(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】綴じ装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20231031BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231031BHJP
B42B 5/00 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
G03G15/00 432
B42B5/00
(21)【出願番号】P 2019186735
(22)【出願日】2019-10-10
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 匡史
(72)【発明者】
【氏名】野辺 裕
(72)【発明者】
【氏名】小澤 秀明
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-199235(JP,A)
【文献】特開2017-185787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/04
G03G 15/00
B42B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、
前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、
前記押圧部材による記録材束の押圧の開始後における当該押圧部材の前記負荷の減少を検出する検出手段と、
を備え
、
前記制御手段は、前記負荷の減少が前記検出手段に検出された時機よりも後に前記押圧を解除するよう制御する、綴じ装置。
【請求項2】
前記押圧部材を駆動力で駆動する駆動手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記駆動手段の前記駆動力の低下を検出することを特徴とする請求項
1記載の綴じ装置。
【請求項3】
供給される電流により前記押圧部材を駆動する駆動手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記電流の値の減少を検出することを特徴とする請求項
1記載の綴じ装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記電流の値が0.5A以上減少した際に、前記押圧部材の前記負荷の減少を検出することを特徴とする請求項
3記載の綴じ装置。
【請求項5】
記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、
前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記押圧部材の前記時機よりも後における当該押圧部材の押圧時間を制御する
、綴じ装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記押圧部材が記録材束の押圧を開始してから当該押圧部材の前記負荷が減少するまでの時間に基づいて、前記押圧時間を設定することを特徴とする請求項
5記載の綴じ装置。
【請求項7】
記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、
前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、記録材束の記録材の枚数が予め定められた第1枚数よりも多い場合に、前記制御を行う
、綴じ装置。
【請求項8】
記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、
前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、記録材束の記録材の枚数が予め定められた第2枚数より少ない場合、多い場合よりも、前記押圧部材の前記負荷の減少後における当該押圧部材の当該負荷を減少させる
、綴じ装置。
【請求項9】
記録材への画像形成を行う画像形成装置と、当該画像形成装置により画像が形成された記録材の束である記録材束に対して綴じを施す綴じ装置とを備え、当該綴じ装置が、請求項1乃至
8の何れかに記載の綴じ装置により構成された画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綴じ装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シート束の最終のシートがシート後処理装置内に搬入されてから綴じられるまでの待機時間を可変制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
綴じ装置では、押圧部材に設けられた第1の歯と第2の歯とで記録材束を挟んで押圧することがある。また、押圧部材が記録材束に加える力の条件や押圧部材による記録材束の押圧時間の条件等の押圧条件として、綴じの性能の確保に必要な押圧条件が存在する。
ここで、例えば記録材束を構成する記録材の枚数に応じて変える等予め定められた押圧条件のみで制御する等、一定の押圧条件のもとで押圧部材が記録材束を押圧すると、場合によっては、綴じの性能が低下することがある。
本発明は、一定の押圧条件のもとで押圧部材が記録材束を押圧する場合に比べて、綴じの性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、前記押圧部材による記録材束の押圧の開始後における当該押圧部材の前記負荷の減少を検出する検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記負荷の減少が前記検出手段に検出された時機よりも後に前記押圧を解除するよう制御する、綴じ装置である。
請求項2に記載の発明は、前記押圧部材を駆動力で駆動する駆動手段をさらに備え、前記検出手段は、前記駆動手段の前記駆動力の低下を検出することを特徴とする請求項1記載の綴じ装置である。
請求項3に記載の発明は、供給される電流により前記押圧部材を駆動する駆動手段をさらに備え、前記検出手段は、前記電流の値の減少を検出することを特徴とする請求項1記載の綴じ装置である。
請求項4に記載の発明は、前記検出手段は、前記電流の値が0.5A以上減少した際に、前記押圧部材の前記負荷の減少を検出することを特徴とする請求項3記載の綴じ装置である。
請求項5に記載の発明は、記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記押圧部材の前記時機よりも後における当該押圧部材の押圧時間を制御する、綴じ装置である。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、前記押圧部材が記録材束の押圧を開始してから当該押圧部材の前記負荷が減少するまでの時間に基づいて、前記押圧時間を設定することを特徴とする請求項5記載の綴じ装置である。
請求項7に記載の発明は、記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、記録材束の記録材の枚数が予め定められた第1枚数よりも多い場合に、前記制御を行う、綴じ装置である。
請求項8に記載の発明は、記録材束に凹凸を形成する第1の歯および当該第1の歯と対をなし記録材束に凹凸を形成する第2の歯を有し、当該第1の歯と当該第2の歯とで記録材束を挟んで押圧する押圧部材と、前記押圧部材が記録材束の押圧を開始した後に当該押圧部材の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、記録材束の記録材の枚数が予め定められた第2枚数より少ない場合、多い場合よりも、前記押圧部材の前記負荷の減少後における当該押圧部材の当該負荷を減少させる、綴じ装置である。
請求項9に記載の発明は、記録材への画像形成を行う画像形成装置と、当該画像形成装置により画像が形成された記録材の束である記録材束に対して綴じを施す綴じ装置とを備え、当該綴じ装置が、請求項1乃至8の何れかに記載の綴じ装置により構成された画像形成システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、制御手段が、綴じ毎に綴じを制御することができる。
請求項2の発明によれば、押圧部材にかかる負荷自体を測定する必要がなくなる。
請求項3の発明によれば、押圧部材にかかる負荷自体を測定する必要がなくなる。
請求項4の発明によれば、あまりに小さすぎる負荷の減少を検出したりあまりに大きすぎる負荷の減少でないと検出しない場合に比べて、負荷の減少の検出手段による検出の誤りを抑制できる。
請求項5の発明によれば、記録材束の変化のしやすさに応じて押圧時間を設定することができる。
請求項6の発明によれば、記録材束への負荷を与えた時間に応じて、押圧時間を設定することができる。
請求項7の発明によれば、記録材束の記録材の枚数に関わらず制御する場合に比べて、制御手段にかかる処理の負荷を軽減させることができる。
請求項8の発明によれば、記録材束の記録材の枚数に関わらず負荷の減少後における押圧部材の負荷を一定にする場合に比べて、破れ等による綴じ力の低下を抑制する。
請求項9の発明によれば、一定の押圧条件のもとで押圧部材が記録材束を押圧する場合に比べて、綴じの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図2の矢印III方向から針無し綴じユニット等を眺めた場合の図である。
【
図4】針無し綴じユニット50の構成を示した斜視図である。
【
図5】(a)、(b)は、
図3のV-V線における断面図である。
【
図6】(a)は、針無し綴じユニットが綴じ処理を開始してから経過した時間と、カムモータに供給される電流の電流値との関係を示した図であり、(b)は、時間T1経過時における上方押圧部材および下方押圧部材と用紙束との関係を示した図であり、(c)は、時間T2経過時における上方押圧部材および下方押圧部材と用紙束との関係を示した図である。
【
図7】綴じ制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図8】変形例としての綴じ制御処理の流れを示したフローチャートである。
【
図9】(a)は、針無し綴じユニットが綴じ処理を開始してから経過した時間と、カムモータに供給される電流の電流値との関係を示した図であり、(b)は、上方押圧部材および下方押圧部材にかかる負荷が減少するまでに電流が供給された時間の長さと、負荷の減少後における押圧時間との対応関係を示した図である。
【
図10】変形例2における綴じ制御処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像形成システムの構成>
図1は、本実施形態が適用される画像形成システム500の構成を示した図である。
図1に示す画像形成システム500は、記録材の一例としての用紙Pに画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1により画像形成が行われた用紙Pに対して綴じ処理等の後処理を行う後処理装置2とを備える。
【0009】
画像形成装置1としては、例えば、プリンタや複写機等が挙げられる。
画像形成装置1には、各色画像データに基づいて画像形成を行う4つの画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Kが設けられている。画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Kを特に区別しないで説明する場合には、単に画像形成ユニット100と称する。
また、画像形成装置1には、各画像形成ユニット100に設けられた感光体ドラム107を露光するレーザ露光装置101が設けられている。さらに、画像形成装置1には、各画像形成ユニット100にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト102が設けられている。
【0010】
また、画像形成装置1には、各画像形成ユニット100にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト102に一次転写する一次転写ロール103、中間転写ベルト102上に転写された各色トナー像を用紙Pに二次転写する二次転写ロール104、二次転写された各色トナー像を用紙P上に定着する定着装置105が設けられている。また、画像形成装置1には、プログラム制御されたCPUにより構成され、画像形成装置1の動作を制御する本体制御部106が設けられている。
また、画像形成装置1には、ユーザに対して情報を表示するUI(User Interface)30が設けられている。UI30は、表示パネルなどによって構成される。また、UI30は、ユーザからの操作を受け付ける。
【0011】
画像形成装置1の各画像形成ユニット100では、感光体ドラム107への帯電工程、レーザ露光装置101からの走査露光による感光体ドラム107での静電潜像形成工程、形成された静電潜像への各色トナーの現像工程等を経て、各色のトナー像が形成される。
各画像形成ユニット100に形成された各色トナー像は、一次転写ロール103により中間転写ベルト102上に一次転写される。そして、各色トナー像は、中間転写ベルト102の移動に伴って二次転写ロール104の設置位置へ搬送される。
【0012】
一方、画像形成装置1には、異なるサイズや異なる紙種の複数の用紙Pが、それぞれ用紙収容部110A~110Dに収容されている。
そして、用紙Pへの画像形成時には、例えば、ピックアップロール111により用紙収容部110Aから用紙Pが取り出され、搬送ロール112によって1枚ずつレジストロール113の位置まで搬送される。
【0013】
そして、中間転写ベルト102上の各色トナー像が、二次転写ロール104の配置位置に搬送されるタイミングに合わせて、レジストロール113から用紙Pが供給される。
これにより、各色トナー像は、二次転写ロール104により形成された転写電界の作用によって用紙P上に一括して二次転写される。
【0014】
その後、各色トナー像が二次転写された用紙Pは、中間転写ベルト102から剥離されて定着装置105に搬送される。定着装置105では、熱および圧力による定着処理により各色トナー像が用紙P上に定着され、画像が形成される。
そして、画像が形成された用紙Pは、搬送ロール114によって画像形成装置1の用紙排出部Tから排出され後処理装置2へ供給される。
後処理装置2は、画像形成装置1の用紙排出部Tの下流側に配置され、画像が形成された用紙Pに対して綴じ処理等を行う。
【0015】
<後処理装置の構成>
次に、後処理装置2の構成について説明する。
図2は、後処理装置2の構成を示した図である。
後処理装置2には、画像形成装置1の用紙排出部Tに接続されたトランスポートユニット21と、トランスポートユニット21により搬送されてきた用紙Pに対して予め定められた処理を施すフィニッシャユニット22とが設けられている。
また、後処理装置2には、プログラム制御されたCPUにより構成され、後処理装置2の各機構部を制御する用紙処理制御部23が設けられている。制御手段の一例としての用紙処理制御部23は、不図示の信号ラインで本体制御部106(
図1参照)と接続され、相互に制御信号等の送受信を行う。
【0016】
後処理装置2のトランスポートユニット21には、画像形成装置1にて画像形成された後の用紙Pをフィニッシャユニット22に向けて搬送する複数の搬送ロール211が設けられている。
【0017】
フィニッシャユニット22には、フィニッシャユニット本体221、用紙Pを必要枚数だけ集積させて用紙束を生成する用紙集積部60と、用紙集積部60にて生成された用紙束の端部に対してステープルを用いずに綴じ処理を施す針無し綴じユニット50とが設けられている。また、フィニッシャユニット22には、用紙集積部60にて生成された用紙束の端部に対してステープルを用いて綴じ処理を施す針有り綴じユニット70と、用紙集積部60にて生成された用紙束の端部に対して穴あけ処理を行う穴あけユニット80とが設けられている。
【0018】
また、フィニッシャユニット22には、回転可能に設けられ用紙集積部60にて生成された用紙束の搬送に用いられる搬送ロール61が設けられている。さらに、フィニッシャユニット22には、回転軸62aを移動中心として揺動可能に設けられ、搬送ロール61から退避した位置、および、搬送ロール61に圧接する位置へ移動可能な可動ロール62が設けられている。また、フィニッシャユニット22には、搬送ロール61および可動ロール62により搬送されてきた用紙束が積載されるスタッカー81が設けられている。スタッカー81は、保持する用紙束の量に応じて上下移動する。
【0019】
後処理装置2による処理が行われる際には、まず、後処理装置2のトランスポートユニット21に、画像形成装置1から用紙Pが搬入される。トランスポートユニット21に搬入された用紙Pは、搬送ロール211によってフィニッシャユニット22に送られる。
フィニッシャユニット22に送られた用紙Pは、用紙集積部60まで搬送される。詳細には、用紙Pは、用紙集積部60の上方まで搬送された後に用紙集積部60に落下する。そして、この用紙Pは、用紙集積部60に設けられた支持板67によって下方から支持される。さらに、この用紙Pは、支持板67に付与された傾斜および回転するパドル69によって、支持板67の上をスライド移動する。
【0020】
その後、この用紙Pは、支持板67の端部に取り付けられたエンドガイド64に突き当たる。これにより、本実施形態では、用紙Pの移動が停止される。
以後、用紙Pが上流側から搬送されてくる度にこの動作が行われ、用紙集積部60上には、用紙Pの後端部が揃えられた状態の用紙束が生成される。この用紙束は、記録材束として捉えられる。
【0021】
そして、予め定められた枚数の用紙Pが支持板67上に積載され、支持板67上に用紙束が生成されると、針無し綴じユニット50、針有り綴じユニット70、穴あけユニット80等を用いて、用紙束に対する後処理が実行される。なお、本実施形態では、予め定められた枚数は、針無し綴じユニット50においては10枚、針有り綴じユニット70においては50枚、穴あけユニット80においては70枚と、後処理に応じて設定されている。
用紙束に対する後処理が終了すると、可動ロール62が搬送ロール61に向かって進出し、可動ロール62および搬送ロール61により用紙束が挟まれる。その後、搬送ロール61、可動ロール62が回転駆動を行い、綴じ処理が施された用紙束がスタッカー81へ搬送される。
【0022】
図3は、
図2の矢印III方向から針無し綴じユニット50等を眺めた場合の図である。
用紙集積部60には、揃え部材65が設けられている。一部の図示を省略するが、揃え部材65は、用紙集積部60の幅方向における両端部に設けられている。揃え部材65は、用紙Pが用紙集積部60に積載する毎に、用紙Pの側辺に押し当てられ、用紙Pの端部の位置を揃える。また、揃え部材65は、用紙束Bの幅方向に移動し、用紙束Bの幅方向へ用紙束Bを移動させる。
【0023】
図3の矢印3Aで示すように、針無し綴じユニット50は、用紙束Bの搬送方向に移動可能に設けられている。そして、針無し綴じユニット50は、移動した位置にて、例えば、用紙束Bのうちの(3a)領域や(3b)領域等、用紙束Bの搬送方向における複数箇所で綴じ処理を行う。また、針無し綴じユニット50は、用紙束Bの角部の付近に移動し、用紙束Bのうちの(3c)領域が示す用紙束Bの角部に対して綴じ処理を行う。
【0024】
用紙束Bのうちの(3a)領域を綴じるための位置と(3b)領域を綴じるための位置との間では、針無し綴じユニット50は直線的に移動する。一方、用紙束Bのうちの(3b)領域を綴じるための位置と(3c)領域を綴じるための位置との間では、針無し綴じユニット50は、例えば、45°の回転を伴いながら移動する。
なお、用紙集積部60には、複数の切り欠き60Aが設けられている。これにより、針無し綴じユニット50と用紙集積部60との干渉が避けられる。
【0025】
<針無し綴じユニットの構成>
次に、針無し綴じユニット50の構成について説明する。
図4は、針無し綴じユニット50の構成を示した斜視図である。また、
図5(a)、(b)は、
図3のV-V線における断面図である。
【0026】
図4に示すように、綴じ装置の一例としての針無し綴じユニット50には、上方押圧部材51が設けられている。また、針無し綴じユニット50には、上方押圧部材51と対をなし、上方押圧部材51に対向して配置される下方押圧部材52が設けられている。
上方押圧部材51は、下方押圧部材52に対して進退可能に設けられている(図中矢印D1およびD2参照)。
【0027】
上方押圧部材51には、上方基部53と、上方基部53から突出した上方凹凸部54とが設けられている。上方凹凸部54は、一方向(図中矢印4A方向)に沿って延びて設けられている。
第1の歯の一例としての上方凹凸部54には、複数の上方凸部54aと、複数の上方凹部54bと、複数の上方接続面54cとが設けられている。
【0028】
第1凸部の一例としての上方凸部54aは、上方凹凸部54の長手方向に複数並んで配置される。また、上方凸部54aは、上方基部53の表面53aから下方に向かって突出している。また、上方凸部54aは、上方凹凸部54の短手方向(上方凹凸部54の長手方向と交差する方向)に沿って形成される。
【0029】
第1凹部の一例としての上方凹部54bは、上方凹凸部54の長手方向において隣り合う二つの上方凸部54aの間に形成される。付言すると、上方凹凸部54の長手方向において、上方凸部54aと上方凹部54bとは、交互に配置されている。
上方接続面54cは、上方凸部54aと、この上方凸部54aの隣に設けられている上方凹部54bとを接続する面である。
【0030】
下方押圧部材52には、下方基部57と、下方基部57から突出した下方凹凸部58とが設けられている。下方凹凸部58は、上方凹凸部54の長手方向に沿って延びて設けられている。
第2の歯の一例としての下方凹凸部58には、複数の下方凸部58aと、複数の下方凹部58bと、複数の下方接続面58cとが設けられている。
【0031】
第2凸部の一例としての下方凸部58aは、下方凹凸部58の長手方向に複数並んで配置される。また、下方凸部58aは、下方基部57の表面57aから上方に向かって突出している。また、下方凸部58aは、下方凹凸部58の短手方向(下方凹凸部58の長手方向と交差する方向)に沿って形成される。
【0032】
第2凹部の一例としての下方凹部58bは、下方凹凸部58の長手方向において隣り合う二つの下方凸部58aの間に形成される。付言すると、下方凹凸部58の長手方向において、下方凸部58aと下方凹部58bとは、交互に配置されている。
下方接続面58cは、下方凸部58aと、この下方凸部58aの隣に設けられている下方凹部58bとを接続する面である。
【0033】
上方押圧部材51の上方凹凸部54は、用紙束B(
図3参照)を介して下方押圧部材52の下方凹凸部58と噛み合うことにより、用紙束Bを押圧して用紙束Bに凹凸を形成する。ここで、上方押圧部材51および下方押圧部材52は、上方凹凸部54と下方凹凸部58とで用紙束Bを挟んで押圧する押圧部材として捉えられる。
【0034】
また、
図5(a)に示すように、針無し綴じユニット50には、上方押圧部材51と下方押圧部材52との間に配置された楕円状のカム59と、電源(不図示)から電流の供給を受けて回転することでカム59を駆動するカムモータM1とが設けられている。
さらに、針無し綴じユニット50には、カムモータM1に供給される電流の電流値を監視するモニタSが設けられている。検出手段の一例としてのモニタSは、電源からカムモータM1に供給される電流の電流値を測定する。そして、測定した電流値に関する情報を、用紙処理制御部23に送信する。
【0035】
上方押圧部材51の上方基部53には、下方押圧部材52側に向かって突出する突出部531Bが設けられ、さらに、この突出部531Bには、貫通孔531Aが形成されている。
下方押圧部材52の下方基部57には、上方押圧部材51側に向かって突出する突出部571Bが設けられ、この突出部571Bには、不図示の貫通孔が形成されている。
【0036】
また、本実施形態では、上方押圧部材51に設けられた貫通孔531Aおよび下方押圧部材52に設けられた貫通孔に対して、ピンPNが通されている。本実施形態では、このピンPNを中心に、上方基部53および下方基部57が揺動する。
さらに、本実施形態では、ピンPNよりも用紙束B側に上方凹凸部54および下方凹凸部58が設けられ、ピンPNを挟み用紙束Bが設けられている側とは反対側に、カム59が設けられている。
【0037】
本実施形態では、カム59がカムモータM1の回転力を受けて回転すると、
図5(b)に示すように、上方凹凸部54と下方凹凸部58とが近づくように移動し、用紙束Bは上方凹凸部54と下方凹凸部58に挟まれ、用紙束Bに圧力が加わる。これにより、用紙束Bを構成する用紙Pの繊維が絡むようになり、隣接する用紙P同士が接合され、複数の用紙Pを綴じる綴じ部Vが形成される。上方凹凸部54と下方凹凸部58とが近づく方向へのカムモータM1の回転を、以下では、正転と称する。また、カムモータM1は、上方押圧部材51および下方押圧部材52を駆動力で駆動する駆動手段として捉えられる。
また、カム59がカムモータM1の逆転による回転力を受けて回転すると、上方凹凸部54と下方凹凸部58とが遠ざかるように移動し、これにより、上方凹凸部54および下方凹凸部58による用紙束Bの押圧が解除される。ここで、逆転とは、正転とは逆方向への回転である。
【0038】
なお、針無し綴じユニット50の具体的構成、特に上方凹凸部54と下方凹凸部58とを近づけて用紙束Bを挟むための機構については、
図5を参照して説明した構成に限定されない。上方凹凸部54と下方凹凸部58とを近づけて用紙束Bを挟むための機構については、上方凹凸部54および下方凹凸部58により用紙束Bを挟んで加圧することが可能な種々の構成を採り得る。
【0039】
<綴じ処理中における押圧部材と用紙束との関係>
次に、針無し綴じユニット50の綴じ処理中における上方押圧部材51および下方押圧部材52と用紙束Bとの関係について説明する。
図6(a)は、針無し綴じユニット50が綴じ処理を開始してから経過した時間と、カムモータM1(
図5参照)に供給される電流の電流値との関係を示した図である。また、
図6(b)は、時間T1経過時における上方押圧部材51および下方押圧部材52と用紙束Bとの関係を示した図である。また、
図6(c)は、時間T2経過時における上方押圧部材51および下方押圧部材52と用紙束Bとの関係を示した図である。
【0040】
針無し綴じユニット50の綴じ処理においては、上方押圧部材51と下方押圧部材52とが近づくことで用紙束Bに接し用紙束Bの押圧を開始し、その後も、時間の経過にしたがって上方押圧部材51と下方押圧部材52とが徐々に近づき用紙束Bを押圧する。
用紙処理制御部23は、上方押圧部材51と下方押圧部材52とを近づけるために必要な駆動力を上方押圧部材51および下方押圧部材52に与えるように制御する。より具体的には、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51と下方押圧部材52とを近づけるために必要な電流をカムモータM1に供給させるように制御する。また、カムモータM1に電流が供給される時間が長くなるほど、上方押圧部材51と下方押圧部材52とがより近づくようになる。そのため、カムモータM1に電流が供給される時間が長くなるほど、用紙束Bのうちの綴じが施される部分の変形量が大きくなる。
【0041】
ここで、上方押圧部材51および下方押圧部材52は、用紙束Bを挟むと、用紙束Bから反力を受けるが、この反力が大きいほど、上方押圧部材51と下方押圧部材52とを近づけるためにカムモータM1へ供給することが必要な電流の電流値が大きくなる。そのため、時間の経過にしたがって上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bから受ける反力が大きくなる場合、カムモータM1へ供給される電流の電流値も時間の経過にしたがって大きくなる。また、用紙束Bの反力が大きいほど、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が増加する。
【0042】
以下では、用紙処理制御部23が、上方押圧部材51および下方押圧部材52に用紙束Bを予め定められた時間押圧させることで綴じ処理を制御する場合について説明する。
針無し綴じユニット50の綴じ処理が開始されると、まず、カムモータM1は、電流の供給を受けて回転し、カム59を回転させる。カム59が回転すると、上述の通り、上方押圧部材51の上方凹凸部54と下方押圧部材52の下方凹凸部58とが近づき、上方凹凸部54および下方凹凸部58が用紙束Bに接し、用紙束Bに圧力が加わる。
用紙束Bに圧力が加わると、用紙束Bの反力が生じるが、カムモータM1に供給される電流の電流値が増加することで、上方凹凸部54と下方凹凸部58とがさらに近づくようになる。また、上方凹凸部54と下方凹凸部58とが近づくことで、用紙束Bが上方凹凸部54と下方凹凸部58とに挟まれて伸ばされると、用紙束Bの反力も大きくなり、上方凹凸部54および下方凹凸部58にかかる負荷も増加する。このようにして、
図6(a)に示すように、綴じ処理の開始後は、時間の経過にしたがって、カムモータM1に供給される電流の電流値が増加する。
【0043】
綴じ処理が開始されてから時間T1が経過すると、上方押圧部材51および下方押圧部材52と用紙束Bとの関係は、
図6(b)に示したようになる。このとき、用紙束Bは、上方凹凸部54と下方凹凸部58とに挟まれて伸ばされており、上方凸部54aおよび下方凸部58aに沿った形に変形している。その一方で、用紙束Bと上方凹部54bとの間には隙間G1が生じており、用紙束Bは、上方凹凸部54に沿った形には変形していない。言い換えると、用紙束Bは、上方接続面54cに沿った状態にはなっていない。また、用紙束Bと下方凹部58bとの間には隙間G2が生じており、用紙束Bは、下方凹凸部58に沿った形には変形していない。言い換えると、用紙束Bは、下方接続面58cに沿った状態にはなっていない。
【0044】
そして、上方凹凸部54と下方凹凸部58とがさらに近づき、用紙束Bがさらに伸ばされる、用紙束Bの各用紙を構成する繊維の一部が破断する。この破断が生じると、用紙束Bの反力が小さくなり、上方凹凸部54および下方凹凸部58にかかる負荷が減少する。そのため、
図6(a)に示すように、時間T1が経過した直後において、上方凹凸部54と下方凹凸部58とを近づけるためにカムモータM1に供給される電流の電流値が減少する。また、このとき、用紙束Bは、上方凹凸部54および下方凹凸部58にさらに押し込まれるようになる。
【0045】
綴じ処理が開始されてから時間T2が経過すると、上方押圧部材51および下方押圧部材52と用紙束Bとの関係は、
図6(c)に示したようになる。このとき、用紙束Bは、時間T1経過時(
図6(b)参照)に生じていた隙間G1および隙間G2に入り込んでおり、用紙束Bにおいて破断により絡まりが弛緩した各用紙の繊維が絡み始める。これにより、用紙束Bは、上方凹凸部54および下方凹凸部58に沿った形に変形している。言い換えると、用紙束Bは、上方接続面54cおよび下方接続面58cに沿った状態になっている。
【0046】
この後、用紙束Bが上方凹凸部54および下方凹凸部の押圧力を受けると、用紙束Bの反力は再び大きくなるが、カムモータM1に供給される電流の電流値も再び増加することで、上方凹凸部54と下方凹凸部58とがさらに近づき、用紙束Bの押圧が継続される。そして、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bを押圧する予め定められた時間に対応する時間T3(
図6(a)参照)が経過すると、カムモータM1への電流の供給が終了する。これにより、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧が解除される。
【0047】
このように、針無し綴じユニット50を用いた綴じ処理においては、上方押圧部材51および下方押圧部材52が時間をかけて用紙束Bを押圧することで、用紙束Bを綴じる。ここで、上方押圧部材51および下方押圧部材52の押圧時間として、綴じの性能を確保するために必要な押圧時間が存在し、この押圧時間は、綴じ処理の対象となる用紙束Bを構成する用紙の枚数によって異なる。そのため、綴じの対象となる用紙束Bを構成する用紙の枚数に関わらず、一定の押圧時間により用紙束Bを押圧すると、用紙束Bを構成する用紙の枚数によっては、綴じの性能が低下することがある。なお、押圧時間とは、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bを押圧する時間である。
【0048】
例えば、用紙束Bを構成する用紙の枚数が少ない場合、この用紙束Bを綴じるために必要な押圧時間が短くなる。一方、用紙束Bを構成する用紙の枚数が多い場合、この用紙束Bを綴じるために必要な押圧時間が長くなる。
そして、用紙の枚数が少ない用紙束Bに対する綴じ処理を行う場合に、用紙の枚数が多い用紙束Bを綴じるための時間と同じ押圧時間が設定されると、必要以上に負荷をかけ続けると、綴じる際の時間が不要に長くなり生産性が落ちたり、用紙束Bのうちの綴じが施される部分が破れる場合がある。また、用紙の枚数が多い用紙束Bに対する綴じ処理を行う場合に、用紙の枚数が少ない用紙束Bを綴じるための時間と同じ押圧時間が設定されると、用紙束Bに対する押圧が不十分になり、綴じが不完全になる場合がある。
【0049】
これに対し、本実施形態では、用紙処理制御部23が、綴じ処理の対象となる用紙束Bに応じた押圧時間になるよう制御を行う。より具体的には、用紙処理制御部23は、綴じ処理の開始後に上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するタイミングよりも後に上方押圧部材51および下方押圧部材52による押圧を解除するよう制御する。
【0050】
針無し綴じユニット50を用いて用紙束Bを綴じる場合、用紙束Bが押圧され用紙束Bの各用紙を構成する繊維の一部が破断した後、さらに用紙束Bが押圧され用紙束Bにおいて破断により絡まりが弛緩した各用紙の繊維が絡むことで、用紙束Bが綴じられる。ここで、上述の通り、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するタイミングで、用紙束Bにおいて破断により絡まりが弛緩した各用紙の繊維が絡み始める。
そこで、本実施形態では、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するタイミングの後まで用紙束Bの押圧を継続させることで、用紙束Bにおいて破断により絡まりが弛緩した各用紙の繊維が絡むようになるまで押圧時間を確保するようにしている。言い換えると、本実施形態では、用紙束Bが上方押圧部材51および下方押圧部材52に押圧され用紙束Bが上方接続面54cおよび下方接続面58cに沿った状態になるタイミングの後まで用紙束Bの押圧を継続させる。
【0051】
<綴じ制御処理>
次に、綴じ制御処理について説明する。綴じ制御処理は、針無し綴じユニット50による用紙束Bの綴じ処理を制御する処理である。綴じ制御処理は、用紙処理制御部23の制御により行われる。また、針無し綴じユニット50を用いた綴じ処理の実行が用紙処理制御部23に指示されると、綴じ制御処理が開始される。
図7は、綴じ制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0052】
まず、用紙処理制御部23は、綴じ処理の対象となる用紙束Bを構成する用紙の枚数が下限枚数以上であるか否かを判定する(S101)。下限枚数は、綴じ処理の対象となる用紙束Bに応じた押圧時間の設定が必要であると判定するための用紙の枚数の下限値である。下限枚数は、予め定められた第1枚数として捉えられる。下限枚数は、何れの枚数であってもよいが、例えば5枚である。本実施形態では、5枚よりも多い枚数である8枚等の用紙からなる用紙束Bを綴じる場合に押圧時間の設定を行い、5枚よりも少ない枚数である3枚等の用紙からなる用紙束Bを綴じる場合の押圧時間は一律にするという制御をすることで、綴じ処理の効率化を図っている。
用紙束Bを構成する用紙の枚数が下限枚数よりも少ない場合(S101にてNO)、綴じ制御処理が終了する。この場合、用紙処理制御部23は、針無し綴じユニット50を用いて予め定められた時間用紙束Bを押圧することで、用紙束Bの綴じ処理を行う。この予め定められた時間は、綴じ処理の対象となる用紙束Bを構成する用紙の枚数に関わらず設定される。
【0053】
一方、用紙束Bを構成する用紙の枚数が下限枚数以上である場合(S101にてYES)、用紙処理制御部23は、カムモータM1に電流を供給させてカムモータM1を正転駆動させる(S102)。これにより、上方押圧部材51と下方押圧部材52とが近づき、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧が開始される。
【0054】
用紙処理制御部23は、カムモータM1に供給される電流の電流値が供給安定値以上になったか否かを判定する(S103)。供給安定値は、カムモータM1への電流の供給が安定化したと判定するための値である。この供給安定値は、何れの値でもよいが、例えば、1Aである。ここで、モニタS(
図5参照)は、カムモータM1に供給される電流の電流値を測定し、測定した電流値が供給安定値以上になった場合に、用紙処理制御部23に信号を送信する。用紙処理制御部23は、この信号を受信したか否かに基づいて、上記の判定を行う。否定結果が継続している間、用紙処理制御部23は、ステップ103の処理を継続する。
【0055】
一方、カムモータM1に供給される電流の電流値が供給安定値以上になると(S103にてYES)、用紙処理制御部23は、カムモータM1に供給される電流の電流値が非ノイズ値以上減少したか否かを判定する(S104)。非ノイズ値は、カムモータM1に供給される電流の電流値の減少が電源におけるノイズによるものではないと判定するための値である。この非ノイズ値は、例えば、0.5Aである。ここで、モニタSは、カムモータM1に供給される電流の電流値が非ノイズ値以上減少した際に、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少したことを検出する。モニタSは、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少を検出すると、用紙処理制御部23に信号を送信する。用紙処理制御部23は、この信号を受信したか否かに基づいて、上記の判定を行う。否定結果が継続している間、用紙処理制御部23は、ステップ104の処理を継続する。
【0056】
カムモータM1に供給される電流の電流値が非ノイズ値以上減少すると(S104にてYES)、次のステップに進む。
用紙処理制御部23は、特定時間カムモータM1に電流を供給させてカムモータM1を正転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を継続させる。その後、用紙処理制御部23は、カムモータM1を逆転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を解除する(S105)。ここで、特定時間は、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧の開始後において、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少してから用紙束Bの綴じが完了するまでに必要な時間として定められた時間である。特定時間は、綴じ処理の対象となる用紙束Bを構成する用紙の枚数に関わらず設定される。
【0057】
以上の通り、本実施形態では、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bの押圧を開始した後に上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御する。より具体的には、本実施形態では、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少がモニタSに検出された時機よりも後に押圧を解除するよう制御する。言い換えると、本実施形態では、用紙処理制御部23は、用紙束Bが上方押圧部材51および下方押圧部材52に押圧され上方凹凸部54において上方凹部54bから上方凸部54aにわたって形成される面に用紙束Bが沿う時機よりも後に押圧を解除するよう制御する。ここで、上方凹部54bから上方凸部54aにわたって形成される面は、例えば、上方接続面54cである。
【0058】
また、本実施形態では、モニタSは、カムモータM1に供給される電流の値の減少を検出する。特に、本実施形態では、モニタSは、カムモータM1に供給される電流の値が0.5A以上減少した際に、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少を検出する。
【0059】
また、本実施形態では、用紙束Bの用紙の枚数が下限枚数よりも多い場合に、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷が減少する時機よりも後に押圧を解除するよう制御を行う。
【0060】
<変形例>
次に、綴じ制御処理の変形例について説明する。
図8は、変形例としての綴じ制御処理の流れを示したフローチャートである。
まず、用紙処理制御部23は、ステップ201乃至ステップ203の処理を行う。このステップ201乃至ステップ203は、
図7に示した綴じ制御処理のステップ102乃至ステップ104の処理と同一の処理である。
【0061】
カムモータM1に供給される電流の電流値が非ノイズ値以上減少すると(S203にてYES)、用紙処理制御部23は、綴じ処理の対象である用紙束Bを構成する用紙の枚数が負荷減少枚数以下であるか否かを判定する(S204)。負荷減少枚数は、上方押圧部材51および下方押圧部材52による押圧により用紙束Bにかかる負荷を減少させる必要があると判定するための用紙の枚数の閾値である。負荷減少枚数は、何れの枚数であってもよいが、例えば、3枚である。また、負荷減少枚数は、予め定められた第2枚数として捉えられる。
【0062】
用紙束Bを構成する用紙の枚数が負荷減少枚数よりも多い場合(S204にてNO)、次のステップに進む。
用紙処理制御部23は、デューティ比を第1の値とするパルスを特定時間カムモータM1に供給させて正転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を継続させる。その後、用紙処理制御部23は、カムモータM1を逆転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を解除する(S205)。なお、デューティ比とは、パルスの周期に対するパルス幅の割合である。第1の値は、例えば、0.5である。
【0063】
また、用紙束Bを構成する用紙の枚数が負荷減少枚数以下である場合(S204にてYES)、ステップ206に進む。
用紙処理制御部23は、デューティ比を第2の値とするパルスを特定時間カムモータM1に供給させて正転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を継続させる。その後、用紙処理制御部23は、カムモータM1を逆転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を解除する(S206)。ここで、第2の値は、第1の値よりも小さい値である。第2の値は、例えば、0.25である。
【0064】
なお、上述した例では、用紙束Bを構成する用紙の枚数が負荷減少枚数以下であるか否かによって、カムモータM1に供給するパルスのデューティ比を変化させているが、これに限定されない。
用紙処理制御部23は、例えば、用紙の枚数が負荷減少枚数よりも多い場合にはパルスを特定時間カムモータM1に供給させ、用紙の枚数が負荷減少枚数以下である場合には直流の電流を特定時間カムモータM1に供給させてもよい。また、用紙処理制御部23は、用紙束Bを構成する用紙の枚数が負荷減少枚数以下である場合には、負荷減少枚数よりも多い場合に比べて、カムモータM1に電流を供給する時間を短くしてもよい。すなわち、用紙束Bを構成する用紙の枚数が負荷減少枚数以下である場合には、負荷減少枚数よりも多い場合に比べて、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するように制御すればよい。
【0065】
以上の通り、変形例においては、用紙処理制御部23は、用紙束Bの用紙の枚数が負荷減少枚数より少ない場合、多い場合よりも、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少後における上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷を減少させる。
【0066】
<変形例2>
続いて、綴じ制御処理の他の変形例(変形例2)について説明する。
図9(a)は、針無し綴じユニット50が綴じ処理を開始してから経過した時間と、カムモータM1に供給される電流の電流値との関係を示した図である。また、
図9(b)は、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するまでに電流が供給された時間の長さと、負荷の減少後における押圧時間との対応関係を示した図である。
【0067】
上述した通り、本実施形態では、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷が減少するタイミングよりも後に押圧を解除する。ここで、綴じ処理の対象となる用紙束Bを構成する用紙の枚数によっては、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少後における押圧時間として、綴じの性能の確保に必要な時間が異なる場合がある。例えば、用紙束Bを構成する用紙の枚数が少ない場合や、用紙自体の厚さが薄かったり、隙間が多かったりする等により用紙束Bが変形しやすい場合は、用紙束Bが凹凸の歯に沿いやすく、かつ、綴じに必要な用紙束Bの変化も起こりやすい。一方、用紙束Bを構成する用紙の枚数が多い場合や、用紙自体の厚さが厚かったり、隙間が少なかったりする等により用紙束Bが変形しにくい場合は、用紙束Bが凹凸の歯に沿いにくく、かつ、綴じに必要な用紙束Bの変化も起こりにくい。よって、用紙束Bが凹凸の歯に沿うまでの時間、すなわち上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するまでにかかった時間と、その後に必要な負荷の量とは相対関係がある。
【0068】
そこで、変形例2においては、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少後における押圧時間を、用紙束Bに応じた時間に制御する。より具体的には、カムモータM1への電流の供給が開始されてから上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するまでの時間に応じて、押圧時間を設定する。また、カムモータM1への電流の供給が開始されてから上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少する直前までの時間において、カムモータM1に供給された電流の電流値の時間に対する傾きに応じて、押圧時間を設定する。
【0069】
綴じ処理の開始後においてカムモータM1への電流の供給が開始されるタイミングを時間T4(
図9(a)参照)とし、カムモータM1に供給される電流の電流値が減少するタイミングを時間T5とする。
用紙束Bを構成する用紙の枚数が多くなると、時間T4から時間T5までの時間が長くなる場合があり、この場合、時間T5から用紙束Bの綴じが完了するまでに必要な押圧時間も長くなることがある。また、用紙束Bを構成する用紙の枚数が少なくなると、時間T4から時間T5までの時間が短くなる場合があり、この場合、時間T5から用紙束Bの綴じが完了するまでに必要な押圧時間も短くなることがある。本実施形態では、時間T4から時間T5までの時間が長い場合には、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少後の押圧時間が長くなるように制御する。また、時間T4から時間T5までの時間が短い場合には、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少後の押圧時間が短くなるように制御する。なお、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少後における押圧時間を、以下では、減少後押圧時間と称する。
【0070】
また、用紙束Bを構成する用紙の枚数が多くなると、カムモータM1に供給される電流の電流値の増加時において、時間に対する電流値の傾きが大きくなる場合がある。すなわち、用紙の枚数が多い用紙束Bほど、押圧された場合に生じる用紙束Bの反力が大きくなるが、この反力が大きい分だけ、上方押圧部材51と下方押圧部材52とを近づけるために必要な電流値が大きくなり、時間に対する電流値の傾きが大きくなる。また、用紙束Bを構成する用紙の枚数が少なくなると、カムモータM1に供給される電流の電流値の増加時において、時間に対する電流値の傾きが小さくなる場合がある。本実施形態では、この電流値の傾きが大きい場合には、減少後押圧時間が長くなるように制御する。また、電流値の傾きが小さい場合には、減少後押圧時間が短くなるように制御する。
【0071】
モニタSは、予め定められた時間ごとに、カムモータM1に供給される電流の電流値を示す情報を用紙処理制御部23に送信する。予め定められた時間は、例えば、0.1秒である。用紙処理制御部23は、モニタSから取得した情報から、時間T4から時間T5までの時間の長さを算出する。また、モニタSから取得した情報から、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少する前のカムモータM1への電流の供給時間に対する電流値の傾きを算出する。
【0072】
図9(b)に示された「時間」は、用紙処理制御部23に算出された時間T4から時間T5までの時間の長さを意味する。また、
図9(b)に示された「傾き」は、用紙処理制御部23に算出された電流値の傾きを意味する。
時間T4から時間T5までの時間が長期時間よりも「短」く、電流値の傾きが長期傾斜値よりも「小」さい場合、用紙処理制御部23は、減少後押圧時間を、第1時間に設定する。ここで、長期時間および長期傾斜値は、何れも、綴じの性能を確保するために減少後押圧時間を長くする必要があると判定するための閾値である。
また、時間T4から時間T5までの時間が長期時間よりも「長」く、電流値の傾きが長期傾斜値よりも「小」さい場合、用紙処理制御部23は、減少後押圧時間を、第2時間に設定する。第2時間は、第1時間よりも長い時間である。
【0073】
また、時間T4から時間T5までの時間が長期時間よりも「短」く、電流値の傾きが長期傾斜値よりも「大」きい場合、用紙処理制御部23は、減少後押圧時間を、第2時間に設定する。
さらに、時間T4から時間T5までの時間が長期時間よりも「長」く、電流値の傾きが長期傾斜値よりも「大」きい場合、用紙処理制御部23は、減少後押圧時間を、第3時間に設定する。この第3時間は、第2時間よりも長い時間である。
【0074】
図10は、変形例2における綴じ制御処理の流れを示したフローチャートである。
まず、用紙処理制御部23は、ステップ301乃至ステップ303の処理を行う。このステップ301乃至ステップ303の処理は、
図7に示した綴じ制御処理におけるステップ102乃至ステップ104の処理と同一の内容である。
【0075】
カムモータM1に供給される電流の電流値が非ノイズ値以上減少すると(S303にてYES)、次のステップに進む。
用紙処理制御部23は、カムモータM1への電流の供給が開始されてから上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するまでの時間、およびカムモータM1に供給された電流の電流値の時間に対する傾きを算出する(S304)。
用紙処理制御部23は、算出した時間の長さおよび電流値の傾きに応じて、減少後押圧時間を、第1時間、第2時間および第3時間のうちの何れかに設定する。そして、設定した時間カムモータM1に電流を供給させて正転駆動し、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を継続させる。その後、用紙処理制御部23は、カムモータM1を逆転駆動させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧を解除する(S305)。
【0076】
以上の通り、本実施形態では、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷が減少する時機よりも後における上方押圧部材51および下方押圧部材52の押圧時間を制御する。より具体的には、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bの押圧を開始してから上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷が減少するまでの時間に基づいて、押圧時間を設定する。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
本実施形態では、モニタSが、カムモータM1に供給される電流の電流値の減少を検出した際に、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少を検出している。ここで、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少を検出する手法は、電流値を検出する手法に限定されない。
例えば、カムモータM1の出力を検出する出力センサを針無し綴じユニット50に設けてもよい。カムモータM1の出力とは、カムモータM1がカム59を駆動する力である。カムモータM1に供給される電流値が減少すると、このカムモータM1の出力が低下する。言い換えると、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少すると、上方押圧部材51と下方押圧部材52とを近づけるために必要なカムモータM1の出力が低下する。そこで、出力センサは、カムモータM1の駆動力の低下を検出するようにしてもよい。より具体的には、出力センサが、カムモータM1の出力の低下を検出した際に、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少を検出するようにしてもよい。そして、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少したことを出力センサから通知されると、その後の押圧時間を制御するようにしてもよい。この場合に、出力センサは、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少を検出する検出手段として捉えられる。
【0079】
また、上方押圧部材51の上方凹凸部54(
図6(b)参照)と下方押圧部材52の下方凹凸部58との距離を検出する距離センサを針無し綴じユニット50に設けてもよい。上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するときには、
図6(b)に示した隙間G1および隙間G2に用紙束Bが入り込むことに伴い、上方凹凸部54と下方凹凸部58とが単位時間当たりに近づく程度が大きくなる。そこで、距離センサは、上方凸部54aとこの上方凸部54aに対向する下方凹部58bとの間の距離の単位時間当たりの変化量が予め定められた変化量よりも大きいことを検出した際に、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少を検出してもよい。予め定められた変化量は、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少したと判定するための閾値である。そして、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少したことを距離センサから通知されると、その後の押圧時間を制御するようにしてもよい。この場合に、距離センサは、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少を検出する検出手段として捉えられる。
【0080】
また、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bに与える圧力を検出する圧力センサを針無し綴じユニット50に設けてもよい。上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するときには、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bに与える圧力が減少する。そこで、圧力センサは、用紙束Bに与えられる圧力の減少を検出した際に、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷の減少を検出してもよい。そして、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少したことを圧力センサから通知されると、その後の押圧時間を制御するようにしてもよい。この場合に、圧力センサは、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少を検出する検出手段として捉えられる。
【0081】
また、本実施形態では、用紙処理制御部23が押圧時間を制御することを説明したが、これに限定されない。
例えば、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52にかかる負荷が減少するタイミングに応じて、上方押圧部材51および下方押圧部材52が用紙束Bに与える圧力を制御してもよい。用紙処理制御部23は、例えば、用紙束Bを押圧する時間を長くする代わりに、カムモータM1に供給する電流の電流値を増加させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧力を増加させてもよい。また、用紙処理制御部23は、用紙束Bを押圧する時間を短くする代わりに、カムモータM1に供給する電流の電流値を減少させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52による用紙束Bの押圧力を低減させてもよい。
【0082】
また、カムモータM1の回転数を検出する回転数センサを針無し綴じユニット50に設けてもよい。そして、用紙処理制御部23は、回転数センサからカムモータM1の回転数の情報を取得し、取得した情報から、カムモータM1の回転数を制御してもよい。例えば、用紙処理制御部23は、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少後において、カムモータM1を予め定められた回数正転させてから、カムモータM1を逆転させ、上方押圧部材51および下方押圧部材52の押圧を解除するように制御してもよい。予め定められた回数は、上方押圧部材51および下方押圧部材52の負荷の減少後において用紙束Bを綴じるために必要なカムモータM1の回転数である。また、用紙処理制御部23は、例えば、用紙束Bを押圧する時間を長くする代わりに、綴じが終了するまでのカムモータM1の回転数を多くしてもよい。また、用紙処理制御部23は、用紙束Bを押圧する時間を短くする代わりに、綴じが終了するまでのカムモータM1の回転数を少なくしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
50…針無し綴じユニット、51…上方押圧部材、52…下方押圧部材、54…上方凹凸部、54a…上方凸部、54b…上方凹部、54c…上方接続面、58…下方凹凸部、58a…下方凸部、58b…下方凹部、58c…下方接続面、59…カム、500…画像形成システム、M1…カムモータ、S…モニタ