IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】カメラモジュールおよびモバイル端末
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20231030BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231030BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/04 D
G03B30/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022516137
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2020114767
(87)【国際公開番号】W WO2021047635
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】201910864472.4
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】付 乾炎
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 志国
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-514978(JP,A)
【文献】特表2008-503995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G03B 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、ガイドシャフトと、第1の圧電アセンブリと、第2の圧電アセンブリと、光軸方向に前記ガイドシャフトに連続的に摺動可能に接続された第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリとを備えるカメラモジュールであって、前記ガイドシャフトは、前記ベースに固定的に接続され、前記第1の圧電アセンブリは、前記ベースと前記第1の光学アセンブリとの間に接続され、前記第1の圧電アセンブリは、第1のステータおよび第1の従動要素を備え、前記第1のステータは、固定的に接続された第1の圧電要素および第1の固定要素を備え、前記第1の固定要素は、第1のカンチレバーを備え、前記第1のカンチレバーは、通電状態の前記第1の圧電要素によって生成された振動を増幅し、前記第1の従動要素と協働して前記第1の光学アセンブリを前記ガイドシャフト上で摺動させるように構成され、前記第2の圧電アセンブリは、前記ベースと前記第2の光学アセンブリとの間、または前記第1の光学アセンブリと前記第2の光学アセンブリとの間に接続され、前記第2の圧電アセンブリは、第2のステータおよび第2の従動要素を備え、前記第2のステータは、固定的に接続された第2の圧電要素および第2の固定要素を備え、前記第2の固定要素は、第2のカンチレバーを備え、前記第2のカンチレバーは、通電状態の前記第2の圧電要素によって生成された振動を増幅し、前記第2の従動要素と協働して前記第2の光学アセンブリを前記ガイドシャフト上で摺動させるように構成され
前記第1の従動要素が前記第1の光学アセンブリに固定され、前記第1のステータは前記ベースに固定され、前記第2の従動要素は前記第2の光学アセンブリに固定され、前記第2のステータは前記第1の光学アセンブリに固定される、カメラモジュール。
【請求項2】
前記ベースが、対向して配置された一対の側板を備え、前記ベースは、レンズを取り付けるための前端面と、画像センサを取り付けるための後端面とを備え、前記一対の側板は、前記前端面と前記後端面との間に延在る、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1のステータおよび前記第2のステータの一方が、前記第1の光学アセンブリのに配置され、前記第1のステータおよび前記第2のステータの他方が、前記第1の光学アセンブリの他側に配置される、請求項1または2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記第1のステータおよび前記第2のステータが、前記第1の光学アセンブリの同じ側に配置される、請求項1または2に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記第1の圧電アセンブリが、第1のアダプタおよび第1の給電要素をさらに備え、前記第1のステータおよび前記第1の給電要素は、前記第1のアダプタの2つの対向する側面にそれぞれ固定される、請求項1から4のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1の固定要素が、本体と、固定部と、前記第1のカンチレバーと、を備え、前記第1の圧電要素は、前記本体の表裏両面に固定され、前記固定部および前記第1のカンチレバーの両方は、前記本体の縁部から延出し、前記固定部は、前記第1のステータを前記第1のアダプタに固定し、前記第1の圧電要素と前記第1のアダプタとの間にギャップを形成する、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記第1のステータの数は2つ以上であり、前記光軸の延伸方向において、前記2つ以上の第1のステータは一列に配列され、前記第1の従動要素は接触領域を備え、前記第1のカンチレバーは前記接触領域と接触し、前記接触領域と協働して前記第1の従動要素を移動させ、前記接触領域の数は2つであり、前記2つの接触領域は、前記2つ以上の第1のステータの両側に分布する、
または、
前記第1のステータの数は2つ以上であり、前記第1のステータは重なり合うように配置され、前記第1のカンチレバーの数は前記第1のステータの数以上であり、前記第1の従動要素は接触領域を備え、前記第1のカンチレバーは、前記接触領域と接触し、前記接触領域と協働して前記第1の従動要素を移動させ、前記接触領域の数は2つであり、前記2つの接触領域は、前記2つ以上の第1のステータの両側に分布する、
または、
前記第1のステータの数は2つ以上であり、前記光軸の延伸方向において、前記2つ以上の第1のステータは一列に配列され、前記第1の従動要素は接触領域を備え、前記第1のカンチレバーは前記接触領域と接触し、前記接触領域と協働して前記第1の従動要素を移動させ、前記接触領域の数は1つであり、前記接触領域は、前記2つ以上の第1のステータの同じ側に分布する、
または、
前記第1のステータの数は2つであり、前記第1の従動要素は接触領域を備え、前記第1のカンチレバーは、前記接触領域と接触し、前記接触領域と協働して前記第1の従動要素を移動させ、前記接触領域の数は1つであり、前記2つの第1のステータは、前記接触領域の両側に対称的に分布する、
または、
前記第1の従動要素が、固定領域と、前記固定領域と共に中空領域を形成する接触領域とを含み、前記固定領域は、前記第1の光学アセンブリに固定的に接続されるように使用され、前記接触領域は、前記第1のカンチレバーと接触しており、従動を前記第1のカンチレバーに適用する、請求項1から4のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
第1の位置センサ、第2の位置センサ、および位置要素をさらに備え、前記第1の位置センサは前記ベースに固定され、前記位置要素は前記第1の光学アセンブリに固定的に接続され、前記第1の光学アセンブリの前記第1の位置センサに面する側に位置し、前記第2の位置センサは前記第2の光学アセンブリに固定され、前記第1の光学アセンブリの移動距離または位置は、前記第1の位置センサと前記位置要素との間の協働によって決定され、前記第2の光学アセンブリの移動距離または位置は、前記第2の位置センサと前記位置要素との間の協働によって決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記第1の位置センサ、前記第2の位置センサ、および前記位置要素が、位置検出アセンブリの少なくとも一部を形成し、前記位置検出アセンブリおよび前記第1のステータの一方は、前記第1の光学アセンブリのに配置され、かつ前記位置検出アセンブリおよび前記第1のステータの他方は、前記第1の光学アセンブリの他側に配置されるか、または、前記位置検出アセンブリおよび前記第1のステータは、前記第1の光学アセンブリの同じ側に位置する、請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
コントローラと、請求項1から9のいずれか一項に記載のカメラモジュールとを備えたモバイル端末であって、前記第1のステータおよび前記第2のステータは、前記第1の圧電要素および前記第2の圧電要素に電力を供給するために、前記コントローラに電気的に接続されている、モバイル端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、圧電モータを有するカメラモジュールの技術分野に関し、特に、モバイル端末に適用されるカメラモジュールに関する。
【0002】
端末デバイスの場合、写真撮影および撮影機能に対する要件は増加し続けている。多くのシナリオでは、ズーム機能を備えたカメラモジュールが必要とされる。カメラモジュール内の光学要素は、方向性並進運動を受けて、光学アセンブリと光学画像センサとの間の距離を変化させ、それによって最適な撮影効果を達成する。連続ズーム機能を有するカメラモジュールは、新興の産業であり、連続ズーム機構の基本原理は、光学系における2つ以上の光学レンズ群の移動により、光学系の合成焦点距離を変化させることである。
【背景技術】
【0003】
かしながら、焦点距離を調整するプロセスでは、画像がぼやけ、画像の鮮明度を再度調整する必要があり、その結果、カメラモジュールの画像調整効率が低くなり、ユーザ体験が低下する。ズーミングプロセスにおいて良好な撮像品質を維持しながら像面の位置を不変に保つことができるカメラモジュールの構造をどのように設計するかは、業界における継続的な探求の主題である。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施形態は、カメラモジュールにおいて連続ズームの機能を実現し、ズーミングプロセスにおいて高い撮像品質を保証するために、カメラモジュールおよびモバイル端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本出願は、ベースと、ガイドシャフトと、第1の圧電アセンブリと、第2の圧電アセンブリと、光軸方向にガイドシャフトに連続的に摺動可能に接続された第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリとを含むカメラモジュールを提供し、ガイドシャフトは、ベースに固定的に接続され、第1の圧電アセンブリは、ベースと第1の光学アセンブリとの間に接続され、第1の圧電アセンブリは、第1のステータおよび第1の従動要素を含み、第1のステータは、固定的に接続された第1の圧電要素および第1の固定要素を含み、第1の圧電要素および第1の固定要素は、シート構造またはフィルム構造であってもよく、第1の圧電要素は通電状態で振動可能であり得、第1の圧電要素に固定的に接続された第1の固定要素は、第1の圧電要素と共に振動可能であり得る。第1の固定要素は、第1のカンチレバーを含み、第1のカンチレバーは、通電状態の第1の圧電要素によって生成された振動を増幅するように構成され(振動増幅の原理は音叉の動作原理と同様である)、第1のカンチレバーは、第1の従動要素と協働して、第1の光学アセンブリをガイドシャフト上で摺動させ、第2の圧電アセンブリは、ベースと第2の光学アセンブリとの間、または第1の光学アセンブリと第2の光学アセンブリとの間に接続され、第2の圧電アセンブリは、第2のステータおよび第2の従動要素を含み、第2のステータは、固定的に接続された第2の圧電要素および第2の固定要素を含み、第2のステータの構造は、第1のステータの構造と同じであってもよい。第2の固定要素は、第2のカンチレバーを含み、第2のカンチレバーは、通電状態の第2の圧電要素によって生成された振動を増幅し、第2の従動要素と協働して、第2の光学アセンブリをガイドシャフト上で摺動させるように構成される。
【0006】
本出願では、第1の圧電要素および第2の圧電要素が同時に通電され、第1の圧電アセンブリが電気エネルギーを機械的エネルギーに変換し、第1のカンチレバーの振動が第1の従動要素を第1の光学アセンブリと共に移動させてズーミングを達成する。同時に、第2の圧電アセンブリの第2のカンチレバーの振動は、第2の従動要素を第2の光学アセンブリと共に移動させて、ズーミングプロセスにおいて画像調整を達成し、その結果、カメラモジュールは、ズーミングプロセスにおいて常に鮮明な画像を得ることができる。加えて、圧電要素が電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する駆動方式では、カメラモジュールは、特定の小容積および軽量という利点を有する。さらに、第1の圧電アセンブリおよび第2の圧電アセンブリは、磁気要素を含まず、したがって、カメラモジュールの周りのセンサ、スピーカ、およびアンテナなどの要素に磁気干渉を引き起こさない。
【0007】
可能な実装形態では、第1の従動要素は第1の光学アセンブリに固定され、第2の従動要素は第2の光学アセンブリに固定され、第1のステータおよび第2のステータは両方ともベースに固定され、第1のステータおよび第2のステータは第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの同じ側に分布する。この実装形態では、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの相互に独立した並進運動が実施され得、カメラモジュールの連続ズームおよび画像調整の機能が実施される。第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの同じ側に配置され、カメラモジュールの電源配線の配置を容易にする。第1のステータおよび第2のステータは、ベースに固定的に接続され、第1のステータおよび第2のステータは、FPCを使用してモバイル端末のメインボード上の回路に電気的に接続され、第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの同じ側に配置され、FPCの疲労または破損のリスクを低減するのに役立つ。
【0008】
可能な実装形態では、第1の従動要素および第2の従動要素の両方の延伸方向は光軸の延伸方向と一致し、第1の従動要素および第2の従動要素は部分的に重なる。このような位置関係の配置に基づいて、第1の従動要素および第2の従動要素の比較的大きなストロークを得ることができ、第1の従動要素および第2の従動要素は平行なトラックを有するため、同じ方向に移動するが互いに干渉しない。第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリは、大きなストロークを有し、互いに独立して駆動され、それによってカメラモジュールのズーム範囲を拡大し、撮影品質を向上させる。
【0009】
可能な実装形態では、第1の従動要素は第1の光学アセンブリに固定され、第2の従動要素は第2の光学アセンブリに固定され、第1のステータおよび第2のステータは両方ともベースに固定され、第1のステータおよび第2のステータは第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの両側に分布する。第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの相互に独立した並進運動を実施することができ、第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの両側に配置され、その結果、アセンブリ空間は比較的大きく、第1の圧電アセンブリおよび第2の圧電アセンブリは、干渉することなく互いに独立している。
【0010】
可能な実装形態では、ベースは、対向して配置された一対の側板を含み、ベースは、レンズを取り付けるための前端面と、画像センサを取り付けるための後端面とを含み、一対の側板は、前端面と後端面との間に延在し、第1のステータおよび第2のステータは、一対の側板の中間領域にそれぞれ固定され、中間領域は、前端および後端から等しい距離を有する側板上の領域である。従動要素(すなわち、第1の従動要素および第2の従動要素)は比較的長いので、ステータ(第1のステータおよび第2のステータ)は中間領域に配置され、それによって、従動要素が移動するときに従動要素によって占有される運動空間を低減する。具体的には、第1のステータおよび第2のステータの位置決め中に、カメラモジュールの中間部が最初に発見され、ベースの前後の端面を基準として中間断面が発見され、中間断面はカメラモジュールの中間部として使用され、第1のステータおよび第2のステータは、中間部を取り付け基準として使用して固定される。
【0011】
可能な実装形態では、第1の従動要素は第1の光学アセンブリに固定され、第1のステータはベースに固定され、第2の従動要素は第2の光学アセンブリに固定され、第2のステータは第1の光学アセンブリに固定される。この実装形態では、第1の光学アセンブリと第2の光学アセンブリとの間の連結が実施され得、その結果、カメラモジュールは比較的良好な連続ズーム機能を有し、第1の光学アセンブリに対する第2の光学アセンブリの位置精度が改善され得、それによってズーム後の撮像効果を改善することができる。
【0012】
可能な実装形態では、第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリの両側にそれぞれ配置され、その結果、第1のステータおよび第2のステータを取り付けるための比較的大きな空間が提供され得、第1のステータおよび第2のステータの位置は互いに独立しており、設計および組み立てプロセスにおいて回避を考慮する必要がなく、それによって製造効率が改善され、設計の困難さが低減される。
【0013】
可能な実装形態では、第1の従動要素および第2の従動要素はベースに固定され、第1の従動要素および第2の従動要素はトラック形状であり、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリは第1の従動要素および第2の従動要素に摺動可能に接続され、第1のステータは第1の光学アセンブリに固定され、第2のステータは第2の光学アセンブリに固定される。この実装形態では、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの移動の安定性が改善され得る。加えて、従動トラックは、可動トラックおよび従動要素の両方の機能を有することにより、カメラモジュールの収容空間を効果的に節約し、小容積および軽量のカメラモジュールの開発を容易にする。
【0014】
可能な実装形態では、第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの同じ側に配置される。この実装形態では、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの相互に独立した並進運動が実施され得、カメラモジュールの連続ズームおよび画像調整の機能が実施される。第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの同じ側に配置され、カメラモジュールの電源配線の配置を容易にする。第1のステータおよび第2のステータは、ベースに固定的に接続され、第1のステータおよび第2のステータは、FPCを使用してモバイル端末のメインボード上の回路に電気的に接続され、第1のステータおよび第2のステータは、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリの同じ側に配置され、FPCの疲労または破損のリスクを低減するのに役立つ。
【0015】
一実装形態では、第1の圧電アセンブリは、第1の光学アセンブリを取り付けるように構成された第1のホルダを含み、第1のホルダは、第1の本体と、第2の本体と、接続部と、を含み、第1の本体と第2の本体とは相対的に離間しており、第1の本体と第2の本体との間には収容空間が形成され、収容空間は、第1の光学アセンブリを収容するために使用される。収容空間は、第1の本体の上面と第2の本体の上面との間の領域に開いた開口部を有する。第1の光学アセンブリは、開口部の位置から収容空間内に部分的に延在する。第1の光学アセンブリの取り付け部は、第1の本体の上面および第2の本体の上面に取り付けられる。
【0016】
具体的には、第1の本体は、第2の本体に面する第1の表面を含み、第1の表面は、第1の光学アセンブリを支持するために使用され、第2の本体は、第1の本体に面する第2の表面を含み、同様に、第2の表面は、第1の光学アセンブリを支持するために使用され、第1の表面上の傾斜セグメントまたは円弧セグメントと、第2の表面上の傾斜セグメントまたは円弧セグメントとは対称的に配置される。第1の光学アセンブリが第1のホルダに取り付けられるとき、第1の表面および第2の表面は、第1の光学アセンブリの本体部の外面に別々に取り付けられ、カメラモジュールの使用中に第1の光学アセンブリが揺れないように、発泡体などの緩衝材料が取り付け位置に配置されてもよい。別の実装形態では、第1の本体および第2の本体が第1の光学アセンブリに取り付けられる表面は、軟質接着剤として代替的に配置されてもよい。軟質接着剤は弾性変形能力を有するので、第1の光学アセンブリと第1のホルダとの間に弾性接触が形成され得、第1の光学アセンブリおよび第1のホルダは容易には揺れることがなく、カメラモジュールの使用中に第1の光学アセンブリが揺れるのを防止する。
【0017】
可能な実装形態では、第1の圧電アセンブリは、第1のアダプタおよび第1の給電要素をさらに含み、第1のステータおよび第1の給電要素は、第1のアダプタの2つの対向する側面にそれぞれ固定される。第1のステータおよび第1の給電要素は、第1のアダプタを使用して一体のモジュール構造に組み立てられ、組み立てが容易になり、組み立て精度が向上する。
【0018】
可能な実装形態では、第1の固定要素は、本体と、固定部と、第1のカンチレバーと、を含み、第1の圧電要素は、本体の表裏両面に固定され、固定部および第1のカンチレバーの両方は、本体の縁部から延出し、固定部は、第1のステータを第1のアダプタに固定し、第1の圧電要素と第1のアダプタとの間にギャップを形成する。
【0019】
可能な実装形態では、第1のステータの数は2つ以上であり、光軸の延伸方向において、2つ以上の第1のステータは、一列に配列され、第1のカンチレバーと協働する第1の従動要素の接触領域の数は2つであり、2つの接触領域は、2つ以上の第1のステータの両側に分布する。
【0020】
可能な実装形態では、第1のステータの数は2つ以上であり、第1のステータは、重なり合うように配置され、第1のカンチレバーの数は、第1のステータの数以上であり、第1のカンチレバーと協働する第1の従動要素の接触領域の数は2つであり、2つの接触領域は、2つ以上の第1のステータの両側に分布する。
【0021】
可能な実装形態では、第1のステータの数は2つ以上であり、光軸の延伸方向において、2つ以上の第1のステータは、一列に配列され、第1のカンチレバーと協働する第1の従動要素の接触領域の数は1つであり、接触領域は、2つ以上の第1のステータの同じ側に分布する。
【0022】
可能な実装形態では、第1のステータの数は2つであり、第1のカンチレバーと協働する第1の従動要素の接触領域の数は1つであり、2つの第1のステータは、接触領域の両側に対称的に分布する。
【0023】
第1の固定要素および第2の固定要素の構造は同じであってもよい。第1の固定要素は、本体と、固定部と、第1のカンチレバーと、を含み、本体の形状は、第1の圧電要素の形状と相似形であり、本体の表裏両面が、第1の圧電要素を接合するために使用される。固定部および第1のカンチレバーの両方は、本体の縁部から延出する。具体的には、固定部の数は2つであり、2つの固定部は、本体の2つの対向する側縁の中央にそれぞれ接続されて、本体にバランスのとれた支持力を提供し、固定部は、第1のステータを第1のアダプタに固定し、第1のステータと第1のアダプタとの間にギャップを形成するように構成される。言い換えると、第1のステータの第1の圧電要素は第1のアダプタと接触していないので、振動は、通電状態の第1の圧電要素によって生成され得る。
【0024】
隣り合う2つの第1のステータの間の位置において、2つの固定部は、2つの第1の固定要素の本体からそれぞれ延出しており、部分的に重なっている。
【0025】
可能な実装形態では、第1の従動要素は、固定領域と、固定領域と共に中空領域を形成する接触領域とを含み、固定領域は、第1の光学アセンブリに固定的に接続されるように使用され、接触領域は、第1のカンチレバーと接触しており、第1のカンチレバーに弾性プレストレスを印加する。
【0026】
可能な実装形態では、固定領域の両側に対称的に配置された2つの接触領域がある。2つの接触領域は両方とも溝を備え、2つの溝の開口部は互いに対向しており、第1のカンチレバーの自由端は溝内に延在し、接触領域と協働する。
【0027】
可能な実装形態では、各接触領域の両端は、接続領域を使用して固定領域に別々に接続され、各接続領域は、固定領域と接触領域との間に連続的に接続される第1の接続セグメント、第2の接続セグメント、および第3の接続セグメントを含む。第1の接続セグメントは、第1の従動要素の移動中に外乱を提供するために使用され、第3の接続セグメントの断面のサイズは、接触領域の弾性変形能力を提供するために、第2の接続セグメントの断面のサイズおよび接触領域の断面のサイズよりも小さい。
【0028】
可能な実装形態では、カメラモジュールは、第1の位置センサ、第2の位置センサ、および位置要素をさらに含み、第1の位置センサはベースに固定され、位置要素は第1の光学アセンブリに固定的に接続され、第1の光学アセンブリの第1の位置センサに面する側に位置し、第2の位置センサは第2の光学アセンブリに固定され、第1の光学アセンブリの移動距離または位置は、第1の位置センサと位置要素との間の協働によって決定され、第2の光学アセンブリの移動距離または位置は、第2の位置センサと位置要素との間の協働によって決定される。
【0029】
具体的には、位置要素は、磁気要素(例えば、磁石)であってもよく、位置要素は、ストリップ形状であり、位置要素の一部は、光軸に垂直な平面上で第1の光学アセンブリに面し、位置要素の一部は、第2の光学アセンブリの方向に第1の光学アセンブリの外側まで延在する。
【0030】
可能な実装形態では、第1の位置センサ、第2の位置センサ、および位置要素は、位置検出アセンブリの少なくとも一部を形成し、位置検出アセンブリおよび第1のステータは、第1の光学アセンブリの両側にそれぞれ配置されるか、または、位置検出アセンブリおよび第1のステータは、第1の光学アセンブリの同じ側に位置する。
【0031】
第2の態様によれば、本出願で提供されるモバイル端末は、コントローラと、前述の実装形態のいずれか1つで提供されるカメラモジュールとを含み、第1のステータおよび第2のステータは、コントローラに電気的に接続されて、第1の圧電要素および第2の圧電要素に電力を供給する。
【0032】
本出願の実施形態または背景技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下は、本出願の実施形態または背景技術を説明するための添付図面について記載する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本出願によるモバイル端末におけるカメラモジュールの適用の概略図である。
図2】実施形態1によるカメラモジュールの三次元分解図である。
図3】実施形態1によるカメラモジュールのベースの三次元図である。
図4】実施形態1によるカメラモジュールのベースの上面図である。
図5】実施形態1によるカメラモジュールの第1の圧電アセンブリのアセンブリ図である。
図6】実施形態1によるカメラモジュールの第1の圧電アセンブリの概略分解図である。
図7】実施形態1による、別の方向に組み立てられたカメラモジュールの第1のステータ、第1のアダプタ、および第1の給電要素の概略図である。
図8】実施形態1によるカメラモジュールの第1のステータにおける第1の固定要素の平面図である。
図9】実施形態1によるカメラモジュールの第2の圧電アセンブリのアセンブリ図である。
図10】実施形態1によるカメラモジュールの第2の圧電アセンブリの概略分解図である。
図11】実施形態1による、ベースおよびハウジングを除いたカメラモジュールの組み立て概略図である。
図12】実施形態1による状態のカメラモジュールの概略三次元図である。
図13図12の概略断面図である。
図14】実施形態1によるカメラモジュールの第1の従動要素の三次元図である。
図15図14において提供される第1の従動要素の平面図である。
図16図14において提供される第1の従動要素の別の平面図である。
図17】実施形態2によるカメラモジュールの三次元分解図である。
図18】実施形態2によるカメラモジュールの断面図である。
図19】実施形態3によるカメラモジュールの三次元分解図である。
図20】実施形態4によるカメラモジュールの分解図である。
図21】実施形態4によるカメラモジュールの断面図である。
図22】本出願の一実装形態による第1の圧電モジュール内の第1のステータの概略図である。
図23】本出願の別の実装形態による第1の圧電モジュール内の第1のステータの概略図である。
図24】本出願のさらに別の実装形態による第1の圧電モジュール内の第1のステータの概略図である。
図25】本出願のさらに別の実装形態による第1の圧電モジュール内の第1のステータの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本出願の実施形態の添付の図面を参照しながら、本出願の実施形態を詳しく説明する。
【0035】
本出願で使用されるカメラモジュールはモバイル端末に適用され、モバイル端末はスマートフォン、タブレットコンピュータ、車載監視装置などであってもよい。図1に示すように、一例としてスマートフォンが使用される。この実装形態では、モバイル端末100はカメラモジュール10を含み、カメラモジュール10は、後ろ向きカメラであってもよいし、前向きカメラであってもよい。カメラモジュール10は、圧電アセンブリ(圧電モータ)を使用して光学アセンブリを駆動して、連続ズーム機能を実施し、ズーミングプロセスにおいて画像が鮮明であることを保証する。モバイル端末内のメインボード101は、カメラモジュール10の圧電モータに電力を供給し、メインボード101上のコントローラCは、カメラモジュール10内の光学アセンブリの特定の位置情報を取得する。使用中、圧電モータは光学アセンブリを移動させ、その結果、高品質の撮像効果を得るために、焦点距離および画像がシナリオ要件に基づいて調整され得る。
【0036】
本出願で提供されるカメラモジュールは、ベースと、ガイドシャフトと、第1の圧電アセンブリと、第2の圧電アセンブリと、光軸方向にガイドシャフトに連続的に摺動可能に接続された第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリとを含み、ガイドシャフトはベースに固定的に接続されており、第1の圧電アセンブリは、ベースと第1の光学アセンブリとの間に接続され、第1の圧電アセンブリは、第1のステータおよび第1の従動要素を含み、第1のステータは、固定的に接続された第1の圧電要素および第1の固定要素を含み、第1の固定要素の第1のカンチレバーは、通電状態の第1の圧電要素によって生成された振動を増幅し、第1のカンチレバーは、第1の従動要素と協働して、第1の光学アセンブリをガイドシャフト上で摺動させて、カメラモジュールのズームを実施し、第2の圧電アセンブリは、ベースと第2の光学アセンブリとの間、または第1の光学アセンブリと第2の光学アセンブリとの間に接続され、第2の圧電アセンブリは、第2のステータおよび第2の従動要素を含み、第2のステータは、固定的に接続された第2の圧電要素および第2の固定要素を含み、第2の固定要素の第2のカンチレバーは、通電状態の第2の圧電要素によって生成された振動を増幅し、第2のカンチレバーは、第2の従動要素と協働して第2の光学アセンブリをガイドシャフト上で摺動させ、それによってカメラモジュールによって撮影された画像の効果を調整し、ズーム中にカメラモジュールの画像が確実に鮮明になるようにする。
【0037】
本出願のカメラモジュール内の第1の圧電アセンブリおよび第2の圧電アセンブリは、それぞれ、第1の光学アセンブリおよび第2の光学アセンブリを駆動して移動させるための圧電モータとして使用される。圧電アセンブリのステータ部分は、電源として使用される。具体的には、ステータは、圧電要素と固定要素とを含み、圧電要素は、圧電セラミックなどの圧電材料で作られる。圧電材料の電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する性質を利用して、圧電要素は通電状態で振動を生成し、固定要素のカンチレバーが振動を増幅して光学アセンブリを移動させることで、カメラモジュールが移動する。このように、カメラモジュールは、特定の小容積および軽量という利点を有する。さらに、第1の圧電アセンブリおよび第2の圧電アセンブリは、磁気要素を含まず、したがって、カメラモジュールの周りのセンサ、スピーカ、およびアンテナなどの要素に磁気干渉を引き起こさない。
【0038】
本出願では、カメラモジュール内の圧電アセンブリの特定の構造および位置レイアウトについて複数の異なる実装形態があり、「第1の圧電アセンブリは、ベースと第1の光学アセンブリとの間に接続される」は、第1のステータがベースに固定され、第1の従動要素が第1の光学アセンブリに固定されることを含む(詳細については、以下の実施形態1、実施形態2、および実施形態3を参照されたい)。あるいは、第1のステータが第1の光学アセンブリに固定され、第1の従動要素が第1のベースに固定される(詳細については、以下の実施形態4を参照されたく、従動トラックは第1の従動要素に相当する)。「第2の圧電アセンブリは、ベースと第2の光学アセンブリとの間、または第1の光学アセンブリと第2の光学アセンブリとの間に接続される」は、第2のステータが第2のベースに固定され、第2の従動要素が第2の光学アセンブリに固定されることを含む(詳細については、以下の実施形態1および実施形態2を参照されたい)。あるいは、第2のステータが第2の光学アセンブリに固定され、第2の従動要素が第2のベースに固定される(詳細については、以下の実施形態4を参照されたく、従動トラックは第1の従動要素に相当する)。あるいは、第2のステータが第1の光学アセンブリに固定され、第2の従動要素が第2の光学アセンブリに固定される(詳細については、以下の実施形態3を参照されたい)。
【0039】
本出願で説明される「固定」または「固定接続」の方法は、別のアダプタを使用することによる直接固定接続または間接固定接続に限定されない。
【0040】
本出願は、以下の4つの主な実施形態(実施形態1、実施形態2、実施形態3、および実施形態4)を使用して詳細に説明される。
【0041】
実施形態1
図2図3、および図4に示すように、カメラモジュール10は、ベース11と、ハウジング12とを含む。ベース11は、底板111と、一対の側板112とを有する。底板111は略矩形であり、一対の側板112は、底板111の対向する一対の縁部に位置している。ベース11の前端面113および後端面114は、底板111の対向する他の一対の縁部上に、一対の側板112の間に形成されている。前端面113および後端面114の双方の位置には、開口部が設けられている。前端面113の開口部1131の位置はレンズの取り付けに用いられ、後端面114の開口部1141の位置は画像センサの取り付けに用いられる。一対の側板112は、前端面113と後端面114との間に延びている。底板111および一対の側板112は、共に収容空間を囲んでいる。ハウジング12は、ベース11を覆い、ベース11の上部の収容空間を封止する。
【0042】
ハウジング12とベース11とが接続される位置には、ノッチが設けられている。ベース11の同じ側に分布する2つのノッチがある。ノッチは、収容空間および外部と連通するように構成され、カメラモジュール10とモバイル端末のメインボードとを電気的に接続するために、FPCがノッチを通過するために使用される。この実装形態では、第1の溝1121および第2の溝1122は、ベース11の側板112の、底板111から離れた上部に配置され、第1のノッチ121および第2のノッチ122は、ハウジング12の一方側方アームに配置される。ハウジング12がベース11に取り付けられた後、第1のノッチ121と第1の溝1121とは、収容空間と外部とに連通するノッチを形成するように、直接対向して互いに連通している。同様に、第2のノッチ122と第2の溝1122とは、収容空間と外部とに連通するノッチを形成するように、直接対向して互いに連通している。
【0043】
カメラモジュール10の他の要素は、収容空間内に配置される。収容空間内に配置された要素は、ガイドシャフト13、第1の光学アセンブリ14、第2の光学アセンブリ15、第1の位置センサ16、第2の位置センサ17、第1の圧電アセンブリ18、および第2の圧電アセンブリ19を含む。
【0044】
ガイドシャフト13は、ベース11に固定的に接続されている。平行に配置された少なくとも2つのガイドシャフト13があり、ガイドシャフト13はすべてカメラモジュール10の光軸と平行である。図2図3、および図4に示す実施形態では、ガイドシャフト13の数は4つである。2つのガイドシャフト13は第1のシャフト131であり、第1のシャフト131はベース11の底板111に近い位置に固定され、ベース11と一体構造として設計されてもよい。他の2つのガイドシャフト13は、第2のシャフト132であり、第2のシャフト132は、ベース11の内側であって、底板111とは反対側のハウジング12に近い位置に固定されている。ベース11には固定溝115が設けられており、固定溝115には第2のシャフト132の両端が固定されている。2つの第1のシャフト131は、第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリ19を取り付けるために使用され、2つの第2のシャフト132は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15を取り付けるために使用される。
【0045】
第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15は、光軸方向のオブジェクト側と画像側とに連続的に分布し、ガイドシャフト13(具体的には、第2のシャフト132)に摺動可能に接続されている。光軸の延伸方向は、ベース11の前端面113および後端面114が上下方向に延在する方向であり、オブジェクト側はカメラモジュール10で撮影されたオブジェクトが位置する位置であり、ベース11の前端面113はオブジェクト側を向き、ベース11の後端面114は画像側、すなわち画像センサが配置される位置である。
【0046】
第1の光学アセンブリ14は、本体部141と2つの取り付け部142とを含む。本体部141は、オブジェクト側の面S1と、画像側の面(ラベルなし、図2の第2の光学アセンブリ15のオブジェクト側の面S3に面する表面である)とを含む。本体部141は、光を透過する光学要素集積領域である。2つの取り付け部142は、本体部141の両側に対称的に配置され、本体部141の上部の位置に接続されている。2つの取り付け部142のそれぞれには、貫通孔(ラベルなし、すなわち、第2のシャフト132が通過する領域)が設けられている。貫通孔の延伸方向は、光軸の延伸方向と一致している。2つの取り付け部142のそれぞれは、位置決め面1421を含み、位置決め面1421は、本体部141の底部に対向する。2つの取り付け部142の位置決め面1421は同一平面上にあり、第1の光学アセンブリ14を第1の圧電アセンブリ18に取り付けるために使用される。
【0047】
また、第2の光学アセンブリ15は、本体部151と2つの取り付け部152とを含む。第2の光学アセンブリ15の本体部151は、光学要素集積領域であり、光の透過に用いられる。第2の光学アセンブリ15の本体部151の具体的な構造は、第1の光学アセンブリ14の本体部141の具体的な構造と異なっていてもよい。例えば、第2の光学アセンブリ15の本体部151と第1の光学アセンブリ14の本体部141とは異なる種類のレンズ構成を有する。第1の光学アセンブリ14の本体部141および第2の光学アセンブリ15の本体部151の機能は異なっていてもよい。例えば、一実装形態では、第1の光学アセンブリ14の本体部141の位置は、カメラモジュール10のズームのために調整され、第2の光学アセンブリ15の本体部151の位置は、画像効果を調整するために調整される。第1の光学アセンブリ14の取り付け部142と第2の光学アセンブリ15の取り付け部152とは同じ構造を有してもよく、第2の光学アセンブリ15の取り付け部152の貫通孔は、第1の光学アセンブリ14の取り付け部の貫通孔と同一直線上にある。ガイドシャフト13(第2のシャフト132)は、第1の光学アセンブリ14の取り付け部142の貫通孔および第2の光学アセンブリ15の取り付け部152の貫通孔を連続的に通過し、それにより、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15は、第2のシャフト132に直列に接続される。
【0048】
第1の圧電アセンブリ18は、第1のホルダ181と、位置要素182と、第1の従動要素183と、第1のステータ184と、第1のアダプタ185と、第1の給電要素186とを含む。
【0049】
第1のホルダ181は、第1の光学アセンブリ14を取り付けるように構成される。第1のホルダ181は、第1の本体1811と、第2の本体1812と、接続部1813とを含む。第1の本体1811と第2の本体1812とは相対的に離間しており、第1の本体1811と第2の本体1812との間には収容空間C1が形成されている。収容空間C1は、第1の光学アセンブリ14を収容するために使用される。第1の本体1811の上面A1と第2の本体1812の上面A2とは同一平面上にある。具体的には、第1の本体1811の上面A1には2つの取り付けパッドP1が設けられ、第2の本体1812の上面A2には2つの取り付けパッドP2が設けられている。4つの取り付けパッドP1およびP2は、第1の本体1811の上面の平坦度を補正するためのものであり、第1の光学アセンブリ14が取り付けパッドP1およびP2に取り付けられている。接続部1813は、第1の本体1811の底面と第2の本体1812の底面との間に接続されている。具体的には、第1の本体1811および第2の本体1812はプラスチック部品であり、接続部1813は金属板である。収容空間C1は、第1の本体1811の上面A1と第2の本体1812の上面A2との間の領域に開いた開口部を有する。
【0050】
第1の光学アセンブリ14は、開口部の位置から収容空間C1内に部分的に延在する。第1の光学アセンブリ14の取り付け部142は、第1の本体1811の上面A1および第2の本体1812の上面A2に取り付けられている。第1の光学アセンブリ14は、第1の本体1811の上面A1および第2の本体1812の上面A2に取り付けられた取り付け部142上の位置決め面を用いて第1のホルダ181に固定され、接着剤によって固定されている。
【0051】
第1の本体1811は、第2の本体1812に面する第1の表面18112を含み、第1の表面18112は、第1の光学アセンブリ14の本体部141を支持するための傾斜セグメントまたは円弧セグメントを含んでもよい。第2の本体1812は、第1の本体1811に面する第2の表面18122を含み、同様に、第2の表面18122は、第1の光学アセンブリ14の本体部を支持するための傾斜セグメントまたは円弧セグメントを含んでもよい。第1の表面18112上の傾斜セグメントまたは円弧セグメントは、第2の表面18122上の傾斜セグメントまたは円弧セグメントと対称的に配置される。第1の光学アセンブリ14が第1のホルダ181に取り付けられるとき、第1の表面18112および第2の表面18122は、第1の光学アセンブリ14の本体部141の外面に別々に取り付けられ、カメラモジュール10の使用中に第1の光学アセンブリ14が揺れないように、発泡体などの緩衝材料が取り付け位置に配置されてもよい。別の実装形態では、第1の本体1811および第2の本体1812が第1の光学アセンブリ14に取り付けられる表面は、軟質接着剤として代替的に配置されてもよい。軟質接着剤は弾性変形能力を有するので、第1の光学アセンブリ14と第1のホルダとの間に弾性接触が形成され得、第1の光学アセンブリ14および第1のホルダは容易には揺れることがなく、カメラモジュール10の使用中に第1の光学アセンブリ14が揺れるのを防止する。第1の本体1811の底部および第2の本体1812の底部には、それぞれ溝18114および18124が設けられており、溝18114および18124の形状は、2つの第1のシャフト131の形状と一致している。第1のホルダ181は、溝18114および18124と第1のシャフト131との協働によってベース11内に位置決めされてもよい。このようにして、第1の光学アセンブリ14および第1の圧電アセンブリ18はベース11内でより堅固に組み立てられ、カメラモジュール10のズーミングプロセスは使用中によりバランスがとられ、カメラモジュール10は容易には揺れない。
【0052】
位置要素182は、第2の本体1812から外方を向く第1の本体1811の表面に固定的に接続されている。位置要素182は、磁気要素(例えば、磁石)であってもよい。この実装形態では、位置要素182はストリップ形状である。位置要素182の一部は、光軸に垂直な平面上で第1の光学アセンブリ14に面し、位置要素182の一部は、第2の光学アセンブリ15の方向に第1の光学アセンブリ14の外側まで延在する。具体的には、第1の本体1811はストリップ形状の固定部18115を含み、位置要素182はストリップ形状の固定部18115に固定され、位置要素182は磁気要素であり、ストリップ形状の固定部18115はプラスチック部品であり、位置要素182とストリップ形状の固定部18115とは接着剤によって固定されている。
【0053】
図2を参照すると、第1の位置センサ16は、ベース11に固定されている。具体的には、第1の位置センサ16は、ベース11の側板112の内面に固定されており、第1の位置センサ16は、位置要素182に対向して配置されている。位置要素182は、第1の光学アセンブリ14の移動距離または位置を決定するために第1の位置センサ16と協働するように構成される。具体的には、第1の位置センサ16はホールセンサ(Hall sensor)であり、第1の位置センサ16はベース11に固定され、位置要素182は第1のホルダ181に固定され、第1のホルダ181は第1の光学アセンブリ14と同期して移動する。位置要素182および第1の位置センサ16は、可動アセンブリおよび静止アセンブリにそれぞれ固定されている。位置要素182および第1の位置センサ16の位置が互いに対して移動すると、第1の位置センサ16の表面上の磁場が相対運動と共に変化し、第1の位置センサ16は磁場の変化と共に対応する電流を生成する。モバイル端末のメインボード上の制御回路は、電流の大きさに基づいて第1の光学アセンブリ14の移動距離および位置を決定する。
【0054】
図5および図6に示すように、第1の従動要素183および位置要素182は、それぞれ第1のホルダ181の2つの対向する側面に位置している。第1の従動要素183は、接着剤によって第1の本体1811から外方を向く第2の本体1812の表面に固定的に接続されてもよく、または、第1の従動要素183および第2の本体1812は、一体成形によって形成される一体構造として配置されてもよい。一実装形態では、第2の本体1812はプラスチック部品であり、第1の従動要素183は金属部品である。第1の従動要素183は、固定部1831と、一対の接触領域1832とを含む。固定部1831は、第1のホルダ181の第2の本体1812に固定的に接続されるように構成されており、一対の接触領域1832は、固定部1831の2つの対向する側面に位置し、固定部1831の表面から同じ方向に屈曲して延在している。第1の従動要素183が金属部品である場合、固定部1831の上下が同じ方向に屈曲した板金部品を折り曲げ加工する製造工程を用いて接触領域が形成されてもよい。各接触領域1832は、屈曲して溝を形成し、2つの溝の開口部が対向して配置されている。接触領域1832は、第1のステータ184が第1の従動要素183を並進させるように、第1のステータ184の第1のカンチレバーと協働するように構成される。
【0055】
第1のステータ184は、駆動アセンブリの少なくとも一部を形成するように第1のアダプタ185および第1の給電要素186に固定的に接続される。換言すれば、駆動アセンブリは、導電部および弾性部などのこれら3つの要素以外の要素をさらに含んでもよい。この実装形態では、駆動アセンブリは、ベース11の側板112に固定的に接続され、第1の給電要素186は、側板112およびハウジング12を貫通し、モバイル端末のメインボードに電気的に接続され、第1のステータ184は、第1の従動要素183と接触して協働し、第1のアダプタ185は、第1のステータ184と第1の給電要素186との間に接続される。
【0056】
図6および図7を参照されたい。具体的には、第1の給電要素186はFPCであり、第1の給電要素186は、外部コネクタ1861と、第1の電極1862と、第2の電極1863とを含む。外部コネクタ1861は、ベース11およびハウジング12から延出する。第1の電極1862および第2の電極1863は、第1のアダプタ185をバイパスして第1のステータ184に電気的に接続され、第1のステータ184に電力を供給する。この実装形態では、第1の給電要素186は、メインFPC1864と、第1の導電部1865と、第2の導電部1866とを含む。メインFPC1864、第1のアダプタ185、および第1のステータ184が順次積層され、メインFPC上に外部コネクタ1861が配置される。第1の導電部1865は、導電膜やFPCなどの可撓性材料からなる。第1の導電部1865には第1の電極1862が形成されており、第1の導電部1865の一端はメインFPCの縁部位置に電気的に接続され、第1のアダプタ185の周囲を迂回し、第1の電極1862は第1のステータ184のメインFPC1864とは反対側の面に固定されている。第2の電極1863は、第2の導電部1866上に形成されている。第2の導電部1866の一端は、メインFPC1864の貫通孔を介して固定されており、ベース11の側板112と対向するメインFPC1864の面と電気的に接続されている。第2の導電部1866の他端は第2の電極1863であり、第2の電極1863は第1のアダプタ185を介して固定され、第1のステータ184と電気的に接続されている。
【0057】
第1のステータ184は、固定的に接続された第1の圧電要素1842および第1の固定要素1844を含む。第1の圧電要素1842および第1の固定要素1844は、シート構造であってもよいし、薄フィルム構造であってもよい。第1の圧電要素1842は通電状態で振動を生成することができ、第1の圧電要素1842に固定的に接続された第1の固定要素1844も一緒に振動することができる。別の実装形態では、第1の圧電要素1842は、複数の薄い圧電フィルム(または圧電要素)を積層して接合することによって代替的に形成されてもよい。この実装形態では、第1の固定要素1844の両側に分布した2つの第1の圧電要素1842があり、第1の固定要素1844は、2つの第1の圧電要素1842の間に挟まれ、接着剤によって固定される。ベース11内では、一方の第1の圧電要素1842が第1のアダプタ185に対向し、他方の第1の圧電要素1842が第1の従動要素183の固定部1831に対向している。第1の圧電要素1842は圧電セラミックス材料からなり、第1の固定要素1844は金属材料からなる。
【0058】
図8に示すように、第1の固定要素1844は、本体18441と、固定部18442と、第1のカンチレバー18443とを含む。本体18441の形状は、第1の圧電要素1842の形状と同様であり、本体18441の表裏両面が、第1の圧電要素1842を接合するために使用される。固定部18442および第1のカンチレバー18443の両方は、本体18441の縁部から延出する。具体的には、2つの固定部18442があり、2つの固定部18442は、本体18441の2つの対向する側縁の中央にそれぞれ接続され、本体18441にバランスのとれた支持力を提供する。例えば、本体18441は略矩形であり、2つの固定部18442が本体18441の長辺の中央から延出しており、固定部18442は、第1のステータ184を第1のアダプタ185に固定するように構成されており、第1のステータ184と第1のアダプタ185との間にはギャップが形成されている。言い換えると、第1のステータ184の第1の圧電要素1842は、第1のアダプタ185と接触していない。これにより、第1の圧電要素1842が通電されたときに第1の圧電要素1842が確実に振動するようにすることができる。固定部18442は、接続アームL1と、固定脚L2とを含む。接続アームL1は、本体18441と固定脚L2との間に接続されている。固定脚L2は、第1のアダプタ185に固定的に接続されている。接続アームL1は、第1のアダプタ185から第1の圧電要素1842と共に本体18441を支持する。第1のカンチレバー18443は本体18441から延出し、第1のカンチレバー18443は第1の従動要素183と協働する。具体的には、第1のカンチレバー18443は、第1の従動要素183の接触領域1832の溝内に延在し、接触領域1832に当接する。第1の圧電要素1842は通電状態で振動し、第1の圧電要素1842の振動は第1の固定要素1844の第1のカンチレバー18443によって増幅され、第1のカンチレバー18443の自由端は溝内を楕円運動で接触領域1832の表面に接触する。第1のカンチレバー18443の自由端の楕円運動は、第1の従動要素183をガイドシャフト13の方向に移動させ、さらに第1の光学アセンブリ14をガイドシャフト13上で摺動させることができる。本出願では、第1のステータ184、第1のアダプタ185、および第1の給電要素186が1つのモジュールに組み付けられた後、モジュールはベース11に組み付けられる。
【0059】
図9および図10を参照されたい。この実装形態では、第2の圧電アセンブリ19の構造は、第1の圧電アセンブリ18の構造と実質的に同じであり、第2の圧電アセンブリ19は、第2のホルダ191と、第2の従動要素193と、第2のステータ194と、第2のアダプタ195と、第2の給電要素196とを含む。第2のホルダ191の構造は、第1のホルダ181の構造と同じであり、第2の光学アセンブリ15は、第2のホルダ191の第1の本体1911および第2の本体1912に取り付けられ、第2のホルダ191の第1の本体1911と第2の本体1912との間の収容空間C2内に部分的に延在している。第2の圧電アセンブリ19と第1の圧電アセンブリ18との主な違いは、第2の圧電アセンブリ19が位置要素を含まず、第2の位置センサ17が第2のホルダ191の第1の本体1911に固定され、第2の位置センサ17がベース11の側板112に面し、第1の圧電アセンブリ18の第2の位置センサ17および位置要素182が第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に位置することである。第1の位置センサ16および第2の位置センサ17は、位置要素182を共有している。第2の位置センサ17および位置要素182は、第2の光学アセンブリ15および第1の光学アセンブリ14にそれぞれ配置されている。第2の光学アセンブリ15が第1の光学アセンブリ14に対して移動すると(第1の光学アセンブリ14が移動せず、第2の光学アセンブリ15が移動するか、または第2の光学アセンブリ15および第1の光学アセンブリ14の両方が移動するが、それらの間に相対的な変位があることが理解され得る)、第2の位置センサ17の表面の磁場が変化し、電流が生成される。第2の光学アセンブリ15の移動距離および位置は、電流の大きさに基づいてさらに決定される。本出願では、第2の光学アセンブリ15はズーミングプロセスにおいてカメラモジュールの画像の鮮明度を調整するように構成されており、第2の光学アセンブリ15の位置精度に対する要求は比較的高い。この実装形態では、第2の位置センサ17は、第2の光学アセンブリ15に固定的に接続され、第2の光学アセンブリ15の位置検出精度を向上させるのに役立ち、より正確な位置検出を実施し、画像鮮明度を調整するより高い効率を保証する。
【0060】
第2の圧電アセンブリ19において、第2のステータ194、第2のアダプタ195、および第2の給電要素196は、駆動アセンブリの少なくとも一部を形成するように固定的に接続される。第2のステータ194、第2のアダプタ195、および第2の給電要素196の構造は、第1のステータ184、第1のアダプタ185、および第1の給電要素186と同様である。第2の従動要素193および第1の従動要素183は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に位置する。同様に、第2の圧電アセンブリ19内の駆動アセンブリおよび第1の圧電アセンブリ18内の駆動アセンブリも、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に位置する。
【0061】
第2の給電要素196の外部コネクタ1961も、ベース11およびハウジング12から延出し、モバイル端末のメインボード上の回路に接続するように構成されている。第1の給電要素186の外部コネクタ1861および第2の給電要素196の外部コネクタ1961は、ベース11およびハウジング12の同じ側からカメラモジュール10の外に延び、FPCまたは他の電気接続ケーブルを用いて外部コネクタとメインボード上の回路との間に電気的に接続され、カメラモジュール10に電力を供給してもよい。
【0062】
一実装形態では、コントローラがメインボード上に配置され、コントローラは、カメラモジュール10に高周波電力信号(約100~800kHz)を提供するために第1の給電要素186および第2の給電要素196に電気的に接続される。高周波電力信号の励起下で、第1のステータ184の第1の圧電要素は弾性振動を生成し、振動は第1のカンチレバーによって増幅され、第1の従動要素183が駆動されて移動し、それにより、第1の光学アセンブリ14が光軸に沿って移動してカメラモジュール10をズームする。ズーミングプロセスでは、第2の給電要素196に電力を供給することで第2のステータ194の第2の圧電要素が弾性振動を生成し、この弾性振動は、第2の固定要素の第2のカンチレバーで増幅され、第2の光学アセンブリ15と共に第2の従動要素193を移動させることで、ズーミングプロセスで常に画像が鮮明になるように画像を調整する。
【0063】
第1の光学アセンブリ14の移動中、第1の位置センサ16および位置要素182は相対的に移動し、第1の位置センサ16の表面上の磁場は相対運動と共に変化し、第1の位置センサ16は磁場の変化と共に対応する電流を生成する。モバイル端末のメインボード上の制御回路は、電流の大きさに基づいて第1の光学アセンブリ14の移動距離および位置を決定する。第2の光学アセンブリ15の移動中、第2の光学アセンブリ15と第1の光学アセンブリ14との間に相対位置が存在し、すなわち、相対運動が位置要素182と第2の位置センサ17との間で生じ、第2の位置センサ17の表面上の磁場が相対運動と共に変化し、第2の位置センサ17は、磁場の変化と共に対応する電流を生成する。モバイル端末のメインボード上の制御回路は、電流の大きさに基づいて第2の光学アセンブリ15の移動距離および位置を決定する。第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15に対する第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリの効果に基づいて、また第1の位置センサ16および第2の位置センサ17の配置と組み合わせて、本出願では、光学系内の2つの光学アセンブリは、光学設計によって与えられる経路に沿って直線的に移動し、像面の位置を不変に保ちながら光学系全体の合成焦点距離を変化させ、連続ズーム中に常に画像を鮮明に保つように構成される。
【0064】
この実装形態では、第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に配置され、それにより、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の相互に独立した並進運動が実施され得、カメラモジュール10の連続ズームおよび画像調整の機能が実施される。第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に配置され、カメラモジュール10の電源配線の配置を容易にする。第1のステータ184および第2のステータ194は、ベース11に固定的に接続され、第1のステータ184および第2のステータ194は、FPCを使用することによってモバイル端末のメインボード上の回路に電気的に接続され、第1のステータ184および第2のステータ194が第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に配置される配置アーキテクチャは、FPCの疲労または破損のリスクをさらに低減するのに役立つ。この実装形態では、第1のステータ184の第1の圧電要素および第2のステータ194の第2の圧電要素は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の移動を制御するための電源として使用され、軽量および小容積の利点を提供する。加えて、圧電要素の材料は、モバイル端末内の他の要素に対する電磁干渉を引き起こさない。
【0065】
図11図12、および図13を参照されたい。この実装形態では、第1のステータ184および第2のステータ194が第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に位置するため、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15のストロークを最大にするために、第1の従動要素183および第2の従動要素193は光軸の延伸方向に千鳥状にされ、すなわち、第2の従動要素193および第1の従動要素183は互いに平行であり、第2の従動要素193と第1の従動要素183との間に特定の重複領域が存在する。これにより、第2の従動要素193および第1の従動要素183の軌道もまた互いに平行であるため、運動中に衝突または干渉しないことを保証することができる。カメラモジュール10において、第1の従動要素183および第2の従動要素193の移動は、少なくとも7mmの長いストロークを達成することができる。図10および図11は、2つの異なる位置状態におけるカメラモジュールの概略図である。光軸に垂直な断面(図12に示す断面の位置)において、第2の従動要素193は、第1の従動要素183とベースの側板との間に位置し、第2の従動要素193と第1の従動要素183とは平行に配置され、底板からの高さは異なっていても同じであってもよい。
【0066】
この実装形態では、第1の位置センサ16および第2の位置センサ17は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の、第1のステータ184および第2のステータ194とは反対側に配置される。別の実装形態では、第1の位置センサ16および第2の位置センサ17、ならびに第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に代替的に配置されてもよい。第1の位置センサ16と、第1の位置センサ16と協働して位置を検出する位置要素とは、ベースの底板と第1のステータおよび第1の従動要素との間の領域に配置されてもよい。同様に、第2の位置センサ17は、第2の従動要素と底板との間の領域に代替的に配置されてもよい。
【0067】
本出願では、第2の光学アセンブリ15の位置検出精度を確保するために、第2の位置センサ17が第2の光学アセンブリ15上に配置されている。第2の光学アセンブリ15を移動させるプロセスは画像の鮮明さを調整するように意図されているため、第2の光学アセンブリ15の高い位置検出精度は、ズーミングプロセスにおける画像調整の適時性を保証することができ、それにより、ズーミングプロセスにおいて画像が常に鮮明であることを保証する。
【0068】
一実装形態では、第1のアダプタ185は、第1のステータ184の第1のカンチレバーと第1の従動要素183の接触領域1832との間の接触を確実にするために弾性プレストレスを提供してもよい。第1のアダプタ185はばね板を含んでもよく、ばね板は第1のカンチレバーに弾性力を加え、その結果、第1のカンチレバーが第1の従動要素183の接触領域1832と接触するプロセスにおいて、弾性シートの弾性プレストレスの作用下で、弾性プレストレスの方向は第1の従動要素183の接触領域1832に向いていることが理解されよう。これは、第1のステータ184の第1のカンチレバーの振動が第1の従動要素183を移動させることができることを保証する。
【0069】
別の実装形態では、第1のステータ184の第1のカンチレバーおよび第2のステータ194の第2のカンチレバーに対する弾性プレストレスは、第1の従動要素183および第2の従動要素193の構造設計によって代替的に形成されてもよい。第1の従動要素183は説明のための例として使用される。第2の従動要素193の構造は、第1の従動要素183の構造と同じであってもよい。
【0070】
図14図15、および図16を参照されたい。第1の従動要素183は、中央領域に位置する固定領域1831と、固定領域1831の2つの対向する側面に対称的に配置された接触領域1832とを含む。2つの接触領域1832の両方に溝が形成されており、2つの溝の開口部は互いに対抗し、2つの溝の延伸方向は平行である。接触領域1832は、移動中の案内を提供するために使用され、接触領域1832の溝は案内トラックに相当する。接触領域1832と固定領域1831との間には、中空領域1837が形成されており、接触領域1832の両端は、接続領域1833を用いて固定領域1831に分離して接続されている。具体的には、固定領域1831は略矩形であり、固定領域1831の四隅の位置に4つの接続領域1833がそれぞれ位置している。各接続領域1833は、固定領域1831と接触領域1832との間に連続的に接続された第1の接続セグメント1834、第2の接続セグメント1835、および第3の接続セグメント1836を含む。
【0071】
4つの第1の接続セグメント1834は、運動プロセスにおいて第1の従動要素183の運動方向に外乱を与えるために使用される。固定領域1831は、第1の光学アセンブリ14に固定的に接続されているため、第1のステータが第1の従動要素を移動させるプロセスにおいて、第1の光学アセンブリ14は、第1の従動要素の移動を妨げる外力を第1の従動要素にもたらし得る。第1の接続セグメント1834は金属ストリップ構造のものであり、その材料自体が緩衝力としても理解され得る弾性変形能力を有する。したがって、第1の接続セグメント1834は、固定領域1831の周囲に分布し、それによって、全方向に接触領域1832の外乱を与える。外乱は、偏差または振動として理解され得る。
【0072】
接触領域1832および第3の接続セグメント1836の設計に基づいて、第1のステータ上の第1のカンチレバー上の第1の従動要素のプレストレスが提供され得、その結果、第1のカンチレバーは特定の弾性抵抗力を受け、第1の従動要素を移動させることができる。具体的には、2つの接触領域1832の間の垂直距離は、第1のステータの第1のカンチレバーの自由端の特定のサイズに基づいて設定される。第1のカンチレバーの自由端が溝内に延びて接触領域1832に当接するとき、接触領域と第1のステータの中心との間の距離が第1のカンチレバーの自由端と第1のステータの中心との間の距離よりも小さい場合、第1のカンチレバーは接触領域に開口力を印加し、接触領域は第1のカンチレバーにプレストレスを印加することを確実にする必要がある。第3の接続セグメント1836は、第2の接続セグメント1835と接触領域1832との間に接続される比較的幅狭な接続セグメントであり、第2の接続セグメント1834および接触領域よりも良好な弾性変形能力を有する。第3の接続セグメント1836は、第1のカンチレバーが接触領域1832に接触するように配置されている。第3の接続セグメント1836は接触領域1832のプレストレスを受けるが、第1のカンチレバーの振動には影響しない。第1のカンチレバーは、第1の従動要素を押して移動させるように、接触領域1832の表面上で楕円運動を行うだけでよい。第2の接続セグメント1835の剛性は、第3の接続セグメントの剛性よりも大きく、4つの第2の接続セグメント1835は、第1の従動要素183の四隅に位置している。第2の接続セグメント1835の剛性は、第2の従動要素の構造が安定しており、容易に変形しないことを確実にすることができる。
【0073】
実施形態2
図17および図18を参照されたい。この実装形態では、カメラモジュール10のベース11およびハウジング(図示せず)の構造は、実施形態1の構造と実質的に同じであり、違いは、ハウジングとベース11とが接続された位置に配置された2つのノッチがベース11の同じ側にないことである。その代わりに、2つのノッチがベース11の両側に分布しており、光軸とベース11の側板112とに垂直な方向において、2つのノッチの位置が千鳥状であり、すなわち、2つのノッチが建設的な関係にない。
【0074】
この実装形態では、カメラモジュールのガイドシャフト13(第1のシャフト131および第2のシャフト132を含む)、第1の光学アセンブリ14、および第2の光学アセンブリ15は、実施形態1のものと同じように配置される。この実装形態と実施形態1との間の主な違いは、この実装形態では、第1の圧電アセンブリ18の第1の従動要素183、第1のステータ184、第1のアダプタ185、および第1の給電要素186が、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の一方側に配置されることにある。第2の圧電アセンブリ19の第2の従動要素193、第2のステータ194、第2のアダプタ(図示せず、第2のアダプタは配置されなくてもよい)、および第2の給電要素196は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の他方側に配置され、すなわち、第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の両側にそれぞれ配置される。ベース11の光軸および側板112に垂直な方向において、第1のステータ184および第2のステータ194の位置は、2つのノッチ(図示せず)の位置にそれぞれ対応して千鳥状に配置されている。第1の圧電アセンブリ18の第1の給電要素186の外部コネクタは、一方のノッチからベース11の外に延び、第2の圧電アセンブリ19の第2の給電要素196の外部コネクタは、他方のノッチからベース11の外に延びる。ノッチの具体的な構造については、実施形態1を参照されたい。あるいは、ノッチは、他の構造であってもよい。例えば、外部コネクタをベースから引き出すことができる場合は、側板に貫通孔を設けたり、底板に貫通孔を設けたりしてもよい。
【0075】
この実装形態では、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の相互に独立した並進運動が実施され得、カメラモジュール10の連続ズームおよび画像調整の機能が実施される。第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の両側にそれぞれ配置され、その結果、第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリ19は、比較的大きなアセンブリ空間を有し、第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリ19の構造は、干渉することなく互いに独立している。実施形態1では、第1の従動要素183および第2の従動要素193が移動プロセスにおいて干渉しないことを保証するために、それらは、比較的大きな移動ストロークを得るために、平行に配置され、空間的に部分的に重なり合う必要がある。しかしながら、この実装形態では、第1の従動要素183および第2の従動要素193は光学アセンブリの同じ側にはなく、それらのレイアウトは互いに独立しており、これは構造設計およびアセンブリの観点から便利である。
【0076】
移動中に第1の従動要素183および第2の従動要素193が占める移動空間を減少させるために、可能な実装形態では、第1のステータ184および第2のステータ194は、ベース11上の一対の側板112の中間領域にそれぞれ固定され、中間領域は、前端面113および後端面114からの距離が等しい側板112上の領域である。具体的には、ベース11の中間部は、第1のステータおよび第2のステータが配置される前に見出される。中間部は、ベース11の前端面113と後端面114との間に位置し、前端面113および後端面114と平行な平面である。第1のステータ184と第2のステータ194とは、中間部に相当する側板112の位置に固定され、第1のステータ184と第2のステータ194とは対向して配置される。
【0077】
従動要素(すなわち、第1の従動要素および第2の従動要素)は比較的長いので、ステータ(第1のステータ184および第2のステータ194)は中間位置(モジュールの中間部)に配置され、それによって従動要素が移動するときに従動要素が占める運動空間を低減する。
【0078】
本実装形態で提供されるカメラモジュール内の位置センサおよび位置要素の設定は、実施形態1と同じであってもよい。
【0079】
実施形態3
図19を参照されたい。この実装形態では、カメラモジュール10のベース11およびハウジング(図示せず)の構造は実施形態2の構造により類似しており、ハウジングとベース11とが接続された位置に配置された2つのノッチもベース11の両側に分布する。この実装形態と実施形態2との違いは、光軸に沿って延在する一方のノッチのサイズが光軸に沿って延在する他方のノッチのサイズよりも大きく、より大きなサイズのノッチは、外部コネクタが光学アセンブリと共にノッチ内で同期して移動することができるという要件を満たす必要があることにある。より小さいサイズのノッチに収容された外部コネクタは、光学アセンブリと共に移動しない。
【0080】
この実装形態では、ガイドシャフト13(第1のシャフト131および第2のシャフト132を含む)、第1の光学アセンブリ14、および第2の光学アセンブリ15は、実施形態2のものと同じように配置される。ベース11およびハウジング上のノッチの配置の違いに加えて、この実装形態と実施形態2との間のさらなる違いは以下の通りである。この実装形態では、第1の圧電アセンブリ18の第1の従動要素183、第1のステータ(図示せず、図示されない第1の給電要素186によって遮断されている)、第1のアダプタ(図示せず、図示されない第1の給電要素186によって遮断されている)、および第1の給電要素186は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の一方側に配置される。第1のステータは、第1のアダプタおよび第1の給電要素186を用いてベース11に固定されている。第1の従動要素183は、第1の光学アセンブリ14の一方側の第1のホルダの第2の本体1812に固定されている。第1のステータ、第1のアダプタ、および第1の給電要素の具体的な構造については、実施形態1の第1のステータ、第1のアダプタ、および第1の給電要素の構造を参照されたい。第2の圧電アセンブリ19の第2の従動要素193、第2のステータ194、第2のアダプタ(図示せず、第2のアダプタは配置されなくてもよい)、および第2の給電要素196は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の他方側に配置されている。この実装形態では、第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14に固定され、具体的には、第1のホルダの第1の本体1811に固定的に接続される。そのため、第2のアダプタは配置され得ず、第2のステータ194は第1の本体1811に直接固定される。第2の従動要素193は、第2の光学アセンブリ15の他方側の第2のホルダの第1の本体1911に固定されている。第2の給電要素196の外部コネクタは、より大きなサイズのノッチからベース11の外に延びている。第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14の両側にそれぞれ配置され、その結果、第1のステータおよび第2のステータを取り付けるための比較的大きな空間が提供され得、第1のステータおよび第2のステータの位置は互いに独立しており、設計および組み立てプロセスにおいて回避を考慮する必要がなく、それによって製造効率が改善され、設計の困難さが低減される。
【0081】
第1の給電要素186が電流を受け取り、その結果、第1のステータ184が振動を生成し、第1の従動要素183および第1の光学アセンブリ14を移動させるプロセスにおいて、第2のステータ194は第1の光学アセンブリ14と同期して移動する。移動中、第2のステータ194は、電流を受け取って振動を生成し、第2の従動要素193および第2の光学アセンブリ15を同期的に移動させることができる。このようにして、第1の光学アセンブリ14と第2の光学アセンブリ15との間の連結が実施され、その結果、カメラモジュール10は比較的良好な連続ズーム機能を有し、第1の光学アセンブリ14に対する第2の光学アセンブリ15の位置精度が改善され得、それによってズーム後の撮像効果を改善することができる。
【0082】
この実装形態に基づいて、第1の光学アセンブリ14側の第1のホルダ上の第1の従動要素183および第2のステータ194の位置が干渉しない限り、第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の光学アセンブリ14の同じ側に代替的に配置されてもよい。この解決策では、ベース11およびハウジングに単一のノッチを設けるだけでよく、第1の給電要素186の外部コネクタはノッチ内に固定され、第2の給電要素196の外部コネクタはノッチ内で移動可能であり、2つの外部コネクタの位置は干渉しない。
【0083】
本実装形態で提供されるカメラモジュール内の位置センサおよび位置要素の設定は、実施形態1と同じであってもよい。
【0084】
実施形態4
図20および図21を参照されたい。この実装形態では、カメラモジュール10は、ベース(図示せず;ベースの構造については、実施形態1のベース構造を参照されたい)と、第1の光学アセンブリ14と、第2の光学アセンブリ15と、2つのガイドシャフト13と、2つの従動トラック130と、第1の圧電アセンブリ18と、第2の圧電アセンブリ19とを含む。2つのガイドシャフト13は互いに平行であり、双方とも光軸に平行であり、2つの従動トラック130は互いに平行であり、双方とも光軸に平行である。ガイドシャフト13および従動トラック130の両方は、ベースに固定的に接続される。第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の一方側は、2つのガイドシャフト13に摺動可能に接続され、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の他方側は、2つの従動トラック130に摺動可能に接続される。この実装形態では、第1のステータ184および第2のステータ194は、第1の圧電アセンブリ18の第1のステータおよび第1の給電要素の構造について、それぞれ第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15に固定的に接続されているので、実施形態3の第2のステータおよび第2の給電要素の構造を参照されたく、第2の圧電アセンブリ19における第2のステータおよび第2の給電要素の構造については、実施形態3における第2のステータおよび第2の給電要素の構造をさらに参照されたい。前述の実施形態とは異なり、この実施形態では、第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリ19は従動要素を含まず、従動トラック130を従動要素として使用することによって第1のステータ184および第2のステータ194と協働する。このようにして、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の移動の安定性が改善され得る。加えて、従動トラック130は、可動トラックおよび従動要素の両方の機能を有することにより、カメラモジュールの収容空間を効果的に節約し、小容積および軽量のカメラモジュールの開発を容易にする。この実装形態では、第1の圧電アセンブリ18は、第1の光学アセンブリ14と一緒に移動するように第1の光学アセンブリ14に固定的に接続されており、第2の圧電アセンブリ19は、第2の光学アセンブリ15と一緒に移動するように第2の光学アセンブリ15に固定的に接続されている。第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリは、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の同じ側に配置されてもよく、2つの従動トラックの位置は、第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリ19の位置に対応して配置される。あるいは、第1の圧電アセンブリ18および第2の圧電アセンブリ19は、それぞれ第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15の両側に配置されてもよい。本実施形態で提供されるカメラモジュール10の動作原理は、前述の実施形態と同じである。第1の給電要素はモバイル端末のメインボードから電力を受け取るので、第1のステータ内の第1の圧電要素が振動し、その振動は第1の固定要素の第1のカンチレバーによって増幅され、第1のカンチレバーの自由端は従動トラック130の1つと協働する。具体的には、従動トラック130は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15に部分的に埋め込まれ、従動トラック130の、第1の光学アセンブリ14によって囲まれていない外面には溝が設けられ、第1のカンチレバーは溝内に延びて従動トラック130と接触し、第1のカンチレバーは振動を増幅する。このようにして、第1のカンチレバーの自由端は従動トラック130と接触し、楕円運動を行い、それによって第1の光学アセンブリ14を従動トラック130に対して移動させる。同様に、第2の給電要素はモバイル端末のメインボードから電力を受け取るため、第2のステータ194の第2の圧電要素が振動し、振動は第2の固定要素の第2のカンチレバーによって増幅され、第2のカンチレバーの自由端は他の従動トラック130と協働する。具体的には、従動トラック130は、第1の光学アセンブリ14および第2の光学アセンブリ15に部分的に埋め込まれ、従動トラック130の、第2の光学アセンブリ15によって囲まれていない外面には溝(またはトラック溝と呼ばれる)が設けられ、第2のカンチレバーは溝内に延びて従動トラック(すなわち、溝の内壁)と接触し、第2のカンチレバーは振動を増幅する。このようにして、第2のカンチレバーの自由端は従動トラックと接触し、楕円運動を行い、それによって第2の光学アセンブリ15を従動トラック130に対して移動させる。第1のステータ184および第1の光学アセンブリ1
4の固定方法については、第1のステータ184と第1の光学アセンブリ14とが相対的に固定的に接続され、第1のステータ184の圧電要素が別の要素によって拘束されず自由に振動することができる場合、言い換えると、第1の圧電要素と第1の光学アセンブリ14との間にはギャップが維持される必要がある場合、実施形態1の第1のステータおよび第1のアダプタの固定方法を参照されたい。第2のステータ194および第2の光学アセンブリ15の固定方法は、第1のステータ184および第1の光学アセンブリ14の固定方法と同じである。
【0085】
本実装形態で提供されるカメラモジュール内の位置センサおよび位置要素の設定は、実施形態1と同じであってもよい。
【0086】
前述の実施形態の基本アーキテクチャに基づいて、本出願で提供されるカメラモジュール10内の第1のステータの数および第2のステータの数は、それぞれ、1つ、2つ、またはそれ以上であってもよい。以下では、例として第1のステータを使用することにより、複数の異なる可能な実装形態における第1のステータのアーキテクチャについて説明する。
【0087】
第1の実装形態では、1つの第1のステータが存在し、第1のステータは、第1の固定要素と、接着剤によって第1の固定要素の両側に固定された2つの第1の圧電要素とを含む。この実装形態における第1のステータの構造形態は、実施形態1における第1のステータの構造形態と同じである。図8を参照されたい。この実装形態では、第1のステータを形成するために、図8に示す第1の固定要素1844に基づいて2つの第1の圧電要素が追加される。第1のカンチレバー18443は、第1の従動要素または従動トラックと協働するように構成され、第1の圧電要素および第1の固定要素1844の本体18441が第1のアダプタ上に支持され得、第1の圧電要素と第1のアダプタとの間にギャップが形成される場合、固定部18442の数は2つに限定されず、1つまたは複数であってもよい。1つまたは複数の第1のカンチレバー18443があってもよい。
【0088】
第2の実装形態では、図22を参照されたい。2つ以上の第1のステータ184があり、各第1のステータ184の基本的なアーキテクチャは、第1の実装形態における第1のステータのアーキテクチャと同じである。2つ以上の第1のステータ184は、光軸の延伸方向一列に配列され(具体的には、すべての第1のステータの第1の固定要素の本体は同一平面上にある)、隣り合う2つの第1のステータ184の第1の固定要素の固定部が重なっている。2つの第1のステータ184が一例として使用される。2つの第1のステータ184の第1の固定要素1844の本体18441は、並んで配置されている。一方の第1のステータ184の1つの固定部18442は、他方の第1のステータ184の1つの固定部18442と重なる。互いに重なり合う2つの固定部18442の中心位置は、2つの第1のステータ184の中心接続線の中点である。2つの重なり合う固定部18442は、2つの第1の固定要素の本体18441の間に位置し、2つの重なり合う固定部18442の中心位置は、2つの第1の固定要素の本体から等しい垂直距離を有することが理解されよう。2つの第1のステータの第1のカンチレバーは、重なり合う2つの固定部18442の両側に分布しており、第1のカンチレバー18443と協働する第1の従動要素183の接触領域の数は2つであり、2つの接触領域は第1のステータ184の両側に分布して第1のカンチレバー18443とそれぞれ協働する。
【0089】
第3の実装形態では、図23を参照されたい。2つ以上の第1のステータ184があり、各第1のステータ184の基本的なアーキテクチャは、第1の実装形態における第1のステータのアーキテクチャと同じである。2つ以上の第1のステータ184は、重なって配置されている(具体的には、カメラモジュールの光軸に垂直な断面において、すべての第1の固定要素の本体と第1の圧電要素とが重なって配置されている)。一方の第1のステータ184の1つの固定部18442と他方の第1のステータ184の1つの固定部18442とは重なっており、重なって配置される2つの本体の一方側に位置し、これら2つの第1のステータ184の他方の2つの固定部18442は、本体の他方側に並んで配置されている。互いに重なり合う2つの固定部の中心位置は、本体の一方の中心線L0上にあり、2つの第1のステータの第1のカンチレバー18443は、それぞれ中心線L0の両側に配置されている。図23に示すように、2つの第1のカンチレバー18443はそれぞれ本体の上部と下部に位置しており、固定部18442は本体の左右に分布する。2つの第1のカンチレバーと協働する第1の従動要素183の接触領域の数は、第1のカンチレバー18443の数と同じであり、接触領域は、第1のカンチレバー18443とそれぞれ協働するように第1のステータの両側に分布する。
【0090】
第4の実装形態では、図24を参照されたい。2つの第1のステータ184があり、各第1のステータ184の基本的なアーキテクチャは第1の実装形態における第1のステータのアーキテクチャと同じであり、2つの第1のステータ184の本体は並んで配置される。一方の第1のステータ184の1つの固定部18442と他方の第1のステータ184の1つの固定部18442とは重なり、互いに重なる2つの固定部18442の中心位置は、2つの第1のステータ184の中心接続線の中点であり、2つの第1のステータ184の第1のカンチレバー18443は、2つの第1のステータ184の中心の同じ側に分布する。図24に示すように、2つの第1のステータ184の第1のカンチレバー18443はいずれも本体の下部に位置し、2つの第1のカンチレバー18443は第1の従動要素183の一方の接触領域と協働する。したがって、第1の従動要素183の接触領域の数は1つであり、接触領域は第1のステータ184の片側に分布する。
【0091】
第5の実装形態では、図25を参照されたい。2つの第1のステータ184があり、各第1のステータ184の基本的なアーキテクチャは第1の実装形態における第1のステータのアーキテクチャと同じであり、2つの第1のステータ184の本体は並んで配置される。また、2つの第1のステータ184の間に第1の従動要素183の接触領域が位置し、2つの第1のステータ184は、第1の従動要素183の接触領域の両側に対称的に分布し、2つの第1のステータ184の第1のカンチレバー18443は、第1の従動要素183の接触領域を中心としたミラー内に配置されている。
【0092】
本出願は、前述の5つの実装形態で説明した第1のステータの構造およびレイアウトに限定されない。複数の第1のステータが存在してもよく、例えば、複数の第1のステータの本体が並んで配置されたり、重なって配置されたりする。各第1のステータには、1つまたは複数の第1のカンチレバーが存在してもよい。
【0093】
以上、本出願の実施形態で提供されるカメラモジュールについて詳細に説明した。本出願の原理および実施形態は、特定の例を通して本明細書に記載されている。本出願の実施形態に関する説明は、本出願の方法および中心となる概念の理解を助けるために提供されているにすぎない。加えて、当業者は、本出願の概念による特定の実施形態および適用範囲に関して、本出願に変更および修正を行うことができる。したがって、本明細書の内容は本出願に対する限定として解釈されるべきでない。
【符号の説明】
【0094】
10 カメラモジュール
11 ベース
12 ハウジング
13 ガイドシャフト
14 第1の光学アセンブリ
15 第2の光学アセンブリ
16 第1の位置センサ
17 第2の位置センサ
18 第1の圧電アセンブリ
19 第2の圧電アセンブリ
100 モバイル端末
101 メインボード
111 底板
112 側板
113 前端面
114 後端面
115 固定溝
121 第1のノッチ
122 第2のノッチ
130 従動トラック
131 第1のシャフト
132 第2のシャフト
141 本体部
142 取り付け部
151 本体部
152 取り付け部
181 第1のホルダ
182 位置要素
183 第1の従動要素
184 第1のステータ
185 第1のアダプタ
186 第1の給電要素
191 第2のホルダ
193 第2の従動要素
194 第2のステータ
195 第2のアダプタ
196 第2の給電要素
1121 第1の溝
1122 第2の溝
1131 開口部
1141 開口部
1421 位置決め面
1811 第1の本体
1812 第2の本体
1813 接続部
1831 固定部、固定領域
1832 接触領域
1833 接続領域
1834 第1の接続セグメント
1835 第2の接続セグメント
1836 第3の接続セグメント
1837 中空領域
1842 第1の圧電要素
1844 第1の固定要素
1861 外部コネクタ
1862 第1の電極
1863 第2の電極
1864 メインFPC
1865 第1の導電部
1866 第2の導電部
1911 第1の本体
1912 第2の本体
1961 外部コネクタ
18112 第1の表面
18114 溝
18115 固定部
18122 第2の表面
18124 溝
18441 本体
18442 固定部
18443 第1のカンチレバー
A1 上面
A2 上面
C1 収容空間
C コントローラ
P1 取り付けパッド
P2 取り付けパッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25