリスト、または、「A、B、または、Cのうちの1つ以上」のリストが、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)、あるいは、1つよりも多くの特徴との組み合わせ(例えば、AA、AAB、ABBCなど)を意味するような選言的リストを示している。
【0051】
[0062]
上述したシステムおよびデバイスは例にすぎない。さまざまな構成は、必要に応じて、さまざまなプロシージャまたはコンポーネントを省略、置換、または、追加してもよい。例えば、特定の構成に関して説明した特徴は、さまざまな他の構成において組み合わせてもよい。これらの構成の異なる態様および要素は、同じような方法で組み合わせてもよい。また、技術は進化するため、要素の多くは例にすぎず、本開示または特許請求の範囲を限定しない。
【0052】
[0063]
例となる構成(実装形態を含む)の完全な理解を与えるために、本説明では具体的な詳細が示されている。しかしながら、構成は、これらの具体的な詳細なしに実施してもよい。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および、技法は、構成を不明瞭にしないため、不必要な詳細なしに示されている。この説明は、例となる構成だけを提供しており、特許請求の範囲、適用可能性、または、構成を限定するものではない。むしろ、構成の前述の説明は、説明した技法を実装するための説明を提供する。本開示の趣旨または範囲から逸脱しなければ、要素の機能および配列にさまざまな変更を加えてもよい。
【0053】
[0064]
さらに、1つよりも多くの発明が開示されてもよい。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
アンテナシステムにおいて、
導電性であり、第1の周波数帯域中と、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域中とでエネルギーを放射するように構成されているパッチ放射器と、
導電性であり、前記第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、前記パッチ放射器とオーバーラップしている寄生パッチ放射器と、
前記寄生パッチ放射器と少なくとも1つの寄生素子との組み合わせが、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように、前記寄生パッチ放射器に対して、大きさが調整され、配置されている導体を備える少なくとも1つの寄生素子とを具備するシステム。
[C2]
前記第1の周波数帯域中の最低周波数は、前記第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い[C1]記載のシステム。
[C3]
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記寄生パッチ放射器の各エッジに隣接して配置されている少なくとも1つの導体を備える[C1]記載のシステム。
[C4]
前記寄生パッチ放射器は、正方形であり、2つの直交する偏波のうちの少なくとも1つで前記第1の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、前記パッチ放射器に対して、中央に置かれており、
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子との組み合わせが、前記2つの直交する偏波のうちの少なくとも1つで前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように、前記寄生パッチ放射器に対して、対称的に配置され、構成されている[C3]記載のシステム。
[C5]
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記寄生パッチ放射器の各角と斜めに隣接する領域に配置されている別の導体をさらに備える[C3]記載のシステム。
[C6]
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記寄生パッチ放射器の周りに配置されている導電ループを備える[C3]記載のシステム。
[C7]
前記パッチ放射器は、前記システムの第1のレイヤ中に配置され、前記寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子は、前記システムの前記第1のレイヤとは異なる前記システムの第2のレイヤ中に配置されている[C1]記載のシステム。
[C8]
前記寄生パッチ放射器は、第1の寄生パッチ放射器であり、前記システムは、前記システムの第3のレイヤ中に配置されている第2の寄生パッチ放射器をさらに具備し、前記第3のレイヤは、前記第1のレイヤおよび前記第2のレイヤとは異なっており、前記第2の寄生パッチ放射器は、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている[C7]記載のシステム。
[C9]
前記第1の寄生パッチ放射器は、前記パッチ放射器の第1の側に配置され、前記第2の寄生パッチ放射器は、第2の側に配置され、前記パッチ放射器とオーバーラップしている[C8]記載のシステム。
[C10]
複数の寄生素子を具備し、前記寄生パッチ放射器と前記複数の寄生素子は、中心点に関して対称的に配置されている[C1]記載のシステム。
[C11]
前記パッチ放射器は、アレイで配置されている複数のパッチ放射器のうちの1つであり、前記寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子は、前記複数のパッチ放射器に寄生的に結合されるように構成され、配置されている前記アレイのコンポーネントであり、前記アレイにはパッチ放射器よりも多くの寄生パッチがある[C1]記載のシステム。
[C12]
マルチレイヤアンテナシステムにおいて、
マルチレイヤ化回路ボードと、
電気を伝えるように構成されている給電線と、
前記給電線に結合され、導電性であり、長方形の形状を有し、前記マルチレイヤ化回路ボードの第1のレイヤ中に配置され、第1の周波数帯域中と、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域中とでエネルギーを放射するように構成されているパッチ放射器と、
前記マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置されている寄生パッチ放射器と、前記パッチ放射器と前記寄生パッチ放射器は、オーバーラップしており、前記寄生パッチ放射器は、導電性であり、長方形の形状を有し、第1のエッジと、第2のエッジと、第3のエッジと、第4のエッジとを有し、前記第3のエッジと前記第4のエッジのそれぞれは、前記第1のエッジと前記第2のエッジとの間に伸びており、前記第1の周波数帯域中で、前記マルチレイヤ化回路ボードの基板において、0.4波長と0.6波長との間の第1の電気長を有し、
前記寄生パッチ放射器の前記第1のエッジに隣接して配置されている第1の導体と、前記寄生パッチ放射器の前記第2のエッジに隣接して配置されている第2の導体とを備える少なくとも1つの寄生素子とを具備するシステム。
[C13]
前記寄生パッチ放射器と前記少なくとも1つの寄生素子は、組み合わさって、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するために、前記第2の周波数帯域中で、前記基板において、0.4波長と0.6波長との間の電気長を提供するように配置され、構成され、前記第1の周波数帯域中の最低周波数は、前記第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い[C12]記載のシステム。
[C14]
前記寄生パッチ放射器は、正方形であり、
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記パッチ放射器の前記第3のエッジに隣接して配置されている第3の導体と、前記パッチ放射器の前記第4のエッジに隣接して配置されている第4の導体とをさらに備え、
前記寄生パッチ放射器と、前記第1の導体と、前記第2の導体は、組み合わさって、第1の偏波で、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成され、
前記寄生パッチ放射器と、前記第3の導体と、前記第4の導体は、組み合わさって、前記第1の偏波と直交する第2の偏波で、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている[C13]記載のシステム。
[C15]
前記少なくとも1つの寄生素子は、それぞれ、前記寄生パッチ放射器の前記第1のエッジと、前記第2のエッジと、前記第3のエッジと、前記第4のエッジのそれぞれ1つに隣接して配置されている少なくとも4つの導電ストリップを備える[C12]記載のシステム。
[C16]
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記4つの導電ストリップのうちの2つとそれぞれ並んでいる正方形の導体をさらに備える[C15]記載のシステム。
[C17]
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記寄生パッチ放射器の周りに配置されている導電リングを備える[C12]記載のシステム。
[C18]
前記寄生パッチ放射器は、第1の寄生パッチ放射器であり、前記システムは、前記マルチレイヤ化回路ボードの第3のレイヤ中に配置され、前記第2の周波数帯域中でエネルギーを放射するように構成されている第2の寄生パッチ放射器をさらに具備する[C12]記載のシステム。
[C19]
前記少なくとも1つの寄生素子は、前記マルチレイヤ化回路ボードの前記第2のレイヤ中に配置されている[C12]記載のシステム。
[C20]
アンテナシステムにおいて、
マルチレイヤ化回路ボードと、
電気を伝えるように構成されている給電線と、
前記給電線に結合され、導電性であり、前記マルチレイヤ化回路ボードの第1のレイヤ中に配置され、第1の周波数と第2の周波数とでエネルギーを放射するように構成され、前記第1の周波数と前記第2の周波数は、5GHzより大きく離れているパッチ放射器と、
前記マルチレイヤ化回路ボードの第2のレイヤ中に配置され、前記パッチ放射器から前記第1の周波数で第1のエネルギーを受け取り、前記第1の周波数で、前記受け取った第1のエネルギーの少なくとも一部を再放射するように構成され、前記パッチ放射器から前記第2の周波数で第2のエネルギーを受け取り、前記第2の周波数で、前記受け取った第2のエネルギーの少なくとも一部を再放射するように構成されている複数の寄生パッチとを具備するシステム。
[C21]
前記複数の寄生パッチは、中心点に関して対称である[C20]記載のシステム。
[C22]
前記複数の寄生パッチは、それぞれ、前記パッチ放射器と部分的にオーバーラップしている4つの正方形パッチを備える[C21]記載のシステム。
[C23]
前記中心点は、前記パッチ放射器の中心点である[C21]記載のシステム。
[C24]
前記第1の周波数は、ほぼ11GHzだけ前記第2の周波数から離れている[C21]記載のシステム。
[C25]
アンテナシステムにおいて、
第1の周波数帯域中の第1の信号と第2の周波数帯域中の第2の信号とを提供する給電手段と、
前記給電手段に電気的に結合され、前記給電手段から受け取った前記第1の信号を前記第1の周波数帯域中で放射し、前記給電手段から受け取った前記第2の信号を前記第2の周波数帯域中で放射する第1の放射手段と、
前記第1の放射手段から前記第1の信号を寄生的に受け取り、前記第1の周波数帯域中の前記第1の信号を前記第1の周波数帯域中で放射する第2の放射手段と、
前記第2の放射手段と組み合わさって、前記第2の周波数帯域中の前記第2の信号を寄生的に受け取り、前記第2の放射手段と組み合わさって、前記第2の周波数帯域中の前記第2の信号を放射する第3の放射手段とを具備するシステム。
[C26]
前記第3の放射手段は、前記第2の放射手段と組み合わさって、前記第1の放射手段から前記第2の周波数帯域中の前記第2の信号を寄生的に受け取る[C25]記載のシステム。
[C27]
前記第1の周波数帯域中の最低周波数は、前記第2の周波数帯域中の最高周波数よりも少なくとも10%高い[C25]記載のシステム。
[C28]
前記第2の放射手段と前記第3の放射手段は、マルチレイヤ回路ボードの第1のレイヤ中に配置されている[C25]記載のシステム。
[C29]
前記第1の放射手段から前記第2の周波数帯域中の前記第2の信号を寄生的に受け取り、前記第2の周波数帯域中の前記第2の信号を放射する第4の放射手段をさらに具備し、
前記第4の放射手段は、前記マルチレイヤ回路ボードの、前記第1のレイヤとは異なる第2のレイヤ中に配置されている[C28]記載のシステム。
[C30]
前記第2の放射手段は、2つの直交する偏波で前記第1の信号を放射し、
前記第3の放射手段は、前記第2の放射手段に関して対称的に配置され、前記第2の放射手段と組み合わさって、前記2つの直交する偏波で前記第2の信号を放射する[C28]記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11