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特許7375333ネットワーク接続記憶装置、および情報管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ネットワーク接続記憶装置、および情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20231031BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20231031BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20231031BHJP
   H04M 11/06 20060101ALI20231031BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H04M3/51
H04M1/00 R
H04M1/00 V
H04M3/42 T
H04M11/06
H04Q3/58 106
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019091252
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2020188354
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】平岡 徹
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-015763(JP,A)
【文献】特開2000-152295(JP,A)
【文献】特開2007-293500(JP,A)
【文献】特開2010-154066(JP,A)
【文献】特開2013-013019(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0251238(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/38- 3/58
H04Q 3/58- 3/62
H04M 1/00
H04M 1/72-1/72516
H04M 11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線網に接続される主装置に接続され、複数の第一端末装置および前記主装置を介することなく前記電話回線網に接続される第二端末装置とネットワークを介して接続されるネットワーク接続記憶装置であって、
電子ファイルを示すファイル情報を記憶する記憶手段と、
着信を示す第一着信情報を前記主装置から取得する着信情報処理部と、
前記第一着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の前記電子ファイルに対応する複数の前記ファイル情報をファイル情報群として収集するファイル情報収集部と、
前記ファイル情報群を前記第一端末装置の少なくとも1台に出力する端末出力部と、を備え
前記着信情報処理部は、
前記第二端末装置から第二着信情報をネットワークを介して取得し、
前記ファイル情報収集部は、
前記第二着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の電子ファイルをそれぞれ示す複数のファイル情報をファイル情報群として収集し、
前記端末出力部は、
前記ファイル情報群を前記第一端末装置、および前記第二端末装置の少なくとも1台にネットワークを介して出力する
ネットワーク接続記憶装置。
【請求項2】
前記着信情報処理部は、
前記第一端末装置の少なくとも1台に前記発信元情報を出力し、
前記ファイル情報群の出力を要求する要求情報を、前記発信元情報を取得した前記第一端末装置から取得する要求情報取得部をさらに備え、
前記端末出力部は、
前記要求情報を出力した前記第一端末装置に前記ファイル情報群を出力する
請求項1に記載のネットワーク接続記憶装置。
【請求項3】
前記ファイル情報収集部は、
電子ファイルの内容を示すサムネイルを含むファイル情報を収集し、
前記端末出力部は、
収集した前記サムネイルを含む前記ファイル情報群を出力する
請求項1または2に記載のネットワーク接続記憶装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、
前記主装置と前記主装置に接続される電話機との接続関係を示す接続情報と、前記主装置と前記電話機の所在を示す位置情報とを含むネットワーク構成情報を記憶する
請求項1からのいずれか一項に記載のネットワーク接続記憶装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、
前記発信元情報を取得した場合に、前記発信元情報、および前記発信元情報に関連する前記ファイル情報群の出力を要求する要求操作情報をポップアップ表示する表示処理部と、前記要求操作情報に基づく操作により要求情報を出力する要求情報出力部と、を含む管理ソフトウエアを記憶し、
前記端末出力部は、
前記管理ソフトウエアを前記第一端末装置に出力する
請求項1からのいずれか一項に記載のネットワーク接続記憶装置。
【請求項6】
電話回線網に接続される主装置と、前記主装置に接続されるネットワーク接続記憶装置と、前記ネットワーク接続記憶装置にネットワークを介して接続される複数の第一端末装置と、前記主装置を介することなく前記電話回線網に接続され前記ネットワーク接続記憶装置にネットワークを介して接続される第二端末装置と、を備える情報管理システムであって、
前記ネットワーク接続記憶装置は、
着信を示す第一着信情報を前記主装置から取得し、前記第一着信情報に含まれる発信元情報を前記第一端末装置の少なくとも1台に出力する着信情報処理部と、
前記第一着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の電子ファイルをそれぞれ示す複数のファイル情報をファイル情報群として収集するファイル情報収集部と、
前記ファイル情報群の出力を要求する要求情報を、前記発信元情報を取得した前記第一端末装置から取得する要求情報取得部と、
前記ファイル情報群を前記第一端末装置の少なくとも1台に出力する端末出力部と、を備え、
前記第一端末装置は、
前記発信元情報を取得した場合に、前記発信元情報、および前記発信元情報に関連する前記ファイル情報群の出力を要求する要求操作情報をポップアップ表示する表示処理部と、
前記要求操作情報に基づく操作により要求情報を出力する要求情報出力部と、を備え
前記着信情報処理部は、
前記第二端末装置から第二着信情報をネットワークを介して取得し、
前記ファイル情報収集部は、
前記第二着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の電子ファイルをそれぞれ示す複数のファイル情報をファイル情報群として収集し、
前記端末出力部は、
前記ファイル情報群を前記第一端末装置、および前記第二端末装置の少なくとも1台にネットワークを介して出力する
情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号と対応付けられた情報を管理するネットワーク接続記憶装置、および情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電話とコンピュータとを統合し効率的な顧客対応を実現したCTI(Computer Telephony Integration)システムが、コールセンター等において既に導入されている。 例えば特許文献1には、電話着信時に、受付担当者(オペレータ)のコンピュータ画面にその電話番号の顧客情報をポップアップ表示し、これまでの応対履歴を確認しながら電話応対をすることができるCTIシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-298544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のCTIシステムでは、オペレータは、顧客からの問い合わせに対して簡単な応対履歴を確認することができるものの、顧客から問い合わせの度に問い合わせ内容に対応した図面の電子ファイルや取扱説明書の電子ファイルを記憶装置内から探し出していた。この手順は、顧客を待たせることになり、望ましい応対ではなかった。
【0005】
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電話をかけてきた顧客に対応した電子ファイルを示す情報をオペレータなどに簡単に提示することができるネットワーク接続記憶装置および情報管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つであるネットワーク接続記憶装置は、電話回線網に接続される主装置に接続され、複数の第一端末装置とネットワークを介して接続されるネットワーク接続記憶装置であって、電子ファイルを示すファイル情報を記憶する記憶手段と、着信を示す第一着信情報を前記主装置から取得する着信情報処理部と、前記第一着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の前記電子ファイルに対応する複数の前記ファイル情報をファイル情報群として収集するファイル情報収集部と、前記ファイル情報群を前記第一端末装置の少なくとも1台に出力する端末出力部と、を備える。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の他の1つである情報管理システムは、電話回線網に接続される主装置と、前記主装置に接続されるネットワーク接続記憶装置と、前記ネットワーク接続記憶装置にネットワークを介して接続される複数の第一端末装置とを備える情報管理システムであって、前記ネットワーク接続記憶装置は、着信を示す第一着信情報を前記主装置から取得し、前記第一着信情報に含まれる発信元情報を前記第一端末装置の少なくとも1台に出力する着信情報処理部と、前記ファイル情報群の出力を要求する要求情報を、前記発信元情報を取得した前記第一端末装置から取得する要求情報取得部と、前記第一着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の電子ファイルをそれぞれ示す複数のファイル情報をファイル情報群として収集するファイル情報収集部と、前記ファイル情報群を前記第一端末装置の少なくとも1台に出力する端末出力部と、を備え、前記第一端末装置は、前記発信元情報を取得した場合に、前記発信元情報、および前記発信元情報に関連する前記ファイル情報群の出力を要求する要求操作情報をポップアップ表示する表示処理部と、前記要求操作情報に基づく操作により要求情報を出力する要求情報出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るネットワーク接続記憶装置および情報管理システムによれば、発信元情報に関連するファイル情報群を適宜提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係るネットワーク接続記憶装置を備えた情報管理システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る第一端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る表示部に表示される発信元情報等の画面を示す図である。
図4】実施の形態に係るネットワーク接続記憶装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態に係る情報管理システムの処理の流れを示すタイミングチャートである。
図6】実施の形態に係る表示部に表示されるファイル情報群の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係るネットワーク接続記憶装置、および情報管理システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0012】
まず、図1を用いて、実施の形態に係るネットワーク接続記憶装置を備えた情報管理システムの構成の概要について説明する。
【0013】
同図に示すように、情報管理システム200は、着信した相手先の情報などを管理し表示することができる、ネットワーク接続記憶装置100、主装置210、第一端末装置221、電話機230、HUB250を備えている。本実施の形態の場合、情報管理システム200は、第二端末装置222を備えている。
【0014】
主装置210は、電話回線網300を介して外線電話との間の通話である外線通話の中継、または電話機230および電話機230の間の通話である内線通話の中継を行う構内交換機(PBX)である。主装置210は、電話番号、および電話番号とひも付けられた識別情報を含む電話帳レコードを主装置210の記憶手段に記憶している。本実施の形態の場合、主装置210は、識別情報としてユニークな識別番号と、相手先の名前、ふりがな、電話番号が含まれた電話帳レコードを記憶している。また、主装置210は、複数の電話帳レコードを記憶している。つまり、主装置210は、複数の電話帳レコードで構成された電話帳テーブルを記憶している。
【0015】
主装置210は、電話回線網300を介した着信、および着信に対する応答の少なくとも一方が発生すると、着信を示す第一着信情報をネットワーク接続記憶装置100に出力する。第一着信情報には、着信に対応する発信元を識別することができる発信元情報が含まれる。発信元情報は、発信元の電話番号でも良く、また発信元を識別する識別情報、またはその両方であっても構わない。第一着信情報には、相手先の名前、ふりがななどが含まれても構わない。第一着信情報は、発信元情報のみであっても構わない。
【0016】
図2は、第一端末装置の機能構成を示すブロック図である。第一端末装置221は、ソフトウエアにより種々の機能を実現することができるいわゆるコンピュータであり、表示処理部224と、要求情報出力部223と、表示部225とを備えている。第一端末装置221は、HUB250及びLAN(Local Area Network)310を介してネットワーク接続記憶装置100と接続され、管理ソフトウエアを実行することにより表示処理部224と、要求情報出力部223を実現する。なお、管理ソフトウエアは、ネットワーク接続記憶装置100から取得しても構わない。また、第一端末装置221は、具体的には携帯型個人情報端末であるPDA(Personal Digital Assistants)、据え置き型のデスクトップコンピュータや、ノートブックコンピュータなどを例示することができる。また、LAN310は、有線のLANだけでなく、無線LANも含まれる。また、第一端末装置221は、ネットワーク接続記憶装置100を経由せずに、LAN(Local Area Network)310を介して直接に主装置210に接続されていても構わない。
【0017】
表示処理部224は、発信元情報をネットワーク接続記憶装置100から取得した場合に、図3に示すような、発信元情報231、および発信元情報231に関連するファイル情報群(後述)の出力を要求する要求操作情報232を表示部225にポップアップ表示する。本実施の形態の場合、要求操作情報232とは、表示部225に表示され、グラフィカルユーザーインターフェースの押しボタンとして機能する部分である。また、表示処理部224は、発信元情報231にひも付けられた正式名称233をネットワーク接続記憶装置100から取得し、発信元情報231、および要求操作情報232と共にポップアップ表示する。管理ソフトウエアが第一端末装置221で実行中において、第一端末装置221にて他の作業が進行中でも表示処理部224は、発信元情報を取得した場合に各情報をポップアップ表示する。表示処理部224が表示させるポップアップウインドウの大きさは、特に限定されるものではないが、例えば全表示画面の四分の一以下に抑制することで第一端末装置221にて実行している他の作業への影響を抑制できる。
【0018】
要求情報出力部223は、要求操作情報232に基づく操作、本実施の形態の場合、ポップアップ画面内の要求操作情報232をグラフィカルに押下するいわゆるクリック操作により要求情報をネットワーク接続記憶装置100に出力する。
【0019】
第二端末装置222は、主装置210を介することなく電話回線網300に接続される電話機として機能し、無線LANを介してネットワーク接続記憶装置100と通信することができるいわゆるスマートフォンである。第二端末装置222は、電話回線網300を介した着信、または着信に関連する操作が行われた場合、無線LANを介してネットワーク接続記憶装置100に第二着信情報を出力する。第二着信情報には、着信に対応する発信元を識別することができる発信元情報が含まれる。発信元情報は、発信元の電話番号でも良く、また発信元を識別する識別情報、またはその両方であっても構わない。第二着信情報には、相手先の名前、ふりがななどが含まれても構わない。第二着信情報は、発信元情報のみであっても構わない。
【0020】
なお、第二端末装置222は、第一端末装置221と同様の管理ソフトウエアを実行し、表示処理部224、要求情報出力部223を実現しても構わない。
【0021】
電話機230は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、電話機230は、それぞれ内線番号が対応付けられたいわゆるビジネスホンであり、外線電話の着信があった場合、いずれかの電話機230で応答することができるものとなっている。電話機230の種類も特に限定されるものではないが、スター配線に接続されるアナログ式の電話機230、LAN310に接続されるデジタル式の電話機、いわゆるIP(Internet Protocol)電話機等でも構わない。
【0022】
図4は、ネットワーク接続記憶装置の機能構成を示すブロック図である。同図に示すようにネットワーク接続記憶装置100は、電話回線網300に接続される主装置210に接続され、複数の第一端末装置221とLAN310などのネットワークを介して接続されるいわゆるNAS(Network Attached Storage)であって、サーバ装置110と、記憶手段120とを備えている。本実施の形態の場合、ネットワーク接続記憶装置100は、単数、または複数の第二端末装置222と無線LAN310などのネットワークを介して接続可能となっている。
【0023】
記憶手段120は、磁気、光、光磁気、半導体などによりデジタルデータを記憶する装置であり、例えばハードディスクドライブやSSD(Solid State Disk)を例示することができる。記憶手段120は、サーバ装置110との間でデータの入出力を行う。
【0024】
記憶手段120は、電子ファイル122を示すファイル情報121を記憶する。電子ファイル122の種類は、特に限定されるものではなく、画像ファイル、テキストファイル、所定のソフトウエアに対応するデータファイルなどを例示することができる。ファイル情報121は、対応する電子ファイル122の内容を第一端末装置221が取得するための情報であり、電子ファイル122そのものであっても構わない。また、ファイル情報121には電子ファイル122の内容を示すサムネイルが含まれていても構わない。
【0025】
本実施の形態の場合、記憶手段120は、ファイル情報121として電子ファイル122の所在を示すショートカット情報を記憶している。また記憶手段120は、後述のファイル情報収集部により収集された複数のファイル情報121をまとめてファイル情報群123として記憶している。また、記憶手段120は、電子ファイル122も記憶している。
【0026】
記憶手段120は、第一端末装置221に実行させる管理ソフトウエア125を記憶している。管理ソフトウエア125とは、発信元情報をネットワーク接続記憶装置100から取得した場合に、発信元情報、および発信元情報に関連するファイル情報群123の出力を要求する要求操作情報をポップアップ表示する表示処理部と、要求操作情報に基づく操作により要求情報を出力する要求情報出力部とを第一端末装置221によって実現させるソフトウエアである。なお、管理ソフトウエア125は、複数のオペレーティングシステムや複数のバージョンに対応した複数のソフトウエア、例えば第二端末装置222に実行させるソフトウエアを含んでいても構わない。
【0027】
また、記憶手段は、主装置210と電話機230との接続関係を示す接続情報と、主装置210と電話機230の所在を示す位置情報とを含むネットワーク構成情報を電子ファイル122として記憶する。ネットワーク構成情報は、テキストベースの情報、グラフィカルな情報など任意の情報である。さらに、ネットワーク構成情報には、各電話機230と個別に対応付けられた第一端末装置221の情報が含まれていても構わない。これによれば、電話をかけてきた顧客に対して、オペレータは顧客に対応したネットワーク構成を任意に確認することができる。
【0028】
サーバ装置110は、主装置210に接続されて通信により情報を授受することができ、複数の第一端末装置221とLAN310を介して接続され第一端末装置221との間でも情報を授受することができるいわゆるコンピュータである。サーバ装置110は、ソフトウエアを実行することにより実現される機能部として、着信情報処理部111と、ファイル情報収集部113と、端末出力部114とを備えている。本実施の形態の場合、サーバ装置110はさらに、要求情報取得部115を備えている。
【0029】
着信情報処理部111は、着信を示す第一着信情報を主装置210から取得する。本実施の形態の場合、着信情報処理部111は、主装置210を介することなく電話回線網300に接続される第二端末装置222から第二着信情報を取得する。本実施の形態の場合、着信情報処理部111は、ネットワーク接続記憶装置100に接続されている第一端末装置221、および第二端末装置222の少なくとも1台に第一着信情報、または第二着信情報に含まれる発信元情報を出力する。着信情報処理部111が発信元情報を出力するタイミングは特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、主装置210から第一着信情報、または第二着信情報を取得すると即座に着信情報処理部111が発信元情報を出力する。着信情報処理部111が発信元情報を出力する相手先は特に限定されるものではない。例えば着信情報処理部111は、ネットワーク接続記憶装置100に接続されている、第一端末装置221、および第二端末装置222にブロードキャストしてもよい。また着信情報処理部111は、取得した発信元情報に基づき相手先を限定して発信元情報を出力しても構わない。例えば、記憶手段120に発信元情報と特定の第一端末装置221、および第二端末装置222の少なくとも一台とをひも付けたテーブルを記憶させておき、前記テーブルに基づいて着信情報処理部111が発信元情報を出力する相手先を決定しても構わない。
【0030】
ファイル情報収集部113は、第一着信情報、または第二着信情報に含まれる発信元情報に関連する複数の電子ファイル122に対応する複数のファイル情報121をファイル情報群123として記憶手段120から収集する。ファイル情報収集部113がファイル情報群123を構築する方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の方法を例示することができる。発信元情報に関連する電子ファイル122を抽出することができる検索条件を作成する。作成された検索条件を用いて記憶手段120内の電子ファイル122を抽出する。抽出された電子ファイル122に対応するショートカット情報などをファイル情報121として作成し、ファイル情報を発信元情報とひも付ける。以上により、発信元情報にひも付けられたファイル情報群123が構築される。
【0031】
なお、ファイル情報収集部113は、第一端末装置221、第二端末装置222等の操作により手動によりファイル情報群123を構築しても構わない。また、ファイル情報収集部113は、検索条件に基づき自動的に作成したファイル情報群123に対し、手動によりファイル情報121の追加、削除を受け付けても構わない。
【0032】
また、ファイル情報収集部113は、電子ファイル122が更新されたことを示す情報、更新された日時を示す情報、電子ファイル122がダウンロードされたことを示す情報、ダウンロードされた日時を示す情報等を取得し、これらの情報に基づきファイル情報121を更新しても構わない。
【0033】
端末出力部114は、ファイル情報群123を第一端末装置221、および第二端末装置222の少なくとも1台に出力する。端末出力部114がファイル情報121を出力するタイミングは特に限定されるものではない。本実施の形態の場合、要求情報取得部115がファイル情報群123の出力を要求する要求情報を、発信元情報を取得した第一端末装置221、または第二端末装置222から取得した場合に、端末出力部114がファイル情報群123を出力する。また、端末出力部114がファイル情報群123を出力する相手先は特に限定されるものではない。本実施の形態の場合、端末出力部114は、要求情報を出力した第一端末装置221、または第二端末装置222にファイル情報群123を出力する。
【0034】
なお、端末出力部114は、着信情報処理部111が第一着信情報、または第二着信情報を取得し、発信元情報を出力するタイミングに伴ってファイル情報群123を出力しても良い。また、端末出力部114がファイル情報群123を出力する相手先は、着信情報処理部111が発信元情報を出力する相手先と対応付けられていても構わない。また、第一端末装置221、または第二端末装置222から任意のタイミングで要求情報を要求情報取得部115が取得した場合、これに応じて端末出力部114は、要求情報を出力した第一端末装置221、または第二端末装置222にファイル情報群123を出力してもかまわない。
【0035】
次に、情報管理システム200の処理の流れを説明する。図5は、情報管理システムの処理の流れを示すタイミングチャートである。ネットワーク接続記憶装置100の着信情報処理部111は、主装置210からの第一着信情報、または第二端末装置222からの第二着信情報を取得すると第一端末装置221、および第二端末装置222の少なくとも1台に発信元情報を出力する。発信元情報を取得した第一端末装置221、および発信元情報を取得した第二端末装置222の表示処理部224は、図3に示す発信元情報231、および要求操作情報232をポップアップ表示する。
【0036】
次に、ポップアップ表示を確認したオペレータは、例えば着信に対して応答する場合、応答の前後のいずれかで第一端末装置221、または第二端末装置222を操作し、要求情報をネットワーク接続記憶装置100に出力する。
【0037】
要求情報を取得したネットワーク接続記憶装置100は、要求情報を出力した第一端末装置221、または第二端末装置222にファイル情報群123を出力する。なお、ファイル情報群123は、事前に作成されていたものが出力されてもよい。また、ファイル情報収集部113は、要求情報を取得した際に新しくファイル情報群123を作成してもよく、またファイル情報群123を更新しても構わない。
【0038】
ファイル情報群を取得した第一端末装置221、または第二端末装置222は、表示部225にファイル情報群を表示する。ファイル情報群の表示方法は、特に限定されるものではないが、例えば図6に示すように、表示処理部224がサムネイルを含むファイル情報121を一覧で表示しても構わない。また、ファイル情報群123が表示されるウインドウのサイズは、図3に示す発信元情報により着信を知らせるポップアップ表示よりも大きくても構わない。ファイル情報群123が表示されるウインドウは、ポップアップ表示に重ねて、またはポップアップ表示の代わりに表示しても構わない。
【0039】
ファイル情報群123を確認したオペレータは、いずれか一つのファイル情報121をグラフィカルに指示することによりネットワーク接続記憶装置100に対し電子ファイル122を要求し、当該要求に対してネットワーク接続記憶装置100は対応する電子ファイル122を出力する。
【0040】
上記情報管理システム200によれば、電話回線網300を介した着信直後にオペレータは着信元に関連する複数の電子ファイル122をそれぞれ示すファイル情報121を一覧で確認することができ、必要な電子ファイル122を選定して即座に開けることが可能となる。従って、顧客からの問合せに対し、迅速、適格に情報を収集して対応することが可能となる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0042】
例えば上記実施の形態では、ネットワーク接続記憶装置100は、着信直後に発信元情報を出力し、第一端末装置221、または第二端末装置222からの要求情報を待ってファイル情報群123を出力したが、着信直後に発信元情報とともにファイル情報群123を出力しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、構内交換機、NAS、電話機、情報端末を備えるシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 ネットワーク接続記憶装置
110 サーバ装置
111 着信情報処理部
113 ファイル情報収集部
114 端末出力部
115 要求情報取得部
120 記憶手段
121 ファイル情報
122 電子ファイル
123 ファイル情報群
125 管理ソフトウエア
200 情報管理システム
210 主装置
221 第一端末装置
222 第二端末装置
223 要求情報出力部
224 表示処理部
225 表示部
230 電話機
231 発信元情報
232 要求操作情報
233 正式名称
300 電話回線網
図1
図2
図3
図4
図5
図6