IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】カニューレ一体型循環補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/859 20210101AFI20231030BHJP
   A61M 60/174 20210101ALI20231030BHJP
   A61M 60/857 20210101ALI20231030BHJP
   A61M 60/81 20210101ALN20231030BHJP
【FI】
A61M60/859
A61M60/174
A61M60/857
A61M60/81
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022514719
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020049286
(87)【国際公開番号】W WO2021046275
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】62/896,379
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シュイナード、ポール エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカリック、トーマス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、デイビッド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】リガロス、ゲラシモス
(72)【発明者】
【氏名】トーメイ、ジェームズ
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0172655(US,A1)
【文献】特開2017-140474(JP,A)
【文献】国際公開第2017/159849(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0012065(US,A1)
【文献】特表2017-515581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/857
A61M 60/859
A61M 60/81
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓ポンプに取り付けられる装置であって、
該装置はアダプタを備え、該アダプタは、
前記心臓ポンプを受け入れるように構成され、前記心臓ポンプに固定される環状断面部と、
前記アダプタの周りに配置された複数のチャネルと
遠位円筒状部分と、
近位円筒状部分と、
複数の長尺状部材と
を備え、該複数の長尺状部材は前記遠位円筒状部分から前記近位円筒状部分まで延びており、前記アダプタの厚みを通って延びる複数の溝が、前記長尺状部材の各々を分離しており、
該装置はカニューレを備え、該カニューレは、近位部分と、遠位部分と、中間部分とを備え、前記中間部分は前記遠位部分と前記近位部分との間に延びている編組メッシュを備え、前記近位部分は前記チャネルを通して配置された複数の要素を備える近位端を有し、前記遠位部分は複数のワイヤとチップ要素とを備え、前記複数のワイヤは前記編組メッシュから前記チップ要素まで遠位方向に延びており、前記複数のワイヤは前記チップ要素に固定されており、
該装置は前記編組メッシュの少なくとも一部を覆うコーティングを備える、
装置。
【請求項2】
前記編組メッシュの近位部分はテーパ状部分を備え、前記テーパ状部分は、前記テーパ状部分の近位端から前記テーパ状部分の遠位端まで直径が増大している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記編組メッシュは一定ピッチを備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記編組メッシュはさまざまなピッチを備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記チャネルは前記アダプタの内面に沿って延びている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記チャネルは前記アダプタの長さ全体に沿って延びている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つが長手方向に延びている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
心臓ポンプに取り付けられる装置であって、
該装置はアダプタを備え、前記アダプタは、
前記心臓ポンプを受け入れるように構成され、前記心臓ポンプに固定される環状断面部と、
前記アダプタの周りに配置された複数のチャネルと、
遠位円筒状部分と、
近位円筒状部分と、
1つ以上の中間円筒状部分とを備え、該1つ以上の中間円筒状部分は前記遠位円筒状部分と前記近位円筒状部分との間に延びており、前記中間円筒状部分は前記遠位円筒状部分よりも小さい直径を有し、前記チャネルは前記遠位円筒状部分の長さを通して延びており、
該装置はカニューレを備え、該カニューレは、近位部分と、遠位部分と、中間部分とを備え、前記中間部分は前記遠位部分と前記近位部分との間に延びている編組メッシュを備え、前記近位部分は前記チャネルを通して配置された複数の要素を備える近位端を有し、前記遠位部分は複数のワイヤとチップ要素とを備え、前記複数のワイヤは前記編組メッシュから前記チップ要素まで遠位方向に延びており、前記複数のワイヤは前記チップ要素に固定されており、
該装置は前記編組メッシュの少なくとも一部を覆うコーティングを備える、
装置。
【請求項9】
前記チャネルを通して配置された前記複数の要素は、複数のループ要素である、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置を製造する方法であって、該方法は、
前記アダプタの前記複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップと、
前記編組メッシュを作成するために前記複数のワイヤの前記中間部分を編組するステップと、
前記複数のワイヤの遠位部分を前記遠位方向に延ばすステップと、
前記編組メッシュの少なくとも一部を前記コーティングでコーティングするステップと、
前記遠位部分の遠位端を前記チップ要素に結合するステップと、
を備える、方法。
【請求項11】
前記編組メッシュは一定のピッチを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記編組メッシュはさまざまなピッチを備える、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経皮的循環補助装置に関する。より詳細には、本開示は、循環補助ポンプ用の一体型編組カニューレに関する。
【背景技術】
【0002】
循環補助装置は、心臓のポンピング作用を補助する。これらの装置は、例えば、大動脈弁等の弁開口部を通して配置することができる。循環補助装置を通る血流は、異なるタイプの循環補助装置を識別するときの重要な要素である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示する実施形態は、従来の実施形態と比較して向上した流動能力を有する循環補助装置に関する。例示的な複数の実施形態は、以下の例を含むが、それらに限定されない。
【0004】
例1は、心臓ポンプに取り付けられる装置であって、該装置は、アダプタを備え、該アダプタは、心臓ポンプを受け入れるように構成され、心臓ポンプに固定される環状断面部と、アダプタの周りに配置された複数のチャネルとを備え、該装置は、カニューレを備え、該カニューレは、近位部分と、遠位部分と、中間部分とを備え、該中間部分は遠位部分と近位部分との間に延びる編組メッシュを備え、近位部分はチャネルを通して配置された複数の要素を備える近位端を有し、遠位部分は複数のワイヤとチップ要素とを備え、複数のワイヤが、編組メッシュからチップ要素まで遠位方向に延びており、複数のワイヤはチップ要素に固定されており、該装置は編組メッシュの少なくとも一部を覆うコーティングを備える。
【0005】
例2では、例1の装置において、編組メッシュの近位部分はテーパ状部分を備え、テーパ状部分は、テーパ状部分の近位端からテーパ状部分の遠位端まで直径が増大している。
例3では、例1又は2のいずれか1つの装置において、編組メッシュは一定ピッチを備える。
【0006】
例4では、例1又は2のいずれか1つの装置において、編組メッシュはさまざまなピッチを備える。
例5では、例1~3のいずれか1つの装置において、チャネルはアダプタの内面に沿って延びている。
【0007】
例6では、例5の装置において、チャネルはアダプタの長さ全体に沿って延びている。
例7では、例1~6のいずれか1つの装置において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、複数の長尺状部材とを備え、該複数の長尺部材は遠位円筒状部分から近位円筒状部分まで延びており、アダプタの厚みを通って延びる溝が、長尺状部材の各々を分離している。
【0008】
例8では、例1~7のいずれか1つの装置において、複数のチャネルのうちの少なくとも1つが長手方向に延びている。
例9では、例1~8のいずれか1つの装置において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、1つ以上の中間円筒状部分とを備え、該1つ以上の中間円筒状部分は遠位円筒状部分と近位円筒状部分との間に延びており、中間円筒状部分は遠位円筒状部分よりも小さい直径を有し、チャネルは遠位円筒状部分の長さを通して延びている。
【0009】
例10では、例1~9のいずれか1つの装置において、チャネルを通して配置された複数の要素は、複数のループ要素である。
例11は、心臓ポンプに取り付けられる装置を製造する方法であって、該方法は、アダプタの複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップと、編組メッシュを作成するために複数のワイヤの中間部分を編組するステップと、複数のワイヤの遠位部分を遠位方向に延ばすステップと、編組メッシュの少なくとも一部をコーティングするステップと、遠位部分の遠位端をチップ要素に結合するステップとを備える。
【0010】
例12では、例11の方法において、編組メッシュは一定のピッチを備える。
例13では、例11の方法において、編組メッシュはさまざまなピッチを備える。
例14では、例11~13のいずれか1つの方法において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、複数の長尺状部材とを備え、該複数の長尺部材は遠位円筒状部分から近位円筒状部分まで延びており、アダプタの厚みを通って延びる溝が長尺状部材の各々を分離しており、複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップは、溝を通して近位端を配置することを備える。
【0011】
例15では、例11~13のいずれか1つの方法において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、1つ以上の中間円筒状部分とを備え、該1つ以上の中間円筒状部分は遠位円筒状部分と近位円筒状部分との間に延びており、中間円筒状部分は遠位円筒状部分よりも小さい直径を有し、チャネルは遠位円筒状部分の長さを通って延びており、複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップは、チャネルを通して近位端を配置することを備える。
【0012】
例16では、心臓ポンプに取り付けられる装置であって、該装置は、アダプタを備え、該アダプタは、心臓ポンプを受け入れるように構成され、心臓ポンプに固定される環状断面部と、アダプタの周りに配置された複数のチャネルとを備え、該装置は、カニューレを備え、該カニューレは、近位部分と、遠位部分と、中間部分とを備え、該中間部分は遠位部分と近位部分との間に延びる編組メッシュを備え、近位部分はチャネルを通して配置された複数の要素を備える近位端を有し、遠位部分は複数のワイヤとチップ要素とを備え、複数のワイヤが、編組メッシュからチップ要素まで遠位方向に延びており、複数のワイヤはチップ要素に固定されており、該装置が編組メッシュの少なくとも一部を覆うコーティングを備える。
【0013】
例17では、例16の装置において、編組メッシュの近位部分はテーパ状部分を備え、テーパ状部分は、テーパ状部分の近位端からテーパ状部分の遠位端まで直径が増大している。
【0014】
例18では、例16の装置において、編組メッシュは一定ピッチを備える。
例19では、例16の装置において、編組メッシュはさまざまなピッチを備える。
例20では、例16の装置において、チャネルは、アダプタの内面に沿って延びている。
【0015】
例21では、例20の装置において、チャネルは、アダプタの長さ全体に沿って延びている。
例22では、例16の装置において、複数のチャネルのうちの少なくとも1つが長手方向に延びている。
【0016】
例23では、例16の装置において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、複数の長尺状部材とを備え、該複数の長尺部材は遠位円筒状部分から近位円筒状部分まで延びており、アダプタの厚みを通って延びる溝が、長尺状部材の各々を分離している。
【0017】
例24では、例23の装置において、長尺状部材は、遠位円筒状部分、近位円筒状部分又は両方の内面に沿って延びている。
例25では、例24の装置において、長尺状部材は、遠位円筒状部分、近位円筒状部分又は両方の長さ全体に沿って延びている。
【0018】
例26では、例16の装置において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、1つ以上の中間円筒状部分とを備え、該1つ以上の中間円筒状部分は遠位円筒状部分と近位円筒状部分との間に延びており、中間円筒状部分は遠位円筒状部分よりも小さい直径を有し、チャネルは遠位円筒状部分の長さを通して延びている。
【0019】
例27では、例16の装置において、複数の要素は、複数のループ要素である。
例28は、装置を製造する方法であって、該方法は、アダプタの複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップと、編組メッシュを作成するために複数のワイヤの中間部分を編組するステップと、複数のワイヤの遠位部分を遠位方向に延ばすステップと、編組メッシュの少なくとも一部をコーティングするステップと、遠位部分の遠位端をチップ要素に結合するステップとを備える。
【0020】
例29では、例28の方法において、中間部分を編組するステップは、テーパ状部分を形成することを備え、テーパ状部分は、テーパ状部分の近位端からテーパ状部分の遠位端まで直径が増大する。
【0021】
例30では、例28の方法において、編組メッシュは一定のピッチを備える。
例31では、例28の方法において、編組メッシュはさまざまなピッチを備える。
例32では、例28の方法において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、複数の長尺状部材とを備え、該複数の長尺部材は遠位円筒状部分から近位円筒状部分まで延びており、アダプタの厚みを通って延びる溝が長尺状部材の各々を分離しており、複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップは、溝を通して近位端を配置することを備える。
【0022】
例33では、例28の方法において、アダプタは、遠位円筒状部分と、近位円筒状部分と、1つ以上の中間円筒状部分とを備え、該1つ以上の中間円筒状部分は遠位円筒状部分と近位円筒状部分との間に延びており、中間円筒状部分は、遠位円筒状部分よりも小さい直径を有し、チャネルは、遠位円筒状部分の長さを通って延びており、複数のチャネルを通して複数のワイヤの近位端を配置するステップは、チャネルを通して近位端を配置することを備える。
【0023】
例34では、例28の方法において、アダプタを心臓ポンプに取り付けるステップをさらに備える。
例35では、例28の方法において、コーティングはシリコーンである。
【0024】
複数の実施形態を開示するが、当業者であれば、本明細書に開示する主題のさらに他の実施形態が、開示する主題の例示的な実施形態を示し且つ記載する以下の詳細な説明から明らかとなろう。従って、図面及び詳細な説明は、限定的ではなく本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本明細書に開示する主題の実施形態による、カニューレ及びアダプタを含む循環補助装置の概念図。
図2】本明細書に開示する主題の実施形態による、ポンプ103を含む図1に示す循環補助装置102の側面図。
図3】本明細書に開示する主題の実施形態による、図2に示すカニューレの遠位部分の側面図。
図4】本明細書に開示する主題の実施形態による、図2に示すカニューレ及びアダプタの近位部分の側面図。
図5A】本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なアダプタの斜視図。
図5B】本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤ要素が結合されている図5Aの例示的なアダプタの側面図。
図6A】本明細書に開示する主題の実施形態による、別の例示的なアダプタの斜視図。
図6B】本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤ要素が結合されている図6Aの例示的なアダプタの側面図。
図7A】本明細書に開示する主題の実施形態による、さらに別の例示的なアダプタの斜視図。
図7B】本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤループを含む図7Aの例示的なアダプタの側面図。
図8】本明細書に開示する主題の実施形態による、さらに別の例示的なアダプタの斜視図。
図9】本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤループを含む例示的なアダプタの別の斜視図。
図10】本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なカニューレを形成するために使用される例示的なマンドレルの側面図。
図11】本明細書に開示する主題の実施形態による、図10に示す例示的なマンドレルの遠位部分の側面図。
図12】本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なカニューレを形成するために使用される別の例示的なマンドレルの側面図。
図13】本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なカニューレを形成するために使用されるさらに別の例示的なマンドレルの側面図。
図14A】本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なマンドレルで使用される異なるピッチを示す。
図14B】本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なマンドレルで使用される異なるピッチを示す。
図15】本明細書に開示する主題の実施形態による、膜コーティングを有する例示的なカニューレの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
開示する主題は、さまざまな変更形態及び代替形態に適応可能であるが、図面では具体的な実施形態を例として示しており、以下、そうした具体的な実施形態について詳細に記載する。しかしながら、本明細書に開示する主題を記載する特定の実施形態に限定することは意図されていない。逆に、本開示は、本明細書に開示する主題の範囲にあるとともに添付の特許請求の範囲によって規定される、すべての変更形態、均等物及び代替形態を包含するように意図されている。
【0027】
本明細書に開示する実施形態は、従来の実施形態と比較して向上した流動能力を有する循環補助装置を含む。
図1は、本明細書に開示する主題の実施形態による、カニューレ104及びアダプタ108を含む循環補助装置102の概念図を示す。循環補助装置102は、心臓110内に配置された状態で示されている。実施形態によれば、循環補助装置102は、アダプタ108によりカニューレ104に結合される、ポンプ等の(図2に示す)心室補助装置(ventricular assist device)を含むことができる。心室補助装置は、対象者の左心室112から対象者の大動脈114内に血液を送り込むように構成されている。複数の実施形態において、循環補助装置102を使用して、心原性ショック及び他の心不全モダリティを治療することができる。
【0028】
複数の実施形態において、左心室112内に、循環補助装置102の遠位部分116が配置されている。カニューレ104の近位部分122が大動脈114内に延びるように、循環補助装置102の中間部分118が大動脈弁120を通って延びている。複数の実施形態において、カニューレ104の近位部分122はアダプタ108に結合され、アダプタ108は循環補助装置102に結合されている。動作中、循環補助装置102は、左心室112から循環補助装置102のカニューレ104を介して血液を引き出し、大動脈114内に放出する。追加的に又は代替的に、対象者の血管系の他の何らかの態様から血管系の隣接部分内に血液を送り込むことを容易にするために、循環補助装置102を使用し得る。
【0029】
図1は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関するいかなる制限も示唆するようには意図されていない。図1はまた、そこに示すいかなる単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。加えて、図1に示すさまざまな構成要素は、複数の実施形態において、当該複数の実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)のうちのさまざまなものと一体化することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0030】
図2は、本明細書に開示する主題の実施形態による、心室補助装置103を含む、図1に示す循環補助装置102の側面図を示す。
上述したように、カニューレ104は、近位部分122と、中間部分118と、遠位部分116とを含み得る。中間部分118は、近位部分122と遠位部分116との間に延びる編組メッシュ124を含むことができる。複数の実施形態において、編組メッシュ124は、後により詳細に説明するように、種々の編組角及び/又はさまざまな編組角を有することができる。複数の実施形態において、編組メッシュ124の近位部分126は、テーパ状にすることができる。テーパ状の近位部分126は、編組メッシュ124を、近位部分126の遠位端128の近くの大きい方の直径(例えば、5ミリメートル(mm)以上)から、編組メッシュ124の近位端130の近くの小さい方の直径まで遷移させることができる。複数の実施形態において、編組メッシュ124は、心臓110内に送達するためにより小さい直径になるように縮小することができる。心臓110内に配置されると、編組メッシュ124は、そのより大きい直径まで拡張させることができる。カニューレ104は、その送達形態よりも大きい直径まで拡張可能であることにより、非拡張可能なより小さい直径のカニューレによって提供され得る流量よりも大きい流量を提供することができる。複数の実施形態において、編組メッシュ124は、カニューレ104の内側と外側との間の圧力勾配に十分に耐えるように設計することができる。
【0031】
複数の実施形態において、編組メッシュ124は、遠位部分116から近位部分122までカニューレ104を通る溝を形成するために、膜でコーティングされる。複数の実施形態において、膜はシリコーンであり得る。複数の実施形態において、カニューレ104は、0.2032ミリメートル(0.008インチ)の直径を有する複数のニチノールワイヤから形成される。しかしながら、これは単に一例であり、他の直径を有する他のタイプのワイヤを使用して、カニューレ104を形成することができる。追加的に又は代替的に、さまざまな直径を有するワイヤを使用してカニューレ104を形成することができる。複数の実施形態において、カニューレ104は、さまざまなニチノールワイヤ(例えば、6ワイヤ~48ワイヤ)から形成することができる。
【0032】
図2は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関するいかなる制限も示唆するようには意図されていない。図2はまた、そこに示すいかなる単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図2に示すさまざまな構成要素は、実施形態において、そこに示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)のうちのさまざまなものと一体化することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0033】
図3は、本明細書に開示する主題の実施形態による、図2に示すカニューレ104の遠位部分116の側面図を示す。複数の実施形態において、編組メッシュ124の遠位端132において、カニューレ104のワイヤは、遠位方向に延びるとともにチップ要素136に結合される、複数のワイヤ134を含むことができる。複数のワイヤ134間の空間は、血液がカニューレ104に入るための入口を提供する。追加的に又は代替的に、チップ要素136は、カニューレ104内への組織の吸引を阻止することができる。追加的に又は代替的に、チップ要素136は、カニューレ104の適切な位置決めを決定するのに役立つように放射線不透過性であり得る。複数の実施形態において、チップ要素136は、その遠位端138に開口部を含むことができ、そのため、カニューレ104を心臓110内の適切な場所まで誘導するように、ガイドワイヤを開口部に通すことができる。
【0034】
図3は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関するいかなる制限も示唆するようには意図されていない。図3はまた、そこに示すいかなる単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図3に示すさまざまな構成要素は、実施形態において、そこに示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)のうちのさまざまなものと一体化することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0035】
図4は、本明細書に開示する主題の実施形態による、図2に示すカニューレ104及びアダプタ108の近位部分122の側面図を示す。複数の実施形態において、カニューレ104の近位部分122は、環状断面を有することができ、アダプタ108に結合される。例えば、編組メッシュ124は、後により詳細に記載するように、カニューレ104のワイヤをアダプタ108に噛み合わせるようにアダプタ108のチャネルを通して配置される、複数のワイヤ要素140を含むことができる。複数の実施形態において、複数のワイヤ要素140は、複数のワイヤループ要素であり得る。複数の実施形態において、本明細書で考察するワイヤループ要素のうちの任意のもことを、線状要素及び/又は他のワイヤ要素と置き換えることができる。例えば、ワイヤ要素140は、アダプタ108のチャネルを通して配置されるとともに、アダプタ108とカニューレ104の近位部分122との間の締り嵌めによってアダプタ108に固定される、線状要素であり得る。複数の実施形態において、要素140は、アダプタ108に溶接し、且つ/又は例えば接着剤等を用いて別の様式でアダプタに固定することができる。ワイヤ要素140は、カニューレ104の近位部分122に対して小さい断面輪郭を維持しながら、編組メッシュ124をアダプタ108に取り付けることを容易にする。
【0036】
複数の実施形態において、アダプタ108は、心室補助装置103にも結合することができ、それにより、カニューレ104を通る血液の流れが容易になる。複数の実施形態において、アダプタ108は、溶接、はんだ付け、ねじ嵌合等により、心室補助装置103に結合され得る。
【0037】
図4は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関するいかなる制限も示唆するようには意図されていない。図4はまた、そこに示すいかなる単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図4に示すさまざまな構成要素は、実施形態において、そこに示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)のうちのさまざまなものと一体化することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0038】
図5Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なアダプタ200の斜視図を示し、図5Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤ要素が結合されている例示的なアダプタ200の側面図を示す。アダプタ108と同様に、アダプタ200は、カニューレ(例えば、カニューレ104)を循環補助装置(例えば、循環補助装置102)に固定することができる。図示するように、アダプタ200は、循環補助装置を受け入れることができる内径を有する、概ね環状の断面輪郭を有し得る。複数の実施形態において、アダプタ200の内径は、異なるサイズの循環補助装置を受け入れるように構成することができる。例えば、アダプタ200の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)~4.699ミリメートル(0.185インチ)の範囲であり得る。他の例では、アダプタ200の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)未満であり得る。さらに他の例では、アダプタ200の内径は、4.699ミリメートル(0.185インチ)を超え得る。
【0039】
図示する実施形態において、アダプタ200は、アダプタ200の内面204に周方向に配置された複数のチャネル202も含む。複数の実施形態において、チャネル202は、アダプタ200の長さ206全体に沿って延び得る。複数の実施形態において、チャネル202は、アダプタ200の遠位端210からアダプタ200の近位端212まで延びるポスト208を形成することができる。例えば、複数のチャネル202のうちの2つのチャネル202の間に、1つのポスト208を形成することができる。複数の実施形態において、ポスト208は、カニューレ(例えば、カニューレ104)のループ要素をアダプタ200に固定することができる。例えば、図5Bに示すように、カニューレのワイヤは、ワイヤループ214を形成するように、複数のチャネル202のうちの第1チャネル202を通り、ポスト208の近位端212を回り、複数のチャネル202のうちの第2チャネル202を通って配置され得る。アダプタ200が循環補助装置102に結合されると、ポスト208は、循環補助装置102との締り嵌めを提供し、ワイヤループ214がアダプタ200から引き抜かれることを阻止することができる。
【0040】
図6Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による、別の例示的なアダプタ300の斜視図を示し、図6Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤ要素が結合されている例示的なアダプタ300の側面図を示す。アダプタ108と同様に、アダプタ300は、カニューレ(例えば、カニューレ104)を循環補助装置(例えば、循環補助装置102)に固定することができる。図示するように、アダプタ300は、循環補助装置を受け入れることができる内径を有する、概ね環状の断面輪郭を有することができる。複数の実施形態において、アダプタ300の内径は、異なるサイズの循環補助装置を受け入れるように構成することができる。例えば、アダプタ300の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)~4.699ミリメートル(0.185インチ)の範囲であり得る。他の例では、アダプタ300の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)未満であり得る。さらに他の例では、アダプタ300の内径は、4.699ミリメートル(0.185インチ)を超え得る。
【0041】
複数の実施形態において、アダプタ300は、遠位円筒状部分302及び近位円筒状部分304を含むことができる。複数の実施形態において、アダプタ300は、遠位円筒状部分302と近位円筒状部分304との間に延びる複数の長尺状部材306も含むことができる。追加的に又は代替的に、アダプタ300の厚みを通って延びる溝308が、長尺状部材306の各々を分離することができる。複数の実施形態において、遠位円筒状部分302、近位円筒状部分304及び複数の長尺状部材306は、モノリシック部材であり得る。別法として、遠位円筒状部分302、近位円筒状部分304及び/又は複数の長尺状部材306は、別部材であり得る。
【0042】
複数の実施形態において、アダプタ300は、遠位円筒状部分302、近位円筒状部分304又は両方の内面312に周方向に配置された複数のチャネル310を含む。図示する実施形態において、チャネル310は、遠位円筒状部分302の長さ314全体及び/又は近位円筒状部分304の長さ316全体に沿って延びることができる。
【0043】
図6Bを参照すると、チャネル310及び/又は長尺状部材306は、カニューレ(例えば、カニューレ104)のループ要素がアダプタ300から引き抜かれることを阻止することができる。例えば、複数のチャネル310のうちの第1チャネル310を通り、長尺状部材306を回って、複数のチャネル310のうちの第2チャネル310を通るようにカニューレのワイヤを配置して、ワイヤループ318を形成することができる。長尺状部材306の周りにワイヤループ318を配置することにより、ワイヤループ318がアダプタ300から引き抜かれることを阻止することができる。
【0044】
図7Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による、さらに別の例示的なアダプタ400の斜視図を示し、図7Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、ワイヤループを含む例示的なアダプタ400の側面図を示す。アダプタ108と同様に、アダプタ400は、カニューレ(例えば、カニューレ104)を循環補助装置(例えば、循環補助装置102)に固定することができる。図示するように、アダプタ400は、循環補助装置を受け入れることができる内径を有する、概ね環状の断面輪郭を有することができる。複数の実施形態において、アダプタ400の内径は、異なるサイズの循環補助装置を受け入れるように構成することができる。例えば、アダプタ400の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)~4.699ミリメートル(0.185インチ)の範囲であり得る。他の例では、アダプタ400の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)未満であり得る。さらに他の例では、アダプタ400の内径は、4.699ミリメートル(0.185インチ)を超え得る。
【0045】
複数の実施形態において、アダプタ400は、遠位円筒状部分402と近位円筒状部分404とを含むことができる。複数の実施形態において、アダプタ400は、遠位円筒状部分402と近位円筒状部分404との間に延びる複数の長尺状部材406も含むことができる。追加的に又は代替的に、アダプタ400の厚みを通って延びる溝408が、長尺状部材406の各々を分離することができる。複数の実施形態において、遠位円筒状部分402、近位円筒状部分404及び複数の長尺状部材406は、モノリシック部材であり得る。別法として、遠位円筒状部分402、近位円筒状部分404及び複数の長尺状部材406は、別部材であり得る。
【0046】
複数の実施形態において、アダプタ400は、遠位円筒状部分402、近位円筒状部分404又は両方の内面412に周方向に配置された複数のチャネル410を含む。図示する実施形態において、チャネル410は、遠位円筒状部分402の長さ414全体に沿って、及び/又は近位円筒状部分404の長さ416の一部のみに沿って、延びることができる。(チャネル410が)近位円筒状部分404の長さ416の一部のみに沿って延びることにより、近位円筒状部分404は、アダプタ400の近位端418の近くに配置された相対的に大きい直径を有することができる。従って、チャネル410が近位円筒状部分404の長さ416全体に沿って延びる実施形態と比較して、アダプタ400によってより大きい直径の循環補助装置を受け入れることができる。代替的に、二つの実施形態で同じサイズの循環補助装置が使用される場合、アダプタ400は、アダプタ400が近位円筒状部分404の長さ416全体に沿って延びるチャネル410を含む場合よりも、より小さい断面輪郭を有することができる。
【0047】
図7Bを参照すると、チャネル410及び/又は長尺状部材406は、カニューレ(例えば、カニューレ104)のループ要素がアダプタ400から引き抜かれることを阻止することができる。例えば、複数のチャネル410のうちの第1チャネル410を通り、長尺状部材406を回って、複数のチャネル410のうちの第2チャネル410を通るようにカニューレのワイヤを配置して、ワイヤループ420を形成することができる。長尺状部材406の周りにワイヤループ420を配置することにより、ワイヤループ420がアダプタ400から引き抜かれることを阻止することができる。
【0048】
図8は、本明細書に開示する主題の実施形態による、さらに別の例示的なアダプタ500の斜視図を示す。アダプタ108と同様に、アダプタ500は、カニューレ(例えば、カニューレ104)を循環補助装置(例えば、循環補助装置102)に固定することができる。図示するように、アダプタ500は、循環補助装置を受け入れることができる内径を有する、概ね環状の断面輪郭を有することができる。複数の実施形態において、アダプタ500の内径は、異なるサイズの循環補助装置を受け入れるように構成することができる。例えば、アダプタ500の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)~4.699ミリメートル(0.185インチ)の範囲であり得る。他の例では、アダプタ500の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)未満であり得る。さらに他の例では、アダプタ500の内径は、4.699ミリメートル(0.185インチ)を超え得る。
【0049】
複数の実施形態において、アダプタ500は、遠位円筒状部分502と近位円筒状部分504とを含むことができる。複数の実施形態において、アダプタ500は、遠位円筒状部分502と近位円筒状部分504との間に延びる1つ以上の中間円筒状部分506も含むことができる。複数の実施形態において、遠位円筒状部分502、近位円筒状部分504及び1つ以上の中間円筒状部分506は、モノリシック部材であり得る。別法として、遠位円筒状部分502、近位円筒状部分504及び/又は1つ以上の中間円筒状部分506は、別部材であり得る。
【0050】
複数の実施形態において、アダプタ500は、遠位円筒状部分502に周方向に配置された複数のチャネル508を含む。図示する実施形態において、チャネル508は、遠位円筒状部分502の長さ510全体に沿って延びることができる。複数の実施形態において、複数のチャネル508のうちの第1チャネル508を通り、遠位円筒状部分502の近位端512を回って、複数のチャネル508のうちの第2チャネル508を通るようにカニューレのワイヤを配置して、アダプタ500から引き抜かれることが阻止されるワイヤループを形成することができる。
【0051】
図9は、本明細書に開示する主題の実施形態による、さらに別の例示的なアダプタ600の斜視図を示す。アダプタ108と同様に、アダプタ600は、カニューレ(例えば、カニューレ104)を循環補助装置(例えば、循環補助装置102)に固定することができる。図示するように、アダプタ600は、循環補助装置を受け入れることができる内径を有する、概ね環状の断面輪郭を有することができる。複数の実施形態において、アダプタ600の内径は、異なるサイズの循環補助装置を受け入れるように構成することができる。例えば、アダプタ600の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)~4.699ミリメートル(0.185インチ)の範囲であり得る。他の例では、アダプタ600の内径は、4.2418ミリメートル(0.167インチ)未満であり得る。さらに他の例では、アダプタ600の内径は、4.699ミリメートル(0.185インチ)を超え得る。
【0052】
複数の実施形態において、アダプタ600は、遠位円筒状部分602と近位円筒状部分604とを含むことができる。複数の実施形態において、アダプタ600は、遠位円筒状部分602と近位円筒状部分604との間に延びる1つ以上の中間円筒状部分606も含むことができる。複数の実施形態において、遠位円筒状部分602、近位円筒状部分604及び1つ以上の中間円筒状部分606は、モノリシック部材であり得る。別法として、遠位円筒状部分602、近位円筒状部分604及び/又は1つ以上の中間円筒状部分606は、別部材であり得る。
【0053】
複数の実施形態において、アダプタ600は、遠位円筒状部分602に周方向に配置された複数のチャネル608を含む。図示する実施形態において、チャネル608は、遠位円筒状部分602の長さ610全体に沿って延びることができる。複数の実施形態において、複数のチャネル608のうちの第1チャネル608を通り、遠位円筒状部分602の近位端612を回って、複数のチャネル608のうちの第2チャネル608を通るようにカニューレのワイヤを配置して、アダプタ500から引き抜かれるのが阻止されるワイヤループ614を形成することができる。複数の実施形態において、ワイヤループ614は、ワイヤループ614の横方向移動を阻止するように、(ワイヤループ614の真下の)トラフ内に位置することができる。
【0054】
図10は、本明細書に開示する主題の実施形態による、例示的なカニューレを形成するために使用される例示的なマンドレル700の側面図を示す。図示するように、マンドレル700は、アダプタ708が結合されている近位部分702と、中間部分704と、遠位部分706とを備える。(図11に示す)ワイヤ712の近位部分は、ワイヤ712の編組が実施されている間にワイヤ712を固定して維持するように、アダプタ708内のチャネルを通して配置することができる。複数の実施形態において、マンドレル700は、複数の突起710も含む。図10において700で示す例示的なマンドレルの遠位部分の側面図を示す図11に示すように、複数の突起710の周囲にワイヤ712を巻き付け且つ/又は編組してカニューレ(例えば、カニューレ104)の編組メッシュ(編組メッシュ124)を形成することができる。複数の実施形態において、中間部分704は、一定のピッチ又はさまざまなピッチを有する突起710を含むことができる。
【0055】
図12は、一定のピッチを有する突起802を含む例示的なマンドレル800を示し、図13は、さまざまなピッチを有する突起902を含む例示的なマンドレル900を示す。複数の実施形態において、ピッチ角は、突起の2つの近位側の縁部及び/又は突起の2つの遠位側の縁部によって形成される角度である。例えば、図14A及び図14Bを参照すると、2つの異なるピッチ角が示されている。図14Aでは、突起1002は、78度のピッチ角を形成する縁部1004を有する。比較して、突起1102は、110度のピッチ角を形成する縁部1104を有する。しかしながら、これらは、単に例であって限定的であるようには意図されておらず、ピッチ角は、およそ30度~150度の範囲であり得る。
【0056】
複数の実施形態において、ピッチ角により、カニューレ(例えば、カニューレ104)のダイメトリック(dimetric)及び/又は軸方向の強度を決定することができる。例えば、ピッチ角が大きいほど、より低い軸方向強度も容易にしながら、より大きいダイメトリック強度を容易にすることができる。比較して、ピッチ角が小さいほど、より大きい軸方向強度も容易にしながら、より低いダイメトリック強度を容易にすることができる。複数の実施形態において、ダイメトリック強度及び/又は軸方向強度は、カニューレの所定の用途に対して構成し、且つ/又はカニューレの内側と外側と間の圧力勾配に耐えるように選択することができる。
【0057】
再び図10を参照すると、中間部分704は、カニューレのテーパ状近位部分(例えば、テーパ状近位部分126)を形成するために使用することができるテーパ状部分714を含むことができる。
【0058】
複数の実施形態において、ワイヤ712が、突起710を通して突起710の遠位端716まで編組されると、他のすべてのワイヤ712をループ状にして折り返すとともに突起710を通って戻るように配置することができる。ループ状になって折り返されないワイヤ712は、遠位部分706の溝718を通して配置することができる。複数の実施形態において、ワイヤ712の形状が形成されると、ワイヤ712のループ状になって折り返された部分又はワイヤ712の全体を溶接し、貼り付け、安定化し、且つ/又は熱処理して、ワイヤ712の形状を整えることができる。そして、マンドレル700からカニューレを取り除くことができる。マンドレル700からカニューレを取り除いた後、膜でカニューレをコーティングすることができる。
【0059】
図15は、本明細書に開示する主題の実施形態による、マンドレル(例えば、マンドレル700)から取り除かれた、膜コーティング1202を有する、例示的なカニューレ1200の側面図を示す。複数の実施形態において、膜はシリコーンであり得る。図示するように、近位部分1204は、近位方向に延びる複数の近位ワイヤ部分1206を含む。少なくともいくつかの複数の実施形態において、近位ワイヤ部分1206は、長手方向に延びることができる。これらのワイヤ1206は、上述したように、アダプタ(例えば、上述したアダプタ108、200、300、400、500、600のうちの任意の1つ)を通してループ状にした後、循環補助装置に固定することができる。複数の実施形態において、遠位部分1208は、遠位方向に延びる複数の遠位ワイヤ部分1210を含む。少なくともいくつかの複数の実施形態において、遠位ワイヤ部分1210は、長手方向に延びる。上述したように、これらのワイヤ1210はチップ要素(例えば、上述したチップ要素136)に結合することができる。
【0060】
本開示の範囲から逸脱することなく、考察した例示的な実施形態に対してさまざまな変更及び追加を行うことができる。例えば、上述した実施形態は特定の特徴に言及しているが、本開示の範囲は、特徴の異なる組合せを有する実施形態、及び記載した特徴のすべては含まない実施形態も含む。従って、本開示の範囲は、請求項の範囲内にあるすべてのこうした代替形態、変更形態及び変形形態を、それらのすべての均等物とともに包含するように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15