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特許7375208スーパー夜景画像の生成方法、装置、電子機器および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】スーパー夜景画像の生成方法、装置、電子機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/00 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
G06T5/00 735
G06T5/00 705
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022541888
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2021070225
(87)【国際公開番号】W WO2021139635
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】202010014410.7
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520159673
【氏名又は名称】影石創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ARASHI VISION INC.
【住所又は居所原語表記】Room 1101, 1102, 1103, 11th Floor, Building 2, Jinlitong Financial Center, 1100 Xingye Road, Haiwang Community, Xin’an Street, Bao’an District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝亮
【審査官】渡部 幸和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-239077(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110611750(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 5/00
H04N 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得するステップと;
前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得るステップと;
前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得るステップと;
前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るステップとを含む、ことを特徴とするスーパー夜景画像の生成方法。
【請求項2】
上記した前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つの正常ノイズ低減画像を得るステップは、
前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、1つのフレームのスタックされたノイズ低減画像を得ることと;
前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によってノイズ低減処理を行って、前記正常ノイズ低減画像を得ることとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記した前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、1つのフレームのスタックされたノイズ低減画像を得るステップは、
前記複数のフレームの正常露光画像の中から、一つのフレームの画像を基準画像として選択することと;
前記複数のフレームの正常露光画像のうち、前記基準画像以外の画像と前記基準画像とをアライメント処理することと、
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行って、前記スタックされたノイズ低減画像を得ることとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法、
【請求項4】
前記アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うステップは、
YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うことを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うステップは、
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像のY成分データ、および前記基準画像のU成分データとV成分データを取得することと;
前記第1の式によって、前記Y成分データに対して重み付融合ノイズ低減処理を行い、かつ前記U成分データと前記V成分データに対してエッジ保存フィルタリング処理を行うことと;
重み付融合ノイズ低減処理されたY成分データと、エッジ保存フィルタリング処理された前記U成分データおよび前記V成分データとを合成して、前記スタックされたノイズ低減画像を得ることとを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記した前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によってノイズ低減処理を行うステップは、
対象画素点の近傍ウィンドウ内でいくつかの基準画素点をランダムに選択することと;
前記対象画素点と各前記基準画素点をそれぞれ中心として画素ブロックを取得することと;
前記画素ブロック毎にDCT変換を行い、かつ予め設定された閾値に基づいて前記画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新することと;
各画素ブロックを再構成するように、更新されたDCT係数をDCT逆変換することと;
再構成された各画素ブロックにおける対象画素点の位置に対応する画素点の画素値を重み付平均し、重み付平均した画素値を前記対象画素点の画素値とすることとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記予め設定された閾値に基づいて前記画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新するステップは、
前記DCT係数のうち、前記予め設定された閾値未満の係数をゼロにすることを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記した前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行うステップは、
前記正常ノイズ低減画像に対してガンマ変換処理を行うことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記正常ノイズ低減画像に対してガンマ変換処理を行う際のガンマ係数は0.625である、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記した前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るステップの後に、
前記スーパー夜景画像に対して細部強調アルゴリズムによって細部強調処理を行って、細部強調されたスーパー夜景画像を得ることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法、
【請求項11】
1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得するための画像取得ユニットと;
前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得るためのスタック型ノイズ低減ユニットと;
前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得るための階調変換ユニットと;
前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るための画像合成ユニットと、
を備えることを特徴とするスーパー夜景画像の生成装置。
【請求項12】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを備える電子機器であって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項1~請求項10のいずれか一つに記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、請求項1~請求項10のいずれか一つに記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理の技術分野に属し、特にスーパー夜景画像の生成方法、装置、電子機器および記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の夜景強調撮影処理では、画像を撮影した後、撮影した夜景画像を画像輝度アルゴリズムまたはコントラスト強調アルゴリズムによって強調処理することで、画像の暗部の輝度とコントラストを向上させるのが一般的である。しかしながら、夜景画像にはノイズが比較的に多く、またノイズも強調されるおそれがあるため、夜景画像全体の強調効果を悪化させるようになる。しかも、局所分散に基づいて強調係数を決定する手段では、明暗が過度に強いところでハレーションを起こしやすい。
【0003】
従来の技術案には、複数のフレームの画像からハイダイナミックレンジ画像を生成する技術手段があるが、この手段は、昼間に撮影したシーンでは良好な効果があるが、夜景写真ではノイズが非常に大きくなる。従来技術には、複数のフレームの夜景画像を直接融合させてノイズを除去するなどの処理手段があるが、この手段で得られた夜景画像はまだ画像の明部や暗部で十分に鮮明ではないものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術では生成されたスーパー夜景画像のノイズが大きいという問題を解決するために、スーパー夜景画像の生成方法、装置、電子機器および記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は、スーパー夜景画像の生成方法を提供しており、前記方法は、
1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得するステップと;
前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得るステップと;
前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得るステップと;
前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るステップとを含む。
【0006】
上記した前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得るステップは、
前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、1つのフレームのスタックされたノイズ低減画像を得るステップと;
前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によってノイズ低減処理を行って、前記正常ノイズ低減画像を得るステップとを含むことが好ましい。
【0007】
好ましくは、上記した前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、1つのフレームのスタックされたノイズ低減画像を得るステップは、
前記複数のフレームの正常露光画像の中から、一つのフレームの画像を基準画像として選択するステップと;
前記複数のフレームの正常露光画像のうち、前記基準画像以外の画像と前記基準画像とをアライメント処理するステップと、
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行って、前記スタックされたノイズ低減画像を得るステップとを含み、
【0008】
前記アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うステップは、
YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うステップを含むことが好ましい。
【0009】
前記YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うステップは、
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像のY成分データ、および前記基準画像のU成分データとV成分データを取得するステップと;
前記第1の式によって、前記Y成分データに対して重み付融合ノイズ低減処理を行い、かつ前記U成分データと前記V成分データに対してエッジ保存フィルタリング処理を行うステップと;
重み付融合ノイズ低減処理されたY成分データと、エッジ保存フィルタリング処理された前記U成分データおよび前記V成分データとを合成して、前記スタックされたノイズ低減画像を得るステップとを含むことが好ましい。
【0010】
上記した前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によってノイズ低減処理を行うステップは、
対象画素点の近傍ウィンドウ内でいくつかの基準画素点をランダムに選択するステップと;
前記対象画素点と各前記基準画素点をそれぞれ中心として画素ブロックを取得するステップと;
前記画素ブロック毎にDCT変換を行い、予め設定された閾値に基づいて前記画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新するステップと;
更新されたDCT係数をDCT逆変換して、各画素ブロックを再構成するステップと;
再構成された各画素ブロックにおける対象画素点の位置に対応する画素点の画素値を重み付平均し、重み付平均した画素値を前記対象画素点の画素値とするステップとを含むことが好ましい。
【0011】
前記予め設定された閾値に基づいて前記画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新するステップは、
前記DCT係数のうち、前記予め設定された閾値未満の係数をゼロにするステップを含むことが好ましい。
【0012】
好ましくは、上記した前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るステップの後に、
前記スーパー夜景画像に対して細部強調アルゴリズムによって細部強調処理を行って、細部強調されたスーパー夜景画像を得るステップを含み、
ここで、前記細部強調アルゴリズムは、エッジ保存フィルタリングによる細部強調アルゴリズムであり、前記細部強調されたスーパー夜景画像は、
【0013】
上記した前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行うステップは、
前記正常ノイズ低減画像に対してガンマ変換処理を行うステップを含むことが好ましい。
【0014】
前記正常ノイズ低減画像に対してガンマ変換処理を行う際のガンマ係数は0.625であることが好ましい。
【0015】
本発明の別の側面は、スーパー夜景画像の生成装置を提供しており、前記装置は、
1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得するための画像取得ユニットと;
前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得るためのスタック型ノイズ低減ユニットと;
前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得るための階調変換ユニットと;
前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るための画像合成ユニットとを備える。
【0016】
本発明の別の側面は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを備える電子機器であって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に、上記のような方法のステップを実現する電子機器を提供する。
【0017】
本発明の別の側面は、コンピュータ可読記憶媒体を提供しており、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、上記のような方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得し、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得て、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得て、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得ることにより、夜景画像のノイズが低減され、さらにユーザ体験が向上された。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施例によるスーパー夜景画像の生成方法の実現フローチャートである。
図2】本発明の第2の実施例によるスーパー夜景画像の生成方法の実現フローチャートである。
図3】本発明の第3の実施例によるスーパー夜景画像の生成装置の構造模式図である。
図4】本発明の第4の実施例による電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の目的、技術手段及び利点をより一層明らかにするように、添付図面及び実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ここで記載された具体的な実施例は、本発明を釈明するためのものだけであり、本発明を限定する意図はないことを理解すべきである。
【0021】
以下、具体的な実施例に基づいて本発明の具体的な実現について詳細に説明する。
【0022】
第1の実施例
図1は、本発明の第1の実施例によるスーパー夜景画像の生成方法の実現の流れを示し、説明の便宜上、本発明の実施例に関連する部分のみを示しており、詳細は以下のとおりである。
【0023】
ステップS101では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得する。
【0024】
本発明の実施例は携帯電話、腕時計、タブレット、コンピュータ、カメラなどの撮影機能を有する機器を含んでも良い電子機器に適用される。本発明の実施例では、暗所で電子機器によって連続的に撮影した複数のフレームの原画像を取得し、この暗所が夜間や他の光が比較的に暗いシーンを指しても良く、説明の便宜上、この例の原画像のフレーム数はMで表され、m≧3であり、この複数のフレームの原画像には1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像が含まれている必要がある。実際には、操作を容易にするために、通常、取得する第1のフレームの画像を露光不足画像とし、例えば、連続的に撮影された原画像は9フレームであり、第1のフレームの画像は露光不足画像、次の8フレームの画像は正常露光画像である。
【0025】
ステップS102では、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得る。
【0026】
本発明の実施例では、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得る場合は、具体的に以下のステップを含んでも良い。
【0027】
S1021:前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、1つのフレームのスタックされたノイズ低減画像を得る。
【0028】
具体的には、前記複数のフレームの正常露光画像の中から、一つのフレームの画像を基準画像として選択し、前記複数のフレームの正常露光画像のうち前記基準画像以外の画像と前記基準画像とをアライメント処理し、さらに、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、前記スタックされたノイズ低減画像を得ることにより、画像のズレによる悪影響を低減するようになる。ここで、基準画像として、正常露光画像のうちの第1のフレームの画像を選択してもよいし、正常露光画像のうちの第2のフレームの画像を選択してもよいし、正常露光画像のうちの最後のフレームの画像を選択してもよいが、ここでは限定しない。前記複数のフレームの正常露光画像のうち前記基準画像以外の画像と前記基準画像とをアライメント処理する時に、一つのフレームの画像と他のフレームの画像とをアライメント処理するのは従来技術であるため、ここで説明を省略しており、例えば、疎なオプティカルフローでアライメントしても良い。
【0029】
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行って、前記スタックされたノイズ低減画像を得ることが好ましい。
【0030】
【0031】
なお、ここに、RGB空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行ってもよく、YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うことが好ましく、重み付融合ノイズ低減処理中の計算速度を向上するために、アライメント処理された前記複数のフレームの前記正常露光画像のY成分データ、および前記基準画像のU成分データとV成分データを取得し、前記第1の式によって、前記Y成分データに対して重み付融合ノイズ低減処理を行い、かつ前記U成分データと前記V成分データに対してエッジ保存フィルタリング処理を行い、重み付融合ノイズ低減処理されたY成分データと、エッジ保存フィルタリング処理された前記U成分データおよび前記V成分データとを合成して、前記スタックされたノイズ低減画像を得ることがさらに好ましい。ここで、エッジ保存フィルタリング処理はバイラテラルフィルタリング処理であってもよいし、誘導フィルタリング処理であってもよく、ここでは限定しない。スタックされたノイズ低減画像は、YUV空間に保存された画像であってもよいし、RGB空間や他の色空間に変換して保存された画像であってもよく、ここでは、これについても限定しない。
【0032】
S1022:前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によって、一枚の正常ノイズ低減画像を生成する。
【0033】
前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によって一枚の正常ノイズ低減画像を生成することで、ノイズの影響をさらに解消することができる。この単フレーム画像ノイズ低減法は離散コサイン空間で行われ、離散コサイン変換によってノイズ低減を行う際に、一回に1画素ずつずれるようにするものであり、説明の便宜上、本実施例において、ずれる度に対応する画素点を対象画素点と呼び、画像のノイズ低減効果を効果的に向上するために、対象画素点の近傍ウィンドウ内でいくつかの基準画素点をランダムに選択し、前記対象画素点と各前記基準画素点をそれぞれ中心として画素ブロックを取得し、前記画素ブロック毎にDCT変換(Discrete Cosine Transform、離散コサイン変換)を行い、かつ予め設定された閾値に基づいて前記画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新し、更新されたDCT係数をDCT逆変換して、各画素ブロックを再構成し、再構成された各画素ブロックにおける対象画素点の位置に対応する画素点の画素値を重み付平均し、重み付平均した画素値を前記対象画素点の画素値とすることが好ましい。ここで、前記近傍ウィンドウのサイズは一般的に8×8であり、これに対応して、各前記画素ブロックのサイズも8×8であるのは一般的であり、予め設定されたしきい値は通常マニュアル設定されるものであり、このしきい値の大きさは画像のノイズレベルに基づいて設定してもよく、ちなみに、ノイズレベルはISO、カメラの露光時間およびカメラのセンサ自身によって確定することができ、ISOの数値が高いほど当該感光部品の感光能力が強いことを示している。予め設定された閾値に基づいて画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新する時に、オプションとして、DCT係数のうち、予め設定された閾値より小さい係数をゼロにしても良い。
【0034】
ステップS103では、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得る。
【0035】
【0036】
ステップS104では、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得る。
【0037】
本発明の実施例において、前記露光不足画像は、画像のハイライト部分に豊富な細部を提供でき、前記正常ノイズ低減画像は、画像に豊富な中間輝度の細部を提供でき、前記過度露光画像は、画像の暗所に細部を提供でき、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と、前記過度露光画像とに対して融合処理を行うことで、HDR(High Dynamic Range、ハイダイナミックレンジ)画像である融合されたスーパー夜景画像を得る。前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と、前記過度露光画像とに対して融合処理を行う時には、ハイダイナミックレンジ画像の視覚効果を向上するために、正常露光画像を基準として露光不足画像および過度露光画像に対して移動画素除去を行って、それぞれ第3の画像および第4の画像を得て、正常露光画像、第3の画像および第4の画像をダウンサンプリングして第1の重み値マップを算出し、ダウンサンプリングして得られた3枚の画像をそれぞれ階調図に変換し、得られた階調図を多重解像度融合して第2の重み値マップを算出し、第2の重み値マップを元の画像サイズに合わせてアップサンプリングし、正常露光画像と、露光不足画像と、過度露光画像とを重み付融合することが好ましい。もちろん、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と、前記過度露光画像とに対して融合処理を行う時に、従来技術における他の融合処理方法を採用してもよく、ここでは贅言しない。
【0038】
本発明の実施例では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得し、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得て、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得て、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得ることにより、夜景画像のノイズが低減され、さらにユーザ体験が向上された。前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行う時に、YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行うことにより、夜景画像の処理速度が向上され、さらにユーザ体験が向上された。
【0039】
第2の実施例
図2は、本発明の第2の実施例によるスーパー夜景画像の生成方法の実現の流れを示し、説明の便宜上、本発明の実施例に関連する部分のみを示しており、詳細は以下のとおりである。
【0040】
ステップS201では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得する。
【0041】
ステップS202では、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得る。
【0042】
ステップS203では、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得る。
【0043】
ステップS204では、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得る。
【0044】
本発明の実施例において、ステップS201~S204の実施形態は、前述の第1の実施例におけるステップS101~S104に関する説明を対応して参照しても良いので、ここでは贅言しない。
【0045】
ステップS205では、前記スーパー夜景画像に対して細部強調アルゴリズムによって細部強調処理を行って、細部強調されたスーパー夜景画像を得る。
【0046】
本発明の実施例では、前記スーパー夜景画像に対して細部強調アルゴリズムによって細部強調処理を行って、細部強調されたスーパー夜景画像を得ることにより、画像の細部がさらに向上され、さらに画像の鮮明さが向上された。
【0047】
【0048】
また好ましくは、前記細部強調アルゴリズムは、普通のフィルタリングによる細部強調アルゴリズムであり、前記細部強調されたスーパー夜景画像は、
【0049】
本発明の実施例では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得し、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得て、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得て、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得て、そして、前記スーパー夜景画像に対して細部強調アルゴリズムによって細部強調処理を行うことにより、夜景画像の細部が向上され、さらにユーザ体験が向上された。
【0050】
第3の実施例
図3は、本発明の第3の実施例によるスーパー夜景画像の生成装置の構造を示し、説明の便宜上、本発明の実施例に関連する部分のみを示しており、その中に、
1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得するための画像取得ユニット31と;
前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得るためのスタック型ノイズ低減ユニット32と;
前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得るための階調変換ユニット33と;
前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得るための画像合成ユニット34とを備える。
【0051】
スタック型ノイズ低減ユニットは、
前記複数のフレームの正常露光画像に対して重み付融合ノイズ低減処理を行って、1つのフレームのスタックされたノイズ低減画像を得るための第1のノイズ低減サブユニットと、
前記スタックされたノイズ低減画像に対して、単フレーム画像ノイズ低減法によってノイズ低減処理を行って、前記正常ノイズ低減画像を得るための第2のノイズ低減サブユニッと、を備えることが好ましい。
【0052】
好ましくは、前記第1のノイズ低減サブユニットは、
前記複数のフレームの正常露光画像の中から、一つのフレームの画像を基準画像として選択するための基準画像選択ユニットと、
前記複数のフレームの正常露光画像のうち前記基準画像以外の画像と前記基準画像とをアライメント処理するための画像アライメント処理ユニットと、
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行って、前記スタックされたノイズ低減画像を得るための第3のノイズ低減サブユニットと、を備え、ここで、前記第1の式は、
【0053】
前記第2のノイズ低減サブユニットは、
対象画素点の近傍ウィンドウ内でいくつかの基準画素点をランダムに選択するための画素点選択ユニットと、
前記対象画素点と各前記基準画素点をそれぞれ中心として画素ブロックを取得するための画素ブロック取得ユニットと、
前記画素ブロック毎にDCT変換を行い、かつ予め設定された閾値に基づいて前記画素ブロック毎に対応するDCT係数を更新するためのDCT変換ユニットと、
更新されたDCT係数をDCT逆変換して、各画素ブロックを再構成するためのDCT逆変換ユニットと、
再構成された各画素ブロックにおける対象画素点の位置に対応する画素点の画素値を重み付平均し、重み付平均した画素値を前記対象画素点の画素値とするための画素値計算ユニットと、を備えることが好ましい。
【0054】
前記DCT変換ユニットは、
DCT係数のうち、前記予め設定された閾値未満の係数をゼロにするためのDCT変換サブユニットを備えることが好ましい。
【0055】
前記第3のノイズ低減サブユニットは、
YUV空間では、アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像に対して、前記第1の式によって重み付融合ノイズ低減処理を行うための第4のノイズ低減サブユニットを備えることが好ましい。
【0056】
前記第4のノイズ低減サブユニットは、
アライメント処理された前記複数のフレームの正常露光画像のY成分データ、および前記基準画像のU成分データとV成分データを取得するための成分データ取得ユニット、または、
前記第1の式によって、前記Y成分データに対して重み付融合ノイズ低減処理を行い、かつ前記U成分データと前記V成分データに対してエッジ保存フィルタリング処理を行うための成分データ取得ユニットと、
重み付融合ノイズ低減処理されたY成分データと、エッジ保存フィルタリング処理された前記U成分データおよび前記V成分データとを合成して、前記スタックされたノイズ低減画像を得るための成分データ合成ユニットと、を備えることが好ましい。
【0057】
階調変換ユニットは、
前記正常ノイズ低減画像に対してガンマ変換処理を行うためのガンマ変換ユニットを備えることが好ましい。
【0058】
前記正常ノイズ低減画像に対してガンマ変換処理を行う際のガンマ係数は0.625であることが好ましい。
【0059】
好ましくは、前記装置はさらに、
前記スーパー夜景画像に対して細部強調アルゴリズムによって細部強調処理を行って、細部強調されたスーパー夜景画像を得るための細部強調処理ユニットを備え、
ここで、前記細部強調アルゴリズムは、エッジ保存フィルタリングによる細部強調アルゴリズムであり、前記細部強調されたスーパー夜景画像は、
【0060】
本発明の実施例において、スーパー夜景画像生成装置の各ユニットは、対応するハードウェアユニットまたはソフトウェアユニットで実現することができ、各ユニットは独立したソフトウェアユニットやハードウェアユニットであっても良いし、一つのソフトウェアユニットやハードウェアユニットに統合されてもよいが、ここで本発明を限定する意図はない。スーパー夜景画像生成装置の各ユニットの具体的な実施形態については、上記方法の実施例の記載を参照してもよいので、ここでは贅言しない。
【0061】
第4の実施例
図4は、本発明の第4の実施例による電子機器の構造を示し、説明の便宜上、本発明の実施例に関連する部分のみを示している。
【0062】
本発明の実施例における電子機器4は、プロセッサ40と、メモリ41と、メモリ41に記憶され、プロセッサ40で動作可能なコンピュータプログラム42とを備える。このプロセッサ40はコンピュータプログラム42を実行する際に、上述した各方法の実施例におけるステップ、例えば図1に示すステップS101~S104を実現する。あるいは、プロセッサ40はコンピュータプログラム42を実行する際に、上述した各装置の実施例における各ユニットの機能、例えば、図3に示すユニット31~34の機能を実現する。
【0063】
本発明の実施例では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得し、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得て、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得て、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得ることにより、夜景画像のノイズが低減され、さらにユーザ体験が向上された。
【0064】
第5の実施例
本発明の実施例では、コンピュータ可読記憶媒体を提供しており、このコンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、このコンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、上述した方法の実施例におけるステップ、例えば図1に示すステップS101~S104を実現する。あるいは、このコンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、上述した各装置の実施例における各ユニットの機能、例えば、図3に示すユニット31~34の機能を実現する。
【0065】
本発明の実施例では、1つのフレームの露光不足画像と複数のフレームの正常露光画像とを含む連続的な複数のフレームの原画像を取得し、前記複数のフレームの正常露光画像をスタックさせてノイズ低減処理を行って、1つのフレームの正常ノイズ低減画像を得て、前記正常ノイズ低減画像に対して階調変換処理を行って、1つのフレームの過度露光画像を得て、前記露光不足画像と、前記正常ノイズ低減画像と前記過度露光画像とに対して融合処理を行って、1つのフレームのスーパー夜景画像を得ることにより、夜景画像のノイズが低減され、さらにユーザ体験が向上された。
【0066】
本発明の実施例におけるコンピュータ可読記憶媒体は、例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどのメモリのようなコンピュータプログラムコードを保持可能な任意のエンティティまたは装置、記憶媒体を含んでも良い。
【0067】
以上に述べたのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、それによって本発明を限定するものではなく、本発明の精神と原則の範囲内でなされたいかなる修正、等価置換および改良などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4