(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】統合されたTSNおよび5G展開のためのシステムレベルのスケジュール生成
(51)【国際特許分類】
H04W 28/02 20090101AFI20231030BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20231030BHJP
【FI】
H04W28/02
H04W56/00 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022136085
(22)【出願日】2022-08-29
【審査請求日】2022-08-31
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】アドナン アイジャズ
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0306910(US,A1)
【文献】特開2009-065429(JP,A)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Integration of the 5G System in a TSN network,3GPP TSG SA WG2#128BIS S2-188100,フランス,3GPP,2018年08月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ネットワークにおいて、
集中化ネットワークコントローラにより、第1のデータストリームのフレームをスケジュールし、送信する方法であって、前記複合ネットワークは複数のノードを備え、前記ノードは、少なくとも1つの時間依存ネットワーク(TSN)ブリッジを備える少なくとも1つの時間依存ネットワーク(TSN)と、無線インターフェースおよびコアネットワークを備える少なくとも1つのワイヤレス5Gネットワークとを備え、前記第1のデータストリームは、前記複数のノードのうちの第1のノードから、前記複数のノードのうちの第2のノードへの経路に関連付けられ、前記経路は少なくとも1つのリンクを備え、前記リンクは、ワイヤレス5GリンクまたはTSNリンクのいずれかであり、前記方法は、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記複合ネットワークに対して、前記第1のデータストリームのサイクル時間に基づいて割り振りウィンドウを決定することと、ここにおいて、前記割り振りウィンドウは、前記複合ネットワークにおける各データストリームの少なくとも1つのサイクルがその間に完了する期間を規定し、サイクルは、固定長さの時間ウィンドウであ
り、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記複合ネットワークにおける前記第1のデータストリームの前記割り振りウィンドウおよび前記サイクル時間に基づいて、前記第1のデータストリームに対するサイクル数を決定することと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記複合ネットワークの前記第1のデータストリームのペイロードおよび最大送信単位(MTU)に基づいて、前記第1のデータストリームの各サイクルに対するフレーム送信数を決定することと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記経路に沿った各リンク上で、
かつ前記割り振りウィンドウ内で、前記第1のデータストリームの各サイクルに対して、前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることと、
前記集中化ネットワークコントローラが、各リンクに対して、前記リンクのタイプに基づき、各フレーム送信に対して、TSNスロットまたはワイヤレス5Gウィンドウを割り振ることとを備え、
前記集中化ネットワークコントローラが、各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記リンクがTSNリンクである第1の場合、前記リンクがワイヤレス5Gリンクの直ぐ後のTSNリンクである第2の場合、および前記リンクがワイヤレス5Gリンクである第3の場合のいずれか1組の制約に基づいており、前記1組の制約は、前記ワイヤレス5Gネットワークの制約、前記TSNネットワークの制約、前記複合ネットワークのトポロジ、前記第1のデータストリームの要件
、スケジューリング制約
、前記リンク上で利用可能なスロット数、リンク送信制約、フレーム分離制約、フレーム送信順序制約、5Gシステムを介するフレームのエンドツーエンド送信時間、および無線リソース割り振り制約のうち
から1つ以上が、前記第1の場合、前記第2の場合、および前記第3の場合のいずれかに応じて決定される、方法。
【請求項2】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記リンクがTSNリンクである場合、各フレーム送信に対して、1組の制約を満たす前記リンク上で、最も早く利用できるフレームオフセットを決定することと、ここにおいて、前記1組の制約は、前記ワイヤレス5Gネットワークの制約、前記TSNネットワークの制約、前記複合ネットワークのトポロジ、前記第1のデータストリームの要件、および/またはスケジューリング制約を備え、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記最も早く利用可能なフレームオフセットで、前記リンク上の前記フレーム送信をスケジュールすることと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割り振りウィンドウを決定することは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記第1のデータストリームの前記サイクル時間、および第2のデータストリームのサイクル時間に基づき、前記割り振りウィンドウを決定することを備え、前記第2のデータストリームのフレームは、前記複合ネットワークを介して送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記経路はTSNリンクを備え、方法は、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記第1のデータストリームの各サイクルに対する前記フレーム送信の前記スケジューリングに基づき、前記TSNリンク上の前記フレーム送信の前記送信を制御するためのゲート制御リストを作成すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2のデータストリームのフレームは、前記複合ネットワークを介して送信され、方法は、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記第1のデータストリームの前記サイクル時間、および前記第2のデータストリームの前記サイクル時間に基づき、前記第1のデータストリームを優先させること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記経路のリンク上の各フレーム送信に対して、前記リンクがTSNリンクであり、前記フレーム送信が、前記リンク上でスケジュールされる前記第1のデータストリームの前記第1の送信である場合、前記フレーム送信を、前記リンク上で利用可能なスロット数、リンク送信制約、およびフレーム分離制約に基づいてスケジュールすることを備え、
前記リンク送信制約は、前記リンクを介して送信される2つのフレーム送信が、時間で重ならないことを保証
し、
前記フレーム分離制約は、第2のデータストリームからのフレーム送信が、前記TSNブリッジにおける待ち行列にある場合、前記第1のデータストリームの前記フレーム送信は、前記TSNブリッジに到達できないことを保証する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記経路のリンク上の各フレーム送信に対して、前記リンクがTSNリンクであり、前記フレーム送信が、前記リンク上でスケジュールされる前記第1のデータストリームの前記第1の送信ではない場合、前記リンク上で利用可能なスロット数、フレーム分離制約、フレーム送信順序制約、およびリンク送信制約に基づいて、前記フレーム送信をスケジュールすることを備え、
前記リンク送信制約は、前記リンクを介して送信された2つのフレーム送信が、時間で重ならないことを保証
し、
前記フレーム分離制約は、第2のデータストリームからのフレーム送信が前記TSNブリッジにおける待ち行列にある場合、前記第1のデータストリームの前記フレーム送信が、前記TSNブリッジに達することができないことを保証
し、
前記フレーム送信順序制約は、前記ネットワークにおける各フレームは、それが直接前のリンクを介して完全に受信された後に限って、リンクを介して送信され得るように指定する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記経路のリンク上の各フレーム送信に対して、前記リンクが、5Gリンクの直ぐ後のTSNリンクであり、前記TSNリンクが、5Gネットワークからフレームを受信するTSNネットワークからのものである場合、前記リンク上で利用可能なスロット数
、5Gシステムを介するフレームのエンドツーエンド送信時間、前記フレーム分離制約、前記フレーム送信順序制約、および前記リンク送信制約に基づいて、前記フレーム送信をスケジュールすることを備え、
前記リンク送信制約は、前記リンクを介して送信される2つのフレーム送信が、時間で重ならないことを保証
し、
前記フレーム分離制約は、第2のデータストリームからのフレーム送信が前記TSNブリッジにおける待ち行列にある場合、前記第1のデータストリームの前記フレーム送信が、前記TSNブリッジに到達できないことを保証
し、
前記フレーム送信順序制約は、前記ネットワークにおける各フレームが、直接前のリンクを介して完全に受信された後に限って、リンクを介して送信され得るように指定する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記経路のリンク上の各フレーム送信に対して、前記リンクがワイヤレス5Gリンクである場合、フレーム送信順序制約および無線リソース割り振り制約に基づいて前記フレーム送信をスケジュールすることを備え、
前記フレーム送信順序制約は、前記ネットワークにおける各フレームが、直接前のリンクを介して完全に受信された後に限って、リンクを介して送信され得るように指定
し、
前記無線リソース割り振り制約は、前記フレーム送信には、無線インターフェース上で送信するための十分な無線リソースが割り振れられるように指定する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記サイクル内で、前記第1のデータストリームの複数のフレーム送信を連続的にスケジュールすることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、TSNブリッジにおいてフレームの受信と送信の間にフレーム送信ギャップを導入することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記ワイヤレス5Gネットワークがフレーム送信を受信したとき、ワイヤレス5Gウィンドウを直ちに開始すること
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記リンクがワイヤレス5Gリンクであり、既存のワイヤレス5Gウィンドウが、フレーム送信に利用できない場合、新しいワイヤレス5Gウィンドウを規定することと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記ワイヤレス5Gネットワークの前記無線インターフェースおよび前記コアネットワークに対する最大の送信時間を決定することと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記最大の送信時間に基づいてフレーム送信のための前記ウィンドウの長さを計算することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、
前記リンクがワイヤレス5Gリンクであり、既存のワイヤレス5Gウィンドウが、フレーム送信に利用可能である場合、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記フレーム送信を、前記既存のワイヤレス5Gウィンドウに割り振ることと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記フレーム送信を送信するためのさらなる時間に基づいて、前記ウィンドウの前記長さを更新することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
TSNリンク上の2つのスケジュールされたフレーム送信の間に送信ギャップがあり、前記送信ギャップは、前記TSNリンク上のフレーム送信のサイズの少なくとも2倍であり、方法は、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記TSNリンク上の前記2つのスケジュールされたフレーム送信間でベストエフォートのフレーム送信をスケジュールすること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
複合ネットワークにおいて、
集中化ネットワークコントローラにより、第1のデータストリームのフレームをスケジュールし、送信するためのシステムであって、前記複合ネットワークは、複数のノードを備え、前記第1のデータストリームは、前記複数のノードのうちの第1のノードから、前記複数のノードのうちの第2のノードへの経路に関連付けられ、前記経路は、少なくとも1つのリンクを備え、前記リンクは、ワイヤレス5GリンクまたはTSNリンクのいずれかであり、システムは、
少なくとも1つの時間依存ネットワーク(TSN)ブリッジを備える時間依存ネットワーク(TSN)と、
無線インターフェースおよびコアネットワークを備えるワイヤレス5Gネットワークとを備え、前記システムは、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記第1のデータストリームのサイクル時間に基づいて割り振りウィンドウを決定することと、ここにおいて、前記割り振りウィンドウは、前記ネットワークにおける各データストリームの少なくとも1つのサイクルがその間に完了する期間を規定し、サイクルは、固定長さの時間ウィンドウであ
り、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記第1のデータストリームの前記割り振りウィンドウおよび前記サイクル時間に基づいて、前記第1のデータストリームに対するサイクル数を決定することと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記複合ネットワークの前記第1のデータストリームのペイロードおよび最大送信単位(MTU)に基づいて、前記第1のデータストリームの各サイクルに対するフレーム送信数を決定することと、
前記集中化ネットワークコントローラが、前記経路に沿った各リンク上で、また前記割り振りウィンドウ内で、前記第1のデータストリームの各サイクルに対して、前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることと、
前記集中化ネットワークコントローラが、各リンクに対して、前記リンクのタイプに基づき、各フレーム送信に対して、TSNスロットまたはワイヤレス5Gウィンドウを割り振ることと
を実施するように構成され
、
前記集中化ネットワークコントローラが、各リンク上で、前記第1のデータストリームに対する前記フレーム送信を連続的にスケジュールすることは、前記リンクがTSNリンクである第1の場合、前記リンクがワイヤレス5Gリンクの直ぐ後のTSNリンクである第2の場合、および前記リンクがワイヤレス5Gリンクである第3の場合のいずれか1組の制約に基づいており、前記1組の制約は、前記ワイヤレス5Gネットワークの制約、前記TSNネットワークの制約、前記複合ネットワークのトポロジ、前記第1のデータストリームの要件、スケジューリング制約、前記リンク上で利用可能なスロット数、リンク送信制約、フレーム分離制約、フレーム送信順序制約、5Gシステムを介するフレームのエンドツーエンド送信時間、および無線リソース割り振り制約のうちから1つ以上が、前記第1の場合、前記第2の場合、および前記第3の場合のいずれかに応じて決定される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で述べられる実施形態は、一般に、通信システムにおいてデータ転送をスケジュールする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時間依存ネットワーキング(TSN:time-sensitive networking)は、標準のイーサネット(登録商標)の実時間の能力を向上させるための、IEEE802.1作業グループ内の開発による1組の規格である。TSNは、決定論的および制限された待ち時間、および極めて低いデータ損失を有する保証されたデータ送達を提供する。TSNは、単一の標準イーサネットネットワークに対して、時間が重視されたトラフィックとベストエフォートトラフィックの両方をサポートする。TSNは、産業通信に対する業界標準の有線技術になることが期待されている。それは、5Gなどの高性能ワイヤレス技術と共存する可能性が高い。したがって、TSNおよび5Gを統合することは、産業システムの想定されるデジタル変換において非常に重要である。このような統合は、エンドツーエンドの決定論的接続性を提供し、産業自動化ネットワークにおける様々な設計の簡単化を生ずるが、先例のない新しい用途を可能にする。しかし、TSNおよび高性能ワイヤレスのこのような統合および集中化動作はまた、様々な課題を生ずる。
【0003】
図面と併せて、単なる例として行われる以下の詳細な説明から、本発明の構成は、より十分に理解され、また認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の実施形態による、ワイヤレスネットワークと時間依存ネットワークのネットワーク構成を概略的に示す図。
【
図2】
図1のワイヤレスネットワークのアーキテクチャを示す図。
【
図3】
図2のワイヤレスネットワークのコアネットワーク構成要素のアーキテクチャを示す図。
【
図4】
図2のワイヤレスネットワークの基地局のアーキテクチャを示す図。
【
図5】
図2のワイヤレスネットワークのユーザ機器デバイスのアーキテクチャを示す図。
【
図6】十分に分散されたTSNモデルの形態の、
図2の時間依存ネットワークを実装する有線ネットワークを示す図。
【
図7】
図6の有線ネットワークの「トーカー」ネットワーク要素を示す図。
【
図8】
図6の有線ネットワークの「リスナ」ネットワーク要素を示す図。
【
図9】
図6の有線ネットワークのTSNブリッジを示す図。
【
図10】実施形態による複合またはハイブリッドネットワークを示す図。
【
図11】IEEE802.1Qbv互換スイッチの簡単化されたモデルを示す図。
【
図13】実施形態によるシステムレベルのスケジューリングのための方法の概略図。
【
図14】実施形態によるフレーム送信をスケジュールする方法の概略図。
【
図15】実施形態によるフレーム送信をスケジュールする方法の概略図。
【
図17】
図16のシステムモデルに対するスケジュール生成を示す図。
【
図18】実施形態によるワイヤレスウィンドウ最適化の方法の概略図。
【
図19】ベストエフォートトラフィックに対するスケジュール生成の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、複合ネットワークにおいて、第1のデータストリームのフレームをスケジュールし、送信する方法が提供され、複合ネットワークは、複数のノードを備え、ノードは、少なくとも1つの時間依存ネットワーク(TSN)ブリッジを備える少なくとも1つの時間依存ネットワーク(TSN)と、無線インターフェースおよびコアネットワークを備える少なくとも1つのワイヤレス5Gネットワークとを備え、第1のデータストリームは、複数のノードのうちの第1のノードから、複数のノードのうちの第2のノードへの経路に関連付けられ、経路は、少なくとも1つのリンクを備え、リンクは、ワイヤレス5GリンクまたはTSNリンクのいずれかであり、方法は、複合ネットワークに対して、第1のデータストリームのサイクル時間に基づいて割り振りウィンドウを決定することと、ここにおいて、割り振りウィンドウは、複合ネットワークにおける各データストリームの少なくとも1つのサイクルがその間に完了する期間を規定し、サイクルは、固定長さの時間ウィンドウである、複合ネットワークにおける第1のデータストリームの割り振りウィンドウおよびサイクル時間に基づいて、第1のデータストリームに対するサイクル数を決定することと、複合ネットワークの第1のデータストリームのペイロードおよび最大送信単位(MTU)に基づいて、第1のデータストリームの各サイクルに対するフレーム送信数を決定することと、経路に沿った各リンク上で、また割り振りウィンドウ内で、第1のデータストリームの各サイクルに対して、フレーム送信を連続的にスケジュールすることと、各リンクに対して、リンクのタイプに基づき、各フレーム送信に対して、TSNスロットまたはワイヤレス5Gウィンドウを割り振ることとを備え、ここにおいて、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、1組の制約に基づいており、1組の制約は、ワイヤレス5Gネットワークの制約、TSNネットワークの制約、複合ネットワークのトポロジ、第1のデータストリームの要件、またはスケジューリング制約のうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
TSNリンクは、送信側TSNブリッジを、受信側としてのTSNブリッジまたは5Gシステムのいずれかに接続する。同様に、5Gリンクは、送信側5Gシステムを、受信側として別の5GシステムまたはTSNブリッジのいずれかに接続する。
【0007】
本方法は、ワイヤレス5GおよびTSNシステムの共同の最適化により、最適なスケジュールを共同で提供する。本方法は、ワイヤレス5GおよびTSNシステムが、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、共同でトラフィックフローに対して確実に最適化されるようにする。
【0008】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、リンクがTSNリンクである場合、各フレーム送信に対して、1組の制約を満たすリンク上で、最も早く利用できるフレームオフセットを決定することと、ここにおいて、1組の制約は、ワイヤレス5Gネットワークの制約、TSNネットワークの制約、複合ネットワークのトポロジ、第1のデータストリームの要件、および/またはスケジューリング制約を備える、最も早く利用可能なフレームオフセットで、リンク上のフレーム送信をスケジュールすることとを備える。
【0009】
これは、ワイヤレス5GおよびTSNシステムが、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、トラフィックフローに対して、確実に共同で最適化されるようにする。
【0010】
実施形態では、割り振りウィンドウを決定することは、第1のデータストリームのサイクル時間、および第2のデータストリームのサイクル時間に基づき、割り振りウィンドウを決定することを備え、ここにおいて、第2のデータストリームのフレームは、複合ネットワークを介して送信される。
【0011】
この機能は、複数のデータストリームのスケジューリングを可能にする。
【0012】
実施形態では、経路はTSNリンクを備え、方法は、第1のデータストリームの各サイクルに対するフレーム送信のスケジューリングに基づき、TSNリンク上のフレーム送信の送信を制御するためのゲート制御リストを作成することをさらに備える。
【0013】
この機能は、TSNブリッジにおける各待ち行列に対する時限ゲートを通るフレーム送信を許可する/制限することにより、データストリームの制御を可能にする。
【0014】
実施形態では、第2のデータストリームのフレームは、複合ネットワークを介して送信され、方法は、第1のデータストリームのサイクル時間、および第2のデータストリームのサイクル時間に基づき、第1のデータストリームを優先させることをさらに備える。
【0015】
この機能は、厳しいサイクル時間要件を有するデータストリームに確実に優先権が与えられるようにする。
【0016】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、経路のリンク上の各フレーム送信に対して、リンクがTSNリンクであり、フレーム送信が、リンク上でスケジュールされる第1のデータストリームの第1の送信である場合、フレーム送信を、リンク上で利用可能なスロット数、リンク送信制約、およびフレーム分離制約に基づいてスケジュールすることを備え、ここにおいて、リンク送信制約は、リンクを介して送信される2つのフレーム送信が、時間で重ならないことを保証する、ここにおいて、フレーム分離制約は、第2のデータストリームからのフレーム送信が、TSNブリッジにおける待ち行列にある場合、第1のデータストリームのフレーム送信は、TSNブリッジに到達できないことを保証する。
【0017】
この機能は、ワイヤレス5GおよびTSNシステムが、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、トラフィックフローに対して確実に共同で最適化されるようにする。
【0018】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、経路のリンク上の各フレーム送信に対して、リンクがTSNリンクであり、フレーム送信が、リンク上でスケジュールされる第1のデータストリームの第1の送信ではない場合、リンク上で利用可能なスロット数、フレーム分離制約、フレーム送信順序制約、およびリンク送信制約に基づいて、フレーム送信をスケジュールすることを備え、ここにおいて、リンク送信制約は、リンクを介して送信された2つのフレーム送信が、時間で重ならないことを保証する、ここにおいて、フレーム分離制約は、第2のデータストリームからのフレーム送信がTSNブリッジにおける待ち行列にある場合、第1のデータストリームのフレーム送信が、TSNブリッジに達することができないことを保証する、ここにおいて、フレーム送信順序制約は、ネットワークにおける各フレームは、それが直接前のリンクを介して完全に受信された後に限って、リンクを介して送信され得るように指定する。
【0019】
この機能は、ワイヤレス5GおよびTSNシステムが、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、トラフィックフローに対して確実に共同で最適化されるようにする。
【0020】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、経路のリンク上の各フレーム送信に対して、リンクが、5Gリンクの直ぐ後のTSNリンクであり、TSNリンクが、5Gネットワークからフレームを受信するTSNネットワークからのものである場合、リンク上で利用可能なスロット数、5Gシステムを介するフレームのエンドツーエンド送信時間、フレーム分離制約、フレーム送信順序制約、およびリンク送信制約に基づいて、フレーム送信をスケジュールすることを備え、ここにおいて、リンク送信制約は、リンクを介して送信される2つのフレーム送信が、時間で重ならないことを保証する、ここにおいて、フレーム分離制約は、第2のデータストリームからのフレーム送信がTSNブリッジにおける待ち行列にある場合、第1のデータストリームのフレーム送信が、TSNブリッジに到達できないことを保証する、ここにおいて、フレーム送信順序制約は、ネットワークにおける各フレームが、直接前のリンクを介して完全に受信された後に限って、リンクを介して送信され得るように指定する。
【0021】
この機能は、ワイヤレス5GおよびTSNシステムが、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、トラフィックフローに対して確実に共同で最適化されるようにする。
【0022】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、経路のリンク上の各フレーム送信に対して、リンクがワイヤレス5Gリンクである場合、フレーム送信順序制約および無線リソース割り振り制約に基づいてフレーム送信をスケジュールすることを備え、ここにおいて、フレーム送信順序制約は、ネットワークにおける各フレームが、直接前のリンクを介して完全に受信された後に限って、リンクを介して送信され得るように指定する、ここにおいて、無線リソース割り振り制約は、フレーム送信には、無線インターフェース上で送信するための十分な無線リソースが割り振られるように指定する。
【0023】
この機能は、ワイヤレス5GおよびTSNシステムが、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、トラフィックフローに対して確実に共同で最適化されるようにする。
【0024】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、サイクル内で、第1のデータストリームの複数のフレーム送信を連続的にスケジュールすることを備える。
【0025】
ベストエフォートのトラフィックフローを交互配置するために、ソースからの送信に対して、エンドツーエンドの待ち時間、または時間ドメインにおける広がりを最小化するために、フローの複数フレームが連続的にスケジュールされ得る。
【0026】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、TSNブリッジにおいてフレームの受信と送信の間にフレーム送信ギャップを導入することを備える。
【0027】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、ワイヤレス5Gネットワークがフレーム送信を受信したとき、ワイヤレス5Gウィンドウを直ちに開始することを備える。
【0028】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、リンクがワイヤレス5Gリンクであり、既存のワイヤレス5Gウィンドウが、フレーム送信に利用できない場合、新しいワイヤレス5Gウィンドウを規定することと、ワイヤレス5Gネットワークの無線インターフェースおよびコアネットワークに対する最大の送信時間を決定することと、最大の送信時間に基づいてフレーム送信のためのウィンドウの長さを計算することとを備える。
【0029】
この機能は、フロー/データストリーム要件が満たされるように、ワイヤレス5Gウィンドウの長さの最小化を可能にする。
【0030】
実施形態では、各リンク上で、第1のデータストリームに対するフレーム送信を連続的にスケジュールすることは、リンクがワイヤレス5Gリンクであり、既存のワイヤレス5Gウィンドウがフレーム送信に利用可能である場合、フレーム送信を、既存のワイヤレス5Gウィンドウに割り振ることと、フレーム送信を送信するためのさらなる時間に基づいて、ウィンドウの長さを更新することとを備える。
【0031】
この機能は、フロー/データストリーム要件が満たされるように、ワイヤレス5Gウィンドウの長さを最小化することができる。
【0032】
実施形態では、TSNリンク上の2つのスケジュールされたフレーム送信の間に送信ギャップがあり、送信ギャップは、TSNリンク上のフレーム送信のサイズの少なくとも2倍であり、方法は、TSNリンク上の2つのスケジュールされたフレーム送信間でベストエフォートのフレーム送信をスケジュールすることをさらに備える。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、複合ネットワークにおいて、第1のデータストリームのフレームをスケジュールし、送信するためのシステムが提供され、ここにおいて、複合ネットワークは、複数のノードを備え、第1のデータストリームは、複数のノードのうちの第1のノードから複数のノードのうちの第2のノードへの経路に関連付けられ、経路は、少なくとも1つのリンクを備え、リンクは、ワイヤレス5GリンクまたはTSNリンクのいずれかであり、システムは、少なくとも1つの時間依存ネットワーク(TSN)ブリッジを備える時間依存ネットワーク(TSN)と、無線インターフェースおよびコアネットワークを備えるワイヤレス5Gネットワークとを備え、システムは、第1のデータストリームのサイクル時間に基づいて割り振りウィンドウを決定することと、ここにおいて、割り振りウィンドウは、ネットワークにおける各データストリームの少なくとも1つのサイクルがその間に完了する期間を規定し、サイクルは、固定長さの時間ウィンドウである、第1のデータストリームの割り振りウィンドウおよびサイクル時間に基づいて、第1のストリームに対するサイクル数を決定することと、複合ネットワークの第1のデータストリームのペイロードおよび最大送信単位(MTU)に基づいて、第1のデータストリームの各サイクルに対するフレーム送信数を決定することと、経路に沿った各リンク上で、また割り振りウィンドウ内で、第1のデータストリームの各サイクルに対して、フレーム送信を連続的にスケジュールすることと、各リンクに対して、リンクのタイプに基づき、各フレーム送信に対して、TSNスロットまたはワイヤレス5Gウィンドウを割り振ることを実施するように構成される。
【0034】
図1は、有線(またはガイドされる)ネットワーク11およびワイヤレスネットワーク12を備える複合またはハイブリッドネットワーク構成10を一般的な概略の形態で示す。
【0035】
図2は、5Gネットワークとして実装される、
図1のワイヤレスネットワークのアーキテクチャを示す。ワイヤレスネットワークは、複数の基地局22に接続された複数のコアネットワーク構成要素21を備える。5Gネットワークにおける基地局22は、次世代ノードBまたはgNBと呼ばれる。各基地局22は、1つまたは複数のユーザ機器(UE)デバイス(23)とワイヤレス通信を確立することができる。無線インターフェース(24)は、UEデバイス23とアクティブな基地局22の間の無線周波数部分である。
【0036】
図3は、コアネットワーク構成要素21のアーキテクチャを示す。
図3で示されるように、コアネットワーク構成要素21は、構造および機能において、コンピュータ装置である。それは、汎用コンピュータ装置といくつかの機能を共用することができるが、いくつかの機能は、ネットワーク構成要素21がそのために配置される特殊化機能が与えられた、実装特有のものとすることができる。読者であれば、どの機能が汎用タイプのものであり得るか、またどれが現在のコンテキストで使用するために特に構成される必要があり得るかを理解されよう。
【0037】
装置21は、したがって、一般的に提供されるもの、または数学的演算、オーディオ処理、通信チャネルの管理、以下同様のものなど、他の目的に対して構成されたもののいずれかの1つまたは複数のプロセッサ301を備える。
【0038】
入力インターフェース302は、ユーザの入力アクションを受けるための機能を提供する。このようなユーザ入力アクションは、例えば、特定の入力ユニットとのユーザ対話により生ずることができ、それは、1つまたは複数の制御ボタンおよび/もしくはスイッチ、タッチスクリーン、キーボード、マウスもしくは他の位置指示デバイス、音声を受信し、それを制御コマンドへと処理することのできる音声認識ユニット、タブレットもしくはスマートフォン、または遠隔制御の受信機などの別のデバイスからの処理を受信し制御するように構成された信号プロセッサを含む。読者により、このリストは網羅的なものではないことが理解されよう、またユーザが開始したか、自動化されたものかなど入力の他の形態も想定され得る。
【0039】
同様に、出力インターフェース305は、ユーザまたは別のデバイスに信号を出力するための機能を提供するように動作可能である。このような出力は、ローカルなビデオディスプレイユニット(VDU)または任意の他のデバイスを駆動するための表示信号を含むことができる。
【0040】
通信インターフェース303は、ブロードキャストであろうと、エンドツーエンドであろうと、信号の一人または複数の受信者との通信チャネルを実装する。本実施形態のコンテキストにおいて、通信インターフェースは、基地局22と、または他のコアネットワーク構成要素21と通信するために信号を送出するように構成される。
【0041】
プロセッサ301は、構成要素21の動作において、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。これを行うことにおいて、大容量記憶デバイス308により提供されるデータ記憶機能が手段として用いられ、それは、比較的遅いアクセスベースにかかわらず、大規模データ記憶を提供するように実装され、送信された信号上に符号化データを配置する前に、符号化プロセスを実行するための準備において、実際に、コンピュータプログラムを、また現在のコンテキストでは、通信データを記憶することになる。
【0042】
読み出し専用メモリ(ROM)307は、構成要素21の機能の中心部を提供するように設計された実行可能なプログラムを用いて事前に構成され、またランダムアクセスメモリ306は、コンピュータプログラムの実行を求めて、データおよびプログラム命令の迅速なアクセスおよび記憶を行うために提供される。これらのそれぞれは、複数の相互運用可能なデバイスにより使用される通信プロトコルを実装するように構成される。
【0043】
クロック304は、デバイスのすべての他の構成要素に対するタイミング信号を提供する。クロック信号は、他のデバイスと同期させるために、必要な場合、調整され得る。
【0044】
図4は、基地局22のアーキテクチャを示す。
図4で示されるように、基地局22は、構造および機能においてコンピュータ装置である。それは、汎用コンピュータ装置といくつかの機能を共用することができるが、いくつかの機能は、基地局がそのために配置される特殊化機能が与えられた、実装特有のものとすることができる。読者であれば、どの機能が汎用タイプのものであり得るか、またどれが無線通信送信機において使用するために特に構成される必要があり得るかを理解されよう。
【0045】
基地局22は、したがって、一般的に提供されるもの、または数学的演算、オーディオ処理、通信チャネルの管理、以下同様のものなど、他の目的に対して構成されたもののいずれかの1つまたは複数のプロセッサ401を備える。
【0046】
入力インターフェース402は、ユーザ入力アクションを受けるための機能を提供する。このようなユーザ入力アクションは、例えば、特定の入力ユニットとのユーザ対話により生ずることができ、それは、1つまたは複数の制御ボタンおよび/もしくはスイッチ、タッチスクリーン、キーボード、マウスもしくは他の位置指示デバイス、音声を受信し、それを制御コマンドへと処理することのできる音声認識ユニット、タブレットもしくはスマートフォン、または遠隔制御の受信機などの別のデバイスからの処理を受信し制御するように構成された信号プロセッサを含む。読者により、このリストは網羅的なものではないことが理解されよう、またユーザが開始したか、自動化されたものかなど、他の形態の入力も想定され得る。このようなユーザ入力アクションは、一般的な動作において、通常必要とされないはずであるが、機器の搭載またはメンテナンスにおいて必要になり得ることが理解されよう。
【0047】
同様に、出力インターフェース407は、ユーザまたは別のデバイスに信号を出力するための機能を提供するように動作可能である。このような出力は、ローカルなビデオディスプレイユニット(VDU)または任意の他のデバイスを駆動するための表示信号を含むことができる。
【0048】
通信インターフェース403は、ブロードキャストであろうと、エンドツーエンドであろうと、信号の一人または複数の受信者との通信チャネルを実装する。本実施形態のコンテキストにおいて、通信インターフェースは、基地局により符号化された信号を送信させるように構成される。通信コントローラ403は、コントローラにより使用されるドメインと、ワイヤレス通信に使用される無線信号ドメインの間で信号を変換するように動作可能な受信/送信ユニット404と通信状態にあり、無線信号ドメイン信号は、アンテナ405において送信され、受信される。
【0049】
プロセッサ401は、基地局22の動作において、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。これを行うことにおいて、大容量記憶デバイス410により提供されるデータ記憶機能が手段として用いられ、それは、比較的遅いアクセスベースにかかわらず、大規模データ記憶を提供するように実装され、また送信された信号上に符号化データを配置する前に、符号化プロセスを実行するための準備において、実際に、コンピュータプログラムを、また現在のコンテキストでは、通信データを記憶することになる。
【0050】
読み出し専用メモリ(ROM)409は、基地局22の機能の中心部を提供するように設計された実行可能なプログラムを用いて事前に構成され、またランダムアクセスメモリ408は、コンピュータプログラムの実行を求めて、データおよびプログラム命令の迅速なアクセスおよび記憶を行うために提供される。これらのそれぞれは、複数の相互運用可能なデバイスにより使用される通信プロトコルを実装するように構成される。
【0051】
クロック406は、デバイスのすべての他の構成要素に対するタイミング信号を提供する。クロック信号は、他のデバイスと同期させるために、必要な場合、調整され得る。
【0052】
図5は、UE23のアーキテクチャを示す。
図5で示されるように、UE23は、構造および機能においてコンピュータ装置である。それは、汎用コンピュータ装置といくつかの機能を共用することができるが、いくつかの機能は、UE23がそのために配置される特殊化機能が与えられた、実装特有のものとすることができる。読者であれば、どの機能が汎用タイプのものであり得るか、またどれがユーザデバイスにおいて使用するために特に構成される必要があり得るかを理解されよう。
【0053】
UE23は、したがって、デジタル通信において使用するのに適した、大きなデータセットを処理するのに特に使用されるように構成された並列プロセッサ501を備える。UE23はまた、一般的に提供されるもの、または数学的演算、オーディオ処理、通信チャネルの管理、以下同様のものなど、他の目的に対して構成されたもののいずれかの1つまたは複数の他のプロセッサ502を備える。
【0054】
入力インターフェース503は、ユーザ入力アクションを受信するための機能を提供する。このようなユーザ入力アクションは、例えば、特定の入力ユニットとのユーザ対話により生ずることができ、それは、1つまたは複数の制御ボタンおよび/もしくはスイッチ、タッチスクリーン、キーボード、マウスもしくは他の位置指示デバイス、音声を受信し、それを制御コマンドへと処理することのできる音声認識ユニット、タブレットもしくはスマートフォン、または遠隔制御の受信機などの別のデバイスからの処理を受信し制御するように構成された信号プロセッサを含む。読者により、このリストは網羅的なものではないことが理解されよう、またユーザが開始したか、自動化されたものかなど入力の他の形態も想定され得る。
【0055】
同様に、出力インターフェース508は、ユーザまたは別のデバイスに信号を出力するための機能を提供するように動作可能である。このような出力は、ローカルなビデオディスプレイユニット(VDU)または任意の他のデバイスを駆動するための表示信号を含むことができる。
【0056】
通信インターフェース504は、ブロードキャストであろうと、エンドツーエンドであろうと、信号の一人または複数の受信者との通信チャネルを実装する。本実施形態のコンテキストにおいて、通信インターフェースは、受信/送信インターフェース505、および無線アンテナ506を介して信号を送出および受信させるように構成される。
【0057】
プロセッサ501、502は、UE23の動作において、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。これを行うことにおいて、大容量記憶デバイス511により提供されるデータ記憶機能が手段として用いられ、それは、比較的遅いアクセスベースにかかわらず、大規模データ記憶を提供するように実装され、また送信された信号上に符号化データを配置する前に、符号化プロセスを実行するための準備において、実際に、コンピュータプログラムを、また現在のコンテキストでは、通信データを記憶することになる。
【0058】
読み出し専用メモリ(ROM)510は、UE23の機能の中心部を提供するように設計された実行可能なプログラムを用いて事前に構成され、またランダムアクセスメモリ509は、コンピュータプログラムの実行を求めて、データおよびプログラム命令の迅速なアクセスおよび記憶を行うために提供される。これらのそれぞれは、複数の相互運用可能なデバイスにより使用される通信プロトコルを実装するように構成される。
【0059】
クロック507は、デバイスのすべての他の構成要素に対するタイミング信号を提供する。クロック信号は、他のデバイスと同期させるために、必要な場合、調整され得る。
【0060】
図6は、十分に分散されたTSNモデルの例を示す。このTSNモデルは、
図1の有線ネットワーク11を実装する。示されるように、TSNネットワーク11は、複数のTSN終端局を備える、すなわち、1つまたは複数のTSNブリッジ603を備えるTSNネットワークを介して情報を共用するTSNトーカー601(コントローラ、センサなど)、およびTSNリスナ602(作動器、ロボットなど)である。
【0061】
図7は、本実施形態による「トーカー」終端局601の内部アーキテクチャを示す。
図7で示されるように、終端局601は、構造および機能においてコンピュータ装置である。それは、汎用コンピュータ装置といくつかの機能を共用することができるが、いくつかの機能は、局601がそのために配置される特殊化機能が与えられた、実装特有のものとすることができる。読者であれば、どの機能が汎用タイプのものであり得るか、またどれがユーザデバイスにおいて使用するために特に構成される必要があり得るかを理解されよう。
【0062】
局601は、したがって、一般的に提供されるもの、または数学的演算、オーディオ処理、通信チャネルの管理、以下同様のものなど、他の目的に対して構成されたもののいずれかの1つまたは複数のプロセッサ701を備える。
【0063】
入力インターフェース702は、ユーザ入力アクションを受信するための機能を提供する。このようなユーザ入力アクションは、例えば、特定の入力ユニットとのユーザ対話により生ずることができ、それは、1つまたは複数の制御ボタンおよび/もしくはスイッチ、タッチスクリーン、キーボード、マウスもしくは他の位置指示デバイス、音声を受信し、それを制御コマンドへと処理することのできる音声認識ユニット、タブレットもしくはスマートフォン、または遠隔制御の受信機などの別のデバイスからの処理を受信し制御するように構成された信号プロセッサを含む。読者により、このリストは網羅的なものではないことが理解されよう、またユーザが開始したか、自動化されたものかなど入力の他の形態も想定され得る。
【0064】
同様に、出力インターフェース705は、ユーザまたは別のデバイスに信号を出力するための機能を提供するように動作可能である。このような出力は、ローカルなビデオディスプレイユニット(VDU)または任意の他のデバイスを駆動するための表示信号を含むことができる。
【0065】
通信インターフェース703は、ブロードキャストであろうと、エンドツーエンドであろうと、信号の一人または複数の受信者との通信チャネルを実装する。本実施形態のコンテキストにおいて、通信インターフェースは、本開示の範囲に含まれない他の機器を制御するために、明確化のために図示されていないインターフェースを介して制御信号を送出させるように構成される。このような機器は、産業用機器または同様のものを含むことができる。通信インターフェース703は、図示のように、有線接続をそれに対して有する別のデバイスからクロック信号を受信することができるクロックスレーブポートCSを有する。
【0066】
プロセッサ701は、終端局601の動作において、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。これを行うことにおいて、大容量記憶デバイス708により提供されるデータ記憶機能が手段として用いられ、それは、比較的遅いアクセスベースにかかわらず、大規模データ記憶を提供するように実装され、また実際には、必要が生じたとき、コンピュータプログラムおよびデータを記憶することになる。
【0067】
読み出し専用メモリ(ROM)707は、終端局601の機能の中心部を提供するように設計された実行可能なプログラムを用いて事前に構成され、またランダムアクセスメモリ706には、コンピュータプログラムの実行を求めて、データおよびプログラム命令の迅速なアクセスおよび記憶が提供される。これらのそれぞれは、複数の相互運用可能なデバイスにより使用される通信プロトコルを実装するように構成される。
【0068】
クロック704は、デバイスのすべての他の構成要素に対するタイミング信号を提供する。クロック信号は、CSポートで受信されたクロック信号に基づいてトリガするように適合され、また他のデバイスと同期させるために、必要に応じて調整され得る。
【0069】
図8は、本実施形態による、「リスナ」終端局602の内部アーキテクチャを示す。
図8で示されるように、終端局602は、構造および機能においてコンピュータ装置である。それは、汎用コンピュータ装置といくつかの機能を共用することができるが、いくつかの機能は、局602がそのために配置される特殊化機能が与えられた、実装特有のものとすることができる。読者であれば、どの機能が汎用タイプのものであり得るか、またどれがユーザデバイスにおいて使用するために特に構成される必要があり得るかを理解されよう。
【0070】
局602は、したがって、一般的に提供されるもの、または数学的演算、オーディオ処理、通信チャネルの管理、以下同様のものなど、他の目的に対して構成されたもののいずれかの1つまたは複数のプロセッサ801を備える。
【0071】
入力インターフェース802は、ユーザ入力アクションを受信するための機能を提供する。このようなユーザ入力アクションは、例えば、特定の入力ユニットとのユーザ対話により生ずることができ、それは、1つまたは複数の制御ボタンおよび/もしくはスイッチ、タッチスクリーン、キーボード、マウスもしくは他の位置指示デバイス、音声を受信し、それを制御コマンドへと処理することのできる音声認識ユニット、タブレットもしくはスマートフォン、または遠隔制御の受信機などの別のデバイスからの処理を受信し制御するように構成された信号プロセッサを含む。読者により、このリストは網羅的なものではないことが理解されよう、またユーザが開始したか、自動化されたものかなど入力の他の形態も想定され得る。
【0072】
同様に、出力インターフェース805は、ユーザまたは別のデバイスに信号を出力するための機能を提供するように動作可能である。このような出力は、ローカルなビデオディスプレイユニット(VDU)または任意の他のデバイスを駆動するための表示信号を含むことができる。
【0073】
通信インターフェース803は、ブロードキャストであろうと、エンドツーエンドであろうと、信号の一人または複数の受信者との通信チャネルを実装する。本実施形態のコンテキストにおいて、通信インターフェースは、本開示の範囲に含まれない他の機器を制御するために、明確化のために図示されていないインターフェースを介して制御信号を送出させるように構成される。このような機器は、産業用機器または同様のものを含むことができる。通信インターフェース803は、図示のように、有線接続をそれに対して有する別のデバイスからクロック信号を受信することができるクロックスレーブポートCSを有する。
【0074】
プロセッサ801は、終端局602の動作において、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。これを行うことにおいて、大容量記憶デバイス808により提供されるデータ記憶機能が手段として用いられ、それは、比較的遅いアクセスベースにかかわらず、大規模データ記憶を提供するように実装され、また実際には、必要が生じたとき、コンピュータプログラムおよびデータを記憶することになる。
【0075】
読み出し専用メモリ(ROM)807は、終端局602の機能の中心部を提供するように設計された実行可能なプログラムを用いて事前に構成され、またランダムアクセスメモリ806には、コンピュータプログラムの実行を求めて、データおよびプログラム命令の迅速なアクセスおよび記憶が提供される。これらのそれぞれは、複数の相互運用可能なデバイスにより使用される通信プロトコルを実装するように構成される。
【0076】
クロック804は、デバイスのすべての他の構成要素に対するタイミング信号を提供する。クロック信号は、CSポートで受信されたクロック信号に基づいてトリガするように適合され、また他のデバイスと同期させるために、必要に応じて調整され得る。
【0077】
図9は、本実施形態によるTSNブリッジ603の内部アーキテクチャを示す。
図9で示されるように、ブリッジ603は、構造および機能においてコンピュータ装置である。それは、汎用コンピュータ装置といくつかの機能を共用することができるが、いくつかの機能は、ブリッジ603がそのために配置される特殊化機能が与えられた、実装特有のものとすることができる。読者であれば、どの機能が汎用タイプのものであり得るか、またどれがユーザデバイスにおいて使用するために特に構成される必要があり得るかを理解されよう。
【0078】
ブリッジ603は、したがって、一般的に提供されるもの、または数学的演算、オーディオ処理、通信チャネルの管理、以下同様のものなど、他の目的に対して構成されたもののいずれかの1つまたは複数のプロセッサ901を備える。
【0079】
入力インターフェース902は、ユーザ入力アクションを受信するための機能を提供する。このようなユーザ入力アクションは、例えば、特定の入力ユニットとのユーザ対話により生ずることができ、それは、1つまたは複数の制御ボタンおよび/もしくはスイッチ、タッチスクリーン、キーボード、マウスもしくは他の位置指示デバイス、音声を受信し、それを制御コマンドへと処理することのできる音声認識ユニット、タブレットもしくはスマートフォン、または遠隔制御の受信機などの別のデバイスからの処理を受信し制御するように構成された信号プロセッサを含む。読者により、このリストは網羅的なものではないことが理解されよう、またユーザが開始したか、自動化されたものかなど入力の他の形態も想定され得る。
【0080】
同様に、出力インターフェース905は、ユーザまたは別のデバイスに信号を出力するための機能を提供するように動作可能である。このような出力は、ローカルなビデオディスプレイユニット(VDU)または任意の他のデバイスを駆動するための表示信号を含むことができる。
【0081】
通信インターフェース903は、ブロードキャストであろうと、エンドツーエンドであろうと、信号の一人または複数の受信者との通信チャネルを実装する。本実施形態のコンテキストにおいて、通信インターフェースは、別の宛先へと意図された、デバイスで受信された信号を前方へ送信させるように構成される。通信インターフェース903は、図示のように、有線接続を有する別のデバイスからのクロック信号を、それを介して受信できるクロックスレーブポートCSを有する。さらに、通信インターフェース903は、活動化されたとき、他の接続されたデバイスにより使用されるマスタークロック信号を送出させる1つまたは複数のクロックマスターポートCMを備える。
【0082】
プロセッサ901は、ブリッジ1003の動作において、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。これを行うことにおいて、大容量記憶デバイス908により提供されるデータ記憶機能が手段として用いられ、それは、比較的遅いアクセスベースにかかわらず、大規模データ記憶を提供するように実装され、また実際には、必要が生じたとき、コンピュータプログラムおよびデータを記憶することになる。
【0083】
読み出し専用メモリ(ROM)907は、ブリッジ603の機能の中心部を提供するように設計された実行可能なプログラムを用いて事前に構成され、またランダムアクセスメモリ906には、コンピュータプログラムの実行を求めて、データおよびプログラム命令の迅速なアクセスおよび記憶が提供される。これらのそれぞれは、複数の相互運用可能なデバイスにより使用される通信プロトコルを実装するように構成される。
【0084】
クロック904は、デバイスのすべての他の構成要素に対するタイミング信号を提供する。クロック信号は、CSポートで受信されたクロック信号に基づいてトリガするように適合され、また他のデバイスと同期させるために、必要に応じて調整され得る。
【0085】
複合ネットワークにおいて集中させた動作を実現するために、5GシステムとTSNシステムの間で、シームレスな(厳格な)統合がなければならない。3GPP(登録商標)リリース16で提案される主な手法の1つは、5Gシステムが、TSNシステムに対して仮想のTSNブリッジ、またはブラックボックスとして出現するブリッジモデルである。
【0086】
時間依存ネットワークワーキング(TSN)は、標準のイーサネットの実時間機能を向上させることを目的とした、IEEE802.1作業グループ内の1組の規格により支持された技術である。TSNは、決定論的および制限された待ち時間、ならびに極めて低いデータ損失を有する保証されたデータ送達を提供する。TSNは、単一の標準イーサネットネットワークに対して、時間が重視されたトラフィックと、ベストエフォートトラフィックの両方をサポートする。TSNは、産業通信に対して所有権のある有線技術の長期の置き換えであると広く認識されている。5Gなどの高性能ワイヤレス技術と共存する可能性が高い。したがって、TSNおよび5Gを統合することは、産業システムの想定されるデジタル変換において非常に重要である。このような統合は、エンドツーエンドの決定論的接続性を提供し、産業用自動化ネットワークにおける様々な設計の簡単化を生ずるが、先例のない新しい用途を可能にする。
【0087】
集中化された動作を実現するために、5GシステムとTSNシステムの間にシームレスな(厳格な)統合がなければならない。3GPPリリース16において提案された主な手法の1つは、5Gシステムが、TSNシステムに対して仮想のTSNブリッジ、またはブラックボックスとして出現するブリッジモデルである。5Gシステムは、その内部プロトコルおよび手順によりTSNサービス要件を処理する。それは、TSNシステムに対する(論理的な)入口および出口ポートを提供する。5Gシステムは、複数のTSNドメインに対して仮想のブリッジ機能を提供することができる。
【0088】
TSNおよび5Gシステムの統合は、さらにいくつかの課題を生ずる。例えば、TSNおよび5Gノードを備える異質のネットワークの集中化された動作は、2つの技術が機能および内部プロトコルにおいて異なるので、特に問題となる。エンドツーエンドの決定論的接続性を達成し、また実時間の性能に対する保証を提供するために、ユーザ/ストリーム要件、ならびにTSNブリッジおよび5Gシステムの機能を取り込みながら、最適なスケジュールを提供するシステムレベルのスケジュールが必要である。
【0089】
TSNは、ネットワークワイドの時間同期およびスケジューリングの原理に基づいて動作する。通常、TSNシステムでは、集中化ネットワーク構成(CNC)エンティティが、スケジュールを計算し、またすべてのTSNブリッジおよび終端局を構成する。IEEE802.1Qbv規格により定義されたタイムアウェアシェーパー(TAS:Time-Aware Shaper)は、各待ち行列に対して時限ゲートを介するフレーム送信を許可する/制限するいわゆるゲート制御リスト(GCL)により実施される大域通信スケジュールによる事前定義の大域スケジュールに従って、制限された待ち時間およびジッタを有するフレームを送るためのTSNにおける重要な機構である。しかし、このようなスケジューリング技法は、統合された5GおよびTSNシステムに直接適用され得ない、それは、(a)2つのシステムは、その基本的な機能において大幅に異なる、(b)大域TSNスケジュールは、その内部の動力学、およびワイヤレス環境の不完全さに起因して、5Gシステムにわたって実施され得ない、(c)2つのシステム間の潜在的な時間同期の不正確さ、(d)有線(TSN)インターフェースにおけるものと比較してワイヤレス(5G)インターフェースにおける送信時間の差、また(e)5Gシステムは複数のTSNドメインと共用され得るためである。
【0090】
このため、両方のシステムの機能を考慮し、5GおよびTSNシステムの共同する最適化により最適なスケジュールを提供する、統合された5G/TSNシステムに対するシステムレベルのスケジュールの基本的な要件が存在する。
【0091】
図10は、複合またはハイブリッドネットワークを示す。ネットワークは、ブリッジモデルであり、ワイヤレスシステム12は、TSNトランスレータ(TT)を介して有線(TSN)システム11に対する入口および出口ポートを提供する。制御プレーンとユーザプレーンの両方で使用されるこのようなTTは、ユーザ機器(UE)側、ならびにネットワーク側に位置する。ワイヤレスシステムは、その内部プロトコルにより、TSNサービス要件を処理する。
【0092】
ワイヤレス(5G)システム12は、仮想ブリッジ機能を複数のTSNドメインに、すなわち、TSNドメイン1およびTSNドメイン2に提供する。これは、5Gシステムが、異なるTSNドメインに属するトラフィックを、固定長サイクル(時間ウィンドウ)内で送信しなくてはならないことを意味する(エンドツーエンドで)。したがって、5Gシステムのエンドツーエンドの最適化が、単一ドメインならびにマルチドメインのTSNシステムに対して、性能保証を提供するために特に重要になる。
【0093】
一般性を失うことなく、集中化された構成モデルが、TSNおよび5G統合に対して考慮され、ここで、集中化ネットワークコントローラ(CNC)は、統合されたシステムの構成および管理を担当する。各TSNドメインは、CNCにより導出されたスケジュールに従って動作することが想定される。
【0094】
図11は、一般的な概略の形で、TSNブリッジで使用されるIEEE802.1Qbv互換スイッチ1100のモデルを示す。スイッチは、3つのポート、すなわち、入口ポートのポートX1101、入口ポートのポートY1102、および出口ポートのポートZ1103を有する。
図11のスイッチ1100は、2つを超える入口ポート、および2つを超える出口ポートを有することができる。
【0095】
スイッチング機構1104は、到来したデータをネットワークノードへと移動させて、正しいポート(ドア)によりネットワーク内の次のノードへと移動させるハードウェアとソフトウェアの組合せである。スイッチング機構は、入力(入口)ポートで受信されたフレームが、どの出力(出口)ポートへと転送されるかを決定する。各出口ポートは、到来したフレームが、ポートのどの待ち行列1106(利用可能な8個の中から)に記憶されるかを決定する優先順位フィルタ1105を有する。優先順位フィルタは、例えば、IEEE802.1Qヘッダの優先順位コードポイント(PCP)など、分類基準に基づいて、到来するフレームを配分する。
【0096】
待ち行列1106におけるフレームは、先入れ先出し(FIFO)法で記憶される。いくつかの待ち行列1106は、制御トラフィック(スケジュールされたトラフィック)用に確保されるが、他のものは、ベストエフォートトラフィックに使用される。事前定義のゲート制御リスト(GCL)に従って開閉され得る各待ち行列1106に関連付けられた時限ゲート1107が存在する。
【0097】
待ち行列1106は、各フレームを、それらを送信するまでバッファする。時限ゲート1107は、次いで事前定義の静的スケジュールに従って、フレームの送信を可能にする、または不可能にする。したがって、スケジュールされたイベントは、どの瞬間に待ち行列1106が開き、トラフィックが出口ポートに転送されるか、またどの瞬間に待ち行列1106が閉じて、いずれかの未定のトラフィックをバッファされたままにするかを決定する。複数の待ち行列1106が、同時に開いた場合、待ち行列の優先順位が、待ち行列1106のうちのどれがフレームを転送できるかを決定する。
【0098】
図12は、複数のノードを備えるネットワークモデル1200を示し、ノードは、終端局1201、TSNブリッジ1202、または5Gシステム1203である。終端局1201は、データストリームのソース/シンクであり、それは、エンドツーエンドの送信中に、1つまたは複数のTSNブリッジおよび5Gシステムに遭遇する。経路1204は、ネットワークにおいて、第1のソース1205から第1の宛先1206への第1の経路である。
【0099】
システムは、ネットワークにおいてノード間にいくつかのリンクを備える。有線リンク、すなわち、TSNリンクは、送り側TSNブリッジを、受信側としてTSNブリッジまたは5Gシステムのいずれかに接続する。5Gリンク、すなわち、ワイヤレスリンクは、送り側5Gシステムを、受信側として、別の5GシステムまたはTSNブリッジのいずれかに接続する。ネットワークにおけるTSNリンクおよび5Gリンクの組は、それぞれ、NTSNおよびN5Gにより示される。
【0100】
図12の経路1204の場合、経路1204は、有線リンク1207およびワイヤレスリンク1208を含むいくつかのリンクを備える。
【0101】
5GシステムにおけるTSNトラフィックは、UE側またはネットワーク側を介して入ることができる。システムレベルのスケジューリングは、集中化ネットワークコントローラとも呼ばれる集中化ネットワーク構成(CNC)エンティティにより処理される。完全に同期化されたネットワークは、終端局、TSNブリッジ、および5Gシステムが同期されたと考えられる。
【0102】
ここでは、待ち時間およびジッタの点で厳しい要件により特徴付けられる制御トラフィックフロー(または制御データストリーム)が考慮されている。しかし、ベストエフォートトラフィックなどの他のデータストリームも使用され得る。
【0103】
CNCには、フローのパス(経路)情報が利用できると考えられる。制御フローの組は、Fcにより示される。制御フロー「f」の要件は、タプル<Df、Lf、Tf、Jf>によって特徴付けられ、ここでDfはエンドツーエンドの待ち行列を示し、Lfはペイロードであり(バイト単位のデータサイズ)、Tfはサイクル時間または期間、およびJfはジッタ許容差である。
【0104】
ペイロードは、リンクの最大送信単位(MTU)よりも高くすることができるので、フローインスタンスは1組のフレームとして定義され、それぞれは、MTU以下のサイズを有する。各フレームは、割当時間オフセットφfr
c、および送信持続期間Bfr
cにより特徴付けられる。時間オフセットは、フローの各フレームfrに対する、各リンクに対する、また各サイクルcに対するものである。
【0105】
TSNリンクは、通常、タプル<S、PD、MT>により特徴付けられ、Sはリンク速度、PDは伝播遅延であり、またMTは、マクロティックである(スケジューリング時間単位の粒度を規定する個別的な時間単位の長さ)。他方で、システムレベルスケジューリングのために、5Gシステムは、その最大のエンドツーエンド待ち時間、参照時間指示の粒度、無線インターフェースに利用可能な帯域幅、およびサポートされるサービス品質(QoS)クラスに関して特徴付けられる。
5GおよびTSNシステムの共同する最適化に対する制約
開示される方法およびシステムは、5GおよびTSNシステムの集中化動作に対して、複雑性の低い、ヒューリスティックなシステムレベルのスケジューリング解決策を提供する。開示される方法およびシステムは、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、5GおよびTSNシステムを共同して最適化し、トラフィックフローを制御し、ベストエフォートトラフィックフローを行う。開示される方法およびシステムは、O-RANフレームワークを用いて調整され、また統合されたTSNおよび5G展開を求めて集中化ネットワーク構成(CNC)エンティティを実現するための地固めを行う。
【0106】
共同する最適化の場合、方法およびシステムは、実行できる解決空間を提供するシステムレベル、TSN中心、および5G中心の制約を考慮する。
【0107】
まず、共同する最適化を行うために重要な様々なシステムレベルの制約が述べられる。
【0108】
エンドツーエンドの待ち時間制約:各フローは、Dfにより与えられる最大のエンドツーエンドの待ち時間要件を有する。エンドツーエンドの待ち時間制約は、各フレームが遅延マージン/バジェット内に宛先の終端局に送達されることを保証する。
【0109】
ジッタ制約:各フローはまた、Jfにより与えられるジッタ要件により特徴付けられる。ジッタ制約は、フローが受ける待ち時間変動は、許容差限度内にあることを保証する。
【0110】
フレーム送信制約:この制約は、フローインスタンスの各フレームが正のオフセットを用いてスケジュールされ、それは、そのサイクル内で完全に送信されることを保証する。
【0111】
フレーム送信順序制約:この制約は、ネットワークにおける各フレームは、前のリンク(TSNまたは5Gのいずれか)を介して完全に受信された後、そのリンク(TSNまたは5Gのいずれか)を介して送信され得るだけであることを指示する。
【0112】
リンク送信制約:この制約は、同じリンクを通って送られた2つのフレームが、時間で重複し得ないことを保証する。
【0113】
次に、共同する最適化に対して考慮される必要のあるTSN中心の制約が述べられる。
【0114】
フレーム分離制約:フレーム分離制約は、異なる制御トラフィックフローが出口待ち行列に交互配置されないようにする。それは、1つのフローのフレームは、別のフローからの別のフレームが待ち行列にある限り、TSNブリッジの待ち行列に到達できないことを指定する。
【0115】
GCL生成制約:この制約は、TSNブリッジに対するスケジュールは、正の、重複しないゲートイベントへと変換されることを保証する。
【0116】
最大待ち行列制約:この制約は、TSNブリッジにおける制御フローに利用可能な待ち行列の最大数を指定する。
【0117】
最後に、共同する最適化に対して重要である5G中心の制約が述べられる。
【0118】
無線インターフェース送信制約:この制約は、5Gシステムの無線インターフェース構造に基づくフロー送信のオフセットに対する最大および最小の制限を指定する。
【0119】
無線リソース割り振り制約:これは、TSNフレームには、無線インターフェースにおける送信に対して、十分な無線リソースが割り振られることを保証する。それはまた、マルチユーザ無線リソース割り振りを処理する。このような方法は、米国特許出願第17/130573号に概説されたものを含むことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
QoSマッピング制約:この制約は、5G QoSプロファイルへのTSNトラフィックのマッピングを指定する。
システムレベルのスケジューリングアルゴリズム設計
述べられる方法およびシステムは、TSNおよび5Gシステムの集中化動作に対してシステムレベルのスケジューリングを提供する。スケジューリング問題は、以下のように述べられ得る。
【0121】
終端局、TSNブリッジ、および5Gシステムの統合されたシステム、ならびに静的に規定された経路を備えるフローが与えられると、目的は、フロー要件が満たされるようにGCLを決定することである。
【0122】
図13は、アルゴリズムの高水準の流れ図を提供する。スケジューリングアルゴリズムは、ネットワークトポロジ全体と、フロー要件と、スケジューリング制約と、TSNブリッジおよび5Gシステムの機能とを考慮する。制御トラフィックは巡回式なので、それは、すべての制御フローの共通のサイクル時間を規定するステップS1301で割り振りウィンドウまたはハイパー期間を計算する、それは、
【数1】
により与えられ、式中、LCMは、最小公倍数関数である、すなわち、ハイパー期間は、すべての制御フローのサイクル時間の最小公倍数である。
【0123】
S1302において、すべてのフローインスタンスがスケジュールされたかどうかが決定される。そうではない場合、最も厳しい要件を有するフローが決定され、優先される(S1303)。方法は、次いで、フレームスケジューリング機会を決定し(S1304)、各フレームに対して連続的なスケジューリングを実施する(S1305)。これは、次いで、割り振りウィンドウにおける各サイクルに対して反復される(S1306)。すべてのフローインスタンスが計算された後、GCLが更新され得る。
【0124】
述べられる方法およびシステムは、システムレベルのスケジューリングに対するヒューリスティックな解決策を提供する。それは、割り振りウィンドウに対する、すなわち、ハイパー期間内のすべてのサイクルに対するフローインスタンスのすべてのフレームをスケジュールする。最も厳しい要件を有するフローに優先権が与えられる。各フレームは、連続的にソースから宛先までスケジュールされ(フローパスにより指示される)、また利用可能なスケジューリング機会がスケジュールされる(フロー、TSN、および5G制約により指示される)。述べられる方法およびシステムは、TSNリンクを介して送信するためのスロット、および5Gリンクを介して送信するためのウィンドウを割り振る。スロットは、TSNリンクを介するフローの単一フレームを送信するために使用される。他方で、ウィンドウは、5Gシステムを介するエンドツーエンド送信のために割り振られる。5Gリンクに対するウィンドウは、異なるフローからのフレームを送信するために使用され得る。アルゴリズムは、すべてのフローインスタンスがスケジュールされるまで続けられる。スケジュールは、すべてのフローインスタンスがスケジュールされたとき、GCLに変換される。
【0125】
図14は、実施形態によるスケジューリングアルゴリズムを示す。
図14では、連続的なスケジューリングのキーステップを取り込んでいる。S1401において、それは、割り振りウィンドウ当たりのフローのサイクル数を、N
c
f=T
HP/T
fとして計算する。スケジューリングアルゴリズムは、ソースから宛先までの経路/パス情報を1組のリンクとして、すなわち、[n
1、n
2、...、n
last]として考慮する。S1402では、アルゴリズムは、第1のリンクn
1における第1のサイクルの第1のフレームに対するスケジューリング機会を決定する。TSNリンクの場合、フレームは、フレームオフセットφ
f
1およびスロット(送信持続期間)B
f
1により指示されるTSNスロットが割り振られる(S1404)。これらは以下のように与えられる。
【数2】
式中、天井関数はリンク精度、すなわち、n
1.MTによる。フレームオフセットおよび送信持続期間は、出口ポートにおける待ち行列に関連付けられる。
【0126】
ワイヤレスまたは5Gリンクの場合、フレームは、ワイヤレスまたは5Gウィンドウに割り振られる(S1405)。5Gウィンドウの持続期間は、後に述べられる5Gウィンドウ最適化アルゴリズムに基づいて計算される。フレームがスケジュールされた後、リンクに対する1組のスケジューリング機会(後に述べる)が更新される(1406)。スケジューリングアルゴリズムは、フレームが宛先への送信に対してスケジュールされるまで、経路上の各リンクに対して継続する(S1407)。アルゴリズムは、フローインスタンスの各フレームに対して(S1408)、また割り振りウィンドウにおける各サイクルに対して(S1409)反復される。
【0127】
連続的なスケジューリング手法は、フレーム送信制約と、フレーム送信順序制約と、リンク制約とを含む様々なスケジューリング制約を本質的に満たすことに留意されたい。
【0128】
図15は、実施形態による、フレーム送信をスケジュールする方法を示す。S1501では、第1のデータストリームのサイクル時間に基づいて、割り振りウィンドウが決定される。S1502では、第1のデータストリームの割り振りウィンドウおよびサイクル時間に基づいて、第1のストリームのサイクル数が決定される。S1503では、複合ネットワークの第1のデータストリームのペイロードおよび最大送信単位(MTU)に基づいて、第1のデータストリームの各サイクルのフレーム送信数が決定される。S1505では、第1のデータストリームの各サイクルに対するフレーム送信が、経路に沿った各リンク上で、また割り振りウィンドウ内で連続的にスケジュールされる。S1506では、TSNスロットまたはワイヤレスウィンドウが、リンクのタイプに基づいて、各フレーム送信に対して割り振られる。
スケジューリング機会
述べられる方法およびシステムは、スケジューリング機会を維持し、利用する。スケジューリング機会は、フレームがスケジュールされると、継続的に更新される。フレームに対するスケジューリング機会は、スケジューリング制約を満たす最も早く利用可能なフレームオフセット(Eφ)の計算に基づく。以下のスケジューリング機会ルールは、この点において規定される。
【0129】
ルールSO1:TSNリンクiにおけるフレームの第1の送信に対して、スケジューリング機会は、そのTSNリンクi(他のデータストリームからのフレーム送信により得られたものではなく)における利用可能なTSNスロットと、リンク送信制約と、フレーム分離制約とに基づいて決定される。
【数3】
式中、φ
a
iは、フレーム「a」に対する時間オフセットであり、B
a
iは、フレーム「a」に対する送信持続期間であり、φ
b
iは、フレーム「b」に対する時間オフセットであり、B
b
iは、フレーム「b」に対する送信持続期間であり、またG
Intはガード期間である。ガード期間は、理想的ではないTSNブリッジまたは5Gシステムにおける伝播遅延、エコー、および反射を補償する。
【数4】
式中、Eφ
b
iは、フレーム「b」に対する最も早く利用可能なフレームオフセットであり、式中、φ
a
iは、フレーム「a」に対する時間オフセットであり、B
a
iは、フレーム「a」に対する送信持続期間であり、またG
Intはガード期間である。
【0130】
ルールSO2:TSNリンクiにおけるフレームの第2の、またはより高い送信に対して、スケジューリング機会は、そのTSNリンクi(他のデータストリームからのフレーム送信により得られたものではなく)における利用可能なTSNスロットと、フレーム分離制約と、フレーム送信順序制約と、およびリンク送信制約とに基づいて決定される、それは、
【数5】
であり、式中、Eφ
fr
iは、フレーム「fr」に対する最も早く利用可能なフレームオフセットであり、φ
fr
i-1は、リンクiの直ぐ前のリンクにおけるフレームに対する時間オフセットであり、B
fr
i-1は、リンクiの直ぐ前のリンクにおけるフレームに対する送信持続期間であり、またG
Intはガード期間である。
【0131】
ルールSO3:5Gリンクの直ぐ後のTSNリンクiにおいて送信する場合、ここで、TSNリンクは、5Gネットワークからフレームを受信するTSNネットワークからのものであり、スケジューリング機会は、リンクiにおいて利用可能なスロットと、5Gシステムを介するフレームのエンドツーエンドの送信時間と、フレーム分離制約と、フレーム送信順序制約と、リンク送信制約とに基づいて決定され、それは、
【数6】
であり、式中、Eφ
fr
iは、フレーム「fr」に対する最も早く利用可能なフレームオフセットであり、T
airおよびT
coreは、それぞれ、5Gシステムの無線インターフェースを介する、またコアネットワークを介する送信時間を示す。
【0132】
ルールSO4:5Gリンクを介する送信に対して、ウィンドウスケジューリング機会は、フレーム送信順序制約、およびマルチユーザ無線リソース割り振り制約に基づいて決定され、
【数7】
であり、式中、RB
aは、フレーム「a」に対するTSN UEに割り振られた1組のリソースブロックを示し、RB
bは、フレーム「b」に対するTSN UEに割り振られた1組のリソースブロックを示す。
【0133】
ルールSO5:ベストエフォートのトラフィックフローを交互配置するために、ソースからの送信に対して、時間ドメインにおけるエンドツーエンドの待ち時間または広がりを最小化するように、フローの複数フレームは、連続的にスケジュールされ得る、しかし、それらは、サイクル時間内にスケジュールされなくてはならない、すなわち、
【数8】
式中
、N
frは、フローインスタンスにおけるフレーム数であり、T
fはサイクル時間であり、F
cは、すべての制御フローまたはデータストリームの組であり、fはデータストリームであり、N
TSNは、ネットワークにおける1組のTSNリンクであり、N
5Gは、ネットワークにおける1組の5Gリンクであり、φ
fr
iは、フレーム「fr」における時間オフセットであり、B
fr
iは、フレーム「fr」に対する送信持続期間であり、またG
Intはガード期間である。
【0134】
連続的にスケジュールされることは、フレームは、それらの間にギャップまたは中断がなくスケジュールされることを示す。
【0135】
ルールSO6:フレーム送信ギャップ制約が、TSNブリッジにおけるフレームの受信と送信の間に導入され得る、それは、
【数9】
であり、式中、Eφ
fr
iは、フレーム「fr」に対する最も早く利用可能なフレームオフセットであり、φ
fr
i-1は、リンクiの直ぐ前のリンクにおけるフレームに対する時間オフセットであり、B
fr
i-1は、リンクiの直ぐ前のリンクにおけるフレームに対する送信持続期間であり、G
Intはガード期間であり、またT
Gapはフレーム送信ギャップである。
【0136】
フレーム送信ギャップは、非理想的なTSNブリッジにおいて、処理遅延に当てることができる。
【0137】
ルールSO7:5Gウィンドウは、5Gシステムが、その仮想ポート(すなわち、UEまたはUPF)においてTSNフレームを受信すると直ちに開始する、すなわち、
【数10】
であり、式中、O
wは、リンクi(すなわち、フレーム送信に対する開始点)に対する新しいウィンドウのウィンドウオフセットであり、φ
fr
i-1は、リンクiの直ぐ前のリンクにおけるフレームに対する時間オフセットであり、またB
fr
i-1は、リンクの直ぐ前のリンクにおけるフレームに対する送信持続期間である。
【0138】
この機能は、システムおよびデータストリームのエンドツーエンドの待ち時間要件が満たされ得ることを保証する。
参照例
図16は、3つの終端局(ES1、ES2、およびES3)が、3つの異なる制御トラフィックフロー(データストリーム)(f
1、f
2、およびf
3)を交換する統合されたTSNおよび5Gシステムを示す。各フローのペイロード、サイクル時間、およびエンドツーエンドの遅延要件が、そのパス/経路と共に、表に示されている。すべてのフローは、同様のエンドツーエンド遅延とジッタ要件とを有するものと考えられる。
【0139】
図17は、
図16のシナリオに対して統合されたスケジュールを示す。ラベルは、形式FlowID、QueueIDのものである、すなわち、それは、フローIDと、出口ポートにおいて割り当てられた待ち行列のIDとを示す。
【0140】
すべてのTSNブリッジに対する同様の機能、および1500バイトの最大送信単位(MTU)が想定される。したがって、フローf1、f2、およびf3は、それぞれ、2つ、1つ、および3つのフレーム送信を必要とする。
【0141】
データストリーム(f1、f2、およびf3)のサイクル時間に基づいて、割り振りウィンドウ(ハイパー期間)THPは、4msecであるように決定される。
【0142】
フローf2は、より厳しいサイクル時間要件を有するので、スケジューリングに対して優先度が高い。サイクル時間およびf2のサイクル時間に基づき、フレームスケジューリングを必要とする2サイクルのf2が存在すると決定され得る。
【0143】
連続的なスケジューリング手法に従って、フレームスケジューリングが、各リンクに対して、またf2の各サイクルに対して行われる。リンク[ES2、TSN1]において、他のフレームが何もまだスケジュールされていないので、f2のフレームは、ルールSO1により、オフセット0でスケジュールされ、出口待ち行列1に割り当てられる。待ち行列は、待ち行列内に他のデータストリームからの他のフレームがない場合、割り当てられる。
【0144】
次のリンク、すなわち、[TSN1、5G]において、最も早く利用可能なオフセットが、フレーム送信順序制約およびルールSO7に基づいて決定される。フレームは、オフセットO1でスケジュールされる。
【0145】
次に、5Gウィンドウが、時間O2においてリンク[5G、TSN2]において規定される。初期ウィンドウサイズは、5Gシステムを介するフレームのエンドツーエンドの送信時間に基づいて決定される。フレームは、5Gシステムの内部プロトコルおよび手順に基づいて処理されるので、5Gシステムに対して待ち行列は何も割り当てられない(すなわち、2.Xであり、Xはどの待ち行列も示さない)。
【0146】
最終リンク[TSN2、ES3]において、フレームは、ルールSO3により、オフセットO3においてスケジュールされる。スケジューリング手順は、f2の第2のサイクルに対して反復される。
【0147】
次に、フローf1に対するスケジューリングが述べられる。このデータストリームは、1つのサイクルにおいて2つのフレーム送信を必要とし、サイクルは、割り振りウィンドウ(ハイパー期間)と同じである。
【0148】
ES1は、フローf2のフレームがTSN1における待ち行列を離れるまで、スケジュールされ得ない。これは、リンク送信およびフレーム分離制約のためである。したがって、リンク[ES1、TSN1]において、フレームは、オフセットO4でスケジュールされる。
【0149】
リンク[5G、TSN2]において、f1の第1のフレームが、既存の5Gウィンドウ(f2のフレームの送信用に作成されたもの)に割り振られる。ウィンドウ長さは、5Gウィンドウ最適化アルゴリズム(以下を参照のこと)により更新される。
【0150】
最終的なリンク[TSN2、ES3]において、f1の第1のフレームは、f2のフレームの後に送信するようにスケジュールされる。f1のフレームは、TSN2において異なる待ち行列に割り当てられることに留意されたい。
【0151】
f1の第2のフレームは、連続的に、またはこの場合のように時間ドメインで広げて(すなわち、オフセットO5でスケジュールされる)スケジュールされ得る。拡散フレームの意義は、ベストエフォートトラフィックのスケジューリングに関して、後に述べられる。この場合、f1の第2のフレームは、次のサイクルにおけるf2のフレームよりも早く到達する。したがって、後にf2のフレームにも割り振られる新しい5Gのウィンドウが作成される。
【0152】
次に、フローf3に対するスケジューリングが述べられる。このデータストリームは、1つのサイクルにおいて3つのフレーム送信を必要とし、サイクルは、割り振りウィンドウ(ハイパー期間)と同じである。3つのフレームは、第1のフレームがオフセット0に割り当てられた状態で、第1のリンク[ES3、TSN2]において連続的にスケジュールされる。
【0153】
後続するリンク上のスケジューリングは、他のフローに対して述べられたものと同様の手順に従う。リンク[TSN2、5G]上のスケジューリングは、ルールSO6により行われると考えられる。したがって、第1のフレームは、オフセットO6にスケジュールされる。
【0154】
リンク[5G、TSN1]上で割り振られた5Gウィンドウは、リンク[5G、TSN2]上の5Gウィンドウと時間ドメインで重複することに留意されたい。5Gシステムは、TSNトラフィックを両方向に送信する。2つの別々のTSN UE(1つはUE側入口からTSNトラフィックを送信するためのものと、他方は、ネットワーク側入口からTSNトラフィックを受信するためのもの)があり得る、またはUEとUPFの間でエンドツーエンドのトラフィックを搬送する別々のPDUセッションを有する単一のUEが存在し得る。重複する5Gウィンドウは、以下で述べるようにさらに最適化され得る。
5Gウィンドウ最適化アルゴリズム
図18は、5Gウィンドウ最適化アルゴリズムを示す。ウィンドウ最適化は、5GシステムとCNCの間の情報交換により可能になる。5Gシステムは、TSN UEのチャネル品質情報を周期的にCNCと交換する。さらに、利用可能な帯域幅、およびサポートされるQoSクラスなど、5G機能に関する情報が、スケジュール統合の前に交換され得る。
【0155】
5Gウィンドウ最適化アルゴリズムの目的は、フロー要件が満たされるように5Gウィンドウの長さを最小化することである。アルゴリズムは、5Gリンク(システム)を介するTSNフレーム送信が必要なときは常にトリガされる。
【0156】
既存の5Gウィンドウがフレーム送信で利用可能ではない場合(S1801)、新しいウィンドウが定義される(S1802)、すなわち、スケジューリング機会に基づいて、ウィンドウオフセットが計算される。これは、その後に、無線インターフェース(UEからRANへ)およびコアネットワーク(RANからUPFへ)送信の最小および最大の持続期間の計算が行われる(S1804)。5Gウィンドウの長さは、ダウンリンク(ネットワークワイドの入口)およびアップリンク(UE側の入口)チャネル状態、ならびにTSNトラフィックを処理するための5Gシステム上のQoSプロファイルに基づく、無線インターフェースおよびコアネットワーク送信の累積的な持続期間により指示される。
【0157】
TSN UEは、接続状態にあり(ネットワークに接続される)、それは、TSNトラフィックの送達に対してネットワークと確立されたプロトコルデータユニット(PDU)セッションを有するものと考えられる。無線インターフェースT
airにおけるフレームの送信時間は、次のように計算され得る、
【数11】
式中、T
waitは、次のスケジューリング機会に対する待ち時間であり、またT
Txnは、無線インターフェースにおける実際の送信時間である。次のスケジューリング機会に対する待ち時間は、無線インターフェースのフレーム構造に、すなわち、サブフレームにおけるスロット数、およびスロットにおいて規定された制御チャネル数に依存している。
【0158】
ダウンリンクスケジューリング(すなわち、RANからUEへ)の場合、最小の待ち時間は、次のスケジューリング機会のすぐ前の、フレームがRAN(gNB)に達したときに達成される、すなわち、それは、シンボル持続期間の関数であると考えられる処理時間に等しい。フレームが、スケジューリング機会のすぐ後に到達し、スロット持続期間を待たなくてはならない場合、最大の待ち時間を受けることになる。非スロットベースの送信の場合、最大の待ち時間は、2つの連続するスケジューリング機会の間のシンボル数の持続期間に依存する。アップリンクスケジューリングの場合、スケジューリング要求メッセージに対するさらなる遅延が考慮されなければならない。
【0159】
無線インターフェースTairにおける送信時間は、TSN UEのリンクレベルのチャネル状態により指示される、すなわち、UEは、チャネル品質インデックスに基づき、適切な変調およびコーディング方式に割り当てられる。いくつかの実施形態では、無線インターフェースにおける送信時間は、一定期間にわたるTSN UEの平均チャネル状態に基づいて計算される。他の実施形態では、送信時間は、無線インターフェースにおける最大および最小の達成可能なデータレートの平均に基づいて計算され、それは、最高および最低のサポート変調およびコーディング方式により指示される。
【0160】
コアネットワーク送信(すなわち、RANとUPFの間)に対して生ずる待ち時間は、送信媒体のQoSプロファイルおよび機能に基づく。
【0161】
いくつかの実施形態では、フレームに対する5Gウィンドウ長さは、最小および最大の可能なウィンドウ長さの平均として計算される(S1805)、すなわち、
【数12】
他の実施形態では、5Gウィンドウ長さは、最大の可能なウィンドウ長さとして計算される(S1805)。
【0162】
既存の5Gウィンドウが利用できる場合(S1801)、(新しい)TSNフレームがこのウィンドウに割り当てられ(S1803)、ウィンドウ長さ更新手順がトリガされる。ウィンドウ長さ更新手順(S1806)は、新しいTSNフレームを送信するためのさらなる持続期間を決定する。マルチユーザおよび並列送信が、5Gシステムを介して可能であることに留意されたい。したがって、T
oldwindowの古いウィンドウ長さが与えられると、新しいウィンドウ長さは、
【数13】
によって与えられ、式中、O
wは、新しいウィンドウのウィンドウオフセットである(すなわち、フレーム送信のための開始点)。
【0163】
さらなるフレームがスケジュールされる必要がない場合、アルゴリズムは、最適化された5Gウィンドウ長さを計算し(S1807)、終了する。
【0164】
UE側入口とネットワーク側入口の両方に対して、複数の5Gウィンドウを、複数のリンクにわたる単一のウィンドウへとマージすることも可能であることに留意されたい。
GCL計算
GCL計算手順は、ゲートイベントを、すなわち、統合されたシステムにおける各リンクに対して、ゲートオープン(Gopen)およびゲートクローズ(Gclose)を計算する。GCLは、以下の条件により、ゲートが各スケジュールされたフレームに対して開かれることを保証する。
【0165】
TSNリンクの場合、条件は、
【数14】
であり、式中、G
i、fr
openは、リンクiにおけるフレームfrに対するゲートオープンコマンドであり、φ
fr
iは、フレーム「fr」に対する時間オフセットであり、N
TSNは、ネットワークにおける1組のTSNリンクであり、G
i
closeは、リンクiにおけるフレームfrに対するゲートクローズコマンドであり、またB
fr
iは、フレーム「fr」に対する送信持続期間である。
【0166】
したがって、TSNリンクに対するGCLは、[{Gi、1
open、Gi、1
close}、{Gi、2
open、Gi、2
close}、...、{Gi、last
open、Gi、last
close}]により与えられる。
【0167】
5Gリンクの場合、GCLは、5Gウィンドウの開始(すなわち、Ow)および終了(すなわち、Ow+Tnew
opt)を指示するだけである。5Gシステムの内側のTSNトラフィックは、その内部プロトコルおよび手順により処理される。
ベストエフォートトラフィックに対するスケジュール
いくつかの実施形態では、述べられるシステムおよび方法は、制御トラフィック(フロー)に対する統合されたスケジュールに基づき、ベストエフォートトラフィック(フロー)に対するスケジュールを提供する。これは、スケジュール交互配置手順により達成される。
【0168】
ルールSO8:各リンクにおいて、2つのスケジュールされた制御トラフィックフレームの間に少なくとも2つのフレーム送信の送信ギャップがある場合、ベストエフォートトラフィックに対するスケジューリング機会が生ずる、すなわち、
【数15】
であり、式中、φ
fr、2は、フレーム「fr、2」に対する時間オフセットであり、φ
fr、1は、フレーム「fr、1」に対する時間オフセットであり、B
fr、1は、フレーム「fr、1」に対する送信持続期間であり、またG
Intは、ガード期間である。
【0169】
ベストエフォートフレーム送信に対するフレームオフセットは、少なくとも1つのフレーム送信が残されている状態でゲートが閉じるように規定される。これは、制御フローのフレーム送信との干渉を避けるためである。
【0170】
ベストエフォートトラフィックに対するスケジュールを説明するために、我々は、
図15におけるものと同様のネットワーク構成を考える、しかし、経路[ES1、TSN1、5G、TSN2、ES3]を有するベストエフォートフローf
4を用いる。提案されるスケジュール交互配置手順を用いると、制御トラフィックフローf
1~f
3、およびベストエフォートフローf
4に対して得られたスケジュールは、
図19に示される。
【0171】
フローf4のベストエフォートフレームは、前に述べられたルールにより各リンクに対してスケジュールされる。リンク[ES1、TSN1]において、フレームは、フローf1の2つのフレーム送信の間にスケジュールされる。リンク[TSN1、5G]において、フレームはまた、フローf1の2つのフレーム送信の間にスケジュールされる。リンク[5G、TSN2]において、f4の第1のフレームが、既存の5Gウィンドウに割り振られる(f2のフレームの送信用に作成されたもの)。ウィンドウ長さは、5Gウィンドウ最適化アルゴリズムにより更新される(以下を参照のこと)。
【0172】
最終リンク[TSN2、ES3]において、f4の第1のフレームは、フローf1の2つのフレーム送信の間の送信にスケジュールされる。f4のフレームは、TSN2の異なる待ち行列に割り当てられることに留意されたい。
【0173】
開示される方法およびシステムの特徴的な態様が、以下のように述べられる。
【0174】
システムレベルスケジューリング:5Gシステムにおける従来のスケジューリングフレームワークは、ワイヤレスリソースの割り振りに大きく焦点が当てられている。他方で、既存のTSNスケジューリングフレームワークは、802.1Qbv互換のスケジュールを導出するために、計算集約型の構成システム設計を使用する。開示される方法およびシステムは、5GおよびTSNシステムの集中化動作に対して、複雑さを低下させたエンドツーエンドのスケジュールを提供するシステムレベル(技術を横断する)のスケジューリングフレームワークを提供する。
【0175】
5GおよびTSNシステムの共同する最適化:開示される方法およびシステムは、大域スケジューリングに対して、実行可能な解決空間を指示する、システムレベル、5G中心、およびTSN中心の制約を考慮しながら、制御フローおよびベストエフォートトラフィックフローに対する5GおよびTSNシステムを共同で最適化する。共同する最適化は、TSNブリッジおよび5Gシステムの機能を考慮しながら、フローの個々のフレームのスケジューリング、および5Gシステムを介する送信のためのウィンドウの割り振りによりさらに達成される。
【0176】
開示される方法およびシステムは、統合された5GおよびTSNシステムにおけるシステムレベルのスケジューリングに対して、複雑さの低い、ヒューリスティックな解決策を提供する。いくつかのさらなる利点が、以下のように強調される。
【0177】
・開示される方法およびシステムは、TSNだけの展開におけるスケジューリングに直接適用され得る。
【0178】
・開示される方法およびシステムにおけるハイブリッドフローベースの、またウィンドウベースのスケジューリングは、本質的に、制御フローに対するジッタを最小化する。
【0179】
・開示される方法およびシステムは、5Gシステムを介する複数のTSNドメインのスケジューリングをサポートする。
【0180】
・開示される方法およびシステムは、マルチキャスト通信に対して容易に拡張され得る。
【0181】
・開示される方法およびシステムは、5Gシステムに対するO-RANフレームワークと協調される。
【0182】
いくつかの構成が述べられてきたが、その構成は、例としてのみ提示されており、保護の範囲を限定するようには意図されていない。本明細書で述べられた本発明の概念は、様々な他の形態で実施され得る。加えて、本明細書で述べられた特定の実装形態に対して、様々な省略、置き換え、および変更を、添付の特許請求の範囲で定義された保護の範囲から逸脱することなく行うことができる。