IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-印刷装置 図1
  • 特許-印刷装置 図2
  • 特許-印刷装置 図3
  • 特許-印刷装置 図4
  • 特許-印刷装置 図5
  • 特許-印刷装置 図6
  • 特許-印刷装置 図7
  • 特許-印刷装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231031BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231031BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231031BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231031BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20231031BHJP
   H04N 1/44 20060101ALI20231031BHJP
   H04N 1/21 20060101ALI20231031BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/38 203
B41J29/00 Z
G03G21/00 388
H04N1/00 838
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
H04N1/32 358
H04N1/44
H04N1/21
G06F3/12 322
G06F3/12 338
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019216049
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021084374
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】浦川 豊
(72)【発明者】
【氏名】桜木 雄一郎
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-022783(JP,A)
【文献】特開2015-026115(JP,A)
【文献】特開2019-142171(JP,A)
【文献】特開2018-133679(JP,A)
【文献】米国特許第08179549(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録媒体に印刷する印刷部と、
添付データが添付された電子メールを受信する受信部と、
ユーザIDおよびパスワードを含むユーザ情報が入力される入力部と、
前記添付データを蓄積可能な記憶部と、
ユーザ情報とメールアドレスとが紐づいて登録されているテーブルにアクセス可能な制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記受信部が前記電子メールを受信した際、前記電子メールを解析し前記電子メールの送信元メールアドレスが、前記テーブルに存在するか否かを判定する第1判定処理と、
前記第1判定処理において前記送信元メールアドレスが前記テーブルに存在すると判定した場合に、前記送信元メールアドレスに紐づいているユーザ情報を前記テーブルから取得し、取得したユーザ情報に紐づけて前記添付データを前記記憶部に記憶する蓄積処理と、
前記入力部から入力されたユーザ情報を認証する認証処理と、
前記認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づいて蓄積された前記記憶部内の前記添付データを前記印刷部を用いて印刷する印刷処理と、
前記第1判定処理において前記送信元メールアドレスが前記テーブルに存在しないと判定した場合に、前記電子メールの題目が前記テーブルに登録されているユーザ情報と一致するか否かを判定する第2判定処理と、
前記第2判定処理において前記題目がユーザ情報と一致すると判定した場合に、前記題目と一致したユーザ情報と、前記送信元メールアドレスと、前記添付データと、を紐づけて、前記記憶部に記憶する登録処理と、
を実行することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
画像を表示する表示部をさらに備え、
前記登録処理は、
前記第2判定処理において前記題目がユーザ情報と一致すると判定した場合に、前記題目と一致したユーザ情報と、前記送信元メールアドレスと、前記添付データと、を紐づけて、前記記憶部に設定された前記テーブルと異なる仮登録テーブルに記憶する仮登録処理と、
前記認証処理によって認証されたユーザ情報と、前記仮登録テーブルに記憶されたユーザ情報とが一致する場合に、前記仮登録テーブルに記憶された送信元メールアドレスを前記テーブルに登録するか否かを選択する画面を前記表示部に表示する表示処理と、
前記送信元メールアドレスを前記テーブルに登録することを示す情報が前記入力部で入力された場合に、前記認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づけて、当該ユーザ情報に紐づけられている前記仮登録テーブル内の送信元メールアドレスを前記テーブルに登録する本登録処理と、
を有することを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2判定処理において前記題目がユーザ情報と一致しないと判定した場合に、前記電子メールと当該電子メールに添付された添付データとを削除することを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記仮登録テーブルに記憶された送信元メールアドレスを前記テーブルに登録しないことを示す情報が前記入力部で入力された場合に、前記送信元メールアドレスを前記テーブルに登録せずに、前記認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づいた添付データを印刷するか否かを選択する画面を前記表示部に表示し、
前記添付データを印刷することを示す情報が前記入力部で入力された場合に、前記添付データを前記印刷部を用いて印刷することを特徴とする請求項または請求項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記テーブルは、前記記憶部に記憶されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記テーブルは、前記印刷装置と通信可能なサーバに記憶されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を記録媒体に印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザのコンピュータから送信されてきた印刷データを含む電子メールを受信し、受信した電子メールの印刷データを印刷可能な出力端末が知られている(特許文献1参照)。この技術では、出力端末においてユーザがメールアドレスを入力すると、ユーザが過去に出力端末に送信した電子メールの印刷データが、出力端末で印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-306446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置が電子メールを受信し、ユーザが印刷装置にその電子メールのメールアドレスを入力することに応じて、印刷装置が電子メールに添付された添付データを印刷できるようにすることが考えられる。その場合、そのメールアドレスは、ユーザ以外の人も知っている可能性があるので、ユーザ以外の人がメールアドレスの入力をすることによって印刷装置が添付データを印刷するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、電子メールに添付された添付データを印刷可能な印刷装置においてセキュリティ性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る印刷装置は、画像を記録媒体に印刷する印刷部と、添付データが添付された電子メールを受信する受信部と、ユーザIDおよびパスワードを含むユーザ情報が入力される入力部と、前記添付データを蓄積可能な記憶部と、ユーザ情報とメールアドレスとが紐づいて登録されているテーブルにアクセス可能な制御部と、を備える。
前記制御部は、前記受信部が前記電子メールを受信した際、前記電子メールを解析し前記電子メールの送信元メールアドレスが、前記テーブルに存在するか否かを判定する第1判定処理と、前記第1判定処理において前記送信元メールアドレスが前記テーブルに存在すると判定した場合に、前記送信元メールアドレスに紐づいているユーザ情報を前記テーブルから取得し、取得したユーザ情報に紐づけて前記添付データを前記記憶部に記憶する蓄積処理と、前記入力部から入力されたユーザ情報を認証する認証処理と、前記認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づいて蓄積された前記記憶部内の前記添付データを前記印刷部を用いて印刷する印刷処理と、を実行する。
【0007】
メールアドレスに紐づくユーザIDとパスワードの組み合わせがあり、ユーザIDとパスワードを含むユーザ情報の入力によって、ユーザIDに紐づく電子メールの添付データの印刷を可能とすることで、単なるメールアドレスを入力する場合と比べてセキュリティ性を高めることができる。
【0008】
また、前記制御部は、前記第1判定処理において前記送信元メールアドレスが前記テーブルに存在しないと判定した場合に、前記電子メールの題目が前記テーブルに登録されているユーザ情報と一致するか否かを判定する第2判定処理と、前記第2判定処理において前記題目がユーザ情報と一致すると判定した場合に、前記題目と一致したユーザ情報と、前記送信元メールアドレスと、前記添付データと、を紐づけて、前記記憶部に記憶する登録処理と、を実行してもよい。
【0009】
これによれば、メールアドレスがテーブルに登録されていないユーザであっても、電子メールの題目にユーザ情報を入力して電子メールを送信するだけで、電子メールに添付した添付データを印刷することができる。
【0010】
また、前記印刷装置は、画像を表示する表示部をさらに備え、前記登録処理は、前記第2判定処理において前記題目がユーザ情報と一致すると判定した場合に、前記題目と一致したユーザ情報と、前記送信元メールアドレスと、前記添付データと、を紐づけて、前記記憶部に設定された前記テーブルと異なる仮登録テーブルに記憶する仮登録処理と、前記認証処理によって認証されたユーザ情報と、前記仮登録テーブルに記憶されたユーザ情報とが一致する場合に、前記仮登録テーブルに記憶された送信元メールアドレスを前記テーブルに登録するか否かを選択する画面を前記表示部に表示する表示処理と、前記送信元メールアドレスを前記テーブルに登録することを示す情報が前記入力部で入力された場合に、前記認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づけて、当該ユーザ情報に紐づけられている前記仮登録テーブル内の送信元メールアドレスを前記テーブルに登録する本登録処理と、を有していてもよい。
【0011】
これによれば、ユーザに対して送信元メールアドレスをテーブルに登録するか否かを選択させるので、ユーザの意思により送信元メールアドレスのテーブルへの登録を選択することができる。例えば、所定のユーザが、他人のパソコンを借りて他人の送信元メールアドレスで添付データを印刷装置に送信した場合には、所定のユーザは、他人の送信元メールアドレスを登録しないことを選択することができる。
【0012】
また、前記制御部は、前記第2判定処理において前記題目がユーザ情報と一致しないと判定した場合に、前記電子メールと当該電子メールに添付された添付データとを削除してもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記仮登録テーブルに記憶された送信元メールアドレスを前記テーブルに登録しないことを示す情報が前記入力部で入力された場合に、前記送信元メールアドレスを前記テーブルに登録せずに、前記認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づいた前記仮登録テーブル内の添付データを印刷するか否かを選択する画面を前記表示部に表示し、前記添付データを印刷することを示す情報が前記入力部で入力された場合に、前記添付データを前記印刷部を用いて印刷してもよい。
【0014】
これによれば、例えば常時使用していないメールアドレスの電子メールを使って添付データを送信した場合などにおいて、メールアドレスの登録をしないで、印刷のみを実行することができる。
【0015】
また、前記テーブルは、前記記憶部に記憶されていてもよい。
【0016】
また、前記テーブルは、前記印刷装置と通信可能なサーバに記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電子メールに添付された添付データを印刷可能な印刷装置においてセキュリティ性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る印刷システムを示す図である。
図2】テーブルに登録される情報を示す図(a)と、仮登録テーブルに登録される情報を示す図(b)である。
図3】メインループ処理を示すフローチャートである。
図4】メール解析処理を示すフローチャートである。
図5】ログイン処理を示すフローチャートである。
図6】テーブルにメールアドレスが登録されている第1ユーザが印刷装置にログインするときのタッチパネルの画面の推移を示す図である。
図7】テーブルにメールアドレスが登録されていない第3ユーザが印刷装置にログインするときのタッチパネルの画面の推移を示す図である。
図8】印刷システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、印刷システム1は、端末2と、メールサーバ3と、印刷装置4とを備えている。
【0020】
端末2は、CPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有している。端末2は、インターネットなどを介して、メールサーバ3と通信可能となっている。端末2は、電子メールをメールサーバ3に送信可能となっている。なお、端末2は、コンピュータやタブレット型の携帯端末などである。
【0021】
メールサーバ3は、CPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有している。メールサーバ3は、複数の端末2および印刷装置4と通信可能となっている。メールサーバ3は、端末2から送信された電子メールを記憶し、印刷装置4を含む他の端末からの要求により、記憶した電子メールを他の端末に送信する。
【0022】
印刷装置4は、用紙などの記録媒体に画像を印刷する装置である。印刷装置4は、FAX、コピー、スキャンなどの機能も有する。印刷装置4は、入力部および表示部の一例としてのタッチパネル41と、印刷部42と、受信部の一例としての通信部43と、記憶部44と、制御部45とを備えている。
【0023】
タッチパネル41は、画像を表示する機能を有するとともに、画像で表示されたボタンにユーザが触れることで様々な情報が入力される機能を有している。具体的に、タッチパネル41には、ユーザIDおよびパスワードを含むユーザ情報などが入力可能となっている。タッチパネル41に入力された情報は、制御部45に出力される。
【0024】
印刷部42は、用紙などの記録媒体に画像を印刷する機能を有している。印刷部42は、感光体、帯電器、露光器、現像器、転写器、定着器などを備えている。帯電器は、感光体を帯電させる機能を有する。露光器は、感光体を露光して感光体上に静電潜像を形成する機能を有する。現像器は、感光体の静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する機能を有する。転写器は、感光体上のトナー像を記録媒体に転写する機能を有する。定着器は、記録媒体にトナー像を定着させる機能を有する。
【0025】
通信部43は、添付データの一例としての添付ファイルが添付された電子メールを受信する機能を有している。通信部43は、電子メールを受信するためのLANインターフェースや、電話回線が接続されてFAXを送受信するモデムなどであってもよい。詳しくは、制御部45は、宛先が印刷装置4のメールアドレスとなる電子メールがメールサーバ3に存在するかを、所定の周期でメールサーバ3に問い合わせる。そして、宛先が印刷装置4のメールアドレスとなる電子メールがメールサーバ3に存在する場合に、制御部45が、通信部43を介してメールサーバ3から電子メールを受信する。
【0026】
記憶部44は、第1記憶部44Aと、第2記憶部44Bとを備えている。
【0027】
第1記憶部44Aは、書換可能な不揮発性メモリである。第1記憶部44Aには、ローカルデータベースが設定されている。ローカルデータベースには、図2(a)に示すように、ユーザ情報とメールアドレスが登録可能なテーブルTB1が記憶されている。ユーザ情報は、ユーザIDと、パスワードの一例としてのPINコードを含んでいる。ユーザ情報として登録される各情報(ユーザID、PINコード)とメールアドレスは、互いに紐づけられてテーブルTB1に登録されている。
【0028】
具体的には、ユーザIDが「user_a」である第1ユーザについては、ユーザID、PINコードおよびメールアドレスが互いに紐づけられて、第1ユーザのユーザ情報としてテーブルTB1に登録されている。ユーザIDが「user_b」である第2ユーザも同様に、ユーザID、PINコードおよびメールアドレスが互いに紐づけられて、第2ユーザのユーザ情報としてテーブルTB1に登録されている。ユーザIDが「user_c」である第3ユーザについては、現状ではメールアドレスは登録されておらず、ユーザIDおよびPINコードが互いに紐づけられて、第3ユーザのユーザ情報としてテーブルTB1に登録されている。
【0029】
ここで、ユーザ情報は、基本的に、ローカルデータベースの管理者によってテーブルTB1に登録される。本実施形態では、管理者以外のユーザ、詳しくは印刷装置4によって認証されたユーザであれば、印刷装置4の操作によって、認証されたユーザ情報に紐づけてメールアドレスを追加で登録することが可能となっている。
【0030】
第2記憶部44Bは、揮発性のRAMである。第2記憶部44Bには、図2(b)に示すテーブルTB1とは異なる仮登録テーブルTB2が設定(記憶)されている。また、第2記憶部44Bは、電子メールに添付された添付ファイルを蓄積可能となっている。
【0031】
制御部45は、ROMに記憶されたプログラムに従って動作するCPUである。制御部45は、記憶部44にアクセス可能となっている。
【0032】
制御部45は、第1判定処理と、蓄積処理と、認証処理と、印刷処理と、第2判定処理と、登録処理と、を実行する機能を有する。
【0033】
第1判定処理は、通信部43が電子メールを受信した際、当該電子メールを解析し電子メールの送信元メールアドレス(From)が、テーブルTB1に存在するか否かを判定する処理である。蓄積処理は、第1判定処理において送信元メールアドレスがテーブルTB1に存在すると判定した場合に、送信元メールアドレスに紐づいているユーザ情報をテーブルTB1から取得し、取得したユーザ情報に紐づけて添付ファイルを第2記憶部44Bに記憶する処理である。
【0034】
認証処理は、タッチパネル41から入力されたユーザ情報を認証する処理である。具体的に、制御部45は、認証処理において、タッチパネル41から入力されたユーザIDおよびPINコードが、テーブルTB1に記憶されているユーザIDおよびPINコードと一致するか否かを判断する。
【0035】
印刷処理は、認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づいて蓄積された第2記憶部44B内の添付ファイルを印刷部42を用いて印刷する処理である。
【0036】
第2判定処理は、第1判定処理において送信元メールアドレスがテーブルTB1に存在しないと判定した場合に、電子メールの題目(Subject)がテーブルTB1に登録されているユーザ情報と一致するか否かを判定する処理である。詳しくは、制御部45は、第2判定処理において、電子メールの題目に入力されたユーザIDが、テーブルTB1に登録されているユーザIDと一致するか否かを判定する。
【0037】
登録処理は、第2判定処理において電子メールの題目がユーザIDと一致すると判定した場合に、題目と一致したユーザIDと、送信元メールアドレスと、添付ファイルと、を紐づけて、記憶部44に記憶する処理である。登録処理は、仮登録処理と、表示処理と、本登録処理とを有する。
【0038】
仮登録処理は、第2判定処理において電子メールの題目がユーザIDと一致すると判定した場合に、題目と一致したユーザIDと、送信元メールアドレスと、添付ファイルと、を紐づけて、仮登録テーブルTB2に記憶する処理である。詳しくは、制御部45は、仮登録処理において、送信元メールアドレスを、テーブルTB1に本登録する候補となるメールアドレスとして仮登録テーブルTB2に登録する。また、制御部45は、仮登録処理において、添付ファイルのファイル名を仮登録テーブルTB2に登録するとともに、添付ファイルを、第2記憶部44Bのうち仮登録テーブルTB2とは別の記憶領域に記憶する。
【0039】
表示処理は、認証処理によって認証されたユーザIDと、仮登録テーブルTB2に記憶されたユーザIDとが一致する場合に、仮登録テーブルTB2に記憶された送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録するか否かを選択する画面(図7のアドレス登録画面G11参照)をタッチパネル41に表示する処理である。
【0040】
本登録処理は、前述したアドレス登録画面G11(図7参照)において、送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録することを示す情報(YES)がタッチパネル41で入力された場合に、認証処理によって認証されたユーザ情報に紐づけて、当該ユーザ情報に紐づけられている仮登録テーブルTB2内の送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録する処理である。
【0041】
また、制御部45は、第2判定処理において電子メールの題目がユーザIDと一致しないと判定した場合に、電子メールと当該電子メールに添付された添付ファイルとを削除する機能を有している。
【0042】
また、制御部45は、前述したアドレス登録画面G11(図7参照)において、仮登録テーブルTB2に記憶された送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録しないことを示す情報(NO)がタッチパネル41で入力された場合に、送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録せずに、認証処理によって認証されたユーザIDに紐づいた添付ファイルを印刷するか否かを選択する画面(図7に示す印刷選択画面G12参照)をタッチパネル41に表示する機能を有している。さらに、制御部45は、前述した印刷選択画面G12において、添付ファイルを印刷することを示す情報(YES)がタッチパネル41で入力された場合に、添付ファイルを印刷部42を用いて印刷する機能を有している。
【0043】
次に、制御部45の動作の詳細について、図3図5に示すフローチャートを用いて説明する。制御部45は、図3に示すメインループ処理を繰り返し実行している。
【0044】
メインループ処理において、制御部45は、まず、メールチェックまでの時間のカウントを開始する(S1)。ここで、メールチェックは、宛先が印刷装置4のメールアドレスとなる電子メール(以下、「受信メール」ともいう。)がメールサーバ3に存在するかをメールサーバ3に問い合わせる処理である。メールチェックは、所定の周期で実行される。
【0045】
ステップS1の後、制御部45は、メールチェックを実行する時間になったか否かを判定する(S2)。ステップS2においてメールチェックを実行する時間になったと判定した場合には(Yes)、メールサーバ3に受信メールがあるかを確認する(S3)。詳しくは、ステップS3において、制御部45は、メールサーバ3における印刷装置4のために割り当てられた所定のメールボックスにアクセスする。
【0046】
ステップS3の後、制御部45は、メールサーバ3に未受信の受信メールがあったか否かを判定する(S4)。ステップS4において未受信の受信メールがあったと判定した場合には(Yes)、制御部45は、未受信の受信メールを受信して、メール解析処理を実行する(S5)。なお、メール解析処理については、後で詳述する。
【0047】
ステップS5の後、または、ステップS4においてNoと判定した場合には、制御部45は、メールチェックまでの時間のカウントを開始する(S6)。ステップS6の後、制御部45は、ステップS2の処理に戻る。
【0048】
ステップS2においてメールチェックを実行する時間になっていないと判定した場合には(No)、制御部45は、タッチパネル41が操作されたか否かを判定する(S7)。ステップS7においてタッチパネル41が操作されたと判定した場合には(Yes)、制御部45は、タッチパネル41への操作が、印刷装置4にログインするための操作であるか否かを判定する(S8)。
【0049】
ステップS8においてタッチパネル41への操作がログインするための操作であると判定した場合には(Yes)、制御部45は、ログイン処理を実行する(S9)。なお、ログイン処理については、後で詳述する。ステップS9の後、制御部45は、ステップS2の処理に戻る。
【0050】
ステップS7においてタッチパネル41が操作されていないと判定した場合(No)、または、ステップS8においてユーザがログインしていないと判定した場合には(No)、制御部45は、その他の処理を実行して(S10)、ステップS2の処理に戻る。ここで、その他の処理としては、例えば、印刷装置4が受信したFAXを印刷部42で印刷する処理などが挙げられる。
【0051】
図4に示すように、メール解析処理において、制御部45は、まず、受信メールの送信元メールアドレスを確認する(S21)。詳しくは、ステップS21において、制御部45は、受信メールから送信元メールアドレスを取得する。
【0052】
ステップS21の後、制御部45は、取得した送信元メールアドレスが、テーブルTB1に登録されたメールアドレスと一致するか否かを判定する(S22)。ここで、ステップS22の処理は、前述した第1判定処理である。
【0053】
ステップS22において送信元メールアドレスがテーブルTB1内のメールアドレスと一致した、つまり送信元メールアドレスが既にテーブルTB1に登録されていると判定した場合には(Yes)、制御部45は、送信元メールアドレスに一致したテーブルTB1内のメールアドレスに対応するユーザIDを確認、詳しくは取得する(S23)。
【0054】
ステップS23の後、制御部45は、ステップS23で取得したユーザIDと、ステップS21で取得した送信元メールアドレスに対応する添付ファイルのファイル名と、候補フラグ「NO」とを、仮登録テーブルTB2に記憶する(S24)。
【0055】
ここで、候補フラグは、送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録する候補として指定するためのフラグである。候補フラグが、YES(詳しくは「1」)である場合、送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録する候補として指定していることを示す。また、候補フラグが、NO(詳しくは「0」)である場合、送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録する候補として指定しないことを示す。
【0056】
ステップS24の後、制御部45は、ステップS21で取得した送信元メールアドレスに対応する添付ファイルを、ファイル名やユーザID等の仮登録テーブルTB2に登録した情報と紐づけて、印刷データとして第2記憶部44Bに記憶する(S25)。ここで、ステップS25の処理は、前述した蓄積処理である。ステップS25の後、制御部45は、メインループ処理に戻る(RETURN)。
【0057】
ステップS22において送信元メールアドレスがテーブルTB1内のメールアドレスと一致しない、つまり送信元メールアドレスがテーブルTB1に登録されていないと判定した場合には(No)、制御部45は、電子メールの題目が、テーブルTB1内のユーザIDと一致するか否かを判定する(S26)。ここで、ステップS26の処理は、前述した第2判定処理である。
【0058】
ステップS26において題目がテーブルTB1内のユーザIDと一致したと判定した場合には(Yes)、制御部45は、ステップS23で取得したユーザIDと、ステップS21で取得した送信元メールアドレスと、当該送信元メールアドレスに対応する添付ファイルのファイル名と、候補フラグ「YES」とを、仮登録テーブルTB2に記憶する(S27)。ここで、ステップS27の処理は、前述した仮登録処理である。ステップS27の後、制御部45は、ステップS25の処理に移行する。
【0059】
ステップS26において題目がテーブルTB1内のユーザIDと一致しないと判定した場合には(No)、制御部45は、電子メールと当該電子メールに添付された添付ファイルとを削除する(S28)。ステップS28の後、制御部45は、メインループ処理に戻る(RETURN)。
【0060】
図5に示すように、ログイン処理において、制御部45は、まず、タッチパネル41から入力されたユーザIDおよびPINコードを第2記憶部44Bに保持(記憶)する(S41)。ステップS41の後、制御部45は、タッチパネル41から入力されたユーザIDおよびPINコードが、テーブルTB1にあるか否かを判定する(S42)。ここで、ステップS42の処理は、前述した認証処理である。
【0061】
ステップS42においてユーザIDおよびPINコードがテーブルTB1にないと判定した場合には(No)、制御部45は、PINコードが間違えているなどのエラー表示をタッチパネル41に表示した後、メインループ処理に戻る(RETURN)。ステップS42においてユーザIDおよびPINコードがテーブルTB1にあると判定した場合には(Yes)、ログインしたユーザのデータが仮登録テーブルTB2に登録されているか否かを判定する(S43)。詳しくは、ステップS43において、制御部45は、認証されたユーザIDと一致するユーザIDと、当該ユーザIDに紐づいたファイル名や送信元メールアドレスが仮登録テーブルTB2に登録されているか否かを判定する。
【0062】
ステップS43においてログインしたユーザのデータが仮登録テーブルTB2に登録されていると判定した場合には(Yes)、制御部45は、当該ユーザのデータのうち候補フラグが「YES」であるか否かを判定する(S44)。ステップS44において候補フラグが「YES」であると判定した場合には(Yes)、制御部45は、仮登録テーブルTB2に登録されている送信元メールアドレスを、認証されたユーザIDに紐づけて、テーブルTB1に登録するか否かを選択するアドレス登録画面G11(図7参照)をタッチパネル41に表示する(S45)。ここで、ステップS45の処理は、前述した表示処理である。
【0063】
ステップS45の後、制御部45は、アドレス登録画面G11においてYESが選択されたか否かを判定する(S46)。ステップS46においてYESが選択されたと判定した場合には(Yes)、制御部45は、仮登録テーブルTB2に登録されている送信元メールアドレスを、認証されたユーザIDに紐づけてテーブルTB1に登録して(S47)、ステップS48の処理に移行する。ここで、ステップS47の処理は、前述した本登録処理である。ステップS46においてNOが選択されたと判定した場合には(No)、制御部45は、ステップS47を飛ばして、つまり本登録処理を実行することなく、ステップS48の処理に移行する。
【0064】
ステップS48において、制御部45は、認証されたユーザIDに紐づいたファイル名の添付ファイルを印刷するか否かを選択する印刷選択画面G12(図7参照)をタッチパネル41に表示する(S48)。ステップS48の後、制御部45は、印刷選択画面G12においてYESが選択されたか否かを判定する(S49)。
【0065】
ステップS49においてYESが選択されたと判定した場合には(Yes)、制御部45は、認証されたユーザIDに紐づいたファイル名の添付ファイルを印刷する(S50)。ここで、ステップS50は、前述した印刷処理である。なお、印刷処理において、制御部45は、印刷中画面G5(図7参照)をタッチパネル41に表示する。
【0066】
ステップS44において候補フラグがNOであると判定した場合には(No)、制御部45は、ステップS45~S49を飛ばして、ステップS50の処理に移行する。つまり、候補フラグがNOである場合には、制御部45は、本登録処理や印刷を選択させる処理を行うことなく、即座に印刷処理(S50)を実行する。
【0067】
印刷処理(S50)の後、制御部45は、ログイン後画面G4(図7参照)をタッチパネル41に表示する(S51)。また、ステップS49においてNOが選択されたと判定した場合には(No)、制御部45は、印刷処理を実行せずに、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示する(S51)。
【0068】
また、ステップS43においてログインしたユーザのデータが仮登録テーブルTB2に登録されていないと判定した場合(No)、制御部45は、ステップS44~S50を飛ばして、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示する(S51)。ステップS51の後、制御部45は、メインループ処理に戻る(RETURN)。
【0069】
次に、制御部45の動作の具体例について説明する。最初に、ユーザIDが「user_a」である第1ユーザが印刷装置4を利用する場合の制御部45の動作について説明する。ここで、第1ユーザは、図2(a)に示すように、自身のユーザID「user_a」およびPINコード「1111」に紐づけられてメールアドレスが既にテーブルTB1に登録されているユーザである。
【0070】
図1に示すように、第1ユーザが自身の端末2から印刷装置4に対して、ファイル名「file1.pdf」の添付ファイルを添付した電子メールを送信すると、電子メールと添付ファイルはメールサーバ3に記憶される。印刷装置4の制御部45は、所定周期でメールサーバ3にアクセスすることで、第1ユーザが送った電子メールおよび添付ファイルを受信する。
【0071】
制御部45は、第1ユーザの電子メールおよび添付ファイルを受信すると、図4に示すメール解析処理を実行する。第1ユーザのメールアドレスは、テーブルTB1に既に登録されているため、制御部45は、メール解析処理におけるステップS22の処理においてYesと判定する。その後、制御部45は、図2(b)に示すように、第1ユーザのユーザID「user_a」と、第1ユーザの電子メールに添付された添付ファイルのファイル名「file1.pdf」と、候補フラグ「NO」とを、仮登録テーブルTB2に記憶する(S24)。次いで、制御部45は、第1ユーザの電子メールに添付された添付ファイルを、ファイル名やユーザID等に紐づけて第2記憶部44Bに蓄積する(S25)。
【0072】
図6に示すように、制御部45は、いずれのユーザもログインしていないときには、ログイン前画面G1をタッチパネル41に表示している。ログイン前画面G1において「public」の文字で表示されているユーザ選択ボタンB1を第1ユーザが選択すると、制御部45は、ユーザ選択画面G2をタッチパネル41に表示する。
【0073】
詳しくは、制御部45は、ユーザ選択画面G2において、テーブルTB1に記憶されている複数のユーザIDの一覧をタッチパネル41に表示する。第1ユーザは、自身のユーザID「user_a」を、タッチパネル41に表示された一覧から選択することで、ユーザID「user_a」をタッチパネル41に入力する。これにより、制御部45は、テーブルTB1の中のユーザID「user_a」と、ユーザが持つユーザID「user_a」とが一致したと判断し、タッチパネル41にPINコードを入力するためのPIN入力画面G3を表示する。
【0074】
PIN入力画面G3においてユーザが自身のPINコード「1111」を入力すると、制御部45は、入力されたPINコード「1111」が、テーブルTB1の中のユーザID「user_a」に紐づいたPINコード「1111」と一致したと判定し、認証OKと判定する。
【0075】
制御部45は、認証OKと判定した場合には、認証したユーザID「user_a」に関するデータが仮登録テーブルTB2に登録されているか否かを判定する(図5のS43)。認証したユーザID「user_a」に関するデータが仮登録テーブルTB2に登録されていない場合には、制御部45は、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示する(S43:No→S51)。
【0076】
認証したユーザID「user_a」に関するデータが仮登録テーブルTB2に登録されている場合には、制御部45は、候補フラグがYESであるか否かを判定する(S44)。第1ユーザに対応した候補フラグは「NO」に設定されているため、制御部45は、ステップS44でNoと判定し、即座に印刷処理を実行する(S50)。印刷処理において、制御部45は、印刷中画面G5をタッチパネル41に表示する。
【0077】
印刷処理が完了すると、制御部45は、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示する。ログイン後画面G4において「user_a」の文字で表示されているユーザ選択ボタンB1を第1ユーザが選択すると、制御部45は、ログアウト選択画面G6をタッチパネル41に表示する。
【0078】
ログアウト選択画面G6において第1ユーザがYESを選択すると、制御部45は、ログイン前画面G1をタッチパネル41に表示する。ログアウト選択画面G6において第1ユーザがNOを選択すると、制御部45は、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示する。なお、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示した状態で、タッチパネル41に対して所定時間の間、入力がない場合には、制御部45は、ログイン前画面G1をタッチパネル41に表示する。
【0079】
次に、ユーザIDが「user_c」である第3ユーザが印刷装置4を利用する場合の制御部45の動作について説明する。ここで、第3ユーザは、図2(a)に示すように、自身のメールアドレスがテーブルTB1に登録されていないユーザであり、ユーザID「user_c」およびPINコード「3333」のみが互いに紐づけられてテーブルTB1に登録されているユーザである。
【0080】
図1に示すように、第3ユーザが自身の端末2から印刷装置4に対して、電子メールの題目に第3ユーザのユーザID「user_c」を入力し、かつ、ファイル名「file3.pdf」の添付ファイルを添付した電子メールを送信すると、電子メールおよび添付ファイルはメールサーバ3に記憶される。印刷装置4の制御部45は、所定周期でメールサーバ3にアクセスすることで、第3ユーザが送った電子メールおよび添付ファイルを受信する。
【0081】
制御部45は、第3ユーザの電子メールおよび添付ファイルを受信すると、図4に示すメール解析処理を実行する。ここで、第3ユーザのメールアドレスは、テーブルTB1に登録されていないため、制御部45は、メール解析処理におけるステップS22の処理においてNoと判定する。その後、制御部45は、ステップS26において、第3ユーザの電子メールの題目にユーザID「user_c」が入力されていることから、第3ユーザの電子メールの題目がテーブルTB1のユーザIDと一致すると判定する。
【0082】
その後、制御部45は、図2(b)に示すように、第3ユーザのユーザID「user_c」と、第3ユーザのメールに添付された添付ファイルのファイル名「file3.pdf」と、候補フラグ「YES」とを、電子メールの送信元メールアドレス「user3@xxx.co.jp」とを、仮登録テーブルTB2に記憶する(S27)。次いで、制御部45は、第3ユーザの電子メールに添付された添付ファイルを、ファイル名やユーザID等に紐づけて第2記憶部44Bに蓄積する(S25)。
【0083】
図7に示すように、第3ユーザが、ユーザ選択画面G2において自身のユーザID「user_c」を選択し、かつ、PIN入力画面G3において自身のPINコード「3333」を入力すると、制御部45は、認証OKと判定する。制御部45は、認証OKと判定した場合には、認証したユーザID「user_c」に関するデータが仮登録テーブルTB2に登録されているか否かを判定する(図5のS43)。
【0084】
認証したユーザID「user_c」に関するデータが仮登録テーブルTB2に登録されている場合には、制御部45は、候補フラグがYESであるか否かを判定する(S44)。第3ユーザに対応した候補フラグは「YES」に設定されているため、制御部45は、ステップS44でYesと判定し、アドレス登録画面G11をタッチパネル41に表示する(S45)。
【0085】
アドレス登録画面G11において第3ユーザがYESを選択すると、制御部45は、仮登録テーブルTB2に登録されている第3ユーザのメールアドレスを、テーブルTB1に登録する本登録処理を実行してから、印刷選択画面G12をタッチパネル41に表示する。アドレス登録画面G11において第3ユーザがNOを選択すると、制御部45は、本登録処理を実行せずに、印刷選択画面G12をタッチパネル41に表示する。
【0086】
印刷選択画面G12において第3ユーザがYESを選択すると、制御部45は、印刷中画面G5をタッチパネル41に表示して、印刷処理を実行する。印刷選択画面G12において第3ユーザがNOを選択すると、制御部45は、印刷処理を実行せずに、ログイン後画面G4をタッチパネル41に表示する。
【0087】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ユーザIDとPINコードは、他人が知らない情報であるため、ユーザIDとPINコードの入力によって、ユーザIDに紐づく電子メールの添付データの印刷を可能とすることで、単なるメールアドレスを入力する場合と比べてセキュリティ性を高めることができる。
【0088】
メールアドレスがテーブルTB1に登録されていないユーザであっても、電子メールの題目にユーザIDを入力して電子メールを送信するだけで、電子メールに添付した添付データを印刷することができる。
【0089】
ユーザに対して送信元メールアドレスをテーブルTB1に登録するか否かを選択させるので、ユーザの意思により送信元メールアドレスのテーブルTB1への登録を選択することができる。例えば、所定のユーザが、他人のパソコンを借りて他人の送信元メールアドレスで添付データを印刷装置4に送信した場合には、所定のユーザは、他人の送信元メールアドレスを登録しないことを選択することができる。
【0090】
アドレス登録画面G11においてメールアドレスを登録しない場合であっても、その後、印刷選択画面G12がタッチパネル41に表示されるので、例えば常時使用していないメールアドレスの電子メールを使って添付ファイルを送信した場合などにおいて、メールアドレスの登録をしないで、印刷のみを実行することができる。
【0091】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0092】
前記実施形態では、印刷装置4の第1記憶部44AにテーブルTB1を記憶したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、印刷装置4と通信可能なサーバ5にテーブルTB1を記憶してもよい。
【0093】
前記実施形態では、入力部および表示部としてタッチパネル41を例示したが、本発明はこれに限定されず、表示部は、タッチ入力不能な液晶パネルであってもよく、また、入力部は、液晶パネルの周囲に設けられる機械式のボタンであってもよい。
【0094】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0095】
4 印刷装置
41 タッチパネル
42 印刷部
43 通信部
44 記憶部
45 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8