(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】レンズアセンブリ、カメラ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20231030BHJP
G02B 13/00 20060101ALI20231030BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
G02B7/02 A
G02B13/00
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2022500985
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020089525
(87)【国際公開番号】W WO2021004148
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】201910627999.5
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910944877.9
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】林 威智
(72)【発明者】
【氏名】叶 ▲海▼水
(72)【発明者】
【氏名】葛 洪
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109856753(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0329176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0293332(US,A1)
【文献】中国実用新案第208399783(CN,U)
【文献】中国実用新案第206339748(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G02B 13/00 -13/18
H04N 23/50 -23/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面と、前記表示画面に面する少なくとも1つのカメラとを備える電子装置であって、前記カメラは物体側と像側とを有し、かつ
少なくとも、鏡筒を有するレンズアセンブリと、
前記鏡筒内に配置されるレンズ群と、
を備え、
前記レンズ群は前記物体側に最も近い第1のレンズを有し、前記第1のレンズは有効領域と非有効領域とを有し、前記非有効領域は前記有効領域の外縁の周囲に形成され、
前記非有効領域の厚さに対する前記有効領域の中心の厚さの比は2.5以上かつ3.5以下であり、
前記鏡筒は前記物体側に面する第1の端部を有し、前記鏡筒の前記第1の端部は開口を有し、前記第1のレンズの前記有効領域は前記鏡筒の前記第1の端部の前記開口内に配置され、
前記鏡筒は第1の支持部をさらに備え、前記第1のレンズの前記非有効領域は前記鏡筒の前記第1の支持部に留め置かれ、
前記鏡筒の前記第1の端部は前記開口を囲む上部分を有し、前記上部分は、前記上部分の端面に形成された肩部と、
前記肩部の下面から前記第1のレンズの物体側光学面まで延在し、前記有効領域の外周面に沿って前記第1のレンズの前記有効領域を包囲する側壁と、を有する、電子装置。
【請求項2】
前記第1のレンズの前記有効領域の前記中心の厚さに対する前記有効領域の直径の比は3を超える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第1のレンズの前記有効領域は前記鏡筒の前記上部分の前記肩部から突出する凸面を有する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第1の支持部は前記上部分の近傍にある前記鏡筒の内壁に形成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記側壁は0.1mm以上かつ0.25mm以下の厚さを持つ、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1のレンズの前記非有効領域の幅は0.2mm以上かつ0.5mm以下である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
前記レンズ群は、前記第1のレンズの前記物体側から離れた側に前記鏡筒内に順番に配置される第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ及び第5のレンズをさらに含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1のレンズ及び前記第4のレンズの屈折率は1.6を超え、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第5のレンズの屈折率は1.55未満である、請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記第3のレンズは正の集光パワーを持ち、前記第4のレンズは負の集光パワーを持つ、請求項7に記載の電子装置。
【請求項10】
物体側と像側とを有するカメラ用のレンズアセンブリであって、
鏡筒と、
前記鏡筒内に配置されるレンズ群と、
を備え、
前記レンズ群は前記物体側に最も近い第1のレンズを有し、前記第1のレンズは有効領域と非有効領域とを有し、前記非有効領域は前記有効領域の外縁の周囲に形成され、
前記非有効領域の厚さに対する前記有効領域の中心の厚さの比は2.5以上かつ3.5以下であり、
前記鏡筒は前記物体側に面する第1の端部を有し、前記鏡筒の前記第1の端部は開口を有し、前記第1のレンズの前記有効領域は前記鏡筒の前記第1の端部の前記開口内に配置され、
前記鏡筒は第1の支持部をさらに備え、前記第1のレンズの前記非有効領域は前記鏡筒の前記第1の支持部に留め置かれ、
前記鏡筒の前記第1の端部は前記開口を囲む上部分を有し、前記上部分は前記上部分の端面に形成された肩部と、
前記肩部の下面から前記第1のレンズの物体側光学面まで延在し、前記有効領域の外周面に沿って前記第1のレンズの前記有効領域を包囲する側壁と、を有する、レンズアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のレンズの前記有効領域の前記中心の厚さに対する前記有効領域の直径の比は3を超える、請求項10に記載のレンズアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のレンズの前記有効領域は前記鏡筒の前記上部分の前記肩部から突出する凸面を有する、請求項11に記載のレンズアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の支持部は前記上部分の近傍にある前記鏡筒の内壁に形成される、請求項11に記載のレンズアセンブリ。
【請求項14】
前記側壁は0.1mm以上かつ0.25mm以下の厚さを持つ、請求項11に記載のレンズアセンブリ。
【請求項15】
前記第1のレンズの前記非有効領域の幅は0.2mm以上かつ0.5mm以下である、請求項10に記載のレンズアセンブリ。
【請求項16】
前記レンズ群は、前記第1のレンズの前記物体側から離れた側に前記鏡筒内に順番に配置される第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ及び第5のレンズをさらに含む、請求項10に記載のレンズアセンブリ。
【請求項17】
前記第1のレンズ及び前記第4のレンズの屈折率は1.6を超え、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第5のレンズの前記屈折率は1.55未満である、請求項16に記載のレンズアセンブリ。
【請求項18】
前記第3のレンズは正の集光パワーを持ち、前記第4のレンズは負の集光パワーを持つ、請求項16に記載のレンズアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2017年7月11日に国家知識産権局に出願され、名称が「LENS ASSEMBLY WITH MINIMIZED HEAD DIAMETER,CAMERA APPARATUS,AND ELECTRONIC DEVICE」である中国特許出願第201910627999.5号の優先権を主張し、また、2019年9月30日に国家知識産権局に出願され、名称が「LENS ASSEMBLY,CAMERA,AND ELECTRONIC DEVICE」である中国特許出願第201910944877.9号の優先権を主張し、これらの中国特許出願の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願の実施形態は端末技術の分野に関し、特に、レンズアセンブリ、カメラ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
撮影機能は電子装置(モバイルフォンやタブレットコンピュータなど)に不可欠な機能である。優れた画質及び撮影効果を得るために、複数のカメラが電子装置に配置され、様々な撮影機能を提供する。
【0004】
現在、撮影装置は主に正面カメラと背面カメラとを含む。正面カメラは電子装置の表示画面に面する面に配置され、背面カメラは電子装置の後部カバーに面する面に配置される。正面カメラはレンズアセンブリ、ホルダベース、光フィルタ、受光素子及びフレキシブルプリント回路(FPC)基板を主に含む。レンズアセンブリの構成が
図1及び
図2に示されている。レンズアセンブリは鏡筒1と、鏡筒1内に順番に配置される構成要素、すなわち、第1のレンズG1、第1の遮光体M1、第2のレンズG2、第2の遮光体M2、第3のレンズG3、第3の遮光体M3、第1のスペーサS11、第4の遮光体M4、第4のレンズG4、第5の遮光体M5、第2のスペーサS12、第6の遮光体M6、第5のレンズG5及びクランプリング2とを含む。
【0005】
したがって、レンズアセンブリの頭部が比較的大きくなり、表示画面の孔が比較的大きくなる。その結果、表示画面のボディに対する画面の比率が減少する。
【発明の概要】
【0006】
本出願では、レンズアセンブリの頭部の寸法を削減するレンズアセンブリ、カメラ及び電子装置を提供する。したがって、表示画面に設けられた、カメラを配置するための孔が狭小化され、これにより、表示画面のボディに対する画面の比率が改善される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の第1の態様は、表示画面、中間フレーム、後部カバー及び少なくとも1つのカメラを含む電子装置を提供する。表示画面と後部カバーとは中間フレームの2つの側に位置する。カメラは中間フレームに配置される。カメラの一端が表示画面に面する。
【0008】
カメラは少なくともレンズアセンブリ、ホルダ、受光素子及びフレキシブルプリント回路を含む。ホルダはレンズアセンブリとフレキシブルプリント回路との間に位置する。受光素子は、フレキシブルプリント回路の一端でありかつレンズアセンブリと対向する一端に位置する。
【0009】
表示画面には孔が設けられる。レンズアセンブリの一端でありかつ像側に面する一端が孔内まで延びる。
【0010】
レンズアセンブリは鏡筒と、鏡筒内に配置されるレンズ群とを含む。鏡筒の端部でありかつ物体側に面する端部が肩部を有する。レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズが凸面を有する。凸面は肩部から突出する。
【0011】
レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズは凸面を有する。凸面は鏡筒の肩部から突出する。この場合、レンズアセンブリの最大視野に影響を及ぼさずにレンズアセンブリの頭部が小型化されることが可能であるので、レンズアセンブリの頭部が小型化され易くなり、これにより、表示画面の孔の寸法が削減され、表示画面のボディに対する画面の比率が増大する。
【0012】
可能な実装形態では、凸面が肩部から突出する最大距離は0.3mm以上である。
【0013】
この方法では、凸面と表示画面との間の距離がより短くなる。したがって、レンズアセンブリの最大視野に影響を及ぼさずにレンズアセンブリの頭部がさらに小型化されることが可能であるので、レンズアセンブリの頭部が小型化され易くなり、これにより、表示画面の孔の寸法が削減され、表示画面のボディに対する画面の比率が増大する。
【0014】
可能な実装形態では、レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズは有効径領域と非有効径領域とを含む。非有効径領域は有効径領域の外縁の周囲に設けられる。有効径領域の面でありかつ物体側に面する面が凸面である。
【0015】
非有効径領域の厚さに対する有効径領域の中心の厚さの比は2.5~3.5である。
【0016】
このようにして、レンズ群中のレンズの凸面でありかつ物体側の方に近い凸面が鏡筒の肩部から突出することができることが保証されることが可能である。
【0017】
可能な実装形態では、有効径領域の中心の厚さに対する有効径領域の直径の比が3を超える。
【0018】
この方法では、レンズの有効径領域の中心の厚さが決定された後、レンズの有効径が取得され得る。
【0019】
可能な実装形態では、鏡筒の上部の壁の厚さが0.1mm~0.25mmである。この方法では、鏡筒の上部の壁の厚さを0.1mmまで薄くすることができ、レンズアセンブリの頭部の寸法がより小さくなり得、表示画面の孔をさらに狭小化することができる。
【0020】
可能な実装形態では、レンズ群は少なくとも第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ及び第5のレンズを含む。第1のレンズは物体側の方に近く、第5のレンズは像側の方に近い。凸面は第1のレンズの面でありかつ物体側に面する面に位置する。
【0021】
可能な実装形態では、第1のレンズ及び第4のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0022】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0023】
可能な実装形態では、第1のレンズは樹脂材料製のプラスチックレンズである。樹脂材料のメルトフローレートが20g/10minを超える。
【0024】
この仕方では、縁の厚さに対する中心の厚さの比が比較的大きいレンズの造形充填率が改善されることが可能であり、これにより、レンズの光学的品質が確保され、頭部が極小であるカメラの撮像精細度が高まる。
【0025】
可能な実装形態では、第1のレンズは屈折率が1.6を超えるガラスレンズであり、第4のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0026】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0027】
可能な実装形態では、第1のレンズは正の集光パワーを持ち、第4のレンズは負の集光パワーを持つ。
【0028】
この仕方では、第1のレンズには集光効果があり、第4のレンズには拡散効果があり、これにより、レンズ群が光路差を短縮するのに用いられることが可能である。さらに、レンズ群の光線屈折能力が改善され得る。
【0029】
可能な実装形態では、第1のレンズ及び第4のレンズの分散係数が30未満であり、第2のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズの分散係数が40を超える。
【0030】
この仕方では、色収差全般が除かれることが可能である。横(lateral)色収差(LCA)が1μm未満になり、縦色収差(LoCA)が5μm未満になる。
【0031】
可能な実装形態では、レンズ群は少なくとも第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ及び第6のレンズを含む。第1のレンズは物体側の方に近く、第6のレンズは像側の方に近い。凸面は第1のレンズの面でありかつ物体側に面する面に位置する。
【0032】
可能な実装形態では、第1のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第4のレンズ及び第6のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0033】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0034】
可能な実装形態では、第1のレンズは屈折率が1.6を超えるガラスレンズであり、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第4のレンズ及び第6のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0035】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0036】
可能な実装形態では、第1のレンズは正の集光パワーを持ち、第3のレンズは負の集光パワーを持ち、第5のレンズは正の集光パワーを持つ。
【0037】
この仕方では、第1のレンズには集光効果があり、第3のレンズには拡散効果があり、第5のレンズには集光効果があり、これにより、レンズ群が光路差を短縮するのに用いられることが可能である。さらに、レンズ群の光線屈折能力が改善され得る。
【0038】
可能な実装形態では、第1のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズの分散係数が30未満であり、第2のレンズ、第4のレンズ及び第6のレンズの分散係数が40を超える。
【0039】
この仕方では、色収差全般が除かれることが可能である。横(lateral)色収差(LCA)が1μm未満になり、縦色収差(LoCA)が5μm未満になる。
【0040】
可能な実装形態では、レンズは保護構造をさらに含む。保護構造は肩部に配置される。保護構造の一端が、凸面の一端でありかつ肩部の方に近い一端まで延びる。
【0041】
保護構造はレンズの凸面の外縁を保護するのに用いることができる。加えて、保護構造に黒色化(たとえば、保護構造の内側面と、表示画面に面する側面とを黒色でコーティング)処理、艶消し処理、サンドブラスト処理を施して迷光を遮断することができる。保護構造は鏡筒の肩部を色取るためにも用いることができ、これにより、鏡筒の肩部の外観がより暗色化される。
【0042】
可能な実装形態では、表示画面は透明保護カバーと表示モジュールとを含む。孔は、表示モジュールにありかつレンズアセンブリに対応する位置に設けられる。
【0043】
可能な実装形態では、表示モジュールはOLED表示モジュールであるか、表示モジュールは液晶表示モジュールである。
【0044】
液晶表示モジュールは液晶パネルとバックライト要素とを含む。液晶パネルは透明保護カバーとバックライト要素との間に位置する。孔はバックライト要素に設けられるか、又は孔はバックライト要素と液晶パネルとの両方に対応して設けられる。
【0045】
本出願の実施形態の第2の態様は、鏡筒と、鏡筒内に配置されるレンズ群とを含むレンズアセンブリを提供する。鏡筒の端部でありかつ物体側に面する端部が肩部を有する。
【0046】
レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズが凸面を有する。凸面は肩部から突出する。
【0047】
レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズは凸面を有する。凸面は鏡筒の肩部から突出する。この場合、レンズアセンブリの最大視野に影響を及ぼさずにレンズアセンブリの頭部が小型化されることが可能であるので、レンズアセンブリの頭部が小型化され易くなり、これにより、表示画面の孔の寸法が削減され、表示画面のボディに対する画面の比率が増大する。
【0048】
可能な実装形態では、凸面が肩部から突出する最大距離は0.3mm以上である。
【0049】
この方法では、凸面と表示画面との間の距離がより短くなる。したがって、レンズアセンブリの最大視野に影響を及ぼさずにレンズアセンブリの頭部がさらに小型化されることが可能であるので、レンズアセンブリの頭部が小型化され易くなり、これにより、表示画面の孔の寸法が削減され、表示画面のボディに対する画面の比率が増大する。
【0050】
可能な実装形態では、レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズは有効径領域と非有効径領域とを含む。非有効径領域は有効径領域の外縁の周囲に設けられる。有効径領域の面でありかつ物体側に面する面が凸面である。
【0051】
非有効径領域の厚さに対する有効径領域の中心の厚さの比は2.5~3.5である。
【0052】
このようにして、レンズ群中のレンズの凸面でありかつ物体側の方に近い凸面が鏡筒の肩部から突出することができることが保証されることが可能である。
【0053】
可能な実装形態では、有効径領域の中心の厚さに対する有効径領域の直径の比が3を超える。
【0054】
この方法では、レンズの有効径領域の中心の厚さが決定された後、レンズの有効径が取得され得る。
【0055】
可能な実装形態では、鏡筒の上部の壁の厚さが0.1mm~0.25mmである。
【0056】
この方法では、鏡筒の上部の壁の厚さを0.1mmまで薄くすることができ、レンズアセンブリの頭部の寸法がより小さくなり得、表示画面の孔をさらに狭小化することができる。
【0057】
可能な実装形態では、レンズ群は少なくとも第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ及び第5のレンズを含む。第1のレンズは物体側の方に近く、第5のレンズは像側の方に近い。凸面は第1のレンズの面でありかつ物体側に面する面に位置する。
【0058】
可能な実装形態では、第1のレンズ及び第4のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0059】
この仕方では、光線を屈折させるレンズ群の能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0060】
可能な実装形態では、第1のレンズは樹脂材料製のプラスチックレンズである。樹脂材料のメルトフローレートが20g/10minを超える。
【0061】
この仕方では、縁の厚さに対する中心の厚さの比が比較的大きいレンズの造形充填率が改善されることが可能であり、これにより、レンズの光学的品質が確保され、頭部が極小であるカメラの撮像精細度が高まる。
【0062】
可能な実装形態では、第1のレンズは屈折率が1.6を超えるガラスレンズであり、第4のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0063】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0064】
可能な実装形態では、第1のレンズは正の集光パワーを持ち、第4のレンズは負の集光パワーを持つ。
【0065】
この仕方では、第1のレンズには集光効果があり、第4のレンズには拡散効果があり、これにより、レンズ群が光路差を短縮するのに用いられることが可能である。さらに、レンズ群の光線屈折能力が改善され得る。
【0066】
可能な実装形態では、第1のレンズ及び第4のレンズの分散係数が30未満であり、第2のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズの分散係数が40を超える。
【0067】
この仕方では、色収差全般が除かれることが可能である。横(lateral)色収差(LCA)が1μm未満になり、縦色収差(LoCA)が5μm未満になる。
【0068】
可能な実装形態では、レンズ群は少なくとも第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ及び第6のレンズを含む。第1のレンズは物体側の方に近く、第6のレンズは像側の方に近い。凸面は第1のレンズの面でありかつ物体側に面する面に位置する。
【0069】
可能な実装形態では、第1のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第4のレンズ及び第6のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0070】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0071】
可能な実装形態では、第1のレンズは屈折率が1.6を超えるガラスレンズであり、第3のレンズ及び第5のレンズは屈折率が1.6を超えるプラスチックレンズであり、第2のレンズ、第4のレンズ及び第6のレンズは屈折率が1.55未満であるプラスチックレンズである。
【0072】
この仕方では、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮される。したがって、本出願の本実施形態では、レンズ群の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子との距離が短縮される。このようにして、形成されたカメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0073】
可能な実装形態では、第1のレンズは正の集光パワーを持ち、第3のレンズは負の集光パワーを持ち、第5のレンズは正の集光パワーを持つ。
【0074】
この仕方では、第1のレンズには集光効果があり、第3のレンズには拡散効果があり、第5のレンズには集光効果があり、これにより、レンズ群が光路差を短縮するのに用いられることが可能である。さらに、レンズ群の光線屈折能力が改善され得る。
【0075】
可能な実装形態では、第1のレンズ、第3のレンズ及び第5のレンズの分散係数が30未満であり、第2のレンズ、第4のレンズ及び第6のレンズの分散係数が40を超える。
【0076】
この仕方では、色収差全般が除かれることが可能である。横(lateral)色収差(LCA)が1μm未満になり、縦色収差(LoCA)が5μm未満になる。
【0077】
可能な実装形態では、レンズは保護構造をさらに含む。保護構造は肩部に配置される。保護構造の一端が、凸面の一端でありかつ肩部の方に近い一端まで延びる。
【0078】
保護構造はレンズの凸面の外縁を保護するのに用いることができる。加えて、保護構造に黒色化(たとえば、保護構造の内側面と、表示画面に面する側面とを黒色でコーティング)処理、艶消し処理、サンドブラスト処理を施して迷光を遮断することができる。保護構造は鏡筒の肩部を色取るためにも用いることができ、これにより、鏡筒の肩部の外観がより暗色化される。
【0079】
本出願の実施形態の第3の態様はカメラを提供する。本カメラは少なくとも、上記の態様のいずれか1つに係るレンズアセンブリ、ホルダ、受光素子及びフレキシブルプリント回路を含む。ホルダはレンズアセンブリとフレキシブルプリント回路との間に位置する。受光素子は、フレキシブルプリント回路の一端でありかつレンズアセンブリと対向する一端に位置する。
【0080】
本カメラはレンズアセンブリを含む。したがって、レンズアセンブリ内で、レンズ群中のレンズでありかつ物体側の方に近いレンズが凸面を有する。凸面は鏡筒の肩部から突出する。この場合、レンズアセンブリの最大視野に影響を及ぼさずにレンズアセンブリの頭部が小型化されることが可能であるので、レンズアセンブリの頭部が小型化され易くなり、これにより、表示画面の孔の寸法が削減され、表示画面のボディに対する画面の比率が増大する。
【0081】
可能な実装形態では、カメラは正面カメラであるか、又はカメラは背面カメラである。
【0082】
この仕方では、カメラが正面カメラとして用いられる場合には、表示画面に設けられた、レンズアセンブリを配置するための孔の寸法が削減されることが可能であり、カメラが背面カメラである場合には、レンズアセンブリの頭部の寸法が削減され、これにより、後部カバーに設けられた、背面カメラを配置するための孔が狭小化される。したがって、後部カバーの外観がより洗練され、後部カバーの強度がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】既存のレンズアセンブリの概略断面構成図である。
【
図2】本出願の実施形態に係る電子装置の概略構成図である。
【
図3】本出願の実施形態に係る電子装置の概略分解構成図である。
【
図4】本出願の実施形態に係る電子装置の表示画面の透明保護カバー及び表示モジュールの概略分割構成図である。
【
図5】本出願の実施形態に係る電子装置の表示画面の透明保護カバー、液晶パネル及びバックライト要素の概略分割構成図である。
【
図6】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラの概略分解構成図である。
【
図7】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラ、表示画面、フレーム及び後部カバーを含む部分の概略断面構成図である。
【
図8】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラ、表示画面、中間フレーム及び後部カバーを含む部分の概略断面構成図である。
【
図9】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラのレンズアセンブリの概略分解構成図である。
【
図10】レンズアセンブリについての第1のレンズと液晶パネルとの間の構成の概略図である。
【
図11】本出願の実施形態に係るレンズアセンブリについての第1のレンズと液晶パネルとの間の構成の概略図である。
【
図12】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラの第1のレンズの概略構成図である。
【
図13】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラにおける鏡筒と第1のレンズとの設置についての概略図である。
【
図14】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラ、液晶パネル及び透明保護カバーの概略図である。
【
図15】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラのレンズ群、光フィルタ及び受光素子24の概略構成図である。
【
図16】本出願の実施形態に係る電子装置の正面カメラのレンズ群、光フィルタ及び受光素子24の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
参照番号の説明:
100:モバイルフォン;10:表示画面;11:孔;12:透明保護カバー;13:表示モジュール;131:バックライト要素
132:液晶パネル;14:保護構造;20:正面カメラ;21:レンズアセンブリ;21a:頭部;21b:底部
210:鏡筒;2101:肩部;2102:上部;2103:第1の支持部;2104:孔;211:第1のレンズ
211a:凸面;2111:有効径領域;2112:非有効径領域;212:第2のレンズ;213:第3のレンズ
214:第4のレンズ;215:第5のレンズ;216:第6のレンズ;22:光フィルタ;23:ホルダ;24:受光素子
25:フレキシブルプリント回路;26:コネクタ;30:中間フレーム;31:フレーム;32:中間金属プレート;40:回路基板;50:バッテリ
60:後部カバー
【0085】
本出願の実装形態で用いられる用語は、単に本出願の特定の実施形態を説明するために用いられているにすぎず、本出願を限定することは意図されていない。以下、添付の図面を参照して本出願の実施形態の実装について詳細に説明する。
【0086】
本出願の実施形態で提供される電子装置は、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、インターコム電話器、ネットブック、POSマシン、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、イベントデータレコーダや保安装置など、撮影機能を備える移動端末又は固定端末を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0087】
本出願の実施形態では、上記の電子装置がモバイルフォンである例を説明に用いている。
図2及び
図3はモバイルフォンの構造全体及び分割構成をそれぞれ示す。
図2を参照して、本出願の本実施形態で提供されるモバイルフォン100の表示画面は水滴型画面、ノッチ画面又は穿孔画面であってもよい。以下、穿孔画面を例として用いて説明する。
図3を参照すれば、モバイルフォン100は表示画面10と後部カバー60とを含んでもよい。表示画面10と後部カバー60との間には中間フレーム30、回路基板40及びバッテリ50が配置されてもよい。中間フレーム30には回路基板40とバッテリ50とが配置されてもよい。たとえば、回路基板40とバッテリ50とが、中間フレーム30の面でありかつ後部カバー60に面する面に配置されるか、又は回路基板40とバッテリ50とが、中間フレーム30の面でありかつ表示画面10に面する面に配置されてもよい。
【0088】
バッテリ50は電力管理モジュールを用いて充電管理モジュールと回路基板40とに接続されてもよい。電力管理モジュールはバッテリ50及び/又は充電管理モジュールの入力を受け取り、プロセッサ、内部メモリ、外部メモリ、表示画面10、カメラ、通信モジュールなどに電力を供給する。電力管理モジュールはバッテリ50の容量、バッテリ50のサイクルカウントやバッテリ50のSOH(漏電及びインピーダンス)などのパラメータを監視するようにさらに構成されてもよい。他の実施形態では、上記とは異なり、電力管理モジュールが回路基板40のプロセッサに配置されてもよい。他の実施形態では、上記とは異なり、電力管理モジュールと充電管理モジュールとが同じ構成要素に配置されてもよい。
【0089】
表示画面10は有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)ディスプレイであってもよいし、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)であってもよい。
【0090】
後部カバー60は後部金属カバーであってもよいし、後部のガラスカバーであってもよいし、後部プラスチックカバーであってもよいし、後部セラミックカバーであってもよい。本出願の本実施形態では後部カバー60の材料は限定されない。
【0091】
中間フレーム30は中間金属プレート32とフレーム31とを含んでもよい。フレーム31は中間金属プレート32の周囲に配置される。一般に、フレーム31は上縁、下縁、左縁及び右縁を含んでもよい。上縁、下縁、左縁及び右縁は正方形のリング構造を持つフレーム31を形成する。中間金属プレート32はアルミニウム板材であってもよいし、アルミニウム合金であってもよいし、マグネシウム合金であってもよい。フレーム31は金属フレームであってもよいし、セラミックフレームであってもよい。中間金属フレーム30及びフレーム31はクランプ固定されても溶接されても接着されても一体形成されてもよいし、あるいは、中間金属フレーム30及びフレーム31は射出成形により固定接続される。
【0092】
いくつかの例では、モバイルフォン100の後部カバー60がフレーム31に接続されて一体形成(Unibody)された後部カバーを形成してもよい点に留意するべきである。たとえば、モバイルフォン100が表示画面10、中間金属プレート32及びバッテリカバーを含んでもよい。バッテリカバーは、フレーム31と後部カバー60とを用いて一体形成(Unibody)された後部カバーであってもよい。この方式では、中間金属フレーム30とバッテリカバーとによって囲まれた空間に回路基板40とバッテリ50とが位置する。
【0093】
撮影機能を実施するために、モバイルフォン100はカメラとフラッシュ(図示せず)とをさらに含んでもよい。カメラは正面カメラと背面カメラ(図示せず)とを含んでもよい。背面カメラとフラッシュとが、中間金属プレート32の面でありかつ後部カバー60に面する面に配置されてもよく、フラッシュと背面カメラとを取り付けるのに用いられることが可能である取付け孔が後部カバー60に設けられる。正面カメラが、中間金属プレート32の面でありかつ表示画面10に面する面に配置されてもよい。本出願の本実施形態では、正面カメラ及び背面カメラの配置位置は上記で説明されているものを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ又はN個の正面カメラと1つ又はN個の背面カメラとがモバイルフォン100に配置されてもよい。ここで、Nは1を超える正の整数である。
【0094】
本出願の本実施形態の概略構成がモバイルフォン100に対する特定の限定を構成しないことが理解され得る。本出願の他の実施形態では、モバイルフォン100が図に示されているものよりも多数であったり少数であったりする構成要素を含んでもよいし、モバイルフォン100においていくつかの構成要素が組み合されてもよいし、いくつかの構成要素が分割されてもよいし、あるいは、構成要素が異なる仕方で配置される。図に示されている構成要素がハードウェア、ソフトウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せを用いて実施されてもよい。
【0095】
上記の説明に基づいて、本出願の本実施形態では、正面カメラ20がモバイルフォン100に配置されるシナリオを説明の例として用いている。
【0096】
シナリオ1
本出願の本実施形態では、
図3を参照して、正面カメラ20の撮影を実施するために、正面カメラ20のレンズアセンブリ21に合致する孔11が表示画面10に配置されている。このようにして、外部の光が正面カメラ20に入射して撮影を実施することができる。
図4に示されているように、表示画面10が透明保護カバー12と表示モジュール13とを含んでもよいことが当然分かる。透明保護カバー12はたとえばガラスカバーやサファイアカバーであってもよい。孔11が表示画面10に設けられる場合、孔11は表示画面10の表示モジュール13に設けられてもよい。
【0097】
本出願の本実施形態では、表示モジュール13はOLED表示モジュールであってもよいし、表示モジュール13は液晶表示モジュールであってもよい。表示モジュール13が液晶表示モジュールである場合、
図5に示されているように、液晶表示モジュールは液晶パネル132とバックライト要素131とを含んでもよい。バックライト要素131は液晶パネル132の下に配置され、液晶パネル132にバックライト光源を提供するように構成されている。
【0098】
孔11が液晶表示モジュールに設けられる場合、孔11は通し孔であっても止まり孔であってもよい。たとえば、
図4に示されているように、孔11がバックライト要素131に設けられてもよく、液晶パネル132には孔が設けられない。この仕方では、液晶表示モジュールに形成される孔11は止まり孔である。代替として、別の例では、孔11は液晶パネル132とバックライト要素131との両方に設けられる。この仕方では、液晶表示モジュールに形成される孔11は通し孔である。孔11の寸法は正面カメラ20のレンズアセンブリ21の寸法に応じて設定される。
【0099】
一般に、表示画面10はタッチパネル(Touch Panel、TP)をさらに含んでもよく、タッチパネル(図示せず)は表示モジュール13と透明保護カバー12との間に配置されてもよい(すなわち、TP on cell)。その代わりに、タッチパネルは表示モジュール13のフイルム層(すなわち、TP in cell)に配置されてもよく、表示モジュール13はユーザに表示内容を出力するように構成され、タッチパネルはユーザによって表示画面10に入力されたタッチイベントを受け付けるように構成される。
【0100】
本出願の実施形態において、
図6を参照すると、正面カメラ20はレンズアセンブリ21、光フィルタ22(Filter)、ホルダ23(Holder)、受光素子24、フレキシブルプリント回路25(Flexible Printed Circuit、FPC)及びコネクタ26を含んでもよい。ホルダ23の一端にはレンズアセンブリ21が接続される。ホルダ23の他端はフレキシブルプリント回路25の一端に固定される。フレキシブルプリント回路25の他端にはコネクタ26が固定される。コネクタ26によってフレキシブルプリント回路25が回路基板40に電気接続される。ホルダ23とレンズアセンブリ21の底部とが溶接、クランプ固定、固着、ねじ接続により接続されてもよい。ホルダ23はフレキシブル回路基板40に接着方式、クランプ固定方式や溶接方式で固定接続される。ホルダ23の材料はプラスチック材料や金属材料であってもよい。
図5に示されている正面カメラ20が、焦点距離が一定であるカメラである点に留意するべきである。正面カメラ20が、焦点距離が可変であるカメラである場合、正面カメラ20はフォーカスモジュール(図示せず)をさらに含んでもよい。フォーカスモジュールはたとえばフォーカスモータである。フォーカスモータはホルダ23に配置されてもよい。
【0101】
レンズアセンブリ21とホルダ23との間に光フィルタ22が位置してもよい。たとえば、光フィルタ22はホルダ23の刳り貫き領域に配置されてもよく、受光素子24がフレキシブルプリント回路25の一端に配置され、受光素子24はフレキシブルプリント回路25に電気接続され、ホルダ23が受光素子24の外縁の周囲に設けられる。
【0102】
本出願の本実施形態では、光フィルタ22は赤外線カットフィルタ(IR cut Filter、IRCF)であってもよい。光フィルタ22は赤外線を除去して、赤外線がレンズアセンブリ21に入射して結像に影響を及ぼすのを防止することができる。
【0103】
受光素子24は電荷結合素子(charge coupled device、CCD)であっても相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide-semiconductor、CMOS)フォトトランジスタであってもよい。コネクタ26は、フレキシブルプリント回路25を回路基板40上の画像信号処理ユニット(Image Signal Processing、ISP)に電気接続して画像信号処理ユニット(ISP)をデジタル信号処理ユニット(Digital Signal Processing、DSP)に電気接続するように構成されている。画像信号処理ユニット(ISP)とデジタル信号処理ユニット(DSP)とが回路基板40に分かれて配置されてもよいし、画像信号処理ユニット(ISP)とデジタル信号処理ユニット(DSP)とが回路基板40上で一体的に集積されてもよい。たとえば、撮影の際、シャッタが開かれる。光はレンズアセンブリ21を用いて光フィルタ22を通って受光素子24に送られる。光信号が電気信号に変換される。受光素子24は電気信号をフレキシブルプリント回路25及びコネクタ26を用いて処理のためにISPに送る。ISPは電気信号をデジタル画像信号に変換する。ISPはデジタル画像信号を処理のためにDSPに出力する。DSPはデジタル画像信号をRGBやYUVなどの標準的なフォーマットの画像信号に変換する。
【0104】
本出願の本実施形態では、正面カメラ20がモバイルフォン100に配置される場合、
図7に示されているように、正面カメラ20のレンズアセンブリ21の頭部21aが孔11内に位置してもよい。孔11の幅はL=L1+L2+L3である。ここで、L1はレンズアセンブリ21の頭部21aの幅の1/2であり、L2はレンズアセンブリ21の底部21bの幅の1/2であり、L3は設置のために確保されているギャップの幅である。したがって、孔11の幅Lを狭小化するために、本出願の本実施形態では、レンズアセンブリ21の頭部21aの幅が狭小化される。レンズアセンブリ21の頭部21aの幅が狭小化された結果、孔11の幅が狭小化されることで、表示画面10上での孔11の面積が狭小化され、これにより、ボディに対する画面の比率が増大する。具体的な実装形態については以下の説明を参照されたい。
【0105】
本出願の本実施形態では、
図8に示されているように、正面カメラ20が中間金属プレート32に配置されている。正面カメラ20の一端が孔11に面しかつ孔11内まで延び、正面カメラ20の他端は中間金属プレート32の面でありかつ後部カバー60に面する面に位置している。回路基板40は中間金属プレート32の面でありかつ後部カバー60に面する面に固定されている。正面カメラ20のコネクタ26が回路基板40に電気接続されている。
【0106】
本出願の本実施形態では、
図9に示されているように、レンズアセンブリ21は鏡筒210と、鏡筒210内に配置されるレンズ群とを含んでもよい。レンズ群は複数のレンズを含んでもよい。たとえば、レンズ群は5つのレンズを含んでも6つのレンズを含んでもよい。本出願の本実施形態では、レンズ群が5つのレンズを含む事例を説明の例として用いている。
【0107】
たとえば、
図9に示されているように、レンズ群は物体側から像側に向かって第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215を順番に含んでもよい。たとえば、第1のレンズ211は物体側の方に近く、第5のレンズ215は像側の方に近い。物体側は被写体の側であり、像側は結像の側である。各レンズはプラスチックレンズ(Plastic)であってもよいし、ガラスレンズ(Glass)であってもよい。これの代わりに、レンズ群の一部のレンズがプラスチックレンズであり、一部のレンズがガラスレンズであってもよい。一部の隣接するレンズ間にスペーサ(図示せず)がさらに配置されて、隣接する2つのレンズを既定の距離だけ離間させてもよい。各レンズの外縁に遮光体が配置されてもよいし、あるいは、各レンズの外縁が黒色にコーティングされて鏡筒210内の迷光を遮蔽する。
【0108】
本出願の本実施形態では、レンズアセンブリ21の頭部21aの寸法を削減するために、
図9に示されているように、鏡筒210の端部でありかつ物体側に面する端部が肩部2101を有し、第1のレンズ211の面でありかつ物体側に面する面が凸面211aである。凸面211aは鏡筒210の肩部2101から突出する。たとえば、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210から鏡筒210の外部まで突出し、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の外部に露出する。この仕方では、第1のレンズ211の凸面211aと液晶パネル132との距離h2が減少する。第1のレンズ211の凸面211aと液晶パネル132との距離h2が減少すると、
図10に示されているように、孔11が不変のままであることを前提として、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出する場合に形成される角度a2(
図10では破線を用いて示されている)が、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出しない場合に形成される角度a1(
図10では実線を用いて示されている)を超える。したがって、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出した結果、第1のレンズ211の凸面211aと液晶パネル132との距離h2が減少し、したがって、第1のレンズ211の凸面211aと孔11との間に形成される角度が広がる。しかし、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出する場合、第1のレンズ211と孔11との間に形成される角度は不変のままである(たとえば、a1=a2)。この例では、
図11に示されているように、第1のレンズ211の有効径が減少する。たとえば、第1のレンズ211の有効径はDからD1に減少する。第1のレンズ211の有効径が減少した結果、レンズアセンブリ21の頭部21aの寸法が減少する。レンズアセンブリ21の頭部21aの寸法が減少する(すなわち、
図7のL1が減少する)と、孔11の幅L(
図7に示されている幅)が減少し、したがって、孔11が狭小化される。この場合、第1のレンズ211の凸面211aと孔11との間に形成される角度a2が、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出しない場合に形成される角度a1と同じであり続ける。したがって、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出すると、レンズアセンブリ21の最大視野に影響を及ぼさずにレンズアセンブリ21の頭部21aが小型化されることが可能であるので、レンズアセンブリ21の頭部21aが小型化され易くなり、これにより、表示画面の孔11の寸法が削減され、表示画面のボディに対する画面の比率が増大する。
【0109】
本出願の本実施形態における可能な実装では、第1のレンズ211の凸面211aと鏡筒210の肩部2101との最大突出距離h1が0.3mm以上である。たとえば、第1のレンズ211の凸面211aと鏡筒210の肩部2101との最大距離h1が0.3mmであってもよいし、第1のレンズ211の凸面211aと鏡筒210の肩部2101のとの最大距離h1が0.4mmであってもよい。
【0110】
本出願の本実施形態における可能な実装では、
図12に示されているように、第1のレンズ211が有効径領域2111と非有効径領域2112とを含む。非有効径領域2112は有効径領域2111の周囲の領域である。第1のレンズ211が鏡筒210に組み込まれるとき、非有効径領域2112は鏡筒210と、隣接する第2のレンズ212又は光遮光体とに寄せつけられる。いくつかの例では、非有効径領域が黒色にコーティングされて、迷光が結像に影響を及ぼすのを防止してもよい。
【0111】
本出願の本実施形態では、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出する目的で、第1のレンズ211の有効径領域2111の厚さが厚くされる。したがって、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211の非有効径領域2112の厚さh4に対する第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3の比が2.5~3.5である。たとえば、非有効径領域2112の厚さh4に対する第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3の比が3であってもよいし、非有効径領域2112の厚さh4に対する第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3の比が3.3であってもよい。このようにして、第1のレンズ211の凸面211aが鏡筒210の肩部2101から突出することができることが保証されることが可能である。
【0112】
本出願の本実施形態における可能な実装では、第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3に対する第1のレンズ211の有効径(すなわち、有効径領域2111の直径)D1の比が3を超える。たとえば、第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3に対する第1のレンズ211の有効径D1の比が3.5であってもよいし、第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3に対する第1のレンズ211の有効径D1の比が4であってもよい。この仕方では、第1のレンズ211の有効径領域2111の中心の厚さh3が決定された後、第1のレンズ211の有効径D1を取得することができる。本出願の本実施形態では、第1のレンズ211の非有効径領域2112の幅dについては、第1のレンズ211が鏡筒210内で支持されることが果たされるだけでよい。たとえば、第1のレンズ211の非有効径領域2112の幅dは0.2mm~0.5mmであってもよい。たとえば、第1のレンズ211の非有効径領域2112の幅dは0.25mmであってもよいし、第1のレンズ211の非有効径領域2112の幅dは0.4mmであってもよい。
【0113】
可能な実装形態では、
図13に示されているように、様々なレンズを支持するのに用いられることが可能である複数の支持部(たとえば、鏡筒210内の段付き形状の構造)が鏡筒210の内壁に配置される。本出願の本実施形態では、設置の際、鏡筒210の肩部2101から第1のレンズ211の凸面211aが突出するので、鏡筒210の上部2102によって囲まれる孔2104内に第1のレンズ211の有効径領域2111が位置する。第1のレンズ211の支持を実施するために、鏡筒210の内壁において上部2102の近傍に第1の支持部2103が形成されている。この仕方では、第1のレンズ211が設置されると、第1のレンズ211の非有効径領域2112が第1の支持部2103で支持され得、第1のレンズ211の有効径領域2111が孔2104内に位置する。第1の支持部2103が鏡筒210の内壁において上部2102の近傍に配置される場合、支持部が鏡筒210の上部2102の内壁に形成されることが避けられる。
図1の第1のレンズは、鏡筒の内壁の上部で支持される(
図1を参照)。したがって、
図1の鏡筒の上部の壁の厚さが比較的厚い。
図1と比較すると、本出願の本実施形態では、第1の支持部2103が鏡筒210の内壁の上部2102に形成される必要がないので、鏡筒210の上部2102の壁の厚さHを薄くすることができる。たとえば、本出願の本実施形態では、鏡筒210の上部2102の壁の厚さHは0.1mm~0.25mmであってもよい。たとえば、鏡筒210の上部2102の壁の厚さHは0.15mmであってもよいし、鏡筒210の上部2102の壁の厚さHは0.20mmであってもよい。したがって、本出願の本実施形態では、鏡筒210の上部2102の壁の厚さHを0.1mmまで薄くすることができ、これにより、レンズアセンブリ21の頭部21aの寸法がよりも小さくなり、表示画面の孔11がさらに狭小化されることが可能である。
【0114】
他の実施形態では、鏡筒210の上部2102の壁の厚さHが0.1mmまで薄くされる。鏡筒210の上部2102の強度を高めるために、鏡筒210が樹脂材料製である場合、樹脂材料にガラス繊維が添加されてもよい。鏡筒210の強度がガラス繊維を用いて増され、レンズアセンブリ21の頭部21aが押し込まれるときの鏡筒210の上部2102の損傷が避けられ、これにより、レンズアセンブリ21の頭部21aの信頼性が確保される。
【0115】
本出願の本実施形態における可能な実装では、
図14に示されているように、第1のレンズ211の肩部2101に保護構造14が配置され、保護構造14は凸面211aの一端でありかつ肩部2101の方に近い一端まで延びてもよい。保護構造14は第1のレンズ211の凸面211aの外縁を保護することができる。これに加えて、保護構造14に黒色化(たとえば、保護構造14の内側面と、表示画面に面する側面とを黒色でコーティング)処理、艶消し処理、サンドブラスト処理を施して迷光を遮断することができる。したがって、本出願の本実施形態では、保護構造14は鏡筒210の肩部2101を色取るためにも用いることができ、これにより、鏡筒210の肩部2101の外観がより暗色化される。
【0116】
本出願の本実施形態における可能な実装では、第1のレンズ211の凸面211aと、第1のレンズ211の面でありかつ像空間に面する面とが非球面であってもよく、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の各々の2つの面でありかつ像空間及び物体空間にそれぞれ面する2つの面が両方とも非球面であってもよい。各レンズの非球面は以下の曲線の式にしたがって設計されてもよい。
【数1】
【0117】
ここで、zは、非球面上にありかつ光軸に対して距離rにある点と、非球面の光軸に対する、交点での接平面との相対距離であり、rは非球面の曲線上の点と光軸との垂直距離であり、cは曲率であり、kは円錐定数であり、aiはi次の非球面係数でありp2iは各次の球面座標である。
【0118】
可能な実装形態では、第1のレンズ211は樹脂材料製であり、樹脂材料のメルトフローレート(Melt Flow Rate、MFR)は20g/10minを超える。この仕方では、縁の厚さに対する中心の厚さの比が比較的大きいレンズの造形充填率が改善されることが可能であり、これにより、第1のレンズ211の光学的品質が確保され、頭部21aが極小であるカメラの撮像精細度が高まる。
【0119】
可能な実装形態では、正面カメラの高さを低くするために、たとえば、第1のレンズ211の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子24の結像面との光軸上の距離(すなわちTTL)が短縮されてもよい。したがって、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215が樹脂材料製のプラスチックレンズ(Plastic)である。第1のレンズ211が正の集光パワーを持ち、第4のレンズ214が負の集光パワーを持つ。第1のレンズ211及び第4のレンズ214の屈折率が1.6を超え、第2のレンズ212、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の屈折率が1.55未満である。たとえば、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の屈折率がそれぞれ1.6688、1.535、1.5443、1.66及び1.535であってもよい。この仕方では、ビームを屈折させるレンズ群の能力が改善されることが可能である。試験により、
図15に示されているように、
図15において破線を用いて示されている受光素子24が、実線を用いて示されている受光素子24まで移動するように、結像位置が変化し、第1のレンズ211の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子24の結像面との光軸上の距離がH2からH1まで減少し、0.2mm短縮される(すなわち、H2-H1=0.2mm)ことが分かる。したがって、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211と受光素子24との距離が短縮され、このように設置された正面カメラの高さが低くなる。正面カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0120】
本出願の本実施形態では、色収差全般を除くために、第1のレンズ211及び第4のレンズ214の分散係数が30未満であり、第2のレンズ212、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の分散係数が40を超える。たとえば、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の分散係数がそれぞれ19.51、55.764、55.865、20.402及び55.764であってもよい。本出願の本実施形態では、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の色消し条件は以下の通りである。
【数2】
【0121】
ここで、h
iはレンズの平行入射光の高さであり、Vd
iは分散係数であり、φ
iは集光パワーである。したがって、本出願の本実施形態では、各レンズの集光パワーは
【数3】
を満たす屈折率及び分散係数に基づいて割り当てられる。割当ての際、第1のレンズ211及び第4のレンズ214の集光パワーの割当て分が増加される。このようにして、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、カメラの高さが低くされることが可能であり、色収差全般が除去され得る。これにより、横(lateral)色収差(Lateral Chromatic Aberration、LCA)が1μm未満になり、縦色収差(Longitudinal Chromatic Aberration、LoCA)が5μm未満になる。
【0122】
他の例では、上記のレンズアセンブリ21が背面カメラのレンズアセンブリとしてさらに用いられてもよい。たとえば、電子装置が背面カメラをさらに含んでもよい。背面カメラは上記のレンズアセンブリ21、ホルダ24、受光素子25及びフレキシブルプリント回路26を含んでもよい。背面カメラは中間金属プレート32の面でありかつ後部カバー60に面する面に配置されてもよい。背面カメラのレンズアセンブリ21は後部カバー60に面する。後部カバー60には孔が設けられる。後部カバー60に設けられた孔内にレンズアセンブリ21の頭部が配置される。本出願の本実施形態では、レンズアセンブリ21の頭部の寸法が削減され、これにより、後部カバー60に設けられた孔が狭小化される。したがって、後部カバー60の外観がより洗練され、後部カバー60の強度がより向上する。
【0123】
シナリオ2
本出願の本実施形態では、レンズ群について、第1のレンズ211がガラスレンズ(Glass)であり、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215が樹脂材料製のプラスチックレンズ(Plastic)である。第1のレンズ211が正の集光パワーを持ち、第4のレンズ214が負の集光パワーを持つ。第1のレンズ211及び第4のレンズ214の屈折率が1.6を超え、第2のレンズ212、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の屈折率が1.55未満である。たとえば、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の屈折率がそれぞれ1.7147、1.535、1.5446、1.66及び1.535であってもよい。このようにして、レンズ群の光線屈折能力が改善され得る。試験により、第1のレンズ211の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子24の結像面との光軸上の距離が0.2mm短縮されることが分かる。したがって、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211には屈折率が大きいガラスレンズを用い、第4のレンズ214には屈折率が大きいプラスチックレンズを用いる。第1のレンズ211が正の集光パワーを持ち、第4のレンズ214が負の集光パワーを持つ。第1のレンズ211と受光素子24との距離が短縮される。このようにして、形成された正面カメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0124】
本出願の本実施形態では、第1のレンズ211がガラスレンズである場合、第1のレンズ211の2つの面が球面として設計されてもよく、これにより、ガラスレンズの処理難度及び製造コストが低減される。当然、第1のレンズ211がガラスレンズである場合、ガラスレンズは非球面で設計されてもよい。
【0125】
本出願の本実施形態では、色収差全般を除くために、第1のレンズ211及び第4のレンズ214の分散係数が30未満であり、第2のレンズ212、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の分散係数が40を超える。たとえば、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の分散係数がそれぞれ29.51、55.764、55.865、20.402及び55.764であってもよい。本出願の本実施形態では、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の色消し条件は以下の通りである。
【数4】
【0126】
ここで、h
iはレンズの平行入射光の高さであり、Vd
iは分散係数であり、φ
iは集光パワーである。したがって、本出願の本実施形態では、各レンズの集光パワーは
【数5】
を満たす屈折率及び分散係数に基づいて割り当てられる。割当ての際、第1のレンズ211及び第4のレンズ214の集光パワーの割当て分が増加される。このようにして、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、カメラの高さが低くされることが可能であり、色収差全般が除去され得る。これにより、横(lateral)色収差(Lateral Chromatic Aberration、LCA)が1μm未満になり、縦色収差(Longitudinal Chromatic Aberration、LoCA)が5μm未満になる。
【0127】
シナリオ3
本出願の本実施形態では、
図16に示されているように、レンズ群は第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214、第5のレンズ215及び第6のレンズ216の6つのレンズを含む。第6のレンズ216の面でありかつ像側及び物体側にそれぞれ面する面が非球面であってもよい。第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214、第5のレンズ215及び第6のレンズ216が樹脂材料製のプラスチックレンズであってもよい。当然、これとは異なり、第1のレンズ211がガラスレンズであってもよい。
【0128】
正面カメラの高さを低くするために、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の屈折率が1.6を超える。第1のレンズ211が正の集光パワーを持ち、第3のレンズ213が負の集光パワーを持ち、第5のレンズ215が正の集光パワーを持つ。第2のレンズ212、第4のレンズ214及び第6のレンズ216の屈折率が1.55未満である。たとえば、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214、第5のレンズ215及び第6のレンズ216の屈折率がそれぞれ1.6688、1.535、1.66、1.5445、1.66及び1.535であってもよい。このようにして、レンズ群の光線屈折能力が改善され得る。試験により、
図16に示されているように、
図16において破線を用いて示されている受光素子24が、実線を用いて示されている受光素子24まで移動するように、結像位置が変化し、第1のレンズ211の面でありかつ物体側に面する面と、受光素子24の結像面との光軸上の距離がH4からH3まで減少し、0.2mm短縮される(すなわち、H4-H3=0.2mm)ことが分かる。したがって、本出願の本実施形態では、第1のレンズ211、第3のレンズ213及び第5のレンズ215には屈折率が大きいプラスチックレンズを用いる。第1のレンズ211が正の集光パワーを持ち、第3のレンズ214が負の集光パワーを持ち、第5のレンズ215が正の集光パワーを持つ。第1のレンズ211と受光素子24との距離が短縮される。このようにして、形成された正面カメラの高さが低くなる。カメラが電子装置に適用される場合、電子装置の厚さを薄くすることができる。
【0129】
本出願の本実施形態では、色収差全般を除くために、第1のレンズ211、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の分散係数が30未満であり、第2のレンズ212、第4のレンズ214及び第6のレンズ216の分散係数が40を超える。たとえば、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214及び第5のレンズ215の分散係数がそれぞれ19.453、55.764、55.865、20.402及び55.764であってもよい。本出願の本実施形態では、第1のレンズ211、第2のレンズ212、第3のレンズ213、第4のレンズ214、第5のレンズ215及び第6のレンズ216の色消し条件は以下の通りである。
【数6】
【0130】
ここで、h
iはレンズの平行入射光の高さであり、Vd
iは分散係数であり、φ
iは集光パワーである。したがって、本出願の本実施形態では、各レンズの集光パワーは
【数7】
を満たす屈折率及び分散係数に基づいて割り当てられる。割当ての際、第1のレンズ211、第3のレンズ213及び第5のレンズ215の集光パワー割当て分が増加される。このようにして、レンズ群の光線屈折能力が改善されることが可能であり、カメラの高さが低くされることが可能であり、色収差全般が除去され得る。これにより、横色収差(Lateral Chromatic Aberration、LCA)が1μm未満になり、縦色収差(Longitudinal Chromatic Aberration、LoCA)が5μm未満になる。
【0131】
本出願の実施形態の説明では、用語「取付け」及び用語「接続」は、別段明記されたり限定されたりしない限り、当然広義に解され、たとえば、固定接続であってもよいし、中間媒体を用いた間接接続であってもよいし、2つの要素の内的な接続であってもよいし、2つの要素の相互作用関係であってもよい点に留意するべきである。当業者であれば、本出願の実施形態における上記用語の特定の意味は、特定の状況に基づいて理解することができる。
【0132】
明細書、特許請求の範囲、及び本出願の実施形態の添付図面において、用語「第1」、用語「第2」、用語「第3」、用語「第4」など(記載のある場合)は、同様の物体を区別することを意図するものであり、特定の順序やシーケンスを必ずしも示すものではない。
【0133】
最後に、上記の実施形態は、本出願を限定するものではない本出願の実施形態の技術解決手段を説明することを意図するものにすぎない点に留意するべきである。本出願の実施形態は上記の実施形態に関して詳細に説明されているが、当業者は、上記実施形態で説明されている技術解決手段に修正を加えたり、その一部又は全部の技術特徴に均等置換を行なったりすることができるが、該当する技術解決手段の本質部分は本出願の実施形態の技術解決手段の範囲から逸脱するものではないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0134】
1 鏡筒、シナリオ
2 クランプリング、シナリオ
3 シナリオ
10 表示画面
11 孔
12 透明保護カバー
13 表示モジュール
14 保護構造
20 正面カメラ
21 レンズアセンブリ
21a 頭部
21b 底部
22 光フィルタ
23 ホルダ
24 ホルダ、受光素子
25 フレキシブルプリント回路、受光素子
26 フレキシブルプリント回路、コネクタ
30 中間金属フレーム
31 フレーム
32 中間金属プレート
40 フレキシブル回路基板
40 回路基板
50 バッテリ
60 後部カバー
100 モバイルフォン
131 バックライト要素
132 液晶パネル
210 鏡筒
211 第1のレンズ
211a 凸面
212 第2のレンズ
213 第3のレンズ
214 第4のレンズ
215 第5のレンズ
216 第6のレンズ
2101 肩部
2102 上部
2103 第1の支持部
2104 孔
2111 有効径領域
2112 非有効径領域
D1 有効径
G1 第1のレンズ
G2 第2のレンズ
G3 第3のレンズ
G4 第4のレンズ
G5 第5のレンズ
H 厚さ
M1 第1の遮光体
M2 第2の遮光体
M3 第3の遮光体
M4 第4の遮光体
M5 第5の遮光体
M6 第6の遮光体
S11 第1のスペーサ
S12 第2のスペーサ
a1 角度
a2 角度
h1 最大突出距離
h2 距離
h3 厚さ
h4 厚さ
r 距離