(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】構造用ポリウレタン接着剤
(51)【国際特許分類】
C09J 175/04 20060101AFI20231030BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20231030BHJP
C09J 175/08 20060101ALI20231030BHJP
C08G 18/10 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
C09J175/04
C09J11/06
C09J175/08
C08G18/10
(21)【出願番号】P 2021553635
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 JP2020040315
(87)【国際公開番号】W WO2021085435
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2019194947
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】山本 奈穂美
(72)【発明者】
【氏名】近本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】森田 裕史
【審査官】長部 喜幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-069342(JP,A)
【文献】特開2006-096912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 175/00-175/16
C09J 11/00-11/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、および、キシリレンジイソシアネートの誘導体を含むポリイソシアネート成分と、
数平均分子量500以上10000以下、平均水酸基数1.9以上4.0以下のマクロポリオールを含むポリオール成分と
を含有することを特徴とする、構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項2】
前記ポリイソシアネート成分が、前記ウレタンプレポリマーとキシリレンジイソシアネートの前記誘導体とを相溶化させるための相溶化剤を含み、
Fedorsの式により求められる前記相溶化剤の溶解度パラメータが、7.5(cal/cm
3)
1/2以上13.0(cal/cm
3)
1/2以下である
ことを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項3】
前記相溶化剤が、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、安息香酸エステルおよび水添フタル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤である
ことを特徴とする、請求項2に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項4】
キシリレンジイソシアネートの前記誘導体が、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項5】
キシリレンジイソシアネートの前記誘導体の含有量が、前記ウレタンプレポリマーの総量100質量部に対して、1.5質量部以上30質量部以下である
ことを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項6】
前記ポリオール成分において、マクロポリオールが、ポリエーテルポリオールを含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項7】
前記ウレタンプレポリマーが、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む原料ポリイソシアネートと、マクロポリオールを含む原料ポリオールとの反応生成物である
ことを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項8】
前記ポリイソシアネート成分からなる主剤と、前記ポリオール成分からなる硬化剤とを備える2液硬化型接着剤である
ことを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【請求項9】
無溶剤型接着剤であることを特徴とする、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造用ポリウレタン接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部材などから構成される構造物(例えば、自動車、建築物など)において、それら各部材を接着するために用いられる構造用接着剤が、知られている。
【0003】
構造用接着剤としては、例えば、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオールおよび4,4’ジイソシアネートフェニルメタンを反応させて得られるウレタンプレポリマー(A-1)と、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(C1-2)とを含む主剤と、3官能ポリプロピレンポリオール(B1-1)およびスチレン単独重合体からなる微粒子(D-5)を含む硬化剤とを含有する2液ウレタン系接着剤組成物が、提案されている(例えば、特許文献1(実施例1)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記の2液ウレタン系接着剤組成物は、接着強度が十分ではないという不具合がある。
【0006】
本発明は、接着強度に優れる構造用ポリウレタン接着剤である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、および、キシリレンジイソシアネートの誘導体を含むポリイソシアネート成分と、数平均分子量500以上10000以下、平均水酸基数1.9以上4.0以下のマクロポリオールを含むポリオール成分とを含有する、構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0008】
本発明[2]は、前記ポリイソシアネート成分が、前記ウレタンプレポリマーとキシリレンジイソシアネートの前記誘導体とを相溶化させるための相溶化剤を含み、Fedorsの式により求められる前記相溶化剤の溶解度パラメータが、7.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下である、上記[1]に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0009】
本発明[3]は、前記相溶化剤が、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、安息香酸エステルおよび水添フタル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤である、上記[2]に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0010】
本発明[4]は、キシリレンジイソシアネートの前記誘導体が、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含む、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0011】
本発明[5]キシリレンジイソシアネートの前記誘導体の含有量が、前記ウレタンプレポリマーの総量100質量部に対して、1.5質量部以上30質量部以下である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0012】
本発明[6]は、前記ポリオール成分において、マクロポリオールが、ポリエーテルポリオールを含む、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0013】
本発明[6]は、前記ウレタンプレポリマーが、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む原料ポリイソシアネートと、マクロポリオールを含む原料ポリオールとの反応生成物である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0014】
本発明[8]は、前記ポリイソシアネート成分からなる主剤と、前記ポリオール成分からなる硬化剤とを備える2液硬化型接着剤である、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【0015】
本発明[9]は、無溶剤型接着剤である、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤を含んでいる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構造用ポリウレタン接着剤では、ポリイソシアネート成分が、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、および、キシリレンジイソシアネートの誘導体を含み、また、ポリオール成分が、数平均分子量および平均水酸基数が所定範囲であるマクロポリオールを含むため、優れた接着強度を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の構造用ポリウレタン接着剤は、JIS K 6800(1985年)において定義される構造用接着剤であり、具体的には、「長期間大きな荷重に耐える信頼できる接着剤」である。
【0018】
より具体的には、構造用ポリウレタン接着剤は、遊離(フリー)のイソシアネート基を含有する成分であるポリイソシアネート成分と、遊離(フリー)の水酸基を含有する成分であるポリオール成分とを、必須成分として含んでいる。
【0019】
なお、構造用ポリウレタン接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とが予め混合されている1液硬化型接着剤であってもよく、また、ポリイソシアネート成分からなる主剤(A液)と、ポリオール成分からなる硬化剤(B液)とを備え、個別に用意された主剤および硬化剤が使用時に混合される2液硬化型接着剤であってもよい。
【0020】
構造用ポリウレタン接着剤は、作業性、取扱性などの観点から、好ましくは、2液硬化型接着剤である。
【0021】
ポリイソシアネート成分は、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(以下、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと称する。)、および、キシリレンジイソシアネートの誘導体を含んでいる。
【0022】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、少なくとも2つのイソシアネート基を分子末端に有するウレタンプレポリマーであって、原料ポリイソシアネートと原料ポリオールとを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物である。
【0023】
原料ポリイソシアネートとしては、例えば、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体などが挙げられる。
【0024】
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0025】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m-、p-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’-、2,4’-または2,2’-ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0026】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3-または1,4-キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0027】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0028】
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’-、2,4’-または2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans-体、Trans,Cis-体、Cis,Cis-体、もしくはその混合物))(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(H6XDI)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
【0029】
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0030】
ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体の多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート誘導体、イミノオキサジアジンジオン誘導体)、5量体、7量体など)、アロファネート誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、公知の1価アルコール(後述)および/または公知の2価アルコール(後述)との反応より生成するアロファネート誘導体など)、ポリオール誘導体(例えば、ポリイソシアネート単量体と公知の3価以上のアルコール(後述)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)など)、ビウレット誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、水やアミン類との反応により生成するビウレット誘導体など)、ウレア誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体とジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド誘導体(上記したポリイソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など)、ウレトジオン誘導体、ウレトンイミン誘導体などが挙げられる。
【0031】
さらに、ポリイソシアネート誘導体として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI、多核体含有ジフェニルメタンジイソシアネート)なども挙げられる。
【0032】
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0033】
これら原料ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0034】
原料ポリイソシアネートとして、接着強度の観点から、好ましくは、ポリイソシアネート単量体が挙げられ、より好ましくは、芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられ、とりわけ好ましくは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
【0035】
原料ポリオールとしては、例えば、マクロポリオールが挙げられる。マクロポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300以上、好ましくは、400以上、例えば、10000以下の化合物である。
【0036】
原料ポリオールにおいて、マクロポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリオール成分(硬化剤)として後述するマクロポリオールなどが挙げられる。これらマクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0037】
原料ポリオールとしてのマクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール(後述)、ポリエステルポリオール(後述)、ポリカーボネートポリオール(後述)が挙げられ、より好ましくは、ポリエーテルポリオール(後述)が挙げられ、さらに好ましくは、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールが挙げられる。
【0038】
原料ポリオールとしてのマクロポリオールの数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラム法により測定されるポリスチレン換算分子量)は、例えば、300以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下、より好ましくは、5000以下である。
【0039】
原料ポリオールの水酸基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下である。
【0040】
なお、水酸基当量は、JIS K 1557-1(2007年)のA法またはB法に準拠するアセチル化法やフタル化法などから水酸基価を求めて、その水酸基価から算出することができる(以下同様。)。
【0041】
原料ポリオールとしてのマクロポリオールの平均水酸基数は、例えば、1.8以上、好ましくは、2以上であり、例えば、6以下、好ましくは、4以下、より好ましくは、3以下である。
【0042】
なお、平均水酸基数は、水酸基価、水酸基当量および分子量から、計算により算出することができる。
【0043】
また、平均水酸基数は、原料成分の仕込み比から算出することもできる。このような場合、数平均分子量を、水酸基当量および平均水酸基数から算出することもできる(以下同様。)。
【0044】
原料ポリオールとして、とりわけ好ましくは、平均水酸基数2のマクロポリオールと、平均水酸基数3のマクロポリオールとの併用が挙げられる。
【0045】
平均水酸基数2のマクロポリオールと、平均水酸基数3のマクロポリオールとが併用される場合、それらの総量100質量部に対して、平均水酸基数2のマクロポリオールが、例えば、50質量部を超過、好ましくは、60質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。また、平均水酸基数3のマクロポリオールが、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上であり、例えば、50質量部未満、好ましくは、40質量部以下である。
【0046】
また、原料ポリオールは、必要に応じて、低分子量ポリオールを含むことができる。
【0047】
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300未満、好ましくは、400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,2-トリメチルペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、アルカン(C7~20)ジオール、1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3-または1,4-シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
【0048】
これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0049】
なお、原料ポリオールに対する低分子量ポリオールの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜選択される。
【0050】
より具体的には、低分子量ポリオールの含有割合は、原料ポリオールの総量100質量部に対して、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であり、とりわけ好ましくは、0質量部である。
【0051】
すなわち、原料ポリオールは、接着強度の観点から、好ましくは、低分子量ポリオールを含まず、マクロポリオールからなる。
【0052】
そして、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、原料ポリイソシアネートと、原料ポリオールとを、原料ポリオールの水酸基に対する原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、1より大きくなる割合、好ましくは、1.3~50、より好ましくは、1.5~3の割合でウレタン化反応させることにより、得ることができる。
【0053】
ウレタン化反応は、公知の方法に準拠することができる。ウレタン化反応における反応温度は、例えば、50℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。また、反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、15時間以下である。
【0054】
また、ウレタン化反応は、無溶剤下における反応でもよく、有機溶剤の存在下における反応(溶液重合)でもよい。
【0055】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類、さらに、公知の無引火性溶剤などが挙げられる。
【0056】
これら有機溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0057】
なお、溶液重合において、有機溶剤の配合割合は、目的および用途により、適宜設定される。
【0058】
また、上記ウレタン化反応においては、必要に応じて、例えば、アミン類や有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒を、適宜の割合で添加することができる。
【0059】
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
【0060】
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
【0061】
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩が挙げられる。
【0062】
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0063】
ウレタン化触媒として、好ましくは、有機金属化合物が挙げられる。
【0064】
また、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを有機溶剤の存在下で調製する場合には、それら有機溶剤を、必要により、公知の除去手段により除去することができる。
【0065】
また、必要により、得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーから遊離の(未反応の)原料ポリイソシアネートを、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段により除去してもよい。
【0066】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(固形分)の平均イソシアネート基数は、例えば、1.2以上、好ましくは、1.5以上、より好ましくは、2以上であり、例えば、4以下、好ましくは、3以下である。
【0067】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(固形分)のイソシアネート基当量は、例えば、84以上、好ましくは、150以上、さらに好ましくは、168以上であり、例えば、3500以下、好ましくは、2800以下、さらに好ましくは、2335以下である。なお、イソシアネート基当量は、アミン当量と同義であり、JIS K 1603-1(2007)のA法またはB法により、求めることができる。
【0068】
また、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(固形分)のイソシアネート基の含有量(イソシアネート基含量、NCO%)は、例えば、1.2質量%以上、好ましくは、1.5質量%以上、より好ましくは、1.8質量%以上、さらに好ましくは、2.0質量%以上、とりわけ好ましくは、3.0質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、28質量%以下、より好ましくは、25質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下、とりわけ好ましくは、6質量%以下である。
【0069】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0070】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとして、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応生成物であるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが挙げられ、より好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応生成物であるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0071】
ポリイソシアネート成分において、キシリレンジイソシアネートの誘導体は、キシリレンジイソシアネートの単量体(モノマー)を、公知の方法で変性(誘導体化)することによって得ることができる。
【0072】
キシリレンジイソシアネート(XDI)としては、1,2-キシリレンジイソシアネート(o-XDI)、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-XDI)、1,4-キシリレンジイソシアネート(p-XDI)が、構造異性体として挙げられる。
【0073】
これらキシリレンジイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネートが挙げられ、より好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0074】
キシリレンジイソシアネートの誘導体として、より具体的には、例えば、キシリレンジイソシアネートの多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート誘導体、イミノオキサジアジンジオン誘導体)、5量体、7量体など)、アロファネート誘導体(例えば、キシリレンジイソシアネートと、公知の1価アルコールおよび/または公知の2価アルコールとの反応より生成するアロファネート誘導体など)、ポリオール誘導体(例えば、キシリレンジイソシアネートと公知の3価以上のアルコールとの反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)など)、ビウレット誘導体(例えば、キシリレンジイソシアネートと、水やアミン類との反応により生成するビウレット誘導体など)、ウレア誘導体(例えば、キシリレンジイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、キシリレンジイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド誘導体(キシリレンジイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など)、ウレトジオン誘導体、ウレトンイミン誘導体などが挙げられる。
【0075】
これらキシリレンジイソシアネートの誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0076】
キシリレンジイソシアネートの誘導体として、接着強度の観点から、好ましくは、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体、キシリレンジイソシアネートのビウレット誘導体、キシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体(アルコール付加体)が挙げられる。
【0077】
キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、より具体的には、キシリレンジイソシアネートを公知のイソシアヌレート化触媒の存在下においてイソシアヌレート化反応させることにより、得ることができる。なお、イソシアヌレート化反応における反応条件は、特に制限されず、公知の方法に準拠することができる。
【0078】
また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、必要に応じて、1価アルコールおよび/または公知の2価アルコールにより変性(アルコール変性)することができる。
【0079】
1価アルコールとしては、例えば、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノールなどのC(炭素数、以下同様)2~6の直鎖状の1価アルコール、例えば、イソプロパノール、イソブタノール(イソブチルアルコール)、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノールなどのC3~6の分岐状の1価アルコールなどが挙げられる。これら1価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0080】
2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどのC2~6の直鎖状の2価アルコール、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールなどのC3~6の分岐状の2価アルコールなどが挙げられる。これら2価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0081】
1価アルコールおよび/または2価アルコールによる変性方法は、特に制限されず、例えば、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とをウレタン化反応させ、次いで、イソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させることにより、アルコール変性されたキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を得ることができる。
【0082】
なお、キシリレンジイソシアネートの誘導体のアルコール変性において、反応条件および処方(アルコール変性量)は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0083】
キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体は、例えば、キシリレンジイソシアネートと、上記1価アルコールおよび/または2価アルコールとをウレタン化反応させた後、公知のアロファネート化触媒の存在下でさらにアロファネート化反応させることにより、得ることができる。
【0084】
なお、キシリレンジイソシアネートのアロファネート化反応における反応条件は、特に制限されず、公知の方法に準拠することができる。
【0085】
キシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体(アルコール付加体)は、例えば、キシリレンジイソシアネートと、公知の3価以上のアルコールとを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰となる割合で反応させることにより、得ることができる。
【0086】
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコールなどが挙げられる。これら3価以上のアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。3価以上のアルコールとして、好ましくは、3価アルコールが挙げられ、より好ましくは、トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0087】
なお、キシリレンジイソシアネートと3価以上のアルコールとの反応条件は、特に制限されず、公知の方法に準拠することができる。
【0088】
キシリレンジイソシアネートのビウレット誘導体は、例えば、キシリレンジイソシアネートと、例えば、水、第三級アルコール(例えば、t-ブチルアルコールなど)、第二級アミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなど)などとを反応させた後、公知のビウレット化触媒の存在下でさらにビウレット化反応させることにより、得ることができる。
【0089】
なお、キシリレンジイソシアネートのビウレット化反応における反応条件は、特に制限されず、公知の方法に準拠することができる。
【0090】
これらキシリレンジイソシアネートの誘導体として、接着強度の観点から、さらに好ましくは、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体、キシリレンジイソシアネートのビウレット誘導体が挙げられ、とりわけ好ましくは、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が挙げられる。
【0091】
換言すれば、キシリレンジイソシアネートの誘導体は、好ましくは、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含有する。
【0092】
また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体がアルコール変性される場合には、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体が、副生成物として得られる場合がある。すなわち、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、アルコール変性されている場合、キシリレンジイソシアネートの誘導体は、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とともに、副生成物としてのキシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を、適宜の割合で含むことができる。
【0093】
このような場合、キシリレンジイソシアネートの誘導体(総量)に含まれるイソシアヌレート基とアロファネート基との比率(モル比)は、イソシアヌレート基とアロファネート基との総モルに対して、イソシアヌレート基が、例えば、10モル%以上、好ましくは、30モル%以上、より好ましくは、50モル%以上、さらに好ましくは、50モル%を超過、さらに好ましくは、70モル%以上、さらに好ましくは、90モル%以上であり、通常、100モル%未満である。また、アロファネート基が、例えば、0モル%を超過し、例えば、90モル%以下、好ましくは、70モル%以下、より好ましくは、50モル%以下、さらに好ましくは、50モル%未満、さらに好ましくは、30モル%以下、さらに好ましくは、10モル%以下である。
【0094】
なお、イソシアヌレート基とアロファネート基との比率(モル比)は、例えば、1H-NMRにより測定されるイソシアヌレート基由来のピーク高さと、アロファネート基由来のピーク高さとの比率などから、公知の方法により算出できる。
【0095】
また、このようなキシリレンジイソシアネートの誘導体は、例えば、個別に用意されたキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とキシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体とを、混合することにより、調製することもできる。
【0096】
このような場合において、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の混合割合は、キシリレンジイソシアネートの誘導体の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、50質量%以上、さらに好ましくは、50質量%を超過、さらに好ましくは、70質量%以上、さらに好ましくは、90質量%以上である。
【0097】
また、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体の混合割合は、キシリレンジイソシアネートの誘導体の総量に対して、例えば、0質量%を超過し、例えば、90質量%以下、好ましくは、70質量%以下、より好ましくは、50質量%以下、さらに好ましくは、50質量%未満、さらに好ましくは、30質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下である。
【0098】
また、キシリレンジイソシアネートの誘導体は、無溶剤下で調製されていてもよく、また、有機溶剤の存在下で調製されていてもよい。
【0099】
キシリレンジイソシアネートの誘導体を有機溶剤の存在下で調製する場合には、それら有機溶剤を、必要により、公知の除去手段により除去することができる。
【0100】
また、必要により、得られるキシリレンジイソシアネートの誘導体から遊離の(未反応の)キシリレンジイソシアネート(単量体)を、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段により除去してもよい。
【0101】
キシリレンジイソシアネートの誘導体(固形分)の平均イソシアネート基数は、例えば、1.2以上、好ましくは、1.5以上、より好ましくは、2以上であり、例えば、4以下、好ましくは、3以下である。
【0102】
キシリレンジイソシアネートの誘導体(固形分)のイソシアネート基当量は、例えば、84以上、好ましくは、150以上、さらに好ましくは、168以上であり、例えば、1000以下、好ましくは、800以下、さらに好ましくは、500以下である。なお、イソシアネート基当量は、アミン当量と同義であり、JIS K 1603-1(2007)のA法またはB法により、求めることができる。
【0103】
また、キシリレンジイソシアネートの誘導体(固形分)のイソシアネート基の含有量(イソシアネート基含量、NCO%)は、例えば、15質量%以上、好ましくは、16質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、22質量%以下、より好ましくは、21質量%以下である。
【0104】
ポリイソシアネート成分において、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、キシリレンジイソシアネートの誘導体との含有割合は、それらのイソシアネート基当量、イソシアネート基含有量などに応じて、適宜設定される。
【0105】
より具体的には、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとキシリレンジイソシアネートの誘導体との総質量に対して、接着強度の観点から、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが、例えば、70質量%以上、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは、90質量%以上であり、例えば、99質量%以下、好ましくは、98質量%以下、より好ましくは、97質量%以下である。また、キシリレンジイソシアネートの誘導体が、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上、より好ましくは、3質量%以上であり、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0106】
また、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの総量100質量部に対して、キシリレンジイソシアネートの誘導体が、接着強度の観点から、例えば、1.0質量部以上、好ましくは、1.5質量部以上、より好ましくは、3.0質量部以上であり、例えば、40質量部以下、好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、20質量部以下である。
【0107】
また、ポリイソシアネート成分は、任意成分として、相溶化剤を含むことができる。
【0108】
好ましくは、ポリイソシアネート成分は、相溶化剤を含む。
【0109】
相溶化剤は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、キシリレンジイソシアネートの誘導体との相分離を抑制し、それらを相溶化させるための添加剤である。
【0110】
本発明において、相溶化剤は、Fedorsの式により求められる溶解度パラメータ(SP値)が、7.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下の化合物であると定義される。
【0111】
なお、Fedorsの式は、凝集エネルギー密度やモル体積(モル分子容)などからSP値を算出する計算式であり、R.F.Fedors著「A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids」(POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,1974年2月発行,Val.14,No.2、P147-152)に記載されている。
【0112】
すなわち、Fedorsの式により算出されるSP値は、化合物の分子構造により決定される計算値である。
【0113】
本発明では、Fedorsの式により算出されるSP値が7.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下である化合物を、相溶化剤として使用することができる。
【0114】
相溶化剤として、より具体的には、可塑剤などが挙げられ、可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、安息香酸エステル、水添フタル酸エステルなどのカルボン酸エステル系可塑剤が挙げられる。
【0115】
フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジメチル(DMP、SP値11.54(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジエチル(DEP、SP値11.07(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジブチル(SP値10.47(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジへプチル(SP値9.96(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジn-オクチル(SP値9.85(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジイソオクチル(SP値9.73(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジ2-エチルへキシル(SP値9.73(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジノニル(SP値9.30(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジイソノニル(DINP、SP値9.64(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジイソデシル(SP値9.57(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジトリデシル(SP値9.48(cal/cm3)1/2)、フタル酸ジブチルペンチル(SP値9.64(cal/cm3)1/2)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0116】
アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソノニル(DINA、SP値9.13(cal/cm3)1/2)、アジピン酸ジオクチル(SP値9.18(cal/cm3)1/2)、アジピン酸ジイソデシル(SP値9.09(cal/cm3)1/2)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0117】
安息香酸エステルとしては、例えば、安息香酸グリコールエステル(商品名ベンゾフレックス(登録商標)グレードNo.9-88SG、イーストマンケミカル社製、SP値10.86(cal/cm3)1/2)、ジエチレングリコールジベンゾアート(SP値11.30(cal/cm3)1/2)、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメチレン=ジベンゾアート(SP値10.99(cal/cm3)1/2)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0118】
水添フタル酸エステルとしては、例えば、水添フタル酸ジイソノニル(DINCH、SP値9.22(cal/cm3)1/2)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0119】
これら可塑剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0120】
また、相溶化剤は、可塑剤に限定されず、例えば、SP値が上記範囲である有機溶剤が挙げられる。
【0121】
有機溶剤としては、例えば、トルエン(SP値9.14(cal/cm3)1/2)、o-キシレン(SP値9.10(cal/cm3)1/2)などの芳香族炭化水素、例えば、アセトン(SP値9.07(cal/cm3)1/2)、メチルエチルケトン(SP値8.98(cal/cm3)1/2)、シクロヘキサノン(SP値9.80(cal/cm3)1/2)などのケトン、例えば、酢酸エチル(SP値8.74(cal/cm3)1/2)、酢酸ブチル(SP値8.70(cal/cm3)1/2)などのエステル、例えば、テトラヒドロフラン(THF、SP値8.28(cal/cm3)1/2)などのエーテル、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、SP値10.2(cal/cm3)1/2)などの極性非プロトン類などが挙げられる。
【0122】
これら有機溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0123】
相溶化剤として、接着強度の観点から、好ましくは、可塑剤が挙げられ、より好ましくは、カルボン酸エステル系可塑剤が挙げられ、さらに好ましくは、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、安息香酸エステル、水添フタル酸エステルが挙げられ、さらに好ましくは、安息香酸エステルが挙げられる。
【0124】
また、接着強度の観点から、相溶化剤のSP値は、7.5(cal/cm3)1/2以上、好ましくは、8.0(cal/cm3)1/2以上、より好ましくは、8.5(cal/cm3)1/2以上、さらに好ましくは、9.0(cal/cm3)1/2以上、さらに好ましくは、9.5(cal/cm3)1/2以上、とりわけ好ましくは、10.0(cal/cm3)1/2以上であり、13.0(cal/cm3)1/2以下、好ましくは、12.5(cal/cm3)1/2以下、より好ましくは、12.0(cal/cm3)1/2以下、さらに好ましくは、11.5(cal/cm3)1/2以下、とりわけ好ましくは、11.0(cal/cm3)1/2以下である。
【0125】
ポリイソシアネート成分において、相溶化剤の含有量は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーおよびキシリレンジイソシアネートの誘導体の含有量、それらのイソシアネート基当量、イソシアネート基含有量などに応じて、適宜設定される。
【0126】
例えば、接着強度の観点から、キシリレンジイソシアネートの誘導体の含有量100質量部に対して、相溶化剤の含有量が、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、50質量部以上、さらに好ましくは、70質量部以上、とりわけ好ましくは、90質量部以上であり、例えば、500質量部以下、好ましくは、400質量部以下、より好ましくは、300質量部以下、さらに好ましくは、200質量部以下、とりわけ好ましくは、150質量部以下である。
【0127】
ポリオール成分は、必須成分として、数平均分子量500以上10000以下、平均水酸基数1.9以上4.0以下のマクロポリオールを含有する。
【0128】
マクロポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリマーポリオールなどが挙げられる。
【0129】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどが挙げられる。
【0130】
ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールは、例えば、上記した低分子量ポリオールや公知のポリアミン化合物などを開始剤とする、炭素数2~3のアルキレンオキサイドの付加重合物である。
【0131】
アルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドなどが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、ポリオキシアルキレンポリオールには、例えば、プロピレンオキサイドと、エチレンオキサイドとのランダムおよび/またはブロック共重合体が含まれる。
【0132】
ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールとして、より具体的には、例えば、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン(ランダムおよび/またはブロック)共重合体などが挙げられる。
【0133】
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物や、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフランや、上記した2価アルコールを共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
【0134】
なお、非晶性(非結晶性)とは、常温(25℃)において液状であることを示す。
【0135】
非晶性のポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランと、アルキル置換テトラヒドロフラン(例えば、3-メチルテトラヒドロフランなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/アルキル置換テトラヒドロフラン(モル比)=15/85~85/15、数平均分子量500~4000、好ましくは、800~2500)や、例えば、テトラヒドロフランと、分岐状グリコール(例えば、ネオペンチルグリコールなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/分岐状グリコール(モル比)=15/85~85/15、数平均分子量500~4000、好ましくは、800~2500)などとして、得ることができる。
【0136】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと多塩基酸とを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる。
【0137】
多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1-ジメチル-1,3-ジカルボキシプロパン、3-メチル-3-エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、その他の飽和脂肪族ジカルボン酸(C11~13)、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、その他の芳香族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、その他の脂環族ジカルボン酸、例えば、ダイマー酸、水添ダイマー酸、ヘット酸などのその他のカルボン酸、および、それらカルボン酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2-アルキル(C12~C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらのカルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライドなどが挙げられる。
【0138】
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、植物由来のポリエステルポリオール、具体的には、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、ヒドロキシル基含有植物油脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12-ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸を、公知の条件下、縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0139】
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤として、例えば、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトンなどのラクトン類や、例えば、L-ラクチド、D-ラクチドなどのラクチド類などを開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0140】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物や、例えば、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールや1,6-ヘキサンジオールなどの2価アルコールと、開環重合物とを共重合した非晶性ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
【0141】
また、ポリウレタンポリオールは、上記により得られたポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを、イソシアネート基(NCO)に対する水酸基(OH)の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、ポリイソシアネートと反応させることによって、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどとして得ることができる。
【0142】
エポキシポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと、例えば、エピクロルヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリンなどの多官能ハロヒドリンとの反応により得られるエポキシポリオールが挙げられる。
【0143】
植物油ポリオールとしては、例えば、ひまし油、やし油などのヒドロキシル基含有植物油などが挙げられる。例えば、ひまし油ポリオール、または、ひまし油脂肪酸とポリプロピレンポリオールとの反応により得られるエステル変性ひまし油ポリオールなどが挙げられる。
【0144】
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、部分ケン価エチレン-酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0145】
アクリルポリオールとしては、例えば、ヒドロキシル基含有アクリレートと、ヒドロキシル基含有アクリレートと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを、共重合させることによって得られる共重合体が挙げられる。
【0146】
ヒドロキシル基含有アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2-ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレートなどが挙げられる。好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0147】
共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート(炭素数1~12)、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレンなどの芳香族ビニル、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基を含むビニルモノマー、または、そのアルキルエステル、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート、例えば、3-(2-イソシアネート-2-プロピル)-α-メチルスチレンなどのイソシアネート基を含むビニルモノマーなどが挙げられる。
【0148】
そして、アクリルポリオールは、これらヒドロキシル基含有アクリレート、および、共重合性ビニルモノマーを、適当な溶剤および重合開始剤の存在下において共重合させることにより得ることができる。
【0149】
また、アクリルポリオールには、例えば、シリコーンポリオールやフッ素ポリオールが含まれる。
【0150】
シリコーンポリオールとしては、例えば、ジアルキルポリシロキサンに水酸基を導入した変性ポリシロキサンポリオールや、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、例えば、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニル基を含むシリコーン化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
【0151】
フッ素ポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどのビニル基を含むフッ素化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
【0152】
ポリマーポリオールは、上記したマクロポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールなど)中で、ビニルモノマーを分散重合させることにより得ることができる。
【0153】
ポリマーポリオールにおけるマクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールが挙げられる。
【0154】
より具体的には、ポリマーポリオールは、マクロポリオール中においてビニルモノマーがラジカル開始剤(例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリルなど)など)によって重合され、得られるポリマー微粒子がマクロポリオール中に分散されることにより調製される。
【0155】
ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニル(アクリロニトリル)、シアン化ビニリデンなどが挙げられる。これらビニルモノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、スチレン、シアン化ビニル(アクリロニトリル)、スチレンおよびシアン化ビニルの併用が挙げられる。
【0156】
ポリマーポリオールに対するビニルモノマーの重合体の含有量は、例えば、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、45質量%以下である。
【0157】
ポリオール成分において、マクロポリオールの数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラム法により測定されるポリスチレン換算分子量)は、接着強度の観点から、500以上、好ましくは、1000以上、より好ましくは、1500以上であり、10000以下、より好ましくは、7500以下、より好ましくは、5000以下である。
【0158】
また、ポリオール成分において、マクロポリオールの水酸基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下である。
【0159】
また、ポリオール成分において、マクロポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、1.9以上、好ましくは、2.0以上、より好ましくは、2.3以上であり、4.0以下、好ましくは、3.5以下、より好ましくは、3.0以下である。
【0160】
ポリオール成分(好ましくは、硬化剤)におけるマクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ビニルモノマー変性ポリオール(別名ポリマーポリオール)が挙げられる。
【0161】
接着強度の観点から、とりわけ好ましくは、ポリオール成分は、ポリエーテルポリオールを含む。
【0162】
このような場合において、ポリエーテルポリオールの含有割合は、ポリオール成分の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、50質量%以上であり、通常、100質量%以下である。
【0163】
また、ポリオール成分は、必要に応じて、上記した低分子量ポリオールを含むことができる。低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0164】
なお、ポリオール成分に対する低分子量ポリオールの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜選択される。
【0165】
より具体的には、低分子量ポリオールの含有割合は、ポリオール成分の総量100質量部に対して、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であり、とりわけ好ましくは、0質量部である。
【0166】
すなわち、ポリオール成分は、接着強度の観点から、好ましくは、低分子量ポリオールを含まず、マクロポリオールからなる。
【0167】
また、構造用ポリウレタン接着剤は、必要に応じて、相溶化剤を除く添加剤、例えば、ウレタン化触媒、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、高分子光安定剤などの安定剤、有機溶剤、顔料、染料、消泡剤、分散剤、レベリング材、チクソ付与剤、ブロッキング防止剤、離型剤、滑剤、層間調整剤(ガラスビーズなど)、充填材、粘度調整剤などの公知の添加剤を含有することができる。
【0168】
添加剤の含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0169】
なお、添加剤は、例えば、ポリイソシアネート成分(例えば、2液硬化型接着剤の主剤)に含有されていてもよく、また、ポリオール成分(例えば、2液硬化型接着剤の硬化剤)に含有されていてもよく、さらに、それらの両方に含有されていてもよく、加えて、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の混合物(例えば、1液硬化型接着剤など)に含有されていてもよい。
【0170】
一方、構造用ポリウレタン接着剤は、作業性の観点から、好ましくは、有機溶媒を含有しない。つまり、構造用ポリウレタン接着剤は、好ましくは、無溶剤型接着剤である。
【0171】
無溶剤型接着剤において、ポリイソシアネート成分は、例えば、有機溶剤を使用せずに調製されるか、または、有機溶剤を使用して調製された後、公知の方法で脱溶剤される。
【0172】
また、無溶剤型接着剤において、ポリオール成分は、例えば、有機溶剤を使用せずに調製されるか、または、有機溶剤を使用して調製された後、公知の方法で脱溶剤される。
【0173】
また、構造用ポリウレタン接着剤は、上記したように、好ましくは、ポリイソシアネート成分からなる主剤と、ポリオール成分からなる硬化剤とを備える2液硬化型接着剤である。2液硬化型接着剤は、別々に用意された主剤および硬化剤を使用時に配合(混合)して硬化物を形成するための樹脂組成物キット(2液キット)である。すなわち、主剤および硬化剤を混合することにより、樹脂混合物(ポリウレタン混合物)が得られ、その樹脂混合物が硬化反応することにより、硬化物(ポリウレタン硬化物)が得られる。
【0174】
そして、このような構造用ポリウレタン接着剤では、ポリイソシアネート成分が、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、および、キシリレンジイソシアネートの誘導体を含み、また、ポリオール成分が、数平均分子量および平均水酸基数が所定範囲であるマクロポリオールを含むため、優れた接着強度を得ることができる。
【0175】
そのため、上記の構造用ポリウレタン接着剤は、複数の部材などから構成される構造物において、それら各部材を接着するために、好適に用いられる。構造物の部材としては、例えば、建物、自動車、輸送機器、船などの部材が挙げられる。
【0176】
構造用ポリウレタン接着剤の使用においては、例えば、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含む混合物を、公知の方法によって部材に塗布し、硬化させ、必要に応じて養生する。
【0177】
作業性の観点から、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含む混合物の25℃における粘度は、例えば、100mPa・s以上、好ましくは、300mPa・s以上であり、例えば、20000mPa・s以下、好ましくは、10000mPa・s以下である。
【0178】
また、硬化条件としては、硬化温度が、例えば、10℃以上、好ましくは、20℃以上、例えば、80℃以下、好ましくは、60℃以下である。また、硬化時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上、例えば、10時間以下、好ましくは、5時間以下である。
【0179】
また、養生条件としては、養生温度が、例えば、20℃以上、好ましくは、25℃以上、例えば、80℃以下、好ましくは、70℃以下である。また、養生時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上、例えば、72時間以下、好ましくは、24時間以下である。
【0180】
これにより、構造用ポリウレタン接着剤を硬化させ、各部材を良好に接着させることができる。
【実施例】
【0181】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0182】
(準備例1)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
平均水酸基数2のポリエーテルポリオール(商品名アクトコールD-2000、数平均分子量2000、三井化学SKCポリウレタン製)700g、および、平均水酸基数3のポリエーテルポリオール(商品名アクトコールT-3000、数平均分子量3000、三井化学SKCポリウレタン製)300gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)249gとを混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、2.0であった。
【0183】
次いで、得られた混合物を、窒素気流中、80℃で12時間撹拌し、ウレタン化反応させた。これにより、イソシアネート基含有率3.36質量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(MDI系プレポリマー)を得た。
【0184】
得られたMDI系プレポリマーのイソシアネート基当量(JIS K 1603-1(2007)のA法に準拠して測定(以下同様))は、1250であった。
【0185】
(準備例2)キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体
特開2019-59821号公報の実施例1に記載の方法により、アルコール変性されたキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含む組成物(以下、XDI誘導体1と称する。)を得た。
【0186】
すなわち、窒素雰囲気下、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-XDI(以下、XDI)、酸度50ppm)787.470質量部と、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、商品名:イルガノックス1076、チバ・ジャパン社製)0.161質量部とを60℃~65℃において混合し、さらに、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA、触媒失活剤)のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(有効成分濃度50質量%)を、DDBSAが0.064質量部となる割合で、添加した。
【0187】
次いで、その混合物に、1,3-ブタンジオール15.726質量部を添加し、70℃~75℃でウレタン化反応させた。
【0188】
次いで、得られたウレタン反応液に、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイド(イソシアヌレート化触媒、TBAOH(37%メタノール溶液))のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(固形分濃度3.7質量%)を添加した。なお、添加量は、TBAOH(37%メタノール溶液)が0.803質量部となるように、調整した。
【0189】
次いで、ウレタン反応液を混合しながら、70℃~75℃において、転化率が30%に到達するまで、XDIをイソシアヌレート化反応させた。
【0190】
次いで、得られたイソシアヌレート反応液に、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA、触媒失活剤)のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(有効成分濃度50質量%)を添加し、イソシアヌレート化反応を停止させた。添加量は、DDBSAが0.415質量部(DDBSAの添加割合が、イソシアヌレート反応液に対して500ppm)となるように、調整した。
【0191】
次いで、得られたイソシアヌレート反応液を、さらに、70~75℃で30分撹拌した。次いで、酸度を調整するため、予め調製した高酸度(酸度2400ppm)のXDIを、イソシアヌレート反応液に20.562質量部添加し、30分撹拌した後、50℃以下まで冷却した。次いで、得られたイソシアヌレート反応液を薄膜蒸留(圧力:~60PaA、水蒸気圧:0.7MPaG、温度:170℃、フィード量:200kg/hr)して、アルコール変性されたキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含む組成物(XDI誘導体1)を得た。XDI誘導体1のイソシアネート基当量は、239.4であった。
【0192】
(準備例3)キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体
撹拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-XDI)100質量部と、イソブタノール(IBA)15.8質量部(当量比NCO/OH=5)とトリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト(酸化防止剤)0.06質量部と、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)0.06質量部とを仕込み、75℃で3.5時間、ウレタン化反応させた。これにより、ウレタン化物を得た。
【0193】
次いで、ウレタン化物を含む反応液に、アロファネート化触媒としてのXK-628(商品名、楠本化成社製、カルボン酸ビスマス、ビスマス含有割合31質量%)を0.06質量部添加し、90℃で11時間、アロファネート化反応させ、ウレタン結合のアロファネート結合への変換がほぼ完了したことを確認し(ウレタン基/アロファネート基のIR比率が0.1以下)、オルトトルエンスルホンアミド(反応停止剤)0.10質量部を添加してアロファネート化反応を停止させた。
【0194】
その後、得られた反応液から、薄膜蒸留装置(真空度:0.05kPa、温度150℃)により、未反応のイソブタノールおよび1,3-キシリレンジイソシアネートを留去(除去)し、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を含む組成物(以下、XDI誘導体2と称する。)を得た。XDI誘導体2のイソシアネート基当量は、259であった。
【0195】
(準備例4)キシリレンジイソシアネートのビウレット誘導体
タケネートA-14(商品名、三井化学製)を、エバポレーターにて脱溶媒し、キシリレンジイソシアネートのビウレット誘導体を含む組成物(以下、XDI誘導体3と称する。)とした。XDI誘導体3のイソシアネート基当量は、202であった。
【0196】
(準備例5)キシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体(アルコール付加体)
タケネートD-110N(商品名、三井化学製、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体)を、エバポレーターにて脱溶媒し、キシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体(アルコール付加体)を含む組成物(以下、XDI誘導体4と称する。)とした。XDI誘導体4のイソシアネート基当量は、243であった。
【0197】
(準備例6)ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体
特開2010-254764の実施例1の記載に準拠して、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含む組成物(以下、PDI誘導体と称する。)を得た。PDI誘導体のイソシアネート基当量は、168であった。
【0198】
実施例1~19および比較例1~2
表1~表3に記載の処方で、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、XDI誘導体またはPDI誘導体と、相溶化剤とを混合した。これにより、ポリイソシアネート成分(主剤)を得た。
【0199】
また、表1~表3に記載の処方で、マクロポリオールを混合し、ポリオール成分(硬化剤)を得た。
【0200】
これにより、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を備える構造用ポリウレタン接着剤を得た。
【0201】
(評価)
(1)試験板の作成
ポリプロピレン板(J707G、プライムポリマー製)を、コロナ処理し、濡れ性(JIS K 6768(1999年))を40dyn/cm以上に調整し、幅25mmに裁断した。これを、被着体1とした。
【0202】
一方、冷間圧延鋼板(SPCC)を、幅25mmに裁断した。これを、被着体2とした。
【0203】
そして、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、当量比(NCO/OH)が1.0となる割合で混合した。次いで、得られた混合物に、層厚調整のためのガラスビーズ(ASGB-60、アズワン製、0.250~0.355mm)を添加した。ガラスビーズの添加量は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分およびガラスビーズの総量に対して、1質量%となるように調整した。
【0204】
その後、得られた混合物を被着体1に塗布し、接着面積が25mm×12.5mm、接着層厚が0.3mmとなるように、被着体1と被着体2とを密着させ、25℃で1時間硬化させ、60℃で24時間養生した。これにより、試験板を得た。
【0205】
また、ポリプロピレン板に代えて、コロナ処理を施していない炭素繊維強化プラスチック(CFRP(つやなし)、スタンダードテストピース社製)を、被着体1として使用し、また、実施例1、実施例8、比較例1および比較例2のポリイソシアネート成分とポリオール成分とを使用して、試験板を得た。
【0206】
(2)接着強度の測定
引張試験機(U-4410、オリエンテック社製により、引張速度50mm/minで、被着体1と被着体2とのせん断剥離強度を測定し、以下の基準に従って評価した。
◎;340N/cm2以上
○;300N/cm2以上
△;190N/cm2以上
×;190N/cm2未満
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
なお、表中の略号の詳細を下記する。
MDIプレポリマー:準備例1で得られたMDI系ウレタンプレポリマー
XDI誘導体1:準備例2で得られたキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含有する組成物
XDI誘導体2:準備例3で得られたキシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を含有する組成物
XDI誘導体3:準備例4で得られたキシリレンジイソシアネートのビウレット誘導体を含有する組成物
XDI誘導体4:準備例5で得られたキシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体を含有する組成物
PDI誘導体:準備例6で得られたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含有する組成物
DMP:フタル酸ジメチル、SP値11.54(cal/cm3)1/2、相溶化剤(可塑剤)
DEP:フタル酸ジエチル、SP値11.07(cal/cm3)1/2、相溶化剤(可塑剤)
ベンゾフレックス:商品名ベンゾフレックス(登録商標)グレードNo.9-88SG、イーストマンケミカル社製、安息香酸グリコールエステル、SP値10.86(cal/cm3)1/2、相溶化剤(可塑剤)
DINP:フタル酸ジイソノニル、SP値9.57(cal/cm3)1/2、相溶化剤(可塑剤)
DINA:アジピン酸ジイソノニル、SP値9.13(cal/cm3)1/2、相溶化剤(可塑剤)
DINCH:水添フタル酸ジイソノニル、SP値9.22(cal/cm3)1/2、相溶化剤(可塑剤)
THF:テトラヒドロフラン、SP値8.28(cal/cm3)1/2、相溶化剤(有機溶剤)
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、SP値10.2(cal/cm3)1/2、相溶化剤(有機溶剤)
POP3128:商品名アクトコールPOP-3128、三井化学SKCポリウレタン製、ビニルモノマー変性ポリオール(別名ポリマーポリオール)、水酸基当量2003、平均水酸基数3、数平均分子量約6000
DL-10000:商品名アクトコールDL-10000、三井化学SKCポリウレタン製、ポリエーテルポリオール、水酸基当量5000、平均水酸基数2、数平均分子量2000
DL-4000:商品名アクトコールDL-4000、三井化学SKCポリウレタン製、ポリエーテルポリオール、水酸基当量2000、平均水酸基数2、数平均分子量4000
T-1000:商品名アクトコールT-1000、三井化学SKCポリウレタン製、ポリエーテルポリオール、水酸基当量333、平均水酸基数3、数平均分子量1000
T-700:商品名アクトコールT-700、三井化学SKCポリウレタン製、ポリエーテルポリオール、水酸基当量233、平均水酸基数3、数平均分子量700
T-300:商品名アクトコールT-300、三井化学SKCポリウレタン製、ポリエーテルポリオール、水酸基当量100、平均水酸基数3、数平均分子量300
PP:ポリプロピレン板、J707G、プライムポリマー製
CFRP:炭素繊維強化プラスチック、CFRP(つやなし)、スタンダードテストピース社製
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0211】
本発明の構造用ポリウレタン接着剤は、例えば、建物、自動車、輸送機器および船において、各部材を接着するために、好適に用いられる。