(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】顆粒状タバコ芯材およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20231030BHJP
【FI】
A24B15/16
(21)【出願番号】P 2022540733
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 CN2020124622
(87)【国際公開番号】W WO2021135583
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】201911422871.1
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515340707
【氏名又は名称】グァンドン ゴールデン リーフ テクノロジー ディヴェロップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マー,ザオビン
(72)【発明者】
【氏名】夏啓東
(72)【発明者】
【氏名】▲チェン▼永蕾
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ガン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/223411(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108926028(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108143003(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00~15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状タバコ芯材の調製方法であって、
前記顆粒状タバコ芯材は、顆粒状または略顆粒状を呈し、重量部で、基材原料40~80部、タバコ抽出物を含む液剤5~20部、発煙剤20~45部および粘着剤1~5部を含み、
基材原料を粉砕して80~200メッシュの篩でふるい分け、基材原料粉末を得る、粉砕ふるい分けステップと、
基材原料粉末と液剤およ
び粘着剤とを混合して、水を加えて撹拌する、混合撹拌ステップと、
撹拌された混合原料に対して造粒を行い、そして乾燥を行う、造粒ステップと、
乾燥された顆粒を篩って基材を得る、基材ふるい分けステップと、
発煙剤を基材に加えて配合を行う、発煙剤加えステップとを、含む
ことを特徴とする調製方法。
【請求項2】
前記タバコ芯材の密度は、0.30~0.65g/mLである
ことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
前記タバコ抽出物は、ニコチン、鉄管乾燥タバコまたはバーレー種タバコのアブソリュート、コンクリートおよび/または水溶媒抽出エキスから選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
前記タバコ芯材は、香料5~20部をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項5】
前記粘着剤は、デンプン、グアーガム、キトサン、キサンタンガム、ゼラチンおよび/またはメチルセルロースから選択される1種または複数種である
ことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項6】
前記発煙剤加えステップは、発煙剤と香料とを混合して基材に加えて配合を行うことを含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の調製方法。
【請求項7】
製品に対して乾燥を行い、その後、冷凍処理を行うことをさらに含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の調製方法。
【請求項8】
前記造粒は、カッティングしまたは転動造粒して、10~80メッシュの網で篩うことによる造粒である
ことを特徴とする請求項
1に記載の調製方法。
【請求項9】
前記混合撹拌ステップの前に、基材原料に対してマイクロ波膨張を行うステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の調製方法。
【請求項10】
前記乾燥は、マイクロ波膨張の方式を利用して顆粒に対して乾燥を行う
ことを特徴とする請求項
1に記載の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコ製品の分野に属し、殊に、顆粒状タバコ芯材およびその調製方法に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本開示は、2019年12月31日に中国専利局に提出された、出願番号がCN201911422871.1であり、名称が「顆粒状タバコ芯材およびその調製方法」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
非燃性加熱式たばこは、近年登場した新しいタバコ製品であり、その主な特徴として、外部熱源を利用してタバコを燃やさせずに加熱することにより、タバコにおける香喫味成分などの物質を放出するものである。タバコ製品が燃えることがないため、高温分解による大量の有害な成分の発生を防止することができる。消費者が満足感を得ることができるとともに、人体に害が少なく、環境汚染が低減される。
【0004】
非燃性加熱式たばこは、従来たばこのタバコ刻を燃やすことと異なり、タバコ刻を加熱するため、その煙の官能特性において一般的なたばこの煙と大きく異なっている。現在市販の非燃性加熱式たばこ芯材は、主にシート状のものを採用しており、フィリップモリスのIQOSカートリッジおよびブリティッシュアメリカンタバコのGLOカートリッジをはじめ、香料の担持量および喫煙の質の面で限界があり、多くのたばこの煙霧量が少なく、喫煙口数が少なく、香り豊かではなく、ユーザーの喫煙体験が大きく影響される。
【0005】
このため、放出した煙の官能的質の比較的高いたばこの開発が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的の1つは、顆粒状または略顆粒状を呈し、重量部で、基材原料40~80部、タバコ抽出物を含む液剤5~20部、発煙剤20~45部および粘着剤1~5部を含むことを特徴とする、顆粒状タバコ芯材を提供することである。
【0007】
本開示の一実施形態において、前記タバコ芯材の粒径は、10~80メッシュであり、好ましくは、20~50メッシュである。
【0008】
本開示の一実施形態において、前記タバコ芯材の密度は、0.30~0.65g/mLであり、好ましくは、0.40~0.50g/mLである。
【0009】
本開示の一実施形態において、前記タバコ抽出物は、ニコチン、鉄管乾燥タバコまたはバーレー種タバコのアブソリュート、コンクリートまたは水溶媒抽出エキスなどから選択される。
【0010】
本開示の一実施形態において、前記タバコ芯材は、香料5~20部をさらに含む。
【0011】
本開示の一実施形態において、前記基材原料は、鉄管乾燥タバコ、オリエント種タバコ、バーレー種タバコ、日干乾燥タバコおよびタバコ中骨から選択される1種または複数種である。
【0012】
本開示の一実施形態において、前記発煙剤は、グリセリン、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールおよびソルビトールから選択される1種または複数種である。
【0013】
本開示の一実施形態において、前記粘着剤は、デンプン、グアーガム、キトサン、キサンタンガム、ゼラチンおよびメチルセルロースから選択される1種または複数種である。
【0014】
本開示の一実施形態において、前記香料は、植物抽出物およびタバコ用フレーバーを含む。
【0015】
本開示は、上記の顆粒状タバコ芯材の調製方法をさらに提供し、該方法は、基材原料を粉砕して80~200メッシュの篩でふるい分け、基材原料粉末を得る、粉砕ふるい分けステップと、基材原料粉末と液剤と粘着剤とを混合して、水を加えて撹拌する、混合撹拌ステップと、撹拌された混合原料に対して造粒を行い、そして乾燥を行う、造粒ステップと、乾燥された顆粒を篩って基材を得る、基材ふるい分けステップと、発煙剤を基材に加えて配合を行う、発煙剤加えステップとを、含む。
【0016】
本開示の一実施形態において、前記発煙剤加えステップは、発煙剤と香料とを混合して基材に加えて配合を行うことを含む。
【0017】
本開示の一実施形態において、前記混合撹拌ステップにおいて、加水の割合は、30~65%である。
【0018】
本開示の一実施形態において、前記造粒は、カッティングして、10~80メッシュの篩で篩うことによる造粒である。
【0019】
本開示の一実施形態において、前記造粒ステップにおいて、前記乾燥は、乾燥された顆粒中の水分を2~5%にコントロールする。
【0020】
本開示の一実施形態において、前記混合撹拌ステップの前に、基材原料に対してマイクロ波膨張を行うステップをさらに含む。
【0021】
本開示の一実施形態において、前記乾燥は、マイクロ波膨張の方式を利用して顆粒に対して乾燥を行う。
【0022】
本開示は、顆粒状のものをもとに新しい吸い芯材を調製し、市販のシート芯材または他の形式の吸い材料に対して、顆粒状のものをもとに調製できた吸い芯材は、担持性能が優れ、従来のもの(発煙剤が25%以下でありかつ担持率が低い)に対して、本開示は、発煙剤を高比例で添加することができ、これによって、該製品は、吸われるとき、発生する煙霧量が比較的に大きく、喫煙口数が比較的に多いとともに、天然植物抽出物およびフレーバー香料を大量に担持することができ、スタイルがさまざまでかつ官能的評価が良い低温タバコ用芯材を形成でき、生産プロセスが比較的に簡単であり、消費者に良い体験を与えることができる。
【0023】
本開示において、カッティング、造粒、乾燥を行った後、さらに乾燥された顆粒に対してふるい分けを行って、大きさの異なる基材を作製することができる。単一の粉砕、ふるい分けの場合、空隙が多すぎかつ破砕が発生しがちであるため、プレス成形が困難であり、機械で実現できない。本開示に係る方法によれば、空隙のある芯材を得ることができ、そのあとの工程において直接粉末に対して射出成形を行うことではなく、より量産の実現に寄与できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の案およびその利点をよりよく理解するため、実施例を参照しながら、本開示の具体的な実施形態をより詳細に説明する。下記説明された具体的な実施形態および実施例は、説明するためのものにすぎず、本開示を限定するものではない。
【0025】
また、本開示において、具体的な条件を明記しないことについて、従来の条件またはメーカーの勧めの条件下で行うことが可能である。使用する原料または補助原料、および使用する試剤または器械の、製造メーカーが明記されていないものについて、市販の従来品を使用することが可能である。
【0026】
特に断りがない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解する意味を有する。また、本明細書で使用される内容と類似しまたは同等の如何なる方法および材料は、本開示に使用することができる。
【0027】
本開示の目的の1つは、顆粒状タバコ芯材を提供することである。当該顆粒状タバコ芯材は、顆粒状または略顆粒状を呈し、重量部で、基材原料40~80部、液剤5~20部、発煙剤20~45部(顆粒状芯材100部に対し)および粘着剤1~5部で調製できたものであり、前記液剤がタバコ抽出物を含み、調製できたタバコ芯材が、球状のものおよび/または楕円球状のものなどを含む、さまざまな形態の規則的または不規則な顆粒であってもよく、各種の形態の顆粒の混合物であってもよい。顆粒状芯材は、すなわち、基材原料、液剤および/または粘着剤などを含む原材料で調製できた顆粒である。
【0028】
本開示の一実施形態において、前記タバコ芯材の粒径は、10~80メッシュであり、好ましくは、20~50メッシュである。
【0029】
本開示の一実施形態において、前記タバコ芯材の密度は、0.30~0.65g/mLであり、好ましくは、0.40~0.50g/mLである。
【0030】
本開示の一実施形態において、前記タバコ抽出物は、ニコチン、鉄管乾燥タバコまたはバーレー種タバコのアブソリュート、コンクリートまたは水溶媒抽出エキス(水溶媒を利用して抽出することによって得たエキス)などから選択される。
【0031】
本開示の一実施形態において、前記タバコ芯材は、香料5~20部(顆粒状芯材100部に対し)をさらに含む。
【0032】
本開示の一具体的な実施形態において、前記基材原料は、タバコまたは非タバコ植物材料または無機材料であってもよい。
【0033】
本開示の一好ましい実施形態において、前記基材原料は、鉄管乾燥タバコ、オリエント種タバコ、バーレー種タバコ、日干乾燥タバコ、タバコ中骨、茶葉、チンピおよび/またはカッコンのうちの1種または複数種を含むが、これらに限定されない。
【0034】
本開示の一実施形態において、前記発煙剤は、グリセリン、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールおよび/またはソルビトールから選択される1種または複数種である。
【0035】
本開示の一実施形態において、前記粘着剤は、デンプン、グアーガム、キトサン、キサンタンガム、ゼラチンおよびメチルセルロースから選択される1種または複数種である。
【0036】
本開示の一実施形態において、前記香料は、植物抽出物および/またはタバコ用フレーバーを含み、例えば、鉄管乾燥タバコアブソリュート、アルコール溶媒抽出エキス(アルコール溶媒を利用して抽出することによって得たエキス)またはバーレー種タバココンクリートである。前記植物抽出物は、カンゾウ、コーヒー、ココア、フェヌグリーク、チコリーおよび/またはカッコンなどの植物の抽出物から選択され、前記タバコ用フレーバーは、ダマセノン、メガスチグマトリエノンおよび/または3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1,2-ジオンなどのケトン類フレーバー、ベンズアルデヒドおよび/またはフェニルアセトアルデヒドなどのアルデヒド類フレーバー、酢酸エチルおよび/または酪酸エチルなどのエステル類フレーバー、ロジノールおよび/またはリナノールなどのアルコール類フレーバー、ピリジンおよび/または2-メチルピラジンなどの複素環類フレーバー、エチルマルトールおよび/またはエチルバニリンなどから選択される。
【0037】
本開示は、上記の顆粒状タバコ芯材の調製方法をさらに提供し、該方法は、基材原料を粉砕して80~200メッシュの篩でふるい分け、基材原料粉末を得る、粉砕ふるい分けステップと、基材原料粉末と液剤および/または粘着剤とを混合して、水を加えて撹拌する、混合撹拌ステップと、撹拌された混合原料に対して造粒を行い、そして乾燥を行う、造粒ステップと、乾燥された顆粒を篩って基材を得る、基材ふるい分けステップと、発煙剤を基材に加えて配合を行う、発煙剤加えステップとを、含む。
【0038】
本開示の一実施形態において、前記発煙剤加えステップは、発煙剤と香料とを混合して基材に加えて配合を行うことを含む。
【0039】
本開示の一実施形態において、前記方法は、製品に対して乾燥を行い、その後、冷凍処理を行うことをさらに含む。本開示の一実施形態において、前記混合撹拌工程において、加水の割合は、30~65%である。
【0040】
本開示の一実施形態において、前記造粒は、カッティングして10~80メッシュの網で篩うことによる造粒である。
【0041】
本開示の一選択可能な実施形態において、前記造粒は、カッティングして20~50メッシュの網で篩うことによる造粒である。
【0042】
本開示の一実施形態において、前記造粒ステップにおいて、前記乾燥は、乾燥された顆粒中の水分を2~5%にコントロールする。
【0043】
本開示の一実施形態において、前記造粒は、転動造粒である。
【0044】
本開示の一実施形態において、前記粉砕ふるい分けステップの前に、基材原料に対してマイクロ波膨張を行うステップをさらに含む。マイクロ波膨張により、原料における不純ガスを除去するとともに、原料をマイクロ波の作用で疎な多孔質構造として形成させ、担持率を増加させる。
【0045】
本開示の一実施形態において、前記乾燥は、マイクロ波膨張の方式を利用して顆粒に対して乾燥を行う。一般方式の乾燥に対して、マイクロ波膨張の方式を利用する場合、よりよく顆粒を迅速に乾燥して成形させることができるとともに、再び膨張させて疎な多孔質構造として形成させることができる。
【0046】
本開示の一実施形態において、乾燥の前に、顆粒状タバコ芯材の調製方法は、10メッシュ未満および80メッシュ超の顆粒に対して二次造形を行うステップをさらに含む(例えば、転動造粒機または振動ふるい機による振動により実現し、材料が湿式材料であってもよく、例えば転動造粒機の網目の大きさをコントロールすることにより、二次造形された顆粒の粒径を所定の範囲内に収める)。二次造形により、より規則的な顆粒を得ることができ、一次造粒により得た顆粒も、二次造形により得た顆粒も、単独に使用してもよく、任意の比で混合して使用してもよい。
【0047】
本開示の一選択可能な実施形態において、乾燥の前に、顆粒状タバコ芯材の調製方法は、20メッシュ未満および60メッシュ超の顆粒に対して二次造形を行うステップをさらに含み、そして、ふるい分けにより、粒径が20~60メッシュの規則的な顆粒を得る。粒径が小さすぎまたは大きすぎになる場合、担持率および喫煙の質の向上に寄与しない。顆粒の粒径が大きすぎる場合、空隙率が大きくなり、加熱シートの有効加熱接触面積が少なくなり、煙霧量が少なくなり、顆粒の粒径が小さすぎる場合、有効加熱面積が大きくなるが、空隙率が小さすぎて、吸い抵抗が比較的に大きいため、煙霧の有効な放出が困難であることが実験から分かった。このため、本開示において、20~60メッシュの範囲内の顆粒状芯材が好ましい。
【0048】
また、本開示において、密度が0.40~0.50g/mLである顆粒は好ましい。密度が大きすぎる場合、顆粒が小さすぎて、発熱素子との接触面積が大すぎるため、加熱時の瞬時温度が高すぎて、加熱装置の自己保護による作動停止が発生する。密度が小さすぎる場合、顆粒が大きすぎて、発熱素子との接触面積が小さすぎるため、喫煙口数が足りなく、煙霧量が小さい。
【0049】
実施例1
タバコ基材原料として鉄管乾燥タバコ80部を取り、液剤として10%の鉄管乾燥タバコ水溶媒抽出エキス20部を取り、および/または、粘着剤としてグアーガム3部を取り、下記の工程に従ってタバコ顆粒を調製した。
【0050】
(1)粉砕ふるい分け
タバコ原料を粉砕して80メッシュの篩でふるい分け、タバコ原料粉末を得た。
(2)混合撹拌
原料粉末と液剤および/または粘着剤とに水を加えて撹拌し、加水の割合が45%であった。
(3)カッティング造粒
撹拌された混合原料に対して、カッティングを行い、10メッシュの網で篩うことにより造粒し、そして乾燥を行い、乾燥された顆粒中の水分を4%にコントロールした。
(4)基材ふるい分け
乾燥された顆粒を10~20メッシュの篩でふるい分け、大きさの異なる基材を調製した。
(5)香り付け配合
グリセリン30部と鉄管乾燥タバコアブソリュート20部とを混合してスプレーガンを利用して基材(基本顆粒100部)に加えて配合を行い、タバコ用顆粒を得た。
【0051】
測定の結果、該顆粒は、密度が0.33g/mLであり、担持率が33.3%であり、鉄管乾燥タバコアブソリュートとグリセリンの含有量をさらに増加させた場合、顆粒の流動性が劣り顆粒の粘度が高くなり、そのあとの充填に不利であり、口当たりが悪くなった。
【0052】
実施例2
緑茶原料80部を取り、液剤として10%のフェヌグリーク水溶液20部を取り、および/または、粘着剤としてグアーガム5部を取り、下記の工程に従ってタバコ顆粒を調製した。
(1)粉砕ふるい分け
緑茶粉末を粉砕して150メッシュの篩でふるい分け、原料粉末を得た。
(2)混合撹拌
原料粉末と液剤および/または粘着剤とに水を加えて撹拌し、加水の割合が50%であった。
(3)カッティング造粒
撹拌された混合原料に対して、カッティングを行い、10メッシュの網で篩うことにより造粒し、そして乾燥を行い、乾燥された顆粒中の水分を4%にコントロールした。
(4)基材ふるい分け
乾燥された顆粒を10~20メッシュの篩でふるい分け、大きさの異なる基材を作製した。
(5)香り付け配合
プロピレングリコール30部と鉄管乾燥タバコアブソリュート20部とを混合してスプレーガンを利用して基材(基本顆粒100部)に加えて配合を行い、タバコ用顆粒を得た。
【0053】
測定の結果、該顆粒は、密度が0.30g/mLであり、担持率が33.3%であり、鉄管乾燥タバコアブソリュートとプロピレングリコールの含有量をさらに増加させた場合、例えば、鉄管乾燥タバコアブソリュートを25部まで増加させた場合、顆粒の流動性が劣り粘度が高くなり、そのあとの充填に不利であり、製品の口当たりが悪くなった。
【0054】
実施例3
鉄管乾燥タバコ80部、10%の鉄管乾燥タバコ水溶媒抽出エキス20部および/またはグアーガム3部を取り、下記の工程に従ってタバコ顆粒を調製した。
(1)粉砕ふるい分け
鉄管乾燥タバコを粉砕して100メッシュの篩でふるい分け、タバコ原料粉末を得た。
(2)混合撹拌
原料粉末と液剤および/または粘着剤とに水を加えて撹拌し、加水の割合が45%であった。
(3)カッティング造粒
撹拌された混合原料に対して、カッティングを行い、30メッシュの網で篩うことにより造粒し、そして乾燥を行い、乾燥された顆粒中の水分を3%にコントロールした。
(4)基材ふるい分け
乾燥された顆粒を30~50メッシュの篩でふるい分け、大きさの異なる基材を作製した。
(5)香り付け配合
グリセリン35部と鉄管乾燥タバコアブソリュート20部とを混合してスプレーガンを利用して基材(基本顆粒100部)に加えて配合を行い、タバコ用顆粒を得た。
【0055】
測定の結果、該顆粒は、密度が0.55g/mLであり、担持率が35.5%に達した。
【0056】
実施例4
鉄管乾燥タバコ原料80部、10%の鉄管乾燥タバコ水溶媒抽出エキス20部および/またはグアーガム3部を取り、下記の工程に従ってタバコ顆粒を調製した。
(1)粉砕ふるい分け
鉄管乾燥タバコ原料を粉砕して130メッシュの篩でふるい分け、タバコ原料粉末を得た。
(2)混合撹拌
原料粉末と鉄管乾燥タバコ水溶媒抽出エキスおよび/または粘着剤とに水を加えて撹拌し、加水の割合が45%であった。
(3)カッティング造粒
撹拌された混合原料に対して、カッティングを行い、20メッシュの網で篩うことにより造粒し、そして乾燥を行い、乾燥された顆粒中の水分を3%にコントロールした。
(4)基材ふるい分け
乾燥された顆粒を20~40メッシュの篩でふるい分け、大きさの異なる基材を作製した。
(5)香り付け配合
グリセリン40部と鉄管乾燥タバコアブソリュート20部とを混合してスプレーガンを利用して基材(基本顆粒100部)に加えて配合を行い、タバコ用顆粒を得た。
【0057】
測定の結果、該顆粒は、密度が0.47g/mLであり、担持率が37.5%に達した。
【0058】
実施例5
鉄管乾燥タバコ原料80部、10%の鉄管乾燥タバコ水溶媒抽出エキス20部および/またはグアーガム3部を取り、下記の工程に従ってタバコ顆粒を調製した。
(1)原料の前処理
鉄管乾燥タバコ原料を調湿筒内に入れ、水を加えて含水率を約20%にするように調湿し、調湿できた原料を6時間保管してマイクロ波膨張ライン(マイクロ波出力を30キロワットにし、熱蒸気を1000キログラム/時で加えた)に入らせた。
(2)粉砕ふるい分け
タバコ原料を粉砕して130メッシュの篩でふるい分け、タバコ原料粉末を得た。
(3)混合撹拌
原料粉末と液剤および/または粘着剤とに水を加えて撹拌し、加水の割合が45%であった。
(4)カッティング造粒
撹拌された混合原料に対して、カッティングを行い、20~40メッシュの網で篩うことにより造粒した。
(5)マイクロ波乾燥
造粒できた顆粒を回転ドラム式マイクロ波装置内に入れて乾燥(マイクロ波出力を30キロワットにし、蒸気を加えず)させ、顆粒中の水分を3%にコントロールした。
(6)基材ふるい分け
乾燥された顆粒を20~40メッシュの篩でふるい分け、大きさの異なる基材を作製した。
(7)香り付け配合
グリセリン45部と鉄管乾燥タバコアブソリュート20部とを混合してスプレーガンを利用して基材(基本顆粒100部)に加えて配合を行い、タバコ用顆粒を得た。
【0059】
測定の結果、該顆粒は、密度が0.43g/mLであり、担持率が39.4%に達した。
【0060】
比較例1
鉄管乾燥タバコを原料としたタバコシート非燃性加熱式タバコ芯材を調製した。該タバコシート非燃性加熱式タバコ芯材は、原材料として、パルプ繊維10部、鉄管乾燥タバコ60部、グリセリン20部、鉄管乾燥タバコアブソリュートの塗布料18部を含む。
【0061】
下記のステップを含む調製方法で、該非顆粒状非燃性加熱式タバコ芯部を調製した。
(1)タバコ粉末の調製
水分を10%以下にコントロールするように鉄管乾燥タバコに対して乾燥処理を行い、そして乾燥された鉄管乾燥タバコ原料を粉砕機で粉砕して100メッシュの篩でふるい分けておいた。
(2)塗布液の調製
調製できたタバコ粉と発煙剤および/または塗布料とに水を加えて配合し、加水の割合が80%であり、塗布液として形成しておいた。
(3)基片の調製
パルプ繊維を複数本の単繊維として解繊し、乾式エアフェルチング装置内で自然沈降と負圧吸引により基片を形成した。
【0062】
タバコ芯材の調製
配合できた塗布液を90%の塗布率で基片にスプレーし、そして乾燥および/またはカレンダリングを行った後、タバコシート非燃性加熱式タバコ芯材を得た。
【0063】
香料18+発煙剤20/(基本シート100+香料18+発煙剤20)で、シート最大担持率が27.5%となった。
【0064】
喫煙体験
顆粒低温タバコの作製:まず円筒形の紙管の一端を封止し、非燃性加熱式顆粒を紙管に充填し、そして順に顆粒封止固定部材(顆粒状芯材を封止、固定するための部材)および/または酢酸セルロースを入れ、顆粒タバコを作製した。
【0065】
シート低温タバコの調製:非燃性加熱式シートを裁刻して巻くことによりタバコ芯材として形成し、そして、タバコ芯材と中空異形棒および/または酢酸セルロース棒などとを複合して低温タバコを作製した。
【0066】
評価方法:ブラインドテスト(サンプル番号を隠す)を用い、7-9人(奇数)、各人がサンプルに対して1本ずつに評価し、表で評点を付けた。
【0067】
上記記載は、実施例および本開示の好ましい実施形態にすぎず、当業者は、本開示の原理から逸脱しない前提で、若干の改良と改善を行うことが可能であり、これらの改良および改善も本開示の保護範囲に含まれる。