(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 41/22 20220101AFI20231031BHJP
H04L 41/085 20220101ALI20231031BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H04L41/22
H04L41/085
H04L12/28 200Z
(21)【出願番号】P 2019143216
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】里中 沙矢香
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼原 昌利
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-161106(JP,A)
【文献】特開2018-124697(JP,A)
【文献】特開2019-110455(JP,A)
【文献】特開2019-179476(JP,A)
【文献】特開2005-129026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04L 41/00-41/5074
G05B 19/05
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御装置と、情報処理装置とを備えたネットワークシステムであって、
前記複数の制御装置の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部と、前記通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部とを有し、
複数の前記通信制御部のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部の各々は、
前記通信制御部に対して設定された第1の設定情報に基づいて、前記通信制御部に接続された前記状態値管理部に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、
前記通信制御部に対して設定された第2の設定情報と、前記コネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、前記通信の相手先の通信制御部との間で、前記状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成され、
前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とは、前記情報処理装置において前記1組の通信制御部の各々に対して個別に生成され、かつ前記情報処理装置から前記1組の前記通信制御部の各々に送信され、
前記情報処理装置は、
前記1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部の前記第1の設定情報と、前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示し、
前記1組の通信制御部が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合、前記1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の前記第2の設定情報と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイに表示する、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部は、前記データ処理に失敗したことを示すフラグ情報を、前記一方の通信制御部に接続された前記状態値管理部に書き込み、
前記1組の通信制御部同士が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合、前記1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部は、前記フレームデータの遣り取りに失敗したことを示すフラグ情報を、前記一方の通信制御部に接続された前記状態値管理部に書き込み、
前記情報処理装置は、
前記フラグ情報を前記状態値管理部から取得し、
前記フラグ情報に基づき前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一方の通信制御部の前記第1の設定情報と、前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示し、
前記フラグ情報に基づき前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイに表示する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記フレームデータは、複数のサブフレームを含み、
前記情報処理装置は、前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、
前記一方の通信制御部の前記第1の設定情報として、前記サブフレームとされる変数の名称と、当該変数のデータサイズとを表示し、
前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報として、前記サブフレームの名称と当該サブフレームのデータサイズとを表示する、請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報として、前記フレームデータの名称と当該フレームデータのデータサイズとを表示し、
前記コネクション情報は、前記フレームデータの名称と、当該フレームデータのデータサイズとを含む、請求項2または3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記複数の制御装置の一覧を前記ディスプレイに表示し、
前記一方の通信制御部が前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記複数の制御装置のうち前記一方の通信制御部を有する第1の制御装置を他の前記制御装置とは異なる態様で前記ディスプレイに表示する、請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記一方の通信制御部が前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記複数の制御装置のうち、前記一方の通信制御部を有する第1の制御装置と、前記一方の通信制御部と組をなす他方の通信制御部を有する第2の制御装置とを、
前記他の制御装置とは異なる態様で前記ディスプレイに表示する、請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記一方の通信制御部が前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記第1の制御装置を前記他の制御装置とは異なる態様で前記ディスプレイに表示する、請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記複数の制御装置の一覧を前記ディスプレイに表示し、
前記一方の通信制御部が前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記複数の制御装置のうち前記一方の通信制御部を有する第1の制御装置を他の前記制御装置とは異なる態様で前記ディスプレイに表示し、
前記一方の通信制御部が前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記第1の制御装置を前記他の制御装置とは異なる態様で前記ディスプレイに表示し、
前記一方の通信制御部を有する前記第1の制御装置が選択されたことに基づき、前記第1の制御装置と、前記複数の制御装置のうち前記一方の通信制御部と組をなす他方の通信制御部を有する第2の制御装置とを含む第1の画面を
前記ディスプレイに表示させ、
前記第1の画面において、前記フラグ情報に基づき、前記失敗が、前記データ処理の失敗であるか、前記フレームデータの遣り取りの失敗であるかを識別可能に表示する、請求項
2に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記第1の制御装置と前記第2の制御装置との間のリンクがオフ状態となっていることを検出した場合には、予め定められたメッセージを表示する、請求項8に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、前記第2の制御装置を見つけられない場合には、予め定められたメッセージを表示する、請求項9に記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、前記第1の画面において、前記データ処理に失敗した場合と、前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合と、前記リンクがオフ状態となっている場合と、前記制御装置を見つけられない場合とで、異常の発生を示すオブジェクトの表示位置を変更する、請求項10に記載のネットワークシステム。
【請求項12】
前記情報処理装置は、
前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、予め定められた操作を受け付けたことに基づき、前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報を変更するための第2の画面を前記ディスプレイに表示し、
前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、予め定められた操作を受け付けたことに基づき、前記一方の通信制御部の前記第2の設定情報を変更するための第3の画面を前記ディスプレイに表示する、請求項1から11のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項13】
複数の制御装置の各々と通信可能な情報処理装置であって、
前記複数の制御装置の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部と、前記通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部とを有し、
複数の前記通信制御部のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部の各々は、前記通信制御部に対して設定された第1の設定情報に基づいて、前記通信制御部に接続された前記状態値管理部に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、かつ、前記通信制御部に対して設定された第2の設定情報と前記コネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、前記通信の相手先の通信制御部との間で、前記状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成され、
前記情報処理装置は、
前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とを前記1組の通信制御部の各々に対して個別に生成する生成手段と、
生成された前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とを、前記1組の前記通信制御部の各々に送信する送信手段とを備え、
前記情報処理装置は、前記1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部の前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示し、かつ、前記1組の通信制御部が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合には、前記1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の前記第2の設定情報と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイに表示する表示制御手段をさらに備える、情報処理装置。
【請求項14】
複数の制御装置の各々と通信可能な情報処理装置における情報処理方法であって、
前記複数の制御装置の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部と、前記通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部とを有し、
複数の前記通信制御部のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部の各々は、前記通信制御部に対して設定された第1の設定情報に基づいて、前記通信制御部に接続された前記状態値管理部に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、かつ、前記通信制御部に対して設定された第2の設定情報と前記コネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、前記通信の相手先の通信制御部との間で、前記状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成され、
前記情報処理方法は、
前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とを前記1組の通信制御部の各々に対して個別に生成するステップと、
生成された前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とを、前記1組の前記通信制御部の各々に送信するステップと、
前記1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部の前記第1の設定情報と前記第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示するステップと、
前記1組の通信制御部が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合には、前記1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の前記第2の設定情報と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイに表示するステップとを備える、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、EtherNet/IPの規格が知られている。EtherNet/IPは、ODVA(Open DeviceNet Vendor Association, Inc.)が推進する産業用イーサネットの標準規格である。EtherNet/IPは、広く普及しているEtherNET(登録商標)の技術をベースにしている。
【0003】
EtherNet/IPでは、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)間でのサイクリック通信、PLCとPLC以外のデバイスとの間でのサイクリック通信が可能である。このような通信は、「データリンク」とも称される。
【0004】
データリンクでは、ネットワークを構成する1つのノード(PLC等)が、コネクションと呼ばれる通信回線の開設を要求する。コネクションの開設を要求する側のノードは、「オリジネータ」と称される。また、コネクションの開設を要求される側のノードは、「ターゲット」とも称される。
【0005】
通信回線が確立すると(すなわち、コネクション情報が設定されると)、オリジネータは、通信相手であるターゲットとフレームデータの交換を行なう。なお、上記コネクション情報は、両ノードで共有される。
【0006】
また、PLCは、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部(EtherNet/IPコントローラ)と、当該通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部(IOマネージャー)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オリジネータおよびターゲットの各々の通信制御部は、予め定められた設定情報に基づいて、自装置の状態値管理部との間でデータの処理(メモリへの書き込み、およびメモリからの読み出し)をする。また、オリジネータおよびターゲットの各々の通信制御部は、コネクション情報と、当該コネクション情報とは別に設定された自装置用の設定情報とに基づいて、通信相手の通信制御部と通信(データリンク)を行う。
【0009】
このように、オリジネータとターゲットとの通信を正しく行なうためには、第1に、上述した予め定められた設定情報と、上述した自装置用の設定情報とが整合している必要がある。第2に、上記自装置用の設定情報と、上記コネクション情報とが整合している必要がある。
【0010】
このため、ネットワークの立ち上げ時等には、上述した各情報の整合性が取れていなこと等が理由で、オリジネータとターゲットとの通信が行えない場合が発生し得る。この場合、ネットワークの管理者等は、サポート装置にて、各情報が表示される画面を個別に1つずつ開いて、各情報の内容を確認する必要がある。このため、ネットワークの管理者等は、通信エラーが発生した要因を探すのに、時間と労力とを有する。
【0011】
本開示は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、EtherNet/IPを用いてコネクションが設定されたPLC(制御装置)間でフレームデータをやり取りするネットワークにおいて、通信エラーの要因を容易に特定可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示のある局面に従うと、ネットワークシステムは、複数の制御装置と、情報処理装置とを備える。複数の制御装置の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部と、通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部とを有する。複数の通信制御部のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部の各々は、通信制御部に対して設定された第1の設定情報に基づいて、通信制御部に接続された状態値管理部に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、通信制御部に対して設定された第2の設定情報とコネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、通信の相手先の通信制御部との間で、状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成されている。第1の設定情報と第2の設定情報とは、情報処理装置において1組の通信制御部の各々に対して個別に生成され、かつ情報処理装置から1組の通信制御部の各々に送信される。情報処理装置は、1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部がデータ処理に失敗した場合には、一方の通信制御部の第1の設定情報と、一方の通信制御部の第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示する。情報処理装置は、1組の通信制御部がフレームデータの遣り取りに失敗した場合、1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の第2の設定情報と、コネクション情報の設定とを比較可能にディスプレイに表示する。
【0013】
好ましくは、1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部がデータ処理に失敗した場合には、一方の通信制御部は、データ処理に失敗したことを示すフラグ情報を、一方の通信制御部に接続された状態値管理部に書き込む。1組の通信制御部がフレームデータの遣り取りに失敗した場合、1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部は、フレームデータの遣り取りに失敗したことを示すフラグ情報を、一方の通信制御部に接続された状態値管理部に書き込む。情報処理装置は、フラグ情報を状態値管理部から取得する。情報処理装置は、フラグ情報に基づきデータ処理に失敗したことが検出された場合には、一方の通信制御部の第1の設定情報と、一方の通信制御部の第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示する。情報処理装置は、フラグ情報に基づきフレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、一方の通信制御部の第2の設定情報と、コネクション情報の設定とを比較可能にディスプレイに表示する。
【0014】
好ましくは、フレームデータは、複数のサブフレームを含む。情報処理装置は、データ処理に失敗したことが検出された場合には、一方の通信制御部の第1の設定情報として、サブフレームとされる変数の名称と、当該変数のデータサイズとを表示し、一方の通信制御部の第2の設定情報として、サブフレームの名称と当該サブフレームのデータサイズとを表示する。
【0015】
好ましくは、情報処理装置は、フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、一方の通信制御部の第2の設定情報として、フレームの名称と当該フレームのデータサイズとを表示する。コネクション情報は、フレームの名称と当該フレームのデータサイズとを含む。
【0016】
好ましくは、情報処理装置は、複数の制御装置の一覧をディスプレイに表示する。情報処理装置は、一方の通信制御部がデータ処理に失敗したことが検出された場合には、一覧において、複数の制御装置のうち一方の通信制御部を有する第1の制御装置を他の制御装置とは異なる態様でディスプレイに表示する。
【0017】
好ましくは、情報処理装置は、一方の通信制御部がデータ処理に失敗したことが検出された場合には、一覧において、複数の制御装置のうち一方の通信制御部を有する第1の制御装置と、一方の通信制御部と組をなす他方の通信制御部を有する第2の制御装置とを、他の制御装置とは異なる態様でディスプレイに表示する。
【0018】
好ましくは、情報処理装置は、一方の通信制御部がフレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、一覧において、第1の制御装置を他の制御装置とは異なる態様でディスプレイに表示する。
【0019】
好ましくは、情報処理装置は、一方の通信制御部を有する第1の制御装置が選択されたことに基づき、第1の制御装置と、複数の制御装置のうち一方の通信制御部と組をなす他方の通信制御部を有する第2の制御装置とを含む第1の画面をディスプレイに表示させる。情報処理装置は、第1の画面において、フラグ情報に基づき、失敗が、データ処理の失敗であるか、フレームデータの遣り取りの失敗であるかを識別可能に表示する。
【0020】
好ましくは、情報処理装置は、第1の制御装置と第2の制御装置との間のリンクがオフ状態となっていることを検出した場合には、予め定められたメッセージを表示する。
【0021】
好ましくは、情報処理装置は、第2の制御装置を見つけられない場合には、予め定められたメッセージを表示する。
【0022】
好ましくは、情報処理装置は、第1の画面において、データ処理に失敗した場合と、フレームデータの遣り取りに失敗した場合と、リンクがオフ状態となっている場合と、制御装置を見つけられない場合とで、異常の発生を示すオブジェクトの表示位置を変更する。
【0023】
好ましくは、情報処理装置は、データ処理に失敗したことが検出された場合には、予め定められた操作を受け付けたことに基づき、一方の通信制御部の第2の設定情報を変更するための第2の画面をディスプレイに表示する。好ましくは、フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、予め定められた操作を受け付けたことに基づき、一方の通信制御部の第2の設定情報を変更するための第3の画面をディスプレイに表示する。
【0024】
本開示の他の局面に従うと、情報処理装置は、複数の制御装置の各々と通信可能である。複数の制御装置の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部と、通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部とを有する。複数の通信制御部のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部の各々は、通信制御部に対して設定された第1の設定情報に基づいて、通信制御部に接続された状態値管理部に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、かつ、通信制御部に対して設定された第2の設定情報とコネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、通信の相手先の通信制御部との間で、状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成されている。情報処理装置は、第1の設定情報と第2の設定情報とを1組の通信制御部の各々に対して個別に生成する生成手段と、生成された第1の設定情報と第2の設定情報とを、1組の通信制御部の各々に送信する送信手段とを備える。情報処理装置は、1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部がデータ処理に失敗した場合には、一方の通信制御部の第1の設定情報と第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示し、かつ、1組の通信制御部がフレームデータの遣り取りに失敗した場合には、1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の第2の設定情報と、コネクション情報とを比較可能にディスプレイに表示する表示制御手段をさらに備える。
【0025】
本開示のさらに他の局面に従うと、情報処理方法は、複数の制御装置の各々と通信可能な情報処理装置において実行される。複数の制御装置の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部と、通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部とを有する。複数の通信制御部のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部の各々は、通信制御部に対して設定された第1の設定情報に基づいて、通信制御部に接続された状態値管理部に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、かつ、通信制御部に対して設定された第2の設定情報とコネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、通信の相手先の通信制御部との間で、状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成されている。情報処理方法は、第1の設定情報と第2の設定情報とを1組の通信制御部の各々に対して個別に生成するステップと、生成された第1の設定情報と第2の設定情報とを、1組の通信制御部の各々に送信するステップと、1組の通信制御部のうちの少なくとも一方の通信制御部がデータ処理に失敗した場合には、一方の通信制御部の第1の設定情報と第2の設定情報とを比較可能にディスプレイに表示するステップと、1組の通信制御部がフレームデータの遣り取りに失敗した場合には、1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の第2の設定情報と、コネクション情報とを比較可能にディスプレイに表示するステップとを備える。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、EtherNet/IPを用いてコネクションが設定された制御装置間でフレームデータをやり取りするネットワークにおいて、通信エラーの要因を容易に特定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】ネットワークシステムの構成例を示した図である。
【
図2】ネットワークシステムの構成例を示した図である。
【
図3】PLCと他のPLCとの間でのサイクリック通信(データリンク)の一例を説明するための図である。
【
図4】サイクリック通信でやり取りされるフレームデータを示した図である。
【
図5】PLCの内部構成を説明するためのブロック図である。
【
図6】サポート装置のハードウェア構成を示す模式図である。
【
図7】サポート装置の機能的構成を示す模式図である。
【
図8】ネットワークシステムのネットワークトポロジーを表した図である。
【
図9】
図8の画面においてアイコンが選択された後に表示される画面を表した図である。
【
図10】
図9に示した画面のデータが選択された後に表示される画面を表した図である。
【
図11】
図10の線分画像によって接続された円形のオブジェクト画像同士の関係性を説明するための図である。
【
図12】
図10の画面においてオブジェクト画像をユーザが選択したときに表示される画面を表した図である。
【
図13】
図9に示した画面のデータが選択された後に表示される画面を表した図である。
【
図14】サポート装置がオブジェクト画像を選択する操作を受け付けたときに表示される画面を表した図である。
【
図15】
図14の画面においてオブジェクト画像が選択されたときに表示される画面を表した図である。
【
図16】
図14の画面においてオブジェクト画像が選択されたときに表示される画面を表した図である。
【
図17】タグの問題を解決できていない場合にサポート装置で表示される他の画面を示している。
【
図18】サポート装置がオブジェクト画像を選択する操作を受け付けたときに表示される画面を表した図である。
【
図19】
図18の画面おいてオブジェクト画像が選択されたときに表示される画面を表した図である。
【
図20】コネクションの確立に失敗した場合にサポート装置で表示される画面1200を示している。
【
図21】コネクションの確立に失敗した場合にサポート装置で表示される他の画面を示している。
【
図22】タグの問題を解決できていない場合にサポート装置で表示される他の画面を示している。
【
図23】サポート装置がオブジェクト画像を選択する操作を受け付けたときに表示される画面を表した図である。
【
図24】サポート装置における処理の流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰返さない。
【0029】
本明細書において、「状態値」は、任意の制御対象にて観測できる値を包含する用語であり、例えば、任意のセンサにより測定できる物理値や、リレーやスイッチなどのON/OFF状態を含み得る。「状態値」は、さらに、PLCがサーボドライバに与える位置、速度、トルクなどの指令値、PLCが演算に用いる変数値などを含み得る。
【0030】
§1 適用例
図1は、ネットワークシステムの構成例を示した図である。
【0031】
図1を参照して、ネットワークシステムは、情報処理装置(サポート装置)と、スイッチングハブと、複数の制御装置(PLC:プログラマブル・ロジック・コントローラ)とを備える。
図1においては、便宜上、複数の制御装置を構成する2つの制御装置A,Bを記載している。
【0032】
複数の制御装置(制御装置A,B等)の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部(EtherNet/IPコントローラ)と、当該通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部(IOマネージャー)とを有する。
【0033】
複数の通信制御部のうち、制御装置Aの通信制御部と制御装置Bの通信制御部とは、コネクションの開設により互いに通信するように設定されている。なお、たとえば、制御装置Aがコネクションの開設を制御装置Bに要求した場合には、通信回線が確立すると、制御装置A(「オリジネータ」と称される)は、通信相手の制御装置B(「ターゲット」とも称される)とフレームデータの交換を行なう。当該コネクション情報は、オリジネータとターゲットとで共有される。
【0034】
制御装置Aの通信制御部は、当該通信制御部に対して設定された第1設定情報D11に基づいて、当該通信制御部に接続された状態値管理部(制御装置Aの状態値管理部)に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成されている。また、制御装置Aの通信制御部は、当該通信制御部に対して設定された第2設定情報D12と上記コネクションを開設するためのコネクション情報D3とに基づいて、通信の相手先の通信制御部(制御装置Bの通信制御部)との間で、状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成されている。
【0035】
制御装置Bの通信制御部は、当該通信制御部に対して設定された第1設定情報D21に基づいて、当該通信制御部に接続された状態値管理部(制御装置Bの状態値管理部)に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成されている。また、制御装置Bの通信制御部は、当該通信制御部に対して設定された第2設定情報D22と上記コネクションを開設するためのコネクション情報D3とに基づいて、通信の相手先の通信制御部(制御装置Aの通信制御部)との間で、状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成されている。
【0036】
第1設定情報D11,D21と第2設定情報D12,D22とは、情報処理装置において制御装置A,Bの通信制御部(コネクションが設定された1組の通信制御部)の各々に対して個別に生成され、かつ情報処理装置から制御装置A,Bの通信制御部の各々に送信される。
【0037】
すなわち、第1設定情報D11と第2設定情報D12とは、情報処理装置において制御装置Aの通信制御部に対して生成され、かつ情報処理装置から制御装置Aの通信制御部に送信される。また、第1設定情報D21と第2設定情報D22とは、情報処理装置において制御装置Bの通信制御部に対して生成され、かつ情報処理装置から制御装置Bの通信制御部に送信される。
【0038】
また、生成された第1設定情報D11,D21と第2設定情報D12,D22とは、サポート装置のメモリに格納される。
【0039】
コネクション情報D3は、情報処理装置において生成され、かつ情報処理装置から制御装置A,Bの通信制御部の各々に送信される。コネクション情報D3は、制御装置A,Bの通信制御部で共用される。
【0040】
情報処理装置は、1組の通信制御部(コネクションが設定された、制御装置Aの通信制御部および制御装置Bの通信制御部)のうちの少なくとも一方の通信制御部がデータ処理に失敗した場合には、当該一方の通信制御部の第1設定情報(D11またはD21)と、当該一方の通信制御部の第2設定情報(D12またはD22)とを比較可能にディスプレイに表示する。たとえば、制御装置Aの通信制御部がデータ処理に失敗した場合、情報処理装置は、制御装置Aの通信制御部の第1設定情報D11と、制御装置Aの通信制御部の第2設定情報D12とを比較可能に、サポート装置のディスプレイに表示する。
【0041】
情報処理装置は、1組の通信制御部が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合、当該1組の通信制御部のうちの一方の通信制御部の第2設定情報(D12またはD22)と、コネクション情報D3とを比較可能にディスプレイに表示する。たとえば、制御装置Aの通信制御部がフレームデータの遣り取りに失敗した場合、情報処理装置は、制御装置Aの通信制御部の第2設定情報D12と、コネクション情報D3とを比較可能にディスプレイに表示する。
【0042】
以上のように、ネットワークの立ち上げ時等において設定情報の整合性が取れていなことが理由で、オリジネータとターゲットとの通信が行えない場合が発生した場合、情報処理装置は、以下のように、ネットワークの管理者等が情報同士を比較(対比)可能となるように表示する。
【0043】
(1)第1設定情報D11と第2設定情報D12とを比較可能に表示
(2)第2設定情報D12とコネクション情報D3とを比較可能に表示
(3)第2設定情報D22とコネクション情報D3とを比較可能に表示
(4)第1設定情報D21と第2設定情報D22とを比較可能に表示
このような表示によって、ネットワークの管理者等は、通信エラーが発生した要因を探すために要する時間と労力とを低減することができる。したがって、本適用例によれば、EtherNet/IPを用いてコネクションが設定されたPLC(制御装置)間でフレームデータをやり取りするネットワークにおいて、通信エラーの要因を容易に特定可能となる。
【0044】
§2 構成例
<A.ネットワークシステム>
図2は、ネットワークシステム1の構成例を示した図である。
【0045】
図2を参照して、ネットワークシステム1は、サポート装置10と、スイッチングハブ20と、複数のPLC30(30A,30B,30C)とを備える。
図2においては、便宜上、3台のPLCを記載しているが、PLCの台数はこれに限定されるものではない。また、ネットワークシステムは、制御装置以外のデバイス(図示せず)を備える。
【0046】
サポート装置10は、スイッチングハブ20に接続されている。
各PLC30A,30B,30Cは、EtherNet/IPポート39を備える。EtherNet/IPポート39と、スイッチングハブ20のポートとが、ツイストペアケーブル等の通信ケーブル90で接続されている。
【0047】
<B.PLC>
図3は、PLC30AとPLC30Bとの間でのサイクリック通信(データリンク)の一例を説明するための図である。
図4は、サイクリック通信でやり取りされるフレームデータを示した図である。
【0048】
図3を参照して、本例では、PLC30Aがオリジネータとして機能し、かつPLC30Bがターゲットとして機能している。また、本例では、PLC30BからPLC30Aに対してフレームデータが送信される。
【0049】
図4を参照して、フレームデータは、複数のサブフレームを含む。以下では、フレームデータを、「タグセット」とも称する。また、サブフレームを、「タグ」とも称する。
【0050】
「タグ」とは、データリンクでデータ交換をする対象の単位である。「タグセット」とは、データリンクでコネクションを張る、データの単位である。コネクションを張るときに、1または複数のタグをまとめてタグセットを構成する。タグは、タグセットンのメンバー(構成要素)である。
【0051】
タグセットおよびタグは、コネクションの作成(設定)に用いられる。詳しくは、サポート装置10を用いて、複数の通信制御部(EtherNet/IPコントローラ,EtherNet/IPユニット)のうち予め指定(登録)された通信制御部に対して、タグセットおよびタグが作成される。また、入力(受信)側のタグと出力(送信)側のタグとが設定される。
【0052】
タグは、典型的には変数である。タグとして使用できる変数として、グローバル変数を指定することができる。タグセットに含めることができるタグ数は、予め定められている。また、タグの最大サイズ(バイト数)、タグセットの最大サイズ(バイト数)も、予め定められている。
【0053】
再び
図3を参照して、PLC30Aでは、3つのタグ(変数a,b、c)によってタグセット(詳しくは、入力(受信)タグセット)が構成されている。PLC30Bでは、3つのタグ(変数d,e、f)によってタグセット(詳しくは、出力(送信)タグセット)が構成されている。
【0054】
本例の場合、変数aの値は、変数dの値によって更新される。変数bの値は、変数eの値によって更新される。変数cの値は、変数fの値によって更新される。
【0055】
データリンクを行うためには、オリジネータ側のタグセットに含まれるタグ(変数)の数と、ターゲット側のタグセットに含まれるタグ(変数)の数とが一致している必要がある。また、オリジネータ側のタグセットのデータサイズと、ターゲット側のタグセットのデータサイズとが一致している必要がある。さらに、オリジネータ側のタグセットに含まれる各タグのデータサイズも、ターゲット側のタグセットに含まれる各タグのデータサイズと一致している必要がある。たとえば、変数aのデータサイズと、変数dのデータサイズとが一致している必要がある。以下では、このようなデータ同士が一致することを、「整合」とも称する。
【0056】
なお、「更新タスク」とは、グローバル変数に対して書き込み可能なタスクを1つだけ指定し、当該タスク以外からのグローバル変数に対する書き込みを禁止することにより、参照する側のタスクから見たグローバル変数の値の同時性を確保する機能である。
【0057】
また、タグセットの作成後に、サポート装置10によって、上述したコネクション情報の設定がなされる。具体的には、コネクション情報として、コネクションを開設するターゲットデバイスおよびタグセット、コネクションタイプ(マルチキャストまたはユニキャスト)、パケットインターバル、コネクション名等が設定される。詳しくは、コネクション情報は、EtherNet/IPポート39に対して設定される。
【0058】
より詳しくは、コネクションの設定は、オリジネータ側から行なわれる。ユーザは、サポート装置10において、オリジネータを指定した後、ターゲットを指定する。ユーザは、指定したオリジネータに対してタグセット(入力タグセット)を指定し、かつ指定したターゲットにタグセット(出力タグセット)を指定する。入力タグセットと出力タグセットとがコネクションとして関連付けられる。
【0059】
以下では、説明の便宜上、
図1で説明した、第1設定情報D11、第2設定情報D12、第1設定情報D21、第2設定情報D22、およびコネクション情報D3を用いて説明する。なお、第1設定情報D11,D21は、変数設定に関する情報である。第2設定情報D12,D22は、タグセットに関する情報である。
【0060】
図5は、PLCの内部構成を説明するためのブロック図である。
図5を参照して、PLC30Aは、通信制御部310A(EtherNet/IPコントローラ)と、状態値管理部311Aと、内部バスコントローラ312Aと、EtherCATコントローラ313Aと、ユーザプログラム314Aとを備える。PLC30Bは、通信制御部310B(EtherNet/IPコントローラ)と、状態値管理部(図示せず)と、内部バスコントローラ(図示せず)と、EtherCATコントローラ(図示せず)と、ユーザプログラム(図示せず)とを備える。なお、以下では、説明の便宜上、PLC30Bの状態値管理部を、PLC30Aの状態値管理部311Aと区別するために、「状態値管理部311B」と称する。
【0061】
状態値管理部311Aは、状態値を格納するためのメモリ領域を有する。状態値管理部311Aは、通信制御部310Aからのアクセス、内部バスコントローラ312Aからのアクセス、EtherCATコントローラ313Aからのアクセス、ユーザプログラム314Aからのアクセスを受ける。これらのアクセスにより、メモリ領域に対して、データの書き込み、データの読み取り(参照)が行なわれる。
【0062】
通信制御部310Aは、状態値管理部311Aのメモリ領域にデータ(詳しくは、サブフレームデータ、変数(タグ)の値)を書き込み、かつ当該メモリ領域からデータを読み出す。通信制御部310Aは、通信制御部310Bとフレームデータ(タグセット)の遣り取りを行う。
【0063】
詳しくは、通信制御部310Aは、通信制御部310Aに対して設定された第1設定情報D11に基づき、状態値管理部311Aのメモリ領域へのデータの書き込みおよび、当該メモリ領域へのデータの読み出しを行う。また、通信制御部310Aは、通信制御部310Aに対して設定された第2設定情報D12と、コネクションを開設するためのコネクション情報D3とに基づき、通信制御部310Bとフレームデータの遣り取りを行う。
【0064】
同様に、通信制御部310Bは、通信制御部310Bに対して設定された第1設定情報D21に基づき、状態値管理部311Bのメモリ領域へのデータの書き込みおよび、当該メモリ領域へのデータの読み出しを行う。また、通信制御部310Bは、通信制御部310Bに対して設定された第2設定情報D22と、コネクションを開設するためのコネクション情報D3とに基づき、通信制御部310Aとフレームデータの遣り取りを行う。
【0065】
<C.サポート装置>
(c1.ハードウェア構成)
図6は、サポート装置10のハードウェア構成を示す模式図である。
【0066】
図6を参照して、サポート装置10は、典型的には、汎用のコンピュータで構成される。なお、メンテナンス性の観点からは、可搬性に優れたノート型のパーソナルコンピュータが好ましい。
【0067】
サポート装置10は、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するCPU151と、BIOSや各種データを格納するROM(Read Only Memory)152と、CPU151でのプログラムの実行に必要なデータを格納するための作業領域を提供するメモリRAM153と、CPU151で実行されるプログラムなどを不揮発的に格納するハードディスク(HDD)154とを含む。
【0068】
サポート装置10は、さらに、ユーザからの操作を受け付けるキーボード155およびマウス156と、情報をユーザに提示するためのディスプレイ157とを含む。サポート装置10は、PLC30などと通信するための通信インターフェイス(IF)159を含む。
【0069】
後述するように、サポート装置10で実行される各種プログラムは、DVD-ROM900に格納されて流通する。このDVD-ROM900に格納されたプログラムは、DVD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置158によって読取られ、ハードディスク(HDD)154などへ格納される。あるいは、上位のホストコンピュータなどからネットワークを通じてプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0070】
(c2.機能的構成)
図7は、サポート装置10の機能的構成を示す模式図である。
【0071】
図7を参照して、サポート装置10は、制御部110と、送信部120と、受信部130と、入力装置140と、ディスプレイ157とを備える。制御部110は、生成部111と、取得部112と、表示制御部113とを有する。
【0072】
制御部110は、サポート装置10の全体的な動作を制御する。制御部110は、典型的には、サポート装置10に記憶されたオペレーティングシステム(OS)が、各種のアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。
【0073】
以下においても、上記のように、PLC30AとPLC30Bとの間でデータリンクがなされるものとする。さらに、以下では、このような局面におけるサポート装置10の機能を説明する。
【0074】
生成部111は、サポート装置10のユーザ操作に基づき、上述したコネクション情報D3を生成する。また、生成部111は、サポート装置10のユーザ操作に基づき、PLC30A用に、第1設定情報D11と第2設定情報D12とを生成する。さらに、生成部111は、サポート装置10のユーザ操作に基づき、PLC30B用に、第1設定情報D21と第2設定情報D22とを生成する。
【0075】
具体的には、第1設定情報D11,D21、第2設定情報D12,D22、コネクション情報D3は、この順に生成される。第2設定情報D12,D22とコネクション情報D3とは、コネクションの設定操作に基づき生成される情報である。第1設定情報D11,D21は、コネクションの設定の有無等に関わらず、事前に生成される。
【0076】
送信部120は、生成された第1設定情報D11と第2設定情報D12とコネクション情報D3とを、PLC30Aに送信する。第1設定情報D11と第2設定情報D12とコネクション情報D3とは、PLC30Aの通信制御部310Aによって利用される。
【0077】
また、送信部120は、生成された第1設定情報D21と第2設定情報D22とコネクション情報D3とを、PLC30Bに送信する。第1設定情報D21と第2設定情報D22とコネクション情報D3とは、PLC30Bの通信制御部310Bによって利用される。
【0078】
通信制御部310Aは、状態値管理部311Aへのデータ処理(データの読取り、書き込み)に失敗した場合、データ処理に失敗したことを示すフラグ情報を、状態値管理部311Aに書き込む。また同様に、通信制御部310Bは、状態値管理部311Bへのデータ処理(データの読取り、書き込み)に失敗した場合、データ処理に失敗したことを示すフラグ情報を、状態値管理部311Bに書き込む。さらに、通信制御部310Aは、通信制御部310Bとのフレームデータの遣り取りに失敗した場合には、フレームデータの遣り取りに失敗したことを状態値管理部311Aに書き込む。
【0079】
サポート装置10の取得部112は、上記フラグ情報を状態値管理部311A,311Bから取得する。
【0080】
取得されたフラグ情報に基づき通信制御部310Aがデータ処理に失敗したことが検出された場合には、表示制御部113は、通信制御部310A用の第1設定情報D11と第2設定情報D12とを比較可能にディスプレイに表示させる。
【0081】
また、取得されたフラグ情報に基づき通信制御部310Bがデータ処理に失敗したことが検出された場合には、表示制御部113は、通信制御部310B用の第1設定情報D21と第2設定情報D22とを比較可能にディスプレイ157に表示させる。
【0082】
さらに、フラグ情報に基づきフレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、表示制御部113は、通信制御部310A用の第2設定情報D12と、コネクション情報D3とを比較可能にディスプレイ157に表示させる。
【0083】
なお、上述した場合における各表示例については、後述する。
(c3.ユーザインターフェイス)
図8は、ネットワークシステム1のネットワークトポロジーを表した図である。
【0084】
図8を参照して、サポート装置10は、ユーザ操作に基づき、ディスプレイ157に画面1080を表示する。画面1080は、ネットワークシステム1のネットワークトポロジーを表している。画面1080は、設定されたコネクションを視覚的に表している。画面1080は、複数のPLC30を一覧表示したものである。
【0085】
サポート装置10は、ネットワークにおいてデータリンク(コネクション)に異常が有る箇所(詳しくは、PLC等のデバイスを示すアイコン)を、他の箇所とは異なる態様で表示する。
【0086】
本例の場合、サポート装置10は、物理配線に問題のある箇所のアイコン1081を第1の色(たとえば赤色)でハイライト表示し、タグの問題を解決できていない箇所のアイコン1083,1084を第2の色(たとえば橙色)でハイライト表示し、コネクションの確立に失敗した箇所のアイコン1082を第3の色(たとえば黄色)でハイライト表示する。「タグの問題を解決できていない」とは、タグに関する問題が発生しており、現時点では当該問題が解消されていないことを意味する。なお、タグに関する問題は、タグセットに関する問題も含む。
【0087】
一例として、アイコン1083はPLC30A(オリジネータ)を表し、アイコン1084はPLC30B(PLC30Aにとってのターゲット)を表す(
図5参照)。他の例として、アイコン1083はPLC30Aを表し、アイコン1084はPLC30B以外のPLC30(詳しくは、PLC30Aにとってのターゲットに該当しないPLC30)を表す。
【0088】
なお、サポート装置10は、優先度の高い異常が発生している箇所(たとえば、物理配線に問題がある箇所)に、ユーザの目を引きつける色でハイライト表示することが好ましい。
【0089】
また、ターゲットのアイコンには、自身のIPアドレスと、コネクションが設定されているオリジネータのIPアドレスが表示される。
【0090】
サポート装置10は、ネットワークトポロジーを構成するデバイスにpingを投げ、応答がなければ、当該デバイスについて物理的な配線に問題があると判断する。サポート装置10は、当該デバイスを示すアイコンに対して、上述したように第1の色でハイライト表示する。
【0091】
サポート装置10は、デバイスからpingに対する応答があるが、ターゲットが不在あるいはコネクションポイントがない場合には、コネクション確立の失敗として、当該デバイスを示すアイコンに対して、上述したように第2の色でハイライト表示する。
【0092】
「タグの問題を解決できていない(タグ解決失敗)」とは、タグセットの中に必要な変数が定義されていなかったり、タグ(変数,サブフレーム)のデータサイズが互いに一致しなかったり、タグセット(フレームデータ)のデータサイズが一致しないこと等をいう。また、タグ解決失敗には、オリジネータ側でのタグ解決失敗と、ターゲット側でのタグ解決失敗とがある。
【0093】
なお、
図8に示すネットワークトポロジーは、サポート装置10を用いたユーザ操作によって生成される。
【0094】
図9は、
図8の画面1080においてアイコン1084が選択された後に表示される画面を表した図である。
【0095】
図9を参照して、サポート装置10は、ディスプレイ157に画面1090を表示する。なお、アイコン1084が示すPLC30は、複数の他のPLC30との間でコネクションの設定がなされている。
【0096】
画面1090は、コネクションステータス、タグステータス等のタブと、選択状態にあるタブに関連付けられた内容とを示している。本例では、画面1090として、コネクションステータスの内容が示されている。
【0097】
コネクションステータスは、コネクション名と、タイプの情報とを含む。各コネクション名の左隣の丸印は、色により、異常と正常との種別を表している。たとえば、上から1つ目のデータ1091の丸印は、正常を表している。上から2つ目のデータ1092の丸印は、異常を表している。上から3つ目以降のデータの丸印は、正常を表している。さらに、コネクションステータスの各データは、選択可能に構成されている。
【0098】
また、タグステータスは、タグ名と、入力/出力の別を示す情報と、ステータス情報(たとえば、正常解決完了)とを含む。タグステータスにおいても、コネクションステータスと同様に、タグ名の左隣に、異常または正常を示す丸印が表示される。タグステータスの各データも、選択可能に構成されている。
【0099】
図10は、
図9に示した画面1090のデータ1091が選択された後に表示される画面を表した図である。
【0100】
図10を参照して、サポート装置10は、ディスプレイ157に画面1100を表示する。画面1100は、選択されたデータに関連するオリジネータのPLCのオブジェクト画像1101と、ターゲットのPLCのオブジェクト画像1102と、スイッチングハブのオブジェクト画像1103とをディスプレイ157に表示する。
【0101】
オブジェクト画像1101は、タグを示す円形のオブジェクト画像1104と、タグセットを示す円形のオブジェクト画像1105と、コネクション管理を示す円形のオブジェクト画像1106とを含む。オブジェクト画像1104とオブジェクト画像1105とは、線分画像1110で互いに接続されている。オブジェクト画像1105とオブジェクト画像1106とは、線分画像1111で互いに接続されている。
【0102】
同様に、オブジェクト画像1102は、タグを示す円形のオブジェクト画像1107と、タグセットを示す円形のオブジェクト画像1108と、コネクション管理を示す円形のオブジェクト画像1109とを含む。オブジェクト画像1107とオブジェクト画像1108とは、線分画像1112で互いに接続されている。オブジェクト画像1108とオブジェクト画像1109とは、線分画像1113で互いに接続されている。
【0103】
さらに、オブジェクト画像1101内のオブジェクト画像1106と、オブジェクト画像1102内のオブジェクト画像1109とは、線分画像1114で互いに接続されている。
【0104】
図11は、
図10の線分画像によって接続された円形のオブジェクト画像同士の関係性を説明するための図である。
【0105】
図11を参照して、オブジェクト画像1104で示されるタグと、オブジェクト画像1105で示されるタグセットとの整合性は、PLC30Aの第1設定情報D11と第2設定情報D12との整合性を表す。第1設定情報D11と第2設定情報D12との整合性がとれていない場合(一致しない場合)には、オブジェクト画像1104とオブジェクト画像1105とを結ぶ線分画像1110上に予め定められたオブジェクト画像(たとえば、×印等の記号)が表示される(
図13参照)。
【0106】
また、オブジェクト画像1105で示されるタグセットと、オブジェクト画像1106で示されるコネクション管理との整合性は、PLC30Aの第2設定情報D12と、コネクション情報D3との整合性を表す。第2設定情報D12とコネクション情報D3との整合性がとれていない場合(一致しない場合)には、オブジェクト画像1105とオブジェクト画像1106とを結ぶ線分画像1111上に予め定められたオブジェクト画像(たとえば、×印等の記号)が表示される(
図17参照)。
【0107】
オブジェクト画像1107で示されるタグと、オブジェクト画像1108で示されるタグセットとの整合性は、PLC30Bの第1設定情報D21と第2設定情報D22との整合性を表す。第1設定情報D21と第2設定情報D22との整合性がとれていない場合(一致しない場合)には、オブジェクト画像1107とオブジェクト画像1108とを結ぶ線分画像1112上に予め定められたオブジェクト画像(たとえば、×印等の記号)が表示される。
【0108】
また、オブジェクト画像1108で示されるタグセットと、オブジェクト画像1109で示されるコネクション管理との整合性は、PLC30Bの第2設定情報D22と、コネクション情報D3との整合性を表す。第2設定情報D22とコネクション情報D3との整合性がとれていない場合(一致しない場合)には、オブジェクト画像1108とオブジェクト画像1109とを結ぶ線分画像1111上に予め定められたオブジェクト画像(たとえば、×印等の記号)が表示される。たとえば、ターゲットにタグセットが存在しないことを条件に、線分画像1111上に予め定められたオブジェクト画像(たとえば、×印等の記号)が表示される(
図22,
図23参照)。
【0109】
さらに、コネクションの確立が失敗したときには、オブジェクト画像1106とオブジェクト画像1109とを結ぶ線分画像1114上に予め定められたオブジェクト画像(たとえば、×印等の記号)が表示される。コネクション確立が失敗する理由としては、リンクオフ異常、ターゲット不在等が挙げられる。
【0110】
図12は、
図10の画面1100においてオブジェクト画像1104をユーザが選択したときに表示される画面を表した図である。
【0111】
図12を参照して、オブジェクト画像1104が選択されると、サポート装置10は、オブジェクト画像1104に対応付けられたタグの一覧表をポップアップ等の表示形態で表示する。タグの一覧表は、タグ名とデータサイズとを含んでいる。
【0112】
このような構成によれば、ネットワークシステムの管理者等(詳しくは、サポート装置のユーザ)は、PLC30同士の間で交換されるタグの名称と、当該タグのデータサイズとを容易に知ることができる。なお、以下では、「ネットワークシステムの管理者等」を、単に「ユーザ」と称する。
【0113】
以下、コネクションに関し異常が発生しているときにサポート装置10のディスプレイ157に表示される画面(ユーザインターフェイス)について、図面を参照して説明する。また、説明の便宜上、以下の画面表示の説明においては、
図11に示した内容を適宜参照する。詳しくは、コネクションが張られている2つのPLC30をPLC30A,30Bと仮定し、かつPLC30A,30Bとのコネクションに異常が発生している場合を例に挙げて説明する。なお、「異常」とは、上述したように、物理配線に問題のある場合、タグの問題を解決できていない場合、および/またはコネクションの確立に失敗した場合である。
【0114】
(1)第1のケース
図13は、
図9に示した画面1090のデータ(たとえば、データ1092)が選択された後に表示される画面を表した図である。すなわち、
図13は、タグの問題を解決できていない場合に表示される画面を示している。詳しくは、
図13は、
図11に示すように、オリジネータ側のPLC30Aの第1設定情報D11と第2設定情報D12との整合性がとれていない場合の画面例を表す。
【0115】
図13を参照して、サポート装置10は、第1設定情報D11と第2設定情報D12との整合性がとれていないため、オブジェクト画像1104とオブジェクト画像1105とを結ぶ線分画像1110上にオブジェクト画像1131(本例では、×印の記号)を表示する。
【0116】
このような表示により、ユーザは、PLC30A側において、タグの問題が解決できていないことを知ることができる。
【0117】
図14は、サポート装置10がオブジェクト画像1131を選択する操作を受け付けたときに表示される画面を表した図である。
【0118】
図14を参照して、サポート装置10は、画面1140をディスプレイ157に表示する。画面1140は、データテーブル1141と、オブジェクト画像1142,1143、1144,1145とを含む。データテーブル1141は、第2設定情報D12を表したテーブル1141Aと、第1設定情報D11を表したテーブル1141Bとを有する。
【0119】
テーブル1141Aには、第2設定情報D12を生成するための操作(タグセット設定)により生成されたタグセットに含まれる各タグの名称と、各タグのデータサイズとがタグの名称に対応付けて表示されている。さらに、各タグの名称の左側には、正常を表すオブジェクト画像1142と、異常(警告)を表すオブジェクト画像1143とが対応付けて表示されている。
【0120】
テーブル1141Bには、第1設定情報D11を生成するための操作(変数設定)により設定された各タグの名称と、各タグのデータサイズとがタグの名称に対応付けて表示されている。
【0121】
本例の場合、タグセット設定のタグ“Out2”のデータサイズと、変数設定のタグ“Out2”のデータサイズとが一致していないため、サポート装置10は、これらのデータの左側に異常を表すオブジェクト画像1143を表示する。
【0122】
また、本例の場合、タグセット設定のタグ“Out3”に対応する、変数設定のタグが存在していないため、サポート装置10は、“Out3”のデータの左側に異常を表すオブジェクト画像1143を表示する。
【0123】
このように、画面1140によれば、ユーザは、タグの設定に関し、何が原因で(詳しくは、何が一致していないために)タグの問題が解決できていないのかを容易に知ることができる。
【0124】
図15は、
図14の画面1140においてオブジェクト画像1145が選択されたときに表示される画面を表した図である。
【0125】
図15を参照して、サポート装置10は、画面1150をディスプレイ157に表示する。画面1150は、タグの問題が解決できていない変数のみを表示領域1151に表示する。このような表示によれば、ユーザは、タグセットに設定したタグ名が間違っていることを知ることができる。
【0126】
なお、サポート装置10は、ユーザから切り替え操作を受け付けることにより、表示領域1151に全ての変数を表示するように、サポート装置10を構成してもよい。
【0127】
図16は、
図14の画面1140においてオブジェクト画像1144が選択されたときに表示される画面を表した図である。
【0128】
図16を参照して、サポート装置10は、
図15の画面1150において整合していない箇所に対するデータ入力を受け付ける。サポート装置10は、データの入力を受け付けた後、図示しない設定更新ボタン(保存ボタン)の選択を受け付けると、当該入力されたデータに基づき、第1設定情報D11、第2設定情報D12を更新する。
【0129】
このような構成によれば、ユーザは、容易にデータの不整合を解消することができる。すなわち、この場合、ユーザは、タグの問題を容易に解消することができる。
【0130】
(2)第2のケース
図17は、タグの問題を解決できていない場合にサポート装置10で表示される他の画面を示している。詳しくは、
図17は、
図11に示すように、オリジネータ側のPLC30Aの第2設定情報D12とコネクション情報D3との整合性がとれていない場合の画面例を表す。
【0131】
図17を参照して、サポート装置10は、第2設定情報D12とコネクション情報D3との整合性がとれていないため、オブジェクト画像1105とオブジェクト画像1107とを結ぶ線分画像1111上にオブジェクト画像1171(本例では、×印の記号)を表示する。
【0132】
このような表示により、ユーザは、PLC30A側において、タグの問題が解決できていないことを知ることができる。
【0133】
図18は、サポート装置10がオブジェクト画像1171を選択する操作を受け付けたときに表示される画面を表した図である。
【0134】
図18を参照して、サポート装置10は、画面1180をディスプレイ157に表示する。画面1180は、データテーブル1181と、オブジェクト画像1182,1183、1184とを含む。データテーブル1181は、第2設定情報D12を表したテーブル1181Aと、コネクション情報D3を表したテーブル1181Bとを有する。
【0135】
テーブル1181Aには、第2設定情報D12を生成するための操作(タグセット設定)により生成されたタグセットの名称と、タグセットのデータサイズとがタグセットの名称に対応付けて表示されている。
【0136】
テーブル1181Bには、コネクション情報D3を生成するための操作により設定されたタグセットの名称と、当該タグセットのデータサイズとがタグセットの名称に対応付けて表示されている。
【0137】
本例の場合、タグセット設定のタグセット“Out1”のデータサイズと、コネクション管理(コネクション情報D3)のタグセット“Out1”のデータサイズとが一致していないため、サポート装置10は、これらのデータの左側に異常を表すオブジェクト画像1182を表示する。
【0138】
このように、画面1180によれば、ユーザは、タグセットの設定に関し、何が原因で(詳しくは、何が一致していないために)タグの問題が解決できていないのかを容易に知ることができる。
【0139】
図19は、
図18の画面1180おいてオブジェクト画像1183が選択されたときに表示される画面を表した図である。
【0140】
図19を参照して、サポート装置10は、
図18の画面1180において整合していない箇所に対するデータ入力を受け付ける。サポート装置10は、データの入力を受け付けた後、図示しない設定更新ボタン(保存ボタン)の選択を受け付けると、当該入力されたデータに基づき、第2設定情報D12、コネクション情報D3を更新する。
【0141】
このような構成によれば、ユーザは、容易にデータの不整合を解消することができる。すなわち、この場合、管理者等は、タグ(詳しくは、タグセット)の問題を容易に解消することができる。
【0142】
(3)第3のケース
図20は、コネクションの確立に失敗した場合にサポート装置10で表示される画面1200を示している。詳しくは、
図20は、リンクオフ異常(リンクがオフになっている状態)が発生したときに、サポート装置10に表示される画面を示している。「リンクオフ」は、典型的には、オリジネータ側のPLC30Aに対してLANケーブルが正常に接続されていない場合に生じ得る。
【0143】
図20を参照して、サポート装置10は、リンクオフ異常が発生しているため、オブジェクト画像1106とオブジェクト画像1109とを結ぶ線分画像1114上にオブジェクト画像1201(本例では、×印の記号)を表示する。典型的には、ターゲットであるPLC30BよりもオリジネータであるPLC30A側に、オブジェクト画像1201を表示する。
【0144】
さらに、サポート装置10は、オブジェクト画像1201の近傍に、所定のメッセージを表示する。たとえば、サポート装置10は、リンクオフ異常であることを示すメッセージと、LANケーブルを確認するように促すメッセージとを表示する。
【0145】
このような表示により、ユーザは、PLC30A側での設定不備のため、コネクションの確立に失敗していることを知ることができる。
【0146】
(4)第4のケース
図21は、コネクションの確立に失敗した場合にサポート装置10で表示される他の画面を示している。詳しくは、
図21は、ターゲット不在(ターゲットとしてのPLC30が存在しない状態)が発生したときに、サポート装置10に表示される画面を示している。「ターゲット不在」は、典型的には、ターゲット側のPLC30Bの電源がオフとなっている場合、ターゲットのIPアドレスの設定が間違っている場合、あるいは、ターゲット側のPLC30Bに対してLANケーブルが正常に接続されていない場合に生じ得る。
【0147】
図21を参照して、サポート装置10は、ターゲット不在の状況が発生しているため、オブジェクト画像1106とオブジェクト画像1109とを結ぶ線分画像1114上にオブジェクト画像1211(本例では、×印の記号)を表示する。典型的には、オリジネータであるPLC30AよりもターゲットであるPLC30B側に、オブジェクト画像1211を表示する。
【0148】
さらに、サポート装置10は、オブジェクト画像1211の近傍に、所定のメッセージを表示する。たとえば、サポート装置10は、ターゲット不在であることを示すメッセージと、異常を解消するための作業の実施(不備と考えら得る箇所等を確認する作業の実施)を促すメッセージとを表示する。
【0149】
このような表示により、ユーザは、PLC30B側の設定不備のため、コネクションの確立に失敗していることを知ることができる。
【0150】
(5)第5のケース
図22は、タグの問題を解決できていない場合にサポート装置10で表示される他の画面を示している。詳しくは、
図22は、
図11に示すように、ターゲット側のPLC30Bの第2設定情報D22と、コネクション情報D3との整合性がとれていない場合の画面例を表す。より詳しくは、
図22は、ターゲット側のPLC30Bにおいてタグセットが存在しない(設定されていない)場合の画面例を示す。
【0151】
図22を参照して、サポート装置10は、第2設定情報D22とコネクション情報D3との整合性がとれていないため、オブジェクト画像1108とオブジェクト画像1109とを結ぶ線分画像1113上にオブジェクト画像1221(本例では、×印の記号)を表示する。
【0152】
このような表示により、ユーザは、タグの問題が解決できていないこと(詳しくは、ターゲット側のPLC30においてタグセットが存在していないこと)を知ることができる。
【0153】
図23は、サポート装置10がオブジェクト画像1221(
図22参照)を選択する操作を受け付けたときに表示される画面を表した図である。
【0154】
図23を参照して、サポート装置10は、画面1230をディスプレイ157に表示する。画面1230は、データテーブル1231と、オブジェクト画像1232,1233とを含む。データテーブル1231は、コネクション情報D3を表したテーブル1231Aと、第2設定情報D22を表したテーブル1231Bとを有する。
【0155】
テーブル1231Aには、コネクション情報D3を生成するための操作により設定されたタグセットの名称と、当該タグセットのデータサイズとがタグセットの名称に対応付けて表示されている。
【0156】
テーブル1231Bには、第2設定情報D22を生成するための操作(タグセット設定)により生成されたタグセットの名称と、当該タグセットのデータサイズとがタグセットの名称に対応付けて表示される。本例の場合、ターゲットにタグセットが設定されていないため、テーブル1231Bにおけるデータは記載されていない。
【0157】
本例の場合、コネクション管理のタグセット“Out1”に対応する、ターゲット側のタグセットが存在しないため、サポート装置10は、タグセット“Out1”の左側に異常を表すオブジェクト画像1232を表示する。
【0158】
このように、画面1230によれば、ユーザは、タグセットの設定に関し、何が原因で(詳しくは、何が一致していないために)タグの問題が解決できていないのかを容易に知ることができる。
【0159】
(c4.制御構造)
図24は、サポート装置10における処理の流れを説明するためのフロー図である。
【0160】
図24を参照して、ステップS1において、サポート装置10は、EtherNet/IPのネットワークを構成するデバイスを一覧表示する(
図8)。ステップS2において、サポート装置10は、一覧表示において、異常発生箇所(
図8のハイライト箇所)のPTC30を選択する操作を受け付ける。
【0161】
ステップS3において、サポート装置10は、選択されたPLC30のコネクション一覧を表示する(
図9)。ステップS4において、サポート装置10は、コネクションの一覧表示において、異常が発生しているコネクションを選択する操作を受け付ける。
【0162】
ステップS5において、サポート装置10は、選択されたコネクションの異常種別を識別可能に表示する。具体的には、サポート装置10は、異常が発生している箇所(レイヤー)をオブジェクト画像で特定する。たとえば、
図13の画面1130、
図17の画面1170、
図20の画面1200、
図21の画面1210、
図22の画面1220において、線分画像1110,1111,1112,1113の上に×印等のオブジェクト画像を表示することにより、異常が発生している箇所を視認可能に表示する。
【0163】
ステップS6において、サポート装置10は、オブジェクト画像が選択されたことを条件に、設定情報(本例では、D11,D12,D21,D22,D3)を比較可能に表示する(
図14,
図18,
図23)。
【0164】
このような表示によれば、EtherNet/IPを用いてコネクションが設定されたPLC30間でフレームデータ(タグセット)をやり取りするネットワークシステム1において、通信エラーの要因を容易に特定可能となる。
【0165】
<付記>
ネットワークシステム1は、ある局面において、以下の構成を有すると言える。なお、括弧書の参照符号は、一例であって、これに限定されるものではない。たとえば、一方の通信制御部は、通信制御部310Aではなく、通信制御部310Bであってもよい。
【0166】
〔1〕複数の制御装置(30)と、情報処理装置(10)とを備えたネットワークシステム(1)であって、
前記複数の制御装置(30)の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部(310A,310B,…)と、前記通信制御部に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部(311A,311B,…)とを有し、
複数の前記通信制御部(310A,310B,…)のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部(310A,310B)の各々は、
前記通信制御部に対して設定された第1の設定情報(D11,D21)に基づいて、前記通信制御部(310A,310B)に接続された前記状態値管理部(311A,311B)に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部(311A,311B)への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、
前記通信制御部に対して設定された第2の設定情報(D12,D22)と、前記コネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、前記通信の相手先の通信制御部(310A,310B)との間で、前記状態値を含むフレームデータ(タグセット)の遣り取りを実行するように構成され、
前記第1の設定情報(D11,D21)と前記第2の設定情報(D12,D22)とは、前記情報処理装置(10)において前記1組の通信制御部(310A,310B)の各々に対して個別に生成され、かつ前記情報処理装置(10)から前記1組の前記通信制御部(310A,310B)の各々に送信され、
前記情報処理装置(10)は、
前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの少なくとも一方の通信制御部(310A)が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部(310A)の前記第1の設定情報(D11)と、前記一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)とを比較可能にディスプレイ(157)に表示し、
前記1組の通信制御部(310A,310B)が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合、前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイ(157)に表示する、ネットワークシステム(1)。
【0167】
〔2〕前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの少なくとも一方の通信制御部(310A)が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部(310A)は、前記データ処理に失敗したことを示すフラグ情報を、前記一方の通信制御部(310A)に接続された前記状態値管理部(310B)に書き込み、
前記1組の通信制御部(310A,310B)が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合、前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの少なくとも一方の通信制御部(310A)は、前記フレームデータの遣り取りに失敗したことを示すフラグ情報を、前記一方の通信制御部(310A)に接続された前記状態値管理部(311A)に書き込み、
前記情報処理装置(10)は、
前記フラグ情報を前記状態値管理部(311A)から取得し、
前記フラグ情報に基づき前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一方の通信制御部(310A)の前記第1の設定情報(D11)と、前記一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)とを比較可能にディスプレイ(157)に表示し、
前記フラグ情報に基づき前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、前記一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイ(157)に表示する、項目〔1〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0168】
〔3〕前記フレームデータは、複数のサブフレーム(タグ)を含み、
前記情報処理装置(10)は、前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、
前記一方の通信制御部(310A)の前記第1の設定情報(D11)として、前記サブフレームとされる変数の名称と、当該変数のデータサイズとを表示し、
前記コネクション情報は、前記サブフレームの名称と当該サブフレームのデータサイズとを含む、項目〔1〕または〔2〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0169】
〔4〕前記情報処理装置(10)は、前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、
前記一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)として、前記フレームデータの名称と当該フレームデータのデータサイズとを表示し、
前記他方の通信制御部(310B)の前記第2の設定情報(D22)として、前記フレームデータの名称と当該フレームデータのデータサイズとを表示する、項目〔2〕または〔3〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0170】
〔5〕前記情報処理装置(10)は、
前記複数の制御装置(30)の一覧を前記ディスプレイ(157)に表示し、
前記一方の通信制御部(310A)が前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記複数の制御装置(30)のうち前記一方の通信制御部(310A)を有する第1の制御装置(30A)を他の前記制御装置(30)とは異なる態様で前記ディスプレイ(157)に表示する、項目〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載のネットワークシステム(1)。
【0171】
〔6〕情報処理装置(10)は、前記一方の通信制御部(310A)が前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記複数の制御装置(30)のうち、前記一方の通信制御部(310A)を有する第1の制御装置(30A)と、前記一方の通信制御部(310A)と組をなす他方の通信制御部(310B)を有する第2の制御装置(30B)とを、他の前記制御装置(30)とは異なる態様で前記ディスプレイ(157)に表示する、項目〔5〕に記載のネットワークシステム。
【0172】
〔7〕前記情報処理装置(10)は、前記一方の通信制御部(310A)が前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、前記一覧において、前記第1の制御装置(30A)を前記他の制御装置(30)とは異なる態様で前記ディスプレイ(157)に表示する、項目〔5〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0173】
〔8〕前記情報処理装置(10)は、
前記一方の通信制御部(310A)を有する前記第1の制御装置(30A)が選択されたことに基づき、前記第1の制御装置(30A)と、前記複数の制御装置(30)のうち前記一方の通信制御部(310A)と組をなす他方の通信制御部(310B)を有する第2の制御装置(30B)とを含む第1の画面(1130,1170,1220)をディスプレイ(157)に表示させ、
前記第1の画面(1130,1170,1220)において、前記フラグ情報に基づき、前記失敗が、前記データ処理の失敗であるか、前記フレームデータの遣り取りの失敗であるかを識別可能に表示する、項目〔7〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0174】
〔9〕前記情報処理装置(10)は、前記第1の制御装置(30A)と前記第2の制御装置(30B)との間のリンクがオフ状態となっていることを検出した場合には、予め定められたメッセージ(1202)を表示する、項目〔8〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0175】
〔10〕前記情報処理装置(10)は、前記第2の制御装置(30B)を見つけられない場合には、予め定められたメッセージ(1212)を表示する、項目〔9〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0176】
〔11〕前記情報処理装置(10)は、前記第1の画面(1130,1170,1220)において、前記データ処理に失敗した場合と、前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合と、前記リンクがオフ状態となっている場合と、前記制御装置を見つけられない場合とで、異常の発生を示すオブジェクト(1131,1171,1221)の表示位置を変更する、項目〔10〕に記載のネットワークシステム(1)。
【0177】
〔12〕前記情報処理装置(10)は、
前記データ処理に失敗したことが検出された場合には、予め定められた操作を受け付けたことに基づき、前記一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)を変更するための第2の画面(1160)を前記ディスプレイ(157)に表示し、
前記フレームデータの遣り取りに失敗したことが検出された場合には、予め定められた操作を受け付けたことに基づき、前記一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)を変更するための第3の画面(1190)を前記ディスプレイ(157)に表示する、項目〔1〕から〔11〕のいずれか1項に記載のネットワークシステム(1)。
【0178】
情報処理装置の例であるサポート装置10は、以下の構成を有すると言える。
〔13〕複数の制御装置(30)の各々と通信可能な情報処理装置(10)であって、
前記複数の制御装置(30)の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部(310A,310B,…)と、前記通信制御部(310A,310B,…)に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部(311A,311B,…)とを有し、
複数の前記通信制御部(310A,310B,…)のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部(310A,310B)の各々は、前記通信制御部に対して設定された第1の設定情報(D11,D21)に基づいて、前記通信制御部(310A,310B)に接続された前記状態値管理部(311A,311B)に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部(311A,311B)への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、かつ、前記通信制御部に対して設定された第2の設定情報(D12,D22)と前記コネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、前記通信の相手先の通信制御部(310A,310B)との間で、前記状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成され、
前記情報処理装置(10)は、
前記第1の設定情報(D11,D21)と前記第2の設定情報(D12,D22)とを前記1組の通信制御部の各々に対して個別に生成する生成手段(111)と、
生成された前記第1の設定情報(D11,D21)と前記第2の設定情報(D12,D22)とを、前記1組の前記通信制御部(310A,310B)の各々に送信する送信手段(120)とを備え、
前記情報処理装置(10)は、前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの少なくとも一方の通信制御部(310A)が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部(310A)の前記第1の設定情報(D11)と前記第2の設定情報(D12)とを比較可能にディスプレイ(157)に表示し、かつ、前記1組の通信制御部(310A,310B)が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合には、前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイ(157)に表示する表示制御手段(113)とをさらに備える、情報処理装置(10)。
【0179】
〔14〕複数の制御装置(30)の各々と通信可能な情報処理装置(10)における情報処理方法であって、
前記複数の制御装置(30)の各々は、EtherNet/IPを用いた通信を行う通信制御部(310A,310B,…)と、前記通信制御部(310A,310B,…)に接続され、かつ状態値を管理する状態値管理部(311A,311B,…)とを有し、
複数の前記通信制御部(310A,310B,…)のうち、コネクションの開設によって互いに通信するように設定された1組の通信制御部(310A,310B)の各々は、前記通信制御部に対して設定された第1の設定情報(D11,D21)に基づいて、前記通信制御部(310A,310B)に接続された前記状態値管理部(311A,311B)に格納された状態値の読み取りおよび当該状態値管理部(311A,311B)への状態値の書き込みの少なくとも一方のデータ処理を実行するように構成され、かつ、前記通信制御部に対して設定された第2の設定情報(D12,D22)と前記コネクションを開設するためのコネクション情報とに基づいて、前記通信の相手先の通信制御部(310A,310B)との間で、前記状態値を含むフレームデータの遣り取りを実行するように構成され、
前記情報処理方法は、
前記第1の設定情報(D11,D21)と前記第2の設定情報(D12,D22)とを前記1組の通信制御部(310A,310B)の各々に対して個別に生成するステップと、
生成された前記第1の設定情報(D11,D21)と前記第2の設定情報(D12,D22)とを、前記1組の前記通信制御部(310A,310B)の各々に送信するステップと、
前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの少なくとも一方の通信制御部(310A)が前記データ処理に失敗した場合には、前記一方の通信制御部(310A)の前記第1の設定情報(D11)と前記第2の設定情報(D12)とを比較可能にディスプレイに表示するステップと、
前記1組の通信制御部(310A,310B)が前記フレームデータの遣り取りに失敗した場合には、前記1組の通信制御部(310A,310B)のうちの一方の通信制御部(310A)の前記第2の設定情報(D12)と、前記コネクション情報とを比較可能に前記ディスプレイ(157)に表示するステップとを備える、情報処理方法。
【0180】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0181】
1 ネットワークシステム、10 サポート装置、20 スイッチングハブ、39 ポート、90 通信ケーブル、110 制御部、111 生成部、112 取得部、113 表示制御部、120 送信部、130 受信部、140 入力装置、153 RAM、155 キーボード、156 マウス、157 ディスプレイ、310A,310B 通信制御部、311A,311B 状態値管理部、312A 内部バスコントローラ、313A EtherCATコントローラ、314A ユーザプログラム、1091,1092 データ、1080,1090,1100,1130,1140,1150,1170,1180,1200,1210,1220,1230 画面、1081,1082 、1083,1084 アイコン、1101,1102,1103,1104,1105,1106,1107,1108,1109,1131,1142,1143,1144,1145,1171,1182,1183,1201,1211,1221,1232,1233 オブジェクト画像、1110,1111,1112,1113,1114 線分画像、1141,1181,1231 データテーブル、1141A,1141B,1181A,1181B,1231A,1231B テーブル、1151 表示領域、D11,D21 第1設定情報、D12,D22 第2設定情報、D3 コネクション情報。