(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】大型不関電極のためのより高いインピーダンスの達成
(51)【国際特許分類】
A61B 18/16 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
A61B18/16
(21)【出願番号】P 2021524066
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 IB2019059021
(87)【国際公開番号】W WO2020095136
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-09-12
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ビークラー・クリストファー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パパイオアンヌ・アタナシオス
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特公昭61-058177(JP,B2)
【文献】国際公開第2005/070315(WO,A1)
【文献】特表2003-501164(JP,A)
【文献】特開2017-202306(JP,A)
【文献】特開昭56-020446(JP,A)
【文献】特開2012-235824(JP,A)
【文献】特開2017-143875(JP,A)
【文献】特開2008-073527(JP,A)
【文献】特表平10-500604(JP,A)
【文献】特開昭62-277948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備える導電層と、
複数の開口を画定するように成形され、前記開口と整列する前記第1の表面の部分を覆うことなく前記第1の表面を覆う第1の電気絶縁性層と、
前記第2の表面を覆う第2の電気絶縁性層と、を備
え、
前記第2の電気絶縁性層が、電気絶縁性基板を含み、
前記導電層が、前記電気絶縁性基板をコーティングする導電性コーティングを含み、
前記第1の電気絶縁性層が、前記導電性コーティングに結合された電気絶縁性カバーを含む、装置。
【請求項2】
前記導電性コーティングが、蒸着コーティングを含む、請求項1
に記載の装置。
【請求項3】
前記電気絶縁性基板が、ポリイミドを含む、請求項1
に記載の装置。
【請求項4】
前記導電性コーティングが、銅を含む、請求項3
に記載の装置。
【請求項5】
装置であって、
互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備える導電層と、
複数の開口を画定するように成形され、前記開口と整列する前記第1の表面の部分を覆うことなく前記第1の表面を覆う第1の電気絶縁性層と、
前記第2の表面を覆う第2の電気絶縁性層と、を備え、
前記第1の電気絶縁性層が、電気絶縁性基板を含み、
前記導電層が、前記電気絶縁性基板をコーティングする導電性コーティングを含み、
前記第2の電気絶縁性層が、前記導電性コーティングに結合された電気絶縁性カバーを含む
、装置。
【請求項6】
前記電気絶縁性基板が、ポリイミドを含む、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記導電性コーティングが、銅を含む、請求項
5に記載の装置。
【請求項8】
前記電気絶縁性基板が、互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備え、
前記導電性コーティングが、前記電気絶縁性基板の前記第1の表面をコーティングし、
前記装置が、
前記開口を取り囲む前記電気絶縁性基板の前記第2の表面のそれぞれの部分をコーティングする複数の導電性アイランドと、
前記開口を満たし、前記導電性コーティングを前記
複数の導電性アイランドに電気的に接続するそれぞれの金属堆積物と、を更に備える、請求項
5に記載の装置。
【請求項9】
前記金属堆積物が、前記
複数の導電性アイランドを更に覆っている、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
装置であって、
互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備える導電層と、
複数の開口を画定するように成形され、前記開口と整列する前記第1の表面の部分を覆うことなく前記第1の表面を覆う第1の電気絶縁性層と、
前記第2の表面を覆う第2の電気絶縁性層と、を備え、
前記導電層に接触し、前記開口を少なくとも部分的に満たす、それぞれの導電性金属堆積物を更に備える
、装置。
【請求項11】
前記
導電性金属堆積物が、金を含む、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記
導電性金属堆積物が、前記開口を取り囲む前記第1の電気絶縁性層のそれぞれの部分を更に覆っている、請求項
10に記載の装置。
【請求項13】
前記導電層が、導電性プレートを含み、
前記第1の電気絶縁性層が、前記
導電性プレートの前記第1の表面に結合された第1の電気絶縁性カバーを含み、
前記第2の電気絶縁性層が、前記
導電性プレートの前記第2の表面に結合された第2の電気絶縁性カバーを含む、請求項1
、5及び10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記
導電性プレートが、前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置された1つ又は2つ以上の側面を備え、前記第2の電気絶縁性カバーが、前記側面を覆っている、請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、前記第1の
電気絶縁性カバー及び前記第2の
電気絶縁性カバーを備える電気絶縁性ケースを備える、請求項
13に記載の装置。
【請求項16】
前記開口と整列する前記第1の表面の前記部分を合わせた表面積が、前記第1の表面の全表面積の約1%未満である、請求項1
、5、及び10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記開口と整列する前記第1の表面の前記部分を前記合わせた表面積が、前記第1の表面の前記全表面積の約0.5%未満である、請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
前記開口のうちのいずれか1つと、前記開口のうちの別の最も近い1つとの間の距離が、約6mm未満である、請求項
16に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の表面の前記全表面積が、少なくとも9cm
2である、請求項
16に記載の装置。
【請求項20】
前記開口が、矩形グリッド状に配設されている、請求項1
、5、及び10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記開口が、六方稠密パターンで配設されている、請求項1
、5、及び10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記電気絶縁性カバーが、穿孔電気絶縁性シートを含む、請求項1
又は5に記載の装置。
【請求項23】
前記電気絶縁性カバーが、電気絶縁性コーティングを含む、請求項1
又は5に記載の装置。
【請求項24】
前記電気絶縁性コーティングが、電気絶縁性塗料の層を含む、請求項
23に記載の装置。
【請求項25】
アブレーションプローブを試験するための方法であって、
請求項1~24のいずれか一項に記載の装置を提
供することと、
前記第1の表面が生体組織片を向くように、前記
装置及び前記生体組織片を互いに結合することと、
前記
装置及び前記生体組織片を浴中に配置することと、
前記浴中で前記
装置及び前記生体組織片が互いに結合されている間、前記アブレーションプローブを使用して、前記アブレーションプローブと前記
装置との間に電流を通過させることによって、前記生体組織片をアブレーションすることと、含む、方法。
【請求項26】
前記第1の表面が、前記生体組織片の表面に向き、(i)前記第1の表面の全表面積と(ii)前記生体組織片の前記表面の表面積と、の差が、前記第1の表面の前記全表面積の約25%未満である、請求項
25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極の使用を伴うアブレーション処置などの医療処置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニポーラー心臓アブレーション処置などのいくつかの医療処置では、電流は、対象の内部組織と接触している第1の電極と、対象の身体の表面に結合された第2の電極との間を通過する。第2の電極は、「中性電極」、「リターン電極」、又は「不関電極」と呼ばれ得る。
【0003】
米国特許出願公開第2014/0342128号は、マイクロアレイ構造体であって、基板材料層と、アレイとして使用するように機能化することが可能な基板材料層上の連続3次元(three-dimensional、3D)表面層と、不活性材料と、を含み、この構造体が、ナノメートル~ミリメートルのサイズである機能化可能な隔離領域を含む、マイクロアレイ構造体を記載している。機能化可能な領域は、連続3D表面層の一部であり、不活性材料によって隔離され、連続3D表面層によって構造体内で相互接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置であって、互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を含む導電層と、複数の開口を画定するように成形され、開口と整列する第1の表面の部分を覆うことなく第1の表面を覆う第1の電気絶縁性層と、第2の表面を覆う第2の電気絶縁性層と、を備える、装置、を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、
導電層は、導電性プレートを含み、
第1の電気絶縁性層は、プレートの第1の表面に結合された第1の電気絶縁性カバーを含み、
第2の電気絶縁性層は、プレートの第2の表面に結合された第2の電気絶縁性カバーを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、プレートは、第1の表面と第2の表面との間に配置された1つ又は2つ以上の側面を備え、第2の電気絶縁性カバーは、側面を覆っている。
【0007】
いくつかの実施形態では、装置は、第1のカバー及び第2のカバーを備える電気絶縁性ケースを備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、
第2の電気絶縁性層は、電気絶縁性基板を含み、
導電層は、電気絶縁性基板をコーティングする導電性コーティングを含み、
第1の電気絶縁性層は、導電性コーティングに結合された電気絶縁性カバーを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、導電性コーティングは、蒸着コーティングを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性基板は、ポリイミドを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、導電性コーティングは、銅を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、
第1の電気絶縁性層は、電気絶縁性基板を含み、
導電層は、電気絶縁性基板をコーティングする導電性コーティングを含み、
第2の電気絶縁性層は、導電性コーティングに結合された電気絶縁性カバーを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性基板は、ポリイミドを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、導電性コーティングは、銅を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、
電気絶縁性基板は、互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備え、
導電性コーティングは、電気絶縁性基板の第1の表面をコーティングし、
当該装置は、
開口を取り囲む電気絶縁性基板の第2の表面のそれぞれの部分をコーティングする複数の導電性アイランドと、
開口を満たし、導電性コーティングをアイランドに電気的に接続するそれぞれの金属堆積物と、を更に備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、金属堆積物は、アイランドを更に覆っている。
【0017】
いくつかの実施形態では、当該装置は、導電層に接触し、開口を少なくとも部分的に満たす、それぞれの導電性金属堆積物を更に備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、金属堆積物は、金を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、金属堆積物は、開口を取り囲む第1の電気絶縁性層のそれぞれの部分を更に覆っている。
【0020】
いくつかの実施形態では、開口と整列する第1の表面の部分を合わせた表面積は、第1の表面の全表面積の約1%未満である。
【0021】
いくつかの実施形態では、開口と整列する第1の表面の部分を合わせた表面積は、第1の表面の全表面積の約0.5%未満である。
【0022】
いくつかの実施形態では、開口のうちのいずれか1つと、開口のうちの別の最も近い1つとの間の距離は、約6mm未満である。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の表面の全表面積は、少なくとも9cm2である。
【0024】
いくつかの実施形態では、開口は、矩形グリッド状に配設されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、開口は、六方稠密パターンで配設されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性カバーは、穿孔電気絶縁性シートを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性カバーは、電気絶縁性コーティングを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性コーティングは、電気絶縁性塗料の層を含む。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アブレーションプローブを試験するための方法を更に提供する。当該方法は、電極を提供することを含み、電極は、互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を含む導電層と、複数の開口を画定するように成形され、開口と整列する第1の表面の部分を覆うことなく第1の表面を覆う第1の電気絶縁性カバーと、第2の表面を覆う電気絶縁性層と、を含む。当該方法は、第1の表面が生体組織片に向くように、電極及び生体組織片を互いに結合することと、電極及び生体組織片を浴中に配置することと、浴中で電極及び生体組織片が互いに結合されている間、アブレーションプローブを使用して、アブレーションプローブと電極との間に電流を通過させることによって、生体組織片をアブレーションすることと、を更に含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の表面は、生体組織片の表面に向き、(i)第1の表面の全表面積と(ii)生体組織片の表面の表面積と、の差は、第1の表面の全表面積の約25%未満である。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、1つ又は2つ以上の電極を提供することを含む方法を更に提供し、電極の各々は、互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を含む導電層と、複数の開口を画定するように成形され、開口と整列する第1の表面の部分を覆うことなく第1の表面を覆う電気絶縁性カバーと、第2の表面を覆う電気絶縁性層と、を含む。当該方法は、第1の表面が対象に向くように、電極の各々を対象の身体に結合することと、電極が対象の身体に結合されている間、身体内に配置されたアブレーションプローブを使用して、アブレーションプローブと電極との間に電流を通過させることによって、対象の組織をアブレーションすることと、を更に含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、電極の各々を対象の身体に結合することは、電極のうちの第1の電極を対象の胸部に、及び電極のうちの第2の電極を対象の背部に結合することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、電極の各々を対象の身体に結合することは、電極のうちの第1の電極を対象の額に、及び電極のうちの第2の電極を対象のうなじに結合することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、組織は、心臓組織、耳鼻咽喉学的組織、及び神経学的組織からなる組織タイプの群から選択されるタイプのものである。
【0035】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、アブレーションプローブを試験するための方法の概略図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、不関電極を通る断面の概略図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、不関電極を通る断面の概略図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による、不関電極の概略分解図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、不関電極の概略分解図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による、不関電極を通る断面の概略図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、アブレーション処置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
用語集
本明細書で使用するとき、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語はそれぞれ、構成要素の特性又は構成要素の集合を説明するために使用される任意の数値又は値の範囲に適用された場合、構成要素又は構成要素の集合が、本明細書で説明するその意図する目的のために機能することを可能にする、好適な寸法許容差を示す。より具体的には、「約(about)」又は「約(approximately」は、述べられた値の±10%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。
【0038】
本明細書で説明するインビボの処置は、典型的に、ヒト対象に対して行われるが、本開示の範囲はまた、これらの処置を動物対象に対して行うことも含むことに留意されたい。したがって、本明細書で使用するとき、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」はそれぞれ、任意のヒト又は動物対象を指し得ることを理解されたい。
【0039】
概論
典型的に、アブレーションプローブのインビトロの試験を行う場合、生体組織片(例えば、ウシ又はブタの心臓を含む)は、不関電極(例えば、金属プレートを備える)と共に、生理食塩水及び/又は血液の浴中に配置される。続いて、アブレーション電流発生器に接続されたプローブの遠位端のアブレーション電極を生体組織と接触させる。次いで、発生器によって生成された電流をアブレーション電極と不関電極との間に通過させることによって、生体組織をアブレーションする。
【0040】
典型的に、発生器によって見られるインピーダンスは、生体組織の表面にわたって概ね一定であることが望ましい。換言すれば、インピーダンスは、アブレーション電極が位置付けられる生体組織上の位置の関数として、大幅に変化するべきではないことが望ましい。その結果、生体組織及び不関電極は、ほぼ同じサイズを有するように作製され、不関電極は、生体組織に接触するように作製される。しかしながら、この設定は、均一なインピーダンスを達成するのを補助するが、この構成の不利な点は、インピーダンスが、通常の生理学的インピーダンスよりも大幅に低くなり得、よって、正確にインビボの設定をシミュレートすることが困難であり得ることである。例えば、上で説明した設定のインピーダンスは、20~80Ωであり得るが、ヒト対象の通常の生理学的インピーダンスは、50~150Ωである。仮定的に、浴中の生理食塩水及び/又は血液は、(例えば、脱イオン水で)希釈して、インピーダンスを上昇させることができるが、この仮定的な設定はまた、インビボの設定を正確にシミュレートすることができない。
【0041】
この課題に対処するために、本明細書で説明する実施形態は、上で説明したインビトロの試験のための、50~150Ωである均一なインピーダンスなどの、均一だが十分に高いインピーダンスを提供する、不関電極を提供する。いくつかの実施形態では、電極は、多数の均一に分配した小さい開口を画定するように成形された電気絶縁性カバーによって覆われる1つの表面と、無穿孔の電気絶縁性カバーによって完全に覆われる別の表面と、を有する、導電性プレートを備える。インビトロの試験を行う前に、電極は、開口を有するカバーが生体組織に接触するように、生体組織に結合される。したがって、一方では、開口が均一に分散されるので、発生器によって見られるインピーダンスが均一となるが、他方では、開口がプレートの非常に小さい部分だけしか露出していないので、インピーダンスは、通常の生理学的インピーダンスと類似する。
【0042】
必ずしも導電性プレートを備えるわけではないいくつかの代替実施形態についても、下で説明する。例えば、いくつかの実施形態では、不関電極は、導電性コーティングによってコーティングされ、次に穿孔したカバーによって覆われた表面を備える、電気絶縁性基板を備える。これらの実施形態では、導電性コーティングは、上述したプレートの役割を果たし、一方で、基板は、無穿孔の電気絶縁性カバーの役割を果たす。
【0043】
インビトロの試験を容易にすることに加えて、本明細書で説明する不関電極は、実際のアブレーション処置中に使用することができる。そのような電極を使用する1つの利点は、あらゆる火傷の可能性を低減させるなどのために、開口が、患者の皮膚を通過する電流を空間的に分配することである。別の利点は、複数のそのような電極を、発生器によって見られるインピーダンスを過度に低下させることなく、患者の身体にわたって空間的に分配させること(したがって、より均一なインピーダンスを達成すること)ができることである。
【0044】
不関電極
初めに、
図1を参照すると、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、アブレーションプローブ20を試験するための方法の概略図である。
【0045】
図1に表す方法によれば、プローブ20は、信号発生器21に接続され、電極22(「電極パッチ」とも呼ばれる)は、電極22が不関電極として機能するように、ワイヤ30を介して、電気的接地に接続される。電極22及び生体組織片24は、例えば1つ又は2つ以上のストラップ26を使用して、互いに結合される。電極22及び生体組織24を互いに結合することに続いて、又はその前に、電極及び生体組織片を、生理食塩水、血液、及び/又はインビボの環境をシミュレートする任意の他の流体の浴28中に配置する。(例えば、浴28は、0.45重量%~1.8重量%のNaCl濃度を有する生理食塩水を含むことができる。)続いて、浴28中で電極及び生体組織片が互いに結合されている間に、アブレーションプローブ20を使用して生体組織片をアブレーションする。具体的には、発生器21によって生成される電流は、アブレーションプローブ(具体的には、プローブの遠位端のアブレーション電極32)と不関電極との間を通過する。
【0046】
図1に表す方法を使用して、設計プロセス中に、異なるアブレーションプローブを比較することができる。したがって、例えば、プローブ20を使用して生体組織をアブレーションした後に、凝固及びスチームポップの比率、生体組織の表面及び/又は内部で測定される温度、並びに病変のサイズなどのパラメータを記録することができる。続いて、異なる設計を有する別のプローブを使用して、別の生体組織片をアブレーションすることができ、同じパラメータを記録して、以前に記録したパラメータと比較することができる。この比較に基づいて、優れたアブレーションプローブ設計を識別することができる。
【0047】
電極22のレイアウトを、本発明のいくつかの実施形態による不関電極を通る断面の概略図である
図2A~Bに表す。
【0048】
概して、
図2A~Bに例示するように、不関電極22は、次の3つの層を備える。(i)互いに反対側にある第1の表面36a及び第2の表面36bを備える導電層23、(ii)複数の開口40を画定するように成形され、開口と整列する第1の表面の部分31を覆うことなく第1の表面36aを覆う第1の電気絶縁性層25、並びに(iii)典型的に第2の表面のいかなる部分も露出させることなく、第2の表面36bを覆う第2の電気絶縁性層27。(
図3を参照して下で更に説明するように、第2の電気絶縁性層27は、導電層23の側部を更に覆うことができる。)
【0049】
電極22を利用する前に、
図1を参照して上で説明したように、導電層23が接地に接続される。更に、電極は、第1の表面36a(及び第1の電気絶縁性層25)が組織に向き、典型的には第1の電気絶縁性層25が組織に接触するように、生体組織片に結合される。電極は、(
図1に示すように)組織に結びつけられる、第1の電気絶縁性層25に適用される接着剤を介して組織に接着される、及び/又は任意の他の好適な方法で組織に結合されることができる。典型的に、電極は、電極が組織の湾曲に適合することができるように可撓性である。
【0050】
典型的に、電極及び生体組織片は、同様の大きさ及び形状である。例えば、(i)第1の表面36aの全表面積と、(ii)電極が結合される組織の表面の表面積と、の差は、第1の表面36aの全表面積の約25%未満であり得る。
【0051】
典型的に、均一なインピーダンスを達成するのを補助するために、開口40は、高密度かつ均一に第1の電気絶縁性層25にわたって分配される。例えば、任意の所与の開口と、所与の開口に最も近い開口との間の距離は、約6mm未満(例えば約4mm未満など)であり得る。それでもなお、開口は、比較的小さく、第1の表面36aの部分31を合わせた表面積は、第1の表面の全表面積の約1%未満(例えば約0.5%未満など)である。例えば、第1の表面36a及び第1の電気絶縁性層25がそれぞれ、A0の全表面積を有すると仮定すると、開口40を合わせた面積は、第1の表面36aの約1%未満が開口と整列するように、約0.01×A0未満であり得る。したがって、発生器21(
図1)によって見られるインピーダンスは、インビボで見られるインピーダンスと同様であり得る。
【0052】
単に例示的な例として、第1の電気絶縁性層25の寸法が3cm×3cmである場合、第1の電気絶縁性層は、49個の開口(例えば、7個×7個のグリッドで配設される)を画定するように成形されることができ、各開口は、第1の表面36aの約0.1%~約0.5%が開口と整列するように、約0.02~約0.09mm2の面積を有する。第1の電気絶縁性層25の寸法が10cm×10cmである場合、第1の電気絶縁性層は、2500個の開口(例えば、50個×50個のグリッドで配設される)を画定するように成形されることができ、各開口は、第1の表面36aの約0.1%~約0.5%が開口と整列するように、約0.004~約0.02mm2の面積を有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、開口40は、矩形グリッド状に配設される。
図3に示す他の実施形態では(下で説明する)、開口は、六方稠密パターンで配設されている。(有利には、そのようなパターンは、グリッドに対してより多くの開口を容易にすることができる。)あるいは、開口は、任意の他の好適なパターンで配設することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、
図2Bに示すように、電極22は、導電層23(具体的には、第1の表面36aの部分31)に接触し、少なくとも部分的に開口40を満たす、それぞれの導電性金属堆積物33を更に備える。いくつかの実施形態では、金属堆積物33は、導電層23と同じ材料(複数可)を含む。他の実施形態では、金属堆積物33は、異なる材料を含む。そのような実施形態では、金属堆積物33は、導電層23が銅及び/又は容易に酸化する別の金属を含む場合に、導電層の酸化を遅らせる又は防止するのを補助することができる。例えば、金属堆積物33は、金及び/又は通常不活性である任意の他の金属を含むことができる。
【0055】
図2Bに更に示すいくつかの実施形態では、金属堆積物33は、開口を取り囲む第1の電気絶縁性層25のそれぞれの部分を更に覆う。例えば、各開口が円形を画定するように成形される場合、各金属堆積物は、開口の直径よりも最大で500%大きい直径を有する、より大きい円形の面積を覆うことができる。第1の電気絶縁性層の表面への金属堆積物の堆積は、開口40によって「提供される」インピーダンスが高すぎる場合に、発生器によって見られるインピーダンスを低減させるのを補助することができる。
【0056】
電極22の各層は、長方形などの任意の適切な形状を有することができる。典型的に、第1の表面36aの全表面積(通常、第2の表面36bの全表面積に等しい)は、少なくとも9cm2(例えば少なくとも30cm2、50cm2、70cm2、又は90cm2など)である。
【0057】
概して、電極22の各層は、任意の好適な材料で作製することができ、層は、任意の好適な製造手順を使用して組み合わせることができる。いくつかの具体的な例について、以下の説明のサブセクションで説明する。
【0058】
覆われた導電性プレートの使用
ここで
図3を参照すると、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、電極22の概略分解図である。
【0059】
いくつかの実施形態では、導電層23は、「基板」又は「シート」とも呼ばれ得る、導電性プレート34を備える。プレート34は、黄銅、青銅、ステンレス鋼、及び/又は任意の他の好適な導電性金属又は非金属材料を含むことができる。
【0060】
第1の表面36a及び第2の表面36bに加えて、プレート34は、プレートの第1の表面と第2の表面との間に配置される1つ又は2つ以上の側面37を備える。(
図3に示す第1の表面36aは、
図3においてプレート34の「前面」と呼ばれ、図示しない第2の表面36bは、プレートの「後面」と呼ばれる。)典型的に、プレート34の厚さT1(すなわち、プレートの第1の表面と第2の表面との間の距離)は0.5mm未満であり、側面37は、プレートの第1の表面又は第2の表面の表面積よりもはるかに小さい表面積を有する。プレートの薄さによって、及び/又は可撓性の材料若しくは適合可能な材料(例えば、可撓性導電性ポリマーシート)で作製することによって、プレート34は、プレートが結合される生体組織の湾曲に適合することができる。
【0061】
これらの実施形態では、第1の電気絶縁性層25は、開口40を画定するように成形される第1の電気絶縁性カバー38を備える。カバー38は、カバー38が第1の表面の大部分を覆うが、開口40と整列する第1の表面の部分を覆わないように、第1の表面36aに結合される。
【0062】
いくつかの実施形態では、
図3に表すように、カバー38は、例えば、プラスチックを含む穿孔電気絶縁性シート42を備える。そのような実施形態では、「穿孔」とも呼ばれ得る開口40は、シート42を通してレーザ穴あけすることによって形成することができる。シートを第1の表面36aに結合するために、好適な接着剤をシートの内面に及び/又はプレートの第1の表面に適用することができ、次いで、シートの内面をプレートに貼り付けることができる。あるいは、シートは、最初に接着剤を適用する必要なくシートの穿孔に続いてシートをプレートに貼り付けることができるように、内部接着層を備えることができる。(典型的に、シート42は、シートが第1の表面36aに結合される前に穿孔される。)
【0063】
他の実施形態では、カバー38は、第1の表面36a上へ塗布される電気絶縁性塗料の層などの、第1の表面36aをコーティングする電気絶縁性コーティングを備える。そのような実施形態では、開口40は、コーティングをレーザアブレートすることによって形成することができる。
【0064】
同様に、第2の電気絶縁性層27は、プレート34の第2の表面を覆う第2の電気絶縁性カバー39を備える。典型的に、第2のカバーはまた、プレートの側部表面37も覆う。カバー39は、例えば、ダイシングテープ又はポリイミドテープの1つ又は2つ以上の帯、あるいは電気絶縁性塗料の層などの電気絶縁性コーティングを備えることができる。あるいは、カバー39は、少なくとも1つの無穿孔電気絶縁性シート41を備えることができる。(
図3に示すように、シート41の縁部は、側面37を覆うように折り畳むことができる。)シート41は、プレート34に接着する内部接着層を備えることができ、あるいは、シート41は、適用された接着剤を使用してプレート34に接着することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の電気絶縁性カバーは、互いに連続している。例えば、連続電気絶縁性コーティングを、プレート34の表面全体にわたって塗布することができる。続いて、開口40を、上で説明したようにコーティングをアブレーションすることによって、第1の表面36aの上に形成することができる。別の例として、電極22は、穿孔フラップ及び無穿孔フラップの両方を備える、折り畳まれたプラスチックシートなどの電気絶縁性ケースを備えることができる。電極を使用する前に、プレート34は、ケースに挿入することができ、次いで、ケースを封止して閉じることができる。
【0066】
図2Bを参照して上で説明したように、金属堆積物33は、開口40に、及び任意選択的に、カバー38の表面上に堆積させることができる。例えば、プレートを覆うことに続いて、プレートを特定の持続時間にわたってめっき浴中に挿入することができ、よって、浴中に含まれるめっき材(例えば、金)がプレートの露出部分に付着して、少なくとも部分的に開口を満たし、次いで、任意選択的に、カバー38の表面にわたって開口から外方に広がる。あるいは、スパッタリング技術などの任意の他の適切な技法を使用して、金属堆積物を堆積させることができる。
【0067】
コーティングした電気絶縁性基板の使用
ここで
図4を参照すると、この図は、本発明の他の実施形態による、電極22の概略分解図である。
【0068】
図4では、第2の電気絶縁性層27は、例えばポリイミドなどの可撓性絶縁ポリマーを含む、電気絶縁性基板29を備える。そのような実施形態では、導電層23は、基板29をコーティングする導電性コーティング50を備える。
図3の場合のように、第1の電気絶縁性層25は、導電性コーティング50に結合される(例えば、シート42又は電気絶縁性コーティングを備える)カバー38を備える。
【0069】
コーティング50は、基板29上へスパッタ堆積又は回転塗布されることができる。あるいは、コーティング50は、蒸着コーティングを含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティング50は、銅を含む。例えば、電極22は、可撓性プリント回路基板(printed circuit board、PCB)に使用されるタイプの可撓性銅コーティングポリイミド基板を備えることができる。
【0070】
図2B及び
図3を参照して上で説明したように、金属堆積物33は、例えば、上で説明しためっき技術を使用して、開口40に堆積させることができる。
【0071】
ここで
図5を参照すると、この図は、本発明の更に他の実施形態による、電極22を通る断面の概略図である。
【0072】
図5では、
図4のように、電極22は、コーティング50によってコーティングされた基板29を備える。しかしながら、
図5では、基板29は、基板が開口40を画定するように成形されるという点で、第1の電気絶縁性層25として機能する。例えば、開口40は、基板を通してレーザ穴あけすることができる。第2の電気絶縁性層27は、コーティング50に結合されるカバー39を備える。
【0073】
いくつかの実施形態では、最初に、基板の互いに反対側にある第1の表面54a及び第2の表面54bの両方を、典型的に銅である導電性金属でコーティングする。続いて、開口を取り囲む第2の表面54bの部分を除いて、第2の表面54bからコーティングを除去する(例えば、エッチング除去する)。したがって、電極22は、開口を取り囲む第2の表面54bのそれぞれの部分をコーティングする複数の導電性アイランド35を備える。(
図5の断面は、開口の列を通過し、よって、各アイランドは、それぞれの開口の交互の側に位置決めされた2つのセグメントとして現れる。)例えば、各開口が円形である場合、各アイランドは、開口を取り囲む円環面を画定するように成形され得る。
【0074】
次に、典型的に上で説明しためっき技術を使用して、開口を充填し、かつコーティング50をアイランド35に接続するそれぞれの金属堆積物33を電極22が備えるように、金属物質を開口40の中に堆積させる。典型的に、
図5に示すように、金属堆積物33は、アイランドを更に覆う。
【0075】
インビボでの電極の使用
ここで
図6を参照すると、この図は、本発明のいくつかの実施形態による、アブレーション処置の概略図である。具体的には、
図6は、心臓アブレーション処置を表し、手術医師44は、アブレーションプローブ20を使用して、対象46の心臓48の心筋組織などの心臓組織をアブレーションする。
【0076】
概論において先に説明したように、電極22は、インビトロで使用することに加えて、インビボで使用することができる。例えば、1つ又は2つ以上の電極22が、
図6に表す心臓アブレーション処置の不関電極として機能し得る。最初に、任意の適当な接着剤、及び/又は任意の好適なストラップ(複数可)を使用して、各電極の導電性層の第1の表面が対象に向くように電極を対象46の身体に結合する。(
図1のように、電極の各々は、電気的接地の近位に接続される。)例えば、
図6に表すように、第1の電極は、対象の胸部に結合することができ、第2の電極は、対象の背中に結合することができる。あるいは、発生器によって見られるインピーダンスが、対象の身体内のプローブの位置又は配向の関数として大幅に変化しないように、2つ又は3つ以上の電極22を、任意の他の好適な方法で、身体にわたって空間的に分配することができる。(典型的に、
図2A~Bを参照して上で説明したように、電極は、電極を対象の身体の湾曲に適合させることができるように可撓性である。)
【0077】
電極を対象に結合することに続いて、医師44は、例えば、アブレーション電極32(
図1)が心臓48内にあるように、プローブ20を対象の身体に挿入する。(
図1のように、プローブ20は、信号発生器21の近位に接続される。)次に、電極22が対象に結合されている間、医師が、プローブ20を使用して、アブレーションプローブ(具体的には、アブレーション電極)と不関電極との間に電流を通過させることによって、対象の組織をアブレーションする。
【0078】
図6に表す心臓アブレーション処置を参照して上で説明した技術は、他のタイプのアブレーション処置に同様に適用することができることに留意されたい。例えば、1つ又は2つ以上の電極22は、耳鼻咽喉学的又は神経学的アブレーション処置の不関電極として機能することができる。均一なインピーダンスを達成するのを補助するために、電極は、アブレーションされる耳鼻咽喉学的又は神経学的組織の近傍に空間的に分配することができ、例えば、1つの電極を対象の額に結合することができ、別の電極を対象のうなじに結合することができる。
【0079】
本発明が、本明細書に具体的に示され、上述されたものに限定されない点が、当業者には理解されよう。むしろ、本発明の実施形態の範囲は、本明細書に上述されている様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに、上記の説明を一読すれば当業者には想起されると思われる、先行技術には存在しない特徴の変更例及び改変例を含む。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備える導電層と、
複数の開口を画定するように成形され、前記開口と整列する前記第1の表面の部分を覆うことなく前記第1の表面を覆う第1の電気絶縁性層と、
前記第2の表面を覆う第2の電気絶縁性層と、を備える、装置。
(2) 前記導電層が、導電性プレートを含み、
前記第1の電気絶縁性層が、前記プレートの前記第1の表面に結合された第1の電気絶縁性カバーを含み、
前記第2の電気絶縁性層が、前記プレートの前記第2の表面に結合された第2の電気絶縁性カバーを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記プレートが、前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置された1つ又は2つ以上の側面を備え、前記第2の電気絶縁性カバーが、前記側面を覆っている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記装置が、前記第1のカバー及び前記第2のカバーを備える電気絶縁性ケースを備える、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記第2の電気絶縁性層が、電気絶縁性基板を含み、
前記導電層が、前記電気絶縁性基板をコーティングする導電性コーティングを含み、
前記第1の電気絶縁性層が、前記導電性コーティングに結合された電気絶縁性カバーを含む、実施態様1に記載の装置。
【0081】
(6) 前記導電性コーティングが、蒸着コーティングを含む、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記電気絶縁性基板が、ポリイミドを含む、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記導電性コーティングが、銅を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記第1の電気絶縁性層が、電気絶縁性基板を含み、
前記導電層が、前記電気絶縁性基板をコーティングする導電性コーティングを含み、
前記第2の電気絶縁性層が、前記導電性コーティングに結合された電気絶縁性カバーを含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記電気絶縁性基板が、ポリイミドを含む、実施態様9に記載の装置。
【0082】
(11) 前記導電性コーティングが、銅を含む、実施態様9に記載の装置。
(12) 前記電気絶縁性基板が、互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を備え、
前記導電性コーティングが、前記電気絶縁性基板の前記第1の表面をコーティングし、
前記装置が、
前記開口を取り囲む前記電気絶縁性基板の前記第2の表面のそれぞれの部分をコーティングする複数の導電性アイランドと、
前記開口を満たし、前記導電性コーティングを前記アイランドに電気的に接続するそれぞれの金属堆積物と、を更に備える、実施態様9に記載の装置。
(13) 前記金属堆積物が、前記アイランドを更に覆っている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記導電層に接触し、前記開口を少なくとも部分的に満たす、それぞれの導電性金属堆積物を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記金属堆積物が、金を含む、実施態様14に記載の装置。
【0083】
(16) 前記金属堆積物が、前記開口を取り囲む前記第1の電気絶縁性層のそれぞれの部分を更に覆っている、実施態様14に記載の装置。
(17) 前記開口と整列する前記第1の表面の前記部分を合わせた表面積が、前記第1の表面の全表面積の約1%未満である、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記開口と整列する前記第1の表面の前記部分を前記合わせた表面積が、前記第1の表面の前記全表面積の約0.5%未満である、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記開口のうちのいずれか1つと、前記開口のうちの別の最も近い1つとの間の距離が、約6mm未満である、実施態様17に記載の装置。
(20) 前記第1の表面の前記全表面積が、少なくとも9cm2である、実施態様17に記載の装置。
【0084】
(21) 前記開口が、矩形グリッド状に配設されている、実施態様1に記載の装置。
(22) 前記開口が、六方稠密パターンで配設されている、実施態様1に記載の装置。
(23) 前記電気絶縁性カバーが、穿孔電気絶縁性シートを含む、実施態様1に記載の装置。
(24) 前記電気絶縁性カバーが、電気絶縁性コーティングを含む、実施態様1に記載の装置。
(25) 前記電気絶縁性コーティングが、電気絶縁性塗料の層を含む、実施態様24に記載の装置。
【0085】
(26) アブレーションプローブを試験するための方法であって、
電極を提供することであって、前記電極が、
互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を含む導電層と、
複数の開口を画定するように成形され、前記開口と整列する前記第1の表面の部分を覆うことなく前記第1の表面を覆う電気絶縁性カバーと、
前記第2の表面を覆う電気絶縁性層と、を含む、提供することと、
前記第1の表面が生体組織片を向くように、前記電極及び前記生体組織片を互いに結合することと、
前記電極及び前記生体組織片を浴中に配置することと、
前記浴中で前記電極及び前記生体組織片が互いに結合されている間、前記アブレーションプローブを使用して、前記アブレーションプローブと前記電極との間に電流を通過させることによって、前記生体組織片をアブレーションすることと、含む、方法。
(27) 前記第1の表面が、前記生体組織片の表面に向き、(i)前記第1の表面の全表面積と(ii)前記生体組織片の前記表面の表面積と、の差が、前記第1の表面の前記全表面積の約25%未満である、実施態様26に記載の方法。
(28) 方法であって、
1つ又は2つ以上の電極を提供することであって、前記電極の各々が、
互いに反対側にある第1の表面及び第2の表面を含む導電層と、
複数の開口を画定するように成形され、前記開口と整列する前記第1の表面の部分を覆うことなく前記第1の表面を覆う電気絶縁性カバーと、
前記第2の表面を覆う電気絶縁性層と、を含む、提供することと、
前記第1の表面が対象に向くように、前記電極の各々を前記対象の身体に結合することと、
前記電極が前記対象の前記身体に結合されている間、前記身体内に配置されたアブレーションプローブを使用して、前記アブレーションプローブと前記電極との間に電流を通過させることによって、前記対象の組織をアブレーションすることと、を含む、方法。
(29) 前記電極の各々を前記対象の前記身体に結合することが、前記電極のうちの第1の電極を前記対象の胸部に、及び前記電極のうちの第2の電極を前記対象の背部に結合することを含む、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記電極の各々を前記対象の前記身体に結合することが、前記電極のうちの第1の電極を前記対象の額に、及び前記電極のうちの第2の電極を前記対象のうなじに結合することを含む、実施態様28に記載の方法。
【0086】
(31) 前記組織が、心臓組織、耳鼻咽喉学的組織、及び神経学的組織からなる組織タイプの群から選択されるタイプのものである、実施態様28に記載の方法。