IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許7375209マルチリンク通信方法、装置、およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】マルチリンク通信方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/15 20180101AFI20231030BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20231030BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20231030BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W72/0457 110
H04W84/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022542021
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2020117079
(87)【国際公開番号】W WO2021139213
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】202010019310.3
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇宸
(72)【発明者】
【氏名】李 云波
(72)【発明者】
【氏名】周 逸凡
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Alan Jauh (Unisoc),Multiple Links Asynchronous and Synchronous Transmission,IEEE 802.11-19/1678r0,米国,IEEE mentor,2019年09月18日
【文献】Yifan Zhou (Huawei),Simultaneous Tx/Rx Capability indication for multi-link operation,IEEE 802.11-19/1550r1,米国,IEEE mentor,2019年11月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリンク通信方法であって、
マルチリンクデバイスによってリンクグループ化情報を生成するステップであって、前記リンクグループ化は、異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートするという特性を満たす、ステップと、
前記マルチリンクデバイスによって前記リンクグループ化情報を送信するステップと
を含み、
前記リンクグループ化情報は、各リンクのリンクプロファイルを含み、
各リンクの前記リンクプロファイルは、前記リンクの動作クラス、前記リンクのチャネル番号、および前記リンクが属するリンクグループのリンクグループ識別子を含むか、
各リンクの前記リンクプロファイルは、前記リンクの動作クラス、前記リンクのチャネル番号、および前記リンクのプライマリ/セカンダリリンク識別子を含むか、または
各リンクの前記リンクプロファイルは、前記リンクの動作クラス、および前記リンクのチャネル番号を含む、マルチリンク通信方法。
【請求項2】
前記リンクグループ化は、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがあるという特性をさらに満たす、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記同じリンクグループ内の任意のリンクとの同時データ送受信をサポートしない少なくとも1つのリンクがある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記同じリンクグループは、プライマリリンクおよびセカンダリリンクを含み、前記マルチリンクデバイスによってピアマルチリンクデバイスにデータを送信するステップは、
前記マルチリンクデバイスによって、前記プライマリリンク上でチャネルを競合し、前記プライマリリンク上の前記チャネルの競合に勝った後、前記競合に勝ったチャネルを介して前記ピアマルチリンクデバイスにデータを送信するステップと、
以下の条件のうちの少なくとも1つが満たされると、前記マルチリンクデバイスによって、前記セカンダリリンクに対応するチャネルを介して前記ピアマルチリンクデバイスにデータを送信するステップと
を含み、
前記少なくとも1つの条件は、
前記セカンダリリンクに対応する前記チャネルのチャネル状態がアイドルであること、または
前記セカンダリリンクに対応する前記チャネルのチャネル状態が非アイドルからアイドルに変化し、前記プライマリリンクを通じてデータが送信されていること
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記セカンダリリンクに対応する前記チャネルのチャネル状態がアイドルであることは、
前記セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であるとき、前記チャネル状態がアイドルであること、または
前記セカンダリリンクに対応する前記チャネルのネットワーク割り当てベクトル(NAV)が0に等しく、前記セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であるとき、前記チャネル状態がアイドルであること
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プライマリリンクを通じて送信された前記データは第1の物理層プロトコルデータユニットPPDUで搬送され、前記セカンダリリンクを通じて送信された前記データは第2のPPDUで搬送され、前記第1のPPDUの終了時間と前記第2のPPDUの終了時間との時間差は第2の予め設定された閾値未満である、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記マルチリンクデバイスによって、前記ピアマルチリンクデバイスから能力情報を受信するステップであって、前記能力情報は、複数のプライマリリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを示す、ステップ
をさらに含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであり、前記ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであるか、
前記マルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、前記ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであるか、または
前記マルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、前記ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスである
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、マルチリンクデバイス。
【請求項10】
マルチリンクデバイスであって、前記マルチリンクデバイスは、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを備え、前記少なくとも1つのメモリは前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、前記少なくとも1つのメモリは、コンピュータプログラムコードまたはコンピュータ命令を記憶するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、前記マルチリンクデバイスは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、マルチリンクデバイス。
【請求項11】
チップであって、前記チップは、プロセッサおよび通信インターフェースを備え、前記通信インターフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実施するためにコンピュータプログラムまたは命令を実行するように構成されている、チップ。
【請求項12】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令またはプログラムを記憶し、前記コンピュータ命令または前記プログラムがコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
命令を備えたコンピュータプログラムであって、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年1月8日に中国国家知識産権局に提出された「マルチリンク通信方法、装置、およびシステム」と題する中国特許出願第202010019310.3号の優先権を主張するものであり、同特許出願は参照によりその全体が本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は通信技術分野に関し、特にマルチリンク通信方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
無線技術の発展に伴い、より多くの無線デバイスが、無線デバイス間の通信効率を改善するために、マルチバンド通信、同じ周波数帯域の異なるチャネルでの通信、または異なる周波数帯域の異なるチャネルでの通信をサポートすることができる。無線デバイスがマルチバンド通信をサポートする一例では、無線デバイスは、2.4ギガヘルツ(GHz)、5 GHz、および60 GHzの周波数帯域で同時に互いに通信することができる。
【0004】
現在、マルチバンドまたはマルチチャネル通信をサポートする無線デバイスは、マルチリンクデバイスと呼ぶことができる。別のマルチリンクデバイスと通信するマルチリンクデバイスは、少なくとも1つの送受信ポイント(transmission reception point,TRP)を有することができ、TRPは、ある周波数帯域またはチャネル上でピアTRPにデータを送信するか、またはピアTRPからデータを受信することができる。マルチリンクデバイスは、マルチリンクアクセスポイントデバイスまたはマルチリンクステーションデバイスを含み得る。マルチリンクアクセスポイントデバイス上のTRPは、アクセスポイント(access point,AP)と呼ぶことができ、マルチリンクステーションデバイス上のTRPは、少なくとも1つのステーション(station,STA)と呼ぶことができる。例えば、図1に示されるように、マルチリンクアクセスポイントデバイスは少なくとも1つのAPを含むことができ、マルチリンクステーションデバイスは少なくとも1つのSTAを含むことができ、STAは、特定の周波数帯域またはチャネル上で動作する。マルチリンクアクセスポイントデバイス内のAPは、予め設定されたリンクを通じて複数のマルチリンクステーションデバイス内のSTAと通信することができる。図1に示されるように、マルチリンクデバイスのAP1はリンクL1を通じてSTA1と通信することができ、AP2はリンクL2を介してSTA2と通信することができる。すなわち、マルチリンク通信を行うことができる。
【0005】
複数のリンクが通信に使用されるとき、リンクを通じて送信された信号の漏れなどの干渉のため、マルチリンクデバイスは、周波数領域においてリンクに近い別のリンクを通じて信号を同時に受信することができない場合がある。図1に示されるように、リンクL1およびリンクL2は、周波数領域が近い2つのリンクであると想定される。AP1がリンクL1を通じてSTA1に信号を送信するときに信号漏れが生じた場合、AP1と同じマルチリンクアクセスポイントデバイス上に位置するAP2は、リンクL1を通じて送信された信号によって容易に干渉され、リンクL2を通じてSTA2によって送信された信号を受信することができない。その結果、マルチリンクアクセスポイントデバイスは、リンクL1およびリンクL2を通じて信号を同時に送受信することができない。同様に、マルチリンクステーションデバイスもまた、周波数領域が近い2つのリンクを通じて信号を同時に送受信することができないという前述の問題を有する。
【0006】
この問題を解決するために、既存のマルチリンクデバイスが複数のリンクを通じてピアマルチリンクデバイスと通信するとき、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスに、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する。ピアマルチリンクデバイスが情報を受信した後、マルチリンクデバイスにデータを送信するとき、ピアマルチリンクデバイスは、リンクを通じて受信した情報に基づいてマルチリンクデバイスにデータを送信し、リンクおよびデータを受信しているリンクは、同時データ送受信をサポートすることができる。
【0007】
この通信プロセスでは、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスに、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する必要がある。情報の量が大きいので、ピアマルチリンクデバイスが、受信した情報に基づいて、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスは面倒であり、効率は低く、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷は重い。
【発明の概要】
【0008】
これを考慮して、本出願の目的は、マルチリンクデバイスによってピアマルチリンクデバイスに送信される情報の量が大きく、ピアマルチリンクデバイスが、情報に基づいて、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスが面倒であり、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷が重いという従来のマルチリンク通信の技術的問題を解決するために、マルチリンク通信方法、装置、およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するために、本出願の実施形態は、以下の技術的解決策を使用する。
【0010】
第1の態様によれば、マルチリンク通信方法が提供される。方法は、マルチリンクデバイスが、異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートすることを示すリンクグループ化情報を生成し、リンクグループ化情報を送信することを含み得る。
【0011】
第1の態様による方法に基づいて、マルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報からリンクグループ化情報を選択し、リンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信することができる。マルチリンクデバイスが、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する従来の技術と比較して、リンクグループ化情報は単純であり、情報の量が削減される。加えて、ピアマルチリンクデバイスは、受信したリンクグループ化情報に基づいて、異なるリンクグループ内のリンクが同時データ送受信をサポートすることができることを明確に知ることができる。ピアマルチリンクデバイスは、データを受信するリンクのリンクグループとは異なるリンクグループ内のリンクを通じてマルチリンクデバイスにデータを送信することができる。これにより、マルチリンクデバイスが、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスの複雑さを低減し、処理効率を改善し、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷を低減する。
【0012】
可能な設計では、第1の態様に関連して、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがある。
【0013】
可能な設計に基づいて、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがある。これにより、リンクグループ内の任意の2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることができる場合を回避することができる。リンクグループ内の任意の2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることができる場合、リンクグループは、リンクグループの数を増加させるために、引き続きグループ化されてもよい。このようにして、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスと通信するとき、より多くのリンクグループから利用可能なリンクを選択することができる。
【0014】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、同じリンクグループ内の任意のリンクとの同時データ送受信をサポートしない少なくとも1つのリンクがある。
【0015】
この可能な設計に基づいて、同じリンクグループ内の他のリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクがある場合、リンクグループの数を増加させるために、新しいリンクグループが追加されてもよく、リンクは新しいリンクグループ内に配置される。このようにして、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスと通信するとき、より多くのリンクグループから利用可能なリンクを選択することができる。
【0016】
可能な設計では、第1の態様に関連して、リンクグループ化情報は、ビーコンフレーム、サウンディング応答フレーム、認証フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、またはリンクグループ化アクションフレームで搬送され得る。
【0017】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、ビーコンフレーム、サウンディング応答フレーム、認証フレーム、アソシエーション応答フレーム、または再アソシエーション応答フレームなどの既存のフレームにリンクグループ化情報を含み、リンクグループ化情報を搬送するための新しいフレームを追加することなく、既存のフレームをピアマルチリンクデバイスに送信することができる。これにより、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間のシグナリングインターワーキングを削減する。加えて、マルチリンクデバイスは、リンクグループ化情報を実行するために特に使用される、新しいリンクグループ化アクションフレームを作成することもできる。これは限定されない。
【0018】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、リンクグループ化情報は、各リンクのリンクプロファイルを含む。各リンクのリンクプロファイルは、リンクの動作クラス、リンクのチャネル番号、およびリンクが属するリンクグループのリンクグループ識別子を含むか、各リンクのリンクプロファイルは、リンクの動作クラス、リンクのチャネル番号、およびリンクのプライマリ/セカンダリリンク識別子を含むか、または各リンクのリンクプロファイルは、リンクの動作クラスおよびリンクのチャネル番号を含む。
【0019】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが関連するリンクプロファイルに基づいてリンクのいくつかの特性を識別するように、動作クラス、チャネル番号、リンクが属するリンクグループのリンクグループ識別子、ならびにプライマリ/セカンダリリンクなどのリンクの関連するリンクプロファイルを、ピアマルチリンクデバイスに送信することができる。このようにして、リンクの特性に基づいて対応する動作が実行され、これは単純で実装しやすい。加えて、リンクの特性を表すための関連情報は、リンクの関連情報を搬送するための余分な情報を追加することなく、リンクグループ化情報で搬送され、ピアマルチリンクデバイスに送信される。これにより、新たに追加された情報の交換に起因するオーバーヘッドが削減される。
【0020】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、マルチリンクデバイスは、同じリンクグループ内の少なくとも1つのリンクを通じて、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信し、ピアマルチリンクデバイスからデータを受信することができる。
【0021】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスと通信するとき、マルチリンクデバイスは、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクのうちのいくつかをアイドル状態で維持する代わりに、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクを効率的に利用できるように、同じリンクグループ内の少なくとも1つのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。このようにして、リンクリソース利用を改善することができる。
【0022】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、マルチリンクデバイスは、同じリンクグループ内のすべてのリンクを通じて、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信し、ピアマルチリンクデバイスからデータを受信することができる。
【0023】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスと通信するとき、マルチリンクデバイスは、リンクが解消を引き起こすので、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクのうちのリンクをアイドル状態で維持することなく、同時データ送受信をサポートしないすべてのリンクが効率的に利用されるように、同時データ送受信をサポートしないすべてのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。これにより、マルチリンク通信におけるリンクリソース利用を改善する。
【0024】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、同じリンクグループは、プライマリリンクおよびセカンダリリンクを含む。マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスにデータを送信することは、以下を含む。マルチリンクデバイスは、プライマリリンク上でチャネルを競合し、プライマリリンク上のチャネルの競合に勝った後、競合に勝ったチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信し、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態がアイドルであるか、またはセカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルからアイドルに変化し、データがプライマリリンクを通じて送信されているとき、セカンダリリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。
【0025】
可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、同じリンクグループ内のリンクをプライマリリンクとセカンダリリンクとに分割する。マルチリンクデバイスは、プライマリリンク上でのみチャネルを競合してもよく、チャネルリソースの競合によって生じる消費を低減するように、セカンダリリンク上ではチャネルを競合する必要がない。加えて、チャネルの競合に勝った後、マルチリンクデバイスは、各リンクが効率的を効率的に利用できるように、アイドル状態のプライマリリンクおよびセカンダリリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信することができる。これにより、リンクリソース利用を改善する。
【0026】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態がアイドルであることは、以下を含み得る。セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であるとき、チャネル状態はアイドルであるか、またはセカンダリリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しく、セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であるとき、チャネル状態はアイドルである。
【0027】
この可能な設計に基づいて、セカンダリリンクがアイドル状態にあるか否かが、セカンダリリンクに対応するチャネルの信号エネルギーに基づいて、またはセカンダリリンクに対応するチャネルのNAVおよび信号エネルギーに基づいて判定され得る。このようにして、セカンダリリンクのチャネル状態がアイドルであると判定されたとき、セカンダリリンクを通じてデータを送信することができる。これにより、正常なデータ伝送を保証する。
【0028】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、プライマリリンクを通じて送信されたデータは第1の物理層プロトコルデータユニットPPDUで搬送され、セカンダリリンクを通じて送信されたデータは第2のPPDUで搬送され、第1のPPDUの終了時間と第2のPPDUの終了時間との時間差は第2の予め設定された閾値未満である。
【0029】
この可能な設計に基づいて、同じリンクグループ内のプライマリリンクおよびセカンダリリンクを通じて送信されたデータの終了時間の時間差は、同じリンクグループ内のプライマリリンクを通じたデータ送信とセカンダリリンクを通じたデータ送信とが同時に終了することを可能な限り保証するために、第2の予め設定された閾値未満であり得る。これにより、リンクグループ内のいくつかのリンクがデータを受信し、残りのリンクがデータを送信している場合に、同時データ送受信をサポートしないリンク間のデータ伝送の干渉を回避し、データ受信に影響を及ぼすことを回避する。
【0030】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスから、複数のプライマリリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを示す能力情報を受信する。
【0031】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスが能力情報に基づいてピアマルチリンクデバイスにデータを送信するために適切なリンクグループを選択できるように、能力情報を受信することができる。これにより、2つのリンクがマルチリンクデバイス内で同時データ送受信をサポートするがピアマルチリンクデバイス内では同時データ送受信をサポートせず、ピアマルチリンクデバイスへのデータを受信できないという問題を回避することができる。
【0032】
可能な設計では、第1の態様または第1の態様の可能な設計に関連して、マルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、マルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであるか、またはマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスである。
【0033】
この可能な設計に基づいて、マルチリンク通信方法は、マルチリンクステーションデバイス間の相互作用のシナリオ、またはマルチリンクステーションデバイスとマルチリンクアクセスポイントデバイスとの間の相互作用のシナリオに適用することができる。適用シナリオは多様化し、マルチリンク通信方法の適用柔軟性が改善される。
【0034】
第2の態様によれば、マルチリンク通信方法が提供される。方法は、マルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す指示情報を生成し、第1のリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値より大きく、第1のリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しくないとき、またはマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルを介してデータフレームを受信したときに、ピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信することを含み得る。
【0035】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが指示情報に基づいて第1のリンクのリンク状態を判定するように、非アイドル状態の第1のリンクをピアマルチリンクデバイスに示してもよい。これにより、リンク間干渉の場合にピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのリンク状態を不正確に判定するという既存の問題を回避する。
【0036】
可能な設計では、第2の態様に関連して、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信することは、以下を含み得る。マルチリンクデバイスは、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信する。
【0037】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、別のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信し得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を正しく知ることを保証する。
【0038】
可能な設計では、第2の態様または第2の態様の可能な設計に関連して、マルチリンクデバイスが第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信することは、以下を含む。マルチリンクデバイスは、第2のリンクに対応するチャネルを介して、指示情報を含む肯定応答フレームをピアマルチリンクデバイスに送信する。肯定応答フレームは、マルチリンクデバイスが、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータを正確に受信したか否かを示す。
【0039】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、データに対応する肯定応答フレームに指示情報を含め、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに肯定応答フレームを送信することができる。このようにして、指示情報は、指示情報を搬送するために新しいシグナリング/フレームを追加することなく、既存のフレームで搬送することができる。これにより、デバイス間のシグナリングインターワーキングを削減する。
【0040】
可能な設計では、第2の態様または第2の態様の可能な設計に関連して、第1のリンクおよび第2のリンクは、マルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートし、第1のリンクおよび第2のリンクは、ピアマルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートしない。
【0041】
この可能な設計に基づいて、前述のマルチリンク通信方法は、マルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートし、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに実行され得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに、別のリンクによる第1のリンクとの干渉のため、ピアマルチリンクデバイスは第1のリンクを通じていかなるメッセージも受信しないので、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのチャネルのチャネル状態を不正確に判定し得るという問題を回避する。
【0042】
第3の態様によれば、マルチリンク通信方法が提供される。方法は、ピアマルチリンクデバイスがマルチリンクデバイスから指示情報を受信することを含み得る。指示情報は、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す。
【0043】
第3の態様の方法に基づいて、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが指示情報に基づいて第1のリンクのリンク状態を判定するように、第1のリンクが非アイドル状態にあることを示す指示情報をマルチリンクデバイスから受信することができる。これにより、リンク間干渉の場合にピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのリンク状態を不正確に判定するという既存の問題を回避する。
【0044】
可能な設計では、第3の態様または第3の態様の可能な設計に関連して、ピアマルチリンクデバイスは、第2のリンクに対応するチャネルを介して指示情報を受信する。
【0045】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスは、別のリンクに対応するチャネルを介してマルチリンクデバイスによって送信された指示情報を受信し得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を正しく知ることを保証する。
【0046】
可能な設計では、第3の態様または第3の態様の可能な設計に関連して、ピアマルチリンクデバイスが第2のリンクに対応するチャネルを介して指示情報を受信することは、ピアマルチリンクデバイスがマルチリンクデバイスから肯定応答フレームを受信することを含む。肯定応答フレームは指示情報を含み、肯定応答フレームは、マルチリンクデバイスが、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータを正確に受信したか否かを示す。
【0047】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスによって送信され、第2のリンクに対応するチャネルを介して指示情報を搬送する、肯定応答フレームを受信することができる。このようにして、指示情報は、指示情報を搬送するために新しいシグナリング/フレームを追加することなく、既存のフレームで搬送することができる。これにより、デバイス間のシグナリングインターワーキングを削減する。
【0048】
可能な設計では、第3の態様または第3の態様の可能な設計に関連して、第1のリンクおよび第2のリンクは、マルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートし、第1のリンクおよび第2のリンクは、ピアマルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートしない。
【0049】
この可能な設計に基づいて、前述のマルチリンク通信方法は、マルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートし、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに実行され得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに、別のリンクによる第1のリンクとの干渉のため、ピアマルチリンクデバイスは第1のリンクを通じていかなるメッセージも受信しないので、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのチャネルのチャネル状態を不正確に判定し得るという問題を回避する。
【0050】
第4の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、第1の態様または第1の態様の可能な設計のマルチリンクデバイスによって実行される機能を実装することができ、機能は、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実装することができる。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する少なくとも1つのモジュールを含む。例えば、通信装置は、処理モジュールおよび送信モジュールを含む。
【0051】
処理モジュールは、異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートすることを示すリンクグループ化情報を生成するように構成される。
【0052】
送信モジュールは、リンクグループ化情報を送信するように構成される。
【0053】
通信装置の具体的な実装形態については、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つで提供されたマルチリンク通信方法におけるマルチリンクデバイスの行動機能を参照されたい。第4の態様の通信装置に基づいて、マルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報からリンクグループ化情報を選択し、リンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信することができる。マルチリンクデバイスが、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する従来の技術と比較して、リンクグループ化情報は単純であり、情報の量が削減される。加えて、ピアマルチリンクデバイスは、受信したリンクグループ化情報に基づいて、異なるリンクグループ内のリンクが同時データ送受信をサポートすることができることを明確に知ることができる。ピアマルチリンクデバイスは、データを受信するリンクのリンクグループとは異なるリンクグループ内のリンクを通じてマルチリンクデバイスにデータを送信することができる。これにより、マルチリンクデバイスが、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスの複雑さを低減し、処理効率を改善し、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷を低減する。
【0054】
可能な設計では、第4の態様に関連して、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがある。
【0055】
可能な設計に基づいて、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがある。これにより、リンクグループ内の任意の2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることができる場合を回避することができる。リンクグループ内の任意の2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることができる場合、リンクグループは、リンクグループの数を増加させるために、引き続きグループ化されてもよい。このようにして、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスと通信するとき、より多くのリンクグループから利用可能なリンクを選択することができる。
【0056】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、同じリンクグループ内の任意のリンクとの同時データ送受信をサポートしない少なくとも1つのリンクがある。
【0057】
この可能な設計に基づいて、同じリンクグループ内の他のリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクがある場合、リンクグループの数を増加させるために、新しいリンクグループが追加されてもよく、リンクは新しいリンクグループ内に配置される。このようにして、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスと通信するとき、より多くのリンクグループから利用可能なリンクを選択することができる。
【0058】
可能な設計では、第4の態様に関連して、リンクグループ化情報は、ビーコンフレーム、サウンディング応答フレーム、認証フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、またはリンクグループ化アクションフレームで搬送され得る。
【0059】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、ビーコンフレーム、サウンディング応答フレーム、認証フレーム、アソシエーション応答フレーム、または再アソシエーション応答フレームなどの既存のフレームにリンクグループ化情報を含み、リンクグループ化情報を搬送するための新しいフレームを追加することなく、既存のフレームをピアマルチリンクデバイスに送信することができる。これにより、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間のシグナリングインターワーキングを削減する。加えて、マルチリンクデバイスは、リンクグループ化情報を実行するために特に使用される、新しいリンクグループ化アクションフレームを作成することもできる。これは限定されない。
【0060】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、リンクグループ化情報は、各リンクのリンクプロファイルを含む。各リンクのリンクプロファイルは、リンクの動作クラス、リンクのチャネル番号、およびリンクが属するリンクグループのリンクグループ識別子を含むか、各リンクのリンクプロファイルは、リンクの動作クラス、リンクのチャネル番号、およびリンクのプライマリ/セカンダリリンク識別子を含むか、または各リンクのリンクプロファイルは、リンクの動作クラスおよびリンクのチャネル番号を含む。
【0061】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが関連するリンクプロファイルに基づいてリンクのいくつかの特性を識別するように、動作クラス、チャネル番号、リンクが属するリンクグループのリンクグループ識別子、ならびにプライマリ/セカンダリリンクなどのリンクの関連するリンクプロファイルを、ピアマルチリンクデバイスに送信することができる。このようにして、リンクの特性に基づいて対応する動作が実行され、これは単純で実装しやすい。加えて、リンクの特性を表すための関連情報は、リンクの関連情報を搬送するための余分な情報を追加することなく、リンクグループ化情報で搬送され、ピアマルチリンクデバイスに送信される。これにより、新たに追加された情報の交換に起因するオーバーヘッドが削減される。
【0062】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、送信モジュールは、同じリンクグループ内の少なくとも1つのリンクを通じて、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信し、ピアマルチリンクデバイスからデータを受信するように、さらに構成され得る。
【0063】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスと通信するとき、マルチリンクデバイスは、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクのうちのいくつかをアイドル状態で維持する代わりに、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクを効率的に利用できるように、同じリンクグループ内の少なくとも1つのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。このようにして、リンクリソース利用を改善することができる。
【0064】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、送信モジュールは、同じリンクグループ内のすべてのリンクを通じて、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信し、ピアマルチリンクデバイスからデータを受信するように、さらに構成され得る。
【0065】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスと通信するとき、マルチリンクデバイスは、リンクが解消を引き起こすので、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクのうちのリンクをアイドル状態で維持することなく、同時データ送受信をサポートしないすべてのリンクが効率的に利用されるように、同時データ送受信をサポートしないすべてのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。これにより、マルチリンク通信におけるリンクリソース利用を改善する。
【0066】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、同じリンクグループは、プライマリリンクおよびセカンダリリンクを含むことができる。マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスにデータを送信することは、以下を含み得る。マルチリンクデバイスは、プライマリリンク上でチャネルを競合し、プライマリリンク上のチャネルの競合に勝った後、競合に勝ったチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信し、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態がアイドルであるか、またはセカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルからアイドルに変化し、データがプライマリリンクを通じて送信されているとき、セカンダリリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。
【0067】
可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、同じリンクグループ内のリンクをプライマリリンクとセカンダリリンクとに分割する。マルチリンクデバイスは、プライマリリンク上でのみチャネルを競合してもよく、チャネルリソースの競合によって生じる消費を低減するように、セカンダリリンク上ではチャネルを競合する必要がない。加えて、チャネルの競合に勝った後、マルチリンクデバイスは、各リンクが効率的を効率的に利用できるように、アイドル状態のプライマリリンクおよびセカンダリリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信することができる。これにより、リンクリソース利用を改善する。
【0068】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態がアイドルであることは、以下を含み得る。セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であるとき、チャネル状態はアイドルであるか、またはセカンダリリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しく、セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であるとき、チャネル状態はアイドルである。
【0069】
この可能な設計に基づいて、セカンダリリンクがアイドル状態にあるか否かが、セカンダリリンクに対応するチャネルの信号エネルギーに基づいて、またはセカンダリリンクに対応するチャネルのNAVおよび信号エネルギーに基づいて判定され得る。このようにして、セカンダリリンクのチャネル状態がアイドルであると判定されたとき、セカンダリリンクを通じてデータを送信することができる。これにより、正常なデータ伝送を保証する。
【0070】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、プライマリリンクを通じて送信されたデータは第1の物理層プロトコルデータユニットPPDUで搬送され、セカンダリリンクを通じて送信されたデータは第2のPPDUで搬送され、第1のPPDUの終了時間と第2のPPDUの終了時間との時間差は第2の予め設定された閾値未満である。
【0071】
この可能な設計に基づいて、同じリンクグループ内のプライマリリンクおよびセカンダリリンクを通じて送信されたデータの終了時間の時間差は、同じリンクグループ内のプライマリリンクを通じたデータ送信とセカンダリリンクを通じたデータ送信とが同時に終了することを可能な限り保証するために、第2の予め設定された閾値未満であり得る。これにより、リンクグループ内のいくつかのリンクがデータを受信し、残りのリンクがデータを送信している場合に、同時データ送受信をサポートしないリンク間のデータ伝送の干渉を回避し、データ受信に影響を及ぼすことを回避する。
【0072】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、通信装置は、受信モジュールをさらに含む。受信モジュールは、ピアマルチリンクデバイスから、複数のプライマリリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを示す能力情報を受信するように構成される。
【0073】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスが能力情報に基づいてピアマルチリンクデバイスにデータを送信するために適切なリンクグループを選択できるように、能力情報を受信することができる。これにより、2つのリンクがマルチリンクデバイス内で同時データ送受信をサポートするがピアマルチリンクデバイス内では同時データ送受信をサポートせず、ピアマルチリンクデバイスへのデータを受信できないという問題を回避することができる。
【0074】
可能な設計では、第4の態様または第4の態様の可能な設計に関連して、マルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、マルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであるか、またはマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスである。
【0075】
この可能な設計に基づいて、マルチリンク通信方法は、マルチリンクステーションデバイス間の相互作用のシナリオ、またはマルチリンクステーションデバイスとマルチリンクアクセスポイントデバイスとの間の相互作用のシナリオに適用することができる。適用シナリオは多様化し、マルチリンク通信方法の適用柔軟性が改善される。
【0076】
第5の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、第2の態様または第2の態様の可能な設計のマルチリンクデバイスによって実行される機能を実装することができ、機能は、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実装することができる。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する少なくとも1つのモジュールを含む。例えば、通信装置は、処理モジュールおよび送信モジュールを含む。
【0077】
処理モジュールは、第1のリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値より大きく、第1のリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しくないとき、またはマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルを介してデータフレームを受信したときに、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す指示情報を生成するように構成される。
【0078】
送信モジュールは、ピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信するように構成される。
【0079】
通信装置の具体的な実装形態については、第2の態様または第2の態様の可能な設計のいずれか1つで提供されたマルチリンク通信方法におけるマルチリンクデバイスの行動機能を参照されたい。第5の態様の通信装置に基づいて、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが指示情報に基づいて第1のリンクのリンク状態を判定するように、非アイドル状態の第1のリンクをピアマルチリンクデバイスに示してもよい。これにより、リンク間干渉の場合にピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのリンク状態を不正確に判定するという既存の問題を回避する。
【0080】
可能な設計では、第5の態様に関連して、送信モジュールは、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信するように、特に構成される。
【0081】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、別のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信し得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を正しく知ることを保証する。
【0082】
可能な設計では、第5の態様または第5の態様の可能な設計に関連して、信モジュールは、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに肯定応答フレームを送信するように、特にさらに構成される。肯定応答フレームは指示情報を含み、肯定応答フレームは、マルチリンクデバイスが、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータを正確に受信したか否かを示す。
【0083】
この可能な設計に基づいて、マルチリンクデバイスは、データに対応する肯定応答フレームに指示情報を含め、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに肯定応答フレームを送信することができる。このようにして、指示情報は、指示情報を搬送するために新しいシグナリング/フレームを追加することなく、既存のフレームで搬送することができる。これにより、デバイス間のシグナリングインターワーキングを削減する。
【0084】
可能な設計では、第5の態様または第5の態様の可能な設計に関連して、第1のリンクおよび第2のリンクは、マルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートし、第1のリンクおよび第2のリンクは、ピアマルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートしない。
【0085】
この可能な設計に基づいて、前述のマルチリンク通信方法は、マルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートし、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに実行され得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに、別のリンクによる第1のリンクとの干渉のため、ピアマルチリンクデバイスは第1のリンクを通じていかなるメッセージも受信しないので、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのチャネルのチャネル状態を不正確に判定し得るという問題を回避する。
【0086】
第6の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、第3の態様または第3の態様の可能な設計のピアマルチリンクデバイスによって実行される機能を実装することができ、機能は、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実装することができる。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する少なくとも1つのモジュールを含む。例えば、通信装置は受信モジュールを含む。
【0087】
受信モジュールは、マルチリンクデバイスから、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す指示情報を受信するように構成される。
【0088】
通信装置の具体的な実装形態については、第3の態様または第3の態様の可能な設計のいずれか1つで提供されたマルチリンク通信方法におけるピアマルチリンクデバイスの行動機能を参照されたい。第6の態様の通信装置に基づいて、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが指示情報に基づいて第1のリンクのリンク状態を判定するように、マルチリンクデバイスによって示された非アイドル状態にある第1のリンクを受信することができる。これにより、リンク間干渉の場合にピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのリンク状態を不正確に判定するという既存の問題を回避する。
【0089】
可能な設計では、第6の態様または第6の態様の可能な設計に関連して、受信モジュールは、第2のリンクに対応するチャネルを通じて指示情報を受信するように特に構成される。
【0090】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスは、別のリンクに対応するチャネルを介してマルチリンクデバイスによって送信された指示情報を受信し得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を正しく知ることを保証する。
【0091】
可能な設計では、第6の態様または第6の態様の可能な設計に関連して、受信モジュールが第2のリンクに対応するチャネルを通じて指示情報を受信するように特に構成されることは、以下を含む。ピアマルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスから肯定応答フレームを受信する。肯定応答フレームは指示情報を含み、肯定応答フレームは、マルチリンクデバイスが、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータを正確に受信したか否かを示す。
【0092】
この可能な設計に基づいて、ピアマルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスによって送信され、第2のリンクに対応するチャネルを介して指示情報を搬送する、肯定応答フレームを受信することができる。このようにして、指示情報は、指示情報を搬送するために新しいシグナリング/フレームを追加することなく、既存のフレームで搬送することができる。これにより、デバイス間のシグナリングインターワーキングを削減する。
【0093】
可能な設計では、第6の態様または第6の態様の可能な設計に関連して、第1のリンクおよび第2のリンクは、マルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートし、第1のリンクおよび第2のリンクは、ピアマルチリンクデバイス上の同時データ送受信をサポートしない。
【0094】
この可能な設計に基づいて、前述のマルチリンク通信方法は、マルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートし、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに実行され得る。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクおよび第2のリンクを通じて同時データ送受信をサポートしないときに、別のリンクによる第1のリンクとの干渉のため、ピアマルチリンクデバイスは第1のリンクを通じていかなるメッセージも受信しないので、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクのチャネルのチャネル状態を不正確に判定し得るという問題を回避する。
【0095】
第7の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを含む。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサに結合され、少なくとも1つのメモリは、コンピュータプログラムコードまたはコンピュータ命令を記憶するように構成される。少なくとも1つのプロセッサがコンピュータ命令を実行すると、通信装置は、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法を実行するか、第2の態様または第2の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法実行するか、または第3の態様または第3の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法を実行することが可能になる。
【0096】
第8の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令またはプログラムを記憶する。コンピュータ命令またはプログラムがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法を実行するか、第2の態様または第2の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法実行するか、または第3の態様または第3の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法を実行することが可能になる。
【0097】
第9の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法を実行するか、第2の態様または第2の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法実行するか、または第3の態様または第3の態様の可能な設計のいずれか1つによるマルチリンク通信方法を実行することが可能になる。
【0098】
第7の態様から第9の態様の設計のいずれか1つにおいて達成される技術的効果については、第1の態様から第3の態様の可能な設計のいずれか1つにおいて達成される技術的効果を参照されたい。詳細については再度説明されない。
【0099】
第10の態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは、第4の態様または第4の態様の可能な設計のいずれか1つによる通信装置を含み、第5の態様または第5の態様の可能な設計のいずれか1つによる通信装置および第6の態様または第6の態様の可能な設計のいずれか1つによる通信装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1】本出願の一実施形態による通信システムの簡略化された概略図である。
図2】本出願の一実施形態による通信装置の概略組成図である。
図3a】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法の概略図である。
図3b】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法の概略図である。
図4】本出願の一実施形態による、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信の概略図である。
図5】本出願の一実施形態によるマルチリンクグループ化方法の概略図である。
図6a】本出願の一実施形態によるリンクグループ化情報のフレーム構造の概略図である。
図6b】本出願の一実施形態によるリンクグループ化情報のフレーム構造の概略図である。
図6c】本出願の一実施形態によるリンクグループ化情報のフレーム構造の概略図である。
図7】本出願の一実施形態によるリンクグループ化情報のフレーム構造の概略図である。
図8】本出願の一実施形態による能力情報のフレーム構造の概略図である。
図9】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法の概略図である。
図10a】本出願の一実施形態による、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信の概略図である。
図10b】本出願の一実施形態による、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信の概略図である。
図11】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法の概略図である。
図12】本出願の一実施形態による通信装置の概略組成図である。
図13】本出願の一実施形態による通信装置の概略組成図である。
図14】本出願の一実施形態による通信装置の概略組成図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
以下、本明細書の添付の図面を参照しながら、本出願の実装形態について詳細に説明する。
【0102】
本出願の実施形態で提供されるマルチリンク通信方法は、無線通信をサポートする任意の通信システム、例えば第2世代(second generation,2G)通信システム、第3世代(third generation,3G)通信システム、次世代通信システムモバイル通信用グローバルシステム(global system for mobile communications,GSM(登録商標))、符号分割多元接続(code division multiple access,CDMA)システム、時分割多元接続(time division multiple access,TDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access wireless,WCDMA(登録商標))システム、周波数分割多元接続(frequency division multiple addressing,FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency-division multiple access,OFDMA)システム、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)システム、汎用パケット無線サービス(general packet radio service,GPRS)システム、ロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)システム、およびこのタイプの他の通信システムに適用することができる。これは限定されない。本出願では、マルチリンク通信方法を説明するための例として、図1に示される通信システムが使用される。
【0103】
図1は、この出願の一実施形態に係る通信システムの概略図である。図1に示されるように、通信システムは、複数のマルチリンクデバイスを含み得る。マルチリンクデバイスは、マルチリンクアクセスポイントデバイスであってもよく、またはマルチリンクステーションデバイスであってもよい。マルチリンクアクセスポイントデバイスは、少なくとも1つのAPを含み得る。マルチリンクステーションデバイスは、少なくとも1つのSTAを含み得る。マルチリンクアクセスポイントデバイス上のAPは、予め設定されたリンクを通じてマルチリンクステーションデバイス上のSTAと通信することができる。例えば、AP1は、リンクL1を通じてSTA1と通信することができる。マルチリンクステーションデバイス内のSTAはまた、予め設定されたリンクを通じて別のマルチリンクステーションデバイスと通信することができ、すなわち、通信システムはマルチリンク通信を実施することができる。
【0104】
図1は例示的な図にすぎず、図1に含まれるデバイスの数は限定されないことに留意すべきである。図1に示されるデバイスに加えて、通信システムは、別のデバイスをさらに含んでもよい。これは限定されない。
【0105】
現在、図1に示される通信システムにおいて、デバイスが複数のリンクを通じて互いに通信するとき、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスに、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する。情報の量は大きい。ピアマルチリンクデバイスが情報を受信した後、マルチリンクデバイスにデータを送信するとき、ピアマルチリンクデバイスは、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを通じて受信した情報に基づいてマルチリンクデバイスにデータを送信する。情報量が大きいので、ピアマルチリンクデバイスが、受信した情報に基づいて、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスは面倒であり、効率は低く、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷は重い。
【0106】
本出願のこの実施形態では、同時データ送受信をサポートすること(simultaneously transmit and receive,STR)は、リンクを通じてデータを送信するときに、マルチリンクデバイスが別のリンクを通じてデータを受信し得ることを意味することに留意すべきである。これは、2つのリンクが同時データ送受信をサポートすると呼ばれる。同時データ送受信をサポートできないということは、リンクを通じてデータを送信するときに、マルチリンクデバイスが別のリンクを通じてデータを受信できないことを意味する。これは、2つのリンクが同時データ送受信をサポートできないと呼ばれる。
【0107】
前述の問題を解決するために、本出願のこの実施形態は、マルチリンク通信方法を提供する。マルチリンクデバイスは、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報からリンクグループ化情報を選択し、リンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信することができる。マルチリンクデバイスが、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する従来の技術と比較して、リンクグループ化情報は単純であり、情報の量が削減される。加えて、ピアマルチリンクデバイスは、受信したリンクグループ化情報に基づいて、異なるリンクグループ内のリンクが同時データ送受信をサポートすることができることを明確に知ることができる。ピアマルチリンクデバイスは、データを受信するリンクのリンクグループとは異なるリンクグループ内のリンクを通じてマルチリンクデバイスにデータを送信することができる。これにより、マルチリンクデバイスが、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスの複雑さを低減し、処理効率を改善し、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷を低減する。具体的なプロセスについては、図3aに対応する以下の実施形態の説明を参照されたい。
【0108】
本出願のこの本実施形態では、マルチリンクデバイスは図1のマルチリンクアクセスポイントデバイスであってもよく、ピアマルチリンクデバイスは図1のマルチリンクステーションデバイスであってもよい。あるいは、マルチリンクデバイスは図1のマルチリンクステーションデバイスであってもよく、ピアマルチリンクデバイスは図1のマルチリンクアクセスポイントデバイスであってもよい。あるいは、マルチリンクデバイスは図1のマルチリンクステーションデバイスであってもよく、ピアマルチリンクデバイスは別のマルチリンクステーションデバイスであってもよい。これは限定されない。マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間に複数のリンクが確立されてもよい。
【0109】
具体的な実装形態では、図1に示される各デバイス、例えば各マルチリンクデバイスまたは各ピアマルチリンクデバイスは、図2に示される組成構造を使用するか、または図2に示される構成要素を使用することができる。図2は、本出願の一実施形態による通信装置200の概略組成図である。通信装置200は、マルチリンクデバイス、またはマルチリンクデバイス内のチップまたはシステムオンチップであってもよい。あるいは、通信装置200は、ピアマルチリンクデバイス、またはピアマルチリンクデバイス内のチップまたはシステムオンチップであってもよい。図2に示されるように、通信装置200は、プロセッサ201、トランシーバ202、および通信回線203を含む。
【0110】
さらに、通信装置200は、メモリ204を含み得る。プロセッサ201、メモリ204、およびトランシーバ202は、通信回線203を通じて接続され得る。
【0111】
プロセッサ201は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、汎用プロセッサ、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processing、DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)またはこれらの任意の組み合わせである。あるいは、プロセッサ201は、処理機能を有する別の装置、例えば回路、構成要素、またはソフトウェアモジュールであってもよい。これは限定されない。
【0112】
トランシーバ202は、別のデバイスまたは別の通信ネットワークと通信するように構成される。別の通信ネットワークは、Ethernetネットワーク、無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks,WLAN)などであってもよい。トランシーバ202は、モジュール、回路、トランシーバ、または通信を実施することができる任意の装置であってもよい。
【0113】
通信回線203は、通信装置200に含まれる構成要素間で情報を伝送するように構成される。
【0114】
メモリ204は、命令を記憶するように構成される。命令は、コンピュータプログラムであってもよい。
【0115】
メモリ204は、読取り専用メモリ(read-only memory,ROM)もしくは静的な情報および/または命令を記憶することができる別のタイプの静的ストレージデバイス、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)もしくは情報および/または命令を記憶することができる別のタイプの動的ストレージデバイス、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory,EEPROM)、コンパクトディスク読取り専用メモリ(compact disc read-only memory,CD-ROM)もしくは他のコンパクトディスクストレージ、(圧縮光ディスク、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなどを含む)光ディスクストレージ、磁気ディスク記憶媒体もしくは別の磁気ストレージデバイスなどであってもよい。これは限定されない。
【0116】
メモリ204は、プロセッサ201から独立して存在してもよく、またはプロセッサ201と統合されてもよいことに留意すべきである。メモリ204は、命令、プログラムコード、何らかのデータなどを記憶するように構成され得る。メモリ204は、通信装置200の内部に位置してもよく、または通信装置200の外部に位置してもよい。これは限定されない。プロセッサ201は、本出願の以下の実施形態で提供されるマルチリンク通信方法を実施するために、メモリ204内に記憶された命令を実行するように構成される。
【0117】
一例では、プロセッサ201は、少なくとも1つのCPU、例えば図2のCPU0およびCPU1を含み得る。
【0118】
任意選択的な実装形態では、通信装置200は、複数のプロセッサを含む。例えば、図2のプロセッサ201に加えて、通信装置200は、プロセッサ207をさらに含んでもよい。
【0119】
任意選択的な実装形態では、通信装置200は、出力デバイス205および入力デバイス206をさらに含む。例えば、入力デバイス206は、キーボード、マウス、マイクロフォン、またはジョイスティックなどのデバイスであり、出力デバイス205は、ディスプレイまたはピーカ(speaker)などのデバイスである。
【0120】
通信装置200は、デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ネットワークサーバ、携帯電話、タブレットコンピュータ、無線端末、組込み型デバイス、チップシステム、または図2のものと同様の構造を有するデバイスであってもよいことに留意すべきである。加えて、図2に示される組成構造は、通信装置に対する制限を構成しない。図2に示される構成要素に加えて、通信装置は、図に示されている構成要素よりも多いまたは少ない構成要素を含んでもよく、いくつかの構成要素を組み合わせてもよく、または異なる構成要素配置を有してもよい。
【0121】
本出願の実施形態では、チップシステムは、チップを含んでもよく、またはチップおよび別の個別構成要素を含んでもよい。
【0122】
加えて、本出願の実施形態における動作、用語などを相互に参照することができる。これは限定されない。本出願の実施形態では、デバイス間で交換されるメッセージの名前、メッセージ中のパラメータの名前などは、単なる例である。別の名前が代わりに使用されてもよい。これは限定されない。
【0123】
図1に示される通信システムを参照して、以下では、マルチリンクデバイスが複数のリンクを通じてピアマルチリンクデバイスと通信する例を使用して、本出願の実施形態で提供されるマルチリンク通信方法を説明する。以下の実施形態に記載されるマルチリンクデバイスおよびピアマルチリンクデバイスは、図2に示される構成要素を有することができる。
【0124】
図3aは、本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法を示す。方法は、いくつかのリンクを効率的に利用できないためにリンクリソースが浪費される、従来のマルチリンク通信の技術的問題を解決するために使用され得る。図3aに示されるように、方法は以下のステップを含み得る。
【0125】
ステップ301:マルチリンクデバイスがリンクグループ化情報を生成する。リンクグループ化は、以下の特性を満たす。異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートする。
【0126】
同時送受信は、同じ期間内に、いくつかのリンクで送信が行われ、同時に別のリンクで受信が行われることを意味し、これはsimultaneously transmit and receive(STR)である。
【0127】
任意選択的に、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがある。あるいは、言い換えると、リンクグループ内のリンクLについて、同じリンクグループ内に少なくとも1つの別のリンクL*があり、リンクL*およびリンクLは同時データ送受信をサポートすることができない。
【0128】
具体的には、これにより、リンクグループ内の任意の2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることができる場合を回避することができる。リンクグループ内の任意の2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることができる場合、リンクグループは、リンクグループの数を増加させるために、引き続きグループ化されてもよい。このようにして、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスと通信するとき、より多くのリンクグループから利用可能なリンクを選択することができる。
【0129】
任意選択的に、同じリンクグループ内の任意のリンクとの同時データ送受信をサポートしない少なくとも1つのリンクがある。あるいは、言い換えると、リンクグループ内の任意のリンクLについて、同じリンクグループ内に少なくとも1つの別のリンクL*があり、リンクL*およびリンクLは同時データ送受信をサポートすることができない。
【0130】
具体的には、同じリンクグループ内の他のリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクがある場合、リンクグループの数を増加させるために、新しいリンクグループが追加されてもよく、リンクは新しいリンクグループ内に配置される。このようにして、マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスと通信するとき、より多くのリンクグループから利用可能なリンクを選択することができる。
【0131】
可能な設計では、マルチリンクデバイスは、リンクグループ化情報を取得するために、グループ化ルールにしたがって、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに基づいて、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクをグループ化することができる。
【0132】
グループ化ルールは、以下の3つのうちのいずれか1つであってもよい。
【0133】
ルール1:異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートする。
【0134】
ルール2:異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートし、同じリンクグループ内に同時データ送受信をサポートしない少なくとも2つのリンクがある。
【0135】
ルール3:異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートし、同じリンクグループ内に任意のリンクとの同時データ送受信をサポートしない少なくとも1つのリンクがある。
【0136】
一例としてルール3を使用して複数のリンクをグループ化する方法については、図5に対応する以下の実施形態の説明を参照されたい。
【0137】
例えば、図4では、マルチリンクデバイスは、通信のためにリンクL1、L2、L3、またはL4を通じてピアマルチリンクデバイスに接続され、すなわち、複数のリンクは、L1、L2、L3、およびL4を含む。L1およびL2が同時データ送受信をサポートしない場合、L2およびL3は同時データ送受信をサポートせず、L1およびL3は同時データ送受信をサポートし、L4およびL1ならびにL2およびL3は同時データ送受信をサポートする。前述のグループ化ルールによれば、L1、L2、およびL3はリンクグループ1にグループ化されてもよく、L4はリンクグループ2にグループ化されてもよい。
【0138】
ステップ302:マルチリンクデバイスがリンクグループ化情報を送信する。
【0139】
具体的には、複数のリンクをグループ化した後、マルチリンクデバイスは、グループ化結果をリンクグループ化情報の形態でピアマルチリンクデバイスに送信する。リンクグループ化情報の詳細については、図6aから図6cに対応する以下の実施形態の説明を参照されたい。
【0140】
図3aによる方法に基づいて、マルチリンクデバイスは、リンクグループ化情報を生成し、リンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信する。マルチリンクデバイスが、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する情報を送信する従来の技術と比較して、リンクグループ化情報は単純であり、情報の量が削減される。加えて、ピアマルチリンクデバイスは、受信したリンクグループ化情報に基づいて、異なるリンクグループ内のリンクが同時データ送受信をサポートすることができることを明確に知ることができる。ピアマルチリンクデバイスは、データを受信するリンクのリンクグループとは異なるリンクグループ内のリンクを通じてマルチリンクデバイスにデータを送信することができる。これにより、マルチリンクデバイスが、データを受信しているリンクとの同時データ送受信をサポートすることができるリンクを判定するプロセスの複雑さを低減し、処理効率を改善し、ピアマルチリンクデバイスの処理負荷を低減する。
【0141】
任意選択的に、図3bに示されるように、方法は、ステップ303およびステップ304をさらに含み得る。
【0142】
ステップ303:ピアマルチリンクデバイスが能力情報をマルチリンクデバイスに送信する。
【0143】
リンクグループ化情報を受信した後、ピアマルチリンクデバイスは、能力情報を取得するために、マルチリンクデバイスによる複数のリンクのグループ化結果に基づいて、ピアマルチリンクデバイスが複数のリンクグループ内の任意の2つのリンク間の同時データ送受信をサポートするか否かを判定し、能力情報をマルチリンクデバイスに送信することができる。
【0144】
能力情報は、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを示すことができる。能力情報のフレーム構造については、図8の以下の説明を参照されたい。
【0145】
ステップ304:マルチリンクデバイスがリンクグループを通じてピアマルチリンクデバイスと通信する。
【0146】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、リンクグループ化情報および能力情報に基づいて、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信するか、またはピアマルチリンクデバイスからデータを受信する。
【0147】
ステップ301において、予め設定されたグループ化ルールのルール3における複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに基づいてマルチリンクデバイスが複数のリンクをグループ化するプロセスについては、図5を参照されたい。図5は、本出願の一実施形態によるマルチリンクグループ化方法を示す。図5に示されるように、マルチリンクグループ化方法は、具体的には以下のステップを含み得る。
【0148】
ステップ501:マルチリンクデバイスが複数のリンクのリンクセットを判定する。
【0149】
リンクセットは、A={L1,L2,L3,...,Li,...,Ln}であってもよく、ここでLiは、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間のi番目のリンクを表す。
【0150】
例えば、図4において、マルチリンクデバイスは、通信のためにリンクL1、L2、L3、またはL4を通じてピアマルチリンクデバイスに接続され、マルチリンクデバイスは、複数のリンクに基づいてリンクセットA={L1,L2,L3,L4}を判定することができる。
【0151】
ステップ502:マルチリンクデバイスが、新しい空のリンクグループを生成し、リンクセットからリンクを選択し、リンクをリンクグループ内に配置する。
【0152】
例えば、マルチリンクデバイスは、リンクグループGkを生成性、リンクセットAからリンクLiを選択し、LiをGkに入れてもよい。Liは、リンクセット内の任意のリンクであり得、例えば最初のリンク、中間のリンク、または最後のリンクであってもよい。これは限定されない。
【0153】
さらに、マルチリンクデバイスは、リンクグループ内に配置されたリンクをリンクセットから削除し、すなわち、リンクセットAからLiを削除してもよい。
【0154】
例えば、図4において、マルチリンクデバイスは、リンクグループG1を生成してもよく、リンク命名順にしたがってリンクセットAから第1のリンクL1を選択し、L1をG1内に配置し、L1をリンクセットAから削除してもよい。
【0155】
ステップ503:マルチリンクデバイスは、最終リンクグループを取得するために、リンクセット内の各リンクをトラバースし、予め設定された条件を満たすリンクをリンクグループ内に配置する。
【0156】
予め設定された条件は、現在のリンクおよびリンクグループ内の少なくとも1つのリンクが同時データ送受信をサポートしないか、または現在のリンクおよびリンクグループ内の他のすべてのリンクが同時データ送受信をサポートしないことを含み得る。具体的には、マルチリンクデバイスは、2つのリンクが以下の方法(1)、方法(2)、または方法(3)で同時データ送受信をサポートするかを判定することができる。
【0157】
方法(1):マルチリンクデバイスは、周波数領域内の2つのリンク間の距離に基づいて、2つのリンクが同時データ送受信をサポートするか否かを判定する。周波数領域内の2つのリンク間の距離が距離閾値未満である場合、2つのリンクは同時データ送受信をサポートしないと考えられる。
【0158】
周波数領域内の2つのリンク間の距離は、2つのリンクが位置する周波数帯域間の距離であり得る。
【0159】
距離閾値は、同時データ送受信をサポートすることができる2つのリンクの周波数帯域間の最短距離以上である。
【0160】
方法(2):マルチリンクデバイスは、代替的に、2つのリンクの周波数位置に基づいて、2つのリンクが同時データ送受信をサポートするか否かを判定することができる。2つのリンクの周波数位置が整数倍の関係を満たす場合、2つのリンクは同時データ送受信をサポートしないと考えられる。帯域幅閾値は、同時データ送受信をサポートすることができる2つのリンクのリンク帯域幅の差の最小値以上である。
【0161】
方法(3):マルチリンクデバイスは、任意の2つのリンク上のデータ送受信を測定し、測定結果に基づいて、2つのリンクが同時データ送受信をサポートするか否かを判定する。例えば、あるリンク上でデータを送信するとき、マルチリンクデバイスは、別のリンク上のデータ受信状況を測定することができる。受信データのエネルギーが予め設定された閾値未満である場合、2つのリンクは同時データ送受信をサポートすると考えられる。そうでなければ、2つのリンクは同時データ送受信をサポートしないと考えられる。
【0162】
さらに、マルチリンクデバイスは、予め設定された条件を満たすリンクをリンクグループ内に配置した後、リンクセットからリンクを削除してもよい。
【0163】
リンクセット内の各リンクについて、マルチリンクデバイスは、予め設定された条件にしたがって、リンクグループ内の現在のリンクおよび既存のリンクを判定する。現在のリンクとの同時データ送受信をサポートしないリンクグループ内に少なくとも1つのリンクがある場合、マルチリンクデバイスは、現在のリンクをリンクグループ内に配置し、リンクセットから現在のリンクを削除する。そうでなければ、マルチリンクデバイスは、現在のリンクをスキップし、引き続きリンクセット内の別のリンクを判定する。
【0164】
例えば、図4では、リンクグループG1は、リンクL1を既に含んでいる。マルチリンクデバイスは、リンク命名順にしたがってリンクセットAからリンクL2を削除し、L2とL1との間で同時データ送受信がサポートされているか否かを判定することができる。L2とL1との間で同時データ送受信がサポートされていない場合、マルチリンクデバイスは、G1にL2を追加し、リンクセットAからL2を削除する。そうでなければ、マルチリンクデバイスは、L2をスキップし、リンクセットAからL3を選択し、L3とL1との間で同時データ送受信がサポートされているか否かを判定する。L3とL1との間で同時データ送受信がサポートされていない場合、マルチリンクデバイスは、L3をG1に配置し、リンクセットAからL3を削除する。そうでなければ、マルチリンクデバイスは、L3をスキップし、リンクセットからL4を選択し、L4とL1との間で同時データ送受信がサポートされているか否かを判定する。L4とL1との間で同時データ送受信がサポートされていない場合、マルチリンクデバイスは、L4をG1に配置し、リンクセットAからL4を削除する。
【0165】
L2およびL1が同時データ送受信をサポートしないとき、マルチリンクデバイスは、L2をG1に配置する。この場合、G1はL1およびL2を含む。マルチリンクデバイスは、リンク命名順にしたがってリンクセットAからリンクL3を削除し、L3とL1との間およびL3とL2との間で同時データ送受信がサポートされているか否かを別々に判定することができる。L3とL1との間で同時データ送受信がサポートされていないとき、またはL3とL2との間で同時データ送受信がサポートされていないとき、マルチリンクデバイスは、L3をG1に配置し、リンクセットAからL3を削除する。そうでなければ、L3とL1との間およびL3とL2との間で同時データ送受信がサポートされている場合、マルチリンクデバイスは、L3をスキップし、リンクセットAからL4を削除し、L4とL1との間およびL4とL2との間で同時データ送受信がサポートされているか否かを判定し、判定結果に基づいて、L4をG1に配置するか否かを判定する。
【0166】
リンクセット内の各リンクは、判定方法にしたがって判定される。予め設定された条件を満たすリンクは、最終リンクグループを取得するためにリンクグループ内に配置される。
【0167】
ステップ503でリンクグループG1に新しいリンクが配置された場合、リンクグループG1にリンクが配置できなくなるまでステップ503が繰り返される。
【0168】
ステップ504:マルチリンクデバイスがステップ503にしたがってリンクグループに含まれるリンクを判定した後、現在のリンクセットが空のセットではない場合、マルチリンクデバイスは、リンクセットが空のセットになるまで、少なくとも1つの残りのリンクグループを判定するためにステップ502およびステップ503を繰り返す。
【0169】
現在のリンクセットは、リンクグループ内に配置されたリンクが削除された後に取得されたリンクセットである。
【0170】
ステップ503の後、現在のリンクセットが空のセットではない場合、マルチリンクデバイスは、最終リンクグループを取得するために、別の空のリンクグループを生成するためにステップ502およびステップ503を繰り返し、現在のリンクセットから空のリンクグループまでのリンクを選択し、現在のリンクセットからリンクを削除し、ステップ503の判定方法で現在のリンクセット内の別のリンクに対して判定を実行し、予め設定された条件を満たすリンクをリンクグループに配置する。
【0171】
例えば、図4では、ステップ502およびステップ503によれば、マルチリンクデバイスによって取得された第1のリンクグループがL1、L2およびL3を含む場合、現在のリンクセットはL4をさらに含む。この場合、マルチリンクデバイスは、第2のリンクグループを生成し、L4を第2のリンクグループに配置し、現在のリンクセットからL4を削除する。現在のリンクセットは空のセットであり、マルチリンクデバイスはグループ化を完了する。
【0172】
現在のリンクセット内にL4の他に別のリンクがある場合、別のリンクは1つずつ判定され、判定結果に基づいて、別のリンクが第2のリンクグループに配置されるか否かが判定される。処理プロセスは、ステップ503の処理プロセスと同じである。詳細については再度説明されない。
【0173】
ステップ501からステップ504は、複数のリンクをグループ化する実装形態である。グループ化方法は、代替的に別の方法であってもよい。これは限定されない。
【0174】
任意選択的に、図3aおよび図3bに湿される方法では、シグナリングインターワーキングを削減するために、マルチリンクデバイスは、例えば、ビーコンフレーム、サウンディング応答フレーム、認証フレーム、アソシエーション応答フレーム、または再アソシエーション応答フレームなどの既存のフレームでリンクグループ化情報を搬送し、既存のフレームをピアマルチリンクデバイスに送信することができる。マルチリンクデバイスは、新しいフレーム、例えばリンクグループ化アクションフレームをさらに定義し、リンクグループ化アクションフレームでリンクグループ化情報を搬送し、リンクグループ化アクションフレームをピアマルチリンクデバイスに送信してもよい。これは本出願では限定されない。ビーコンフレーム、サウンディング応答フレーム、認証フレーム、アソシエーション応答フレーム、および再アソシエーション応答フレームのフレーム構造は、従来の技術のフレーム構造と同じであってもよく、本出願では詳細を説明しない。
【0175】
以下では、リンクグループ化情報を説明するための例として、図6a図6b、および図6cを使用する。
【0176】
図6aに示されるように、リンクグループ化情報は複数のリンクプロファイルフィールドを含み、各リンクプロファイルフィールドは、リンクグループ識別子フィールド(link group ID)、動作クラスフィールド、およびチャネル番号フィールドを含む。動作クラスおよびチャネル番号はリンクを識別する。リンクグループ識別子は、リンクが動作クラスによって識別されてチャネル番号が位置するリンクグループを識別する。2つのリンクのリンクグループ識別子フィールドが異なる場合、これは、2つのリンクが異なるリンクグループに属することを示す。このように、リンクグループ識別子フィールドを使用してリンクグループを区別することができる。
【0177】
任意選択的に、各リンクプロファイルフィールドは、周波数帯域識別子フィールド、MACアドレスフィールド、リンク識別子フィールド、およびプライマリ/セカンダリリンク識別子フィールドをさらに含む。周波数帯域識別子は、リンクの周波数帯域番号を示す。MACアドレスは、マルチリンクデバイス上にあり、リンク上で動作するステーションのMACアドレスを示す。リンク識別子は、リンクの識別子または番号を示す。マルチリンクデバイスは、リンクを識別するために、各リンクに一意の識別子番号を割り当てることができる。プライマリ/セカンダリリンク識別子は、現在のリンクがプライマリリンクまたはセカンダリリンクであることを示す。
【0178】
任意選択的に、リンクグループ化情報は、リンク数フィールドをさらに含む。リンク数は、リンクグループ化情報内のリンクプロファイルフィールドの数を示す。
【0179】
図6bに示されるように、リンクグループ化情報は複数のリンクプロファイルフィールドを含み、各リンクプロファイルフィールドは、プライマリ/セカンダリリンク識別子、動作クラス、およびチャネル番号を含む。動作クラスおよびチャネル番号はリンクを識別する。プライマリ/セカンダリリンク識別子は、現在のリンクがプライマリリンクまたはセカンダリリンクであることを示す。2つのリンクが両方ともプライマリリンクである場合、これは、2つのリンクが異なるリンクグループに属することを示す。このように、プライマリ/セカンダリリンク識別子を使用してリンクグループを区別することができる。
【0180】
任意選択的に、リンクグループ化情報では、現在のリンクグループ内の各セカンダリリンクのリンクプロファイルは、現在のリンクグループ内のプライマリリンクのリンクプロファイルの後に配置されてもよく、次いで、次のリンクグループのプライマリリンクのリンクプロファイルおよびセカンダリリンクのリンクプロファイルが配置される。
【0181】
任意選択的に、各リンクプロファイルフィールドは、周波数帯域識別子フィールド、MACアドレスフィールド、リンク識別子フィールド、およびリンクグループ識別子フィールドをさらに含む。周波数帯域識別子は、リンクの周波数帯域番号を示す。MACアドレスは、マルチリンクデバイス上にあり、リンク上で動作するステーションのMACアドレスを示す。リンク識別子は、リンクの識別子または番号を示す。マルチリンクデバイスは、リンクを識別するために、各リンクに一意の識別子番号を割り当てることができる。リンクグループ識別子は、リンクが動作クラスによって識別されてチャネル番号が位置するリンクグループを示す。
【0182】
任意選択的に、リンクグループ化情報は、リンク数フィールドをさらに含む。リンク数は、リンクグループ化情報内のリンクプロファイルフィールドの数を示す。
【0183】
図6cに示されるように、リンクグループ化情報は、グループ数フィールド、グループごとのリンク数フィールド、および複数のリンクプロファイルフィールドを含む。グループ数は、リンクグループ化情報に含まれるリンクグループの数を示す。グループごとのリンク数は、リンキンググループ情報内の各リンクグループに含まれるリンクの数を示す。各リンクプロファイルフィールドは、動作クラスおよびチャネル番号を含み、動作クラスおよびチャネル番号はリンクを識別する。
【0184】
具体的には、各リンクグループのプライマリリンクのリンクプロファイルは、リンクグループの第1のリンクプロファイルフィールドに配置され、セカンダリリンクのリンクプロファイルは、プライマリリンクに対応するリンクプロファイルフィールドに続くリンクプロファイルフィールドに順次配置される。デフォルトでは、各リンクグループの第1のリンクプロファイルフィールドは、プライマリリンクのリンクプロファイルである。
【0185】
任意選択的に、各リンクプロファイルフィールドは、周波数帯域識別子フィールド、MACアドレスフィールド、リンク識別子フィールド、リンクグループ識別子フィールド、およびプライマリ/セカンダリリンク識別子フィールドをさらに含む。周波数帯域識別子は、リンクの周波数帯域番号を示す。MACアドレスは、マルチリンクデバイス上にあり、リンク上で動作するステーションのMACアドレスを示す。リンク識別子は、リンクの識別子または番号を示す。マルチリンクデバイスは、リンクを識別するために、各リンクに一意の識別子番号を割り当てることができる。リンクグループ識別子は、リンクが動作クラスによって識別されてチャネル番号が位置するリンクグループを示す。プライマリ/セカンダリリンク識別子は、現在のリンクがプライマリリンクまたはセカンダリリンクであることを示す。
【0186】
図6a図6b、および図6cでは、(任意選択)は、マルチリンクデバイスが、前述の方法または要件にしたがってフィールドを含むか否かを判定し得ることを示すことに留意すべきである。これは限定されない。
【0187】
実際の用途では、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信環境は変化し得る。マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信環境が変化すると、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間に新しいリンクが追加されてもよく、または元のリンクが削除されてもよい。この場合、図5に示される方法にしたがってマルチリンクデバイスによって判定されたリンクグループ化情報は変化し得る。
【0188】
変化したリンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに適時に通知するために、リンクグループ化情報が変化すると、マルチリンクデバイスは、変化したリンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスにさらに送信する。
【0189】
例えば、マルチリンクデバイスは、変化したリンクグループ化情報全体をピアマルチリンクデバイスに送信してもよく、またはリンクグループ化情報の変化した部分のみをピアマルチリンクデバイスに送信してもよい。
【0190】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信してもよい。指示情報は、マルチリンクデバイスによって送信されたリンクグループ化情報が、リンクグループ化情報の全体であるか変化した部分のみであるかを示すことができる。
【0191】
マルチリンクデバイスがリンクグループ化情報の変化した部分のみをピアマルチリンクデバイスに送信するとき、リンクグループ化情報のリンクプロファイルフィールドは、リンクプロファイルが変化したリンクのみを含んでもよい。リンクグループ化情報は、リンクグループ化情報のリンクプロファイルフィールドによって示されたリンクのリンクプロファイルが変化したことを示す制御フィールドを含み得る。制御フィールドは、カウンタフィールドをさらに含んでもよい。カウンタフィールドの値が変化した場合、これは、リンクグループ化情報のリンクプロファイルフィールドによって示されたリンクのリンクプロファイルが変化したことを示す。
【0192】
図7に示されるように、リンクグループ化情報は、制御フィールド(Control)を含み得る。制御フィールドは部分フィールド(Partial)を含み、部分フィールドは、リンクグループ化情報のリンクプロファイルフィールドが、リンクプロファイルが変化したリンクのみを含むことを示す。制御フィールドは、カウンタ(Counter)フィールドをさらに含む。カウンタフィールドの値が変化した場合、これは、リンクグループ化情報のリンクプロファイルフィールドによって示されたリンクのリンクプロファイルが変化したことを示す。
【0193】
図7では、(任意選択)は、マルチリンクデバイスが、前述の方法または要件にしたがってフィールドを含むか否かを判定し得ることを示すことに留意すべきである。これは限定されない。
【0194】
図3bに示されるように、ステップ303において、マルチリンクデバイスによって送信されたリンクグループ化情報を取得した後、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスの能力情報をマルチリンクデバイスに送信することができる。能力情報は、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを示す。
【0195】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは少なくとも1つのリンクグループを取得するために複数のリンクをグループ化しているので、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスによって複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを判定することによって生じる消費電力を削減するように、複数のリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かに関する能力情報をマルチリンクデバイスに送信することなく、複数のプライマリリンクのうちの任意の2つが同時データ送受信をサポートするか否かを示す能力情報を、マルチリンクデバイスに送信してもよい。
【0196】
マルチリンクデバイスは、2つのリンク間の同時データ送受信をサポートしてもよいが、ピアマルチリンクデバイスは、2つのリンク間の同時データ送受信をサポートしない。したがって、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスが複数のリンクのうちの任意の2つの間の同時データ送受信をサポートするか否かに関する能力情報をピアマルチリンクデバイスがマルチリンクデバイスに送信するように、リンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信することができる。ピアマルチリンクデバイスが2つのリンク間の信号送信干渉によってデータを正常に受信できないケースを回避するために、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信するとき、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスによって送信された能力情報に基づいて、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信するように複数のリンクグループを設定することができ、ピアマルチリンクデバイスの複数のリンクグループは同時データ送受信をサポートしない。
【0197】
マルチリンクデバイスが複数のリンクをグループ化した後、異なるリンクグループに属する2つのリンクは両方とも同時データ送受信をサポートする。したがって、マルチリンクデバイスがリンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信した後、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスの複数のリンクのうちの任意の2つの間の同時データ送受信をサポートするか否かに関する能力情報をマルチリンクデバイスに送信することなく、ピアマルチリンクデバイスが複数のプライマリリンクのうちの任意の2つの間の同時データ送受信をサポートするか否かに関する能力情報をマルチリンクデバイスに送信することができる。
【0198】
可能な設計では、能力情報のフレーム構造は、図8に示されており、複数のリンクペアプロファイル(Link Pair Profile)フィールドを含むことができる。各リンクペアプロファイルフィールドは、2つのリンクの識別子、例えば、リンク1識別子(Link 1 ID)およびリンク2識別子(Link 2 ID)を含み得る。識別子は、識別子に対応する2つのリンクが同時データ送受信をサポートし得ることを示すが、または識別子に対応する2つのリンクが同時データ送受信をサポートしないことを示す。
【0199】
別の可能な設計では、能力情報のフレーム構造において、リンクペアプロファイルフィールドは2つの識別子を含み得る。一方は第1のリンクの識別子であり、他方は、第1のリンクとの同時データ送受信をサポートする複数のリンクのリンクIDの積であるか、またはリンクとの同時データ送受信をサポートしないリンクのリンクIDの積である。第1のリンク以外の別のリンクのリンクIDは、素数に設定されてもよい。
【0200】
リンクペアプロファイルフィールドが、第1のリンクの識別子と、第1のリンクとの同時データ送受信をサポートする複数のリンクのリンクIDの積とを含むことが、一例として使用される。第1のリンクの識別子は2であり、第2のリンクの識別子は3であり、第3のリンクの識別子は5であり、第4のリンクの識別子は7であり、第1のリンクおよび第2のリンクは同時データ送受信をサポートし、第1のリンクおよび第3のリンクは同時データ送受信をサポートし、第1のリンクおよび第4のリンクもまた同時データ送受信をサポートすると想定される。第2のリンク、第3のリンク、および第4のリンクの識別子の積105、ならびに第1のリンクの識別子2が、リンクペアプロファイルフィールドに配置される。リンクペアプロファイルフィールドを受信した後、マルチリンクデバイスは、第2のリンク、第3のリンク、および第4のリンクの識別子を取得するために、105に対して因数分解を実行する。リンクペアプロファイルフィールドから、第1のリンクが、第2のリンク、第3のリンク、および第4のリンクとの同時データ送受信をサポートすることがわかるだろう。
【0201】
別の可能な設計では、能力情報のフレーム構造において、リンクペアプロファイルフィールドはビットマップを含んでもよく、ビットマップの各ビットはリンクを表す。例えば、ビットマップ内のインデックス値がiであるビットは、リンク識別子がiであるリンクを表す。ビットマップでは、2つのリンクが同時データ送受信をサポートできることを示すため、または2つのリンクが同時データ送受信をサポートできないことを示すために、2つのリンクに対応するビットは別々に1に設定され得る。ビットマップでは、1に設定された2つのビットを除くすべてのビットは0に設定される。
【0202】
あるいは、図8に示されるように、前述の2つの可能な実装形態における能力情報は、制御フィールド(Control)をさらに含んでもよい。制御フィールドは、指示情報フィールド(Indication)を含んでもよい。指示情報フィールドは、リンクペアプロファイルフィールドによって示される2つのリンクが同時データ送受信をサポートすることを示すか、またはリンクペアプロファイルフィールドによって示される2つのリンクが同時データ送受信をサポートしないことを示す。
【0203】
図8では、(任意選択)は、マルチリンクデバイスが、前述の方法または要件にしたがってフィールドを含むか否かを判定し得ることを示すことに留意すべきである。これは限定されない。
【0204】
マルチリンクデバイスがリンクをグループ化し、リンクグループ化情報をピアマルチリンクデバイスに送信した後、マルチリンクデバイスは、リンクグループ化に基づいてピアマルチリンクデバイスと通信することができる。例えば、マルチリンクデバイスは、あるリンクがデータを送信しており、同時データ送受信をサポートしない別のリンクが影響を受けてデータを受信できないケースを回避するために、ピアマルチリンクデバイスにデータを送信するか、または同じリンクグループ内の少なくとも1つのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスからデータを受信する。加えて、同時データ送受信をサポートしない複数のリンクが効率的に利用される。これにより、マルチリンク通信におけるリンクリソース利用を改善する。
【0205】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが同じリンクグループ内の少なくとも1つのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信するかまたはピアマルチリンクデバイスからデータを受信することは、マルチリンクデバイスが同じリンクグループ内のいくつかのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信するかまたはピアマルチリンクデバイスからデータを受信すること、もしくはマルチリンクデバイスが同じリンクグループ内のすべてのリンクを通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信するかまたはピアマルチリンクデバイスからデータを受信することを含む。
【0206】
例えば、図4では、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間に2つのリンクグループ、リンクグループ1およびリンクグループ2がある。リンクグループ1はL1、L2、およびL3を含み、リンクグループ2はL4を含む。マルチリンクデバイスがピアマルチリンクデバイスにデータを送信するかまたはピアマルチリンクデバイスからデータを受信するとき、リンクグループ1のL1およびL2を使用することができ、リンクグループ1のL1、L2、およびL3を使用することができ、リンクグループ2のL4を使用することができ、リンクグループ1およびリンクグループ2のL2、L3、およびL4を使用することができ、またはリンクグループ1およびリンクグループ2のL1、L2、L3、およびL4を使用することができる。これは限定されない。
【0207】
具体的には、図3bに示されるように、ステップ304マルチリンクデバイスがリンクグループ を通じてピアマルチリンクデバイスにデータを送信するプロセスについては、図9を参照されたい。
【0208】
図9は、本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法を示す。図9に示されるように、マルチリンク通信方法は、具体的には以下のステップを含み得る。
【0209】
ステップ901:マルチリンクデバイスは、プライマリリンク上でチャネルを競合し、プライマリリンク上でのチャネルの競合に勝った後、競合に勝ったチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。
【0210】
リンクを通じて通信を行うとき、マルチリンクデバイスは、リンクに対応するチャネル上でデータを伝送することによって通信を実施する。しかしながら、チャネルは複数のマルチリンクデバイスおよび複数のピアマルチリンクデバイスによって共有されるので、マルチリンクデバイスは通常、チャネル競合メカニズムにしたがってプライマリリンク上でチャネルを競合する必要があり、プライマリリンク上でのチャネルの競合に勝った後、競合に勝ったチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。チャネル競合メカニズムについては、従来の技術を参照されたい。詳細については再度説明されない。
【0211】
例えば、マルチリンクデバイスはマルチリンクステーションデバイスであり、ピアマルチリンクデバイスはマルチリンクアクセスポイントデバイスであると想定される。マルチリンクアクセスポイントデバイスのAP1は、リンクL1に対応するチャネルを介して、マルチリンクステーションデバイス1のSTA11またはマルチリンクステーションデバイス2のSTA12と通信する。マルチリンクステーションデバイス1のSTA11またはマルチリンクステーションデバイス2のSTA12は両方ともリンクL1に対応するチャネルを介してマルチリンクアクセスポイントデバイスのAP1と通信する必要があるので、マルチリンクステーションデバイス1およびマルチリンクステーションデバイス2はチャネルを競合する必要があり、チャネルの競合に勝ったマルチリンクステーションデバイスは、競合に勝ったチャネルを介してマルチリンクアクセスポイントデバイスにデータを送信する。
【0212】
同じリンクグループ内のリンクについては、マルチリンクデバイスがプライマリリンク上の競合に勝ったチャネルを介してデータを送信するとき、同時データ送受信をサポートしないリンク間の信号送信干渉によってデータを正常に受信できないケースを回避するために、マルチリンクデバイスはまた、セカンダリリンクに対応するチャネルを介してデータを送信する。あるいは、マルチリンクデバイスがセカンダリリンクを通じてデータを送信する必要があるとき、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンク上で同時にデータ伝送を行ってもよい。
【0213】
ステップ902:マルチリンクデバイスは、各セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態を判定し、チャネル状態がアイドルである場合にはステップ903を実行するか、またはチャネル状態が非アイドルである場合にはステップ904を実行する。
【0214】
マルチリンクデバイスがプライマリリンクおよびセカンダリリンクを通じてデータを送信するとき、セカンダリリンクに対応するチャネルは別のマルチリンクデバイスによって占有される場合があり、マルチリンクデバイスはセカンダリリンクを通じてデータを送信することができない。したがって、マルチリンクデバイスは、各セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態を判定することができる。
【0215】
可能な設計では、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンク上の信号エネルギーを監視してもよく、セカンダリリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しく、セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値である場合には、チャネル状態がアイドルであると判定する。
【0216】
具体的には、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンク上でデータフレームを受信し、受信したデータフレームに基づいてNAVを設定し、タイマを開始することができる。例えば、マルチリンクデバイスは、ある時点でセカンダリリンク上でデータフレームを受信し、受信したデータフレームに基づいてNAVを10に設定し、タイマを開始し、NAVが0になるまでNAVの値を毎秒1ずつ減算する。チャネル状態を判定するとき、マルチリンクデバイスは、現時点のNAVが0であるか否かを判定する。NAVが0ではない場合、マルチリンクデバイスは、チャネル状態が非アイドルであると判定し、NAVが0である場合、セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満であると判定する。セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値以上である場合、マルチリンクデバイスは、チャネル状態が非アイドルであると判定し、セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満である場合、マルチリンクデバイスはチャネル状態がアイドルであると判定する。
【0217】
別の可能な設計では、マルチリンクデバイスはまた、セカンダリリンク上の信号エネルギーを監視してもよく、セカンダリリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値未満である場合、チャネル状態がアイドルであると判定する。
【0218】
任意選択的に、前述の2つの可能な設計では、マルチリンクデバイスがセカンダリリンク上の信号エネルギーを監視する期間は、マルチリンクデバイスがプライマリリンクを通じてデータ伝送を行う前の所定の期間であってもよく、所定の期間は、ポイント調整機能フレーム間スペース(point coordination function inter-frame space,PIFS)であってもよい。
【0219】
ステップ901およびステップ902は特定の順序に従わないことに留意すべきである。ステップ901はステップ902の前に行われてもよく、ステップ902はステップ901の前に行われてもよく、ステップ901とステップ902とが同時に行われてもよい。これは限定されない。
【0220】
ステップ903:セカンダリリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。
【0221】
セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態がアイドルであるとき、同時データ送受信をサポートしないリンク間の信号送信干渉によってデータを正常に受信できないケースを回避するために、マルチリンクデバイスは、対応するチャネルを介してプライマリリンクおよびセカンダリリンクを通じて別々にデータを送信する。
【0222】
ステップ904:チャネル状態が非アイドルからアイドルに変化し、データがプライマリリンクを通じて送信されているとき、セカンダリリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。
【0223】
セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであるが、マルチリンクデバイスが、プライマリリンクに対応するチャネルを介してデータを送信するプロセスにおいて、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルからアイドルに変化することを見出したとき、同時データ送受信をサポートしないリンク間の信号送信干渉によってデータを正常に受信できないケースを回避するために、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態がアイドルに変化した後に、セカンダリリンクに対応するチャネルを介してデータを送信する。
【0224】
セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態変化を適時に捕捉するために、マルチリンクデバイスは、セカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルからアイドルに変化するときにマルチリンクデバイスがセカンダリリンクに対応するチャネルを介してデータを送信することができるように、予め設定されたサイクルにしたがってセカンダリリンクに対応するチャネルのチャネル状態を判定することができる。
【0225】
同じリンクグループ内でリンクがデータを送信している間に他のリンクがデータを送信していないことを保証するために、マルチリンクデバイスは、プライマリリンクを介したデータ送信の終了時間を、セカンダリリンクを介したデータ送信の終了時間と同じになるように設定することができ、すなわち、プライマリリンクおよびセカンダリリンクは、同時にデータ送信を停止する。あるいは、2つの終了時間の時間差は、予め設定された閾値未満である。例えば、時間差は、1us、2us、4us、8us、16usなどであってもよい。これは限定されない。
【0226】
プライマリリンクに対応するチャネルを介して送信されたデータは、第1の物理層プロトコルデータユニット(物理層プロトコルデータユニットPPDU)で搬送されてもよく、セカンダリリンクに対応するチャネルで送信されたデータは、第2のPPDUで搬送されてもよく、すなわち、第1のPPDUの終了時間および第2のPPDUの終了時間は同じであるか、または2つの終了時間の時間差は予め設定された閾値未満である。
【0227】
図9に示される方法に基づいて、同じリンクグループは、プライマリリンクおよびセカンダリリンクを含む。リンクグループを使用してデータを送信するとき、マルチリンクデバイスは、プライマリリンク上でチャネルを競合し、プライマリリンク上でのチャネルの競合に勝った後、競合に勝ったチャネルを介してピアマルチリンクデバイスにデータを送信する。同じリンクグループ内で同時データ送受信をサポートしないリンク間の信号送信干渉によってデータを正常に受信できないケースを回避するために、プライマリリンクを通じてデータを送信するとき、マルチリンクデバイスは、同じリンクグループ内でリンクがデータを送信している間に他のリンクがデータを受信していないように、セカンダリリンクを通じてデータを送信することができる。加えて、リンクグループ内の各リンクを効率的に利用することができるように、リンクグループ内の複数のリンクを通じてデータが送信される。これにより、リンクリソース利用を改善する。
【0228】
任意選択的に、マルチリンク通信プロセスでは、マルチリンクデバイスがプライマリリンクを通じてデータを送信するときに、別のデバイスがプライマリリンクと同じリンクグループ内のセカンダリリンクを通じてマルチリンクデバイスにデータフレームを送信することを防止するために、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信について以下のルールが満たされるべきである。マルチリンクデバイスがプライマリリンクを通じてデータを送信するとき、マルチリンクデバイスは、プライマリリンクと同じリンクグループ内にあるセカンダリリンクを通じてチャネルを競合することができる。プライマリリンクを通じてデータを送信するとき、別のデバイスは、プライマリリンクと同じリンクグループ内にあるセカンダリリンク上でチャネルを競合することができない。任意選択的に、マルチリンクデバイスは、別のデバイスに、別のデバイスがセカンダリリンク上でチャネル競合を行うことができないことを示す指示情報を送信してもよい。
【0229】
任意選択的に、マルチリンク通信プロセスでは、マルチリンクデバイスは、2つのリンクを通じて同時送受信をサポートしてもよいが、ピアマルチリンクデバイスは、2つのリンクを通じて同時送受信をサポートしない。この場合、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の通信は、以下のルールの一部または全部を満たす必要がある。
【0230】
マルチリンクデバイスによってグループ化の後に取得された少なくとも1つのリンクグループについては、ピアマルチリンクデバイスが少なくとも1つのリンクグループ内の任意の2つのリンクグループ間の同時データ送受信をサポートする場合、マルチリンクデバイスは、各リンクグループに対してピアマルチリンクデバイスとの通信を独立して行うことができる。
【0231】
ピアマルチリンクデバイスが少なくとも1つのリンクグループ内のあるリンクと別のリンクとの間の同時データ送受信をサポートしない場合、リンクグループを使用してピアマルチリンクデバイスにデータを送信するとき、マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスがデータを送信するために別のリンクグループを使用しないことを保証する必要がある。リンクグループを使用してマルチリンクデバイスにデータを送信するとき、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスまたは別のデバイスが、別のリンクグループ上で、ピアマルチリンクデバイスまたは別のデバイスに送信されたデータを受信しないことを保証する必要がある。
【0232】
例えば、前述のルールは、リンクグループG1およびリンクグループG2を取得するために、マルチリンクデバイスがマルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクをグループ化する例を使用して、詳細に説明される。
【0233】
ピアマルチリンクデバイスがリンクグループG1とリンクグループG2との間の同時データ送受信をサポートする場合、マルチリンクデバイスおよびピアマルチリンクデバイスは、リンクグループG1およびリンクグループG2を通じて独立して通信を行うことができる。
【0234】
ピアマルチリンクデバイスがリンクグループG1とリンクグループG2との間の同時データ送受信をサポートしない場合、リンクグループG1を使用してピアマルチリンクデバイスにデータを送信するとき、マルチリンクデバイスはピアマルチリンクデバイスがリンクグループG2を通じてデータを送信しないことを保証する必要がある。リンクグループG1を使用してマルチリンクデバイスにデータを送信するとき、ピアマルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスに送信されたデータがリンクグループG2を通じて受信されないことを保証する必要がある。
【0235】
マルチリンクデバイスが上記のルールにしたがってピアマルチリンクデバイスと通信しない場合、以下の問題が発生する可能性がある。
【0236】
マルチリンクデバイスが2つのリンクを通じて同時データ送受信をサポートするが、ピアマルチリンクデバイスは2つのリンクを通じて同時データ送受信をサポートしない場合、ピアマルチリンクデバイスが2つのリンクのうちの1つに対応するチャネルを介してマルチリンクデバイスにデータを送信するとき、リンク上の信号送信干渉によって、ピアマルチリンクデバイスは、2つのリンクのうちの他方のリンクに対応するチャネルを介していかなるデータフレームも受信せず、データフレームは、他方のリンクに対応するチャネルを介して、別のピアマルチリンクデバイスまたはマルチリンクデバイスによって送信される可能性がある。ピアマルチリンクデバイスは他方のリンクに対応するチャネル上でいかなるデータフレームも受信することができないので、NAVを設定することができず、NAV値にしたがってチャネル状態を判定することができず、他方のリンクに対応するチャネルのチャネル状態はアイドルであると考えることができる(実際、他方のリンクに対応するチャネルは、ベルのピアマルチリンクデバイスによって占有されている)。他方のリンクに対応するチャネルがアイドルであると想定すると、ピアマルチリンクデバイスは、他方のリンクを通じてマルチリンクデバイスにデータを直接送信するが、他方のリンクに対応するチャネルは別のピアマルチリンクデバイスによって占有されているので、ピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータフレームと別のピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータフレームとの間で競合が生じ、マルチリンクデバイスは、他方のリンクに対応するチャネルを介していかなるデータフレームも受信することができない。
【0237】
例えば、図10aおよび図10bにおいて、図10aを参照すると、通信システムは、マルチリンクアクセスポイントデバイス、マルチリンクステーションデバイス1、およびマルチリンクステーションデバイス2を含む。マルチリンクアクセスポイントデバイスは、AP1およびAP2を含み、マルチリンクステーションデバイス1は、STA11およびSTA21を含み、マルチリンクステーションデバイス2は、STA12およびSTA22を含む。マルチリンクアクセスポイントデバイスは、リンクL1およびL2の間で同時データ送受信をサポートするが、マルチリンクステーションデバイス1はリンクL1およびL2の間で同時データ送受信をサポートしないと想定される。STA11がリンクL1に対応するチャネルを介してAP1にデータを送信するとき、マルチリンクステーションデバイス1はL1とL2との間の同時データ送受信をサポートしないので、STA21は、L2に対応するチャネルを介していかなるデータフレームも受信することができない。
【0238】
図10bを参照すると、マルチリンクステーションデバイス2のSTA22がこの時点でL2に対応するチャネルを介してAP2にデータを送信している場合、AP2は、リンクL2に対応するチャネルがマルチリンクステーションデバイス2のSTA22によって占有されていることを示すために、STA21にデータフレームを送信することができる。しかしながら、マルチリンクステーションデバイス1は、マルチリンクステーションデバイス2がL2に対応するチャネルを介してデータを伝送していることを知らず、STA21はAP2によって送信されたデータフレームを受信することができないので、L2に対応するチャネルはアイドル状態にあると誤って認識され、データはL2に対応するチャネルを介してAP2に送信される。L2に対応するチャネルはSTA22によって占有されているので、STA21およびSTA22は、L2に対応するチャネルを介して同時にAP2にデータを送信する。その結果、送信されたデータ間で競合が生じ、AP2はいかなるデータフレームも受信することができない。
【0239】
図11を参照すると、本発明の一実施形態は、マルチリンク通信方法を提供する。方法は、ピアマルチリンクデバイスがリンクに対応するチャネルを介してデータを送信するときに、別のリンクに対応するチャネル上のデータフレームを受信することができないので、別のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が不正確に判定されるという従来のマルチリンク通信の技術的問題を解決するために使用され得る。図11に示されるように、方法は、以下のステップを含み得る。
【0240】
ステップ1101:マルチリンクデバイスは、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであるときに、指示情報を生成する。
【0241】
第1のリンクは、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクのうちのいずれか1つであり得る。
【0242】
指示情報は、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示し得る。
【0243】
具体的には、マルチリンクデバイスは、非アイドル状態の第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を判定し、第1のリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値より大きいか、第1のリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しくないか、またはマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルを介してデータフレームを受信するときに、指示情報を生成する。
【0244】
ステップ1102:マルチリンクデバイスは、ピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信する。
【0245】
具体的には、マルチリンクデバイスは、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信し得る。
【0246】
第2のリンクは、マルチリンクデバイスとピアマルチリンクデバイスとの間の複数のリンクのうちのいずれか1つであり得る。任意選択的に、第2のリンクは、第1のリンクとの同時データ送受信をサポートしないリンクであってもよい。
【0247】
さらに、マルチリンクデバイスは、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスに肯定応答フレームを送信することができる。
【0248】
肯定応答フレームは指示情報を含むことができ、肯定応答フレームは、マルチリンクデバイスが、第2のリンクに対応するチャネルを介してピアマルチリンクデバイスによって送信されたデータを正確に受信したか否かを示すことができる。
【0249】
例えば、図10bでは、マルチリンクアクセスポイントデバイスは、リンクL1およびL2の間で同時データ送受信をサポートするが、マルチリンクステーションデバイス1はリンクL1およびL2の間で同時データ送受信をサポートせず、リンクL2はマルチリンクステーションデバイスのSTA22によって占有されていると想定される。
【0250】
図11の方法によれば、リンクL2上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値より大きいとAP2が判定したとき、リンクL2に対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しくないとAP2が判定したとき、またはAP2がSTA22によって送信されたデータを受信しているとき、AP2は、リンクL2に対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す指示情報を生成し、マルチリンクステーションデバイス1に指示情報を送信する。
【0251】
具体的には、AP2はAP1に指示情報を通知することができ、AP1はリンクL1を通じてSTA11に指示情報を送信し、STA11はSTA21に指示情報を通知する。リンクL2に対応するチャネルが非アイドル状態にあることがわかると、STA21は、AP2がリンクL2を通じて別のマルチリンクステーションデバイスによって送信されたデータを正常に受信することができることを保証するように、リンクL2を通じてAP2にデータを送信しない。
【0252】
あるいは、マルチリンクステーションデバイス1は、リンクL1を通じてマルチリンクアクセスポイントデバイスに要求メッセージを送信してもよく、要求メッセージは、リンクL2に対応するチャネルのチャネル状態を取得するように要求するために使用される。リンクL2に対応するチャネルのチャネル状態を判定した後、マルチリンクアクセスポイントデバイスのAP2は、指示情報を生成し、リンクL1を通じてマルチリンクステーションデバイス1に指示情報を送信する。
【0253】
さらに、第1のリンクに対応するチャネルが非アイドル状態にあることを示すのに加えて、マルチリンクデバイスによってピアマルチリンクデバイスに送信される指示情報は、第1のリンクに対応するチャネルが非アイドル状態にある持続時間をさらに示すことができる。
【0254】
図11に記載される方法に基づいて、ピア側マルチリンクデバイスが第2のリンクを通じてデータを送信し、第1のリンクを通じてデータフレームを受信することができず、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を判定することができないとき、マルチリンクデバイスは、第2のリンクを通じて第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態の判定結果を受信し、判定結果にしたがって第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を判定してもよい。これにより、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクを通じてデータフレームを受信することができないために、ピアマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態を不正確に判定するケースを回避する。
【0255】
上記は、デバイス間の相互作用の観点から、本出願の実施形態で提供される解決策を主に説明している。前述の機能を果たすために、各デバイスは、それらの機能に対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むことが理解されるだろう。本明細書に開示されている実施形態で説明されている例におけるアルゴリズムおよびステップと考え合わせれば、本出願がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせによって実施されることが可能であることに当業者は容易に想到するはずである。機能がハードウェアまたはコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアのどちらによって実行されるかは、技術的解決策の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者であれば、特定の用途ごとに記載された機能を実施するために異なる方法を使用することができるが、実装形態が本出願の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0256】
本出願の実施形態では、端末は、前述の方法の例に基づいて機能モジュールに分割され得る。例えば、機能モジュールは、機能に基づいて分割を介して取得されてもよく、または2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本出願の実施形態では、モジュールへの分割は一例であって論理的機能の分割にすぎず、実際に実施する際には他の分割であってもよい点に留意すべきである。
【0257】
対応する機能に基づく分割を通じて機能モジュールが取得されるとき、図12は通信装置を示す。通信装置120は、マルチリンクデバイス、またはマルチリンクデバイス内のチップまたはシステムオンチップであってもよい。通信装置120は、前述の実施形態におけるマルチリンクデバイスの機能を実行するように構成され得る。図12に示される通信装置120は、処理モジュール1201および送信モジュール1202を含む。
【0258】
処理モジュール1201は、異なるリンクグループに属するリンクが同時データ送受信をサポートすることを示すリンクグループ化情報を生成するように構成される。
【0259】
送信モジュール1202は、リンクグループ化情報を送信するように構成される。
【0260】
通信装置120は、前述の方法におけるマルチリンクデバイスの任意の機能を有することが理解されるべきである。本明細書では、詳細は再び説明されない。
【0261】
通信装置120の可能な実装形態では、図12の処理モジュール1201はプロセッサによって実装されてもよく、送信モジュール1202は送信機によって実装されてもよい。任意選択的に、通信装置120は、メモリをさらに含んでもよい。
【0262】
通信装置120の別の可能な実装形態では、図12の処理モジュール1201は処理回路によって実装されてもよく、送信モジュール1202は出力回路によって実装されてもよい。任意選択的に、通信装置120は、記憶媒体をさらに含んでもよい。
【0263】
通信装置120はまた、1つ以上のFPGA(field programmable gate array)、PLD(programmable logic device)、コントローラ、状態機械、論理ゲート、ディスクリートハードウェア構成要素、任意の他の適切な回路、または本出願に記載される様々な機能を実行することができる回路の任意の組み合わせを使用して実装されてもよい。
【0264】
前述の様々な製品形態の通信装置120は、前述の方法実施形態のマルチリンクデバイスの任意の機能を有し、本明細書では、詳細は再び説明されないことが、理解されるべきである。
【0265】
図13は、通信装置130の構造を示す図である。通信装置130は、マルチリンクデバイス、またはマルチリンクデバイス内のチップまたはシステムオンチップであってもよい。通信装置130は、前述の実施形態におけるマルチリンクデバイスの機能を実行するように構成され得る。図13に示される通信装置130は、処理モジュール1301および送信モジュール1302を含む。
【0266】
処理モジュール1301は、第1のリンク上の信号エネルギーが第1の予め設定された閾値より大きく、第1のリンクに対応するチャネルのネットワーク割り当てベクトルNAVが0に等しくないとき、またはマルチリンクデバイスが第1のリンクに対応するチャネルを介してデータフレームを受信したときに、指示情報を生成するように構成される。指示情報は、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す。
【0267】
送信モジュール1302は、ピアマルチリンクデバイスに指示情報を送信するように構成される。
【0268】
通信装置130は、前述の方法におけるマルチリンクデバイスの任意の機能を有することが理解されるべきである。本明細書では、詳細は再び説明されない。
【0269】
通信装置130の可能な実装形態では、図13の処理モジュール1301はプロセッサによって実装されてもよく、送信モジュール1302は送信機によって実装されてもよい。任意選択的に、通信装置130は、メモリをさらに含んでもよい。
【0270】
通信装置130の別の可能な実装形態では、図13の処理モジュール1301は処理回路によって実装されてもよく、送信モジュール1302は出力回路によって実装されてもよい。任意選択的に、通信装置130は、記憶媒体をさらに含んでもよい。
【0271】
通信装置130はまた、1つ以上のFPGA(field programmable gate array)、PLD(programmable logic device)、コントローラ、状態機械、論理ゲート、ディスクリートハードウェア構成要素、任意の他の適切な回路、または本出願に記載される様々な機能を実行することができる回路の任意の組み合わせを使用して実装されてもよい。
【0272】
前述の様々な製品形態の通信装置130は、前述の方法実施形態のマルチリンクデバイスの任意の機能を有し、本明細書では、詳細は再び説明されないことが、理解されるべきである。
【0273】
図14は、通信装置140の構造を示す図である。通信装置140は、ピアマルチリンクデバイス、またはピアマルチリンクデバイス内のチップまたはシステムオンチップであってもよい。通信装置140は、前述の実施形態におけるピアマルチリンクデバイスの機能を実行するように構成され得る。可能な実装形態では、図14に示される通信装置140は、受信モジュール1401を含む。
【0274】
受信モジュール1401は、マルチリンクデバイスから指示情報を受信するように構成される。指示情報は、第1のリンクに対応するチャネルのチャネル状態が非アイドルであることを示す。
【0275】
通信装置140は、前述の方法におけるピアマルチリンクデバイスの任意の機能を有することが理解されるべきである。本明細書では、詳細は再び説明されない。
【0276】
通信装置140の可能な実装形態では、図14の受信モジュール1401は、受信機によって実装されてもよい。任意選択的に、通信装置140は、メモリをさらに含んでもよい。
【0277】
通信装置140の別の可能な実装形態では、図14の受信モジュール1401は、入力回路によって実装されてもよい。任意選択的に、通信装置140は、記憶媒体をさらに含んでもよい。
【0278】
通信装置140はまた、1つ以上のFPGA(field programmable gate array)、PLD(programmable logic device)、コントローラ、状態機械、論理ゲート、ディスクリートハードウェア構成要素、任意の他の適切な回路、または本出願に記載される様々な機能を実行することができる回路の任意の組み合わせを使用して実装されてもよい。
【0279】
前述の様々な製品形態の通信装置140は、前述の方法実施形態のマルチリンクデバイスの任意の機能を有し、本明細書では、詳細は再び説明されないことが、理解されるべきである。
【0280】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。前述の方法実施形態のプロセスのうちの全部または一部は、関連するハードウェアに命令するコンピュータプログラムによって完了されてもよい。プログラムは、前述のコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。プログラムが実行されると、前述の方法実施形態のプロセスが実行され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、前述の実施形態のいずれか1つにおける端末(データ送信側および/またはデータ受信側を含む)の内部ストレージユニット、例えば端末のハードディスクまたはメモリであってもよい。あるいは、コンピュータ可読記憶媒体は、端末の外部ストレージデバイス、例えば、端末に実装された、プラグインハードディスク、スマートメディアカード(smart media card、SMC)、セキュアデジタル(secure digital、SD)カード、フラッシュカード(flash card)などであってもよい。さらに、コンピュータ可読記憶媒体は、代替として、端末の内部ストレージユニットおよび外部ストレージデバイスの両方を含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラム、ならびに端末によって必要とされる他のプログラムおよびデータを記憶するように構成される。コンピュータ可読記憶媒体は、出力されたデータまたは出力されるデータを一時的に記憶するようにさらに構成され得る。
【0281】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付図面において、「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別しようとするものであり、特定の順序を示さない。加えて、用語「含む」、「有する」、およびそれらの他の何らかの変形は、非排他的包含をカバーすることが意図されている。例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、列挙されたステップまたはユニットに限定されず、任意選択的に列挙されていないステップまたはユニットをさらに含むか、または任意選択的にプロセス、方法、製品、またはデバイスの別の固有のステップまたはユニットをさらに含む。
【0282】
本出願では、「少なくとも1つ(の項目)」は1つまたは複数を意味し、「複数の」は2つ以上を意味し、「少なくとも2つ(の項目)」は2つ、3つ、またはそれ以上を意味し、「および/または」は関連する対象間の関連関係を記述するために使用され、3つの関係があり得ることを示すことが理解されるべきである。例えば、「Aおよび/またはB」は、Aのみが存在すること、Bのみが存在すること、およびAとBの両方が存在することを示すことができ、AおよびBは単数形または複数形であってよい。文字「/」は通常、関連付けられた対象間の「または」関係を示す。「以下の項目(部分)のうちの少なくとも1つ」またはその類似表現は、単一の項目(部分)または複数の項目(部分)の任意の組み合わせを含む、これらの項目の任意の組み合わせを示す。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つ(の部分)は、a、b、c、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、または「a、b、およびc」を表すことができ、a、b、およびcは単数であっても複数であってもよい。
【0283】
実装形態に関する前述の説明により、当業者は、便利で簡潔な説明のために、前述の機能モジュールの分割が説明のための例と見なされることを理解することができる。実際の用途では、要件に応じて、前述の機能を様々なモジュールに割り当てて実装することができ、すなわち、装置の内部構造を様々な機能モジュールに分割して、前述の機能の全部または一部を実装することができる。
【0284】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示された装置および方法は他の方法で実施されてもよいことを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は例にすぎない。例えば、モジュールまたはユニットの分割は、論理的な機能分割にすぎず、実際の実装形態中の別の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素が組み合わされてもよく、別の装置に統合されてもよく、いくつかの特徴が無視されてもよく、実行されなくてもよい。加えて、表示または議論された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実施されてもよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電気、機械、または他の形態で実装されてもよい。
【0285】
個別構成要素として説明されているユニットは物理的に単独である場合とそうでない場合があり、ユニットとして表示されている構成要素は1つ以上の物理的ユニットである場合があり、すなわち、1箇所に置かれる場合があり、あるいは複数の別々の場所に分散される場合もある。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0286】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは1つの処理ユニットに統合されてもよく、これらのユニットの各々は物理的に単独で存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。統合ユニットは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてもよい。
【0287】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用されるとき、統合ユニットは可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本質的に本出願の実施形態における技術的解決策、または従来技術に寄与する部分、または技術的解決策の全部もしくは一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されてもよい。ソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態に記載された方法のステップの全部または一部を実行するように、(シングルチップマイクロコンピュータ、チップなどであり得る)デバイスまたはプロセッサ(processor)に指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0288】
上記の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願に開示された技術的範囲内のいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内に入るべきである。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
【符号の説明】
【0289】
120、130、140、200 通信装置
201、207 プロセッサ
202 トランシーバ
203 通信回線
204 メモリ
205 出力デバイス
206 入力デバイス
1201、1301 処理モジュール
1202、1302 送信モジュール
1401 受信モジュール
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14