(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】アッセイ装置およびそのための手持ち式試料収集用具
(51)【国際特許分類】
G01N 1/04 20060101AFI20231030BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
G01N1/04 V
G01N1/04 G
G01N37/00 103
(21)【出願番号】P 2022575324
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 IL2020050647
(87)【国際公開番号】W WO2020250227
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519454899
【氏名又は名称】ジンツールズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】レブ-サジー,メナケム
(72)【発明者】
【氏名】レブ,ニムロド
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-163993(JP,A)
【文献】特表2003-500651(JP,A)
【文献】特開2018-161469(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0030341(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0030342(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0338533(US,A1)
【文献】国際公開第2012/029273(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0285790(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0184821(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00~1/44
G01N 35/00~37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それに沿って身体試料を担持するための細長い試料収集先端を有する手持ち式試料収集用具と共に使用するアッセイ装置であって、
a) 水平長手方向ドラム本体中心線
、ドラム本体
内表面、およ
びドラム本体
外表面を備える透明で概ね円筒状の中空ドラム本体を有するドラムと、
b) 前記ドラム本体上に身体試料を堆積させるために、前記水平長手方向ドラム本体中心線と同方向であり、前記細長い試料収集先端を試料収集管内へぴったりと摺動挿入させるための試料収集管口を有する、細長い試料収集管と、
c) 前記ドラム本体を
バックライト照明するための前記ドラム本体内側の
バックライト照明器と、
d) 身体試料スキャンを取得するために、前記
バックライト照明されたドラム本体の少なくとも一部のスキャニングのための、前記ドラム本体の外側にあって
前記水平長手方向ドラム本体中心線に沿って当該ドラム本体と同一の
長さを有する、細長いスキャナとを備えるアッセイ装置。
【請求項2】
前記細長いスキャナが反応身体試料スキャンを取得するように身体試料と反応させるために、試薬を分注するための試薬分注器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記試薬分注器は、身体試料と反応させるための少なくとも2つの試薬を分注し、前記試薬分注器は、隣接する反応身体試料の重なりを回避するために、各
隣接する試
薬を離隔して分注する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ドラムは回転ドラムであり前記細長いスキャナは固定線状スキャナであり、前記ドラム本体は前記水平長手方向ドラム本体中心線を中心として所定の
回転方向に所定の回転速度で回転可能であり、さらに、
前記水平長手方向ドラム本体中心線と同方向であり、前記試料収集管と同様に前記ドラム本体に対して配置された、試薬分注器を備える、装置であって、
前記
試薬分注器は、前記ドラム本体上の試薬分注線に沿って少なくとも1つの試薬を分注する
ように構成され、
前記試薬分注線は、前記所定の回転方向において前記試料収集管
による身体試料堆積線と前記線状スキャナ
によるスキャン線との間に配置され、
前記配置は、前記細長い試料収集先端が前記試料収集管内へぴったりと摺動挿入されることに従って、前記ドラム本体の前記所定の回転方向へのその後の回転で、身体試料は前記ドラム本体上の身体試料堆積線に沿って連続的に堆積され、前記試薬分注線に沿って前記少なくとも1つの試薬と反応して反応身体試料を形成するようになされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記試料収集管は、身体試料が少なくとも1つのスクレーパーから下降して身体試料堆積物線に沿って堆積されるように、その中へ前記細長い試料収集先端をぴったりと摺動挿入させると、前記細長い試料収集先端から身体試料を掻き取る少なくとも1つのスクレーパーを含む請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスクレーパーは、前記細長い試料収集先端をその中へぴったりと摺動挿入させると、概ね円筒状の細長い試料収集先端から身体試料を周方向に掻き取るための円錐台形状を有する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記試料収集管は、前記ドラム本体の内側に配置されることにより身体試料が前
記ドラム本体
内表面に堆積される請求項4から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記試料収集管は、前記ドラム本体の外側に配置されることにより身体試料が前
記ドラム本体
外表面上に堆積される装置であって、前記線状スキャナを反応した身体試料が塗り付けられることから保護するために前記回転中に前
記ドラム本体
外表面上に付着膜を分注するための付着膜分注器をさらに備える、請求項4から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
長手方向試料収集先端中心線を備える細長い中空試料収集先端を有する手持ち式試料収集用具と共に使用する装置であって、前記細長い中空試料収集先端は、それに沿って身体試料を担持するために、内周試料収集先端面および外周試料収集先端面を含む装置において、前記ドラムは回転ドラムであり、前記細長いスキャナは前記ドラム本体に対して外側にある固定線状スキャナであり、
前記ドラム本体は、前記水平長手方向ドラム本体中心線を中心として所定の回転方向に所定の回転速度で回転可能であり、
前記ドラム本体は、前記細長い中空試料収集先端をその中へぴったりと摺動挿入させるための前記試料収集管を兼ね、
前記
バックライト照明器は、前記細長い中空試料収集先端が前記ドラム本体内へぴったりと摺動挿入されると同時に前記細長い中空試料収集先端内へぴったりと摺動挿入される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前
記ドラム本体
内表面は、前記細長い中空試料収集先端が前記ドラム本体内へ、および前記
バックライト照明器が前記細長い中空試料収集先端内へ同時にぴったりと摺動挿入されると、前記細長い中空試料収集先端の外周試料収集先端面上の身体試料と反応するための少なくとも1つの試薬を含む試薬ライニングを有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記細長い中空試料収集先端は、前記内周試料収集先端面と前記外周試料収集先端面との間に配置される一体型試薬分注器を含み、前記細長い中空試料収集先端が前記ドラム本体内へ、および前記
バックライト照明器が前記細長い中空試料収集先端内へ同時にぴったりと摺動挿入されると、前記一体型試薬分注器を作動して少なくとも1つの試薬を放出して前記細長い中空試料収集先端の外周試料収集先端面上の身体試料と反応させる、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
長手方向試料収集先端中心線を備える細長い中空試料収集先端を有する手持ち式試料収集用具と共に使用する装置であって、前記細長い中空試料収集先端は、それに沿って身体試料を担持するために、内周試料収集先端面および外周試料収集先端面を含み、
前記ドラムは固定ドラムであり、前記細長いスキャナは前記ドラム本体を取り囲む円筒状スキャナであり、
前記ドラム本体は、前記細長い中空試料収集先端をその中へぴったりと摺動挿入させるための前記試料収集管を兼ね、
前記
バックライト照明器は、前記細長い中空試料収集先端が前記ドラム本体内へぴったりと摺動挿入されると同時に前記細長い中空試料収集先端内へぴったりと摺動挿入される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前
記ドラム本体
内表面は、前記細長い中空試料収集先端が前記ドラム本体内へ、および前記
バックライト照明器が前記細長い中空試料収集先端内へ同時にぴったりと摺動挿入されると、前記細長い中空試料収集先端の外周試料収集先端面上の身体試料と反応するための少なくとも1つの試薬を含む試薬ライニングを有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記細長い中空試料収集先端は、前記内周試料収集先端面と前記外周試料収集先端面との間に配置される一体型試薬分注器を含み、前記細長い中空試料収集先端内へ前記
バックライト照明器が同時に摺動挿入されると、前記一体型試薬分注器を作動して少なくとも1つの試薬を放出して前記細長い中空試料収集先端の外周試料収集先端面上の身体試料と反応させる、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
アッセイ装置と、前記アッセイ装置と共に使用する手持ち式試料収集用具と、を備えるアッセイシステムであって、
前記アッセイ装置は、
水平長手方向ドラム本体中心線を備える透明で概ね円筒状の中空ドラム本体を有し、前記ドラム本体
がドラム本体
内表面およ
びドラム本体
外表面を有する、ドラムと、
前記ドラム本体を
バックライト照明するための前記ドラム本体内側にある
バックライト照明器と、
身体試料スキャンを取得するために、前記
バックライト照明されたドラム本体の少なくとも一部のスキャニングのための、前記ドラム本体の外側にあって同一の広がりをもつ、細長いスキャナと
、を備え
、
前記手持ち式試料収集用具は、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドル上に取り付けられた細長い中空試料収集先端と、を備
え、
前記細長い中空試料先端は、長手方向試料収集先端中心線を有し、それに沿って身体試料を担持するために、内周試料収集先端面および外周試料収集先端面を含み、
前記
手持ち式試料収集用具は、前記細長い中空試料収集先端が前記ドラム本体内へぴったりと摺動挿入されると、前記細長い中空試料収集先端
と前記内部ドラム面
との間に身体試料
が堆積し、前記
バックライト照明器は、前記
バックライト照明器が前記内周試料収集先端面と密に接触するように、前記細長い中空試料収集先端内へ同時にぴったりと摺動挿入されるようになされる、
アッセイシステム。
【請求項16】
前記細長い中空試料収集先端は、ぴったりと摺動挿入されることで前記外周試料収集先端面上の身体試料と反応させるために一体型試薬分注器から試薬を分注するように、前記内周試料収集先端面と前記外周試料収集先端面との間に配置された一体型試薬分注器を含む、請求項15に記載の
システム。
【請求項17】
前記一体型試薬分注器は、少なくとも2つの試薬を分注し、前記一体型試薬分注器は、隣接する反応身体試料の重なりを回避するために各
隣接する試
薬を離隔して分注する、請求項16に記載の
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッセイ装置およびそのための手持ち式試料収集用具に関する。
【背景技術】
【0002】
アッセイは、1つまたは複数の試料の存在、量、または機能活性を定性的に評価または定量的に測定するための複数ステップの調査手順のうちの一部である。アッセイには、分析前および分析後の手順が含まれる。分析前のステップには、とりわけ、試料の収集と取り扱い、情報の収集と処理などが含まれる。分析後のステップには、とりわけ、情報の保存、報告の文書化、報告の送信などが含まれる。アッセイは、化学試料、生物試料、有機試料および非有機試料を調査するために採用することができる。試料は、固体、液体、ゲルなどであり得る。調査は、肉眼視検査、光学装置、例えば、顕微鏡などを用いた肉眼光学検査を含み得る。調査は、とりわけ、画像処理目的のための可視光、IR、UV、超音波、X線などを含む異なる様式でのデジタルスキャニングを含み得る。
【0003】
「Assay Devices and Assay Apparatus for Use Therewith」という名称のPCT国際公開第WO/2018/235073号として公開された本願の譲受人が所有するPCT国際出願第PCT/IL2018/050671号は、アッセイデバイスを通る検査の線に沿った試料のEMR検査のためのアッセイデバイスを開示している。WO2018/235073の
図18から
図21は、典型的に、デジタル顕微鏡の形態のアッセイ装置と共に使用するアッセイデバイスを開示している。アッセイ装置は、試料を検査するための組み込まれた情報収集および診断能力を備えるスタンドアロンデバイスであり得る。試料は、1つまたは複数の試薬、例えば、生理食塩水、水酸化カリウムなどと反応させることが好ましい。あるいは、アッセイ装置は、遠隔処理のために、反応した身体試料から取得したスキャンおよび他の情報を送信し得る。
【0004】
画像処理目的で、反応した身体試料スキャンを取得するためのアッセイ装置、およびそのための手持ち式試料収集用具が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、身体オリフィスまたは露出した身体面から身体試料を得るための、細長い試料収集先端を有する手持ち式試料収集用具と共に使用するアッセイ装置を対象とする。本発明のアッセイ装置のいくつかの実施形態は、とりわけ、ブラシ、綿棒などを含む現在市販されている試料収集用具と共に使用するように設計されている。本発明のアッセイ装置の他の実施形態は、専用の試料収集用具と共に使用するように設計されている。身体オリフィスは、とりわけ、顔面オリフィス、尿道、直腸、および膣を含む。露出した身体面は、とりわけ、皮膚発疹、皮膚エフロレッセンス、開放創、唇、眼などを含む。
【0006】
本発明のアッセイ装置は、水平長手方向ドラム本体中心線を有する透明で概ね円筒状の中空ドラム本体を備えるドラムを有する筐体を含む。ドラム本体は、内部ドラム本体面および外部ドラム本体面を有し、バックライト照明器によってバックライト照明される。バックライト照明器は、ドラム本体の内側に配備されることが好ましい。筐体は、水平長手方向ドラム本体中心線と同方向であるドラム本体上に身体試料を堆積するために細長い試料収集先端をその内部へぴったりと摺動挿入させるための試料収集管を含む。筐体は、身体試料と少なくとも1つの試薬との反応に従って典型的に反応した身体試料スキャンを取得するためにバックライト照明されたドラム本体の少なくとも一部のスキャニングのためのドラム本体と同一の広がりをもつ細長いスキャナを含む。アッセイ装置は、スキャニングが、とりわけ、可視光、IR、UV、X線などを含む1つまたは複数の異なるEMR様式でなされることができることを含む。
【0007】
本発明は、内部もしくは外部ドラム本体面上に身体試料を堆積するために細長い試料収集先端をぴったりと摺動挿入することを採用する。身体試料は、診断目的で、1つまたは複数の試薬と反応させることができる。試薬は、固体試薬、粉末試薬、液体試薬、ゲル試薬などであることができる。2つ以上の試薬の場合では、反応した身体試料堆積物は、水平長手方向ドラム本体中心線に対して横方向またはそれと同方向のどちらにも整列させることができる。隣接する反応した身体試料堆積物対のうちの隣接する反応した身体試料堆積物は、隣接する反応した身体試料堆積物の重なりを回避するために離隔していることが好ましい。このような離隔は、隣接する試薬が混合した場合のそれらの望ましくない反応の可能性も排除する。
【0008】
現在市販されている手持ち式試料収集用具と共に使用する本発明のアッセイ装置は、スキャニングの前に試料収集先端から身体試料を掻き取るためのスクレーパーを備えた試料収集管を含む。専用の手持ち式試料収集用具は、長手方向試料収集先端中心線、内周試料収集先端面および外周試料収集先端面を有する細長い中空試料収集先端を含む。専用の手持ち式試料収集用具と共に使用する本発明のアッセイ装置は、試料収集管を兼ねるドラム本体と、細長い中空試料収集先端がドラム本体兼試料収集管内へぴったりと摺動挿入されると同時に細長い中空試料収集先端内へぴったりと摺動挿入されることを意図したバックライト照明器とを含む。
【0009】
本発明のアッセイ装置は、組み込みの電源および組み込みのユーザインターフェースを備えたスタンドアロン機器として実装することができる。あるいは、本発明のアッセイ装置は、離散コンピューティングデバイスの電源およびユーザインターフェースを採用するために離散コンピューティングデバイスと共に使用するように設計されることができる。好適な離散コンピューティングデバイスは、とりわけ、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなどを含む。身体試料スキャンは、オンボードまたはクラウドベースの画像処理機能のどちらによっても処理されることができる。本発明のアッセイ装置は、単回使用の使い捨てデバイスとして実装することができる。あるいは、本発明のアッセイ装置は、各身体試料収集およびその後のスキャニングのために交換可能な部品を備えた複数回使用のデバイスとして実装することができる。
【0010】
本発明を理解し且つそれが実際にどのように実施されることができるかを見るために、好ましい実施形態は、ここで、非限定的な実施例によってのみ、類似の部分に同様の番号が付けられている添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来の手持ち式試料収集用具と共に使用するスタンドアロン回転ドラムアッセイ装置の概略図とブロック図とを組み合わせたものである。
【
図2】内部に配置された試料収集管と内部に配置された試薬分注器とを含む
図1のアッセイ装置の主要構成要素の概略図である。
【
図3】
図2の線3-3に沿った主要構成要素の横断面である。
【
図4】内部に試料収集先端をぴったりと摺動挿入する前の試料収集管の長手方向断面である。
【
図5】内部に試料収集先端をぴったりと摺動挿入することに従った試料収集管の長手方向断面である。
【
図6】ドラム本体面上に4つの試薬を同時に分注するための複数試薬分注器と同面をスキャンすることによって取得した枠との概略図である。
【
図7】外部コンピューティングデバイスと有線接続している回転ドラムアッセイ装置の概略図である。
【
図8】スタンドアロン回転ドラムアッセイ装置の別の実施形態に関する主要構成要素の斜視図である。
【
図9A】専用の手持ち式試料収集用具の斜視図である。
【
図10】基本的な専用の手持ち式試料収集用具の側面図である。
【
図11】
図11Aは、一体型単一試薬分注器を備える専用の手持ち式試料収集用具の一実施形態の端面図である。
図11Bは、
図11Aの線11B-11Bに沿った
図11Aの試料収集用具の長手方向断面である。
【
図12】
図12Aは、一体型複数試薬分注器を備える専用の手持ち式試料収集用具の別の実施形態の側面図である。
図12Bは、
図12Aの線12B-12Bに沿った
図12Aの試料収集用具の横断断である。
【
図13】一体型複数試薬分注器を備えた専用の手持ち式試料収集用具のさらに別の実施形態の側面図である。
【
図14】専用の手持ち式試料収集用具と共に使用するスタンドアロン回転ドラムアッセイ装置の概略図である。
【
図15】単一試薬ライニングを備える
図14の回転ドラムアッセイ装置、
図10の試料収集用具および結果として生じる反応した身体試料スキャンの絵表現である。
【
図16】複数試薬ライニングを備える
図14の回転ドラムアッセイ装置、
図10の試料収集用具および結果として生じる反応した身体試料スキャンの絵表現である。
【
図17】
図14の回転ドラムアッセイ装置、
図11の手持ち式試料収集用具および結果として生じる反応した身体試料スキャンの絵表現である。
【
図18】
図14の回転ドラムアッセイ装置、
図12の試料収集用具および結果として生じる反応した身体試料スキャンの絵表現である。
【
図19】
図14の回転ドラムアッセイ装置、
図13の試料収集用具および結果として生じる反応した身体試料スキャンの絵表現である。
【
図20】専用の手持ち式試料収集用具と共に使用する固定円筒状スキャナを備えるスタンドアロン固定ドラムアッセイ装置の絵表現である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
従来の手持ち式試料収集用具と共に使用する回転ドラムアッセイ装置および固定線状スキャナ
図1は、従来の手持ち式試料収集用具10と共に使用するスタンドアロン回転ドラムアッセイ装置50Aを示す。試料収集用具10は、身体試料を得るためにハンドル11および細長い試料収集先端12を含む。細長い試料収集先端12は、概ね円筒状または円錐状のどちらでも好ましく、綿棒、ブラシなどの形態とすることができる。細長い試料収集先端12は、後続の試料収集先端部12Bから先導試料収集先端部12Aに向かって先細になっていることが好ましい。細長い試料収集先端12は、試料収集先端長さL1を有する。試料収集先端長さL1は、意図する臨床用途に応じて典型的には約1cmから3cmの間であるが、必要に応じて短くすることも長くすることもできる。手持ち式試料収集用具10は、試料収集先端12をアッセイ装置50A内へぴったりと摺動挿入した後にハンドル11を試料収集先端12から解放して取り外すための解放配置13を含むことができる。
【0013】
図1から
図5は、アッセイ装置50Aが、電源52を有する筐体51、制御器54を有する構成要素基板53、オンボード画像処理機能56、およびユーザインターフェース57を含むことを示す。ユーザインターフェース57は、押しボタン、近接センサ、表示部、タッチ感応画面などを含むことができる。ユーザインターフェース57は、装置50Aを起動し、ユーザ情報、例えば、氏名、性別、年齢など、およびユーザコマンドを入力するために採用される。ユーザインターフェース57は、ユーザ指示、テスト結果などを提供するためにも採用される。
【0014】
筐体51は、透明で概ね円筒状の中空ドラム本体59を有する強固に取り付けられた回転ドラム58を含む。ドラム本体59は、水平長手方向ドラム本体中心線61、水平長手方向ドラム本体中心線61と同方向であるドラム本体長さL2、および水平長手方向ドラム本体中心線61に対して横方向であるドラム本体半径Rを有する。ドラム本体59は、内部ドラム本体面59Aと、外部ドラム本体面59Bと、水平長手方向ドラム本体中心線61に対して横方向のドラム本体周囲長とを有する。ドラム本体長さL2は、典型的には、試料収集先端長さL1の2倍または3倍である。
【0015】
筐体51は、ドラム本体59を矢印Aで示す所定の回転方向に所定の回転速度で回転するための電動機62を含む。外部ドラム本体面59Bは、ドラム本体59の分当たりの回転数(rpm)とその周囲長さ2πRとに比例した接線方向速度を有する。筐体51は、強固に取り付けられたバックライト照明器63を含み、この照明器は、ドラム本体59をその全長に沿って均一にバックライト照明するように、ドラム本体59の内側に配置され且つそれと同一の広がりをもつ。バックライト照明器63は、ドラム本体59をバックライト照明するために水平長手方向ドラム本体中心線61に沿って配備されることが好ましい。バックライト照明器63は、異なる形状の横断面、例えば、円形断面、楕円形断面などを有することができる。バックライト照明器63は、とりわけ、可視光、UV、IRなどを含む1つまたは複数のEMR様式でドラム本体59をバックライト照明することができる。
【0016】
筐体51は、回転ドラム本体59の上方の近くに、市販されている強固に取り付けられた固定線状スキャナ64を含む。好適な線状スキャナは、例えば、ドイツのAn der Strusbek60-62、22926AhrensburgのBasler AG、www.baslerweb.comから現在市販されている。線状スキャナ64は、水平長手方向ドラム本体中心線61に沿ってドラム本体59と同一の広がりをもつ。線状スキャナ64は、水平長手方向ドラム本体中心線61と同方向のスキャン線66に沿って離散枠を取る。線状スキャナ64は、秒あたりの制御可能な枠(fps)取得率を有し、外部ドラム本体面59Bの接線方向速度と同期して高解像度枠を取得することができる。
【0017】
筐体51は、ドラム本体59の内側に配置され、水平長手方向ドラム本体中心線61と同方向であり、強固に取り付けられた試料収集管67を含む。試料収集管67は、水平長手方向ドラム本体中心線61の下に取り付けられている。筐体51は、細長い試料収集先端12を試料収集管67内へぴったりと摺動挿入させるための試料収集管口68を有する。試料収集管67は、その中にぴったりと摺動挿入されると試料収集先端12から身体試料を掻き取る千鳥状の一連の中空円錐台スクレーパー69を含む。身体試料は、試料収集管口68に面した中空円錐台スクレーパー69上へ周辺方向に塗られる。スクレーパー69は、漸進的に小さくなる直径の同心円状開口71を有し、試料収集管口68に隣接している先導スクレーパー69Aは最大開口径71Aを有し、試料収集管口68から離れている後続スクレーパー69Bは、試料収集先端12の先細に対応する最小開口径71Bを有する。スクレーパー69は、試料収集先端12がスクレーパー69を通過するにつれてそれを圧縮して、それから身体試料を最も多く掻き取るために、試料収集先端12を試料収集管67内へぴったりと摺動挿入する際、軽度から適度までの力が必要となるように設計されている。身体試料はスクレーパー69から下降し、その下の試料収集室72を満たす。スクレーパー69を軽く振動させて、そこから試料収集室72への身体試料の下降を容易にすることができる。試料収集室72は、内部ドラム本体面59A上で身体試料堆積線74に沿って身体試料を堆積させるように水平長手方向ドラム本体中心線61と同方向である最下部スリット73を有する。
【0018】
筐体51は、水平長手方向ドラム本体中心線61と同方向であり且つ試料収集管67としてドラム本体59に対して同様に配置され、強固に取り付けられた単一試薬分注器76を含む。試薬分注器76は、回転方向Aにおいて試料収集管67と線状スキャナ64との間に配置されている。試薬分注器76は、内部ドラム本体面59A上の試薬分注線77に沿って単一試薬Wを分注して、ドラム本体59が回転すると身体試料堆積線74に沿って堆積した身体試料と反応または希釈することが意図されている。試薬分注器76は、水平長手方向ドラム本体中心線61と同方向である同じドラム本体長さL2に沿って単一の試薬Wを分注する。
【0019】
回転ドラムアッセイ装置50Aの動作は以下の通りである。
アッセイ装置50Aのスイッチが入れられ、ユーザはユーザの詳細を入力するように促される。試料収集用具10は、身体試料を得るために採用される。アッセイ装置50Aは、試料収集用具の試料収集先端12を試料収集管67内へ摺動挿入するようにユーザに指示する。適度な力が加えられて、試料収集先端12を押してスクレーパー69へ通し、そこから最も多く身体試料を掻き取る。次いで、ユーザは、解放配置13を使用して、アッセイ装置50Aの内側に留まっている試料収集先端12からハンドル11を解放して取り外すようにすることができる。アッセイ装置50Aは、身体試料がスクレーパー69から下にある試料収集室72内へ下降するまで所定時間待つ。身体試料は、最下部スリット73を通して下降して内部ドラム本体面59A上の身体試料堆積線74に沿って身体試料堆積物を形成する。
【0020】
アッセイ装置50Aは、ドラム本体59を所定回転方向Aに所定回転速度で回転させ始めて、内部ドラム本体面59Aに沿って延びる長手方向の身体試料堆積物を形成し始め、水平長手方向ドラム本体中心線61に沿ったドラム本体59の端面図における内部ドラム本体面59Aの連続的に大きくなる円弧を覆い始める。試料収集先端12は、このような回転の間、試料収集管67内に静止したままである。ドラム本体59の回転を続けると、最初に堆積した身体試料が試薬分注線77に沿って試薬Wと反応して、内部ドラム本体面59Aに沿って延びる長手方向の反応した身体試料の堆積物を形成し始める。ドラム本体59の回転をさらに続けると、反応した身体試料の堆積物は、水平長手方向ドラム本体中心線61に沿ったドラム本体59の端面図における内部ドラム本体面59Aの連続的に大きくなる円弧を覆う。
【0021】
ドラム本体59の回転をさらに続けると、反応身体試料堆積物の先導縁辺は、反応身体試料スキャンSの取得を開始するためのスキャン線66でのスキャニングのために線状スキャナ64の下で回転される。ドラム本体59の回転を単一回転全体により続けると、内部ドラム本体面59Aの全体は、スキャンされて反応身体試料スキャンS1を形成する反応身体試料堆積物によって、最初に覆われる。反応身体試料スキャンS1は、ドラム本体長さL2に等しい枠長さL2をそれぞれ有する連続した一連の枠Fを含む。例示を目的としてのみ、反応身体試料スキャンSは、内部ドラム本体面59Aの完全なスキャンに対して16の枠Fを含む。
【0022】
線状スキャナ64のfpsおよび内部ドラム本体面59Aの接線方向速度に応じて、隣接する枠は、試薬Wに反応した身体試料堆積物の重なりセクションを含み得る。画像処理ソフトウェアは、反応身体試料スキャンを直ちに分析して、診断目的のための十分な情報がドラム本体59の部分回転から取得されたかどうかを判定することができる。例えば、内部ドラム本体面59Aの半円筒をスキャンすると診断目的に十分であり得るので、その場合、回転ドラム58および線状スキャナ64の動作を終了することができる。
【0023】
図6は、単一試薬分注器76の代わりに複数試薬分注器78を示す。複数試薬分注器78は、4つの異なる試薬W、X、YおよびZをそれぞれ試薬分注線77に沿って同時に分注するための4つの試薬分注器79W、79X、79Yおよび79Zを有する。隣接する試薬分注器79は、反応身体試料堆積物が、それらの間の望ましくない重なりを回避し且つ混合を妨げるために、相応に離隔するように、数ミリメートルの間隔によって離隔していることが好ましい。したがって、各試薬分注器79が等しい長さL3に沿って分注すると仮定すると、間隔によって、L2>4L3となる。
【0024】
図6はまた、単一試薬分注器76の代わりに複数試薬分注器78を配備した上で内部ドラム本体面59Aを完全にスキャンすることから生じる反応身体試料スキャンS2を示す。各枠Fは、ドラム本体59と同一の広がりをもつのでドラム本体長さL2に等しい枠長さL2を有する。反応身体試料スキャンS2は、反応身体試料スキャンS1と同数の枠を有するが、その枠は、反応身体試料スキャンS2の枠がそれぞれ4つの枠セクションF1、F2、F3およびF4を含む限り、異なり、これらのセクションは水平長手方向ドラム本体中心線61に沿ってドラム本体59の端面図から内部ドラム本体面59Aの連続的に大きくなる円弧をたどって描かれている4つの反応身体試料堆積物に対応する。例示を目的として、4つの枠セクションは、以下のように異なる陰影で示される。試薬Wに反応した身体試料堆積物の枠セクションF1は十字で描かれ、試薬Xに反応した身体試料堆積物の枠セクションF2は円で描かれ、試薬Yに反応した身体試料堆積物の枠セクションF3は三角で描かれ、試薬Zに反応した身体試料堆積物の枠セクションF4は四角で描かれる。
【0025】
図7は、ユーザインターフェース57に取って代わるユーザインターフェース操作システム21を有する外部コンピューティングデバイス20と共に使用する回転ドラムアッセイ装置50Bを示す。例示を目的としてのみ、外部コンピューティングデバイス20はスマートフォンを例として示される。外部コンピューティングデバイス20は、タブレット、ラップトップコンピュータなどとして等しく実装することができる。ユーザインターフェース操作システム21は、アッセイ装置50Bの動作を可能にするウェブサイト、アプリケーションまたは他の専用ソフトウェアとすることができる。ユーザインターフェース操作システム21は、通信ワイヤ22を介して、または無線(WiFi、Bluetoothなど)でアッセイ装置50Bと通信することができる。アッセイ装置50Bは、オンボード画像処理機能を有することができ、または代替的にクラウドベースの画像処理機能を採用することができる。アッセイ装置50Bは、代替的に、外部コンピューティングデバイス20によって給電することができるので内部電源を必要としない。アッセイ装置50Bの動作は、アッセイ装置50Aの動作と同様である。
【0026】
図8は、回転ドラムアッセイ装置50Aと構造が同様である回転ドラムアッセイ装置50Cを示すので同様の部品には同様に番号が付けられる。アッセイ装置50Cは、以下の2点でアッセイ装置50Aと異なる。まず、試料収集管67はドラム本体59に対して外部に配置されることにより身体試料は、内部ドラム本体面59Aの代わりに外部ドラム本体面59B上に堆積される。同様に、試薬分注器76もドラム本体59の外側に配置される。アッセイ装置50Cは、高品質の反応身体試料スキャンの取得を妨げる反応身体試料が塗り付けられることから線状スキャナ64を保護するために、その回転中に外部ドラム本体面59B上に付着膜82を分注するための、固定され強固に取り付けられた付着膜分注器81をさらに含む。アッセイ装置50Cの動作は、アッセイ装置50Aの動作と同様である。
【0027】
専用の手持ち式試料収集用具
図9Aから9Cは、以下に記載されるように2つの異なる型のアッセイ装置、回転ドラムアッセイ装置および固定ドラムアッセイ装置と共に使用する専用の手持ち式試料収集用具30を示す。試料収集用具30は、身体試料を得るために、ハンドル31および細長い中空試料収集先端32を含む。試料収集用具30は、ハンドル31を試料収集先端32から解放して取り外すための解放構成部33を含むことができる。試料収集先端32は、身体試料を担持するために、長手方向試料収集先端中心線34と、内周試料収集先端面36と、外周試料収集先端面37とを有する。試料収集先端32は、試料収集先端長さL4を有する。
【0028】
身体試料は、その後の画像処理の前の初期スキャニングのために少なくとも1つの試薬と反応させることが好ましい。その結果、患者から身体試料を得る行為により患者の身体試料を得る位置で試薬反応が引き起こされるので、試料収集用具は露出した試薬面を有することが妨げられる。この制限を鑑みて、本発明は、試料収集用具30を設計するための2つのアプローチを以下のように想定する。
【0029】
a.身体試料のみを得るための基本的な専用の手持ち式試料収集用具。このような基本的試料収集用具は、専用の手持ち式試料収集用具がドラム本体内へ摺動挿入される身体試料と反応させるための試薬ライニングを備える内部ドラム本体面を有するアッセイ装置と共に使用することが意図されている。
図10は、試料収集用具30と同じ構造を有する基本的な専用の手持ち式試料収集用具30Aを示す。試料収集用具30Aは、ハンドル31、試料収集先端32A、および解放配置33を有する。
【0030】
b.試薬ライニングのない内部ドラム本体面を有するアッセイ装置と共に使用する、身体試料と反応するための少なくとも1つの試薬を含有する一体型試薬分注器を有する専用の手持ち式試料収集用具。このような試料収集用具は、それぞれ、試料収集先端がドラム本体内へ摺動挿入されると積極的に作動される一体型試薬分注器38を含む。一体型試薬分注器38は、単一の試薬または複数の試薬を分注してもよい。一体型試薬分注器38は、外周試料収集先端面37の下にある。一体型試薬分注器38は、内周試料収集先端面36の上にあるか、または代替的に内周試料収集先端面36の一部を形成してもよい。一体型試薬分注器38が作動されると、外周試料収集先端面37上で身体試料と反応させるために試薬が分注される。分注は、例えば、毛細管を通る強制流、密閉容器の意図された部分的破壊からの意図された漏れなどの形態であることができる。
【0031】
図11Aおよび
図11Bは、試料収集用具30と同じ構造を有し且つ身体試料と反応させるために単一の試薬Wを分注するための一体型試薬分注器38Bを備える細長い中空試料収集先端32Bを含む、試料収集用具30Bを示す。一体型試薬分注器38Bは、試薬Wを均一に分注するために、内周試料収集先端面36と外周試料収集先端面37との間に円筒状構造を有する。一体型試薬分注器38Bは、それに沿って延びる一連の径方向に向けられた毛細管39を有する。径方向に向けられた毛細管39は、外周試料収集先端面37へ延びる。
【0032】
図12Aおよび
図12Bは、試料収集用具30と同じ構造を有し且つ4つの試薬W、X、YおよびZを分注するための一体型複数試薬分注器38Cを備える細長い中空試料収集先端32Cを含む、試料収集用具30Cを示す。一体型複数試薬分注器38Cは、対応して4つの試薬W、X、YおよびZを含有するために、内周試料収集先端面36と外周試料収集先端面37との間に4つのほぼ四分の一円筒状試薬分注器38W、38X、38Yおよび38Zを含む。4つのほぼ四分の一円筒状試薬分注器38W、38X、38Yおよび38Zは、
図12Bの断面において周方向に離隔している。一体型複数試薬分注器38Cは、それに沿って延びる一連の径方向に向けられた毛細管39を有する。径方向に向けられた毛細管39は、外周試料収集先端面37へ延びる。外周試料収集先端面37は、外周試料収集先端面37上に形成された反応身体試料堆積物の間の望ましくない混合または重なりを回避するために、4つの四分の一円筒状試薬分注器38W、38X、38Yおよび38Zの間の間隔と一体となった4つの等間隔の長手方向溝41を含む。
【0033】
図13は、試料収集用具30と同じ構造を有し且つ4つの試薬W、X、YおよびZを分注するための一体型複数試薬分注器38Dを備える細長い試料収集先端32Dを含む、試料収集用具30Dを示す。一体型複数試薬分注器38Dは、対応して4つの試薬W、X、YおよびZを含有するために、内周試料収集先端面36と外周試料収集先端面37との間に4つの円環形状の試薬分注器38W、38X、38Yおよび38Zを含む。外周試料収集先端面37は、外周試料収集先端面37上に形成された反応身体試料堆積物の間の望ましくない混合または重なりを回避するために、4つの円環形状の試薬分注器38W、38X、38Yおよび38Zの間の間隔と一体となった4つの周方向溝42を含む。
【0034】
専用の手持ち式試料収集用具と共に使用する回転ドラムアッセイ装置および固定線状スキャナ
図14は、試料収集用具30A~30Dを代表する試料収集用具30と共に使用する回転ドラムアッセイ装置50Dを示す。試料収集用具30は、ハンドル31と、試料収集先端32A~32Dを代表する試料収集先端32とを有する。
【0035】
回転ドラムアッセイ装置50Dは、矢印Aにより示される所定回転方向に所定回転速度で水平長手方向ドラム本体中心線84を中心として透明で概ね円筒状の中空ドラム本体83を回転するための電動機62を含む。ドラム本体83は、試料収集先端32と少なくとも同じ長さL4を有する。ドラム本体83は、内部ドラム本体面83Aおよび外部ドラム本体面83Bを含む。回転ドラムアッセイ装置50Dは、ドラム本体83を均一にバックライト照明するために、ドラム本体83と同一の広がりをもち、水平長手方向ドラム本体中心線84に沿って配備された、強固に取り付けられたバックライト照明器86を含む。バックライト照明器86は、好ましくは、固定線状スキャナ64に対してドラム本体と共に回転する。あるいは、回転ドラムアッセイ装置50Dは、固定バックライト照明器86を備えて設計することができる。
【0036】
試料収集先端32、ドラム本体83およびバックライト照明器86は、試料収集先端32がドラム本体83内へぴったりと摺動挿入されると、バックライト照明器86が、同時に試料収集先端32内へぴったりと摺動挿入されるように、一致する大きさおよび形状を有する。したがって、ドラム本体83は、試料収集管を兼ねるが、これは、試料収集先端32の外周試料収集先端面37が内部ドラム本体面83Aと密に接触すると同時に、試料収集先端32の内部試料収集先端面36がバックライト照明器86と密に接触する限りにおいてである。内周試料収集先端面36およびバックライト照明器86は、同じ円形横断面、楕円形横断面などを有する。外周試料収集先端面37および内部ドラム本体面83Aは、同じ円形横断面、楕円形横断面などを有する。
【0037】
図15から
図19は、回転ドラムアッセイ装置50Dと試料収集用具30との5つの組み合わせを示す。簡便にするために、試料収集用具30を使用して身体試料を得ると、その試料収集先端32は、身体試料によって均一に周方向に覆われると考えられる。身体試料を担持する試料収集先端32を回転ドラムアッセイ装置50D内へぴったりと摺動挿入した後、回転ドラムアッセイ装置50Dは、直ちに、内部ドラム本体面83Aのスキャニングを開始する準備ができて、反応した身体試料スキャンSを取得する。取得された反応身体試料スキャンは、以下に説明するように、回転ドラムアッセイ装置50Dの異なる実施形態および試料収集用具30の異なる実施形態の機能である。
【0038】
図15は、長手方向にそれと同一の広がりをもつ単一試薬Wライニングを有する内部ドラム本体面83Aを備え、試料収集用具30Aの試料収集先端32Aをドラム本体83内へ挿入してハンドル31を取り外した後の、回転ドラムアッセイ装置50Dを示す。試料収集先端32Aがドラム本体83内へぴったりと摺動挿入されると、単一試薬Wは直ちに、試料収集先端32Aの身体試料と反応して内部ドラム本体面83A上に試薬Wに反応した身体試料の堆積物を形成する。
図15は、内部ドラム本体面83Aのスキャニングにより
図1の身体反応試料スキャンS1と同様の反応身体試料スキャンS1を取得することを示す。画像処理ソフトウェアは、反応身体試料スキャンを直ちに分析して、診断目的に十分な情報がドラム本体83の部分回転から取得されたかどうかを判定することができる。例えば、内部ドラム本体面83Aの半円筒のスキャニングは、診断目的に十分であり得るので、その場合、回転ドラム58および線状スキャナ64の動作を終了することができる。
【0039】
図16は、長手方向にそれと同一の広がりをもつ4つの試薬W、Z、YおよびZライニングを有するその内部ドラム本体面83Aを備え、試料収集用具30Aの試料収集先端32Aをドラム本体83内へ挿入してハンドル31を取り外した後の、回転ドラムアッセイ装置50Dを示す。各試薬W、X、YおよびZは、水平長手方向ドラム本体中心線84に沿ったドラム本体83の端面図においてほぼ四分の一弧として現れる内部ドラム本体面83Aのほぼ四分の一円筒状セクションを覆う。試料収集先端32Bがドラム本体83内へぴったりと摺動挿入されると、4つの試薬W、X、YおよびZは直ちに、試料収集先端32Bの身体試料と反応して、試薬Wと反応した身体試料堆積物、試薬Xと反応した身体試料堆積物、試薬Yと反応した身体試料堆積物および試薬Zと反応した身体試料堆積物を内部ドラム本体面83A上に形成する。各隣接する試薬対W-X、X-Y、Y-Z、およびZ-Wは、長手方向間隔によって離隔しているので、試料収集先端32Aがその中へぴったりと摺動挿入されると、試料収集先端32Aの身体試料が内部ドラム本体面83A上の4つの試薬W、X、YおよびZと反応して離隔した長手方向の反応身体試料堆積物を形成して、それらの間の望ましくない重なりを回避する。
【0040】
図16は、内部ドラム本体面83Aのスキャニングにより、枠が以下のように順番に配列された反応身体試料スキャンS3を取得することを示し、試薬Wと反応した身体試料堆積物の第1の枠F1は十字で描かれ、試薬Xと反応した身体試料堆積物の第2の枠F2は円で描かれ、試薬Yと反応した身体試料堆積物の第3の枠F3は三角で描かれ、試薬Zと反応した身体試料堆積物の最後の枠F4は四角で描かれる。したがって、内部ドラム本体面83Aの全体は、身体試料が4つの試薬W、X、YおよびZと反応したことに関して反応した完全な身体試料スキャンS3を取得するためにスキャンする必要がある。
【0041】
図17は、試料収集用具30Bの試料収集先端32Bをドラム本体83内へ挿入してハンドル31を取り外した後の回転ドラムアッセイ装置50Dを示す。試料収集先端32Bがドラム本体83内へぴったりと摺動挿入されると、
バックライト照明器86は、一体型試薬分注器38Bを作動させて、外部試料収集先端面37上の身体試料と反応する試薬Wを分注する。
図17は、内部ドラム本体面83Aのスキャニングにより、
図1の反応身体試料スキャンS1と同様の反応身体試料スキャンS1を取得する。画像処理ソフトウェアは、反応身体試料スキャンを直ちに分析して、診断目的のための十分な情報がドラム本体83の部分回転から取得されたかどうかを判定することができる。例えば、内部ドラム本体面83Aの半円筒のスキャニングは診断目的に十分であり得るので、その場合、回転ドラム58および線状スキャナ64の動作を終了することができる。
【0042】
図18は、試料収集用具30Cの試料収集先端32Cをドラム本体83内へ挿入してハンドル31を取り外した後の回転ドラムアッセイ装置50Dを示す。試料収集先端32Cがドラム本体83内へぴったりと摺動挿入されると、
バックライト照明器86は、一体型試薬分注器38Cを作動して、外部試料収集先端面37上の身体試料と反応する4つの試薬W、X、YおよびZを分注する。このようにぴったりと摺動挿入されると、外部試料収集先端面37は、試薬Wと反応した身体試料堆積物、試薬Xと反応した身体試料堆積物、試薬Yと反応した身体試料堆積物および試薬Zと反応した身体試料堆積物を内部ドラム本体面83A上に堆積する。
【0043】
図18は、内部ドラム本体面83Aのスキャニングにより
図16の反応身体試料スキャンS3と同様の反応身体試料スキャンS3を取得することを示す。したがって、枠は以下のように順番に配列される。試薬Wと反応した身体試料堆積物の第1の枠F1は十字で描かれ、試薬Xと反応した身体試料堆積物の第2の枠F2は円で描かれ、試薬Yと反応した身体試料堆積物の第3の枠F3は三角で描かれ、試薬Zと反応した身体試料堆積物の最後の枠F4は四角で描かれる。内部ドラム本体面83Aの全体は、身体試料が4つの試薬W、X、YおよびZと反応したことに関して完全な反応身体試料スキャンSを取得するためにスキャンする必要がある。
【0044】
図19は、試料収集用具30Dの試料収集先端32Dをドラム本体83内へ挿入してハンドル31を取り外した後の回転ドラムアッセイ装置50Dを示す。試料収集先端32Dがドラム本体83内へぴったりと摺動挿入されると、
バックライト照明器86は、一体型試薬分注器38Dを作動させて、外部試料収集先端面37上の身体試料と反応する4つの試薬W、X、YおよびZを分注する。このようにぴったりと摺動挿入されると、外部試料収集先端面37は、試薬Wと反応した身体試料堆積物、試薬Xと反応した身体試料堆積物、試薬Yと反応した身体試料堆積物および試薬Zと反応した身体試料堆積物を内部ドラム本体面83A上に堆積する。
【0045】
図19は、内部ドラム本体面83Aのスキャニングにより
図6の反応身体試料スキャンS2と同様の反応身体試料スキャンSを取得することを示す。各枠Fは、4つの反応身体試料堆積物に対応する4つのセクションF1、F2、F3およびF4を含む。例示の目的で、4つのセクションは、以下のように異なる陰影で示される。試薬Wと反応した身体試料堆積物の枠セクションF1は十字で描かれ、試薬Xと反応した身体試料堆積物の枠セクションF2は円で描かれ、試薬Yと反応した身体試料堆積物の枠セクションF3は三角で描かれ、試薬Zと反応した身体試料堆積物の枠セクションF4は四角で描かれる。
【0046】
専用の試料収集用具と共に使用する固定ドラムアッセイ装置および固定円筒状スキャナ
図20は、反応身体試料スキャンを取得するために試料収集用具30と共に使用する固定ドラムアッセイ装置50Eを示す。固定ドラムアッセイ装置50Eは、水平かつ透明で概ね円筒状の中空ドラム本体88およびドラム本体88を周方向に取り囲む円筒状スキャナ89を備える固定ドラム87を有する筐体51を含む。ドラム本体88は、
バックライト照明器86によって
バックライト照明された円筒形状に形成された感光性セルからなる内部ドラム本体面88Aを有する。感光性セルは、CCDアレイシート、CMOSアレイシートなどとして実装することができる。固定ドラムアッセイ装置50E内へ身体試料を担持する試料収集先端32がぴったりと摺動挿入された後、固定ドラムアッセイ装置50Eは直ちに、内部ドラム本体面88Aのスキャニングを開始する準備ができて反応身体試料スキャンSを取得する。取得された反応身体試料スキャンは、回転ドラムアッセイ装置50Dの異なる実施形態および試料収集用具30の異なる実施形態を参照して上述したように、固定ドラムアッセイ装置50Eの異なる実施形態および試料収集用具30の異なる実施形態の機能である。固定ドラムアッセイ装置50Eは、回転ドラムアッセイ装置50Bと同様に、ユーザインターフェース操作システム21を有する外部コンピューティングデバイス20と共に使用するために修正されることができる。
【0047】
本発明を限られた数の実施形態に関して説明したが、本発明の多くの変形、修正、および他の用途は添付の特許請求の範囲内で行われることができることが理解される。