(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】アルコキシル化フェノール及び香料を含む硬質表面洗浄組成物並びに洗浄パッド、並びにかかる洗浄組成物の使用方法
(51)【国際特許分類】
C11D 3/20 20060101AFI20231030BHJP
A47L 13/17 20060101ALI20231030BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20231030BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20231030BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20231030BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
C11D3/20
A47L13/17 A
A47L13/17 B
C11B9/00 Z
C11D3/43
C11D3/50
C11D17/08
(21)【出願番号】P 2021563223
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(86)【国際出願番号】 US2020070029
(87)【国際公開番号】W WO2020232464
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-10-25
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】トレンス、フェルナンド・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ヴー、ポーライン・クック
(72)【発明者】
【氏名】グレンダイク、ブライアン・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】サイネッキ、ウィリアム・アレグザンダー
(72)【発明者】
【氏名】メイフィールド、ダニエル・ロス
(72)【発明者】
【氏名】カリカリ、アフア・サーポン
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-100774(JP,A)
【文献】特開2020-105257(JP,A)
【文献】特開2020-105258(JP,A)
【文献】特開2003-183697(JP,A)
【文献】特開2005-120258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0345110(US,A1)
【文献】特開2011-079953(JP,A)
【文献】特開2007-092067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
C11B 1/00- 15/00
C11C 1/00- 5/02
A47L 13/00- 13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体硬質表面洗浄組成物であって、
少なくとも85重量%の水と、
0.0015重量%~9重量%のアルコキシル化フェノールと、
香料とを含み、
前記香料が、1.0より大きいClogPを有する香料原材料を少なくとも60重量%含み、前記組成物が、1から200のNTUとを有し、
液体硬質表面洗浄組成物の可溶化助剤の濃度が、前記洗浄組成物の重量基準で、3.5%未満であり、前記可溶化助剤は、界面活性剤、溶媒、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
前記アルコキシル化フェノールが式1によるエトキシル化フェノールであり、
【化1】
式中、nは、5から10の平均値である、液体硬質表面洗浄組成物。
【請求項2】
前記アルコキシル化フェノールが、前記洗浄組成物の重量基準で、0.0015重量%から2重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記式1のnが5~8の平均値である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記香料の重量基準で、少なくとも80重量%の香料原材料が、2.0より大きいClogPを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記香料が、前記洗浄組成物の重量基準で、少なくとも0.005%の量である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
1.0を超えるClogPを有するPRMが、ジヒドロミルセノール、イソノ
ニルアルコール、シトロネロール、テトラヒドロリナロール、
酢酸テルピニル、酢酸ゲラニル、酢酸フェニルエチルフェニル、
リリアル(P.T.Bucinal)、ガンマメチルイオノン、ベルテネックス、ジフェニルメタン、p’シメン、アルファピネン、サリチル酸ベンジル、d-リモネン、サリチル酸シス-ヘキセニル、桂皮酸ヘキシルアルデヒド、セドリルアセテート、ハバノリド、エチルトリメチルシクロペンテンブタノール、サリチル酸ヘキシル、iso-eスーパー、エチルバニリン、ヘリオナール、ウンデカラクトン、イオノンガンマメチル、ヒドロキシシクロネラール、シクロガルバネート、ピラノール、ベルドックス、酢酸リナリル、酢酸ベンジル、メチルフェニルカルビニルアセテート、トリプラール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~
5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され、前記溶媒は、アルコール、ポリオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記水が、前記洗浄組成物の重量基準で、85%から99.5%の量である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
硬質表面の光沢を向上させる方法であって、
a.前記硬質表面を請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄組成物で濡らすこと、及び、
b.使い捨ての乾燥洗浄ワイプで前記硬質表面から前記洗浄組成物を除去すること、を含む、方法。
【請求項10】
硬質表面を洗浄するための使い捨てのウェットタイプのパッドであって、
基材と、
請求項1~8のいずれか一項に記載の液体硬質表面洗浄組成物とを含み、
前記基材が前記洗浄組成物で含浸されている、パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、水性キャリア中の香料原材料(PRM)を使用して、硬質表面上の洗浄組成物の鮮度及び性能の両方の利益、例えば、香りの強度及び寿命並びに硬質表面光沢などを提供する硬質表面洗浄組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質表面洗浄組成物は、硬質表面を洗浄及び処理するために使用される。好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、「汎用」硬質表面洗浄組成物となるように配合される。すなわち、硬質表面洗浄組成物は、様々な表面を洗浄するのに適しているように配合される。しかしながら、歴史的に、洗浄を損なうことなく、相安定性配合物における鮮度の利益をもたらしながら、タイルや、木材、ステンレス鋼、リノリウム、大理石などのより繊細な表面を効果的に洗浄する硬質表面洗浄組成物を配合することは困難であった。典型的には、水性洗浄組成物における鮮度の利益は、高レベルの界面活性剤による疎水性の香料の高度な乳化によって達成され、これは、後に、処理された表面の洗浄及び光沢の利益に悪影響を及ぼす。例えば、界面活性剤が使用されるが、その濃度は最小限に抑える必要があり、さもなければ、界面活性剤が残留物を残して、低い光沢をもたらし、表面がまだ十分にきれいになっていないという印象をもたらし得る。溶媒レベルもまた、環境上の憂慮事項又は香りへの悪影響を回避するために最適に最小化される。さらに、使用される多くの溶媒は、高揮発性有機化合物(VOC)である。VOC材料は、香料の特性としても知られるそれらの香り知覚に影響を及ぼすことによって、香料組成物に悪影響を与えるという課題、及び、引火点の規制に関する懸念をもたらす。これらの課題を考慮して、フォーミュレータは、典型的には、高レベルの溶媒及び界面活性剤を回避し、比較的疎水性の高いPRMの使用又はその濃度を最小限に抑える。これは、利用可能なPRMの幅を狭くし、ひいてはユーザに対する香り体験を減少させる。これらの課題は、配合物が特に高レベルの水及び/又は高レベルのPRMを含有する場合に深刻になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、溶媒及び界面活性剤のレベルを最小限に抑えながら、より疎水性のPRMによって可能になる多種多様な香り体験を伴う高い光沢を提供する洗浄組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、少なくとも85重量%の水と、少なくとも0.0015重量%のアルコキシル化フェノールと、香料とを含み、香料が、1.0より大きいClogPを有する香料原材料を少なくとも60重量%を含む、硬質表面洗浄組成物を含む。本組成物は、0.1から2.0の光沢結果と、1から200のNTUとを有する。
【0005】
本開示の態様はまた、硬質表面の光沢を向上させる方法であって、硬質表面を硬質表面洗浄組成物で濡らすこと、及び、使い捨ての乾燥洗浄ワイプで硬質表面から洗浄組成物を除去することを含む方法を含む。
【0006】
本開示のさらに別の態様はまた、基材と液体硬質表面洗浄組成物とを含む硬質表面を洗浄するための使い捨てのウェットタイプのパッドを含む。この基材は、洗浄組成物を含浸されている。
【0007】
本開示の態様はまた、ハンドルと、プラスチックヘッドと、プラスチックヘッドと取り外し可能に接続可能な洗浄パッドと、ハンドルに接続された又はハンドルから分離されたリザーバと、リザーバ内に配置される洗浄組成物とを含む洗浄器具を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】部分的な切欠きで示されている、本発明に従った例示的な洗浄パッドの上面斜視図である。
【
図1B】
図1Aの洗浄パッドの底面図であり、明確性のために、部分的に切り欠きで示しており、1つの取り付けストリップが切り取られている。
【
図2】
図1Bの線2-2に沿って取られた概略的な垂直断面図である。
【
図3】本発明の洗浄パッドと共に使用可能な洗浄用具の斜視図であり、洗浄用具に取り外し可能に取り付けられる位置にある洗浄パッドを示している。
【
図4】香料組成物Iを使用した官能パネルによって知覚された、アルコキシル化フェノール(本発明の試料)で乳化された高い香料濃度を有する洗浄組成物対非乳化で低香料濃度(比較試料)の洗浄組成物の強度プロファイル及び寿命の利点を示している。
【
図5】香料濃度に対する寿命の利点を示しており、より高い香料濃度に関する臭気検出閾値(ODT)及び寿命の利点を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
香料原材料(PRM)は、典型的には、洗浄組成物を製造するために水と共に配合される。ただし、PRMが疎水性であるため、溶媒及び/又は界面活性剤を使用して、高含水量の配合物中でPRMを可溶化及び乳化する。PRMを可溶化するのに適した溶媒としては、典型的には、アルコール、ポリオール及びそれらの混合物が挙げられる。
【0010】
本発明は、高レベルの水、香料、及び比較的低レベルのアルコキシル化フェノールを含む本発明の洗浄組成物が、含水量において1.0を超えるClogPを有する香料PRMの溶解度を改善することができ、それにより、より高い香料強度及び寿命を有する相安定性洗浄組成物を提供するという驚くべき発見に基づいている。
【0011】
アルコキシル化フェノールは、エトキシル化フェノールであってもよい。PRMとアルコキシル化フェノールとの組み合わせを有することにより、相安定性洗浄組成物が可能になり、より広範囲のPRMを配合することができる。
【0012】
以下の説明において、説明される組成物は、床洗浄組成物である。ただし、本組成物は、硬質表面又は他の無生物表面に洗浄及び鮮度を提供する様々な用途で使用されるように構成され得ることが企図される。
【0013】
本発明を詳細に説明するのに先立ち、説明を分かりやすくために以下の用語を定義する。定義されない用語には、関連する技術分野の当業者によって理解される通常の意味が与えられるべきである。
【0014】
本明細書で使用される「無生物表面」という用語は、限定するものではないが、カウンタトップ、床、ゴミ箱、天井、壁、カーペットパッド、空気フィルタなどの家庭の表面を含む表面を指す。
【0015】
本明細書で使用される「ClogP」という用語は、例えば、香料原材料などの揮発性材料の計算されたlogP(「ClogP」)値を指す。揮発性物質のオクタノール/水分配係数は、オクタノール中及び水中におけるその平衡濃度の比である。洗浄組成物に使用される香料材料の分配係数は、より好都合には、その10を底とする対数の形(logP)で与えられてもよい。ClogPは、Hansch及びLeoの断片アプローチによって決定される(A.Leo,in Comprehensive Medicinal Chemistry,vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,p.295,Pergamon Press,1990を参照)。
【0016】
本明細書で使用される「匂い検出閾値」という用語は、人間の嗅覚によって知覚可能な香料組成物の最低濃度を指し、それは香料組成物の寿命と相関する。
【0017】
ある成分を「本質的に含まない」という用語は、その成分が、対応するプレミックス又は組成物にいかなる量も意図的に取り込まれていないことを意味する。好ましくは、ある成分を「本質的に含まない」とは、その成分が、対応するプレミックス又は組成物中に全く存在しないが、微量な不純物として存在し得ることを意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「等方性」とは、透明な混合物が、視認できる濁り、相分離、及び/又は分散粒子を殆ど又は全く有さず、且つ均一の透明な外観を有することを意味する。
【0019】
本明細書で定義するとき、「安定した」とは、米国特許出願第2008/0263780(A1)号に記載されるFloc Formation Testを用いて測定されるとき、少なくとも約2週間、又は少なくとも4週間、又は約1ヶ月超、又は4ヶ月超の期間、25℃に維持されたプレミックスに対して、可視的な相分離が観測されないことを意味する。
【0020】
「低揮発性有機化合物硬質表面洗浄組成物」とは、本明細書において、例えば、低揮発性有機化合物(「VOC」)の組成の最大0.5重量%のようなVOC含有量を有する最終製品を意味するが、香料は、最終製品の2重量%まで、この値から除外されることに留意されたい。
【0021】
本明細書で使用される全てのパーセント、比率、及び割合は、別段の定めがない限り、プレミックスの重量パーセントである。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、プレミックスの「重量に対し」計算される。
【0022】
全ての測定は、別段に明記しない限り、25℃で実施される。
【0023】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0024】
I.液体硬質表面洗浄組成物
「液体硬質表面洗浄組成物」とは、本明細書では、洗浄用、及び家庭、特に国内の家庭においてみられる硬質表面用の液体組成物を意味する。洗浄される表面としては、セラミック、ビニル、無ワックスビニル、リノリウム、メラミン、ガラス、鋼鉄、キッチン作業面、任意のプラスチック、木材、可塑化された木材、金属、又は任意の塗装若しくはワニス仕上げ若しくは封止処理された表面などのような異なる材料で作製された、キッチン及び浴室、例えば、床、壁、タイル、窓、食器棚、流し、シャワー、プラスチック化シャワーカーテン、洗面台、トイレ、付属品、及び取り付け具などが挙げられる。家庭の硬質表面はまた、家庭用器具を含み、その例としては、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動式乾燥機、オーブン、電子レンジ、食洗機などが挙げられるが、これらに限定されない。かかる硬質表面は、個人の家庭において、また商用環境、企業環境、及び工業環境においても見出され得る。
【0025】
A.水
本発明の液体硬質表面洗浄組成物は、本組成物の少なくとも85重量%の水を含み得る。水は、本組成物の重量基準で、85%~99.5%、90%~99.5%、95%~99.5%、95%の水の量であってもよく、又は上記の上限パーセンテージ及び下限パーセンテージの異なる組み合わせの水の量であってもよく、又は上に列挙された範囲内の任意の整数の組み合わせの水の量であってもよい。水は、蒸留水、脱イオン水又は水道水であってもよい。高レベルの水を有することにより、洗浄組成物は、洗浄のために洗浄表面を濡らして広がって、残される残留物の量を減らし、光沢を向上させることができる。
【0026】
B.アルコキシル化フェノール
硬質表面洗浄組成物は、本組成物の少なくとも0.0015重量%のレベルのアルコキシル化フェノールを有する。アルコキシル化は、アルコキシル化剤であるエポキシドを別の化合物に付加することを含む化学反応である。エポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドなどの低分子量エポキシド(オキシラン)であり得る。これらのエポキシドは、一般に、塩基触媒作用下でヒドロキシルと反応することができ、開環及びオキシアルキレン基の付加を引き起こす。得られる化合物はヒドロキシル基を含有するので、様々なモル数の酸化物を加えることができる。フェノール含有化合物のアルコキシル化は、酸化物の混合物と、ヒドロキシアルキルフェニルエーテル化合物(アルコキシル化フェノールとしても知られる)を生成するフェノール含有化合物との反応に関する。フェノールのアルコキシル化のための方法は、米国特許第4,261,922号に記載されている。フェノール含有化合物は、以下の構造を有し、分子式はC6H5OHである。
【0027】
【0028】
アルコキシル化フェノールは、プロポキシル化フェノール、エトキシル化フェノール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得、好ましくはエトキシル化フェノールである。
【0029】
したがって、エチレンオキシドとフェノール含有化合物との反応は、以下の反応:
ROH+C2H4O→ROCH2CH2OHに示すようにエトキシル化フェノールをもたらし、式中、ROHはフェノール含有化合物である。
【0030】
同様に、プロピレンオキシドとフェノール含有化合物との反応は、以下の反応:
ROH+nOCH2CHCH3→R(OCH2CHCH3)nOHに示すようにプロポキシル化フェノールをもたらし、式中、ROHはフェノール含有化合物である。
フェノール含有化合物のエトキシル化及びプロポキシル化は、公知の方法に従って行うことができる。
【0031】
以下の説明において、記載されるアルコキシル化フェノールは、エトキシル化フェノールである。しかしながら、アルコキシル化フェノールが水に可溶性であり、PRMを水に可溶化する限り、プロポキシル化、ブトキシル化、又はそれらの混合物などの他のアルコキシル化フェノールを、以下に記載されるPRMを可溶化するように構成することができると考えられる。
【0032】
エトキシル化フェノールは、洗浄組成物の重量基準で、少なくとも0.0015%、好ましくは0.0015%~9%、0.0015%~3.5%、より好ましくは0.0015%~2%、さらにより好ましくは0.0015%~1.5%の量であり得る。
【0033】
エトキシル化フェノールは、式Iによる構造を有し得、
【0034】
【化2】
式中、nは、0~20、好ましくは5~15、より好ましくは5~10、さらにより好ましくは5~7から選択され、好ましくは、nは、5~15、好ましくは5~10、より好ましくは5~7の平均値である。
【0035】
式Iを参照すると、「n」は、エトキシル化フェノール中のエトキシレートの数に対応する数値であり、エトキシル化フェノールのエトキシレート鎖を定義する。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明による洗浄組成物のためのエトキシル化フェノールは、高レベルの水と、ClogP>1を有するPRMを少なくとも60%有する香料組成物とを有する洗浄組成物において、水溶性及び油溶性のいずれにもなるように、異なる長さのエトキシレート鎖を有する異なるエトキシレートを有して、異なる洗浄製品仕様を満たすことができる。
【0036】
Dowanol(商標)Glycol Ethersの商品名でDowから市販されているエトキシル化フェノールを以下の表1に示す。実施例において以下に記載されるデータに示されるように、nが5~15の平均値であるエトキシル化フェノールを使用すると、nが1~2の平均値である比較のエトキシル化フェノールと比較して、透明な組成物が得られる(実施例6参照)。
【0037】
【0038】
本開示の組成物は、好ましくは、円錐角2°及び切頭部±60μmの40mm円錐スピンドルを有し、剪断速度10s-1のAtlas(登録商標)製のAD1000 Advanced Rheometerを用いて20℃で測定したときに、1cps~650cps、より好ましくは100cps~550cps、より好ましくは150cps~450cps、最も好ましくは250cps~350cpsの粘度を有する。
【0039】
pHは、好ましくは3.0~12、より好ましくは5~8、最も好ましくは6~7である。
【0040】
本明細書の組成物は、適宜pHを調整するための酸又は塩基をさらに含んでもよいことが理解されるであろう。
【0041】
本明細書における使用に好適な酸は、有機及び/又は無機酸である。本明細書における使用に好ましい有機酸は、7未満のpKaを有する。好適な有機酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。好適な無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0042】
存在する場合、このような酸の典型的な濃度は、全組成物の0.001重量%~1.0重量%、好ましくは0.005重量%~0.5重量%、より好ましくは0.01重量%~0.05重量%である。
【0043】
本明細書において使用される好適な塩基は、有機及び/又は無機塩基である。本明細書における使用に好適な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び/若しくは水酸化リチウムのような苛性アルカリ、並びに/又は酸化ナトリウム、及び/若しくは酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物、あるいはそれらの混合物である。好ましい塩基は苛性アルカリであり、より好ましくは、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムである。
【0044】
その他の好適な塩基としては、アンモニア、アンモニウムカーボネート、K2CO3、Na2CO3、及びアルカノールアミン(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、及びこれらの混合物など)が挙げられる。
【0045】
存在する場合、このような塩基の典型的な濃度は、全組成物の0.001重量%~1.0重量%、好ましくは0.005重量%~0.5重量%、より好ましくは0.01重量%~0.05重量%である。
【0046】
C.溶媒
液体硬質表面洗浄組成物は、好ましくは、溶媒を含む。好適な溶媒は、4~14個の炭素原子を有するエーテル類及びジエーテル類、グリコール又はアルコキシル化グリコール;アルコキシル化芳香族アルコール類;芳香族アルコール類;アルコキシル化脂肪族アルコール類;脂肪族アルコール類;C8~C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素類及びハロ炭化水素類、C6~C16グリコールエーテル類、テルペン類、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0047】
本発明において、溶媒は、その水溶性のレベル又はその親水性-親油性バランス又はHLB値について選択することができる。HLB値が低いほど、溶媒への可溶性がより低く、油溶性又は油相溶性がより高い。例えば、0のHLB値は、完全な親油性/疎水性の分子又は油溶性の分子に相当し、20のHLB値は、完全な親水性/疎油性又は水溶性の分子に相当する。
【0048】
液体硬質表面洗浄組成物は、好ましくは、グリコールエーテル溶媒を含む。溶媒は、5.5~7.0のHLB値を有するグリコールエーテル溶媒を含む。
【0049】
5.5から7.0の間のHLBを有するグリコールエーテルは、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル又はブチルカルビトール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル又はヘキシルCELLOSOLVE(商標)、エチレングリコールフェニルエーテル又はフェノキシエタノール、プロピレングリコールフェニルエーテル又はジプロピレングリコールフェニルエーテル溶媒、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。5.5から7.0の間のHLBを有する例示的なグリコールエーテルは、Dow Chemical Company製のDOWANOL(商標)TPM、DOWANOL(商標)PnB及びDOWANOL(商標)DPnB、ヘキシルCARBITOL(商標)溶媒、ヘキシルCELLOSOLVE(商標)溶媒、DOWANOL(商標)EPH、DOWANOL(商標)PPh、又はDOWANOL(商標)DiPPhグリコールである。
【0050】
5.5から7.0の間のHLBを有するフェニルグリコールエーテル溶媒は、全組成物の重量基準で、0.05%~3.50%、より好ましくは0.1%~1.5%、最も好ましくは0.3%~0.9%重量%のレベルで存在し得る。
【0051】
D.ヒマシ油界面活性剤
液体硬質表面洗浄組成物は、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル若しくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル又はそれらの混合物を含み、これらは、好ましくは、部分的又は完全に水素化されている。これらのエトキシレートは、以下の一般式を有する。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
これらのエトキシレートは、単独で又はそれらの任意の混合物で使用することができる。これらのエトキシレートの平均エチレンオキシド付加モル数(すなわち、上式におけるl+m+n+x+y+z)は、一般に約7~約100、好ましくは約20~約80である。ヒマシ油界面活性剤は、商品名HCO 40及びHCO 60でNikkoから市販され、商品名Cremphor(商標)RH 40、RH 60及びCO 60でBASFから市販されている。
【0056】
E.両性界面活性剤
本開示の液体硬質表面洗浄組成物は、アミンオキシド界面活性剤を含み得る。アミンオキシドは、全組成物の重量基準で、0.005重量%~0.5重量%、より好ましくは0.01%~0.1%、最も好ましくは0.04%~0.06%のレベルで存在し得る。
【0057】
適切な両性界面活性剤には、R1R2R3NOを含むアミンオキシド界面活性剤が含まれ、式中、R1、R2及びR3のそれぞれは、独立して、10~30個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖である。好ましいアミンオキシド界面活性剤は、以下の式:R1R2R3NOを有するアミンオキシドであり、式中、R1は、1~30個、好ましくは6~20個、より好ましくは8~16個の炭素原子を含む炭化水素鎖であり、R2及びR3は、独立して、1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖であり、より好ましくはメチル基である。R1は、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖であってよい。
【0058】
極めて好ましいアミンオキシドは、Albright&Wilsonから市販されているC12~C14ジメチルアミンオキシド、ClariantからGenaminox(登録商標)LAの商品名で市販されているC12~C14アミンオキシド、又はAKZO Nobelから市販されているAROMOX(登録商標)DMCである。
【0059】
他の好適な両性界面活性剤としては、ドデシルβ-アラニン、例えば、米国特許第2,658,072号に教示されるドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるN-アルキルタウリン、例えば、米国特許第2,438,091号に教示されるN-高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載される商品名「Miranol」として販売されている製品が挙げられる。他の好適な追加の界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifers、North American Ed.1980に見出すことができる。
【0060】
F.非イオン性界面活性剤
好適な非イオン性界面活性剤は、エトキシ化アルコキシル化非イオン性界面活性剤である。好ましくは、液体硬質表面洗浄組成物は、組成物の0.0001~1重量%、より好ましくは0.001~0.5重量%、最も好ましくは0.001~0.04重量%のレベルでエトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤を含む。エトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、エステル化アルキルアルコキシル化界面活性剤、分子のアルコキシ部分が、好ましくはプロポキシ、又はブトキシ、又はプロポキ-シブトキシである、アルキルエトキシアルコキシアルコール、ポリオキシアルキレンブロックコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0061】
好ましいエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、一般式(I)のエステル化アルキルアルコキシル化界面活性剤であり、
【0062】
【化6】
式中、
Rは、8~16個、好ましくは10~16個、及びより好ましくは12~15個の炭素原子を有する分岐又は非分岐アルキル基であり、
R
3、R
1は、互いに独立して、水素、又は1~5個の炭素原子を有する分岐若しくは非分岐アルキル基であり、好ましくは、R
3及びR
1が水素であり、
R
2は、5~17個の炭素原子を有する非分岐アルキル基であり、好ましくは、6~14個の炭素原子を有し、
l、nは、互いに独立して、1~5の数であり、
mが、8~50の数であり、及び
好ましくは、式(I)のエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤の重量平均分子量は、950~2300g/モル、より好ましくは1200~1900g/モルである。
【0063】
好ましくは、Rは、12~15個、好ましくは13個の炭素原子である。R3及びR1は、好ましくは水素である。成分lは、好ましくは5である。nは、好ましくは1である。mは、好ましくは13~35、より好ましくは15~25、最も好ましくは22である。R2は、好ましくは、6~14個の炭素原子である。
【0064】
本発明の硬質表面洗浄組成物は、エステル化アルキルアルコキシ化界面活性剤が、以下であるとき、すなわち、Rが12~15個、好ましくは13個の炭素原子を有し、R3が水素であり、R1が水素であり、成分lが5であり、nが1であり、mが15~25、好ましくは22であり、R2が6~14個の炭素原子を有し、エトキシル化アルコールが10~14個、より好ましくは13個の炭素原子を含み、5~8分子、より好ましくは7分子のエチレンオキシドを含む脂肪族アルコール鎖を含むときに、特に高い光沢をもたらす。
【0065】
好ましくは、エトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレンコポリマーであり得る。ポリオキシアルキレンコポリマーは、ブロック-ヘテリックエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤であり得るが、ブロック-ブロック界面活性剤が好ましい。好適なポリオキシアルキレンブロックコポリマーとしては、式(II)のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー:
【0066】
【化7】
が挙げられ、式中、EOが、エチレンオキシド単位を表し、POが、プロピレンオキシド単位を表し、x及びyが、生成物の各モルにおけるエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの平均数を詳述する数である。かかる物質は、殆どの非イオン性界面活性剤よりも高い分子量を有する傾向があり、そのため、1000~30000g/モルの範囲であり得るが、分子量は、2200超且つ好ましくは13000未満であるべきである。ポリマー非イオン性界面活性剤の分子量の好ましい範囲は、2400~11500ダルトンである。BASF(Mount Olive,N.J.)は、好適な一連の誘導体を製造し、それらをPluronicの商品名で販売している。これらの例は、それぞれ6600、2450、及び11400g/モルの分子量を有する、Pluronic(商標)F77、L62、及びF88である。有用なポリマー非イオン性界面活性剤の特に好ましい例は、Pluronic(商標)F77である。
【0067】
他の好適なエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、Surfactant Science and Technology,Third Edition,Wiley Press,ISBN 978-0-471-68024-6の第7章に記載されている。
【0068】
エトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、15~350秒、より好ましくは60~200秒、さらにより好ましくは75~150秒の湿潤効果を提供する。湿潤効果は、23℃で、2g/lのソーダを含む蒸留水中に1g/lのエトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤を使用して、EN1772に従って測定される。
【0069】
エトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルコキシ化され、大量のアルケンオキシド及びエチレンオキシドを含有し得る非分枝鎖脂肪族アルコールを含む、低起泡性非イオン性界面活性剤である。例えば、好ましいエトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤としては、BASFによって商品名「Plurafac」で販売されているもの、特にPlurafac LF131(25秒の湿潤効果)、LF132(70秒の湿潤効果)、LF231(40秒の湿潤効果)、LF431(30秒の湿潤効果)、LF1530(湿潤効果>300秒)、LF731(100秒の湿潤効果)、LF1430(湿潤効果>300秒)、及びLF7319(100秒の湿潤効果)が挙げられ得る。
【0070】
エトキシル化アルコキシ化非イオン性界面活性剤は、好ましくは水素化されておらず、したがって、脂肪族アルコール鎖は水素基で終端しない。かかる水素化非イオン性界面活性剤の例としては、Plurafac305及びPlurafac204が挙げられる。
【0071】
好適なアルコキシル化非イオン性界面活性剤としては、また、一級C6~C16アルコールポリグリコールエーテル、すなわち、アルキル部分に6~16個の炭素原子及び4~30個のエチレンオキシド(EO)単位を有するエトキシル化アルコールが挙げられる。例えばC9~14に言及する場合には、平均の炭素を意味し、代替的に例えばEO8に言及する場合には、平均のエチレンオキシド単位を意味する。
【0072】
好適なアルコキシ化非イオン性界面活性剤は、式:RO-(A)nHに従い、式中、Rが、C6~C18、好ましくはC8~C16、より好ましくはC8~C12アルキル鎖、又はC6~C28アルキルベンゼン鎖であり、Aは、エトキシ又はプロポキシ又はブトキシ単位であり、nは1~30、好ましくは1~15、より好ましくは4~12、さらにより好ましくは5~10である。本明細書における使用に好ましいR鎖は、C8~C22アルキル鎖である。本明細書における使用にさらに好ましいR鎖は、C9~C12アルキル鎖である。Rは、直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖であってよい。
【0073】
本明細書における使用に好適なエトキシル化非イオン性界面活性剤は、Dobanol(登録商標)91-2.5(HLB=8.1であり、Rは、C9及びC11アルキル鎖の混合物であり、nは2.5である)、Dobanol(登録商標)91-10(HLB=14.2;Rは、C9~C11アルキル鎖の混合物であり、nは10である)、Dobanol(登録商標)91-12(HLB=14.5;Rは、C9~C11アルキル鎖の混合物であり、nは12である)、Greenbentine DE80(HLB=13.8、98重量%C10直鎖アルキル鎖、nは8である)、Marlipal 10-8(HLB=13.8、Rは、C10直鎖アルキル鎖であり、nは8である)、Lialethl(登録商標)11-5(Rは、C11アルキル鎖であり、nは5である)、Isalchem(登録商標)11-5(Rは、直鎖及び分枝鎖C11アルキル鎖の混合物であり、nは5である)、Lialethl(登録商標)11-21(Rは、直鎖及び分枝鎖C11アルキル鎖の混合物であり、nは21である)、Isalchem(登録商標)11-21(Rは、C11分枝鎖アルキル鎖であり、nは21である)、Empilan(登録商標)KBE21(Rは、C12及びC14アルキル鎖の混合物であり、nは21である)、又はこれらの混合物である。本明細書で好ましいものとしては、Dobanol(登録商標)91-5、Neodol(登録商標)11-5、Lialethl(登録商標)11-21 Lialethl(登録商標)11-5 Isalchem(登録商標)11-5 Isalchem(登録商標)11-21 Dobanol(登録商標)91-8、又はDobanol(登録商標)91-10、又はDobanol(登録商標)91-12、あるいはこれらの混合物がある。これらのDobanol(登録商標)/Neodol(登録商標)界面活性剤は、SHELLより市販されている。これらのLutensol(登録商標)界面活性剤は、BASF社より市販され、これらのTergitol(登録商標)界面活性剤は、Dow Chemicals社より市販されている。
【0074】
本明細書における使用に好適なアルコキシル化非イオン性界面活性剤の化学的な調製プロセスとしては、所望の割合での対応するアルコールとアルキレンオキシドとの縮合が挙げられる。OXOプロセス及びその様々な派生物を含むかかるプロセスは、当業者に周知であり、技術分野において広く説明されている。OXOプロセスを使用して生成される好適なアルコキシル化脂肪族アルコール非イオン性界面活性剤は、Shell Chemical Companyによって商品名NEODOL(登録商標)で販売されている。あるいは、好適なアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、チーグラープロセスなどの他のプロセス、加えてOXO又はチーグラープロセスの派生物によって調製され得る。
【0075】
好ましくは、当該アルコキシ化非イオン性界面活性剤は、C9~11EO5アルキルエトキシレート、C12~14EO5アルキルエトキシレート、C11EO5アルキルエトキシレート、C12~14EO21アルキルエトキシレート、又はC9~11EO8アルキルエトキシレート、又はこれらの混合物である。最も好ましくは、当該アルコキシ化非イオン性界面活性剤は、C11EO5アルキルエトキシレート又はC9~11EO8アルキルエトキシレート又はこれらの混合物である。
【0076】
別の好適なクラスの非イオン性界面活性剤はアルキルポリグリコシドであり、当技術分野で周知の生分解性非イオン性界面活性剤である。好適なアルキルポリグリコシドは、一般式CnH2n+1O(C6H10O5)xHを有することができ、式中、nは好ましくは9~16、より好ましくは11~14であり、xは好ましくは1~2、より好ましくは1.3~1.6である。かかるアルキルポリグリコシドは、消泡活性と洗浄性との間の良好なバランスを提供する。アルキルポリグリコシド界面活性剤は、多種多様に市販されている。非常に好適なアルキルポリグリコシド生成物の例は、本質的にアルキルポリグリコシドの水性分散体であるPlanteren APG600であり、式中、nが約13であり、xが約1.4である。
【0077】
追加の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、950g/モル未満、より好ましくは500g/モル未満の分子量を有する低分子量非イオン性界面活性剤である。
【0078】
別の好適な非イオン性界面活性剤は、双性イオン性界面活性剤である。双性イオン性界面活性剤は、典型的には、使用pHにおいて電気的に中性であるように、実質的に等しい比率でカチオン性基及びアニオン性基を両方含有する。典型的なカチオン性基は、四級アンモニウム基であり、ホスホニウム、イミダゾリウム、及びスルホニウム基のような他の正に帯電している基が使用され得る。典型的なアニオン性親水基は、カルボキシレート及びスルホネートであるが、サルフェート、ホスホネートなどのような他の基が使用され得る。
【0079】
双性イオン性界面活性剤(例えば、ベタイン/スルホベタイン界面活性剤など)のいくつかの一般的な例は、米国特許第2,082,275号、同第2,702,279号、及び同第2,255,082号に記載されている。例えば、ココナッツジメチルベタインは、Seppicから商品名Amonyl 265(登録商標)で市販されている。ラウリルベタインは、Albright&Wilsonから商品名Empigen BB/L(登録商標)で市販されている。ベタインのさらなる例は、Rhodiaから商品名Mirataine H2C-HA(登録商標)で市販のラウリル-イミノジプロピオネートである。
【0080】
スルホベタイン界面活性剤は、石鹸かすの洗浄を改善することができるので、特に好ましい。好適なスルホベタイン界面活性剤の例としては、タロービス(ヒドロキシエチル)スルホベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルホベタインが挙げられ、これらは、Rhodia及びWitcoからそれぞれ商品名Mirataine CBS(登録商標)及びReWoteric AM CAS15(登録商標)で市販されている。
【0081】
G.アニオン性界面活性剤
液体硬質表面洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤を含み得る。特に好ましい一実施形態において、組成物はアニオン性界面活性剤を本質的に含まない。しかしながら、含まれる場合、アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシ化サルフェート、スルホン酸又はスルホネート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0082】
H.コポリマー:
洗浄組成物は、洗浄組成物の重量基準で、0.005%~1.5%、より好ましくは0.01%~1%、さらにより好ましくは0.01%~5%、最も好ましくは0.01~0.06%の、式(III)のモノマー(モノマーA)及び式(IVa~IVd)のモノマー(モノマーB)を含む群から選択されるモノマーを含むコポリマー(以下、「コポリマー」と称する)を含み得る。コポリマーは、60~99重量%、好ましくは70~95重量%、及び特に80~90重量%の、少なくとも1つの式(III)のモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマー(モノマーA)を含み、
【0083】
【化8】
式中、式(III)のYが、-O-及び-NH-から選択され、式(III)のYが-O-の場合、式(III)のXが-CH
2-、又は-CO-から選択され、式(III)のYが-NH-である場合、式(III)のXが-CO-であり、式(III)のR
1が、水素、メチル及びこれらの混合物から選択され、式(III)のR
2が、独立して、直鎖又は分枝鎖のC
2~C
6-アルキレンラジカルから選択され、これらは、ブロック状又はランダムに配列され得、式(III)のR
3が、水素、C
1~C
4-アルキル、及びこれらの混合物から選択され、式(III)のnが、5~100、好ましくは10~70、より好ましくは20~50の整数である。
【0084】
コポリマーは、1~40重量%、好ましくは2~30重量%、特に5~20重量%の、少なくとも1つの式(IVa~IVd)の四級化窒素含有モノエチレン性不飽和モノマー(モノマーB)を含む。
【0085】
モノマーは、コポリマーが5,000g/mol~500,000g/mol、好ましくは7,000g/mol超~150,000g/mol、特に10,000g/mol~80,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有するように選択される。
【0086】
コポリマーは、好ましくはpH5で正味の正電荷を有する。本開示で使用されるコポリマーは、モノマーC及び/又はDをさらに含み得る。モノマーCは、コポリマーの重量に対し、0重量%~15重量%、好ましくは0重量%~10重量%、特に1重量%~7重量%の、アニオン性モノエチレン性不飽和モノマーを含み得る。
【0087】
モノマーDは、コポリマーの0重量%~40重量%、好ましくは1~30重量%、特に5~20重量%の他の非イオン性モノエチレン性不飽和モノマーを含み得る。
【0088】
本開示に従った好ましいコポリマーは、共重合したモノマーAとして、式(III)のモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマーを含み、式中、式(III)のYが、-O-であり、式(III)のXが、-CO-であり、式(III)のR1が、水素又はメチルであり、式(III)のR2が、独立して、ブロック状又はランダムに配置されている直鎖又は分枝鎖のC2~C4-アルキレンラジカル、好ましくはエチレン、1,2-若しくは1,3-プロピレン、又はこれらの混合物から選択され、特に好ましくはエチレンであり、式(III)のR3が、メチルであり、nが、20~50の整数である。
【0089】
モノマーA
本開示のコポリマーに使用されるモノマーAは、例えば:
(a)一端がアルキルラジカルで末端封止された、(メタ)アクリル酸と末端封止されていないポリアルキレングリコールとの反応生成物、及び
(b)末端封止されていないか又は一端がアルキルラジカルで末端封止された、ポリアルキレングリコールのアルケニルエーテルであり得る。
【0090】
好ましいモノマーAは、(メタ)アクリレート及びアリルエーテルであり、アクリレート及び主にメタアクリレートが特に好ましい。モノマーAの特に好適な例は、
(a)メチルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、メチルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、メチルポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、メチルポリ(プロピレンオキシド-コ-エチレンオキシド)(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、エチルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、エチルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、エチルポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、並びにエチルポリ(プロピレンオキシド-コ-エチレンオキシド)(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、であって、各々5~100、好ましくは10~70、特に好ましくは20~50のアルキレンオキシド単位を有し、メチルポリエチレングリコールアクリレートが好ましく、メチルポリエチレングリコールメタクリレートが特に好ましい、
(b)各々5~100、好ましくは10~70、特に好ましくは20~50のアルキレンオキシド単位を有する、エチレングリコールアリルエーテル及びメチルエチレングリコールアリルエーテル、プロピレングリコールアリルエーテル及びメチルプロピレングリコールアリルエーテルである。
【0091】
本開示に従ったコポリマー中のモノマーAの比率は、コポリマーの重量に対し、60重量%~99重量%、好ましくは70重量%~95重量%、より好ましくは80重量%~90重量%である。
【0092】
モノマーB
本開示のコポリマーに特に好適なモノマーBとしては、1-ビニルイミダゾールの四級化生成物、ビニルピリジンの四級化生成物、(メタ)アクリル酸エステルのアミノアルコールとの四級化生成物、特に、N,N-di-C1~C4-アルキルアミノ-C2~C6-アルコール、アミノ含有(メタ)アクリルアミドの四級化生成物、特に、(メタ)アクリル酸のN,N-di-C1~C4-アルキルアミノ-C2~C6-アルキルアミド、及びジアリルアルキルアミンの四級化生成物、特に、ジアリル-C1~4-アルキルアミンが挙げられる。
【0093】
好適なモノマーBは、式IVa~IVdを有し、
【0094】
【0095】
【化10】
式中、式IVa~IVdのRが、C
1~C
4-アルキル又はベンジル、好ましくはメチル、エチル又はベンジルから選択され、式IVcのR’が、水素又はメチルから選択され、式IVcのYが、-O-又は-NH-から選択され、式IVcのAが、C
1~C
6-アルキレン、好ましくは直鎖又は分枝鎖のC
2~C
4-アルキレン、特に1,2-エチレン、1,3-及び1,2-プロピレン、又は1,4-ブチレンから選択され、式IVa~IVdのX
-は、ヨウ化物、好ましくは塩化物又は臭化物などのハロゲン化物、C
1~C
4-アルキルサルフェート、好ましくはメチルサルフェート又はエチルサルフェート、C
1~C
4-アルキルスルホネート、好ましくはメチルスルホネート又はエチルスルホネート、C
1~C
4-アルキルカーボネート、及びこれらの混合物から選択される。
【0096】
本開示において利用され得る好ましいモノマーBの具体例は、
(a)3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムメチルサルフェート、3-エチル-1-ビニルイミダゾリウムエチルサルフェート、3-エチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド、及び3-ベンジル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド、
(b)1-メチル-4-ビニルピリジニウムクロリド、1-メチル-4-ビニルピリジニウムメチルサルフェート、及び1-ベンジル-4-ビニルピリジニウムクロリド、
(c)3-メタクリルアミド-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムクロリド、3-アクリル-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムクロリド、3-アクリル-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムメチルサルフェート、3-メタクリル-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムクロリド、3-メタクリル-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムメチルサルフェート、2-アクリルアミド-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムクロリド、2-アクリル-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムクロリド、2-アクリル-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムメチルサルフェート、2-メタクリル-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムクロリド、2-メタクリル-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムメチルサルフェート、2-アクリル-N,N-ジメチル-N-エチルエタン-1-アミニウムエチルサルフェート、2-メタクリル-N,N-ジメチル-N-エチルエタン-1-アミニウムエチルサルフェート、並びに
(d)ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びジエチルジアリルアンモニウムクロリドである。
【0097】
好ましいモノマーBは、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムメチルサルフェート、3-メタクリル-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムクロリド、2-メタクリル-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムクロリド、2-メタクリル-N,N-ジメチル-N-エチルエタン-1-アミニウムエチルサルフェート、及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドから選択される。
【0098】
本開示に従ったコポリマーは、コポリマーの重量に対し、1重量%~40重量%、好ましくは2%~30%、特に好ましくは5~20%のモノマーBを含む。モノマーAとモノマーBとの重量比は、好ましくは、2:1以上、好ましくは3:1~5:1である。
【0099】
モノマーC
本開示のコポリマーの任意選択的な成分として、モノマーC及びDもまた利用され得る。モノマーCは、アニオン性モノエチレン性不飽和モノマーから選択される。好適なモノマーCは、
(a)アクリル酸、メタクリル酸、2-メチレンブタン酸、クロトン酸及びビニル酢酸、好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸などの、好ましくは3~6個の炭素原子を有するα,β-不飽モノカルボン酸、
(b)イタコン酸及びマレイン酸などの、好ましくは4~6個の炭素原子を有する不飽和ジカルボン酸、これらの無水物(無水マレイン酸など)、
(c)ビニルスルホン酸、アクリルアミド-プロパンスルホン酸、メタアリルスルホン酸、メタアクリルスルホン酸、m-及びp-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエタンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-ブタンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、メタンスルホン酸アクリレート、エタンスルホン酸アクリレート、プロパンスルホン酸アクリレート、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタアリルオキシベンゼンスルホン酸、及び1-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸などのエチレン性不飽和スルホン酸、並びに
(d)ビニルホスホン酸、並びにm-及びp-スチレンホスホン酸などのエチレン性不飽和ホスホン酸から選択され得る。
【0100】
アニオン性モノマーCは、水溶性の酸非含有形態又は水溶性塩形態、特にアルカリ金属及びアンモニウム形態、特にアルカリアンモニウム、塩、及び好ましくはナトリウム塩である塩の形態で存在し得る。
【0101】
好ましいモノマーCは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びビニルホスホン酸、特に好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択され得る。
【0102】
本開示のコポリマー中のモノマーCの比率は、コポリマーの重量に対し、15重量%以下、好ましくは1重量%~5重量%であり得る。
【0103】
モノマーCが本開示のコポリマー中に存在する場合、モノマーBとモノマーCとのモル比は、1超である。モノマーAとモノマーCとの重量比は、好ましくは4:1以上であり、より好ましくは5:1以上である。さらに、モノマーBとモノマーCとの重量比は、2:1以上であり、さらにより好ましくは2.5:1である。
【0104】
モノマーD
本開示のコポリマーの任意選択的な成分として、モノマーDもまた利用され得る。モノマーDは、
(a)モノエチレン性不飽和C3~C6-カルボン酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸と一価のC1~C22-アルコール、特にC1~C16-アルコールとのエステル、並びにモノエチレン性不飽和C3~C6-カルボン酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの二価のC2~C4アルコールと、のヒドロキシアルキルエステル、
(b)モノエチレン性不飽和C3~C6-カルボン酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸と、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-オクチル(メタ)アクリルアミド及びN-ウンデシル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドなどのC1~C12-アルキルアミン及びジ(C1~C4-アルキル)アミンと、のアミド、
(c)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルなどの飽和C2~C30-カルボン酸、特にC2~C14-カルボン酸のビニルエステル、
(d)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル-n-プロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニル-n-ブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル-2-エチルヘキシルエーテル、及びビニルオクタデシルエーテルなどのビニルC1~C30-アルキルエーテル、特にビニルC1~C18-アルキルエーテル、
(e)N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチル-ホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、及びN-ビニルカプロラクタムなどのN-ビニルアミド及びN-ビニルラクタム、
(f)エチレン、プロピレン、C4~C24-α-オレフィン、特にC4~C16-α-オレフィン、例えば、ブチレン、イソブチレン、ジイソブテン、スチレン、及びα-メチルスチレンなどの脂肪族及び芳香族オレフィン、並びに活性二重結合を有するジオレフィン、例えばブタジエン、
(g)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどの不飽和ニトリルから選択される非イオン性モノエチレン性不飽和モノマーから選択される。
【0105】
好ましいモノマーDは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルメチルエーテル、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルイミダゾール、及びN-ビニルカプロラクタムから選択される。N-ビニルイミダゾールが、特に好ましい。
【0106】
モノマーDが本開示のコポリマー中に存在する場合、モノマーDの比率は、コポリマーの重量に対し、40%以下、好ましくは1%~30%、より好ましくは5%~20%であり得る。
【0107】
本開示の好ましいコポリマーとしては、
【0108】
【化11】
が挙げられ、式中、添え字y及びzは、モノマー比(z:y)が3:1~20:1であるようなものであり、印x及びzが、モノマー比(z:x)が1.5:1~20:1であるようなものであり、ポリマーが、20,000~500,000g/モル、好ましくは25,000超~150,000g/モル、特に30,000~80,000g/モルの重量平均分子量を有する。
【0109】
本開示に従ったコポリマーは、モノマーA及びB、並びに所望であれば、C及び/又はDのフリーラジカル重合によって調製され得る。モノマーのフリーラジカル重合は、全ての既知の方法に従って実施され得、溶液重合及び乳化重合のプロセスが好ましい傾向がある。好適な重合開始剤は、熱又は光化学的(光開始剤)に分解して、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾインエーテル、ベンジルジアルキルケトン及びこれらの誘導体などのフリーラジカルを形成する化合物である。
【0110】
重合開始剤は、重合される材料の必要条件に従って、通常、重合されるモノマーの重量に対し、0.01重量%~15重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%の量で使用され、個々に又は互いに組み合わせて使用され得る。
【0111】
四級化モノマーBの代わりに、対応する三級アミンを使用することも可能である。この場合、生じたコポリマーと、ハロゲン化アルキル、ジアルキルサルフェート及びジアルキルカーボネート、又はハロゲン化ベンジル(塩化ベンジルなど)などのアルキル化剤と、を反応させることによる重合の後、四級化が行われる。触れることができる好適なアルキル化剤の例としては、塩化メチル、臭化メチル及びヨウ化メチル、塩化エチル及び臭化エチル、ジメチルサルフェート、ジエチルサルフェート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートがある。
【0112】
アニオン性モノマーCは、遊離酸の形態、又は部分的若しくは完全に塩で中性化された形態のいずれかにおける重合に使用され得る。列挙され得る具体例には、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがある。
【0113】
本開示に従ったコポリマーのモル質量を制限するために、従来の調節剤、例えば、メルカプトエタノールなどのメルカプト化合物、チオグリコール酸、及び二亜硫酸ナトリウムが重合中に添加され得る。調節剤の好適な量は、重合されるモノマーの重量に対し、0.1重量%~5重量%である。
【0114】
I.第四級化合物
液体硬質表面洗浄組成物は、四級化合物を含み得る。好ましくは、液体硬質表面洗浄組成物は、組成物の0.001~2重量%、より好ましくは0.002~0.5重量%、最も好ましくは0.005重量%~01重量%のレベルで四級化合物を含む。
【0115】
従来、四級化合物を含む組成物は、処理された表面上に見苦しいフィルム形成及び/又は筋形成を残す傾向がある。しかしながら、本開示の組成物は、驚くべきことに、向上した光沢及び低減された筋形成をもたらす。理論に束縛されるものではないが、この向上した光沢の利益は、溶媒の脱水特性の結果である。さらに、開示される本組成物は、高い光沢を依然としてもたらしながら、5logのマイクロエフィカシー(micro efficacy)をもたらす高い抗菌的利益を提供する。
【0116】
本明細書で有用な四級化合物は、好ましくは、C6~C18アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、C6~C18ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、四級化合物は、C8~C12アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、C8~C12ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、四級化合物は、C10ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドである。
【0117】
有用な四級化合物の非限定例としては、(1)Maquat(登録商標)(Masonから入手可能)、及びHyamine(登録商標)(Lonzaから入手可能);(2)Lonzaの製品Uniquat(登録商標)及びBardac(登録商標)などの、ジ(C6~C14)アルキルジ短鎖(C1~4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級、(3)Dowから入手可能なDowicil(登録商標)及びDowicil(登録商標)などのN-(3-クロロアリル)ヘキサミニウムクロリド、並びに(4)ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(Bardac22、Uniquat2250、又はBardac2250)、及びジオクチルジメチルアンモニウムクロリド(Bardac2050)などのジ(C8~C12)ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0118】
好ましくは、四級化合物は、ベンジル四級アンモニウム塩ではない。かかるベンジル四級アンモニウム塩の例としては、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(Uniquat QAC)が挙げられる。
【0119】
J.窒素含有ポリマー
液体硬質表面洗浄組成物は、窒素含有ポリマーを含み得る。本明細書で有用な窒素含有ポリマーとしては、アミン(一級、二級、及び三級)、アミン-N-オキシド、アミド、ウレタン、及び/又は四級アンモニウム基を含有するポリマーが挙げられる。存在するとき、本明細書のポリマーは、表面からの任意の存在するカチオン性四級化合物に取って代わるために、処理される表面と強く相互作用する傾向がある窒素含有基を含有することが重要である。
【0120】
好ましくは、本明細書のポリマーは、塩基性窒素基を含有する。塩基性窒素基としては、プロトン受容体として作用可能な一級、二級、及び三級アミンが挙げられる。したがって、本明細書の好ましいポリマーは、溶液のpHに応じて、非イオン性又はカチオン性であってもよい。本明細書で有用なポリマーは、窒素基に加えて、他の官能基を含み得る。本明細書で好ましいポリマーはまた、四級アンモニウム基を本質的に含まないか、又は含まない。
【0121】
好ましくは、本明細書のポリマーは、分枝鎖ポリマー、特に櫛、グラフト、放射状、及び樹枝状構造を含む高度に分枝したポリマーである。好ましくは、本明細書のポリマーは、直鎖ポリマーではない。
【0122】
本明細書の窒素含有ポリマーは、未変性又は変性ポリアミン、特に未変性又は変性ポリアルキレンイミンであり得る。好ましくは、本明細書の窒素含有ポリマーは、変性ポリアミンである。ポリ(C2~C12アルキレンイミン)としては、単純なポリエチレンイミン及びポリプロピレンイミン、並びにこれらのポリアミンを含有するより複雑なポリマーが挙げられる。ポリエチレンイミンは、アジリジンの重合、又は(ジ)アミンのアルキレンジクロリドとの反応によって生成される一般的な市販の材料である。ポリプロピレンイミンはまた、本明細書に含まれる。
【0123】
変性ポリアミンが好ましいが、直鎖又は分枝鎖ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン又はポリプロピレンイミンは、四級化合物を含有するかかる組成物から生じるフィルム形成及び/又は筋形成を緩和するために、本発明の組成物に好適であり得る。分枝鎖ポリアルキレンイミンは、直鎖ポリアルキレンイミンよりも好ましい。好適なポリアルキレンイミンは、典型的には、約1,000~約30,000ダルトン、好ましくは約4,000~約25,000ダルトンの分子量を有する。四級化合物を含有する組成物によって引き起こされるフィルム形成及び/又は筋形成の問題を緩和するポリアルキレンイミンの能力が、それらのエトキシル化又はプロポキシル化によって低減又は排除されることが見出されているので、かかるポリアルキレンイミンは、エトキシル化基及び/又はプロポキシル化基を全く含まない。
【0124】
好ましい洗浄組成物では、典型的には、本組成物の重量基準で、約0.005重量%~約1重量%、好ましくは約0.005重量%~約0.3重量%、より好ましくは約0.005重量%~約0.1重量%のレベルの窒素含有ポリマーを含む。
【0125】
本明細書の窒素含有ポリマーとして有用な好ましい変性ポリアミンの例は、約25,000ダルトンの分子量を有する分枝鎖ポリエチレンイミン、並びに、BASFから入手可能なLupasol(登録商標)FG、Lupasol(登録商標)SK、及びLupasol(登録商標)SK(A)である。
【0126】
K追加のポリマー
液体硬質表面洗浄組成物は、追加のポリマーを含み得る。本明細書に記載の特定のポリマーの存在は、存在するとき、ポリマーが組成物に提供する特定の泡立ち/起泡特徴のために液体組成物の油脂除去性能をさらに改善することを可能にすることが見出されている。本明細書における使用に好適なポリマーは、同時係属の欧州特許出願第2272942(09164872.5)号、及び登録欧州特許第2025743(07113156.9)号に開示されている。
【0127】
ポリマーは、ビニルピロリドンホモポリマー(PVP)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(DM-PEG)、ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート、又はメタクリレートコポリマー、ポリスチレンスルホネートポリマー(PSS)、ポリビニルピリジン-N-オキシド(PVNO)、ポリビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー(PVP-VI)、ポリビニルピロリドン/ポリアクリル酸コポリマー(PVP-AA)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(PVP-VA)、ポリアクリル酸ポリマー又はポリアクリル酸マレイン酸コポリマー、及びポリアクリル酸又はポリアクリル酸マレイン酸ホスホノ末端基コポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0128】
典型的には、液体硬質表面洗浄組成物は、全組成物の重量に対し、0.001重量%~1.0重量%、好ましくは0.005重量%~0.5重量%、より好ましくは0.01重量%~0.05重量%、最も好ましくは0.01重量%~0.03重量%の当該ポリマーを含み得る。
【0129】
L.香料
本洗浄組成物は、所望の香り特性を提供し、洗浄組成物中に均一に可溶化されて一貫した放出特性をもたらし得るような有効量で配合された香料組成物を含む。香料組成物は、香料組成物の重量基準で少なくとも60重量%の、1.0を超える平均ClogP値を有する香料原材料(PRM)を含む。香料組成物は、本洗浄組成物の重量基準で、少なくとも0.005%、0.005%~3%、0.005%~1%、0.006%~0.4%の量であってもよく、又は上記の上限パーセンテージ及び下限パーセンテージの異なる組み合わせの量であってもよく、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの量であってもよい。
【0130】
アルコキシル化フェノールがエトキシル化フェノールである場合、香料組成物は、2.0を超える、少なくとも2.5の、より好ましくは3.0を超える、さらにより好ましくは3.5を超える平均ClogP分布を有するPRMを、香料組成物の重量基準で、少なくとも8重量%、80重量%~99.9重量%、80重量%~95重量%、85重量%~95重量%を含んでいてもよく、好ましくは、平均ClogP分布は、2.5~6.0、より好ましくは3.5~6.0である。
【0131】
M.他の任意選択的な成分
液体硬質表面洗浄組成物は、目的とする技術的利点及び処理される表面に依存して、種々の他の任意選択的な成分を含み得る。本明細書における使用に好適な任意選択的な成分としては、ビルダー、他のポリマー、緩衝剤、殺菌剤、ヒドロトロープ、着色剤、安定剤、ラジカルスカベンジャー、研磨剤、汚れ浮遊剤、増白剤、防塵剤、分散剤、転染阻害剤、顔料、シリコーン、及び/又は染料が挙げられる。
【0132】
本洗浄組成物は、当技術分野で公知の任意の適切な方法で作製することができる。成分の全てを単に、一緒に混合することができる。特定の実施形態では、プレミックスなどの成分の濃縮混合物を作製し、使用前にこれを水性キャリアに添加することによって希釈することが望ましい場合がある。別の実施形態では、エトキシル化フェノールは、水などの成分を含有する1つの容器に分散されてもよく、界面活性剤、溶媒及びポリマーなどの追加の成分を含有してもよい。全ての材料を完全に分散し、見た目に溶解するまで添加する。別の容器内で、可溶化材料(界面活性剤及び溶媒、いくつかの実施形態では、エトキシル化フェノールを含有してもよい)及び香料を均質になるまで混合する。次いで、可溶化材料の溶液及び香料を第1の混合容器に加え、均質になるまで混合する。
【0133】
II.洗浄パッド
液体硬質表面洗浄組成物は、本開示の洗浄パッドと組み合わせて使用され得る。洗浄パッドは乾燥していてもよく、洗浄組成物で湿潤された表面に接触してもよく、又は洗浄パッドは予め湿らせてもよい。洗浄パッドは、1つ以上の層を備え得る。
【0134】
図1A、1B、及び2を参照すると、洗浄パッド10は、標的表面上に付着している洗浄流体及び他の液体の吸収及び貯蔵を提供するために、複数の層を備え得る。標的表面は、本明細書において床として記載されるが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識するであろう。標的表面は、テーブル又は調理台などの任意の硬質表面であってもよく、この表面から、こぼれ、洗浄溶液などの液体を吸収及び保持することが望ましい。
【0135】
洗浄パッド10は、洗浄中に床に接触し、好ましくは洗浄中に所望の摩擦係数を提供する液体透過性フロアシート14を備え得る。吸収性ゲル化材料(「AGM」)16Aを好ましくは含む吸収性コア16は、フロアシート14の内向き表面上に配置され、且つ任意選択的に接合される。フロアシートは、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%の吸収性を有し得る。洗浄パッドが床以外の表面を洗浄するために使用される場合、フロアシートは、洗浄される表面に接触するシートであり得ることが理解されるべきである。
【0136】
洗浄パッドのフロアシートは、約1mm~約5mm、より好ましくは約1.5mm~約3.0mm、最も好ましくは約1.2mmの厚さを有し得る。
【0137】
平滑化ストリップ12は、フロアシート14の外向き表面上に配置され得る。任意選択的に、バックシート18は、フロアシート14の反対側のコア16に接合されて、洗浄パッド10の用具30への取り付けを提供してもよい。バックシート18は、用具30への取り付けを特に容易にするために、1つ以上の取り付けストリップ20を有する外向き表面を有し得る。洗浄パッド10は、概ね平面であってもよく、XY平面及び関連するX、Y軸を画定し得る。Z軸は、それに対して垂直であり、洗浄パッド10が床に使用されているときに概ね垂直である。
【0138】
所望であれば、コア16は、洗浄パッド10の吸収能力を増加するためにAGM16Aを含み得る。洗浄パッド10の最も効果的な使用を提供するため、迅速な吸収を回避し、流体をゆっくりと吸収するような様式で、粒子の形態であり得るAGM16Aは、洗浄パッド10内に分散され得る。AGM16Aはまた、床から吸収された汚れた液体を捕捉し、再付着を防止する。所望であれば、発泡体吸収性材料又は繊維状材料が、コア16に組み込まれてもよい。
【0139】
洗浄パッド10をより詳細に検査すると、洗浄パッド10は、積層体に配置された複数の層を備え得る。最下部、すなわち下向きの外側層は、開口部を備え、そこを通って液体の透過を可能にし、且つ、標的表面の摺洗を促進し得る。1つ、2つ、又はそれ以上のコア16の層は、液体の貯蔵を提供し得、吸収性ゲル化材料を含み得る。洗浄パッド10は、本願と同一譲渡人に譲渡された米国特許第6,003,191号及び同第6,601,261号に記載のように、乾燥洗浄パッド10の1グラム当たり、少なくとも10、15、又は20グラムの洗浄溶液の吸収能を有し得る。
【0140】
任意選択的な上側、すなわち上向きの層は、バックシート18であり、吸収された流体の損失を最小限に抑え、用具30なしで洗浄パッド10が使用される場合に使用者の手を保護するために液体不透過性であってもよい。上側層は、洗浄パッド10の洗浄用具30への取り外し可能な取り付けをさらに提供し得る。上側層は、LDPEなどのポリオレフィンフィルム製であってよい。好適なバックシート18は、10~30gsmの坪量を有するPE/PPフィルムを含む。
【0141】
バックシート18に取り付けられるのは、1つ以上の任意選択的な取り付けストリップ20であり得る。取り付けストリップ20は、接着剤、好ましくは感圧性接着剤を含み得るか、又は用具30上の補完的なフックへの取り外し可能な取り付けのためのループであり得る。好適なループ取り付けストリップ20は、PEフィルムの積層体及びナイロンループを含み得る。
【0142】
バックシート18及びフロアシート14は、技術分野において既知のように、周辺を接合されてもよい。この配置は、コア16をしっかりと保持するためのポケットを作る。コア16は、フロアシート14及びバックシート18のそれぞれの内向き表面と並置され、且つ任意選択的に接合されてもよい。
【0143】
コア16は、単一層又は2つ以上の層を備え得る。複数の層がコア16用に選択される場合、示されるように、フロアシート14が近づくにつれて、層の幅が減少し得る。コア16は、Glatfelter(York,PA)から入手可能なエアレイドセルロース及び任意選択的なポリマー繊維を含み得る。2つのエアレイドセルロースのコア16の層が選択される場合、コア16の各層は、少なくとも約75、100、125、150、175、200、又は225gsm、且つ約300gsm未満の坪量を有し得る。
【0144】
好ましくは、コア16の各層は、AGM16Aを含む。AGM16Aは、その自重の少なくとも10、15、又は20倍を吸収し得る。AGM16Aは、技術分野において既知のように、製造中にエアレイドコア16の層に吹き込まれてもよい。好適なAGM16Aは、Evonik(Essen,Germany)からZ3070Gとして入手可能である。AGM16Aの勾配分布を含有するエアレイド材料は、Glatfelter(York,PA)から入手可能である。
【0145】
AGM16Aの勾配分布は、2つ以上の形成ヘッドを使用することによって達成され得る。例えば、エアフェルト/AGM16Aの線は、3つの形成ヘッドを有し得る。第1のヘッドは、分散しているセルロースに対して比較的大量のAGM16Aをそのヘッドから分配してもよい。この混合物が第1のAGM16A/セルロース基材の上側に置かれた状態で、第2の形成ヘッドは、セルロース基材に対して少量のAGM16Aを分配してもよい。このパターンは、必要に応じて多くの形成ヘッドを使用して繰り返されてもよい。所望であれば、最終形成ヘッドは、純粋なセルロースを分配し、AGM16Aを分配しなくてもよい。一般に、各形成ヘッドからの層は、隣接する層と混合しない。接着剤結合及び/又は熱接着は、重なり合った層を定位置に保持し、構造的な剛性を提供し得る。
【0146】
好適なコア16の層、並びにAGM16Aの勾配分配を有する、1つ以上のコア16の層を作製するための好適な装置及びプロセスは、2013年12月10日発行の米国特許第8603622号に見出される。米国特許第8603622号の教示は、好適なコア16の層について教示として、段落5、第8~第14行、並びに本発明のコア16の層を作製するために好適なデバイスの製造についての教示として、段落16、第41行~段落17、第59行での考察と共に
図3~4への参照により本明細書に援用される。
【0147】
2つのエアレイドセルロースコア16の層が選択される場合、フロアシート14と並置されている下部コア層16Lは、約10~20重量パーセントのAGM16Aを含み得、約15パーセントが好適であると見出されている。任意選択的なバックシート18と並置されている上部コア層16Uは、約20~約30重量パーセントのAGM16Aを含み得、約25パーセントが好適であると見出されている。全ての層を考慮したコア16の全体は、5~50重量%、又は10~45重量%のAGM16Aを含み得、AGM16Aの量及び勾配分布は、本発明に役立つと見出されている。本明細書に記載及び特許請求されるAGM16Aのパーセントは、フロアシート14、バックシート18、平滑化ストリップ12、又は取り付けストリップ20を考慮せず、その特定のコア16の層(16U又は16L)におけるAGM16Aの重量パーセントを指す。
【0148】
各コア層16L、16U、及び特に上部コア層16Uは、より大きな吸収性の利点を提供するようにさらに階層を形成されてもよい。上部コア層16Uは、形成される際に3つの階層を有してもよい。階層は、0、25、及び50重量パーセントを構成してもよく、存在する場合、バックシート18が近づくにつれて単調に増加し、勾配分配を提供する。
【0149】
一般に、上部コア層16Uは、下部コア層16Lよりも絶対基準及び重量パーセント基準の両方に基づいて、より多くのAGM 16Aを含むことが望ましい。この配置は、下部コア層16L内のゲルをブロッキングすることによって、標的表面からの液体の完全な吸収を妨げず、液体がフロアシート14から上方に且つフロアシートから離れて輸送されるという利点を提供する。
【0150】
より多くのAGM16Aを、好ましくは絶対基準に基づいて、又は任意選択的に重量パーセント基準に基づいて提供する、任意の配置が好適である。あるいは、コア16の層又は単一コア16の層のいずれかは、Z方向にAGM16Aの濃度が増加していてもよい。
【0151】
技術分野において既知であるような任意のかかるプロセス、又はバックシート18に近づくにつれてZ方向にAGM16Aが増加していることを提供する配置は、本明細書ではAGM16A勾配と見なされる。AGM16Aの勾配はゆるやかであってもよく、1つ以上の段階的な増加又はこれらの任意の組み合わせを含み得ることが認識されるべきである。
【0152】
フロアシート14は、約20~約80gsm、特に約28~60gsmの坪量を有する別個の開口不織布を含み得る。フロアシート14は、疎水性であってもよく、合成繊維で作製されてもよい。好適なフロアシート14は、Fitsea(Simpsonville,SC)からSofSpanとして入手可能な、60gsmのPE/PPの、個別の開口スパンボンド不織布である。フロアシート14は、水と101~180度の接触角を有し得る。
【0153】
フロアシート14は、平滑化ストリップ12を備え得る。平滑化ストリップ12は、フロアシート14よりも狭い幅を有してもよく、フロアシート14の幅の少なくとも約10、20、30、40、50、60、又は70%を構成し得る。平滑化ストリップ12は、少なくとも10、20、30、40、50、100、150、200、250mm且つ70、80、100、200又は300mm未満の幅を有し得、24~44mmの幅が好適であり、34mmの幅が好ましい。
【0154】
平滑化ストリップ12は、親水性であってもよい。本明細書で使用される場合、親水性とは、本明細書に記載の試験方法によって測定されるとき、0~100度の接触角を有することを意味する。平滑化ストリップ12は、特に30~100度、より具体的には55~90度の接触角を有し得る。平滑化ストリップ12は、親水性であるために少なくとも50%のセルロース含有量で構成され得る。
【0155】
より具体的には、好適な平滑化ストリップ12は、セルロース繊維及び合成繊維の積層体を備え得る。かかる積層体は、本明細書に記載の洗浄パッド10の性能を達成するのに役立つと考えられる。セルロース繊維積層体は、床に摩擦及び吸収性を提供するために、外向きであってもよい。合成繊維層は、使用中に完全性を提供するために、フロアシート14と接触する関係で位置してもよい。
【0156】
40gsmのGenesis tissueとしてSuominen(Helsinki,Finland)によって販売されている、23gsmの薄葉紙及び17gsmの水流交絡ポリプロピレンスパンボンドが、好適な平滑化ストリップ12となると見出されている。別の好適な平滑化ストリップ12は、45gsmのHydratexture tissueとしてSuominenによって販売されている、28gsmの薄葉紙及び17gsmの水流交絡ポリプロピレンスパンボンドを含み得る。
【0157】
平滑化ストリップ12は、0.5mm未満、0.4mm又は0.3mm未満、さらには本質的に0mmの表面テクスチャを有してもよい。表面テクスチャは、平滑化ストリップ12の厚さとは無関係に、ピークから谷までの距離として測定される。0.5mm未満の表面テクスチャは、洗浄中、特に床が乾燥しているとき、より具体的には暗色の床が乾燥しているときの、筋形成を最小限にすると考えられる。
【0158】
B.ワイプ
洗浄パッドは、洗浄ワイプの形態であってもよい。洗浄ワイプは、洗浄組成物と共に使用するための、予め湿らせた洗浄ワイプ又は乾燥ワイプとして使用され得る。
【0159】
洗浄ワイプを予め湿らせている場合、さらに詳細に前述のように、床などの標的表面の洗浄を提供するが、洗浄後のすすぎ作業を必要としない洗浄組成物で予め湿らされている。
【0160】
この洗浄組成物と共に使用される洗浄ワイプは、天然繊維又は合成繊維を含み得る。洗浄ワイプが、上述の洗浄組成物を保持し、要求に応じてしぼり出すように概して吸収性であるならば、繊維は、親水性、疎水性又はこれらの組み合わせであってもよい。一実施形態において、洗浄ワイプは、少なくとも50重量パーセント、又は少なくとも70重量パーセントの、エアレイドSSK繊維などのセルロース繊維を含み得る。所望であれば、洗浄ワイプは、摺洗、液体貯蔵、及び洗浄作業のための他の特定の務めを提供するための、複数の層を備え得る。
【0161】
洗浄ワイプは、約1mm~約5mm、より好ましくは約1.5mm~約3.0mm、最も好ましくは約1.2mmの厚さを有し得る。
【0162】
洗浄ワイプは、上述のように、乾燥基材1グラム当たり少なくとも1、1.5、又は2グラム、典型的には、1グラム当たり5グラム以下の洗浄組成物で充填され得る。
【0163】
任意選択的に、洗浄ワイプは、摺洗ストリップをさらに備え得る。摺洗ストリップは、標的表面のより強力な洗浄を提供する、洗浄ワイプの一部分である。好適な摺洗ストリップは、LDPEなどのポリオレフィンフィルムを含んでもよく、外向きに延在する穿孔などを有してもよい。摺洗ストリップは、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,250,700号、同第8,407,848号、D551,409S号及び/又はD614,408S号に従って作製し、使用してもよい。好適なウェットタイプの洗浄ワイプは、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,716,805号、D614,408号、D629,211号及び/又はD652,633号の教示に従って作製することができる。
【0164】
III.洗浄用具
洗浄パッド10及び洗浄組成物は、手によって、又は洗浄用具30と共に使用され得る。
図3を参照すると、洗浄用具30は、洗浄パッド10を保持するためのプラスチックヘッド32と、それに接続される細長ハンドル34と、を備え得る。ハンドル34は、金属若しくはプラスチックの、管又は中実の棒を備え得る。
【0165】
ヘッド32は、洗浄パッド10が取り付けられ得る、下向き面を有し得る。下向き面は、概ね平坦か、又は若干凸状であってもよい。ヘッド32は、上向き面をさらに有し得る。上向き面は、細長ハンドル34のヘッド32への接続を容易にする自在継手を有し得る。
【0166】
フック・ループ式システムを使用して、洗浄パッド10をヘッドの底部に直接取り付けてもよい。あるいは、上向き面は、洗浄パッド10を用具30に取り外し可能に取り付けるために、弾性把持部などの機構をさらに備え得る。把持部を洗浄用具30と共に使用する場合、把持部は、本願と同一譲渡人に譲渡された米国特許第6,305,046号、同第6,484,346号、第6,651,290号及び/又はD487,173号に従って作製してもよい。
【0167】
洗浄用具は、さらに詳細に上述の洗浄組成物を貯蔵するための容器をさらに備え得る。容器は、洗浄組成物が枯渇すると取り替えられてもよく、及び/又は、所望のように再充填されてもよい。容器は、ヘッド又は洗浄用具のハンドル上に配置されてもよいか、又は容器は、洗浄用具とは分離されていてもよい。容器のネックは、本願と同一譲渡人に譲渡された米国特許第6,390,335号のようにオフセットされていてもよい。容器は、スプレーボトルの形態であってもよい。
【0168】
洗浄用具30は、洗浄溶液を容器から床などの標的表面上に分配するための、ポンプをさらに備え得る。ポンプは電池式であってよく、又は、線間電圧で作動させてもよい。あるいは、洗浄溶液を重力流によって分配させてもよい。洗浄溶液を、1つ又は2つ以上のノズルを通って噴霧し、洗浄溶液を標的表面に効率的なパターンで分配させてよい。
【0169】
交換可能な容器を用いる場合、洗浄溶液の重力流をもたらすため、交換可能な容器を転倒させてよい。若しくは、洗浄溶液を分配ノズルにポンプ送りしてよい。容器は、ボトルであってもよく、ポリオレフィンなどのプラスチックで作製されていてもよい。洗浄用具30は、ボトル又は他の容器を取り外し可能に受容するスリーブ(36)を有し得る。洗浄用具30は、任意選択的にボトルから洗浄溶液を受容するためのスリーブ(36)に配置されている、ニードルを有し得る。ボトルは、ニードルが貫通可能なニードルを補完する膜を有し得、これは、交換可能な容器の挿入及び取り外し中の洗浄溶液の好ましくない液だれを防ぐために再度封止される。別法として又は追加的に、所望であれば、用具30はまた、洗浄パッド10及び/又は床若しくは他の標的表面に送達される蒸気を提供してもよい。
【0170】
洗浄溶液の好適な容器及びそのための嵌合具は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,386,392号、同第7,172,099号、D388,705号、D484,804号、D485,178号の教示に従って作製することができる。好適な洗浄用具30は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第5,888,006号、同第5,960,508号、同第5,988,920号、同第6,045,622号、同第6,101,661号、同第6,142,750号、同第6,579,023号、同第6,601,261号、同第6,722,806号、同第6,766,552号、D477,701号及び/又はD487,174号の教示に従って作製することができる。蒸気用具30は、共に譲渡された2013/0319463の教示に従って作製され得る。
【0171】
表面を洗浄する方法
洗浄パッド、洗浄ワイプ、及び洗浄パッド及び洗浄ワイプを使用する洗浄器具は、硬質表面を洗浄するための香料の乳化を制御するためのアルコキシル化フェノールを有する液体硬質表面洗浄リフレッシュ組成物と共に使用されてもよい。
【0172】
好ましくは、洗浄パッド、洗浄ワイプ、及び、洗浄パッド及び洗浄ワイプを使用する洗浄器具は、少なくとも85重量%の水と、少なくとも0.0015重量%のアルコキシル化フェノールと、香料とを有する液体表面洗浄リフレッシュ組成物と共に使用されてもよく、香料は、少なくとも60重量%の、1.0より大きいClogPを有する香料原材料を含み、家庭の表面を洗浄するのに適している。
【0173】
一般的な洗浄、特に床の洗浄として、好ましい洗浄方法は、
硬質表面を洗浄リフレッシュ組成物で濡らすこと、及び、本開示の洗浄パッド又は洗浄ワイプで硬質表面を拭き取ることによって、硬質表面から洗浄リフレッシュ組成物を除去することを含む。硬質表面を濡らすステップは、硬質表面に液体洗浄リフレッシュ組成物を噴霧すること、又は硬質表面をウェットタイプのワイプ若しくは洗浄パッドと接触させて硬質表面を濡らすことを含んでいてもよい。ウェットタイプの又は乾燥した洗浄パッド又は洗浄ワイプを含む洗浄器具を使用して、硬質表面から洗浄リフレッシュ組成物を湿らせ及び/又は除去してもよい。
【0174】
試験法:
A)床洗浄のための光沢試験
光沢試験は、油、微粒子、ペットの毛、糖などの消費者に関連する汚れの混合物からなる汚れ混合物を用いて行う。工学的に作り出された暗色の堅木床材を汚れ混合物で汚し、液体硬質表面洗浄組成物(複数可)を用いて洗浄し、床材全体を網羅するように洗浄パッドで合計6回上下に拭き、乾燥させた後、以下に記載の等級尺度を使用することによって結果を分析する。
【0175】
【0176】
B)濁度の測定:
濁度計を使用して、成分がどれだけ良好に香料を可溶化し、乳化させることができるかを調べる。濁度を測定する方法は、以下の参考文献:Hach Company,2009,2013.,「Hach 2100Q and 2100Qis User Manual.」に詳細に記載されている。
【0177】
この測定方法では、透過光散乱信号に対する一次比濁計光散乱信号の比を評価することによって濁度の定量値を決定する。この特定の評価方法は、0~1000NTUの間の値を提供し、NTU値の増加はより濁った溶液を示す。したがって、香料乳化の成功は、より低いNTU値をもたらし、これに対して、香料乳化の失敗は、より高いNTU値をもたらす。各試験試料の間では、適切な機器の動作を確実にするために水のコントロールを測定する必要がある。
【0178】
C)(消費者関連)パネリスト香料強度の測定:
香料強度パネルを、洗浄組成物の香料強度を決定するために用いる。この方法は、0~100のスケールで香料強度を区別する能力によって選出された訓練されたパネリストを使用する。試験は、残留する香りの影響をさらに低減し、非吸収性洗浄表面を提供するために、幅15フィート、長さ15フィート、及び高さ8フィートの寸法のアルミニウム床のガラス室で行った。部屋は、18~25℃±1℃又は65~78°F±3°Fの温度に制御され、相対湿度は40~65%RH±5%に制御され、1時間に4回の空気交換を行う。
【0179】
パネリストは、試験ごとに最低4つのグループで利用可能なパネリストの総数に応じて、2~5のグループの部屋を評価する。パネリストは、所定の間隔、例えば、最初から4時間で、0~100のスケールで室内の香り強度を評価する。パネリストが処理を区別する能力を高めるために、本発明の試料を比較試料又はコントロールと比較する。評価を平均し、強度対時間としてグラフ化する。
【0180】
D)香料寿命の測定:
IDES製のScentroidSC300などの嗅覚計を使用して、液相中のその香料濃度と訓練された人が知覚するその強度及び精神物理学的曲線との相関から、その匂い検出閾値(ODT)での香料組成物の寿命を決定する。動的スケール法を使用して、ODT濃度よりも高い濃度で芳香の強度を測定する方法は、ASTM E544-99に記載されている。寿命は、一次濃度減衰モデルとヒル方程式を用いた心理物理曲線の非線形回帰との組み合わせから得られる。
【0181】
この方法は、一次空間濃度減衰モデルを使用して、組成物中の香料の重量分率でモップがけした後の滞留時間から部屋又は空間内の芳香の濃度を決定する。
【0182】
【数1】
[式中、
C(t)は、所与の時間における香料の室内濃度であり、
tは、モップがけ後の滞留時間であり、
Vは、部屋の体積であり、
Qは、V・ACHとして推定することができる室内体積空気流量であり、
ACHは、1時間当たりの空気交換回数であり、
C
0は、室内の初期濃度であり、次のように推定することができる。]
【0183】
【数2】
[式中、
w
pPは、本組成物中の香料の重量分率であり、
Aは、床の表面積であり、
φは、モップがけ中に床に供給されるジュースの面積当たりの質量であり、
MWは、香料のモル平均分子量であり、
Pは、標準圧力である。
Rは、普遍的な気体定数であり、
Tは、標準温度であり、
【0184】
嗅覚計は、強度を芳香剤の様々な希釈度における濃度と相関させる心理物理曲線を生成するために使用される。]次いで、強度データは、ヒル方程式非線形回帰を使用してフィッティングされる。
【0185】
【数3】
[式中、
Iは、強度であり、
β
0、β
1、β
2は、適合パラメータであり、
Cは、気相濃度である。]
【0186】
香料濃度の寿命は、空間濃度減衰モデル、例えば、流体相中の香料の重量分率と、臭気検出閾値における変換強度との組み合わせから推定される。
【0187】
E)pH測定:
pHは、取扱説明書に従って較正したゲル充填プローブ(Toledoプローブ、部品番号52 000 100など)を備えたSartarius PT-10P pHメータを使用して、25℃で、未希釈組成物に対して測定する。
【0188】
F)ガスクロマトグラフィー/火炎イオン化検出器(GC/FID):
比較のエトキシル化フェノール試料及び本発明のエトキシル化フェノール試料中のエトキシレートの分布を、質量選択検出及び炎イオン化検出(GC MSD/FID)を用いたガスクロマトグラフィーによって分析し、分布を各試料の正規化FID面積%として表す。
【0189】
試料を調製し、以下のステップに従って分析する。
i)各エトキシル化フェノールについて13.0(±1.0)mgの試料を1mLの塩化メチレン1mLに添加してGCバイアルに入れる。
ii)バイアルに蓋をし、90+/-2Cで15分間加熱する。
iii)試料を、以下の条件下で炎イオン化検出(GC/FID)を用いたガスクロマトグラフィーによって分析する。
・キャピラリーGCカラム:DB-1HT 5m×内径0.25mm、0.1μmフィルム
・オーブンプログラム:50C(0分)-25C/分-395C(10分)、合計23.8分
・カラム流量:1.0ml/分(He)、平均速度34cm/秒注入温度:365C、試料量1μl、スプリット比:50:1
・FID温度:400C、H2流量:40ml/分、空気流量450mL/分
iv)クロマトグラムを再処理し、フェニルエトキシレートピークのみの下の面積を積分する。重量%は、各フェニルエトキシレートピークの対応する曲線下面積を全てのフェニルエトキシレート面積の合計で割ることによって計算される。
【実施例】
【0190】
【0191】
【表4】
1.ポリエチレングリコールフェニルエーテルは、Dowから入手可能なDOWANOL EPh6 Glycol Etherである。
2.ポリ(オクタ)エチレングリコールフェノールエーテル及びポリ(デカ)エチレングリコールフェノールエーテルは、P&G Labで作製された試料である。
3.ポリ(ペンタデカ)エチレングリコールフェノールエーテルは、Dow Lab製の試料である。
【0192】
表4の実施例6は、驚くべきことに、洗浄、透明性及び安定性におけるポリエチレングリコールフェニルエーテル及びジエチレングリコールフェニルエーテル(実施例4及び5)に対するポリエチレングリコールフェニルエーテル(実施例6)の利点を示す。さらに、ポリ(オクタ)エチレングリコールフェノールエーテル及びポリ(デカ)エチレングリコールフェノールエーテル、P&Gラボ製試料についても同様の利点を示す。
【0193】
表5は、洗浄及び鮮度組成物並びに香りの寿命に関するそれらの利点を示す。
【0194】
【表5】
1.ポリエチレングリコールフェニルエーテルは、Dow Chemical社から入手可能なDOWANOL EPh6 Glycol Etherである。
【0195】
表5に示すように、ポリエチレングリコールフェニルエーテルを用いて配合された好ましい組成物(実施例12~18)は、驚くべきことに、ポリエチレングリコールフェニルエーテルを用いない配合物(実施例11)よりも香料の寿命において有意な利点を有する透明で安定した組成物である。
【0196】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0197】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとは見なされない。さらに、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0198】
本開示の特定の実施形態について例示し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
本明細書は以下の発明を開示する。
[1]液体硬質表面洗浄組成物であって、
少なくとも85重量%の水と、
少なくとも0.0015重量%のアルコキシル化フェノールと、
香料とを含み、
前記香料が、1.0より大きいClogPを有する香料原材料を少なくとも60重量%含み、前記組成物が、0.1から2.0の光沢結果と、1から200のNTUとを有する、液体硬質表面洗浄組成物。
[2]前記アルコキシル化フェナールが、プロポキシル化フェノール、エトキシル化フェノール、エトキシル化プロポキシル化フェノール及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、エトキシル化フェノールである、[1]に記載の組成物。
[3]前記エトキシル化フェノールが、前記洗浄組成物の重量基準で、少なくとも0.0015重量%、好ましくは0.0015重量%から9重量%、0.0015重量%から3.5重量%、より好ましくは0.0015重量%から2重量%、さらにより好ましくは0.0015重量%から1.5重量%の量であってもよい、[1]又は[2]記載の組成物。
[4]前記エトキシル化フェノールが、式1によるものであり、
【化12】
式中、nは、0から15、好ましくは5から9、好ましくは4から8、より好ましくは5から7から選択され、
好ましくは、nは、3から10、好ましくは4から8、より好ましくは5から7の平均値である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]前記香料の重量基準で、少なくとも80重量%、好ましくは80から99.9重量%、より好ましくは80から95重量%、さらにより好ましくは85から95重量%の香料原材料が、2.0より大きい、好ましくは少なくとも2.5の、より好ましくは3.0より大きい、さらにより好ましくは3.5より大きいClogPを有し、好ましくは、平均ClogP分布が、2.5から6.0、より好ましくは3.5から6.0である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記香料が、前記洗浄組成物の重量基準で、少なくとも0.005%、好ましくは0.005%から3%、より好ましくは0.005%から1%、さらにより好ましくは0.006%から0.4%の量である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[7]1.0を超えるClogPを有するPRMが、ジヒドロミルセノール、イソノニルアルコール、シトロネロール、テトラヒドロリナロール、酢酸テルピニル、酢酸ゲラニル、酢酸フェニルエチルフェニル、リリアル(P.T.Bucinal)、ガンマメチルイオノン、ベルテネックス、ジフェニルメタン、p’シメン、アルファピネン、サリチル酸ベンジル、d-リモネン、サリチル酸シス-ヘキセニル、桂皮酸ヘキシルアルデヒド、セドリルアセテート、ハバノリド、エチルトリメチルシクロペンテンブタノール、サリチル酸ヘキシル、iso-eスーパー、エチルバニリン、ヘリオナール、ウンデカラクトン、イオノンガンマメチル、ヒドロキシシクロネラール、シクロガルバネート、ピラノール、ベルドックス、酢酸リナリル、酢酸ベンジル、メチルフェニルカルビニルアセテート、トリプラール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]前記洗浄組成物の重量基準で、3.5%未満、好ましくは0.01%から3%、より好ましくは0.05%から1%、さらにより好ましくは0.01%から0.05%の可溶化助剤をさらに含み、好ましくは、前記可溶化助剤は、界面活性剤、溶媒、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記溶媒は、アルコール、ポリオール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記アルコールは、エタノールである、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]前記アルコキシル化フェノールが、前記洗浄組成物の重量基準で、少なくとも0.0015%、好ましくは0.0015%から3.5%、より好ましくは0.0015%から2%、さらにより好ましくは0.0015%から1.5%の量である、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]前記水が、前記洗浄組成物の重量基準で、85%から99.5%、好ましくは90%から99.5%、より好ましくは95%から99.5%、さらにより好ましくは95%の量である、[1]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]硬質表面の光沢を向上させる方法であって、
a.前記硬質表面を[1]~[10]のいずれかに記載の洗浄組成物で濡らすこと、及び、
b.使い捨ての乾燥洗浄ワイプで前記硬質表面から前記洗浄組成物を除去すること、を含む、方法。
[12]
硬質表面を洗浄するための使い捨てのウェットタイプのパッドであって、
基材と、
[1]~[11]のいずれかに記載の液体硬質表面洗浄組成物とを含み、
前記基材が前記洗浄組成物で含浸されている、パッド。