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特許7375427音声設定システム、音声設定支援プログラムおよび音声設定支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】音声設定システム、音声設定支援プログラムおよび音声設定支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20231031BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20231031BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20231031BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231031BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231031BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
G06F3/16 630
G10L15/00 200F
G10L15/22 453
G06F3/16 680
H04N1/00 350
H04N1/00 912
G06F3/12 305
G06F3/12 355
G06F3/01 510
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2019177407
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021056633
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和弥
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-135697(JP,A)
【文献】特開2018-173754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G10L 15/00
G10L 15/22
H04N 1/00
G06F 3/12
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のジョブを実行可能なジョブ実行装置と、
音声から得られた音声情報に基づいて、前記ジョブ実行装置に実行させる前記ジョブの生成を支援する音声設定支援装置と、を備え、
前記音声設定支援装置は、前記音声情報に基づいて前記ジョブのジョブ種類と前記ジョブに設定されるパラメータとを決定する決定手段と、
決定された前記ジョブ種類と前記パラメータとを出力する出力手段と、を備え、
前記決定手段は、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しない場合に、前記ジョブ種類と前記パラメータとの一方を他方より優先して決定する、音声設定システム。
【請求項2】
前記ジョブは前記ジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応して前記パラメータが設定され、
前記決定手段は、複数の前記ジョブ種類それぞれにおいて1以上の前記設定項目にそれぞれ対応して設定可能な複数の前記パラメータを定めたパラメータテーブルを用いて、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合するか否かを判断する、請求項1に記載の音声設定システム。
【請求項3】
前記ジョブ実行装置は、前記音声設定支援装置から出力される前記ジョブ種類と前記パラメータとを設定する設定手段を、さらに備えた請求項1または2に記載の音声設定システム。
【請求項4】
前記音声設定支援装置は、前記出力手段により出力される前記ジョブ種類と前記パラメータとに基づいて前記ジョブを生成するジョブ生成手段を、さらに備えた請求項1~3のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項5】
前記決定手段は、前記ジョブ種類に整合しないと判断された前記パラメータを決定しない、請求項1~4のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項6】
前記決定手段は、前記ジョブ種類に整合しないと判断された前記パラメータに基づいて、前記ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測する、請求項1~5のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項7】
前記音声設定支援装置は、前記決定手段により前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しないと判断される場合、前記音声を発話したユーザーに通知する通知手段を、さらに備えた請求項1~6のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項8】
前記音声設定支援装置は、音声収集装置により収集された音声から前記音声情報を抽出する音声情報抽出装置から前記音声情報を取得する音声情報取得手段を、さらに備えた請求項1~7のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項9】
前記決定手段は、前記音声情報取得手段により任意の時刻に取得された前記音声情報に含まれる前記ジョブ種類と前記パラメータとの整合性を判断する、請求項8に記載の音声設定システム。
【請求項10】
前記決定手段は、前記音声情報取得手段により第1時刻に取得された第1音声情報に前記ジョブ種類が含まれずかつ前記パラメータが含まれる場合、前記第1音声情報に含まれる前記パラメータと前記音声情報取得手段により前記第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれる前記ジョブ種類との整合性を判断する、請求項8または9のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項11】
前記決定手段は、前記音声情報取得手段により取得された音声情報に前記ジョブ種類が含まれずかつ前記パラメータが含まれる場合、前記ジョブ実行装置に設定されている前記ジョブ種類との整合性を判断する、請求項8~10のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項12】
前記音声設定支援装置は、音声収集装置により収集された音声から前記音声情報を抽出する音声情報抽出手段を、さらに備えた請求項1~11のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項13】
前記ジョブ実行装置は、前記音声設定支援装置を備える、請求項1~12のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項14】
前記決定手段は、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しない場合に、前記ジョブ種類を前記パラメータよりも優先して決定する、請求項1~13のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項15】
前記ジョブ実行装置は画像処理装置である、請求項1~14のいずれかに記載の音声設定システム。
【請求項16】
音声から得られた音声情報に基づいて、複数種類のジョブのうち実行させるジョブ種類と前記ジョブに設定されるパラメータとを決定する決定ステップと、
決定された前記ジョブ種類と前記パラメータとを出力する出力ステップと、を音声設定支援装置を制御するコンピューターに実行させ、
前記決定ステップは、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しない場合に、前記ジョブ種類と前記パラメータとの一方を他方より優先して決定するステップを含む、音声設定支援プログラム。
【請求項17】
前記ジョブそれぞれが前記ジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応して前記パラメータが設定され、
前記決定ステップは、複数の前記ジョブ種類それぞれにおいて1以上の前記設定項目にそれぞれ対応して設定可能な複数の前記パラメータを定めたパラメータテーブルを用いて、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合するか否かを判断するステップを含む、請求項16に記載の音声設定支援プログラム。
【請求項18】
前記決定ステップは、複数種類のジョブを実行可能なジョブ実行装置に対して、前記ジョブ種類と前記パラメータとを決定するステップを含む、請求項16または17に記載の音声設定支援プログラム。
【請求項19】
前記決定ステップは、前記音声情報に含まれる前記パラメータと前記ジョブ実行装置に設定されている前記ジョブ種類との整合性を判断するステップを含む、請求項18に記載の音声設定支援プログラム。
【請求項20】
前記出力ステップは、前記ジョブ種類と前記パラメータとを前記ジョブ実行装置に送信し、前記ジョブ実行装置に前記ジョブ種類と前記パラメータとを設定させるステップを含む、請求項18または19に記載の音声設定支援プログラム。
【請求項21】
前記ジョブ実行装置は画像処理装置である、請求項18~20のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項22】
前記出力ステップにおいて出力される前記ジョブ種類と前記パラメータとに基づいて前記ジョブを生成するジョブ生成ステップを、さらに前記コンピューターに実行させる、請求項16~21のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項23】
前記決定ステップは、前記ジョブ種類に整合しないと判断された前記パラメータを決定しないステップを含む、請求項16~22のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項24】
前記決定ステップは、前記ジョブ種類に整合しないと判断された前記パラメータに基づいて、前記ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測し、予測された前記新パラメータを決定するステップを含む、請求項16~23のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項25】
前記決定ステップにおいて前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しないと判断される場合、前記音声を発話したユーザーに通知する通知ステップを、さらに前記コンピューターに実行させる請求項16~24のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項26】
音声収集装置により収集された音声から前記音声情報を抽出する音声情報抽出装置から前記音声情報を取得する音声情報取得ステップを、さらに前記コンピューターに実行させる請求項16~25のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項27】
前記決定ステップは、前記音声情報取得ステップにおいて任意の時刻に取得された前記音声情報に含まれる前記ジョブ種類と前記パラメータとの整合性を判断するステップを含む、請求項26に記載の音声設定支援プログラム。
【請求項28】
前記決定ステップは、前記音声情報取得ステップにおいて第1時刻に取得された第1音声情報に前記ジョブ種類が含まれずかつ前記パラメータが含まれる場合、前記第1音声情報に含まれる前記パラメータと前記音声情報取得ステップにおいて前記第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれる前記ジョブ種類との整合性を判断するステップを含む、請求項26または27に記載の音声設定支援プログラム。
【請求項29】
音声収集装置により収集された音声から前記音声情報を抽出する音声情報抽出ステップを、さらに前記コンピューターに実行させる請求項16~28のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項30】
前記決定ステップは、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しない場合に、前記ジョブ種類を前記パラメータよりも優先して決定するステップを含む、請求項16~29のいずれかに記載の音声設定支援プログラム。
【請求項31】
音声から得られた音声情報に基づいて、複数種類のジョブのうち実行させるジョブ種類と前記ジョブに設定されるパラメータとを決定する決定手段と、
決定された前記ジョブ種類と前記パラメータとを出力する出力手段と、を備え、
前記決定手段は、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しない場合に、前記ジョブ種類と前記パラメータとの一方を他方より優先して決定する、音声設定支援装置。
【請求項32】
前記ジョブそれぞれが前記ジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応して前記パラメータが設定され、
前記決定手段は、複数の前記ジョブ種類それぞれにおいて1以上の前記設定項目にそれぞれ対応して設定可能な複数の前記パラメータを定めたパラメータテーブルを用いて、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合するか否かを判断する、請求項31に記載の音声設定支援装置。
【請求項33】
前記決定手段は、複数種類のジョブを実行可能なジョブ実行装置に対して、前記ジョブ種類と前記パラメータとを決定する、請求項31または32に記載の音声設定支援装置。
【請求項34】
前記決定手段は、前記音声情報に含まれる前記パラメータと前記ジョブ実行装置に設定されている前記ジョブ種類との整合性を判断する、請求項33に記載の音声設定支援装置。
【請求項35】
前記ジョブ種類と前記パラメータとを前記ジョブ実行装置に送信し、前記ジョブ実行装置に前記ジョブ種類と前記パラメータとを設定させる設定手段をさらに備えた、請求項33または34に記載の音声設定支援装置。
【請求項36】
前記ジョブ実行装置は画像処理装置である、請求項33~35のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項37】
前記出力手段により出力される前記ジョブ種類と前記パラメータとに基づいて前記ジョブを生成するジョブ生成手段を、さらに備えた、請求項31~36のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項38】
前記決定手段は、前記ジョブ種類に整合しないと判断された前記パラメータを決定しない、請求項31~37のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項39】
前記決定手段は、前記ジョブ種類に整合しないと判断された前記パラメータに基づいて、前記ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測する、請求項31~38のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項40】
前記決定手段により前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しないと判断される場合、前記音声を発話したユーザーに通知する通知手段を、さらに備えた請求項31~39のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項41】
音声収集装置により収集された音声から前記音声情報を抽出する音声情報抽出装置から前記音声情報を取得する音声情報取得手段を、さらに備えた請求項31~40のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項42】
前記決定手段は、前記音声情報取得手段により任意の時刻に取得された前記音声情報に含まれる前記ジョブ種類と前記パラメータとの整合性を判断する、請求項41に記載の音声設定支援装置。
【請求項43】
前記決定手段は、前記音声情報取得手段により第1時刻に取得された第1音声情報に前記ジョブ種類が含まれずかつ前記パラメータが含まれる場合、前記第1音声情報に含まれる前記パラメータと前記音声情報取得手段により前記第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれる前記ジョブ種類との整合性を判断する、請求項41または42に記載の音声設定支援装置。
【請求項44】
音声収集装置により収集された音声から前記音声情報を抽出する音声情報抽出手段を、さらに備えた請求項31~43のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【請求項45】
前記決定手段は、前記ジョブ種類と前記パラメータとが整合しない場合に、前記ジョブ種類を前記パラメータよりも優先して決定する、請求項31~44のいずれかに記載の音声設定支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声設定システム、音声設定支援プログラムおよび音声設定支援装置に関し、特に、音声に基づいて画像処理装置が実行するジョブを設定する音声設定システム、その音声設定システムに含まれる音声設定支援装置で実行される音声設定支援プログラムおよびその音声設定支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、オフィスに複合機(以下「MFP」という)が配置されている。ユーザーは、画像データの印刷、原稿の複写、原稿の読取、画像データの記憶、画像データの送信などの処理を定めたジョブをMFPに実行させる。MFPにより実行されるジョブのパラメータを音声で設定する技術が知られている。
【0003】
音声でジョブのパラメータを設定する場合、音声で指示されたパラメータが、それとは別に指示されたパラメータと矛盾する場合がある。この問題に対応するために、特開2005-164944号公報には、現在の対話状態を取り込む取り込み手段と、前記取り込まれた対話状態に基づいて動作パラメータを検索する検索手段と、前記検索された動作パラメータを統合する統合手段と、前記統合手段の統合結果である動作パラメータを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする動作パラメータ決定装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、MFPで実行されるジョブを定めるパラメータの設定において複数のパラメータを統合すると、ユーザーが設定しようとするパラメータとは異なるパラメータが設定されてしまう。このため、ジョブの設定が困難であるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-164944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的の一つは、音声でジョブを設定する操作を容易にした音声設定システムを提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、音声でジョブを設定する操作を容易にした音声設定支援プログラムを提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、音声でジョブを設定する操作を容易にした音声設定支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面によれば、音声設定システムは、複数種類のジョブを実行可能なジョブ実行装置と、音声から得られた音声情報に基づいて、ジョブ実行装置に実行させるジョブの生成を支援する音声設定支援装置と、を備え、音声設定支援装置は、音声情報に基づいてジョブのジョブ種類とジョブに設定されるパラメータとを決定する決定手段と、決定されたジョブ種類とパラメータとを出力する出力手段と、を備え、決定手段は、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類とパラメータとの一方を他方より優先して決定する。
【0010】
この局面に従えば、音声から得られた音声情報に基づいて決定されるジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類とパラメータとの一方が他方より優先して決定される。このため、音声でジョブを設定する操作を容易にした音声設定システムを提供することができる。
【0011】
好ましくは、ジョブはジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応してパラメータが設定され、決定手段は、複数のジョブ種類それぞれにおいて1以上の設定項目にそれぞれ対応して設定可能な複数のパラメータを定めたパラメータテーブルを用いて、ジョブ種類とパラメータとが整合するか否かを判断する。
【0012】
この局面に従えば、パラメータテーブルを用いて、ジョブ種類とパラメータとが整合するか否かが判断されるので、ジョブの種類に対応して設定できないパラメータが設定されないようにできる。
【0013】
好ましくは、ジョブ実行装置は、音声設定支援装置から出力されるジョブ種類とパラメータとを設定する設定手段を、さらに備える。
【0014】
この局面に従えば、ジョブ実行装置に、音声設定支援装置で決定されたジョブ種類とパラメータとに従ってジョブを実行させることができる。
【0015】
好ましくは、音声設定支援装置は、出力手段により出力されるジョブ種類とパラメータとに基づいてジョブを生成するジョブ生成手段を、さらに備える。
【0016】
この局面に従えば、ジョブ実行装置に、音声設定支援装置で決定されたジョブ種類とパラメータとに従ってジョブを実行させることができる。
【0017】
好ましくは、決定手段は、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータを決定しない。
【0018】
この局面に従えば、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータを決定しないので、ジョブ種類に対して誤ったパラメータが設定されないようにできる。
【0019】
好ましくは、決定手段は、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータに基づいて、ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測する。
【0020】
この局面に従えば、音声によりジョブを設定する操作を容易にすることができる。
【0021】
好ましくは、音声設定支援装置は、決定手段によりジョブ種類とパラメータとが整合しないと判断される場合、音声を発話したユーザーに通知する通知手段を、さらに備える。
【0022】
この局面に従えば、ジョブ種類とパラメータとが整合しないことをユーザーに知らせることができる。
【0023】
好ましくは、音声設定支援装置は、音声収集装置により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報抽出装置から音声情報を取得する音声情報取得手段を、さらに備える。
【0024】
この局面に従えば、音声から音声情報を抽出する必要がないので、音声設定支援装置の構成を簡略にすることができる。
【0025】
好ましくは、決定手段は、音声情報取得手段により任意の時刻に取得された音声情報に含まれるジョブ種類とパラメータとの整合性を判断する。
【0026】
この局面に従えば、1つの音声情報に含まれるジョブ種類とパラメータとの整合性が判断されるので、1つの音声情報からジョブを設定することができる。
【0027】
好ましくは、決定手段は、音声情報取得手段により第1時刻に取得された第1音声情報にジョブ種類が含まれずかつパラメータが含まれる場合、第1音声情報に含まれるパラメータと音声情報取得手段により第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれるジョブ種類との整合性を判断する。
【0028】
この局面に従えば、複数の音声情報からジョブを設定することができる。
【0029】
好ましくは、決定手段は、音声情報取得手段により取得された音声情報にジョブ種類が含まれずかつパラメータが含まれる場合、ジョブ実行装置に設定されているジョブ種類との整合性を判断する。
【0030】
この局面に従えば、音声情報にジョブ種類が含まれない場合でもジョブを設定することができる。
【0031】
好ましくは、音声設定支援装置は、音声収集装置により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報抽出手段を、さらに備える。
【0032】
好ましくは、ジョブ実行装置は、音声設定支援装置を備える。
【0033】
好ましくは、決定手段は、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類をパラメータよりも優先して決定する。
【0034】
好ましくは、ジョブ実行装置は画像処理装置である。
【0035】
この発明の他の局面によれば、音声設定支援プログラムは、音声から得られた音声情報に基づいて、複数種類のジョブのうち実行させるジョブ種類とジョブに設定されるパラメータとを決定する決定ステップと、決定されたジョブ種類とパラメータとを出力する出力ステップと、を音声設定支援装置を制御するコンピューターに実行させ、決定ステップは、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類とパラメータとの一方を他方より優先して決定するステップを含む。
【0036】
この局面に従えば、ユーザーによる音声でのジョブの設定を容易にした音声設定支援プログラムを提供することができる。
【0037】
好ましくは、ジョブそれぞれがジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応してパラメータが設定され、決定ステップは、複数のジョブ種類それぞれにおいて1以上の設定項目にそれぞれ対応して設定可能な複数のパラメータを定めたパラメータテーブルを用いて、ジョブ種類とパラメータとが整合するか否かを判断するステップを含む。
【0038】
好ましくは、決定ステップは、複数種類のジョブを実行可能なジョブ実行装置に対して、ジョブ種類とパラメータとを決定するステップを含む。
【0039】
好ましくは、決定ステップは、音声情報に含まれるパラメータとジョブ実行装置に設定されているジョブ種類との整合性を判断するステップを含む。
【0040】
好ましくは、出力ステップは、ジョブ種類とパラメータとをジョブ実行装置に送信し、ジョブ実行装置にジョブ種類とパラメータとを設定させるステップを含む。
【0041】
好ましくは、ジョブ実行装置は画像処理装置である。
【0042】
好ましくは、出力ステップにおいて出力されるジョブ種類とパラメータとに基づいてジョブを生成するジョブ生成ステップを、さらにコンピューターに実行させる。
【0043】
好ましくは、決定ステップは、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータを決定しないステップを含む。
【0044】
好ましくは、決定ステップは、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータに基づいて、ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測し、予測された新パラメータを決定するステップを含む。
【0045】
好ましくは、決定ステップにおいてジョブ種類とパラメータとが整合しないと判断される場合、音声を発話したユーザーに通知する通知ステップを、さらにコンピューターに実行させる。
【0046】
好ましくは、音声収集装置により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報抽出装置から音声情報を取得する音声情報取得ステップを、さらにコンピューターに実行させる。
【0047】
好ましくは、決定ステップは、音声情報取得ステップにおいて任意の時刻に取得された音声情報に含まれるジョブ種類とパラメータとの整合性を判断するステップを含む。
【0048】
好ましくは、決定ステップは、音声情報取得ステップにおいて第1時刻に取得された第1音声情報にジョブ種類が含まれずかつパラメータが含まれる場合、第1音声情報に含まれるパラメータと音声情報取得ステップにおいて第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれるジョブ種類との整合性を判断するステップを含む。
【0049】
好ましくは、音声収集装置により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報抽出ステップを、さらにコンピューターに実行させる。
【0050】
好ましくは、決定ステップは、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類をパラメータよりも優先して決定するステップを含む。
【0051】
この発明のさらに他の局面によれば音声設定支援装置は、音声から得られた音声情報に基づいて、複数種類のジョブのうち実行させるジョブ種類とジョブに設定されるパラメータとを決定する決定手段と、決定されたジョブ種類とパラメータとを出力する出力手段と、を備え、決定手段は、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類とパラメータとの一方を他方より優先して決定する。
【0052】
この局面に従えば、ユーザーによる音声でのジョブの設定を容易にした音声設定支援装置を提供することができる。
【0053】
好ましくは、決定手段は、複数種類のジョブを実行可能なジョブ実行装置に対して、ジョブ種類とパラメータとを決定する。
【0054】
好ましくは、決定手段は、音声情報に含まれるパラメータとジョブ実行装置に設定されているジョブ種類との整合性を判断する。
【0055】
好ましくは、ジョブそれぞれがジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応してパラメータが設定され、決定手段は、複数のジョブ種類それぞれにおいて1以上の設定項目にそれぞれ対応して設定可能な複数のパラメータを定めたパラメータテーブルを用いて、ジョブ種類とパラメータとが整合するか否かを判断する。
【0056】
好ましくは、ジョブ種類とパラメータとをジョブ実行装置に送信し、ジョブ実行装置にジョブ種類とパラメータとを設定させる設定手段をさらに備える。
【0057】
好ましくは、ジョブ実行装置は画像処理装置である。
【0058】
好ましくは、出力手段により出力されるジョブ種類とパラメータとに基づいてジョブを生成するジョブ生成手段を、さらに備える。
【0059】
好ましくは、決定手段は、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータを決定しない。
【0060】
好ましくは、決定手段は、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータに基づいて、ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測する。
【0061】
好ましくは、決定手段によりジョブ種類とパラメータとが整合しないと判断される場合、音声を発話したユーザーに通知する通知手段を、さらに備える。
【0062】
好ましくは、音声収集装置により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報抽出装置から音声情報を取得する音声情報取得手段を、さらに備える。
【0063】
好ましくは、決定手段は、音声情報取得手段により任意の時刻に取得された音声情報に含まれるジョブ種類とパラメータとの整合性を判断する。
【0064】
好ましくは、決定手段は、音声情報取得手段により第1時刻に取得された第1音声情報にジョブ種類が含まれずかつパラメータが含まれる場合、第1音声情報に含まれるパラメータと音声情報取得手段により第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれるジョブ種類との整合性を判断する。
【0065】
好ましくは、音声収集装置により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報抽出手段を、さらに備える。
【0066】
好ましくは、決定手段は、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類をパラメータよりも優先して決定する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明の実施の形態の1つにおける音声設定システムの全体概要を示す図である。
図2】音声設定支援サーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
図3】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図4】音声設定支援サーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図5】パラメータテーブルの一例を示す図である。
図6】設定コマンドの一例を示す図である。
図7】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図8】設定画面の一例を示す第1の図である。
図9】設定画面の一例を示す第2の図である。
図10】音声設定支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】装置設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】第1の変形例における音声設定支援サーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図13】第1の変形例における装置設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】表示順情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0069】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける音声設定システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、音声設定システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、音声設定支援サーバー200と、音声情報生成サーバー300と、スマートスピーカー400と、を含む。スマートスピーカー400は、MFP100から所定の距離の範囲内に配置される。所定の距離は、好ましくは、ユーザーがMFP100の操作パネルを閲覧しながら発声する音がスマートスピーカー400で集音可能な距離である。スマートスピーカー400は、MFP100の横に配置されてもよい。
【0070】
MFP100は、ジョブ実行装置の一例である。本実施の形態においては、MFP100は、ジョブを実行することにより画像を処理する画像処理装置である。MFP100は、ネットワーク3に接続されている。ネットワーク3は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)である。ネットワーク3において、その接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワーク3は、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0071】
ネットワーク3には、アクセスポイント(AP)9が接続されている。AP9は、無線通信機能を有する中継装置である。スマートスピーカー400は、AP9と通信することによりネットワーク3に接続される。
【0072】
ゲートウェイ(G/W)装置7は、ネットワーク3に接続されるとともに、インターネット5に接続される。ゲートウェイ装置7は、ネットワーク3とインターネット5とを中継する。音声設定支援サーバー200および音声情報生成サーバー300は、インターネット5に接続される。このため、MFP100、スマートスピーカー400それぞれは、ゲートウェイ装置7を介して、音声設定支援サーバー200または音声情報生成サーバー300と通信可能である。また、音声設定支援サーバー200および音声情報生成サーバー300は、インターネット5を介して互いに通信可能である。
【0073】
音声情報生成サーバー300は、スマートスピーカー400をユーザーインターフェースとして、バーチャルアシスタントのサービスを提供する。このため、ユーザーは、スマートスピーカー400と会話することができる。バーチャルアシスタントは、AI(Artificial Intelligence)アシスタントとも呼ばれ、周知の技術である。スマートスピーカー400は、マイクロフォンと、スピーカーと、通信機能と、を有する。音声情報生成サーバー300は、スマートスピーカー400で集音されたユーザーの音声が入力され、スマートスピーカー400を制御して音声で発話させる。音声情報生成サーバー300は、音声に基づいて自然言語処理をする機能を有する。音声情報生成サーバー300は、自然言語処理のために、機械学習を含む人工知能の技術を用いた学習機能を有してもよい。
【0074】
本実施の形態における音声設定システム1においては、音声情報生成サーバー300が提供するバーチャルアシスタントのサービスを用いて、ユーザーが音声でMFP100にジョブを設定することが可能である。制御対象となるMFP100と、バーチャルアシスタントのサービスを提供する音声情報生成サーバー300との間に、音声設定支援サーバー200が配置される。音声設定支援サーバー200は、MFP100を制御する。
【0075】
具体的には、音声情報生成サーバー300に、スマートスピーカー400と、制御対象となる装置と、が登録される。制御対象となる装置はMFP100であるが、ここでは、音声設定支援サーバー200がMFP100を制御するため、制御対象となる装置としてMFP100に代えて音声設定支援サーバー200が音声情報生成サーバー300に登録される。
【0076】
例えば、音声設定システム1において、スマートスピーカー400とMFP100とを関連付けるために、認証サーバーを設けることができる。なお、認証サーバーの機能は音声設定支援サーバー200が有してもよい。具体的には、認証サーバーは、MFP100からの識別IDを含む要求に応じてパスワードを発行する。MFP100を管理する管理者がMFP100を操作して認証サーバーにパスワードの発行を依頼する。管理者が、パーソナルコンピューター等を操作して、音声情報生成サーバー300にアクセスし、スマートスピーカー400とMFP100とを関連付けるとともに認証サーバーを登録する。登録操作は、スマートスピーカーのURL(Uniform Resource Locator)と、MFP100の識別IDおよびパスワードとを関連付ける操作である。
【0077】
音声情報生成サーバー300は、スマートスピーカー400とMFP100とが関連付けられると、認証サーバーに認証トークンの発行を依頼する。具体的には、音声情報生成サーバー300がMFP100の識別IDおよびパスワードを含む発行依頼を認証サーバーに送信すると、認証サーバーは識別情報とパスワードとが登録されていれば、認証トークンを発行し、音声情報生成サーバー300に返信する。音声情報生成サーバー300は、MFP100に対する認証トークンを受信した後は、スマートスピーカー400で集音された音声に基づき生成される音声情報をMFP100の認証トークンとともに音声設定支援サーバー200に送信する。
【0078】
音声設定支援サーバー200は、認証サーバーに認証トークンを送信する。認証トークンを受信する認証サーバーは、その認証トークンに対応するMFP100の識別IDを返信するので、音声設定支援サーバー200は、識別IDからMFP100を特定することができる。
【0079】
さらに、音声情報生成サーバー300に、MFP100を制御するための情報を音声から抽出するための情報として予め準備されたキーワードが登録されている。キーワードは、制御対象であるMFP100がジョブを実行するために設定されるパラメータに関する情報である。具体的には、キーワードは、ジョブの種類、およびMFP100がジョブを実行するために用いるパラメータを含む。パラメータは、ジョブの種類ごとに定められた複数の設定項目それぞれに設定される値である。音声情報生成サーバー300は、ユーザーが発話した音声からMFP100を制御するための情報を抽出し、抽出された情報を含む音声情報を生成し、音声情報を音声設定支援サーバー200に出力する。なお、音声情報生成サーバー300には、音声からキーワードを抽出するために構文解析ルールが登録されてもよい。
【0080】
例えば、ユーザーは、スマートスピーカー400に制御対象であるMFP100を特定するために予め準備された単語、例えば、MFP100に割り当てられた名称を発話する。この場合、音声情報生成サーバー300においてMFP100に対応して登録されたキーワードが参照されて、音声情報が生成される。音声情報生成サーバー300は、生成された音声情報を音声設定支援サーバー200に送信する。ここでは、音声情報は、文字情報を用いている。なお、音声情報は文字情報に限定されず、音声であってもよいし、コードであってもよい。
【0081】
例えば、MFP100に割り当てられた名称を「ビズハブ」とする場合を例に説明する。ユーザーが「ビズハブで、3部、ツーインワンで、カラーでコピーして」と発話する場合、その音声情報が音声情報生成サーバー300に送信される。音声情報生成サーバー300は、「ビズハブ」の単語からMFP100を特定し、MFP100に対して予め記憶されたキーワードを参照して、「3部」、「ツーインワン」、「カラー」、「コピー」の単語を抽出する。そして、音声情報生成サーバー300は、構文解析ルールに従って「コピー」の単語からジョブ種類がコピーであると判断し、「3部」、「ツーインワン」、「カラー」がパラメータであると判断し、それらを含む音声情報を生成する。そして、音声情報生成サーバー300は、音声情報を音声設定支援サーバー200に送信する。
【0082】
音声でジョブを設定する場合、ユーザーは、自身が設定しようとするジョブに対して設定可能なパラメータを記憶しておかなければならない。このため、ジョブに対して設定可能なパラメータとは異なるパラメータを音声で発する場合がある。例えば、ユーザーが設定しようとするジョブとは別の種類のジョブに設定可能であるが、そのジョブには設定することができないパラメータを、ユーザーが音声で発する場合がある。本実施の形態における音声設定システム1において、音声設定支援サーバー200が、このような場合に対応する機能を有する。以下、音声設定システム1について、詳細に説明する。
【0083】
図2は、音声設定支援サーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。図2を参照して、音声設定支援サーバー200は、音声設定支援サーバー200の全体を制御するための中央演算処理装置(CPU)201と、CPU201が実行するためのプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、データを不揮発的に記憶するハードディスクドライブ(HDD)204と、CPU201をネットワーク3に接続する通信部205と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置210と、を含む。
【0084】
CPU201は、インターネット5に接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD204に記憶する。また、ネットワーク3に接続されたコンピューターがプログラムをHDD204に書込みする場合に、HDD204にプログラムが記憶される。CPU201は、HDD204に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行する。
【0085】
外部記憶装置210は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)211が装着される。本実施の形態においては、CPU201は、ROM202またはHDD204に記憶されたプログラムを実行する例を説明する。しかしながら、CPU201は、外部記憶装置210を制御して、CD-ROM211からCPU201が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM203に記憶して実行してもよい。
【0086】
なお、CPU201が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM211に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の半導体メモリ等の媒体でもよい。ここでいうプログラムは、CPU201により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0087】
図3は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、画像が形成された用紙を処理する後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0088】
後処理部155は、画像形成部140により画像が形成された1以上の用紙を並び替えて排紙するソート処理、パンチ穴加工するパンチ処理、ステープル針を打ち込むステープル処理を実行する。
【0089】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD-ROM118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0090】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。さらに、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0091】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、スマートスピーカー400との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネット5に接続されたコンピューターと通信が可能である。
【0092】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0093】
外部記憶装置117は、CD-ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD-ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD-ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD-ROM118に限られず、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM、EPROMなどの半導体メモリであってもよい。
【0094】
また、CPU111が実行するプログラムは、CD-ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0095】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)または有機LE(electroluminescence)ディスプレイであり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
【0096】
図4は、音声設定支援サーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、ハードウェアで実現してもよいし、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201に、ROM202、HDD204またはCD-ROM211に記憶されたプログラムを実行させることにより、CPU201で実現してもよい。ここで、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201に音声設定支援プログラムを実行させる場合を例に説明する。
【0097】
図4を参照して、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201は、音声情報取得部251と、通知制御部253と、決定部255と、出力部257と、を含む。音声情報取得部251は、通信部205が音声情報生成サーバー300から受信する音声情報を取得する。音声情報は、ジョブ種類、パラメータを含む。ジョブ種類は、MFP100が実行可能なジョブの種類を示す。パラメータは、設定項目に設定可能な値を示す。設定項目は、ジョブ種類に対して定められたパラメータの種類を示す。
【0098】
MFP100は、複数種類のジョブを実行可能である。本実施の形態においては、MFP100が実行可能な複数種類のジョブを、コピー処理を実行するコピージョブと、スキャン処理を実行するスキャンジョブとする場合を例に説明する。さらに、コピージョブのジョブ種類をコピーとし、スキャンジョブのジョブ種類をスキャンとする。この場合、音声情報生成サーバー300に登録されるキーワードに、コピーとスキャンとが含まれる。
【0099】
決定部255は、音声情報取得部251により取得された音声情報に基づいて、MFP100に実行させるジョブのジョブ種類とパラメータとを決定する。パラメータは、ジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応して設定されるので、決定部255は、1以上の設定項目それぞれに対応するパラメータを決定する。
【0100】
決定部255は、ジョブ種類抽出部261と、パラメータ抽出部263と、整合性判断部265と、優先決定部267と、を含む。ジョブ種類抽出部261は、音声情報からジョブ種類を抽出し、抽出されたジョブ種類を整合性判断部265に出力する。パラメータ抽出部263は、音声情報からパラメータを抽出し、抽出されたパラメータを整合性判断部265に出力する。パラメータ抽出部263は、パラメータテーブルを参照して、音声情報からパラメータを抽出する。例えば、パラメータ抽出部263は、パラメータテーブルでパラメータとして定められる単語と同じ単語を音声情報から抽出する。
【0101】
図5は、パラメータテーブルの一例を示す図である。図5を参照して、パラメータテーブルは、ジョブ種類と、設定項目と、パラメータとを関連付ける。パラメータテーブルは、複数のパラメータレコードを含む。パラメータレコードは、ジョブ種類の項目と、設定項目の項目と、パラメータの項目と、を含む。ジョブ種類の項目には、ジョブ種類が設定される。設定項目の項目には設定項目の名称が設定される。パラメータの項目には設定可能なパラメータが設定される。
【0102】
ジョブ種類の項目にコピーが設定されたパラメータレコードは、設定項目の名称がカラー、読取印刷、部数、2in1の4つのパラメータレコードを含む。
【0103】
名称がカラーの設定項目は、画像を形成する色数を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてカラーが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に白黒、オートカラー、フルカラーの3つのパラメータを含む。これは、名称がカラーの設定項目に対して、白黒、オートカラー、フルカラーのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0104】
名称が読取印刷の設定項目は、原稿の読取面および画像が形成される形成面を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として読取印刷が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に両面読取両面印刷、片面読取両面印刷、両面読取片面印刷、片面読取片面印刷の4つのパラメータを含む。これは、名称が読取印刷の設定項目に対して、両面読取両面印刷、片面読取両面印刷、両面読取片面印刷、片面読取片面印刷のいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0105】
名称が部数の設定項目は、画像が形成される用紙の枚数を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として部数が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に数字のパラメータを含む。これは、名称が部数の設定項目に対して、任意の数字がパラメータとして設定可能であることを示している。
【0106】
名称が2in1の設定項目は、2ページを1枚の用紙に形成する処理の実行の有無を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として2in1が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にON、OFFの2つのパラメータを含む。これは、名称が2in1の設定項目に対して、ON、OFFのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0107】
ジョブ種類の項目にスキャンが設定されたパラメータレコードは、設定項目の名称が解像度、宛先、カラー、読取サイズ、読取面、フォーマットの6つのパラメータレコードを含む。
【0108】
名称が解像度の設定項目は、原稿を読み取る解像度を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として解像度が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に300dpi、400dpi、600dpiの3つのパラメータを含む。これは、名称がカラーの設定項目に対して、300dpi、400dpi、600dpiのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0109】
名称が宛先の設定項目は、原稿を読み取って得られるデータの出力先を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として宛先が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に出力先のアドレスの名称のパラメータを含む。これは、名称が宛先の設定項目に対して、出力先のアドレスがパラメータとして設定可能であることを示している。
【0110】
名称がカラーの設定項目は、原稿を読み取る色数を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてカラーが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に白黒、オートカラー、フルカラーの3つのパラメータを含む。これは、名称がカラーの設定項目に対して、白黒、オートカラー、フルカラーいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0111】
名称が読取サイズの設定項目は、原稿のサイズを定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として読取サイズが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にA4,A3,Letter,Legerの4つのパラメータを含む。これは、名称が読取サイズの設定項目に対して、A4,A3,Letter,Legerのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0112】
名称が読取面の設定項目は、原稿を読み取る面を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として読取面が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に両面、片面の2つのパラメータを含む。これは、名称が読取面の設定項目に対して、両面、片面のいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0113】
名称がフォーマットの設定項目は、原稿を読み取って得られる画像データのフォーマットを定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてフォーマットが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にpdf、jpeg、tiffの3つのパラメータを含む。これは、名称がフォーマットの設定項目に対して、pdf、jpeg、tiffのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
【0114】
図4に戻って、整合性判断部265は、ジョブ種類抽出部261により音声情報から抽出されたジョブ種類と、パラメータ抽出部263により音声情報から抽出されたパラメータとの整合性を判断する。整合性判断部265は、パラメータテーブルを参照して、ジョブ種類とパラメータとの整合性を判断する。整合性判断部265は、パラメータテーブルにおいて、ジョブ種類が設定された複数のパラメータレコードのいずれかにパラメータが含まれていれば2つが整合すると判断するが、ジョブ種類が設定された複数のパラメータレコードのいずれかにもパラメータが含まれていなければ整合しないと判断する。
【0115】
整合性判断部265は、1つの音声情報からジョブ種類とパラメータとの組が抽出される場合、そのジョブ種類とパラメータとの整合性を判断する。整合性判断部265は、1つの音声情報からジョブ種類とパラメータとのいずれか一方が抽出される場合、別の音声情報から抽出されたパラメータまたはジョブ種類との間で整合性を判断する。例えば、先の音声情報からジョブ種類が抽出され、後の音声情報からパラメータが抽出される場合、整合性判断部265は、パラメータが抽出された段階で、先の音声情報から抽出されたジョブ種類との整合性を判断する。また、先の音声情報からパラメータが抽出され、後の音声情報からジョブ種類が抽出される場合、整合性判断部265は、ジョブ種類が抽出された段階で、先の音声情報から抽出されたパラメータとの整合性を判断する。また、整合性判断部265は、1つの音声情報からパラメータが抽出される時点でジョブ種類が抽出されていない場合、MFP100に設定されているジョブのジョブ種類と、音声情報から抽出されたパラメータとの整合性を判断してもよい。
【0116】
整合性判断部265は、判断結果を優先決定部267に出力する。また、整合性判断部265は、整合しないと判断する場合、整合しないと判断されたジョブ種類とパラメータとの組を含む通知指示を通知制御部253に出力する。
【0117】
優先決定部267は、整合性判断部265により整合しないと判断される場合、ジョブ種類をパラメータより優先してジョブに設定するべき値に決定し、ジョブ種類を出力部257に出力する。優先決定部267は、整合性判断部265により整合しないと判断される場合、ジョブ種類と整合しないと判断されたパラメータを廃棄する。
【0118】
出力部257は、優先決定部267からジョブ種類またはパラメータが入力される。出力部257は、ジョブ種類と1以上のパラメータとの組をMFP100に出力する。出力部257は、優先決定部267から入力されるジョブ種類および1以上のパラメータをMFP100に出力する。出力部257は、優先決定部267からジョブ種類またはパラメータが入力されるごとに、それらを一時記憶し、記憶されたジョブ種類および1以上のパラメータを出力する。出力部257は、同じ設定項目について異なるタイミングで異なるパラメータが優先決定部267から入力される場合、優先決定部267から後に入力されるパラメータで先に入力されたパラメータを更新する。
【0119】
出力部257は、設定制御部271と、設定確認部273と、を含む。設定制御部271は、ジョブ種類と1以上のパラメータとの組を含む設定コマンドをMFP100に送信し、MFP100にジョブ種類と1以上のパラメータとを設定させる。具体的には、設定制御部271は、ジョブ種類それぞれに対して定められる複数の設定項目それぞれのパラメータをMFP100に送信する。設定制御部271は、MFP100に設定コマンドを送信する。設定制御部271は、優先決定部267から入力されていない設定項目のパラメータについては、MFP100に送信しない。なお、設定制御部271は、MFP100からMFP100に設定されているパラメータを取得し、優先決定部267から入力されていない設定項目のパラメータについては、MFP100から取得されたパラメータを設定コマンドに含めて送信してもよい。
【0120】
設定確認部273は、MFP100に表示される設定画面に配置される複数のパラメータの相対的な位置関係に基づいて定められる出力順に従って複数の設定項目それぞれに対応して決定されたパラメータを音声で出力させる。設定画面は、複数の設定項目にそれぞれ対応する複数のパラメータを含む。設定確認部273は、設定画面において複数のパラメータが配置される位置に基づいて出力順を決定する。設定確認部273は、設定画面に配置される複数のパラメータが横方向に配列される場合は、複数のパラメータが左から右に配列される順を出力順に決定する。設定確認部273は、設定画面に配置される複数のパラメータが縦方向に配列される場合は複数のパラメータが上から下に配列される順を出力順に決定する。
【0121】
複数のジョブ種類ごとに、MFP100で表示される設定画面が定まっている。ここでは、MFP100は、ジョブ種類がコピーのコピージョブに対応する設定画面と、ジョブ種類がスキャンのスキャンジョブに対応する設定画面が定まっている。このため、設定確認部273は、複数のジョブ種類ごとに、設定画面に配置される複数のパラメータの出力順を予め記憶する。なお、設定確認部273は、MFP100において設定画面に配置される複数のパラメータの配置が変更される場合は、変更後の設定画面における複数のパラメータの配置に基づいて表示順を決定する。この場合は、設定確認部273は、MFP100から表示順を取得してもよいし、MFP100から設定画面における複数のパラメータの配置を取得してもよい。
【0122】
設定確認部273は、ジョブ種類それぞれに対して定められる複数の設定項目それぞれのパラメータを出力順に従って音声で出力させるための音声出力情報を生成する。設定確認部273は、音声出力情報の再生を指示する確認コマンドを音声情報生成サーバー300に送信する。音声情報生成サーバー300は、確認コマンドを受信すると、スマートスピーカー400から音声出力情報を音声で再生させる。このため、ユーザーは、MFP100の表示部161に表示された設定画面を見ながら音声で、ジョブに設定されている複数のパラメータを確認することができる。このため、ジョブに設定されたパラメータを容易に確認することができる。また、複数のパラメータが設定画面に配置された順に再生されるので、音声で再生されているパラメータの設定画面中の位置の特定が容易になる。
【0123】
設定確認部273は、優先決定部267から入力されていない設定項目のパラメータが音声で出力されないように、そのパラメータを含まない音声出力情報を生成する。なお、設定確認部273は、MFP100からMFP100に設定されているパラメータを取得し、優先決定部267から入力されていない設定項目のパラメータについては、MFP100から取得されたパラメータを音声出力情報に含めてもよい。
【0124】
図6は、設定コマンドの一例を示す図である。図6を参照して、設定コマンドは、ジョブ種類と、複数のパラメータとを含む。設定コマンドの“create copy job”により、ジョブ種類がコピーであることが示される。設定コマンドのduplex:nullにより、名称が読取印刷の設定項目にパラメータが設定されていないことが示される。設定コマンドの“color”:“color”により、名称がカラーの設定項目にカラーのパラメータが設定されていることが示される。設定コマンドの“number”:“3”により、名称がカラーの設定項目にカラーのパラメータが設定されていることが示される。設定コマンドの“combine”:“2in1”により、名称が2in1の設定項目にONのパラメータが設定されていることが示される。
【0125】
図4に戻って、設定制御部271は、MFP100に送信したジョブ種類とパラメータとの組を整合性判断部265に出力する。1つの音声情報からジョブ種類が抽出され、パラメータが抽出されない場合、設定制御部271は、ジョブ種類をMFP100に送信するとともに、整合性判断部265にジョブ種類を出力する。その後、整合性判断部265は、1つの音声情報からジョブ種類が抽出されずにパラメータが抽出される場合、整合性判断部265は、パラメータが抽出された段階で、そのパラメータと設定制御部271から入力されたジョブ種類との整合性を判断する。
【0126】
通知制御部253は、通知指示が入力されることに応じて、ユーザーにパラメータが設定されなかったことを通知する。具体的には、パラメータが設定されなかったことを通知するための音声メッセージを生成し、音声メッセージの再生を指示する通知コマンドを音声情報生成サーバー300に送信する。音声情報生成サーバー300は、通知コマンドを受信すると、スマートスピーカー400から音声メッセージを音声で再生させる。このため、ユーザーは、パラメータが設定されなかったことを知ることができるので、改めて音声でパラメータを設定できる。また、通知制御部253は、パラメータが設定されなかったことを通知する文字情報のメッセージを生成し、メッセージの表示を指示する表示コマンドをMFP100に送信する。MFP100は、表示コマンドを受信すると、表示部161にメッセージを表示する。このため、ユーザーは、パラメータが設定されなかったことを知ることができるので、改めて音声または操作パネル160からパラメータを設定できる。
【0127】
図7は、MFPが備えるCPU111が有する機能の一例を示すブロック図である。図7に示す機能は、ハードウェアで実現してもよいし、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD-ROM118に記憶された音声設定プログラムおよびジョブ制御プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。音声設定プログラムは、音声設定支援プログラムの一部である。図7を参照して、CPU111は、接続制御部51と、設定部53と、表示制御部55と、設定操作受付部57と、ジョブ生成部59と、ジョブ実行部61と、を含む。接続制御部51、設定部53および表示制御部55は、CPU111が音声設定プログラムを実行することによりCPU111により実現される機能である。設定操作受付部57、ジョブ生成部59およびジョブ実行部61は、CPU111がジョブ制御プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。
【0128】
設定操作受付部57は、表示部161に設定画面を表示し、操作パネル160にユーザーにより入力される設定操作を受け付ける。設定操作受付部57は、受け付けられた設定操作をジョブ生成部59に出力する。
【0129】
ジョブ生成部59は、設定操作受付部57により受け付けられる設定操作に従ってジョブを生成する。ジョブ生成部59は、設定操作受付部57により受け付けられた設定操作に従って、ジョブ種類またはパラメータを設定する。具体的には、ジョブ生成部59は、RAM114の所定の領域にジョブ種類と複数の設定項目ごとのパラメータとを記憶している。RAM114の所定の領域には、ジョブ種類およびパラメータに対してデフォルトの値が記憶されている。ジョブ生成部59は、RAM114の所定の領域に記憶されているジョブ種類と複数の設定項目ごとのパラメータとを、設定操作受付部57により受け付けられた設定操作で特定されるジョブ種類またはパラメータで更新する。
【0130】
ジョブ実行部61は、ハードウェア資源を制御してジョブを実行する。ジョブ実行部61は、RAM114に記憶されたジョブ種類およびパラメータに従ってジョブを実行する。
【0131】
ジョブ実行部61が制御するハードウェア資源は、通信I/F部112、HDD115、ファクシミリ部116、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160を含む。ジョブは、ここでは、コピージョブ、スキャンジョブを含む。なお、ジョブ実行部61が実行可能なジョブは、これらに限定されることなく、他のジョブを含んでもよい。コピージョブは、原稿読取部130に原稿を読み取らせるスキャン処理と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力するデータの画像を画像形成部140に形成させるプリント処理とを含む。スキャンジョブは、原稿読取部130に原稿を読み取らせるスキャン処理と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データを出力する出力処理を含む。出力処理は、データをHDD115に記憶させるデータ記憶処理と、データを通信I/F部112に外部に送信するデータ送信処理を含む。
【0132】
接続制御部51は、通信I/F部112を制御して、音声設定支援サーバー200と通信する。接続制御部51は、設定コマンド受信部71と、表示コマンド受信部73と、を含む。設定コマンド受信部71は、通信I/F部112を制御して音声設定支援サーバー200から設定コマンドを受信する。設定コマンド受信部71は、設定コマンドを受信することに応じて、その設定コマンドを設定部53に出力する。表示コマンド受信部73は、通信I/F部112を制御して音声設定支援サーバー200から表示コマンドを受信する。表示コマンド受信部73は、表示コマンドを受信することに応じて、その表示コマンドを表示制御部55に出力する。
【0133】
設定部53は、設定コマンド受信部71から設定コマンドが入力されることに応じて、設定コマンドに含まれるジョブ種類とパラメータとを設定する。具体的には、設定部53は、RAM114の所定の領域に記憶されているジョブ種類と複数の設定項目ごとのパラメータとを、設定コマンドに含まれるジョブ種類とパラメータで更新する。
【0134】
表示制御部55は、表示コマンド受信部73が表示コマンドを受信することに応じて、表示コマンドに含まれるメッセージを表示部161に表示する。
【0135】
図8は、設定画面の一例を示す第1の図である。図8は、ジョブ種類の名称がコピーの場合に表示部161に表示される設定画面を示す。なお、図中で反転表示はハッチングで示される。図8を参照して、設定画面500は、パラメータを表示する領域501~504を含む。領域501に、名称が部数の設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が部数の設定項目にパラメータ「1」が設定されている場合を示している。領域502に、名称がカラーの設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称がカラーの設定項目にパラメータ「オートカラー」が設定されている場合を示している。領域503に、名称が読取印刷の設定項目に設定可能な4つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が読取印刷の設定項目にパラメータ「片面読取片面印刷」が設定されている場合を示している。領域504に、名称が2in1の設定項目に設定可能な2つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が2in1の設定項目にパラメータ「OFF」が設定されている場合を示している。
【0136】
図9は、設定画面の一例を示す第2の図である。図9は、ジョブ種類の名称がスキャンの場合に表示部161に表示される設定画面を示す。なお、図中で反転表示はハッチングで示される。図9を参照して、設定画面510は、パラメータを表示する領域511~516を含む。領域511,511Aそれぞれは、名称が宛先の設定項目に設定されるパラメータを入力する領域である。ここでは、パラメータが設定されていない状態が示される。領域512に、名称がカラーの設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称がカラーの設定項目にパラメータ「オートカラー」が設定されている場合を示している。領域513に、名称が読取面の設定項目に設定可能な2つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が読取面の設定項目にパラメータ「片面」が設定されている場合を示している。
【0137】
領域514に、名称が解像度の設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が解像度の設定項目にパラメータ「300dpi」が設定されている場合を示している。領域515に、名称がフォーマットステープルの設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称がフォーマットの設定項目にパラメータ「PDF」が設定されている場合を示している。領域516に、名称が読取サイズの設定項目に設定可能な4つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が読取サイズの設定項目にパラメータ「A3」が設定されている場合を示している。
【0138】
図10は、音声設定支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。音声設定支援処理は、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201が、ROM202、HDD204またはCD-ROM211に記憶された音声設定支援プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0139】
図10を参照して、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201は、音声情報が取得されたか否かを判断する(ステップS01)。音声情報生成サーバー300から音声情報が受信される場合に処理はステップS02に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。ステップS02においては、実行指示が受け付けられたか否かが判断される。音声情報が実行指示を示す単語を含む場合に実行指示を受け付けたと判断される。実行指示を示す単語は、例えば、「スタート」、「ジョブ実行」等であり、予め定めておけばよい。実行指示が受け付けられたならば処理はステップS03に進むが、そうでなければ処理はステップS04に進む。ステップS03においては、実行指示コマンドがMFP100に送信され、処理は終了する。MFP100においては、実行指示コマンドが受信された時点で設定されているジョブ種類で特定されるジョブを、その時点で設定されているパラメータに従って実行する。
【0140】
ステップS04においては、音声情報からジョブ種類が抽出されるか否かが判断される。ジョブ種類が抽出されたならば処理はステップS05に進むが、そうでなければ処理はステップS07に進む。ステップS05においては、音声情報から抽出されたジョブ種類が決定され、処理はステップS06に進む。ステップS06においては、決定されたジョブ種類がジョブに設定され、処理はステップS07に進む。ジョブ種類が設定されることにより、それまでにジョブ種類が設定されていない場合、または、それまでに設定されていたジョブ種類から変更される場合は、設定されたジョブ種類に対応する複数の設定項目に設定されるパラメータは何も設定されていない値、例えば、nullが設定される。
【0141】
ステップS07においては、音声情報からパラメータが抽出されるか否かが判断される。パラメータが抽出されたならば処理はステップS08に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。ステップS08においては、音声情報から抽出されたパラメータがジョブ種類と整合するか否かが判断される。パラメータがジョブ種類と整合するならば処理はステップS09に進むが、そうでなければ処理はステップS14に進む。比較対象となるジョブ種類は、ステップS01でYESとなった後にステップS06が実行される場合は、ステップS06において設定されたジョブ種類である。この場合には、1つの音声情報からジョブ種類とパラメータとが抽出される。比較対象となるジョブ種類は、ステップS01でYESとなった後にステップS06が実行されることなくステップS08が実行される場合は、その時点で設定されているジョブ種類である。ステップS08が実行される時点より前にステップS06が実行されている場合にはステップS06が実行された時点で設定されたジョブ種類である。ジョブ種類が設定されていない場合は、比較対象がないので、処理はステップS14に進む。なお、ステップS06が最初に実行される前に、MFP100に設定されているジョブ種類をジョブの種類に設定してもよい。
【0142】
ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類をパラメータよりも優先して決定する。ユーザーが音声でジョブを設定する場合にジョブ種類を間違える確率がパラメータを間違える確率よりも小さいことが実験によって判明している。また、ユーザーが音声でジョブを設定する場合にジョブ種類に対して設定することができないパラメータを設定する場合がある。例えば、「PDFでコピーして」等のように、コピージョブを設定する場合に、スキャンジョブに設定可能な名称がフォーマットの設定項目のパラメータを発声する場合がある。このように、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類を優先するので、ユーザーが本来設定しようとしているジョブ種類を確実に設定することができる。このため、ジョブ種類が誤って設定されるのを防止することができ、ジョブを容易に設定することができる。
【0143】
ステップS09においては、ステップS07において抽出されたパラメータが決定され、処理はステップS10に進む。ステップS10においては、決定されたパラメータがジョブに設定され、処理はステップS11に進む。ステップS11においては、MFP100に設定コマンドが送信され、処理はステップS12に進む。
【0144】
ステップS12においては、音声出力情報が生成され、処理はステップS13に進む。例えば、ジョブ種類としてコピーが決定される場合、図8に示した設定画面がMFP100に表示される。この場合における出力順は、設定項目の名称が部数、カラー、読取印刷、2in1の順である。設定画面の縦方向に最も上に配置された設定項目の名称が部数に対応するパラメータが第1番目となる。設定画面の縦方向に2行目に配置された設定項目の名称がカラー、読取印刷、2in1のうち最も左に配置された設定項目の名称がカラーに対応するパラメータが第2番目となり、その右に配置された設定項目の名称が読取印刷に対応するパラメータが第3番目となり、その右に配置された設定項目の名称が2in1に対応するパラメータが第4番目となる。
【0145】
また、ジョブ種類としてスキャンが決定される場合、図9に示した設定画面がMFP100に表示される。この場合における出力順は、設定項目の名称が宛先、カラー、読取面、解像度、フォーマット、読取サイズの順である。設定画面の縦方向に最も上に配置された設定項目の名称が宛先に対応するパラメータが第1番目となる。設定画面の縦方向に2行目に配置された設定項目の名称がカラー、読取面、解像度、フォーマット、読取サイズのうち最も左に配置された設定項目の名称がカラーに対応するパラメータが第2番目となり、その右に配置された設定項目の名称が読取面に対応するパラメータが第3番目となり、その右に配置された設定項目の名称が解像度に対応するパラメータが第4番目となり、その右に配置された設定項目の名称がフォーマットに対応するパラメータが第5番目となり、その右に配置された設定項目の名称が読取サイズに対応するパラメータが第6番目となる。なお、設定項目の名称が宛先のパラメータは、設定されていないので、音声出力情報に含まれない。
【0146】
ステップS13においては、音声出力情報が再生され、処理はステップS01に戻る。具体的には、音声出力情報の再生を指示する確認コマンドが音声情報生成サーバー300に送信され、スマートスピーカー400から音声出力情報が再生される。このため、ユーザーは、音声で再生されるパラメータと、MFP100の表示部161に表示された設定画面に含まれるパラメータと、を耳と目で確認することができる。
【0147】
ステップS14においては、ステップS07において抽出されたパラメータが廃棄され、処理はステップS15に進む。ステップS15においては、通知処理が実行され、処理はステップS01に戻る。具体的には、通知コマンドが音声情報生成サーバー300に送信されるとともに、表示コマンドがMFP100に送信される。
【0148】
本実施の形態における音声設定支援サーバー200は、音声情報生成サーバー300から音声情報を受信した後に確認コマンドを音声情報生成サーバー300に送信する。なお、音声設定支援サーバー200は、設定コマンドを送信した後に確認コマンドを送信するようにしたが、設定コマンドを送信することなく確認コマンドを送信してもよい。例えば、音声設定支援サーバー200は、ユーザーが設定内容を確認する音声を発した後に確認コマンドを音声情報生成サーバー300に送信してもよい。
【0149】
図11は、装置設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。装置設定処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD-ROM118に記憶された音声設定プログラムおよびジョブ制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図11を参照して、CPU111は、音声設定支援サーバー200に同期を要求し(ステップS21)、処理をステップS22に進める。具体的には、CPU111は、音声設定支援サーバー200に設定されているジョブ種類と複数のパラメータの送信を音声設定支援サーバー200に要求する。音声設定支援サーバー200は、MFP100からの要求に応じて設定コマンド、実行指示コマンド、および表示コマンドのいずれかを送信する。
【0150】
ステップS22においては、音声設定支援サーバー200から設定コマンドが受信されたか否かが判断される。設定コマンドが受信されたならば処理はステップS23に進み、そうでなければ処理はステップS25に進む。ステップS23においては、設定コマンドに従ってジョブ種類がジョブに設定され、処理はステップS24に進む。ステップS24においては、設定コマンドに従ってパラメータがジョブに設定され、処理はステップS21に戻る。
【0151】
ステップS25においては、音声設定支援サーバー200から表示コマンドが受信されたか否かが判断される。表示コマンドが受信されたならば処理はステップS26に進むが、そうでなければ処理はステップS27に進む。ステップS26においては、表示コマンドに含まれるメッセージが表示部161に表示され、処理はステップS21に戻る。
【0152】
ステップS27においては、音声設定支援サーバー200から実行指示コマンドが受信されたか否かが判断される。実行指示コマンドが受信されたならば処理はステップS28に進むが、そうでなければ処理はステップS29に進む。ステップS28においては、ジョブが実行され、処理は終了する。
【0153】
ステップS29においては、操作パネル160によりユーザーにより入力される実行指示操作が受け付けられたか否かが判断される。実行指示操作が受け付けられたならば処理はステップS30に進むが、そうでなければ処理はステップS31に進む。ステップS30においては、ジョブが実行され、処理は終了する。
【0154】
ステップS31においては、操作パネル160によりユーザーにより入力される設定操作が受け付けられたか否かが判断される。設定操作が受け付けられたならば処理はステップS32に進むが、そうでなければ処理はステップS21に戻る。ステップS32においては、設定操作がジョブ種類を設定する操作か否かが判断される。ジョブ種類を設定する操作ならば処理はステップS33に進むが、そうでなければ処理はステップS34に進む。ステップS33においては、設定操作で特定されるジョブ種類がジョブに設定され、処理はステップS21に戻る。ステップS34においては、設定操作がパラメータを設定する操作か否かが判断される。パラメータを設定する操作ならば処理はステップS35に進むが、そうでなければ処理はステップS21に戻る。ステップS35においては、設定操作で特定されるパラメータがジョブに設定され、処理はステップS21に戻る。
【0155】
<第1実施例>
例えば、ユーザーが「ビズハブで、3部、PDFをカラーでコピーして」と発話する場合を例に説明する。音声情報生成サーバー300はスマートスピーカー400から取得される音声に基づいて、ジョブ種類をコピーとし、パラメータ「3部」、「PDF」、「カラー」を含む音声情報を生成し、音声情報を音声設定支援サーバー200に送信する。
【0156】
音声情報を受信する音声設定支援サーバー200は、パラメータテーブルを参照して、音声情報に基づいてジョブ種類とパラメータとの整合性を判断する。この例の場合、ジョブ種類がコピーに対して、パラメータ「3部」、「カラー」は整合するが、「PDF」は整合しない。この場合、通知コマンドが音声情報生成サーバー300に送信されるとともに、表示コマンドがMFP100に送信される。
【0157】
通知コマンドは、例えば、「PDFのパラメータは設定されませんでした。」の音声メッセージを含む。通知コマンドを受信する音声情報生成サーバー300は、音声メッセージをスマートスピーカー400に音声で出力させる。これにより、ユーザーは、パラメータ「PDF」が設定されなかったことを音声から知ることができる。
【0158】
表示コマンドは、例えば、「PDFのパラメータは設定されませんでした。」のメッセージを含む。表示コマンドを受信するMFP100は、メッセージを表示部161に表示する。これにより、ユーザーは、パラメータ「PDF」が設定されなかったことを表示部161に表示されたメッセージで知ることができる。
【0159】
さらに、音声設定支援サーバー200は、音声情報に基づいて、「3部をカラーでコピーしますか?」の文字情報を含む音声出力情報を生成し、その音声出力情報の再生を指示する確認コマンドを音声情報生成サーバー300に送信する。確認コマンドを受信する音声情報生成サーバー300は、音声出力情報で特定される文字情報をスマートスピーカー400に音声で出力させる。これにより、ユーザーは、音声で再生される音声出力情報と設定画面とからパラメータを確認することができる。
【0160】
<第2実施例>
例えば、ユーザーが「ビズハブで、3部、ツーインワンで、カラーでコピーして」と発話する場合を例に説明する。音声情報生成サーバー300はスマートスピーカー400から取得される音声に基づいて、ジョブ種類をコピーとし、パラメータ「3部」、「ツーインワン」、「カラー」を含む音声情報を生成し、音声情報を音声設定支援サーバー200に送信する。
【0161】
音声情報を受信する音声設定支援サーバー200は、パラメータテーブルを参照して、音声情報に基づいてジョブ種類とパラメータとの整合性を判断する。この例の場合、ジョブ種類がコピーに対して、パラメータ「3部」、「ツーインワン」および「カラー」が整合する。このため、音声設定支援サーバー200は、音声情報に基づいて、「3部をカラーでツーインワンでコピーしますか?」の文字情報を含む音声出力情報を生成し、その音声出力情報の再生を指示する確認コマンドを音声情報生成サーバー300に送信する。確認コマンドを受信する音声情報生成サーバー300は、音声出力情報で特定される文字情報をスマートスピーカー400に音声で出力させる。これにより、ユーザーは、音声で再生される音声出力情報と設定画面とからパラメータを確認することができる。
【0162】
以上説明したように本実施の形態における音声設定システム1は、複数種類のジョブを実行可能なMFP100と、音声から得られた音声情報に基づいて、画像処理装置に実行させるジョブの生成を支援する音声設定支援サーバー200と、を備え、音声設定支援サーバー200は、音声情報に基づいてジョブのジョブ種類とジョブに設定されるパラメータとを決定するが、ジョブ種類とパラメータとが整合しない場合に、ジョブ種類をパラメータよりも優先して決定する。このため、ユーザーによる音声でのジョブの設定を容易にした音声設定システムを提供することができる。
【0163】
また、音声設定支援サーバー200は、パラメータテーブルを用いて、ジョブ種類とパラメータとが整合するか否かを判断するので、ジョブの種類に対応して設定できないパラメータが設定されないようにできる。
【0164】
また、音声設定支援サーバー200は、MFP100は、ジョブ種類とパラメータとを設定させる。このため、MFP100に、音声設定支援サーバー200で決定されたジョブ種類とパラメータとに従ってジョブを実行させることができる。
【0165】
また、音声設定支援サーバー200は、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータを決定しないので、ジョブ種類に対して誤ったパラメータが設定されないようにできる。
【0166】
また、音声設定支援サーバー200は、ジョブ種類とパラメータとが整合しないと判断される場合、音声を発話したユーザーに通知するので、ジョブ種類とパラメータとが整合しないこと、または、パラメータの設定が誤っていたことをユーザーに知らせることができる。
【0167】
また、音声設定支援サーバー200は、スマートスピーカー400により収集された音声から音声情報を抽出する音声情報生成サーバー300から音声情報を取得する。このため、音声設定支援サーバー200は、音声から音声情報を抽出する必要がないので、音声設定支援サーバー200の構成を簡略にすることができる。
【0168】
また、音声設定支援サーバー200は、1つの音声情報にジョブ種類とパラメータとが含まれる場合は、それらの整合性を判断するので、1つの音声情報からジョブを設定することができる。
【0169】
また、音声設定支援サーバー200は、第1時刻に取得された第1音声情報にジョブ種類が含まれずかつパラメータが含まれる場合、第1音声情報に含まれるパラメータと第1時刻とは異なる第2時刻に取得された第2音声情報に含まれるジョブ種類との整合性を判断する。このため、複数の音声情報から1つのジョブを設定することができる。
【0170】
また、音声設定支援サーバー200は、音声情報にジョブ種類が含まれずかつパラメータが含まれる場合、MFP100に設定されているジョブ種類とパラメータとの整合性を判断してもよい。この場合、音声情報にジョブ種類が含まれない場合でもジョブを設定することができる。
【0171】
<第1の変形例>
図12は、第1の変形例における音声設定支援サーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図12を参照して、図4に示した機能と異なる点は、予測部269が追加された点、優先決定部267が優先決定部267Aに変更された点である。その他の機能は、図4に示した機能と同じなので、ここでは説明は繰り返されない。
【0172】
優先決定部267Aは、整合性判断部265により整合しないと判断される場合、ジョブ種類をパラメータより優先してジョブに設定するべき値に決定し、ジョブ種類を出力部257に出力する。優先決定部267Aは、整合性判断部265により整合しないと判断される場合、予測部269に予測指示を出力する。
【0173】
予測部269は、予測指示が入力されることに応じて、ジョブ種類と整合しないと判断されたパラメータに基づいて、ジョブ種類と整合する別の新たな新パラメータを予測する。予測部269は、過去にパラメータが変更された履歴を参照して、新パラメータを予測する。例えば、音声情報が「両面でコピーして」の文字列を含む場合、ジョブ種類にコピーが決定され、「両面」のパラメータが整合しないパラメータと判断される。この場合、過去の履歴で名称が読取印刷の設定項目のパラメータとして「両面読取片面印刷」が設定される頻度が多い場合に、「両面読取片面印刷」を新パラメータとして予測する。予測部269は、機械学習を含む人工知能の技術を用いた学習機能を有してもよい。
【0174】
図13は、第1の変形例における装置設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10に示した装置設定処理と異なる点は、ステップS08でNOの後にステップS08Aが追加された点である。その他の処理は図10に示した処理と同じなので、ここでは説明は繰り返されない。
【0175】
ステップS08においてパラメータがジョブ種類と整合しないと判断される場合に処理はステップS08Aに進む。ステップS08Aにおいては、ジョブ種類と整合しないと判断されたパラメータに基づいて新パラメータが予測されるか否かが判断される。新パラメータが予測されたならば処理はステップS09に進むが、そうでなければ処理はステップS14に進む。ステップS09においては、処理がステップS08Aから進む場合は、ステップS08Aにおいて予測された新パラメータが決定され、処理はステップS10に進む。ステップS10においては、決定されたパラメータがジョブに設定され、次のステップS11において設定コマンドが送信され、処理はステップS01に戻る。
【0176】
第1の変形例における音声設定支援サーバー200は、ジョブ種類に整合しないと判断されたパラメータに基づいて、ジョブ種類に整合する新たな新パラメータを予測するので、音声によりジョブを設定する操作を容易にすることができる。
【0177】
<第2の変形例>
第2の変形例における音声設定システム1は、音声設定支援サーバー200でMFP100により実行されるジョブを生成し、音声設定支援サーバー200がジョブをMFP100に送信する。この場合、音声設定支援サーバー200は、MFP100で実行可能なジョブのデフォルト値を定めておき、音声情報から抽出されたジョブ種類およびパラメータでデフォルトの値を更新することによりジョブを生成する。第2の変形例における音声設定支援サーバー200は、MFP100に設定コマンドを送信する必要がない。
【0178】
第2の変形例における音声設定支援サーバー200は、ジョブ種類とパラメータとに基づいてジョブを生成するので、MFP100に、ジョブ種類とパラメータとに従ってジョブを実行させることができる。
【0179】
<第3の変形例>
第3の変形例における音声設定システム1は、上記の音声情報生成サーバー300の機能を音声設定支援サーバー200が有してもよい。さらに、音声設定支援サーバー200が有する機能をMFP100が有してもよい。
【0180】
<第4の変形例>
音声設定システム1においては、1つのスマートスピーカー400に1つのMFP100が関連付けられる。第4の変形例における音声設定システム1は、1つのスマートスピーカー400に複数の制御対象装置を関連付ける。ここでは、2つのMFP100,100Aを制御対象装置とする場合を例に説明する。MFP100,100Aそれぞれに付された名称を用いて、制御対象装置が区別される。例えば、MFP100の名称を第1MFPとし、MFP100Aの名称を第2MFPとする。この場合、音声設定支援サーバー200は、音声情報に第1MFPの単語が含まれていれば、MFP100を制御対象装置に特定し、音声情報に第2MFPの単語が含まれていれば、MFP100Aを制御対象装置に特定する。
【0181】
MFP100とMFP100Aとで、ジョブ種類が同じ設定画面が異なる場合がある。このため、第4の変形例においては、設定確認部273は、MFP100,100Aそれぞれから出力順を取得する。例えば、設定確認部273は、MFP100,MFP100Aそれぞれから出力順を含む出力順情報を受信する。
【0182】
図14は、出力順情報の一例を示す図である。図14は、MFP100Aから取得される出力順情報を示す。図14を参照して、出力順情報の“MFP_12345”により、出力順情報の送信元がMFP100Aであることが示される。出力順情報の“read_order”の欄に示される“number”、“combine”、“duplex”、“color”の順により、出力順が設定項目の名称で部数、2in1、読取印刷、カラーであることが示される。
【0183】
これにより、MFP100とMFP100Aとで、ジョブ種類が同じ設定画面が異なる場合であっても、設定画面に複数のパラメータが配置される順に、複数のパラメータを音声で出力することができる。
【0184】
なお、設定確認部273は、MFP100,100Aそれぞれから設定画面に配置される複数のパラメータの配置情報を取得してもよい。配置情報は、複数のパラメータが配置される相対的な位置関係を示し、左右方向と上下方向の位置関係を示す。設定確認部273は、配置情報から出力順を決定する。
【0185】
第4の変形例における音声設定支援サーバー200は、複数のMFP100,100Aそれぞれから表示順を受信するので、複数のMFP100,100Aそれぞれの設定画面において複数のパラメータの配置が異なっていても、複数のMFP100,100Aそれぞれに対応した出力順でパラメータを音声で出力することができる。
【0186】
なお、本実施の形態においては、ジョブ実行装置の一例としてMFP100を例に説明したが、ジョブ実行装置は、ジョブを実行可能であれば、例えば、データ処理を定めたジョブを実行するコンピューター等の情報処理装置であってもよい。
【0187】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0188】
1 音声設定システム、100 MFP、200 音声設定支援サーバー、300 音声情報生成サーバー、400 スマートスピーカー、3 ネットワーク、5 インターネット、7 ゲートウェイ装置、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、118、CD-ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、155 後処理部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、165 タッチパネル、167 ハードキー部、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 HDD、205 通信部、206 表示部、207 操作部、210 外部記憶装置、51 接続制御部、53 設定部、55 表示制御部、57 設定操作受付部、59 ジョブ生成部、61 ジョブ実行部、71 設定コマンド受信部、73 表示コマンド受信部、251 音声情報取得部、253 通知制御部、255 決定部、257 出力部、261 ジョブ種類抽出部、263 パラメータ抽出部、265 整合性判断部、267,267A 優先決定部、269 予測部、271 設定制御部。
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