(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】画像記録装置、及びグループ化方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20231031BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231031BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20231031BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/42 F
B41J21/00 Z
G06F3/12 304
G06F3/12 362
G06F3/12 363
(21)【出願番号】P 2019179935
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雅司
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-256138(JP,A)
【文献】特開2017-046251(JP,A)
【文献】特開2002-108596(JP,A)
【文献】特開平10-304110(JP,A)
【文献】特開2008-059372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に画像記録を行う画像記録部と、ユーザからの入力を受け付ける入力インタフェースと、表示部と、メモリと、コントローラと、を備える画像記録装置であって、
上記コントローラは、
蓄積条件と、画像記録情報とを有するプリントジョブを受け付けて上記メモリに記憶させ、
上記入力インタフェースへの入力を受け付けたことに応じて、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブをグループ化するか否かを判断し、
複数のプリントジョブをグループ化すると判断したことに応じて、装置状態情報を取得し、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブが有する上記画像記録情報のうち上記装置状態情報と一致する上記画像記録情報を優先グループ条件として生成し、
上記優先グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化して、画像記録を行う対象として選択可能に上記表示部に表示
し、
上記コントローラは、
生成した上記優先グループ条件を選択可能に上記表示部に表示させ、
上記優先グループ条件を選択することを示す入力が上記入力インタフェースに入力されたことに応じて、上記優先グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化する画像記録装置。
【請求項2】
上記コントローラは、
上記装置状態情報に合致する上記画像記録情報が複数あることに応じて、複数の上記優先グループ条件を生成し、
生成した複数の上記優先グループ条件を上記表示部に表示させる請求項
1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記コントローラは、
生成した複数の上記優先グループ条件に一致する各プリントジョブの数が多い順に、上記優先グループ条件を上記表示部に表示させる請求項
2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記装置状態情報は、画像記録によって消費される消耗品に関する情報である請求項1から
3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
被記録媒体に画像記録を行う画像記録部と、ユーザからの入力を受け付ける入力インタフェースと、表示部と、メモリと、コントローラと、を備える画像記録装置であって、
上記コントローラは、
蓄積条件と、画像記録情報とを有するプリントジョブを受け付けて上記メモリに記憶させ、
上記入力インタフェースへの入力を受け付けたことに応じて、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブをグループ化するか否かを判断し、
複数のプリントジョブをグループ化すると判断したことに応じて、装置状態情報を取得し、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブが有する上記画像記録情報のうち上記装置状態情報と一致する上記画像記録情報を優先グループ条件として生成し、
上記優先グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化して、画像記録を行う対象として選択可能に上記表示部に表示し、
上記装置状態情報は、画像記録によって消費される着色剤に関する情報である画像記録装置。
【請求項6】
被記録媒体を収容する収容部を更に備えており、
上記コントローラは、
上記装置状態情報として上記収容部内の被記録媒体の種別を示す媒体情報を取得し、
上記メモリに記憶された複数のプリントジョブが有する上記画像記録情報としての媒体情報のうち、取得した上記媒体情報と合致する媒体情報を上記優先グループ条件として生成する請求項
4または5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
複数の上記収容部を備えており、
上記コントローラは、
上記各収容部内の各被記録媒体の種別を示す媒体情報を取得し、
上記メモリに記憶された複数のプリントジョブが有する上記画像記録情報としての媒体情報のうち、取得した各媒体情報と合致する媒体情報を上記優先グループ条件として生成する請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
上記コントローラは、
複数のプリントジョブをグループ化することを示す入力が、上記入力インタフェースに入力されたことに応じて、上記各収容部が収容している被記録媒体の量を示す収容量情報を取得し、
上記収容量情報が予め定められた量未満である上記収容部に対応する上記媒体情報を、上記優先グループ条件として生成する媒体情報から除外する請求項7に記載の画像記録装置。
【請求項9】
上記媒体情報は、被記録媒体のサイズを示すものである請求項6から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項10】
上記媒体情報は、被記録媒体の紙種を示すものである請求項6から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項11】
上記コントローラは、
上記画像記録情報のうち上記装置状態情報と一致しない画像記録情報を通常グループ条件として生成し、
生成した上記通常グループ条件を上記表示部に表示させ、
上記通常グループ条件を選択することを示す入力が上記入力インタフェースに入力されたことに応じて、上記通常グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化する請求項1から10いずれかに記載の画像記録装置。
【請求項12】
被記録媒体に画像記録を行う画像記録部と、ユーザからの入力を受け付ける入力インタフェースと、表示部と、メモリと、コントローラと、を備える画像記録装置であって、
上記コントローラは、
蓄積条件と、画像記録情報とを有するプリントジョブを受け付けて上記メモリに記憶させ、
上記入力インタフェースへの入力を受け付けたことに応じて、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブをグループ化するか否かを判断し、
複数のプリントジョブをグループ化すると判断したことに応じて、装置状態情報を取得し、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブが有する上記画像記録情報のうち上記装置状態情報と一致する上記画像記録情報を優先グループ条件として生成し、
上記優先グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化して、画像記録を行う対象として選択可能に上記表示部に表示し、
上記コントローラは、
上記画像記録情報のうち上記装置状態情報と一致しない画像記録情報を通常グループ条件として生成し、
生成した上記通常グループ条件を上記表示部に表示させ、
上記通常グループ条件を選択することを示す入力が上記入力インタフェースに入力されたことに応じて、上記通常グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化する画像記録装置。
【請求項13】
上記プリントジョブは、出力元を示す識別情報を有しており、
上記コントローラは、
上記入力インタフェースに入力された出力元と同じ出力元を示す上記識別情報を有する複数のプリントジョブをグループ化対象とする請求項1から1
2のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項14】
上記コントローラは、
ユーザが上記入力インタフェースに上記識別情報を入力したと判断したことに応じて、複数のプリントジョブをグループ化するか否かを問い合わせる問合せオブジェクトを上記表示部に表示させ、
複数のプリントジョブをグループ化することを示す入力が上記入力インタフェースに入力されたことに応じて、上記複数のプリントジョブをグループ化すると判断する請求項1
3に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄積された複数のプリントジョブを、一括して画像記録を行うグループとしてグループ化する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像記録装置が受け付けた複数のプリントジョブを直ちに実行せずに蓄積し、ユーザからの入力を受け付けたときに画像記録を行う処理がある。画像記録装置に蓄積された複数のプリントジョブにおいて、被記録媒体の種別や出力部数、後処理などの条件が、重複していたり異なっていたりすることがある。画像記録の効率やユーザの要望から、複数のプリントジョブを蓄積順に実行するのではなく、条件が重複するプリントジョブを一括して実行することが望まれる。これに対して、蓄積するプリントジョブを受け付けたときに、予め特定されている条件と合致するものを画像記録装置がグループ化する処理がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像記録装置を複数のユーザが共有していると、コンピュータからプリントジョブを出力し始めてから、そのコンピュータを使用しているユーザが画像記録装置を操作するまでの間に、他のユーザが画像記録装置を使用することが想定される。したがって、ユーザが、プリントジョブを出力してから画像記録装置を操作して画像記録を実行するまでの間に、画像記録装置の装置状態が変化していることがある。
【0005】
例えば、あるユーザがプリントジョブを出力した後に画像記録装置を操作するまでの間に、他のユーザが、画像記録装置の収容部に収容されている被記録媒体の種別を変更したとすると、あるユーザが出力してグループ化されたプリントジョブにおいて使用される被記録媒体が収容部に収容されていないことが起こり得る。そうすると、あるユーザは、画像記録装置の前まで来た後に、収容部に収容されている別の種別の被記録媒体を取り出して、グループ化されたプリントジョブにおいて使用される被記録媒体に代える必要がある。同様に、他のユーザが装置設定を変更したとすると、あるユーザは、画像記録装置の前まで来た後に、装置設定を変更し直す必要がある。このような状況が生じると、あるユーザがグループ化したプリントジョブが、画像記録装置において直ちに実行可能とならず、画像記録においてユーザの手間が生じることが想定される。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プリントジョブが蓄積された画像記録装置をユーザが操作したときに、直ちに実行可能な複数のプリントジョブがグループ化される手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部と、ユーザからの入力を受け付ける入力インタフェースと、表示部と、メモリと、コントローラと、を備える画像記録装置に関する。上記コントローラは、蓄積条件と、画像記録情報とを有するプリントジョブを受け付けて上記メモリに記憶させ、上記入力インタフェースへの入力を受け付けたことに応じて、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブをグループ化するか否かを判断し、複数のプリントジョブをグループ化すると判断したことに応じて、装置状態情報を取得し、上記メモリに記憶された複数のプリントジョブが有する上記画像記録情報のうち上記装置状態情報と一致する上記画像記録情報を優先グループ条件として生成し、上記優先グループ条件に合致する上記画像記録情報を有するプリントジョブをグループ化して、画像記録を行う対象として選択可能に上記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリントジョブが蓄積された画像記録装置をユーザが操作したときに、直ちに実行可能な複数のプリントジョブがグループ化される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図2は、プリント処理のフローチャートである。
【
図3】
図3は、セキュアプリント処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は、グループキー決定処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、グループキー選択画面60を示す図である。
【
図7】
図7は、グループリスト画面70を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できる。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0011】
[プリンタ10の構成]
本実施形態に係るプリンタ10(画像記録装置の一例)は、例えば、情報処理端末50と通信ネットワークを通じて相互に通信可能に構成されている。通信ネットワークの具体例は特に限定されないが、例えば、有線LAN、無線LAN、或いはUSBケーブル等であってもよい。情報処理端末50には、プリンタ10に送信するプリントジョブを生成するためのドライバプログラムがインストールされている。なお、
図1には1台の情報処理端末50が示されているが、プリンタ10は、複数の情報処理端末50と通信可能であってもよい。
【0012】
図1に示されるように、プリンタ10は、供給部11と、動作部20と、ディスプレイ23と、入力I/F24と、通信I/F25と、コントローラ30とを主に備える。プリンタ10を構成する各構成要素は、通信バスを通じて相互に接続されている。本実施形態では、インクジェット方式のプリンタ10の例を説明するが、プリンタ10の記録方式はインクジェット方式に限定されず、電子写真方式などの公知の方式であってもよい。
【0013】
供給部11は、紙などの被記録媒体を収容しており、コントローラ30の指示に従って動作部20に供給する。供給部11は、第1トレイ12と、第2トレイ13と、センサ14,15と、を有する。第1トレイ12及び第2トレイ13には、被記録媒体がそれぞれ収容される。第1トレイ12に収容される被記録媒体と、第2トレイ13に収容される被記録媒体とは、同じであっても異なるものであってもよいが、本実施形態では、サイズの異なる用紙がそれぞれ収容されているものとする。例えば、第1トレイ12には、JIS規格のA4サイズの普通紙が収容されており、第2トレイ13には、JIS規格のA3サイズの普通紙が収容されている。第1トレイ12及び第2トレイ13に収容された被記録媒体のサイズ及び種類は、ユーザにより、入力I/F24を通じて入力されて、EEPROM34に記憶される。なお、ユーザによる被記録媒体のサイズ及び種類の入力は、例えば、ユーザが第1トレイ12又は第2トレイ13を引き出した後に装着したときに、コントローラ30が入力を要求することにより実行される。第1トレイ12及び第2トレイ13は、収容部の一例である。
【0014】
センサ14は、第1トレイ12に収容されている被記録媒体が所定量未満であるかを検知する。センサ14は、例えば、第1トレイ12に収容されている最上位置の用紙に圧接することにより回動位置が変動するレバーが、所定の回動位置に到達したことを検知する。レバーは、第1トレイ12に収容されている用紙が所定量、例えば残り少ない量となったときに所定の回動位置となる。センサ14が所定の回動位置のレバーを検知して検知信号をコントローラ30に出力することによって、コントローラ30は、第1トレイ12に収容されている用紙が所定量になったと判断する。センサ15も、センサ14と同様に、第2トレイ13に収容されている被記録媒体が所定量未満であるかを検知する。センサ14,15が出力する信号が、収容量情報の一例である。なお、
図1には示されていないが、供給部11は、第1トレイ12及び第2トレイ13に収容されている被記録媒体を動作部20に供給するためローラなどの供給機構を有する。
【0015】
動作部20は、コントローラ30の指示に従ってプリントジョブを実行する。プリントジョブは、用紙に画像を記録する動作である。
図1に示されるように、動作部20は、搬送部21と、吐出部22とを主に備える。動作部20は、画像記録部の一例である。
【0016】
搬送部21は、供給部11から供給された用紙を搬送方向に搬送する。搬送部21は、例えば、不図示のモータの駆動力が伝達されて回転する複数のローラによって構成される。モータによって回転されるローラは、供給部11から供給された用紙を吐出部22に対面する位置まで搬送し、吐出部22によって画像が記録された用紙をプリンタ10の外部に排出する。
【0017】
吐出部22は、搬送部21によって搬送された用紙に対面し得る位置において、搬送方向と直交する主走査方向に移動する。吐出部22は、不図示のモータの駆動力が伝達されることによって、主走査方向に移動する。吐出部22の下面には、複数のノズルが形成されたノズル面が形成されている。吐出部22は、ノズルからインク滴を吐出する。吐出部22が主走査方向に移動する過程で吐出したインクが用紙に着弾することによって、用紙に画像が記録される。
【0018】
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示面を備える。ディスプレイ23は、表示部の一例である。
【0019】
入力I/F24は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力インタフェースである。具体的には、入力I/F24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、入力I/F24は、ディスプレイ23の表示面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。
【0020】
通信I/F25は、通信ネットワークを通じて外部装置と通信可能なインタフェースである。すなわち、プリンタ10は、通信I/F25を通じて外部装置に各種情報を出力し、通信I/F25を通じて外部装置から各種情報を受信する。通信I/F25は、例えば、Wi-Fi(Wi-Fi Allianceの登録商標)に従った通信手順で無線信号を送受信するものであってもよいし、LANケーブル或いはUSBケーブルが接続されるインタフェースであってもよい。
【0021】
コントローラ30は、プリンタ10の全体動作を制御するものである。
図1に示されるように、コントローラ30は、CPU31、ROM32、RAM33、EEPROM34、ASIC35を主とするマイクロコンピュータである。
【0022】
ROM32には、CPU31がプリンタ10の動作を制御するためのプログラムが格納される。RAM33は、CPU31がプログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。EEPROM34には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。CPU31は、プログラムをROM32から読み出して実行することにより、プリンタ10の動作を制御する。ASIC35には、搬送部21と、吐出部22と、ディスプレイ23と、入力I/F24と、通信I/F25とが接続されている。ASIC35は、CPU31の指示に従ってプリンタ10の各構成要素を動作させる。
【0023】
ASIC35は、モータへ駆動信号を出力する。モータが回転すると、供給部11は、第1トレイ12又は第2トレイ13から用紙を給送し、搬送部21は給送された用紙を搬送し、吐出部22は主走査方向に移動する。ASIC35は、ピエゾ素子等の駆動素子へ駆動信号を出力する。駆動素子が振動すると、吐出部22はノズルからインク滴を吐出する。ASIC35は、ディスプレイ23へ画像信号を出力し、ディスプレイ23に画面を表示させる。ASIC35は、入力I/F24から出力される操作信号を取得する。ASIC35は、通信I/F25を通じて外部装置から情報を受信し、通信I/F25を通じて外部装置に情報を送信する。
【0024】
[情報処理端末50から出力されるプリントジョブ]
情報処理端末50は、プリントジョブを出力する。プリントジョブには、条件情報が含まれる。条件情報は、プリンタ10に実行させるプリントジョブの実行条件を示す情報である。本実施形態に係る条件情報は、サイズ情報と、色情報と、トレイ情報と、用紙情報と、セキュアフラグと、識別情報とを含む。サイズ情報及び用紙情報は、画像記録情報及び媒体情報の一例である。セキュアフラグは、蓄積条件の一例である。
【0025】
サイズ情報は、プリントジョブに用いる用紙のサイズ(例えば、“A4”、“A3”等)を示す。色情報は、プリントジョブに用いるインクの数(例えば、“カラー”、“モノクロ”等)を示す。トレイ情報は、プリンタ10が備える第1トレイ12及び第2トレイ13のうちの1つを示す。用紙情報は、プリントジョブに用いる用紙の種類(例えば、“普通紙”、“光沢紙”等)を示す。
【0026】
セキュアフラグは、所謂セキュアプリントをプリンタ10に実行させるか否かを示す情報である。セキュアフラグには、セキュアプリントを実行させる指示に対応する第1値“ON”、或いはセキュアプリントを実行させない指示に対応する第2値“OFF”が設定される。識別情報は、ユーザによって指定されたPINである。識別情報には、セキュアフラグに第1値“ON”が設定される場合にのみ、有効な値が設定される。なお、識別情報は、ユーザが指定することなく、プリンタドライバが自動的に付与するIDであってもよい。
【0027】
セキュアプリントとは、識別情報の入力がされた後に開始されるプリントジョブを指す。すなわち、プリンタ10は、セキュアプリントの実行を指示するプリント指示情報を受信したことに応じて直ちにプリントジョブを開始せず、入力I/F24を通じて識別情報の入力を受け付けた後にプリントジョブを開始する。
【0028】
なお、プリントジョブには、プリント指示情報が含まれる。プリント指示情報は、プリントジョブの実行を指示するための情報であって、給送指示情報、頭出し指示情報、搬送指示情報、吐出指示情報、及び排出指示情報等を含む。
【0029】
[プリント処理]
以下、
図2が参照されつつ、プリンタ10によって実行されるプリント処理が説明される。プリンタ10は、通信I/F25を通じて情報処理端末50からプリントジョブを受信したことに応じて、プリント処理を実行する。以下の各処理は、ROM32に記憶されているプログラムをCPU31が読み出して実行してもよいし、コントローラ30に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0030】
プリンタ10のコントローラ30は、通信I/F25を通じて情報処理端末50から受信したプリントジョブに含まれるセキュアフラグに第1値“ON”が設定されているかを判断する(S11)。コントローラ30は、セキュアフラグに第1値“ON”が設定されていると判断したことに基づいて、そのプリントジョブをRAM33或いはEEPROM34に記憶させる(S12)。
【0031】
コントローラ30は、セキュアフラグに第2値“OFF”が設定されていると判断したことに基づいて、プリントジョブに含まれるプリント指示情報及び画像記録情報に基づいて、プリント処理を実行する。
【0032】
より詳細には、まず、コントローラ30は、受信した画像記録情報に従った給送処理及び頭出し処理を実行する(S13)。すなわち、コントローラ30は、画像記録情報において指定された第1トレイ12又は第2トレイ13に収容された用紙を搬送部21に給送させる。次に、コントローラ30は、給送処理で給送された用紙を、頭出し位置まで搬送部21に搬送させる。
【0033】
次に、コントローラ30は、プリントジョブに従った吐出処理を実行する(S14)。すなわち、コントローラ30は、主走査方向の一方から他方に吐出部22を移動させると共に、吐出指示情報に示される吐出タイミングで吐出部22にインクを吐出させる。
【0034】
次に、コントローラ30は、用紙の全ての記録領域に画像を記録したか否かを判断する(S15)。コントローラ30は、用紙の全ての記録領域に画像を記録していないと判断したことに応じて、すなわち1枚の用紙分の画像記録を終了していないと判断したことに応じ(S15:No)、所定の搬送量だけ搬送部21に用紙を搬送させる(S16)。コントローラ30は、1枚の用紙全ての画像記録を終了するまで、ステップS14~S16の処理を繰り返し実行する。
【0035】
そして、コントローラ30は、1枚の用紙の全ての画像記録を終了したと判断したことに応じて(S15:Yes)、排出処理を実行する(S17)。すなわち、コントローラ30は、画像が記録された用紙を搬送部21にプリンタ10の外部へ排出させる。なお、プリントジョブに複数のページデータが含まれる場合、ステップS13~S17の処理が繰り返し実行される。
【0036】
[セキュアプリント処理]
ユーザは、情報処理端末50においてセキュアプリントを指示したとき、情報処理端末50から離れてプリンタ10の元へ行き、入力I/F24へ入力を行いつつセキュアプリント処理をプリンタ10に実行させる。前述されたように、セキュアフラグに第1値“ON”が設定されているプリントジョブは、RAM33に記憶されている。ユーザが、複数のプリントジョブにおいてセキュアプリントを指示すると、RAM33或いはEEPROM34には複数のプリントジョブが記憶されている。
【0037】
図3に示されるように、コントローラ30は、認証情報の入力を入力I/F24を通じて受け付ける(S21)。ユーザが、指定したPINを入力したり、プリンタドライバが付与したIDを選択することにより、更には指定したパスワードを入力することにより、コントローラ30は認証を受け付ける(S21:Yes)。
【0038】
コントローラ30は、認証情報を受け付けた後、
図4に示されるように、ディスプレイ23に、登録されているプリントジョブをグループ化するか否かを問い合わせる問合せ画面51を表示する(S22)。問合せ画面51には、プリントジョブをグループ化するかを問い合わせる「登録ジョブをグループ化しますか?」の文章オブジェクトと、グループ化する意思を示す「Yes」の表示と、グループ化しない意思を示す「No」の表示と、が示されている。ユーザは、ディスプレイ23を見ることによって、プリントジョブをグループ化するか否かの入力が必要であることを認識し、入力I/F24を通じて、プリントジョブをグループ化するか否かの入力を行う。問合せ画面51は、問合せオブジェクトの一例である。
【0039】
コントローラ30は、問合せ画面51に対して「No」が入力I/F24を通じて入力されたことに応じて(S22:No)、問合せ画面51をディスプレイ23から消去し、グループ化を行うことなく、登録されているプリントジョブ、すなわち、RAM33或いはEEPROM34には記憶されているプリントジョブを選択可能なジョブリストとしてディスプレイ23に表示する(S23)。
【0040】
ユーザは、ジョブリストからプリント処理を実行するプリントジョブを入力I/F24を通じて選択して、所望のプリントジョブのプリント処理を実行する(S24)。プリント処理は、
図2におけるステップS13~S17と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略される。コントローラ30は、プリント処理を終了したプリントジョブをジョブリストから削除する。そして、ユーザは、残りのプリントジョブがあれば(S25:Yes)、前述と同様にジョブリストから選択してプリント処理を順次実行する。ステップS23~S25を繰り返し、RAM33或いはEEPROM34に記憶されているプリントジョブがなくなれば(S25:No)、コントローラ30は、セキュアプリント処理を終了する。
【0041】
コントローラ30は、問合せ画面51に対して「Yes」が入力I/F24を通じて入力されたことに応じて(S22:Yes)、コントローラ30は、複数のプリントジョブをグループ化すると判断して、グループキー決定処理を行う(S26)。グループ化とは、RAM33に記憶されている複数のプリントジョブを、その印刷条件に合わせて分類しリスト化して表示したり、各プリントジョブ毎にプリント処理を開始する指示を受け付けることなく、1回のプリント処理の開始指示によって複数のプリントジョブのプリント処理を連続して実行したりするための複数のプリントジョブのグループを決定することである。
【0042】
図5にステップ26のグループキー決定処理の詳細を示す。コントローラ30は、RAM33に記憶されている複数のプリントジョブのうち、ステップS21で受け付けた認証情報と一致する識別情報を有するプリントジョブを検索する(S31)。ステップS21で受け付けた認証情報は、情報処理端末50から特定のユーザが出力したプリントジョブが有する同一の識別情報を示している。検索された複数のプリントジョブが、グループ化対象となる。
【0043】
コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、現在のプリンタ10の第1トレイ12及び第2トレイ13にそれぞれ収容された用紙のサイズ及び種類と同じ用紙をサイズ情報として有するプリントジョブを検索する(S32)。より詳細には、コントローラ30は、EEPROM34に記憶されている第1トレイ12及び第2トレイ13にそれぞれ収容された用紙のサイズ及び種類(紙種)を示す情報(装置状態情報の一例)を読み出す。また、コントローラ30は、センサ14,15の出力信号を取得する。本実施形態では、第1トレイ12にA4サイズの普通紙が収容されており、また、第2トレイ13にA3サイズの普通紙が収容されている。
【0044】
コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、A4サイズ普通紙又はA3サイズ普通紙を示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在すると判断したことに応じて(S32:Yes)、A4サイズ普通紙又はA3サイズ普通紙の一方又は両方を優先キーとしてRAM33に記憶させる(S33)。本実施形態では、検索した複数のプリントジョブにおいて、A4サイズ普通紙を示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在したとする。したがって、コントローラ30は、A4サイズを優先グループキー(優先グループ条件の一例)としてRAM33に記憶させる。
【0045】
コントローラ30は、コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、A4サイズ普通紙又はA3サイズ普通紙を示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在しないと判断したことに応じて(S32:No)、現在のプリンタ10の第1トレイ12及び第2トレイ13にそれぞれ収容された用紙のサイズと同じ用紙をサイズ情報として有するプリントジョブを検索する(S34)。
【0046】
コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、A4サイズ又はA3サイズを示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在すると判断したことに応じて(S34:Yes)、A4サイズ又はA3サイズの一方又は両方を優先キーとしてRAM33に記憶させる(S35)。本実施形態では、検索した複数のプリントジョブにおいて、A4サイズを示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在すると判断したことに応じて(S36:Yes)、A4サイズを優先グループキーとしてRAM33に記憶させる(S37)。
【0047】
コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、A4サイズ又はA3サイズを示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在しないと判断したことに応じて(S32:No)、或いは、A4サイズ又はA3サイズの一方又は両方を優先キーとしてRAM33に記憶させる(S35)後、第1トレイ12及び第2トレイ13にそれぞれ収容された用紙の種類(本実施形態では普通紙)と同じ種類をサイズ情報として有するプリントジョブを検索する(S36)。
【0048】
コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、普通紙を示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在すると判断したことに応じて(S36:Yes)、普通紙を優先キーとしてRAM33に記憶させる(S37)。
【0049】
コントローラ30は、検索した複数のプリントジョブにおいて、普通紙を示すサイズ情報を有する複数のプリントジョブが存在しないと判断したことに応じて(S36:No)、検索した複数のプリントジョブのサイズ情報において、重複するサイズ又は種類を通常グループキー(通常グループ条件)としてRAM33に記憶させる(S38)。
【0050】
コントローラ30は、センサ14,15から取得した出力信号に基づいて、第1トレイ13及び第2トレイ14に収容されている各用紙の量が所定量未満であるか否かを判断する(S39)。なお、所定量は、特に制限はないが、数枚から数十枚程度の範囲から予め定められた量である。
【0051】
コントローラ30は、第1トレイ13又は第2トレイ14に収容されている各用紙の量が所定量未満であると判断したことに応じて(S39:Yes)、判断した第1トレイ13又は第2トレイ14に収容されている用紙のサイズと合致するグループキーを優先グループキーから通常グループキーに変更してRAM33に記憶させる(S40)。本実施形態では、第1トレイ13又は第2トレイ14に収容されている各用紙の量が所定量未満でないが、仮に第1トレイ13に収容されているA4サイズの用紙の量が所定量未満であれば、A4サイズを優先グループキーから通常グループキーへ変更する。そして、コントローラ30は、RAM33に記憶されている優先グループキー及び通常グループキーと、各グループキーを含むプリントジョブの数とを示すキーリストを生成してRAM33に記憶させて(S41)、問合せ画面51をディスプレイ23から消去し、グループキー決定処理(S26)を終了する。
【0052】
図3に示されているように、コントローラ30は、グループキー決定処理(S26)を終了した後、グループ化選択処理を行う(S27)。
図6(A)及び
図6(B)に示されるように、コントローラ30は、グループ化選択画面60をディスプレイ23に表示する。グループ化選択画面60には、画面に表示されているグループキーを選択してグループ化できることを示す「ジョブのグループ化を選択できます。」の文章と、任意に選択した一又は複数のグループキーによってグループ化することを選択するチェックボックス61と、選択したグループキーを示すプルダウンメニュー62と、選択内容を確定する「OK」と、問合せ画面51へ戻るための「Cancel」と、が表示されている。
【0053】
プルダウンメニュー62は、通常は、最上の一つのグループキーが表示されており、そのグループキーの右に表示されている「▼」が選択されることによって、上下方向に行をなす複数のグループキーのリストが、いずれか一のグループキーを選択可能に表示する。いずれか一のグループキーが選択されると、リストが閉じられて選択された一のグループキーのみが表示される。
【0054】
本実施形態では、プルダウンメニュー62は、複数が表示されている。
図6(A)に示されているように、第1行目のチェックボックス61の右横と第2行目のチェックボックス61の右横にそれぞれ一つのプルダウンメニュー62が表示されており、その右横には、さらにグループキーを追加するためのプルダウンメニュー62を増加する「+」が表示されている。
【0055】
図6(B)は、第2行目のプルダウンメニュー62の右横に、さらに一つのプルダウンメニュー62が追加された状態を示しており、二つのプルダウンメニュー62が左右に並んで表示されている。一つの行として表示されている複数のプルダウンメニュー62は、各プルダウンメニュー62の最上に表示された複数のグループキーによってグループ化することを示す。また、第2行目の二つのプルダウンメニュー62のように、左右方向の一つの行として表示されているプルダウンメニュー62は、その最上に表示された複数のグループキーによってグループ化が実行されることを示している。グループ化選択画面60には、チェックボックス61及びプルダウンメニュー62からなる二つの行を表示されているので、二つのグループ化が実行されることとなる。
【0056】
また、
図6(B)に示されるように、プルダウンメニュー62の右横には、のプルダウンメニュー62を削除するための「-」が表示されている。また
図6(A)に示されるように、最下行のチェックボックス61の下には、新しい行を追加するための「+」が表示されている。
【0057】
コントローラ30は、グループキー決定処理(S26)において生成したキーリストに基づいて各プルダウンメニュー62の表示を決定する。例えば、キーリストに、優先グループ条件として、A4サイズ+普通紙、A4サイズ、A3サイズ、普通紙の4つが挙げられているとする。A4サイズ、A3サイズそれぞれのグループ条件に合致するプリントジョブの数は、A4サイズの方が多いものとする。また、通常グループ条件として、A6サイズ、光沢紙の2つが挙げられているとする。
【0058】
まず、コントローラ30は、用紙サイズに関する優先グループ条件であるA4サイズ+普通紙、A4サイズ、及びA3サイズを、一つのプルダウンメニュー62の最上に表示すると決定する。そして、各プルダウンメニュー62の下位に表示するグループキーとして、その他の優先グループ条件及び通常グループ条件であるグループキーを決定する。例えば、第1行の最も左のプルダウンメニュー62は、最上のグループキーを「A4サイズ+普通紙」と決定する。そして、その下位のグループキーは、ジョブ数の多い「A4サイ」と決定し、さらに下位のグループキーをジョブ数の少ない「A3サイズ」と決定し、さらに下位のグループキーを種類の優先グループ条件である「普通紙」と決定する。また、優先グループ条件には、左上に「*」を付して表示する。
【0059】
さらに、コントローラ30は、通常グループ条件の「A6サイズ」、「光沢紙」を優先グループキーの下位に表示するグループキーとして決定して、プルダウンメニュー62を完成する。
【0060】
図6(A)に示されるように、第1行目のプルダウンメニュー62の最上位には、最上位のグループキーである「A4サイズ+普通紙」が表示される。第2行目のプルダウンメニュー62には、第1行目の最上位に表示されている「A4サイズ+普通紙」のグループキーは選択不能に削除され、また、「A4サイズ+普通紙」と同じサイズの「A4サイズ」のグループキーも選択不能に削除される。その結果、「A3サイズ」のグループキーが最上位に表示される。
【0061】
図6(B)に示されるように、第2行目にさらに追加された二つ目のプルダウンメニュー62では、既に一つ目のプルダウンメニュー62において「A3サイズ」が選択されていることから、用紙サイズに関するグループキーが選択不能に削除されて、「普通紙」及び「光沢紙」が選択可能である。また、第3行目に更にプルダウンメニュー62が追加されると、第1行目及び第2行目のプルダウンメニュー62で選択されているサイズ情報に対応する「A4サイズ+普通紙」、「A4サイズ」、及び「A3サイズ」が選択不能に削除され、「普通紙」、「A6サイズ」、及び「光沢紙」が選択可能に表示される。
【0062】
ユーザが入力I/F24を通じて「OK」の入力をすると、コントローラ30は、チェックボックス51にチェックが入力されている各行のプルダウンメニュー62に表示されたグループキーによって、RAM33或いはEEPROM34に記憶されている複数のプリントジョブのグループ化を行う。グループ化された複数のプリントジョブは、グループ化に用いたグループキーとの関連がRAM33に記憶される。
【0063】
図3に示されるように、コントローラ30は、グループ化選択画面60において「OK」が入力されると、グループ化選択画面60に代えて、グループリスト画面70をディスプレイ23に表示する(S28)。
図7に示されるように、グループリスト画面70には、グループ化された複数のプリントジョブのグループキーと、その左に入力可能なチェックボックスとが同じ行に表示されている。本実施形態では、A4サイズ+普通紙、A3サイズ+普通紙の2つのグループ化がされているので、「A4サイズ+普通紙」、「A3サイズ+普通紙」が2行に分けて表示されている。また、グループ化選択画面60の最下段には、チェックにより選択されたグループを一括して印刷することを示す「一括印刷」の表示がされている。
【0064】
ユーザは、グループリスト画面70において、プリント処理を実行するグループを、チェックを入力することによって選択できる。
図7においては、A4サイズ+普通紙、A3サイズ+普通紙の2つのグループが選択されている。
【0065】
コントローラ30は、グループリスト画面70に対して「一括印刷」が入力I/F24を通じて入力されたことに応じて、グループリスト画面70において選択された複数のプリントジョブのプリント処理を一括して実行する(S29)。なお、図示されていないが、グループリスト画面70において、「A4サイズ+普通紙」又は「A3サイズ+普通紙」をダブルクリックなどによってユーザが選択すると、そのグループに属する各プリントジョブのリストが表示されてもよい。リストに表示されたプリントジョブをユーザが選択することによって、選択されたプリントジョブのプリント処理が実行可能である。
【0066】
また、プリント処理は、選択された複数のプリントジョブのそれぞれについてプリント開始の指示を受けることなく連続して各プリントジョブのプリント処理を実行するほかは、
図2におけるステップS13~S17と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略される。
【0067】
なお、第1トレイ13及び第2トレイ14に収容されている各用紙のサイズ及び種類の一方のみが一致するグループが作成されて、そのグループに対して一括印刷が入力されることがある。例えば、「普通紙」のグループが作成されて、そのグループには、A4サイズの普通紙に印刷するプリントジョブと、A6サイズの普通紙に対するプリントジョブとが属しているとする。この場合の一括印刷においては、選択された複数のプリントジョブのそれぞれについてプリント開始の指示を受けることなく連続して各プリントジョブのプリント処理を実行してもよいし、第1トレイ13及び第2トレイ14に収容されている各用紙と一致しない用紙に対するプリントジョブについては、コントローラ30は、プリント処理を開始する前に、用紙を交換するかをユーザに問い合わせてもよい。すなわち、a6サイズの普通紙に対するプリントジョブについて、ユーザへ問い合わせることなく、第1トレイ13及び第2トレイ14にそれぞれ収容されているA4サイズの普通紙又はA3サイズの普通紙に印刷を行ってもよいし、第1トレイ13又は第2トレイ14に収容されている用紙を交換するかをユーザに問い合わせてもよい。
【0068】
コントローラ30は、プリント処理を終了したグループをグループリストから削除する。本実施形態では、2つのグループが選択されているので残りのグループは存在しないが、仮に、残りのグループがあれば(S30:Yes)、前述と同様にグループリスト画面70がディスプレイ23に表示される。このとき、既にプリント処理が実行されたグループはグループリストから削除される。そして、グループリストにおいて選択されたグループのプリント処理を、コントローラ30が順次実行する。そして、ステップS28~S30を繰り返し、プリント処理が実行されていないグループが無くなれば(S30:No)、グループ化されていないプリントジョブを選択可能なジョブリストとしてディスプレイ23に表示する(S23)。
【0069】
ユーザは、前述と同様に、グループ化されていないプリントジョブのうちプリント処理を実行するプリントジョブをジョブリストから選択し、選択されたプリントジョブに対してコントローラ30がプリント処理を順次実行する。そして、ステップS23~S25を繰り返し、RAM33或いはEEPROM34に記憶されているプリントジョブがなくなれば(S25:No)、コントローラ30は、セキュアプリント処理を終了する。
【0070】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、問合せ画面51において、複数のプリントジョブをグループ化することが入力されたときのプリンタ10の状態、すなわち第1トレイ12及び第2トレイ13に収容されている用紙のサイズ及び種類と一致するサイズ情報及び用紙情報を有するプリントジョブのグループ化が実行される。
【0071】
また、問合せ画面51において、複数のプリントジョブのグループ化を行うかについて、ユーザが選択可能である。
【0072】
また、グループ化選択画面60において、複数の優先グループ条件であるグループキーのいずれを用いてプリントジョブをグループ化するかをユーザが選択可能である。
【0073】
また、プルダウンメニュー62において、ジョブ数が多いグループキーが上位に表示されるので、ジョブ数が多いグループキーをユーザが選択しやすい。
【0074】
また、第1トレイ12又は第2トレイ13に収容されている用紙の量が所定量未満であれば、グループキーから削除されるので、直ちに画像記録が行えない、または画像記録の途中で用紙がなくなりそうなプリントジョブを、ユーザがグループ化対象として選択することが抑制される。
【0075】
また、第1トレイ12及び第2トレイ13に収容されている用紙のサイズ及び種類と一致しないサイズ情報及び用紙情報を有するプリントジョブが複数あれば、そのサイズ又は種類をグループキーとするので、優先グループ条件以外で重複する画像記録情報を有するプリントジョブを、ユーザが選択してグループ化することができる。
【0076】
また、コントローラ30は、受け付けた認証情報と一致する識別情報を有するプリントジョブをグループ化対象とするので、ユーザ毎にグループ化を行うことができる。また、他のユーザのプリントジョブがディスプレイ23に表示されることが抑制される。
【0077】
[変形例]
前述された実施形態では、プリンタ10の第1トレイ12及び第2トレイ13がそれぞれ収容する用紙のサイズ及び種類が優先グループ条件であるが、これに代えて、画像記録によって消費される消耗品、例えばインクやトナーに関する情報が優先グループ条件とされてもよい。例えば、装置状態として、黒インクは十分に残っており、カラーインクが少ない(例えばエンプティ)であり、プリントジョブとして黒だけを使用するモノクロ印刷が設定されている場合、装置状態情報と画像記録情報とが一致すると判断して、優先グループ条件としてモノクロ印刷を生成してもよい。
【0078】
また、前述された実施形態では、コントローラ30は、問合せ画面51に対して「Yes」が入力I/F24を通じて入力されたことに応じて、EEPROM34に記憶されている第1トレイ12及び第2トレイ13にそれぞれ収容された用紙のサイズ及び種類を示す情報(装置状態情報)を読み出したが、コントローラ30が装置状態情報を取得するタイミングは、情報処理端末50においてプリントジョブを出力した後に、プリンタ10において入力を行う別のタイミングであってもよい。例えば、コントローラ30は、認証情報の入力を受け付けた後に、装置状態情報を取得してもよい。
【0079】
さらに、本発明は、プリンタ10として実現できるだけでなく、プリンタ10に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non-transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non-transitoryな記録媒体は、CD-ROM、DVD-ROM等の他、通信ネットワークを通じてプリンタ10に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワークを通じて配信されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10・・・プリンタ(画像記録装置)
23ディスプレイ(表示部)
24・・・入力I/F(入力インタフェース)
30・・・コントローラ
33・・・RAM(メモリ)
34・・・EEPROM(メモリ)