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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】センサパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231030BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20231030BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/03 400Z
G06F3/044 127
G06F3/041 450
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022066137
(22)【出願日】2022-04-13
(62)【分割の表示】P 2018032346の分割
【原出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2022087243
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】62/615,589
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】110004277
【氏名又は名称】弁理士法人そらおと
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】門脇 淳
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0308202(US,A1)
【文献】特開2016-206803(JP,A)
【文献】特表2016-528602(JP,A)
【文献】特開2013-058262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/03
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、
それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第1の電極と、
それぞれ前記第2の方向に延在し、かつ、前記第1の方向に並べて配設され、互いに異なる第2のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第2の電極と、
を含み、
前記複数の第1の電極のうち最も端に位置する第1及び第2の外側電極の少なくとも一方は、前記アクティブエリアの外において前記第2のルーティング線の少なくとも一部を覆う第1のカバー部を有するように配設される、
センサパネル。
【請求項2】
前記第1のカバー部は、複数の前記第2のルーティング線のうちの少なくとも2本以上を覆うように形成される、
請求項1に記載のセンサパネル。
【請求項3】
前記第1及び第2の外側電極の前記少なくとも一方と重畳配置されたダミー配線をさらに含む、
請求項1又は2に記載のセンサパネル。
【請求項4】
前記ダミー配線は、前記複数の第1の電極及び前記複数の第2の電極のいずれにも接続されていない、
請求項3に記載のセンサパネル。
【請求項5】
前記ダミー配線にはグランド電位が供給される、
請求項4に記載のセンサパネル。
【請求項6】
それぞれ複数の前記第2のルーティング線のうちの1つに接続された複数の端子が配置された端子領域を含み、
前記第1及び第2の外側電極の前記少なくとも一方は、相対的に前記端子領域からの距離が遠い遠隔エリアにおける前記第2の方向の幅が相対的に前記端子領域からの距離が近い近傍エリアにおける前記第2の方向の幅より小さくなるよう形成される、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセンサパネル。
【請求項7】
前記複数の第2の電極のうち最も端に位置する第3及び第4の外側電極の少なくとも一方は、前記第1のルーティング線の少なくとも一部を覆う第2のカバー部を有するように配設される、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のセンサパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサパネルに関し、特に、表示装置に重畳配置されて使用されるセンサパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
指やスタイラスの位置を検出する機能を有するタブレット型の電子機器においては、センサパネルが表示パネルと重ねて配置される。センサパネルは、表示パネルのアクティブエリア(表示領域)と重なる領域に、それぞれy方向に延在し、x方向に等間隔で配置された複数のx電極と、それぞれx方向に延在し、y方向に等間隔で配置された複数のy電極とを含む複数の線状電極を有しており、これらは、表示パネルのベゼル領域と重なる領域に配置された各複数の配線及びFPC(Flexible Printed Circuits)接続端子を介して、指やスタイラスの検出処理を行う集積回路(センサコントローラ)に接続される。
【0003】
また、スタイラスの一種として、アクティブペンが知られている。アクティブペンは、電源部と信号処理回路とを備え、信号処理回路の生成する信号に応じた電荷をペン先付近に設けられた電極(ペン電極)に供給することにより、ペン信号を送信可能に構成されたスタイラスである。アクティブペンの検出時においては、センサパネル内の複数の線状電極のうちペン先の近傍にあるものでペン信号が受信され、上記したFPC接続端子を介してセンサコントローラに供給される。センサコントローラは、各x電極におけるペン信号の受信レベルに基づいてアクティブペンのx座標を決定し、各y電極におけるペン信号の受信レベルに基づいてアクティブペンのy座標を決定することにより、タッチ面内におけるアクティブペンの位置を検出する。
【0004】
特許文献1には、指とアクティブペンの両方を検出可能な位置検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-063249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように表示装置と重ねてセンサパネルを配置する場合、センサパネルのうちアクティブエリア外に設置しなければならない部分の面積が大きくなる場合がある。そうすると近年進展中の狭ベゼル化が阻害されてしまうため、改善が必要とされていた。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、タブレット型の電子機器の狭ベゼル化を実現できるセンサパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によるセンサパネルは、表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第1の電極と、それぞれ前記第2の方向に延在し、かつ、前記第1の方向に並べて配設され、互いに異なる第2のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第2の電極と、を含み、前記複数の第1の電極は、最も端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の第1の内側電極を含み、前記第1及び第2の外側電極の少なくとも一方の前記第2の方向の幅は、前記複数の第1の内側電極それぞれの前記第2の方向の幅より小さい、センサパネルである。
【0009】
本発明の第2の側面によるセンサパネルは、表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第1の電極と、それぞれ前記第2の方向に延在し、かつ、前記第1の方向に並べて配設され、互いに異なる第2のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第2の電極と、を含み、前記複数の第1の電極のうち最も端に位置する第1及び第2の外側電極の少なくとも一方は、前記第2のルーティング線の少なくとも一部を覆う第1のカバー部を有するように配設される、センサパネルである。
【0010】
本発明の第3の側面によるセンサパネルは、表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第1の電極と、それぞれ前記第2の方向に延在し、かつ、前記第1の方向に並べて配設され、互いに異なる第2のルーティング線によって前記集積回路に接続された複数の第2の電極と、を含み、前記複数の第1の電極は、最も端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の第1の内側電極を含み、前記第1及び第2の外側電極の少なくとも一方は、前記アクティブエリア外におけるメッシュ密度が前記アクティブエリア内におけるメッシュ密度より高くなるように形成されたメッシュ状の導体によって構成される、センサパネルである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1及び第3の側面によれば、第1及び第2の外側電極の少なくとも一方について、アクティブエリア外に設置しなければならない部分の幅を従来より小さくすることができるので、センサパネルのうちアクティブエリア外に設置しなければならない部分の面積を従来より小さくすることができる。したがって、タブレット型の電子機器の狭ベゼル化が実現可能となる。
【0012】
本発明の第2の側面によれば、第1及び第2の外側電極の少なくとも一方を第2のルーティング線と重ねて配置することができるので、センサパネルのうちアクティブエリア外に設置しなければならない部分の面積を従来より小さくすることができる。したがって、タブレット型の電子機器の狭ベゼル化が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態による電子機器1及びアクティブペン10の構成を示す模式図である。
図2図1に示したセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
図3図2に示したA-A線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。
図4】アクティブ静電結合方式による指示位置の検出を説明する図である。
図5】本発明の第2の実施の形態によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
図6図5に示したB-B線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。
図7】本発明の第2の実施の形態の第1の変形例によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
図8】本発明の第2の実施の形態によるセンサパネル5で生じ得る課題を説明する図である。
図9】(a)~(c)はそれぞれ、本発明の第2の実施の形態の第2乃至第4の変形例によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
図10】本発明の第3の実施の形態によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
図11】本発明の背景技術によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
図12図11に示したC-C線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子機器1及びアクティブペン10の構成を示す図である。また、図2は、図1に示したセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図であり、図3は、図2に示したA-A線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。なお、図2及び図3は模式図であるため、図1とは必ずしも一致しない。
【0016】
本実施の形態による電子機器1は例えばタブレット型のコンピュータであり、図1に示すように、ホストコントローラ2、表示パネル3(表示装置)、センサコントローラ4、及びセンサパネル5を有して構成される。
【0017】
ホストコントローラ2は、プロセッサ及びメモリ(ともに図示せず)を有するコンピュータであり、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、図示した表示パネル3及びセンサコントローラ4を含む電子機器1の各部の制御、描画用のアプリを含む各種のアプリの実行などの各種処理を行う。メモリには、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメインメモリと、フラッシュメモリなどの補助記憶装置とが含まれる。
【0018】
表示パネル3は、図3に示すアクティブエリアA及びベゼル領域Bを有して構成される。アクティブエリアAは、複数の画素(図示せず)がマトリクス状に配置される矩形の領域である。表示パネル3内に設けられる駆動回路(図示せず)は、ホストコントローラ2の制御を受けてこれらの各画素を駆動することにより、アクティブエリアA内に任意の表示を行う。ベゼル領域Bは、アクティブエリアAの外周辺Aaと表示パネル3の外縁との間に設けられる帯状の領域である。ベゼル領域Bには、上記駆動回路と、アクティブエリアA内の各画素を駆動回路に接続する配線(図示せず)とが配置される。表示パネル3の具体的な例としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどが挙げられる。
【0019】
センサコントローラ4及びセンサパネル5は、ホストコントローラ2に対する入力装置である。このうちセンサコントローラ4は、少なくとも表示パネル3のアクティブエリアA内において、アクティブペン10及びユーザの指(図示せず)の位置を検出する集積回路(IC)である。なお、センサコントローラ4は、アクティブエリアA内に加えてアクティブエリアAの外側においても、アクティブペン10及びユーザの指の位置を検出し出力するものであってもよい。また、センサコントローラ4が指の位置の検出機能を有することは、本発明では必須ではない。センサパネル5は、表示パネル3に重畳配置されて使用される装置であり、センサコントローラ4に接続される。
【0020】
初めにセンサパネル5について詳しく説明すると、センサパネル5は、図1図3に示した各複数の線状電極5x,5y及び各複数の配線6x,6yと、図1に示した複数のガード配線LGと、図3に示した粘着シート23、フィルム24、粘着シート25、及びカバーガラス26とを含んで構成される。
【0021】
複数の線状電極5x,5yはそれぞれ、板状又はメッシュ状の導体である。複数の線状電極5x,5yがメッシュ状の導体である場合、図1等に示した形状は全体としての外形を表しており、以下で説明する線状電極5x,5yの形状及び配置は、この外形に適用される。なお、後掲する図10及び図11には、メッシュ状の導体の例を具体的に示している。
【0022】
複数の線状電極5x(第1の電極)は、図1に示すように、それぞれy方向(第1の方向)に延在し、かつ、y方向と直交するx方向(第1の方向と異なる第2の方向)に並べて配設される。以下では、複数の線状電極5xのうち最も端に位置する2本をそれぞれ外側電極5xa,5xb(第1及び第2の外側電極)と称し、その他のものを内側電極5x(第1の内側電極)と称して区別する場合がある。外側電極5xa,5xbはそれぞれ、アクティブエリアAの外周辺Aaを覆う位置に配置される。各線状電極5xは、互いに異なる配線6x(第1のルーティング線)及びFPC接続端子Tを介して、センサコントローラ4に接続される。
【0023】
また、複数の線状電極5y(第2の電極)は、図1に示すように、それぞれx方向に延在し、かつ、y方向に並べて配設される。以下では、複数の線状電極5yのうち最も端に位置する2本をそれぞれ外側電極5ya,5yb(第3及び第4の外側電極)と称し、その他のものを内側電極5y(第2の内側電極)と称して区別する場合がある。外側電極5ya,5ybはそれぞれ、アクティブエリアAの外周辺Aaを覆う位置に配置される。各線状電極5yは、互いに異なる配線6y(第2のルーティング線)及びFPC接続端子Tを介して、センサコントローラ4に接続される。なお、図1及び図2並びに後掲の各図ではすべての線状電極5yが同じ側で配線6yに接続されているが、外側電極5yaから外側電極5ybにかけ交互に図面右側と左側の端部で、各線状電極5yを配線6yに接続することとしてもよい。
【0024】
複数のガード配線LGは、複数の配線6xと複数の配線6yとの間を絶縁する役割を果たす配線であり、図1に示すように、複数の配線6xの両側及び複数の配線6yの両側を挟むように配線される。複数のガード配線LGも、それぞれ対応するFPC接続端子Tを介して、センサコントローラ4に接続される。センサコントローラ4は、各ガード配線LGにグランド電位などの特定の電位を供給するよう構成される。
【0025】
なお、複数のガード配線LGは必須の構成ではない。また、ガード配線LGは、線状の導体であってもよいし、メッシュ状の導体であってもよい。さらに、ベゼル位置にペンが存在するか否かを検出するための電極として、ガード配線LGを利用してもよい。
【0026】
粘着シート23、フィルム24、粘着シート25、及びカバーガラス26は、図3に示すように、表示パネル3に近い側からこの順で積層されている。粘着シート23,25は、OCA(Optical Clear Adhesive) やOCR(Optical Clear Resin)などの透明粘着剤によって構成される。フィルム24の上面(カバーガラス26側の表面)には複数の線状電極5x、複数の配線6x、複数のガード配線LG、及び、複数の配線6x及び複数のガード配線LGのそれぞれに接続される複数のFPC接続端子Tが配置されており、粘着シート25はこれらをフィルム24に固定する役割を果たす。また、フィルム24の下面には複数の線状電極5y、複数の配線6y、複数のガード配線LG、及び、複数の配線6y及び複数のガード配線LGのそれぞれに接続される複数のFPC接続端子Tが配置されており、粘着シート23はこれらをフィルム24に固定する役割を果たす。必要な場合には、フィルム24の上面に形成された配線と、フィルム24の下面に形成された配線とを、フィルム24を貫通するビア電極によって相互に接続することとしてもよい。なお、複数のFPC接続端子Tは、図1に示すように、矩形であるセンサパネル5のx方向に平行な一辺に沿って並べて配置される。
【0027】
カバーガラス26の上面は、アクティブペン10のペン先10a又はユーザの指(図示せず)でタッチするための平面であるタッチ面26aを構成する。このカバーガラス26を含むセンサパネル5の各構成部材は、少なくともアクティブエリアAと重なる領域内においては、ユーザがセンサパネル5を通してアクティブエリアAに表示された画像を観ることができるよう、透明材料あるいは光が透過するように配置密度が設計された非透明材料によって構成される。
【0028】
次にセンサコントローラ4は、プロセッサ及びメモリ(ともに図示せず)を有し、図示しないフレキシブルプリント回路(FPC)基板又はリジッド基板上に設けられる。センサコントローラ4が設けられる基板は、センサパネル5の配線領域内に配置された複数のFPC接続端子Tと圧着され、この圧着を通じて、センサコントローラ4とセンサパネル5内の各配線とが電気的に接続される。
【0029】
センサコントローラ4は、機能的には、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、タッチ面26a上におけるアクティブペン10及びユーザの指(図示せず)の指示位置を検出するとともに、アクティブペン10が送信したデータ信号を受信可能に構成される。アクティブペン10の指示位置の検出は、アクティブ静電結合方式により実行される。一方、ユーザの指の位置の検出は、静電容量方式により実行される。
【0030】
静電容量方式は、複数の線状電極5x,5yと、ユーザの指との間に生ずる静電容量の変化に基づいて、その指示位置を取得する方式である。静電容量方式による位置検出を行う場合、センサコントローラ4は、所定の検出用信号を複数の線状電極5xのそれぞれに順次供給し、その都度、複数の線状電極5yそれぞれの電位を測定する。ある線状電極5xと線状電極5yの交点にユーザの指が接近している場合、その線状電極5xからその線状電極5yに向かって流れる電流の一部がユーザの人体に向かって流れ出るため、その線状電極5yについて測定される電位が小さくなる。センサコントローラ4は、この電位の変化を利用して指示位置の検出を行う。
【0031】
アクティブ静電結合方式は、アクティブペン10が送信したペン信号をセンサパネル5により受信し、その結果に基づいてアクティブペン10の指示位置を検出する方式である。ペン信号には、無変調のバースト信号である位置信号と、アクティブペン10に関連する各種データを示すデータ信号とが含まれる。各種データには、アクティブペン10のペン先10aにかかる圧力を示す筆圧データなどが含まれる。なお、アクティブペン10は、センサコントローラ4が複数の線状電極5x,5yを介して送信したアップリンク信号を受信したことに応じてペン信号の送信を行うこととしてもよい。この場合、アクティブペン10は、データ信号により送信するデータの具体的な内容を、アップリンク信号に含まれるコマンドに応じて決定することが好ましい。
【0032】
アクティブ静電結合方式による指示位置の検出を行う場合、センサコントローラ4は、複数の線状電極5x,5yのそれぞれで位置信号を受信し、その結果に基づいてアクティブペン10の指示位置を検出する。この検出の具体的な方法については、後ほど詳しく説明する。また、センサコントローラ4は、複数の線状電極5x,5yのうち検出した指示位置に最も近いものを用いて、アクティブペン10が送出したデータ信号の検出を行う。
【0033】
図4は、アクティブ静電結合方式による指示位置の検出を説明する図である。以下、同図を参照しながら、センサパネルのうちアクティブエリア外に設置しなければならない部分の面積が大きくなる場合について説明する。なお、以下で説明する指示位置の検出方法は、それ自体本願の発明者の発明によるものであり、本願の優先日の時点で公知になっているものではない。
【0034】
図4には、外側電極5xaと、外側電極5xaに近い側から順に3つの内側電極5x-1~3とを図示している。以下、これら4つの電極に着目して説明するが、他の線状電極5x,5yについても同様である。
【0035】
図4に示した領域DA0は、位置信号の受信強度が外側電極5xaにおいて最大となる領域を示している。領域DA1~DA3についても同様であり、位置信号の受信強度がそれぞれ内側電極5x-1~3において最大となる領域を示している。
【0036】
アクティブペン10のペン先10aが領域DA1内にある場合、センサコントローラ4は、内側電極5x-1に加え、その両隣にある2つの線状電極5x、すなわち外側電極5xa及び内側電極5x-2のそれぞれで受信した位置信号の受信強度を参照することにより、ペン先10aのx座標を検出する。具体的には、まず内側電極5x-1での受信強度に基づき、ペン先10aが内側電極5x-1のx方向の中心線上にあるのか、それともx方向にいくらかずれたところにあるのか、を判定する。この判定は、ペン先10aがx方向の中心線から離れるほど弱くなるという受信強度の性質を利用するものである。
【0037】
上記判定において前者であると判定した場合、センサコントローラ4は、内側電極5x-1のx方向の中心線のx座標をペン先10aのx座標と決定する。一方、後者であると判定した場合、センサコントローラ4は、外側電極5xaでの受信強度と内側電極5x-2での受信強度との比に基づき、そのずれの方向、すなわち、外側電極5xa寄りにずれているのか、それとも内側電極5x-2寄りにずれているのかを判定し、次いで、外側電極5xa及び内側電極5x-2のうち、ずれた方向にあるものでの受信強度に基づき、ずれの大きさを判定する。そして、その結果に基づいてペン先10aのx座標を決定する。センサコントローラ4は、このようにずれの有無、ずれの方向、ずれの大きさを順次判定し、その結果に基づいてペン先10aのx座標の検出を行う。
【0038】
ここで、このような位置検出の方法によれば、外側電極5xaで最大の受信強度が観測された場合、センサコントローラ4は、x座標を決定することができない。外側電極5xaのx方向一方側には他の線状電極5xが存在しないため、ずれの方向を判定することができないからである。そこでセンサコントローラ4は、外側電極5xaで最大の受信強度が観測された場合には、内側電極5x-1の存在する方向をずれの方向とみなすように構成される。ただし、センサコントローラ4をこのように構成するだけでは、外側電極5xaの中心線から外側(隣接する線状電極5xの存在しない側)については、x座標を検出できないことになるので、さらに、外側電極5xaのx方向の中心線がアクティブエリアAの外周辺Aaと重なる(すなわち、一致する)か又は外周辺Aaよりも外側に位置するように複数の線状電極5xの配置が決定される。このような線状電極の配置方式を、本願の発明者は「アクティブエリア外周辺カバー方式」と呼んでいる。反対側の端に位置する外側電極5xb、及び、複数の線状電極5yの外側電極5ya,5ybについても、同様である。
【0039】
アクティブエリア外周辺カバー方式によれば、アクティブエリアAの端まで、座標揺れなく好適に座標を検出することが可能になるが、一方で、アクティブエリアAの外側にも線状電極を配置しなければならないことから、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積が大きくなる。このことは、近年進展中の狭ベゼル化を阻害する要因となり得る。本実施の形態は、このような課題を解決し、タブレット型の電子機器1の狭ベゼル化を実現できるセンサパネル5を提供するものである。
【0040】
図1図3の説明に戻る。センサコントローラ4は、以上のようにして検出したアクティブペン10及びユーザの指の指示位置を示す座標と、アクティブペン10から受信したデータ信号に含まれる各種データとを、ホストコントローラ2に対してレポートするよう構成される。また、センサコントローラ4は、アクティブペン10から受信される筆圧データに基づいて、アクティブペン10がタッチ面に接触したことを示すペンダウン情報と、アクティブペン10がタッチ面から離れたことを示すペンアップ情報との取得を行い、それぞれのタイミングでホストコントローラ2に対してレポートするよう構成される。
【0041】
ホストコントローラ2は、センサコントローラ4から座標が入力されたことを受けて、ポインタの表示及びインクデータの生成の少なくとも一方を行う。このうちポインタの表示は、表示パネル3のアクティブエリアA上の入力された座標と対応する位置に、所定のポインタ画像を表示することによって行う。
【0042】
インクデータは、センサコントローラ4から順次供給される複数の座標のそれぞれによって構成される制御点と、各制御点の間を所定の補間曲線によって補間してなる曲線データとを含むデータである。ホストコントローラ2は、ユーザの指については、座標の入力が開始されたことを契機としてインクデータの生成を開始し、座標の入力が終了したことを契機としてインクデータの生成を終了する。一方、アクティブペン10については、ペンダウン情報が入力されたことを契機としてインクデータの生成を開始し、ペンアップ情報が入力されたことを契機としてインクデータの生成を終了する。なお、アクティブペン10についてインクデータを生成する際には、ホストコントローラ2は、アクティブペン10から受信される筆圧データなどに基づき、インクデータを構成する曲線データの幅及び/又は透明度の制御も行う。ホストコントローラ2は、生成したインクデータのレンダリングを行って表示パネル3に表示させるとともに、生成したインクデータを自身のメモリに記憶させる。
【0043】
ここまで、電子機器1の基本的な構成について説明した。次に、センサパネル5の本発明にかかる特徴部分について説明するが、以下では、初めに背景技術の課題について図面を参照しながら説明し、その後、センサパネル5の本発明にかかる特徴部分について詳しく説明することとする。
【0044】
図11は、本発明の背景技術によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。また、図12は、図11に示したC-C線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。
【0045】
図11及び図12に示すように、背景技術によるセンサパネル5においては、複数の線状電極5xのx方向の幅、及び、複数の線状電極5yのy方向の幅がいずれも固定値W1(例えば4mm)とされている。したがって、例えば外側電極5xaのx方向の中心線がアクティブエリアAの外周辺Aaと重なるように複数の線状電極5xの配置を決定した場合、外側電極5xaの幅W1のうちアクティブエリアAの外側にはみ出す分の幅WPは、W1/2(例えば2mm)に等しくなる。他の外側電極5xb,5ya,5ybについても同様である。
【0046】
しかしながら、このように外側電極5xa,5xb,5ya,5ybをW1/2もアクティブエリアAの外側にはみ出させていたのでは、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積が大きくなってしまう。これは、近年進展中の電子機器1の狭ベゼル化を阻害するものであるため、改善が必要とされていた。本実施の形態によるセンサパネル5はこのような課題に鑑みて発明されたもので、背景技術に比べ、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を小さくすることを実現し、もって電子機器1の狭ベゼル化を実現するものである。
【0047】
以下、再び図2を参照しながら、センサパネル5の本発明にかかる特徴部分について、詳しく説明する。
【0048】
本実施の形態によるセンサパネル5においては、各内側電極5x,5yの幅は、図11及び図12に示したセンサパネル5と同様に、いずれも固定値W1である。一方、各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybの幅は、固定値W1より小さい固定値W2(<W1)とされる。したがって、例えば外側電極5xaのx方向の中心線がアクティブエリアAの外周辺Aaと重なるように複数の線状電極5xの配置を決定した場合、外側電極5xaの幅W2のうちアクティブエリアAの外側にはみ出す分の幅WPは、W2/2に等しくなる。他の外側電極5xb,5ya,5ybについても同様である。
【0049】
W2/2は、W1/2よりも小さな値である。したがって、本実施の形態によるセンサパネル5によれば、各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybのうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の幅を、図11及び図12に示した背景技術に比べて小さくすることが実現されていると言える。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によるセンサパネル5によれば、各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybのうちの少なくとも1つについて、アクティブエリアA外に設置しなければならない部分の幅を従来より小さくすることができる。したがって、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を従来より小さくすることができるので、タブレット型の電子機器1の狭ベゼル化を実現することが可能になる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、本実施の形態によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。また、図6は、図5に示したB-B線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。
【0052】
本実施の形態は、各外側電極5xa,5xbの少なくとも一方を複数の配線6yの少なくとも一部と重なるように配置し、各外側電極5ya,5ybの少なくとも一方を配線6xの少なくとも一部と重なるように配置する点で、第1の実施の形態と異なる。その他の点は第1の実施の形態と同様であるので、以下では、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、第1の実施の形態との相違点に着目して説明する。
【0053】
図5及び図6に示すように、外側電極5xaは、複数の配線6yの少なくとも一部(好ましくは2本以上)を覆うカバー部Cx(第1のカバー部)を有するように配設される。図示していないが、外側電極5xbについても同様である。また、図5に示すように、外側電極5yaは、複数の配線6xの少なくとも一部(好ましくは2本以上)を覆うカバー部Cy(第2のカバー部)を有するように配設される。外側電極5ybについては、図1から理解されるように対応する領域に配線6xがないので、カバー部を設けなくてもよい。なお、本実施の形態における各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybの幅は、第1の実施の形態と同様、内側電極5x,5yの幅W1より小さいW2である。
【0054】
本実施の形態によれば、各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybのうちの少なくとも1つを配線6x,6yと重ねて配置することができるので、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を従来より小さくすることができる。したがって、本実施の形態によっても、タブレット型の電子機器1の狭ベゼル化を実現することが可能になる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、ベゼル領域内の大部分の領域に線状電極5x,5yが配置されることになるので、ベゼル領域内に位置しているアクティブペン10にも上述したアップリンク信号を受信させることができる、という更なる効果も得ることが可能になる。
【0056】
図7は、本実施の形態の第1の変形例によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。本実施の形態では、各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybの幅を第1の実施の形態と同じW2としたが、本変形例においては、各外側電極5xa,5xb,5ya,5ybの幅を内側電極5x,5yと同じW1としている。このようにしても、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を従来より小さくするという効果は本実施の形態と同様に得られるので、タブレット型の電子機器1の狭ベゼル化を実現することが可能になる。
【0057】
なお、本実施の形態によれば、全く別の課題が発生する可能性がある。そこで以下では、この課題と、それを解決するためのセンサパネル5の構成について説明する。
【0058】
図8は、本実施の形態によるセンサパネル5で生じ得る課題を説明する図である。上述したように、複数のFPC接続端子Tは、矩形であるセンサパネル5のx方向に平行な一辺に沿って並べて配置される(図1を参照)。その結果、外側電極5xaと重なる領域のうち、複数のFPC接続端子Tが配置される領域(以下、端子領域TAと称する)からの距離が相対的に遠い遠隔エリアArと、端子領域TAからの距離が相対的に近い近傍エリアAnとで配線6yの密度が異なってくるが、このことは、ペン信号の受信強度のエリア間での差を生む。つまり、遠隔エリアArにおいては、近傍エリアAnに比べて配線6yとの間に生ずる寄生容量が小さいため、ペン信号がより強く受信されることになる。
【0059】
このように、遠隔エリアArと近傍エリアAnとでペン信号の受信強度に差があると、両エリアで算出されるx座標に違いが出ることになる。つまり、実際にはx方向に見て同じ位置にアクティブペン10のペン先があったとしても、遠隔エリアArの近傍では、近傍エリアAnの近傍に比べてより外側のx座標が検出されることになる。このように、遠隔エリアArと近傍エリアAnとで算出されるx座標に違いが出ることは好ましくないので、改善が必要となる。
【0060】
図9(a)~(c)はそれぞれ、本発明の第2の実施の形態の第2乃至第4の変形例によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。これらはいずれも、遠隔エリアArと近傍エリアAnとで算出される座標に違いが出ることを防止する構成を備えている。なお、これらの図では、外側電極5xa以外の線状電極5xの描画を省略している。以下、1つずつ詳しく説明する。
【0061】
図9(a)に示した第2の変形例によるセンサパネル5は、外側電極5xaと重畳配置されたダミー配線Dを含んで構成される。ダミー配線Dは、複数の配線6yと同じ層に、複数の配線6x,6yのいずれにも接続されないように設置された配線であり、配線6yの密度が疎な領域ほど密に配置される。ダミー配線Dには、上述したガード配線LGと同様、センサコントローラ4からグランド電位が供給される。
【0062】
本変形例によれば、遠隔エリアArと、近傍エリアAnとで、外側電極5xaとそれに重畳する配線との間に生ずる寄生容量の大きさを揃えることができる。したがって、ペン信号の受信強度を揃えることができるので、遠隔エリアArと近傍エリアAnとで算出されるx座標に違いが出ることが防止される。
【0063】
図9(b)(c)に示した第3及び第4の変形例によるセンサパネル5は、遠隔エリアArにおけるx方向の幅Wrが近傍エリアにおけるx方向の幅Wnより小さくなるよう外側電極5xaを形成したものである。第3の変形例と第4の変形例の違いは、第3の変形例では、配線6yの数に応じて段階的に外側電極5xaが細くなるのに対し、第4の変形例では、端子領域TAからの距離に応じて外側電極5xaが細くなる点にある。
【0064】
第3及び第4の変形例のいずれによっても、遠隔エリアArと、近傍エリアAnとで、外側電極5xaとそれに重畳する配線との間に生ずる寄生容量の大きさを揃えることができる。したがって、ペン信号の受信強度を揃えることができるので、遠隔エリアArと近傍エリアAnとで算出されるx座標に違いが出ることが防止される。
【0065】
なお、第2乃至第4の変形例では外側電極5xaに着目して説明したが、これらの変形例は、外側電極5xb,5yaにも同様に適用可能である。なお、外側電極5ybに関しては、図1から理解されるように重畳配置される配線6xが存在しないので、第2乃至第4の変形例を適用する必要はない。ただし、外側電極5ya,5ybの間でペン信号の受信強度を揃える必要がある場合には、外側電極5ybに関してもダミー配線Dを設けることとしてもよく、また、外側電極5ybを外側電極5yaに比べて細く形成することとしてもよい。
【0066】
また、エリアによって座標に違いが生ずる現象が発生するのはアクティブエリアAの一部に限定されるため、求められる座標の精度によっては、第2乃至第4の変形例を適用することなく第2の実施の形態を使用することも可能である。さらに、遠隔エリアArと近傍エリアAnとで算出される座標の違いの具体的な程度はセンサパネル5の構成が決定した時点で決定されるので、第2乃至第4の変形例のような物理的な構成による補正ではなく、センサコントローラ4の座標算出処理に補正処理を組み込むことにより対応することとしてもよい。
【0067】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態によるセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。本実施の形態では、複数の線状電極5x,5yがそれぞれメッシュ状の導体によって構成される場合に特に採用可能な構成について、説明する。電子機器1の全体的な構成は、センサパネル5の構成が図11及び図12に示したものになる点を除き第1の実施の形態で説明したものと同一であるので、以下では、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、第1の実施の形態との相違点に着目して説明する。
【0068】
図10には、複数の線状電極5xのそれぞれを構成するメッシュ状の導体を具体的に描いている。複数の線状電極5yのそれぞれも同様にメッシュ状の導体であるが、図面が煩雑になるため、描画を省略している。
【0069】
図10に示すように、本実施の形態では、アクティブエリアA外におけるメッシュ密度がアクティブエリアA内におけるメッシュ密度より高くなるように形成されたメッシュ状の導体によって、外側電極5xaを構成する。より具体的には、アクティブエリアA内からアクティブエリアA外に向かって徐々に又は段階的にメッシュ密度が高くなるように、外側電極5xaを構成することが好ましい。図示していないが、外側電極5xb,5ya,5ybについても同様である。
【0070】
本実施の形態によれば、一様なメッシュ状導体又は一様な板状導体により外側電極5xaを構成する場合に比べ、外側電極5xa近傍におけるペン信号の強度分布を外側に移動させることができる。その結果、センサコントローラ4は、外側電極5xaのx方向の中心線よりもさらに外側までx座標を好適に検出できるようになるので、外側電極5xaのうちアクティブエリアA外にはみ出して設置する必要のある部分の幅WPを、図10に示すようにW1/2より小さな値にすることが可能になる。このことは、アクティブエリアAを背景技術に比べて外側に広げることが可能になることを意味するので、本発明によれば、第1及び第2の実施の形態と同様に、タブレット型の電子機器1の狭ベゼル化を実現することが可能になると言える。
【0071】
なお、第3の実施の形態は、メッシュ電極でない外側電極にも適用可能である。すなわち、外側電極は、アクティブペン10のペン先10aがアクティブエリアAの外側に位置する場合に、アクティブエリアAの内側に位置する場合に比してペン先10aに設けられる電極と外側電極との間に形成される結合容量が大きくなるように構成されていればよい。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0073】
例えば、センサパネルは、外側電極のさらに外側にも、線状電極を有していてもよい。このような線状電極は、例えばベゼル領域内にアクティブペンが存在することを検出するために用いられるが、この場合に本発明でいう外側電極は、アクティブエリア内の座標検出のために用いる複数の線状電極の中で最も端に位置するものとなる。
【0074】
また、外側電極は、その全部がアクティブエリアの外側に位置するものであってもよい。第2の実施の形態で説明したセンサパネル5は、そのように構成した外側電極を有するセンサパネルの一例である。
【符号の説明】
【0075】
1 電子機器
2 ホストコントローラ
3 表示パネル
4 センサコントローラ
5 センサパネル
5x,5y 線状電極(内側電極)
5xa,5xb,5ya,5yb 外側電極
6x,6y 配線
10 アクティブペン
10a アクティブペン10のペン先
23,25 粘着シート
24 フィルム
26 カバーガラス
26a タッチ面
A アクティブエリア
Aa アクティブエリアAの外周辺
An 近傍エリア
Ar 遠隔エリア
B ベゼル領域
Cx,Cy カバー部
D ダミー配線
LG ガード配線
T FPC接続端子
TA 端子領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12