(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】コネクタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20231030BHJP
H01R 11/01 20060101ALI20231030BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
H01R43/00 H
H01R11/01 501A
H05K1/11 N
H01R11/01 501Z
(21)【出願番号】P 2021525197
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2019095935
(87)【国際公開番号】W WO2020093728
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】201811329980.4
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519288641
【氏名又は名称】グアンジョウ ファン バン エレクトロニクス カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU FANG BANG ELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー,ジー
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510169(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0162928(US,A1)
【文献】特開平04-234197(JP,A)
【文献】特開2013-008932(JP,A)
【文献】特開2007-059452(JP,A)
【文献】特表2013-524500(JP,A)
【文献】国際公開第2011/125506(WO,A1)
【文献】特開2001-185263(JP,A)
【文献】特開2008-059895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R11/00-11/32
H01R43/00-43/02
H05K 1/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの製造方法であって、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップと、
前記可撓性銅張積層板に接続穴を形成するステップと、
前記接続穴に導電性を持たせるように、前記接続穴内に導電性媒体を形成し、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の前記銅箔の表面に突起部を形成するステップと、を含む、コネクタの製造方法。
【請求項2】
機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、前記可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための前記接続穴を形成する、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記接続穴内に導電性媒体を形成し、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の前記銅箔の表面に前記突起部を形成するステップは、具体的には、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記穴壁上の前記導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するとともに、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップ、又は、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に前記導電性媒体を充填させるとともに、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップを含む、請求項1又は請求項
2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップの後、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、接着フィルム層を形成するステップをさらに含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングした後、前記接着フィルム層を、前記離型フィルムを介して前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の前記銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の前記銅箔の表面に、前記接着フィルム層を直接コーティングするステップを含む、請求項
1~請求項
3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
コネクタの製造方法であって、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップと、
前記可撓性銅張積層板に接続穴を形成するステップと、
前記接続穴に導電性を持たせるように、前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップと、
前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の前記銅箔の表面に突起部を形成するステップと、を含む、コネクタの製造方法。
【請求項6】
機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、前記可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための前記接続穴を形成する、請求項
5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記穴壁上の前記導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、又は、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に前記導電性媒体を充填させるステップを含む、請求項5又は請求項
6に記載の製造方法。
【請求項8】
電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成する、請求項
5~請求項
7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップの後、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、接着フィルム層を形成するステップをさらに含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングした後、前記接着フィルム層を、前記離型フィルムを介して前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、前記接着フィルム層を直接コーティングするステップを含む、請求項
5~請求項
8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
コネクタの製造方法であって、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップと、
可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、
可撓性銅張積層板に接続穴を形成するステップと、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体を形成するステップと、を含む、コネクタの製造方法。
【請求項11】
電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成する、請求項
10に記載の製造方法。
【請求項12】
機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、前記可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための前記接続穴を形成する、請求項
10又は請求項
11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記穴壁上の前記導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、又は、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に前記導電性媒体を充填させるステップを含む、請求項
10~請求項
12のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップの後、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、接着フィルム層を形成するステップをさらに含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングした後、前記接着フィルム層を、前記離型フィルムを介して前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に前記接着フィルム層を直接コーティングするステップを含む、請求項
10~請求項
13のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタの技術分野に関し、特に、コネクタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性接着剤は、硬化又は乾燥後に一定の導電性を持つ接着剤である。それは、複数の導電性材料を接続して、接続された材料の間に電気経路を形成させることができる。エレクトロニクス業界では、導電性接着剤は、欠かせない新しい材料となっている。しかしながら、導電性接着剤は、依然として次のいくつかの問題がある。
【0003】
一、電気的接続を確保するために、設けられた導電性接着剤内の粒子が多すぎ、接着剤が少ない場合、接着性能が確保できず、脱落しやすくなり、一方、接着性能を確保するために、設けられた粒子が少なすぎ、接着剤が多すぎる場合、抵抗が大きくなり、電気接続性能が悪い。
【0004】
二、電気的接続性能が不安定であり、応力、気候などの影響を受けるため、導電性接着剤の基体の体積又は形状が徐々に変化したり、急激に変化したりして、導電性接着剤の内部の導電性粒子の堆積状態が変化しやすくなる。そのため、導電性接着剤と回路基板の接地層との導通効果が理想的ではなく、さらに回路基板に蓄積された静電荷をよりよく導出することができず、静電荷が回路基板に蓄積して干渉ソースを形成し、信号の伝送に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題、即ち、導電性接着剤の電気的接続性能が不安定である課題を解決するために、コネクタ及び製造方法を提供し、このコネクタは、回路基板の取り付け及び接続に用いられ、繰り返し分解・組み立てが可能であり、導電性に優れるなどの利点があり、かつ、その製造方法が簡単であり、実現しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに基づき、本発明は、絶縁体と、前記絶縁体の一方側面に設けられた第1の導電層と、前記絶縁体の他方側面に設けられた第2の導電層とを含み、前記絶縁体に前記第1の導電層と前記第2の導電層とを接続するための導電性媒体が設けられ、前記第1の導電層及び/又は前記第2の導電層の表面に突起部が設けられているコネクタを提供する。
【0007】
好ましい態様として、前記突起部は、規則的又は不規則な立体幾何学的形状である。
【0008】
好ましい態様として、前記突起部の形状は、尖頭状、逆円錐状、粒状、樹枝状、円柱状、又はブロック状である。
【0009】
好ましい態様として、前記突起部自体の高さは、1~30μmである。
【0010】
好ましい態様として、前記第1の導電層及び/又は前記第2の導電層の表面に2つ以上の前記突起部が設けられ、各前記突起部は、形状が同じ又は異なり、サイズが同じ又は異なり、2つ以上の前記突起部は、前記第1の導電層又は/及び前記第2の導電層の表面に連続的又は不連続的に分布されている。
【0011】
好ましい態様として、前記第1の導電層及び/又は前記第2の導電層の表面は、粗面である。
【0012】
好ましい態様として、前記第1の導電層及び/又は前記第2の導電層の表面は、平坦面である。
【0013】
好ましい態様として、前記突起部の材質は、銅、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。
【0014】
好ましい態様として、前記突起部に接着フィルム層が設けられ、前記突起部は、前記接着フィルム層内に隠されているか、又は、前記接着フィルム層を貫通して露出されている。
【0015】
好ましい態様として、前記絶縁体に、前記第1の導電層と前記第2の導電層とを接続するための接続穴が設けられ、前記導電性媒体は、前記接続穴内に設けられる。
【0016】
好ましい態様として、前記導電性媒体は、前記接続穴を充填するか、又は、前記接続穴の穴壁に付着して導電性穴を形成する。
【0017】
好ましい態様として、前記絶縁体には2つ以上の前記接続穴が設けられている。
【0018】
好ましい態様として、前記絶縁体の材質は、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、変性エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、ポリパラバン酸のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。
【0019】
好ましい態様として、前記第1の導電層と前記第2の導電層は、前記絶縁体の対向する2つの前記側面に設けられ、前記突起部はめっき突起部である。
【0020】
好ましい態様として、前記突起部は、前記接着フィルム層内に隠され、前記接着フィルム層の厚さは前記突起部自体の高さの平均値よりも小さい。
【0021】
本発明は、さらに
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップと、
可撓性銅張積層板に接続穴を形成するステップと、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体を形成し、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、を含む
コネクタの製造方法を提供する。
【0022】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、前記可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための前記接続穴を形成する。
【0023】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、前記接続穴内に導電性媒体を形成し、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップは、具体的には、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するとともに、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップ、又は、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に前記導電性媒体を充填させるとともに、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップを含む。
【0024】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップの後、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層を形成するステップをさらに含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングした後、前記接着フィルム層を、離型フィルムを介して前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、前記接着フィルム層を直接コーティングするステップを含む。
【0025】
本発明は、さらに、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップと、
可撓性銅張積層板に接続穴を形成するステップと、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体を形成するステップと、
可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、を含む
第2のコネクタの製造方法を提供する。
【0026】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、前記可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための前記接続穴を形成する。
【0027】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、又は、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に導電性媒体を充填させるステップを含む。
【0028】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成する。
【0029】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップの後、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層を形成するステップをさらに含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングした後、前記接着フィルム層を、離型フィルムを介して前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、前記接着フィルム層を直接コーティングするステップを含む。
【0030】
本発明は、さらに
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップと、
可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、
可撓性銅張積層板に接続穴を形成するステップと、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体を形成するステップと、を含む
第3のコネクタの製造方法を提供する。
【0031】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成する。
【0032】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、前記可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための前記接続穴を形成する。
【0033】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、又は、
化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に導電性媒体を充填させるステップを含む。
【0034】
さらに、上記のコネクタの製造方法では、前記接続穴に導電性媒体を形成するステップの後、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層を形成するステップをさらに含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングした後、前記接着フィルム層を、離型フィルムを介して前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
前記突起部が設けられた前記可撓性銅張積層板の銅箔の表面に、前記接着フィルム層を直接コーティングするステップを含む。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施例は、以下のような有益な効果を有する。
【0036】
本発明の実施例に係るコネクタは、絶縁体と、絶縁体の一方側面に設けられた第1の導電層と、絶縁体の他方側面に設けられた第2の導電層とを含み、絶縁体に第1の導電層と第2の導電層とを接続するための導電性媒体が設けられ、第1の導電層及び/又は第2の導電層の表面に突起部が設けられている。上記の構造によれば、一方で、本発明の実施例に係るコネクタは、2枚の回路基板の間又は回路基板と接地金属板との間によく挟まれて導電層を回路基板又は接地金属板に貼り合わせることにより、回路の導通を実現することができる。よって、従来の溶接及び接着に比べると、このコネクタは、回路基板の繰り返し分解・組み立てを実現し、回路基板のメンテナンスを容易にし、電子製品の製造コストを削減することができるだけでなく、効果的な電気的接続を実現するとともに、回路基板の取り付けの信頼性を確保することができる。
【0037】
他方では、本発明の実施例に係るコネクタが回路基板と接地金属板との間によく挟まれている場合、突起部は、導電層と回路基板の接地層及び接地金属板との間に効果的な電気的接続を形成することを確保することができる。これにより、このコネクタは、回路基板に蓄積された静電荷を効果的に導出し、静電荷が回路基板に蓄積して干渉ソースを形成し、信号の伝送に影響を与えることを回避することができる。
【0038】
本発明は、さらに操作が簡単であり、実現しやすいなどの利点がある上記コネクタの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不適切な限定を構成しない。図面は以下の通りである。
【
図1】本発明の実施例1に係るコネクタの断面構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る第1の導電層の表面が平坦面である場合の部分図である。
【
図4】本発明の実施例1に係るコネクタの一部を金属顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(一)である。
【
図5】本発明の実施例1に係るコネクタの一部を金属顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(二)である。
【
図6】本発明の実施例1に係るコネクタの一部を金属顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(三)である。
【
図7】本発明の実施例1に係るコネクタの一部を金属顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(四)である。
【
図8】本発明の実施例1に係るコネクタの一部を金属顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(五)である。
【
図9】本発明の実施例1に係る接続穴が導電性媒体で充填されている場合の断面構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例2に係るコネクタの断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
なお、本出願の実施例及び実施例の特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0041】
以下、本発明の実施例の図面を参照して本発明の実施例に係る態様を明確かつ完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに取得できる全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0042】
実施例1
図1に示すように、本発明の実施例に係るコネクタは、主に絶縁体10と、絶縁体10の一方側面に設けられた第1の導電層11と、絶縁体10の他方側面に設けられた第2の導電層12とを含み、絶縁体10に第1の導電層11と第2の導電層12とを接続するための導電性媒体13が設けられ、第1の導電層11及び/又は第2の導電層12の表面に突起部14が設けられている。前記第1の導電層11と前記第2の導電層12は、絶縁体10の対向する2つの側面に設けられ、突起部14はめっき突起部である。
【0043】
上記の構造によれば、一方で、本発明の実施例に係るコネクタは、2枚の回路基板の間又は回路基板と接地金属板との間によく挟まれて第1の導電層11と第2の導電層12をそれぞれ回路基板又は接地金属板に貼り合わせることにより、2枚の回路基板の間又は回路基板と接地金属板との間の回路の導通を実現することができる。よって、従来の溶接及び接着に比べると、このコネクタは、回路基板の繰り返し分解・組み立てを実現し、回路基板のメンテナンスを容易にし、電子製品の製造コストを削減することができるだけでなく、効果的な電気的接続を実現するとともに、回路基板の取り付けの信頼性を確保することができる。
【0044】
他方では、本発明の実施例に係るコネクタが回路基板と接地金属板との間によく挟まれている場合、突起部14は、めっき突起部であるため、従来技術の導電性接着剤の硬度よりも大きくなる。したがって、第1の導電層11と第2の導電層12がそれぞれ回路基板の接地層及び接地金属板と効果的な電気的接続を形成することを確保することができ、これにより、このコネクタは、回路基板に蓄積された静電荷を効果的に導出し、静電荷が回路基板に蓄積して干渉ソースを形成し、信号の伝送に影響を与えることを回避することができる。
【0045】
具体的には、
図1乃至
図8に示すように、突起部14は、例えば尖頭状、逆円錐状、粒状、樹枝状、円柱状、ブロック状などの規則的又は不規則な立体幾何学的形状であり、また、形状に関わらず、突起部14自体の高さhは、1~30μmであり、2.5~15μmが最適な範囲である。これに基づき、第1の導電層11及び第2の導電層12の表面には2つ以上の突起部14が設けられ、各突起部14の形状は、同じであっても異なっていてもよく、各突起部14のサイズも同じであっても異なっていてもよい。
【0046】
つまり、2つ以上の突起部14の形状は尖頭状、逆円錐状、粒状、樹枝状、円柱状、ブロック状のうちの1種類又は複数種類であってもよく、かつ、同じ形状の2つ以上の突起部14のサイズは異なってもよく、上記サイズは、上記のそれ自体の高さと上記絶縁体10の側面に平行な方向の突起部14の長さとを含む。また、2つ以上の突起部14は、第1の導電層11及び第2の導電層12の表面に連続的又は不連続的に分布され、例えば、2つ以上の突起部14の形状が尖頭状でありかつ連続的に分布されている場合、規則的で周期的な歯状の立体パターン、又は不規則で無秩序な歯状の立体パターンを形成することができる。当然ながら、これは例示に過ぎず、上記の他の形状の組み合わせのいずれも本出願の保護範囲内に入り、ここでは一々列挙しない。
【0047】
選択的に、
図2乃至
図3に示すように、第1の導電層11と第2の導電層12の表面は平坦面であってもよいし、粗面であってもよい。なお、ここで説明される平坦面と粗面は、突起部14の所在する第1の導電層11と第2の導電層12の表面であり、即ち突起部14の所在する基準面であり、2つ以上の突起部14で構成された平面ではない。第1の導電層11と第2の導電層12は、表面が粗面である場合、凹部及び凸部を含み、突起部14は、凹部に分布されてもよいし、凸部に分布されてもよく、かつ、いずれか1つの凸部の高さHとこの凸部に位置する突起部14のそれ自体の高さHとの和は、1~30μmであってもよい。当然ながら、凸部に設けられた突起部14のそれ自体の高さhが、1~30μmであってもよく、このとき、凸部の高さHとこの凸部に位置する突起部14のそれ自体の高さhの和が1~30μmよりも大きくなり、このコネクタの電気的接続性能をさらに向上させることができる。
【0048】
選択的に、突起部14の材質は、銅、ニッケル、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、スズ、金、銀のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。具体的には、突起部14は、単一の成分、即ち銅、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類であってもよいし、銅、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類の材質を主体とし、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、本体以外の金属のうちの1種類又は複数種類を本体の表面に形成することにより、複合材質の突起部14を形成することもできる。本実施例において、突起部14は、好ましくは、銅を本体とし、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類又は複数種類の金属が銅の表面に形成された複合材料である。
【0049】
これは、銅のみで構成された突起部14が酸化又は摩耗されやすく、銅の表面に形成されたニッケル、スズ、金、銀が突起部14の耐食性及び耐摩耗性を向上させることができ、さらにコネクタの導電性能を向上させ、コネクタの耐用年数を長くすることができるからである。
【0050】
図1に示すように、絶縁体10には第1の導電層11と第2の導電層12とを接続するための接続穴が設けられ、導電性媒体13は、接続穴の穴壁に付着して導電性穴15を形成し、導電性穴15は、貫通穴であってもよいし、埋め込み穴又は止まり穴であってもよい。当然ながら、
図9に示すように、導電性媒体13の形成中に、操作者は、接続穴全体を導電性媒体13で充填し、即ち導電性穴15を形成しないことにしてもよい。また、第1の導電層11と第2の導電層12との間に2つ以上の接続穴が設けられてもよく、かつ、各接続穴内に導電性媒体13が設けられて、このコネクタの導電性能をさらに向上させる。
【0051】
選択的に、絶縁体10の材質は、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、変性エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、ポリパラバン酸のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。具体的には、絶縁体10は、単一の成分、即ち上記の様々な絶縁材質のうちの1種類であってもよいし、上記のいずれかの複数種類の絶縁材質で複合されたものであってもよい。これに基づき、絶縁体10は、一定の変形量を有し、コネクタが回路基板に圧着して接続される場合、まず回路基板と接触する突起部14は、後方に圧縮され、比較的に低い突起部14も回路基板と接触することになり、第1の導電層11及び第2の導電層12と回路基板との間に確実な電気的接続が形成されることを確保することもできる。
【0052】
なお、実際の応用状況によって、本発明の実施例に係るコネクタは、第1の導電層11又は第2の導電層12の表面のみに突起部14が設けられてもよいが、使用中において、導電効果を向上させるために、当業者は、必ず、突起部14が設けられた第1の導電層11又は第2の導電層を回路基板に貼り合わせて、静電荷の導出を効果的に確保する。また、本発明の実施例における導電性媒体13は、好ましくは銅であり、当然ながら、例えばスズ、銀、金、グラファイト、銅ペースト、銀ペースト、スズペースト、カーボンナノチューブなどの良好な導電性を有する他の材料を選択することもできる。
【0053】
図4に示すコネクタは、絶縁体と、絶縁体の一方側面に設けられた第1の導電層と、絶縁体の他方側面に設けられた第2の導電層とを含み、第1の導電層と第2の導電層の表面のいずれにも突起部が設けられているとともに、絶縁体に第1の導電層と第2の導電層とを接続するための接続穴が設けられ、導電性媒体は、接続穴の穴壁に付着して導電性穴を形成する。
【0054】
図5は別の構造のコネクタを示す。
図5と
図4との相違点は、
図5では導電性媒体が接続穴に充填されていることである。
【0055】
図6は別の構造のコネクタを示す。
図6と
図5との相違点は、接続穴の形状であり、
図5では上部が大きく、下部が小さく、
図6では上部から下部まで比較的に均一である。
【0056】
図7は別の構造のコネクタを示す。
図7と
図6との相違点は、1)電気めっきにより突起部が形成されるときに、電流の大きさを制御することによって実現され得る突起部の形状、2)導電性媒体が接続穴に完全に充填されておらず、上下の穴に切欠きがあることである。
【0057】
実施例2
図10に示すように、本発明の実施例に係るコネクタは、実施例1に係るコネクタに比べると、その相違点が、突起部14に接着フィルム層16が設けられ、各突起部14は、接着フィルム層16内に隠されているか、又は、接着フィルム層16を貫通して露出され、突起部14が接着フィルム層16内に隠されている場合、接着フィルム層16の厚さが突起部14自体の高さの平均値よりも小さいことである。
【0058】
これに基づき、このコネクタが回路基板に圧着されている場合、接着フィルム層16の接着能力により、コネクタと回路基板との間の接続がより安定し、緩みにくく、外れにくくなり、圧着・接着中に、接着フィルム層16が流動性を有するため、接着フィルム層16を貫通していなかった突起部14は、このときに全部又は一部で接着フィルム層16を貫通し、かつ既に接着フィルム層16を貫通していた突起部14と共に回路基板に接触し、これにより、第1の導電層11及び/又は第2の導電層12と回路基板との間に確実な電気的接続が形成され、このコネクタが接着されるときに依然として良好な導電性能を有することが確保される。
【0059】
好ましくは、本発明の実施例では、接着フィルム層16は、例えば感圧接着剤、熱可塑性接着剤又は熱硬化性接着剤などの非導電性接着剤であってもよいし、導電性粒子を含む導電性接着剤であってもよい。上記の相違点以外には、本発明の実施例における他の具体的な構造は、実施例1と一致し、対応する原理及び技術的効果も一致し、ここでは説明を省略する。
【0060】
以下、可撓性銅張積層板がコネクタを作製するための基体として使用されることを例として、上記コネクタの製造方法を説明し、可撓性銅張積層板の銅箔は、コネクタの第1の導電層と第2の導電層として使用され、当業者は、銅箔を他の材料に置き換えて以下の各作製方法を用いて異なる材質のコネクタを作製することができる。
【0061】
実施例3
本発明の実施例に係るコネクタの製造方法は、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップ1と、
機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための接続穴を形成するステップ2と、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体13を形成し、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ3と、
突起部14が形成された可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層16を形成するステップ4と、を含む。
【0062】
接続穴内に導電性媒体13を形成し、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成する、本発明の実施例に係わるステップ3は、具体的に、
化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体13の厚さを増加させて、導電性穴15を形成するとともに、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ、又は、
化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、接続穴に導電性媒体13を充填させるとともに、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップを含む。上記の「薄い導電性媒体」とは、後で引き続き設けられる導電性媒体に対するものであり、導電性媒体13を形成する上記のプロセスは、従来技術における穴金属化プロセスであり、先に形成される薄い導電性媒体13の厚さは、従来技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0063】
突起部14が形成された可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層16を形成する、本発明の実施例に係るステップ4は、具体的に、
接着フィルム層16を離型フィルムにコーティングした後、接着フィルム層16を、離型フィルムを介して突起部14が形成された可撓性銅張積層板の銅箔の表面に圧着転写するステップ、又は、
突起部14が形成された可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層16を直接コーティングするステップを含む。
【0064】
実施例4
本発明の実施例に係るコネクタの製造方法は、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップ1と、
機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための接続穴を形成するステップ2と、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体13を形成するステップ3と、
電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ4と、
突起部14が形成された可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層16を形成するステップ5と、を含み、
ステップ1、ステップ2、ステップ5の具体的な方法は、実施例3に対応するステップの説明と一致するため、ここでは説明を省略する。
【0065】
接続穴内に導電性媒体13を形成する、本発明の実施例に係るステップ3は、具体的に、
化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体13の厚さを増加させて、導電性穴15を形成するステップ、又は、
化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、接続穴に導電性媒体13を充填させるステップを含む。
【0066】
ステップ4において、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成する場合、電気めっきを採用すると、電流密度の大きさを制御することより、形成される突起部14のそれ自体の高さを制御することができ、一般的には、他の条件が同じである場合、電流密度が大きいほど粗さが大きくなり、即ち突起部自体の高さが高くなるほど、電流密度が小さくなり、粗さが小さくなり、即ち突起部自体の高さが低くなる。同様に、接続穴内に導電性媒体を設ける場合、その電流密度を比較的小さくすることにより、緻密な導電性媒体13を形成し、導電の信頼性を向上させることができると推定できる。他の方式を採用する場合にも、操作条件の制御により突起部自体の高さを調整することができる。
【0067】
実施例5
本発明の実施例に係るコネクタの製造方法は、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含む可撓性銅張積層板を作製するステップ1と、
電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、可撓性銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ2と、
機械的穴あけ又はレーザー穴あけ又はパンチングにより、可撓性銅張積層板に両側の銅箔を接続するための接続穴を形成するステップ3と、
接続穴に導電性を持たせるように、接続穴内に導電性媒体13を形成するステップ4と、
突起部14が形成された可撓性銅張積層板の銅箔の表面に接着フィルム層16を形成するステップ5と、を含み、
具体的な方法は実施例3の説明と一致しているため、ここで説明を省略する。
【0068】
接続穴内に導電性媒体13を形成する、本発明の実施例に係るステップ4は、具体的に、
化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体13の厚さを増加させて、導電性穴15を形成するステップ、又は、
化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積してから、電気めっき、無電解めっき、物理気相成長、化学気相成長などの方式のうちの1種類又は複数種類により、接続穴に導電性媒体13を充填させるステップを含む。
【0069】
なお、上記の実施例3、実施例4、実施例5における可撓性銅張積層板の両側の銅箔は、実施例1における第1の導電層11及び第2の導電層12である。
【0070】
上述したように、本発明は、絶縁体10と、絶縁体10の一方側面に設けられた第1の導電層11と、絶縁体10の他方側面に設けられた第2の導電層12とを含み、絶縁体10に第1の導電層11と第2の導電層12とを接続するための導電性媒体13が設けられ、第1の導電層11及び/又は第2の導電層12の表面に突起部14が設けられているコネクタを提供する。従来技術に比べると、このコネクタは、繰り返し分解・組み立てが可能であり、導電性に優れるなどの利点がある。
【0071】
また、本発明は、操作が簡単であり、実現しやすいなどの利点がある上記コネクタの製造方法をさらに提供する。
【0072】
なお、本発明では「第1」、「第2」などの用語を用いて様々な情報を説明するが、これらの情報は、これらの用語に限定されるのではなく、これらの用語は、単に、同じタイプの情報を区別するためのものである。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、「第1」の情報は、「第2」の情報と呼ばれてもよく、同様に、「第2」の情報も「第1」の情報と呼ばれてもよい。
【0073】
上記は、本発明の好ましい実施形態であり、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び変形を行うことができ、これらの改良及び変形も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0074】
10 絶縁体、11 第1の導電層、12 第2の導電層、13 導電性媒体、14 突起部、15 導電性穴、16 接着フィルム層。