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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】示差高さPCBを含む半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20231030BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20231030BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20231030BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20231030BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20231030BHJP
【FI】
H01L25/08 Z
H01L23/12 F
H01L23/12 Z
H01L25/04 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022082728
(22)【出願日】2022-05-20
(65)【公開番号】P2023101448
(43)【公開日】2023-07-21
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】17/572,344
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】ナンダ・クマル・モハンラジ
(72)【発明者】
【氏名】ジェガテーセ・ダナチャンドラ・プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】タミルセルヴァン・クリシュナムーティ
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2002/069251(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 25/04
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板であって、
平坦な平板状の第1の表面と、
前記第1の表面とは反対側に設けられ、異なる高さを有する第2の表面と、
前記半導体デバイスをホストデバイスのコネクタに電気的に結合するように構成された接触フィンガを備える第1のセクションであって、前記第1のセクションが、第1の厚さを有する、第1のセクションと、
前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する第2のセクションと、
を有する基板と、
前記基板の前記第2のセクションに装着され、前記基板の前記第1のセクション内の前記接触フィンガに電気的に結合された1つ以上の半導体ダイと、
前記第2のセクション上で前記1つ以上の半導体ダイをカプセル化する成形化合物であって、前記接触フィンガを覆わずに露出したままにする、成形化合物と、を備え、
前記成形化合物は、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの両方に跨るように、前記基板の前記第2の表面に塗布されている、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1のセクションが、前記第2のセクションと隣接している、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記接触フィンガ及び1つ以上の半導体ダイが、前記基板の前記第2の表面に装着されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記接触フィンガが、前記基板の前記第2の表面上の前記第1のセクション上に設けられている、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の半導体ダイが、前記基板の前記第2の表面上の前記第2のセクション上に設けられている、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記成形化合物が、前記基板の前記第2の表面に塗布された成形化合物の第1の層と、前記基板の前記第1の表面に塗布された成形化合物の第2の層と、を含む、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記半導体デバイスが、セキュアデジタルメモリカードである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記セキュアデジタルメモリカードが、蓋なしである、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1のセクションが、1.2±0.15mmの厚さを有し、前記第2のセクションが、0.4±0.15mmの厚さを有し、前記成形化合物が、1.5±0.15mmの厚さを有する、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記成形化合物が、前記基板の前記第2の表面に塗布された成形化合物の第1の層と、記基板の前記第1の表面に塗布された成形化合物の第2の層と、を含み、前記成形化合物の第2の層が、0.2±0.15mmの厚さを有する、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
ホストデバイスのスロット内に嵌合するように構成された半導体デバイスであって、
1つ以上の半導体ダイと、
前記1つ以上の半導体ダイと前記ホストデバイスとの間で信号を伝送するための信号キャリア手段であって、前記信号キャリア手段が、
平坦な平板状の第1の表面と、
前記第1の表面とは反対側に設けられ、異なる高さを有する第2の表面と、
前記半導体デバイスを前記ホストデバイス内の接触ピンに電気的に結合するように構成された接触フィンガを備える第1のセクションであって、前記第1のセクションが、第1の厚さを有する、第1のセクションと、
前記第1の厚さ未満の第2の厚さを有する第2のセクションと、を有する、信号キャリア手段と、
前記第2のセクション上で前記1つ以上の半導体ダイをカプセル化する成形化合物であって、前記接触フィンガを覆わずに露出したままにする、成形化合物と、を備え、
前記成形化合物は、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの両方に跨るように、前記信号キャリア手段の前記第2の表面に塗布されている、半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポータブル消費者向け電子機器に対する需要の大きな高まりは、高容量記憶デバイスの必要性を推進している。フラッシュメモリ記憶カードなどの不揮発性半導体メモリデバイスは、デジタル情報の記憶及び交換に対するますます高まる要求を満たすために広く使用されている。それらのポータビリティ、バーサティリティ、及び堅牢なデザインは、高信頼性及び大容量と共に、このようなメモリデバイスを、例えば、デジタルカメラ、デジタル音楽プレーヤ、ビデオゲームコンソール、携帯電話、及びSSD(ソリッドステートドライブ)を含む、多種多様な電子デバイスにおける使用に理想的にしている。
【0002】
メモリデバイスは、例えば、SD(セキュアデジタル)カードを含む標準サイズに包装され、半導体ダイが基板上に装着され、次いで保護成形化合物にカプセル化される。次いで、成形パッケージは、プラスチック蓋内に装着され得る。SDカードの全体的な厚さは、標準的な高さのホストスロット内に収まるように2.1±0.15mmで標準的に設定される。最近、いわゆる「助材なし」メモリカードが、蓋を伴わずに開発されている。これらのメモリカードは、全体的な厚さが、依然として2.1±0.15mmである第1の要件、及び接触フィンガがホストデバイスのコネクタピンと適切に嵌合するために、接触フィンガを含む面積が標準で1.4±0.15mm厚であるという第2の要件を有する。
【0003】
したがって、得られた助材なしメモリカードは、従来、厚さ0.21mmであり、均一な厚さである基板を含む。接触フィンガは、基板の第1の表面上に形成され、メモリダイは、基板の第2の対向する表面に装着される。均一な厚さの成形化合物は、基板の第2の表面に塗布され、メモリダイをカプセル化し、基板の対向する第1の表面上の接触フィンガの下に塗布される。接触フィンガに必要な厚さを提供するために、第2の表面上の成形化合物の厚さは、1.19mmであり、基板と共に、1.4mmの接触フィンガで必要な厚さを提供する。0.7mmの厚さを有する成形化合物を基板の第1の表面に塗布し、接触フィンガを露出させる。基板の第1の表面上の厚さ0.7mmの成形化合物は、2.1mmのメモリカード厚さ全体を提供するために必要であり、そうでなければ未使用の空間である。
【0004】
標準サイズのメモリカードにおけるより高い貯蔵容量に向かう常に存在するドライブを考えると、記憶容量の増加に使用するために、メモリカード内の高さ寸法に沿った追加の空間を見つける必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本技術の実施形態による、基板及びその基板を使用する半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローチャートである。
【0006】
図2】本技術の一実施形態による、異なる製造段階における半導体デバイスの示差高さ基板の層を示す詳細な端面図である。
図3】本技術の一実施形態による、異なる製造段階における半導体デバイスの示差高さ基板の層を示す詳細な端面図である。
図4】本技術の一実施形態による、異なる製造段階における半導体デバイスの示差高さ基板の層を示す詳細な端面図である。
図5】本技術の一実施形態による、異なる製造段階における半導体デバイスの示差高さ基板の層を示す詳細な端面図である。
図6】本技術の一実施形態による、異なる製造段階における半導体デバイスの示差高さ基板の層を示す詳細な端面図である。
【0007】
図7】本技術の一実施形態による半導体デバイスの示差高さ基板の一般化された端面図である。
【0008】
図8図7の基板の上面図である。
【0009】
図9】本技術の一実施形態による、その上に装着された半導体ダイを含む示差高さ基板の端面図である。
【0010】
図10図9の基板の上面図である。
【0011】
図11】示差高さ基板の第1の表面上に半導体ダイをカプセル化する成形化合物の第1の層を含む、本技術の実施形態による半導体デバイスの端面図である。
【0012】
図12】示差高さ基板の第2の表面をカプセル化する成形化合物の第2の層を含む、本技術の実施形態による半導体デバイスの端面図である。
【0013】
図13】高さ寸法に沿ったデバイスの例示的な寸法を示す、本技術の実施形態による半導体デバイスの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本技術が、図面を参照して説明され、それは実施形態において、示差高さ基板を含む半導体デバイスに関する。実施形態では、基板は、接触フィンガを含む第1のセクションと、第1のセクションから延在する第2のより薄いセクションとを有し得る。半導体ダイ及び他の構成要素は、基板の第2のより薄いセクションに装着され得る。成形化合物は、半導体ダイ及び他の構成要素をカプセル化し得、基板の第1のセクションの接触フィンガを露出したままにする。成形化合物の第2の層はまた、基板の第2の均一に平坦な表面に塗布され得る。
【0015】
基板の第1のセクション上の接触フィンガは、ホストデバイス内のコネクタピンと嵌合して、半導体デバイスとホストデバイスとの間の情報への伝達を可能にするために使用される。基板の第2の表面上の成形化合物の第2の層と共に第1の基板セクションの厚さは、1.4±0.15mmの必要なデバイス厚さを満たす。成形化合物の第1及び第2の層と共に第2の基板セクションの厚さは、2.1±0.15mmの全体的な必要なデバイス厚さを満たす。基板上の構成要素のレイアウトを再操作することにより、基板の第2のセクションを第1のセクションよりも薄いプロファイルで提供することによって、メモリダイ及び高さ寸法に沿った他の構成要素に利用可能な空間が、以下に説明されるように半導体デバイス内で最大化される。
【0016】
本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが理解される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧かつ完全であり、本発明を当業者に十分に伝えるように提供される。実際、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本発明の範囲及び趣旨内に含まれる、これらの実施形態の代替物、修正、及び均等物を網羅することが意図される。更に、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完璧な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明が、そのような具体的な詳細を伴わずに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0017】
本明細書で使用され得るように、「上部」及び「底部」、「上方」及び「下方」、並びに「垂直」及び「水平」という用語、並びにそれらの形態は、単に例として、及び例解目的のためであるに過ぎず、参照された項目が位置及び向きにおいて交換され得る限り、本技術の説明を限定することを意図するものではない。また、本明細書で使用するとき、「実質的に」及び/又は「約」という用語は、指定された寸法又はパラメータが、所与の用途の許容可能な製造許容範囲内で変化し得ることを意味する。一実施形態では、許容可能な製造許容差は、±0.15mmであるか、又は代替的に、所与の寸法の±2.5%である。
【0018】
本開示の目的のために、接続とは、直接的な接続又は(例えば、1つ以上の他の部分を介した)間接的な接続であり得る。場合によっては、第1の要素が第2の要素に接続、固着、装着、又は結合されていると言及される場合、第1及び第2の要素は、互いに直接接続、固着、装着、若しくは結合され得るか、又は互いに間接的に接続、固着、装着、若しくは結合され得る。第1の要素が第2の要素に直接接続、固着、装着、若しくは又は結合されると言及される場合、第1の要素と第2の要素との間に中間要素は存在しない(場合によっては、第1及び第2の要素を接続、固着、装着、若しくは又は結合するために使用される接着剤又は溶融金属以外であり得る)。
【0019】
ここで、本技術の一実施形態を、図1のフローチャート及び図2図13の端面図及び上面図を参照して説明する。図は、示差高さ基板100又はその一部を含む単一の半導体デバイス150を示しているが、本技術の半導体デバイスは、規模の経済性を達成するために示差高さ基板のパネルから組み立てられ得ることが理解される。
【0020】
ステップ200では、示差高さ基板が形成される。示差高さ基板の層の詳細は、図2図6の端面図を参照して以下に説明される。示差高さ基板100は、以下に説明するように、基板上に装着された半導体ダイとホストデバイスとの間で電気信号を伝達するために提供される信号キャリア媒体である。本技術の一実施形態では、示差高さ基板100は、プリント回路基板であり得るが、基板100は、フレックステープ、インタポーザ、又はそれらの組み合わせなどの他の信号キャリア媒体から形成され得る。
【0021】
ここで図2の端面図を参照すると、基板100は、ステップ200で、誘電体コア106を挟む導電層104からなる信号キャリアアセンブリ102を開始し得る。導電層104は、銅又は銅合金、めっき銅又はめっき銅合金、42アロイ(42Fe/58Ni)、銅めっき鋼、又は基板パネル上での使用に好適な他の金属及び材料で形成され得る。コア106は、例えば、ポリイミド積層体、FR4及びFR5を含むエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン(bismaleimide triazine、BT)などの様々な誘電材料で形成され得る。コア106は、代替的な実施形態では、セラミック又は有機であり得る。
【0022】
信号キャリアアセンブリ102は、次に、一対のbステージプリプレグ層108の間に挟まれ得、導電層104は、上部プリプレグ層108の上面上に形成され得る。基板のプリプレグ層108は、基板の層を一緒に接着するのを助けるために、かつ層間に追加の電気絶縁を提供するために追加される。貫通孔ビア110は、層を介して形成され、導電性材料でめっき又は充填されて、様々な導電層104を互いに選択的に電気的に結合し得る。ビア110の数及び位置は、単なる実施例として示されており、更なる実施形態において変化し得る。
【0023】
図3の端面図を参照すると、更なるbステージプリプレグ層108が、上部導電層104の上に追加され得る。このプリプレグ層108は、上部導電層104の表面全体にわたって部分的にのみ延在して、上面上に開口部又は窓を形成し得る。その窓は、はんだマスク112で充填され得る。
【0024】
次に、図4の端面図を参照すると、別の信号運搬アセンブリ102が、既存構造の上に追加され得る。第1に、別のbステージプリプレグ層108が、プリプレグ及びはんだマスクの以前の最上層の上に追加され得る。次いで、誘電体コア106を挟む一対の導電層104を含む、信号運搬アセンブリ102が、追加され得る。次いで、最終はんだマスク層112が、構造の上部に追加され得る。構造の底部では、別の導電層104が、プリプレグ108の以前に最下層の下に追加され得、次いで、はんだマスク層が、新しい導電層104の下に追加され得る。ビア110は、示されるように、新たに追加された導電層104を通って下方に延在され得る。
【0025】
図5の端面図に見られるように、基板100は、116で深度ルーティングされて、(図5のページ内に)基板を横切る垂直平面開口部を作成し得る。はんだマスク112(図5の視点からの開口部116の左側に)で充填された窓の上方の上層は、次いで、デキャッププロセスで除去され得る。図6は、完成した基板100の一部分の端面図であり、より多くの層を有する第1のセクション100aを示し、第2のセクション100bよりも厚い。第1のセクション100a及び第2のセクション100bは、互いに隣接している。
【0026】
図7及び図8は、それぞれ、完成した基板100の端面図及び上面図である。最終的な上部及び底部はんだマスク層112を適用する前に、上部及び底部導電層104を各々個別にエッチングして、電気トレース116、接触パッド118、及び接触フィンガ120を含むコンダクタンスパターンを形成し得る(明確にするためにはんだマスク層112は図7及び図8から省略されている)。内部導電層104のうちの1つ以上はまた、トレース116のコンダクタンスパターンを含むようにエッチングされ得る(図示せず)。接触パッド118は、以下に説明するように、半導体ダイなどのワイヤボンド及び/又は表面装着構成要素を受容するために提供される。接触フィンガ120は、以下に説明するように、完成した半導体デバイスをホストデバイスのソケットピンに接続するために使用される。上部及び/又は底部はんだマスク層をエッチングして、接触パッド118及び接触フィンガ120を露出し得る。基板100は、平坦かつ平面状である底面122と、示差高さセクション100a及び100bを含む上面124と、を含み得る。セクション100a及び100bの各々はまた、異なる高さで、平坦かつ平面状であり得る。図7及び図8に示されるビア110、トレース116、接触パッド118、及び接触フィンガ120のパターンは、単なる例として、更なる実施形態では各々変化し得る。
【0027】
再び図1を参照すると、完成した示差高さ基板100は、ステップ202において、検査及び動作的に試験され得る。これらの検査は、例えば、欠陥、汚染、傷、及び変色をチェックするための自動光学検査(automatic optical inspection、AOI)、自動視検査(automated visual inspection、AVI)、及び/又は最終目視検査(final visual inspection、FVI)を含み得る。これらのステップのうちの1つ以上は、更なる実施形態では、省略されるか、又は異なる順序で実行され得る。
【0028】
示差高さ基板100が検査を通過すると仮定すると、受動的な構成要素126(図8)は、次に、ステップ204において第2の基板セクション100bの上面124に固着され得る。1つ以上の受動的な構成要素としては、例えば、1つ以上のコンデンサ、抵抗器、及び/又はインダクタが挙げられ得るが、他の構成要素が企図される。示される受動的な構成要素126は、単なる例としてあり、数、タイプ、及び位置は、更なる実施形態において変化し得る。
【0029】
ステップ210では、1つ以上の半導体ダイ130、132が、基板100の第2のセクション100bの上面124に装着され得る。図9及び図10の端面図及び上面図に示されるように、半導体ダイ130は、例えば、2D NANDフラッシュメモリ若しくは3D BiCS(ビットコストスケーリング)、V-NAND、又は他の3Dフラッシュメモリなどの1つ以上のメモリダイであり得るが、他のタイプのダイ130が使用され得る。これらの他のタイプの半導体ダイとしては、SDRAM、DDR SDRAM、LPDDR及びGDDRなどのRAMが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
複数の半導体ダイ130が含まれる場合、半導体ダイ130は、図9及び図10に示すように、オフセット段付き構成で互いに積み上げられてダイスタックを形成し得る。スタックに示されるダイ130の数は、単なる例としてあり、実施形態は、例えば、1、2、4、8、16、32、又は64個のダイを含む、異なる数の半導体ダイを含み得る。更なる実施形態では、他の数のダイが存在し得る。ダイは、ダイアタッチフィルムを使用して、基板及び/又は互いに固着され得る。一例として、ダイアタッチフィルムをBステージに硬化させて、ダイ130をスタックに事前に固着し、続いて、最終Cステージに硬化させて、ダイ130を基板100に永久的に固着し得る。
【0031】
図9及び図10はまた、例えば、示差高さ基板100に装着されたコントローラダイ表面であり得る半導体ダイ132を示す。コントローラダイ132は、例えば、メモリダイ130への及びメモリダイ130からの信号及びデータの伝達を制御するためのASICであり得る。コントローラダイ132は、はんだ付け又はCu-to-Cu接合によって接触パッド118に装着されたフリップチップであり得る。代替的に、コントローラダイ132は、以下の段落で説明されるようにワイヤボンドされ得る。
【0032】
ステップ214において、半導体メモリダイ130は、互いに、及び示差高さ基板100の接触パッド118に電気的に相互接続され得る。図9及び図10は、スタックのそれぞれのダイ130上の対応するダイボンドパッド間に形成され、次いで、示差高さ基板100の上面124の第2のセクション100b上の接触パッド118に接合されているボンドワイヤ134を示す。ワイヤボンドは、ボールボンディング技術によって形成され得るが、他のワイヤボンディング技術が可能である。半導体ダイ130は、シリコン貫通ビア(through-silicon via、TSV)及びフリップチップ技術によることを含む、更なる実施形態における他の方法によって、互いに及び基板100に電気的に相互接続され得る。上記のように、表面が装着されていない場合、コントローラダイ132はまた、ステップ214で基板にワイヤボンドされ得る。半導体ダイ130、132は、基板100のトレース116及びビア110を介して接触フィンガ120に電気的に結合される。
【0033】
ダイ130、132を基板100に電気的に接続した後、半導体デバイス150は、ステップ216において第1のカプセル化プロセスを受け得る。図11の端面図に示されるように、成形化合物140は、受動的な構成要素126及び半導体ダイ130、132をカプセル化及び保護するために、第2の基板セクション100bで上面124上の構成要素の上に塗布され得る。成形化合物140は、第1の基板セクション100a上の接触フィンガ120を覆わずに露出したままにする。成形化合物140は、例えば、固体エポキシ樹脂、フェノール樹脂、溶融シリカ、結晶性シリカ、カーボンブラック、及び/又は金属水酸化物を含み得る。他の製造業者からの他の成形化合物が企図される。成形化合物は、FFT(フローフリー薄型)成形、圧縮成形、トランスファ成形又は射出成形技法を含む、様々な既知のプロセスによって塗布され得る。
【0034】
次に、半導体デバイス150は、ステップ220で第2のカプセル化プロセスを受けて、半導体デバイス150の組み立てを完了し得る。図12の端面図に示されるように、成形化合物142は、平坦な平面状の底面122全体にわたって均一に塗布され得る。成形化合物142は、成形化合物140に使用される同じ又は異なる材料であり得、成形化合物142は、成形化合物140を塗布するために使用されるものと同じ又は異なるプロセスを使用して塗布され得る。上記の説明では、成形化合物140が上面124に塗布された後、成形化合物142を底面122に塗布した。しかしながら、更なる実施形態では、成形化合物142は、成形化合物140の前に塗布され得、又は成形化合物140及び142は、ステップ216及び220を組み合わせる単一のカプセル化プロセスで同時に塗布され得る。以下に記載されるように、底面122上の成形化合物142は、更なる実施形態では全て省略され得る。
【0035】
背景技術のセクションで説明されているように、従来のメモリカードは、未使用の成形化合物空間(カードの高さの要件を満たすために提供される)を含んだ非効率的な設計を有し、メモリダイを装着するために、高さ寸法に沿って、基板上の空間の量を不必要に制限していた。本技術の利点は、基板上の構成要素のレイアウトを再操作することによって、及び示差高さ基板を提供することによって、この問題を解決することである。この設計を使用して、メモリダイの上部基板表面124(第2の基板セクション100bで)上で利用可能な空間が最大化される。更に、接触フィンガ120における半導体デバイス150の必要な厚さが維持される。
【0036】
図13は、本技術の半導体デバイス150の例示的な寸法を例解している。例えば、第1の基板セクション100aの厚さ、aは、1.2mmであり得、底部成形化合物層142の厚さ、bは、0.2mmであり得る。これは、標準によって必要とされるように、1.4mmでの接触フィンガ120における半導体デバイス150の厚さ、cを提供する。第2の基板セクション100bの厚さ、dは、0.4mmであり得る。上部成形化合物層140の厚さ、eは、1.5mmであり得る。したがって、第2の基板セクション100bと、上部及び底部成形化合物140、142との合計厚さ、fは、標準によって必要とされるように、2.1mmであり得る。第1の基板セクション100aの長さ、gは、接触フィンガ120に必要な空間と少なくとも同じ大きさであり得、実施形態では、7.65mm~13.4mmの範囲であり得る。上記の寸法の各々は、例として提供され、各々は、更なる実施形態において、例えば、±0.15mmで変化し得ることが理解される。
【0037】
メモリダイの上面124上の成形化合物140内で利用可能な1.5mmは、従来のメモリカードで利用可能な高さ寸法に沿った空間よりも著しく大きいことに留意されたい。したがって、本技術の半導体デバイス150は、同じ形態因子の従来のメモリカードと比較して、より大きな貯蔵容量を提供し得る。
【0038】
更なる実施形態では、底部成形化合物層142は、省略され得る。これにより、上部成形化合物層140の厚さ、及び追加のメモリダイに利用可能な空間が、例えば、1.7±0.15mmまで増加されることを可能にする。そのような実施形態では、第1の基板セクション100aの厚さは、基準を満たすために1.4mmまで増加され得る。
【0039】
上記の実施形態では、半導体デバイス150は、蓋なしSD(セキュアデジタル)フラッシュメモリカードであり得る。しかしながら、半導体デバイス150は、標準的及び非標準的な形態因子の両方である他のタイプのメモリカードであり得、半導体デバイス150は、蓋なし又は蓋付きであり得ることが理解される。蓋付きの場合、半導体デバイス150は、プラスチック蓋に収容され得る。そのような実施形態では、成形化合物140及び/又は142の厚さを低減して、蓋の厚さを収容し得る。
【0040】
要約すると、一例では、本技術は、半導体デバイスであって、半導体デバイスをホストデバイス内の接触ピンに電気的に結合するように構成された接触フィンガを備える第1のセクションであって、第1の厚さを有する第1のセクションと、第1のセクションよりも薄いプロファイルを有する第2のセクションと、を有する基板と、基板の第2のセクションに装着され、基板の第1のセクション内の接触フィンガに電気的に結合された1つ以上の半導体ダイと、第2のセクション上に1つ以上の半導体ダイをカプセル化する成形化合物であって、接触フィンガを覆わずに露出したままにする、成形化合物と、を備える、半導体デバイスに関する。
【0041】
別の例では、本技術は、半導体デバイスであって、第1の平坦な表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、第2の表面部分が第1の高さにある第1のセクションと、第2の表面が第1の高さよりも低い第2の高さにある第2のセクションと、を有する示差高さ基板と、第1のセクション内の第2の表面上に設けられた接触フィンガであって、半導体デバイスを、ホストデバイス内の接触ピンに電気的に結合するように構成された接触フィンガと、第2のセクションにおいて第2の表面上に装着され、示差高さ基板の第1のセクション内の接触フィンガに電気的に結合された1つ以上の半導体ダイと、1つ以上の半導体ダイをカプセル化する第2のセクション内の第2の表面上の成形化合物と、を備える、半導体デバイスに関する。
【0042】
更なる例では、本技術は、ホストデバイスのスロット内に適合するように構成された半導体デバイスであって、1つ以上の半導体ダイと、1つ以上の半導体ダイとホストデバイスとの間で信号を伝送するための信号キャリア手段であって、信号キャリア手段が、半導体デバイスをホストデバイス内の接触ピンに電気的に結合するように構成された接触フィンガを備える第1のセクションであって、第1の厚さを有する、第1のセクションと、第1のセクションよりも薄いプロファイルを有する第2のセクションと、を備える信号キャリア手段と、第2のセクション上で1つ以上の半導体ダイをカプセル化する成形化合物であって、接触フィンガを覆わずに露出したままにする、成形化合物と、を備える、半導体デバイスに関する。
【0043】
本技術の前述の詳細な説明は、例解及び説明の目的のために提示したものである。前述の詳細な説明は、網羅的であること、又は開示した正確な形態に本技術を限定することを意図したものではない。上記の教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。説明した実施形態は、本技術の原理及びその実際の用途を最良に説明するために選択されたものであり、それによって、当業者が様々な実施形態で、企図される特定の使用法に適するように様々な修正を伴って、本技術を最良に利用することを可能にする。本技術の範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義されることが意図されている。
図1
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図13