(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-27
(45)【発行日】2023-11-07
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラム、およびユーザ端末
(51)【国際特許分類】
H04N 21/235 20110101AFI20231030BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20231030BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/258
(21)【出願番号】P 2023043291
(22)【出願日】2023-03-17
【審査請求日】2023-03-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】前田 卓魅
【審査官】醍醐 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-024982(JP,A)
【文献】特許第7065545(JP,B1)
【文献】[PC]YouTubeの配信を全画面でチャットつきで見る方法[コメント表示][YouTube Chat in Fullscreen],2022年12月25日,PP.1-6,[検索日 2023.05.30], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20221225103214/https://nobita-retire.com/youtube-chat-fullscreen/>
【文献】インスタライブ コメントの非表示や削除は? わかりにくい仕様を解説,2020年11月24日,PP.1-6,[検索日 2023.05.30], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20201124150047/https://live-live-live.net/2422>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記
入力されたコメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記
入力されたコメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて
、前記
入力されたコメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示
し、
前記少なくとも一つの対象端末のそれぞれが、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域と、前記第1位置に表示された前記入力されたコメントを含むコメント群を表示するコメント領域とを含む画面を表示し、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記コンテンツ領域内であって前記コメント領域の外に位置する領域に前記第2位置を設定し、
前記コメント群のうち前記入力されたコメントとは異なる1以上の別コメントを前記コメント領域に表示させたまま、前記設定された第2位置に前記入力されたコメントを表示する、
コンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記コメント領域が、前記コメントを含むコメント群が所定の方向に流れるように該コメント群を表示する領域であり、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記コメントが前記コンテンツ領域内に固定されるように、前記設定された第2位置に前記コメントを表示する、
請求項
1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含まず、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記ユーザ操作に応答して、予め設定された位置を前記第2位置として決定し、
前記決定された第2位置に前記コメントを表示する、
請求項
1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含まず、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記ユーザ操作に応答して、所定のルールに基づいて前記第2位置を動的に決定し、
前記決定された第2位置に前記コメントを表示する、
請求項
1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記所定のルールが、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域内に表示されている別のコメントに隣接して前記コメントを表示することを示し、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記別のコメントに隣接する位置を前記第2位置として決定する、
請求項
4に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記ユーザ操作によって指定された前記第2位置に前記コメントを表示する、
請求項
1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項7】
少なくとも一つのプロセッサを備えるコンテンツ管理システムによって実行されるコンテンツ管理方法であって、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示するステップと、
前記動画コンテンツおよび前記
入力されたコメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記
入力されたコメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて
、前記
入力されたコメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示するステップと、
を含
み、
前記少なくとも一つの対象端末のそれぞれが、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域と、前記第1位置に表示された前記入力されたコメントを含むコメント群を表示するコメント領域とを含む画面を表示し、
前記入力されたコメントを前記第2位置に表示する前記ステップが、
前記コンテンツ領域内であって前記コメント領域の外に位置する領域に前記第2位置を設定するステップと、
前記コメント群のうち前記入力されたコメントとは異なる1以上の別コメントを前記コメント領域に表示させたまま、前記設定された第2位置に前記入力されたコメントを表示するステップとを含む、
コンテンツ管理方法。
【請求項8】
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示するステップと、
前記動画コンテンツおよび前記
入力されたコメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記
入力されたコメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて
、前記
入力されたコメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示するステップと、
をコンピュータに実行させ
、
前記少なくとも一つの対象端末のそれぞれが、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域と、前記第1位置に表示された前記入力されたコメントを含むコメント群を表示するコメント領域とを含む画面を表示し、
前記入力されたコメントを前記第2位置に表示する前記ステップが、
前記コンテンツ領域内であって前記コメント領域の外に位置する領域に前記第2位置を設定するステップと、
前記コメント群のうち前記入力されたコメントとは異なる1以上の別コメントを前記コメント領域に表示させたまま、前記設定された第2位置に前記入力されたコメントを表示するステップとを含む、
コンテンツ管理プログラム。
【請求項9】
通信ネットワークを介して他端末と接続するユーザ端末であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
動画コンテンツを画面上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記ユーザ端末または前記他端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて前記画面上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記
入力されたコメントが表示されている間に前記ユーザ端末または前記他端末において受け付けられた、前記
入力されたコメントに対するユーザ操作に応答して、前記
入力されたコメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示
し、
前記画面が、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域と、前記第1位置に表示された前記入力されたコメントを含むコメント群を表示するコメント領域とを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記コンテンツ領域内であって前記コメント領域の外に位置する領域に前記第2位置を設定し、
前記コメント群のうち前記入力されたコメントとは異なる1以上の別コメントを前記コメント領域に表示させたまま、前記設定された第2位置に前記入力されたコメントを表示する、
ユーザ端末。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうち該ユーザ操作を受け付けた端末とは異なる別端末において、前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示する、
コンテンツ管理システム。
【請求項11】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示し、
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含まず、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記ユーザ操作に応答して、予め設定された位置を前記第2位置として決定し、
前記決定された第2位置に前記コメントを表示する、
コンテンツ管理システム。
【請求項12】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示し、
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含まず、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記ユーザ操作に応答して、所定のルールに基づいて前記第2位置を動的に決定し、
前記決定された第2位置に前記コメントを表示する、
コンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラム、およびユーザ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
動画コンテンツが表示されている間に投稿されたコメントを、該動画コンテンツとともに表示する技術が知られている。特許文献1には、視聴者端末から送信されたコメントデータに基づきコメントをライブ動画に表示する画像処理を行う画像表示部を備えるライブ配信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動画コンテンツに対して投稿されたコメントの利便性を高めることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るコンテンツ管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、動画コンテンツが表示されている間に第1端末または第2端末において入力されたコメントを、動画コンテンツと併せて、少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に第1端末または第2端末において受け付けられた、コメントに対するユーザ操作に応答して、少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいてコメントを、第1位置とは異なる第2位置に表示する。
【0006】
このような側面においては、動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に受け付けられたユーザ操作に応答して、該コメントが別の位置に表示される。この仕組みにより、そのコメントの利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、動画コンテンツに対して投稿されたコメントの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】コンテンツ管理システムの適用の一例を示す図である。
【
図2】コンテンツ管理システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】コンテンツ管理システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
【
図4】コンテンツ管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】コメント制御の操作の別の例を示す図である。
【
図7】コメント制御の操作のさらに別の例を示す図である。
【
図8】コメント制御の操作のさらにまた別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[システムの概要]
本開示に係るコンテンツ管理システムは、ユーザに配信されるコンテンツを管理するコンピュータシステムである。コンテンツとは、コンピュータまたはコンピュータシステムによって提供され、人が認識可能な情報をいう。コンテンツを示す電子データをコンテンツデータという。一例では、コンテンツは音声を含み得る映像によって表現される動画コンテンツである。動画コンテンツは、カメラなどの撮像装置によって生成された映像を含んでもよいし、コンピュータグラフィック(CG)を含んでもよいし、これらの双方を含んでもよい。コンテンツは様々な態様の情報伝達またはコミュニケーションのために用いることができ、例えば、ニュース、教育、医療、ゲーム、チャット、商取引、講演、セミナー、研修、コンサート、アンケートなどの様々な場面または目的で利用され得る。コンテンツの配信とは、ユーザにコンテンツを提供するために実行される処理をいい、例えば、通信ネットワークを経由して情報をユーザに向けて送信する処理をいう。
【0011】
コンテンツ管理システムは、動画コンテンツを示すコンテンツデータをユーザ端末に送信することで、該動画コンテンツをユーザに提供する。一例では、その動画コンテンツは配信者から提供される。配信者とは、コンテンツ管理システムによって視聴者に情報を提供しようとする人であり、動画コンテンツの発信者である。視聴者とは、コンテンツ管理システムによって情報を得ようとする人であり、動画コンテンツの利用者である。コンテンツ管理システムは、配信者端末から提供されたコンテンツデータを視聴者端末に送信する。視聴者端末は、コンテンツデータを処理して画面上に動画コンテンツを表示する。本開示において、配信者と視聴者とをユーザと総称して説明し、配信者端末と視聴者端末とをユーザ端末と総称して説明を行う場合がある。
【0012】
一例では、コンテンツ管理システムはリアルタイム配信を行ってもよい。この場合、例えば、配信者端末は、撮影した映像を処理してコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータをコンテンツ管理システムに向けてリアルタイムに送信する。コンテンツ管理システムはそのコンテンツデータを受信し、視聴者端末に向けてそのコンテンツデータをリアルタイムに送信する。これはインターネット生放送の一態様である。コンテンツデータはコンテンツ管理システムにおいて生成されてもよい。すなわち、コンテンツ管理システムは、配信者端末から提供されるリアルタイムの映像を処理してコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータを視聴者端末に向けてリアルタイムに送信してもよい。コンテンツ管理システムは、リアルタイム配信後の所与の期間においてコンテンツを視聴可能なタイムシフトのために用いられてもよい。
【0013】
コンテンツ管理システムは、視聴者が任意のタイミングでコンテンツを視聴可能なオンデマンド配信を行ってもよい。この場合、例えば、コンテンツ管理システムは、過去に撮影された映像を処理することで生成されたコンテンツデータを、データベースなどの記憶装置に格納してもよい。コンテンツ管理システムは、視聴者の要求に応じて、格納されたコンテンツデータを視聴者端末に向けて送信してもよい。
【0014】
コンテンツ管理システムは、第1端末によって生成された動画コンテンツを、第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示する。第1端末は例えば配信者端末であり、第2端末は例えば視聴者端末である。対象端末は、配信者端末および視聴者端末の少なくとも一方であり得る。複数の視聴者端末が存在する場合には、対象端末は該複数の視聴者端末の少なくとも一つでもよい。
【0015】
コンテンツ管理システムは、動画コンテンツが表示されている間に第1端末または第2端末において入力されたコメントを、動画コンテンツと併せて少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示する。すなわち、コンテンツ管理システムは投稿されたコメントを動画コンテンツとともに表示する。第1位置はコメントが初期表示される位置である。コメントとは、ユーザによって入力される、動画コンテンツとは独立した情報をいう。コメントを示す電子データをコメントデータという。コメントはコメントテキストおよび画像の少なくとも一方によって生成されてもよく、例えば、文字(テキスト)、絵文字、静止画(写真、イラストなど)、および動画像(映像またはアニメーション)のうちの少なくとも一つを含んで構成されてもよい。「コメントを動画コンテンツと併せて表示する」とは、コメントおよび動画コンテンツの双方を同一画面上に表示する処理をいう。コメントは動画コンテンツと重なることなく表示されてもよいし、コメントの少なくとも一部が動画コンテンツと重なるように表示されてもよい。
【0016】
コンテンツ管理システムは、動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に第1端末または第2端末において受け付けられた、該コメントに対するユーザ操作に応答して、少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて該コメントを、第1位置とは異なる第2位置に表示する。一例では、コンテンツ管理システムは、コメントを第2位置に表示するためのコメント制御データを対象端末に送信して、該対象端末にコメントを第2位置に表示させる。
【0017】
コンテンツ管理システムは対象端末の画面上での様々な場所に第1位置および第2位置を設定し得る。例えば、コンテンツ管理システムは第1位置および第2位置の少なくとも一方を、動画コンテンツと重なるように設定してもよいし、動画コンテンツと重ならないように設定してもよい。コンテンツ管理システムは第1位置および第2位置の少なくとも一方を、黒帯とも呼ばれる余剰領域上に設定してもよい。
【0018】
[システムの構成]
図1は、一例に係るコンテンツ管理システム1の適用を示す図である。この例では、コンテンツ管理システム1はサーバ10を備える。サーバ10は、コンテンツデータを配信するコンピュータである。サーバ10は、通信ネットワークNを介して1以上の配信者端末20(第1端末)および1以上の視聴者端末30(第2端末)と接続する。サーバ10は、通信ネットワークNを介してユーザデータベース40とも接続する。通信ネットワークNはインターネットを含んで構成されていてもよいし、イントラネットを含んで構成されていてもよい。
【0019】
配信者端末20は、配信者によって用いられるコンピュータである。一例では、配信者端末20は、動画コンテンツを生成する機能と、コンテンツ管理システム1にアクセスしてその動画コンテンツを示すコンテンツデータを送信する機能とを有する。配信者端末20は映像を撮影、収録、および送信する機能を有する撮影システムであってもよい。あるいは、配信者端末20は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、配信者端末20はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0020】
視聴者端末30は、視聴者によって用いられるコンピュータである。一例では、視聴者端末30は、コンテンツ管理システム1にアクセスしてコンテンツデータを受信および表示する機能を有する。視聴者端末30は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、視聴者端末30はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0021】
配信者は、配信者端末20を操作してコンテンツ管理システム1にログインし、これにより動画コンテンツを視聴者に提供できる。視聴者は、視聴者端末30を操作してコンテンツ管理システム1にログインし、これにより視聴者はコンテンツを視聴できる。本開示では、コンテンツ管理システム1の視聴者および配信者が既にログインしていることを前提とする。視聴者によるコンテンツ管理システム1へのログインが省略されてもよい。すなわち、コンテンツ管理システム1は、ログインしていない一般の視聴者の視聴者端末30にコンテンツデータを送信してもよい。この場合、ログインしていない一般の視聴者もコンテンツを視聴できる。
【0022】
ユーザデータベース40は、コンテンツ管理システム1を利用するユーザに関するユーザデータを記憶する非一時的な記憶装置である。一例では、ユーザデータの各レコードは、個々のユーザを一意に特定する識別子であるユーザIDと、ユーザの属性を示す属性情報とを含む。ユーザの属性とは、ユーザの特徴または性質を示す情報をいう。例えば、属性情報は氏名、年齢、性別、ユーザによって視聴されたコンテンツの識別子である1以上のコンテンツID、または各コンテンツの視聴回数を含んでもよい。属性情報は、ユーザが使用できるアイコンを含んでもよい。ユーザのアイコンは、該ユーザによって制作されてもよいし、他者からギフトとして該ユーザに提供されてもよいし、該ユーザによって他者にギフトとして提供可能であってもよい。ギフトとしてのアイコンは、通常のアイコンとは異なる特殊な表示態様を有してもよいし、ギフトの受領者に金銭などの報酬を付与する機能を有してもよい。属性情報は、ユーザデータベース40以外の領域に記憶されていてもよい。例えば、属性情報は、視聴者端末30におけるブラウザのクッキー(Cookie)領域に記憶されていてもよい。属性情報は、ユーザがコンテンツ管理システム1にログインしているか否かを示す情報を含んでいてもよい。
【0023】
ユーザデータベース40は、単一のデータベースとして構築されてもよいし、複数のデータベースの集合であってもよい。ユーザデータベース40は、コンテンツ管理システム1の構成要素であってもよいし、コンテンツ管理システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0024】
図2は、コンテンツ管理システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図2は、サーバ10として機能するサーバコンピュータ100と、配信者端末20または視聴者端末30として機能する端末コンピュータ200とを示す。
【0025】
一例として、サーバコンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)である。主記憶部102は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、サーバコンピュータ100をサーバ10として機能させるためのサーバプログラムP1と各種のデータとを記憶する。通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0026】
本実施形態では、コンテンツ管理プログラムはサーバプログラムP1として実装される。サーバ10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上にサーバプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。サーバプログラムP1は、サーバ10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はサーバプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。
【0027】
サーバ10は、一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークNを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで、論理的に一つのサーバ10が構成される。
【0028】
一例として、端末コンピュータ200はハードウェア構成要素として、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、および撮像部207を備える。プロセッサ201は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPUまたはGPUである。主記憶部202は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROMまたはRAMにより構成される。補助記憶部203は、一般に主記憶部202よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部203は、端末コンピュータ200を配信者端末20または視聴者端末30として機能させるためのクライアントプログラムP2と各種のデータとを記憶する。通信部204は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。入力インタフェース205は、ユーザの操作または動作に基づいてデータを受け付ける装置であり、例えば、キーボード、操作ボタン、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォン、センサ、およびカメラのうちの少なくとも一つによって構成される。出力インタフェース206は、端末コンピュータ200で処理されたデータを出力する装置であり、例えば、モニタ、タッチパネル、HMDなどの表示装置を含んで構成される。撮像部207は、現実世界を写した画像(映像または写真)を撮影する装置であり、例えばカメラである。撮像部207は入力インタフェース205としても機能し得る。
【0029】
配信者端末20または視聴者端末30の各機能要素は、対応するクライアントプログラムP2をプロセッサ201または主記憶部202に読み込ませてプロセッサ201にそのプログラムを実行させることで実現される。クライアントプログラムP2は、配信者端末20または視聴者端末30の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ201はクライアントプログラムP2に従って通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、または撮像部207を動作させ、主記憶部202または補助記憶部203におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。
【0030】
サーバプログラムP1およびクライアントプログラムP2の少なくとも一つは、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に非一時的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、これらのプログラムの少なくとも一つは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークNを介して提供されてもよい。これらのプログラムは別々に提供されてもよいし、一緒に提供されてもよい。
【0031】
図3は、コンテンツ管理システム1に関連する機能構成の一例を示す図である。サーバ10は、機能要素としてコンテンツ転送部11およびコメント制御部12を備える。コンテンツ転送部11は、配信者端末20から送信されたコンテンツデータを受信し、そのコンテンツデータを視聴者端末30に送信する機能要素である。コメント制御部12は、配信者端末20または視聴者端末30において入力されたコメントを制御する機能要素である。
【0032】
配信者端末20は、機能要素としてコンテンツ生成部21、コンテンツ表示部22、コメント受付部23、コメント表示部24、および位置受付部25を備える。コンテンツ生成部21は、動画コンテンツを生成し、その動画コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する機能要素である。コンテンツ表示部22は、生成された動画コンテンツを配信者端末20の画面上に表示する機能要素である。コメント受付部23は、配信者によって入力されたコメントを受け付け、そのコメントを示すコメントデータをサーバ10に送信する機能要素である。コメント表示部24は、サーバ10からコメントデータまたはコメント制御データを受信し、そのデータに基づいてコメントを画面上に表示する機能要素である。位置受付部25は、画面上に表示されているコメントに対する配信者のユーザ操作を受け付け、そのユーザ操作を示すコメント操作データをサーバ10に送信する機能要素である。
【0033】
視聴者端末30は、コンテンツ表示部31、コメント受付部32、コメント表示部33、および位置受付部34を備える。コンテンツ表示部31は、サーバ10からコンテンツデータを受信し、そのコンテンツデータに基づいて動画コンテンツを表示する機能要素である。コメント受付部32は、視聴者によって入力されたコメントを受け付け、そのコメントを示すコメントデータをサーバ10に送信する機能要素である。コメント表示部33は、サーバ10からコメントデータまたはコメント制御データを受信し、そのデータに基づいてコメントを画面上に表示する機能要素である。位置受付部34は、画面上に表示されているコメントに対する視聴者のユーザ操作を受け付け、そのユーザ操作を示すコメント操作データをサーバ10に送信する機能要素である。
【0034】
[システムの動作]
図4を参照しながら、コンテンツ管理システム1の動作を説明するとともに、一例に係るコンテンツ管理方法について説明する。
図4は、コンテンツ管理システム1の動作の一例を処理フローS1として示すシーケンス図である。
【0035】
ステップS101では、配信者端末20のコンテンツ生成部21が動画コンテンツを生成する。一例では、コンテンツ生成部21は、配信者が配信開始のためのユーザ操作を行ったことに応答して、動画コンテンツの生成を開始する。例えば、コンテンツ生成部21は、撮像部207によって撮影された映像を含む動画コンテンツを生成してもよいし、補助記憶部203に記憶されたコンテンツ素材に基づいて動画コンテンツを生成してもよい。
【0036】
ステップS102では、コンテンツ生成部21がその動画コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する。一例では、コンテンツ生成部21は、映像の撮影に基づく動画コンテンツの生成に応じてコンテンツデータを連続的にサーバ10に送信する。サーバ10ではコンテンツ転送部11がそのコンテンツデータを受信する。
【0037】
ステップS103では、コンテンツ転送部11がそのコンテンツデータを視聴者端末30に送信する。一例として、コンテンツ転送部11は、視聴者端末30からのコンテンツ要求に応答して、その視聴者端末30にコンテンツデータを送信し始める。コンテンツ要求は、動画コンテンツの再生をサーバ10に要求するためのデータ信号である。一例では、コンテンツ転送部11はコンテンツデータを連続的に視聴者端末30に送信する。視聴者端末30ではコンテンツ表示部31が、コンテンツ転送部11から送信されたコンテンツデータを受信する。
【0038】
ステップS104では、配信者端末20のコンテンツ表示部22が、コンテンツ生成部21によって生成された動画コンテンツを画面上に表示する。動画コンテンツが音声を含む場合には、コンテンツ表示部22は動画コンテンツに含まれる音声をスピーカから出力し得る。
【0039】
ステップS105では、視聴者端末30のコンテンツ表示部31が、受信されたコンテンツデータを処理して動画コンテンツを画面上に表示する。動画コンテンツが音声を含む場合には、コンテンツ表示部31は動画コンテンツに含まれる音声をスピーカから出力し得る。
【0040】
配信者端末20において動画コンテンツが表示されている間に配信者がコメントを入力した場合には、ステップS106,S107が実行される。
【0041】
ステップS106では、コメント受付部23が、配信者によって入力されたコメントを受け付ける。コメントの入力は、例えば、キーボードなどを介した文字入力によって行われてもよいし、マイクロフォンで受信された音声をテキストデータに変換することによって行われてもよい。コメント受付部23は、入力されたコメントが表示されるユーザ端末として配信者端末20を指定するための入力をさらに受け付けてもよい。この入力は、例えば、配信者がメモなどの目的で自分の端末上にのみコメントを表示させる場合に行われる。
【0042】
ステップS107では、コメント受付部23がそのコメントを示すコメントデータをサーバ10に送信する。例えば、コメント受付部23は、配信者がコメント送信のためのユーザ操作を行ったことに応答して、入力されたコメントと、該コメントを一意に特定する識別子であるコメントIDとを含むコメントデータを生成する。コメント受付部23は、指定されたユーザ端末をさらに示すコメントデータを生成してもよい。コメント受付部23は生成されたコメントデータを送信する。サーバ10ではコメント制御部12がそのコメントデータを受信する。
【0043】
視聴者端末30において動画コンテンツが表示されている間に視聴者がコメントを入力した場合には、ステップS108,S109が実行される。
【0044】
ステップS108では、コメント受付部32が、視聴者によって入力されたコメントを受け付ける。配信者端末20と同様に、コメントの入力は文字入力によって行われてもよいし、音声をテキストデータに変換することによって行われてもよい。コメント受付部32は、入力されたコメントが表示されるユーザ端末として視聴者端末30を指定するための入力をさらに受け付けてもよい。この入力は、例えば、視聴者がメモなどの目的で自分の端末上にのみコメントを表示させる場合に行われる。
【0045】
ステップS109では、コメント受付部32がそのコメントを示すコメントデータをサーバ10に送信する。例えば、コメント受付部32は、視聴者がコメント送信のためのユーザ操作を行ったことに応答して、入力されたコメントと、該コメントを特定するコメントIDとを含むコメントデータを生成する。コメント受付部32は、指定されたユーザ端末をさらに示すコメントデータを生成してもよい。コメント受付部32は生成されたコメントデータを送信する。サーバ10ではコメント制御部12がそのコメントデータを受信する。
【0046】
ステップS110では、コメント制御部12が、配信者端末20または視聴者端末30から受信したコメントデータを、コメントを表示させようとするユーザ端末に送信する。コメント制御部12はユーザデータベース40を参照して、そのコメントデータに対応するユーザ、すなわちコメントを入力したユーザのアイコンを取得し、そのアイコンをコメントデータに追加して、この処理されたコメントデータを送信してもよい。ユーザ端末が指定されていない場合には、コメント制御部12は、動画コンテンツを表示している配信者端末20および各視聴者端末30にコメントデータを送信してもよい。ユーザ端末が指定されている場合には、コメント制御部12はそのユーザ端末にコンテンツデータを送信する。処理フローS1では、コメント制御部12は配信者端末20および視聴者端末30にコメントデータを送信する。
【0047】
ステップS111では、配信者端末20のコメント表示部24が、サーバ10から受信したコメントデータに基づいてコメントを画面内の第1位置に表示する。一例では、コメント表示部24は、1以上のコメントをコメントデータの受信の順序に従って表示するコメント領域にそのコメントを表示する。コメント領域は第1位置を含む領域であるといえる。
【0048】
ステップS112では、視聴者端末30のコメント表示部33が、サーバ10から受信したコメントデータに基づいてコメントを画面の第1位置に表示する。一例では、視聴者端末30上の画面も配信者端末20と同様にコメント領域を含み、コメント表示部33はそのコメント領域にコメントを表示する。
【0049】
コメント表示部24,33によって用いられる第1位置は、一つの座標によって表されてもよいし、複数の座標によって規定される領域によって表されてもよいし、座標以外の他のデータによって表されてもよい。
【0050】
配信者端末20において動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に配信者が該コメントに対するユーザ操作を行った場合には、ステップS113,S114が実行される。
【0051】
ステップS113では、位置受付部25が、コメントの表示態様を変更するためのユーザ操作を受け付ける。位置受付部25はそのユーザ操作として、コメントが新たに表示される第2位置の指定を含む操作を受け付けてもよい。例えば、位置受付部25はその操作としてドラッグ・アンド・ドロップを受け付けてもよく、この場合には、ドロップに対応する位置または領域が第2位置に対応する。あるいは、位置受付部25は、第2位置の指定を含まない操作を受け付けてもよい。例えば、位置受付部25はコメントに対する単なるタップまたはクリックを受け付けてもよい。位置受付部25は、表示位置に加えてまたは代えて、コメントの他の表示態様を変更するためのユーザ操作を受け付けてもよい。例えば、位置受付部25は、コメントの大きさ、向き、および色のうちの少なくとも一つを変更するユーザ操作を受け付けてもよい。あるいは、位置受付部25は、コメントとともに表示されるアイコンの有無と、アイコンの種類とのうちの少なくとも一つを変更するユーザ操作を受け付けてもよい。位置受付部25は、入力されたコメントが制御されるユーザ端末として配信者端末20を指定するための入力をさらに受け付けてもよい。この入力は、例えば、配信者が自分の端末上でのみコメントを制御させる場合に行われる。
【0052】
ステップS114では、位置受付部25が、受け付けられたユーザ操作を示すコメント操作データをサーバ10に送信する。一例では、位置受付部25は、ドラッグ・アンド・ドロップに基づいて、操作されたコメントのコメントIDと第2位置とを含むコメント操作データを生成する。別の例では、位置受付部25は、タップまたはクリックに基づいて、操作されたコメントのコメントIDを含み第2位置を含まないコメント操作データを生成する。位置受付部25は、表示位置以外の表示態様を変更するための情報を含むコメント操作データを生成し得る。位置受付部25は、指定されたユーザ端末をさらに示すコメント操作データを生成してもよい。
【0053】
視聴者端末30において動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に視聴者が該コメントに対するユーザ操作を行った場合には、ステップS115,S116が実行される。
【0054】
ステップS115では、位置受付部34が、コメントの表示態様を変更するためのユーザ操作を受け付ける。配信者端末20での処理と同様に、位置受付部34はコメントが新たに表示される第2位置の指定を含むユーザ操作を受け付けてもよいし、第2位置の指定を含まないユーザ操作を受け付けてもよい。あるいは、位置受付部34は、表示位置に加えてまたは代えて、コメントの他の表示態様を変更するためのユーザ操作を受け付けてもよい。位置受付部34は、入力されたコメントが制御されるユーザ端末として視聴者端末30を指定するための入力をさらに受け付けてもよい。この入力は、例えば、視聴者が自分の端末上でのみコメントを制御させる場合に行われる。
【0055】
ステップS116では、位置受付部34が、受け付けられたユーザ操作を示すコメント操作データをサーバ10に送信する。一例では、位置受付部34は、ドラッグ・アンド・ドロップに基づいて、操作されたコメントのコメントIDと、第2位置とを示すコメント操作データを生成する。別の例では、位置受付部34は、タップまたはクリックに基づいて、操作されたコメントのコメントIDを含み第2位置を含まないコメント操作データを生成する。位置受付部34は、表示位置以外の表示態様を変更するための情報を含むコメント操作データを生成し得る。位置受付部34は、指定されたユーザ端末をさらに示すコメント操作データを生成してもよい。
【0056】
ステップS117では、コメント制御部12が、配信者端末20または視聴者端末30から受信したコメント操作データに基づいて、配信者端末20および視聴者端末30において表示されているコメントを制御する。コメント制御部12はそのコメント操作データに基づいて、コメントの表示態様の変更を配信者端末20および視聴者端末30に指示するためのコメント制御データを生成する。コメント制御部12は、表示位置以外の表示態様を変更するための情報を含むコメント制御データをコメント操作データに基づいて生成し得る。
【0057】
例えば、コメント制御部12は、コメント操作データで示されるコメントIDおよび第2位置を含むコメント制御データを生成する。すなわち、コメント制御部12は、ユーザ操作によって指定された第2位置を含むコメント制御データを生成し得る。
【0058】
あるいは、コメント制御部12は、配信者、視聴者、またはコンテンツ管理システム1の管理者によって予め設定されて補助記憶部103に格納された所定の位置を第2位置として決定する。所定の位置は、動画コンテンツを表示するコンテンツ領域内の位置であってもよい。あるいは、コメント制御部12は第2位置を所定のルールに基づいて動的に決定してもよい。このルールは、例えば、動画コンテンツの背景領域にコメントを表示することでもよいし、コンテンツ領域内に表示されている別のコメントに隣接してコメントを表示することでもよい。したがって、コメント制御部12は、その背景領域内の位置、または別のコメントに隣接する位置を、第2位置として決定し得る。コメント制御部12は、制御されようとするコメントが他のコメントと重ならないように新たな位置を決定してもよい。コメント制御部12は、コメント操作データで示されるコメントIDと、決定された第2位置とを含むコメント制御データを生成する。
【0059】
このように、コメント制御部12は、コメント操作データで示される第2位置をそのまま設定してもよいし、所定の位置または動的な決定によって決定された第2位置を設定してもよい。コメント制御データによって示される第2位置は、一つの絶対座標によって表されてもよいし、複数の絶対座標によって規定される領域によって表されてもよい。あるいは、第2位置は、動画コンテンツの背景領域内の位置、別のコメントに隣接する位置などの相対値によって定義されてもよい。
【0060】
ステップS118では、コメント制御部12がコメント制御データを、コメントを表示させようとするユーザ端末に送信する。ユーザ端末が指定されていない場合には、コメント制御部12は、コメントを表示している配信者端末20および各視聴者端末30にコメントデータを送信してもよい。ユーザ端末が指定されている場合には、コメント制御部12はそのユーザ端末にコメント制御データを送信する。処理フローS1では、コメント受付部23は配信者端末20および視聴者端末30にコメントデータを送信する。
【0061】
ステップS119では、配信者端末20のコメント表示部24が、コメント制御データに基づいて、表示されているコメントを制御する。一例では、コメント表示部24はコメント制御データで示されるコメントIDおよび第2位置に基づいて、該コメントIDにより特定されるコメントを第2位置(すなわち、新たな位置)に表示する。コメント表示部24は、特定されたコメントを第1位置に表示し続けつつ、そのコメントを第2位置にも表示してよい。あるいは、コメント表示部24は、第1位置に表示されているコメントを消去して、そのコメントを第2位置に表示してもよい。すなわち、コメント表示部24はコメントの表示位置を第1位置から第2位置に変更してもよい。コメント表示部24は表示位置以外の表示態様をコメント制御データに基づいて変更し得る。
【0062】
ステップS120では、視聴者端末30のコメント表示部33が、コメント制御データに基づいて、表示されているコメントを制御する。配信者端末20と同様に、コメント表示部33はコメント制御データに基づいて、コメントIDにより特定されるコメントを第2位置(新たな位置)に表示する。コメント表示部33は、特定されたコメントを第1位置に表示し続けつつ、そのコメントを第2位置にも表示してよい。あるいは、コメント表示部33は、第1位置に表示されているコメントを消去して、そのコメントを第2位置に表示してもよい。コメント表示部33は表示位置以外の表示態様をコメント制御データに基づいて変更し得る。
【0063】
処理フローS1では、サーバ10は対象端末(配信者端末20または視聴者端末30)に、コンテンツデータ、コメントデータ、コメント制御データのような各種データを送信して、該対象端末に動画コンテンツおよびコメントの表示を制御させる。このようなサーバ10による対象端末の制御は、サーバ10(コンテンツ管理システム1)が動画コンテンツおよびコメントを対象端末上に表示することの一例である。
【0064】
[コメント制御の例]
図5~
図8を参照しながら、コメント制御の様々な例を説明する。
図5~
図8はいずれもその例を示す図である。
図5~
図8では配信者端末20として用いられるスマートフォンを示すが、これらの図で示される例は視聴者端末30でも同様に実行され得ることに留意されたい。
【0065】
図5の例では、配信者端末20は、動画コンテンツを表示するコンテンツ領域301と、1以上のコメントを表示するコメント領域302とを含む画面300を表示する。画面300とコンテンツ領域301との間のアスペクト比の関係により、画面300は余剰領域303をさらに含む。
【0066】
この例では、コンテンツ領域301は、プレーヤによるゲーム実況のライブ配信を動画コンテンツ310として表示している。コメント領域302には、配信者端末20または視聴者端末30において入力されたコメント群を時系列に沿って並べたコメントリスト320が表示されている。それぞれのコメントの横には、該コメントを入力したユーザに対応するアイコンが表示されている。新たに投稿されたコメントはコメントリスト320の最下段に追加される。新たなコメントが順次追加されることに伴って、既存のコメントはコメント領域302において上へと移動し、その後、コメント領域302の外に出ることで表示されなくなる。すなわち、コメント領域302は、コメント群が所定の方向に流れるように該コメント群を表示する。動画コンテンツ310およびコメントリスト320は、1以上の視聴者端末30にも配信され、したがって、配信者および視聴者は同時にまたはほぼ同時にこれらの情報を共有する。
【0067】
この例において、配信者が、コメントリスト320のうちの一つのコメント321をドラッグ・アンド・ドロップによりコンテンツ領域301内の位置331(すなわち、動画コンテンツ310上の位置331)に動かしたとする。したがって、このユーザ操作は第2位置の指定を含む。配信者端末20の位置受付部25はそのユーザ操作を受け付ける(ステップS113)。そして、位置受付部25は、コメント321のコメントIDと位置331とを含むコメント操作データを生成し、そのコメント操作データをサーバ10に送信する(ステップS114)。サーバ10ではコメント制御部12が、そのコメントIDおよび位置331を含むコメント制御データを生成し、そのコメント制御データを配信者端末20および視聴者端末30に送信する(ステップS117,S118)。配信者端末20ではコメント表示部24がそのコメント制御データに基づいて、コメント321がコンテンツ領域301内に固定されるように、該コメント321を固定コメント321´として位置331(第2位置)に表示する(ステップS119)。
【0068】
図6は、固定コメント321´が表示された後のコメント制御の一例を示す。この例において、配信者がコメントリスト320のうちの一つのコメント322をタップしたとする。配信者端末20の位置受付部25はそのユーザ操作を受け付ける(ステップS113)。そして、位置受付部25は、コメント322のコメントIDを含むコメント操作データを生成し、そのコメント操作データをサーバ10に送信する(ステップS114)。サーバ10ではコメント制御部12が、別のコメントに隣接してコメント322を表示するという所定のルールに基づいて、コメント322の新たな位置(第2位置)を動的に決定する(ステップS117)。コメント制御部12は、コメント322のコメントIDと、決定された新たな位置とを含むコメント制御データを生成し、そのコメント制御データを配信者端末20および視聴者端末30に送信する(ステップS117,S118)。配信者端末20ではコメント表示部24がそのコメント制御データに基づいて、コメント322がコンテンツ領域301内に固定されるように、該コメント322を固定コメント322´として表示する(ステップS119)。
図6の例では、コメント表示部24は固定コメント321´に隣接する位置(第2位置)に固定コメント322´を表示する。
【0069】
コメント表示部24は、固定コメント321´,322´の表示態様を、コメント321,322の表示態様と異ならせてもよい。
図5および
図6に示す例では、コメント表示部24は、コメント321,322を吹き出しによって表示するように、固定コメント321´,322´を表示する。コメント表示部24は元のコメントと固定コメントとの間でアイコンを異ならせてもよい。
【0070】
コメント領域302内のコメント321,322は、新たなコメントの投稿に応答して上へと移動する。これに対し、固定コメント321´,322´は第2位置に表示され続ける。このようなコメント制御により、配信者は例えば、コメント領域302を流れていくコメントリストの中から残しておきたいコメントを画面300内に固定させることができる。例えば、配信者は視聴者に注目してもらいたいコメント、視聴者とのコミュニケーションを発展させるためのコメントなどを固定コメントとして画面300内に表示させ続けることができる。
【0071】
図5および
図6の例では、コメント表示部24はコメント321,322をコメントリスト320内に(すなわち第1位置に)表示させたまま、そのコメント321,322を固定コメント321´,322´として第2位置に表示する。別の例として、コメント表示部24は、操作されたコメント321,322をコメントリスト320(第1位置)から削除して、そのコメント321,322を固定コメント321´,322´として第2位置に表示してもよい。すなわち、コメント表示部24はコメント321、322の表示位置を変更してもよい。
【0072】
図6の例では、コメントに対するユーザ操作(タップ)は第2位置を指定しないが、コメント制御部12はそのユーザ操作に応答して第2位置を動的に決定する。したがって、ユーザは第2位置を指定しなくても所望のコメントを別の場所に表示させることができる。例えば、1以上のユーザによってコメントが頻繁に投稿され、コメント領域302をコメント群が高速で流れていくような場合に、各ユーザは大量のコメントの中から簡単な操作で所望のコメントをピックアップして、そのコメントをコンテンツ領域301に表示させ続けることができる。
【0073】
ユーザは、第2位置に表示されたコメントを、ドラッグ・アンド・ドロップによってさらに別の位置(第3位置)に変更してもよい。配信者端末20においてそのユーザ操作が行われた場合には、ステップS113,S114,S117~S120から成る一連の処理が実行されて、そのコメントが第2位置から第3位置に変更される。あるいは、ユーザは、第2位置に表示されたコメントをドラッグ・アンド・ドロップによって画面から消去してもよい。配信者端末20においてそのユーザ操作が行われた場合には、ステップS113,S114,S117~S120から成る一連の処理が実行されて、そのコメントが画面から消去される。
【0074】
図7は、固定コメント322´が表示された後のコメント制御の一例を示す。この例において、配信者が、ドラッグ・アンド・ドロップにより固定コメント322´を余剰領域303上の位置332に動かしたとする。配信者端末20の位置受付部25はそのユーザ操作を受け付ける(ステップS113)。そして、位置受付部25は、固定コメント322´のコメントIDと位置332とを含むコメント操作データを生成し、そのコメント操作データをサーバ10に送信する(ステップS114)。サーバ10ではコメント制御部12が、そのコメントIDおよび位置332を含むコメント制御データを生成し、そのコメント制御データを配信者端末20および視聴者端末30に送信する(ステップS117,S118)。配信者端末20では、コメント表示部24がそのコメント制御データに基づいて、固定コメント322´の表示位置を現在位置(第2位置)から位置332(第3位置)に変更する(ステップS119)。
【0075】
配信者が、固定コメント321´を画面300から削除するために固定コメント321´を画面300の外に向かってスワイプしたとする。配信者端末20の位置受付部25はそのユーザ操作を受け付ける(ステップS113)。そして、位置受付部25は、固定コメント321´のコメントIDと、削除を示す削除フラグとを含むコメント操作データを生成し、そのコメント操作データをサーバ10に送信する(ステップS114)。サーバ10ではコメント制御部12が、そのコメントIDおよび削除フラグを含むコメント制御データを生成し、そのコメント制御データを配信者端末20および視聴者端末30に送信する(ステップS117,S118)。配信者端末20では、コメント表示部24がそのコメント制御データに基づいて固定コメント321´を画面300から消去する(ステップS119)。すなわち、コンテンツ管理システム1は、第2位置にコメントを表示するユーザ端末において受け付けられた、該コメントを消去するための更なるユーザ操作に応答して、該コメントを消去してもよい。
【0076】
図8は、固定コメント322´が表示された後のコメント制御の別の一例を示す。この例において、配信者端末20の動画コンテンツ310の表示態様が横画面表示から縦画面表示に変化したとする。配信者端末20の位置受付部25はその表示態様の変化を受け付ける(ステップS113)。そして、位置受付部25は、固定コメント321´および固定コメント322´のコメントIDと動画コンテンツ310の表示態様とを含み、かつ、配信者端末20を示すコメント制御データを生成し、そのコメント制御データをサーバ10に送信する(ステップS114)。サーバ10ではコメント制御部12が、そのコメントIDおよび動画コンテンツ310の表示態様を含むコメント制御データを生成し、そのコメント制御データを配信者端末20に送信する(ステップS117,S118)。配信者端末20では、コメント表示部24がそのコメント制御データに基づいて、固定コメント321´の表示位置を現在位置(第2位置)から余剰領域303上の位置333(第3位置)に変更し、固定コメント322´の表示位置を現在位置(第2位置)から余剰領域303上の位置334(第3位置)に変更する(ステップS119)。
【0077】
図8の例のように、配信者端末20において動画コンテンツ310の表示態様が変化した場合に、位置受付部25は、動画コンテンツ310と固定コメントとの位置関係を所定のルールに従って自動的に変更してもよい。動画コンテンツ310の表示態様の変化の例として、横画面と縦画面との間の切り替えによる表示態様の変化の他に、全画面表示と縮小表示との間の切り替えによる表示態様の変化が挙げられる。位置受付部25は、
図8に示すように動画コンテンツと固定コメントとの位置関係を変えるように、あるいは、その位置関係を維持するように、該固定コメントの表示位置を自動的に変更してもよい。視聴者端末30において動画コンテンツ310の表示態様が変化した場合には、位置受付部34が、位置受付部25と同様の処理によって固定コメントの表示位置を自動的に変更してもよい。
【0078】
[ユーザ端末]
本開示の一側面に係るユーザ端末は、通信ネットワークを介して他端末と接続するユーザ端末であって、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、動画コンテンツを画面上に表示し、動画コンテンツが表示されている間にユーザ端末または他端末において入力されたコメントを、動画コンテンツと併せて画面上の第1位置に表示し、動画コンテンツおよびコメントが表示されている間にユーザ端末または他端末において受け付けられた、コメントに対するユーザ操作に応答して、コメントを、第1位置とは異なる第2位置に表示する。すなわち、本開示の一側面に係るユーザ端末は、上述したコンテンツ管理システムにアクセス可能なユーザ端末を含む。この場合において、ユーザ端末および他端末は、第1端末(配信者端末20)または第2端末(視聴者端末30)のいずれでもよい。
【0079】
本開示の一側面に係るユーザ端末は、上記動作が可能なように製造されたユーザ端末、上記動作を可能にするプログラムがインストールされたユーザ端末、または上記動作を可能にするハードウェアが接続されたユーザ端末を含む。
【0080】
[変形例]
以上、本開示での様々な例を詳細に説明した。しかし、本開示は上記の例に限定されるものではない。本開示に関しては、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0081】
コメント制御部12はユーザ操作を受け付けることなくコメント領域内のコメントまたはコメントリストを動的に制御してもよい。例えば、コメント制御部12は、第2位置に表示されたコメントを入力(投稿)したユーザを特定し、コメントが第2位置に表示された回数をピックアップ回数としてユーザごとに集計してユーザデータベース40などの記憶装置に記憶してもよい。そして、コメント制御部12はそのピックアップ回数に基づいて、コメント領域でのコメントの表示を制御してもよい。例えば、コメント制御部12は、ピックアップ回数が多いユーザのコメントを、他のユーザのコメントよりも長い時間コメント領域に表示させてもよい。あるいは、コメント制御部12は、ギフトとして投稿されたコメント、または他ユーザが反応(例えば「いいね」)したコメントを他のコメントよりも長い時間コメント領域に表示させてもよい。あるいは、固定コメントがコメント領域上に位置する場合に、コメント制御部12は、コメントリストが該固定コメントを避けて流れるようにコメントリストを表示させてもよい。
【0082】
上記の例ではコンテンツ管理システム1がサーバ10を備えるが、コンテンツ管理システムは、サーバを用いないユーザ端末間のコンテンツ配信に適用されてもよい。この場合には、サーバ10の各機能要素は、いずれかのユーザ端末に実装されてもよく、複数のユーザ端末に分かれて実装されてもよい。これに関連して、コンテンツ管理プログラムはクライアントプログラムとして実現されてもよい。コンテンツ管理システムはサーバを用いて構成されてもよいし、サーバを用いることなく構成されてもよい。すなわち、コンテンツ管理システムは、クライアント-サーバ方式によって実装されてもよく、クライアント-クライアント方式であるP2P(Peer to Peer)またはE2E(End to End)暗号化によって実装されてもよい。クライアント-クライアント方式では、コンテンツ配信の秘匿性が向上する。
【0083】
上記の例ではユーザ端末として配信者端末20および視聴者端末30を示すが、他の種類のユーザ端末が配信者端末20または視聴者端末30と同様の機能要素を備えてもよい。例えば、動画コンテンツを管理するモデレータによって用いられるコンピュータであるモデレータ端末がその機能要素を備えてもよい。
【0084】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0085】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップの一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0086】
二つの数値の大小関係の比較では、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」および「未満」という二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。
【0087】
本明細書で述べた各機能要素の任意の一部または全部がプログラムによって実現されてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0088】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本開示についての追加の効果または種々の変形例を想到できるかもしれないが、本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨とを逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0089】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材。以下同じ)として説明される構成(これは、図面において1台の装置として描かれている構成を含む)が、複数の装置によって実現されもよい。あるいは、本明細書において複数の装置として説明される構成(これは、図面において複数の装置として描かれている構成を含む)が1台の装置によって実現されてもよい。あるいは、或る装置(例えばサーバ)に含まれる手段または機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれてもよい。
【0090】
本明細書に記載された事項のすべてが必須の要件というわけではない。例えば、本明細書に記載されているが特許請求の範囲に記載されていない事項は、任意の付加的事項ということができる。
【0091】
本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄に記載された公知技術を知っているにすぎない。本開示は必ずしもその公知技術における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本開示において解決しようとする課題は、本明細書の全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果に対応する課題が解決されるということもできる。しかし、その効果に関する記載は必ずしも、そのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【0092】
[付記]
上記の様々な例から把握されるとおり、本開示は以下に示す態様を含む。
(付記1)
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示する、
コンテンツ管理システム。
(付記2)
前記少なくとも一つの対象端末のそれぞれが、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域と、前記第1位置において前記コメントを表示するコメント領域とを含む画面を表示し、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記コンテンツ領域内に前記第2位置を設定し、
前記設定された第2位置に前記コメントを表示する、
付記1に記載のコンテンツ管理システム。
(付記3)
前記コメント領域が、前記コメントを含むコメント群が所定の方向に流れるように該コメント群を表示する領域であり、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記コメントが前記コンテンツ領域内に固定されるように、前記設定された第2位置に前記コメントを表示する、
付記2に記載のコンテンツ管理システム。
(付記4)
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含まず、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記ユーザ操作に応答して、予め設定された位置を前記第2位置として決定し、
前記決定された第2位置に前記コメントを表示する、
付記1~3のいずれか一つに記載のコンテンツ管理システム。
(付記5)
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含まず、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記ユーザ操作に応答して、所定のルールに基づいて前記第2位置を動的に決定し、
前記決定された第2位置に前記コメントを表示する、
付記1~4のいずれかに記載のコンテンツ管理システム。
(付記6)
前記所定のルールが、前記動画コンテンツを表示するコンテンツ領域内に表示されている別のコメントに隣接して前記コメントを表示することを示し、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記別のコメントに隣接する位置を前記第2位置として決定する、
付記5に記載のコンテンツ管理システム。
(付記7)
前記ユーザ操作が前記第2位置の指定を含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記ユーザ操作によって指定された前記第2位置に前記コメントを表示する、
付記1~6のいずれかに記載のコンテンツ管理システム。
(付記8)
少なくとも一つのプロセッサを備えるコンテンツ管理システムによって実行されるコンテンツ管理方法であって、
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示するステップと、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示するステップと、
を含むコンテンツ管理方法。
(付記9)
第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示するステップと、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて、前記少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示するステップと、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記第1端末または前記第2端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいて前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるコンテンツ管理プログラム。
(付記10)
通信ネットワークを介して他端末と接続するユーザ端末であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
動画コンテンツを画面上に表示し、
前記動画コンテンツが表示されている間に前記ユーザ端末または前記他端末において入力されたコメントを、前記動画コンテンツと併せて前記画面上の第1位置に表示し、
前記動画コンテンツおよび前記コメントが表示されている間に前記ユーザ端末または前記他端末において受け付けられた、前記コメントに対するユーザ操作に応答して、前記コメントを、前記第1位置とは異なる第2位置に表示する、
ユーザ端末。
【0093】
付記1,8~10によれば、動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に受け付けられたユーザ操作に応答して、第1位置にあるコメントが別の第2位置に表示される。この仕組みにより、そのコメントの利便性を高めることができる。
【0094】
付記2によれば、コメント領域とは別のコンテンツ領域内にコメントが表示されるので、そのコメントを他のコメントと区別して表示できる。その結果、当該コメントの視認性が向上する。
【0095】
付記3によれば、コメント領域内のコメントは流れるように表示される一方で、コンテンツ領域内に表示された特定のコメントは、その流れとは独立して表示され続ける。このような表示により、特定のコメントの視認性が向上する。一例では、動画コンテンツの配信者は、視聴者から投稿されたコメントの中から残しておきたい特定のコメントを選択し、そのコメントをコンテンツ領域に固定できる。別の例では、動画コンテンツを途中から視聴し始めた視聴者は、その固定コメントを見ることで動画コンテンツを容易に理解できる。
【0096】
付記4によれば、コメントに対するユーザ操作が第2位置を示さなくても、予め設定された第2位置にそのコメントが表示される。ユーザがコメントの新たな表示位置を指定しなくてもそのコメントが別の位置に表示されるので、コメントの利便性が一層向上する。
【0097】
付記5によれば、コメントに対するユーザ操作が第2位置を示さなくても、所定のルールに基づいて動的に決定された第2位置にそのコメントが表示される。ユーザがコメントの新たな表示位置を指定しなくてもそのコメントが別の位置に表示されるので、コメントの利便性が一層向上する。
【0098】
付記6によれば、別のコメントに隣接してコメントが表示されるので、操作された複数のコメントを整然と表示させることができる。この結果、その複数のコメントの視認性が向上する。
【0099】
付記7によれば、ユーザ操作によって指定された第2位置にコメントが表示される。この構成によりユーザはより直感的にコメントの表示位置を操作することができ、したがって、コメントの利便性が一層向上する。
【符号の説明】
【0100】
1…コンテンツ管理システム、10…サーバ、11…コンテンツ転送部、12…コメント制御部、20…配信者端末、21…コンテンツ生成部、22…コンテンツ表示部、23…コメント受付部、24…コメント表示部、25…位置受付部、30…視聴者端末、31…コンテンツ表示部、32…コメント受付部、33…コメント表示部、34…位置受付部、40…ユーザデータベース、300…画面、301…コンテンツ領域、302…コメント領域、303…余剰領域、310…動画コンテンツ、320…コメントリスト、321,322…コメント、321´,322´…固定コメント、P1…サーバプログラム、P2…クライアントプログラム。
【要約】
【課題】動画コンテンツに対して投稿されたコメントの利便性を高めること。
【解決手段】コンテンツ管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、第1端末によって生成された動画コンテンツを、該第1端末および第2端末を含む端末群から選択される少なくとも一つの対象端末上に表示し、動画コンテンツが表示されている間に第1端末または第2端末において入力されたコメントを、動画コンテンツと併せて、少なくとも一つの対象端末上の第1位置に表示し、動画コンテンツおよびコメントが表示されている間に第1端末または第2端末において受け付けられた、コメントに対するユーザ操作に応答して、少なくとも一つの対象端末のうちの少なくとも一つにおいてコメントを、第1位置とは異なる第2位置に表示する。
【選択図】
図3